JP4879880B2 - 据え込み加工方法及び据え込み加工装置 - Google Patents

据え込み加工方法及び据え込み加工装置 Download PDF

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Description

本発明は、棒状の素材の2箇所以上を拡径する据え込み加工方法及び据え込み加工装置に関する。
一般に据え込み加工は、棒状の素材を軸方向に押圧することにより、素材の所定部位を拡径するものである。この据え込み加工において、加工時に素材が座屈すると、得られる製品(据え込み加工品)は形状不良(シワ、かぶりきず等)となり製品としての価値が損なわれる。そこで、座屈が生じ難くするため、従来、次のような据え込み加工が知られている。
すなわち、素材を固定ダイに固定するとともに、素材をガイドに設けられた挿通孔に挿通して素材を座屈阻止状態に保持する。次いで、パンチで素材を軸方向に押圧しながら、ガイドをパンチの移動方向とは反対方向に移動させることにより、ガイドの前端部と固定ダイとの間に露出する素材の露出部を拡径する方法である(例えば、特許文献1−2)。
特開昭48−62646号公報 特開平9−253782号公報
而して、上記従来の据え込み加工方法によって素材の2箇所をそれぞれ拡径する場合には、まず素材の一箇所を拡径したのち、素材を反転させ、次いで残りの箇所を拡径することが考えられるが、この方法では、素材の反転作業が必要となるため、加工に要する工程が多くなるという難点があった。
本発明は上記技術背景に鑑みてなされたもので、その目的は、棒状の素材の少なくとも2箇所を能率良く拡径することができる据え込み加工方法及び該加工方法に好適に用いられる据え込み加工装置を提供することにある。
本発明は以下の手段を提供する。
[1] 棒状の素材を座屈阻止状態に挿通保持する軸方向に貫通した挿通孔を有する複数個のガイドを準備し、
固定ダイに固定された素材を前記複数個のガイドの各挿通孔に順次挿通保持し、
次いで、パンチで素材を軸方向に押圧しながら、前記複数個のガイドを相互密着状態で一体にパンチの移動方向とは反対方向に移動させることにより、前記複数個のガイドにおける最も前側に配置された第1ガイドと固定ダイとの間に露出する素材の第1露出部を拡径するとともに、
第1ガイドの移動終了後、前記複数個のガイドにおける第1ガイドの後側に配置された第2ガイドをパンチの移動方向とは反対方向に第1ガイドに対して相対的に移動させることにより、第2ガイドと第1ガイドとの間に露出する素材の第2露出部を拡径することを特徴とする据え込み加工方法。
[2] 素材の第1露出部を無拘束状態で拡径する場合において、
パンチの移動開始時からの平均移動速度をP、
第1ガイドの移動開始時からの平均移動速度をG、
据え込み加工前の素材の断面積での座屈限界長さをX0
第1露出部の拡径により形成される拡径部の断面積での座屈限界長さをX1
第1ガイドと固定ダイとの間の初期クリアランスをX(但し、0≦X≦X0)、
パンチの移動開始時から第1ガイドの移動開始時までのタイムラグをt0(但し、0≦t0)、
前記拡径部に要する据え込み加工前の素材の長さをl0
パンチ移動開始時からの据え込み加工時間をT、
とするとき、
0<Tの場合において、Gは、
0≦G≦P(X1−X)/(l0−X1−Pt0
の関係式を満足している前項1記載の据え込み加工方法。
[3] 素材の第1露出部を固定ダイに設けられた成形凹部内で拡径する場合において、
パンチの移動開始時からの平均移動速度をP、
第1ガイドの移動開始時からの平均移動速度をG、
据え込み加工前の素材の断面積での座屈限界長さをX0
第1ガイドの前端部と成形凹部の底部との間の初期クリアランスをX(但し、0≦X≦X0)、
第1露出部の拡径により形成される拡径部に要する据え込み加工前の素材の長さをL0
前記拡径部の設計体積から求められるパンチの先端部の成形凹部底部に対する停止位置をXP
設計で定めた第1ガイドの前端部の成形凹部底部に対する停止位置をXg
パンチの移動開始時から第1ガイドの移動開始時までのタイムラグをt0(但し、0≦t0)、
とするとき、Gは、
G=P(Xg−X)/(L0−XP−Pt0
の式を満足している前項1記載の据え込み加工方法。
[4] 前記複数個のガイドのうち少なくとも第1ガイドは、その挿通孔を縦断する分割面で複数個に分割可能なものである前項1〜3のいずれか1項記載の据え込み加工方法。
[5] 素材は、丸棒状の圧延材からなる前項1〜4のいずれか1項記載の据え込み加工方法。
[6] 圧延材は、鋳造圧延材である前項5記載の据え込み加工方法。
[7] 圧延材は、連続鋳造圧延材である前項5記載の据え込み加工方法。
[8] 前記複数個のガイドの各挿通孔の周面又は/及び素材の表面に潤滑剤を付着させた状態で、素材の第1露出部と第2露出部を拡径する前項5〜7のいずれか1項記載の据え込み加工方法。
[9] 素材における第1ガイドの前端部に対応する部位を局部的に加熱した状態で、素材の第1露出部を拡径する前項1〜8のいずれか1項記載の据え込み加工方法。
[10] 素材における第1ガイドの前端部に対応する部位を誘導加熱手段によって局部的に誘導加熱する前項9記載の据え込み加工方法。
[11] 第1ガイドの前端部を誘導加熱手段によって局部的に誘導加熱することにより、素材における第1ガイドの前端部に対応する部位を局部的に加熱する前項9記載の据え込み加工方法。
[12] 素材における第1ガイドの前端部に対応する部位を局部的に半溶融状態に加熱する前項9〜11のいずれか1項記載の据え込み加工方法。
[13] 素材における第1ガイドの前端部よりも後側の部位に対応する部位を冷却手段により局部的に冷却した状態で、素材の第1露出部を拡径する前項9〜12のいずれか1項記載の据え込み加工方法。
[14] 素材における第2ガイドの前端部に対応する部位を局部的に加熱した状態で、素材の第2露出部を拡径する前項1〜13のいずれか1項記載の据え込み加工方法。
[15] 素材における第2ガイドの前端部に対応する部位を誘導加熱手段によって局部的に誘導加熱する前項14記載の据え込み加工方法。
[16] 第2ガイドの前端部を誘導加熱手段によって局部的に誘導加熱することにより、素材における第2ガイドの前端部に対応する部位を局部的に加熱する前項14記載の据え込み加工方法。
[17] 素材における第2ガイドの前端部に対応する部位を局部的に半溶融状態に加熱する前項14〜16のいずれか1項記載の据え込み加工方法。
[18] 素材における第2ガイドの前端部よりも後側の部位に対応する部位を冷却手段により局部的に冷却した状態で、素材の第2露出部を拡径する前項14〜17のいずれか1項記載の据え込み加工方法。
[19] 前項1〜18のいずれか1項記載の据え込み加工方法により得られた据え込み加工品。
[20] 棒状の素材の軸方向両側部のうち一側部を座屈阻止状態に挿通保持する軸方向に貫通した挿通孔を有し、且つ互いに軸方向に並んで配置される複数個の一側部用ガイドと、
素材の他側部を座屈阻止状態に挿通保持する軸方向に貫通した挿通孔を有する少なくとも1個の他側部用ガイドと、
素材の一側部を軸方向に押圧する一側部用パンチと、
素材の他側部を軸方向に押圧する他側部用パンチと、
を準備し、
素材の軸方向中間部で固定ダイに固定された素材の一側部を前記複数個の一側部用ガイドの各挿通孔に順次挿通保持するとともに、素材の他側部を他側部用ガイドの挿通孔に挿通保持し、
次いで、素材の一側部を一側部用パンチで軸方向に押圧しながら、前記複数個の一側部用ガイドを相互密着状態で一体に一側部用パンチの移動方向とは反対方向に移動させることにより、前記複数個の一側部用ガイドにおける最も前側に配置された第1ガイドと固定ダイとの間に露出する素材の第1露出部を拡径するとともに、
第1ガイドの移動終了後、前記複数個の一側部用ガイドにおける第1ガイドの後側に配置された第2ガイドを、一側部用パンチの移動方向とは反対方向に第1ガイドに対して相対的に移動させることにより、第2ガイドと第1ガイドとの間に露出する素材の第2露出部を拡径し、
さらに、一側部用パンチによる素材の一側部の押圧と同時に、素材の他側部を他側部用パンチで軸方向に押圧しながら、他側部用ガイドを他側部用パンチの移動方向とは反対方向に移動させることにより、他側部用ガイドと固定ダイとの間に露出する素材の第3露出部を拡径することを特徴とする据え込み加工方法。
[21] 素材の第1露出部を無拘束状態で拡径する場合において、
一側部用パンチの移動開始時からの平均移動速度をP、
第1ガイドの移動開始時からの平均移動速度をG、
据え込み加工前の素材の断面積での座屈限界長さをX0
第1露出部の拡径により形成される拡径部の断面積での座屈限界長さをX1
第1ガイドと固定ダイとの間の初期クリアランスをX(但し、0≦X≦X0)、
一側部用パンチの移動開始時から第1ガイドの移動開始時までのタイムラグをt0(但し、0≦t0)、
前記拡径部に要する据え込み加工前の素材の長さをl0
一側部用パンチ移動開始時からの据え込み加工時間をT、
とするとき、
0<Tの場合において、Gは、
0≦G≦P(X1−X)/(l0−X1−Pt0
の関係式を満足している前項20記載の据え込み加工方法。
[22] 素材の第1露出部を固定ダイに設けられた成形凹部内で拡径する場合において、
一側部用パンチの移動開始時からの平均移動速度をP、
第1ガイドの移動開始時からの平均移動速度をG、
据え込み加工前の素材の断面積での座屈限界長さをX0
第1ガイドの前端部と成形凹部の底部との間の初期クリアランスをX(但し、0≦X≦X0)、
第1露出部の拡径により形成される拡径部に要する据え込み加工前の素材の長さをL0
前記拡径部の設計体積から求められる一側部用パンチの先端部の成形凹部底部に対する停止位置をXP
設計で定めた第1ガイドの前端部の成形凹部底部に対する停止位置をXg
一側部用パンチの移動開始時から第1ガイドの移動開始時までのタイムラグをt0(但し、0≦t0)、
とするとき、Gは、
G=P(Xg−X)/(L0−XP−Pt0
の式を満足している前項20記載の据え込み加工方法。
[23]
前記複数個の一側部用ガイドのうち少なくとも第1ガイドは、その挿通孔を縦断する分割面で複数個に分割可能なものである前項20〜22のいずれか1項記載の据え込み加工方法。
[24] 素材は、丸棒状の圧延材からなる前項20〜23のいずれか1項記載の据え込み加工方法。
[25] 圧延材は、鋳造圧延材である前項24記載の据え込み加工方法、
[26] 圧延材は、連続鋳造圧延材である前項24記載の据え込み加工方法。
[27] 前記複数個の一側部用ガイドの各挿通孔の周面、他側部用ガイドの挿通孔の周面及び素材の表面のうち少なくとも一つに潤滑剤を付着させた状態で、素材の第1露出部と第2露出部と第3露出部を拡径する前項24〜26のいずれか1項記載の据え込み加工方法。
[28] 素材における第1ガイドの前端部に対応する部位を局部的に加熱した状態で、素材の第1露出部を拡径する前項20〜27のいずれか1項記載の据え込み加工方法。
[29] 素材における第1ガイドの前端部に対応する部位を誘導加熱手段によって局部的に誘導加熱する前項28記載の据え込み加工方法。
[30] 第1ガイドの前端部を誘導加熱手段によって局部的に誘導加熱することにより、素材における第1ガイドの前端部に対応する部位を局部的に加熱する前項28記載の据え込み加工方法。
[31] 素材における第1ガイドの前端部に対応する部位を局部的に半溶融状態に加熱する前項28〜30のいずれか1項記載の据え込み加工方法。
[32] 素材における第1ガイドの前端部よりも後側の部位に対応する部位を冷却手段により局部的に冷却した状態で、素材の第1露出部を拡径する前項28〜31のいずれか1項記載の据え込み加工方法。
[33] 素材における第2ガイドの前端部に対応する部位を局部的に加熱した状態で、素材の第2露出部を拡径する前項20〜32のいずれか1項記載の据え込み加工方法。
[34] 素材における第2ガイドの前端部に対応する部位を誘導加熱手段によって局部的に誘導加熱する前項33記載の据え込み加工方法。
[35] 第2ガイドの前端部を誘導加熱手段によって局部的に誘導加熱することにより、素材における第2ガイドの前端部に対応する部位を局部的に加熱する前項33記載の据え込み加工方法。
[36] 素材における第2ガイドの前端部に対応する部位を局部的に半溶融状態に加熱する前項33〜35のいずれか1項記載の据え込み加工方法。
[37] 素材における第2ガイドの前端部よりも後側の部位に対応する部位を冷却手段により局部的に冷却した状態で、素材の第2露出部を拡径する前項33〜36のいずれか1項記載の据え込み加工方法。
[38] 素材における第3ガイドの前端部に対応する部位を局部的に加熱した状態で、素材の第3露出部を拡径する前項20〜37のいずれか1項記載の据え込み加工方法。
[39] 素材における第3ガイドの前端部に対応する部位を誘導加熱手段によって局部的に誘導加熱する前項38記載の据え込み加工方法。
[40] 第3ガイドの前端部を誘導加熱手段によって局部的に誘導加熱することにより、素材における第3ガイドの前端部に対応する部位を局部的に加熱する前項38記載の据え込み加工方法。
[41] 素材における第3ガイドの前端部に対応する部位を局部的に半溶融状態に加熱する前項38〜40のいずれか1項記載の据え込み加工方法。
[42] 素材における第3ガイドの前端部よりも後側の部位に対応する部位を冷却手段により局部的に冷却した状態で、素材の第3露出部を拡径する前項38〜41のいずれか1項記載の据え込み加工方法。
[43] 前項20〜42のいずれか1項記載の据え込み加工方法により得られた据え込み加工品。
[44] 棒状の素材を座屈阻止状態に挿通保持する軸方向に貫通した挿通孔を有し且つ互いに軸方向に並んで配置される複数個のガイドと、
素材を軸方向に押圧するパンチと、
前記複数個のガイドにおける各ガイドをそれぞれパンチの移動方向とは反対方向に移動させる複数個のガイド駆動装置と、
を備えていることを特徴とする据え込み加工装置。
[45] 前記複数個のガイドのうち少なくとも最も前側に配置されたガイドは、その挿通孔を縦断する分割面で複数個に分割可能なものである前項44記載の据え込み加工装置。
[46] 素材は、丸棒状の圧延材からなり、
複数個のガイドの各挿通孔の周面又は/及び素材の表面に潤滑剤を付着させる潤滑剤付着手段を備えている前項44又は45記載の据え込み加工装置。
[47] 圧延材は、鋳造圧延材である前項46記載の据え込み加工装置。
[48] 圧延材は、連続鋳造圧延材である前項46記載の据え込み加工装置。
[49] 素材における前記複数個のガイドのうち少なくとも一個のガイドの前端部に対応する部位を局部的に加熱する加熱手段を備えている前項44〜48のいずれか1項記載の据え込み加工装置。
[50] 加熱手段は、誘導加熱コイルを有する誘導加熱手段であり、
素材における前記少なくとも一個のガイドの前端部に対応する部位を誘導加熱手段によって局部的に誘導加熱するように構成されている前項49記載の据え込み加工装置。
[51] 加熱手段は、誘導加熱コイルを有する誘導加熱手段であり、
前記少なくとも一個のガイドの前端部を誘導加熱手段によって局部的に誘導加熱することにより、素材における前記少なくとも一個のガイドの前端部に対応する部位を局部的に加熱するように構成されている前項49記載の据え込み加工装置。
[52] 加熱手段は、素材における前記少なくとも一個のガイドの前端部に対応する部位を局部的に半溶融状態に加熱可能なものである前項49〜51のいずれか1項記載の据え込み加工装置。
[53] 素材における前記少なくとも一個のガイドの前端部よりも後側の部位に対応する部位を局部的に冷却する冷却手段を備えている前項49〜52のいずれか1項記載の据え込み加工装置。
[54] 棒状の素材の軸方向両側部のうち一側部を座屈阻止状態に挿通保持する軸方向に貫通した挿通孔を有し、且つ互いに軸方向に並んで配置される複数個の一側部用ガイドと、
素材の他側部を座屈阻止状態に挿通保持する軸方向に貫通した挿通孔を有する少なくとも1個の他側部用ガイドと、
素材の一側部を軸方向に押圧する一側部用パンチと、
素材の他側部を軸方向に押圧する他側部用パンチと、
前記複数個の一側部用ガイドにおける各ガイドをそれぞれ一側部用パンチの移動方向とは反対方向に移動させる複数個の一側部用ガイド駆動装置と、
他側部用ガイドを他側部用パンチの移動方向とは反対方向に移動させる他側部用ガイド駆動装置と、
を備えていることを特徴とする据え込み加工装置。
[55] 前記複数個の一側部用ガイドのうち少なくとも最も前側に配置されたガイドは、その挿通孔を縦断する分割面で複数個に分割可能なものである前項54記載の据え込み加工装置。
[56] 素材は、丸棒状の圧延材からなり、
前記複数個の一側部用ガイドの各挿通孔の周面、他側部用ガイドの挿通孔の周面及び素材の表面のうち少なくとも一つに潤滑剤を付着させる潤滑剤付着手段を備えている前項54又は55記載の据え込み加工装置。
[57] 圧延材は、鋳造圧延材である前項56記載の据え込み加工装置。
[58] 圧延材は、連続鋳造圧延材である前項56記載の据え込み加工装置。
[59] 素材における前記複数個の一側部用ガイド及び他側部用ガイドのうち少なくとも一個のガイドの前端部に対応する部位を局部的に加熱する加熱手段を備えている前項54〜58のいずれか1項記載の据え込み加工装置。
[60] 加熱手段は、誘導加熱コイルを有する誘導加熱手段であり、
素材における前記少なくとも一個のガイドの前端部に対応する部位を誘導加熱手段によって局部的に誘導加熱するように構成されている前項59記載の据え込み加工装置。
[61] 加熱手段は、誘導加熱コイルを有する誘導加熱手段であり、
前記少なくとも一個のガイドの前端部を誘導加熱手段によって局部的に誘導加熱することにより、素材における前記少なくとも一個のガイドの前端部に対応する部位を局部的に加熱するように構成されている前項59記載の据え込み加工装置。
[62] 加熱手段は、素材における前記少なくとも一個のガイドの前端部に対応する部位を局部的に半溶融状態に加熱可能なものである前項59〜61のいずれか1項記載の据え込み加工装置。
[63] 素材における前記少なくとも一個のガイドの前端部よりも後側の部位に対応する部位を局部的に冷却する冷却手段を備えている前項59〜62のいずれか1項記載の据え込み加工装置。
本発明は以下の効果を奏する。
[1]の発明では、必ずしも素材を反転しなくても素材の少なくとも2箇所(第1露出部及び第2露出部)を拡径することができる。したがって、素材の2箇所以上を据え込み加工によって拡径する場合において、能率良く拡径加工を行うことができる。
[2]の発明では、素材の露出部を無拘束状態で拡径するから、露出部を低いパンチ押圧力、即ち低い成形圧力で拡径することができ、もってパンチの駆動に要する駆動力を低減することができる。さらに、成形凹部を有する高価な成形ダイを使用しなくても露出部を拡径できるから、製造コスト、即ち加工コストを引き下げることができる。
さらに、ガイドの移動開始からの平均移動速度Gが所定の関係式を満足することにより、加工時に生じることのある座屈を確実に防止することができる。
[3]の発明では、素材の露出部を確実に設計形状に拡径することができる。
[4]の発明では、加工終了後に据え込み加工品のガイド挿通孔からの取出しを不具合なく行うことができる。
[5]の発明では、圧延材からなる丸棒状の素材は安価に入手又は製造できることから、この素材を据え込み加工用素材として用いることにより、加工コストを引き下げることができる。
さらに、この素材は、一般に、押出材からなる丸棒状の素材に比べて真円度が低い、そのため、この素材をガイドの挿通孔に挿通すると、素材の表面と挿通孔の周面との間に隙間が必然的に生じる。そのため、両者の接触面積は小さい。したがって、素材がガイドの挿通孔内を軸方向にスライド移動する際の摩擦抵抗力が小さいので、成形圧力を低減できる。そのため、パンチを移動させるパンチ駆動装置として小型のものを使用でき、もって据え込み加工装置の設置スペースについて省スペース化を図ることができる。
さらに、成形圧力を低減できるから、次の利点がある。すなわち、もし仮に成形圧力が大きい場合、素材の端部がパンチからの押圧力によってガイドの挿通孔内で押し潰されることがしばしば生じる。このようになると、パンチの周面と挿通孔の周面との間の隙間に素材の材料の一部が浸入し、その結果、成形圧力が増加し、ひいてはパンチが挿通孔内で押圧方向に移動できなくなって加工不能に至るという問題が生じる。そこで、成形圧力を低減することにより、このような問題は発生せず、もって、素材を長領域に亘って良好に拡径加工することができる。
[6]の発明では、鋳造圧延材からなる素材は更に安価に入手又は製造できることから、この素材を据え込み加工用素材として用いることにより、加工コストを更に引き下げることができる。
[7]の発明では、連即鋳造圧延材からなる素材は更に一層安価に入手又は製造できることから、この素材を据え込み加工用素材として用いることにより、加工コストを更に一層引き下げることができる。
[8]の発明では、次の利点がある。すなわち、上述したように、圧延材からなる丸棒状の素材は真円度が低いため、この素材をガイドの挿通孔に挿通すると、素材の表面と挿通孔の周面との間に隙間が必然的に生じる。複数個のガイドの各挿通孔の周面又は/及び素材の表面に潤滑剤が付着されている場合には、この隙間内に潤滑剤が浸入して一時的に溜められる。これにより、潤滑剤の、挿通孔の周面及び素材の表面への散布が促される。すなわち、加工時に素材が挿通孔内を軸方向にスライド移動することに伴い、隙間内の潤滑剤が挿通孔の周面及び素材の表面に散布させるようになる。これにより、挿通孔の周面と素材の表面との間の摩擦抵抗力を確実に低減でき、すなわち成形圧力を確実に低減できる。
[9]の発明では、素材における第1ガイドの前端部に対応する部位についてのみ変形抵抗が局部的に低下するから、成形圧力を低減できる。
一方、素材における第1ガイドの前端部よりも後側の部位に対応する部位については加熱されていないので変形抵抗は低下しない。そのため、素材がパンチからの押圧力によって第1ガイドの挿通孔内で膨出することにより生じる成形圧力の増加を防止できる。
[10]の発明では、素材における第1ガイドの前端部に対応する部位を確実に且つ極めて効率良く加熱できる。
[11]の発明では、素材における第1ガイドの前端部に対応する部位を確実に且つ効率良く加熱できる。
[12]の発明では、成形圧力を大幅に低減できる。
[13]の発明では、素材における第1ガイドの前端部よりも後側の部位に対応する部位が加熱されるのを確実に抑制できる。そのため、素材の当該部位における変形抵抗の低下を確実に抑制できる。
[14]の発明では、素材における第2ガイドの前端部に対応する部位についてのみ変形抵抗が局部的に低下するから、成形圧力を低減できる。
一方、素材における第2ガイドの前端部よりも後側の部位に対応する部位については加熱されていないので変形抵抗は低下しない。そのため、素材がパンチからの押圧力によって第2ガイドの挿通孔内で膨出することにより生じる成形圧力の増加を防止できる。
[15]の発明では、素材における第2ガイドの前端部に対応する部位を確実に且つ極めて効率良く加熱できる。
[16]の発明では、素材における第2ガイドの前端部に対応する部位を確実に且つ効率良く加熱できる。
[17]の発明では、成形圧力を大幅に低減できる。
[18]の発明では、素材における第2ガイドの前端部よりも後側の部位に対応する部位が加熱されるのを確実に抑制できる。そのため、素材の当該部位における変形抵抗の低下を確実に抑制できる。
[19]の発明では、2個以上の拡径部が形成された高品質の据え込み加工品を提供できる。
[20]の発明では、必ずしも素材を反転しなくても素材の少なくとも3箇所(即ち、第1露出部、第2露出部及び第3露出部)を拡径することができる。したがって、素材の3箇所以上を据え込み加工によって拡径する場合において、能率良く拡径加工を行うことができる。
[21]〜[37]の発明では、それぞれ上記[2]〜[18]の発明と同様の効果を奏する。
[38]の発明では、素材における第3ガイドの前端部に対応する部位についてのみ変形抵抗が局部的に低下するから、成形圧力を低減できる。
一方、素材における第3ガイドの前端部よりも後側の部位に対応する部位については加熱されていないので変形抵抗は低下しない。そのため、素材が他側部用パンチからの押圧力によって他側部用ガイドの挿通孔内で膨出することにより生じる成形圧力の増加を防止できる。
[39]の発明では、素材における第3ガイドの前端部に対応する部位を確実に且つ極めて効率良く加熱できる。
[40]の発明では、素材における第3ガイドの前端部に対応する部位を確実に且つ効率良く加熱できる。
[41]の発明では、成形圧力を大幅に低減できる。
[42]の発明では、素材における第3ガイドの前端部よりも後側の部位に対応する部位が加熱されるのを確実に抑制できる。そのため、素材の当該部位における変形抵抗の低下を確実に抑制できる。
[43]の発明では、3個以上の拡径部が形成された高品質の据え込み加工品を提供できる。
[44]〜[53]の発明では、上記[1]〜[18]のいずれかの発明に係る据え込み加工方法に好適に用いることができる据え込み加工装置を提供できる。
[54]〜[63]の発明では、上記[20]〜[42]のいずれかの発明に係る据え込み加工方法に好適に用いることができる据え込み加工装置を提供できる。
本発明の第1実施形態に係る据え込み加工装置により素材の所定部位を拡径する前の状態における、同据え込み加工装置の要部の縦断面図である。 同据え込み加工装置により素材の所定部位を拡径する途中の状態における、同据え込み加工装置の要部の縦断面図である。 同据え込み加工装置により素材の所定部位を更に拡径する途中の状態における、同据え込み加工装置の要部の縦断面図である。 同据え込み加工装置により素材の所定部位を拡径した後の状態における、同据え込み加工装置の要部の縦断面図である。 同据え込み加工装置により得られた据え込み加工品の平面図である。 本発明の第2実施形態に係る据え込み加工装置により素材の所定部位を拡径する前の状態における、同据え込み加工装置の要部の縦断面図である。 同据え込み加工装置により素材の所定部位を拡径する途中の状態における、同据え込み加工装置の要部の縦断面図である。 同据え込み加工装置により素材の所定部位を拡径した後の状態における、同据え込み加工装置の要部の縦断面図である。 同据え込み加工装置により得られた据え込み加工品の平面図である。 本発明の第3実施形態に係る据え込み加工装置により素材の所定部位を拡径する前の状態における、同据え込み加工装置の要部の縦断面図である。 図10中のX−X線拡大断面図である。 同据え込み加工装置により素材の所定部位を拡径する途中の状態における、同据え込み加工装置の要部の縦断面図である。 同据え込み加工装置により素材の所定部位を拡径した後の状態における、同据え込み加工装置の要部の縦断面図である。 本発明の第4実施形態に係る据え込み加工装置により素材の所定部位を拡径する前の状態における、同据え込み加工装置の要部の縦断面図である。 図14中のY−Y線拡大断面図である。 同据え込み加工装置により素材の所定部位を拡径する途中の状態における、同据え込み加工装置の要部の縦断面図である。 同据え込み加工装置により素材の所定部位を拡径した後の状態における、同据え込み加工装置の要部の縦断面図である。
符号の説明
1A、1B…据え込み加工装置
1…素材
2…中間部
3R…右側部(一側部)
3L…左側部(他側部)
4…第1露出部
5…第2露出部
6…第3露出部
7…第1拡径部
8…第2拡径部
9…第3拡径部
10A、10B…据え込み加工品
20…固定ダイ
22…第1成形凹部
22a…底部
23…第2成形凹部
24…第3成形凹部
31…第1右ガイド(一側部用第1ガイド)
31x…前端部
32…第2右ガイド(一側部用第2ガイド)
32x…前端部
34…挿通孔
41…左ガイド(他側部用ガイド)
41x…前端部
44…挿通孔
50R…右パンチ(一側部用パンチ)
50L…左パンチ(他側部用パンチ)
61…第1右ガイド駆動装置(一側部用第1ガイド駆動装置)
62…第2右ガイド駆動装置(一側部用第2ガイド駆動装置)
63…左ガイド駆動装置(他側部用ガイド駆動装置)
70R…右パンチ駆動装置(一側部用パンチ駆動装置)
70L…左パンチ駆動装置(他側部用パンチ駆動装置)
81…第1誘導加熱手段(加熱手段)
81a…第1誘導加熱コイル
82…第2誘導加熱手段(加熱手段)
82a…第2誘導加熱コイル
83…第3誘導加熱手段(加熱手段)
83a…第3誘導加熱コイル
85…第1冷却手段
85a…冷却液流通路
86…第2冷却手段
86a…冷却液流通路
87…第3冷却手段
87a…冷却液流通路
91…第1潤滑剤付着手段
92…第2潤滑剤付着手段
次に、本発明の幾つかの実施形態について図面を参照して以下に説明する。
図1〜図5は、本発明の第1実施形態に係る据え込み加工装置を用いた据え込み加工方法を説明するための概略図である。
図1において、(1A)は第1実施形態に係る据え込み加工装置、(1)は素材である。また、図5において、(10A)は、据え込み加工装置(1A)により製造された据え込み加工品である。この据え込み加工品(10A)は、棒状の軸部の3箇所に略球状(又は略紡錘状)の拡径部(7)(8)(9)が形成されたものである。
図1に示すように、素材(1)は、真直な棒状のものであり、例えばアルミニウム(その合金を含む。以下同じ。)からなる。素材(1)の断面形状は円形状であり、また素材(1)の断面積は軸方向に一定に設定されている。
なお本発明では、素材(1)の材質は、アルミニウムに限定されるものではなく、例えば、真鍮、銅、ステンレス鋼等の金属であっても良いし、プラスチックであっても良い。また、素材(1)の断面形状は、円形状に限定されるものではなく、四角形状や六角形状等の多角形状であっても良い。また、素材(1)は、圧延材からなるものであっても良いし、押出材からなるものであっても良いし、他の方法で製作された材料からなるものであっても良い。
据え込み加工装置(1A)は、図1に示すように、固定ダイ(20)と、素材(1)の軸方向両側部(3R)(3L)のうち一側部(3R)を座屈阻止状態に且つ軸方向にスライド移動可能に挿通保持する挿通孔(34)を有する2個の一側部用ガイド(31)(32)と、素材(1)の他側部(3L)を座屈阻止状態に且つ軸方向にスライド移動可能に挿通保持する挿通孔(44)を有する1個の他側部用ガイド(41)と、素材(1)の一側部(3R)を軸方向に押圧する一側部用パンチ(50R)と、素材(1)の他側部(3L)を軸方向に押圧する他側部用パンチ(50L)と、を備えている。なお図1において(2)は、素材(1)の軸方向中間部である。
ここで本実施形態では、素材(1)は、同図に示すように左右方向に向いて配置されていると仮定する。以下、説明の便宜上、素材(1)の軸方向両側部(3R)(3L)のうち一側部(3R)を「右側部」、他側部(3L)を「左側部」という。これに伴い、一側部用ガイド(31)(32)を「右ガイド」、他側部用ガイド(41)を「左ガイド」、一側部用パンチ(50R)を「右パンチ」、他側部用パンチ(50L)を「左パンチ」という。
固定ダイ(20)は、加工時に素材(1)が軸方向に移動しないように素材(1)を固定するためのものである。この固定ダイ(20)には素材固定用嵌込み孔(21)が固定ダイ(20)の軸方向に貫通して設けられている。嵌込み孔(21)の断面形状は素材(1)の断面形状に対応した形状、即ち円形状である。この嵌込み孔(21)には素材(1)の軸方向中間部(2)が嵌め込まれ、これにより素材(1)が固定される。
また、固定ダイ(20)は、嵌込み孔(21)を縦断する分割面で複数個(例えば2個)に分割されているものであり、即ち割型からなる。
2個の右ガイド(31)(32)は互いに軸方向に並んで配置されるものである。これらの右ガイド(31)(32)において、各ガイド(31)(32)の挿通孔(34)は、ガイドの軸方向に貫通して設けられている。挿通孔(34)の断面形状は、素材(1)の右側部(3R)の断面形状に対応した形状、即ち円形状であり、挿通孔(34)に挿通された素材(1)の右側部(3R)を座屈阻止状態に且つ軸方向にスライド移動自在に保持し得るものとなされている。
本実施形態では、2個の右ガイド(31)(32)のうち、前側に配置されたガイド(31)を「第1右ガイド」、該第1右ガイド(31)の後側に配置されたガイド(32)を「第2右ガイド」という。
第1右ガイド(31)は、その挿通孔(34)内に挿通された素材(1)の右側部(3R)の材料を固定ダイ(20)側へ案内するものであり、詳述すると、この材料を第1右ガイド(31)と固定ダイ(20)との間に形成される自由拡径空間内に案内するものである。
第2右ガイド(32)は、その挿通孔(34)内に挿通された素材(1)の右側部(3R)の材料を第1右ガイド(31)側へ案内するものであり、詳述すると、この材料を第2右ガイド(32)と第1右ガイド(31)との間に形成される自由拡径空間内に案内するものである。
第1右ガイド(31)は、その挿通孔(34)を縦断する分割面で複数個(例えば2〜4個)に分割可能なものである。また同じく、第2右ガイド(32)は、その挿通孔(34)を縦断する分割面で複数個(例えば2〜4個)に分割可能なものである。なお本発明では、第2右ガイド(32)は必ずしも分割可能であることを要しない。
(25)は、第2右ガイド(32)を保持する保持ダイ部である。この保持ダイ部(25)には保持孔(25a)が設けられ、この保持孔(25a)内に第2右ガイド(32)が軸方向に移動自在に挿通保持されている。
左ガイド(41)の挿通孔(44)は、右ガイド(31)(32)と同じく、左ガイド(41)の軸方向に貫通して設けられている。この挿通孔(44)の断面形状は、素材(1)の左側部(3L)の断面形状に対応した形状、即ち円形状であり、挿通孔(44)に挿通された素材(1)の左側部(3L)を座屈阻止状態に且つ軸方向にスライド移動自在に保持し得るものとなされている。
左ガイド(41)は、その挿通孔(34)内に挿通された素材(1)の左側部(3L)の材料を固定ダイ(20)側へ案内するものであり、詳述すると、この材料を左ガイド(41)と固定ダイ(20)との間に形成される自由拡径空間内に案内するものである。
また、右パンチ(50R)は素材(1)の右端側に、左パンチ(50L)は素材(1)の左端側にそれぞれ配置されている。
さらに、この据え込み加工装置(1A)は、2個の右ガイド駆動装置(61)(62)(一側部用ガイド駆動装置)と、左ガイド駆動装置(63)(他側部用ガイド駆動装置)と、右パンチ駆動装置(70R)(一側部用パンチ駆動装置)と、左パンチ駆動装置(70L)(他側部用パンチ駆動装置)とを備えている。
2個の右ガイド駆動装置(61)(62)は、各右ガイド(31)(32)をそれぞれ右パンチ(50R)の移動方向(55)(即ち、右パンチ(50R)による素材右側部(3R)の押圧方向)とは反対方向(35)に移動させるものである(図2参照)。各右ガイド駆動装置(61)(62)はそれぞれ対応する右ガイド(31)(32)に接続されている。
ここで、説明の便宜上、両右ガイド駆動装置(61)(62)のうち、第1右ガイド(31)に接続された右ガイド駆動装置(61)を「第1右ガイド駆動装置」、第2右ガイド(32)に接続された右ガイド駆動装置(62)を「第2右ガイド駆動装置」とそれぞれいう。
各右ガイド駆動装置(61)(62)はそれぞれ駆動源として流体圧シリンダ(油圧シリンダ又はガス圧シリンダ)を有し、このシリンダの駆動力で対応する右ガイド(31)(32)を移動させるものとなされている。
なお本発明では、各右ガイド駆動装置(61)(62)は、その他に、機械カム、電気モータ、バネ等によって対応する右ガイド(31)(32)を移動させるように構成されていても良い。また、各右ガイド駆動装置(61)(62)は、ターゲットとする形状(設計形状)が決定すると、対応する右ガイド(31)(32)の速度を一定にすることが可能であるため、速度を制御する装置は必要としないが、移動速度を制御する制御装置を付与することによりアップセット形状(拡径部の形状)を任意に変化させることも可能となる。
左ガイド駆動装置(63)は、左ガイド(41)を左パンチ(50L)の移動方向(55)(即ち、左パンチ(50L)による素材左側部(3L)の押圧方向)とは反対方向(45)に移動させるものである(図3参照)。この左ガイド駆動装置(63)は左ガイド(41)に接続されている。また、この左ガイド駆動装置(63)は、駆動源として流体圧シリンダを有し、このシリンダの駆動力で左ガイド(41)を移動させるものとなされている。
なお本発明では、左ガイド駆動装置(63)は、その他に、機械カム、電気モータ、バネ等によって左ガイド(41)を移動させるように構成されていても良い。また、この左ガイド駆動装置(63)は、ターゲットとする形状(設計形状)が決定すると、左ガイド(41)の速度を一定にすることが可能であるため、速度を制御する装置は必要としないが、移動速度を制御する制御装置を付与することによりアップセット形状(拡径部の形状)を任意に変化させることも可能となる。
右パンチ駆動装置(70R)は、右パンチ(50R)を素材(1)の軸方向に移動させ、該右パンチ(50R)に素材(1)の右側部(3R)を押圧するための押圧力を付与するためのものである。この右パンチ駆動装置(70R)は右パンチ(50R)に接続されており、流体圧(油圧、ガス圧)等によって右パンチ(50R)に駆動力を付与するものとなされている。また、この右パンチ駆動装置(70R)は、ターゲットとする形状(設計形状)が決定すると、右パンチ(50R)の速度を一定にすることが可能であるため、速度を制御する装置は必要としないが、押圧速度を制御する制御装置を付与することによりアップセット形状(拡径部の形状)を任意に変化させることも可能となる。
左パンチ駆動装置(70L)は、左パンチ(50L)を素材(1)の軸方向に移動させ、該左パンチ(50L)に素材(1)の左側部(3L)を押圧するための押圧力を付与するためのものである。この左パンチ駆動装置(70L)は左パンチ(50L)に接続されており、流体圧(油圧、ガス圧)等によって左パンチ(50L)に駆動力を付与するものとなされている。また、この左パンチ駆動装置(70L)は、ターゲットとする形状(設計形状)が決定すると、左パンチ(50L)の速度を一定にすることが可能であるため、速度を制御する装置は必要としないが、押圧速度を制御する制御装置を付与することによりアップセット形状(拡径部の形状)を任意に変化させることも可能となる。
次に、この据え込み加工装置(1A)を用いた据え込み加工方法を以下に説明する。
まず、図1に示すように、固定ダイ(20)の素材固定用嵌込み孔(21)に素材(1)の軸方向中間部(2)を挿入配置する。これにより、素材(1)は、その軸方向中間部(2)で、軸方向に不本意に移動しないように固定される。
さらに、素材(1)の右側部(3R)を2個の右ガイド(31)(32)の各挿通孔(34)(34)に順次挿通し、これにより素材(1)の右側部(3R)を座屈阻止状態に且つ軸方向にスライド移動可能に保持する。
また、素材(1)の左側部(3L)を左ガイド(41)の挿通孔(44)に挿通し、これにより素材(1)の左側部(3L)を座屈阻止状態に且つ軸方向にスライド移動可能に保持する。この状態において、両右ガイド(31)(32)は軸方向に並んで配置されている。
さらに、第1右ガイド(31)と固定ダイ(20)との間に初期クリアランスXを設ける。この初期クリアランスXの間隔は、右パンチ(50R)の移動(即ち、右パンチ(50R)による素材右側部(3R)の押圧)を開始する前の状態において第1右ガイド(31)と固定ダイ(20)との間に露出する素材(1)の第1露出部(4)の断面積での座屈限界長さ(X0)以下(好ましくは座屈限界長さ(X0)未満)に設定されている。なお、本発明では、座屈限界長さは、パンチ押圧力における座屈限界長さをいう。
また、上と同じく、左ガイド(41)と固定ダイ(20)との間にも初期クリアランスXを設ける。この初期クリアランスXの間隔は、左パンチ(50L)の移動(即ち、左パンチ(50L)による素材左側部(3L)の押圧)を開始する前の状態において左ガイド(41)と固定ダイ(20)との間に露出する素材(1)の第3露出部(6)の断面積での座屈限界長さ(X0)以下(好ましくは座屈限界長さ(X0)未満)に設定されている。
次いで、図2に示すように、右パンチ駆動装置(70R)を作動させることで右パンチ(50R)を移動させ、該右パンチ(50R)で素材(1)の右側部(3R)を軸方向に押圧しながら、2個の右ガイド駆動装置(61)(62)を作動させることで2個の右ガイド(31)(32)を相互密着状態で一体に右パンチ(50R)の移動方向(55)とは反対方向(35)に移動させる。これにより、第1右ガイド(31)と固定ダイ(20)との間に露出した素材(1)の第1露出部(4)が無拘束状態で即ち第1露出部(4)の周面が拘束されていない状態で拡径される。
また、左パンチ駆動装置(70L)を右パンチ駆動装置(70R)と同時に作動させることで左パンチ(50L)を右パンチ(50R)と同時に移動させる。これにより、右パンチ(50R)による素材(1)の右側部(3R)の押圧と同時に素材(1)の左側部(3L)を左パンチ(50L)で軸方向に押圧しながら、左ガイド駆動装置(63)を作動させることで左ガイド(41)を左パンチ(50L)の移動方向(55)とは反対方向(45)に移動させる。これにより、左ガイド(41)と固定ダイ(20)との間に露出する素材(1)の第3露出部(6)が無拘束状態で即ち第3露出部(6)の周面が拘束されていない状態で拡径される。
ここで、右パンチ(50R)の移動開始時から第1右ガイド(31)の移動開始時までの間にタイムラグt0を設けることが望ましい。すなわち、右パンチ(50R)による素材(1)の右側部(3R)の押圧を開始する場合には、図2に示すように、まず第1右ガイド(31)の位置を初期位置に固定しておいてから、右パンチ(50R)を移動させて該右パンチ(50R)で素材(1)の右側部(3R)を軸方向に押圧する。そして、タイムラグt0の経過後、継続して右パンチ(50R)で素材(1)の右側部(3R)を押圧しながら、両右ガイド(31)(32)を相互密着状態で一体に所定方向(35)に移動させる。このときの両右ガイド(31)(32)の移動速度は、素材(1)の第1露出部(4)の長さが該素材(1)の第1露出部(4)の断面積での座屈限界長さ以下(好ましくは座屈限界長さ未満)になるように両右ガイド駆動装置(61)(62)の制御装置により制御する。
また、上と同じく、左パンチ(50L)の移動開始時から左ガイド(41)の移動開始時までの間にタイムラグt0を設けることが望ましい。すなわち、左パンチ(50L)による素材(1)の左側部(3L)の押圧を開始する場合には、まず左ガイド(41)の位置を初期位置に固定しておいてから、左パンチ(50L)を移動させて該左パンチ(50L)で素材(1)の左側部(3L)を軸方向に押圧する。そして、タイムラグt0の経過後、継続して左パンチ(50L)で素材(1)の左側部(3L)を押圧しながら、左ガイド(41)を所定方向(45)に移動させる。このときの左ガイド(41)の移動速度は、素材(1)の第3露出部(6)の長さが該素材(1)の第3露出部(6)の断面積での座屈限界長さ以下になるように左ガイド駆動装置(63)の制御装置により制御する。
なお、初期クリアランスXの範囲にてタイムラグt0の間に増加する素材(1)の増分体積をV0、右パンチ(50R)(又は左パンチ(50L))の移動開始時からの平均移動速度をP、据え込み加工前の素材(1)の右側部(3R)(又は左側部(3L))の断面積をSとすると、タイムラグt0は、t0=V0/(SP)と表される。
なお本発明では、右パンチ(50R)の移動速度は一定であっても良いし、変動するものであっても良い。また同じく、両右ガイド(31)(32)の移動速度は一定であっても良いし、変動するものであっても良い。
また、上と同じく、左パンチ(50L)の移動速度は一定であっても良いし、変動するものであっても良い。また同じく、左ガイド(41)の移動速度は一定であっても良いし、変動するものであっても良い。
右パンチ(50R)及び両右ガイド(31)(32)の移動に伴い、素材(1)の第1露出部(4)が、第1右ガイド(31)と固定ダイ(20)との間に形成された自由拡径空間内において無拘束状態で徐々に拡径されていく。
また同じく、左パンチ(50L)及び左ガイド(41)の移動に伴い、素材(1)の第3露出部(6)が、左ガイド(41)と固定ダイ(20)との間に形成された自由拡径空間内において無拘束状態で徐々に拡径されていく。
そして、図3に示すように、両右ガイド(31)(32)のうち第1右ガイド(31)が設定で定めた停止位置に到達したとき、第1右ガイド(31)の移動を停止(終了)する。このとき、素材(1)の第1露出部(4)は、設計形状、即ち略球状(又は略紡錘状)に拡径されている。(7)は、第1露出部(4)の拡径により形成された第1拡径部(図5参照)である。
次いで、引き続き右パンチ(50R)で素材(1)の右側部(3R)を押圧しながら、第2右ガイド(32)だけを右パンチ(50R)の移動方向(55)とは反対方向(35)に移動させる。これにより、第2右ガイド(32)と第1右ガイド(31)との間に露出する素材(1)の第2露出部(5)が、第2右ガイド(32)と第1右ガイド(31)との間に形成された自由拡径空間内において無拘束状態で拡径される。
そして、図4に示すように、第2右ガイド(32)が設計で定めた停止位置に到達したとき、第2右ガイド(32)の移動及び右パンチ(50R)の移動を停止(終了)する。このとき、素材(1)の第2露出部(5)は、設計形状、即ち略球状(又は略紡錘状)に拡径されている。(8)は、第2露出部(5)の拡径により形成された第2拡径部(図5参照)である。
一方、同図に示すように、左ガイド(41)が設計で定めた停止位置に到達したとき、該左ガイド(41)の移動及び左パンチ(50L)の移動を停止(終了)する。このとき、素材(1)の第3露出部(6)は、設計形状、即ち略球状(又は略紡錘状)に拡径されている。(9)は、第3露出部(6)の拡径により形成された第3拡径部(図5参照)である。
なお、左ガイド(41)の移動の停止時間と第2右ガイド(32)の移動の停止時間とは同じであることが望ましい。こうすることにより、固定ダイ(20)によって素材(1)を固定するのに要する力(即ち素材固定力)を減少できて、加工時に固定ダイ(20)に作用する反力を低減することができる。
以上の手順により、素材(1)の3箇所の据え込み加工が終了する。
次いで、素材(1)を固定ダイ(20)の嵌込み孔(21)及び各ガイド(31)(32)(41)の挿通孔(34)(44)から取り出すことにより、図5に示した所望する据え込み加工品(10A)が得られる。このとき、第1右ガイド(31)は分割可能であることから、取出しの際に第1右ガイド(31)を分割することにより、据え込み加工品(10A)の第1右ガイド(31)挿通孔(34)からの取出しを不具合なく行うことができる。
この据え込み加工品(10A)は、例えば、自動車や鉄道車両等の車両用直線状アームを製作するためのプリフォーム(即ち車両のアーム用プリフォーム)として用いられる。この場合において、据え込み加工品(10A)の各拡径部(7)(8)(9)は、他の部材と連結されるジョイント部(例えばブッシュ装着部)として利用される。さらに、この据え込み加工品(10A)はこれに円弧状等に曲げ加工を施すことにより、ナックルアーム用プリフォーム等としても利用可能である。
なお、本発明に係る据え込み加工装置及び据え込み加工方法は、車両のアーム用プリフォームを製造するために用いられるものに限定されるものではなく、様々な製品用プリフォームを製造するために用いられるものである。
而して、上記第1実施形態の据え込み加工では、素材(1)を反転しなくても、素材(1)の右側部(3R)の2箇所を拡径することができるから、能率良く拡径加工を行うことができる。
さらに、素材(1)の右側部(3R)の2箇所についての拡径加工と同時に、素材(1)の左側部(3L)において1箇所の拡径加工を行うことができるから、素材(1)の合計3箇所について能率良く拡径加工を行うことができる。
さらに、素材(1)の各露出部(4)(5)(6)を無拘束状態で拡径するから、各露出部(4)(5)(6)を低いパンチ押圧力で拡径することができ、もって各パンチ(50R)(50L)の駆動に要する駆動力を低減することができる。さらに、成形凹部を有する高価な成形ダイを使用しなくても露出部(4)(5)(6)を拡径できるから、製造コストを引き下げることができる。
次に、本第1実施形態の据え込み加工方法における好ましい加工条件について以下に説明する。
右パンチ(50R)の移動開始時からの平均移動速度をP、
第1右ガイド(31)の移動開始時からの平均移動速度をG、
据え込み加工前の素材(1)の断面積での座屈限界長さをX0
素材(1)の第1露出部(4)の拡径により形成される第1拡径部(7)の断面積での座屈限界長さをX1
第1右ガイド(31)と固定ダイ(20)との間の初期クリアランスをX(但し、0≦X≦X0
右パンチ(50R)の移動開始時から第1右ガイド(31)の移動開始時までのタイムラグをt0(但し、0≦t0)、
第1拡径部(7)の長さをL、
第1拡径部(7)に要する据え込み加工前の素材(1)の長さをl0
右パンチ(50R)の移動開始時からの据え込み加工時間をT、
とする。
0<Tの場合において、Gは、
0≦G≦P(X1−X)/(l0−X1−Pt0) …(i)
の関係式を満足していることが望ましい。
Gが上記関係式(i)を満足していることにより、第1露出部(4)の拡径加工時に生じることのある座屈を確実に防止することができる。
Gについて上記関係式(i)を設定した理由について以下に説明する。
<Gの下限について>
Xが0≦X≦X0の関係式を満足していることから、Gが0の場合、素材(1)の第1露出部(4)は座屈しない。よって、Gの下限値は0である。しかし、Gが0の場合には、第1露出部(4)の拡径に要するパンチ押圧力を減少させることができない。したがってGは0以上でなければならず、即ち次式が成立する。
0≦G …(i-a)
更に、Gは次の関係式(i-b)を満足していることが特に望ましい。
(L−X)/{(l0−L)/P−t0}≦G …(i-b)
Gが上記関係式(i-b)を満足していることにより、第1露出部(4)の拡径加工時に生じることある座屈を満足できることはもとより、更に、第1露出部(4)を設計形状に確実に拡径することができる。
その理由は次のとおりである。すなわち、第1露出部(4)が設計形状に拡径される場合には、右パンチ(50R)の押圧によってl0がLになるのに要する時間(l0−L)/Pと、第1右ガイド(31)の移動によって第1右ガイド(31)と固定ダイ(20)との間の間隔がXからLになるのに要する時間{(L−X)/G}+t0とが等しくなければならない。よって、Gは上記関係式(i-b)を満足していることが特に望ましい。
<Gの上限について>
第1右ガイド(31)の前端部の位置と、第1拡径部(7)に要する据え込み加工前の素材(1)の、固定ダイ(20)からの長さl0の後端部の位置とが一致している場合における素材(1)の第1露出部(4)の長さが、該素材(1)の第1露出部(4)の断面積での座屈限界長さ以下であることが、Gの上限の条件となる。
しかるに、第1右ガイド(31)の前端部の位置とl0の後端部の位置とが一致している場合、次式(i-c)が成立する。
0−PT=X+G(T−t0) …(i-c)
上記式(i-c)より、Tは次式(i-c)と表される。
T={l0−X+Gt0}/(G+P) …(i-d)
また、素材(1)の第1露出部(4)が座屈しないようにするためには、第1右ガイド(31)の前端部の位置とl0の後端部の位置とが一致している場合における素材(1)の第1露出部(4)の長さX+G(T−t0)が、素材(1)の第1拡径部(7)の断面積での座屈限界長さX1以下でなければならない。よって、次式(i-e)が成立する。
X+G(T−t0)≦X1 …(i-e)
上記式(i-e)に上記式(i-d)を代入してGについて整理することにより、次の関係式(i-f)が導出される。
G≦P(X1−X)/(l0−X1−Pt0) …(i-f)
上記式(i-a)と上記式(i-f)によって、上記関係式(i)が導出される。
なお当然のことながら、0≦T≦t0の場合において、Gは、G=0である。
また、タイムラグt0は、0<t0であることが特に望ましい。その理由は次のとおりである。すなわち、0<t0であることにより、右パンチ(50R)の移動開始直後において第1右ガイド(31)と固定ダイ(20)との間の初期クリアランスXの範囲に露出する素材(1)の第1露出部(4)の断面積が増大する。そのため、素材(1)の第1露出部(4)における座屈限界長さを長くすることができて、座屈を更に確実に防止できる。
また、本発明では、据え込み加工後において素材(1)の第1拡径部(7)の断面積が軸方向に一定でない場合には、据え込み加工後の素材(1)の第1拡径部(7)の断面積として、第1拡径部(7)の形状を考慮した断面積を採用するのが望ましく、例えば、第1拡径部(7)の平均断面積を採用することが望ましく、その他に、第1拡径部(7)の最小断面積を採用しても良いし、第1拡径部(7)の最大断面積を採用しても良い。
なお、上記関係式(i)において、第1右ガイド(31)を「左ガイド(41)」、第1露出部(4)を「第3露出部(6)」、第1拡径部(7)を「第3拡径部(9)」、及び右パンチ(50R)を「左パンチ(50L)」にそれぞれ読み替えることにより、左ガイド(41)についても上記関係式(i)を適用可能である。こうすることにより、第3露出部(6)の拡径加工時に生じることのある座屈についても確実に防止することができる。
なお、上記第1実施形態では、各ガイド(31)(32)(41)の挿通孔(34)(44)の開口縁部に面取り加工が施されていても良い。
図6〜図9は、本発明の第2実施形態に係る据え込み加工装置を用いた据え込み加工方法を説明するための概略図である。
図1において、(1B)は第2実施形態に係る据え込み加工装置、(1)は素材である。また、図9において、(10B)は、据え込み加工装置(1B)により製造された据え込み加工品である。この据え込み加工品(10B)は、棒状の軸部の3箇所に略円柱状の拡径部(7)(8)(9)が形成されたものである。
第2実施形態の据え込み加工装置(1B)の構成について上記第1実施形態のもの(1A)との相異を中心に以下に説明する。
素材(1)は、図6に示すように、上記第1実施形態の素材と同じく、真直な棒状のものであり、その断面形状は円形状である。
本第2実施形態の据え込み加工装置(1B)では、固定ダイ(20)の軸方向右端部には、第1成形凹部(22)が設けられている。また、固定ダイ(20)の軸方向左端部には、第3成形凹部(24)が設けられている。さらに、この据え込み加工装置(1B)は、第1右ガイド(31)の後側に配置された成形ダイ部(26)を備えている。この成形ダイ部(26)は第2成形凹部(23)を有している。
また、第1右ガイド(31)の前端部には、第1成形凹部(22)内に嵌合可能な第1雄型部(31a)が前方突出状に設けられている。第2右ガイド(32)の前端部には、第2成形凹部(23)内に嵌合可能な第2雄型部(32a)が前方突出状に設けられている。また、左ガイド(41)の前端部には、第3成形凹部(24)内に嵌合可能な第3雄型部(41a)が前方突出状に設けられている。
この据え込み加工装置(1B)の他の構成は、上記第1実施形態のもの(1A)と同じである。
次に、この据え込み加工装置(1B)を用いた据え込み加工方法について、上記第1実施形態の据え込み加工方法との相違を中心に以下に説明する。
まず、図6に示すように、固定ダイ(20)の素材固定用嵌込み孔(21)に素材(1)の軸方向中間部(2)を挿入配置するとともに、素材(1)の右側部(3R)を第1成形凹部(22)内と第2成形凹部(23)内とに配置し、また素材(1)の左側部(3L)を第3成形凹部(24)内に配置する。
また、素材(1)の右側部(3R)を2個の右ガイド(31)(32)の各挿通孔(34)(34)に順次挿通保持する。さらに、第1右ガイド(31)の第1雄型部(31a)を第1成形凹部(22)内に嵌合挿入するとともに、第2右ガイド(32)の第2雄型部(32a)を第2成形凹部(23)内に嵌合挿入する。
また、素材(1)の左側部(3L)を左ガイド(41)の挿通孔(44)に挿通保持する。そして、該左ガイド(41)の第3雄型部(41a)を第3成形凹部(24)内に嵌合挿入する。
さらに、第1右ガイド(31)の前端部(詳述すると第1雄型部(31a)の前端部)と第1成形凹部(22)の底部(22a)との間に初期クリアランスXを設けることが望ましい。この初期クリアランスXの間隔は、右パンチ(50R)の移動(即ち、右パンチ(50R)による素材右側部(3R)の押圧)を開始する前の状態において第1右ガイド(31)の前端部と第1成形凹部(22)の底部(22a)との間に露出する素材(1)の第1露出部(4)の断面積での座屈限界長さ(X0)以下(好ましくは座屈限界長さ(XO)未満)に設定されている。
また、左ガイド(41)の前端部(詳述すると第3雄型部(41a)の前端部)と第3成形凹部(24)の底部(24a)との間に初期クリアランスXを設けることが望ましい。この初期クリアランスXの間隔は、左パンチ(50L)の移動(即ち、左パンチ(50L)による素材左側部(3L)の押圧)を開始する前の状態において左ガイド(41)の前端部と第3成形凹部(24)の底部(24a)との間に露出する素材(1)の第3露出部(6)の断面積での座屈限界長さ(X0)以下に設定されている。
次いで、右パンチ駆動装置(70R)を作動させることで右パンチ(50R)を移動させ、該右パンチ(50R)で素材(1)の右側部(3R)を軸方向に押圧しながら、2個の右ガイド駆動装置(61)(62)を作動させることで2個の右ガイド(31)(31)を相互密着状態で一体に右パンチ(50R)の移動方向(55)とは反対方向(35)に移動させる(図7参照)。これにより、第1右ガイド(31)の前端部と第1成形凹部(22)の底部(22a)との間に露出した素材(1)の第1露出部(4)が、第1成形凹部(22)内で、即ち第1露出部(4)の周面全体が第1成形凹部(22)の周面で拘束された状態で、拡径される。
また、左パンチ駆動装置(70L)を右パンチ駆動装置(70R)と同時に作動させることで左パンチ(50L)を移動させる。これにより、右パンチ(50R)による素材(1)の右側部(3R)の押圧と同時に素材(1)の左側部(3L)を左パンチ(50L)で軸方向に押圧しながら、左ガイド(41)を左パンチ(50L)の移動方向(55)とは反対方向(45)に移動させる。これにより、左ガイド(41)の前端部と第3成形凹部(24)の底部(24a)との間に露出する素材(1)の第3露出部(6)が、第3成形凹部(24)内で、即ち第3露出部(6)の周面全体が第3成形凹部(24)の周面で拘束された状態で、拡径される。
ここで、右パンチ(50R)の移動開始時から第1右ガイド(31)の移動開始時までの間にタイムラグt0を設けることが望ましい。
また、上と同じく、左パンチ(50L)の移動開始時から左ガイド(41)の移動開始時までの間にタイムラグt0を設けることが望ましい。
右パンチ(50R)及び両右ガイド(31)(32)の移動に伴い、素材(1)の第1露出部(4)が第1成形凹部(22)内で徐々に拡径されていく。
また同じく、左パンチ(50L)及び左ガイド(41)の移動に伴い、素材(1)の第3露出部(6)が第3成形凹部(24)内で徐々に拡径されていく。
そして、図7に示すように、第1右ガイド(31)が設定で定めた停止位置に到達したとき、第1右ガイド(31)の移動を停止(終了)する。このとき、素材(1)の第1露出部(4)は、第1成形凹部(22)内で設計形状、即ち略円柱状に拡径されている。(7)は、第1露出部(4)の拡径により形成された第1拡径部(図9参照)である。
次いで、引き続き右パンチ(50R)で素材(1)の右側部(3R)を押圧しながら、第2右ガイド(32)だけを右パンチ(50R)の移動方向(55)とは反対方向(35)に移動させる。これにより、第2右ガイド(32)の前端部(詳述すると第2雄型部(32a)の前端部)と第1右ガイド(31)との間に露出する素材(1)の第2露出部(5)が第2成形凹部(23)内で拡径される。
そして、図8に示すように、第2右ガイド(32)が設計で定めた停止位置に到達したとき、第2右ガイド(32)の移動及び右パンチ(50R)の移動を停止(終了)する。このとき、素材(1)の第2露出部(5)は、第2成形凹部(23)内で設計形状、即ち略円柱状に拡径されている。(8)は、第2露出部(5)の拡径により形成された第2拡径部(図9参照)である。
一方、同図に示すように、左ガイド(41)が設計で定めた停止位置に到達したとき、該左ガイド(41)の移動及び左パンチ(50L)の移動を停止(終了)する。このとき、素材(1)の第3露出部(6)は、第3成形凹部(24)内で設計形状、即ち略円柱状に拡径されている。(9)は、第3露出部(6)の拡径により形成された第3拡径部(図9参照)である。
なお、左ガイド(41)の移動の停止時間と第2右ガイド(32)の移動の停止時間とは同じであることが望ましい。
以上の手順により、素材(1)の3箇所の据え込み加工が終了する。
次いで、素材(1)を固定ダイ(20)の嵌込み孔(21)及び各ガイド(31)(32)(41)の挿通孔(34)(44)から取り出すことにより、図9に示した所望する据え込み加工品(10B)が得られる。
この据え込み加工品(10B)は、上記第1実施形態の据え込み加工品(10A)と同様に、例えば車両のアーム用プリフォームとして利用できる。
なお、本発明に係る据え込み加工装置及び据え込み加工方法は、車両のアーム用プリフォームを製造するために用いられるものに限定されるものではなく、様々な製品用プリフォームを製造するために用いられるものである。
而して、上記第2実施形態の据え込み加工では、素材(1)の各露出部(4)(5)(6)をそれぞれ対応する成形凹部(22)(23)(24)内で拡径するから、設計形状の拡径部(7)(8)(9)を確実に形成することができる。
次に、本第2実施形態の据え込み加工方法における好ましい加工条件について以下に説明する。
右パンチ(50R)の移動開始時からの平均移動速度をP、
第1右ガイド(31)の移動開始時からの平均移動速度をG、
据え込み加工前の素材(1)の断面積での座屈限界長さをX0
第1右ガイド(31)の前端部と第1成形凹部(22)の底部(22a)との間の初期クリアランスをX(但し、0≦X≦X0)、
第1露出部(4)の拡径により形成される第1拡径部(7)に要する据え込み加工前の素材の長さをL0
第1拡径部(7)の設計体積から求められる右パンチ(50R)の先端部の第1成形凹部(22)底部(22a)に対する停止位置をXP
設計で定めた第1右ガイド(31)の前端部の第1成形凹部(22)底部(22a)に対する停止位置をXg
右パンチ(50R)の移動開始時から第1右ガイド(31)の移動開始時までのタイムラグをt0(但し、0≦t0)、
とする。
この据え込み加工方法では、Gは次式(ii)を満足していることが望ましい。
G=P(Xg−X)/(L0−XP−Pt0) …(ii)
Gが上記式(ii)を満足していることにより、第1露出部(4)を設計形状に確実に拡径することができる。
Gについて上記式(ii)を設定した理由について以下に説明する。
右パンチ(50R)の移動開始時から第1露出部(4)の拡径終了までの時間(即ち、第1露出部(4)の加工時間)をtとすると、第1露出部(4)の拡径加工終了時tにおける右パンチ(50R)の前端部と第1成形凹部(22)の底部(22a)との間の距離、即ち、右パンチ(50R)の前端部の第1成形凹部(22)底部(22a)に対する位置XPは、次式(ii-a)で与えられる。
0−Pt=XP …(ii-a)
∴t=(L0−XP)/P …(ii-b)
また、第1露出部(4)の拡径加工終了時tにおける第1右ガイド(31)の前端部と第1成形凹部(22)の底部(22a)との間の距離、即ち、第1右ガイド(31)の前端部の第1成形凹部(22)底部(22a)に対する位置XPは、次式(ii-c)で与えられる。
X+G(t−t0)=Xg …(ii-c)
上記式(ii-b)を式(ii-c)に代入してGについて整理することにより、上記式(ii)が導出される。
なお、上記第2実施形態では、各ガイド(31)(32)(41)の挿通孔(34)(44)の開口縁部に面取り加工が施されていても良い。
図10〜図13は、本発明の第3実施形態に係る据え込み加工装置を用いた据え込み加工方法を説明するための概略図である。
図10において、(1C)は第3実施形態に係る据え込み加工装置である。図10には、図1〜図5に示した上記第1実施形態に係る据え込み加工装置(1A)の構成要素と同一の構成要素には同一の符号が付されている。以下、本第3実施形態の据え込み加工装置(1C)の構成について上記第1実施形態の据え込み加工装置(1A)との相違を中心に説明する。
第3実施形態の据え込み加工装置(1C)により製造される据え込み加工品は、図5に示した据え込み加工品(10A)と同じである。
第3実施形態では、素材(1)は、丸棒状のものであり、詳述すると中実の丸棒状のものである。さらに、この素材(1)は、圧延材からなるものであり、例えば、圧延ロールで丸棒状に圧延成形されたもの、即ちロール圧延成形により製作されたものである。さらに、この素材(1)は、詳述すると鋳造圧延材からなるものであり、更に詳述すると公知のプロペルチ法で製作された連続鋳造圧延材からなるものである。ただし本発明では、圧延材はプロペルチ法で製作された連続鋳造圧延材であることに限定されるものではなく、その他の方法で製作された圧延材であっても良い。
なお、鋳造圧延材とは、例えば、鋳造物を圧延して製作されたものをいう。この場合、鋳造物としては、例えば、一方向凝固鋳造法等の公知の鋳造方法により得られた鋳造物が用いられる。
この素材(1)の断面形状は円形状(略円形状)であるが、図11に示すように素材(1)の断面を拡大してみた場合、素材(1)の断面形状は6角形以上の多角形状になっている。そのため、この素材(1)の断面の真円度は、丸棒状の押出材からなる素材に比べて低くなっている。
本第3実施形態の据え込み加工装置(1C)は、第1実施形態の据え込み加工装置(1A)の全ての構成要素と、更に、3個の加熱手段(81)(82)(83)と、3個の冷却手段(85)(86)(87)と、1個又は複数個(本実施形態では2個)の潤滑剤付着手段(91)(92)とを備えている。
また、図11に示すように、第2ガイド(32)の挿通孔(34)の断面形状は円形状である。この挿通孔(34)の真円度は素材(1)の断面の真円度よりも高い。また、各挿通孔(34)の直径は素材(1)の最大直径と同寸乃至は若干大寸に設定されている。したがって、図11に示すように、挿通孔(34)に素材(1)を挿通した状態では、素材(1)の表面と挿通孔(34)の周面との間に僅かに隙間(K)が必然的に生じる。更に、これと同様の理由により、素材(1)の表面と第1右ガイド(31)の挿通孔(34)の周面との間には僅かに隙間(K)が生じており、また、素材(1)の表面と第3ガイド(41)の挿通孔(44)の周面との間には僅かに隙間(K)が生じている。
3個の加熱手段(81)(82)(83)は互いに同一構成である。これら3個の加熱手段(81)(82)(83)のうち、第1加熱手段(81)は、素材(1)の右側部(3R)における第1右ガイド(31)の前端部(31x)に対応する部位(11x)を局部的に加熱するものである。また、第2加熱手段(82)は、素材(1)の右側部(3R)における第2右ガイド(32)の前端部(32x)に対応する部位(12x)を局部的に加熱するものである。また、第3加熱手段(33)は、素材(1)の左側部(3L)における左ガイド(41)の前端部(41x)に対応する部位(13x)を局部的に加熱するものである。
第1加熱手段(81)は、第1誘導加熱コイル(81a)と、該コイル(81a)に交流電流(交流電圧)を供給する電源部(図示せず)とを有する第1誘導加熱手段である。コイル(31a)の表面は、絶縁テープ等からなる絶縁層(図示せず)で覆われている。さらに、このコイル(31a)は、第1右ガイド(31)の前端部(31x)の内部に、その挿通孔(34)を取り囲む態様にして埋設されている。
第1右ガイド(31)は、例えば、セラミック等の、耐熱性を有する硬質の非電導性材料からなるか、あるいは、鋼材等の、耐熱性を有する硬質の電導性材料(例:耐熱性金属材)からなる。
この第1誘導加熱手段(81)では、コイル(81a)に電源部によって所定の周波数(例:高周波や低周波)の電流(電圧)を供給すると、コイル(81a)によって素材(1)の右側部(3R)における第1右ガイド(31)の前端部(31x)に対応する部位(11x)が局部的に誘導加熱されるように構成されている。さらに、この第1誘導加熱手段(81)は、コイル(81a)への電流供給量等を増加させることにより、素材(1)の当該部位(11x)の誘導加熱温度を上昇させて当該部位(11x)を半溶融状態に加熱できるように構成されている。
第2加熱手段(82)は、第2誘導加熱コイル(82a)と、該コイル(82a)に交流電流(交流電圧)を供給する電源部(82b)とを有する第2誘導加熱手段である。コイル(82a)の表面は、絶縁テープ等からなる絶縁層(図示せず)で覆われている。さらに、このコイル(82a)は、第2右ガイド(32)の前端部(32x)の内部に、その挿通孔(34)を取り囲む態様にして埋設されている。
第2右ガイド(32)は、例えば、セラミック等の、耐熱性を有する硬質の非電導性材料からなるか、あるいは、鋼材等の、耐熱性を有する硬質の電導性材料(例:耐熱性金属材)からなる。
この第2誘導加熱手段(82)では、コイル(82a)に電源部(82b)によって所定の周波数(例:高周波や低周波)の電流(電圧)を供給すると、コイル(82a)によって素材(1)の右側部(3R)における第2右ガイド(32)の前端部(32x)に対応する部位(12x)が局部的に誘導加熱されるように構成されている。さらに、この第2誘導加熱手段(82)は、コイル(82a)への電流供給量等を増加させることにより、素材(1)の所定部位(12x)の誘導加熱温度を上昇させて当該部位(12x)を半溶融状態に加熱できるように構成されている。
第3加熱手段(83)は、第3誘導加熱コイル(83a)と、該コイル(83a)に交流電流(交流電圧)を供給する電源部(83b)とを有する第3誘導加熱手段である。コイル(83a)の表面は、絶縁テープ等からなる絶縁層(図示せず)で覆われている。さらに、このコイル(83a)は、左ガイド(41)の前端部(41x)の内部に、その挿通孔(44)を取り囲む態様にして埋設されている。
左ガイド(41)は、例えば、セラミック等の、耐熱性を有する硬質の非電導性材料からなるか、あるいは、鋼材等の、耐熱性を有する硬質の電導性材料(例:耐熱性金属材)からなる。
この第3誘導加熱手段(83)では、コイル(83a)に電源部(83b)によって所定の周波数(例:高周波や低周波)の電流(電圧)を供給すると、コイル(83a)によって素材(1)の左側部(3L)における左ガイド(41)の前端部(41x)に対応する部位(13x)が局部的に誘導加熱されるように構成されている。さらに、この第3誘導加熱手段(83)は、コイル(83a)への電流供給量等を増加させることにより、素材(1)の所定部位(13x)の誘導加熱温度を上昇させて当該部位(13x)を半溶融状態に加熱できるように構成されている。
3個の冷却手段(85)(86)(87)は互いに同一構成である。これら3個の冷却手段(85)(86)(87)のうち、第1冷却手段(85)は、素材(1)の右側部(3R)における第1右ガイド(31)の前端部(31x)よりも後側の部位に対応する部位(11y)を局部的に冷却するものである。また、第2冷却手段(86)は、素材(1)の右側部(3R)における第2右ガイド(32)の前端部(32x)よりも後側の部位に対応する部位(12y)を局部的に冷却するものである。また、第3冷却手段(87)は、素材(1)の左側部(3L)における左ガイド(41)の前端部(41x)よりも後側の部位に対応する部位(13y)を局部的に冷却するものである。
第1冷却手段(85)は、第1右ガイド(31)の前端部(31x)から後端部までの領域の内部に設けられた冷却液流通路(85a)を有している。そして、第1冷却手段(85)は、この冷却液流通路(85a)内に冷却水等の冷却液を流通させることにより、素材(1)の右側部(3R)における第1右ガイド(31)の前端部(31x)よりも後側の部位に対応する部位(11y)を局部的に冷却するように構成されている。
第2冷却手段(86)は、第2右ガイド(32)の後端部の内部に設けられた冷却液流通路(86a)を有している。そして、第2冷却手段(86)は、この冷却液流通路(86a)内に冷却水等の冷却液を流通させることにより、素材(1)の右側部(3R)における第2右ガイド(32)の前端部(32x)よりも後側の部位に対応する部位(12y)を局部的に冷却するように構成されている。
第3冷却手段(87)は、左ガイド(41)の後端部の内部に設けられた冷却液流通路(87a)を有している。そして、第3冷却手段(87)は、この冷却液流通路(87a)内に冷却水等の冷却液を流通させることにより、素材(1)の左側部(3L)における左ガイド(41)の前端部(41x)よりも後側の部位に対応する部位(13y)を局部的に冷却するように構成されている。
2個の潤滑剤付着手段(91)(92)は互いに同一構成である。これら2個の潤滑剤付着手段(91)(92)のうち、第1潤滑剤付着手段(91)は、第1右ガイド(31)及び第2右ガイド(32)の挿通孔(34)(34)の周面にそれぞれ潤滑剤(図示せず)を付着させるものである。第2潤滑剤付着手段(92)は、左ガイド(41)の挿通孔(44)の周面に潤滑剤を付着させるものである。
潤滑剤は、素材(1)の表面と各ガイド(31)(32)(41)の挿通孔(34)(34)(44)の周面との間の摩擦抵抗を低減させるためのものである。この潤滑剤として、例えば、油性潤滑剤等の液体潤滑剤が用いられ、具体的に例示すると、日本アチソン株式会社製の「オイルダッグ(Oildag)」(商品名)、出光興産株式会社製の「ダフニーダイナドロー」(商品名)等が用いられる。
第1潤滑剤付着手段(91)は、潤滑剤を噴出するノズル(91a)と、該ノズル(91a)に潤滑剤を供給する潤滑剤供給部(91b)とを有している。そして、このノズル(91a)から潤滑剤を噴出することにより、該潤滑剤を第1右ガイド(31)の挿通孔(34)の周面と第2右ガイド(32)の挿通孔(34)の周面とにそれぞれ吹き付けて付着させるように構成されている。
だたし本発明では、第1潤滑剤付着手段(91)は、その他に、素材(1)の右側部(3R)の表面に潤滑剤を吹き付けて付着させるものであっても良いし、挿通孔(34)の周面と素材(1)の右側部(3R)の表面との両方に潤滑剤を吹き付けて付着させるものであっても良い。
第2潤滑剤付着手段(92)は、潤滑剤を噴出するノズル(92a)と、該ノズル(92a)に潤滑剤を供給する潤滑剤供給部(92b)とを有している。そして、このノズル(92a)から潤滑剤を噴出することにより、該潤滑剤を左ガイド(41)の挿通孔(44)の周面に吹き付けて付着させるように構成されている。
だたし本発明では、第2潤滑剤付着手段(92)は、その他に、素材(1)の左側部(3L)の表面に潤滑剤を吹き付けて付着させるものであっても良いし、挿通孔(44)の周面と素材(1)の左側部(3L)の表面との両方に潤滑剤を吹き付けて付着させるものであっても良い。
次に、本第3実施形態の据え込み加工装置(1C)を用いた据え込み加工方法を以下に説明する。
まず、各ガイド(31)(32)(41)の挿通孔(34)(34)(44)の周面に、対応する潤滑剤付着手段(91)(92)によってそれぞれ潤滑剤を付着させる。また更に、素材(1)の右側部(3R)及び左側部(3L)の表面にそれぞれ潤滑剤を付着させても良い。
次いで、図10に示すように、固定ダイ(20)の素材固定用嵌込み孔(21)に素材(1)の軸方向中間部(2)を挿入配置する。これにより、素材(1)が軸方向に動かないように固定される。
さらに、素材(1)の右側部(3R)を第1右ガイド(31)及び第2右ガイド(32)の各挿通孔(34)(34)に順次挿通配置する。この状態において、図11に示すように、素材(1)の右側部(3R)の表面と各挿通孔(34)(34)の周面との間の隙間(K)には、挿通孔(34)(34)の周面に付着した潤滑剤(図示せず)が毛管現象等により浸入して該潤滑剤がこの隙間(K)内に一時的に溜められる。
また、素材(1)の左側部(3L)を左ガイド(41)の挿通孔(44)に挿通配置する。この状態において、上と同じく、素材(1)の左側部(3L)の表面と挿通孔(44)の周面との間の隙間に、挿通孔(44)の周面に付着した潤滑剤が一時的に溜められる。
さらに、第1誘導加熱手段(81)のコイル(81a)に電源部によって所定の周波数の電流を供給することにより、素材(1)の右側部(3R)における第1右ガイド(31)の前端部(31x)に対応する部位(11x)を所定温度に局部的に誘導加熱する。これにより、素材(1)の当該部位(11x)における変形抵抗が局部的に低下する。
この加熱温度は、素材(1)の当該部位(11x)の変形抵抗が低下するような温度であれば良く、限定されるものではないが、好適な加熱温度を具体的に例示すると、次のとおりである。
例えば、素材(1)の材質がアルミニウム又はアルミニウム合金である場合には、好適な加熱温度の範囲として200〜580℃(特に好ましくは350〜540℃)などが挙げられる。更に、素材(1)の当該部位(11x)を半溶融状態に局部的に加熱する場合には、好適な加熱温度の範囲として580〜625℃(特に好ましくは600〜615℃)などが挙げられる。ただし本発明は、加熱温度が上記の範囲であることに限定されるものではない。
さらに、第1冷却手段(85)の冷却液流通路(85a)内に常温の冷却水等の冷却液を流通させることにより、素材(1)の右側部(3R)における第1右ガイド(31)の前端部(31x)よりも後側の部位に対応する部位(11y)を局部的に冷却する。これにより、素材(1)の当該部位(11y)における変形抵抗の低下を抑制できる。
この場合の好適な冷却温度の範囲としては、例えば30〜80℃(特に好ましくは40〜60℃)などが挙げられる。ただし本発明は、冷却温度が上記の範囲であることに限定されるものではない。
一方、第2誘導加熱手段(82)のコイル(82a)には電流を供給せず、したがって素材(1)の右側部(3R)における第2右ガイド(32)の前端部(32x)に対応する部位(12x)は加熱しない。よって、素材(1)の当該部位(12x)における変形抵抗は低下しない。
さらに、第2冷却手段(86)の冷却液流通路(86a)内に常温の冷却水等の冷却液を流通させることにより、素材(1)の右側部(3R)における第2右ガイド(32)の前端部(32x)よりも後側の部位に対応する部位(12y)を局部的に冷却する。これにより、素材(1)の当該部位(12y)における変形抵抗の低下を抑制できる。
この場合の好適な冷却温度の範囲は、上記の範囲と同じである。
さらに、第3誘導加熱手段(83)のコイル(83a)に電源部(83b)によって所定の周波数の電流を供給することにより、素材(1)の左側部(3L)における左ガイド(41)の前端部(41x)に対応する部位(13x)を所定温度に局部的に誘導加熱する。これにより、素材(1)の当該部位(13x)における変形抵抗が局部的に低下する。
この加熱温度は、素材(1)の当該部位(13x)の変形抵抗が低下するような温度であれば良く、限定されるものではないが、好適な加熱温度を具体的に例示すると、好適な加熱温度の範囲は上記の範囲と同じである。
さらに、第3冷却手段(87)の冷却液流通路(87a)内に常温の冷却水等の冷却液を流通させることにより、素材(1)の左側部(3L)における左ガイド(41)の前端部(41x)よりも後側の部位に対応する部位(13y)を局部的に冷却する。これにより、素材(1)の当該部位(13y)における変形抵抗の低下を抑制できる。
この場合の好適な冷却温度の範囲は、上記の範囲と同じである。
次いで、このような状態を維持したまま、上記第1実施形態で示した据え込み加工方法と同様の手順により、素材(1)の第1露出部(4)と第3露出部(6)とを同時に無拘束状態で拡径する。
そして、図12に示すように、素材(1)の第1露出部(4)が、設計形状、即ち略球状(又は略紡錘状)に拡径されたとき、第2誘導加熱手段(82)のコイル(82a)に電源部(82b)によって所定の周波数の電流を供給することにより、素材(1)の右側部(3R)における第2右ガイド(32)の前端部(32x)に対応する部位(12x)を所定温度に局部的に誘導加熱する。これにより、素材(1)の当該部位(12x)における変形抵抗が局部的に低下する。
この加熱温度は、素材(1)の当該部位(12x)の変形抵抗が低下するような温度であれば良く、限定されるものではないが、好適な加熱温度を具体的に例示すると、好適な加熱温度の範囲は上記の範囲と同じである。
さらに、引き続き第2冷却手段(86)の冷却液流通路(86a)内に冷却液を流通させることにより、素材(1)の右側部(3R)における第2右ガイド(32)の前端部(32x)よりも後側の部位に対応する部位(12y)を局部的に冷却する。これにより、素材(1)の当該部位(12y)における変形抵抗の低下を抑制できる。
次いで、このような状態を維持したまま、上記第1実施形態で示した据え込み加工方法と同様の手順により、図13に示すように、素材(1)の第2露出部(5)と第3露出部(6)とを同時に無拘束状態で拡径する。
以上の手順により、素材(1)の3箇所の据え込み加工が終了する。
次いで、素材(1)を固定ダイ(20)の嵌込み孔(21)及び各ガイド(31)(32)(41)の挿通孔(34)(34)(44)から取り出すことにより、図5に示した所望する据え込み加工品(10A)が得られる。
而して、上記第3実施形態の据え込み加工方法は、上記第1実施形態の据え込み加工方法の利点と、更に、次の利点がある。
すなわち、素材(1)は丸棒状の圧延材からなるので、素材(1)を安価に入手又は製造できる。そのため、加工コストを引き下げることができる。
さらに、素材(1)は鋳造圧延材からなるので、素材(1)を更に安価に入手又は製造できる。そのため、加工コストを更に引き下げることができる。しかも、素材(1)は、プロペルチ法で製作された連続鋳造圧延材からなるので、素材(1)を更に一層安価に入手又は製造できる。そのため、加工コストを更に一層引き下げることができる。
したがって、本第4実施形態の据え込み加工方法によれば、安価な据え込み加工品(10A)を提供できる。
さらに、この素材(1)は、押出材からなる丸棒状の素材に比べて真円度が低い。そのため、この素材(1)を各ガイド(31)(32)(41)の挿通孔(34)(34)(44)に挿通すると、上述したように、素材(1)の表面と挿通孔(34)(34)(44)の周面との間に隙間(K)が必然的に生じる(図11参照)。そのため、両者の接触面積は小さい。したがって、加工時に素材(1)が各ガイド(31)(32)(41)の挿通孔(34)(34)(44)内を軸方向にスライド移動する際の摩擦抵抗力が小さいので、成形圧力を低減できる。そのため、各パンチ(50R)(50L)を移動させるパンチ駆動装置(70R)(70L)として小型のものを使用でき、もって据え込み加工装置(1C)の設置スペースについて省スペース化を図ることができる。
さらに、成形圧力を低減できるから、次の利点がある。すなわち、もし仮に成形圧力が大きい場合、素材(1)の端部が各パンチ(50R)(50L)からの押圧力によってガイド(32)(41)の挿通孔(34)(44)内で押し潰されることがしばしば生じる。このようになると、各パンチ(50R)(50L)の周面と挿通孔(34)(44)の周面との間の隙間に素材(1)の材料の一部が浸入し、その結果、成形圧力が増加し、ひいては各パンチ(50R)(50L)が挿通孔(34)(44)内で押圧方向に移動できなくなって加工不能に至るという問題が生じる。そこで、成形圧力を低減することにより、このような問題は発生せず、もって、素材(1)を長領域に亘って良好に拡径加工することができる。
その上、各ガイド(31)(32)(41)の挿通孔(34)(34)(44)の周面に潤滑剤が付着されているので、次の利点がある。すなわち、素材(1)の表面と挿通孔(34)(34)(44)の周面との間に隙間(K)が生じていることから、潤滑剤がこの隙間(K)内に浸入して一時的に溜められる。これにより、潤滑剤の、挿通孔(34)(34)(44)の周面及び素材(1)の表面への散布が促される。すなわち、加工時に素材(1)が挿通孔(34)(34)(44)内を軸方向にスライド移動することに伴い、隙間(K)内の潤滑剤が挿通孔(34)(34)(44)の周面及び素材(1)の表面に散布されるようになる。これにより、挿通孔(34)(34)(44)の周面と素材(1)の表面との間の摩擦抵抗力を確実に低減でき、すなわち成形圧力を確実に低減できる。
さらに、素材(1)における各ガイド(31)(32)(41)の前端部(31x)(32x)(41x)に対応する部位(11x)(12x)(13x)を局部的に誘導加熱することにより、素材(1)の当該部位(11x)(12x)(13x)における変形抵抗が局部的に低下するから、成形圧力を低減できる。
一方、素材(1)における各ガイド(31)(32)(41)の前端部(31x)(32x)(41x)よりも後側の部位に対応する部位(11y)(12y)(13y)は加熱されていないので、変形抵抗は低下しない。そのため、素材(1)がパンチ(50R)(50L)からの押圧力によって各ガイド(31)(32)(41)の挿通孔(34)(34)(44)内で膨出することにより生じる成形圧力の増加を防止できる。
さらに、素材(1)の所定部位(11x)(12x)(13x)を誘導加熱手段(85)(86)(87)によって局部的に誘導加熱することにより、素材(1)の所定部位(11x)(12x)(13x)を確実に且つ極めて効率良く加熱できる。
さらに、本発明では、加熱温度を上昇させることで素材(1)の所定部位(11x)(12x)(13x)を半溶融状態に加熱しても良い。この場合には、成形圧力を大幅に低減できる。なお、この場合の据え込み加工は、チクソ成形の範疇に入ることとなる。
さらに、素材(1)における各ガイド(31)(32)(41)の前端部(31x)(32x)(41x)よりも後側の部位に対応する部位(11y)(12y)(13y)が局部的に冷却されているので、素材(1)の当該部位(11y)(12y)(13y)が加熱されるのを確実に抑制できる。そのため、素材(1)の当該部位(11y)(12y)(13y)における変形抵抗の低下を確実に抑制できる。
上記第3実施形態では、素材(1)における各ガイド(31)(32)(41)の前端部(31x)(32x)(41x)に対応する部位(11x)(12x)(13x)を誘導加熱手段(85)(86)(87)によって局部的に誘導加熱するものである。しかるに本発明では、各ガイド(31)(32)(41)の前端部(31x)(32x)(41x)を各誘導加熱手段(85)(86)(87)によって局部的に誘導加熱し、これにより、素材(1)における各ガイド(31)(32)(41)の前端部(31x)(32x)(41x)に対応する部位(11x)(12x)(13x)を、各ガイド(31)(32)(41)の前端部(31x)(32x)(41x)の熱で局部的に加熱しても良い。すなわち、素材(1)の当該部位(11x)(12x)(13x)に各ガイド(31)(32)(41)の前端部(31x)(32x)(41x)の熱を伝導させることにより、素材(1)の当該部位(11x)(12x)(13x)を局部的に加熱しても良い。この場合には、素材(1)の所定部位(11x)(12x)(13x)を確実に且つ効率良く加熱できる。また、この場合、各ガイド(31)(32)(41)は、例えば、鋼材等の、耐熱性を有する電導性材料(例:耐熱性金属材)からなることが望ましい。
図14〜図17は、本発明の第4実施形態に係る据え込み加工装置を用いた据え込み加工方法を説明するための概略図である。
図14において、(1D)は第4実施形態に係る据え込み加工装置である。図14には、図6〜図9に示した上記第2実施形態に係る据え込み加工装置(1B)の構成要素と同一の構成要素には同一の符号が付されている。以下、本第4実施形態の据え込み加工装置(1D)の構成について、上記第2実施形態の据え込み加工装置(1B)及び上記第3実施形態の据え込み加工装置(1C)との相違を中心に説明する。
第4実施形態の据え込み加工装置(1D)により製造される据え込み加工品は、図9に示した据え込み加工品(10B)と同じである。
第4実施形態では、素材(1)は、上記第3実施形態の素材と同じく、丸棒状の圧延材からなるものであり、詳述すると鋳造圧延材からなるものであり、更に詳述すると公知のプロペルチ法で製作された連続鋳造圧延材からなるものである。
この素材(1)の断面形状は円形状(略円形状)であるが、図15に示すように素材(1)の断面を拡大してみた場合、素材(1)の断面形状は6角形以上の多角形状になっている。そのため、この素材(1)の断面の真円度は、丸棒状の押出材からなる素材に比べて低くなっている。
本第4実施形態の据え込み加工装置(1D)は、第2実施形態の据え込み加工装置(1B)の全ての構成要素と、更に、3個の加熱手段(81)(82)(83)と、3個の冷却手段(85)(86)(87)と、1個又は複数個(本実施形態では2個)の潤滑剤付着手段(91)(92)とを備えている。
また、図15に示すように、第2ガイド(32)の挿通孔(34)の断面形状は円形状である。この挿通孔(34)の真円度は素材(1)の断面の真円度よりも高い。また、各挿通孔(43)の直径は素材(1)の最大直径と同寸乃至は若干大寸に設定されている。したがって、図15に示すように、挿通孔(34)に素材(1)を挿通した状態では、素材(1)の表面と挿通孔(34)の周面との間に僅かに隙間(K)が必然的に生じる。更に、これと同様の理由により、素材(1)の表面と第1右ガイド(31)の挿通孔(34)の周面との間には僅かに隙間(K)が生じており、また、素材(1)の表面と第3ガイド(41)の挿通孔(44)の周面との間には僅かに隙間(K)が生じている。
3個の加熱手段(81)(82)(83)は互いに同一構成である。これら3個の加熱手段(81)(82)(83)のうち、第1加熱手段(81)は、素材(1)の右側部(3R)における第1右ガイド(31)の前端部(31x)に対応する部位(11x)を局部的に加熱するものである。また、第2加熱手段(82)は、素材(1)の右側部(3R)における第2右ガイド(32)の前端部(32x)に対応する部位(12x)を局部的に加熱するものである。また、第3加熱手段(83)は、素材(1)の左側部(3L)における左ガイド(41)の前端部(41x)に対応する部位(41x)を局部的に加熱するものである。
第1加熱手段(81)は、第1誘導加熱コイル(81a)と、該コイル(81a)に交流電流(交流電圧)を供給する電源部(図示せず)とを有する第1誘導加熱手段である。コイル(81a)の表面は、絶縁テープ等からなる絶縁層(図示せず)で覆われている。さらに、このコイル(81a)は、固定ダイ(20)の内部に第1成形凹部(22)を取り囲む態様にして埋設されている。
第1右ガイド(31)は、例えば、鋼材等の、耐熱性を有する硬質の電導性材料(例:耐熱性金属材)からなる。また同じく、固定ダイ(20)は、例えば、鋼材等の、耐熱性を有する硬質の電導性材料(例:耐熱性金属材)からなる。
この第1誘導加熱手段(81)では、コイル(81a)に電源部によって所定の周波数(例:高周波や低周波)の電流(電圧)を供給すると、コイル(81a)によって第1右ガイド(31)の前端部(31x)(詳述すると、その雄型部(31a)の前端部(31x))を局部的に誘導加熱し、これにより、素材(1)の右側部(3R)における第1右ガイド(31)の前端部(31x)に対応する部位(11x)が、第1右ガイド(31)の前端部(31x)の熱で局部的に加熱されるように構成されている。すなわち、素材(1)の当該部位(11x)に第1右ガイド(31)の前端部(31x)の熱が伝導して素材(1)の当該部位(11x)が局部的に加熱されるように構成されている。さらに、この第1誘導加熱手段(81)は、コイル(81a)への電流供給量等を増加させることにより、素材(1)の当該部位(11x)の加熱温度を上昇させて当該部位(11x)を半溶融状態に加熱できるように構成されている。
第2加熱手段(82)は、第2誘導加熱コイル(82a)と、該コイル(82a)に交流電流(交流電圧)を供給する電源部(82b)とを有する第2誘導加熱手段である。コイル(82a)の表面は、絶縁テープ等からなる絶縁層(図示せず)で覆われている。さらに、このコイル(82a)は、固定ダイ(20)の成形ダイ部(26)の内部に第2成形凹部(23)を取り囲む態様にして埋設されている。
第2右ガイド(32)は、例えば、鋼材等の、耐熱性を有する硬質の電導性材料(例:耐熱性金属材)からなる。
この第2誘導加熱手段(82)では、コイル(82a)に電源部(82b)によって所定の周波数(例:高周波や低周波)の電流(電圧)を供給すると、コイル(82a)によって第2右ガイド(32)の前端部(32x)(詳述すると、その雄型部(32a)の前端部(32x))を局部的に誘導加熱し、これにより、素材(1)の右側部(3R)における第2右ガイド(32)の前端部(32x)に対応する部位(12x)が、第2右ガイド(32)の前端部(32x)の熱で局部的に加熱されるように構成されている。すなわち、素材(1)の当該部位(12x)に第2右ガイド(32)の前端部(32x)の熱が伝導して素材(1)の当該部位(12x)が局部的に加熱されるように構成されている。さらに、この第2誘導加熱手段(82)は、コイル(82a)への電流供給量等を増加させることにより、素材(1)の当該部位(12x)の加熱温度を上昇させて当該部位(12x)を半溶融状態に加熱できるように構成されている。
第3加熱手段(83)は、第3誘導加熱コイル(83a)と、該コイル(83a)に交流電流(交流電圧)を供給する電源部(83b)とを有する第3誘導加熱手段である。コイル(83a)の表面は、絶縁テープ等からなる絶縁層(図示せず)で覆われている。さらに、このコイル(83a)は、固定ダイ(20)の内部に第3成形凹部(24)を取り囲む態様にして埋設されている。
左ガイド(41)は、例えば、鋼材等の、耐熱性を有する硬質の電導性材料(例:耐熱性金属材)からなる。
この第3誘導加熱手段(83)では、コイル(83a)に電源部(83b)によって所定の周波数(例:高周波や低周波)の電流(電圧)を供給すると、コイル(83a)によって左ガイド(41)の前端部(41x)(詳述すると、その雄型部(41a)の前端部(41x))を局部的に誘導加熱し、これにより、素材(1)の左側部(3L)における左ガイド(41)の前端部(41x)に対応する部位(13x)が、左ガイド(41)の前端部(41x)の熱で局部的に加熱されるように構成されている。すなわち、素材(1)の当該部位(13x)に左ガイド(41)の前端部(41x)の熱が伝導して素材(1)の当該部位(13x)が局部的に加熱されるように構成されている。さらに、この第3誘導加熱手段(83)は、コイル(83a)への電流供給量等を増加させることにより、素材(1)の当該部位(13x)の加熱温度を上昇させて当該部位(13x)を半溶融状態に加熱できるように構成されている。
3個の冷却手段(85)(86)(87)は互いに同一構成である。これら3個の冷却手段(85)(86)(87)のうち、第1冷却手段(85)は、素材(1)の右側部(3R)における第1右ガイド(31)の前端部(31x)よりも後側の部位に対応する部位(11y)を局部的に冷却するものである。また、第2冷却手段(86)は、素材(1)の右側部(3R)における第2右ガイド(32)の前端部(32x)よりも後側の部位に対応する部位(12y)を局部的に冷却するものである。また、第3冷却手段(87)は、素材(1)の左側部(3L)における左ガイド(41)の前端部(41x)よりも後側の部位に対応する部位(13y)を局部的に冷却するものである。
第1冷却手段(85)は、第1右ガイド(31)の後端部の内部に設けられた冷却液流通路(85a)を有している。そして、第1冷却手段(85)は、この冷却液流通路(85a)内に冷却水等の冷却液を流通させることにより、素材(1)の右側部(3R)における第1右ガイド(31)の前端部(31x)よりも後側の部位に対応する部位(11y)を局部的に冷却するように構成されている。
第2冷却手段(85)は、第2右ガイド(32)の後端部の内部に設けられた冷却液流通路(86a)を有している。そして、第2冷却手段(86)は、この冷却液流通路(86a)内に冷却水等の冷却液を流通させることにより、素材(1)の右側部(3R)における第2右ガイド(32)の前端部(32x)よりも後側の部位に対応する部位(12y)を局部的に冷却するように構成されている。
第3冷却手段(87)は、左ガイド(41)の後端部の内部に設けられた冷却液流通路(87a)を有している。そして、第3冷却手段(87)は、この冷却液流通路(87a)内に冷却水等の冷却液を流通させることにより、素材(1)の左側部(3L)における左ガイド(41)の前端部(41x)よりも後側の部位に対応する部位(13y)を局部的に冷却するように構成されている。
なお、(88)は、固定ダイ(20)の成形ダイ部(26)の内部に設けられた冷却液流通路である。この冷却液流通路(88)は、その内部に冷却液を流通させることにより、第1誘導加熱手段(82)のコイル(82a)によって生じた熱が固定ダイ(20)の他の部位へ伝導するのを抑制するものである。(89)は、固定ダイ(20)の左端部の内部に設けられた冷却液流通路である。この冷却液流通路(89)は、その内部に冷却液を流通させることにより、第3誘導加熱手段(83)のコイル(83a)によって生じた熱が固定ダイ(20)の他の部位へ伝導するのを抑制するものである。
2個の潤滑剤付着手段(91)(92)は互いに同一構成である。これら2個の潤滑剤付着手段(91)(92)のうち、第1潤滑剤付着手段(91)は、第1右ガイド(31)及び第2右ガイド(32)の挿通孔(34)(34)の周面にそれぞれ潤滑剤(図示せず)を付着させるものである。第2潤滑剤付着手段(92)は、左ガイド(41)の挿通孔(44)の周面に潤滑剤を付着させるものである。
各潤滑剤付着手段(91)(92)の構成及びその使用方法は、上記第3実施形態の据え込み加工装置(1C)の潤滑剤付着手段と同じである。
次に、本第4実施形態の据え込み加工装置(1D)を用いた据え込み加工方法を以下に説明する。
まず、各ガイド(31)(32)(41)の挿通孔(34)(34)(44)の周面に、対応する潤滑剤付着手段(91)(92)によってそれぞれ潤滑剤を付着させる。また更に、素材(1)の右側部(3R)及び左側部(3L)の表面にそれぞれ潤滑剤を付着させても良い。
次いで、図14に示すように、固定ダイ(20)の素材固定用嵌込み孔(21)に素材(1)の軸方向中間部(2)を挿入配置する。
さらに、素材(1)の右側部(3R)を第1右ガイド(31)及び第2右ガイド(32)の各挿通孔(34)(34)に順次挿通配置する。この状態において、図15に示すように、素材(1)の右側部(3R)の表面と各挿通孔(34)(34)の周面との間の隙間(K)には、挿通孔(34)(34)の周面に付着した潤滑剤が毛管現象等により浸入して該潤滑剤がこの隙間(K)内に一時的に溜められる。
また、素材(1)の左側部(3L)を左ガイド(41)の挿通孔(44)に挿通配置する。この状態において、上と同じく、素材(1)の左側部(3L)の表面と挿通孔(44)の周面との間の隙間に、挿通孔(44)の周面に付着した潤滑剤が一時的に溜められる。
さらに、第1誘導加熱手段(81)のコイル(81a)に電源部によって所定の周波数の電流を供給することにより、第1右ガイド(31)の前端部(31x)を局部的に誘導加熱する。これにより、素材(1)の右側部(3R)における第1右ガイド(31)の前端部(31x)に対応する部位(11x)を、第1右ガイド(31)の前端部(31x)の熱で所定温度に局部的に加熱する。これにより、素材(1)の当該部位(11x)における変形抵抗が局部的に低下する。
素材(1)の当該部位(11x)の加熱温度の好適な範囲は、上記第3実施形態に記載した好適な加熱温度の範囲と同じである。
さらに、第1冷却手段(85)の冷却液流通路(85a)内に常温の冷却水等の冷却液を流通させることにより、素材(1)の右側部(3R)における第1右ガイド(31)の前端部(31x)よりも後側の部位に対応する部位(11y)を局部的に冷却する。これにより、素材(1)の当該部位(11y)における変形抵抗の低下を抑制できる。
この場合の好適な冷却温度の範囲は、上記第3実施形態に記載した好適な冷却温度の範囲と同じである。
一方、第2誘導加熱手段(82)のコイル(82a)には電流を供給せず、したがって素材(1)の右側部(3R)における第2右ガイド(32)の前端部(32x)に対応する部位(12x)は加熱しない。よって、素材(1)の当該部位(12x)における変形抵抗は低下しない。
さらに、第2冷却手段(86)の冷却液流通路(86a)内に常温の冷却水等の冷却液を流通させることにより、素材(1)の右側部(3R)における第2右ガイド(32)の前端部(32x)よりも後側の部位に対応する部位(12y)を局部的に冷却する。これにより、素材(1)の当該部位(12y)における変形抵抗の低下を抑制できる。
さらに、第3誘導加熱手段(83)のコイル(83a)に電源部(83b)によって所定の周波数の電流を供給することにより、左ガイド(41)の前端部(41x)を局部的に誘導加熱する。これにより、素材(1)の左側部(3L)における左ガイド(41)の前端部(41x)に対応する部位(13x)を、左ガイド(41)の前端部(41x)の熱で所定温度に局部的に加熱する。これにより、素材(1)の当該部位(13x)における変形抵抗が局部的に低下する。
さらに、第3冷却手段(87)の冷却液流通路(87a)内に常温の冷却水等の冷却液を流通させることにより、素材(1)の左側部(3L)における左ガイド(41)の前端部(41x)よりも後側の部位に対応する部位(13y)を局部的に冷却する。これにより、素材(1)の当該部位(13y)における変形抵抗の低下を抑制できる。
次いで、このような状態を維持したまま、上記第2実施形態で示した据え込み加工方法と同様の手順により、素材(1)の第1露出部(4)と第3露出部(6)とを同時にそれぞれ第1成形凹部(22)内と第3成形凹部(24)内とで拡径する。
そして、図16に示すように、素材(1)の第1露出部(4)が、第1成形凹部(22)内で設計形状、即ち略円柱状に拡径されたとき、第2誘導加熱手段(82)のコイル(82a)に電源部(82b)によって所定の周波数の電流を供給することにより、第2右ガイド(32)の前端部(32x)を局部的に誘導加熱する。これにより、素材(1)の右側部(3R)における第2右ガイド(32)の前端部(32x)に対応する部位(12x)を、第2右ガイド(32)の前端部(32x)の熱で所定温度に局部的に加熱する。これにより、素材(1)の当該部位(12x)における変形抵抗が局部的に低下する。
さらに、引き続き第2冷却手段(86)の冷却液流通路(86a)内に冷却液を流通させることにより、素材(1)の右側部(3R)における第2右ガイド(32)の前端部(32x)よりも後側の部位に対応する部位(12y)を局部的に冷却する。これにより、素材(1)の当該部位(12y)における変形抵抗の低下を抑制できる。
次いで、このような状態を維持したまま、上記第2実施形態で示した据え込み加工方法と同様の手順により、図17に示すように、素材(1)の第2露出部(5)と第3露出部(6)を同時にそれぞれ第2成形凹部(23)内と第3成形凹部(24)内とで拡径する。
以上の手順により、素材(1)の3箇所の据え込み加工が終了する。
次いで、素材(1)を固定ダイ(20)の嵌込み孔(21)及び各ガイド(31)(32)(41)の挿通孔(34)(34)(44)から取り出すことにより、図9に示した所望する据え込み加工品(10B)が得られる。
而して、上記第4実施形態の据え込み加工方法は、上記第2実施形態の据え込み加工方法の利点と、更に、上記第3実施形態の据え込み加工方法の利点とを有する。
以上で、本発明の幾つかの実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に示したものに限定されるものではなく、様々に設定変更可能である。
例えば、本発明では、第1右ガイド(31)を移動終了後、第2右ガイド(32)を移動させる際において、右パンチ(50R)の移動を停止した状態で第2右ガイド(32)のみを移動させることにより第2右ガイド(32)と第1右ガイド(31)との間に初期クリアランスを設けてから、右パンチ(50R)の移動を再開しても良い。こうすることにより、第2露出部(5)を拡径するのに必要な拡径加工荷重を低減させることができる。
また、上記実施形態では、右ガイドの個数は2個であるが、本発明では、更に3個であっても良いし、4個以上であっても良い。
また、上記実施形態では、左ガイドの個数は1個であるが、本発明では、更に2個であっても良いし、3個以上であっても良い。左ガイドの個数が複数個である場合には、当該複数個の左ガイドについて右ガイドと同様の操作を行うことにより、素材の左側部の複数箇所を拡径することが可能となる。
ここで、上記実施形態では、説明の便宜上、素材の軸方向一側部及び他側部をそれぞれ「右側部」及び「左側部」として説明したが、本発明では、素材の方向に限定されるものではない。
また、本発明では、素材を所定温度に加熱した状態で素材の所定部位を拡径しても良いし、素材を加熱しない状態で素材の所定部位を拡径しても良い。すなわち、本発明に係る据え込み加工方法は、熱間据え込み加工方法であっても良いし、冷間据え込み加工方法であっても良い。
次に、本発明の具体的な実施例を以下に示す。ただし本発明は、この実施例に示したものに限定されるものではない。
プロペルチ法で製作された直径12mm相当の連続鋳造圧延材からなる丸棒状の素材(1)と、直径12mmの押出材からなる丸棒状の素材(1)とを準備した。各素材(1)の材質は、いずれもJIS(日本工業規格)に準拠した合金番号A6061のアルミニウム合金である。そして、これらの素材(1)を、上記第3実施形態の据え込み加工装置(10C)を用いて据え込み加工した。そして、その際に要した平均成形圧力を調べた。その結果を表1に示す。
Figure 0004879880
ここで、表1中の「加熱態様」欄において、「局部加熱」とは、素材(1)における各ガイド(31)(32)(41)の前端部(31x)(32x)(41x)に対応する部位(11x)(12x)(13x)を誘導加熱手段(81)(82)(83)によって局部的に誘導加熱した場合である。「全体加熱」とは、素材(1)の全体を加熱炉により加熱し、その後、加熱状態の該素材(1)を迅速に据え込み加工装置(1C)にセットして据え込み加工を行った場合である。
また、「冷却」欄において、「有」とは、各冷却手段(85)(86)(87)によって素材(1)における各ガイド(31)(32)(41)の前端部(31x)(32x)(41x)よりも後側の部位に対応する部位(11y)(12y)(13y)を局部的に冷却した場合である。「無」とは、冷却しなかった場合である。
表1に示すように、連続鋳造圧延材からなる素材(1)を使用した場合(実施例1及び2)は、押出材からなる素材を使用した場合(実施例3及び4)に比べて、成形圧力を低減できた。
また、局部加熱を行った場合(実施例1及び3)は、全体加熱を行った場合(実施例2及び4)に比べて、成形圧力を低減できた。
この出願は、2005年1月31日付で出願された日本国特許出願特願2005−24178号、及び2005年2月4日付で出願された米国仮出願60/649,547号の優先権主張を伴うものであり、その開示内容は、そのまま本願の一部を構成するものである。
ここに用いられた用語及び表現は、説明のために用いられたものであって限定的に解釈するために用いられたものではなく、ここに示され且つ述べられた特徴事項の如何なる均等物をも排除するものではなく、この発明のクレームされた範囲内における各種変形をも許容するものであると認識されなければならない。
本発明では、棒状の素材の2箇所以上を拡径する据え込み加工方法及び据え込み加工装置に利用可能である。

Claims (61)

  1. 棒状の素材を座屈阻止状態に挿通保持する軸方向に貫通した挿通孔を有する複数個のガイドを準備し、
    固定ダイに固定された素材を前記複数個のガイドの各挿通孔に順次挿通保持し、
    次いで、パンチで素材を軸方向に押圧しながら、前記複数個のガイドを相互密着状態で一体にパンチの移動方向とは反対方向に移動させることにより、前記複数個のガイドにおける最も前側に配置された第1ガイドと固定ダイとの間に露出する素材の第1露出部を拡径するとともに、
    第1ガイドの移動終了後、前記複数個のガイドにおける第1ガイドの後側に配置された第2ガイドをパンチの移動方向とは反対方向に第1ガイドに対して相対的に移動させることにより、第2ガイドと第1ガイドとの間に露出する素材の第2露出部を拡径することを特徴とする据え込み加工方法。
  2. 素材の第1露出部を無拘束状態で拡径する場合において、
    パンチの移動開始時からの平均移動速度をP、
    第1ガイドの移動開始時からの平均移動速度をG、
    据え込み加工前の素材の断面積での座屈限界長さをX
    第1露出部の拡径により形成される拡径部の断面積での座屈限界長さをX
    第1ガイドと固定ダイとの間の初期クリアランスをX(但し、0≦X≦X)、
    パンチの移動開始時から第1ガイドの移動開始時までのタイムラグをt(但し、0≦t)、
    前記拡径部に要する据え込み加工前の素材の長さをl
    パンチ移動開始時からの据え込み加工時間をT、
    とするとき、
    <Tの場合において、Gは、
    0≦G≦P(X−X)/(l−X−Pt
    の関係式を満足している請求項1記載の据え込み加工方法。
  3. 素材の第1露出部を固定ダイに設けられた成形凹部内で拡径する場合において、
    パンチの移動開始時からの平均移動速度をP、
    第1ガイドの移動開始時からの平均移動速度をG、
    据え込み加工前の素材の断面積での座屈限界長さをX
    第1ガイドの前端部と成形凹部の底部との間の初期クリアランスをX(但し、0≦X≦X)、
    第1露出部の拡径により形成される拡径部に要する据え込み加工前の素材の長さをL
    前記拡径部の設計体積から求められるパンチの先端部の成形凹部底部に対する停止位置をX
    設計で定めた第1ガイドの前端部の成形凹部底部に対する停止位置をX
    パンチの移動開始時から第1ガイドの移動開始時までのタイムラグをt(但し、0≦t)、
    とするとき、Gは、
    G=P(X−X)/(L−X−Pt
    の式を満足している請求項1記載の据え込み加工方法。
  4. 前記複数個のガイドのうち少なくとも第1ガイドは、その挿通孔を縦断する分割面で複数個に分割可能なものである請求項1〜3のいずれか1項記載の据え込み加工方法。
  5. 素材は、丸棒状の圧延材からなる請求項1〜4のいずれか1項記載の据え込み加工方法。
  6. 圧延材は、鋳造圧延材である請求項5記載の据え込み加工方法。
  7. 圧延材は、連続鋳造圧延材である請求項5記載の据え込み加工方法。
  8. 前記複数個のガイドの各挿通孔の周面又は/及び素材の表面に潤滑剤を付着させた状態で、素材の第1露出部と第2露出部を拡径する請求項5〜7のいずれか1項記載の据え込み加工方法。
  9. 素材における第1ガイドの前端部に対応する部位を局部的に加熱した状態で、素材の第1露出部を拡径する請求項1〜8のいずれか1項記載の据え込み加工方法。
  10. 素材における第1ガイドの前端部に対応する部位を誘導加熱手段によって局部的に誘導加熱する請求項9記載の据え込み加工方法。
  11. 第1ガイドの前端部を誘導加熱手段によって局部的に誘導加熱することにより、素材における第1ガイドの前端部に対応する部位を局部的に加熱する請求項9記載の据え込み加工方法。
  12. 素材における第1ガイドの前端部に対応する部位を局部的に半溶融状態に加熱する請求項9〜11のいずれか1項記載の据え込み加工方法。
  13. 素材における第1ガイドの前端部よりも後側の部位に対応する部位を冷却手段により局部的に冷却した状態で、素材の第1露出部を拡径する請求項9〜12のいずれか1項記載の据え込み加工方法。
  14. 素材における第2ガイドの前端部に対応する部位を局部的に加熱した状態で、素材の第2露出部を拡径する請求項1〜13のいずれか1項記載の据え込み加工方法。
  15. 素材における第2ガイドの前端部に対応する部位を誘導加熱手段によって局部的に誘導加熱する請求項14記載の据え込み加工方法。
  16. 第2ガイドの前端部を誘導加熱手段によって局部的に誘導加熱することにより、素材における第2ガイドの前端部に対応する部位を局部的に加熱する請求項14記載の据え込み加工方法。
  17. 素材における第2ガイドの前端部に対応する部位を局部的に半溶融状態に加熱する請求項14〜16のいずれか1項記載の据え込み加工方法。
  18. 素材における第2ガイドの前端部よりも後側の部位に対応する部位を冷却手段により局部的に冷却した状態で、素材の第2露出部を拡径する請求項14〜17のいずれか1項記載の据え込み加工方法。
  19. 棒状の素材の軸方向両側部のうち一側部を座屈阻止状態に挿通保持する軸方向に貫通した挿通孔を有し、且つ互いに軸方向に並んで配置される複数個の一側部用ガイドと、
    素材の他側部を座屈阻止状態に挿通保持する軸方向に貫通した挿通孔を有する少なくとも1個の他側部用ガイドと、
    素材の一側部を軸方向に押圧する一側部用パンチと、
    素材の他側部を軸方向に押圧する他側部用パンチと、
    を準備し、
    素材の軸方向中間部で固定ダイに固定された素材の一側部を前記複数個の一側部用ガイドの各挿通孔に順次挿通保持するとともに、素材の他側部を他側部用ガイドの挿通孔に挿通保持し、
    次いで、素材の一側部を一側部用パンチで軸方向に押圧しながら、前記複数個の一側部用ガイドを相互密着状態で一体に一側部用パンチの移動方向とは反対方向に移動させることにより、前記複数個の一側部用ガイドにおける最も前側に配置された第1ガイドと固定ダイとの間に露出する素材の第1露出部を拡径するとともに、
    第1ガイドの移動終了後、前記複数個の一側部用ガイドにおける第1ガイドの後側に配置された第2ガイドを、一側部用パンチの移動方向とは反対方向に第1ガイドに対して相対的に移動させることにより、第2ガイドと第1ガイドとの間に露出する素材の第2露出部を拡径し、
    さらに、一側部用パンチによる素材の一側部の押圧と同時に、素材の他側部を他側部用パンチで軸方向に押圧しながら、他側部用ガイドを他側部用パンチの移動方向とは反対方向に移動させることにより、他側部用ガイドと固定ダイとの間に露出する素材の第3露出部を拡径することを特徴とする据え込み加工方法。
  20. 素材の第1露出部を無拘束状態で拡径する場合において、
    一側部用パンチの移動開始時からの平均移動速度をP、
    第1ガイドの移動開始時からの平均移動速度をG、
    据え込み加工前の素材の断面積での座屈限界長さをX
    第1露出部の拡径により形成される拡径部の断面積での座屈限界長さをX
    第1ガイドと固定ダイとの間の初期クリアランスをX(但し、0≦X≦X)、
    一側部用パンチの移動開始時から第1ガイドの移動開始時までのタイムラグをt(但し、0≦t)、
    前記拡径部に要する据え込み加工前の素材の長さをl
    一側部用パンチ移動開始時からの据え込み加工時間をT、
    とするとき、
    <Tの場合において、Gは、
    0≦G≦P(X−X)/(l−X−Pt
    の関係式を満足している請求項19記載の据え込み加工方法。
  21. 素材の第1露出部を固定ダイに設けられた成形凹部内で拡径する場合において、
    一側部用パンチの移動開始時からの平均移動速度をP、
    第1ガイドの移動開始時からの平均移動速度をG、
    据え込み加工前の素材の断面積での座屈限界長さをX
    第1ガイドの前端部と成形凹部の底部との間の初期クリアランスをX(但し、0≦X≦X)、
    第1露出部の拡径により形成される拡径部に要する据え込み加工前の素材の長さをL
    前記拡径部の設計体積から求められる一側部用パンチの先端部の成形凹部底部に対する停止位置をX
    設計で定めた第1ガイドの前端部の成形凹部底部に対する停止位置をX
    一側部用パンチの移動開始時から第1ガイドの移動開始時までのタイムラグをt(但し、0≦t)、
    とするとき、Gは、
    G=P(X−X)/(L−X−Pt
    の式を満足している請求項19記載の据え込み加工方法。
  22. 前記複数個の一側部用ガイドのうち少なくとも第1ガイドは、その挿通孔を縦断する分割面で複数個に分割可能なものである請求項19〜21のいずれか1項記載の据え込み加工方法。
  23. 素材は、丸棒状の圧延材からなる請求項19〜22のいずれか1項記載の据え込み加工方法。
  24. 圧延材は、鋳造圧延材である請求項23記載の据え込み加工方法
  25. 圧延材は、連続鋳造圧延材である請求項23記載の据え込み加工方法。
  26. 前記複数個の一側部用ガイドの各挿通孔の周面、他側部用ガイドの挿通孔の周面及び素材の表面のうち少なくとも一つに潤滑剤を付着させた状態で、素材の第1露出部と第2露出部と第3露出部を拡径する請求項23〜25のいずれか1項記載の据え込み加工方法。
  27. 素材における第1ガイドの前端部に対応する部位を局部的に加熱した状態で、素材の第1露出部を拡径する請求項19〜26のいずれか1項記載の据え込み加工方法。
  28. 素材における第1ガイドの前端部に対応する部位を誘導加熱手段によって局部的に誘導加熱する請求項27記載の据え込み加工方法。
  29. 第1ガイドの前端部を誘導加熱手段によって局部的に誘導加熱することにより、素材における第1ガイドの前端部に対応する部位を局部的に加熱する請求項27記載の据え込み加工方法。
  30. 素材における第1ガイドの前端部に対応する部位を局部的に半溶融状態に加熱する請求項27〜29のいずれか1項記載の据え込み加工方法。
  31. 素材における第1ガイドの前端部よりも後側の部位に対応する部位を冷却手段により局部的に冷却した状態で、素材の第1露出部を拡径する請求項27〜30のいずれか1項記載の据え込み加工方法。
  32. 素材における第2ガイドの前端部に対応する部位を局部的に加熱した状態で、素材の第2露出部を拡径する請求項19〜31のいずれか1項記載の据え込み加工方法。
  33. 素材における第2ガイドの前端部に対応する部位を誘導加熱手段によって局部的に誘導加熱する請求項32記載の据え込み加工方法。
  34. 第2ガイドの前端部を誘導加熱手段によって局部的に誘導加熱することにより、素材における第2ガイドの前端部に対応する部位を局部的に加熱する請求項32記載の据え込み加工方法。
  35. 素材における第2ガイドの前端部に対応する部位を局部的に半溶融状態に加熱する請求項32〜34のいずれか1項記載の据え込み加工方法。
  36. 素材における第2ガイドの前端部よりも後側の部位に対応する部位を冷却手段により局部的に冷却した状態で、素材の第2露出部を拡径する請求項32〜35のいずれか1項記載の据え込み加工方法。
  37. 素材における第3ガイドの前端部に対応する部位を局部的に加熱した状態で、素材の第3露出部を拡径する請求項19〜36のいずれか1項記載の据え込み加工方法。
  38. 素材における第3ガイドの前端部に対応する部位を誘導加熱手段によって局部的に誘導加熱する請求項37記載の据え込み加工方法。
  39. 第3ガイドの前端部を誘導加熱手段によって局部的に誘導加熱することにより、素材における第3ガイドの前端部に対応する部位を局部的に加熱する請求項37記載の据え込み加工方法。
  40. 素材における第3ガイドの前端部に対応する部位を局部的に半溶融状態に加熱する請求項37〜39のいずれか1項記載の据え込み加工方法。
  41. 素材における第3ガイドの前端部よりも後側の部位に対応する部位を冷却手段により局部的に冷却した状態で、素材の第3露出部を拡径する請求項37〜40のいずれか1項記載の据え込み加工方法。
  42. 棒状の素材を座屈阻止状態に挿通保持する軸方向に貫通した挿通孔を有し且つ互いに軸方向に並んで配置される複数個のガイドと、
    素材を軸方向に押圧するパンチと、
    前記複数個のガイドにおける各ガイドをそれぞれパンチの移動方向とは反対方向に移動させる複数個のガイド駆動装置と、
    を備えていることを特徴とする据え込み加工装置。
  43. 前記複数個のガイドのうち少なくとも最も前側に配置されたガイドは、その挿通孔を縦断する分割面で複数個に分割可能なものである請求項42記載の据え込み加工装置。
  44. 素材は、丸棒状の圧延材からなり、
    前記複数個のガイドの各挿通孔の周面又は/及び素材の表面に潤滑剤を付着させる潤滑剤付着手段を備えている請求項42又は43記載の据え込み加工装置。
  45. 圧延材は、鋳造圧延材である請求項44記載の据え込み加工装置。
  46. 圧延材は、連続鋳造圧延材である請求項44記載の据え込み加工装置。
  47. 素材における前記複数個のガイドのうち少なくとも一個のガイドの前端部に対応する部位を局部的に加熱する加熱手段を備えている請求項42〜46のいずれか1項記載の据え込み加工装置。
  48. 加熱手段は、誘導加熱コイルを有する誘導加熱手段であり、
    素材における前記少なくとも一個のガイドの前端部に対応する部位を誘導加熱手段によって局部的に誘導加熱するように構成されている請求項47記載の据え込み加工装置。
  49. 加熱手段は、誘導加熱コイルを有する誘導加熱手段であり、
    前記少なくとも一個のガイドの前端部を誘導加熱手段によって局部的に誘導加熱することにより、素材における前記少なくとも一個のガイドの前端部に対応する部位を局部的に加熱するように構成されている請求項47記載の据え込み加工装置。
  50. 加熱手段は、素材における前記少なくとも一個のガイドの前端部に対応する部位を局部的に半溶融状態に加熱可能なものである請求項47〜49のいずれか1項記載の据え込み加工装置。
  51. 素材における前記少なくとも一個のガイドの前端部よりも後側の部位に対応する部位を局部的に冷却する冷却手段を備えている請求項47〜50のいずれか1項記載の据え込み加工装置。
  52. 棒状の素材の軸方向両側部のうち一側部を座屈阻止状態に挿通保持する軸方向に貫通した挿通孔を有し、且つ互いに軸方向に並んで配置される複数個の一側部用ガイドと、
    素材の他側部を座屈阻止状態に挿通保持する軸方向に貫通した挿通孔を有する少なくとも1個の他側部用ガイドと、
    素材の一側部を軸方向に押圧する一側部用パンチと、
    素材の他側部を軸方向に押圧する他側部用パンチと、
    前記複数個の一側部用ガイドにおける各ガイドをそれぞれ一側部用パンチの移動方向とは反対方向に移動させる複数個の一側部用ガイド駆動装置と、
    他側部用ガイドを他側部用パンチの移動方向とは反対方向に移動させる他側部用ガイド駆動装置と、
    を備えていることを特徴とする据え込み加工装置。
  53. 前記複数個の一側部用ガイドのうち少なくとも最も前側に配置されたガイドは、その挿通孔を縦断する分割面で複数個に分割可能なものである請求項52記載の据え込み加工装置。
  54. 素材は、丸棒状の圧延材からなり、
    前記複数個の一側部用ガイドの各挿通孔の周面、他側部用ガイドの挿通孔の周面及び素材の表面のうち少なくとも一つに潤滑剤を付着させる潤滑剤付着手段を備えている請求項52又は53記載の据え込み加工装置。
  55. 圧延材は、鋳造圧延材である請求項54記載の据え込み加工装置。
  56. 圧延材は、連続鋳造圧延材である請求項54記載の据え込み加工装置。
  57. 素材における前記複数個の一側部用ガイド及び他側部用ガイドのうち少なくとも一個のガイドの前端部に対応する部位を局部的に加熱する加熱手段を備えている請求項52〜56のいずれか1項記載の据え込み加工装置。
  58. 加熱手段は、誘導加熱コイルを有する誘導加熱手段であり、
    素材における前記少なくとも一個のガイドの前端部に対応する部位を誘導加熱手段によって局部的に誘導加熱するように構成されている請求項57記載の据え込み加工装置。
  59. 加熱手段は、誘導加熱コイルを有する誘導加熱手段であり、
    前記少なくとも一個のガイドの前端部を誘導加熱手段によって局部的に誘導加熱することにより、素材における前記少なくとも一個のガイドの前端部に対応する部位を局部的に加熱するように構成されている請求項57記載の据え込み加工装置。
  60. 加熱手段は、素材における前記少なくとも一個のガイドの前端部に対応する部位を局部的に半溶融状態に加熱可能なものである請求項57〜59のいずれか1項記載の据え込み加工装置。
  61. 素材における前記少なくとも一個のガイドの前端部よりも後側の部位に対応する部位を局部的に冷却する冷却手段を備えている請求項57〜60のいずれか1項記載の据え込み加工装置。
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