JPWO2006080442A1 - 照射装置及びインクジェット記録装置 - Google Patents

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Abstract

紫外線照射装置8に、複数の屈曲部を有する発光管13及び口金部18を備え紫外線を照射する水銀灯11と、口金部18の温度を検出する口金温度センサ37と、発光管13の管面温度を検出する管面温度センサと、前記管面温度を制御するヒータと、水銀灯11の点灯開始前において、口金温度センサ37及び管面温度センサの検出結果に基づき、発光管13の管面温度が口金部18の温度より高温となるようにヒータを制御する制御部46と、を設ける。

Description

本発明は、照射装置及びインクジェット記録装置に係り、特に、光を照射する照射装置及び光を照射することによって硬化する光硬化性インクを用いて画像の記録を行うインクジェット記録装置に関する。
近年、グラビア印刷方式やフレキソ印刷方式などの製版を必要とする方式に比較して、簡便にかつ安価に画像を記録することができるという理由から、インクジェット記録装置が多く用いられるようになってきている。
インクジェット記録装置を用いて商品や商品の包装に画像記録を行う分野では、商品や商品の包装に、樹脂や金属などのインク吸収性のない材料を用いることが多い。そして、このようなインク吸収性のない材料の記録媒体に対してインクを定着させるために、例えば紫外線などの光を照射することにより硬化するインクを吐出するノズルを有する記録ヘッドを備えたインクジェット記録装置が知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
また、このような光硬化性インクを記録ヘッドのノズルから吐出して記録媒体に着弾させた後、この記録媒体に紫外線などの光を照射してインクを硬化させる照射装置を備えたインクジェット記録装置が知られている(例えば、特許文献3及び特許文献4参照)。このような照射装置の光源としては、紫外線を照射する低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプなどの水銀灯が多く使用されている。
ここで、照射装置の光源として水銀灯を用いる場合、水銀は管内の温度の低い方に集まる性質があることから、管内に温度の高い部分があると水銀が移動しにくくなる。一方、一般に水銀灯の管端部は他の部分より温度が高くなることから、管全体に水銀がいきわたり照度が安定するまで時間を要していた。
そこで、水銀灯の立ち上がり時間を短縮するために、水銀灯の管温度を制御する種々の方法が提案されている。例えば、特許文献5には、水銀灯(蛍光灯)の軸方向に水銀灯の所定の箇所を空気冷却することによって輝度のばらつきを平均化させるための複数の空気吹出口が形成され、管端部の空気吹出流量を中央側より大きくすることができる照明装置が記載されている。また、特許文献6には、点灯開始時の水銀灯(蛍光灯)の管面温度に応じて管電流の印加電圧を制御することにより、水銀灯の管温度が所定温度に達していない場合でも即座に照明を開始することができる電子複写機が記載されている。また、特許文献7には、立ち上がり時に水銀灯の温度を所定の作動温度まで速やかに上昇させるための予熱ヒータが設けられた水銀灯の交換指示装置が記載されている。
また、光源の管端部に装着された口金部の温度を制御する方法も提案されている。例えば、特許文献8には、光源の点灯開始時にノズルから口金に高温エアーを吹き付けて口金温度を目的の温度まで上昇させることによって、光源の放電開始に必要な電圧を下げる露光装置が記載されている。また、特許文献9には、水銀灯(蛍光灯)の電源投入時に水銀灯の電極のみ予熱して管端部の温度を上昇させることにより、管端部に留まっていた水銀を蒸発し易くし、短時間で水銀灯の光量変化、光量分布を安定させる画像読取装置及び複写機が記載されている。
しかし、特許文献5〜特許文献7及び特許文献9に記載の発明は、いずれも直管形の水銀灯を使用する場合の管温度の制御方法であった。また、特許文献8に記載の発明も、楕円球の管内に陽極及び陰極を設けた光源の使用を前提としたものであった。
一方、インクジェット記録装置の紫外線照射装置としては、照射強度の確保と装置の小型化の要請から、管を連続的に折り曲げた構造の水銀灯が多く用いられている。そして、管を複数回曲げた構造の水銀灯では熱干渉によって中央部の温度が上がり、管の端部から中央部への水銀の移動を阻害することから、水銀灯の立ち上がりに時間を要するという問題が生じていた。
したがって、管面端部又は口金部の温度を制御したとしても、管を連続的に折り曲げた構造の水銀灯を使用する場合は、管面端部又は口金温度と連続的に折り曲げた管の中央部の温度との相関関係を把握した上でその双方を制御しなければ、水銀灯全体としての立ち上がりを改善することはできない。
特開2001−310454号公報 特開2003−145725号公報 特開平06−333538号公報 特開平10−041080号公報 特開平09−073811号公報 特許第2603645号公報 特許第3081795号公報 特開平11−097336号公報 特開2001−160888号公報
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、管を複数回曲げた構造の水銀灯の立ち上がり時間を短縮することを可能とする照射装置及びインクジェット記録装置を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するための、本発明の一つの態様は、複数の屈曲部を有する発光管及び口金部を備え、紫外線を照射する水銀灯と、前記口金部の温度を検出する口金部温度検出手段と、前記口金部の温度を制御する口金部温度制御手段と、前記水銀灯の点灯開始前において、前記発光管の管面温度より、口金部の温度が低温となるように前期口金部温度 制御手段を制御する制御部と、を備えることを特徴とした照射装置にある。
また、別の態様は、複数の屈曲部を有する発光管及び口金部を備え、紫外線を照射する水銀灯と、前記発光管の管面中央部の温度を検出する管面中央部温度検出手段と、前記管面中央部の温度を制御する管面中央部温度制御手段と、前記発光管の管面端部の温度を検出する管面端部温度検出手段と、前記管面端部の温度を制御する管面端部温度制御手段と、前記管面中央部温度検出手段及び管面端部温度検出手段の検出結果に基づき、前記水銀灯の点灯開始後の所定時間において、前記管面中央部が前記管面端部より低温となるように管面中央部温度制御手段を制御することを特徴とする照射装置にある。
本発明のさらに別の態様は、記録媒体に対して光硬化性インクを吐出する記録ヘッドと、記録媒体の表面に着弾した前記インクに紫外線を照射する、上記の照射装置とを備えることを特徴とするインクジェット記録装置にある。
本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の全体構成を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る紫外線照射装置の構成を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る水銀灯の構成を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る反射部材及び口金部に配置されたヒータの構成を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る制御構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る制御シーケンスを示すタイムチャートである。 本発明の実施形態に係る口金部及び発光管の管面の温度変化を示すグラフである。 本発明の実施形態に係る水銀灯の照度変化を示すグラフである。
符号の説明
1 インクジェット記録装置
2 記録装置本体
3 支持台
4 ガイドレール
5 キャリッジ
7 記録ヘッド
8 紫外線照射装置
9 光源カバー
11 水銀灯
13 発光管
14 管面端部
15 管面中央部
18 口金部
19 口金ヒータ
20 反射部材
21 管面端部ヒータ
22 管面中央部ヒータ
23 管面中央部温度センサ
24 管面端部温度センサ
25 通気孔
26 スライドレール
27 送風防止板
28 スライド機構
30 発光管収納部
31 管面中央部冷却ファン
34 口金収納部
35 口金冷却ファン
37 口金温度センサ
44 照度センサ
46 制御部
本発明の上記目的は、以下の構成によって達成される。
(1)複数の屈曲部を有する発光管及び口金部を備え、紫外線を照射する水銀灯と、前記口金部の温度を検出する口金部温度検出手段と、前記口金部の温度を制御する口金部温度制御手段と、前記水銀灯の点灯開始前において、前記発光管の管面温度より、口金部の温度が低温となるように前期口金部温度制御手段を制御する制御部と、を備えることを特徴とした照射装置。
(2)前記管面温度を検出する管面温度検出手段と、前記管面温度を制御する管面温度制御手段と、を備え、前記水銀灯の点灯開始前において、前記口金部温度検出手段及び前記管面温度検出手段の検出結果に基づき、前記口金部が発光管の管面温度より低温となるように前記口金部温度制御手段又は前期管面温度制御手段のいずれか一方又は両方を制御することを特徴とした項1に記載の照射装置。
(3)前記制御部は、前記水銀灯の点灯開始前において、前記口金部温度検出手段の検出結果に基づき、前記口金部の温度を最冷点温度にすることを特徴とする項1に記載の照射装置。
(4)前記口金部の最冷点温度は50℃〜55℃の範囲内における所定の値であることを特徴とする項3に記載の照射装置。
(5)前記発光管の管面温度は60℃〜100℃の範囲内における所定の値であることを特徴とする項4に記載の照射装置。
(6)複数の屈曲部を有する発光管及び口金部を備え、紫外線を照射する水銀灯と、前記発光管の管面中央部の温度を検出する管面中央部温度検出手段と、前記管面中央部の温度を制御する管面中央部温度制御手段と、前記発光管の管面端部の温度を検出する管面端部温度検出手段と、前記管面端部の温度を制御する管面端部温度制御手段と、前記管面中央部温度検出手段及び管面端部温度検出手段の検出結果に基づき、前記水銀灯の点灯開始後の所定時間において、前記管面中央部が前記管面端部より低温となるように管面中央部温度制御手段を制御することを特徴とする照射装置。
(7)記録媒体に対して光硬化性インクを吐出する記録ヘッドと、記録媒体の表面に着弾した前記インクに紫外線を照射する、項1〜項6の何れか一項に記載の照射装置とを備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
(8)前記インクは一主成分としてカチオン重合性化合物を含むカチオン硬化性インクであることを特徴とする項7に記載のインクジェット記録装置。
上記課題を解決するために項1記載の装置は、照射装置であって、複数の屈曲部を有する発光管及び口金部を備え、紫外線を照射する水銀灯と、前記口金部の温度を検出する口金部温度検出手段と、前記口金部の温度を制御する口金部温度制御手段と、前記水銀灯の点灯開始前において、前記発光管の管面温度より、口金部の温度が低温となるように前期口金部温度制御手段を制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
項1に記載の装置によれば、水銀灯の点灯開始前において口金部の温度を発光管の管面全体の温度より低温に維持することから、水銀灯の水銀は発光管内で比較的温度の低い口金部に移動する。そして、この状態で水銀灯の点灯を開始すると、口金部に集まっていた水銀が発光管の中央部に移動するため、水銀の移動方向は一定となる。したがって、水銀灯の立ち上がり時間は短縮される。
項2記載の装置は、照射装置であって、前記管面温度を検出する管面温度検出手段と、前記管面温度を制御する管面温度制御手段と、を備え、前記水銀灯の点灯開始前において、前記口金部温度検出手段及び前記管面温度検出手段の検出結果に基づき、前記口金部が発光管の管面温度より低温となるように前記口金部温度制御手段又は前期管面温度制御手段のいずれか一方又は両方を制御することを特徴とした項1に記載の照射装置。
項2に記載の装置によれば、水銀灯の点灯開始前において口金部の温度を発光管の管面全体の温度より低温に維持することから、水銀灯の水銀は発光管内で比較的温度の低い口金部に移動する。そして、この状態で水銀灯の点灯を開始すると、口金部に集まっていた水銀が発光管の中央部に移動するため、水銀の移動方向は一定となる。したがって、水銀灯の立ち上がり時間は短縮される。
項3に記載の装置は、項1に記載の照射装置であって、前記制御部は、前記水銀灯の点灯開始前において、前記口金部温度検出手段の検出結果に基づき、前記口金部の温度を最冷点温度にすることを特徴とする。
項3に記載の装置によれば、口金部の温度を最冷点温度として水銀灯の発光効率を最大とすることができる。
項4に記載の装置は、項3に記載の照射装置であって、前記口金部の最冷点温度は50℃〜55℃の範囲内における所定の値であることを特徴とする。
項4に記載の装置によれば、口金部の温度を最冷点温度として水銀灯の発光効率を最大とすることができる。
項5に記載の装置は、項4に記載の照射装置であって、前記発光管の管面温度は60℃〜100℃の範囲内における所定の値であることを特徴とする。
項5に記載の装置によれば、発光管の管面温度を口金部の最冷点温度より高温とすることにより、発光管内の水銀を口金部から管面に速やかに移動させることができる。
項6に記載の装置は、照射装置であって、複数の屈曲部を有する発光管及び口金部を備え、紫外線を照射する水銀灯と、前記発光管の管面中央部の温度を検出する管面中央部温度検出手段と、前記管面中央部の温度を制御する管面中央部温度制御手段と、前記発光管の管面端部の温度を検出する管面端部温度検出手段と、前記管面端部の温度を制御する管面端部温度制御手段と、前記管面中央部温度検出手段及び管面端部温度検出手段の検出結果に基づき、前記水銀灯の点灯開始後の所定時間において、前記管面中央部が前記管面端部より低温となるように管面中央部温度制御手段を制御することを特徴とする。
項6に記載の装置によれば、水銀灯の点灯開始後において発光管の管面中央部を管面端部より低温に維持することから、水銀は口金部から発光管の中央部に速やかに移動する。したがって、点灯開始後の水銀灯の立ち上がり時間は短縮される。
項7に記載の装置は、インクジェット記録装置であって、記録媒体に対して光硬化性インクを吐出する記録ヘッドと、記録媒体の表面に着弾した前記インクに紫外線を照射する、項1〜項6の何れか一項に記載の照射装置とを備えることを特徴とする。
項7に記載の装置によれば、インクジェット記録装置において項1〜項6と同様の作用を得ることができる。
項8に記載の装置は、項7に記載のインクジェット記録装置であって、前記インクは一主成分としてカチオン重合性化合物を含むカチオン硬化性インクであることを特徴とする。
項8に記載の装置によれば、カチオン硬化性インクを使用して項7と同様の作用を得ることができる。
次に発明による効果について記述する。
項1又は項2に記載の装置によれば、点灯開始後の水銀灯の立ち上がり時間は短縮される。
項3又は項4に記載の装置によれば、口金部の温度を最冷点温度として水銀灯の発光効率を最大とすることができる。
項5に記載の装置によれば、発光管の管面温度を口金部の最冷点温度より高温とすることにより、発光管内の水銀を口金部から管面に速やかに移動させることができる。
項6に記載の装置によれば、点灯開始後の水銀灯の立ち上がり時間は短縮される。
項7に記載の装置によれば、インクジェット記録装置において項1〜項6と同様の効果を得ることができる。
項8に記載の装置によれば、カチオン硬化性インクを使用して項7と同様の効果を得ることができる。
以下、本発明のインクジェット記録装置1の実施形態について、図面を参照して説明する。ただし、発明の範囲を図示例に限定するものではない。
図1に示すように本実施形態に係るインクジェット記録装置1は、記録装置本体2と、記録装置本体2を支持する支持台3とを備えている。記録装置本体2の内部には棒状のガイドレール4が設けられており、このガイドレール4には、キャリッジ5が支持されている。このキャリッジ5は、キャリッジ駆動機構6(図5参照)によってガイドレール4に沿って記録媒体の幅方向である走査方向に往復移動するようになっている。なお、本実施形態のインクジェット記録装置1はシリアル方式であるが、本発明においてはライン方式であってもよい。
キャリッジ5には、所定の色のインクを吐出する記録ヘッド7が搭載されている。記録ヘッド7は外形が略直方体形状に形成されており、長手方向が互いに平行となるように配置されている。
記録ヘッド7の記録媒体に対向する面には、記録媒体にインクを吐出する複数のノズル(図示略)が走査方向と直行する記録媒体の搬送方向に沿って設けられている。また、キャリッジ5にはインクを貯蔵し記録ヘッド7にインクを供給する中間タンク(図示略)が備えられており、記録ヘッド7はインク供給管(図示略)を介してこの中間タンクと連通されている。
ここで、本実施形態に係るインクは、インクに重合性化合物として活性化エネルギー線硬化性化合物を含み、重合反応を開始させる活性化エネルギーとして紫外線を使用した紫外線硬化性インクである。重合性化合物を含む紫外線硬化性インクとしては、ラジカル重合性化合物を含むラジカル硬化性インクとカチオン重合性化合物を含むカチオン硬化性インクとに大別され、どちらのインクも本実施形態に用いられるインクとして適用可能である。しかし、カチオン硬化性インクの方が酸素による重合阻害を受けることが少ない又は無いので、紫外線に対する感度が高く、また、活性種である酸が光エネルギーを蓄積する性質を有しているため、機能性・汎用性に優れている。
キャリッジ5の記録ヘッド7の走査方向における両側部には、ノズルから記録媒体に吐出されたインクに対して紫外線を照射してインクを硬化させる紫外線照射装置8が設けられている。
紫外線照射装置8は、図2に示すように、記録媒体に向かって開口する箱型であって、搬送方向の上流側端部が上方に向けて突出形成された光源カバー9を有している。光源カバー9の搬送方向の上流側端部には、光源カバー9の底部に図示しないヒンジ機構などを介して取り付けられた蓋部10が設けられており、蓋部10は、光源カバー9の底部を軸として回動することにより光源カバー9に対して開閉自在となっている。
図3に示すように、光源カバー9の内部には、インクを硬化させる紫外線を発光する光源として水銀灯11が収納されている。
水銀灯11は、搬送方向に沿って設けられ、記録ヘッド7の長手方向における長さ以上の長さ寸法となるように、所定位置において複数の屈曲部12が形成された発光管13を有している。本明細書では、水平方向に屈曲して形成された発光管13の両端部から最初の屈曲部12までの直線部分の管面をそれぞれ「管面端部14」、それ以外の部分の管面を「管面中央部15」として説明する。なお、水銀灯11の発光管13の形状は図3に示したものに限定されず、例えば、さらに多数の屈曲部12を設けた形状としてもよい。また、光源カバー9の内部側面には、水銀灯11が光源カバー9に収納された際に水銀灯11の位置を規制するための規制部材16が設けられている。
また、発光管13は両端部付近においてほぼ垂直方向に屈曲する屈曲部17を有しており、発光管13の両端部には、図4に示すように、円筒状の口金部18が取り付けられている。口金部18は、光源カバー9の上流側の突出形成部分に沿って上方に延在し、光の照射面に対してほぼ鉛直となるようになっている。この口金部18は電子放射物質(エミッタ)が塗布されたフィラメント(図示略)を有し、口金部18に通電させることにより発光管13が発光するようになっている。
さらに、図4に示すように、口金部18には口金部温度制御手段としての口金ヒータ19が配置されている。本実施形態では口金ヒータ19としてニクロム線を使用しており、ニクロム線は、円筒形の口金部18の円周上に螺旋状に巻かれた状態で貼り付けられている。なお、光源カバー9の内部に設けた図示しない口金固定部に口金ヒータを配置して、口金固定部からの伝導熱により口金部18を加温する構成としてもよい。
また、光源カバー9の内部には、図4に示すように、発光管13から照射され拡散した紫外線を記録媒体に対して反射させる反射部材20が発光管13を覆うように設けられている。反射部材20としては、例えば、全波長域に亘って紫外線を効率良く反射する高純度のアルミ製の反射板が適用される。
また、反射部材20の上面及び側面には、管面温度制御手段としてのヒータが配置されている。本実施形態では、ヒータとしてニクロム線を使用している。ニクロム線は搬送方向に沿って、発光管13の長手方向の長さ寸法とほぼ等しい長さとなるように所定位置で折り返して配置されている。
管面温度制御手段としてのヒータのうち、発光管13の管面端部14の上方付近に位置するヒータは管面端部温度制御手段としての管面端部ヒータ21とされ、発光管13の管面中央部15の上方付近に位置するヒータは管面中央部温度制御手段としての管面中央部ヒータ22とされている。図4に示すように、管面端部温度制御手段としての管面端部ヒータ21のニクロム線は比較的密となるように配置され、また、管面中央部温度制御手段としての管面中央部ヒータ22のニクロム線は比較的疎となるように配置されている。これにより、ヒータがONとされた場合に、発光管13の管面端部14の温度より管面中央部15の温度の方が比較的低温とされるようになっている。
また、図4に示すように、反射部材20の上面には、管面温度検出手段としての温度センサが配置されている。本実施形態においては、温度センサとしてサーミスタを用いている。そして、管面温度検出手段としての温度センサのうち、反射部材20の上面の中央付近に配置された温度センサは管面中央部温度検出手段としての管面中央部温度センサ23とされ、反射部材20の上面の端部付近に配置された温度センサは管面端部温度検出手段としての管面端部温度センサ24とされている。
さらに、図4に示すように、反射部材20の上面には4つの楕円状の通気孔25が形成されている。また、反射部材20の上面であって搬送方向の上流側及び下流側の両端部には、主走査方向にスライドレール26が配置されている。スライドレール26には送風防止板27が支持されており、スライド機構28によりスライドレール26に沿って主走査方向に往復移動するようになっている。本実施形態では、スライド機構28としてソレノイドを使用している。送風防止板27は、4つの通気孔25を塞ぐことのできる幅寸法及び長さ寸法として形成されており、スライドレール26に沿って4つの通気孔25の上方に移動することによって、4つの通気孔25を塞ぐことができるようになっている。また、送風防止板27には、4つの通気孔25を塞ぐ位置に移動した際に管面中央部温度センサ23を露出させるための切り欠き29が形成されている。
図2に示すように、光源カバー9の搬送方向の下流側は発光管13が収納される発光管収納部30となっており、発光管収納部30の上面には、管面中央部温度制御手段として発光管13の管面中央部15を冷却する管面中央部冷却ファン31が設けられている。また、発光管収納部30の上面であって管面中央部冷却ファン31の下方には、発光管収納部30の内部に送風するための送風口32が形成されている。さらに、発光管収納部30の各側面には、発光管収納部30の内部から排気を行うための複数の排気口33が形成されている。
また、光源カバー9の上流側の突出形成部分は、口金部18が収納される口金収納部34とされている。口金収納部34のうち発光管収納部30の上面と連接する一側面には、口金部温度制御手段として口金部18を冷却する口金冷却ファン35が設けられている。また、口金収納部34の側面であって口金冷却ファン35の下方には、口金冷却ファン35の回転により口金収納部34の内部に外気を送り込むための外気送込口36が形成されている。また、光源カバー9の蓋部の一面には、口金収納部34の内部から排気を行うための図示しない排気スリットが形成されている。
また、口金収納部34の内部であって水銀灯11が光源カバー9に収納された際に口金部18の近傍となる位置には、口金部温度検出手段としての口金温度センサ37が設けられている。
なお、図2に示すように、口金収納部34の上面であって、光源カバー9に水銀灯11が収納された際に口金部18の先端付近となる位置には、口金部18に電力を供給するため、図示しない端子を接続するための切り欠き部38が形成されている。
また、光源カバー9における発光管収納部30と口金収納部34との間には、断熱性を有し両部を仕切るための板状の本体側仕切り部材(図示略)が設けられている。また、蓋部の本体側仕切り部材に対応する位置には、断熱性を有し発光管収納部30と口金収納部34とを仕切るための板状の蓋側仕切り部材(図示略)が設けられている。そして、蓋部が光源カバーに対して閉じられた状態となることにより、この本体側仕切り部材と蓋側仕切り部材とが組み合わさって、発光管収納部30と口金収納部34との間を仕切る仕切り部材を構成するようになっている。
なお、光源カバー9の記録媒体に対向する底部には、図3に示すように、インクミストなどの汚れが発光管13に付着するのを防止すると共に、搬送不良などにより浮き上がった記録媒体が発光管13に接触するのを防止するための板状の保護部材39が取り付けられている。保護部材39は、光源カバー9の底部内周面に沿って設けられた枠状の支持部材40により支持されている。保護部材39としては、例えば、紫外線波長域において特にUV-C領域(〜280nm)を効率良く透過できる普通石英ガラス、合成石英ガラスなどが好適に適用される。
図1に戻り、キャリッジ5の移動可能範囲の一領域は、記録媒体に記録を行う記録領域とされている。この記録領域のキャリッジ5の下方には、平板状の部材で構成され記録媒体を被記録面から支持するプラテン41が配設されている。
プラテン41の側方には、記録媒体を搬送方向に搬送させるための搬送機構42(図5参照)が設けられている。搬送機構42には、例えば図示しない搬送モータ及び搬送ローラが備えられており、搬送モータの駆動により搬送ローラを回転させることで記録媒体を搬送方向に搬送するようになっている。また、画像記録時においては、搬送機構42がキャリッジ5の動作に合わせて記録媒体の搬送と停止とを繰り返し、記録媒体を間欠的に搬送するようになっている。
キャリッジ5の移動範囲であって記録領域の外側一端には、記録ヘッド7の図示しない中間タンクにインクを供給するインクタンク43が設けられている。
また、キャリッジ5の移動範囲であって記録領域の外側他端には、紫外線照射装置8の紫外線照度を検出する照度検出手段としての照度センサ44が配設されている。さらに、照度センサ44の側部には、記録ヘッド7のメンテナンス作業を行うメンテナンスユニット45が配設されている。
次に、図5を参照して本実施形態に係る制御部46について説明する。制御部46は、CPU、ROM、RAM(いずれも図示略)からなり、ROMに記録された処理プログラムをRAMに展開してCPUによりこの処理プログラムを実行するようになっている。
制御部46には、キャリッジ駆動機構6、搬送機構42、記録ヘッド7、水銀灯11、照度センサ44、口金温度センサ37、管面中央部温度センサ23、管面端部温度センサ24、口金ヒータ19、口金冷却ファン35、管面中央部冷却ファン31、管面端部ヒータ21、管面中央部ヒータ22、メンテナンスユニット45及びスライド機構28が接続されており、制御部46は、接続されている各種部材の動作状況などのステータスに基づいて、各構成部分を駆動制御するようになっている。
制御部46は、キャリッジ駆動機構6を制御してキャリッジ5を走査方向に往復駆動させるようになっており、画像記録時には、搬送機構42を制御して記録媒体を走査方向と直行する方向に搬送させるようになっている。また、記録ヘッド7を制御して所定の画像記録情報に基づいて記録ヘッド7の吐出口から所要の色のインクを吐出させると、水銀灯11を制御して記録媒体上に着弾したインクに対して紫外線を照射させるようになっている。また、制御部46は、メンテナンスユニット45を制御して、所定の間隔でメンテナンス動作を開始させるようになっている。
また、制御部46は、口金温度センサ37、管面中央部温度センサ23及び管面端部温度センサ24の検出結果に基づき、以下のように口金ヒータ19、口金冷却ファン35、管面端部ヒータ21、管面中央部ヒータ22及び管面中央部冷却ファン31を制御するようになっている。
すなわち、制御部46は、水銀灯11の点灯開始前に口金ヒータ19をONにして、口金温度センサ37の検出結果に基づき、口金温度を最冷点温度とするようになっている。ここで「最冷点温度」とは、発光管13の内部の最低温度であり、水銀灯11の発光効率が最大となる温度である。本実施形態では、水銀灯11の点灯開始前において口金温度が50℃〜55℃の範囲内の最冷点温度で一定とされるようになっている。また、制御部46は水銀灯11の点灯を開始すると同時に口金ヒータ19をOFFとするようになっている。
さらに、制御部46は、水銀灯11の点灯を開始すると同時に口金冷却ファン35をONとするようになっている。そして、水銀灯11の点灯後に自己発熱する口金部18を口金冷却ファン35で冷却して、口金温度センサ37の検出結果に基づき、口金部18の温度を50℃〜55℃の範囲内の最冷点温度で一定に保つようになっている。
また、制御部46は、水銀灯11の点灯開始前に管面中央部ヒータ22及び管面端部ヒータ21をONにして、口金温度センサ37、管面端部温度センサ24及び管面中央部温度センサ23の検出結果に基づき、管面全体の温度を口金部18の温度より高温に維持するようになっている。本実施形態では、管面中央部ヒータ22及び管面端部ヒータ21により管面全体の温度が60℃〜100℃の範囲内で一定とされるようになっている。これにより、水銀灯11の点灯開始前に水銀灯11の水銀は発光管13の内部で比較的低温の口金部18に移動するようになっている。
また、制御部46は、水銀灯11の点灯を開始すると同時に、管面端部ヒータ21をONとしたままで、管面中央部ヒータ22をOFFとして、管面中央部冷却ファン31をONとするようになっている。これにより、管面端部14の温度より管面中央部15の温度の方が低温となり、水銀は速やかに口金部18から管面中央部15に移動するようになっている。
さらに、制御部46は、照度センサ44の検出結果に基づいて水銀灯11の照度が安定したと判断すると、管面端部ヒータ21をOFFとするようになっている。これにより、以後は管面端部14の温度及び管面中央部15の温度共に水銀灯11の自己発熱によって緩やかに温度上昇するようになっている。ここで、水銀灯11の自己発熱とは、水銀灯11の発光管13の内部に電流を流した時に発生するジュール熱による発熱である。
また、制御部46は、照度センサ44の検出結果に基づいて水銀灯11の照度が安定したと判断すると、スライド機構28を駆動することにより、送風防止板27を4つの通気孔25の上方にスライドさせて通気孔25を塞ぐようになっている。このように、管面中央部冷却ファン31からの送風を送風防止板27で遮って管面中央部15の冷却を停止することによって、照度の安定後に管面中央部15の温度が変化して発光管13の内部の水銀が移動することを防止し、照度分布が不安定になるのを回避するようになっている。
次に、本実施形態の作用について、図6のタイムチャートを参照して説明する。
インクジェット記録装置1の図示しない電源がONにされると、制御部46は、図6に示すように、紫外線照射装置8の水銀灯11の点灯開始前において口金ヒータ19をONにして、口金温度センサ37の検出結果に基づき口金部18の温度を最冷点温度とする。本実施形態では、口金部18の温度は50℃〜55℃の範囲内の最冷点温度で一定とされる。
また、制御部46は、水銀灯11の点灯開始前において、管面端部ヒータ21及び管面中央部ヒータ22をONにする。そして、口金温度センサ37、管面端部温度センサ24及び管面中央部温度センサ23の検出結果に基づき、管面全体の温度を口金部18の温度より高温に維持する。本実施形態では、管面全体の温度は60℃〜100℃の範囲内で一定とされる。
次に、制御部46は、図6に示すように、水銀灯11の点灯を開始すると同時に口金ヒータ19をOFFとし、口金冷却ファン35をONにする。これにより、水銀灯11の点灯後に自己発熱する口金部18を口金冷却ファン35で冷却して、口金温度センサ37の検出結果に基づき、口金部18の温度を50℃〜55℃の範囲内の最冷点温度で一定に保つ。
また、制御部46は、水銀灯11の点灯を開始すると同時に、管面中央部ヒータ22をOFFとして、管面中央部冷却ファン31をONとする。これによって、管面中央部15の温度が管面端部14の温度より低温となり、水銀は速やかに口金部18から発光管13の中央部に移動する。
次に、制御部46は、図6に示すように、照度センサ44の検出結果に基づいて水銀灯11の照度が安定したと判断すると、管面端部ヒータ21をOFFとする。これにより、以後は管面端部14及び管面中央部15共に水銀灯11の自己発熱によって緩やかに温度上昇する。
また、制御部46は、照度センサ44の検出結果に基づいて水銀灯11の照度が安定したと判断すると、スライド機構28を駆動することにより、送風防止板27を4つの通気孔25の上方にスライドさせて通気孔25を塞ぐ。このように、管面中央部冷却ファン31からの送風を送風防止板27で遮って管面中央部15の冷却を停止することにより、照度の安定後に管面中央部15の温度が変化して発光管13の内部の水銀が移動することを防止し、照度分布が不安定になるのを回避する。
図7は水銀灯11の点灯開始から照度安定に至るまでの口金部18、管面端部14及び管面中央部15の温度変化を示すグラフである。
まず、口金部18の温度変化を示すグラフ(a)をみると、上述のように、水銀灯11の点灯開始前において、口金部18の温度は口金ヒータ19により最冷点温度である50℃とされる。そして、水銀灯11の点灯後に口金部18は自己発熱するが、水銀灯11の点灯開始と同時に口金ヒータ19をOFFとする一方で口金冷却ファン35をONとすることにより、口金部18の温度は最冷点温度の50℃に保たれる。このように、口金部18の温度は水銀灯11の点灯開始前から照度安定に至るまで最冷点温度の50℃に保たれる。
次に、管面中央部15の温度変化を示すグラフ(b)をみると、水銀灯11の点灯開始前において、管面中央部15の温度は管面中央部ヒータ22により100℃とされる。すなわち、水銀灯11の点灯開始時において、口金部18の温度より管面中央部15の温度の方が高温に維持される。そして、水銀灯11の点灯開始と同時に管面中央部ヒータ22をOFFとして管面中央部15の加熱を停止し、また、水銀灯11の点灯開始と同時に管面中央部冷却ファン31をONとして管面中央部15の冷却を開始すると、以後は管面中央部15の温度が水銀灯11の自己発熱により緩やかに上昇する。
また、水銀灯11の照度が安定した後は、送風防止板27によって管面中央部冷却ファン31からの送風を遮って管面中央部15の冷却を停止することから、管面中央部冷却ファン31による管面中央部15の温度変化はなくなり、水銀灯11の発光管13の温度は安定する。
また、管面端部14の温度変化を示すグラフ(c)をみると、水銀灯11の点灯開始前は管面端部ヒータ21により管面端部14の温度が管面中央部15の温度と同じ100℃とされる。すなわち、水銀灯11の点灯開始前において口金部18の温度より管面端部14の温度の方が高温に維持される。したがって、水銀灯11の点灯開始前においては、上述した管面中央部15を含めた管面全体の温度が、口金部18の温度より高温に維持される。これにより、水銀灯11の点灯開始前において水銀は発光管13の中央部又は端部から口金部18に移動する。
そして、水銀灯11の点灯開始後は、管面端部ヒータ21による加熱及び水銀灯11の自己発熱によって管面端部14が温度上昇する。このように、管面端部ヒータ21は水銀灯11の点灯開始後もONとされたままであり、また、ファンによる冷却も行われないことから、管面中央部15の温度変化を示すグラフ(b)と比較すると、管面端部14の温度変化を示すグラフ(c)は早い段階で温度上昇し、水銀灯11の点灯開始から照度が安定する前の所定の時間において、管面中央部15の温度変化を示すグラフ(b)より高温に維持される。すなわち、水銀灯11の点灯開始から照度が安定する前の所定の時間においては、管面中央部15の温度より管面端部14の温度の方が高温に維持される。これにより、水銀灯11の点灯開始から照度が安定する前の所定の時間において水銀が口金部18から発光管13の中央部に移動しやすくなる。
図8は水銀灯11の点灯開始から照度安定に至るまでの照度変化を示すグラフである。図8において、グラフ(A)は口金部18、管面端部14又は管面中央部15のいずれについても温度制御を行わない場合の照度変化を示している。グラフ(A)に示すように、水銀灯11の点灯を開始すると、水銀灯11の照度は徐々に上昇して所定の時間経過後に安定する。
また、グラフ(B)は、従来から行われているように、水銀灯11の点灯開始前に口金ヒータ19を制御して、口金部18の温度を最冷点温度とした場合の照度変化を示している。しかし、点灯開始前に口金部18を最冷点温度とした場合でも、点灯開始前において管面全体の温度制御を行わない場合は、管面全体に水銀が分布した状態となっている。そして、この状態で点灯を開始すると、水銀は点灯開始後にまず発光管13の内部で比較的温度の低い口金部18に移動する。これにより、点灯開始により上昇していた照度はこの時点でいったん下降する。その後、水銀は口金部18から管面全体に向かって移動するため、照度は改めて上昇する。したがって、従来の方法では、グラフ(B)に示すように、点灯開始後に下方に突出した部分を有する曲線となる。
一方、グラフ(C)は、本実施形態において、口金ヒータ19を制御して水銀灯11の点灯開始前に口金部18を最冷点温度に維持すると共に、管面中央部ヒータ22及び管面端部ヒータ21を制御して水銀灯11の点灯開始前に管面全体の温度を口金部18の温度より高温に維持した場合の照度変化を示している。本実施形態では、点灯開始前において管面全体の温度を口金部18の温度より高温に維持することから、発光管13の内部の水銀は発光管13の内部で比較的温度の低い口金部18に移動する。そして、この状態で水銀灯11の点灯を開始すると、口金部18に集まっていた水銀が発光管13の中央部に移動するため、水銀の移動方向は一定となる。したがって、グラフ(C)に示すように、グラフ(A)又はグラフ(B)の場合と比較して点灯開始後の水銀灯11の立ち上がり時間は短縮される。
さらに、グラフ(D)は、本実施形態において、グラフ(C)の場合における水銀灯11の点灯開始前の口金部18及び管面全体の温度制御に加えて、管面中央部ヒータ22及び管面中央部冷却ファン31を制御して、水銀灯11の点灯開始後に管面中央部15の温度を管面端部14の温度より低温に維持した場合の照度変化を示している。本実施形態では、点灯開始後において管面中央部15の温度を管面端部14の温度より低温に維持することから、水銀は口金部18から発光管13の中央部に速やかに移動する。したがって、グラフ(D)に示すように、グラフ(A)〜グラフ(C)の場合と比較して点灯開始後の水銀灯11の立ち上がり時間は更に短縮される。
なお、水銀灯11の照度が安定した後は、送風防止板27によって管面中央部冷却ファン31からの送風を遮って管面中央部15の冷却を停止することから、管面中央部冷却ファン31による管面中央部15の温度変化はなくなって水銀灯11の発光管13の温度は安定し、照度分布は安定する。
以上のように本実施形態に係るインクジェット記録装置1によれば、水銀灯11の点灯開始前において発光管13の管面全体の温度を口金部18の温度より高温に維持することから、水銀灯11の水銀は発光管13の内部で比較的温度の低い口金部18に移動する。そして、この状態で水銀灯11の点灯を開始すると、口金部18に集まっていた水銀が発光管13の中央部に移動するため、水銀の移動方向は一定となる。したがって、水銀灯11の立ち上がり時間は短縮される。
また、口金部18の温度を最冷点温度として、水銀灯11の発光効率を最大とすると共に、発光管13の管面温度を口金部18の最冷点温度より高温とすることにより、発光管13の内部の水銀を口金部18から発光管13の中央部に速やかに移動させることができる。
また、水銀灯11の点灯開始後において、発光管13の管面中央部15の温度を管面端部14の温度より低温に維持することから、水銀は口金部18から発光管13の中央部に速やかに移動する。したがって、点灯開始後における水銀灯11の立ち上がり時間は短縮される。
以上詳細に説明したように本発明のインクジェット記録装置によれば、点灯開始後の水銀灯の立ち上がり時間は短縮される。
また、口金部の温度を最冷点温度として水銀灯の発光効率を最大とすると共に、発光管13の管面温度を口金部の最冷点温度より高温とすることにより、発光管内の水銀を口金部から管面に速やかに移動させることができる。
なお、本実施形態においては、水銀灯11の点灯開始前に口金部18の温度より発光管13の管面全体の温度を高温に維持する制御を行うと共に、水銀灯11の点灯開始と同時に管面中央ヒータ24をOFFとして管面端部14の温度より管面中央部15の温度を低温とする制御を行っているが、これらのうちいずれか一方の制御を行った場合でも、本発明の効果を得ることができる。
また、本実施形態においては、制御部46が水銀灯11の点灯を開始すると同時に管面中央ヒータ24をOFFとして管面中央部冷却ファン31をONとするが、この場合に、管面中央部冷却ファン31が管面端部14を冷却することなく、管面端部管面中央部15のみを冷却する構成とすることもできる。例えば、管面中央部冷却ファン31を管面中央部15の上方に設け、発光管収納部30の内部を発光管のうち管面端部14と管面中央部15とが別れるように仕切り部材で仕切る構成とすることが考えられる。この場合も、水銀灯11の点灯開始後に水銀は速やかに口金部18から発光管13の中央部に移動することから、本発明の効果を得ることができる。
本実施形態においては、口金部を冷却する冷却装置として冷却ファンを用い、口金部の温度制御を行うようにしたが、口金部の温度を制御する手段は、これに限定されるものではない。
例えば、複数の熱電冷却素子であるペルチェ素子を電気的に直列に接続したペルチェモジュールを、熱伝導率の高い材料からなり二つの口金部の周囲を覆う熱伝導部を介して設けるようにしてもよい。ペルチェモジュールは、電源部よりペルチェ素子に直流電流を流すことにより、ペルチェ素子の一面から吸熱し他面から放熱するようになっている。口金部を冷却し温度を制御する手段としてペルチェモジュールを設ける場合には、ペルチェ素子に流す電流の向きを変えることにより、冷却面と加熱面とを切変えることができるようにするとよい。
さらに、ペルチェモジュールの熱伝導部と当接する熱伝導部当接面と対向する面に、熱伝導部当接面が冷却面となっている際に、冷却面から吸収され伝達された熱を放熱するヒートシンクを設け、ヒートシンクの上部には、ヒートシンクから放射された熱を発散させる冷却ファンを設けるようにするとよい。
水銀灯点灯開始前においては、発光管の管面温度より口金部の温度が低温となるように、ペルチェモジュールの熱伝導部当接面が冷却面となる方向でペルチェ素子に直流電流を流すように電源部を制御するとともに、冷却ファンを回転駆動させる。
そして、点灯後においては、口金部の温度が、出力が安定しかつ発光効率が良好となる温度となるように、適宜ペルチェ素子に流す直流電流の向きを変えるように電源部を制御するとよい。すなわち、口金部の温度が口金部に付加する電力等に応じて定まる紫外線の発光効率が最大となる温度に対して50〜55℃よりも高い場合には、ペルチェモジュールの熱伝導部当接面が冷却面となる方向でペルチェ素子に直流電流を流すように電源部を制御するとともに、冷却ファンを回転駆動させる。また、口金部の温度が口金部に付加する電力等に応じて定まる紫外線の発光効率が最大となる温度に対して50〜55℃よりも低い場合には、ペルチェモジュールの熱伝導部当接面が加熱面となる方向でペルチェ素子に直流電流を流すように電源部を制御するとよい。
また、光源の全ての口金部に接するウォータージャケットや水冷タンクを設け、耐えず冷却水を供給する方法のように水冷式の冷却装置を設けても良い。その場合、温度調節は冷却水の供給流量を制御することで行えばよい。

Claims (8)

  1. 複数の屈曲部を有する発光管及び口金部を備え、紫外線を照射する水銀灯と、前記口金部の温度を検出する口金部温度検出手段と、前記口金部の温度を制御する口金部温度制御手段と、前記水銀灯の点灯開始前において、前記発光管の管面温度より、口金部の温度が低温となるように前期口金部温度制御手段を制御する制御部と、を備えることを特徴とする照射装置。
  2. 前記管面温度を検出する管面温度検出手段と、前記管面温度を制御する管面温度制御手段と、を備え、前記水銀灯の点灯開始前において、前記口金部温度検出手段及び前記管面温度検出手段の検出結果に基づき、前記口金部が発光管の管面温度より低温となるように前記口金部温度制御手段又は前期管面温度制御手段のいずれか一方又は両方を制御することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の照射装置。
  3. 前記制御部は、前記水銀灯の点灯開始前において、前記口金部温度検出手段の検出結果に基づき、前記口金部の温度を最冷点温度にすることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の照射装置。
  4. 前記口金部の最冷点温度は50℃〜55℃の範囲内における所定の値であることを特徴とする請求の範囲第3項に記載の照射装置。
  5. 前記発光管の管面温度は60℃〜100℃の範囲内における所定の値であることを特徴とする請求の範囲第4項に記載の照射装置。
  6. 複数の屈曲部を有する発光管及び口金部を備え、紫外線を照射する水銀灯と、前記発光管の管面中央部の温度を検出する管面中央部温度検出手段と、前記管面中央部の温度を制御する管面中央部温度制御手段と、前記発光管の管面端部の温度を検出する管面端部温度検出手段と、前記管面端部の温度を制御する管面端部温度制御手段と、前記管面中央部温度検出手段及び管面端部温度検出手段の検出結果に基づき、前記水銀灯の点灯開始後の所定時間において、前記管面中央部が前記管面端部より低温となるように管面中央部温度制御手段を制御することを特徴とする照射装置。
  7. 記録媒体に対して光硬化性インクを吐出する記録ヘッドと、記録媒体の表面に着弾した前記インクに紫外線を照射する、請求の範囲第1項〜請求の範囲第6項の何れか一項に記載の照射装置とを備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  8. 前記インクは一主成分としてカチオン重合性化合物を含むカチオン硬化性インクであることを特徴とする請求の範囲第7項に記載のインクジェット記録装置。
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