JPWO2006046500A1 - 通信遅延を有する通信路を介して信号を送受信する遠隔制御システム - Google Patents
通信遅延を有する通信路を介して信号を送受信する遠隔制御システム Download PDFInfo
- Publication number
- JPWO2006046500A1 JPWO2006046500A1 JP2006543121A JP2006543121A JPWO2006046500A1 JP WO2006046500 A1 JPWO2006046500 A1 JP WO2006046500A1 JP 2006543121 A JP2006543121 A JP 2006543121A JP 2006543121 A JP2006543121 A JP 2006543121A JP WO2006046500 A1 JPWO2006046500 A1 JP WO2006046500A1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- communication
- disturbance
- slave
- manipulator
- master
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
- 238000004891 communication Methods 0.000 title claims abstract description 195
- 230000004044 response Effects 0.000 claims description 27
- 230000001133 acceleration Effects 0.000 abstract description 6
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 24
- 238000000034 method Methods 0.000 description 24
- 230000002146 bilateral effect Effects 0.000 description 8
- 230000035807 sensation Effects 0.000 description 5
- 230000006870 function Effects 0.000 description 4
- 238000012546 transfer Methods 0.000 description 4
- 238000005094 computer simulation Methods 0.000 description 2
- 230000001934 delay Effects 0.000 description 2
- 230000005540 biological transmission Effects 0.000 description 1
- 230000010485 coping Effects 0.000 description 1
- 238000013461 design Methods 0.000 description 1
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 1
- 230000007613 environmental effect Effects 0.000 description 1
- 238000002474 experimental method Methods 0.000 description 1
- 238000005070 sampling Methods 0.000 description 1
Images
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G05—CONTROLLING; REGULATING
- G05B—CONTROL OR REGULATING SYSTEMS IN GENERAL; FUNCTIONAL ELEMENTS OF SUCH SYSTEMS; MONITORING OR TESTING ARRANGEMENTS FOR SUCH SYSTEMS OR ELEMENTS
- G05B13/00—Adaptive control systems, i.e. systems automatically adjusting themselves to have a performance which is optimum according to some preassigned criterion
- G05B13/02—Adaptive control systems, i.e. systems automatically adjusting themselves to have a performance which is optimum according to some preassigned criterion electric
- G05B13/04—Adaptive control systems, i.e. systems automatically adjusting themselves to have a performance which is optimum according to some preassigned criterion electric involving the use of models or simulators
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Software Systems (AREA)
- Artificial Intelligence (AREA)
- Computer Vision & Pattern Recognition (AREA)
- Evolutionary Computation (AREA)
- Medical Informatics (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Automation & Control Theory (AREA)
- Manipulator (AREA)
- Telephonic Communication Services (AREA)
- Feedback Control In General (AREA)
Abstract
Description
しかし、インターネットは、通信遅延が大きく、かつその値が変動してしまうため、リアルタイム性を重視する遠隔制御の通信経路として用いることが非常に困難である。
従来から、遠隔制御において上記通信遅延の変動に対処するための技術が種々提案されている。
例えば、特許文献1には、ロボットの配置された遠隔地の移動予定データを元に、通信時間遅れを予測し、コマンドの生成のタイミングを通信時間遅れの変動に合わせて変化させるようにしたロボットの遠隔操作装置が記載されている。
また、特許文献2には、通信の時間遅れを力感覚に変換し、遠隔地にある被制御部を遠隔操作するようにした遠隔操作方法及び装置が記載されている。
従来から、無駄時間要素を含む制御系の不安定化を補償する方法として、スミス法が用いられてきた。
図13にスミス法を導入した制御系のブロック図を示す。同図において、C(s)は制御装置、G(s)は制御対象の伝達関数を示し、e-Ts は無駄時間要素である(sはラプラス演算子である)。このような無駄時間要素を有する制御系に、同図に示すようにスミス法を用いた補償要素(Smith Predictor) [G(s)(1−e-Ts )]を追加することで、システムを安定化することができる。
図14(a)に通信遅延のあるバイラテラルシステムのブロック図を示し、図14(b)に、同図(a)のバイラテラルシステムにスミス法を適用した場合のブロック図を示す。なお、図14は、バイラテラルシステムの概念構成を示している。
図14において、1はマスタ、2はスレーブであり、マスタ1とスレーブ2は、インターネットなどの通信遅延を有する通信路3で接続されている。ここでは、スレーブ2の伝達関数は1/Jsであり、マスタ1からの力信号Fがスレーブ2に加わり、スレーブ2から速度信号sXe-Ts がマスタ1に返される。
上記通信遅延は無駄時間要素e-T1s,e-T2s,e-Ts として示されており、T=T1+T2である。
図14(a)に示すシステムの通信遅延T1,T2の値がわかっている場合には、前記図13で説明したのと同様に、図14(a)に示すシステムに図14(b)に示すようにスミス法を用いた補償要素を導入することで、通信遅延を補償した応答sXを得ることができる。
本発明は、正確な値が計測できない無駄時間を有する制御システムにおいても、無駄時間により生ずる不安定性を補償することができ、また、通信遅延の大きな通信手段を用いたバイラテラル制御に適用することで、遠隔地からの触覚の伝達をすることが可能な遠隔制御装置を提供することを目的とする。
(1)通信の時間遅延がある通信路を介して、遠隔地にある制御対象を制御する遠隔制御システムにおいて、通信外乱を推定する通信外乱推定手段を設け、該通信外乱推定手段により推定された通信外乱(通信外乱はX・(1−e-ts )[X:制御信号、t:遅延時間]として表すことができる)に基づき、補償値生成手段により通信遅延を補償する補償値を生成し、遠隔制御システムにおける通信遅延を補償する。
通信外乱推定手段は、上記通信路における通信遅延を遠隔地の制御対象に加わる加速度次元(力次元)の外乱(通信外乱)であるとして、上記通信路を介して送信する制御信号もしくは制御信号に相当する信号と、遠隔地にある制御対象から送信される応答信号もしくは応答信号に相当する信号に基づき通信外乱を推定する。
(2)上記(1)において、上記遠隔地にある制御対象に加わる外乱を推定する外乱推定手段を設け、この外乱推定手段により推定された外乱に基づき、遠隔地にある制御対象に加わる外乱を補償する。
(3)上記(2)において、遠隔地にある制御対象に加わる外乱が、上記通信外乱推定手段の推定結果へ及ぼす影響が少なくなるように、上記通信外乱推定手段のゲインと、上記外乱推定手段のゲインを設定する。
(4)マスタ側のマニピュレータと、スレーブ側のマニピュレータが通信遅延を有する通信路を介して接続され、マスタ側のマニピュレータに追従させてスレーブ側のマニピュレータを駆動し、スレーブ側に加わる操作力をマスタ側に伝達する遠隔制御システムにおいて、マスタ側のマニピュレータを制御する第1の制御部と、スレーブ側のマニピュレータを制御する第2の制御部と、マスタ側のマニピュレータの出力に基づきスレーブ側のマニピュレータの動作を模擬し、この模擬信号とスレーブ側のマニピュレータから通信路を介して送られるスレーブ側マニピュレータの出力とから通信外乱を推定する通信外乱推定手段と、上記通信外乱推定手段により推定された通信外乱に基づき、通信遅延を補償する補償値を生成する補償値生成手段とを設ける。
そして、マスタ側のマニピュレータの出力を上記通信路を介してスレーブ側に送り、スレーブ側のマニピュレータの出力と上記通信路を介して送られたマスタ側のマニピュレータの出力を第2の制御部に入力し、スレーブ側のマニピュレータを制御するとともに、通信路を介して送られるスレーブ側マニピュレータ出力を上記補償値生成手段の出力により補償し、該補償されたスレーブ側マニピュレータ出力と、マスタ側のマニピュレータの出力を上記第1の制御部に入力し、マスタ側のマニピュレータを制御する。
本発明においては、通信外乱推定手段が、通信遅延(無駄時間)による影響を、システムに加わる加速度次元(力次元)の外乱(通信外乱)による影響とみなして、この通信外乱を観測し補償しているので、通信遅延(無駄時間)の予測値を必要としない。このため、インターネットのように、通信遅延(無駄時間)が正確に計測できないネットワークを通信手段として用いた遠隔操作システムであっても、安定に制御することができる。また、一般的な無駄時間のある制御システムに適用しても、同様の性能を発揮することができる。
(1)通信外乱推定手段により通信外乱を推定し、遠隔制御システムにおける通信遅延による無駄時間を補償しているので、インターネットなどの遅延時間が正確に計測できない通信手段を用いたシステムにおいても、安定に制御することが可能となる。
また、本発明をバイラテラル制御に適用することで、遠隔地からの触覚の伝達をすることが可能となる。
(2)遠隔地にある制御対象に加わる外乱を推定する外乱推定手段を設け、この外乱推定手段により推定された外乱に基づき、遠隔地にある制御対象に加わる外乱を補償することにより、外乱による影響を受けることなく遠隔地の制御対象を操作することができる。
(3)上記通信外乱を推定する通信外乱推定手段と、制御対象に加わる外乱を推定する外乱推定手段のゲインを適切に設定することにより、上記遠隔地にある制御対象に加わる外乱が、上記通信外乱推定手段の推定結果へ及ぼす影響を少なくすることができ、上記通信外乱を正確に推定して補償することが可能となる。
(4)本発明をマスタスレーブ遠隔制御システムに適用することにより、遅延時間の推定値を必要とせず、スレーブ側をマスタ側の動きに安定に追従させることが可能となる。
1a 制御部
1b マニピュレータ
2 スレーブ
2a 制御部
2b マニピュレータ
3 通信路
4 通信外乱オブザーバ
5 外乱オブザーバ
5m,5s 外乱および反作用力推定オブザーバ
6 補償値生成手段
7 通信遅延補償部
8 スレーブ制御系のモデル
図1において、前記図14と同様、1はマスタ、2はスレーブであり、マスタ1とスレーブ2は、インターネットなどの時々刻々変動する通信遅延を有する通信路で接続されている。スレーブ2の伝達関数は1/Jsであり、マスタ1からの力信号Fがスレーブ2に加わり、スレーブ2から速度信号sXe-Ts がマスタ1に返される。
本発明においては、上記通信遅延を、スレーブ側に加わる外乱、すなわち通信外乱として扱い、この外乱をネットワークを介した外乱推定手段(以下、外乱オブザーバという)を用いて推定する。以後、この外乱オブザーバのことを通信外乱オブザーバと呼ぶ。なお、上記力信号Fはトルク信号τであってもよいし、また、速度信号sXは、角速度信号sθであってもよい。なお、”s”はラプラス演算子である。
上述したように、通信遅延による無駄時間の影響を加速度次元の外乱F(1−e-Ts )による影響であるとみなせば、図1(b)に示すように、上記通信外乱を通信外乱オブザーバ4を用いて推定することができる。
通信外乱オブザーバ4は、スレーブに加わる力信号Fと、スレーブからの応答信号である速度sXe-Ts から、スレーブ側に加わる通信外乱F(1−e-Ts )を推定するものであり、通信外乱オブザーバ4を用いて、通信遅延による通信外乱を推定することで、前記スミス法と同様に補償値を生成し、図1(c)に示すように、この無駄時間を補償することができる。
図1(c)に示すように、通信外乱オブザーバを用いて通信外乱を推定し、通信遅延を補償することで、通信による遅延時間の正確な推定は必要がなくなり、通信遅延が変動する通信手段を用いたシステムにおいても、安定に制御することが可能となる。
<論文1>西川直樹, 藤本康孝, 村上俊之, 大西公平: " 環境変動を考慮した3次元2足歩行ロボットの可変コンプライアンス制御" 電気学会産業応用部門誌, Vol.119-D,No.12, pp.1507-1513, (1999)
図3(a)に上記通信外乱オブザーバのブロック図を示す。同図に示すように、通信外乱オブザーバ4は、スレーブに加わる力信号Fと、スレーブからの応答信号である速度sXe-Ts を取り込み通信路3の通信外乱(もしくは影響)の原因であるとみなした通信外乱F(1−e-Ts )を推定する。
なお、図3において、Jn はスレーブ側の慣性係数(ノミナル値)、gnet は通信外乱推定手段4のゲイン、gnet /(s+gnet )はローパスフィルタである。
なお、図3(a)では、ローパスフィルタとして一次遅れ要素を用いる場合について示したが、2次遅れ以上の高次のローパスフィルタを用いてもよい。
図2は、前記図1(c)において、上記外乱Fdis を補償する外乱オブザーバ5を設けたブロック図である。
上記外乱オブザーバ5としては、図3(b)のブロック図に示すように、上記通信外乱オブザーバ4と同様の構成のオブザーバを用いることができる。
図3(b)に示すように、外乱オブザーバ5は、スレーブに入力される力信号と、スレーブからの速度信号を取り込みスレーブ2に加わる外乱Fdis を推定する。
なお、図3(b)において、Jn はスレーブ側の慣性係数(ノミナル値)、gd は外乱オブザーバ5のゲイン、gd /(s+gd )はローパスフィルタである。なお、ローパスフィルタとして2次遅れ以上の高次のローパスフィルタを用いてもよい。
上記外乱オブザーバ5でスレーブ2に加わる外乱Fdis を推定し、これをスレーブ2の入力側に加算することで、スレーブ2そのものに加わる外乱Fdis を補償することができる。
この外乱オブザーバ5で補償できない帯域の外乱は、通信外乱オブザーバによる通信外乱推定値に現れてくる。
すなわち、上記外乱オブザーバ5のローパスフィルタを、一次遅れ要素であるgd /(s+gd )とすると、[s/(s+gd )]×Fdis の外乱が補償できない外乱として、通信外乱オブザーバ4の出力に現れてくる。
このことを考慮すると、通信外乱オブザーバ4による推定値Fdisnetは次の(1)式のようになる。
そこで、上記通信外乱オブザーバ4のゲインgnet と外乱オブザーバ5のゲインgd をどのような値にすればよいのかを検証する。
上記(2)式のgnet /(s+gnet )をGnet (s)=gnet /(s+gnet )、s/(s+gd )をGd (s)=s/(s+gd )として、gnet <gd とした場合と、gnet >gd とした場合の、G(s)=Gnet (s)・Gd (s)のゲイン線図を描くと、図4、図5に示すようになる。なお、図4、図5の横軸はω、縦軸はゲイン(dB)である。
上記G(s)のゲインはできるだけ小さい方がよいから、図4、図5から明らかなように、gnet <gd とするのが望ましく、特に、gnet <<gd とすれば、G(s)のゲインをより小さくすることができる。
しかし、上記gd は、サンプリング周波数、ハードウェアの制約からそれほど大きくすることができない。また、通信外乱F(1−e-Ts )をできるだけ正確に推定する必要があることから、gnet はできるだけ大きくするべきである。
これらの条件を考慮すると、現実的な設計においては、G(s)のゲインを0にすることはできないものの、gnet をできるだけ大きく設定しgnet =gd とするのが望ましいと考えられる。
上記のようにゲインgnet ,gd を設定することで、外乱Fdis が通信外乱オブザーバの出力に影響するのを小さくすることができ、通信外乱を正しく推定することが可能となる。
図6、図7において、1はマスタ側、2はスレーブ側であり、マスタ側とスレーブ側は、インターネットなどの通信遅延のある通信路3を介して接続されている。図7では、マスタ1側からスレーブ2側へ信号を伝送する場合の通信遅延をe-T1sで表し、スレーブ2側からマスタ1側に信号伝送する場合の通信遅延をe-T2sで表しており、この通信遅延は時々刻々変動する。
図6に示すようにマスタ1側、スレーブ2側には、それぞれマニピュレータ1b、2bが設けられ、マニピュレータ1b、2bは、それぞれ制御部1a,2aにより制御される。
マスタ側のマニピュレータ1bを操作すると、それに応じてスレーブ側のマニピュレータ2bが追従して動き、また、スレーブ2側に加わる操作力がマスタ側へ触覚として伝達される。
上記マニピュレータ1b、2bは、図7ではそれぞれ伝達関数1/Js、1/Jsとして示されており、上記制御部1a,2aは図7におけるKp,Kv,Jn,Kf[ゲイン及び慣性係数(ノミナル値)を乗ずる演算器]等を一つにまとめたものである。
上記マスタ側およびスレーブ側のマニピュレータ1b、2bには、センサ(図示せず)が設けられ、マスタ側、スレーブ側のマニピュレータ1a,2aの角速度θ’res m ,θ’res s 、角度θres m ,θres s が上記センサにより検出される。なお、微分信号を図ではドットで示すが、本文中では、ダッシュ「’」で示す。
また、マスタ1側、スレーブ2側には、外乱オブザーバおよび反作用力推定オブザーバ(以下「外乱および反作用力推定オブサーバ」という)5m,5sが設けられ、外乱および反作用力推定オブザーバ5m,5sによりマニピュレータ1b,2bに加わる外力トルク(外乱)τh ,τenv が推定され、制御部1a,2aの出力に加算されて、外乱が補償される。また、外乱および反作用力推定オブザーバ5m,5sにより推定された外力トルクは、加算されて、マスタ側およびスレーブ側の制御部1a,2aに与えられる。なお、外乱および反作用力推定オブサーバ5m,5sは外乱と外力トルクを検出しており、この例では、外力トルク以外の外乱はないとみなしている。
さらに、マスタ1側には、上記マニピュレータ1bを制御する制御系に加え、スレーブ側の動作を模擬するモデル8と、前記した通信外乱オブザーバ4と、この通信外乱オブザーバ4の出力に基づき、通信外乱の補償値を生成する補償値生成手段6から構成される通信遅延補償部7が設けられている。
また、この角速度信号θ’res m は通信路3を介してスレーブ側に送信されるとともに、外乱および反作用力推定オブザーバ5mに与えられる。さらに、上記通信遅延補償部7のモデル8に入力される。
一方、マニピュレータ1bの駆動トルクτm が上記外乱および反作用力推定オブザーバ5mに与えられ、外乱および反作用力推定オブザーバ5mは、マニピュレータ1bの駆動トルクと、角速度信号θ’res m によりマスタ側に加わる外力トルクτh を推定し、外力トルク推定値τh ^と、外力トルク補償値τmcmpを出力する。外力トルク推定値τh ^は、通信路3を介してスレーブ2側に送られるとともに、スレーブ2側から通信路3を介して送られてくる外力トルクの推定値τenv ^と加算され、制御部1aに与えられる。
図8に上記外乱および反作用力推定オブザーバ5mのブロック図を示す。同図に示すように、外乱および反作用力推定オブザーバ5mの構成は、ここでは外力トルク以外の外乱はないものと考えているので、基本的には前記図3(b)に示したものと同じであり、スレーブ側の外乱および反作用力推定オブザーバ5sも同様の構成を有している。
通信遅延補償部7は、スレーブ側の制御系のモデル8を有し、モデル8は、マスタ側の角度信号θres m 、角速度信号θ’res m から、スレーブ2側のマニピュレータ2bの駆動トルクτs を推定する。
制御部1aでは、図7に示すように上記比較部1c,1dが出力する位置偏差、速度偏差に位置制御ゲインKp、速度制御ゲインKvを乗じて加算する。そして、その加算結果にスレーブ側から送られてくる外力トルクの推定値τenv ^と前記外力トルク推定値τh ^の和にゲインKfを乗じたものを加算し、慣性係数(ノミナル値)Jnを乗じて出力する。
一方、マニピュレータ2bに与えられる駆動トルクτs が上記外乱および反作用力推定オブザーバ5sに与えられ、外乱および反作用力推定オブザーバ5sは、マニピュレータ2bに与えられる駆動トルクτs と角速度信号θ’res s に基づきスレーブ2側に加わる外力トルクτenv を推定し、外力トルク推定値τenv ^と、外力トルク補償値τscmpを出力する。外力トルク推定値τenv ^は、通信路3を介してマスタ1側に送られるとともに、マスタ1側から通信路3を介して送られてくる外力トルクの推定値τh ^と加算され、制御部2aに入力される。
上記外乱および反作用力推定オブザーバ5sの構成は、前記図8に示したものと同様であり、上記外力トルク補償値τscmpをマニピュレータ2bの駆動トルクに加算することで外力トルクτenv ^を補償する。
制御部2aでは、図7に示すように上記比較部2c,2dが出力する位置偏差、速度偏差に位置制御ゲインKp、速度制御ゲインKvを乗じて加算する。そして、その加算結果にマスタ側から送られてくる外力トルクの推定値τh ^と前記外力トルクの推定値τenv ^の和にゲインKfを乗じたものを加算し、慣性係数(ノミナル値)Jnを乗じて出力する。
なお、図6、図7の例では、マスタ側にスレーブ側制御系のモデル8を設けているが、上記モデル8は必須のものではなく、上記スレーブ側の駆動トルクもしくはそれに相当する駆動トルクの値をその他の手段で得てもよい。
また、スレーブ2側のマニピュレータ2bが物体などに接触し外力が作用すると、外乱および反作用力推定オブザーバ5sは、この外力を推定し、外力トルク推定値τenv ^として出力する。この外力トルク推定値τenv ^は、通信路3を介してマスタ1側に送られる。
マスタ1側では、上記外力トルク推定値τenv ^と、外乱および反作用力推定オブザーバ5mで推定されたマスタ側のマニピュレータ1bに加わる外力トルク推定値τh ^と加算して、制御部1aに与える。このため、マスタ側のマニピュレータ1bには、この外力が作用し、マスタ側のマニピュレータ1bの操作者は、上記スレーブ側のマニピュレータ2bに作用した力を触覚として感じることができる。
一方、通信路3で生ずる通信遅延は、前記図1、図2で説明したように、通信遅延補償部7で補償され、マスタ1側、スレーブ2側の制御系は通信遅延が変動しても安定に制御される。
図9(a)に示すように、遅延時間補償を行なわない場合には、マスタ側の動きにスレーブ側は追従できず、不安定化しているのに対し、本発明により通信遅延時間を補償することにより、図9(b)に示すようにスレーブ側をマスタ側の動きに正確に追従させることができる。
図10(a)は、スミス法により通信遅延時間の補償を行なった場合の位置応答であり、スミス法の中で必要となる遅延時間の推定値をT=220msにした場合を示している。この例は、遅延時間の推定値が実際の遅延時間より短い場合である。
図10(b)は、スミス法により通信遅延時間の補償を行なった場合の位置応答であり、スミス法の中で必要となる遅延時間の推定値をT=460msにした場合を示している。この例は、遅延時間の推定値が実際の遅延時間より大きい場合である。
図11は、本発明により通信遅延時間を補償した場合の位置応答である。
図10(a)、図10(b)、図11を比較すると明らかなように、スミス法により通信遅延時間を補償した場合、遅延時間の推定値が実際の遅延時間と異なると、応答が悪く、スレーブ側をマスタ側の動きに安定に追従させることができないが、本発明では遅延時間の推定値を必要とせず、本発明の通信遅延補償を行なうことにより、スレーブ側をマスタ側の動きに安定に追従させることができる。
同図(a)に示すように、スレーブ側が物体に接触したとき、マスタ側には若干行き過ぎが生じているが、同図(b)に示すように、スレーブ側に物体との接触力が加わったとき、マスタ側でその接触力が再現されており、正確な力の伝達が実現されていることがわかる。
Claims (4)
- 通信の時間遅延がある通信路を介して、遠隔地にある制御対象を制御する遠隔制御システムであって、
上記通信路における通信外乱を、上記通信路を介して送信する制御信号もしくは制御信号に相当する信号と、遠隔地にある制御対象から送信される応答信号もしくは応答信号に相当する信号に基づき推定する通信外乱推定手段と、
上記通信外乱推定手段により推定された通信外乱に基づき、通信遅延を補償する補償値を生成する補償値生成手段とを備え、
上記補償値生成手段により生成された補償値により上記遠隔制御システムにおける通信遅延を補償する
ことを特徴とする遠隔制御システム。 - 上記遠隔地にある制御対象に加わる外乱を推定する第2の外乱推定手段を備え、
該第2の外乱推定手段により推定された外乱に基づき、遠隔地にある制御対象に加わる外乱を補償する
ことを特徴とする請求項1記載の遠隔制御システム。 - 上記遠隔地にある制御対象に加わる外乱が、上記通信外乱推定手段の推定結果へ及ぼす影響が少なくなるように、上記通信外乱推定手段のゲインと、上記外乱推定手段のゲインを設定した
ことを特徴とする請求項2記載の遠隔制御システム。 - マスタ側のマニピュレータと、スレーブ側のマニピュレータが通信遅延を有する通信路を介して接続され、マスタ側のマニピュレータに追従させてスレーブ側のマニピュレータを駆動し、スレーブ側に加わる操作力をマスタ側に伝達する遠隔制御システムであって、
マスタ側のマニピュレータを制御する第1の制御部と、スレーブ側のマニピュレータを制御する第2の制御部と、
マスタ側のマニピュレータの出力に基づきスレーブ側のマニピュレータの動作を模擬し、この模擬信号とスレーブ側のマニピュレータから通信路を介して送られるスレーブ側マニピュレータの出力とから通信外乱を推定する通信外乱推定手段と、
上記通信外乱推定手段により推定された通信外乱に基づき、通信遅延を補償する補償値を生成する補償値生成手段とを備え、
マスタ側のマニピュレータの出力を上記通信路を介してスレーブ側に送り、スレーブ側のマニピュレータの出力と上記通信路を介して送られたマスタ側のマニピュレータの出力を第2の制御部に入力し、スレーブ側のマニピュレータを制御するとともに、
通信路を介して送られるスレーブ側マニピュレータ出力を上記補償値生成手段の出力により補償し、該補償されたスレーブ側マニピュレータ出力と、マスタ側のマニピュレータの出力を上記第1の制御部に入力し、マスタ側のマニピュレータを制御する
ことを特徴とする遠隔制御システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006543121A JP4930938B2 (ja) | 2004-10-29 | 2005-10-24 | 通信遅延を有する通信路を介して信号を送受信する遠隔制御システム |
Applications Claiming Priority (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004315391 | 2004-10-29 | ||
JP2004315391 | 2004-10-29 | ||
JP2006543121A JP4930938B2 (ja) | 2004-10-29 | 2005-10-24 | 通信遅延を有する通信路を介して信号を送受信する遠隔制御システム |
PCT/JP2005/019483 WO2006046500A1 (ja) | 2004-10-29 | 2005-10-24 | 通信遅延を有する通信路を介して信号を送受信する遠隔制御システム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2006046500A1 true JPWO2006046500A1 (ja) | 2008-05-22 |
JP4930938B2 JP4930938B2 (ja) | 2012-05-16 |
Family
ID=36227739
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006543121A Active JP4930938B2 (ja) | 2004-10-29 | 2005-10-24 | 通信遅延を有する通信路を介して信号を送受信する遠隔制御システム |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4930938B2 (ja) |
WO (1) | WO2006046500A1 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6204046B2 (ja) * | 2013-04-02 | 2017-09-27 | 株式会社ダイヘン | シミュレータ、シミュレーションシステム、シミュレーション方法、および、プログラム |
JP2016215357A (ja) * | 2015-05-26 | 2016-12-22 | 国立大学法人 名古屋工業大学 | パラメータ推定装置、パラメータ推定方法、プログラム及び制御装置 |
JP6787112B2 (ja) * | 2016-12-26 | 2020-11-18 | 日本電気株式会社 | 遠隔制御装置、遠隔制御システム、遠隔制御方法及び遠隔制御プログラム |
WO2022145150A1 (ja) * | 2020-12-28 | 2022-07-07 | ソニーグループ株式会社 | 制御システム及び制御方法 |
JP2023151894A (ja) | 2022-04-01 | 2023-10-16 | オムロン株式会社 | 制御システム、制御装置、制御方法及び制御プログラム |
JP7357820B1 (ja) | 2022-10-24 | 2023-10-06 | 三菱電機株式会社 | 遠隔操縦装置、移動体遠隔操縦システム、移動体制御装置、画像表示装置、移動体および遠隔操縦方法 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0876805A (ja) * | 1994-09-09 | 1996-03-22 | Toshiba Corp | プロセス制御装置 |
JPH08339207A (ja) * | 1995-06-13 | 1996-12-24 | Kobe Steel Ltd | 制御装置 |
JP2002229605A (ja) * | 2001-02-02 | 2002-08-16 | Yaskawa Electric Corp | フィードバック制御装置 |
JP2003305669A (ja) * | 2002-01-21 | 2003-10-28 | Center For Advanced Science & Technology Incubation Ltd | ロボットフォン |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6389274A (ja) * | 1986-09-30 | 1988-04-20 | 株式会社東芝 | マニピユレ−タのバイラテラル制御装置 |
JPH05313754A (ja) * | 1992-05-08 | 1993-11-26 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 速度制御装置 |
JPH06297368A (ja) * | 1992-10-23 | 1994-10-25 | Shinichi Yokota | マニピュレ−タの制御装置 |
JP2001296907A (ja) * | 2000-04-12 | 2001-10-26 | Nippon Steel Corp | むだ時間補償制御装置、むだ時間補償制御方法及び記憶媒体 |
-
2005
- 2005-10-24 JP JP2006543121A patent/JP4930938B2/ja active Active
- 2005-10-24 WO PCT/JP2005/019483 patent/WO2006046500A1/ja not_active Application Discontinuation
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0876805A (ja) * | 1994-09-09 | 1996-03-22 | Toshiba Corp | プロセス制御装置 |
JPH08339207A (ja) * | 1995-06-13 | 1996-12-24 | Kobe Steel Ltd | 制御装置 |
JP2002229605A (ja) * | 2001-02-02 | 2002-08-16 | Yaskawa Electric Corp | フィードバック制御装置 |
JP2003305669A (ja) * | 2002-01-21 | 2003-10-28 | Center For Advanced Science & Technology Incubation Ltd | ロボットフォン |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4930938B2 (ja) | 2012-05-16 |
WO2006046500A1 (ja) | 2006-05-04 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Artigas et al. | Time domain passivity control for position-position teleoperation architectures | |
Sun et al. | Wave-variable-based passivity control of four-channel nonlinear bilateral teleoperation system under time delays | |
Hua et al. | Delay-dependent stability criteria of teleoperation systems with asymmetric time-varying delays | |
JP4930938B2 (ja) | 通信遅延を有する通信路を介して信号を送受信する遠隔制御システム | |
Chan et al. | Extended active observer for force estimation and disturbance rejection of robotic manipulators | |
Muradore et al. | A review of bilateral teleoperation algorithms | |
Park et al. | Sliding mode control of bilateral teleoperation systems with force-reflection on the internet | |
CN110116409B (zh) | 一种基于扰动观测器的四通道遥操作双边控制方法 | |
Kubo et al. | Performance analysis of a three-channel control architecture for bilateral teleoperation with time delay | |
Coelho et al. | Smoother position-drift compensation for time domain passivity approach based teleoperation | |
Katsura et al. | A realization of multilateral force feedback control for cooperative motion | |
Slawiñski et al. | PD-like controller with impedance for delayed bilateral teleoperation of mobile robots | |
Farooq et al. | An extended state convergence architecture for multilateral teleoperation systems | |
Sun et al. | Stability control of force-reflected nonlinear multilateral teleoperation system under time-varying delays | |
US20050231480A1 (en) | Method of stabilizing haptic interface and haptic system using the same | |
Yan et al. | Dynamic gain control of teleoperating cyber-physical system with time-varying delay | |
Slawinski et al. | Bilateral teleoperation through the Internet | |
Aksman et al. | Force estimation based compliance control of harmonically driven manipulators | |
JP2007229897A (ja) | 触覚制御方法および触覚制御装置 | |
Yang et al. | Effects of quantization and saturation on performance in bilateral teleoperator | |
Lu et al. | An adaptive fuzzy control for human-in-the-loop operations with varying communication time delays | |
Gutiérrez-Giles et al. | Transparent master-slave teleoperation without force nor velocity measurements | |
CN110361960B (zh) | 针对基于时滞概率分布的双边遥操作系统的同步控制方法 | |
Nuno et al. | Passive bilateral teleoperation framework for assisted robotic tasks | |
Lee et al. | Prediction-based preview control of motion platform with time delay |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20070425 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20081017 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20081017 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110531 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110728 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120131 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120207 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Ref document number: 4930938 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150224 Year of fee payment: 3 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |