JPWO2006052026A1 - ベンズイミダゾール誘導体の酸性塩及びその結晶 - Google Patents
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Abstract
本発明は、4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の硫酸塩、塩酸塩、及びメタンスルホン酸塩などの酸性塩及びその結晶を提供する。また、それらのベンズイミダゾール誘導体またはその結晶は、生体においてキマーゼ阻害活性を有し、炎症疾患、アレルギー疾患、呼吸器疾患、循環器疾患、又は骨・軟骨代謝疾患の予防又は治療剤として用いうる。
Description
本発明は、4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の酸性塩及びその結晶、並びにそれらを含有する医薬組成物に関する。さらに詳しくは、本発明は、生体においてキマーゼ阻害活性を有し、炎症疾患、アレルギー疾患、呼吸器疾患、循環器疾患、又は骨・軟骨代謝疾患の予防又は治療剤として用いうる、4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の硫酸塩、塩酸塩、及びメタンスルホン酸塩などの酸性塩及びその結晶、並びにそれらを含有する医薬組成物に関する。
ある化合物が2種以上の結晶状態を形成するとき、これらの異なる結晶状態は結晶多形とよばれる。結晶多形のそれぞれの結晶形(晶形)によって、その安定性が相違することがあることは一般的に知られている。例えば特許文献1には、プラゾシン塩酸塩の2種の結晶形はその安定性が異なり、長期保存安定性の結果に影響することが記載されている。また、特許文献2には、ブスピロン塩酸塩の異なる結晶形の内、特定のものが、貯蔵や製造条件下での特定物理的性質の保持という意味で有利であることが記載されている。
一般的に、医薬原薬の製造において、原薬を結晶状態で得ることは、原薬及び医薬組成物の保存安定性や製造工程のコントロール等において有利である。
さらに2つ以上の結晶形が存在する化合物を医薬品として利用する場合、それぞれの結晶によって、その融点、溶解度、又は安定性等の物理化学的及び体内動態(吸収性、分布、代謝、又は排泄等)が異なり、結果として薬効発現等の生物学的性質が異なる場合がある。医薬品としてこれらの性質が一定であることを保証するためには、特定の結晶形の原薬を製造することが求められることが多い。また、原薬を製造する過程においても、収率や精製効果を一定に保持するためには晶析操作において特定の結晶形を析出させることがしばしば重要になる。
化合物の構造から結晶多形の有無を予測することは不可能であり、結晶形を見出すことは医薬品開発上重要とされている。
下記式(I)で示される4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸は、特許文献3、特許文献4、及び特許文献5に記載されているように、キマーゼを阻害する作用を有することが知られている。
しかし、特許文献3及び特許文献4には医学上許容される非毒性の塩として、Na+などの金属イオンやアンモニウムイオンなどをカウンターカチオンとするカルボン酸塩に関する記載はあるが、特許文献5とあわせ、硫酸塩等のアニオンをカウンターイオンとする酸性塩に関しては何ら記載されていない。当然、酸性塩の結晶や結晶多形現象に関しても何ら記載されていない。
キマーゼ(chymase)はマストセル(mast cell)顆粒中に存在する中性プロテアーゼの一つであり、マストセルが関与する様々な生体反応に深く関与している。例えばマストセルからの脱顆粒促進、インターロイキン−1−β(Interleukin−1β,IL−1β)の活性化、マトリックスプロテアーゼ(matrix protease)の活性化、フィブロネクチンやIV 型コラーゲンの分解、トランスフォーミングファクター−β(Transforming growth factor−β,TGF − β)の遊離促進、サブスタンスP(substance P)やバソアクティブインテスティナルポリペプチド(bathoactive intestinal polypeptide,VIP)の活性化、アンジオテンシン(Angiotensin,Ang)IからAngIIへの変換作用、及びエンドセリン(Endothelin)変換作用等多様な作用が報告されている。以上のことから、該キマーゼに対する活性阻害剤は、気管支喘息等の呼吸器疾患;アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹等の炎症/アレルギー疾患;硬化性血管病変、血管内狭窄、末梢循環障害、腎不全、心不全等の循環器疾患;リウマチ、変形性関節症等の骨/軟骨代謝疾患等に対する予防剤及び/又は治療剤として有望と考えられる。
特開昭62−226980号公報 特開昭64−71816号公報 国際公開第00/03997号パンフレット 国際公開第01/53291号パンフレット 国際公開第2004/101551号パンフレット
一般的に、医薬原薬の製造において、原薬を結晶状態で得ることは、原薬及び医薬組成物の保存安定性や製造工程のコントロール等において有利である。
さらに2つ以上の結晶形が存在する化合物を医薬品として利用する場合、それぞれの結晶によって、その融点、溶解度、又は安定性等の物理化学的及び体内動態(吸収性、分布、代謝、又は排泄等)が異なり、結果として薬効発現等の生物学的性質が異なる場合がある。医薬品としてこれらの性質が一定であることを保証するためには、特定の結晶形の原薬を製造することが求められることが多い。また、原薬を製造する過程においても、収率や精製効果を一定に保持するためには晶析操作において特定の結晶形を析出させることがしばしば重要になる。
化合物の構造から結晶多形の有無を予測することは不可能であり、結晶形を見出すことは医薬品開発上重要とされている。
下記式(I)で示される4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸は、特許文献3、特許文献4、及び特許文献5に記載されているように、キマーゼを阻害する作用を有することが知られている。
しかし、特許文献3及び特許文献4には医学上許容される非毒性の塩として、Na+などの金属イオンやアンモニウムイオンなどをカウンターカチオンとするカルボン酸塩に関する記載はあるが、特許文献5とあわせ、硫酸塩等のアニオンをカウンターイオンとする酸性塩に関しては何ら記載されていない。当然、酸性塩の結晶や結晶多形現象に関しても何ら記載されていない。
キマーゼ(chymase)はマストセル(mast cell)顆粒中に存在する中性プロテアーゼの一つであり、マストセルが関与する様々な生体反応に深く関与している。例えばマストセルからの脱顆粒促進、インターロイキン−1−β(Interleukin−1β,IL−1β)の活性化、マトリックスプロテアーゼ(matrix protease)の活性化、フィブロネクチンやIV 型コラーゲンの分解、トランスフォーミングファクター−β(Transforming growth factor−β,TGF − β)の遊離促進、サブスタンスP(substance P)やバソアクティブインテスティナルポリペプチド(bathoactive intestinal polypeptide,VIP)の活性化、アンジオテンシン(Angiotensin,Ang)IからAngIIへの変換作用、及びエンドセリン(Endothelin)変換作用等多様な作用が報告されている。以上のことから、該キマーゼに対する活性阻害剤は、気管支喘息等の呼吸器疾患;アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹等の炎症/アレルギー疾患;硬化性血管病変、血管内狭窄、末梢循環障害、腎不全、心不全等の循環器疾患;リウマチ、変形性関節症等の骨/軟骨代謝疾患等に対する予防剤及び/又は治療剤として有望と考えられる。
本発明の目的は、4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の硫酸塩、塩酸塩、メタンスルホン酸塩等の酸性塩、及びそれらの結晶を提供することである。
また本発明の目的は、キマーゼ阻害活性を有し、炎症疾患、アレルギー疾患、呼吸器疾患、循環器疾患、骨・軟骨代謝疾患の予防剤及び/又は治療剤を提供することである。
本発明者らは鋭意研究した結果、4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸には硫酸塩、塩酸塩、メタンスルホン酸塩等の酸性塩が存在すること、このうち硫酸塩には5種の結晶形が、塩酸塩には3種の結晶形が、メタンスルホン酸塩には5種の結晶形が存在すること、さらに、これらの結晶はいずれも本発明の医薬組成物の原体もしくはその製造中間物として好適であることを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明は、下記である。
(1)4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸酸性塩。
(2)4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸酸性塩の結晶。
(3)4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸酸性塩が、硫酸塩、塩酸塩またはメタンスルホン酸塩である(1)に記載の塩。
(4)4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸酸性塩が、硫酸塩、塩酸塩またはメタンスルホン酸塩である(2)に記載の結晶。
(5)下記式(I)で表される4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸硫酸塩の結晶。
(6)反射角度2θで表わして、ほぼ5.3°、11.7°、15.9°、21.9°、23.1°、及び27.5°付近に特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを示す、(5)に記載の硫酸塩の結晶(SA晶)。
(7)ほぼ図1で示される粉末X線回折パターンを示す(5)に記載の硫酸塩の結晶(SA晶)。
(8)反射角度2θで表わして、ほぼ11.4、13.8°、15.9°、16.6°及び22.8°付近に特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを示す、(5)に記載の硫酸塩の結晶(SB晶)。
(9)ほぼ図2で示される粉末X線回折パターンを示す(5)に記載の硫酸塩の結晶(SB晶)。
(10)反射角度2θで表わして、ほぼ8.1°、13.5°、22.0°、22.8°、及び24.2°付近に特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを示す、(5)に記載の硫酸塩の結晶(SC晶)。
(11)ほぼ図3で示される粉末X線回折パターンを示す(5)に記載の硫酸塩の結晶(SC晶)。
(12)反射角度2θで表わして、ほぼ12.9°、21.2°、22.9°、24.7°、及び27.3°付近に特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを示す、(5)に記載の硫酸塩の結晶(SF晶)。
(13)ほぼ図4で示される粉末X線回折パターンを示す(5)に記載の硫酸塩の結晶(SF晶)。
(14)反射角度2θで表わして、ほぼ12.2°、13.5°、18.5°、22.4°、及び23.7°付近に特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを示す、(5)に記載の硫酸塩の結晶(SG晶)。
(15)ほぼ図5で示される粉末X線回折パターンを示す(5)に記載の硫酸塩の結晶(SG晶)。
(16)臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、波数がほぼ1715、1456、1203、1067、880、及び756cm−1付近にピークを有する(5)に記載の硫酸塩の結晶(SA晶)。
(17)臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、図6で示される吸収パターンを示す(5)に記載の硫酸塩の結晶(SA晶)。
(18)臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、波数がほぼ1709、1468、1230、1163、1063、862、及び754cm−1付近にピークを有する(5)に記載の硫酸塩の結晶(SB晶)。
(19)臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、図7で示される吸収パターンを示す(5)に記載の硫酸塩の結晶(SB晶)。
(20)臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、波数がほぼ1705、1459、1325、1238、1152、1065、874、及び762cm−1にピークを有する(5)に記載の硫酸塩の結晶(SC晶)。
(21)臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、図8で示される吸収パターンを示す(5)に記載の硫酸塩の結晶(SC晶)。
(22)臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、波数がほぼ1726、1459、1316、1248、1154、1046、869、及び768cm−1付近にピークを有する(5)に記載の硫酸塩の結晶(SF晶)。
(23)臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、図9で示される吸収パターンを示す(5)に記載の硫酸塩の結晶(SF晶)。
(24)臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、波数がほぼ1709、1467、1317、1234、1152、1065、872、及び761cm−1付近にピークを有する(5)に記載の硫酸塩の結晶(SG晶)。
(25)臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、図10で示される吸収パターンを示す(5)に記載の硫酸塩の結晶(SG晶)。
(26)下記式(II)で表される4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸塩酸塩の結晶。
(27)反射角度2θで表わして、ほぼ7.0°、7.8°、22.7°、24.1°、及び26.2°付近に特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを示す、(26)に記載の塩酸塩の結晶(HA晶)。
(28)ほぼ図11で示される粉末X線回折パターンを示す(26)に記載の塩酸塩の結晶(HA晶)。
(29)反射角度2θで表わして、ほぼ8.5、11.9°、19.7°、及び21.2°付近に特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを示す、(26)に記載の塩酸塩の結晶(HB晶)。
(30)ほぼ図12で示される粉末X線回折パターンを示す(26)に記載の塩酸塩の結晶(HB晶)。
(31)反射角度2θで表わして、ほぼ7.9°、11.5°、14.4°、及び16.8°付近に特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを示す、(26)に記載の塩酸塩の結晶(HC晶)。
(32)ほぼ図13で示される粉末X線回折パターンを示す(26)に記載の塩酸塩の結晶(HC晶)。
(33)臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、波数がほぼ1712、1465、1253、1184、1116、872、及び752cm−1付近にピークを有する(26)に記載の塩酸塩の結晶(HA晶)。
(34)臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、図14で示される吸収パターンを示す(26)に記載の塩酸塩の結晶(HA晶)。
(35)臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、波数がほぼ1708、1458、1242、1103、1028、881、及び760cm−1付近にピークを有する(26)に記載の塩酸塩の結晶(HB晶)。
(36)臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、図15で示される吸収パターンを示す(26)に記載の塩酸塩の結晶(HB晶)。
(37)臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、波数がほぼ1707、1461、1182、1032、及び754cm−1にピークを有する(26)に記載の塩酸塩の結晶(HC晶)。
(38)臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、図16で示される吸収パターンを示す(26)に記載の塩酸塩の結晶(HC晶)。
(39)下記式(III)で表される4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸メタンスルホン酸塩の結晶。
(40)反射角度2θで表わして、ほぼ6.6°、18.4°、及び21.3°付近に特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを示す、(39)に記載のメタンスルホン酸塩の結晶(MA晶)。
(41)ほぼ図17で示される粉末X線回折パターンを示す(39)に記載のメタンスルホン酸塩の結晶(MA晶)。
(42)反射角度2θで表わして、ほぼ8.3°、9.6°、13.7°及び25.0°付近に特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを示す、(39)に記載のメタンスルホン酸塩の結晶(MB晶)。
(43)ほぼ図18で示される粉末X線回折パターンを示す(39)に記載のメタンスルホン酸塩の結晶(MB晶)。
(44)反射角度2θで表わして、ほぼ6.1°、12.4°、18.2°、20.7°、及び24.2°付近に特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを示す、(39)に記載のメタンスルホン酸塩の結晶(MC晶)。
(45)ほぼ図19で示される粉末X線回折パターンを示す(39)に記載のメタンスルホン酸塩の結晶(MC晶)。
(46)反射角度2θで表わして、ほぼ9.1°、12.6°、14.7°、及び25.3°付近に特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを示す、(39)に記載のメタンスルホン酸塩の結晶(MD晶)。
(47)ほぼ図20で示される粉末X線回折パターンを示す(39)に記載のメタンスルホン酸塩の結晶(MD晶)。
(48)反射角度2θで表わして、ほぼ8.7°、18.9°、及び22.6°付近に特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを示す、(39)に記載のメタンスルホン酸塩の結晶(ME晶)。
(49)ほぼ図21で示される粉末X線回折パターンを示す、(39)に記載のメタンスルホン酸塩の結晶(ME晶)。
(50)臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、波数がほぼ1720、1707、1467、1309、1218、1196、1151、1043、及び773cm−1付近にピークを有する(39)に記載のメタンスルホン酸塩の結晶(MA晶)。
(51)臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、図22で示される吸収パターンを示す(39)に記載のメタンスルホン酸塩の結晶(MA晶)。
(52)臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、波数がほぼ1724、1457、1247、1211、1173、1025、及び777cm−1付近にピークを有する(39)に記載のメタンスルホン酸塩の結晶(MB晶)。
(53)臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、図23で示される吸収パターンを示す(39)に記載のメタンスルホン酸塩の結晶(MB晶)。
(54)臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、波数がほぼ1728、1705、1468、1365、1213、1186、1149、1041、881、及び773cm−1にピークを有する(39)に記載のメタンスルホン酸塩の結晶(MC晶)。
(55)臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、図24で示される吸収パターンを示す(39)に記載のメタンスルホン酸塩の結晶(MC晶)。
(56)臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、波数がほぼ1716、1461、1240、1136、1041、1041、及び764cm−1付近にピークを有する(39)に記載のメタンスルホン酸塩の結晶(MD晶)。
(57)臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、図25で示される吸収パターンを示す(39)に記載のメタンスルホン酸塩の結晶(MD晶)。
(58)臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、波数がほぼ1714、1464、1216、1037、874、及び771cm−1付近にピークを有する(39)に記載のメタンスルホン酸塩の結晶(ME晶)。
(59)臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、図26で示される吸収パターンを示す(39)に記載のメタンスルホン酸塩の結晶(ME晶)。
(60)(1)または(2)に記載の4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の酸性塩またはその結晶を有効成分として含有する医薬組成物。
(61)該酸性塩が、硫酸塩、塩酸塩、またはメタンスルホン酸塩である、(60)に記載の医薬組成物。
(62)(1)または(2)に記載の4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の酸性塩またはその結晶を有効成分として含有するキマーゼ阻害剤。
(63)該酸性塩が、硫酸塩、塩酸塩、またはメタンスルホン酸塩である、(62)に記載のキマーゼ阻害剤。
(64)(1)または(2)に記載の4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の酸性塩またはその結晶を有効成分として含有する炎症疾患、アレルギー疾患、呼吸器疾患、循環器疾患、又は骨・軟骨代謝疾患の予防剤及び/又は治療剤。
(65)該酸性塩が、硫酸塩、塩酸塩、またはメタンスルホン酸塩である、(64)に記載の予防剤及び/又は治療剤。
(66)(5)〜(25)のいずれかに記載の硫酸塩の結晶またはそれらより選ばれる2種以上の混合物を有効成分として含有する医薬組成物。
(67)(5)〜(25)のいずれかに記載の硫酸塩の結晶またはそれらより選ばれる2種以上の混合物を有効成分として含有するキマーゼ阻害剤。
(68)(5)〜(25)のいずれかに記載の硫酸塩の結晶またはそれらより選ばれる2種以上の混合物を有効成分として含有する炎症疾患、アレルギー疾患、呼吸器疾患、循環器疾患、又は骨・軟骨代謝疾患の予防剤及び/又は治療剤。
(69)(26)〜(38)のいずれかに記載の塩酸塩の結晶またはそれらより選ばれる2種以上の混合物を有効成分として含有する医薬組成物。
(70)(26)〜(38)のいずれかに記載の塩酸塩の結晶またはそれらより選ばれる2種以上の混合物を有効成分として含有するキマーゼ阻害剤。
(71)(26)〜(38)のいずれかに記載の塩酸塩の結晶またはそれらより選ばれる2種以上の混合物を有効成分として含有する炎症疾患、アレルギー疾患、呼吸器疾患、循環器疾患、又は骨・軟骨代謝疾患の予防剤及び/又は治療剤。
(72)(39)〜(59)のいずれかに記載のメタンスルホン酸塩の結晶またはそれらより選ばれる2種以上の混合物を有効成分として含有する医薬組成物。
(73)(39)〜(59)のいずれかに記載のメタンスルホン酸塩の結晶またはそれらより選ばれる2種以上の混合物を有効成分として含有するキマーゼ阻害剤。
(74)(39)〜(59)のいずれかに記載のメタンスルホン酸塩の結晶またはそれらより選ばれる2種以上の混合物を有効成分として含有する炎症疾患、アレルギー疾患、呼吸器疾患、循環器疾患、又は骨・軟骨代謝疾患の予防剤及び/又は治療剤。
(75)(5)〜(59)のいずれかに記載の結晶またはそれらより選ばれる2種以上の混合物を有効成分として含有する医薬組成物。
(76)(5)〜(59)のいずれかに記載の結晶またはそれらより選ばれる2種以上の混合物を有効成分として含有するキマーゼ阻害剤。
(77)(5)〜(59)のいずれかに記載の結晶またはそれらより選ばれる2種以上の混合物を有効成分として含有する炎症疾患、アレルギー疾患、呼吸器疾患、循環器疾患、又は骨・軟骨代謝疾患の予防剤及び/又は治療剤。
また本発明の目的は、キマーゼ阻害活性を有し、炎症疾患、アレルギー疾患、呼吸器疾患、循環器疾患、骨・軟骨代謝疾患の予防剤及び/又は治療剤を提供することである。
本発明者らは鋭意研究した結果、4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸には硫酸塩、塩酸塩、メタンスルホン酸塩等の酸性塩が存在すること、このうち硫酸塩には5種の結晶形が、塩酸塩には3種の結晶形が、メタンスルホン酸塩には5種の結晶形が存在すること、さらに、これらの結晶はいずれも本発明の医薬組成物の原体もしくはその製造中間物として好適であることを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明は、下記である。
(1)4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸酸性塩。
(2)4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸酸性塩の結晶。
(3)4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸酸性塩が、硫酸塩、塩酸塩またはメタンスルホン酸塩である(1)に記載の塩。
(4)4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸酸性塩が、硫酸塩、塩酸塩またはメタンスルホン酸塩である(2)に記載の結晶。
(5)下記式(I)で表される4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸硫酸塩の結晶。
(6)反射角度2θで表わして、ほぼ5.3°、11.7°、15.9°、21.9°、23.1°、及び27.5°付近に特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを示す、(5)に記載の硫酸塩の結晶(SA晶)。
(7)ほぼ図1で示される粉末X線回折パターンを示す(5)に記載の硫酸塩の結晶(SA晶)。
(8)反射角度2θで表わして、ほぼ11.4、13.8°、15.9°、16.6°及び22.8°付近に特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを示す、(5)に記載の硫酸塩の結晶(SB晶)。
(9)ほぼ図2で示される粉末X線回折パターンを示す(5)に記載の硫酸塩の結晶(SB晶)。
(10)反射角度2θで表わして、ほぼ8.1°、13.5°、22.0°、22.8°、及び24.2°付近に特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを示す、(5)に記載の硫酸塩の結晶(SC晶)。
(11)ほぼ図3で示される粉末X線回折パターンを示す(5)に記載の硫酸塩の結晶(SC晶)。
(12)反射角度2θで表わして、ほぼ12.9°、21.2°、22.9°、24.7°、及び27.3°付近に特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを示す、(5)に記載の硫酸塩の結晶(SF晶)。
(13)ほぼ図4で示される粉末X線回折パターンを示す(5)に記載の硫酸塩の結晶(SF晶)。
(14)反射角度2θで表わして、ほぼ12.2°、13.5°、18.5°、22.4°、及び23.7°付近に特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを示す、(5)に記載の硫酸塩の結晶(SG晶)。
(15)ほぼ図5で示される粉末X線回折パターンを示す(5)に記載の硫酸塩の結晶(SG晶)。
(16)臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、波数がほぼ1715、1456、1203、1067、880、及び756cm−1付近にピークを有する(5)に記載の硫酸塩の結晶(SA晶)。
(17)臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、図6で示される吸収パターンを示す(5)に記載の硫酸塩の結晶(SA晶)。
(18)臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、波数がほぼ1709、1468、1230、1163、1063、862、及び754cm−1付近にピークを有する(5)に記載の硫酸塩の結晶(SB晶)。
(19)臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、図7で示される吸収パターンを示す(5)に記載の硫酸塩の結晶(SB晶)。
(20)臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、波数がほぼ1705、1459、1325、1238、1152、1065、874、及び762cm−1にピークを有する(5)に記載の硫酸塩の結晶(SC晶)。
(21)臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、図8で示される吸収パターンを示す(5)に記載の硫酸塩の結晶(SC晶)。
(22)臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、波数がほぼ1726、1459、1316、1248、1154、1046、869、及び768cm−1付近にピークを有する(5)に記載の硫酸塩の結晶(SF晶)。
(23)臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、図9で示される吸収パターンを示す(5)に記載の硫酸塩の結晶(SF晶)。
(24)臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、波数がほぼ1709、1467、1317、1234、1152、1065、872、及び761cm−1付近にピークを有する(5)に記載の硫酸塩の結晶(SG晶)。
(25)臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、図10で示される吸収パターンを示す(5)に記載の硫酸塩の結晶(SG晶)。
(26)下記式(II)で表される4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸塩酸塩の結晶。
(27)反射角度2θで表わして、ほぼ7.0°、7.8°、22.7°、24.1°、及び26.2°付近に特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを示す、(26)に記載の塩酸塩の結晶(HA晶)。
(28)ほぼ図11で示される粉末X線回折パターンを示す(26)に記載の塩酸塩の結晶(HA晶)。
(29)反射角度2θで表わして、ほぼ8.5、11.9°、19.7°、及び21.2°付近に特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを示す、(26)に記載の塩酸塩の結晶(HB晶)。
(30)ほぼ図12で示される粉末X線回折パターンを示す(26)に記載の塩酸塩の結晶(HB晶)。
(31)反射角度2θで表わして、ほぼ7.9°、11.5°、14.4°、及び16.8°付近に特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを示す、(26)に記載の塩酸塩の結晶(HC晶)。
(32)ほぼ図13で示される粉末X線回折パターンを示す(26)に記載の塩酸塩の結晶(HC晶)。
(33)臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、波数がほぼ1712、1465、1253、1184、1116、872、及び752cm−1付近にピークを有する(26)に記載の塩酸塩の結晶(HA晶)。
(34)臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、図14で示される吸収パターンを示す(26)に記載の塩酸塩の結晶(HA晶)。
(35)臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、波数がほぼ1708、1458、1242、1103、1028、881、及び760cm−1付近にピークを有する(26)に記載の塩酸塩の結晶(HB晶)。
(36)臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、図15で示される吸収パターンを示す(26)に記載の塩酸塩の結晶(HB晶)。
(37)臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、波数がほぼ1707、1461、1182、1032、及び754cm−1にピークを有する(26)に記載の塩酸塩の結晶(HC晶)。
(38)臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、図16で示される吸収パターンを示す(26)に記載の塩酸塩の結晶(HC晶)。
(39)下記式(III)で表される4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸メタンスルホン酸塩の結晶。
(40)反射角度2θで表わして、ほぼ6.6°、18.4°、及び21.3°付近に特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを示す、(39)に記載のメタンスルホン酸塩の結晶(MA晶)。
(41)ほぼ図17で示される粉末X線回折パターンを示す(39)に記載のメタンスルホン酸塩の結晶(MA晶)。
(42)反射角度2θで表わして、ほぼ8.3°、9.6°、13.7°及び25.0°付近に特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを示す、(39)に記載のメタンスルホン酸塩の結晶(MB晶)。
(43)ほぼ図18で示される粉末X線回折パターンを示す(39)に記載のメタンスルホン酸塩の結晶(MB晶)。
(44)反射角度2θで表わして、ほぼ6.1°、12.4°、18.2°、20.7°、及び24.2°付近に特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを示す、(39)に記載のメタンスルホン酸塩の結晶(MC晶)。
(45)ほぼ図19で示される粉末X線回折パターンを示す(39)に記載のメタンスルホン酸塩の結晶(MC晶)。
(46)反射角度2θで表わして、ほぼ9.1°、12.6°、14.7°、及び25.3°付近に特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを示す、(39)に記載のメタンスルホン酸塩の結晶(MD晶)。
(47)ほぼ図20で示される粉末X線回折パターンを示す(39)に記載のメタンスルホン酸塩の結晶(MD晶)。
(48)反射角度2θで表わして、ほぼ8.7°、18.9°、及び22.6°付近に特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを示す、(39)に記載のメタンスルホン酸塩の結晶(ME晶)。
(49)ほぼ図21で示される粉末X線回折パターンを示す、(39)に記載のメタンスルホン酸塩の結晶(ME晶)。
(50)臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、波数がほぼ1720、1707、1467、1309、1218、1196、1151、1043、及び773cm−1付近にピークを有する(39)に記載のメタンスルホン酸塩の結晶(MA晶)。
(51)臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、図22で示される吸収パターンを示す(39)に記載のメタンスルホン酸塩の結晶(MA晶)。
(52)臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、波数がほぼ1724、1457、1247、1211、1173、1025、及び777cm−1付近にピークを有する(39)に記載のメタンスルホン酸塩の結晶(MB晶)。
(53)臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、図23で示される吸収パターンを示す(39)に記載のメタンスルホン酸塩の結晶(MB晶)。
(54)臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、波数がほぼ1728、1705、1468、1365、1213、1186、1149、1041、881、及び773cm−1にピークを有する(39)に記載のメタンスルホン酸塩の結晶(MC晶)。
(55)臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、図24で示される吸収パターンを示す(39)に記載のメタンスルホン酸塩の結晶(MC晶)。
(56)臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、波数がほぼ1716、1461、1240、1136、1041、1041、及び764cm−1付近にピークを有する(39)に記載のメタンスルホン酸塩の結晶(MD晶)。
(57)臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、図25で示される吸収パターンを示す(39)に記載のメタンスルホン酸塩の結晶(MD晶)。
(58)臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、波数がほぼ1714、1464、1216、1037、874、及び771cm−1付近にピークを有する(39)に記載のメタンスルホン酸塩の結晶(ME晶)。
(59)臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、図26で示される吸収パターンを示す(39)に記載のメタンスルホン酸塩の結晶(ME晶)。
(60)(1)または(2)に記載の4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の酸性塩またはその結晶を有効成分として含有する医薬組成物。
(61)該酸性塩が、硫酸塩、塩酸塩、またはメタンスルホン酸塩である、(60)に記載の医薬組成物。
(62)(1)または(2)に記載の4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の酸性塩またはその結晶を有効成分として含有するキマーゼ阻害剤。
(63)該酸性塩が、硫酸塩、塩酸塩、またはメタンスルホン酸塩である、(62)に記載のキマーゼ阻害剤。
(64)(1)または(2)に記載の4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の酸性塩またはその結晶を有効成分として含有する炎症疾患、アレルギー疾患、呼吸器疾患、循環器疾患、又は骨・軟骨代謝疾患の予防剤及び/又は治療剤。
(65)該酸性塩が、硫酸塩、塩酸塩、またはメタンスルホン酸塩である、(64)に記載の予防剤及び/又は治療剤。
(66)(5)〜(25)のいずれかに記載の硫酸塩の結晶またはそれらより選ばれる2種以上の混合物を有効成分として含有する医薬組成物。
(67)(5)〜(25)のいずれかに記載の硫酸塩の結晶またはそれらより選ばれる2種以上の混合物を有効成分として含有するキマーゼ阻害剤。
(68)(5)〜(25)のいずれかに記載の硫酸塩の結晶またはそれらより選ばれる2種以上の混合物を有効成分として含有する炎症疾患、アレルギー疾患、呼吸器疾患、循環器疾患、又は骨・軟骨代謝疾患の予防剤及び/又は治療剤。
(69)(26)〜(38)のいずれかに記載の塩酸塩の結晶またはそれらより選ばれる2種以上の混合物を有効成分として含有する医薬組成物。
(70)(26)〜(38)のいずれかに記載の塩酸塩の結晶またはそれらより選ばれる2種以上の混合物を有効成分として含有するキマーゼ阻害剤。
(71)(26)〜(38)のいずれかに記載の塩酸塩の結晶またはそれらより選ばれる2種以上の混合物を有効成分として含有する炎症疾患、アレルギー疾患、呼吸器疾患、循環器疾患、又は骨・軟骨代謝疾患の予防剤及び/又は治療剤。
(72)(39)〜(59)のいずれかに記載のメタンスルホン酸塩の結晶またはそれらより選ばれる2種以上の混合物を有効成分として含有する医薬組成物。
(73)(39)〜(59)のいずれかに記載のメタンスルホン酸塩の結晶またはそれらより選ばれる2種以上の混合物を有効成分として含有するキマーゼ阻害剤。
(74)(39)〜(59)のいずれかに記載のメタンスルホン酸塩の結晶またはそれらより選ばれる2種以上の混合物を有効成分として含有する炎症疾患、アレルギー疾患、呼吸器疾患、循環器疾患、又は骨・軟骨代謝疾患の予防剤及び/又は治療剤。
(75)(5)〜(59)のいずれかに記載の結晶またはそれらより選ばれる2種以上の混合物を有効成分として含有する医薬組成物。
(76)(5)〜(59)のいずれかに記載の結晶またはそれらより選ばれる2種以上の混合物を有効成分として含有するキマーゼ阻害剤。
(77)(5)〜(59)のいずれかに記載の結晶またはそれらより選ばれる2種以上の混合物を有効成分として含有する炎症疾患、アレルギー疾患、呼吸器疾患、循環器疾患、又は骨・軟骨代謝疾患の予防剤及び/又は治療剤。
第1図は本発明の硫酸塩SA晶のXRD図、第2図は本発明の硫酸塩SB晶のXRD図、第3図は本発明の硫酸塩SC晶のXRD図、第4図は本発明の硫酸塩SF晶のXRD図、第5図は本発明の硫酸塩SG晶のXRD図、第6図は本発明の硫酸塩SA晶のIR図、第7図は本発明の硫酸塩SB晶のIR図、第8図は本発明の硫酸塩SC晶のIR図、第9図は本発明の硫酸塩SF晶のIR図、第10図は本発明の硫酸塩SG晶のIR図、第11図は本発明の塩酸塩HA晶のXRD図、第12図は本発明の塩酸塩HB晶のXRD図、第13図は本発明の塩酸塩HC晶のXRD図、第14図は本発明の塩酸塩HA晶のIR図、第15図は本発明の塩酸塩HB晶のIR図、第16図は本発明の塩酸塩HC晶のIR図、第17図は本発明のメタンスルホン酸塩MA晶のXRD図、第18図は本発明のメタンスルホン酸塩MB晶のXRD図、第19図は本発明のメタンスルホン酸塩MC晶のXRD図、第20図は本発明のメタンスルホン酸塩MD晶のXRD図、第21図は本発明のメタンスルホン酸塩ME晶のXRD図、第22図は本発明のメタンスルホン酸塩MA晶のIR図、第23図は本発明のメタンスルホン酸塩MB晶のIR図、第24図は本発明のメタンスルホン酸塩MC晶のIR図、第25図は本発明のメタンスルホン酸塩MD晶のIR図、第26図は本発明のメタンスルホン酸塩ME晶のIR図である。
本発明の4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の硫酸塩、塩酸塩もしくはメタンスルホン酸塩は、(4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸のアニオン塩、すなわち酸性塩である。本発明における4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の硫酸塩、塩酸塩もしくはメタンスルホン酸塩以外の酸性塩としては、リン酸塩、マレイン酸塩が挙げられる。
本発明の4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の硫酸塩、塩酸塩もしくはメタンスルホン酸塩などの酸性塩、及びその結晶はヒトキマーゼ活性を強く阻害する。具体的にはIC50=1nM以上、10nM以下である。このような優れたヒトキマーゼ阻害活性を有し、かつ水性溶媒への溶解度が高い4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の硫酸塩、塩酸塩もしくはメタンスルホン酸塩などの酸性塩、及びその結晶は、種々の疾患に対する臨床応用可能な予防剤及び/又は治療剤として使用することが可能である。
本発明の結晶は、粉末X線回折パターン及び/又は臭化カリウム中の赤外吸収ピーク等によって特徴付けられる。これらの結晶は、特徴的なX線粉末回折パターン(XRD)を示し、それぞれの結晶は特異的な2θ値を有する。また、これらの結晶は、赤外分光分析(IR)においても、それぞれに特徴的な吸収パターンを示す。
本発明の硫酸塩SA晶は、粉末X線回折パターンが反射角度2θで表わしてほぼ5.3°、11.7°、15.9°、21.9°、23.1°、及び27.5°である。さらに詳細には、表1で表された特徴的なピークを有するX線粉末回折パターンを示す(図1参照)。表中の粉末X線回折パターン強度において、Imaxは各結晶の最も強度が強いピーク強度を示し、Iは各ピークの強度を表す。なお、粉末X線回折パターンの2θ値は、試料状態や測定条件によって、0.5°程度は変動しうる。粉末X線回折はデータの性質上、結晶の同一性認定においては、全体的なパターンが重要であり、相対強度は結晶成長の方向、粒子の大きさ、測定条件によって、多少変わりうるものであるから、厳密に解されるべきではない。
本発明の硫酸塩SB晶は、粉末X線回折パターンが反射角度2θで表わして、ほぼ11.4、13.8°、15.9°、16.6°及び22.8°であり、さらに詳細には表2で表された特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを示す(図2参照)。
本発明の硫酸塩SC晶は、粉末X線回折パターンが反射角度2θで表わして、ほぼ8.1°、13.5°、22.0°、22.8°、及び24.2°であり、さらに詳細には表3で表した特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを示す(図3参照)。
本発明の硫酸塩SF晶は、粉末X線回折パターンが反射角度2θで表わして、ほぼ12.9°、21.2°、22.9°、24.7°、及び27.3°であり、さらに詳細には表4で表した特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを示す(図4参照)。
本発明の硫酸塩SG晶は、粉末X線回折パターンが反射角度2θで表わして、ほぼ12.2°、13.5°、18.5°、22.4°、及び23.7°であり、さらに詳細には表4で表した特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを示す(図5参照)。
本発明の硫酸塩SA晶は、赤外分光分析によれば、波数がほぼ1715、1456、1203、1067、880、及び756cm−1にピークを有する(図6参照)。
本発明の硫酸塩SB晶は、波数がほぼ1709、1468、1230、1163、1063、862、及び754cm−1にピークを有する(図7参照)。
本発明の硫酸塩SC晶は、波数がほぼ1705、1459、1325、1238、1152、1065、874、及び762cm−1にピークを有する(図8参照)。
本発明の硫酸塩SF晶は、波数がほぼ1726、1459、1316、1248、1154、1046、869、及び768cm−1にピークを有する(図9参照)。
本発明の硫酸塩SG晶は、波数がほぼ1709、1467、1317、1234、1152、1065、872、及び761cm−1にピークを有する(図10参照)。
なお、本発明の赤外分光分析による波数については、測定条件およびサンプルの条件等により、5cm−1程度は変動しうる。
本発明の塩酸塩HA晶は、粉末X線回折パターンが反射角度2θで表わしてほぼ7.0°、7.8°、22.7°、24.1°、及び26.2°である。さらに詳細には、表6で表された特徴的なピークを有するX線粉末回折パターンを示す(図11参照)。
本発明の塩酸塩HB晶は、粉末X線回折パターンが反射角度2θで表わして、ほぼ8.5、11.9°、19.7°、及び21.2°であり、さらに詳細には表7で表された特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを示す(図12参照)。
本発明の塩酸塩HC晶は、粉末X線回折パターンが反射角度2θで表わして、ほぼ7.9°、11.5°、14.4°、及び16.8°であり、さらに詳細には表8で表した特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを示す(図13参照)。
本発明の塩酸塩HA晶は、赤外分光分析によれば、波数がほぼ1712、1465、1253、1184、1116、872、及び752cm−1にピークを有する(図14参照)。
本発明の塩酸塩HB晶は、波数がほぼ1708、1458、1242、1103、1028、881、及び760cm−1にピークを有する(図15参照)。
本発明の塩酸塩HC晶は、波数がほぼ1707、1461、1182、1032、及び754cm−1にピークを有する(図16参照)。
本発明のメタンスルホン酸塩MA晶は、粉末X線回折パターンが反射角度2θで表わしてほぼ6.6°、18.4°、及び21.3°である。さらに詳細には、表9で表された特徴的なピークを有するX線粉末回折パターンを示す(図17参照)。
本発明のメタンスルホン酸塩MB晶は、粉末X線回折パターンが反射角度2θで表わして、ほぼ8.3°、9.6°、13.7°及び25.0°であり、さらに詳細には表10で表された特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを示す(図18参照)。
本発明のメタンスルホン酸塩MC晶は、粉末X線回折パターンが反射角度2θで表わして、ほぼ6.1°、12.4°、18.2°、20.7°、及び24.2°であり、さらに詳細には表11で表した特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを示す(図19参照)。
本発明のメタンスルホン酸塩MD晶は、粉末X線回折パターンが反射角度2θで表わして、ほぼ9.1°、12.6°、14.7°、及び25.3°であり、さらに詳細には表12で表した特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを示す(図20参照)。
本発明のメタンスルホン酸塩ME晶は、粉末X線回折パターンが反射角度2θで表わして、ほぼ8.7°、18.9°、及び22.6°であり、さらに詳細には表13で表した特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを示す(図21参照)。
本発明のメタンスルホン酸塩MA晶は、赤外分光分析によれば、波数がほぼ1720、1707、1467、1309、1218、1196、1151、1043、及び773cm−1にピークを有する(図22参照)。
本発明のメタンスルホン酸塩MB晶は、波数がほぼ1724、1457、1247、1211、1173、1025、及び777cm−1にピークを有する(図23参照)。
本発明のメタンスルホン酸塩MC晶は、波数がほぼ1728、1705、1468、1365、1213、1186、1149、1041、881、及び773cm−1にピークを有する(図24参照)。
本発明のメタンスルホン酸塩MD晶は、波数がほぼ1716、1461、1240、1136、1041、1041、及び764cm−1にピークを有する(図25参照)。
本発明のメタンスルホン酸塩ME晶は、波数がほぼ1714、1464、1216、1037、874、及び771cm−1にピークを有する(図25参照)。
本発明の3種の酸性塩及びその結晶はそれぞれ、種々の製造方法で取得することができるが、その典型的な例を以下に示す。
なお、酸性塩とする前の化合物、4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸は、特許文献3又は特許文献4に記載の方法などで合成できる。例えば、3−ブロモメチル−4−メチルベンゾチオフェンと4−(ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸メチルとを3級アミンなどのアルカリの存在下、トルエンなどの炭化水素溶媒中でカップリング反応させて4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸メチルを得る。これをテトラヒドロフラン溶媒中、水酸化ナトリウム水溶液などで加水分解し、中和して4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸を得ることができる。
本発明の、4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の酸性塩は、4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸と溶媒との溶液に、酸を添加することで得られる。(なお、酸は各種溶媒の溶液として添加してもよいし、塩化水素はガスを吹き込んでもよい。)このとき、溶媒の種類、濃度、温度などの条件によって、不飽和溶液であれば、酸性塩が溶液状態で得られ、過飽和溶液であれば、直ちに結晶として析出する場合もあるし、溶液状態を維持する場合もある。過飽和や不飽和状態は、当業者であれば、溶媒、濃度、または温度などの条件によって、適宜成しうるものである。溶液状態の場合は、これを濃縮する、冷却する、あるいは貧溶媒を添加するなどの方法によって、酸性塩を結晶として析出させることができる。
それぞれの酸性塩における各結晶形間の安定性順位については、混合晶を溶媒媒介転移させて確認することができるが、溶媒の種類、温度によって入れ替わることがある。硫酸塩においては、溶解性が高い溶媒(例えば、酢酸)を主成分とする溶媒中では、SC晶、SA晶、SB晶はこの順に安定性が高い。SF晶とSA晶とは安定が接近しており、温度によって安定性が逆転する。SG晶はSF晶より安定性が低く、SF晶への転移とSC晶への直接転移とが確認されている。SC晶はこれら4つの結晶形より安定である。塩酸塩においては、HB晶が他の結晶形より安定である。メタンスルホン酸塩においては、安定性が溶媒種に依存しており、一概には言えない。
硫酸塩、及びそのSA晶、SB晶、SC晶、SF晶、SG晶はいずれも、先に述べた方法で製造することができる。用いる溶媒としては、アセトン、アニソール、エタノール、ギ酸、ギ酸エチル、クメン、酢酸、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸メチル、プロパン酸、ジエチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、1−ブタノール、2−ブタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ヘプタン、1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノン、2−ブタノン、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、シクロヘキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、2−エトキシエタノール、ヘキサン、ペンタン、メタノール、2−エトキシメタノール、メチルシクロヘキサン、テトラリン、トルエン、キシレン、水、またはこれらより選ばれる2種以上の混合溶媒を挙げることができる。経済的観点や工業的観点からより好ましい溶媒としては、酢酸、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、4−メチル−2−ペンタノン、2−ブタノン、アセトン、テトラヒドロフラン、t−ブチルメチルエーテル、1,4−ジオキサン、アセトニトリル、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールまたはこれらより選ばれる2種以上の混合溶媒を挙げることができる。さらに好ましくは、酢酸、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、4−メチル−2−ペンタノン、2−ブタノン、アセトン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレン、またはこれらより選ばれる2種以上の混合溶媒である。
硫酸塩、及びそのSA晶、SB晶、SC晶、SF晶、SG晶を取得しようとする場合、溶媒量は特に限定されないが、5〜100倍量が好ましく、50倍量以下がより好ましく、さらには20倍量以下が好ましい。ここで1倍量とは、1gの原料(4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸もしくはその硫酸塩)に対して1mLの溶媒量をいう。溶媒量を少なくする目的で好ましく用いられる溶媒としては、4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸もしくはその硫酸塩に対する溶解性の高い溶媒であり、酢酸、テトラヒドロフランなどを挙げることができる。
硫酸塩のSA晶、SB晶、SC晶、又はSF晶を、溶液からの結晶化により取得しようとする場合、目的の結晶と同じ結晶形の種晶を添加することが有効である。その量は通常、原料(4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸もしくはその硫酸塩)の0.01重量%から20重量%程度、好ましくは0.1重量%から10重量%の範囲であり、あらかじめ粉砕しておくことが好ましい。添加する際は、取得しようとする結晶の過飽和領域であることが必要である。
硫酸塩のSF晶は比較的取得しやすく、たとえば、4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸のテトラヒドロフラン溶液に硫酸を添加して結晶化させる方法、あるいは、硫酸塩の酢酸溶液を冷却する方法によって再現性よく結晶化させることができる。このとき、SF晶種晶の添加はより好ましい方法である。
硫酸塩のSG晶はたとえば、4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸硫酸塩の酢酸溶液に、種晶としてSC晶を共存させておき、ヘプタンなどの非極性溶媒を短時間に添加して固化させる方法により取得することができる。また、酢酸、酢酸と2−ブタノンとの混合溶媒、酢酸と4−メチル−2−ペンタノンとの混合溶媒などとの溶液を60〜80℃付近で過飽和状態にし、種晶としてSC晶を添加し、同温度付近で維持することでもSG晶を結晶化させることができる。
硫酸塩のSA晶又はSB晶はたとえば、4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸硫酸塩と、酢酸と2−ブタノンとの混合溶媒、酢酸と4−メチル−2−ペンタノンとの混合溶媒などとの溶液を冷却することで結晶化させることができるが、溶媒中の酢酸の比率が50%未満の場合にSA晶が、50%以上の場合にSB晶が結晶化しやすい。このとき、それぞれの種晶の添加はより好ましい方法である。
硫酸塩のSA晶、SB晶、SF晶、又はSG晶の結晶化が開始した後の温度条件、撹拌条件、濾別までの時間は特に限定されないが、それらの条件が結晶の収率、化学純度、粒度などに影響することがあるので、目的に応じて組み合わせて設定することが好ましい。
硫酸塩のSC晶は、これまで述べた方法での結晶化は必ずしも容易とはいえないが、SA晶、SB晶、SF晶、SG晶、またはそれらより選ばれる2種以上の混合結晶である他の結晶を溶媒に懸濁し、溶媒媒介転移によって取得することができる。
硫酸塩において、SC晶以外の結晶からSC晶への溶媒媒介転移に用いる溶媒としては、アセトン、アニソール、エタノール、ギ酸、ギ酸エチル、クメン、酢酸、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸メチル、プロパン酸、ジエチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、1−ブタノール、2−ブタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ヘプタン、1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノン、2−ブタノン、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、シクロヘキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、2−エトキシエタノール、ヘキサン、ペンタン、メタノール、2−エトキシメタノール、メチルシクロヘキサン、テトラリン、トルエン、キシレン、水、またはこれらより選ばれる2種以上の混合溶媒を挙げることができる。経済的観点や工業的観点からより好ましい溶媒としては、酢酸、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、4−メチル−2−ペンタノン、2−ブタノン、アセトン、テトラヒドロフラン、t−ブチルメチルエーテル、1,4−ジオキサン、アセトニトリル、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールまたはこれらより選ばれる2種以上の混合溶媒を挙げることができる。さらに好ましくは、酢酸、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、4−メチル−2−ペンタノン、2−ブタノン、アセトン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレン、またはこれらより選ばれる2種以上の混合溶媒である。
硫酸塩において、SC晶以外の結晶からSC晶への溶媒媒介転移にかかる時間を短縮するためには、種晶としてSC晶を添加することが有効である。その量は通常、転移させる他の結晶の0.01%から20%程度、好ましくは0.1%から10%の範囲であり、あらかじめ粉砕しておくことが好ましい。種晶はあらかじめ原料に混ぜておいてもよいし、後から懸濁液に添加してもよい。
硫酸塩において、SC晶以外の結晶からSC晶への溶媒媒介転移時の温度は、高いほど転移速度は増加するが、4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸硫酸塩の分解を避けるため、100℃以下に抑えることが好ましい。転移させるときの溶媒量は、転移させる温度において懸濁状態であるように設定する必要があり、通常、転移させる他の結晶の2倍量から100倍量であり、好ましくは50倍量以下、さらに好ましくは20倍量以下である。溶媒量が多くて4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸硫酸塩の溶解量が相対的に多い場合、析出している結晶がすべてSC晶に転移していても、濾過温度までの冷却過程でSC晶以外の結晶が析出する可能性があるが、冷却速度を遅くすることでSC晶を析出させることができる。
以上の点を考慮して、転移温度、溶媒量、冷却速度を適切に組み合わせることで、硫酸塩のSC晶を取得することができる。また、転移速度が増加するので撹拌することが好ましい。
塩酸塩、及びそのHA晶、HB晶、HC晶はいずれも、先に述べた方法で製造することができる。用いる溶媒としては、硫酸塩の場合とほぼ同様である。HA晶は、種晶を用いず、1,4−ジオキサン溶液を冷却することで結晶化することができる。HB晶は、種晶を用いず、4−メチル−2−ペンタノン、酢酸ブチル、酢酸と2−ブタノンとの混合溶媒、酢酸と酢酸ブチルとの混合溶媒、ジメチルホルムアミドと2−ブタノンとの混合溶媒、ジメチルホルムアミドと酢酸ブチルとの混合溶媒、といった溶媒による溶液を冷却することで結晶化することができる。HC晶は、種晶を用いず、酢酸溶液を冷却することで結晶化することができる。
塩酸塩のHB晶は、HA晶、HC晶、またはそれらの混合結晶を、たとえば2−ブタノン、1,4−ジオキサンなどの溶媒に懸濁し、溶媒媒介転移によって取得することができる。溶媒媒介転移にかかる時間を短縮するために、種晶としてHB晶を添加することが有効である。
メタンスルホン酸、及びそのMA晶、MB晶、MC晶、MD晶、ME晶はいずれも、先に述べた方法で製造することができる。用いる溶媒としては、硫酸塩の場合とほぼ同様である。MA晶は、種晶を用いず、酢酸と2−ブタノンとの混合溶媒による溶液を冷却することで結晶化することができる。MB晶は、種晶を用いず、酢酸溶液を冷却することで結晶化することができる。MC晶は、4−メチル−2−ペンタノン溶液を冷却することで結晶化することができる。MD晶は、酢酸ブチル溶液を冷却することで結晶化することができる。ME晶は、1,4−ジオキサン溶液を冷却することで結晶化することができる。
メタンスルホン酸のMA晶は、MB晶、MC晶、MD晶、ME晶、またはそれらより選ばれる2種以上の混合結晶を2−ブタノンに懸濁し、溶媒媒介転移によって取得することができる。溶媒媒介転移にかかる時間を短縮するために、種晶としてMA晶を添加することが有効である。ME晶は、MA晶、MB晶、MC晶、MD晶、またはそれらより選ばれる2種以上の混合結晶を2−ブタノンに懸濁し、溶媒媒介転移によって取得することができる。溶媒媒介転移にかかる時間を短縮するために、種晶としてME晶を添加することが有効である。
濾取は通常の方法、例えば自然濾過、加圧濾過、減圧濾過、または遠心分離を用いることができる。乾燥は通常の方法、例えば自然乾燥、減圧乾燥、加熱乾燥、減圧加熱乾燥を用いることができる。
2種以上の結晶の混合物を目的物とする場合、それぞれの結晶を製造して混合するだけでなく、混合物を一度に製造することもできる。ただし、所定の混合比率の混合物を得るためには、詳細な事前検討にもとづいて条件設定を行う必要がある。混合比率の定量については、結晶の組合せや比率にもよるが、粉末X線回折パターンや赤外吸収スペクトル、熱分析などの分析手法によって算出できる場合もある。その場合、混合比率の逐次モニターをすることができるという点で、製造方法として溶媒媒介転移が比較的容易といえる。
本発明のそれぞれの結晶は、特徴的な粉末X線回折パターンや赤外吸収スペクトルによって他の結晶形と区別できるが、他の結晶形の混入率という点について言及するものではない。特定の結晶を単独で得る場合、少なくとも、これらのパターンやスペクトルによって検出できない程度の混入であれば許容される。また、医薬としてそれぞれ特定の結晶を原体として使用する場合、他結晶の含有を許容しない趣旨でも無い。
本発明における酸性塩もしくは結晶は、いずれも単独で医薬の有効成分として用いることができる。また、本発明における酸性塩もしくは結晶のいずれか2種以上の混合物であっても、医薬の有効成分として用いることができる。
本発明において、4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の硫酸塩、塩酸塩もしくはメタンスルホン酸塩などの酸性塩の結晶を得ることにより、それぞれの結晶でないものに比べ、製造時の取り扱いや再現性、安定性、また、保存安定性などが有利となる。
硫酸塩については、特に、SC晶及びSF晶は、それらが優れる結晶として好ましく用いられる。また、SA晶及びSB晶も結晶ゆえに取り扱いが容易で、精製や乾燥の効果が得やすく、保存安定性がよく、また、SF晶とあわせてSC晶への転移の原料(製造中間物)として有用である。さらに、SG晶からSC晶への転移は非常に速いので、SC晶への転移の原料としてSG晶が特に好ましい。
塩酸塩については、安定であるHB晶が好ましく用いられる。HA晶、HC晶も結晶ゆえに取り扱いが容易で保存安定性がよく、また、HB晶への転移の原料(製造中間物)として有用である。
メタンスルホン酸塩については、MA晶及びME晶が比較的安定な結晶として、好ましく用いられる。MB晶、MC晶、及びMD晶も結晶ゆえに取り扱いが容易であり、また、MA晶またはME晶への転移の原料(製造中間物)として有用である。
本発明において、4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の硫酸塩、塩酸塩、メタンスルホン酸塩などの酸性塩、及びそれらの結晶はいずれも、4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸及びその結晶に比べ、水性溶媒への溶解度が高い。例えば、硫酸塩の結晶を医薬組成物の原体として用いた場合、吸収性が10〜30%、好ましくは15〜25%向上することから投与量を減少することが可能となる。
本発明化合物を有効成分として含有する製剤は、通常製剤化に用いられる担体や賦形剤、その他の添加剤を用いて調製される。製剤用の担体や賦形剤としては、固体又は液体いずれでも良く、例えば乳糖、ステアリン酸マグネシウム、スターチ、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アラビアゴム、オリーブ油、ゴマ油、カカオバター、エチレングリコール等やその他常用のものが挙げられる。投与は錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、液剤等による経口投与、あるいは静注、筋注等の注射剤、坐剤、経皮等による非経口投与のいずれの形態であってもよい。
本発明の4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の硫酸塩、塩酸塩、メタンスルホン酸塩などの酸性塩、もしくはそれらの結晶の投与量は、疾患の種類、投与経路、患者の症状、年齢、性別、体重等により異なるが、一般的に、経口投与では1〜500mg/日/人程度であり、好ましくは10〜300mg/日/人である。静脈、皮下、筋肉、経皮、直腸、経鼻、点眼、吸入等の非経口的投与では、0.1〜100mg/日/人程度であり、好ましくは0.3〜30mg/日/人である。
また、本発明の4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の硫酸塩、塩酸塩、およびメタンスルホン酸塩などの酸性塩、またはそれらの結晶を予防剤及び/又は治療剤として用いる場合には、各症状に応じて、予め公知の方法に従い投与することができる。
本発明の予防剤及び/又は治療剤の対象疾患としては、気管支喘息等の呼吸器疾患、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹等の炎症/アレルギー疾患;硬化性血管病変、血管内狭窄、末梢循環障害、腎不全、心不全等の循環器疾患;リウマチ、変形性関節症等の骨/軟骨代謝疾患が挙げられる。
本発明の(4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の硫酸塩、塩酸塩もしくはメタンスルホン酸塩などの酸性塩およびそれらの結晶は水性溶媒への溶解度が高く、その医薬組成物は吸収性に優れることから、投与量を減少させることが可能となる。
また、それらの結晶を用いることによって、医薬組成物および原体の保存安定性や製造工程のコントロール等において有利になることが期待できる。
本発明の4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の硫酸塩、塩酸塩もしくはメタンスルホン酸塩などの酸性塩、及びその結晶はヒトキマーゼ活性を強く阻害する。具体的にはIC50=1nM以上、10nM以下である。このような優れたヒトキマーゼ阻害活性を有し、かつ水性溶媒への溶解度が高い4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の硫酸塩、塩酸塩もしくはメタンスルホン酸塩などの酸性塩、及びその結晶は、種々の疾患に対する臨床応用可能な予防剤及び/又は治療剤として使用することが可能である。
本発明の結晶は、粉末X線回折パターン及び/又は臭化カリウム中の赤外吸収ピーク等によって特徴付けられる。これらの結晶は、特徴的なX線粉末回折パターン(XRD)を示し、それぞれの結晶は特異的な2θ値を有する。また、これらの結晶は、赤外分光分析(IR)においても、それぞれに特徴的な吸収パターンを示す。
本発明の硫酸塩SA晶は、粉末X線回折パターンが反射角度2θで表わしてほぼ5.3°、11.7°、15.9°、21.9°、23.1°、及び27.5°である。さらに詳細には、表1で表された特徴的なピークを有するX線粉末回折パターンを示す(図1参照)。表中の粉末X線回折パターン強度において、Imaxは各結晶の最も強度が強いピーク強度を示し、Iは各ピークの強度を表す。なお、粉末X線回折パターンの2θ値は、試料状態や測定条件によって、0.5°程度は変動しうる。粉末X線回折はデータの性質上、結晶の同一性認定においては、全体的なパターンが重要であり、相対強度は結晶成長の方向、粒子の大きさ、測定条件によって、多少変わりうるものであるから、厳密に解されるべきではない。
本発明の硫酸塩SB晶は、波数がほぼ1709、1468、1230、1163、1063、862、及び754cm−1にピークを有する(図7参照)。
本発明の硫酸塩SC晶は、波数がほぼ1705、1459、1325、1238、1152、1065、874、及び762cm−1にピークを有する(図8参照)。
本発明の硫酸塩SF晶は、波数がほぼ1726、1459、1316、1248、1154、1046、869、及び768cm−1にピークを有する(図9参照)。
本発明の硫酸塩SG晶は、波数がほぼ1709、1467、1317、1234、1152、1065、872、及び761cm−1にピークを有する(図10参照)。
なお、本発明の赤外分光分析による波数については、測定条件およびサンプルの条件等により、5cm−1程度は変動しうる。
本発明の塩酸塩HA晶は、粉末X線回折パターンが反射角度2θで表わしてほぼ7.0°、7.8°、22.7°、24.1°、及び26.2°である。さらに詳細には、表6で表された特徴的なピークを有するX線粉末回折パターンを示す(図11参照)。
本発明の塩酸塩HB晶は、波数がほぼ1708、1458、1242、1103、1028、881、及び760cm−1にピークを有する(図15参照)。
本発明の塩酸塩HC晶は、波数がほぼ1707、1461、1182、1032、及び754cm−1にピークを有する(図16参照)。
本発明のメタンスルホン酸塩MA晶は、粉末X線回折パターンが反射角度2θで表わしてほぼ6.6°、18.4°、及び21.3°である。さらに詳細には、表9で表された特徴的なピークを有するX線粉末回折パターンを示す(図17参照)。
本発明のメタンスルホン酸塩MB晶は、波数がほぼ1724、1457、1247、1211、1173、1025、及び777cm−1にピークを有する(図23参照)。
本発明のメタンスルホン酸塩MC晶は、波数がほぼ1728、1705、1468、1365、1213、1186、1149、1041、881、及び773cm−1にピークを有する(図24参照)。
本発明のメタンスルホン酸塩MD晶は、波数がほぼ1716、1461、1240、1136、1041、1041、及び764cm−1にピークを有する(図25参照)。
本発明のメタンスルホン酸塩ME晶は、波数がほぼ1714、1464、1216、1037、874、及び771cm−1にピークを有する(図25参照)。
本発明の3種の酸性塩及びその結晶はそれぞれ、種々の製造方法で取得することができるが、その典型的な例を以下に示す。
なお、酸性塩とする前の化合物、4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸は、特許文献3又は特許文献4に記載の方法などで合成できる。例えば、3−ブロモメチル−4−メチルベンゾチオフェンと4−(ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸メチルとを3級アミンなどのアルカリの存在下、トルエンなどの炭化水素溶媒中でカップリング反応させて4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸メチルを得る。これをテトラヒドロフラン溶媒中、水酸化ナトリウム水溶液などで加水分解し、中和して4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸を得ることができる。
本発明の、4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の酸性塩は、4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸と溶媒との溶液に、酸を添加することで得られる。(なお、酸は各種溶媒の溶液として添加してもよいし、塩化水素はガスを吹き込んでもよい。)このとき、溶媒の種類、濃度、温度などの条件によって、不飽和溶液であれば、酸性塩が溶液状態で得られ、過飽和溶液であれば、直ちに結晶として析出する場合もあるし、溶液状態を維持する場合もある。過飽和や不飽和状態は、当業者であれば、溶媒、濃度、または温度などの条件によって、適宜成しうるものである。溶液状態の場合は、これを濃縮する、冷却する、あるいは貧溶媒を添加するなどの方法によって、酸性塩を結晶として析出させることができる。
それぞれの酸性塩における各結晶形間の安定性順位については、混合晶を溶媒媒介転移させて確認することができるが、溶媒の種類、温度によって入れ替わることがある。硫酸塩においては、溶解性が高い溶媒(例えば、酢酸)を主成分とする溶媒中では、SC晶、SA晶、SB晶はこの順に安定性が高い。SF晶とSA晶とは安定が接近しており、温度によって安定性が逆転する。SG晶はSF晶より安定性が低く、SF晶への転移とSC晶への直接転移とが確認されている。SC晶はこれら4つの結晶形より安定である。塩酸塩においては、HB晶が他の結晶形より安定である。メタンスルホン酸塩においては、安定性が溶媒種に依存しており、一概には言えない。
硫酸塩、及びそのSA晶、SB晶、SC晶、SF晶、SG晶はいずれも、先に述べた方法で製造することができる。用いる溶媒としては、アセトン、アニソール、エタノール、ギ酸、ギ酸エチル、クメン、酢酸、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸メチル、プロパン酸、ジエチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、1−ブタノール、2−ブタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ヘプタン、1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノン、2−ブタノン、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、シクロヘキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、2−エトキシエタノール、ヘキサン、ペンタン、メタノール、2−エトキシメタノール、メチルシクロヘキサン、テトラリン、トルエン、キシレン、水、またはこれらより選ばれる2種以上の混合溶媒を挙げることができる。経済的観点や工業的観点からより好ましい溶媒としては、酢酸、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、4−メチル−2−ペンタノン、2−ブタノン、アセトン、テトラヒドロフラン、t−ブチルメチルエーテル、1,4−ジオキサン、アセトニトリル、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールまたはこれらより選ばれる2種以上の混合溶媒を挙げることができる。さらに好ましくは、酢酸、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、4−メチル−2−ペンタノン、2−ブタノン、アセトン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレン、またはこれらより選ばれる2種以上の混合溶媒である。
硫酸塩、及びそのSA晶、SB晶、SC晶、SF晶、SG晶を取得しようとする場合、溶媒量は特に限定されないが、5〜100倍量が好ましく、50倍量以下がより好ましく、さらには20倍量以下が好ましい。ここで1倍量とは、1gの原料(4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸もしくはその硫酸塩)に対して1mLの溶媒量をいう。溶媒量を少なくする目的で好ましく用いられる溶媒としては、4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸もしくはその硫酸塩に対する溶解性の高い溶媒であり、酢酸、テトラヒドロフランなどを挙げることができる。
硫酸塩のSA晶、SB晶、SC晶、又はSF晶を、溶液からの結晶化により取得しようとする場合、目的の結晶と同じ結晶形の種晶を添加することが有効である。その量は通常、原料(4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸もしくはその硫酸塩)の0.01重量%から20重量%程度、好ましくは0.1重量%から10重量%の範囲であり、あらかじめ粉砕しておくことが好ましい。添加する際は、取得しようとする結晶の過飽和領域であることが必要である。
硫酸塩のSF晶は比較的取得しやすく、たとえば、4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸のテトラヒドロフラン溶液に硫酸を添加して結晶化させる方法、あるいは、硫酸塩の酢酸溶液を冷却する方法によって再現性よく結晶化させることができる。このとき、SF晶種晶の添加はより好ましい方法である。
硫酸塩のSG晶はたとえば、4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸硫酸塩の酢酸溶液に、種晶としてSC晶を共存させておき、ヘプタンなどの非極性溶媒を短時間に添加して固化させる方法により取得することができる。また、酢酸、酢酸と2−ブタノンとの混合溶媒、酢酸と4−メチル−2−ペンタノンとの混合溶媒などとの溶液を60〜80℃付近で過飽和状態にし、種晶としてSC晶を添加し、同温度付近で維持することでもSG晶を結晶化させることができる。
硫酸塩のSA晶又はSB晶はたとえば、4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸硫酸塩と、酢酸と2−ブタノンとの混合溶媒、酢酸と4−メチル−2−ペンタノンとの混合溶媒などとの溶液を冷却することで結晶化させることができるが、溶媒中の酢酸の比率が50%未満の場合にSA晶が、50%以上の場合にSB晶が結晶化しやすい。このとき、それぞれの種晶の添加はより好ましい方法である。
硫酸塩のSA晶、SB晶、SF晶、又はSG晶の結晶化が開始した後の温度条件、撹拌条件、濾別までの時間は特に限定されないが、それらの条件が結晶の収率、化学純度、粒度などに影響することがあるので、目的に応じて組み合わせて設定することが好ましい。
硫酸塩のSC晶は、これまで述べた方法での結晶化は必ずしも容易とはいえないが、SA晶、SB晶、SF晶、SG晶、またはそれらより選ばれる2種以上の混合結晶である他の結晶を溶媒に懸濁し、溶媒媒介転移によって取得することができる。
硫酸塩において、SC晶以外の結晶からSC晶への溶媒媒介転移に用いる溶媒としては、アセトン、アニソール、エタノール、ギ酸、ギ酸エチル、クメン、酢酸、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸メチル、プロパン酸、ジエチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、1−ブタノール、2−ブタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ヘプタン、1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノン、2−ブタノン、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、シクロヘキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、2−エトキシエタノール、ヘキサン、ペンタン、メタノール、2−エトキシメタノール、メチルシクロヘキサン、テトラリン、トルエン、キシレン、水、またはこれらより選ばれる2種以上の混合溶媒を挙げることができる。経済的観点や工業的観点からより好ましい溶媒としては、酢酸、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、4−メチル−2−ペンタノン、2−ブタノン、アセトン、テトラヒドロフラン、t−ブチルメチルエーテル、1,4−ジオキサン、アセトニトリル、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールまたはこれらより選ばれる2種以上の混合溶媒を挙げることができる。さらに好ましくは、酢酸、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、4−メチル−2−ペンタノン、2−ブタノン、アセトン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレン、またはこれらより選ばれる2種以上の混合溶媒である。
硫酸塩において、SC晶以外の結晶からSC晶への溶媒媒介転移にかかる時間を短縮するためには、種晶としてSC晶を添加することが有効である。その量は通常、転移させる他の結晶の0.01%から20%程度、好ましくは0.1%から10%の範囲であり、あらかじめ粉砕しておくことが好ましい。種晶はあらかじめ原料に混ぜておいてもよいし、後から懸濁液に添加してもよい。
硫酸塩において、SC晶以外の結晶からSC晶への溶媒媒介転移時の温度は、高いほど転移速度は増加するが、4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸硫酸塩の分解を避けるため、100℃以下に抑えることが好ましい。転移させるときの溶媒量は、転移させる温度において懸濁状態であるように設定する必要があり、通常、転移させる他の結晶の2倍量から100倍量であり、好ましくは50倍量以下、さらに好ましくは20倍量以下である。溶媒量が多くて4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸硫酸塩の溶解量が相対的に多い場合、析出している結晶がすべてSC晶に転移していても、濾過温度までの冷却過程でSC晶以外の結晶が析出する可能性があるが、冷却速度を遅くすることでSC晶を析出させることができる。
以上の点を考慮して、転移温度、溶媒量、冷却速度を適切に組み合わせることで、硫酸塩のSC晶を取得することができる。また、転移速度が増加するので撹拌することが好ましい。
塩酸塩、及びそのHA晶、HB晶、HC晶はいずれも、先に述べた方法で製造することができる。用いる溶媒としては、硫酸塩の場合とほぼ同様である。HA晶は、種晶を用いず、1,4−ジオキサン溶液を冷却することで結晶化することができる。HB晶は、種晶を用いず、4−メチル−2−ペンタノン、酢酸ブチル、酢酸と2−ブタノンとの混合溶媒、酢酸と酢酸ブチルとの混合溶媒、ジメチルホルムアミドと2−ブタノンとの混合溶媒、ジメチルホルムアミドと酢酸ブチルとの混合溶媒、といった溶媒による溶液を冷却することで結晶化することができる。HC晶は、種晶を用いず、酢酸溶液を冷却することで結晶化することができる。
塩酸塩のHB晶は、HA晶、HC晶、またはそれらの混合結晶を、たとえば2−ブタノン、1,4−ジオキサンなどの溶媒に懸濁し、溶媒媒介転移によって取得することができる。溶媒媒介転移にかかる時間を短縮するために、種晶としてHB晶を添加することが有効である。
メタンスルホン酸、及びそのMA晶、MB晶、MC晶、MD晶、ME晶はいずれも、先に述べた方法で製造することができる。用いる溶媒としては、硫酸塩の場合とほぼ同様である。MA晶は、種晶を用いず、酢酸と2−ブタノンとの混合溶媒による溶液を冷却することで結晶化することができる。MB晶は、種晶を用いず、酢酸溶液を冷却することで結晶化することができる。MC晶は、4−メチル−2−ペンタノン溶液を冷却することで結晶化することができる。MD晶は、酢酸ブチル溶液を冷却することで結晶化することができる。ME晶は、1,4−ジオキサン溶液を冷却することで結晶化することができる。
メタンスルホン酸のMA晶は、MB晶、MC晶、MD晶、ME晶、またはそれらより選ばれる2種以上の混合結晶を2−ブタノンに懸濁し、溶媒媒介転移によって取得することができる。溶媒媒介転移にかかる時間を短縮するために、種晶としてMA晶を添加することが有効である。ME晶は、MA晶、MB晶、MC晶、MD晶、またはそれらより選ばれる2種以上の混合結晶を2−ブタノンに懸濁し、溶媒媒介転移によって取得することができる。溶媒媒介転移にかかる時間を短縮するために、種晶としてME晶を添加することが有効である。
濾取は通常の方法、例えば自然濾過、加圧濾過、減圧濾過、または遠心分離を用いることができる。乾燥は通常の方法、例えば自然乾燥、減圧乾燥、加熱乾燥、減圧加熱乾燥を用いることができる。
2種以上の結晶の混合物を目的物とする場合、それぞれの結晶を製造して混合するだけでなく、混合物を一度に製造することもできる。ただし、所定の混合比率の混合物を得るためには、詳細な事前検討にもとづいて条件設定を行う必要がある。混合比率の定量については、結晶の組合せや比率にもよるが、粉末X線回折パターンや赤外吸収スペクトル、熱分析などの分析手法によって算出できる場合もある。その場合、混合比率の逐次モニターをすることができるという点で、製造方法として溶媒媒介転移が比較的容易といえる。
本発明のそれぞれの結晶は、特徴的な粉末X線回折パターンや赤外吸収スペクトルによって他の結晶形と区別できるが、他の結晶形の混入率という点について言及するものではない。特定の結晶を単独で得る場合、少なくとも、これらのパターンやスペクトルによって検出できない程度の混入であれば許容される。また、医薬としてそれぞれ特定の結晶を原体として使用する場合、他結晶の含有を許容しない趣旨でも無い。
本発明における酸性塩もしくは結晶は、いずれも単独で医薬の有効成分として用いることができる。また、本発明における酸性塩もしくは結晶のいずれか2種以上の混合物であっても、医薬の有効成分として用いることができる。
本発明において、4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の硫酸塩、塩酸塩もしくはメタンスルホン酸塩などの酸性塩の結晶を得ることにより、それぞれの結晶でないものに比べ、製造時の取り扱いや再現性、安定性、また、保存安定性などが有利となる。
硫酸塩については、特に、SC晶及びSF晶は、それらが優れる結晶として好ましく用いられる。また、SA晶及びSB晶も結晶ゆえに取り扱いが容易で、精製や乾燥の効果が得やすく、保存安定性がよく、また、SF晶とあわせてSC晶への転移の原料(製造中間物)として有用である。さらに、SG晶からSC晶への転移は非常に速いので、SC晶への転移の原料としてSG晶が特に好ましい。
塩酸塩については、安定であるHB晶が好ましく用いられる。HA晶、HC晶も結晶ゆえに取り扱いが容易で保存安定性がよく、また、HB晶への転移の原料(製造中間物)として有用である。
メタンスルホン酸塩については、MA晶及びME晶が比較的安定な結晶として、好ましく用いられる。MB晶、MC晶、及びMD晶も結晶ゆえに取り扱いが容易であり、また、MA晶またはME晶への転移の原料(製造中間物)として有用である。
本発明において、4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の硫酸塩、塩酸塩、メタンスルホン酸塩などの酸性塩、及びそれらの結晶はいずれも、4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸及びその結晶に比べ、水性溶媒への溶解度が高い。例えば、硫酸塩の結晶を医薬組成物の原体として用いた場合、吸収性が10〜30%、好ましくは15〜25%向上することから投与量を減少することが可能となる。
本発明化合物を有効成分として含有する製剤は、通常製剤化に用いられる担体や賦形剤、その他の添加剤を用いて調製される。製剤用の担体や賦形剤としては、固体又は液体いずれでも良く、例えば乳糖、ステアリン酸マグネシウム、スターチ、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アラビアゴム、オリーブ油、ゴマ油、カカオバター、エチレングリコール等やその他常用のものが挙げられる。投与は錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、液剤等による経口投与、あるいは静注、筋注等の注射剤、坐剤、経皮等による非経口投与のいずれの形態であってもよい。
本発明の4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の硫酸塩、塩酸塩、メタンスルホン酸塩などの酸性塩、もしくはそれらの結晶の投与量は、疾患の種類、投与経路、患者の症状、年齢、性別、体重等により異なるが、一般的に、経口投与では1〜500mg/日/人程度であり、好ましくは10〜300mg/日/人である。静脈、皮下、筋肉、経皮、直腸、経鼻、点眼、吸入等の非経口的投与では、0.1〜100mg/日/人程度であり、好ましくは0.3〜30mg/日/人である。
また、本発明の4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の硫酸塩、塩酸塩、およびメタンスルホン酸塩などの酸性塩、またはそれらの結晶を予防剤及び/又は治療剤として用いる場合には、各症状に応じて、予め公知の方法に従い投与することができる。
本発明の予防剤及び/又は治療剤の対象疾患としては、気管支喘息等の呼吸器疾患、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹等の炎症/アレルギー疾患;硬化性血管病変、血管内狭窄、末梢循環障害、腎不全、心不全等の循環器疾患;リウマチ、変形性関節症等の骨/軟骨代謝疾患が挙げられる。
本発明の(4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の硫酸塩、塩酸塩もしくはメタンスルホン酸塩などの酸性塩およびそれらの結晶は水性溶媒への溶解度が高く、その医薬組成物は吸収性に優れることから、投与量を減少させることが可能となる。
また、それらの結晶を用いることによって、医薬組成物および原体の保存安定性や製造工程のコントロール等において有利になることが期待できる。
以下、実施例により本発明の4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の硫酸塩、塩酸塩、メタンスルホン酸塩、およびそれらの結晶の取得方法を示すが、本発明はこれによって限定されるものではない。
本発明の結晶の分析は以下の条件で実施した。
粉末X線回折パターン測定条件
機器:RIGAKU ROTAFLEX RU300(粉末X線回折測定装置)
X−ray source:Cu−Kα(λ=1.5418Å)、50kV−200mA Slit:DS1°−SS1°−RS0.15mm−graphite monochrometer−0.45mm
Method:2θ−θスキャン、0.05step/1秒、スキャン範囲5〜80°
赤外吸収スペクトル測定条件
機器:島津 FTIR−8000
臭化カリウム法に従って、FT−IR(分解能:4cm−1、積算:40回、GAIN:AUTO)で測定した。
[実施例1]
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸硫酸塩の製造
特許文献4の実施例2の方法に従い4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の10gを得た。化合物の確認はLC−MSを用いて分子量から同定することで行った。この4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸0.1gをジメチルスルホキシド−d6(NMR溶媒)10mLに溶解し、その溶液中に硫酸0.025gを添加することにより4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸硫酸塩の溶液を得た。化合物の確認はNMRスペクトルを測定することで行った。
1H−NMR(200MHz、DMSO−d6、TMS基準、δ)1.88−2.05(m、2H)、2.36(t、J=7.2Hz、2H)、2.87(s、3H)、3.44(t、J=7.2Hz,2H)、6.00(s、2H)、6.61(s、1H)、7.2−7.4(m、4H)、7.66−7.84(m、3H)、11.0(br、3H)
[実施例2]
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸硫酸塩のSF晶の製造
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の8gに、80mLのテトラヒドロフランを加え、オイルバス中で加熱還流して溶解し、硫酸2.2gのテトラヒドロフラン溶液10mLを添加し、不溶物を熱時ろ過で除いた。再び加熱還流して溶解を確認し、オイルバス中で撹拌しながら、20℃まで冷却して結晶化させた。結晶を濾取して60℃で4時間減圧乾燥した。得られた結晶はXRD及びIRよりSF晶とわかった。収率81%。
1H−NMR(200MHz、DMSO−d6、TMS基準、δ)1.88−2.05(m、2H)、2.36(t、J=7.2Hz、2H)、2.87(s、3H)、3.44(t、J=7.2Hz,2H)、6.00(s、2H)、6.61(s、1H)、7.2−7.4(m、4H)、7.66−7.84(m、3H)、11.0(br、3H)
EA(obs、%)C:50.77、H:4.60、N:5.81、S:19.54 EA(cal、%)C:51.00、H:4.48、N:5.66、S:19.45
次いで、特許文献4の実施例17に記載された組換えヒトマストセルキマーゼ酵素活性阻害測定により、得られた4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸硫酸塩のキマーゼ阻害活性を測定した。具体的には、組換えプロ型ヒトマストセルキマーゼは、浦田らの報告(ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー第266巻、17173頁(1991年)に従って調製した。すなわちヒトマストセルキマーゼをコードするcDNAを含有する組換えバキュロウイルスを感染させた昆虫細胞(Th5)の培養液上清から、ヘパリンセファロース(ファルマシア)により精製した。さらに村上らの報告(ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー第270巻、2218頁(1995年))に従って活性化した後、ヘパリンセファロースで精製して活性型ヒトマストセルキマーゼを得た。得られた1〜5ngの活性型ヒトマストセルキマーゼを含む50μlのバッファーA(0.5〜3.0M NaCl、50mMトリス塩酸、pH8.0)に本発明の4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸硫酸塩の化合物を含むDMSO溶液2μlを加えた後、基質として0.5mMスクシニル−アラニル−ヒスチジル−プロリル−フェニルアラニルパラニトロアニリド(バッケム社)を含む50μlのバッファーAを加え、室温にて5分間反応させた。405nmの吸光度の経時変化を測定し、阻害活性を調べた。
その結果、本発明の硫酸塩に、IC50=1nM以上10nM以下の阻害活性を認めた。
[実施例3]
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸硫酸塩のSF晶の製造
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の10gに、30mLの酢酸を加え、オイルバス中で内温90℃に加熱して溶解し、硫酸2.7gの酢酸溶液8mLを添加し、不溶物を熱時ろ過で除いた。内温90℃で溶解を確認し、オイルバス中で撹拌しながら、20℃まで冷却して結晶化させた。結晶を濾取して60℃で8時間減圧乾燥した。得られた結晶はXRD及びIRよりSF晶とわかった。収率54%。
[実施例4]
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸硫酸塩のSG晶の製造
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の4gに酢酸12mLを加え、オイルバス中で内温90℃に加熱して溶解し、硫酸1.1gを添加し、不溶物を熱時ろ過で除いた。内温75℃で溶解を確認し、4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸硫酸塩のSC晶0.08gを添加し、同温度で5時間撹拌して結晶化させた。同温度で結晶を濾取して60℃で4時間減圧乾燥した。得られた結晶はXRD及びIRよりSG晶とわかった。収率25%。
[実施例5]
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸硫酸塩のSG晶の製造
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の4gに、酢酸12mLを加え、オイルバス中で内温90℃に加熱して溶解し、硫酸1.1gを添加し、不溶物を熱時ろ過で除いた。内温75℃で溶解を確認し、4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸硫酸塩のSC晶0.08gを添加し、ヘプタン120mLを速やかに添加して結晶化させた。撹拌しながら20℃まで冷却し、同温度で結晶を濾取して60℃で4時間減圧乾燥した。得られた結晶はXRD及びIRよりSG晶とわかった。収率83%。
[実施例6]
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸硫酸塩のSA晶の製造
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の10gに、酢酸30mLを加え、オイルバス中で内温90℃に加熱して溶解し、硫酸2.7gを添加し、不溶物を熱時ろ過で除いた。内温90℃で溶解を確認し、2−ブタノン100mLを添加し、オイルバス中で撹拌しながら20℃まで冷却して結晶化させた。結晶を濾取して60℃で4時間減圧乾燥した。得られた結晶はXRD及びIRよりSA晶とわかった。収率80%。
[実施例7]
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸硫酸塩のSB晶の製造
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の8gに、酢酸80mLを加え、オイルバス中で内温90℃に加熱して溶解し、硫酸2.2gを添加し、不溶物を熱時ろ過で除いた。内温90℃で溶解を確認し、2−ブタノン40mLを添加し、オイルバス中で撹拌しながら20℃まで冷却して結晶化させた。結晶を濾取して60℃で4時間減圧乾燥した。得られた結晶はXRD及びIRよりSB晶とわかった。収率60%。
[実施例8]
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸硫酸塩のSC晶の製造
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸硫酸塩のSF晶90gとSA晶10gとの混合物を、2−ブタノン100mLに懸濁し、オイルバス中撹拌しながら24時間加熱還流した。20℃まで冷却し、結晶を濾取して60℃で4時間減圧乾燥した。得られた結晶はXRD及びIRよりSC晶とわかった。収率90%。
[実施例9]
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸硫酸塩の溶解性
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸硫酸塩の各結晶の、日本薬局方第1液、第2液及び水のそれぞれに対する溶解性を表14に示す。溶解性(μg/mL)は、第14改正日本薬局方通則にしたがい、粉末を溶媒中に入れ、20±5℃で5分ごとに強く30秒間振り混ぜるとき、30分以内に溶ける度合いをいう。
比較として、塩でない4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸のA晶の溶解性を表14に示す。なお、この結晶は以下の方法にて製造した。
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の10gに、50mLの酢酸ブチルを加え、オイルバス中で加熱還流し、不溶物を熱時ろ過で除いた。再び加熱還流して溶解を確認し、オイルバス中で撹拌しながら、およそ40℃/時の速度で冷却した。内温約90℃で結晶化し始めた。20℃まで冷却して結晶を濾取し、60℃で4時間減圧乾燥した。収率75%。
[実施例10]
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸塩酸塩の製造
特許文献4の実施例2の方法に従い4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の10gを得た。この4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸0.1gをジメチルスルホキシド−d6(NMR溶媒)10mLに溶解し、その溶液中に塩化水素ガス約20mLをゆっくりと吹き込むことにより4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸塩酸塩の溶液を得た。化合物の確認はNMRスペクトルを測定することで行った。
1H−NMR(400MHz、DMSO−d6、TMS基準、δ)1.96−1.99(m、2H)、2.40(t、J=7.2Hz、2H)、2.88(s、3H)、3.57(t、J=7.2Hz,2H)、6.03(s、2H)、6.70(s、1H)、7.27(d、J=7.2Hz、1H)、7.30(t、J=7.2Hz,1H)、7.37−7.47(m、2H)、7.75(d、J=8.0Hz、1H)、7.81(d、J=8.0Hz、1H)
[実施例11]
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸塩酸塩のHB晶の製造
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の10gに、酢酸60mLと2−ブタノン60mLとを加え、オイルバス中で加熱還流して溶解し、濃塩酸3mLを添加し、不溶物を熱時ろ過で除いた。再び加熱還流して溶解を確認し、オイルバス中で撹拌しながら、20℃まで冷却して結晶化させた。結晶を濾取して60℃で5時間減圧乾燥した。得られた結晶はXRD及びIRよりHB晶とわかった。収率92%。
1H−NMR(400MHz、CDCl3/DMSO−d6、TMS基準、δ)2.11−2.15(m、2H)、2.53(t、J=7.0Hz、2H)、2.89(s、3H)、3.85(t、J=7.4Hz,2H)、6.03(s、2H)、6.52(s、1H)、7.23(d、J=7.2Hz、1H)、7.31(d、J=7.6Hz、1H)、7.45−7.56(m、3H)、7.73(d、J=8.0Hz、1H)、8.02(d、J=8.0Hz、1H)
次いで、実施例2と同様の方法による組換えヒトマストセルキマーゼ酵素活性阻害測定により、得られた4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸塩酸塩のキマーゼ阻害活性を測定した。
その結果、本発明の塩酸塩に、IC50=1nM以上10nM以下の阻害活性を認めた。
[実施例12]
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸塩酸塩のHA晶の製造
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の1gに、180mLの1,4−ジオキサンを加え、オイルバス中で加熱還流して溶解し、塩化水素1,4−ジオキサン溶液(4mol/L)1mLを添加し、不溶物を熱時ろ過で除いた。再び加熱還流して溶解を確認し、オイルバス中で撹拌しながら、20℃まで冷却して結晶化させた。結晶を濾取して60℃で5時間減圧乾燥した。得られた結晶はXRD及びIRよりHA晶とわかった。収率99%。
[実施例13]
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸塩酸塩のHC晶の製造
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の8gに、酢酸120mLを加え、オイルバス中で加熱して溶解し、塩化水素1,4−ジオキサン溶液(4mol/L)6mLを添加し、不溶物を熱時ろ過で除いた。再び加熱して溶解を確認し、オイルバス中で撹拌しながら、20℃まで冷却して結晶化させた。結晶を濾取して60℃で5時間減圧乾燥した。得られた結晶はXRD及びIRよりHC晶とわかった。収率85%。
[実施例14]
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸塩酸塩のHB晶の製造
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸塩酸塩のHA晶10gとHB晶1gとの混合物を、2−ブタノン50mLに懸濁し、オイルバス中撹拌しながら48時間加熱還流した。20℃まで冷却し、結晶を濾取して60℃で4時間減圧乾燥した。得られた結晶はXRD及びIRよりHB晶とわかった。収率96%。
[実施例15]
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸メタンスルホン酸塩の製造
特許文献4の実施例2の方法に従い4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の10gを得た。この4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸0.1gをジメチルスルホキシド−d6(NMR溶媒)10mLに溶解し、その溶液にメタンスルホン酸0.024gを添加することにより4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸メタンスルホン酸塩の溶液を得た。化合物の確認はNMRスペクトルを測定することで行った。
1H−NMR(400MHz、DMSO−d6、TMS基準、δ)1.94−1.98(m、2H)、2.36(t、J=7.2Hz、2H)、2.42(s、3H)、2.88(s、3H)、3.47(t、J=7.2Hz,2H)、6.03(s、2H)、6.68(s、1H)、7.23(d、J=7.2Hz、1H)、7.30(t、J=7.2Hz,1H)、7.38−7.50(m、2H)、7.74(d、J=8.0Hz、1H)、7.81(d、J=8.0Hz、1H)
[実施例16]
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸メタンスルホン酸塩のMA晶の製造
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の20gに、酢酸120mLと2−ブタノン120mLとを加え、オイルバス中で加熱還流して溶解し、メタンスルホン酸5gを添加し、不溶物を熱時ろ過で除いた。再び加熱還流して溶解を確認し、オイルバス中で撹拌しながら、20℃まで冷却して結晶化させた。結晶を濾取して60℃で5時間減圧乾燥した。得られた結晶はXRD及びIRよりMA晶とわかった。収率88%。
1H−NMR(400MHz、CDCl3/DMSO−d6、TMS基準、δ)2.07−2.13(m、2H)、2.47(t、J=7.3Hz、2H)、2.77(s、3H)、2.90(s、3H)、3.85(t、J=7.4Hz,2H)、6.05(s、2H)、6.55(s、1H)、7.22(d、J=7.2Hz、1H)、7.30(d、J=7.6Hz、1H)、7.44−7.51(m、2H)、7.61(d、J=8.4Hz、1H)、7.72(d、J=8.0Hz、1H)、8.02(d、J=8.4Hz、1H)
[実施例17]
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸メタンスルホン酸塩のMB晶の製造
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の10gに、酢酸60mLを加え、オイルバス中で加熱して溶解し、メタンスルホン酸3gを添加し、不溶物を熱時ろ過で除いた。再び加熱還流して溶解を確認し、オイルバス中で撹拌しながら、20℃まで冷却して結晶化させた。結晶を濾取して60℃で8時間減圧乾燥した。得られた結晶はXRD及びIRよりMB晶とわかった。収率76%。
[実施例18]
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸メタンスルホン酸塩のMC晶の製造
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の1gに、4−メチル−2−ペンタノン100mLを加え、オイルバス中で加熱還流して溶解し、メタンスルホン酸0.3gを添加し、不溶物を熱時ろ過で除いた。再び加熱還流して溶解を確認し、オイルバス中で撹拌しながら、20℃まで冷却して結晶化させた。結晶を濾取して60℃で4時間減圧乾燥した。得られた結晶はXRD及びIRよりMC晶とわかった。収率93%。
[実施例19]
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸メタンスルホン酸塩のMD晶の製造
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の1gに、酢酸ブチル300mLを加え、オイルバス中で加熱して溶解し、メタンスルホン酸0.3gを添加し、不溶物を熱時ろ過で除いた。再び加熱還流して溶解を確認し、オイルバス中で撹拌しながら、20℃まで冷却して結晶化させた。結晶を濾取して60℃で6時間減圧乾燥した。得られた結晶はXRD及びIRよりMD晶とわかった。収率90%。
[実施例20]
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸メタンスルホン酸塩のME晶の製造
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の5gに、1,4−ジオキサン350mLを加え、オイルバス中で加熱して溶解し、メタンスルホン酸1.5gを添加し、不溶物を熱時ろ過で除いた。再び加熱還流して溶解を確認し、オイルバス中で撹拌しながら、20℃まで冷却して結晶化させた。結晶を濾取して60℃で8時間減圧乾燥した。得られた結晶はXRD及びIRよりME晶とわかった。収率88%。
[実施例21]
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸メタンスルホン酸塩のMA晶の製造
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸メタンスルホン酸塩のMA晶19gとMB晶1gとの混合物を、2−ブタノン100mLに懸濁し、オイルバス中撹拌しなが24時間加熱還流した。20℃まで冷却し、結晶を濾取して60℃で4時間減圧乾燥した。得られた結晶はXRD及びIRよりMA晶とわかった。収率94%。
本発明の結晶の分析は以下の条件で実施した。
粉末X線回折パターン測定条件
機器:RIGAKU ROTAFLEX RU300(粉末X線回折測定装置)
X−ray source:Cu−Kα(λ=1.5418Å)、50kV−200mA Slit:DS1°−SS1°−RS0.15mm−graphite monochrometer−0.45mm
Method:2θ−θスキャン、0.05step/1秒、スキャン範囲5〜80°
赤外吸収スペクトル測定条件
機器:島津 FTIR−8000
臭化カリウム法に従って、FT−IR(分解能:4cm−1、積算:40回、GAIN:AUTO)で測定した。
[実施例1]
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸硫酸塩の製造
特許文献4の実施例2の方法に従い4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の10gを得た。化合物の確認はLC−MSを用いて分子量から同定することで行った。この4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸0.1gをジメチルスルホキシド−d6(NMR溶媒)10mLに溶解し、その溶液中に硫酸0.025gを添加することにより4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸硫酸塩の溶液を得た。化合物の確認はNMRスペクトルを測定することで行った。
1H−NMR(200MHz、DMSO−d6、TMS基準、δ)1.88−2.05(m、2H)、2.36(t、J=7.2Hz、2H)、2.87(s、3H)、3.44(t、J=7.2Hz,2H)、6.00(s、2H)、6.61(s、1H)、7.2−7.4(m、4H)、7.66−7.84(m、3H)、11.0(br、3H)
[実施例2]
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸硫酸塩のSF晶の製造
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の8gに、80mLのテトラヒドロフランを加え、オイルバス中で加熱還流して溶解し、硫酸2.2gのテトラヒドロフラン溶液10mLを添加し、不溶物を熱時ろ過で除いた。再び加熱還流して溶解を確認し、オイルバス中で撹拌しながら、20℃まで冷却して結晶化させた。結晶を濾取して60℃で4時間減圧乾燥した。得られた結晶はXRD及びIRよりSF晶とわかった。収率81%。
1H−NMR(200MHz、DMSO−d6、TMS基準、δ)1.88−2.05(m、2H)、2.36(t、J=7.2Hz、2H)、2.87(s、3H)、3.44(t、J=7.2Hz,2H)、6.00(s、2H)、6.61(s、1H)、7.2−7.4(m、4H)、7.66−7.84(m、3H)、11.0(br、3H)
EA(obs、%)C:50.77、H:4.60、N:5.81、S:19.54 EA(cal、%)C:51.00、H:4.48、N:5.66、S:19.45
次いで、特許文献4の実施例17に記載された組換えヒトマストセルキマーゼ酵素活性阻害測定により、得られた4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸硫酸塩のキマーゼ阻害活性を測定した。具体的には、組換えプロ型ヒトマストセルキマーゼは、浦田らの報告(ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー第266巻、17173頁(1991年)に従って調製した。すなわちヒトマストセルキマーゼをコードするcDNAを含有する組換えバキュロウイルスを感染させた昆虫細胞(Th5)の培養液上清から、ヘパリンセファロース(ファルマシア)により精製した。さらに村上らの報告(ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー第270巻、2218頁(1995年))に従って活性化した後、ヘパリンセファロースで精製して活性型ヒトマストセルキマーゼを得た。得られた1〜5ngの活性型ヒトマストセルキマーゼを含む50μlのバッファーA(0.5〜3.0M NaCl、50mMトリス塩酸、pH8.0)に本発明の4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸硫酸塩の化合物を含むDMSO溶液2μlを加えた後、基質として0.5mMスクシニル−アラニル−ヒスチジル−プロリル−フェニルアラニルパラニトロアニリド(バッケム社)を含む50μlのバッファーAを加え、室温にて5分間反応させた。405nmの吸光度の経時変化を測定し、阻害活性を調べた。
その結果、本発明の硫酸塩に、IC50=1nM以上10nM以下の阻害活性を認めた。
[実施例3]
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸硫酸塩のSF晶の製造
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の10gに、30mLの酢酸を加え、オイルバス中で内温90℃に加熱して溶解し、硫酸2.7gの酢酸溶液8mLを添加し、不溶物を熱時ろ過で除いた。内温90℃で溶解を確認し、オイルバス中で撹拌しながら、20℃まで冷却して結晶化させた。結晶を濾取して60℃で8時間減圧乾燥した。得られた結晶はXRD及びIRよりSF晶とわかった。収率54%。
[実施例4]
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸硫酸塩のSG晶の製造
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の4gに酢酸12mLを加え、オイルバス中で内温90℃に加熱して溶解し、硫酸1.1gを添加し、不溶物を熱時ろ過で除いた。内温75℃で溶解を確認し、4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸硫酸塩のSC晶0.08gを添加し、同温度で5時間撹拌して結晶化させた。同温度で結晶を濾取して60℃で4時間減圧乾燥した。得られた結晶はXRD及びIRよりSG晶とわかった。収率25%。
[実施例5]
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸硫酸塩のSG晶の製造
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の4gに、酢酸12mLを加え、オイルバス中で内温90℃に加熱して溶解し、硫酸1.1gを添加し、不溶物を熱時ろ過で除いた。内温75℃で溶解を確認し、4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸硫酸塩のSC晶0.08gを添加し、ヘプタン120mLを速やかに添加して結晶化させた。撹拌しながら20℃まで冷却し、同温度で結晶を濾取して60℃で4時間減圧乾燥した。得られた結晶はXRD及びIRよりSG晶とわかった。収率83%。
[実施例6]
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸硫酸塩のSA晶の製造
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の10gに、酢酸30mLを加え、オイルバス中で内温90℃に加熱して溶解し、硫酸2.7gを添加し、不溶物を熱時ろ過で除いた。内温90℃で溶解を確認し、2−ブタノン100mLを添加し、オイルバス中で撹拌しながら20℃まで冷却して結晶化させた。結晶を濾取して60℃で4時間減圧乾燥した。得られた結晶はXRD及びIRよりSA晶とわかった。収率80%。
[実施例7]
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸硫酸塩のSB晶の製造
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の8gに、酢酸80mLを加え、オイルバス中で内温90℃に加熱して溶解し、硫酸2.2gを添加し、不溶物を熱時ろ過で除いた。内温90℃で溶解を確認し、2−ブタノン40mLを添加し、オイルバス中で撹拌しながら20℃まで冷却して結晶化させた。結晶を濾取して60℃で4時間減圧乾燥した。得られた結晶はXRD及びIRよりSB晶とわかった。収率60%。
[実施例8]
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸硫酸塩のSC晶の製造
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸硫酸塩のSF晶90gとSA晶10gとの混合物を、2−ブタノン100mLに懸濁し、オイルバス中撹拌しながら24時間加熱還流した。20℃まで冷却し、結晶を濾取して60℃で4時間減圧乾燥した。得られた結晶はXRD及びIRよりSC晶とわかった。収率90%。
[実施例9]
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸硫酸塩の溶解性
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸硫酸塩の各結晶の、日本薬局方第1液、第2液及び水のそれぞれに対する溶解性を表14に示す。溶解性(μg/mL)は、第14改正日本薬局方通則にしたがい、粉末を溶媒中に入れ、20±5℃で5分ごとに強く30秒間振り混ぜるとき、30分以内に溶ける度合いをいう。
比較として、塩でない4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸のA晶の溶解性を表14に示す。なお、この結晶は以下の方法にて製造した。
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の10gに、50mLの酢酸ブチルを加え、オイルバス中で加熱還流し、不溶物を熱時ろ過で除いた。再び加熱還流して溶解を確認し、オイルバス中で撹拌しながら、およそ40℃/時の速度で冷却した。内温約90℃で結晶化し始めた。20℃まで冷却して結晶を濾取し、60℃で4時間減圧乾燥した。収率75%。
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸塩酸塩の製造
特許文献4の実施例2の方法に従い4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の10gを得た。この4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸0.1gをジメチルスルホキシド−d6(NMR溶媒)10mLに溶解し、その溶液中に塩化水素ガス約20mLをゆっくりと吹き込むことにより4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸塩酸塩の溶液を得た。化合物の確認はNMRスペクトルを測定することで行った。
1H−NMR(400MHz、DMSO−d6、TMS基準、δ)1.96−1.99(m、2H)、2.40(t、J=7.2Hz、2H)、2.88(s、3H)、3.57(t、J=7.2Hz,2H)、6.03(s、2H)、6.70(s、1H)、7.27(d、J=7.2Hz、1H)、7.30(t、J=7.2Hz,1H)、7.37−7.47(m、2H)、7.75(d、J=8.0Hz、1H)、7.81(d、J=8.0Hz、1H)
[実施例11]
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸塩酸塩のHB晶の製造
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の10gに、酢酸60mLと2−ブタノン60mLとを加え、オイルバス中で加熱還流して溶解し、濃塩酸3mLを添加し、不溶物を熱時ろ過で除いた。再び加熱還流して溶解を確認し、オイルバス中で撹拌しながら、20℃まで冷却して結晶化させた。結晶を濾取して60℃で5時間減圧乾燥した。得られた結晶はXRD及びIRよりHB晶とわかった。収率92%。
1H−NMR(400MHz、CDCl3/DMSO−d6、TMS基準、δ)2.11−2.15(m、2H)、2.53(t、J=7.0Hz、2H)、2.89(s、3H)、3.85(t、J=7.4Hz,2H)、6.03(s、2H)、6.52(s、1H)、7.23(d、J=7.2Hz、1H)、7.31(d、J=7.6Hz、1H)、7.45−7.56(m、3H)、7.73(d、J=8.0Hz、1H)、8.02(d、J=8.0Hz、1H)
次いで、実施例2と同様の方法による組換えヒトマストセルキマーゼ酵素活性阻害測定により、得られた4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸塩酸塩のキマーゼ阻害活性を測定した。
その結果、本発明の塩酸塩に、IC50=1nM以上10nM以下の阻害活性を認めた。
[実施例12]
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸塩酸塩のHA晶の製造
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の1gに、180mLの1,4−ジオキサンを加え、オイルバス中で加熱還流して溶解し、塩化水素1,4−ジオキサン溶液(4mol/L)1mLを添加し、不溶物を熱時ろ過で除いた。再び加熱還流して溶解を確認し、オイルバス中で撹拌しながら、20℃まで冷却して結晶化させた。結晶を濾取して60℃で5時間減圧乾燥した。得られた結晶はXRD及びIRよりHA晶とわかった。収率99%。
[実施例13]
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸塩酸塩のHC晶の製造
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の8gに、酢酸120mLを加え、オイルバス中で加熱して溶解し、塩化水素1,4−ジオキサン溶液(4mol/L)6mLを添加し、不溶物を熱時ろ過で除いた。再び加熱して溶解を確認し、オイルバス中で撹拌しながら、20℃まで冷却して結晶化させた。結晶を濾取して60℃で5時間減圧乾燥した。得られた結晶はXRD及びIRよりHC晶とわかった。収率85%。
[実施例14]
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸塩酸塩のHB晶の製造
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸塩酸塩のHA晶10gとHB晶1gとの混合物を、2−ブタノン50mLに懸濁し、オイルバス中撹拌しながら48時間加熱還流した。20℃まで冷却し、結晶を濾取して60℃で4時間減圧乾燥した。得られた結晶はXRD及びIRよりHB晶とわかった。収率96%。
[実施例15]
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸メタンスルホン酸塩の製造
特許文献4の実施例2の方法に従い4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の10gを得た。この4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸0.1gをジメチルスルホキシド−d6(NMR溶媒)10mLに溶解し、その溶液にメタンスルホン酸0.024gを添加することにより4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸メタンスルホン酸塩の溶液を得た。化合物の確認はNMRスペクトルを測定することで行った。
1H−NMR(400MHz、DMSO−d6、TMS基準、δ)1.94−1.98(m、2H)、2.36(t、J=7.2Hz、2H)、2.42(s、3H)、2.88(s、3H)、3.47(t、J=7.2Hz,2H)、6.03(s、2H)、6.68(s、1H)、7.23(d、J=7.2Hz、1H)、7.30(t、J=7.2Hz,1H)、7.38−7.50(m、2H)、7.74(d、J=8.0Hz、1H)、7.81(d、J=8.0Hz、1H)
[実施例16]
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸メタンスルホン酸塩のMA晶の製造
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の20gに、酢酸120mLと2−ブタノン120mLとを加え、オイルバス中で加熱還流して溶解し、メタンスルホン酸5gを添加し、不溶物を熱時ろ過で除いた。再び加熱還流して溶解を確認し、オイルバス中で撹拌しながら、20℃まで冷却して結晶化させた。結晶を濾取して60℃で5時間減圧乾燥した。得られた結晶はXRD及びIRよりMA晶とわかった。収率88%。
1H−NMR(400MHz、CDCl3/DMSO−d6、TMS基準、δ)2.07−2.13(m、2H)、2.47(t、J=7.3Hz、2H)、2.77(s、3H)、2.90(s、3H)、3.85(t、J=7.4Hz,2H)、6.05(s、2H)、6.55(s、1H)、7.22(d、J=7.2Hz、1H)、7.30(d、J=7.6Hz、1H)、7.44−7.51(m、2H)、7.61(d、J=8.4Hz、1H)、7.72(d、J=8.0Hz、1H)、8.02(d、J=8.4Hz、1H)
[実施例17]
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸メタンスルホン酸塩のMB晶の製造
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の10gに、酢酸60mLを加え、オイルバス中で加熱して溶解し、メタンスルホン酸3gを添加し、不溶物を熱時ろ過で除いた。再び加熱還流して溶解を確認し、オイルバス中で撹拌しながら、20℃まで冷却して結晶化させた。結晶を濾取して60℃で8時間減圧乾燥した。得られた結晶はXRD及びIRよりMB晶とわかった。収率76%。
[実施例18]
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸メタンスルホン酸塩のMC晶の製造
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の1gに、4−メチル−2−ペンタノン100mLを加え、オイルバス中で加熱還流して溶解し、メタンスルホン酸0.3gを添加し、不溶物を熱時ろ過で除いた。再び加熱還流して溶解を確認し、オイルバス中で撹拌しながら、20℃まで冷却して結晶化させた。結晶を濾取して60℃で4時間減圧乾燥した。得られた結晶はXRD及びIRよりMC晶とわかった。収率93%。
[実施例19]
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸メタンスルホン酸塩のMD晶の製造
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の1gに、酢酸ブチル300mLを加え、オイルバス中で加熱して溶解し、メタンスルホン酸0.3gを添加し、不溶物を熱時ろ過で除いた。再び加熱還流して溶解を確認し、オイルバス中で撹拌しながら、20℃まで冷却して結晶化させた。結晶を濾取して60℃で6時間減圧乾燥した。得られた結晶はXRD及びIRよりMD晶とわかった。収率90%。
[実施例20]
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸メタンスルホン酸塩のME晶の製造
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の5gに、1,4−ジオキサン350mLを加え、オイルバス中で加熱して溶解し、メタンスルホン酸1.5gを添加し、不溶物を熱時ろ過で除いた。再び加熱還流して溶解を確認し、オイルバス中で撹拌しながら、20℃まで冷却して結晶化させた。結晶を濾取して60℃で8時間減圧乾燥した。得られた結晶はXRD及びIRよりME晶とわかった。収率88%。
[実施例21]
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸メタンスルホン酸塩のMA晶の製造
4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸メタンスルホン酸塩のMA晶19gとMB晶1gとの混合物を、2−ブタノン100mLに懸濁し、オイルバス中撹拌しなが24時間加熱還流した。20℃まで冷却し、結晶を濾取して60℃で4時間減圧乾燥した。得られた結晶はXRD及びIRよりMA晶とわかった。収率94%。
本発明の(4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の硫酸塩、塩酸塩もしくはメタンスルホン酸塩などの酸性塩またはそれらの結晶は、生体においてキマーゼ阻害活性を有し、炎症疾患、アレルギー疾患、呼吸器疾患、循環器疾患、又は骨・軟骨代謝疾患の予防又は治療剤として用いうる。
また、本発明のベンズイミダゾール誘導体の酸性塩またはその結晶は、溶解度が高く、その医薬組成物は吸収性に優れる。さらに、結晶は、医薬組成物および原体の保存安定性や製造工程のコントロール等において有利になることが期待でき、原体の中間体としても利用できる。
また、本発明のベンズイミダゾール誘導体の酸性塩またはその結晶は、溶解度が高く、その医薬組成物は吸収性に優れる。さらに、結晶は、医薬組成物および原体の保存安定性や製造工程のコントロール等において有利になることが期待でき、原体の中間体としても利用できる。
Claims (77)
- 4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸酸性塩。
- 4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸酸性塩の結晶。
- 4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸酸性塩が、硫酸塩、塩酸塩またはメタンスルホン酸塩である請求の範囲第1項に記載の塩。
- 4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸酸性塩が、硫酸塩、塩酸塩またはメタンスルホン酸塩である請求の範囲第2項に記載の結晶。
- 反射角度2θで表わして、ほぼ5.3°、11.7°、15.9°、21.9°、23.1°、及び27.5°付近に特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを示す、請求の範囲第5項に記載の硫酸塩の結晶(SA晶)。
- ほぼ図1で示される粉末X線回折パターンを示す請求の範囲第5項に記載の硫酸塩の結晶(SA晶)。
- 反射角度2θで表わして、ほぼ11.4、13.8°、15.9°、16.6°及び22.8°付近に特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを示す、請求の範囲第5項に記載の硫酸塩の結晶(SB晶)。
- ほぼ図2で示される粉末X線回折パターンを示す請求の範囲第5項に記載の硫酸塩の結晶(SB晶)。
- 反射角度2θで表わして、ほぼ8.1°、13.5°、22.0°、22.8°、及び24.2°付近に特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを示す、請求の範囲第5項に記載の硫酸塩の結晶(SC晶)。
- ほぼ図3で示される粉末X線回折パターンを示す請求の範囲第5項に記載の硫酸塩の結晶(SC晶)。
- 反射角度2θで表わして、ほぼ12.9°、21.2°、22.9°、24.7°、及び27.3°付近に特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを示す、請求の範囲第5項に記載の硫酸塩の結晶(SF晶)。
- ほぼ図4で示される粉末X線回折パターンを示す請求の範囲第5項に記載の硫酸塩の結晶(SF晶)。
- 反射角度2θで表わして、ほぼ12.2°、13.5°、18.5°、22.4°、及び23.7°付近に特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを示す、請求の範囲第5項に記載の硫酸塩の結晶(SG晶)。
- ほぼ図5で示される粉末X線回折パターンを示す請求の範囲第5項に記載の硫酸塩の結晶(SG晶)。
- 臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、波数がほぼ1715、1456、1203、1067、880、及び756cm−1付近にピークを有する請求の範囲第5項に記載の硫酸塩の結晶(SA晶)。
- 臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、図6で示される吸収パターンを示す請求の範囲第5項に記載の硫酸塩の結晶(SA晶)。
- 臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、波数がほぼ1709、1468、1230、1163、1063、862、及び754cm−1付近にピークを有する請求の範囲第5項に記載の硫酸塩の結晶(SB晶)。
- 臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、図7で示される吸収パターンを示す請求の範囲第5項に記載の硫酸塩の結晶(SB晶)。
- 臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、波数がほぼ1705、1459、1325、1238、1152、1065、874、及び762cm−1にピークを有する請求の範囲第5項に記載の硫酸塩の結晶(SC晶)。
- 臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、図8で示される吸収パターンを示す請求の範囲第5項に記載の硫酸塩の結晶(SC晶)。
- 臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、波数がほぼ1726、1459、1316、1248、1154、1046、869、及び768cm−1付近にピークを有する請求の範囲第5項に記載の硫酸塩の結晶(SF晶)。
- 臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、図9で示される吸収パターンを示す請求の範囲第5項に記載の硫酸塩の結晶(SF晶)。
- 臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、波数がほぼ1709、1467、1317、1234、1152、1065、872、及び761cm−1付近にピークを有する請求の範囲第5項に記載の硫酸塩の結晶(SG晶)。
- 臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、図10で示される吸収パターンを示す請求の範囲第5項に記載の硫酸塩の結晶(SG晶)。
- 反射角度2θで表わして、ほぼ7.0°、7.8°、22.7°、24.1°、及び26.2°付近に特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを示す、請求の範囲第26項に記載の塩酸塩の結晶(HA晶)。
- ほぼ図11で示される粉末X線回折パターンを示す請求の範囲第26項に記載の塩酸塩の結晶(HA晶)。
- 反射角度2θで表わして、ほぼ8.5、11.9°、19.7°、及び21.2°付近に特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを示す、請求の範囲第26項に記載の塩酸塩の結晶(HB晶)。
- ほぼ図12で示される粉末X線回折パターンを示す請求の範囲第26項に記載の塩酸塩の結晶(HB晶)。
- 反射角度2θで表わして、ほぼ7.9°、11.5°、14.4°、及び16.8°付近に特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを示す、請求の範囲第26項に記載の塩酸塩の結晶(HC晶)。
- ほぼ図13で示される粉末X線回折パターンを示す請求の範囲第26項に記載の塩酸塩の結晶(HC晶)。
- 臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、波数がほぼ1712、1465、1253、1184、1116、872、及び752cm−1付近にピークを有する請求の範囲第26項に記載の塩酸塩の結晶(HA晶)。
- 臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、図14で示される吸収パターンを示す請求の範囲第26項に記載の塩酸塩の結晶(HA晶)。
- 臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、波数がほぼ1708、1458、1242、1103、1028、881、及び760cm−1付近にピークを有する請求の範囲第26項に記載の塩酸塩の結晶(HB晶)。
- 臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、図15で示される吸収パターンを示す請求の範囲第26項に記載の塩酸塩の結晶(HB晶)。
- 臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、波数がほぼ1707、1461、1182、1032、及び754cm−1にピークを有する請求の範囲第26項に記載の塩酸塩の結晶(HC晶)。
- 臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、図16で示される吸収パターンを示す請求の範囲第26項に記載の塩酸塩の結晶(HC晶)。
- 反射角度2θで表わして、ほぼ6.6°、18.4°、及び21.3°付近に特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを示す、請求の範囲第39項に記載のメタンスルホン酸塩の結晶(MA晶)。
- ほぼ図17で示される粉末X線回折パターンを示す請求の範囲第39項に記載のメタンスルホン酸塩の結晶(MA晶)。
- 反射角度2θで表わして、ほぼ8.3°、9.6°、13.7°及び25.0°付近に特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを示す、請求の範囲第39項に記載のメタンスルホン酸塩の結晶(MB晶)。
- ほぼ図18で示される粉末X線回折パターンを示す請求の範囲第39項に記載のメタンスルホン酸塩の結晶(MB晶)。
- 反射角度2θで表わして、ほぼ6.1°、12.4°、18.2°、20.7°、及び24.2°付近に特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを示す、請求の範囲第39項に記載のメタンスルホン酸塩の結晶(MC晶)。
- ほぼ図19で示される粉末X線回折パターンを示す請求の範囲第39項に記載のメタンスルホン酸塩の結晶(MC晶)。
- 反射角度2θで表わして、ほぼ9.1°、12.6°、14.7°、及び25.3°付近に特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを示す、請求の範囲第39項に記載のメタンスルホン酸塩の結晶(MD晶)。
- ほぼ図20で示される粉末X線回折パターンを示す請求の範囲第39項に記載のメタンスルホン酸塩の結晶(MD晶)。
- 反射角度2θで表わして、ほぼ8.7°、18.9°、及び22.6°付近に特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを示す、請求の範囲第39項に記載のメタンスルホン酸塩の結晶(ME晶)。
- ほぼ図21で示される粉末X線回折パターンを示す、請求の範囲第39項に記載のメタンスルホン酸塩の結晶(ME晶)。
- 臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、波数がほぼ1720、1707、1467、1309、1218、1196、1151、1043、及び773cm−1付近にピークを有する請求の範囲第39項に記載のメタンスルホン酸塩の結晶(MA晶)。
- 臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、図22で示される吸収パターンを示す請求の範囲第39項に記載のメタンスルホン酸塩の結晶(MA晶)。
- 臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、波数がほぼ1724、1457、1247、1211、1173、1025、及び777cm−1付近にピークを有する請求の範囲第39項に記載のメタンスルホン酸塩の結晶(MB晶)。
- 臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、図23で示される吸収パターンを示す請求の範囲第39項に記載のメタンスルホン酸塩の結晶(MB晶)。
- 臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、波数がほぼ1728、1705、1468、1365、1213、1186、1149、1041、881、及び773cm−1にピークを有する請求の範囲第39項に記載のメタンスルホン酸塩の結晶(MC晶)。
- 臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、図24で示される吸収パターンを示す請求の範囲第39項に記載のメタンスルホン酸塩の結晶(MC晶)。
- 臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、波数がほぼ1716、1461、1240、1136、1041、1041、及び764cm−1付近にピークを有する請求の範囲第39項に記載のメタンスルホン酸塩の結晶(MD晶)。
- 臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、図25で示される吸収パターンを示す請求の範囲第39項に記載のメタンスルホン酸塩の結晶(MD晶)。
- 臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、波数がほぼ1714、1464、1216、1037、874、及び771cm−1付近にピークを有する請求の範囲第39項に記載のメタンスルホン酸塩の結晶(ME晶)。
- 臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、図26で示される吸収パターンを示す請求の範囲第39項に記載のメタンスルホン酸塩の結晶(ME晶)。
- 請求の範囲第1項または2項に記載の4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の酸性塩またはその結晶を有効成分として含有する医薬組成物。
- 該酸性塩が、硫酸塩、塩酸塩、またはメタンスルホン酸塩である、請求の範囲第60項に記載の医薬組成物。
- 請求の範囲第1項または2項に記載の4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の酸性塩またはその結晶を有効成分として含有するキマーゼ阻害剤。
- 該酸性塩が、硫酸塩、塩酸塩、またはメタンスルホン酸塩である、請求の範囲第62項に記載のキマーゼ阻害剤。
- 請求の範囲第1項または2項に記載の4−(1−((4−メチルベンゾチオフェン−3−イル)メチル)ベンズイミダゾール−2−イルチオ)ブタン酸の酸性塩またはその結晶を有効成分として含有する炎症疾患、アレルギー疾患、呼吸器疾患、循環器疾患、又は骨・軟骨代謝疾患の予防剤及び/又は治療剤。
- 該酸性塩が、硫酸塩、塩酸塩、またはメタンスルホン酸塩である、請求の範囲第64項に記載の予防剤及び/又は治療剤。
- 請求の範囲第5項〜25項のいずれかに記載の硫酸塩の結晶またはそれらより選ばれる2種以上の混合物を有効成分として含有する医薬組成物。
- 請求の範囲第5項〜25項のいずれかに記載の硫酸塩の結晶またはそれらより選ばれる2種以上の混合物を有効成分として含有するキマーゼ阻害剤。
- 請求の範囲第5項〜25項のいずれかに記載の硫酸塩の結晶またはそれらより選ばれる2種以上の混合物を有効成分として含有する炎症疾患、アレルギー疾患、呼吸器疾患、循環器疾患、又は骨・軟骨代謝疾患の予防剤及び/又は治療剤。
- 請求の範囲第26項〜38項のいずれかに記載の塩酸塩の結晶またはそれらより選ばれる2種以上の混合物を有効成分として含有する医薬組成物。
- 請求の範囲第26項〜38項のいずれかに記載の塩酸塩の結晶またはそれらより選ばれる2種以上の混合物を有効成分として含有するキマーゼ阻害剤。
- 請求の範囲第26項〜38項のいずれかに記載の塩酸塩の結晶またはそれらより選ばれる2種以上の混合物を有効成分として含有する炎症疾患、アレルギー疾患、呼吸器疾患、循環器疾患、又は骨・軟骨代謝疾患の予防剤及び/又は治療剤。
- 請求の範囲第39項〜59項のいずれかに記載のメタンスルホン酸塩の結晶またはそれらより選ばれる2種以上の混合物を有効成分として含有する医薬組成物。
- 請求の範囲第39項〜59項のいずれかに記載のメタンスルホン酸塩の結晶またはそれらより選ばれる2種以上の混合物を有効成分として含有するキマーゼ阻害剤。
- 請求の範囲第39項〜59項のいずれかに記載のメタンスルホン酸塩の結晶またはそれらより選ばれる2種以上の混合物を有効成分として含有する炎症疾患、アレルギー疾患、呼吸器疾患、循環器疾患、又は骨・軟骨代謝疾患の予防剤及び/又は治療剤。
- 請求の範囲第5項〜59項のいずれかに記載の結晶またはそれらより選ばれる2種以上の混合物を有効成分として含有する医薬組成物。
- 請求の範囲第5項〜59項のいずれかに記載の結晶またはそれらより選ばれる2種以上の混合物を有効成分として含有するキマーゼ阻害剤。
- 請求の範囲第5項〜59項のいずれかに記載の結晶またはそれらより選ばれる2種以上の混合物を有効成分として含有する炎症疾患、アレルギー疾患、呼吸器疾患、循環器疾患、又は骨・軟骨代謝疾患の予防剤及び/又は治療剤。
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