JPWO2006077860A1 - 精製リパーゼの製造方法 - Google Patents

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Abstract

(a)リパーゼに、長鎖脂肪酸トリグリセリドと中鎖脂肪酸トリグリセリドとを接触させて該リパーゼを精製する工程;及び(b)精製リパーゼを採取する工程を含む、精製リパーゼの製造方法を提供する。この製造方法によると、シリコーン等の不純物含量を低減した精製リパーゼを得ることができる。

Description

本発明は、各種エステル化反応、エステル交換反応などに好適に使用することができる精製リパーゼの製造方法、エステル交換反応に好適に使用することができるエステル交換用リパーゼの製造方法、これらの方法により得られるリパーゼを用いる油脂のエステル交換方法及び該リパーゼを含有するリパーゼ組成物に関する。
(発明の背景)
リパーゼは、脂肪酸などの各種カルボン酸とモノアルコールや多価アルコールなどのアルコール類とのエステル化反応、複数のカルボン酸エステル間のエステル交換反応などに幅広く使用されている。このうち、エステル交換反応は動植物油脂類の改質をはじめ、各種脂肪酸のエステル、糖エステルやステロイドの製造法として重要な技術である。これらの反応の触媒として、油脂加水分解酵素であるリパーゼを用いると、室温ないし約70℃程度の温和な条件下でエステル交換反応を行うことができ、従来の化学反応に比べ、副反応の抑制やエネルギーコストが低減化されるだけでなく、触媒としてのリパーゼが天然物であることから安全性も高い。また、その基質特異性や位置特異性により目的物を効率良く生産することができる。
一方、リパーゼの生産菌培養の際に消泡のため通常培地にシリコーンを添加するので、添加したシリコーンが採取したリパーゼ中に混入してしまう。このようなリパーゼを用いて油脂のエステル交換を行うと、得られるエステル交換油脂中にシリコーンが持ち込まれることがあり、シリコーンを含有する油でフライをすると泡立ちが大きくなるとの問題がある。一方、リパーゼの生産菌培養時に、リパーゼが色素などを産生することがあり、このようなリパーゼを用いて油脂のエステル交換を行うと、得られるエステル交換油脂が着色したり、風味が劣化する場合がある。
そこで、シリコーンやリパーゼに由来すると思われる各種の不純物を高度に除去した精製リパーゼが求められている。
さらにリパーゼ活性が向上したエステル交換用リパーゼが求められている。
従って、本発明は、(精製)リパーゼの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、又、(エステル交換用)リパーゼの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、又、上記製造方法で得られるリパーゼを用いる油脂組成物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明はまた、上記製造方法で得られるリパーゼを含有するリパーゼ組成物を提供することを目的とする。
本発明は、リパーゼを長鎖脂肪酸トリグリセリド及び中鎖脂肪酸トリグリセリドと混合すると、リパーゼ中の各種不純物が効率良くトリグリセド中に移行し、リパーゼを精製できるとの知見に基づいてなされたのである。
すなわち、本発明は、(a)リパーゼに、長鎖脂肪酸トリグリセリドと中鎖脂肪酸トリグリセリドとを接触させて該リパーゼを精製する工程;及び
(b)精製リパーゼを採取する工程;
を含む、(精製)リパーゼの製造方法を提供する(本発明の第1の態様)。
本発明は、(a)リパーゼに、グリセリンの脂肪酸部分エステル及び/又はグリセリン縮合物の脂肪酸部分エステルを接触させる工程;及び
(b)接触後、リパーゼを採取する工程;
を含む、(エステル交換用)リパーゼの製造方法を提供する(本発明の第2の態様)。
本発明はまた、上記製造方法により製造されるリパーゼの存在下、油脂をエステル交換することを特徴とする油脂組成物の製造方法を提供する。
本発明はまた、上記方法により製造されるリパーゼと、該リパーゼに対し0.5〜5倍質量のトリグリセリドとを含有するリパーゼ組成物を提供する。
先ず、本発明の第1の態様について説明する。
[長鎖脂肪酸トリグリセリド]
本発明で用いる長鎖脂肪酸トリグリセリドとしては、構成脂肪酸の炭素数が14〜24、好ましくは16〜18のトリグリセリドであるのが好ましい。構成脂肪酸は飽和でも不飽和でもよく、直鎖でも分岐鎖でもよい。トリグリセリドを構成する3つの脂肪酸は、3つ全てが同一でもよく、2つの構成脂肪酸が同じで残りの1つが異なっていてもよく、3つ全てが互いに異なっていてもよい。このうち、炭素数16〜22の不飽和脂肪酸が好ましく、特に炭素数16〜18の直鎖不飽和脂肪酸が好ましい。特に、菜種油、大豆油、ヒマワリ油、紅花油、コーン油からなる群から選ばれるのが好ましい。これらの長鎖脂肪酸トリグリセリドは単独でも使用することができるし、2種以上を併用することもできる。
本発明で用いることのできる長鎖脂肪酸トリグリセリドは、公知の製法で製造することもできるし、市販品を使用することもできる。市販品としては、例えば日清オイリオグループ社(株)から商品名キャノーラ油で販売されている。
[中鎖脂肪酸トリグリセリド]
本発明で用いる中鎖脂肪酸トリグリセリドとしては、構成脂肪酸の炭素数が6〜12、好ましくは8〜10のトリグリセリドであるのが好ましい。構成脂肪酸は飽和でも不飽和でもよく、直鎖でも分岐鎖でもよい。トリグリセリドを構成する3つの脂肪酸は、全て同一でもよく、2つの構成脂肪酸が同じでもよく、3つ全てが互いに異なっていてもよい。このうち、炭素数8〜10の飽和脂肪酸が好ましい。これらの中鎖脂肪酸トリグリセリドは単独でも使用することができるし、2種以上を併用することもできる。
本発明で用いることのできる中鎖脂肪酸トリグリセリドは、公知の製法で製造することもできるし、市販品を使用することもできる。市販品としては、例えば日清オイリオグループ(株)から商品名ODOで販売されている。
本発明の精製リパーゼを油脂のエステル交換用触媒として使用する場合、本発明において使用する長鎖脂肪酸トリグリセリド及び/又は中鎖脂肪酸トリグリセリドは、エステル交換する油脂と同じであるのが好ましい。
本発明において、長鎖脂肪酸トリグリセリドと中鎖脂肪酸トリグリセリドとを、質量比にして、99:1〜1:99の割合で使用するのが好ましく、95:5〜50:50の割合で使用するのがより好ましい。90:10〜80:20の割合で使用するのが更に好ましい。このような割合で使用すると、操作性が向上するので好ましい。
本発明において、リパーゼの全質量に対して2倍〜100倍、好ましくは5〜10倍の質量のトリグリセリドを接触させるのが好ましい。このような量で使用すると、酵素の洗浄効果が高まるので好ましい。
[リパーゼ]
本発明において使用できるリパーゼとしては、リポプロテインリパーゼ、モノアシルグリセロリパーゼ、ジアシルグリセロリパーゼ、トリアシルグリセロリパーゼ、ガラクトリパーゼ、フォスフォリパーゼ等が挙げられる。これらのうち、トリアシルグリセロリパーゼが好ましい。
これらのリパーゼを産生する微生物としては、細菌、酵母、糸状菌、放線菌等特に限定されるものではないが、シュードモナス属(Pseudomonas sp.)、アルカリゲネス属(Alcaligenes sp.)、アスロバクター属(Arthrobacter sp.)、スタフィロコッカス属(Staphylococcus sp.)、トルロプシス属(Torulopsis sp.)、エスチエリシア属(Escherichia sp.)、マイコトルラ属(Mycotorula sp.)、プロピオニバクテリウム属(Propionibacterum sp.)、クロモバクテリウム属(Chromobacterum sp.)、キサントモナス属(Xanthomonas sp.)、ラクトバチルス属(Lactobacillus sp.)、クロストリデイウム属(Clostridium sp.)、キャンデイダ属(Candida sp.)、ジオトリカム属(Geotrichum sp.)、サッカロマイコプシス属(Sacchromycopsis sp.)、ノカルデイア属(Nocardia sp.)、フザリウム属(Fuzarium sp.)、アスペルギルス属(Aspergillus sp.)、ペニシリウム属(Penicillium sp.)、リゾムコール属(Rhizomucor sp.)、ムコール属(Mucor sp.)、リゾプス属(Rhizopus sp.)、フィコマイセス属(Phycomyces sp.)、プチニア属(Puccinia sp.)、バチルス属(Bacillus sp.)、ストレプトマイセス属(Streptmyces sp.)などが挙げられる。
本発明では、これらのうち、アルカリゲネス属、シュードモナス属、リゾムコール属、ムコール属、サーモマイセス属、リゾプス属又はペニシリウム属由来のリパーゼが好ましく、さらにRhizomucor miehei及びアルカリゲネス属のAlcaligenes sp.由来のリパーゼが好ましい。
本発明で用いるリパーゼは、位置特異性を有していても有していなくてもよい。位置特異性を有している場合、1,3-特異性であるのが好ましい。
本発明で用いるリパーゼは、陰イオン交換樹脂、フェノール吸着樹脂、疎水性担体、陽イオン交換樹脂、キレート樹脂等の担体に固定化されている形態であってもよいし、担体に固定化されていない粉末状形態であってもよいが、担体に固定化されていない粉末状形態であるのが好ましい。このような粉末状の場合(以下、単に粉末リパーゼという)、本発明の製造方法により得られる精製リパーゼの酵素活性が更に高くなるので好ましい。
前記リパーゼが粉末リパーゼである場合、その粒径は任意とすることができるが、その90質量%以上が粒径1〜100μm、好ましくは10〜70μmであるのが好ましい。このような範囲にあると、操作性が良いので好ましい。なお、粉末リパーゼの粒径は、例えばHORIBA社の粒度分布測定装置(LA−500)を用いて測定することができる。
また、反応の前後において、リパーゼの水分量が0.1〜10%に調整されているのが好ましい。このような範囲にあると、操作性が良いので好ましい。
本発明で用いるリパーゼは、商業的に入手できるものを使用することができる。このようなリパーゼとしては、例えば、名糖産業(株)から、商品名リパーゼQLM、リパーゼPL、NOVOZYMESからリパーゼRM、リパーゼTLで販売されている。
本発明で用いるリパーゼが粉末状である場合、例えば、リパーゼ含有水溶液をスプレードライ又はフリーズドライすることによっても得ることができる。
ここで、リパーゼ含有水溶液としては、菌体を除去したリパーゼ培養液、精製培養液、これらから得たリパーゼ粉末を再度水に溶解・分散させたもの、市販のリパーゼ粉末を再度水に溶解・分散させたもの、市販の液状リパーゼ等が挙げられる。さらに、リパーゼ活性をより高めるために塩類等の低分子成分を除去したものがより好ましく、また、粉末性状をより高めるために糖等の低分子成分を除去したものがより好ましい。
リパーゼ培養液としては、例えば、大豆粉、ペプトン、コーン・ステープ・リカー、K2HPO4、(NH42SO4、MgSO4・7H2O等含有する水溶液があげられる。これらの濃度としては、大豆粉0.1〜20質量%、好ましくは1.0〜10質量%、ペプトン0.1〜30質量%、好ましくは0.5〜10質量%、コーン・ステープ・リカー0.1〜30質量%、好ましくは0.5〜10質量%、K2HPO4 0.01〜20質量%、好ましくは0.1〜5質量%である。又、(NH42SO4は0.01〜20質量%、好ましくは0.05〜5質量%、MgSO4・7H2Oは0.01〜20質量%、好ましくは0.05〜5質量%である。培養条件は、培養温度は10〜40℃、好ましくは20〜35℃、通気量は0.1〜2.0VVM、好ましくは0.1〜1.5VVM、攪拌回転数は100〜800rpm、好ましくは200〜400rpm、pHは3.0〜10.0、好ましくは4.0〜9.5に制御するのがよい。
菌体の分離は、遠心分離、膜濾過などで行うのが好ましい。また、塩類や糖等の低分子成分の除去は、UF膜処理により行うことができる。具体的には、UF膜処理を行い、リパーゼを含有する水溶液を1/2量の体積に濃縮後、濃縮液と同量のリン酸バッファーを添加するという操作を1〜5回繰り返すことにより、低分子成分を除去したリパーゼ含有水溶液を得ることができる。
遠心分離は200〜20,000×g、膜濾過はMF膜、フィルタープレスなどで圧力を3.0kg/m2以下にコントロールするのが好ましい。菌体内酵素の場合は、ホモジナイザー、ワーリングブレンダー、超音波破砕、フレンチプレス、ボールミル等で細胞破砕し、遠心分離、膜濾過などで細胞残さを除去することが好ましい。ホモジナイザーの攪拌回転数は500〜30,000rpm、好ましくは1,000〜15,000rpm、ワーリングブレンダーの回転数は500〜10,000rpm、好ましくは1,000〜5,000rpmである。攪拌時間は0.5〜10分、好ましくは1〜5分がよい。超音波破砕は1〜50KHz、好ましくは10〜20KHzの条件で行うのが良い。ボールミルは直径0.1〜0.5mm程度のガラス製小球を用いるのがよい。
本発明では、リパーゼ含有水溶液としては、固形分として5〜30質量%含むものを用いるのが好ましい。
スプレードライ等の乾燥工程の直前に、リパーゼ含有水溶液のpHを6〜7.5に調整するのが好ましい。特にpHを7.0以下に、さらにpHを6.5〜7.0の範囲となるように調整するのが好ましい。pH調整は、スプレードライなどの乾燥工程の前のいずれかの工程において行ってもよく、乾燥工程の直前のpHが上記範囲内となるように、予めリパーゼ含有水溶液のpHを調整しておいてもよい。pH調整には、各種アルカリ剤や酸を用いることができるが、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物を用いるのが好ましい。
又、乾燥工程前の途中の工程において、リパーゼ含有水溶液を濃縮してもよい。濃縮方法は、特に限定されるものではないが、エバポレーター、フラッシュエバポレーター、UF膜濃縮、MF膜濃縮、無機塩類による塩析、溶剤による沈殿法、イオン交換セルロース等による吸着法、吸水性ゲルによる吸水法等があげられる。好ましくはUF膜濃縮、エバポレーターがよい。UF膜濃縮用モジュールとしては、分画分子量3,000〜100,000、好ましくは6,000〜50,000の平膜または中空糸膜、材質はポリアクリルニトリル系、ポリスルフォン系などが好ましい。
スプレードライは、例えば、ノズル向流式、デイスク向流式、ノズル並流式、デイスク並流式等の噴霧乾燥機を用いて行うのがよい。好ましくはデイスク並流式が良く、アトマイザー回転数は4,000〜20,000rpm、加熱は入口温度100〜200℃、出口温度40〜100℃で制御してスプレードライするのが好ましい。
又、フリーズドライ(凍結乾燥)も好ましく、例えば、ラボサイズの少量用凍結乾燥機、棚段式凍結乾燥により行うのが好ましい。さらに、減圧乾燥により調製することもできる。
本発明の(a)工程において、長鎖脂肪酸トリグリセリド及び中鎖脂肪酸トリグリセリドとリパーゼとを接触させることにより該リパーゼを精製する。接触は、例えば、リパーゼに、長鎖脂肪酸トリグリセリドと中鎖脂肪酸トリグリセリドとの混合物を添加して、周囲温度において、0.5〜100時間、攪拌することにより行うことができる。攪拌することにより、より純度の高い精製リパーゼを得ることができる。
(a)工程後、濾過等によりリパーゼをトリグリセリドから採取するが、(a)工程において、さらに濾過助剤と接触させるのが好ましい。濾過助剤と接触させることにより、操作性が良くなるので好ましい。本発明で用いることのできる濾過助剤としては、日本製紙ケミカル(株)から商品名KCフロックで発売されているもの等があげられる。
(a)工程において、トリグリセリドに加えて、グリセリンの脂肪酸部分エステル及び/又はグリセリン縮合物の脂肪酸部分エステルとを接触させてもよい。グリセリンの脂肪酸部分エステル及び/又はグリセリン縮合物の脂肪酸部分エステルと接触させることにより、得られる油脂組成物の色や臭いも良好となるので好ましい。
[グリセリンの脂肪酸部分エステル及びグリセリン縮合物の脂肪酸部分エステル]
グリセリンの脂肪酸部分エステルとしては、モノグリセリド及びジグリセリド等があげられる。ここで、使用できるモノグリセリドとしては、炭素数8〜22の脂肪酸とグリセリンとのエステルがあげられる。具体的には、オレイン酸モノグリセリド、リノール酸モノグリセリド、ステアリン酸モノグリセリド、パルミチン酸モノグリセリド等があげられる。このうち、オレイン酸モノグリセリドが好ましい。2種以上のモノグリセリドを併用してもよい。ジグリセリドとしては、炭素数8〜18の脂肪酸とグリセリンとのエステルがあげられる。具体的には、オレイン酸ジグリセリド、リノール酸ジグリセリド、ステアリン酸ジグリセリド、パルミチン酸ジグリセリド等があげられる。このうち、オレイン酸ジグリセリドが好ましい。2種以上のジグリセリドを併用してもよい。
(g1)グリセリンの脂肪酸部分エステル及び/又はグリセリン縮合物の脂肪酸部分エステルと(g2)トリグリセリドとは、質量比(g1)/(g2)にして、1:99〜99:1の割合で使用するのが好ましく、1:99〜60:40の割合で使用するのがより好ましい。(g1)モノグリセリド及び/又はジグリセリドと(g2)トリグリセリドとは、質量比(g1)/(g2)にして、0.1:99.9〜99:1の割合で使用するのが好ましく、0.1:99.1〜90:10の割合で使用するのがより好ましい。このような割合で使用すると、良好な色のエステル交換油が得られるので好ましい。
グリセリンの脂肪酸部分エステルとグリセリン縮合物の脂肪酸部分エステルとを併用する場合、グリセリンの脂肪酸部分エステルとグリセリン縮合物の脂肪酸部分エステルとは、質量比にして、99:1〜1:99の割合で使用するのが好ましく、99:1〜50:50の割合で使用するのがより好ましい。モノグリセリドとジグリセリドとを併用する場合、1:99〜90:10の割合で使用するのがより好ましい。このような割合で使用すると、操作性が向上するので好ましい。
グリセリン縮合物の脂肪酸部分エステルとしては、炭素数8〜18の脂肪酸とのエステルがあげられる。具体的には、ポリグリセリンオレイン酸エステル等があげられる。このうち、デカグリセリンオレイン酸エステルが好ましい。2種以上のグリセリン縮合物の脂肪酸部分エステルを併用してもよい。
グリセリンの脂肪酸部分エステル及び/又はグリセリン縮合物の脂肪酸部分エステルは、菜種油等の液状油脂を加水分解し、分子蒸留する等の当業者に公知の方法で製造することもできるし、市販品を使用することができる。例えば、モノグリセリドとして、太陽化学(株)より商品名サンソフト8090で発売されているものを使用することができる。
(a)工程において、濾過助剤とグリセリンの脂肪酸部分エステル及び/又はグリセリン縮合物の脂肪酸部分エステルとを併用するのが繰り返し反応の点で好ましい。
このようにして製造した精製リパーゼはそのまま使用することができるが、トリグリセリドに浸漬又は湿潤させたリパーゼ組成物として使用するのが取り扱い性の観点から好ましい。ここで、リパーゼ組成物中のトリグリセリドの質量は、該リパーゼに対し0.5〜5倍であるのが好ましく、1〜3倍であるのがより好ましい。
次に、本発明の第2の態様について説明する。
ここでは、グリセリンの脂肪酸部分エステルとしては、炭素数8〜22、好ましくは14〜18の脂肪酸とグリセリンとのモノグリセリドであるか、又は炭素数8〜18、好ましくは14〜18の脂肪酸とグリセリンとのジグリセリドであるのが好ましい。
(a)工程において、トリグリセリドを加えてもよい。グリセリンの脂肪酸部分エステルとしては、モノグリセリド及びジグリセリド等があげられる。ここで、使用できるモノグリセリドやジグリセリドとしては、本発明の第1の態様について記載したものをもちいることができる。(g1)グリセリンの脂肪酸部分エステル及び/又はグリセリン縮合物の脂肪酸部分エステルと(g2)トリグリセリドを用いることができ、これらは本発明の第1の態様について記載したものをもちいることができる。又、グリセリン縮合物の脂肪酸部分エステルやリパーゼについても、本発明の第1の態様について記載したものをもちいることができる。すなわち、本発明の第1の態様について記載した[グリセリンの脂肪酸部分エステル及びグリセリン縮合物の脂肪酸部分エステル]についての記載内容及び[リパーゼ]についての記載内容が、本発明の第2の態様についても適用される。
本発明の第2の態様の(a)工程において、グリセリンの脂肪酸部分エステル及び/又はグリセリン縮合物の脂肪酸部分エステルとリパーゼとを接触させることによりよりリパーゼ活性の高いエステル交換用リパーゼを得ることができる。接触は、例えば、リパーゼに、グリセリンの脂肪酸部分エステル及び/又はグリセリン縮合物の脂肪酸部分エステルを添加して、周囲温度において、0.5〜100時間、攪拌することにより行うことができる。攪拌することにより、よりリパーゼ活性の高いエステル交換用リパーゼを得ることができる。
(a)工程後、濾過等によりリパーゼをグリセリンの脂肪酸部分エステル及び/又はグリセリン縮合物の脂肪酸部分エステルから採取するが、(a)工程において、さらに濾過助剤と接触させるのが好ましい。濾過助剤としては、本発明の第1の態様について記載したものを用いることができる。(a)工程において、さらにトリグリセリドと接触させるのが好ましい。ここで、トリグリセリドとしては、長鎖脂肪酸トリグリセリド及び/又は中鎖脂肪酸トリグリセリドであるのが好ましい。
本発明で用いることのできる長鎖脂肪酸トリグリセリド及び中鎖脂肪酸トリグリセリドとしては、本発明の第1の態様について記載したものを用いることができる。すなわち、本発明の第1の態様について記載した[長鎖脂肪酸トリグリセリド]及び[中鎖脂肪酸トリグリセリド]についての記載内容が、本発明の第2の態様についても適用される。
本発明の第2の態様によると、原料リパーゼに較べて、そのエステル交換活性が少なくとも2〜10倍、望ましくは2〜5倍以上上昇したエステル交換用リパーゼを製造することができる。ここで、エステル交換活性は、S. Negishi, S. Shirasawa, Y. Arai, J. Suzuki, S. Mukataka, Enzyme Microb. Technol, 32, 66-70(2003)の開示に従い測定した。すなわち、トリオレインとトリカプリリンをそれぞれ5gを用いてエステル交換を行い、エステル交換の度合いをガスクロマトグラフィーを用いて測定してエステル交換活性を算出した。
このようにして製造したエステル交換用リパーゼはそのまま使用することができるが、グリセリンの脂肪酸部分エステル及び/又はグリセリン縮合物の脂肪酸部分エステルに浸漬又は湿潤させたリパーゼ組成物として使用するのが取り扱い性の観点から好ましい。ここで、リパーゼ組成物中のグリセリンの脂肪酸部分エステル及び/又はグリセリン縮合物の脂肪酸部分エステルの質量は、該リパーゼに対し0.5〜5倍であるのが好ましく、1〜3倍であるのがより好ましい。
本発明の第1及び第2の態様により得られるリパーゼは、エステル交換用リパーゼとして好適に使用することができる。このリパーゼを用い、定法によりトリグリセリドなどのエステル交換反応を効率的に行うことができる。詳細には、エステルとエステルとの反応の他、エステルとアルコール又はカルボン酸との反応に使用することができる。さらに、本発明のリパーゼは、アルコールとカルボン酸とからエステルを合成する反応にも使用することができる。
より具体的には、エステル交換は、エステルに、アルコール性水酸基を分子内に少なくとも1つ有する化合物、カルボン酸又はエステルに作用させることにより行うが、エステル交換の対象とするエステルとしては、炭素数4〜22のトリグリセリドがあげられる。具体的には、菜種油、大豆油、ひまわり油、コーン油、米油、紅花油、ゴマ油、アマニ油、パーム油及びその分別油、ヤシ油、オリーブ油、キャノーラ油、つばき油、カカオ脂、シア脂、サル脂、イリッペ脂などの植物油、魚油、牛脂、豚脂などの動物脂等があげられる。このうち、菜種油、中鎖トリグリセリドが好ましい。
アルコール性水酸基を分子内に少なくとも1つ有する化合物としては、各種モノアルコール、植物ステロール、多価アルコール、アミノアルコールなど種々の化合物があげられる。具体的には、短鎖、中鎖、長鎖の飽和、不飽和、直鎖、分岐アルコール、グリコール類、グリセリン、エリスリトール類といった多価アルコールがあげられる。これらのうち、グリセリンが好ましい。
カルボン酸としては、短鎖、中鎖、長鎖の飽和、不飽和、直鎖、分岐カルボン酸があげられる。これらのうち、炭素数6〜30の脂肪酸、例えば、オクタン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸などがあげられる。これらは1種又は2種以上を併用して用いることができる。これらのうち、不飽和脂肪酸が好ましく、特に共役リノール酸を用いるのが好ましい。
エステル交換の条件は、例えば、特開平13−169795号公報などに記載の条件に準じて行うことができる。一例をあげると、中鎖トリグリセリドODO(日清オイリオグループ(株))と菜種油とを本発明のエステル交換用リパーゼでエステル交換して中鎖脂肪酸トリグリセリドを得ることができる。
なお、(a)のペニシリウム属(Penicillium sp.)由来のリパーゼであって粉末状のリパーゼを使用する場合には、基質の合計質量に対して0.1〜5質量%の水を予め添加して反応を開始させて反応を行うのがよい。
本発明の製造方法により得られるリパーゼは、ろ過して再生することにより、繰り返し使用することができる。再生したリパーゼを使用する場合、再生したリパーゼのみを使用することもできるし、本発明により得られた未使用のリパーゼと併用することもできる。
本発明の第1の態様によれば、シリコーン等の不純物含量を低減した精製リパーゼを得ることができる。特に、シリコーンの含有量を100ppm以下に低減したリパーゼを得ることができる。また、風味、色の良好な油脂組成物を得ることができる。また、フライ時の泡立ちを抑制した、調理作業性の良好な油脂組成物を得ることが出来る。
本発明の第2の態様によれば、エステル交換活性が向上したリパーゼを得ることができる。また、風味・色・臭いの良好な油脂組成物を得ることができる
実施例1
名糖産業社製リパーゼQLM20gに対して菜種油90g、ODO(日清オイリオグループ株)10g、ろ過助剤KCフロック(日本製紙ケミカル株)20gを添加して25℃で5時間攪拌した後ろ過した。菜種油90g、ODO(日清オイリオグループ株)10gを他の油、溶剤に変えて同様の実験を行い、処理後のリパーゼのシリコーン含量をHPLC(島津製作所)で測定した。
次いで、ODO(日清オイリオグループ株)150g、菜種油(日清オイリオグループ株)850gに、得られたリパーゼ0.5%を添加し、15時間攪拌し、エステル交換反応を行った。反応終了後、リパーゼを濾過した。その後、得られた油を定法で脱酸、脱色及び脱臭し、エステル交換油を調製した。
得られたエステル交換油の色をロビーボンドで測定し、油の風味を訓練されたパネラーにより比較した。
結果
下記の表のように長鎖脂肪酸トリグリセリドと中鎖脂肪酸トリグリセリドを混合して前処理することでシリコーンを低減させることができた。
また、本発明の製造方法により得られた精製リパーゼを用いてエステル交換反応を行うと色風味ともに良好な油脂が得られることが分った。
Figure 2006077860
実施例2
各種リパーゼ20gに対して菜種油90g、ODO(日清オイリオグループ株)10g、モノグリセリド(サンソフト8090太陽化学)100g、ろ過助剤KCフロック(日本製紙ケミカル株)20gを添加して25℃で5時間攪拌した後ろ過した。粉末リパーゼRMとTLは、市販の酵素溶液(パラターゼ、リポザイムTL100L)を限外ろ過後スプレードライヤーを用いて粉末化して製造した。得られたリパーゼについて、実施例1と同様にしてエステル交換油を製造して、その色を測定し、油の風味を評価した。
Figure 2006077860
実施例3
リパーゼQLM20gに対して菜種油とODO(日清オイリオグループ株)を9/1で混合したトリグリセリド、モノグリセリド(サンソフト8090太陽化学)をあわせて100g、ろ過助剤KCフロック(日本製紙ケミカル株)20gを添加して60℃で3時間攪拌した後ろ過した。この時トリグリセリドとモノグリセリドの割合を変化させた。得られたリパーゼについて、実施例1と同様にしてエステル交換油を製造して、その色を測定し、油の風味を評価した。
Figure 2006077860
実施例4
名糖産業社製リパーゼPL20gに対して菜種油90g、ODO(日清オイリオグループ株)10g、ろ過助剤KCフロック(日本製紙ケミカル株)20gを添加して25℃で5時間攪拌した後ろ過した。得られたリパーゼについて、実施例1と同様にしてエステル交換油を製造して、その色を測定し、油の風味を評価した。
Figure 2006077860
実施例5
リパーゼQLM20gに対して菜種油90g、ODO(日清オイリオグループ株)10g、菜種油を加水分解後分子蒸留により得たジグリセリド200g、ろ過助剤KCフロック(日本製紙ケミカル株)20gを添加して25℃で5時間攪拌した後ろ過した。得られたリパーゼについて、実施例1と同様にしてエステル交換油を製造して、その色を測定し、油の風味を評価した。
Figure 2006077860
実施例6
各種リパーゼ20gに対して菜種油90g、ODO(日清オイリオグループ株)10g、モノグリセリド(サンソフト8090太陽化学)100g、ろ過助剤KCフロック(日本製紙ケミカル株)20gを添加して25℃で5時間攪拌した後ろ過した。粉末リパーゼRMとTLは、市販の酵素溶液(パラターゼ、リポザイムTL100L)を限外ろ過後スプレードライヤーを用いて粉末化して製造した。
次いで、ODO(日清オイリオグループ株)150g、菜種油(日清オイリオグループ株)850gに、得られたリパーゼ0.5%を添加し、15時間攪拌し、エステル交換反応を行った。反応終了後、リパーゼを濾過した。その後、得られた油を定法で脱酸、脱色及び脱臭し、エステル交換油を調製した。
得られたリパーゼのエステル交換活性を、Negishi, S. Shirasawa, Y. Arai, J. Suzuki, S. Mukataka, Enzyme Microb. Technol, 32, 66-70(2003)の開示に従い測定し、相対値で表した。
Figure 2006077860
実施例7
リパーゼQLM20gに対して菜種油とODO(日清オイリオグループ株)を9/1で混合したトリグリセリド、モノグリセリド(サンソフト8090太陽化学)をあわせて100g、ろ過助剤KCフロック(日本製紙ケミカル株)20gを添加して60℃で3時間攪拌した後ろ過した。この時トリグリセリドとモノグリセリドの割合を変化させた。得られたリパーゼについて、実施例6と同様にしてエステル交換油を製造し、そのエステル交換活性を測定した。
Figure 2006077860
実施例8
リパーゼQLM20gに対して菜種油90g、ODO(日清オイリオグループ株)10g、菜種油を加水分解後分子蒸留により得たジグリセリド200g、ろ過助剤KCフロック(日本製紙ケミカル株)20gを添加して25℃で5時間攪拌した後ろ過した。得られたリパーゼについて、実施例6と同様にしてエステル交換油を製造し、そのエステル交換活性を測定した。
Figure 2006077860

Claims (19)

  1. (a)リパーゼに、長鎖脂肪酸トリグリセリドと中鎖脂肪酸トリグリセリドとを接触させて該リパーゼを精製する工程;及び
    (b)精製リパーゼを採取する工程;
    を含む、精製リパーゼの製造方法。
  2. 長鎖脂肪酸トリグリセリドが、構成脂肪酸の炭素数が14〜24のトリグリセリドであり、中鎖脂肪酸トリグリセリドが、構成脂肪酸の炭素数が6〜12のトリグリセリドである、請求項1記載のリパーゼの製造方法。
  3. 長鎖脂肪酸トリグリセリドが、菜種油、大豆油、ヒマワリ油、紅花油、コーン油からなる群から選ばれる、請求項2記載のリパーゼの製造方法。
  4. 長鎖脂肪酸トリグリセリドと中鎖脂肪酸トリグリセリドとを、質量比にして、95:5〜50:50の割合で使用する、請求項1〜3のいずれか1項記載のリパーゼの製造方法。
  5. リパーゼの全質量に対して2倍〜100倍の質量のトリグリセリドを接触させる、請求項1〜4のいずれか1項記載のリパーゼの製造方法。
  6. (a)リパーゼに、グリセリンの脂肪酸部分エステル及び/又はグリセリン縮合物の脂肪酸部分エステルを接触させる工程;及び
    (b)接触後、リパーゼを採取する工程;
    を含む、エステル交換用リパーゼの製造方法。
  7. グリセリンの脂肪酸部分エステルが、炭素数8〜22の脂肪酸とグリセリンとのモノグリセリドであるか、又はが、炭素数8〜18の脂肪酸とグリセリンとのジグリセリドである、請求項6記載のリパーゼの製造方法。
  8. モノグリセリドが、オレイン酸モノグリセリド、リノール酸モノグリセリド、ステアリン酸モノグリセリド、パルミチン酸モノグリセリドからなる群から選ばれ、ジグリセリドが、オレイン酸ジグリセリド、リノール酸ジグリセリド、ステアリン酸ジグリセリド、パルミチン酸ジグリセリドからなる群から選ばれる、請求項7記載のリパーゼの製造方法。
  9. モノグリセリドとジグリセリドとを、質量比にして、1:99〜90:10の割合で使用する、請求項6〜8いずれか1項記載のリパーゼの製造方法。
  10. (a)工程において、さらにトリグリセリドと接触させる、請求項6〜9のいずれか1項記載のリパーゼの製造方法。
  11. (g1)モノグリセリド及び/又はジグリセリドと(g2)トリグリセリドとを、質量比(g1)/(g2)にして、0.1:99.1〜90:10の割合で使用する、請求項10記載のリパーゼの製造方法。
  12. トリグリセリドが、長鎖脂肪酸トリグリセリド及び/又は中鎖脂肪酸トリグリセリドである、請求項10又は11記載のリパーゼの製造方法。
  13. (a)工程において、さらに濾過助剤と接触させる請求項1〜12のいずれか1項記載のリパーゼの製造方法。
  14. 前記リパーゼが、アルカリゲネス属、シュードモナス属、リゾムコール属、ムコール属、サーモマイセス属、リゾプス属又はペニシリウム属由来のリパーゼである、請求項1〜13のいずれか1項記載のリパーゼの製造方法。
  15. 前記リパーゼが粉末リパーゼであって、その90質量%以上が粒径1〜100μmである請求項1〜14のいずれか1項記載のリパーゼの製造方法。
  16. 反応の前後において、リパーゼの水分量が0.1〜10%に調整されている請求項1〜15のいずれか1項記載のリパーゼの製造方法。
  17. 請求項1〜16のいずれか1項記載の製造方法により製造されたリパーゼの存在下、油脂をエステル交換することを特徴とする油脂組成物の製造方法。
  18. 請求項1〜16いずれか1項記載の方法により製造されるリパーゼと、該リパーゼに対し0.5〜5倍質量のトリグリセリドとを含有するリパーゼ組成物。
  19. 請求項1〜16いずれか1項記載の方法により製造されるリパーゼと、該リパーゼに対し0.5〜5倍質量のグリセリンの脂肪酸部分エステル及び/又はグリセリン縮合物の脂肪酸部分エステルとを含有するリパーゼ組成物。
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