JP2015073506A - 遺伝子多型の判定方法 - Google Patents

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大輔 沼井
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俊 坂本
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Tomohiko Higashi
友彦 東
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Mitsuaki Kubo
充明 久保
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祐輔 塚原
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Abstract

【課題】少数の被験体を対象とした、多型部位を含むゲノム領域における被験体の遺伝子型の検出・同定に適した遺伝子多型の判定方法の提供。
【解決手段】第1のフラップ領域と第1型アレル特異的領域とを有する第1型アレル特異的プローブ、第2のフラップ領域と第2型アレル特異的領域とを有する第2型アレル特異的プローブ、インベーダプローブ、第1のFRETプローブ及び第2のFRETプローブを用いて、被験体由来の前記ゲノム領域を含むDNA含有試料、及び第1型コントロールオリゴヌクレオチドと第2型コントロールオリゴヌクレオチドの含有比率が異なる標準試料系列をそれぞれ鋳型としてリアルタイムインベーダアッセイを行う工程と、標準試料ごとに描いたリアルタイムで計測した蛍光強度の反応軌道と、前記DNA含有試料の結果に基づいて、前記被験体の遺伝子型を判定する、遺伝子多型の判定方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、インベーダ法を利用した遺伝子多型の判定方法、特にコピー数多型(CNV)の判定に適した方法に関する。
ある集団の中で1細胞あたりのコピー数が個体間で異なるゲノムの領域のことをコピー数多型(CNV)という。ゲノムDNAの数の多型としては、他に1塩基多型(SNP)、VNTR(Variable Number of Tandem Repeat)やマイクロサテライト多型などが知られているが、これらはすべて1kbp以下(通常、VNTRでは数〜数十塩基程度、マイクロサテライト多型では2〜4塩基程度が1繰り返し単位)であるのに対し、コピー数多型は1kb以上の長さの大きな領域であり、遺伝子全体のコピー数の変化につながることが知られている。SNP等の場合と同様に、集団の中で1%以上の頻度を有するコピー数多型を特にCNP(Copy Number Polymorphism)とも呼ぶ(本明細書においては、以下、頻度にかかわりなくコピー数多型の略称として「CNV」を用いることとする)。
コピー数多型は、対照と比較して相対的にコピー数が多い場合と少ない場合とがあり、それぞれ重複及び欠失と呼ばれる。通常ヒト等の細胞には遺伝子は2個(2コピー)あり、1つは父方、もう1つは母方に由来するとされるが、個体によっては1細胞あたりある遺伝子が1個(1コピー)しかなかったり(欠失)、あるいは3個(3コピー)以上存在する(重複)。遺伝子におけるコピー数の差異は遺伝子産物のレベルに影響を及ぼすので、コピー数多型の中には、ある種の疾患に対する感受性や薬剤応答性及びその副作用に関連する可能性がある。また、遺伝子の中にも、正常な機能を有するアレル、機能が亢進又は減少するアレル、機能を全く失うようなアレルが存在することがあり、単に遺伝子レベルではなく、特定のアレルのコピー数の変化が表現型に影響を及ぼすことがある。
多型ごとにコピー数を算出するためには、遺伝子の総コピー数とアレル比を算出することが必要である。リアルタイム定量PCRを使用して総遺伝子コピー数を決定するための方法は既に確立されており、広く用いられている。また、特許文献1では、従来エンドポイント法として実施されていたインベーダアッセイを改変して、PCR後の酵素反応の間にリアルタイム蛍光を検出できるようになった。当該方法は、PCR−RETINA法(polymerase chain reaction−real−time Invader assay)と命名されている。当該方法により、インベーダ反応がプラトーに達する前の反応初期段階において、アレル比に比例したゲノムの重複、即ち重複から生じるアレルの非対称性を検出できることが見出され、当該方法を、リアルタイム定量PCRによって算出される総コピー数と組み合わせることにより、各アレルのコピー数を同定することに成功した(非特許文献1、2参照。)。
特許第5262230号公報
ホソノ(Hosono)、他7名、Human Mutation、2008年、第29巻、第182〜189ページ。 ホソノ(Hosono)、他12名、Clinical Chemistry、2009年、第55巻、第1546〜1554ページ。
特許文献1に記載の方法では、多数の被験体を対象とした同時クラスター解析を主としているため、少数の被験体を対象とした解析や希少なアレル比の被験体に遭遇した場合の判定が困難であった。特に、臨床応用を見据えた場合、実臨床では一検体でも直ちに検査する必要があるため、単一の被験体を解析可能な方法が求められている。
本発明は、少数の被験体を対象とした、多型部位を含むゲノム領域における被験体の遺伝子型の検出・同定に適した遺伝子多型の判定方法を提供することを目的とする。
本発明に係る遺伝子多型の判定方法及び遺伝子多型判定キットは、以下の通りである。
[1] 多型部位を含むゲノム領域における被験体の遺伝子型を、インベーダアッセイを用いて判定する方法であって、
(a)被験体由来の前記ゲノム領域を含むDNA含有試料を鋳型として、
前記ゲノム領域とはハイブリダイズしない第1のフラップ領域と、前記第1のフラップ領域の3’側に、前記多型部位が第1の遺伝子型であるアレルに対して特異的にハイブリダイズする第1型アレル特異的領域とを有する第1のアレル特異的オリゴヌクレオチドプローブと、
前記ゲノム領域とはハイブリダイズしない第2のフラップ領域と、前記第2のフラップ領域の3’側に、前記多型部位が第2の遺伝子型であるアレルに対して特異的にハイブリダイズする第2型アレル特異的領域とを有する第2のアレル特異的オリゴヌクレオチドプローブと、
前記第1のアレル特異的オリゴヌクレオチド及び前記第2のアレル特異的オリゴヌクレオチドと、少なくとも1塩基重複するように、前記ゲノム領域のうち前記多型部位の3’側の領域とハイブリダイズするインベーダオリゴヌクレオチドプローブと、
5’側がヘアピン構造をとり得る塩基配列を有し、ヘアピン構造を形成した際に5’末端の塩基と対をなす塩基から3’側に連続する塩基配列が前記第1のフラップ領域と相補的な塩基配列であり、5’末端に第1の蛍光物質が結合しており、ヘアピン構造を形成した際に前記第1の蛍光物質からの蛍光を消光する消光物質が結合している第1のFRETオリゴヌクレオチドプローブと、
5’側がヘアピン構造をとり得る塩基配列を有し、ヘアピン構造を形成した際に5’末端の塩基と対をなす塩基から3’側に連続する塩基配列が前記第2のフラップ領域と相補的な塩基配列であり、5’末端に第2の蛍光物質が結合しており、ヘアピン構造を形成した際に前記第2の蛍光物質からの蛍光を消光する消光物質が結合している第2のFRETオリゴヌクレオチドプローブと、
を用いてリアルタイムインベーダアッセイを行う工程と、
(b)前記第1のアレル特異的オリゴヌクレオチドプローブ中の前記第1型アレル特異的領域及び前記インベーダオリゴヌクレオチドプローブの両方とハイブリダイズし得る第1型コントロールオリゴヌクレオチドと、前記第2のアレル特異的オリゴヌクレオチドプローブ中の前記第2型アレル特異的領域及び前記インベーダオリゴヌクレオチドプローブの両方とハイブリダイズし得る第2型コントロールオリゴヌクレオチドとの総量に対する前記第1型コントロールオリゴヌクレオチドの含有比率(モル比)が異なる標準試料系列を調製する工程と、
(c)前記標準試料系列の各標準試料について、それぞれ、当該標準試料を鋳型として、
前記第1のアレル特異的オリゴヌクレオチドプローブ、前記第2のアレル特異的オリゴヌクレオチドプローブ、前記インベーダオリゴヌクレオチドプローブ、前記第1のFRETオリゴヌクレオチドプローブ、及び前記第2のFRETオリゴヌクレオチドプローブを用いてリアルタイムインベーダアッセイを行う工程と、
(d)縦軸と横軸のいずれか一方を前記第1の蛍光物質の蛍光強度とし、残る他方を前記第2の蛍光物質の蛍光強度としたグラフに、前記工程(c)におけるリアルタイムインベーダアッセイで測定された結果をプロットし、標準試料ごとに反応軌道を描く工程と、
(e)前記工程(d)において描かれたグラフに、前記工程(a)におけるリアルタイムインベーダアッセイで測定された結果をプロットし、前記反応軌道に基づいて、前記被験体の遺伝子型を判定する工程と、
を有することを特徴とする、遺伝子多型の判定方法。
[2] 前記工程(e)において、前記工程(a)におけるリアルタイムインベーダアッセイで測定された結果のうち、前記反応軌道が相互に最も分離される反応時点における第1の蛍光物質の蛍光強度及び第2の蛍光物質の蛍光強度に基づいて、前記被験体の遺伝子型を判定する、前記[1]の遺伝子多型の判定方法。
[3] 多型部位を含むゲノム領域における被験体の遺伝子型を、リアルタイムインベーダアッセイを用いて判定する方法であって、
(a’)被験体由来の前記ゲノム領域を含むDNA含有試料の希釈系列を調製し、当該希釈系列をそれぞれ鋳型として、
前記ゲノム領域とはハイブリダイズしない第1のフラップ領域と、前記第1のフラップ領域の3’側に、前記多型部位が第1の遺伝子型であるアレルに対して特異的にハイブリダイズする第1型アレル特異的領域とを有する第1のアレル特異的オリゴヌクレオチドプローブと、
前記ゲノム領域とはハイブリダイズしない第2のフラップ領域と、前記第2のフラップ領域の3’側に、前記多型部位が第2の遺伝子型であるアレルに対して特異的にハイブリダイズする第2型アレル特異的領域とを有する第2のアレル特異的オリゴヌクレオチドプローブと、
前記第1のアレル特異的オリゴヌクレオチド及び前記第2のアレル特異的オリゴヌクレオチドと、少なくとも1塩基重複するように、前記ゲノム領域のうち前記多型部位の3’側の領域とハイブリダイズするインベーダオリゴヌクレオチドプローブと、
5’側がヘアピン構造をとり得る塩基配列を有し、ヘアピン構造を形成した際に5’末端の塩基と対をなす塩基から3’側に連続する塩基配列が前記第1のフラップ領域と相補的な塩基配列であり、5’末端に第1の蛍光物質が結合しており、ヘアピン構造を形成した際に前記第1の蛍光物質からの蛍光を消光する消光物質が結合している第1のFRETオリゴヌクレオチドプローブと、
5’側がヘアピン構造をとり得る塩基配列を有し、ヘアピン構造を形成した際に5’末端の塩基と対をなす塩基から3’側に連続する塩基配列が前記第2のフラップ領域と相補的な塩基配列であり、5’末端に第2の蛍光物質が結合しており、ヘアピン構造を形成した際に前記第2の蛍光物質からの蛍光を消光する消光物質が結合している第2のFRETオリゴヌクレオチドプローブと、
を用いてリアルタイムインベーダアッセイを行う工程と、
(b)前記第1のアレル特異的オリゴヌクレオチドプローブ中の前記第1型アレル特異的領域及び前記インベーダオリゴヌクレオチドプローブの両方とハイブリダイズし得る第1型コントロールオリゴヌクレオチドと、前記第2のアレル特異的オリゴヌクレオチドプローブ中の前記第2型アレル特異的領域及び前記インベーダオリゴヌクレオチドプローブの両方とハイブリダイズし得る第2型コントロールオリゴヌクレオチドとの総量に対する前記第1型コントロールオリゴヌクレオチドの含有比率(モル比)が異なる標準試料系列を調製する工程と、
(c’)前記標準試料系列の各標準試料について、それぞれ希釈系列を調製し、当該希釈系列をそれぞれ鋳型として、
前記第1のアレル特異的オリゴヌクレオチドプローブ、前記第2のアレル特異的オリゴヌクレオチドプローブ、前記インベーダオリゴヌクレオチドプローブ、前記第1のFRETオリゴヌクレオチドプローブ、及び前記第2のFRETオリゴヌクレオチドプローブを用いてリアルタイムインベーダアッセイを行う工程と、
(d’)縦軸と横軸のいずれか一方を前記第1の蛍光物質の蛍光強度とし、残る他方を前記第2の蛍光物質の蛍光強度としたグラフに、前記工程(c’)におけるリアルタイムインベーダアッセイで測定された結果のうち、蛍光強度が飽和に達するより前の時点における結果をプロットし、各標準試料の希釈系列ごとに反応軌道を描く工程と、
(e’)前記工程(d’)において描かれたグラフに、前記工程(a’)におけるリアルタイムインベーダアッセイで測定された結果のうち、前記時点と同じ時点における結果をプロットし、前記反応軌道に基づいて、前記被験体の遺伝子型を判定する工程と、
を有することを特徴とする、遺伝子多型の判定方法。
[4] 前記工程(e’)において、前記工程(a’)におけるリアルタイムインベーダアッセイで測定された結果のうち、前記工程(d’)における各標準試料のプロットが相互に最も分離される反応時点における第1の蛍光物質の蛍光強度及び第2の蛍光物質の蛍光強度に基づいて、前記被験体の遺伝子型を判定する、前記[3]の遺伝子多型の判定方法。
[5] 前記多型が、一塩基多型である、前記[1]〜[4]のいずれかの遺伝子多型の判定方法。
[6] 前記ゲノム領域が、コピー数多型領域内にある、前記[1]〜[5]のいずれかの遺伝子多型の判定方法。
[7] アレル非対称性を伴う重複を検出するためのものである、前記[1]〜[6]のいずれかの遺伝子多型の判定方法。
[8] 前記工程(a)と前記工程(c)を同時に行う、前記[1]又は[2]の遺伝子多型の判定方法。
[9] 前記工程(a’)と前記工程(c’)を同時に行う、前記[3]又は[4]の遺伝子多型の判定方法。
[10] 前記ゲノム領域が、複数の一塩基多型を含む、前記[1]〜[9]のいずれかの遺伝子多型の判定方法。
[11] 前記DNA含有試料が、前記被検体由来の前記ゲノム領域を増幅したDNAを含有する、前記[1]〜[10]のいずれかの遺伝子多型の判定方法。
[12] 定量PCRを用いて得られる、前記多型部位が第1の遺伝子型であるアレル及び前記多型部位が第2の遺伝子型であるアレルの総コピー数に基づいて、各アレルのコピー数を判定する、前記[1]〜[11]のいずれかの遺伝子多型の判定方法。
[13] 前記定量PCRが、TaqMan法により行われる、前記[12]の遺伝子多型の判定方法。
[14] 多型部位を含むゲノム領域における被験体の遺伝子型を、インベーダアッセイを用いて判定する方法に用いられるキットであって、
前記ゲノム領域とはハイブリダイズしない第1のフラップ領域と、前記第1のフラップ領域の3’側に、前記多型部位が第1の遺伝子型であるアレルに対して特異的にハイブリダイズする第1型アレル特異的領域とを有する第1のアレル特異的オリゴヌクレオチドプローブと、
前記ゲノム領域とはハイブリダイズしない第2のフラップ領域と、前記第2のフラップ領域の3’側に、前記多型部位が第2の遺伝子型であるアレルに対して特異的にハイブリダイズする第2型アレル特異的領域とを有する第2のアレル特異的オリゴヌクレオチドプローブと、
前記第1のアレル特異的オリゴヌクレオチド及び前記第2のアレル特異的オリゴヌクレオチドと、少なくとも1塩基重複するように、前記ゲノム領域のうち前記多型部位の3’側の領域とハイブリダイズするインベーダオリゴヌクレオチドプローブと、
5’側がヘアピン構造をとり得る塩基配列を有し、ヘアピン構造を形成した際に5’末端の塩基と対をなす塩基から3’側に連続する塩基配列が前記第1のフラップ領域と相補的な塩基配列であり、5’末端に第1の蛍光物質が結合しており、ヘアピン構造を形成した際に前記第1の蛍光物質からの蛍光を消光する消光物質が結合している第1のFRETオリゴヌクレオチドプローブと、
5’側がヘアピン構造をとり得る塩基配列を有し、ヘアピン構造を形成した際に5’末端の塩基と対をなす塩基から3’側に連続する塩基配列が前記第2のフラップ領域と相補的な塩基配列であり、5’末端に第2の蛍光物質が結合しており、ヘアピン構造を形成した際に前記第1の蛍光物質からの蛍光を消光する消光物質が結合している第2のFRETオリゴヌクレオチドプローブと、
前記第1のアレル特異的オリゴヌクレオチドプローブ中の前記第1型アレル特異的領域及び前記インベーダオリゴヌクレオチドプローブの両方とハイブリダイズし得る第1型コントロールオリゴヌクレオチドと、
前記第2のアレル特異的オリゴヌクレオチドプローブ中の前記第2型アレル特異的領域及び前記インベーダオリゴヌクレオチドプローブの両方とハイブリダイズし得る第2型コントロールオリゴヌクレオチドと、
を有することを特徴とする、遺伝子多型判定キット。
本発明に係る遺伝子多型の判定方法により、少数の被験体を対象とした各アレルのコピー数の比を簡便に判定することが可能となる。また、本発明に係る遺伝子多型の判定方法は、ゲノム領域由来のDNAと同様にアレル特異的プローブとインベーダプローブの両方とハイブリダイズ可能なコントロールオリゴヌクレオチドを用いて、各アレルのコピー数比が任意の標準試料を使用することにより、希少なアレル比の被験体に遭遇した場合であっても、遺伝子多型の判定が可能となる。
また、本発明に係る遺伝子多型判定キットを用いることによって、本発明に係る遺伝子多型の判定方法より簡便に実施することができる。
実施例1において、2850C>T(CYP2D6*2)のRETINAの測定結果(インベーダ反応時間:0.5〜7.5分)を、縦軸をFAM蛍光強度、横軸をYellow蛍光強度としたグラフにプロットした結果を示した図である。 実施例1において、1846G>A(CYP2D6*4)のRETINAの測定結果(インベーダ反応時間:0.5〜7.5分)を、縦軸をFAM蛍光強度、横軸をYellow蛍光強度としたグラフにプロットした結果を示した図である。 実施例1において、1707delT(CYP2D6*6)のRETINAの測定結果(インベーダ反応時間:0.5〜7.5分)を、縦軸をFAM蛍光強度、横軸をYellow蛍光強度としたグラフにプロットした結果を示した図である。 実施例1において、100C>T(CYP2D6*10)のRETINAの測定結果(インベーダ反応時間:0.5〜7.5分)を、縦軸をFAM蛍光強度、横軸をYellow蛍光強度としたグラフにプロットした結果を示した図である。 実施例1において、2988G>A(CYP2D6*41)のRETINAの測定結果(インベーダ反応時間:0.5〜7.5分)を、縦軸をFAM蛍光強度、横軸をYellow蛍光強度としたグラフにプロットした結果を示した図である。 実施例2において、2850C>T(CYP2D6*2)のRETINAの測定結果(インベーダ反応時間:2.5分)を、縦軸をFAM蛍光強度、横軸をYellow蛍光強度としたグラフにプロットした結果を示した図である。 実施例3において、100C>T(CYP2D6*10)のRETINAの測定結果(インベーダ反応時間:4分)を、縦軸をFAM蛍光強度、横軸をYellow蛍光強度としたグラフにプロットした結果を示した図である。
本発明は、リアルタイムインベーダアッセイ(RETINA)を行うことを特徴とする、多型部位を含むゲノム領域における被験体の遺伝子型を判定(タイピング)する、遺伝子多型の判定方法(以下、「本発明に係るジェノタイピング法」ともいう。)を提供する。本発明に係るジェノタイピング法における被験体としては、多型部位を含むゲノムDNA又は当該ゲノムDNAに由来する核酸を有するものであれば特に限定されないが、好ましくは哺乳動物、特に多型に関するデータが蓄積されているヒトやマウス等が挙げられる。
本発明において判定対象となる多型としては、インデル、遺伝子変換多型などが挙げられる。インデルとは、Insertion/Deletionの略称である。遺伝子変換とは、あるDNA配列が別のDNA配列に変化した多型をいう。これらの中でも、特に、SNP(一遺伝子多型)を判定対象とすることが好ましい。タイピングの対象となるSNP部位を含むゲノム領域としては、特に限定されない。例えば、ヒトの場合、NCBIのSNPデータベース[http://www.ncbi.nlm.nih.gov/SNP/]やJSNPデータベース[http://snp.ims.u-tokyo.ac.jp/index.html]に登録されている任意のSNP部位を含むゲノム領域が挙げられる。
本発明における多型部位を含むゲノム領域は、コピー数多型(CNV)領域内に存在するものが好ましい。ヒトゲノムにおけるCNV領域はこれまでに種々の方法によって同定されており、the Database of Genomic Variants [http://projects.tcag.ca/variation/]中にまとめられている。
被験体由来の多型部位を含むゲノム領域を含むDNAを含有する試料(DNA含有試料)としては、ゲノムDNAそのものを含有する試料であってもよく、ゲノムDNAを鋳型として、目的の多型部位を含むゲノム領域を予めPCR等で増幅して得られる増幅産物を含有する試料であってもよい。ゲノムDNAを取得するために被験体から採取される試料としては、ゲノムDNAを含有する限り特に制限されず、いかなる細胞・組織を含むものであってもよいが、被験体にとって低侵襲性であることが望ましいため、例えば、血液、血球成分、リンパ液、精液、毛髪などが好ましく、血液及びその分画である血球成分(例、白血球)がより好ましい。採取した試料からのゲノムDNAの抽出は、公知のいかなる方法により行ってもよく、当業者は、採取した試料の種類などに応じて好適な方法を適宜選択して用いることができる。
好ましい実施態様においては、被験体由来の目的のゲノム領域を含むDNA含有試料は、目的の多型部位を含むゲノム領域を予めPCR等で増幅して得られる増幅産物を含有する試料である。したがって、本発明に係るジェノタイピング法は、好ましくは、インベーダ工程の前に多型部位を含むゲノム領域を増幅する工程をさらに含む。この増幅工程では、鋳型DNAとして準備したゲノムDNAと、タイピング対象の多型部位を含む塩基配列を増幅するプライマー対とを用いて、常法に従ってPCR等を行えばよい。
前記多型部位を含むゲノム領域は、1個の多型部位を含むものであってもよく、2個以上の多型部位を含むものであってもよい。ゲノム領域が複数の多型部位を含む場合、個々の多型部位について、それぞれDNA含有試料を被験体から採取してインベーダ法を行うこともできるが、少量のゲノムDNAから複数の多型部位のタイピングを行うことが望ましいため、1つのゲノムDNA含有試料から、当該ゲノム領域中の各多型部位を含む複数の部分領域を1回のPCR(多重PCR、mPCRという。)で同時に増幅し、この増幅産物を鋳型として個々の多型部位についてインベーダ反応を行うことが好ましい。多重PCR(mPCR)は、1つのゲノムDNA試料を鋳型とし、各多型部位を含む塩基配列を増幅する複数対のプライマーを用いて行う。例えば、300以上のSNP部位を含む領域をmPCRにより同時に増幅することができる。mPCRの詳細については、例えば、特開2002−300894号公報を参照することができる。
ゲノム領域の増幅に用いられる各プライマー対は、例えば、各多型部位を挟む約100bp〜数kbp、好ましくは約100bp〜約300bpのDNA断片を増幅できるように設計される。これらのプライマーは、目的の断片を特異的に増幅できるものであれば特に制限はなく、例えば約15〜約30塩基、好ましくは約17〜約25塩基であり、約18〜約22塩基であることがより好ましい。また、mPCRを行う場合、用いるプライマー対は、同等の温度で鋳型DNAにアニーリング可能なように設計されることが好ましい。
ゲノム領域の増幅反応においては、プライマーのミスアニーリングやオリゴマー化を防止すべく、反応溶液が高温になってからDNAポリメラーゼによる伸長反応を開始させる、いわゆるホットスタート法を適用することが好ましい。ホットスタート法の詳細については、例えば、特開2002−300894号公報を参照することができる。
本発明に係るジェノタイピング法では、判定対象である遺伝子多型のうちの2種類の遺伝子型(以下、「第1の遺伝子型」と「第2の遺伝子型」という。)について判定する。3種類以上の遺伝子型を有する遺伝子多型を判定する場合には、遺伝子多型のうちの2種類を選択して実施する。
本発明に係るジェノタイピング法では、まず、工程(a)として、目的のゲノム領域を含むDNA含有試料を鋳型として、第1の遺伝子型のアレルと特異的にハイブリダイズする第1のアレル特異的オリゴヌクレオチドプローブ(第1型アレル特異的プローブ)と、第2の遺伝子型のアレルと特異的にハイブリダイズする第2のアレル特異的オリゴヌクレオチドプローブ(第2型アレル特異的プローブ)と、インベーダオリゴヌクレオチドプローブ(インベーダプローブ)と、第1のFRET(fluorescence resonance energy transfer)オリゴヌクレオチドプローブ(第1型FRETプローブ)と、第2のFRETオリゴヌクレオチドプローブ(第2型FRETプローブ)とを用いて、リアルタイムインベーダアッセイ(RETINA)により行う。RETINAとは、元来エンドポイントアッセイとして実施されているインベーダ法において、蛍光強度を反応開始からリアルタイムで測定するアッセイ手法を意味する。このようなリアルタイム蛍光の測定は、従来公知のリアルタイム定量PCRで使用される各種装置を用いて実施することができる。なお、インベーダ法の原理及びその実施態様については、例えば、特開2002−300894号公報を参照することができる。
本発明において用いられる第1型アレル特異的プローブは、前記ゲノム領域とはハイブリダイズしない第1のフラップ領域と、前記第1のフラップ領域の3’側に、前記多型部位が第1の遺伝子型であるアレルに対して特異的にハイブリダイズする第1型アレル特異的領域とを有するオリゴヌクレオチドである。
本発明において用いられる第2型アレル特異的プローブは、前記ゲノム領域とはハイブリダイズしない第2のフラップ領域と、前記第2のフラップ領域の3’側に、前記多型部位が第2の遺伝子型であるアレルに対して特異的にハイブリダイズする第2型アレル特異的領域とを有するオリゴヌクレオチドである。
本発明において用いられるインベーダプローブは、前記第1のアレル特異的オリゴヌクレオチド及び前記第2のアレル特異的オリゴヌクレオチドと、少なくとも1塩基重複するように、前記ゲノム領域のうち前記多型部位の3’側の領域とハイブリダイズするオリゴヌクレオチドである。
なお、「前記多型部位が第1の遺伝子型であるアレルに対して特異的にハイブリダイズする」とは、インベーダ反応の反応条件(温度、バッファー組成)下で、第1の遺伝子型であるアレル(又は当該アレルと同じ塩基配列を有する核酸)とはハイブリダイズするが、第2の遺伝子型であるアレルとはハイブリダイズしないことを意味する。前記第1型アレル特異的領域としては、例えば、前記多型部位が第1の遺伝子型であるアレルと相補的な塩基配列からなる領域、又は当該アレルのうち前記多型部位以外の1〜2塩基を置換、挿入、又は欠損させた塩基配列と相補的な塩基配列からなる領域が挙げられる。同様に、「前記多型部位が第2の遺伝子型であるアレルに対して特異的にハイブリダイズする」とは、インベーダ反応の反応条件(温度、バッファー組成)下で、第2の遺伝子型であるアレル(又は当該アレルと同じ塩基配列を有する核酸)とはハイブリダイズするが、第1の遺伝子型であるアレルとはハイブリダイズしないことを意味する。前記第2型アレル特異的領域としては、例えば、前記多型部位が第2の遺伝子型であるアレルと相補的な塩基配列からなる領域、又は当該アレルのうち前記多型部位以外の1〜2塩基を置換、挿入、又は欠損させた塩基配列と相補的な塩基配列からなる領域が挙げられる。また、第1のフラップ領域及び第2のフラップ領域において、「前記ゲノム領域とはハイブリダイズしない」とは、インベーダ反応の反応条件(温度、バッファー組成)下で、前記ゲノム領域(又は当該アレルと同じ塩基配列を有する核酸)とはハイブリダイズしないことを意味する。前記第1のフラップ領域及び前記第2のフラップ領域としては、前記ゲノム領域との相同性(配列同一性)が50%以下の塩基配列からなる領域が挙げられる。
第1型アレル特異的領域、第2型アレル特異的領域、前記ゲノム領域中のインベーダプローブがハイブリダイズする領域、第1のフラップ領域、及び第2のフラップ領域は、前記ゲノム領域の塩基配列に基づいて、常法により設計することができる。
本発明において用いられる第1型FRETプローブは、5’側がヘアピン構造をとり得る塩基配列を有し、ヘアピン構造を形成した際に5’末端の塩基と対をなす塩基から3’側に連続する塩基配列が前記第1のフラップ領域と相補的な塩基配列であり、5’末端に第1の蛍光物質が結合しており、ヘアピン構造を形成した際に前記第1の蛍光物質からの蛍光を消光する消光物質が結合しているオリゴヌクレオチドである。
本発明において用いられる第2型FRETプローブは、5’側がヘアピン構造をとり得る塩基配列を有し、ヘアピン構造を形成した際に5’末端の塩基と対をなす塩基から3’側に連続する塩基配列が前記第2のフラップ領域と相補的な塩基配列であり、5’末端に第2の蛍光物質が結合しており、ヘアピン構造を形成した際に前記第2の蛍光物質からの蛍光を消光する消光物質が結合しているオリゴヌクレオチドである。
第1の蛍光物質と第1型FRETプローブに結合する消光物質は、FRETに使用可能な蛍光物質と消光物質の組み合わせの中から適宜選択して用いることができる。同様に、第2の蛍光物質と第2型FRETプローブに結合する消光物質は、FRETに使用可能な蛍光物質と消光物質の組み合わせの中から適宜選択して用いることができる。FRETに使用可能な蛍光物質としては、例えば、FAM、Yakima Yellow(登録商標)、フルオレセイン、FITC、VIC(登録商標)等が挙げられる。また、FRETに使用可能な消光物質としては、例えば、TAMRA等が挙げられる。第1の蛍光物質と第2の蛍光物質は、互いに蛍光特性の異なるものを用いる。第1型FRETプローブに結合する消光物質と、第2型FRETプローブに結合する消光物質とは、同種の物質であってもよく、異なる種類の物質であってもよい。
被検体のゲノムDNA(又は、ゲノムDNA由来のDNA)中の多型部位が第1の遺伝子型であった場合、ゲノムDNAに、第1型アレル特異的プローブ及びインベーダプローブを反応させると、ゲノムDNA中の当該多型部位を含むゲノム領域に対して、インベーダプローブの少なくとも3’末端の塩基が第1型アレル特異的プローブ中の第1型アレル特異的領域の5’側の塩基と重複するようにハイブリダイズすることによりフラップ構造が形成される。このフラップ構造をCleavaseが認識して切断することにより、第1型アレル特異的プローブのフラップ領域を含む5’側の領域が遊離する。この遊離のフラップ領域を含むオリゴヌクレオチドは、少なくともその3’末端の塩基が、第1型FRETプローブの少なくとも5’末端の塩基と重複するように、ヘアピン構造を形成している第1型FRETプローブとハイブリダイズすることによりフラップ構造が形成される。このフラップ構造をCleavaseが認識して切断することにより、第1型FRETプローブの5’末端に結合していた第1の蛍光物質が遊離して第1の消光物質の影響を受けなくなり、蛍光を発する。
被検体のゲノムDNA中の多型部位が第2の遺伝子型であった場合には、第1型アレル特異的プローブ及び第1型FRETプローブに代えて、第2型アレル特異的プローブ及び第2型FRETプローブが反応する以外は同様にRETINAが行われ、第2の蛍光物質から発される蛍光が検出される。被検体のゲノムDNA中に、多型部位が第1の遺伝子型であるアレルと第2の遺伝子型であるアレルの両方が含まれている場合には、RETINAにより第1の蛍光物質から発される蛍光と第2の蛍光物質から発される蛍光の両方が検出され、被検体のゲノムDNA中にいずれの遺伝子型のアレルも含まれていない場合には、両蛍光物質から蛍光は検出されない。
従来のエンドポイントアッセイとしてのインベーダ法では、15〜60分間程度インベーダ反応を実施した後に蛍光強度を測定していたが、本発明に係るジェノタイピング法においては、リアルタイムで蛍光強度を測定し、蛍光強度が飽和に達する、即ちインベーダ反応がプラトーに達するより前のある時点における、第1の蛍光物質からの蛍光強度と第2の蛍光物質からの蛍光強度の比を用いて、被検体のゲノムDNAにおける第1の遺伝子型のアレルと第2の遺伝子型のアレルのコピー数の比を判定する。
インベーダ反応がプラトーに達するより前の時点では、RETINAにより検出される第1の蛍光物質からの蛍光強度と第2の蛍光物質からの蛍光強度の比は、DNA含有試料に含有されている第1の遺伝子型のアレルと第2の遺伝子型のアレルのコピー数の比に主に依存する。このため、リアルタイムに測定した両蛍光強度の値を、縦軸と横軸のいずれか一方を前記第1の蛍光物質の蛍光強度とし、残る他方を前記第2の蛍光物質の蛍光強度としたグラフにプロットすると、両アレルのコピー数の比が同じ被験体についてはグラフ上のある領域にプロットが集中(クラスター化)し、コピー数の比が異なる被験体についてはグラフ上の異なる位置にプロットされる。したがって、本発明に係るジェノタイピング法は、単なる多型部位のタイピングに有用であるだけではなく、コピー数多型の検出及び同定に特に有用である。
遺伝子の重複、即ちCNVが起こっていない被験体群では、インベーダ反応がプラトーに達する前のある時点における各アレルに対応する蛍光強度の比は、各アレルについてのホモ接合体(第1の遺伝子型のアレル:第2の遺伝子型のアレル=1:0又は0:1)及びヘテロ接合体(第1の遺伝子型のアレル:第2の遺伝子型のアレル=1:1)の3つの群(グラフ上にプロットした場合は3つのクラスター)に集約されるのに対し、遺伝子の重複が起こっている被験体、特に重複の結果アレル非対称性が生じている被験体では、上記3つのいずれとも異なる蛍光強度比をとり、3つのクラスターのいずれとも異なる位置にプロットされる。ここで「アレル非対称性」とは、両アレルのコピー数比が1:1以外(例えば、2:1、1:2など)であるヘテロ接合体を意味する。一方、アレル対称性とは、両アレルのコピー数比が1:1であるヘテロ接合体及びホモ接合体を意味する。
なお、本発明及び本願明細書において、「遺伝子の重複」とは、特定の遺伝子が同一染色体上又は相同染色体以外の染色体上に複数コピー存在することをいう。その場合、遺伝子は、1つの同一染色体上にタンデムに複数コピー存在しているか、別の染色体上にコピーされて存在し、ハプロイドゲノムとして2コピー以上存在している。相同染色体上に1コピーずつ、細胞当たり2コピーの遺伝子が存在する場合は重複と呼ばない。本明細書中では、重複(multiplication)は、1ハプロイドゲノムあたり、遺伝子が2コピー存在する場合(duplication)、3コピー存在する場合(三重化/triplication)又はそれ以上存在する場合などを包含する意味である。
本発明に係るジェノタイピング法においては、予め、第1の遺伝子型のアレルと第2の遺伝子型のアレルのコピー数の比が既知である標準試料を鋳型として、工程(a)におけるRETINAと同じ条件でRETINAを行い、リアルタイムで測定された第1の蛍光物質からの蛍光強度と第2の蛍光物質からの蛍光強度をグラフにプロットし、工程(a)におけるRETINAの結果の当該グラフ上のプロットの位置を、標準試料のプロットと比較することにより、被検体のゲノムDNAの第1の遺伝子型のアレルと第2の遺伝子型のアレルのコピー数の比を判定する。
具体的には、まず、工程(b)として、第1の遺伝子型のアレルの標準品として用いられる第1型コントロールオリゴヌクレオチド(第1型コントロールオリゴ)と、第2の遺伝子型のアレルの標準品として用いられる第2型コントロールオリゴヌクレオチド(第2型コントロールオリゴ)との総量に対する、前記第1型コントロールオリゴの含有比率(モル比)が異なる標準試料系列を調製する。標準試料系列としては、少なくとも、第1型コントロールオリゴのみを含む(含有量比が、第1型コントロールオリゴ:第2型コントロールオリゴ=1:0である)標準試料、第2型コントロールオリゴのみを含む(含有量比が、第1型コントロールオリゴ:第2型コントロールオリゴ=0:1である)標準試料、第1型コントロールオリゴと第2型コントロールオリゴの含有量比が第1型コントロールオリゴ:第2型コントロールオリゴ=1:1である標準試料を含むことが好ましく、さらに、第1型コントロールオリゴと第2型コントロールオリゴの含有量比が第1型コントロールオリゴ:第2型コントロールオリゴ=1:2〜2:1の1又は複数の標準試料を含むことがより好ましい。
第1型コントロールオリゴは、第1の遺伝子型のアレルと同様に、前記第1型アレル特異的プローブ中の第1型アレル特異的領域及び前記インベーダプローブの両方と、インベーダプローブの少なくとも3’末端の塩基が第1型アレル特異的プローブ中の第1型アレル特異的領域の5’側の塩基と重複するようにハイブリダイズし得るオリゴヌクレオチドである。第1型コントロールオリゴと第1型アレル特異的プローブとインベーダプローブとによる三者会合体は、Cleavaseが認識するフラップ構造を形成する。
第2型コントロールオリゴは、第2の遺伝子型のアレルと同様に、前記第2型アレル特異的プローブ中の第2型アレル特異的領域及び前記インベーダプローブの両方と、インベーダプローブの少なくとも3’末端の塩基が第2型アレル特異的プローブ中の第2型アレル特異的領域の5’側の塩基と重複するようにハイブリダイズし得るオリゴヌクレオチドである。第2型コントロールオリゴと第2型アレル特異的プローブとインベーダプローブとによる三者会合体は、Cleavaseが認識するフラップ構造を形成する。
第1型コントロールオリゴは、第1の遺伝子型のアレルと同様に、第1型アレル特異的プローブとインベーダプローブの両方と同時にハイブリダイズし得るものであれば特に限定されるものではなく、第1型アレル特異的プローブ及びインベーダプローブとハイブリダイズする領域以外のみからなるものであってもよく、その他の領域があってもよい。第2型コントロールオリゴも同様である。
次いで、工程(c)として、工程(b)において調製した標準試料系列の各標準試料をそれぞれ鋳型とする以外は工程(a)と同様にして、前記第1型アレル特異的プローブ、前記第2型アレル特異的プローブ、前記インベーダプローブ、前記第1型FRETプローブ、及び前記第2型FRETプローブを用いてRETINAを行う。
工程(a)と工程(c)は、同時に行ってもよく、それぞれ別個に行ってもよい。例えば、工程(a)と工程(c)における各RETINAの反応溶液を、8連チューブ等のような複数の反応容器が互いに連結された反応プレートに調製し、当該反応プレートをリアルタイムPCR装置等に設置してRETINAを行うことにより、工程(a)と工程(c)を同時に行うことができる。
その後、工程(d)として、縦軸と横軸のいずれか一方を前記第1の蛍光物質の蛍光強度とし、残る他方を前記第2の蛍光物質の蛍光強度としたグラフに、前記工程(c)におけるRETINAで測定された結果をプロットし、標準試料ごとに反応軌道を描く。インベーダ反応の初期では、第1の蛍光物質の蛍光強度と第2の蛍光物質の蛍光強度の比は、鋳型中(すなわち、各標準試料中)の第1型コントロールオリゴと第2型コントロールオリゴの含有量比に依存して一定であるが、最終的にはインベーダ反応はプラトーに達する。プラトーに達すると、第1型コントロールオリゴと第2型コントロールオリゴの両方を含む標準試料では、元々の含有量比にかかわらず、第1の蛍光物質の蛍光強度と第2の蛍光物質の蛍光強度はある特定の蛍光強度にそれぞれ収束する。
最後に、工程(e)として、工程(d)において描かれたグラフに、工程(a)におけるRETINAで測定された結果をプロットし、各標準試料の反応軌道に基づいて、被験体の遺伝子型を判定する。工程(a)におけるRETINAの結果のプロットに近似した反応軌道を描いた標準試料がある場合には、被験体の遺伝子型は当該標準試料とほぼ同じであると判定できる。
工程(e)においては、反応軌道が相互に最も分離される反応時点における第1の蛍光物質の蛍光強度及び第2の蛍光物質の蛍光強度に基づいて、前記被験体の遺伝子型を判定することが好ましい。鋳型として用いるDNAの種類や反応条件などによって差はあるが、通常インベーダ反応は反応開始から15〜20分程度でプラトーに達する。このため、本発明に係るジェノタイピング法では、反応開始から15分後まで、好ましくは反応開始約1〜約10分後における蛍光強度のプロットを用いて判定することが好ましい。このように、本発明に係るジェノタイピング法は、従来のエンドポイント法によるインベーダアッセイよりも迅速に目的の多型部位をタイピングすることができる。
好ましい一実施形態においては、工程(a)及び工程(c)におけるRETINAでは、反応開始から反応が完全にプラトーに達するまでの時間、例えば約15秒〜約1分毎、好ましくは約30秒毎に蛍光強度を測定・記録することが好ましい。
工程(a)において、前記ゲノムゲノム領域を含むDNA含有試料を数段階に希釈した希釈系列を調製し、当該希釈系列を構成する各試料を鋳型として、それぞれリアルタイムインベーダアッセイを行い、工程(d)において、前記標準試料系列の各標準試料を数段階に希釈した希釈系列を調製し、当該希釈系列を構成する各試料を鋳型として、それぞれリアルタイムインベーダアッセイを行い、得られた結果のうち、蛍光強度が飽和に達するより前の時点における結果をプロットし、各標準試料の希釈系列ごとに反応軌道を描くことによっても、被検体のゲノムDNAの遺伝子型を判定することができる。
グラフにプロットするデータは、蛍光強度が飽和に達するより前の時点のデータであれば特に限定されるものではないが、各標準試料のプロットが相互に最も分離される反応時点におけるデータであることが好ましい。
なお、本願明細書では、見た目でも簡単に遺伝子型判定やコピー数比判定ができるグラフにプロットする方法を示したが、臨床応用へ向けて線形回帰曲線を利用した判定ソフトウェア等の作成も考案できる。
本発明に係るジェノタイピング法は、迅速かつ簡便にアレル非対称性を伴う遺伝子重複を検出し得るという利点を有する反面、両アレルのコピー数の比を判定し得るのみであるため、アレル対称性の遺伝子重複(例えば、2コピー:2コピー)と遺伝子重複のないヘテロ接合体(1コピー:1コピー)とを判別できない。また、遺伝子重複のあるホモ接合体(3コピー:0コピー)と遺伝子重複のないホモ接合体、さらにはホモ接合体と欠失(1コピー:0コピー)とを判別できない。そこで、被験体由来の目的のゲノム領域を含むDNA含有試料を鋳型として、別途定量PCRを行うことにより両アレルの総コピー数を求めれば、RETINAより得られる両アレルのコピー数の比と組み合わせて各アレルのコピー数を特定することができる。したがって、本発明はまた、RETINAと定量PCRとを組み合わせて各アレルのコピー数を判定する、被験体のジェノタイピング方法を提供する。
例えば、定量PCRより得られる両アレルの総コピー数が4コピーであり、RETINAより得られる両アレルのコピー数の比が1:1の場合、各アレルが2コピーずつであると判定できる。また、定量PCRより得られる両アレルの総コピー数が3コピーであり、RETINAより得られる両アレルのコピー数の比が1:0の場合、被験体は重複を伴うホモ接合体であると判定することができる。さらに、定量PCRより得られる両アレルの総コピー数が1コピーであり、RETINAより得られる両アレルのコピー数の比が1:0の場合、被験体は欠失を伴うと判定することができる。
RETINAと定量PCRの結果に不一致が生じる場合、対象領域のゲノムDNA配列を直接シークエンスして検証することができる。後述の実施例に示されるとおり、例えば、定量PCRに使用されるプライマー配列部分に多型を有する被験体の場合、プライマーのアニーリング効率が悪いために、定量値が実際より低コピー数となる場合がある。RETINAを用いる本発明に係るジェノタイピング法は、それ単独では限定的な情報を与えるが、その信頼性はきわめて高いことが理解されよう。
ここで用いられる定量PCRとしては、リアルタイムPCRとして公知の任意の手法を用いて行うことができる。これらの手法は、蛍光試薬を用いてDNAの増幅量をリアルタイムで検出する方法であり、サーマルサイクラーと分光蛍光光度計を一体化した装置を必要とする。このような装置は市販されている。用いる蛍光試薬によりいくつかの方法があり、例えば、インターカレンター法、TaqMan(登録商標)プローブ法、Molecular Beacon法等が挙げられる。いずれも、鋳型ゲノムDNA及び目的の多型部位を含むゲノム領域を増幅するためのプライマー対を含むPCR反応系に、インターカレーター、TaqMan(登録商標)プローブ又はMolecularBeaconプローブと呼ばれる蛍光試薬又は蛍光プローブを添加するというものである。インターカレーターは合成された二本鎖DNAに結合して励起光の照射により蛍光を発するので、蛍光強度を測定することにより増幅産物の生成量をモニタリングすることができ、それによって元の鋳型DNA量を推定することができる。TaqMan(登録商標)プローブは両端を蛍光物質と消光物質のそれぞれで修飾した、標的核酸の増幅領域にハイブリダイズし得るオリゴヌクレオチドであり、アニーリング時に標的核酸にハイブリダイズするが消光物質の存在により蛍光を発せず、伸長反応時にDNAポリメラーゼのエキソヌクレアーゼ活性により分解されて蛍光物質が遊離することにより蛍光を発する。従って、蛍光強度を測定することにより増幅産物の生成量をモニタリングすることができ、それによって元の鋳型DNA量を推定することができる。Molecular Beaconプローブは両端を蛍光物質と消光物質のそれぞれで修飾した、標的核酸の増幅領域にハイブリダイズし得るとともにヘアピン型二次構造をとり得るオリゴヌクレオチドであり、ヘアピン構造をとっている時は消光物質の存在により蛍光を発せず、アニーリング時に標的核酸にハイブリダイズして蛍光物質と消光物質との距離が広がることにより蛍光を発する。従って、蛍光強度を測定することにより増幅産物の生成量をモニタリングすることができ、それによって元の鋳型DNA量を推定することができる。本発明においては、好ましくはTaqMan法が用いられる。
本発明に係る遺伝子多型判定キット(以下、「本発明に係るジェノタイピングキット」)は、多型部位を含むゲノム領域における被験体の遺伝子型を、インベーダアッセイを用いて判定する方法に用いられるキットであって、前記第1型アレル特異的プローブ、前記第2型アレル特異的プローブ、前記インベーダプローブ、前記第1型FRETプローブ、前記第2型FRETプローブ、前記第1型コントロールオリゴ、及び前記第2型コントロールオリゴを備える。当該ジェノタイピングキットを用いることによって、本発明に係るジェノタイピング法をより簡便に実施することができる。
当該ジェノタイピングキット中には、その他にも、前記第1型コントロールオリゴと前記第2型コントロールオリゴによる標準試料系列を調製するためのバッファーや、RETINAに用いる反応用バッファー、Cleavase、当該ジェノタイピングキットの使用説明書等を備えていてもよい。
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
RETINAを利用した本発明に係るジェノタイピング法により、CYP2D6遺伝子のSNP及びインデルのアレル比を推定した。対象のアレルは、2850C>T(CYP2D6*2)、1846G>A(CYP2D6*4)、1707delT(CYP2D6*6)、100C>T(CYP2D6*10)、2988G>A(CYP2D6*41)の5種類とした。各アレルについて、野生型を第1の遺伝子型、バリアント型を第2の遺伝子型として、本発明に係るジェノタイピング法を行った。
<RETINAのためのCYP2D6遺伝子のPCR増幅>
RETINAの鋳型として用いるために、ゲノムDNA中のCYP2D6遺伝子を含む領域のPCR増幅を実施した。サンプルとして、第I期International HapMap projectにおいて用いられた45人の日本人被験体及び45人の中国人被験体(JCH)由来のゲノムDNAサンプルを5検体(NA18552、NA18637、NA18576、NA18537、NA18622)用いた。これらは特許文献1において、ディプロタイプが既に判定されたものである。JCHサンプルは、Coriell Cell Repositories(Camden、New Jersey、USA)から購入した。各アレルの多型部位を含むゲノム領域を増幅するためのフォワードプライマー及びリバースプライマーの塩基配列を、表1に示す。NA18552を鋳型とし、2D6x2_Fプライマー及び2D6x2_Rプライマーを用いて、2850C>T(CYP2D6*2)のゲノム領域を増幅させた。NA18637を鋳型とし、2D6x4_Fプライマー及び2D6x4_Rプライマーを用いて、1846G>A(CYP2D6*4)のゲノム領域を増幅させた。NA18576を鋳型とし、2D6x6_Fプライマー及び2D6x6_Rプライマーを用いて、1707delT(CYP2D6*6)のゲノム領域を増幅させた。NA18537を鋳型とし、2D6x10_Fプライマー及び2D6x10_Rプライマーを用いて、100C>T(CYP2D6*10)のゲノム領域を増幅させた。NA18622を鋳型とし、2D6x41_Fプライマー及び2D6x41_Rプライマーを用いて、2988G>A(CYP2D6*41)のゲノム領域を増幅させた。
Figure 2015073506
PCRの反応溶液は、20μLの反応容量で、20ngのゲノムDNAを鋳型とし、Takara Ex Taq HS(Takara Bio、Otsu、shiga、Japan)を製造者の指示に従って使用して調製した。PCRは、GeneAmp 9700(Applied Biosystems、Foster City、California、USA)を用いて実施した。PCRのサイクル条件は、2850C>T(CYP2D6*2)のゲノム領域の増幅は、95℃で2分間を1サイクル、その後98℃で10秒間及び68℃で3分間を35サイクル行った。1846G>A(CYP2D6*4)、1707delT(CYP2D6*6)、100C>T(CYP2D6*10)、2988G>A(CYP2D6*41)のゲノム領域の増幅は、95℃で2分間を1サイクル、その後98℃で10秒間及び68℃で30秒間を35サイクル行った。PCR後、アガロースゲル電気泳動によってPCR産物の増幅を確認した。
<RETINAに用いる標準試料系列の調製>
各アレル中の多型部位について、野生型コントロールオリゴとバリアント型コントロールオリゴの含有量比が1:0、3:1、2:1、1:1、1:2、1:3、又は0:1である7種の標準試料からなる標準試料系列を調製した。
<RETINA>
調製した標準試料系列の各標準試料、又は前記CYP2D6遺伝子の5種類のアレルのゲノム領域の増幅産物を希釈したDNA含有試料を鋳型として、RETINAを実施した。2850C>T(CYP2D6*2)の遺伝子型判定のためのRETINAに用いた各プローブの塩基配列を表2に、1846G>A(CYP2D6*4)の遺伝子型判定のためのRETINAに用いた各プローブの塩基配列を表3に、1707delT(CYP2D6*6)の遺伝子型判定のためのRETINAに用いた各プローブの塩基配列を表4に、100C>T(CYP2D6*10)の遺伝子型判定のためのRETINAに用いた各プローブの塩基配列を表5に、2988G>A(CYP2D6*41)の遺伝子型判定のためのRETINAに用いた各プローブの塩基配列を表6に、それぞれ示す。表2〜6の「役割」欄のうち、「invader」はインベーダプローブを、「allele_Wt」は野生型アレル特異的プローブを、「allele_V」はバリアント型アレル特異的プローブを、「control_Wt」は野生型コントロールオリゴを、「control_V」はバリアント型コントロールオリゴを、それぞれ示す。
Figure 2015073506
Figure 2015073506
Figure 2015073506
Figure 2015073506
Figure 2015073506
各野生型アレル特異的プローブからCleavaseにより切断されて遊離するフラップとハイブリダイズするFAMで標識されたFRETプローブは、Third Wave Technologies(Madison、Wisconsin、USA)から購入した。同様に、各バリアント型アレル特異的プローブからCleavaseにより切断されて遊離するフラップとハイブリダイズするYakima Yellow(登録商標)で標識されたFRETプローブも、Third Wave Technologies(Madison、Wisconsin、USA)から購入した。Rox色素(Sigma社製、Saint Louis、Missouri、USA)をレポーターシグナルの正規化に使用した。
RETINAは、10μLの反応容量で、Third Wave Technologiesにより推奨されるプロトコルに従って、ABIprism 7900 (Applied Biosy stems)を用いて実施した。各反応溶液は、4連チューブのそれぞれに分注されてABIprism 7900内に設置され、全てのRETINA、すなわち、標準試料を鋳型としたRETINAとアレルの増幅産物を鋳型としたRETINAの両方を、同時に実施した。20分間のインベーダ反応中、30秒毎にリアルタイム蛍光検出を実施した。データ解析は、Excel program (Microsoft)を用いて実施した。
標準試料を含む全サンプルについて、インベーダ反応開始後0.5分〜7.5分の間でX−Yプロット(X軸にFAM蛍光強度、Y軸にYellow蛍光強度)を作成し、反応軌道を描いた(図1〜5)。各RETINAにおいて、リアルタイムに測定した蛍光強度のプロット同士を結んだものが、反応軌道である。図1〜5中、「x:y」(xとyは0〜3の整数)と付されている黒丸のプロットは、野生型コントロールオリゴとバリアント型コントロールオリゴの含有量比がx:yである標準試料を鋳型とした場合の測定結果であり、白抜き丸のプロットは、ゲノムDNAの増幅産物の希釈物(被検体由来のDNA含有試料)を鋳型とした場合の測定結果である。
種々のアレル比を有する標準試料は、反応の初期段階においてアレル比に比例して明確に分離されたが、反応時間が20分を経過した後には、いずれの反応溶液においても、FAM蛍光強度とYellow蛍光強度はある特定の値に収束し、1つのヘテロ接合体として融合した。図1〜図5において、これらの標準試料の反応軌道と各ゲノム由来のDNAの反応軌道を比較したところ、野生型アレル:バリアント型アレルのコピー数比は、明らかに、2850C>T(NA18552)は1:1であり、1846G>A(NA18637)は1:1であり、1707delT(NA18576)は2:1であり、100C>T(NA18537)は1:2であり、2988G>A(NA18622)は1:1であることが分かった。これらの結果は、特許文献1における判定結果と一致した。
また、図1から、2850C>T(NA18552)のアッセイにおいては、インベーダ反応開始から2.5分後付近(原点から5個目のプロット付近)が、反応軌道が相互に最も分離されており、帰属判定に適していることが分かった。同様に、図4から、100C>T(CYP2D6*10)のアッセイにおいては、インベーダ反応開始から4分後付近(原点から8個目のプロット付近)が、反応軌道が相互に最も分離されており、帰属判定に適していることが分かった。
これらの結果より、RETINAにおいてアレル由来DNAを模したコントロールオリゴを用いることにより、従来はサンプル同士によるクラスター解析を要した両アレルのコピー数比判定が、単一の被験体のアッセイでも可能となることが示された。
[実施例2]
実施例1において、2850C>T(CYP2D6*2)の遺伝子型判定のためのRETINAの鋳型として用いた標準試料系列の各標準試料、及びNA18552の増幅産物(被検体由来DNA)を希釈したDNA含有試料について、それぞれ、4段階に希釈した希釈系列を調製した。これらの希釈系列を構成する各試料を鋳型とした以外は、実施例1と同様にしてRETINAを実施した。
実施例1において、インベーダ反応開始から2.5分後の蛍光強度が帰属判定に適していることが分かったため、各RETINAのインベーダ反応開始から2.5分後の結果について、X−Yプロット(X軸にFAM蛍光強度、Y軸にYellow蛍光強度)を作成し、反応軌道を描いた(図6)。反応軌道は、各RETINAにおいて、同一の希釈系列に属する各試料の蛍光強度のプロット同士(4プロット)を結んだものが、反応軌道である。図6中、「x:y」(xとyは0〜3の整数)と付されている黒丸のプロットは、野生型コントロールオリゴとバリアント型コントロールオリゴの含有量比がx:yである標準試料の希釈系列を鋳型とした場合の測定結果であり、白抜き丸のプロットは、ゲノムDNAの増幅産物(被検体由来のDNA含有試料)の希釈系列を鋳型とした場合の測定結果である。希釈倍率が高い試料ほど、原点近くにプロットされた。標準試料の希釈系列の反応軌道と被検体由来のDNA含有試料の希釈系列の反応軌道を比較すると、明らかに、2850C>T(NA18552)の野生型アレル:バリアント型アレルのコピー数比は1:1であることが分かった。
[実施例3]
実施例1において、100C>T(CYP2D6*10)の遺伝子型判定のためのRETINAの鋳型として用いた標準試料系列の各標準試料、及びNA18537の増幅産物(被検体由来DNA)を希釈したDNA含有試料について、それぞれ、4段階に希釈した希釈系列を調製した。これらの希釈系列を構成する各試料を鋳型とした以外は、実施例1と同様にしてRETINAを実施した。
実施例1において、インベーダ反応開始から4分後の蛍光強度が帰属判定に適していることが分かったため、各RETINAのインベーダ反応開始から4分後の結果について、X−Yプロット(X軸にFAM蛍光強度、Y軸にYellow蛍光強度)を作成し、図6と同様にして反応軌道を描いた(図7)。図7中、「x:y」(xとyは0〜3の整数)と付されている黒丸のプロットは、野生型コントロールオリゴとバリアント型コントロールオリゴの含有量比がx:yである標準試料の希釈系列を鋳型とした場合の測定結果であり、白抜き丸のプロットは、ゲノムDNAの増幅産物(被検体由来のDNA含有試料)の希釈系列を鋳型とした場合の測定結果である。希釈倍率が高い試料ほど、原点近くにプロットされた。標準試料の希釈系列の反応軌道と被検体由来のDNA含有試料の希釈系列の反応軌道を比較すると、明らかに、100C>T(CYP2D6*10)の野生型アレル:バリアント型アレルのコピー数比は1:2であることが分かった。
本発明によれば、多型遺伝子の遺伝子型が判定可能であるのみならず、少数の被験体を対象としたコピー数多型、すなわち両アレルのコピー数の比をも簡便に判定することが可能となる。本発明に係るジェノタイピング法を遺伝子型検査に適用することにより、臨床応用の可能性が広がるため、当該方法は、オーダーメイド医療の実現を図るためにも有用である。

Claims (14)

  1. 多型部位を含むゲノム領域における被験体の遺伝子型を、インベーダアッセイを用いて判定する方法であって、
    (a)被験体由来の前記ゲノム領域を含むDNA含有試料を鋳型として、
    前記ゲノム領域とはハイブリダイズしない第1のフラップ領域と、前記第1のフラップ領域の3’側に、前記多型部位が第1の遺伝子型であるアレルに対して特異的にハイブリダイズする第1型アレル特異的領域とを有する第1のアレル特異的オリゴヌクレオチドプローブと、
    前記ゲノム領域とはハイブリダイズしない第2のフラップ領域と、前記第2のフラップ領域の3’側に、前記多型部位が第2の遺伝子型であるアレルに対して特異的にハイブリダイズする第2型アレル特異的領域とを有する第2のアレル特異的オリゴヌクレオチドプローブと、
    前記第1のアレル特異的オリゴヌクレオチド及び前記第2のアレル特異的オリゴヌクレオチドと、少なくとも1塩基重複するように、前記ゲノム領域のうち前記多型部位の3’側の領域とハイブリダイズするインベーダオリゴヌクレオチドプローブと、
    5’側がヘアピン構造をとり得る塩基配列を有し、ヘアピン構造を形成した際に5’末端の塩基と対をなす塩基から3’側に連続する塩基配列が前記第1のフラップ領域と相補的な塩基配列であり、5’末端に第1の蛍光物質が結合しており、ヘアピン構造を形成した際に前記第1の蛍光物質からの蛍光を消光する消光物質が結合している第1のFRETオリゴヌクレオチドプローブと、
    5’側がヘアピン構造をとり得る塩基配列を有し、ヘアピン構造を形成した際に5’末端の塩基と対をなす塩基から3’側に連続する塩基配列が前記第2のフラップ領域と相補的な塩基配列であり、5’末端に第2の蛍光物質が結合しており、ヘアピン構造を形成した際に前記第2の蛍光物質からの蛍光を消光する消光物質が結合している第2のFRETオリゴヌクレオチドプローブと、
    を用いてリアルタイムインベーダアッセイを行う工程と、
    (b)前記第1のアレル特異的オリゴヌクレオチドプローブ中の前記第1型アレル特異的領域及び前記インベーダオリゴヌクレオチドプローブの両方とハイブリダイズし得る第1型コントロールオリゴヌクレオチドと、前記第2のアレル特異的オリゴヌクレオチドプローブ中の前記第2型アレル特異的領域及び前記インベーダオリゴヌクレオチドプローブの両方とハイブリダイズし得る第2型コントロールオリゴヌクレオチドとの総量に対する前記第1型コントロールオリゴヌクレオチドの含有比率(モル比)が異なる標準試料系列を調製する工程と、
    (c)前記標準試料系列の各標準試料について、それぞれ、当該標準試料を鋳型として、
    前記第1のアレル特異的オリゴヌクレオチドプローブ、前記第2のアレル特異的オリゴヌクレオチドプローブ、前記インベーダオリゴヌクレオチドプローブ、前記第1のFRETオリゴヌクレオチドプローブ、及び前記第2のFRETオリゴヌクレオチドプローブを用いてリアルタイムインベーダアッセイを行う工程と、
    (d)縦軸と横軸のいずれか一方を前記第1の蛍光物質の蛍光強度とし、残る他方を前記第2の蛍光物質の蛍光強度としたグラフに、前記工程(c)におけるリアルタイムインベーダアッセイで測定された結果をプロットし、標準試料ごとに反応軌道を描く工程と、
    (e)前記工程(d)において描かれたグラフに、前記工程(a)におけるリアルタイムインベーダアッセイで測定された結果をプロットし、前記反応軌道に基づいて、前記被験体の遺伝子型を判定する工程と、
    を有することを特徴とする、遺伝子多型の判定方法。
  2. 前記工程(e)において、前記工程(a)におけるリアルタイムインベーダアッセイで測定された結果のうち、前記反応軌道が相互に最も分離される反応時点における第1の蛍光物質の蛍光強度及び第2の蛍光物質の蛍光強度に基づいて、前記被験体の遺伝子型を判定する、請求項1に記載の遺伝子多型の判定方法。
  3. 多型部位を含むゲノム領域における被験体の遺伝子型を、リアルタイムインベーダアッセイを用いて判定する方法であって、
    (a’)被験体由来の前記ゲノム領域を含むDNA含有試料の希釈系列を調製し、当該希釈系列をそれぞれ鋳型として、
    前記ゲノム領域とはハイブリダイズしない第1のフラップ領域と、前記第1のフラップ領域の3’側に、前記多型部位が第1の遺伝子型であるアレルに対して特異的にハイブリダイズする第1型アレル特異的領域とを有する第1のアレル特異的オリゴヌクレオチドプローブと、
    前記ゲノム領域とはハイブリダイズしない第2のフラップ領域と、前記第2のフラップ領域の3’側に、前記多型部位が第2の遺伝子型であるアレルに対して特異的にハイブリダイズする第2型アレル特異的領域とを有する第2のアレル特異的オリゴヌクレオチドプローブと、
    前記第1のアレル特異的オリゴヌクレオチド及び前記第2のアレル特異的オリゴヌクレオチドと、少なくとも1塩基重複するように、前記ゲノム領域のうち前記多型部位の3’側の領域とハイブリダイズするインベーダオリゴヌクレオチドプローブと、
    5’側がヘアピン構造をとり得る塩基配列を有し、ヘアピン構造を形成した際に5’末端の塩基と対をなす塩基から3’側に連続する塩基配列が前記第1のフラップ領域と相補的な塩基配列であり、5’末端に第1の蛍光物質が結合しており、ヘアピン構造を形成した際に前記第1の蛍光物質からの蛍光を消光する消光物質が結合している第1のFRETオリゴヌクレオチドプローブと、
    5’側がヘアピン構造をとり得る塩基配列を有し、ヘアピン構造を形成した際に5’末端の塩基と対をなす塩基から3’側に連続する塩基配列が前記第2のフラップ領域と相補的な塩基配列であり、5’末端に第2の蛍光物質が結合しており、ヘアピン構造を形成した際に前記第2の蛍光物質からの蛍光を消光する消光物質が結合している第2のFRETオリゴヌクレオチドプローブと、
    を用いてリアルタイムインベーダアッセイを行う工程と、
    (b)前記第1のアレル特異的オリゴヌクレオチドプローブ中の前記第1型アレル特異的領域及び前記インベーダオリゴヌクレオチドプローブの両方とハイブリダイズし得る第1型コントロールオリゴヌクレオチドと、前記第2のアレル特異的オリゴヌクレオチドプローブ中の前記第2型アレル特異的領域及び前記インベーダオリゴヌクレオチドプローブの両方とハイブリダイズし得る第2型コントロールオリゴヌクレオチドとの総量に対する前記第1型コントロールオリゴヌクレオチドの含有比率(モル比)が異なる標準試料系列を調製する工程と、
    (c’)前記標準試料系列の各標準試料について、それぞれ希釈系列を調製し、当該希釈系列をそれぞれ鋳型として、
    前記第1のアレル特異的オリゴヌクレオチドプローブ、前記第2のアレル特異的オリゴヌクレオチドプローブ、前記インベーダオリゴヌクレオチドプローブ、前記第1のFRETオリゴヌクレオチドプローブ、及び前記第2のFRETオリゴヌクレオチドプローブを用いてリアルタイムインベーダアッセイを行う工程と、
    (d’)縦軸と横軸のいずれか一方を前記第1の蛍光物質の蛍光強度とし、残る他方を前記第2の蛍光物質の蛍光強度としたグラフに、前記工程(c’)におけるリアルタイムインベーダアッセイで測定された結果のうち、蛍光強度が飽和に達するより前の時点における結果をプロットし、各標準試料の希釈系列ごとに反応軌道を描く工程と、
    (e’)前記工程(d’)において描かれたグラフに、前記工程(a’)におけるリアルタイムインベーダアッセイで測定された結果のうち、前記時点と同じ時点における結果をプロットし、前記反応軌道に基づいて、前記被験体の遺伝子型を判定する工程と、
    を有することを特徴とする、遺伝子多型の判定方法。
  4. 前記工程(e’)において、前記工程(a’)におけるリアルタイムインベーダアッセイで測定された結果のうち、前記工程(d’)における各標準試料のプロットが相互に最も分離される反応時点における第1の蛍光物質の蛍光強度及び第2の蛍光物質の蛍光強度に基づいて、前記被験体の遺伝子型を判定する、請求項3に記載の遺伝子多型の判定方法。
  5. 前記多型が、一塩基多型である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の遺伝子多型の判定方法。
  6. 前記ゲノム領域が、コピー数多型領域内にある、請求項1〜5のいずれか一項に記載の遺伝子多型の判定方法。
  7. アレル非対称性を伴う重複を検出するためのものである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の遺伝子多型の判定方法。
  8. 前記工程(a)と前記工程(c)を同時に行う、請求項1又は2に記載の遺伝子多型の判定方法。
  9. 前記工程(a’)と前記工程(c’)を同時に行う、請求項3又は4に記載の遺伝子多型の判定方法。
  10. 前記ゲノム領域が、複数の一塩基多型を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の遺伝子多型の判定方法。
  11. 前記DNA含有試料が、前記被検体由来の前記ゲノム領域を増幅したDNAを含有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の遺伝子多型の判定方法。
  12. 定量PCRを用いて得られる、前記多型部位が第1の遺伝子型であるアレル及び前記多型部位が第2の遺伝子型であるアレルの総コピー数に基づいて、各アレルのコピー数を判定する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の遺伝子多型の判定方法。
  13. 前記定量PCRが、TaqMan法により行われる、請求項12に記載の遺伝子多型の判定方法。
  14. 多型部位を含むゲノム領域における被験体の遺伝子型を、インベーダアッセイを用いて判定する方法に用いられるキットであって、
    前記ゲノム領域とはハイブリダイズしない第1のフラップ領域と、前記第1のフラップ領域の3’側に、前記多型部位が第1の遺伝子型であるアレルに対して特異的にハイブリダイズする第1型アレル特異的領域とを有する第1のアレル特異的オリゴヌクレオチドプローブと、
    前記ゲノム領域とはハイブリダイズしない第2のフラップ領域と、前記第2のフラップ領域の3’側に、前記多型部位が第2の遺伝子型であるアレルに対して特異的にハイブリダイズする第2型アレル特異的領域とを有する第2のアレル特異的オリゴヌクレオチドプローブと、
    前記第1のアレル特異的オリゴヌクレオチド及び前記第2のアレル特異的オリゴヌクレオチドと、少なくとも1塩基重複するように、前記ゲノム領域のうち前記多型部位の3’側の領域とハイブリダイズするインベーダオリゴヌクレオチドプローブと、
    5’側がヘアピン構造をとり得る塩基配列を有し、ヘアピン構造を形成した際に5’末端の塩基と対をなす塩基から3’側に連続する塩基配列が前記第1のフラップ領域と相補的な塩基配列であり、5’末端に第1の蛍光物質が結合しており、ヘアピン構造を形成した際に前記第1の蛍光物質からの蛍光を消光する消光物質が結合している第1のFRETオリゴヌクレオチドプローブと、
    5’側がヘアピン構造をとり得る塩基配列を有し、ヘアピン構造を形成した際に5’末端の塩基と対をなす塩基から3’側に連続する塩基配列が前記第2のフラップ領域と相補的な塩基配列であり、5’末端に第2の蛍光物質が結合しており、ヘアピン構造を形成した際に前記第1の蛍光物質からの蛍光を消光する消光物質が結合している第2のFRETオリゴヌクレオチドプローブと、
    前記第1のアレル特異的オリゴヌクレオチドプローブ中の前記第1型アレル特異的領域及び前記インベーダオリゴヌクレオチドプローブの両方とハイブリダイズし得る第1型コントロールオリゴヌクレオチドと、
    前記第2のアレル特異的オリゴヌクレオチドプローブ中の前記第2型アレル特異的領域及び前記インベーダオリゴヌクレオチドプローブの両方とハイブリダイズし得る第2型コントロールオリゴヌクレオチドと、
    を有することを特徴とする、遺伝子多型判定キット。
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