JPWO2006080499A1 - 据え込み加工方法及び据え込み加工装置 - Google Patents

据え込み加工方法及び据え込み加工装置 Download PDF

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Abstract

素材の拡径予定部を周方向において不均一に拡径することができる据え込み加工方法を提供する。素材1の拡径予定部2を座屈阻止状態に挿通保持する挿通孔21を有するガイド20を準備する。ガイド20の先端部20aの一部には、ガイド20の軸方向に突出する拡径抑制用突片部22が一体に設けられている。固定ダイ10に固定された素材1の拡径予定部2をガイド20の挿通孔21に挿通保持する。次いで、パンチ30を移動させて該パンチ30で素材1の拡径予定部2を軸方向に加圧しながら、ガイド20をパンチ30の移動方向とは反対方向に移動させることにより、ガイド20の先端部20aと固定ダイ10との間に露出する素材1の拡径予定部2を、該拡径予定部2の突片部22との当接部について拡径を抑制した状態で拡径する。

Description

本発明は、棒状の素材の所定部位を拡径する据え込み加工方法及び据え込み加工装置に関する。
一般に据え込み加工は、棒状の素材を軸方向に加圧することにより、素材の拡径予定部を拡径するものである。この据え込み加工において、加工時に素材が座屈すると、得られる製品(据え込み加工品)は形状不良(シワ、がぶりきず等)となり製品としての価値が損なわれる。そこで、座屈が生じないようにするため、従来、次のような据え込み加工方法が知られている。
すなわち、素材を固定ダイに固定するとともに、素材の拡径予定部をガイドに設けられた挿通孔に挿通して拡径予定部を座屈阻止状態に保持する。次いで、パンチで素材の拡径予定部を軸方向に加圧しながら、ガイドをパンチの移動方向とは反対方向に移動させることにより、ガイドの先端部と固定ダイとの間に露出する素材の拡径予定部を拡径する方法である(例えば、特許文献1及び2参照)。
上記従来の据え込み加工方法では、通常、素材の拡径予定部はその全周に亘って均一に拡径される。
特開昭48−62646号公報 特開平9−253782号公報
上記従来の据え込み加工方法は、主に、工業製品を製作するためのプリフォームを製作するために用いられているが、工業製品のうち、例えば、めがね形状の自動車用アームやコンロッドは、その軸部の端部に幅方向両側にのみ膨出した連結部が形成されている。また、コンプレッサ用双頭ピストンにおいては、その軸部の両端部に形成されたピストン部はその中心軸が軸部の中心軸からずれている。このような製品についてのプリフォームを上記据え込み加工方法により製造する場合には、次のような難点がある。
すなわち、上記据え込み加工方法では、上述したように素材の拡径予定部はその全周に亘って均一に拡径されるため、据え込み加工の後で、拡径部が連結部やピストン部の形状になるように拡径部を扁平状に塑性変形させたり切削したりするなど、拡径部に対して更に加工を行う必要があり、製造工程数が増加したり、又は歩留まりが低下するという問題が発生する。
この発明は、上述した技術背景に鑑みてなされたもので、その目的は、素材の拡径予定部をその周方向において不均一に拡径することができる据え込み加工方法、これにより得られた据え込み加工品、及び前記据え込み加工方法に用いられる据え込み加工装置を提供することができる。
本発明は以下の手段を提供する。
[1] 棒状の素材を固定する固定ダイと、素材の拡径予定部を座屈阻止状態に挿通保持する挿通孔を有するガイドと、パンチとを備えるとともに、ガイドの先端部の一部に、ガイドの軸方向に突出する拡径抑制用突片部が一体に設けられた据え込み加工装置を用い、
固定ダイに固定された素材の拡径予定部をガイドの挿通孔に挿通保持し、
次いで、パンチを移動させて該パンチで素材の拡径予定部を軸方向に加圧しながら、ガイドをパンチの移動方向とは反対方向に移動させることにより、ガイドの先端部と固定ダイとの間に露出する素材の拡径予定部を、該拡径予定部のガイド突片部との当接部について拡径を抑制した状態で拡径することを特徴とする据え込み加工方法。
[2] 固定ダイに成形凹部が設けられるとともに、該成形凹部の周面に、固定ダイの軸方向に延び且つガイドの突片部が固定ダイの軸方向にスライド自在に挿入されるスライド溝部が設けられており、
素材の拡径予定部の周面の一部が当接する、ガイドの突片部の側面は、素材の拡径部の周面形状に対応した面に形成されており、
固定ダイに固定された素材の拡径予定部を成形凹部内に配置するとともに、素材の拡径予定部をガイドの挿通孔に挿通保持し、且つガイドの突片部をスライド溝部に挿入し、
次いで、素材の拡径予定部を成形凹部内で拡径する請求項1記載の据え込み加工方法。
[3]
パンチの移動開始時からの平均移動速度をP、
ガイドの移動開始時からの平均移動速度をG、
据え込み加工前の素材の拡径予定部の断面積での座屈限界長さをX0
ガイドの先端部と固定ダイとの間の初期クリアランスをX(但し、0≦X≦X0)、
拡径部に必要な据え込み加工前の素材の長さをL0
拡径部の設計体積から求められるパンチの先端部の固定ダイに対する停止位置をXP
設計で定めたガイドの先端部の固定ダイに対する停止位置をXg
パンチの移動開始時からガイドの移動開始時までのタイムラグをt0(但し、0≦t0)、
とするとき、Gは、
G=(Xg−X)P/(L0−XP−Pt0
の式を満足している前項1又は2記載の据え込み加工方法。
[4] 素材の拡径予定部は、該素材の軸方向両側部に位置しており、
固定ダイに固定された素材の各拡径予定部をそれぞれガイドの挿通孔に挿通保持し、
次いで、素材の各拡径予定部をそれぞれパンチで軸方向に同時に加圧しながら、各ガイドをそれぞれ対応するパンチの移動方向とは反対方向に移動させることにより、素材の両拡径予定部を同時に拡径する前項1〜3のいずれか1項記載の据え込み加工方法。
[5] ガイドの先端部の挿通孔開口縁部に、面取り加工が施されている前項1〜4のいずれか1項記載の据え込み加工方法。
[6] 固定ダイに設けられた素材固定用嵌込み孔の開口縁部に、面取り加工が施されている前項1〜5のいずれか1項記載の据え込み加工方法。
[7] 素材は、丸棒状の圧延材からなる前項1〜6のいずれか1項記載の据え込み加工方法。
[8] 圧延材は、鋳造圧延材である前項7記載の据え込み加工方法。
[9] 圧延材は、連続鋳造圧延材である前項7記載の据え込み加工方法。
[10] ガイドの挿通孔の周面又は/及び素材の拡径予定部の表面に潤滑剤を付着させた状態で、素材の拡径予定部を拡径する前項7〜9のいずれか1項記載の据え込み加工方法。
[11] 素材の拡径予定部におけるガイドの先端部に対応する部位を局部的に加熱した状態で、素材の拡径予定部を拡径する前項1〜10のいずれか1項記載の据え込み加工方法。
[12] 素材の拡径予定部におけるガイドの先端部に対応する部位を誘導加熱手段によって局部的に誘導加熱する前項11記載の据え込み加工方法。
[13] ガイドの先端部を誘導加熱手段によって局部的に誘導加熱することにより、素材の拡径予定部におけるガイドの先端部に対応する部位を局部的に加熱する前項11記載の据え込み加工方法。
[14] 素材の拡径予定部におけるガイドの先端部に対応する部位を局部的に半溶融状態に加熱する前項11〜13のいずれか1項記載の据え込み加工方法。
[15] 素材の拡径予定部におけるガイドの先端部よりも基端側の部位に対応する部位を冷却手段により冷却した状態で、素材の拡径予定部を拡径する前項11〜14のいずれか1項記載の据え込み加工方法。
[16] 前項1〜15のいずれか1項記載の据え込み加工方法により得られた据え込み加工品。
[17] 棒状の素材の拡径予定部を拡径する据え込み加工装置であって、
素材を固定する固定ダイと、
固定ダイに固定された素材の拡径予定部を座屈阻止状態に挿通保持する挿通孔を有するガイドと、
ガイドの挿通孔に挿通された素材の拡径予定部を軸方向に加圧するパンチと、
ガイドをパンチの移動方向とは反対方向に移動させるガイド駆動装置とを備え、
ガイドの先端部の一部に、ガイドの軸方向に突出する拡径抑制用突片部が一体に設けられるとともに、
ガイドの突片部は、素材の拡径予定部の拡径時に、拡径予定部の周面の一部が突片部の側面に当接することにより、拡径予定部の突片部との当接部について拡径を抑制するものであることを特徴とする据え込み加工装置。
[18] 固定ダイに成形凹部が設けられるとともに、該成形凹部の周面に、固定ダイの軸方向に延び且つガイドの突片部が固定ダイの軸方向にスライド自在に挿入されるスライド溝部が設けられており、
ガイドの突片部の側面は、素材の拡径部の周面形状に対応した面に形成されている前項17記載の据え込み加工装置。
[19] ガイドの先端部の挿通孔開口縁部に、面取り加工が施されている前項17又は18記載の据え込み加工装置。
[20] 固定ダイに設けられた素材固定用嵌込み孔の開口縁部に、面取り加工が施されている前項17〜19のいずれか1項記載の据え込み加工装置。
[21] 素材は、丸棒状の圧延材からなり、
ガイドの挿通孔の周面又は/及び素材の拡径予定部の表面に潤滑剤を付着させる潤滑剤付着手段を備えている前項17〜20のいずれか1項記載の据え込み加工装置。
[22] 圧延材は、鋳造圧延材である前項21記載の据え込み加工装置。
[23] 圧延材は、連続鋳造圧延材である前項21記載の据え込み加工装置。
[24] 素材の拡径予定部におけるガイドの先端部に対応する部位を局部的に加熱する加熱手段を備えている前項17〜23のいずれか1項記載の据え込み加工装置。
[25] 加熱手段は、誘導加熱コイルを有する誘導加熱手段であり、
素材の拡径予定部におけるガイドの先端部に対応する部位を誘導加熱手段によって局部的に誘導加熱するように構成されている前項24記載の据え込み加工装置。
[26] 加熱手段は、誘導加熱コイルを有する誘導加熱手段であり、
ガイドの先端部を誘導加熱手段によって局部的に誘導加熱することにより、素材の拡径予定部におけるガイドの先端部に対応する部位を局部的に加熱するように構成されている前項24記載の据え込み加工装置。
[27] 加熱手段は、素材の拡径予定部におけるガイドの先端部に対応する部位を局部的に半溶融状態に加熱可能なものである前項24記載の据え込み加工装置。
[28] 素材の拡径予定部におけるガイドの先端部よりも基端側の部位に対応する部位を冷却する冷却手段を備えている前項24〜27のいずれか1項記載の据え込み加工装置。
[29] 棒状の素材の軸方向両側部の各拡径予定部をそれぞれ拡径する据え込み加工装置であって、
素材を固定する固定ダイと、
固定ダイに固定された素材の各拡径予定部をそれぞれ座屈阻止状態に挿通保持する挿通孔を有する2個のガイドと、
各ガイドの挿通孔に挿通された素材の各拡径予定部をそれぞれ軸方向に加圧する2個のパンチと、
各ガイドをそれぞれ対応するパンチの移動方向とは反対方向に移動させる2個のガイド駆動装置とを備え、
2個のガイドのうち少なくとも1個のガイドの先端部の一部に、ガイドの軸方向に突出する拡径抑制用突片部が一体に設けられるとともに、
ガイドの突片部は、素材の拡径予定部の拡径時に、拡径予定部の周面の一部が突片部の側面に当接することにより、拡径予定部の突片部との当接部について拡径を抑制するものであることを特徴とする据え込み加工装置。
[30] 固定ダイに2個の成形凹部が設けられるとともに、該2個の成形凹部のうち少なくとも1個の成形凹部の周面に、固定ダイの軸方向に延び且つガイドの突片部が固定ダイの軸方向にスライド自在に挿入されるスライド溝部が設けられており、
ガイドの突片部の側面は、素材の拡径部の周面形状に対応した面に形成されている前項29記載の据え込み加工装置。
[31] 各ガイドの先端部の挿通孔開口縁部に、面取り加工が施されている前項29又は30記載の据え込み加工装置。
[32] 固定ダイに設けられた素材固定用嵌込み孔の開口縁部に、面取り加工が施されている前項29〜31のいずれか1項記載の据え込み加工装置。
[33] 素材は、丸棒状の圧延材からなり、
各ガイドの挿通孔の周面又は/及び素材の各拡径予定部の表面に潤滑剤を付着させる2個の潤滑剤付着手段を備えている前項29〜32のいずれか1項記載の据え込み加工装置。
[34] 圧延材は、鋳造圧延材である前項33記載の据え込み加工装置。
[35] 圧延材は、連続鋳造圧延材である前項33記載の据え込み加工装置。
[36] 素材の各拡径予定部におけるガイドの先端部に対応する部位を局部的に加熱する2個の加熱手段を備えている前項29〜35のいずれか1項記載の据え込み加工装置。
[37] 各加熱手段は、誘導加熱コイルを有する誘導加熱手段であり、
素材の各拡径予定部におけるガイドの先端部に対応する部位を誘導加熱手段によって局部的に誘導加熱するように構成されている前項36記載の据え込み加工装置。
[38] 各加熱手段は、誘導加熱コイルを有する誘導加熱手段であり、
各ガイドの先端部を誘導加熱手段によって局部的に誘導加熱することにより、素材の各拡径予定部におけるガイドの先端部に対応する部位を局部的に加熱するように構成されている前項36記載の据え込み加工装置。
[39] 各加熱手段は、素材の各拡径予定部におけるガイドの先端部に対応する部位を局部的に半溶融状態に加熱可能なものである前項36〜38のいずれか1項記載の据え込み加工装置。
[40] 素材の各拡径予定部におけるガイドの先端部よりも基端側の部位に対応する部位を冷却する2個の冷却手段を備えている前項36〜39のいずれか1項記載の据え込み加工装置。
本発明は以下の効果を奏する。
[1]の発明では、パンチを移動させて該パンチで素材を軸方向に加圧しながら、ガイドをパンチの移動方向とは反対方向に移動させることにより、ガイドの先端部と固定ダイとの間に露出する素材の拡径予定部を、該拡径予定部のガイド突片部との当接部について拡径を抑制した状態で拡径することから、素材の拡径予定部をその周方向において不均一に拡径することができる。そのため、自動車用アーム、コンロッド、コンプレッサ用双頭ピストン、クランク軸などの製品を製作するためのプリフォームについて、出来る限り最終製品形状に近い形状のものを得ることが可能となり、その結果、歩留まり良く製品を製造することができる。
[2]の発明では、ガイドの突片部の側面が素材の拡径部の周面形状に対応した面に形成されているので、素材の拡径部を設計形状に確実に形成することができ、もって最終製品形状により近い形状のプリフォームを得ることができる。
[3]の発明では、初期クリアランスを座屈限界長さ以下とし、設計量の成形を行うためのパンチ移動終了時間と設計量の拡径部を形成するのに必要なガイド移動終了時間とを一致させるようにパンチ及びガイドの移動速度を調整することにより、素材の拡径予定部を機械的な計算で確実に設計形状に拡径することが可能である。
[4]の発明では、軸方向両側部にそれぞれ拡径部が形成されたプリフォームを能率良く製造することができる。
[5]の発明では、加工時においてガイドの先端部に素材の材料の背圧が効果的に作用するようになる。その結果、ガイドを移動させるのに要する駆動力を減少させることができる。
[6]の発明では、素材の、固定ダイに固定された部位と、拡径部との間の角部に生じることのある応力集中を緩和することができる。
[7]の発明では、圧延材からなる丸棒状の素材は安価に入手又は製造できることから、この素材を据え込み加工用素材として用いることにより、加工コストを引き下げることができる。
さらに、この素材は、一般に、押出材からなる丸棒状の素材に比べて真円度が低い。そのため、この素材の拡径予定部をガイドの挿通孔に挿通すると、素材の拡径予定部の表面と挿通孔の周面との間に隙間が必然的に生じる。そのため、両者の接触面積は小さく、したがって素材の拡径予定部が挿通孔内を軸方向にスライド移動する際の摩擦抵抗力が小さいので、成形圧力を低減できる。その結果、パンチを移動させるパンチ駆動装置として小型のものを使用でき、もって据え込み加工装置の設置スペースについて省スペース化を図ることができる。
さらに、成形圧力を低減できるから、次の利点がある。すなわち、もし仮に成形圧力が大きい場合、素材の拡径予定部の端部がパンチからの加圧力によってガイドの挿通孔内で押し潰されることがしばしば生じ。このようになると、パンチの周面と挿通孔の周面との間の隙間に素材の拡径予定部の材料の一部が侵入し、その結果、成形圧力が増加し、ひいてはパンチが挿通孔内で加圧方向に移動できなくなって加工不能に至るという難点がある。そこで、成形圧力を低減することにより、このような難点を解消でき、もって、素材を長領域に亘って良好に据え込み加工することができる。
[8]の発明では、鋳造圧延材からなる素材は更に安価に入手又は製造できることから、この素材を据え込み加工用素材として用いることにより、加工コストを更に引き下げることができる。
[9]の発明では、連続鋳造圧延材からなる素材は更に一層安価に入手又は製造できることから、この素材を据え込み加工用素材として用いることにより、加工コストを更に一層引き下げることができる。
[10]の発明では、次の利点がある。すなわち、上述したように、圧延材からなる丸棒状の素材は真円度が低いため、この素材の拡径予定部をガイドの挿通孔に挿通すると、素材の拡径予定部の表面と挿通孔の周面との間に隙間が必然的に生じる。挿通孔の周面又は/及び素材の拡径予定部の表面に潤滑剤が付着されている場合には、この隙間内に潤滑剤が浸入して一時的に溜められる。これにより、潤滑剤の、挿通孔の周面及び素材の拡径予定部の表面への散布が促される。すなわち、加工時に素材の拡径予定部が挿通孔内を軸方向にスライド移動することに伴い、隙間内の潤滑剤が挿通孔の周面及び素材の拡径予定部の表面に散布されるようになる。これにより、挿通孔の周面と素材の拡径予定部の表面との間の摩擦抵抗力を確実に低減でき、すなわち成形圧力を確実に低減できる。
[11]の発明では、素材の拡径予定部のうち、ガイドの先端部に対応する部位についてのみ変形抵抗が局部的に低下するから、成形圧力を低減できる。
一方、素材の拡径予定部のうち、ガイドの先端部よりも基端側の部位に対応する部位については加熱されていないので変形抵抗は低下しない。そのため、素材の拡径予定部がパンチからの加圧力によってガイドの挿通孔内で径方向外側へ膨出することにより生じる成形圧力の増加を防止できるし、また素材の拡径予定部の材料の一部がパンチの周面と挿通孔の周面との間の隙間内に侵入することにより生じる成形圧力の増加を防止できる。
[12]の発明では、素材の拡径予定部におけるガイドの先端部に対応する部位を確実に且つ極めて効率良く加熱できる。
[13]の発明では、素材の拡径予定部におけるガイドの先端部に対応する部位を確実に且つ効率良く加熱できる。
[14]の発明では、成形圧力を大幅に低減できる。
[15]の発明では、素材の拡径予定部におけるガイドの先端部よりも基端側の部位に対応する部位が加熱されるのを確実に抑制できる。
[16]の発明では、素材の拡径予定部が周方向において不均一に拡径された据え込み加工品を提供できる。この据え込み加工品は、例えば、自動車のアーム、コンロッド、コンプレッサの双頭ピストン、クランク軸等の工業製品用プリフォームとして好適に使用できる。
[17]〜[40]は、上述した本発明に係る据え込み加工方法に好適に用いることができる据え込み加工装置を提供できる。
本発明の第1実施形態に係る据え込み加工装置の要部の概略的な分解斜視図である。 同据え込み加工装置により素材の拡径予定部を拡径する前の状態における、同据え込み加工装置の縦断面斜視図である。 図2Aの状態における、同据え込み加工装置の縦断面図である。 同据え込み加工装置により素材の拡径予定部を拡径する途中の状態における、同据え込み加工装置の縦断面斜視図である。 図3Aの状態における、同据え込み加工装置の縦断面図である。 同据え込み加工装置により素材の拡径予定部を拡径した後の状態における、同据え込み加工装置の縦断面斜視図である。 図4Aの状態における、同据え込み加工装置の縦断面図である。 同据え込み加工装置により得られた据え込み加工品の斜視図である。 本発明の第2実施形態に係る据え込み加工装置により素材の拡径予定部を拡径する前の状態における、同据え込み加工装置の縦断面斜視図である。 図6Aの状態における、同据え込み加工装置の縦断面図である。 同据え込み加工装置により素材の拡径予定部を拡径する途中の状態における、同据え込み加工装置の縦断面斜視図である。 図7Aの状態における、同据え込み加工装置の縦断面図である。 同据え込み加工装置により素材の拡径予定部を拡径した後の状態における、同据え込み加工装置の縦断面斜視図である。 図8Aの状態における、同据え込み加工装置の縦断面図である。 同据え込み加工装置により得られた据え込み加工品の斜視図である。 本発明の第3実施形態に係る据え込み加工装置の要部の概略的な分解斜視図である。 同据え込み加工装置により素材の拡径予定部を拡径する前の状態における、同据え込み加工装置の縦断面斜視図である。 図11Aの状態における、同据え込み加工装置の平面図である。 同据え込み加工装置により素材の拡径予定部を拡径する途中の状態における、同据え込み加工装置の縦断面斜視図である。 図12Aの状態における、同据え込み加工装置の平面図である。 同据え込み加工装置により素材の拡径予定部を拡径した後の状態における、同据え込み加工装置の縦断面斜視図である。 図13Aの状態における、同据え込み加工装置の平面図である。 同据え込み加工装置により得られた据え込み加工品の斜視図である。 本発明の第4実施形態に係る据え込み加工装置により素材の拡径予定部を拡径する前の状態における、同据え込み加工装置の縦断面斜視図である。 図15中のZ−Z線断面図である。 同据え込み加工装置により素材の拡径予定部を拡径する途中の状態における、同据え込み加工装置の縦断面斜視図である。 同据え込み加工装置により素材の拡径予定部を拡径した後の状態における、同据え込み加工装置の縦断面斜視図である。
符号の説明
1…ワーク
2…拡径予定部
3…拡径部
6A、6B、6C…据え込み加工品(プリフォーム)
1A、1B、1C、1D…据え込み加工装置
10…固定ダイ
11…素材固定用嵌込み孔
11a…面取り加工部
12…成形凹部
13…スライド溝部
20…ガイド
20a…先端部
21…挿通孔
21a…面取り加工部
22…拡径抑制用突片部
22a…側面
25…ガイドの移動方向
30…パンチ
35…パンチの移動方向
40…ガイド駆動装置
50…パンチ駆動装置
70…加熱手段
71…誘導加熱手段
72…誘導加熱コイル
73…電源部
80…冷却手段
81…冷却液流通孔
90…潤滑剤付着手段
91…ノズル
次に、本発明の幾つかの実施形態について図面を参照して以下に説明する。
図1〜図5は、本発明の第1実施形態に係る据え込み加工装置を用いた据え込み加工方法を説明するための概略図である。
図1において、(1A)は第1実施形態に係る据え込み加工装置、(1)は素材である。また、図5において、(6A)は、据え込み加工装置(1A)により製造された据え込み加工品である。この据え込み加工品(6A)は、例えば、コンプレッサの双頭ピストンの一部を製作するためのプリフォームとして用いられる。
図1に示すように、素材(1)は、真直な棒状のものであり、例えばアルミニウム(その合金を含む。以下同じ。)からなる。素材(1)の断面形状は円形状であり、且つ素材(1)の断面積は軸方向に一定に設定されている。
なお本発明では、素材(1)の材質は、アルミニウムに限定されるものではなく、その他に例えば、真鍮、銅、ステンレス鋼等の金属であっても良いし、プラスチックであっても良い。また、素材(1)の断面形状は四角形状や六角形状等の多角形状であっても良い。また、素材(1)は、圧延材や押出材からなるものであっても良いし、他の方法で製作された材料からなるものであっても良い。
この素材(1)の拡径予定部(2)は、素材(1)の軸方向両側部のうち一側部に位置しており、詳述すると、素材(1)の一端部に位置しており、つまり素材(1)の一端部が拡径予定部(2)に対応している。そして、この拡径予定部(2)が設計形状に拡径されることにより、図5に示すように、素材(1)(軸部(4))の一端部に円柱状の拡径部(3)が形成される。この拡径部(3)はその中心軸が素材(1)の中心軸に対してずれている。したがって、素材(1)の拡径予定部(2)はその周方向において不均一に拡径されている。
なお本発明において、素材(1)の各拡径予定部(2)をその周方向において不均一に拡径するとは、拡径予定部(2)を偏肉に据え込むということであり、例えば、拡径予定部(2)の周面についてその一部だけを径方向外側へ膨出させ、他の部分については膨出させないように又は他の部分の膨出量を抑制しながら、拡径予定部(2)を拡径することである。
なお、据え込み加工品(6A)において、拡径部(3)は双頭ピストンの1個のピストン部に対応しており、素材(1)の拡径加工が施されていない部位が、双頭ピストンの軸部(4)に対応している。
据え込み加工装置(1A)は、図1〜図2Bに示すように、素材(1)の拡径予定部(2)を拡径するものである。この据え込み加工装置(1A)は、固定ダイ(10)と、ガイド(20)と、パンチ(30)と、ガイド駆動装置(40)と、パンチ駆動装置(50)とを備えている。
固定ダイ(10)は、据え込み加工時に素材(1)が軸方向に移動しないように素材(1)を固定するためのものである。この固定ダイ(10)の軸方向一端部には、素材(1)の非加工予定部が嵌め込まれて固定される素材固定用嵌込み孔(11)が固定ダイ(10)の軸方向に延びて設けられている。本実施形態では、素材(1)の拡径予定部(2)とは反対側の端部が非拡径予定部に対応しており、該端部がこの嵌込み孔(11)に嵌め込まれることにより、素材(1)の拡径予定部(2)が固定ダイ(10)に対して突出した状態に素材(1)が固定ダイ(10)に固定される。
さらに、この固定ダイ(10)の軸方向一端部には、素材(1)の拡径予定部(2)を設計形状(即ち円柱状)に成形する成形凹部(12)(即ち成形キャビティ)が設けられている。素材(1)の拡径予定部(2)の拡径後において拡径部(3)の中心軸が素材(1)の中心軸に対してずれているようにするため、嵌込み孔(11)の開口は成形凹部(12)の底面の中心部に対してずれた位置に設けられている。
また、固定ダイ(10)の嵌込み孔(11)の開口縁部には、図2Bに示すように全周に亘って面取り加工が施されており、そのため、該縁部の断面形状が丸く形成されている。
(11a)は、該縁部に形成された面取り加工部である。
また、固定ダイ(10)は、縦に複数個(本実施形態では2個)に分割されたものであり、即ち割型からなる。
なお、(15)は、固定ダイ(10)の底部である。この底部(15)は、嵌込み孔(11)に嵌め込まれた素材(1)が嵌込み孔(11)の他の開口から抜出しないようにこれを閉塞するためのものである。
ガイド(20)は、素材(1)の拡径予定部(2)を座屈阻止状態に且つ軸方向にスライド移動可能に挿通して保持する挿通孔(21)を有している。すなわち、このガイド(20)は、その挿通孔(21)に素材(1)の拡径予定部(2)を挿通することにより、素材(1)の拡径予定部(2)を挿通孔(21)内で座屈阻止状態に且つ軸方向にスライド移動可能に保持するものとなされている。この挿通孔(21)は、ガイド(20)の軸方向に延びるとともにガイド(21)を貫通して設けられている。この挿通孔(21)の径は、該挿通孔(21)に素材(1)を適合状態に且つ軸方向にスライド自在に挿入し得る寸法に設定されている。
このガイド(20)は、その挿通孔(21)に挿通配置された素材(1)の拡径予定部(2)の材料を成形凹部(12)内へ案内するものである。
また、このガイド(20)の先端部(20a)の挿通孔(21)開口縁部には、図2Bに示すように面取り加工が施されており、そのため、該縁部の断面形状が丸く形成されている。(21a)は、該縁部に形成された面取り加工部である。
さらに、図1に示すように、ガイド(20)の先端部の一箇所に、ガイド(20)の軸方向に突出する拡径抑制用突片部(22)が一体に形成されており、ガイド(20)の移動に伴いこの突片部(22)がガイド(20)と一体に移動するものとなされている。ガイド(20)の挿通孔(21)に挿通された素材(1)の拡径予定部(2)の周面の一部は、拡径予定部(2)の拡径時に、この突片部(22)の挿通孔(21)側に向いた側面(22a)に当接され、これにより、拡径予定部(2)の突片部(22)との当接部について拡径が抑制されるものとなされている。
一方、固定ダイ(10)の成形凹部(12)の成形面としての周面(12a)の一箇所には、固定ダイ(10)の軸方向に延び且つガイド(20)の突片部(22)が固定ダイ(10)の軸方向にスライド自在に挿入されるスライド溝部(13)が設けられている。さらに、固定ダイ(10)には、このスライド溝部(13)に連続してスライド孔部(14)が固定ダイ(10)の軸方向に延びて設けられている。このスライド孔部(14)には、スライド溝部(13)に挿入されたガイド(20)の突片部(22)がスライド自在に挿入される。
また、素材(1)の拡径予定部(2)の周面の一部が当接する、ガイド(20)の突片部(22)の側面(22a)は、素材(1)の拡径部(3)の周面形状に対応した面に形成されている。したがって、この突片部(22)の側面(22a)は、突片部(22)がスライド溝部(13)に挿入された状態のもとで、成形凹部(12)の周面(12a)と周方向に面一に連なるように形成されている。本実施形態では、突片部(22)の側面(22a)は、円柱状拡径部(3)の周面形状に対応して断面円弧状に湾曲した湾曲面に形成されている。
パンチ(30)は、ガイド(20)の挿通孔(21)に挿通された素材(1)の拡径予定部(3)を軸方向に加圧するためのものである。このパンチ(30)は、素材(1)の軸方向両側のうち、素材(1)の拡径予定部(2)が位置する端側に配置されている。
パンチ駆動装置(50)は、パンチ(30)を素材(1)の軸方向に移動させ、該パンチ(30)に素材(1)の拡径予定部(2)を加圧するための駆動力を付与するためのものである。このパンチ駆動装置(50)はパンチ(30)に接続されており、プレス機を利用した機械カムや流体圧(油圧、ガス圧)等によってパンチ(30)に駆動力を付与するものとなさている。また、このパンチ駆動装置(50)は、ターゲットとする形状(設計形状)が決定するとパンチの速度を一定にすることが可能であるため、速度を制御する装置を必要としないが、加圧速度を制御する制御装置を付与することにより、アップセット形状(拡径部の形状)を任意に変化させることも可能となる。
ガイド駆動装置(40)は、ガイド(20)をパンチ(30)の移動方向(35)(即ち、パンチ(35)による素材拡径予定部(2)への加圧方向)とは反対方向(25)に移動させるものである(図3B参照)。このガイド駆動装置(40)はガイド(20)に接続されており、流体圧(油圧、ガス圧)、電気モータ、バネ等によってガイド(20)に駆動力を付与するものとなされている。また、このガイド駆動装置(40)は、ターゲットとする形状(設計形状)が決定すると、ガイドの速度を一定にすることが可能であるため、速度を制御する装置は必要としないが、速度を制御する制御装置を付与することによりアップセット形状(拡径部の形状)を任意に変化させることも可能となる。
次に、上記第1実施形態の据え込み加工装置(1A)を用いた据え込み加工方法を以下に説明する。なお、図2A、図3A及び図4Aでは、それぞれ、固定ダイ(10)とガイド(20)との相対位置関係を理解し易くするため、固定ダイ(10)の底部(15)については図示していない。
まず、図2A及び図2Bに示すように、素材(1)の拡径予定部(2)とは反対側の端部である非拡径予定部を固定ダイ(10)の嵌込み孔(11)に嵌め込むことにより、素材(1)が軸方向に不本意に移動しないように素材(1)を固定ダイ(10)に固定する。これにより、素材(1)の拡径予定部(2)が固定ダイ(10)の成形凹部(12)内に配置される。また、この固定状態において、素材(1)の拡径予定部(2)は固定ダイ(10)に対して突出している。
さらに、素材(1)の拡径予定部(2)をガイド(20)の挿通孔(21)に挿通し、これにより、素材(1)の拡径予定部(2)を挿通孔(21)内で座屈阻止状態に且つ軸方向にスライド移動可能に保持するとともに、ガイド(20)の突片部(22)をスライド溝部(13)及びスライド孔部(14)に固定ダイ(10)の軸方向に順次挿入する。この状態において、素材(1)の拡径予定部(2)の周面の一部はガイド(20)の突片部(22)の側面(22a)に当接している。
さらに、ガイド(20)の先端部(20a)と固定ダイ(10)(詳述すると、固定ダイ(10)の成形凹部(12)の底面)との間に初期クリアランスXを設ける(図2B参照)。この初期クリアランスXの間隔は、パンチ(30)の移動(即ち、パンチ(30)の素材拡径予定部(2)への加圧)を開始する前の状態においてガイド(20)の先端部(21a)と固定ダイ(10)との間に露出する素材(1)の拡径予定部(2)の露出部の断面積での座屈限界長さ(X0)以下に設定されている。なお、本発明では、座屈限界長さは、パンチ加圧力における座屈限界長さをいう。
次いで、図3A及び図3Bに示すように、パンチ駆動装置(50)を作動させることでパンチ(30)を移動させ、該パンチ(30)で素材(1)の拡径予定部(2)を軸方向に加圧しながら、ガイド駆動装置(40)を作動させることでガイド(20)をパンチ(30)の移動方向(35)とは反対方向(25)に移動させる。これにより、ガイド(20)の先端部(20a)と固定ダイ(10)(詳述すると、固定ダイ(10)の成形凹部(12)の底面)との間に露出した素材(1)の拡径予定部(2)の周面の一部がガイド(20)の突片部(22)の側面(22a)に当接されて素材(1)の拡径予定部(2)の突片部(22)との当接部について拡径が抑制された状態で、素材(1)の拡径予定部(2)(詳述すると、拡径予定部(2)の突片部(22)との当接部以外の部分)が成形凹部(12)内で拡径される。
ここで、パンチ(30)の移動開始時からガイド(20)の移動開始時までの間にタイムラグt0を設ける。すなわち、パンチ(30)による素材(1)の拡径予定部(2)の加圧を開始する場合には、まずガイド(20)の位置を初期位置に固定しておいてから、パンチ(30)を移動させて該パンチ(30)で素材(1)の拡径予定部(2)を軸方向に加圧する。そして、タイムラグt0の経過後、継続してパンチ(30)で拡径予定部(2)を加圧しながら、ガイド(20)をパンチ(30)の移動方向(35)とは反対方向(25)に移動させる。このとき、ガイド(20)の移動速度は、ガイド(20)の先端部(20a)と固定ダイ(10)との間に露出する素材(1)の拡径予定部(2)の露出部の断面積での座屈限界長さ以下になるようにガイド駆動装置(40)の制御装置により制御する。また、加工条件が決定している場合は設計量の一定速度が得られるシリンダや機械カムを使用することが可能である。
なお本発明では、パンチ(30)の移動速度は一定であっても良いし、変動するものであっても良い。また同じく、ガイド(20)の移動速度は一定であっても良いし、変動するものであっても良い。
パンチ(30)及びガイド(20)の移動に伴い、図3A及び図3Bに示すように、素材(1)の拡径予定部(2)のガイド突片部(22)との当接部について拡径が抑制された状態で、素材(1)の拡径予定部(2)が成形凹部(12)内で徐々に拡径されて拡径予定部(2)の材料が成形凹部(12)内に充満されていく。
そして、図4A及び図4Bに示すように、パンチ(30)の先端部が、拡径部(3)の設計体積から求められるパンチ(30)の先端部の固定ダイ(10)に対する停止位置XPに到達したとき、パンチ(30)の移動を停止し、またガイド(20)の先端部(20a)が、設計で定めたガイド(20)の先端部(20a)の固定ダイ(10)に対する停止位置Xgに到達したとき、ガイド(20)の移動を停止する。このとき、素材(1)の拡径予定部(2)の材料は成形凹部(12)内に完全に充満されて、該拡径予定部(2)が設計形状(即ち円柱状)に拡径されている。
以上の手順により、素材(1)の拡径予定部(2)についての据え込み加工が終了する。
次いで、素材(1)を固定ダイ(10)から取り外すことにより、図5に示した所望する据え込み加工品(6A)が得られる。
上記第1実施形態では、パンチ(30)の先端部の固定ダイ(10)に対する停止位置XPと、ガイド(20)の先端部(20a)の固定ダイ(10)に対する停止位置Xgとは一致している。なお本発明では、XPとXgとは一致していなくても良い。
而して、上記第1実施形態の据え込み加工方法では、パンチ(30)を移動させて該パンチ(30)で素材(1)の拡径予定部(2)を軸方向に加圧しながら、ガイド(20)をパンチ(30)の移動方向(35)とは反対方向(25)に移動させることにより、ガイド(20)の先端部(20a)と固定ダイ(10)との間に露出する素材(1)の拡径予定部(2)を、該拡径予定部(2)のガイド突片部(22)との当接部について拡径を抑制した状態で、拡径することから、素材(1)の拡径予定部(2)を周方向において不均一に拡径することができる。そのため、拡径部(3)の中心軸が素材(1)の中心軸からずれている据え込み加工品(6A)を容易に得ることができる。したがって、この据え込み加工装置(1A)を用いた据え込み加工方法によれば、双頭ピストンの一部を製作するためのプリフォームについて、最終製品形状に近い形状のものを得ることが可能となる。その結果、製造工程数の低減を図ることができるし、歩留まり良く双頭ピストンの一部を製造することができる。
さらに、そのような据え込み加工品(6A)を得るために、ガイド(20)として先端部(20a)に突片部(22)が一体に設けられたものを用いて据え込み加工を行えば良いので、簡素な構造の据え込み加工装置(1A)でそのような据え込み加工を行うことができる。
さらに、ガイド(20)の突片部(22)の側面(22a)が素材(1)の拡径部(3)の周面形状に対応した面に形成されているので、素材(1)の拡径部(3)を設計形状に確実に形成することができ、もって最終製品形状により近い形状のプリフォームを得ることができる。
さらに、ガイド(20)の先端部(20a)の挿通孔(21)開口縁部に面取り加工(その面取り加工面(21a))が施されているので、据え込み加工時においてガイド(20)の先端部(20a)に素材(1)の材料の背圧が効果的に作用するようになる。その結果、ガイド(20)を移動させるのに要するガイド駆動装置(40)の駆動力を減少させることができ、もってガイド駆動装置(40)の小型化を図り得る。
さらに、固定ダイ(10)の素材固定用嵌込み孔(11)の開口縁部に面取り加工(その面取り加工面(11a))が施されているので、素材(1)の、固定ダイ(10)に固定された部位と、拡径部(3)との間の角部に生じることのある応力集中を緩和することができる。
次に、本実施形態の据え込み加工方法における好ましい加工条件について以下に説明する。
パンチ(30)の移動開始時からの平均移動速度をP、
ガイド(20)の移動開始時からの平均移動速度をG、
据え込み加工前の素材(1)の拡径予定部(2)の断面積での座屈限界長さをX0
ガイド(20)の先端部(20a)と固定ダイ(10)との間の初期クリアランスをX(但し、0≦X≦X0)、
拡径部(3)に必要な据え込み加工前の素材(1)の長さをL0
拡径部(3)の設計体積から求められるパンチ(30)の先端部の固定ダイ(10)に対する停止位置をXP
設計で定めたガイド(20)の先端部(20a)の固定ダイ(10)に対する停止位置をXg
パンチ(30)の移動開始時からガイド(20)の移動開始時までのタイムラグをt0(但し、0≦t0)、
とする。
この据え込み加工方法では、Gは次式(i)を満足していることが望ましい。
G=(Xg−X)P/(L0−XP−Pt0) …(i)
Gが上記式(i)を満足することにより、素材(1)の拡径予定部(2)を確実に設計形状に拡径することができる。
Gについて上記式(i)を設定した理由を以下に説明する。
パンチ(30)の移動開始時から据え込み加工終了までの時間(即ち据え込み加工時間)をtとすると、据え込み加工終了時tにおけるパンチ(30)の先端部と固定ダイ(10)との間の距離、即ち、パンチ(30)の先端部の固定ダイ(10)に対する位置XPは、次式(i-a)で与えられる。
0−Pt=XP …(i-a)
∴t=(L0−XP)/P …(i-b)
また、据え込み加工終了時tにおけるガイド(20)の先端部(20a)と固定ダイ(10)との間の距離Xg、即ち、ガイド(20)の先端部(20a)の固定ダイ(10)に対する位置Xgは、次式(i-c)で与えられる。
X+G(t−t0)=Xg …(i-c)
上記式(i-b)を(i-c)に代入してGについて整理することにより、上記式(i)が導出される。
図6A〜図9は、本発明の第2実施形態に係る据え込み加工装置を用いた据え込み加工方法を説明するための概略図である。
図6Aにおいて、(1B)は第2実施形態に係る据え込み加工装置、(1)は素材である。また、図9において、(6B)は、据え込み加工装置(1B)により製造された据え込み加工品である。この据え込み加工品(6B)は、コンプレッサの双頭ピストンを製作するためのプリフォーム、即ちコンプレッサの双頭ピストン用プリフォームとして用いられる。換言すると、この据え込み加工装置(1B)は、コンプレッサの双頭ピストン用プリフォームの製造装置であるともいえる。
第2実施形態の据え込み加工装置(1B)の構成について上記第1実施形態のもの(1A)との相異を中心に以下に説明する。
素材(1)は、図6A及び図6Bに示すように、上記第1実施形態の素材と同じく、真直な棒状のものであり、その断面形状は円形状である。
この素材(1)の拡径予定部(2)は、素材(1)の軸方向両側部に位置しており、詳述すると、素材(1)の両端部に位置しており、つまり素材(1)の両端部が拡径予定部(2)(2)となされている。そして、素材(1)の各拡径予定部(2)(2)がそれぞれ設計形状に拡径されることにより、図9に示すように、素材(1)の両端部に円柱状の拡径部(3)(3)が形成される。この各拡径部(3)はその中心軸が素材(1)の中心軸に対してずれている。
なお、据え込み加工品(6B)において、各拡径部(3)は双頭ピストンのピストン部に対応しており、素材(1)の拡径加工が施されていない部位である該素材(1)の軸方向中間部が、双頭ピストンの軸部(4)に対応している。
据え込み加工装置(1B)は、素材(1)の軸方向両側部の拡径予定部(2)(2)をそれぞれ据え込み加工するものであり、固定ダイ(10)と、2個のガイド(20)(20)と、2個のパンチ(30)(30)と、2個のガイド駆動装置(40)(40)と、2個のパンチ駆動装置(50)(50)とを備えている。
固定ダイ(10)には、素材(1)の非拡径予定部としての軸方向中間部が嵌め込まれて固定される素材固定用嵌込み孔(11)が固定ダイ(10)の軸方向に延びるとともに固定ダイ(10)を貫通して設けられている。
さらに、この固定ダイ(10)の軸方向両端部には、それぞれ素材(1)の拡径予定部(2)(2)を設計形状(即ち円柱状)に成形する成形凹部(12)(12)が設けられている。素材(1)の各拡径予定部(2)(2)の拡径後において各拡径部(3)(3)の中心軸が素材(1)の中心軸に対してずれているようにするため、嵌込み孔(11)の開口は成形凹部(12)の底面の中心部に対してずれた位置に設けられている。
また、固定ダイ(10)の各嵌込み孔(11)の開口縁部には、全周に亘って面取り加工が施されており、そのため、該縁部の断面形状が丸く形成されている。(11a)は、該縁部に形成された面取り加工部である。
また、固定ダイ(10)は、縦に複数個(本実施形態では2個)に分割されたものであり、即ち割型からなる。
各ガイド(20)は、素材(1)の対応する拡径予定部(2)を座屈阻止状態に且つ軸方向にスライド移動可能に挿通して保持する挿通孔(21)を有している。この挿通孔(21)はガイド(20)の軸方向に延びるとともにガイド(20)を貫通して設けられている。
また、各ガイド(20)の先端部(20a)の挿通孔(21)開口縁部には、面取り加工が施されており、そのため、該縁部の断面形状が丸く形成されている。(21a)は、該縁部に形成された面取り加工部である。
さらに、各ガイド(20)の先端部(20a)の一箇所に、ガイド(20)の軸方向に突出する拡径抑制用突片部(22)が一体に形成されている。
一方、固定ダイ(10)の各成形凹部(12)の成形面としての周面(12a)の一箇所には、上記第1実施形態と同様に、固定ダイ(10)の軸方向に延び且つ対応するガイド(20)の突片部(22)が固定ダイ(10)の軸方向にスライド自在に挿入されるスライド溝部(13)が設けられている。さらに、固定ダイ(10)には、各スライド溝部(13)に連続してスライド孔部(14)が固定ダイ(10)の軸方向に延びて設けられている。このスライド孔部(10)には、スライド溝部(13)に挿入されたガイド(20)の突片部(22)が固定ダイ(10)の軸方向にスライド自在に挿入される。なお本実施形態では、両スライド孔部(14)(14)は連通している。
また、各ガイド(20)の突片部(22)の側面(22a)は、上記第1実施形態と同様に、素材(1)の対応する拡径部(3)の周面形状に対応した面に形成されている。したがって、この各突片部(22)の側面(22a)は、突片部(22)が対応するスライド溝部(13)に挿入された状態のもとで、対応する成形凹部(12)の周面(12a)と周方向に面一に連なるように形成されている。本実施形態では、各突片部(22)の側面(22a)は、対応する円柱状拡径部(3)の周面形状に対応して断面円弧状に湾曲した湾曲面に形成されている。
各パンチ(30)は、各ガイド(20)の挿通孔(21)に挿通された素材(1)の対応する拡径予定部(2)をそれぞれ軸方向に加圧するためのものである。両パンチ(30)(30)は素材(1)の軸方向両側に配置されている。
各パンチ駆動装置(50)は、各パンチ(30)をそれぞれ素材(1)の軸方向に移動させ、素材(1)の対応する拡径予定部(2)を軸方向に加圧するものである。この各パンチ駆動装置(50)は対応するパンチ(30)に接続されている。この各パンチ駆動装置(50)の構成は上記第1実施形態と同じである。
各ガイド駆動装置(40)は、各ガイド(20)をそれぞれ対応するパンチ(30)の移動方法(35)とは反対方向(25)に移動させるものである。この各ガイド駆動装置(40)は対応するガイド(20)に接続されている。この各ガイド駆動装置(40)の構成は上記第1実施形態と同じである。
次に、上記第2実施形態の据え込み加工装置(1B)を用いた据え込み加工方法を以下に説明する。
まず、図6A及び図6Bに示すように、素材(1)の非拡径予定部としての軸方向中間部を固定ダイ(10)の素材固定用嵌込み孔(11)に嵌め込むことにより、素材(1)が軸方向に不本意に移動しないように素材(1)を固定ダイ(10)に固定する。これにより、素材(1)の各拡径予定部(2)がそれぞれ対応する成形凹部(12)内に配置される。
さらに、素材(1)の各拡径予定部(2)をそれぞれ対応するガイド(20)の挿通孔(21)に挿通し、各拡径予定部(2)を座屈阻止状態に保持するとともに、各ガイド(20)の突片部(22)をそれぞれ対応するスライド溝部(13)及びスライド孔部(14)に順次挿入する。この状態において、素材(1)の各拡径予定部(2)の周面の一部は、対応するガイド(20)の突片部(22)の側面(22a)に当接している。
さらに、各ガイド(20)の先端部(20a)と、対応する固定ダイ(10)との間に、それぞれ初期クリアランスXを設ける(図6B参照)。この各初期クリアランスXの間隔は、上記第1実施形態と同じく、各パンチ(30)の移動を開始する前の状態において各ガイド(20)の先端部(20a)と対応する固定ダイ(10)との間に露出する素材(1)の拡径予定部(2)の露出部の断面積での座屈限界長さ(X0)以下に設定されている。
次いで、図7A及び図7Bに示すように、両パンチ駆動装置(50)(50)を同時に作動させることで両パンチ(30)(30)を同時に移動させ、素材(1)の各拡径予定部(2)をそれぞれ対応するパンチ(30)で軸方向に同時に加圧しながら、両ガイド駆動装置(40)(40)を同時に作動させることで各ガイド(20)をそれぞれ対応するパンチ(30)の移動方向(35)とは反対方向(25)に同時に移動させる。これにより、各ガイド(20)の先端部(20a)と固定ダイ(10)との間に露出した素材(1)の拡径予定部(2)の周面の一部が対応するガイド(20)の突片部(22)の側面(22a)に当接されて素材(1)の拡径予定部(2)の突片部(22)との当接部について拡径が抑制された状態で、素材(1)の各拡径予定部(2)が対応する成形凹部(12)内で同時に拡径される。
ここで、各パンチ(30)の移動開始時からガイド(20)の移動開始時までの間にタイムラグt0を設ける。すなわち、各パンチ(30)による素材(1)の拡径予定部(2)の加圧を開始する場合には、まず各ガイド(20)の位置を固定しておいてから、各パンチ(30)を移動させ、素材(1)の各拡径予定部(2)をそれぞれ対応するパンチ(30)で軸方向に同時に加圧する。そして、タイムラグt0の経過後、継続して各パンチ(30)で素材(1)の拡径予定部(2)を加圧しながら、各ガイド(20)を対応するパンチ(30)の移動方向(30)とは反対方向(25)に移動させる。また、各ガイド(20)の移動速度は、各ガイド(20)の先端部(20a)と固定ダイ(10)との間に露出する素材(1)の拡径予定部(2)の露出部の断面積での座屈限界長さ以下になるように対応するガイド駆動装置(40)の制御装置により制御する。また、加工条件が決定している場合は設計量の一定速度が得られるシリンダや機械カムを使用することが可能である。
各パンチ(30)及び各ガイド(20)の移動に伴い、図7A及び図7Bに示すように、素材(1)の各拡径予定部(2)のガイド突片部(22)との当接部について拡径が抑制された状態で、素材(1)の各拡径予定部(2)(詳述すると、素材(1)の各拡径予定部(2)のガイド突片部(22)との当接部以外の部分)が対応する成形凹部(12)内で徐々に拡径されて該拡径予定部(2)の材料が成形凹部(12)内に充満されていく。
そして、図8A及び図8Bに示すように、名パンチ(30)の先端部が、対応する拡径部(3)の設計体積から求められるパンチ(30)の先端部の固定ダイ(10)に対する停止位置XPに到達したとき、パンチ(30)の移動を停止し、また各ガイド(20)の先端部(20a)が、設計で定めたガイド(20)の先端部(20a)の固定ダイ(10)に対する停止位置Xgに到達したとき、各ガイド(20)の移動を停止する。このとき、素材(1)の各拡径予定部(2)の材料は、対応する成形凹部(12)内に完全に充満されて、該各拡径予定部(2)が設計形状(即ち円柱形状)に拡径されている。
以上の手順により、素材(1)の両拡径予定部(2)(2)についての据え込み加工が終了する。
次いで、素材(1)を固定ダイ(10)から取り外すことにより、図9に示した所望する据え込み加工品(6B)が得られる。
本第2実施形態では、各パンチ(30)の先端部の固定ダイ(10)に対する停止位置XPと、ガイド(20)の先端部(20a)の固定ダイ(10)に対する停止位置Xgとは一致している。なお本発明では、XPとXgとは一致していなくても良い。
また、各ガイド(20)の移動開始時からの平均移動速度Gは、上記式(i)を満足していることが望ましい。
而して、上記第2実施形態の据え込み加工方法では、素材(1)の各拡径予定部(2)をそれぞれ対応するパンチ(30)で軸方向に同時に加圧しながら、各ガイド(20)をそれぞれ対応するパンチ(30)の移動方向(35)とは反対方向(25)に移動させることにより、素材(1)の両拡径予定部(2)(2)を同時に拡径するから、軸方向両側部にそれぞれ拡径部(3)(3)が形成された双頭ピストン用プリフォーム(据え込み加工品(6B))を能率良く製造することができる。
なお上記第2実施形態では、突片部(22)は、2個のガイド(20)(20)の所定部位にそれぞれ設けられているが、本発明では、突片部(22)は、2個のガイド(20)(20)のうちいずれか1個のガイド(20)の所定部位に設けられていても良い。
図10〜14は、本発明の第3実施形態に係る据え込み加工装置を用いた据え込み加工方法を説明するための概略図である。
図10において、(1C)は第3実施形態に係る据え込み加工装置、(1)は素材である。また、図14において、(6C)は、据え込み加工装置(1C)により製造された据え込み加工品である。この据え込み加工品(6C)は、自動車のアームを製作するためのプリフォーム、即ち自動車のアーム用プリフォームとして用いられる。換言すると、この据え込み加工装置(1C)は、自動車のアーム用プリフォームの製造装置であるともいえる。
第3実施形態の据え込み加工装置(1C)の構成について上記第1実施形態のもの(1A)及び上記第2実施形態のもの(1B)との相異を中心に以下に説明する。
素材(1)は、図10に示すように、上記第1実施形態の素材と同じく、真直な棒状のものであり、その断面形状は円形状である。
この素材(1)の拡径予定部(2)は、素材(1)の軸方向両側部に位置しており、詳述すると、素材(1)の両端部に位置しており、つまり素材(1)の両端部が拡径予定部(2)(2)となされている。そして、素材(1)の各拡径予定部(2)(2)がそれぞれ設計形状に拡径されることにより、図14に示すように、素材(1)の両端部に円板状の拡径部(3)(3)が形成される。この各拡径部(3)は、素材(1)の幅方向両側にのみ円弧状に膨出しており厚さ方向には膨出していない。
なお、据え込み加工品(6C)において、各拡径部(3)は、自動車のアームの、他の部材と連結される連結部(例えばブッシュ装着部)に対応しており、素材(1)の拡径加工が施されていない部位である素材(1)の軸方向中間部が、自動車のアームの軸部(4)に対応している。
据え込み加工装置(1C)は、素材(1)の軸方向両側部の拡径予定部(2)(2)をそれぞれ据え込み加工するものであり、固定ダイ(10)と、2個のガイド(20)(20)と、2個のパンチ(30)(30)と、2個のガイド駆動装置(40)(40)と、2個のパンチ駆動装置(50)(50)とを備えている。
固定ダイ(10)には、上記第2実施形態と同様に、素材固定用嵌込み孔(11)が固定ダイ(10)の軸方向に延びるとともに固定ダイ(10)を貫通して設けられている。
また、この固定ダイ(10)の軸方向両端部には、それぞれ素材(1)の対応する拡径予定部(2)を設計形状(即ち円板状)に成形する成形凹部(12)が設けられている。
また、固定ダイ(10)の各嵌込み孔(11)の開口縁部には、全周に亘って面取り加工が施されており、そのため、該縁部の断面形状が丸く形成されている。(11a)は、該縁部に形成された面取り加工部である。
各ガイド(20)は、上記第2実施形態と同様に挿通孔(21)を有している。
また、各ガイド(20)の先端部(20a)の挿通孔(21)開口縁部には、面取り加工が施されている。(21a)は、該縁部に形成された面取り加工部である。
さらに、各ガイド(20)の先端部(20a)の一対の相互対向箇所に、それぞれガイド(20)の軸方向に突出する拡径抑制用突片部(22)(22)が一体に形成されている。本実施形態では、各ガイド(20)の先端部(20a)の厚さ方向両側部に、それぞれ突片部(22)(22)が一体に形成されている。
一方、固定ダイ(10)の各成形凹部(12)の成形面としての周面(12a)の一対の相互対向箇所には、固定ダイ(10)の軸方向に延び且つ対応するガイド(20)の各突片部(22)(22)が固定ダイ(10)の軸方向にスライド自在に挿入されるスライド溝部(13)(13)が設けられている。本実施形態では、固定ダイ(10)の各成形凹部(12)の周面(12a)の、固定ダイ(10)の厚さ方向両側部に、それぞれスライド溝部(13)(13)が設けられている。さらに、固定ダイ(10)には、この各スライド溝部(13)に連続してスライド孔部(14)が固定ダイ(10)の軸方向に延びて設けられている。
また、各ガイド(20)の突片部(22)の側面(22a)は、素材(1)の対応する拡径部(2)の周面形状に対応した面に形成されている。したがって、この各突片部(22)の側面(22a)は、突片部(22)が対応するスライド溝部(13)に挿入された状態のもとで、対応する成形凹部(12)の周面(12a)と周方向に面一に連なるように形成されている。本実施形態では、各突片部(22)の側面(22a)は、対応する円板状拡径部(3)の周面形状に対応して平坦面状に形成されている。
各パンチ(30)、各パンチ駆動装置(50)及び各ガイド駆動装置(40)の構成は、上記第2実施形態と同じである。
上記第3実施形態の据え込み加工装置(1A)を用いた据え込み加工方法は、上記第2実施形態と同じであり、その説明を省略する。なお、本第3実施形態では、素材(1)の各拡径予定部(2)(2)は円板状に拡径される。
而して、上記第3実施形態の据え込み加工方法では、素材(1)の各拡径予定部(2)をそれぞれ対応するパンチ(30)で軸方向に同時に加圧しながら、各ガイド(20)をそれぞれ対応するパンチ(30)の移動方向(35)とは反対方向(25)に移動させることにより、素材(1)の両拡径予定部(2)(2)を同時に拡径するから、軸方向両側部にそれぞれ拡径部(3)(3)が形成された自動車のアーム用プリフォーム(据え込み加工品(6C))を能率良く製造することができる。
図15〜図18は、本発明の第4実施形態に係る据え込み加工装置を用いた据え込み加工方法を説明するための概略図である。
図15において、(1D)は第4実施形態に係る据え込み加工装置である。図15には、図6A〜図9に示した第2実施形態の据え込み加工装置(1B)の構成要素と同一の要素には同一の符号が付されている。以下、本第4実施形態の据え込み加工装置(1D)の構成について、上記第2実施形態の据え込み加工装置(1B)の構成とは異なる点を中心に説明する。
第4実施形態の据え込み加工装置(1D)により製造される据え込み加工品は、図9に示した据え込み加工品(6B)と同じである。
本第4実施形態では、素材(1)は、丸棒状のものであり、詳述すると中実の丸棒状のものである。この素材(1)は、圧延材からなるものであり、例えば、圧延ロールで丸棒状に圧延成形されたもの、即ちロール圧延成形により得られたものである。さらに、この素材(1)は、詳述すると鋳造圧延材からなるものであり、更に詳述すると公知のプロペルチ法で製作された連続鋳造圧延材からなるものである。ただし本発明では、圧延材はプロペルチ法で製作された連続鋳造圧延材であることに限定されるものではなく、その他の方法で製作された圧延材であっても良い。
なお、鋳造圧延材とは、鋳造物を圧延して製作されたものをいう。この場合、鋳造物としては、例えば、一方向凝固鋳造法等の公知の鋳造方法により得られた鋳造物が用いられる。
この素材(1)は上述したように丸棒状であり、すなわち素材(1)の断面形状は円形状(略円形状)であるが、図16に示すように素材(1)の断面を拡大してみた場合、素材(1)の断面形状は6角形以上の多角形状になっている。そのため、この素材(1)の真円度は、丸棒状の押出材からなる素材に比べて低くなっている。
第4実施形態の据え込み加工装置(1D)は、図15に示すように、第2実施形態の据え込み加工装置(1B)(図6A〜図9参照)の全ての構成要素と、更に、2個の加熱手段(70)(70)と、2個の冷却手段(80)(80)と、2個の潤滑剤付着手段(90)(90)とを備えている。
また、図16に示すように、各ガイド(20)の挿通孔(21)の断面形状は円形状である。この挿通孔(21)の真円度は素材(1)の拡径予定部(2)の断面の真円度よりも高く設定されている。また、この挿通孔(21)の直径は素材(1)の拡径予定部(2)の最大直径と同寸乃至は若干大寸に設定されている。したがって、図16に示すように、挿通孔(21)に素材(1)の拡径予定部(2)を挿通した状態では、拡径予定部(2)の表面(周面)と挿通孔(21)の周面との間に僅かに隙間(K)が必然的に生じる。
2個の加熱手段(70)(70)は互いに同一構成である。各加熱手段(70)は、素材(1)の各拡径予定部(2)におけるガイド(20)の先端部(20a)に対応する部位(2a)を局部的に加熱するものである。加熱手段(70)は、誘導加熱コイル(72)と、該コイル(72)に交流電流(又は交流電圧)を供給する電源部(73)とを有する誘導加熱手段(71)である。また(74)は、誘導加熱コイル(72)と電源部(73)とを連結するリード線である。
誘導加熱コイル(72)の表面は、絶縁テープ等からなる絶縁層(図示せず)で覆われている。さらに、このコイル(72)は、ガイド(20)の先端部(20a)に挿通孔(21)を取り囲む態様にして配置されており、詳述するとガイド(20)の先端部(20a)中に埋設されている。
ガイド(20)及びその先端部(20a)は、例えば、セラミック等の、耐熱性を有する硬質の非電導性材料からなるか、あるいは、鋼材等の、耐熱性を有する硬質の電導性材料(例:耐熱性金属材)からなる。
この誘導加熱手段(71)では、コイル(72)に電源部(73)によって所定の周波数(高周波や低周波等)の電流(電圧)を供給すると、コイル(72)によって、素材(1)の拡径予定部(2)におけるガイド(20)の先端部(20a)に対応する部位(2a)が局部的に誘導加熱されるように構成されている。さらに、この誘導加熱手段(71)は、コイル(72)への電流供給量等を増加させることにより、素材(1)の所定部位(2a)の誘導加熱温度を上昇させて該部位(2a)を局部的に半溶融状態に加熱できるように構成されている。
2個の冷却手段(80)(80)は互いに同一構成である。各冷却手段(80)は、素材(1)の各拡径予定部(2)におけるガイド(20)の先端部(20a)よりも基端側の部位に対応する部位(2b)を冷却するものである。この冷却手段(80)は、ガイド(20)の先端部(20a)よりも基端側の部位の内部に設けられた冷却液流通路(81)を有している。そして、この冷却液流通路(81)内に冷却水等の冷却液を流通させることにより、素材(1)の所定部位(2b)を冷却するように構成されている。
2個の潤滑剤付着手段(90)(90)は互いに同一構成である。各潤滑剤付着手段(90)は、ガイド(20)の挿通孔(21)の周面に潤滑剤を付着させるものである。
ただし本発明では、各潤滑剤付着手段(90)は、その他に、素材(1)の拡径予定部(2)の表面に潤滑剤を付着させるものであっても良いし、ガイド(20)の挿通孔(21)の周面と素材(1)の拡径予定部(2)の表面との両方に潤滑剤を付着させるものであっても良い。
潤滑剤は、素材(1)の拡径予定部(2)の表面と挿通孔(21)の周面との間の摩擦抵抗を低減させるためのものである。この潤滑剤として、例えば、油性潤滑剤等の液体潤滑剤が用いられ、具体的に例示すると、日本アチソン株式会社製の「オイルダッグ(Oildag) 」(商品名)、出光興産株式会社製の「ダフニーダイナドロー」(商品名)等が用いられる。
潤滑剤付着手段(90)は、潤滑剤を噴出するノズル(91)と、該ノズル(91)に潤滑剤を供給する潤滑剤供給部(92)とを有している。そして、ノズル(91)から潤滑剤を噴出することにより、該潤滑剤を挿通孔(21)の周面に吹き付けて付着させるように構成されている。
次に、本第4実施形態の据え込み加工装置(1D)を用いた据え込み加工方法を以下に説明する。
まず、各ガイド(20)の挿通孔(21)の周面に向けて潤滑剤付着手段(90)のノズル(91)から潤滑剤を噴出し、該潤滑剤を挿通孔(21)の周面の略全体に亘って吹き付けて付着させる。また更に、潤滑剤を素材(1)の各拡径予定部(2)の表面に吹き付けて付着させても良い。
次いで、図15に示すように、素材(1)の非拡径予定部としての軸方向中間部を固定ダイ(10)の素材固定用嵌込み孔(11)に嵌め込むことにより、素材(1)が軸方向に不本意に移動しないように素材(1)を固定ダイ(10)に固定する。これにより、素材(1)の各拡径予定部(2)がそれぞれ対応する成形凹部(12)内に配置される。
さらに、素材(1)の各拡径予定部(2)をそれぞれ対応するガイド(20)の挿通孔(21)に挿通し、これにより、各拡径予定部(2)を座屈阻止状態に且つ軸方向にスライド移動可能に保持するとともに、各ガイド(20)の突片部(22)をそれぞれ対応するスライド溝部(13)及びスライド孔部(14)に順次挿入する。この状態において、図16に示すように、素材(1)の各拡径予定部(2)の表面と各ガイド(20)の挿通孔(21)の周面との間の隙間(K)には、挿通孔(21)の周面に付着した潤滑剤が毛管現象等により浸入して該潤滑剤が隙間(K)内に一時的に溜められている。
さらに、各誘導加熱手段(71)のコイル(72)に電源部(73)によって所定の周波数の電流を供給することにより、素材(1)の各拡径予定部(2)におけるガイド(20)の先端部(20a)に対応する部位(2a)を所定温度に局部的に誘導加熱する。これにより、素材(1)の当該部位(2a)における変形抵抗が局部的に低下する。
この加熱温度は、素材(1)の所定部位(2a)の変形抵抗が低下するような温度であれば良く、限定されるものではないが、好適な加熱温度を具体的に例示すると、次のとおりである。
例えば、素材(1)の材質がアルミニウム又はアルミニウム合金である場合には、好適な加熱温度の範囲として200〜580℃(特に好ましくは350〜540℃)などが挙げられる。更に、素材(1)の所定部位(2a)を半溶融状態に加熱する場合には、好適な加熱温度の範囲として580〜625℃(特に好ましくは600〜615℃)などが挙げられる。ただし本発明は、加熱温度が上記の範囲であることに限定されるものではない。
さらに、各冷却手段(70)の冷却液流通路(71)内に常温の冷却水等の冷却液を流通させることにより、素材(1)の各拡径予定部(2)におけるガイド(20)の先端部(20a)よりも基端側の部位に対応する部位(2b)を局部的に冷却する。これにより、素材(1)の各当該部位(2b)における変形抵抗の低下を抑制できる。
好適な冷却温度の範囲としては、例えば30〜80℃(特に好ましくは40〜60℃)などが挙げられる。ただし本発明は、冷却温度が上記の範囲であることに限定されるものではない。
次いで、このような状態を維持したまま、上記第2実施形態で示した据え込み加工方法と同様の手順により、素材(1)の両拡径予定部(2)(2)を同時に成形凹部(12)(12)内で拡径する。
次いで、素材(1)を固定ダイ(10)から取り出すことにより、図9に示した所望する据え込み加工品(1B)が得られる。
この据え込み加工方法において、各ガイド(20)の移動開始時からの平均移動速度Gは、上記式(i)を満足していることが望ましい。
而して、上記第4実施形態の据え込み加工方法は、上記第2実施形態の据え込み加工方法の利点と、更に次の利点がある。
すなわち、素材(1)は丸棒状の圧延材からなるので、素材(1)を安価に入手又は製造できる。そのため、加工コストを引き下げることができる。
さらに、素材(1)は鋳造圧延材からなるので、素材(1)を更に安価に入手又は製造できる。そのため、加工コストを更に引き下げることができる。しかも、素材(1)は、プロペルチ法で製作された連続鋳造圧延材からなるので、素材(1)を更に一層安価に入手又は製造できる。そのため、加工コストを更に一層引き下げることができる。
したがって、本第4実施形態の据え込み加工方法によれば、安価な据え込み加工品を提供できる。
さらに、この素材(1)は、押出材からなる丸棒状の素材に比べて真円度が低い。そのため、この素材(1)の拡径予定部(2)をガイド(20)の挿通孔(21)に挿通すると、素材(1)の拡径予定部(2)の表面と挿通孔(21)の周面との間に隙間(K)が必然的に生じる。そのため、両者の接触面積は小さく、したがって素材(1)の拡径予定部(2)が挿通孔(21)内を軸方向にスライド移動する際の摩擦抵抗力が小さいので、成形圧力を低減できる。その結果、パンチ(30)を移動させるパンチ駆動装置(50、図6A参照)として小型のものを使用でき、もって据え込み加工装置(1D)の設置スペースについて省スペース化を図ることができる。
さらに、成形圧力を低減できるから、次の利点がある。すなわち、もし仮に成形圧力が大きい場合、素材(1)の拡径予定部(2)の端部がパンチ(30)からの加圧力によってガイド(20)の挿通孔(21)内で押し潰されることがしばしば生じ。このようになると、パンチ(30)の周面と挿通孔(21)の周面との間の隙間に素材(1)の拡径予定部(2)の材料の一部が侵入し、その結果、成形圧力が増加し、ひいてはパンチ(30)が挿通孔(21)内で加圧方向に移動できなくなって加工不能に至るという問題が生じる。そこで、成形圧力を低減することにより、このような問題は発生せず、もって、素材(1)を長領域に亘って良好に据え込み加工することができる。
その上、ガイド(20)の挿通孔(21)の周面に潤滑剤が付着されているので、次の利点がある。すなわち、上述したように、素材(1)の拡径予定部(2)の表面と挿通孔(21)の周面との間に隙間(K)が生じていることから、挿通孔(21)の周面(又は素材(1)の拡径予定部(2)の表面)に付着した潤滑剤がこの隙間(K)内に浸入して一時的に溜められる。これにより、潤滑剤の、挿通孔(21)の周面及び素材(1)の拡径予定部(2)の表面への散布が促される。すなわち、加工時に素材(1)の拡径予定部(2)が挿通孔(21)内を軸方向にスライド移動することに伴い、隙間(K)内の潤滑剤が挿通孔(21)の周面及び素材(1)の拡径予定部(2)の表面に散布されるようになる。これにより、挿通孔(21)の周面と素材(1)の拡径予定部(2)の表面との間の摩擦抵抗力を確実に低減でき、すなわち成形圧力を確実に低減できる。
さらに、素材(1)の各拡径予定部(2)におけるガイド(20)の先端部(20a)に対応する部位(2a)を局部的に誘導加熱することにより、素材(1)の各拡径予定部(2)のうち、ガイド(20)の先端部(20a)に対応する部位(2a)についてのみ変形抵抗が局部的に低下するから、成形圧力を更に低減できる。
一方、素材(1)の各拡径予定部(2)のうち、ガイド(20)の先端部(20a)よりも基端側の部位に対応する部位(2b)については加熱されていないので変形抵抗は低下しない。そのため、素材(1)の拡径予定部(2)がパンチ(30)からの加圧力によってガイド(20)の挿通孔(21)内で径方向外側へ膨出することにより生じる成形圧力の増加を防止できるし、また素材(1)の拡径予定部(2)の材料の一部がパンチ(30)の周面と挿通孔(21)の周面との間の隙間内に侵入することにより生じる成形圧力の増加を防止できる。したがって、素材(1)の拡径予定部(2)の長さが短い場合はもとより長い場合であっても、成形圧力を確実に低減できる。
さらに、ガイド(20)の先端部(20a)に配置された誘導加熱コイル(72)によって素材(1)の所定部位(2a)を誘導加熱するので、素材(1)の所定部位(2a)を確実に且つ極めて効率良く加熱できる。
さらに本発明では、加熱温度を上昇させることで素材(1)の所定部位(2a)を局部的に半溶融状態に加熱しても良い。この場合には、成形圧力を大幅に低減できる。なお、この場合の据え込み加工は、チクソ成形の範疇に入ることとなる。
さらに、素材(1)の各拡径予定部(2)におけるガイド(20)の先端部(20a)よりも基端側の部位に対応する部位(2b)を冷却手段(80)により局部的に冷却することにより、素材(1)の当該部位(2b)が加熱されるのを確実に抑制できる。その結果、素材(1)の当該部位(2b)における変形抵抗の低下を確実に抑制できる。
上記第4実施形態では、素材(1)の各拡径予定部(2)におけるガイド(20)の先端部(20a)に対応する部位(2a)を誘導加熱手段(71)によって局部的に誘導加熱するものである。しかるに本発明では、その他に、例えば、各ガイド(20)の先端部(20a)を誘導加熱手段(71)のコイル(72)によって局部的に誘導加熱し、これにより、素材(1)の各拡径予定部(2)におけるガイド(20)の先端部(20a)に対応する部位(2a)を、ガイド(20)の先端部(20a)の熱で局部的に加熱しても良い。すなわち、素材(1)の当該部位(2a)にガイド(20)の先端部(20a)の熱が伝導することにより、素材(1)の当該部位(2a)を局部的に加熱する。この場合には、素材(1)の当該部位(2a)を確実に且つ効率良く加熱できる。また、この場合には、ガイド(20)の先端部(20a)は、例えば、鋼材等の、耐熱性を有する電導性材料(例:耐熱性金属材)からなることが望ましい。
以上で、本発明の幾つかの実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に示したものに限定されるものではなく、様々に設定変更可能である。
例えば、本発明に係る据え込み加工装置は、コンプレッサの双頭ピストン用プリフォームや自動車のアーム用プリフォームを製造するために用いられるものに限定されるものではなく、様々な工業製品用プリフォームを製造するために用いられ、例えば、コンロッド用プリフォームやクランク軸用プリフォームを製造するために用いられるものであっても良い。
また、本発明では、素材の拡径予定部が素材の軸方向中間部に位置しており、本発明に係る据え込み加工方法によりこの拡径予定部を拡径することにより、素材の軸方向中間部に拡径部を形成しても良い。
また、本発明では、拡径抑制用突片部(22)は、ガイド(20)の先端部(20a)の一箇所に設けられていても良いし、ガイド(20)の先端部(20a)の複数箇所(例えば2〜10箇所)に設けられていても良い。
また、本発明では、素材を所定温度に加熱した状態で素材の拡径予定部を拡径しても良いし、素材を加熱しない状態で素材の拡径予定部を拡径しても良い。すなわち、本発明に係る据え込み加工方法は、熱間据え込み加工法であっても良いし、冷間据え込み加工法であっても良い。
また、本発明では、固定ダイ(10)及びガイド(20)は複数個に分割されたものであっても良い。なお、固定ダイ(10)及びガイド(20)の分割数及び分割位置は、据え込み加工品の形状に応じて様々に設定されるものである。
次に、本発明の具体的な実施例を以下に示す。ただし本発明は、この実施例に示したものに限定されるものではない。
プロペルチ法で製作された直径12mm相当の連続鋳造圧延材からなる丸棒状の素材(1)と、直径12mmの押出材からなる丸棒状の素材(1)とを準備した。各素材(1)の材質は、いずれもJIS(日本工業規格)に準拠した合金番号A6061のアルミニウム合金である。そして、これらの素材(1)を、上記第4実施形態の据え込み加工装置(1D)を用いて据え込み加工した。そして、その際に要した成形圧力を調べた。その結果を表1に示す。なお、素材(1)の各拡径予定部(2)の長さは、いずれも200mmである。
Figure 2006080499
ここで、表1中の「加熱態様」欄において、「局部加熱」とは、素材(1)の各拡径予定部(2)におけるガイド(20)の先端部(20a)に対応する部位(2a)を誘導加熱コイル(72)によって局部的に誘導加熱した場合である。一方、「全体加熱」とは、素材(1)の全体を加熱炉により加熱し、その後、加熱状態の該素材(1)を迅速に据え込み加工装置(1D)にセットして据え込み加工を行った場合である。
また、「冷却」欄において、「有」とは、各ガイド(20)の冷却液流通路(81)内に冷却液を流通させ、これにより、素材(1)の各拡径予定部(2)におけるガイド(20)の先端部(20a)よりも基端側の部位に対応する部位(2b)を冷却した場合である。「無」とは、冷却しなかった場合である。
表1に示すように、連続鋳造圧延材からなる素材(1)を用いた場合(実施例1及び2)は、押出材からなる素材(1)を用いた場合(実施例3及び4)に比べて、成形圧力を低減できた。
また、局部加熱を行った場合(実施例1及び3)は、全体加熱を行った場合(実施例2及び4)に比べて、成形圧力を低減できた。
この出願は、2005年1月31日付で出願された日本国特許出願特願2005−24121号、及び2005年2月4日付で出願された米国仮出願60/649,553号の優先権主張を伴うものであり、その開示内容は、そのまま本願の一部を構成するものである。
ここに用いられた用語及び表現は、説明のために用いられたものであって限定的に解釈するために用いられたものではなく、ここに示され且つ述べられた特徴事項の如何なる均等物をも排除するものではなく、この発明のクレームされた範囲内における各種変形をも許容するものであると認識されなければならない。
本発明は、素材の拡径予定部を周方向において不均一に拡径することができる据え込み加工方法及び据え込み加工装置に適用可能である。

Claims (40)

  1. 棒状の素材を固定する固定ダイと、素材の拡径予定部を座屈阻止状態に挿通保持する挿通孔を有するガイドと、パンチとを備えるとともに、ガイドの先端部の一部に、ガイドの軸方向に突出する拡径抑制用突片部が一体に設けられた据え込み加工装置を用い、
    固定ダイに固定された素材の拡径予定部をガイドの挿通孔に挿通保持し、
    次いで、パンチを移動させて該パンチで素材の拡径予定部を軸方向に加圧しながら、ガイドをパンチの移動方向とは反対方向に移動させることにより、ガイドの先端部と固定ダイとの間に露出する素材の拡径予定部を、該拡径予定部のガイド突片部との当接部について拡径を抑制した状態で拡径することを特徴とする据え込み加工方法。
  2. 固定ダイに成形凹部が設けられるとともに、該成形凹部の周面に、固定ダイの軸方向に延び且つガイドの突片部が固定ダイの軸方向にスライド自在に挿入されるスライド溝部が設けられており、
    素材の拡径予定部の周面の一部が当接する、ガイドの突片部の側面は、素材の拡径部の周面形状に対応した面に形成されており、
    固定ダイに固定された素材の拡径予定部を成形凹部内に配置するとともに、素材の拡径予定部をガイドの挿通孔に挿通保持し、且つガイドの突片部をスライド溝部に挿入し、
    次いで、素材の拡径予定部を成形凹部内で拡径する請求項1記載の据え込み加工方法。
  3. パンチの移動開始時からの平均移動速度をP、
    ガイドの移動開始時からの平均移動速度をG、
    据え込み加工前の素材の拡径予定部の断面積での座屈限界長さをX0
    ガイドの先端部と固定ダイとの間の初期クリアランスをX(但し、0≦X≦X0)、
    拡径部に必要な据え込み加工前の素材の長さをL0
    拡径部の設計体積から求められるパンチの先端部の固定ダイに対する停止位置をXP
    設計で定めたガイドの先端部の固定ダイに対する停止位置をXg
    パンチの移動開始時からガイドの移動開始時までのタイムラグをt0(但し、0≦t0)、
    とするとき、Gは、
    G=(Xg−X)P/(L0−XP−Pt0
    の式を満足している請求項1記載の据え込み加工方法。
  4. 素材の拡径予定部は、該素材の軸方向両側部に位置しており、
    固定ダイに固定された素材の各拡径予定部をそれぞれガイドの挿通孔に挿通保持し、
    次いで、素材の各拡径予定部をそれぞれパンチで軸方向に同時に加圧しながら、各ガイドをそれぞれ対応するパンチの移動方向とは反対方向に移動させることにより、素材の両拡径予定部を同時に拡径する請求項1記載の据え込み加工方法。
  5. ガイドの先端部の挿通孔開口縁部に、面取り加工が施されている請求項1記載の据え込み加工方法。
  6. 固定ダイに設けられた素材固定用嵌込み孔の開口縁部に、面取り加工が施されている請求項1記載の据え込み加工方法。
  7. 素材は、丸棒状の圧延材からなる請求項1記載の据え込み加工方法。
  8. 圧延材は、鋳造圧延材である請求項7記載の据え込み加工方法。
  9. 圧延材は、連続鋳造圧延材である請求項7記載の据え込み加工方法。
  10. ガイドの挿通孔の周面又は/及び素材の拡径予定部の表面に潤滑剤を付着させた状態で、素材の拡径予定部を拡径する請求項7記載の据え込み加工方法。
  11. 素材の拡径予定部におけるガイドの先端部に対応する部位を局部的に加熱した状態で、素材の拡径予定部を拡径する請求項1記載の据え込み加工方法。
  12. 素材の拡径予定部におけるガイドの先端部に対応する部位を誘導加熱手段によって局部的に誘導加熱する請求項11記載の据え込み加工方法。
  13. ガイドの先端部を誘導加熱手段によって局部的に誘導加熱することにより、素材の拡径予定部におけるガイドの先端部に対応する部位を局部的に加熱する請求項11記載の据え込み加工方法。
  14. 素材の拡径予定部におけるガイドの先端部に対応する部位を局部的に半溶融状態に加熱する請求項11記載の据え込み加工方法。
  15. 素材の拡径予定部におけるガイドの先端部よりも基端側の部位に対応する部位を冷却手段により冷却した状態で、素材の拡径予定部を拡径する請求項11記載の据え込み加工方法。
  16. 請求項1記載の据え込み加工方法により得られた据え込み加工品。
  17. 棒状の素材の拡径予定部を拡径する据え込み加工装置であって、
    素材を固定する固定ダイと、
    固定ダイに固定された素材の拡径予定部を座屈阻止状態に挿通保持する挿通孔を有するガイドと、
    ガイドの挿通孔に挿通された素材の拡径予定部を軸方向に加圧するパンチと、
    ガイドをパンチの移動方向とは反対方向に移動させるガイド駆動装置とを備え、
    ガイドの先端部の一部に、ガイドの軸方向に突出する拡径抑制用突片部が一体に設けられるとともに、
    ガイドの突片部は、素材の拡径予定部の拡径時に、拡径予定部の周面の一部が突片部の側面に当接することにより、拡径予定部の突片部との当接部について拡径を抑制するものであることを特徴とする据え込み加工装置。
  18. 固定ダイに成形凹部が設けられるとともに、該成形凹部の周面に、固定ダイの軸方向に延び且つガイドの突片部が固定ダイの軸方向にスライド自在に挿入されるスライド溝部が設けられており、
    ガイドの突片部の側面は、素材の拡径部の周面形状に対応した面に形成されている請求項17記載の据え込み加工装置。
  19. ガイドの先端部の挿通孔開口縁部に、面取り加工が施されている請求項17記載の据え込み加工装置。
  20. 固定ダイに設けられた素材固定用嵌込み孔の開口縁部に、面取り加工が施されている請求項17記載の据え込み加工装置。
  21. 素材は、丸棒状の圧延材からなり、
    ガイドの挿通孔の周面又は/及び素材の拡径予定部の表面に潤滑剤を付着させる潤滑剤付着手段を備えている請求項17記載の据え込み加工装置。
  22. 圧延材は、鋳造圧延材である請求項21記載の据え込み加工装置。
  23. 圧延材は、連続鋳造圧延材である請求項21記載の据え込み加工装置。
  24. 素材の拡径予定部におけるガイドの先端部に対応する部位を局部的に加熱する加熱手段を備えている請求項17記載の据え込み加工装置。
  25. 加熱手段は、誘導加熱コイルを有する誘導加熱手段であり、
    拡径予定部におけるガイドの先端部に対応する部位を誘導加熱手段によって局部的に誘導加熱するように構成されている請求項24記載の据え込み加工装置。
  26. 加熱手段は、誘導加熱コイルを有する誘導加熱手段であり、
    ガイドの先端部を誘導加熱手段によって局部的に誘導加熱することにより、素材の拡径予定部におけるガイドの先端部に対応する部位を局部的に加熱するように構成されている請求項24記載の据え込み加工装置。
  27. 加熱手段は、素材の拡径予定部におけるガイドの先端部に対応する部位を局部的に半溶融状態に加熱可能なものである請求項24記載の据え込み加工装置。
  28. 素材の拡径予定部におけるガイドの先端部よりも基端側の部位に対応する部位を冷却する冷却手段を備えている請求項24記載の据え込み加工装置。
  29. 棒状の素材の軸方向両側部の各拡径予定部をそれぞれ拡径する据え込み加工装置であって、
    素材を固定する固定ダイと、
    固定ダイに固定された素材の各拡径予定部をそれぞれ座屈阻止状態に挿通保持する挿通孔を有する2個のガイドと、
    各ガイドの挿通孔に挿通された素材の各拡径予定部をそれぞれ軸方向に加圧する2個のパンチと、
    各ガイドをそれぞれ対応するパンチの移動方向とは反対方向に移動させる2個のガイド駆動装置とを備え、
    2個のガイドのうち少なくとも1個のガイドの先端部の一部に、ガイドの軸方向に突出する拡径抑制用突片部が一体に設けられるとともに、
    ガイドの突片部は、素材の拡径予定部の拡径時に、拡径予定部の周面の一部が突片部の側面に当接することにより、拡径予定部の突片部との当接部について拡径を抑制するものであることを特徴とする据え込み加工装置。
  30. 固定ダイに2個の成形凹部が設けられるとともに、該2個の成形凹部のうち少なくとも1個の成形凹部の周面に、固定ダイの軸方向に延び且つガイドの突片部が固定ダイの軸方向にスライド自在に挿入されるスライド溝部が設けられており、
    ガイドの突片部の側面は、素材の拡径部の周面形状に対応した面に形成されている請求項29記載の据え込み加工装置。
  31. 各ガイドの先端部の挿通孔開口縁部に、面取り加工が施されている請求項29記載の据え込み加工装置。
  32. 固定ダイに設けられた素材固定用嵌込み孔の開口縁部に、面取り加工が施されている請求項29記載の据え込み加工装置。
  33. 素材は、丸棒状の圧延材からなり、
    各ガイドの挿通孔の周面又は/及び素材の各拡径予定部の表面に潤滑剤を付着させる2個の潤滑剤付着手段を備えている請求項29記載の据え込み加工装置。
  34. 圧延材は、鋳造圧延材である請求項33記載の据え込み加工装置。
  35. 圧延材は、連続鋳造圧延材である請求項33記載の据え込み加工装置。
  36. 素材の各拡径予定部におけるガイドの先端部に対応する部位を局部的に加熱する2個の加熱手段を備えている請求項29記載の据え込み加工装置。
  37. 各加熱手段は、誘導加熱コイルを有する誘導加熱手段であり、
    素材の各拡径予定部におけるガイドの先端部に対応する部位を誘導加熱手段によって局部的に誘導加熱するように構成されている請求項36記載の据え込み加工装置。
  38. 各加熱手段は、誘導加熱コイルを有する誘導加熱手段であり、
    各ガイドの先端部を誘導加熱手段によって局部的に誘導加熱することにより、素材の各拡径予定部におけるガイドの先端部に対応する部位を局部的に加熱するように構成されている請求項36記載の据え込み加工装置。
  39. 各加熱手段は、素材の各拡径予定部におけるガイドの先端部に対応する部位を局部的に半溶融状態に加熱可能なものである請求項36記載の据え込み加工装置。
  40. 素材の各拡径予定部におけるガイドの先端部よりも基端側の部位に対応する部位を冷却する2個の冷却手段を備えている請求項36記載の据え込み加工装置。
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