JPWO2006077824A1 - 神経細胞再生のための医薬 - Google Patents

神経細胞再生のための医薬

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Abstract

配列番号2などで表されるWnt3aタンパク質を、神経細胞再生の医薬、特に、網膜色素変性症、加齢黄斑変性、又は錐体ジストロフィーなどの治療に有用な網膜細胞再生のための医薬の有効成分として用いる。

Description

本発明は神経細胞再生のための医薬に関する。
これまで、生体哺乳類の網膜細胞などの神経細胞は再生しないと考えられてきた。最近、ミューラー細胞が、急性障害に反応して分裂し前駆細胞様の性質を獲得し、その一部は網膜神経細胞に分化することが報告された。しかしながら、活性化されるミューラー細胞の割合はごくわずかであった(非特許文献1)。
Wntは分泌型の糖タンパク質であり、体軸形成や、中枢神経系・四肢の器官形成に必須の情報伝達因子である。近年、そのファミリーのひとつであるWnt3aが造血系幹細胞の自己複製に関わっていることが報告され(非特許文献2)、また、Wnt2bはニワトリ胎児網膜において毛様体辺縁部の前駆細胞の増殖、未分化状態維持に関与していることが報告されている(非特許文献3)。
また、Wnt−6について神経性障害、癌、心臓血管疾患、発作、発育障害などの治療に有用であることが報告されている(特許文献1)。さらに、Wnt−10aについて神経性障害などの治療に有用であることが報告され(特許文献2)、Wntが造血幹/始原細胞の増殖、分化または維持を増大する方法についても報告されている(特許文献3)。しかしながら、Wntが神経の再生への関与することは全く知られていなかった。
特開2000−060575号公報 国際公開第99/38966号パンフレット 国際公開第98/06747号パンフレット Proc Natl Acad Sci U S A. 2004 Sep 14;101(37):13654-9. Nature 423, 409-414 (2003) Development 130, 587-598 (2003)
本発明は、神経細胞再生に用いられる医薬を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、Wnt3aタンパク質又はWnt3a活性化剤がミューラー細胞を増殖させ、網膜細胞への分化を誘導する作用を有することを見出した。これにより、Wnt3aタンパク質を用いて網膜細胞などの神経細胞を再生させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)Wnt3aタンパク質又はWnt3a活性化剤を含む、神経細胞再生のための医薬。
(2)神経細胞が網膜細胞である、(1)の医薬。
(3)網膜色素変性症、加齢黄斑変性又は錐体ジストロフィーの治療薬である、(2)の医薬。
(4)Wnt3aタンパク質が、配列番号2のアミノ酸番号25〜352番の配列、又は配列番号2のアミノ酸番号25〜352番の配列において1もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入もしくは付加された配列を有し、かつ神経細胞再生能を有するタンパク質である、(1)〜(3)のいずれかの医薬。
コントロールまたはWnt3a添加時の網膜切片のBrdU抗体を用いた免疫染色の結果を示す図(写真)。INLは内顆粒層、ONLは視細胞層を示す。 コントロールまたはWnt3a添加時の網膜におけるBrdU陽性細胞の割合を示すグラフ図。GCL(左)は神経節細胞層、INL(中)は内顆粒層、ONL(右)は視細胞層を示す。 グルタミンシンセターゼ(GS)抗体及びBrdU抗体を用いた免疫染色の結果を示す図(写真)。矢印はGS及びBrdU両方が陽性の部位を示す。GCLは神経節細胞層、INLは内顆粒層、ONLは視細胞層を示す。 グリコーゲンシンターゼキナーゼ3β阻害剤を添加したときの網膜切片の、グルタミンシンセターゼ抗体を用いた免疫染色結果とBrdU抗体を用いた免疫染色結果を重ね合わせた図(写真)。切片中央の明るく染色された細胞がBrdU陽性細胞である。
本発明の医薬は、Wnt3aタンパク質を有効成分として含む。Wnt3aタンパク質としては、ヒト又はマウスのWnt3aタンパク質が好ましく、ヒトのWnt3aタンパク質が特に好ましい。ヒトのWnt3aタンパク質としては、例えば配列番号2のアミノ酸配列を有するタンパク質が挙げられ、マウスのWnt3aタンパク質としては、例えば配列番号4のアミノ酸配列を有するタンパク質が挙げられる。Wnt3aタンパク質は全長タンパク質(前駆体タンパク質)として本発明の医薬に含まれてもよいが、シグナル配列が切断された成熟型タンパク質として本発明の医薬に含まれることが好ましい。ヒトのWnt3a成熟型タンパク質としては、例えば配列番号2のアミノ酸番号25〜352のアミノ酸配列を有するタンパク質が挙げられ、マウスのWnt3a成熟型タンパク質としては、例えば配列番号4のアミノ酸番号25〜352のアミノ酸配列を有するタンパク質が挙げられる。
また、Wnt3aタンパク質は、由来する生物の種類によってアミノ酸置換などの配列変化が生じることが容易に予想され、アミノ酸が類似の性質を有する別のアミノ酸に置換されたり(保存的置換)、活性に不要な部位のアミノ酸が欠失しても神経細胞再生能に影響はないと考えられるため、神経細胞再生能を保持する限りにおいて、配列番号2もしくは4のアミノ酸配列、または配列番号2のアミノ酸番号25〜352のアミノ酸配列もしくは配列番号4のアミノ酸番号25〜352のアミノ酸配列において、一または数個のアミノ酸が置換・欠失・付加もしくは挿入された配列を有するものであってもよい。なお、数個とは、好ましくは2〜20個、より好ましくは2〜10個、特に好ましくは2〜5個である。また、神経細胞再生能を保持する限りにおいて、上記のアミノ酸配列と高い相同性、例えば、90%以上、より好ましくは95%以上の相同性を有するタンパク質を使用することもできる。
Wnt3aタンパク質は生体試料から精製されたものや化学合成されたものであってもよいが、遺伝子組み換えによって製造されるものが好ましい。また、市販されているWnt3aタンパク質を用いることもできる。
組換えによりWnt3aタンパク質を得るためには、例えば、配列番号1(ヒトwnt3a遺伝子)や配列番号3(マウスwnt3a遺伝子)の塩基配列を有するDNAを大腸菌や動物細胞または非ヒトトランスジェニック動物等に導入して組換えタンパク質を発現させ、該タンパク質を精製することによって得ることができる。なお、必ずしも精製されたタンパク質を用いる必要はなく、粗精製物や細胞抽出物を相互作用の検出に使用してもよい。上記DNAを大腸菌に導入するためのベクターとしてはpETベクター(Novagen社)やpGEXベクター(Amersham Pharmacia社)などが挙げられ、動物細胞に導入するためのベクターとしては、pcDNAベクター(Invitrogen社)などが挙げられる。
Wnt3aタンパク質は神経細胞再生のための医薬の製造に使用することができる。本発明の医薬としては上記のようにして得られるWnt3aタンパク質をそのまま用いてもよいが、Wnt3aタンパク質に薬学的に許容される担体を配合することによって得られるものを用いてもよい。このような担体としては、賦形剤、安定化剤、等張化剤、緩衝剤などが挙げられる。
本発明の医薬の剤型は特に制限されないが、例えば、経口投与のための剤型としては、具体的には錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤などが挙げられる。
非経口投与のための剤形としては、例えば、軟膏剤、クリーム剤、注射剤、湿布剤、塗布剤、坐剤、点眼剤、経鼻吸収剤、経肺吸収剤、経皮吸収剤などが挙げられる。
特に眼科の局所投与用途では、注射剤(全身投与、硝子体内投与、網膜下投与、テノン嚢投与、結膜下投与等)、経角結膜剤、点眼剤、眼軟膏などが好ましい。
溶液製剤は公知の方法、例えば、Wnt3aタンパク質を通常、注射剤に用いられる無菌の水溶液に溶解、あるいは抽出液に懸濁、さらには乳化してリポソームに包埋させた状態で調製され得る。製剤処方としては、等張化剤(塩化ナトリウム、塩化カリウム、ホウ酸、グリセリンなど)や緩衝剤(ホウ酸緩衝液、リン酸緩衝液、酢酸緩衝液など)、可溶化剤(界面活性剤、シクロデキストリン類など)、安定化剤(クエン酸、エチレンジアミン四酢酸、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウムなど)、粘ちょう化剤(合成高分子、セルロース類、多価アルコール類など)を配合して作製することもできる。また、Wnt3aタンパク質を安定化させるために、ヒト血清アルブミン等の他のタンパク質を配合してもよい。
本発明の医薬を点眼薬とする場合には、塩化ナトリウム、濃グリセリンなどの等張化剤、リン酸ナトリウム、酢酸ナトリウムなどの緩衝化剤、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ステアリン酸ポリオキシル40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等の界面活性剤、クエン酸ナトリウム、エデト酸ナトリウム等の安定化剤、塩化ベンザルコニウム、パラベン等の防腐剤などを必要に応じて用い、製剤化することができ、そのpHは眼科製剤に許容される範囲内にあればよいが、4〜8の範囲が好ましい。
Wnt3aタンパク質は網膜細胞などの神経細胞を再生できる効果を有する。したがって、広く神経変性や神経機能障害を起こした疾患の治療薬として適用することができる。神経細胞の再生は、前駆細胞の神経細胞への分化を促進する能力、例えば、前駆細胞に添加した時の各神経細胞特異的なマーカー遺伝子の発現量などを指標にして確認することができる。例えば、網膜細胞再生効果(分化促進効果)は、ミューラー細胞の分裂の増加や、ロドプシン(Rhodopsin)抗体等を用いた染色などによって網膜細胞の増加を調べることによって確認することができる。本発明の医薬に含まれるWnt3aタンパク質は、ミューラー細胞の分裂を非処理時に対し10%以上増加させるものが好ましく、50%以上増加させるものがより好ましい。
網膜細胞の再生を目的として本発明の医薬を適用する場合、網膜変性や視機能障害を起こした眼科疾患に対して視機能改善のための治療薬として適用できる。網膜変性や視機能障害を起こした眼科疾患として具体的には、炎症や外傷によるものに加え、緑内障(原発性緑内障、続発性緑内障)、網膜血管閉塞症、糖尿病網膜症、虚血性視神経症、黄斑変性、網膜色素変性、レーベル病、小口病、網膜色素線条、網膜静脈周囲炎、Eales病、虚血性眼症候群、網膜細動脈瘤、又は高血圧、腎疾患もしくは血液疾患による網膜症、網膜ジストロフィー、黄斑ジストロフィー、黄斑浮腫、変性網膜分離症、錐体ジストロフィー等が挙げられる。
本発明の医薬の投与は全身投与あるいは局所投与で行われ、有効投与量および投与回数は、投与剤形、投与ルート、患者の年齢、体重、治療対象疾患、症状もしくは重篤度によっても異なるが、通常、成人1人あたり0.001〜100mgを,好ましくは0.01〜10mgを1回または数回に分けて投与することができる。
一方、Wnt3aの活性を増加させるような化合物やWnt3aの転写を活性化するような化合物(これらをWnt3a活性化剤と呼ぶ)を神経細胞再生のための医薬の有効成分として使用することもできる。Wnt3a活性化剤としては、Wnt3aのシグナル経路に関与することが知られている(EMBO J. 2005 Apr 20;24(8):1571-83.)グリコーゲンシンターゼキナーゼ3β(GSK-3β)の阻害剤が挙げられる。GSK-3β阻害剤としては公知のGSK-3β阻害剤でもよいし、GSK-3β活性を指標にしたスクリーニングによって得られる化合物でもよい。神経細胞再生能を有するGSK-3β阻害剤としては、例えば、AR-A014418(J. Biol. Chem., Vol. 278, No. 46, p45937-45945, 2003)が挙げられる。この化合物の生理的に許容されうる塩、水和物、溶媒和物、さらにはこの化合物の類似体を用いることもできる。GSK-3β阻害剤を有効成分とする医薬は通常の方法により製剤化を行うことができ、適用疾患は上述したような疾患を挙げることができる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。但し、本発明はこれらの実施例に限定されない。
6週齢の成体DAラット(清水実験材料(京都)より入手)から色素上皮を除いた網膜を採取し、Millicell chamber filter上で網膜器官培養を行った。網膜器官培養はMethods 2002; 28: 387-395.、Brain Res 2002;954:286-293.に記載の方法に従って行った。培地は、50%Minimum Essential Medium+HEPES(Invitrogen)/25%Hank’s solution(Invitrogen)/25%不活性化ウマ血清/200μM L−グルタミン/5.75mg/mlグルコースを使用した。
Wnt3a(100ng/ml;R&D Systems)及びBrdU(5ng/ml;SIGMA)を連日培養液に加え、4日後に凍結標本を作製し、BrdU抗体を用いた免疫染色法によってBrdU陽性の分裂細胞の有無を検討した。
結果を図1に示す。Wnt3aを加えないコントロールに比べ、Wnt3aを加えた場合には網膜内顆粒層(INL)において多くのBrdU陽性の分裂細胞が見られた(図1)。分裂細胞の割合を計数した結果を図2に示す。これによると、Wnt3aの添加により、INLにおいて分裂細胞の数が劇的に増加することがわかった。免疫染色で調べたところ、これらの分裂細胞の多くはグルタミンシンセターゼ陽性のミューラー細胞であることが同定された(図3)。これらの結果から、Wnt3aによりミューラー細胞の分裂が促進されることがわかった。
さらに、Wnt3aを添加して4日間培養した後に、培地交換してWnt3aを除去した状態でさらに1週間培養したところ、分裂細胞の一部は視細胞のマーカーであるロドプシン(Rhodopsin)を発現し、ミューラー細胞から網膜神経細胞への分化が起こることがわかった。
ここでは、網膜細胞への分化促進効果を示したが、その他の神経細胞に対しても分化促進効果を示すことが示唆された。このことから、Wnt3aは広く神経細胞に対して再生効果を持つことが予想された。
また、グリコーゲンシンターゼキナーゼ3β(GSK-3β)の阻害剤であるAR-A014418(J. Biol. Chem., Vol. 278, No. 46, p45937-45945, 2003)を網膜器官培養の培養液に添加して、その効果を調べた。BrdUとともに5μMのAR-A014418を添加して4日間培養したところ、図4に示すように、BrdU陽性細胞の数が増加することがわかった。なお、AR-A014418を添加しないコントロールではBrdU陽性細胞の数はわずかであった。このことから、Wnt3aタンパク質と同様に、GSK-3βの阻害剤が網膜細胞などの神経細胞再生のための医薬となりうる可能性が示唆された。
本発明の医薬により、神経細胞の再生を促進し、神経変性疾患や神経機能障害などを治療することができる。特に、網膜色素変性症のような視細胞が不可逆的な変性におちいる疾患などに対して、内在性幹細胞を活性化して網膜の視細胞を再生して治療することができる。

Claims (4)

  1. Wnt3aタンパク質又はWnt3a活性化剤を含む、神経細胞再生のための医薬。
  2. 神経細胞が網膜細胞である、請求項1に記載の医薬。
  3. 網膜色素変性症、加齢黄斑変性、又は錐体ジストロフィーの治療薬である、請求項2に記載の医薬。
  4. Wnt3aタンパク質が、配列番号2のアミノ酸番号25〜352番の配列、又は配列番号2のアミノ酸番号25〜352番の配列において1もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入もしくは付加された配列を有し、かつ神経細胞再生能を有するタンパク質である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の医薬。
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