JP2008168560A - 紫外線照射装置、および同紫外線照射装置を備えた記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】紫外線が照射される対象物に与える熱負荷を減少させて、対象物の性状変化を抑えることが可能な紫外線照射装置を提供するとともに、紫外線照射装を備えることにより印刷精度を維持・向上させることが可能な紫外線硬化型インクを用いる記録装置を提供する。
【解決手段】紫外線照射装置200は、記録メディアWKに紫外線を含む光線を照射する紫外線光源212と、記録メディアWKに照射される光線の照射領域を規定するチャンバー223と、チャンバー223を冷却するための空気を送り込むチャンバー冷却ファン228とを備えている。チャンバー223は、記録メディアWKに対して必要最小限の光線を導くとともに、遮蔽した光線により熱せられる。チャンバー冷却ファン228は、熱せられたチャンバー223に空気を送り込んで冷却する。
【選択図】図2
【解決手段】紫外線照射装置200は、記録メディアWKに紫外線を含む光線を照射する紫外線光源212と、記録メディアWKに照射される光線の照射領域を規定するチャンバー223と、チャンバー223を冷却するための空気を送り込むチャンバー冷却ファン228とを備えている。チャンバー223は、記録メディアWKに対して必要最小限の光線を導くとともに、遮蔽した光線により熱せられる。チャンバー冷却ファン228は、熱せられたチャンバー223に空気を送り込んで冷却する。
【選択図】図2
Description
本発明は、対象物に向けて紫外線を照射する紫外線照射装置、および同紫外線照射装置を備えた記録装置に関する。
従来から、対象物に向けて紫外線を照射する紫外線照射装置が知られている。紫外線照射装置は、対象物の硬化、表面改質、殺菌などを目的として様々な機械・装置に搭載されている。例えば、下記特許文献1には、紙などの記録メディアに付着させたインクを硬化させるために紫外線照射装置を備えたインクジェットプリンタが開示されている。このような紫外線照射装置の中には、紫外線の出射に伴って多量に放出される熱を強制的に取り除くための冷却装置を備えたものがある。
特開2005−161566号公報
例えば、上記インクジェットプリンタに搭載された紫外線照射装置においては、紫外線を出射する光源と同紫外線が照射される対象物との間に、外部から導入した空気を強制的流通させて光源から生じた熱を外部に排出する冷却装置を備えている。これにより、紫外線照射時に生じる熱によって記録メディアの性状が変化して印刷精度が低下することを防止している。
しかしながら、本発明者の実験によれば、上記した冷却手段を採用した紫外線照射装置を備えたインクジェットプリンタであっても、記録メディア表面の温度が約45℃に達することが確認された。このため、印刷に用いる記録メディアの種類(特に、耐熱性に乏しい樹脂フィルム系の記録メディア)によっては印刷精度を所定のレベルに維持できないことが懸念されるという問題があった。
本発明は上記問題に対処するためなされたもので、その目的は、紫外線が照射される対象物に与える熱負荷を減少させて、対象物の性状変化を抑えることが可能な紫外線照射装置を提供するとともに、同紫外線照射装を備えることにより印刷精度を維持・向上させることが可能な紫外線硬化型インクを用いる記録装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の特徴は、対象物に対して紫外線を含む光線を出射する光源と、光源から出射された光線の照射領域を規定するための照射領域規定器と、照射領域規定器に冷却媒体を供給して、照射領域規定器を冷却する冷却手段とを備えたことにある。この場合、冷却手段における冷却媒体を、例えば、空気にするとよい。
このように構成した本発明の特徴によれば、光源から出射され対象物に導かれる紫外線を含む光線の照射領域を規定する照射領域規定器を備えている。このため、対象物上には必要な光量の光線のみを導くことができる。これにより、光線の照射領域を規定しない場合に比べて対象物に与える熱負荷を低減することができる。また、対象物に導く必要のない光線によって熱せられた照射領域規定器には、冷却手段によって冷却媒体が供給され冷却される。これにより、照射領域規定器から対象物に伝わる熱量を低減することができる。これらの結果、対象物の熱による性状変化を抑えることができ、紫外線照射装置が搭載される機械・装置の性能を維持・向上させることができる。
また、本発明の他の特徴は、前記対象物に照射領域規定器に供給された冷却媒体が導かれないように、同冷却媒体の流れを規定する冷却媒体規定手段を備えたことにある。これによれば、冷却媒体規定手段により対象物に照射領域規定器に供給された冷却媒体が導かれることを防止することができる。このため、照射領域規定器を冷却することによって熱せられた冷却媒体が対象物に導かれることがない。これにより、対象物に与える熱負荷を低減することができる。この結果、対象物の性状変化を抑えることができ、紫外線照射装置が搭載される機械・装置の性能を維持・向上させることができる。
また、本発明の他の特徴によれば、前記冷却手段は、照射領域規定器に光線が入射する側と、同照射領域規定器から光線が出射する側とに、冷却媒体を供給することにある。すなわち、冷却手段は照射領域規定器の両面に冷却媒体を供給している。このため、照射領域規定器を効率良く冷却することができる。これにより、対象物に与える熱負荷をさらに低減することができる。この結果、対象物の性状変化をより抑えることができ、紫外線照射装置が搭載される機械・装置の性能を維持・向上させることができる。
また、本発明の他の特徴は、前記した紫外線照射手段を紫外線によって硬化するインクを用いたインクジェットプリンタに搭載される紫外線照射装置に適用したことにある。これによれば、記録メディアに伝わる熱量を低減することができ、記録メディアの性状変化を抑えて記録メディアに対する印刷精度を維持・向上させることができる。
以下、本発明に係る紫外線照射装置および同紫外線照射装置を備えた記録装置の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る紫外線照射装置を備えたインクジェットプリンタ100の全体を示す斜視図である。インクジェットプリンタ100は、紫外線によって硬化するインク(以後、「紫外線硬化型インク」という)の液滴をシート状の記録メディアWKの表面に付着させるとともに、同記録メディアWKの表面に付着させたインクの液滴に紫外線を照射して硬化させることにより、所望する文字、記号または図形などの画像を記録メディアWK上に印刷する記録装置である。
このインクジェットプリンタ100は、平面部が水平状態に配置されたプラテン101を備えている。プラテン101は、前記平面部上に記録メディアWKを載置する載置台であり、図示左右方向に延びて形成されている。プラテン101の中央部には、図示左右方向に沿って円筒状のグリッドローラ102がその上面部を露出させた状態で設けられている。このグリッドローラ102は、図示しないX軸方向フィードモータによって回転駆動される。プラテン101の上方には、プラテン101と平行な状態で長尺状のガイドレール103が設けられている。ガイドレール103の下部には、グリッドローラ102に対向した状態で円筒部を有する4つのピンチローラ104が略等間隔にそれぞれ設けられている。これらのグリッドローラ102およびピンチローラ104は、シート状の記録メディアWKを図示上下方向から挟持しながら図示前後方向に搬送する。ここで、記録メディアWKを搬送する図示前後方向をX軸方向、同X軸方向に直交する図示左右方向をY軸方向とする。
ガイドレール103は、直動レール105および直動ブロック106を介して記録ヘッドユニット107を支持する。直動レール105は、Y軸方向に沿ってガイドレール103に固定された1本のレールである。また、直動ブロック106は、直動レール105に沿って摺動する移動体であり、記録ヘッドユニット107の背面に固定されている。すなわち、記録ヘッドユニット107は、直動レール106(ガイドレール104)に沿ってY軸方向に案内される。
記録ヘッドユニット107は、記録ヘッド108と紫外線照射装置200とから構成されている。これらのうち記録ヘッド108は、互い異なる4つの色の紫外線硬化型インクを貯留した図示しないインクタンクから各紫外線硬化型インクをそれぞれ導入して、同各紫外線硬化型インクの液滴を記録メディアWKに向けて出射する。この記録ヘッド108は、本発明に直接関係しないため、その詳しい説明は省略する。
紫外線照射装置200は、図2および図3に示すように、光源部210と、光源保持部220と、側板230とから構成されており、記録メディアWKの表面に付着させた紫外線硬化型インクの液滴に紫外線を照射して硬化させる。光源部210は、箱状に形成された筐体211内に、紫外線光源212、反射鏡213a,213b、光源支持体214、光源冷却ファン215および透過体216をそれぞれ備えている。筐体211は、光源部210の外形を形成する部材であり、その底面中央部に長方形状に貫通した開口部211aが形成されている。また、この筐体211の上面および前方側面の一部には、複数の孔から構成される通気孔211b,211cがそれぞれ形成されている。
紫外線光源212は、気密性を有した円筒状に形成されており、主として紫外線を出射する光源である。本実施形態においては、紫外線光源212として低圧水銀ランプを用いているが、紫外線を出射する光源であれば他の光源、例えば、高圧水銀ランプ、キセノンフラッシュランプ、発光ダイオードなどであってもよい。紫外線光源212の上方から側方に亘る外周面外側には、同外周面を両側から囲むように反射鏡213a,213bがそれぞれ設けられている。反射鏡213a,213bは、紫外線光源212から出射された光線を図示下方に向けて反射する略円弧状に形成された鏡である。反射鏡213aおよび反射鏡213bは、互いに対向する各上端部の間に空気を流通させるための隙間が形成されるように配置されている。これらの紫外線光源212および反射鏡213a,213bは、筐体211の略中央部であって記録メディアWKの搬送方向(X軸方向)に平行な向きで光源支持体214によって支持されている。
光源支持体214は、紫外線光源212および反射鏡213a,213bの各両端を支持して両部材を筐体211内に固定する部材である。この光源支持体214の上面には、複数の孔から構成される通気孔214aが形成されている。この光源支持体214の通気孔214aの上方には、光源冷却ファン215が設けられている。光源冷却ファン215は、筐体211内における通気孔211bに対向して設置され、筐体211の外部の空気を通気孔211bを介して吸引し、同吸引した空気を筐体211内に供給する。この光源冷却ファン215は、筐体211内の上面に固着されたカバー215aによって覆われている。このカバー215aの底面には、複数の孔から構成される通気孔215bが形成されている。
透過体216は、紫外線光源212から出射された光線のうち、主として紫外線を透過させるガラス体であり、長方形状をした薄板状に形成されている。本実施形態においては、透過体216を石英ガラスによって構成しているが、他の素材(例えば、樹脂など)を用いて透過体216を構成してもよい。この透過体216は、筐体211の下面中央部に形成された開口部211aを覆う状態で固着されている。
光源保持部220は、長方形状に形成された板状のベース221を備えている。ベース221の中央部には、長方形状に貫通した開口部221aが設けられているとともに、同開口部221aを覆う状態で透過体222が固着されている。透過体222は、前記透過体216と同様に、紫外線光源212から出射された光線のうち、主として紫外線を透過させるガラス体であり、長方形状をした薄板状に形成されている。本実施形態においては、透過体222を石英ガラスによって構成しているが、他の素材(例えば、樹脂など)を用いて透過体222を構成してもよい。
ベース221における開口部221aの上方には、長方形状に形成された板状のチャンバー223が設けられている。チャンバー223は、アルミニウム材により構成されており、その中央部には、長方形状に貫通した透過部223aが形成されている。透過部223aは、紫外線光源212から出射され記録メディアWKに照射される光線の照射領域を規定するための孔である。この透過部223aの孔の大きさは、記録メディアWK上に最低限必要とされる照射領域の大きさに基づいて決定される。したがって、透過部223aの孔の大きさは、透過体216および透過体222の外形より当然小さい。このチャンバー223は、開口部221aの外側に設けられた円柱状の4つの支持柱224a〜224d(224aのみ図示せず)上に、ビス225a〜225d(225aのみ図示せず)よって固定されている。なお、このチャンバー223が、本発明に係る照射領域規定器に相当する。
ベース221における図示右側端面(図3参照)には、長方形状に形成された板状の光源支持壁226が垂直方向に延びて形成されている。光源支持壁226におけるベース221側の側壁には、前記光源部210が固着されている。すなわち、ベース221上に設けられたチャンバー223に光源部210の透過体216が対向するように、光源部210が光源支持壁226によって支持されている。ベース221における図示左側端部(図2参照)には、横断面形状が長方形状に形成された筒状の吸気塔227が垂直方向に延びて設けられている。この吸気塔227の高さは、前記光源支持壁226に支持された光源部210の上面より高い長さに形成され、その上面には、長方形状に貫通する通気孔227aが形成されている。一方、吸気塔227の下端部は、前記チャンバー223側に向けて開口している。また、吸気塔227の上面には、通気孔227aを覆う状態でチャンバー冷却ファン228が設けられている。チャンバー冷却ファン228は、箱状に形成されたカバー228a内に収容され、同カバー228aの上下面にそれぞれ形成された通気孔228b,228cを介して、外部の空気を吸気塔227内に送り込む。
側板230は、長板状に形成されており、前記光源支持壁226に支持された光源部210の下方であって同光源支持壁226に対向した状態でベース221の左側端部上(図3参照)に固着されている。これにより、チャンバー223の上下方向および幅方向が光源部210、ベース221、光源支持壁226および側板230によってそれぞれ仕切られた筒状の流路240が形成される。流路240は、図2において、図示右側端部が図示右側に向かって開口するとともに、同流路240の図示左側端部が吸気塔227を介して上方に向かって開口している。そして、この流路240における上下方向の中央部に前記チャンバー223が位置している。すなわち、吸気塔227内に送り込まれた外気は、流路240を流れチャンバー223を冷却しつつ流路240の外側に排気される。
記録ヘッドユニット107の背面上部には、Y軸方向に沿って架設された駆動ベルト109の一部が固定されている。駆動ベルト109は、図示しないY軸方向フィードモータの回転駆動によってY軸方向に変位する。すなわち、記録ヘッドユニット107は、駆動ベルト109を介してY軸方向フィードモータにより直動レール105上をY軸方向に変位する。記録ヘッドユニット107の上方には、インクジェットプリンタ100の上側の筐体を構成する長尺状の上カバー110が設けられている。また、プラテン101および上カバー110の両側には、インクジェットプリンタ100の両側の筐体を構成するサイドカバー111R,111Lが設けられている。これらのうち、サイドカバー111Rの前面には、インクジェットプリンタ100に指示を与えるとともに、インクジェットプリンタ100からの情報を表示するための操作パネル112が設けられている。さらに、プラテン101の下方には、インクジェットプリンタ100を支持するとともに、同インクジェットプリンタ100を作業者の所望する位置に移動させることができるスタンド113が設けられている。
このインクジェットプリンタ100は、CPU、ROM、RAMなどからなるマイクロコンピュータによって構成された図示しないコントローラを内蔵している。コントローラは、作業者の指示に従ってROMなどの記憶装置に予め記憶されたプログラムを実行することにより、インクジェットプリンタ100の各種作動を制御する。具体的には、このコントローラは、図示しないインターフェースを介して接続される図示しない外部コンピュータ装置からの指示に従って、X軸方向フィードモータ、Y軸方向フィードモータ、紫外線光源212、光源冷却ファン215およびチャンバー冷却ファン228などの各作動をそれぞれ制御する。外部コンピュータ装置は、図示しないキーボードおよびマウスからなる入力装置、および図示しない液晶ディスプレイからなる表示装置を備えるパーソナルコンピュータ(所謂パソコン)である。
次に、上記のように構成した紫外線照射装置200を備えたインクジェットプリンタ100の作動について説明する。まず、作業者は外部コンピュータ装置とインクジェットプリンタ100とをインターフェースを介して接続し、外部コンピュータ装置およびインクジェットプリンタ100の電源をそれぞれ投入する。これにより、外部コンピュータ装置は、図示しない所定のプログラムを実行することにより作業者からの指令の入力を待つ待機状態となる。また、インクジェットプリンタ100は、コントローラ内のROMに予め記憶されている図示しない所定のプログラムを実行することにより、記録ヘッドユニット107を原点復帰させた後、外部コンピュータ装置からの指示を待つ待機状態となる。
次に、作業者は、記録メディアWKをプラテン101上にセットした後、外部コンピュータ装置を操作して、インクジェットプリンタ100に画像の印刷を指示する。この指示に応答してインクジェットプリンタ100、具体的には、インクジェットプリンタ100に内蔵されるコントローラは、外部コンピュータ装置から出力される画像データに基づいて記録ヘッドユニット107と記録メディアWKの相対的な位置関係を変化させながら、記録ヘッド108の作動を制御して同記録メディアWKに向けて紫外線硬化型インクの液滴を出射する。これにより、記録メディアWKの表面に紫外線硬化型インクの液滴が付着する。そして、コントローラは、紫外線硬化型インクの出射とともに、紫外線照射装置200の作動を制御して記録メディアWKの表面に付着させた紫外線硬化型インクの液滴を硬化させる。
具体的には、コントローラは、紫外線光源212、光源冷却ファン215およびチャンバー冷却ファン228の各作動を開始させる。これにより、紫外線光源212から紫外線を含む光線が出射されるとともに、光源冷却ファン215およびチャンバー冷却ファン228がそれぞれ作動を開始する。紫外線光源212から出射された光線は、直接または反射鏡213a,213bを介して間接的に、透過体216に導かれる。透過体216に導かれた光線のうち、主として紫外線が透過体216を透過してチャンバー223に導かれる。チャンバー223は、導かれた光線のうち透過部223aに導かれた光線のみを透過させて透過体222に導くとともに、透過部223a以外の部分に導かれた光線を遮蔽する。この場合、チャンバー223は、紫外線光源212から生じた熱と、遮蔽した光線によって生じる熱(輻射熱)とによって熱せられる。
透過体222に導かれた光線のうち、主として紫外線が透過体222を透過して記録メディアWKに導かれる。すなわち、記録メディアWKの表面には、チャンバー223の透過部223aの大きさに対応した大きさの領域で光線(紫外線)が照射される。これにより、記録メディアWK表面において光線(紫外線)照射領域内に存在する紫外線硬化型インクの液滴は硬化する。一方、光源部210における筐体211内には、光源冷却ファン215の作動により通気孔211bを介して外気が導入される。筐体211内に導入された空気は、紫外線光源212等を介して通気孔211cから外部に排気される。これにより、紫外線光源212から生じた熱は外部に排出される。
また、流路240内には、チャンバー冷却ファン228の作動により通気孔228b,228cを介して外気が導入される。流路240内に導入された空気は、吸気塔227内を介してチャンバー223に導かれる。チャンバー223に導かれた空気は、チャンバー223の上側(紫外線が入射する側)および下側(紫外線が出射する側)に導かれ、チャンバー223を冷却しつつ図示右側(図2参照)の端部開口から外部に排気される。これにより、チャンバー223に生じた熱が冷却媒体である空気を介して紫外線照射装置200の外部に放出される。このため、チャンバー223からベース221等を介して記録メディアWKに伝わる熱量を低減することができる。すなわち、記録メディアWKに与える熱負荷を低減することができる。
また、この場合、流路240の図示右側端部から排気される空気の流れが記録メディアWKと平行であるため、流路240から排気される熱せられた空気が記録メディアWKに直接導かれることがない。これによっても、チャンバー223の熱が記録メディアWKに伝わることが防止される。すなわち、流路240が本発明に係る冷却媒体規定手段に相当する。本発明者の実験によれば、流路240内にチャンバー223を設けた場合と設けない場合とでは、下記表1に示すように、ベース221および記録メディアWKの温度、すなわち、記録メディアWKに与える熱負荷に明確な差異が確認された。
このようにして、記録メディアWKに付着させた紫外線硬化型インクの液滴に対して紫外線の照射が行われ、同紫外線硬化型インクの硬化が行われる。そして、作業者が所望する画像データの出力が終了するまで、紫外線硬化型インクの出射と同紫外線硬化型インクの硬化作業が連続的に実行されて記録メディア上に画像の印刷が実行される。記録メディア上に画像の印刷が終了した場合には、作業者は、プラテン101上から記録メディアWKを取り外して加工作業を終了する。
上記作動説明からも理解できるように、上記実施形態によれば、紫外線光源212から出射され記録メディアWKに導かれる光線の照射領域を規定するチャンバー223を備えている。このため、記録メディアWK上には必要最小限の光量の光線のみを導くことができる。これにより、光線の照射領域を規定しない場合に比べて記録メディアWKに与える熱負荷を低減することができる。また、記録メディアに導く必要のない光線によって熱せられたチャンバー223は、チャンバー冷却ファン228によって送り込まれる空気によって冷却される。これにより、ベース221等を介して記録メディアWKに伝わる熱量を低減することができる。これらの結果、記録メディアWKの熱による性状変化を抑えることができ、記録メディアWKに対する印刷精度を維持・向上させることができる。
また、上記実施形態によれば、チャンバー冷却ファン228によって導入された空気を紫外線光源212および記録メディアWKに導くことなくチャンバー223に導く流路240を備えている。このため、チャンバー223を冷却することによって熱せられた空気を紫外線光源212および記録メディアWKに導くことがない。これにより、紫外線光源212および記録メディアWKに与える熱負荷を低減することができる。この結果、紫外線光源212による紫外線照射能力を維持でき長寿命化を図ることができるとともに、記録メディアWKの性状変化を抑えることができ、記録メディアWKに対する印刷精度を維持・向上させることができる。
また、上記実施形態によれば、チャンバー223の上側(紫外線が入射する側)および下側(紫外線が出射する側)に冷却媒体である空気を導いている。すなわち、チャンバー223の両面に冷却媒体を供給している。このため、チャンバー223を効率良く冷却することができる。これにより、記録メディアWK物に与える熱負荷をさらに低減することができる。この結果、記録メディアWKの性状変化をより抑えることができ、インクジェットプリンタ100の性能を維持・向上させることができる。
さらに、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
上記実施形態においては、チャンバー223を流路240内に設置して、チャンバー223を冷却した空気が記録メディアWKに導かれないようにした。しかし、チャンバー223を冷却するとともに、チャンバー223から奪った熱が直接記録メディアWKに導かれないように構成すれば、必ずしも流路240は必要ではない。例えば、チャンバー223を筐体211の下面から吊り下げ固定し、同チャンバー223に対して平行に(水平方向から)冷却媒体となる空気を送り込む。すなわち、上記実施形態におけるベース221および側板230を取り除いた構成とする。これによれば、上記実施形態と同等な効果は期待できないが、一定の効果は期待できる。
また、流路240を設ける場合であっても、上記実施形態に示した構成に限定されるものではない。例えば、チャンバー223と記録メディアWKとの間にベース221のみを設けて冷却媒体規定手段としてもよい。すなわち、側板230に相当する部品を設けない。これによっても、チャンバー223を冷却することによって熱せられた空気が直接記録メディアWKに導かれることを防止できる。したがって、上記実施形態と同様な効果が期待できる。
また、上記実施形態においては、チャンバー223の上側(紫外線が入射する側)および下側(紫外線が出射する側)に冷却媒体である空気を導いた。しかし、チャンバー223のどちから一方の側に空気を導くように構成してもよい。これによれば、上記実施形態と同等な効果は期待できないが、一定の効果は期待できる。
また、上記実施形態においては、チャンバー冷却ファン228は、外部から吸引した空気をチャンバー223に送り込むように構成したが、チャンバー223を冷却可能であれば、空気の流れはこれに限定されるものではない。すなわち、チャンバー冷却ファン228は、流路240内の空気を吸引して外部に排気するようにしてもよい。すなわち、流路240の図示右側端部の開口から空気を導入して通気孔228bから排気するように構成してもよい。これによっても、上記実施形態と同様な効果が期待できる。但し、この場合、チャンバー223を冷却することによって熱せられた空気がチャンバー冷却ファン228を介して外部に排気されるため、チャンバー冷却ファン228の耐熱性に注意が必要である。
また、上記実施形態においては、冷却媒体として空気を用いたが、チャンバー223を冷却可能であれば、これに限定されるものではない。例えば、フロンやアンモニアなどの冷媒や水を用いてチャンバー223を冷却することもできる。これによっても、上記実施形態と同様の効果が期待できる。
また、上記実施形態においては、チャンバー223を平板状(厚さ0.8mm)に形成したが、記録メディアWKに照射される光線の照射領域を規定できる形状であれば、これに限定されるものではない。例えば、光線を遮蔽する部分を凹凸形状として表面積を大きくする。これにより放熱効果を高めることができる。これによっても、上記実施形態と同等または同等以上の効果が期待できる。
また、上記実施形態においては、チャンバー223をアルミニウム材により構成したが、記録メディアWKに照射される光線の照射領域を規定でき、耐熱性を有する材料であれば、当然これに限定されるものではない。例えば、耐熱性を有する樹脂材、ステンレス材、ゴム材、鉄鋼材などを用いてもよい。これによっても、上記実施形態と同様の効果が期待できる。
また、上記実施形態においては、インクジェットプリンタ100に用いられる紫外線照射装置100に本発明を適用した例を紹介したが、これに限定されるものではない。すなわち、対象物に対して紫外線を照射する紫外線照射装置、または同紫外線照射装置を搭載した機械・装置(記録装置に限らない)等に広く適用できるものである。これらによっても、上記実施形態と同等の効果が期待できる。
なお、上記実施形態におけるチャンバー223の透過部223aの孔の大きさは、記録メディアWK上に最低限必要とされる照射領域の大きさに基づいて決定されるが、これは、透過部223aの大きさを必要最小限の大きさに限定する意味ではない。この透過部223aの大きさは、記録メディアWKに照射される光線によって熱せられる記録メディアWKの温度の許容限度(耐熱限度)内において、記録メディアWK上に最低限必要とされる照射領域の大きさに基づいて決定されるものである。したがって、記録メディアWKの耐熱限度の範囲内であれば、透過部223aの大きさを記録メディアWK上に最低限必要とされる照射領域の大きさ以上の大きさにすることも可能である。
WK…記録メディア、100…インクジェットプリンタ、101…プラテン、102…グリッドローラ、103…ガイドレール、104…ピンチローラ、105…直動レール、106…直動ブロック、107…記録ヘッドユニット、108…記録ヘッド、200…紫外線照射装置、210…光源部、211…筐体、212…紫外線光源、213a,213b…反射鏡、215…光源冷却ファン、216…透過体、220…光源保持部、221…ベース、222…透過体、223…チャンバー、223a…透過部、227…吸気塔、228…チャンバー冷却ファン、230…側板、240…流路。
Claims (8)
- 対象物に対して紫外線を含む光線を出射する光源と、
前記光源から出射された光線の照射領域を規定するための照射領域規定器と、
前記照射領域規定器に冷却媒体を供給して、前記照射領域規定器を冷却する冷却手段とを備えたことを特徴とする紫外線照射装置。 - 請求項1に記載した紫外線照射装置において、
前記対象物に前記照射領域規定器に供給された前記冷却媒体が導かれないように、同冷却媒体の流れを規定する冷却媒体規定手段を備えた紫外線照射装置。 - 請求項1または請求項2に記載した紫外線照射装置において、
前記冷却手段は、
前記照射領域規定器に前記光線が入射する側と、同照射領域規定器から前記光線が出射する側とに、前記冷却媒体を供給する紫外線照射装置。 - 請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1つに記載した紫外線照射装置において、
前記冷却手段における前記冷却媒体は、空気である紫外線照射装置。 - 記録メディアの表面に紫外線によって硬化するインクを付着させる記録ヘッドと、
前記記録メディアに付着した前記インクに対して紫外線を含む光線を照射して、同インクを硬化させる紫外線照射手段とを備えた記録装置において、
前記紫外線照射手段は、
前記光線の照射領域を規定するための照射領域規定器と、
前記照射領域規定器に冷却媒体を供給して、前記照射領域規定器を冷却する冷却手段とを備えたことを特徴とする記録装置。 - 請求項5に記載した記録装置において、
前記紫外線照射手段は、さらに、
前記記録メディアに前記照射領域規定器に供給された前記冷却媒体が導かれないように、同冷却媒体の流れを規定する冷却媒体規定手段を備えた記録装置。 - 請求項5または請求項6に記載した記録装置において、
前記紫外線照射手段における前記冷却手段は、
前記照射領域規定器に前記光線が入射する側と、同照射領域規定器から前記光線が出射する側とに、前記冷却媒体を供給する記録装置。 - 請求項5ないし請求項7のうちのいずれか1つに記載した記録装置において、
前記冷却手段における前記冷却媒体は、空気である記録装置。
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WO2010106655A1 (ja) * | 2009-03-18 | 2010-09-23 | 株式会社ミマキエンジニアリング | 紫外線照射ユニット |
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-
2007
- 2007-01-13 JP JP2007005255A patent/JP2008168560A/ja active Pending
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