JPWO2006064557A1 - 複数タイプの運針輪列を含む多機能時計 - Google Patents
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Abstract
Description
一般に、時計の駆動部分を含む機械体を「ムーブメント」と称する。ムーブメントに文字板、針を取り付けて、時計ケースの中に入れて完成品にした状態を時計の「コンプリート」と称する。時計の基板を構成する地板の両側のうちで、時計ケースのガラスのある方の側、すなわち、文字板のある方の側をムーブメントの「裏側」又は「ガラス側」又は「文字板側」と称する。地板の両側のうちで、時計ケースの裏蓋のある方の側、すなわち、文字板と反対の側をムーブメントの「表側」又は「裏蓋側」と称する。ムーブメントの「表側」に組み込まれる輪列を「表輪列」と称する。ムーブメントの「裏側」に組み込まれる輪列を「裏輪列」と称する。一般に、「12時側」とは、アナログ式時計において、文字板の12時に対応する目盛が配置されている方の側を示す。「12時方向」とは、アナログ式時計において、地板の中心或いは時針などの指針の回転中心(以下、「地板中心」という)から「12時側」に向かう方向を示す。また、「2時側」とは、アナログ式時計において、文字板の2時に対応する目盛が配置されている方の側を示す。「2時方向」とは、アナログ式時計において、地板中心から「2時側」に向かう方向を示す。
(2・1)第1タイプの多機能時計:
従来の第1タイプの小針を備えた多機能時計では、日星車と小曜車を時計中心に対して概略対称な位置に配置している。小針の一種である小日針が日星車に取り付けられる。また、小針の一種である小曜針が小曜車に取り付けられる。(例えば、特許文献1参照)。
従来の第2タイプの小針を備えた多機能時計では、日星車と小曜車を時計中心に対して概略対称な位置に配置し、日回し車、曜回し車が、それぞれ日送り爪、曜日送り爪の両方を有している(例えば、特許文献2参照)。
従来の第3タイプの多機能時計では、地板は、「センタークロノグラフ時計」を製造するときに用いられるロータおよび輪列の輪列回転中心と、「サイドクロノグラフ時計」を製造するときに用いられるロータおよび輪列の輪列回転中心とを備えており、受部材は、「センタークロノグラフ時計」を製造するときに用いられるロータおよび輪列の輪列回転中心と、「サイドクロノグラフ時計」を製造するときに用いられるロータおよび輪列の輪列回転中心とを備えており、小針の一種であるクロノグラフ針を備えた「サイドクロノグラフ時計」を製造するときに用いられるロータおよび輪列は、前記地板の前記輪列回転中心と、前記受部材の前記輪列回転中心とに対して回転可能なように組み込まれる(例えば、特許文献3参照)。
従来の第4タイプの小針を備えた多機能時計では、「12時側」に360度回転する小針が配置され、「3時側」と「9時側」に扇形運針する小針がそれぞれ配置され、「6時側」に月齢を表示する円盤が配置されている。扇形運針する小針は、ひげぜんまいを設けた表示車に取り付けられている(例えば、特許文献4参照)。
また、本発明の他の目的は、部品加工作業の切換に多くの時間を必要とせず、部品製造工数が少ない、小針を備えたアナログ多機能時計を実現することにある。
(1)第1の実施の形態:
最初に、本発明の多機能時計の第1の実施の形態を説明する。
(1・1)ムーブメントの全体の構造:
図1〜図6を参照すると、本発明の多機能時計の第1の実施の形態は、ムーブメントがアナログ電子時計で構成される。さらに詳細には、本発明の多機能時計の第1の実施の形態は、「3時方向」、「6時方向」、「9時方向」、「12時方向」のうちの少なくとも1箇所に小針を備えたアナログ式時計(電気時計、電子時計、機械式時計)で構成される。すなわち、本発明の多機能時計の第1の実施の形態においては、回転中心が地板の中心である時針によって、12時間制の「時」に関する時刻情報を表示し、回転中心が地板の中心である分針によって「分」に関する時刻情報を表示し、回転中心が「12時方向」に配置された24時針によって、24時間制の「時」に関する時刻情報を表示し、回転中心が「3時方向」に配置された日針によって、「日」に関する暦情報を表示し、回転中心が「6時方向」に配置された小秒針によって、「秒」に関する時刻情報を表示し、回転中心が「9時方向」に配置された曜針によって、「曜」に関する暦情報を表示するように構成することができる。
図3を参照すると、多機能時計の動力源を構成する電池220が、地板202の裏蓋側に配置される。時計の源振を構成する水晶ユニット222が地板202の裏蓋側に配置される。例えば、32,768ヘルツで発振する水晶振動子が、水晶ユニット222に収容されている。水晶ユニット222のリード部は、回路基板224に固定される。電池プラス端子226が、電池220の陽極と、回路基板224のプラスパターンとを導通させるように配置される。電池マイナス端子228が、電池220の陽極と、回路基板224のマイナスパターンとを導通させるように配置される。本発明の多機能時計は、水晶ユニット以外の基準信号発生源(源振)を有する時計で構成することもできる。
図3および図4を参照すると、磁心に巻いたコイルワイヤを含むコイルブロック232と、コイルブロック232の磁心の両端部分と接触するように配置されたステータ234と、ステータ234のロータ穴に配置されたロータ磁石を含むロータ236とが、地板202の裏蓋側に配置される。コイルブロック232と、ステータ234と、ロータ236とが、ステップモータを構成する。
ロータ236の回転に基づいて回転する五番車238が、地板202の裏蓋側に配置される。五番車238は、五番歯車238bと、五番上かな238cと、五番下かな238dとを含む。ロータかなは五番歯車238bと噛み合うように構成される。五番車238の回転に基づいて回転する四番車240が、地板202の裏蓋側に配置される。五番かなは四番歯車と噛み合うように構成される。四番車240の回転に基づいて回転する三番車242が、地板202の裏蓋側に配置される。四番かなは三番歯車と噛み合うように構成される。三番車242の回転に基づいて回転する二番車244が、地板202の裏蓋側に配置される。二番車244は二番歯車244bと、二番かな244cとを含む。三番かなは二番歯車244bと噛み合うように構成される。スリップ機構が、二番歯車244bと、二番かな244cとの間に設けられる。スリップ機構を設けることより、針合わせをするときに、表輪列の回転を停止させた状態で、巻真210を回転させて、分針及び時針を回転させることができる。分針244hが二番車244に取り付けられている。
次に、切換機構の構造について説明する。本発明の多機能時計では、切換機構は、地板202の裏蓋側に配置される。切換機構は、「3−6時領域」に配置される。変形例として、切換機構は、地板202の文字板側に配置することもできる。切換機構、時刻合わせ機構、カレンダ修正機構は、巻真210を引き出した状態で巻真210を回転させることによって、時計の時刻を合わせ、カレンダ表示を修正するために設けられる。図3、図4〜図6を参照すると、切換機構は、おしどり270、かんぬき272を含むように構成される。おしどり270、かんぬき272は、地板202に対して作動可能なように支持される。この構成では、かんぬき272は、一方の尾部に、かんぬきばね部を含むように構成される。おしどり270と、かんぬき272の接触によって、おしどりの回転方向の位置を決めることができる。
次に、日表示機構の構造について説明する。図1、図2、図4〜図6を参照すると、筒車262の回転に基づいて日車送り機構が作動するように構成される。日表示機構は、日回し車310と、日星車312とを含む。筒車262の回転により、日回し車310が回転するように構成される。日回し車310は、地板202に設けられた日回し車ピンに対して回転可能に支持される。日回し車310の回転中心は、「5時方向」と「6時方向」との間の領域(すなわち、「5−6時領域」)に配置されるのが好ましい。
次に、曜表示機構の構造について説明する。図1、図2、図4および図5を参照すると、筒車262の回転に基づいて曜車送り機構が作動するように構成される。曜表示機構は、曜回し車320と、小曜車322とを含む。筒車262の回転により、曜回し車320が回転するように構成される。曜回し車320は、地板202に設けられた曜回し車ピンに対して回転可能に支持される。曜回し車320の回転中心は、「10時方向」と「11時方向」との間の領域(すなわち、「10−11時領域」)に配置されるのが好ましい。
次に、24時表示機構の構造について説明する。図1を参照すると、曜回し車320の回転に基づいて24時表示機構が作動するように構成される。24時表示機構は、時車330を含む。筒車262の回転により、曜回し車320の回転を介して、時車330が回転するように構成される。時車330に設けられた下軸部は、地板202に設けられた時車案内穴に対して回転可能に支持される。時車330の回転中心は、「12時方向」に配置されるのが好ましい。曜回し車320に設けられた曜回し歯320bは、時車330の歯部330bと噛み合うように構成される。時車330は24時間で1回転するように構成される。
次に、秒表示機構の構造について説明する。図1および図4を参照すると、五番車238の回転に基づいて秒表示機構が作動するように構成される。秒表示機構は、秒車340を含む。秒車340の歯車部は、五番下かな238dと噛み合うように構成される。ロータ236の回転により、五番車238の回転を介して、秒車340が回転するように構成される。秒車340の下軸部は、地板202に対して回転可能に支持される。秒車340の上軸部は、秒車受342に対して回転可能に支持される。秒車受342は、日回し車310と重ならないように配置されるのが好ましい。秒車340の回転中心は、「6時方向」に配置されるのが好ましい。秒車340は1分間で1回転するように構成される。
次に、日修正機構の構造について説明する。図1、図2、図4〜図6を参照すると、ムーブメント201の裏側には、日星車312による日の表示を修正するための日修正機構が設けられる。日修正機構は、第1修正伝え車351と、第2修正伝え車352と、第3修正伝え車353と、第4修正伝え車354と、日修正車355とにより構成される。巻真210を1段目にした状態で、第1修正伝え車351は、巻真210の第1修正伝え車案内部に対して回転可能に支持される。すなわち、第1修正伝え車351と巻真210は、互いに同軸になるように配置される。第2修正伝え車352は、地板202に対して回転可能に支持される。第2修正伝え車352の歯車部は、地板202と、日修正伝え車押さえ314との間に配置される。第2修正伝え車352の回転中心は、「3時方向」に配置される。したがって、第2修正伝え車352の回転中心は、巻真210の中心軸線上に配置される。第2修正伝え車352の回転中心は、日星車312の回転中心と同じ位置に配置されるのが好ましい。
次に、地板202の構造について説明する。図7を参照すると、本発明の実施の形態では、地板202の外形形状は、地板中心202cを中心として、ほぼ円形に形成される。なお、地板202の外形形状は四角形、多角形、長円形等の他の形状であってもよい。地板202は、ポリカーボネート、ポリサルホン等のエンジニアリングプラスチックで形成してもよいし、或いは、黄銅などの金属で形成してもよい。二番車244の回転中心と、筒車262の回転中心は、地板中心202cに配置される。中心パイプ202bの中心軸線は地板中心202cに配置される。
次に、日修正伝え車押さえ314の構造について説明する。図8を参照すると、日修正伝え車押さえ314は、「12−3時領域」および「3−6時領域」に配置される。日修正伝え車押さえ314は、ステンレス鋼、りん青銅などの弾性材料で形成された板状部材である。第4修正伝え車354を地板202に向かって加圧するための修正ばね部314bが日修正伝え車押さえ314に設けられる。修正ばね部314bは、「12時方向」と「3時方向」との間の領域(すなわち、「12−3時領域」)に配置されるのが好ましい。修正ばね部314bが第4修正伝え車354と接触する先端部分は、「12時方向」と「1時方向」との間の領域(すなわち、「12−1時領域」)に配置されるのが好ましい。さらに、日星車312の下方に位置する日修正伝え車押さえ314の一部は、地板202の裏面に向かって円形に絞られ、この円形絞り部の中心に設けられた穴が、日星車案内穴の周囲に設けられた日修正伝え車押さえ案内軸部に嵌め込まれるように構成されるのが好ましい。日修正伝え車押さえ314は、さらに、本発明の他の実施形態で用いる更なる修正ばね部314b2を備えている。
次に、裏物押さえ316の構造について説明する。図9を参照すると、裏物押さえ316は、ステンレス鋼、りん青銅などの弾性材料で形成された板状部材である。日星車312の回転方向の位置を規正するための日ジャンパ316bが、裏物押さえ316に設けられる。日ジャンパ316bのばね部は、「12時方向」と「3時方向」との間の領域(すなわち、「12−3時領域」)に配置されるのが好ましい。日ジャンパ316bのばね部の先端に設けられた規正部は、「2時方向」と「3時方向」との間の領域(すなわち、「2−3時領域」)に配置されるのが好ましい。小曜車322の回転方向の位置を規正するための曜ジャンパ316cが、裏物押さえ316に設けられる。曜ジャンパ316cのばね部は、「6時方向」と「9時方向」との間の領域(すなわち、「6−9時領域」)に配置されるのが好ましい。曜ジャンパ316cのばね部の先端に設けられた規正部は、「8時方向」と「9時方向」との間の領域(すなわち、「8−9時領域」)に配置されるのが好ましい。裏物押さえ316は、さらに、本発明の他の実施形態で用いる更なる日ジャンパ316b2と、更なる曜ジャンパ316c2とを備えている。
以下に、本発明の多機能時計の第1の実施の形態の作用について説明する。図1、図4、図5を参照すると、ムーブメント201において、水晶ユニット222に収容された水晶振動子が、例えば、32,768ヘルツで発振する。この水晶振動子の振動に基づいて、集積回路230に内蔵されている発振部が基準信号を出力し、分周部が発振部の出力信号を分周する。駆動部が分周部の出力信号に基づいて、ステップモータを駆動するモータ駆動信号を出力する。コイルブロック232がモータ駆動信号を入力すると、ステータ234が磁化して、ロータ236を回転させる。ロータ236は、例えば、1秒ごとに180度回転する。ロータ236の回転に基づいて、五番車238の回転を介して四番車240が回転する。また、ロータ236の回転に基づいて、五番車238の回転を介して秒車340が1分間に1回転する。三番車242が四番車240の回転に基づいて回転する。
以下に、日修正機構の作動について説明する。
図1、図2、図4〜図6を参照すると、巻真210を0段目から1段目に引き出した状態で、巻真210を1つの方向に回転させると、第1修正伝え車351、第2修正伝え車352、第3修正伝え車353の回転を介して、第4修正伝え車354が日修正車355に近づく方向に移動すると、第4修正伝え車354の歯車部は、日修正車355の歯車部と噛み合うことができる。したがって、巻真210を1段目に引き出した状態で、巻真210を1つの方向に回転させて、日星車312を回転させて、日修正を行うことができる。
以下に、針合わせの作動について説明する。図4を参照すると、巻真210を2段目に引き出した状態で、つづみ車274の甲歯274aは小鉄車278と噛合う。巻真210を2段目に引き出すと、規正レバー250のばね部が回転して、リセットレバー252に接触する。これにより、規正レバー250のばね部は、リセットレバー252を介して回路基板224のリセットパターンと導通して、集積回路230の動作をリセットし、同時に、規正レバー250が四番車240を規正する。巻真210を2段目に引き出した状態で、巻真210を回転させることによって、つづみ車274の回転を介して、小鉄車278は回転する。小鉄車278が回転することによって、日の裏車260の回転を介して、二番車244の二番かなと、筒車262が回転する。巻真210を2段目に引き出した状態で針合わせを行うとき、二番車244の二番かなは、二番車244の二番歯車に対してスリップすることができる。巻真210を回転させることによって、二番かなが回転することによって、分針244hが回転し、筒車262が回転することによって、時針262hが回転するので、時刻表示(「時」および「分」の表示)を修正することができる。
図10を参照すると、本発明の実施形態において、一例として、8種類(第1種〜第8種)の針位置および針仕様を実現することができる。なお、本発明は、図10に示す8種類の針位置および針仕様に限定するものではない。図10および図11を参照すると、本発明の実施形態の第1種において、回転中心が地板中心202cである筒車262に取り付けた時針262hによって、12時間制の「時」に関する時刻情報を表示し、回転中心が地板中心202cである二番車244に取り付けた分針244hによって「分」に関する時刻情報を表示し、回転中心が「6時方向」に配置された秒車340に取り付けた小秒針340hによって、「秒」に関する時刻情報を表示し、回転中心が「12時方向」に配置された時車330に取り付けた24時針330hによって、24時間制の「時」に関する時刻情報を表示し、回転中心が「3時方向」に配置された日星車312に取り付けた日針312hによって、「日」に関する暦情報を表示し、回転中心が「9時方向」に配置された小曜車322に取り付けた曜針322hによって、「曜」に関する暦情報を表示することができる。地板中心202cから日針312hの回転中心までの距離と、地板中心202cから小秒針340hの回転中心までの距離と、地板中心202cから曜針322hの回転中心までの距離と、地板中心202cから24時針330hの回転中心までの距離とは、等しくなるように構成するのが好ましい。しかしながら、上記の中心間距離は、等しくないように構成することもできる。
以上で、本発明の多機能時計の実施形態をアナログ電子時計のムーブメントに関して説明したけれども、本発明は、いずれの実施形態に関しても、ムーブメントを機械式時計で構成することもできる。変形例として、図16〜図18を参照すると、本発明の多機能時計の機械式時計の実施形態において、ムーブメント20は、ムーブメント20の基板を構成する地板22を備える。本発明の実施の形態では、香箱車、二番車、三番車、四番車等の表輪列、回転錘、つめレバー等の自動巻機構、おしどり、かんぬき等の切換機構は、それぞれムーブメント20の表側に組み込まれる。機械式時計の実施形態において、ムーブメントの裏側の構造は、図1および図2に示すアナログ電子時計のムーブメントの裏側の構造と同様に構成することができる。
次に、本発明の多機能時計の第2の実施の形態を説明する。以下の説明は、本発明の多機能時計の第2の実施形態が本発明の多機能時計の第1の実施形態と異なる点を主に述べる。したがって、以下に記載がない個所は、前述した本発明の多機能時計の第1の実施形態についての説明をここに準用する。
図22〜図24を参照すると、本発明の多機能時計の第2の実施の形態は、アナログ電子時計で構成される。さらに詳細には、本発明の多機能時計の第2の実施の形態は、「2時方向」、「6時方向」、「10時方向」のうちの少なくとも1箇所に小針を備えたアナログ式時計(電気時計、電子時計、機械式時計)で構成される。本発明の多機能時計の第2の実施の形態においては、回転中心が地板の中心である時針によって、12時間制の「時」に関する時刻情報を表示し、回転中心が地板の中心である分針によって「分」に関する時刻情報を表示し、回転中心が「6時方向」に配置された小秒針によって、「秒」に関する時刻情報を表示し、回転中心が「2時方向」に配置された日針によって、「日」に関する暦情報を表示し、回転中心が「10時方向」に配置された曜針によって、「曜」に関する暦情報を表示するように構成することができる。
次に、日表示機構の構造について説明する。図22〜図24を参照すると、ムーブメント201Bにおいて、筒車262の回転に基づいて日車送り機構が作動するように構成される。日表示機構は、日回し車310と、日星車312とを含む。筒車262の回転により、日回し車310が回転するように構成される。日回し車310は、地板202に設けられた第2日回し車ピンに対して回転可能に支持される。日回し車310の回転中心は、「4時方向」と「5時方向」との間の領域(すなわち、「4−5時領域」)に配置されるのが好ましい。
次に、曜表示機構の構造について説明する。図22〜図24を参照すると、ムーブメント201Bにおいて、筒車262の回転に基づいて曜車送り機構が作動するように構成される。曜表示機構は、曜回し車320と、小曜車322とを含む。筒車262の回転により、曜回し車320が回転するように構成される。曜回し車320は、地板202に設けられた第2曜回し車ピンに対して回転可能に支持される。曜回し車320の回転中心は、「8時方向」と「9時方向」との間の領域(すなわち、「8−9時領域」)に配置されるのが好ましい。
次に、日修正機構の構造について説明する。図22〜図24を参照すると、ムーブメント201Bの裏側には、日星車312による日の表示を修正するための日修正機構が設けられる。日修正機構は、第1修正伝え車351と、第2修正伝え車352と、第3修正伝え車353と、第4修正伝え車354と、日修正車355とにより構成される。第2修正伝え車352の回転中心は、「3時方向」に配置される。本発明の多機能時計の第2の実施の形態における第2修正伝え車352の回転中心は、本発明の多機能時計の第1の実施の形態における第2修正伝え車352の回転中心と同じ配置である。
次に、地板202の構造について、本発明の多機能時計の第1の実施の形態において前述した説明に追加する説明を行う。図7を参照すると、地板202は、さらに、第2の実施の形態における日回し車310の回転中心202DW2、第2の実施の形態における日星車312の回転中心202DS2、第2の実施の形態における曜回し車320の回転中心202WT2、第2の実施の形態における小曜車322の回転中心202SW2、第2の実施の形態における日修正車355の回転中心202SB2の回転部材の回転中心を備える。
次に、日修正伝え車押さえ314の構造について、本発明の多機能時計の第1の実施の形態において前述した説明に追加する説明を行う。図8を参照すると、第2の実施の形態における第4修正伝え車354を地板202に向かって加圧するための第2修正ばね部314b2が日修正伝え車押さえ314に設けられる。修正ばね部314b2は、「1時方向」と「2時方向」との間の領域(すなわち、「1−2時領域」)に配置されるのが好ましい。第2修正ばね部314b2が第4修正伝え車354と接触する先端部分は、「1時方向」と「2時方向」との間の領域(すなわち、「1−2時領域」)に配置されるのが好ましい。さらに、日星車312の下方に位置する日修正伝え車押さえ314の一部は、地板202の裏面に向かって円形に絞られ、この円形絞り部の中心に設けられた穴が、日星車案内穴の周囲に設けられた日修正伝え車押さえ案内軸部に嵌め込まれるように構成されるのが好ましい。以上説明したように、本発明の第1の実施の形態、第2の実施の形態では、日修正伝え車押さえ314は、ムーブメント201に使用することができるし、また、ムーブメント201Bに使用することもできる。
次に、裏物押さえ316の構造について、本発明の多機能時計の第1の実施の形態において前述した説明に追加する説明を行う。図9を参照すると、第2の実施の形態における日星車312の回転方向の位置を規正するための第2日ジャンパ316b2が、裏物押さえ316に設けられる。第2日ジャンパ316bのばね部は、「1時方向」と「5時方向」との間の領域(すなわち、「1−5時領域」)に配置されるのが好ましい。第2日ジャンパ316bのばね部の先端に設けられた規正部は、「12時方向」と「1時方向」との間の領域(すなわち、「12−1時領域」)に配置されるのが好ましい。第2の実施の形態における小曜車322の回転方向の位置を規正するための第2曜ジャンパ316c2が、裏物押さえ316に設けられる。第2曜ジャンパ316c2のばね部は、「7時方向」と「10時方向」との間の領域(すなわち、「7−10時領域」)に配置されるのが好ましい。第2曜ジャンパ316c2のばね部の先端に設けられた規正部は、「9時方向」と「10時方向」との間の領域(すなわち、「9−10時領域」)に配置されるのが好ましい。以上説明したように、本発明の第1の実施の形態、第2の実施の形態では、裏物押さえ316は、ムーブメント201に使用することができるし、また、ムーブメント201Bに使用することもできる。
図10を参照すると、図10および図25を参照すると、本発明の実施形態の第5種において、回転中心が地板中心202cである筒車262に取り付けた時針262hによって、12時間制の「時」に関する時刻情報を表示し、回転中心が地板中心202cである二番車244に取り付けた分針244hによって「分」に関する時刻情報を表示し、回転中心が「6時方向」に配置された秒車340に取り付けた小秒針340hによって、「秒」に関する時刻情報を表示し、回転中心が「2時方向」に配置された日星車312に取り付けた日針312hによって、「日」に関する暦情報を表示し、回転中心が「10時方向」に配置された小曜車322に取り付けた曜針322hによって、「曜」に関する暦情報を表示することができる。
次に、本発明の多機能時計の第3の実施の形態を説明する。以下の説明は、本発明の多機能時計の第3の実施形態が本発明の多機能時計の第1の実施形態と異なる点を主に述べる。したがって、以下に記載がない個所は、前述した本発明の多機能時計の第1の実施形態についての説明をここに準用する。
図26〜図28を参照すると、本発明の多機能時計の第3の実施の形態は、ムーブメントがアナログ電子時計で構成される。さらに詳細には、本発明の多機能時計の第3の実施の形態は、「3時方向」、「6時方向」、「9時方向」、「12時方向」のうちの少なくとも1箇所に小針を備えたアナログ式時計(電気時計、電子時計、機械式時計)で構成される。すなわち、本発明の多機能時計の第3の実施の形態においては、前述した第1の実施の形態と同様に、回転中心が地板の中心である時針によって、12時間制の「時」に関する時刻情報を表示し、回転中心が地板の中心である分針によって「分」に関する時刻情報を表示し、回転中心が「12時方向」に配置された24時針によって、24時間制の「時」に関する時刻情報を表示し、回転中心が「3時方向」に配置された日針によって、「日」に関する暦情報を表示し、回転中心が「6時方向」に配置された小秒針によって、「秒」に関する時刻情報を表示し、回転中心が「9時方向」に配置された曜針によって、「曜」に関する暦情報を表示するように構成することができる。
次に、日表示機構の構造について説明する。図26〜図28を参照すると、ムーブメント401において、筒車262の回転に基づいて日車送り機構が作動するように構成される。日表示機構は、日回し車310と、日星車312とを含む。筒車262の回転により、日回し車310が回転するように構成される。日回し車310は、地板402に設けられた日回し車ピンに対して回転可能に支持される。日回し車310の回転中心は、「5時方向」と「6時方向」との間の領域(すなわち、「5−6時領域」)に配置されるのが好ましい。
次に、曜表示機構の構造について説明する。図26〜図28を参照すると、ムーブメント401において、筒車262の回転に基づいて曜車送り機構が作動するように構成される。曜表示機構は、曜回し車320と、小曜車322とを含む。筒車262の回転により、曜回し車320が回転するように構成される。曜回し車320は、地板402に設けられた曜回し車ピンに対して回転可能に支持される。曜回し車320の回転中心は、「10時方向」と「11時方向」との間の領域(すなわち、「10−11時領域」)に配置されるのが好ましい。
次に、日修正機構の構造について説明する。図26〜図28を参照すると、ムーブメント401の裏側には、日星車312による日の表示を修正するための日修正機構が設けられる。日修正機構は、第1修正伝え車451と、第2修正伝え車452と、第3修正伝え車453と、第4修正伝え車454と、日修正車455とにより構成される。第2修正伝え車452の回転中心は、「3時方向」に配置される。
次に、地板402の構造について説明する。図29を参照すると、二番車244の回転中心と、筒車262の回転中心は、地板中心402cに配置される。中心パイプ202bの中心軸線は地板中心402cに配置される。
次に、日修正伝え車押さえ414の構造について説明する。図30を参照すると、日修正伝え車押さえ314は、「12−3時領域」および「3−6時領域」に配置される。第4修正伝え車454を地板402に向かって加圧するための修正ばね部414bが日修正伝え車押さえ314に設けられる。修正ばね部314bは、「4時方向」と「5時方向」との間の領域(すなわち、「4−5時領域」)に配置されるのが好ましい。修正ばね部414bが第4修正伝え車454と接触する先端部分は、「4時方向」と「5時方向」との間の領域(すなわち、「4−5時領域」)に配置されるのが好ましい。日修正伝え車押さえ414は、さらに、本発明の他の実施形態で用いる更なる修正ばね部414b2を備えている。
次に、裏物押さえ416の構造について説明する。図31を参照すると、日星車312の回転方向の位置を規正するための日ジャンパ416bが、裏物押さえ416に設けられる。日ジャンパ416bのばね部は、「12時方向」と「2時方向」との間の領域(すなわち、「12−2時領域」)に配置されるのが好ましい。日ジャンパ416bのばね部の先端に設けられた規正部は、「1時方向」と「2時方向」との間の領域(すなわち、「1−2時領域」)に配置されるのが好ましい。
本発明の第3の実施形態における針位置および針仕様は、上述した本発明の第1の実施形態における針位置および針仕様と同様である。すなわち、図10を参照すると、本発明の第3の実施形態における針位置および針仕様は、本発明の実施形態の第1種から第5種を構成することができる。したがって、本発明の第3の実施形態における針位置および針仕様に関する詳細な説明は、上述した本発明の第1の実施形態における針位置および針仕様に関する説明を参照すればよいので、それらを再度ここに記載することは省略する。
次に、本発明の多機能時計の第4の実施の形態を説明する。以下の説明は、本発明の多機能時計の第4の実施形態が本発明の多機能時計の第3の実施形態と異なる点を主に述べる。したがって、以下に記載がない個所は、前述した本発明の多機能時計の第3の実施形態についての説明をここに準用する。
図32〜図34を参照すると、本発明の多機能時計の第4の実施の形態は、アナログ電子時計で構成される。さらに詳細には、本発明の多機能時計の第4の実施の形態は、「2時方向」、「6時方向」、「10時方向」のうちの少なくとも1箇所に小針を備えたアナログ式時計(電気時計、電子時計、機械式時計)で構成される。本発明の多機能時計の第4の実施の形態においては、回転中心が地板の中心である時針によって、12時間制の「時」に関する時刻情報を表示し、回転中心が地板の中心である分針によって「分」に関する時刻情報を表示し、回転中心が「6時方向」に配置された小秒針によって、「秒」に関する時刻情報を表示し、回転中心が「2時方向」に配置された日針によって、「日」に関する暦情報を表示し、回転中心が「10時方向」に配置された曜針によって、「曜」に関する暦情報を表示するように構成することができる。
以下に、日表示機構の構造について説明する。図32〜図34を参照すると、ムーブメント401Bにおいて、筒車262の回転に基づいて日車送り機構が作動するように構成される。日表示機構は、日回し車310と、日星車312とを含む。筒車262の回転により、日回し車310が回転するように構成される。日星車312の下軸部は、地板402に設けられた日星車案内穴に対して回転可能に支持される。日回し車310は、地板402に設けられた第2日回し車ピンに対して回転可能に支持される。日回し車310の回転中心は、「4時方向」と「5時方向」との間の領域(すなわち、「4−5時領域」)に配置されるのが好ましい。
次に、曜表示機構の構造について説明する。図32〜図34を参照すると、ムーブメント401Bにおいて、筒車262の回転に基づいて曜車送り機構が作動するように構成される。曜表示機構は、曜回し車320と、小曜車322とを含む。筒車262の回転により、曜回し車320が回転するように構成される。曜回し車320は、地板402に設けられた第2曜回し車ピンに対して回転可能に支持される。曜回し車320の回転中心は、「8時方向」と「9時方向」との間の領域(すなわち、「8−9時領域」)に配置されるのが好ましい。
次に、日修正機構の構造について説明する。図32〜図34を参照すると、ムーブメント401Bの裏側には、日星車312による日の表示を修正するための日修正機構が設けられる。日修正機構は、第1修正伝え車451と、第2修正伝え車452と、第3修正伝え車453と、第4修正伝え車454と、日修正車455とにより構成される。第2修正伝え車352の回転中心は、「3時方向」に配置される。本発明の多機能時計の第4の実施の形態における第2修正伝え車452の回転中心は、本発明の多機能時計の第1の実施の形態における第2修正伝え車352の回転中心と同じ位置に配置することができる。
次に、地板402の構造について、本発明の多機能時計の第3の実施の形態において前述した説明に追加する説明を行う。図29を参照すると、地板402は、さらに、第4の実施の形態における日回し車310の回転中心402DW2、第4の実施の形態における日星車312の回転中心402DS2、第2の実施の形態における曜回し車320の回転中心402WT2、第2の実施の形態における小曜車322の回転中心402SW2、第2の実施の形態における日修正車455の回転中心402SB2の回転部材の回転中心を備える。第3修正伝え車453の回転中心は、日星車312の回転中心402DS2と同じ位置に配置するのが好ましい。
次に、日修正伝え車押さえ414の構造について、本発明の多機能時計の第3の実施の形態において前述した説明に追加する説明を行う。図30を参照すると、第4の実施の形態における第4修正伝え車454を地板402に向かって加圧するための第2修正ばね部414b2が日修正伝え車押さえ414に設けられる。修正ばね部414b2は、「1時方向」と「2時方向」との間の領域(すなわち、「1−2時領域」)に配置されるのが好ましい。第2修正ばね部414b2が第4修正伝え車454と接触する先端部分は、「1時方向」と「2時方向」との間の領域(すなわち、「1−2時領域」)に配置されるのが好ましい。
次に、裏物押さえ418の構造について説明する。本発明の多機能時計の第4の実施の形態において使用する裏物押さえ418は、前述した第3の実施の形態において使用する裏物押さえ316と、日ジャンパ、曜ジャンパの形状が異なる。図35を参照すると、第4の実施の形態における日星車312の回転方向の位置を規正するための日ジャンパ418bが、裏物押さえ418に設けられる。日ジャンパ418bのばね部は、「11時方向」と「1時方向」との間の領域(すなわち、「11−1時領域」)に配置されるのが好ましい。日ジャンパ418bのばね部の先端に設けられた規正部は、「12時方向」と「1時方向」との間の領域(すなわち、「12−1時領域」)に配置されるのが好ましい。
本発明の第4の実施形態における針位置および針仕様は、上述した本発明の第2の実施形態における針位置および針仕様と同様である。すなわち、図10を参照すると、本発明の第4の実施形態における針位置および針仕様は、本発明の実施形態の第6種を構成することができる。したがって、本発明の第4の実施形態における針位置および針仕様に関する詳細な説明は、上述した本発明の第2の実施形態における針位置および針仕様に関する説明を参照すればよいので、それらを再度ここに記載することは省略する。
次に、本発明の多機能時計の第5の実施の形態を説明する。以下の説明は、本発明の多機能時計の第5の実施形態が本発明の多機能時計の第1の実施形態と異なる点を主に述べる。したがって、以下に記載がない個所は、前述した本発明の多機能時計の第1の実施形態についての説明をここに準用する。本発明の多機能時計の第5の実施の形態が、本発明の多機能時計の第1の実施の形態と異なる点は、曜表示機構である。すなわち、本発明の多機能時計の第5の実施の形態の特徴は、扇形運針することができる、いわゆる「レトログラードタイプ」の曜針を備えることにある。
図36〜図38を参照すると、本発明の多機能時計の第5の実施の形態は、ムーブメントがアナログ電子時計で構成される。さらに詳細には、本発明の多機能時計の第5の実施の形態は、「3時方向」、「6時方向」、「12時方向」のうちの少なくとも1箇所に回転運針することができる小針を備え、さらに、「9時方向」に扇形運針することができる小針を備えアナログ式時計(電気時計、電子時計、機械式時計)で構成される。すなわち、本発明の多機能時計の第5の実施の形態においては、本発明の多機能時計の第5の実施の形態では、回転中心が地板の中心である時針によって、12時間制の「時」に関する時刻情報を表示し、回転中心が地板の中心である分針によって「分」に関する時刻情報を表示し、回転中心が「12時方向」に配置された24時針によって、24時間制の「時」に関する時刻情報を表示し、回転中心が「3時方向」に配置された日針によって、「日」に関する暦情報を表示し、回転中心が「6時方向」に配置された小秒針によって、「秒」に関する時刻情報を表示し、回転中心が「9時方向」に配置され、扇形運針することができる曜針によって、いわゆる「レトログラードタイプ」によって「曜」に関する暦情報を表示するように構成することができる。
次に、曜表示機構の構造について説明する。図36〜図38を参照すると、筒車262の回転に基づいて曜車送り機構が作動するように構成される。曜表示機構は、曜回し車320と、曜伝え車462と、小曜車464と、復針レバー466と、曜ジャンパ468と、曜戻しばね472とを含む。筒車262の回転により、曜回し車320が回転するように構成される。曜回し車320は、地板202に設けられた曜回し車ピン320pに対して回転可能に支持される。曜回し車320の回転中心は、「10時方向」と「11時方向」との間の領域(すなわち、「10−11時領域」)に配置されるのが好ましい。
次に、地板202の構造について、本発明の多機能時計の第1の実施の形態、第2の実施の形態において前述した説明に追加する説明を行う。図7を参照すると、地板202は、さらに、第5の実施の形態における曜伝え車462の回転中心202WD、第5の実施の形態における復針レバー466の回転中心202WF、第5の実施の形態における曜回し車320の回転中心202WT2、第5の実施の形態における小曜車464の回転中心202WGを備える。第5の実施の形態における曜回し車320の回転中心は、第1の実施の形態における曜回し車320の回転中心202WT2と同じ位置に配置することができる。上記のそれぞれの回転中心には、当該回転中心を中心として回転する回転部材を回転可能なように支持するために、当該回転部材の中心穴を案内するための案内軸部が形成され、或いは、当該回転部材の軸部を案内するための案内穴が形成される。すなわち、輪列案内部は、回転部材を回転可能なように案内するための案内穴、案内軸受、案内軸、案内ピンなどによって構成することができる。
次に、裏物押さえ480の構造について説明する。本発明の多機能時計の第5の実施の形態において使用する裏物押さえ480は、前述した第1の実施の形態において使用する裏物押さえ316と、日ジャンパ、曜ジャンパの形状が異なる。図41を参照すると、裏物押さえ480は、第1の実施の形態において日星車312の回転方向の位置を規正するための第1日ジャンパ480aと、第2の実施の形態において日星車312の回転方向の位置を規正するための第2日ジャンパ480bと、第5の実施の形態において曜ジャンパ316cの先端に設けられた規正部を曜伝え車462の曜伝え歯車部462bに向けて押し付けるための曜ジャンパ加圧ばね部480cとを含む。
以下に、本発明の多機能時計の第5の実施の形態において、曜送り機構の作用について説明する。図36〜図38を参照すると、曜針464hと、文字板454の文字、数字、略字などによって「日曜日」をあらわす「Sun」を指示する状態で、筒車262の回転により、曜回し車320が回転する。曜回し車320に設けられた曜送りつめ320fが曜伝え車462の曜伝え歯車部462bを回転させることにより、曜伝え車462は1日に1度、(1/7)回転する。戻しばね部472cの先端部分は、戻りカム部464cのカム外形部の最小半径に近い部分に接触する。曜伝え車462の回転方向の位置は、地板202に対して回転可能に設けられた曜ジャンパ316cにより規正される。裏物押さえ316に設けられた曜ジャンパ加圧ばね部480cが、曜ジャンパ316cの先端に設けられた規正部を曜伝え車462の曜伝え歯車部462bに向けて押し付ける。復針レバー466のカム接触部466cは、曜伝え車462の伝えカム部462cと接触する。復針レバー466の第1作動歯車部466fは、小曜車464の曜歯車部464bと噛み合う。曜戻しばね472の戻しばね部472cは、小曜車464の戻りカム部464cを小曜車464のカム外形部の最小半径に近い部分に接触する。戻しばね部472cのばね力によって、小曜車464は、常に、反時計回り方向に回転するような力を受ける。復針レバー466は、常に、時計回り方向に回転するような力を受ける。復針レバー466のカム接触部466cの先端部は、常に、曜伝え車462の伝えカム部462cに押し付けられるような力を受ける。
図10および図43を参照すると、本発明の実施形態の第7種において、回転中心が地板中心202cである筒車262に取り付けた時針262hによって、12時間制の「時」に関する時刻情報を表示し、回転中心が地板中心202cである二番車244に取り付けた分針244hによって「分」に関する時刻情報を表示し、回転中心が「6時方向」に配置された秒車340に取り付けた小秒針340hによって、「秒」に関する時刻情報を表示し、回転中心が「3時方向」に配置された日星車312に取り付けた日針312hによって、「日」に関する暦情報を表示し、回転中心が「9時方向」に配置された小曜車464に取り付けた扇形運針することができる曜針464hによって、いわゆる「レトログラードタイプ」によって、「曜」に関する暦情報を表示することができる。例えば、曜針464hは、90度〜160度の範囲で「曜」に関する暦情報を表示することができる。構成部品の設計の余裕と、曜表示のデザイン性からみると、曜針464hは、100度〜120度の範囲で「曜」に関する暦情報を表示するのが好ましい。
202 地板
204 文字板
210 巻真
236 ロータ
238 五番車
240 四番車
242 三番車
244 二番車
244h 分針
260 日の裏車
262 筒車
262h 時針
310 日回し車
312 日星車
312h 日針
320 曜回し車
322 小曜車
322h 曜針
330 時車
330h 24時針
340 秒車
340h 小秒針
351 第1修正伝え車
352 第2修正伝え車
353 第3修正伝え車
354 第4修正伝え車
355 日修正車
ブメントの部品の寸法形状を変更することなしに、部品の組み込み位置を変えるだけで、複数タイプの運針輪列を構成できるように構成した、小針を備えたアナログ多機能時計を実現することにある。
また、本発明の他の目的は、部品加工作業の切換に多くの時間を必要とせず、部品製造工数が少ない、小針を備えたアナログ多機能時計を実現することにある。
[課題を解決するための手段]
[0012]
本発明は、ムーブメントの基板を構成する地板と、表示を修正するための巻真と、前記巻真の位置を切り換えるための切換機構と、時刻情報を表示するための文字板と、時刻情報又は暦情報を表示するための小針とを備えた多機能時計であって、ムーブメントは、第1のタイプの多機能時計を製造するときに、前記ムーブメントを用いて第1のタイプの小針の配置における小針を取付けた暦情報表示車を回転可能に案内するための第1表示車案内部と、第2のタイプの多機能時計を製造するときに、前記ムーブメントを用いて第2のタイプの小針の配置における小針を取付けた暦情報表示車を回転可能に案内するための第2表示車案内部とを備えるように構成している。
[0013]
本発明の多機能時計において、前記第1表示車案内部、前記第2表示車案内部は、それぞれ地板の地板中心と地板の地板外形部との間の位置に配置され、前記第2表示車案内部の中心と、地板の地板中心との間の距離は、前記第1表示車案内部の中心と、地板の地板中心との間の距離より大きくなるように構成される。さらに、本発明の多機能時計において、地板の地板中心を基準として前記第1表示車案内部の中心を配置した方向は、地板の地板中心を基準として前記第2表示車案内部の中心を配置した方向と同じ方向になるようにに配置されている。
[0014]
また、本発明の多機能時計において、前記第1表示車案内部は、その中心を回転中心として回転運動する小針を取付けた暦情報表示車を回転運動可能に案内することができるように構成され、前記第2表示車案内部は、その中心を回転中心として扇形運動する小針を取付けた暦情報表示車を回転可能に案内することができるように構成される。さらに、本発明の多機能時計では、暦情報を表示するため暦情報表示車が、前記第1表示車案内部、前記第2表示車案内部のうちの一方に対して回転可能なように配置されるように構成され、前記第1表示車案内部に暦情報表示車を配置したときに、その暦情報表示車が回転することによって回転運動する小針により暦情報を表示することができ、前記第2の表示車案内部に暦情報表示車を配置したときに、その暦情報表示車が回転することによって扇形運動する小針により暦情報を表示することができるように構成される。この構成により、複数のムーブメントレイアウトを実現することが出来る多機能時計を得ることができる。
[0015]
また、本発明の多機能時計において、ムーブメントは、更なる小針の配置を有する多機能時計を製造するときに、前記更なる小針を取付けた情報表示車を回転可能に案内するための第3表示車案内部を備え、第3表示車案内部は、地板の地板中心と地板の地板外形部との間の位置に配置され、時刻情報又は暦情報を表示するための情報表示車が、第3表示車案内部に対して回転可能なように配置され、情報表示車に取付けた小針により、時刻情報又は暦情報を表示するように構成することができる。この構成により、更なる小針を備えた多機能時計を実現することができる。
[0016]
また、本発明の多機能時計において、第3表示車案内部は、ムーブメントの6時方向、12時方向、3時方向のいずれの位置に配置することもできる。
[0017]
また、本発明の多機能時計において、日表示を行うための日星車が、第3表示車案内部を回転中心として回転可能なように配置されるように構成することができる。この構成により、種々のムーブメントレイアウト実現することが出来るように構成された多機能時計を実現することができる。
[0018]
また、本発明の多機能時計において、前記ムーブメントは、筒車の回転に基づいて
回転する曜回し車を備え、曜回し車は、第1表示車案内部に暦情報表示車を配置したときに当該暦情報表示車に取付けた小針を回転運動させることができるように構成され、かつ、曜回し車は、表示車案内部に暦情報表示車を配置したときに当該暦情報表示車に取付けた小針を扇形運動させることができるように構成することができる。この構成により、扇形運動する小針により暦情報を見やすく表示することが可能なように構成された多機能時計を実現することができる。
[発明の効果]
[0019]
本発明は、小針を有する多機能時計において、小針を取り付ける歯車の回転中心の位置を変更する場合、ムーブメントの部品の寸法形状を変更することなしに、部品の組み込み位置を変えるだけで、複数タイプの運針輪列を含む、複数のムーブメントレイアウトを形成することができる。また、本発明の多機能時計は、部品加工作業の切換に多くの時間を必要とせず、したがって、多機能時計の部品製造工数を少なくすることができる。
[発明を実施するための最良の形態]
[0020]
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(1)第1の実施の形態:
最初に、本発明の多機能時計の第1の実施の形態を説明する。
(1・1)ムーブメントの全体の構造:
図1〜図6を参照すると、本発明の多機能時計の第1の実施の形態は、ムーブメントがアナログ電子時計で構成される。さらに詳細には、本発明の多機能時計の第1の実施の形態は、「3時方向」、「6時方向」、「9時方向」、「12時方向」のうちの少なくとも1箇所に小針を備えたアナログ式時計(電気時計、電子時計、機械式時計)で構成される。すなわち、本発明の多機能時計の第1の実施の形態においては、回転中心が地板の中心である時針によって、12時間制の「時」に関する時刻情報を表示し、回転中心が地板の中心である分針によって「分」に関する時刻情報を表示し、回転中心が「12時方向」に配置された24時針によって、24時間制の「時」に関する時刻情報を表示し、回転中心が「3時方向」に配置された日針によって、「日」に関する暦情報を表示し、回転中心が「6時方向」に配置された小秒針によって、「秒」に関する時
Claims (9)
- ムーブメント(451)の基板を構成する地板(202)と、表示を修正するための巻真(210)と、前記巻真(210)の位置を切り換えるための切換機構と、時刻情報を表示するための文字板(204)と、時刻情報又は暦情報を表示するための小針とを備えた多機能時計であって、
前記ムーブメント(451)は、前記ムーブメント(451)を用いて第1のタイプの小針の配置を有する第1のタイプの多機能時計を製造するときに用いられる輪列のための第1の輪列回転中心と、前記ムーブメント(451)を用いて第2のタイプの小針の配置を有する第2のタイプの多機能時計を製造するときに用いられる輪列のための第2の輪列回転中心とを備え、
前記第1の輪列回転中心には、その位置を中心として回転運動する輪列部材を回転運動可能に案内するための輪列案内部が設けられており、
前記第2の輪列回転中心には、その位置を中心として扇形運動する輪列部材を扇形運動可能に案内するための輪列案内部が設けられており、
前記回転運動する輪列部材の輪列回転中心は、前記地板(202)の地板中心(202c)と前記地板(202)の地板外形部との間の位置に配置されており、
前記扇形運動する輪列部材の輪列回転中心は、前記地板(202)の地板中心(202c)と前記地板(202)の地板外形部との間の位置に配置されており、
暦情報を表示するための輪列が、第1の輪列回転中心又は第2の輪列回転中心に対して回転可能なように配置され、
前記第1の輪列回転中心に暦情報を表示するための輪列を配置したときに、その輪列によって回転運動する小針により暦情報を表示することができ、前記第2の輪列回転中心に暦情報を表示するための前記扇形運針輪列を配置したときに、その扇形運針輪列によって扇形運動する小針により暦情報を表示することができるように構成される、
ことを特徴とする多機能時計。 - 請求項1に記載の多機能時計において、前記扇形運動する輪列部材の回転中心と、前記地板(202)の地板中心(202c)との間の距離は、前記回転運動する輪列部材の回転中心と、前記地板(202)の地板中心(202c)との間の距離より大きくなるように構成されることを特徴とする多機能時計。
- 請求項1に記載の多機能時計において、前記第1の輪列回転中心は、前記ムーブメント(451)の9時方向に配置され、前記第2の輪列回転中心は、前記ムーブメント(201)の9時方向に配置されることを特徴とする多機能時計。
- 請求項1に記載の多機能時計において、
前記ムーブメント(451)は、更なる小針の配置を有する多機能時計を製造するときに用いられる輪列のための第3の輪列回転中心を備え、
前記第3の輪列回転中心は、前記地板(202)の地板中心(202c)と前記地板(202)の地板外形部との間の位置に配置され、
前記第3の輪列回転中心には、その位置を中心として回転する輪列部材を回転可能に案内するための輪列案内部が設けられており、
時刻情報又は暦情報を表示するための輪列が、前記第3の輪列回転中心に対して回転可能なように配置され、
前記更なる小針(312h、340h)により、時刻情報又は暦情報を表示するように構成される、
ことを特徴とする多機能時計。 - 請求項4に記載の多機能時計において、前記第3の輪列回転中心は、前記ムーブメント(451)の6時方向に配置されることを特徴とする多機能時計。
- 請求項4に記載の多機能時計において、前記第3の輪列回転中心は、前記ムーブメント(201)の12時方向に配置されることを特徴とする多機能時計。
- 請求項4に記載の多機能時計において、前記第3の輪列回転中心は、前記ムーブメント(451)の3時方向に配置されることを特徴とする多機能時計。
- 請求項7に記載の多機能時計において、前記第3の輪列回転中心は、前記ムーブメント(201)の3時方向に配置され、日表示を行うための日星車(312)が、前記第1の輪列回転中心を回転中心として回転可能なように配置されることを特徴とする多機能時計。
- 請求項3に記載の多機能時計において、前記ムーブメント(451)は、筒車(262)の回転に基づいて回転する曜回し車(320)を備え、前記曜回し車(320)は、
前記第1の輪列回転中心に回転運動する輪列部材(322)を配置したときに当該回転運動する輪列部材(322)を回転させることができるように構成され、かつ、前記第2の輪列回転中心に扇形運動する輪列部材(464)を配置したときに当該扇形運動する輪列部材(322)を扇形運動させることができるように構成されることを特徴とする多機能時計。
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