JPWO2006041150A1 - 糖尿病の予防および/または治療薬 - Google Patents
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Abstract
本発明によれば、farnesoid X receptorの活性を抑制する物質を有効成分とする糖尿病予防および/または治療薬を提供することができる。
Description
本発明は、新規な糖尿病予防および/または治療薬に関するものである。
farnesoid X receptor(FXR)は胆汁酸をリガンドとする核内受容体であり、コレステロールを胆汁酸に変換する際の律速酵素であるコレステロール7α水酸化酵素(cyp7α)の遺伝子発現を負に制御することが知られている(非特許文献1)。その制御機構としては、FXRの活性化により抑制性核内受容体small heterodimer partner (SHP)の発現が増加し、SHPがcyp7αの発現を抑制するという経路が知られている(非特許文献2、3)。
FXRの活性を変化させるような薬剤は、コレステロールレベルの異常高値または異常低値を示す疾患に対して有効であると考えられており、コレステロール低下剤として知られる陰イオン交換樹脂は、FXRの内因性リガンドである胆汁酸を吸着することによりFXR活性を抑制してcyp7αの発現を増加させる(非特許文献4)。その結果、コレステロールから胆汁酸への合成が促進され、コレステロール低下剤として有用であることが示されている。
また、FXRは核内受容体retinoic acid receptor(RXR)とヘテロダイマーを形成することが知られている。このRXRは、peroxisome proliferator-activated receptor(PPAR)γやPPARα等の核内受容体と相互作用することが知られており、FXR活性の変化がPPARγやPPARα等の関与する肥満、糖尿病または脂質異常等様々な疾患に対して作用を及ぼすことが示唆されている(特許文献1)。しかし、FXR活性を抑制することにより、PPARγまたはPPARαを介して肝糖新生が抑制されるという報告はない。
また、FXR活性化によりSHPを介して肝糖新生酵素のphosphoenolpyruvate carboxykinase(PEPCK)やglucose-6-phosphatase(G6Pase)の発現が抑制されるという報告がある(非特許文献5、特許文献2)。
しかし、逆にFXR活性が抑制されることにより肝糖新生が抑制されるという報告はない。
また、FXR活性化によりエネルギー代謝が亢進されるという報告がある(特許文献3)。
しかし、逆にFXR活性が抑制されることによりエネルギー代謝が亢進されるという報告はない。
コレステロール低下剤として知られる陰イオン交換樹脂であるコレスチミド(商品名:コレバイン、三菱ウェルファーマ株式会社)に関しては、これまで一定期間投与した後の血糖降下に関する報告(非特許文献6)および2型糖尿病を合併した高コレステロール血症患者における血糖日内変動に対する影響に関する報告(特許文献4)がある。しかし、その作用機序については明らかにされていない。
また、現在使用されている血糖降下を示す薬剤であるインスリン製剤、スルフォニル尿素剤、即効型インスリン分泌促進剤、ビグアナイド系薬剤、アルファグルコシダーゼ阻害剤またはグリタゾン系薬剤がFXR活性を抑制するという報告はない。
すなわち、FXR活性抑制剤が肝糖新生を抑制させ、エネルギー代謝を亢進することに関しては、本願発明者の知る限りこれまで一切報告されていない。
国際公開パンフレットWO02/20463号
国際公開パンフレットWO03/59253号
国際公開パンフレットWO03/80803号
国際公開パンフレットWO03/11308号
Science 1999, 284(5418):1362-5
Mol. Cell 2000, 6, 507-515
Mol. Cell 2000, 6, 517-526
J Biol Chem.2002, 277(45):42588-95.
J Biol Chem.2004, 279(22):23158-65.
臨床医薬12巻8号1996年6月1641頁
本発明の課題は、新規な糖尿病予防および/または治療薬を提供することにある。
本発明者らはかかる状況を鑑み鋭意研究を重ねた結果、farnesoid X receptor の活性を抑制する物質が糖尿病の予防および/または治療に有効であることを見出し本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1)farnesoid X receptorの活性を抑制する物質を有効成分とする、肝糖新生を抑制する糖尿病の予防および/または治療薬。
(2)farnesoid X receptorの活性を抑制する物質を有効成分とする、エネルギー代謝を亢進する糖尿病の予防および/または治療薬。
(3)エネルギー代謝の亢進が、基礎代謝の増加である上記2に記載の糖尿病の予防および/または治療薬。
(4)エネルギー代謝の亢進が、熱産生の増加である上記2に記載の糖尿病の予防および/または治療薬。
(5)コレステロール7a水酸化酵素の遺伝子発現量を上昇させる上記1または2に記載の糖尿病の予防および/または治療薬。
(6)small heterodimer partnerの遺伝子発現量を抑制させる上記1または2に記載の糖尿病の予防および/または治療薬。
(7)farnesoid X receptorの活性を抑制する物質が、薬学的に許容される陰イオン交換樹脂またはfarnesoid X receptorのアンタゴニストである上記1から6に記載の糖尿病の予防および/または治療薬。
(8)薬学的に許容しうる陰イオン交換樹脂が、胆汁酸吸着能を有するものである上記7に記載の糖尿病の予防および/または治療薬。
(9)薬学的に許容し得る陰イオン交換樹脂が、コレスチミド、コレスチラミンレジン、コレスチポール、塩酸セベラメル及び塩酸コレセベラムから選ばれるものである上記7または8に記載の糖尿病の予防および/または治療薬。
(10)薬学的に許容し得る陰イオン交換樹脂が、エピクロロヒドリン誘導体とイミダゾール誘導体に代表されるアミン類の重合反応にて合成される陰イオン交換樹脂である上記7または8に記載の糖尿病の予防および/または治療薬。
(11)薬学的に許容し得る陰イオン交換樹脂が、コレスチミドである上記7から10のいずれかに記載の糖尿病の予防および/または治療薬。
(1)farnesoid X receptorの活性を抑制する物質を有効成分とする、肝糖新生を抑制する糖尿病の予防および/または治療薬。
(2)farnesoid X receptorの活性を抑制する物質を有効成分とする、エネルギー代謝を亢進する糖尿病の予防および/または治療薬。
(3)エネルギー代謝の亢進が、基礎代謝の増加である上記2に記載の糖尿病の予防および/または治療薬。
(4)エネルギー代謝の亢進が、熱産生の増加である上記2に記載の糖尿病の予防および/または治療薬。
(5)コレステロール7a水酸化酵素の遺伝子発現量を上昇させる上記1または2に記載の糖尿病の予防および/または治療薬。
(6)small heterodimer partnerの遺伝子発現量を抑制させる上記1または2に記載の糖尿病の予防および/または治療薬。
(7)farnesoid X receptorの活性を抑制する物質が、薬学的に許容される陰イオン交換樹脂またはfarnesoid X receptorのアンタゴニストである上記1から6に記載の糖尿病の予防および/または治療薬。
(8)薬学的に許容しうる陰イオン交換樹脂が、胆汁酸吸着能を有するものである上記7に記載の糖尿病の予防および/または治療薬。
(9)薬学的に許容し得る陰イオン交換樹脂が、コレスチミド、コレスチラミンレジン、コレスチポール、塩酸セベラメル及び塩酸コレセベラムから選ばれるものである上記7または8に記載の糖尿病の予防および/または治療薬。
(10)薬学的に許容し得る陰イオン交換樹脂が、エピクロロヒドリン誘導体とイミダゾール誘導体に代表されるアミン類の重合反応にて合成される陰イオン交換樹脂である上記7または8に記載の糖尿病の予防および/または治療薬。
(11)薬学的に許容し得る陰イオン交換樹脂が、コレスチミドである上記7から10のいずれかに記載の糖尿病の予防および/または治療薬。
本発明によれば、farnesoid X receptorの活性を抑制する物質を有効成分とする糖尿病予防および/または治療薬を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、farnesoid X receptorとは、胆汁酸をリガンドとする核内受容体であり、抑制性核内受容体small heterodimer partner (SHP)の遺伝子発現を正に制御し、コレステロールを胆汁酸に変換する際の律速酵素であるコレステロール7α水酸化酵素(cyp7α)の遺伝子発現を負に制御するものである(Science 1999, 284(5418):1362-5)。ここで、FXRの活性は、cyp7αの遺伝子発現量またはSHPの遺伝子発現量により測定することができる。cyp7αの遺伝子発現量およびSHPの遺伝子発現量はリアルタイム定量PCR法(TaqMan Universal PCR Master Mix(Applied Biosystems社))等によって測定することができる。
本発明において、farnesoid X receptorの活性を抑制する物質とは、cyp7αの遺伝子発現量を2倍から15倍程度増加させる物質および/またはSHPの遺伝子発現量を20%から70%程度減少させる物質である。好ましくはcyp7αの遺伝子発現量を4倍から10倍程度増加させる物質および/またはSHPの遺伝子発現量を30%から60%程度減少させる物質が挙げられ、より好ましくはcyp7αの遺伝子発現量を8倍程度増加させる物質および/またはSHPの遺伝子発現量を50%程度以上減少させる物質が挙げられる。
本発明において、肝糖新生を抑制するとは、肝糖新生酵素であるglucose-6-phosphatase (G6Pase)および/またはphosphoenolpyruvate carboxykinase(PEPCK)等の遺伝子発現量をそれぞれ20%から70%程度減少させることであり、好ましくはそれぞれ30%から70%程度減少させることである。最も好ましくはそれぞれ40%程度減少させることである。ここで、G6Paseの遺伝子発現量およびPEPCK等の遺伝子発現量は、前述のリアルタイム定量PCR法等によって測定することができる。
本発明において、エネルギー代謝の亢進とは基礎代謝や熱産生が増加することであり、基礎代謝とは、体表面積あたりの酸素消費量、あるいは単位体重あたりの酸素消費量のことである。
本発明において、基礎代謝が増加するとは、単位体重あたりの酸素消費量が5%程度増加することであり、好ましくは10%から15%程度増加することである。
本発明において、熱産生が増加するとは、褐色脂肪組織(Brown Adipose Tissue(BAT))に存在する熱産生に関与するタンパクをコードする遺伝子の発現が、それぞれ1.3倍から2倍程度増加することであり、好ましくはそれぞれ3倍から4倍程度増加することである。ここで、小動物のBATにおける熱産生に関与するタンパクとしては、Deiodinase 2 (Dio2)、Uncoupler Protein 1(UCP-1)、PPAR gamma coactivator 1a (PGC-1a)などが挙げられる。Dio2とは、甲状腺ホルモンのT4(サイロキシン)をT3(トリヨードチロニン)に変換する酵素である。T3の主たる作用は代謝亢進(基礎代謝量、熱産生の増加)である。また、UCP-1はADPの酸化的リン酸化の不共役(uncoupling)、すなわち異化によって発生したエネルギーをATPなどの高エネルギーリン酸化合物に変えずに直接熱にする役割を持つ。PGC-1aは核内転写因子のcoactivatorであり、UCP-1やDio2の遺伝子発現を正に制御している。
本発明において、薬学的に許容し得る陰イオン交換樹脂とは、医薬品として投与可能な陰イオン交換樹脂であり、好ましくは胆汁酸吸着能を有する陰イオン交換樹脂が挙げられる。なお、以下の実施例に示すように、当該陰イオン交換樹脂を投与した場合に、肝糖新生の抑制やエネルギー代謝の亢進を示すものであれば特に限定はされない。
その一例としては、コレスチミド(2−メチルイミダゾール−エピクロロヒドリン共重合体)が最も好ましいものとして挙げられる。コレスチミドは、不規則に入り乱れた複雑な立体構造を有するが、下記式(I)の基本構造で示され、また、その構造は部分的には下記式(II)で示され、エピクロロヒドリン誘導体とイミダゾール誘導体に代表されるアミン類の重合反応、すなわち、特開昭60−209523号公報に記載の製造方法によって得られる。
なおコレスチミドはJANでは一般名colestimide (化学名:2-methylimidazole-epichlorohydrin copolymer)として登録されているが、INNでは一般名colestilan(化学名:2-methylimidazole polymer with 1-chloro-2,3-epoxypropane)として登録されている。
その他の好ましい陰イオン交換樹脂としては、前述のコレスチラミンレジンやコレスチポール((クロロメチル)オキシランを付加したN-(2−アミノエチル)−N’−[2−[(2−アミノ−エチル)アミノ]エチル]−1,2−エタンジアミン重合体)等が挙げられ、これらはシグマ社から市販されている。なお、コレスチラミンレジンは4級アンモニウム基を付加したスチレン−ジビニルベンゼン共重合体を含む強塩基性陰イオン交換樹脂で、その基本構造は下記式(III)で表される。
また、塩酸セベラメルの基本構造は下記式で表され、米国特許第5496545号公報に記載の方法、またはそれに準ずる方法により製造することができる。
塩酸コレセベラムの基本構造は下記式で表され、米国特許第5607669号公報に記載の方法、またはそれに準ずる方法により製造することができる。
なお、その他、特表平9−504782号、9−500368号、10−501264号、10−501842号、11−507093号、11−512074号及び5−512332号、並びに、特開平8−208750号、9−202732号、10−114661号及び11−228449号各号公報等に記載の陰イオン交換樹脂も、本発明の要旨を超えない限り、本発明において使用することができる。
本発明においてfarnesoid X receptorのアンタゴニストとは、投与した場合に肝糖新生の抑制やエネルギー代謝の亢進を示すものであればよく、特に制限はされず、低分子化合物でもよい。さらに、FXRの内因性リガンドである胆汁酸の腸管から肝臓への再吸収(腸肝循環)に関与することが知られているトランスポーターや胆汁酸結合タンパクを阻害する物質も本発明の糖尿病予防および/または治療薬に含まれると考えられる。トランスポーターの具体例としては、ileal apical sodium co-dependent bile acid transporter/ileal bile acid transporter (ASBT/IBAT)やNa+/Taurocholate cotransporting polypeptide (NTCP)等が挙げられ、胆汁酸結合タンパクとしては、ileal bile acid binding protein (IBABP)等が挙げられる。
本発明の糖尿病予防および/または治療薬は、有効成分である上記化合物それ自体を用いてもよいが、汎用の製剤用添加物を用いて上記有効成分を含む医薬組成物を製造して用いることが好ましい。
このような医薬組成物としては、錠剤、カプセル剤、細粒剤、丸剤、トローチ剤、液剤等を挙げることができ、これらは経口的(舌下投与を含む)に投与される。
経口用の医薬組成物は、混合、充填または打錠等の従来汎用の方法により製造することができる。また反復配合操作を用いて、多量の充填剤を使用した医薬組成物中に有効成分を分布させてもよい。例えば、経口投与に用いられる錠剤またはカプセル剤は単位投与物として提供されることが好ましく、結合剤、充填剤、希釈剤、打錠剤、滑沢剤、崩壊剤、着色剤、香味剤および湿潤剤等の通常使用される製剤用担体を含有していてもよい。錠剤は、当業界において周知の方法に従って、例えばコーティング剤を用いてコーティング錠としてもよい。
好ましい充填剤としては、セルロース、マンニトール、ラクトース等を挙げることができ、崩壊剤であるでん粉、ポリビニルピロリドン、ナトリウムでん粉グリコラート等のでん粉誘導体等や、滑沢剤であるラウリル硫酸ナトリウム等を製剤用添加物として用いることができる。経口用の液剤形態の医薬組成物は、例えば、水性または油性懸濁液、溶液、エマルジョン、シロップ剤もしくはエリキシル剤等の医薬組成物、あるいは使用前に水または適当な媒体により再溶解され得る乾燥医薬組成物として提供される。
このような液剤には、通常の添加剤、例えばソルビトール、シロップ、メチルセルロース、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸アルミニウムゲルまたは水素化食用脂肪のような沈殿防止剤;レシチン、ソルビタンモノオレエート、アラビアゴムのような乳化剤;アーモンド油、精留ココナッツ油、グリセリンエステル等の油状エステル;プロピレングリコール、エチルアルコールのような(食用油も包含し得る)非水性媒体;p−ヒドロキシ安息香酸のメチルエステル、エチルエステル若しくはプロピルエステル、またはソルビン酸のような保存剤、および必要に応じて通常の香味剤または着色剤等を配合することができる。
上記経口用の医薬組成物、例えば錠剤、カプセル剤、細粒剤等の場合は、通常5〜95%重量、好ましくは25〜90%重量の有効成分を含有する。
なお、コレスチミドは三菱ウェルファーマ(株)より商品名コレバインとして市販されており、本発明においてはコレバインをそのまま使用しても良い。
本発明の糖尿病予防および/または治療薬の投与量は、使用する有効成分、患者の年齢、健康状態、体重、疾患の重篤度、同時に行う治療・処置の種類や頻度、所望の効果の性質等により適宜決定すればよい。一般的には、コレスチミドを例にすると、成人1日あたりの投与量を、有効成分量として1〜60gとして、1日あたり1回ないしは数回投与すればよい。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの記載に限定されるものではない。なお、以下で使用したコレスチミドは、特開昭60−209523号公報に記載の方法に準じて製造したもの使用した。
実施例1
試験方法
KKAyマウス(雄性、日本クレア、5週齢、N=4-5)を使用した。コントロール群には正常食、コレスチミド群には2%のコレスチミドを含有した正常食(UAR社(Villemoison sur Orge, France)を与えた。
試験方法
KKAyマウス(雄性、日本クレア、5週齢、N=4-5)を使用した。コントロール群には正常食、コレスチミド群には2%のコレスチミドを含有した正常食(UAR社(Villemoison sur Orge, France)を与えた。
12日後、経口糖負荷試験を、通常の方法に従って実施した。グルコース負荷前の採血を実施した後、グルコース溶液を2g/kg体重の割合で経口投与し、30、60、90、120分後の血糖値を測定した。
その1週間後、マウスより肝臓を摘出し、胆汁酸合成酵素のcyp7α、抑制性核内受容体SHP、糖新生酵素のPEPCKおよびG6Paseの遺伝子発現量(relative mRNA level)をリアルタイム定量PCR法にて測定した。
リアルタイム定量PCR反応に供したプライマー配列は、Cyp7αに対しては配列表の配列番号1および2、SHPに対しては配列表の配列番号3および4、PEPCKに対しては配列表の配列番号5および6、G6Paseに対しては配列表の配列番号7および8をそれぞれ用いた。
結果
(1)体重
図1にコントロール群(■)およびコレスチミド群(●)の体重変化を示す。図1に示すとおり、コレスチミド群の体重はコントロール群の体重と比較して低値を示した。
(2)摂餌量
図2にコントロール群(■)およびコレスチミド群(●)の摂餌量変化を示す。図2に示すとおり、コレスチミド群の摂餌量とコントロール群の摂餌量は投与期間中、ほぼ同様の推移を示した。
(3)糖負荷試験
図3にコントロール群(■)およびコレスチミド群(●)の糖負荷後の血漿中グルコース濃度(mg/ml)の推移を示す。図3に示すとおり、コレスチミド群ではコントロール群と比較してグルコース負荷前の血糖値が約30%低下していた。
(1)体重
図1にコントロール群(■)およびコレスチミド群(●)の体重変化を示す。図1に示すとおり、コレスチミド群の体重はコントロール群の体重と比較して低値を示した。
(2)摂餌量
図2にコントロール群(■)およびコレスチミド群(●)の摂餌量変化を示す。図2に示すとおり、コレスチミド群の摂餌量とコントロール群の摂餌量は投与期間中、ほぼ同様の推移を示した。
(3)糖負荷試験
図3にコントロール群(■)およびコレスチミド群(●)の糖負荷後の血漿中グルコース濃度(mg/ml)の推移を示す。図3に示すとおり、コレスチミド群ではコントロール群と比較してグルコース負荷前の血糖値が約30%低下していた。
また、グルコース負荷後の血糖値もコレスチミド群ではコントロール群と比較して速やかに低下した。
(4)肝臓におけるcyp7αとSHPの遺伝子発現
図4に結果を示す。コレスチミド群ではコントロール群と比較してcyp7αの遺伝子発現量が約8倍以上と顕著に増加し、SHPの遺伝子発現量が50%以上減少していた。この結果は、コレスチミドにより肝臓におけるFXR活性が抑制され、胆汁酸合成の負の制御が解除されていることを示している。
(5)肝臓における糖新生酵素の遺伝子発現
図5に結果を示す。コレスチミド群ではコントロール群と比較してPEPCKおよびG6Paseのいずれも遺伝子発現量が抑制されていた。この結果は、コレスチミドにより肝臓における糖新生反応が抑制されることを示している。
(4)肝臓におけるcyp7αとSHPの遺伝子発現
図4に結果を示す。コレスチミド群ではコントロール群と比較してcyp7αの遺伝子発現量が約8倍以上と顕著に増加し、SHPの遺伝子発現量が50%以上減少していた。この結果は、コレスチミドにより肝臓におけるFXR活性が抑制され、胆汁酸合成の負の制御が解除されていることを示している。
(5)肝臓における糖新生酵素の遺伝子発現
図5に結果を示す。コレスチミド群ではコントロール群と比較してPEPCKおよびG6Paseのいずれも遺伝子発現量が抑制されていた。この結果は、コレスチミドにより肝臓における糖新生反応が抑制されることを示している。
以上の結果から、コレスチミドは肝臓におけるFXRの活性抑制を引き起こし、肝糖新生を抑制することが示された。
実施例2
試験方法
KKAyマウス(雄性、日本クレア、5週齢、N=6)を使用した。FXRアゴニストであるGW-4064(J. Med. Chem. 2000 vol.43 (16) p2971-2974)を10mg/kgの用量で4日間経口投与した。5日目にマウスを解剖し肝臓を摘出した。肝臓におけるcyp7α、SHPおよびPEPCK の遺伝子発現量を定量PCR法にて測定した。なお、リアルタイム定量PCR反応に供したプライマー配列は実施例1に示したものと同様である。
試験方法
KKAyマウス(雄性、日本クレア、5週齢、N=6)を使用した。FXRアゴニストであるGW-4064(J. Med. Chem. 2000 vol.43 (16) p2971-2974)を10mg/kgの用量で4日間経口投与した。5日目にマウスを解剖し肝臓を摘出した。肝臓におけるcyp7α、SHPおよびPEPCK の遺伝子発現量を定量PCR法にて測定した。なお、リアルタイム定量PCR反応に供したプライマー配列は実施例1に示したものと同様である。
結果
(1)肝臓におけるcyp7αとSHPの遺伝子発現
図6に結果を示す。GW-4064群ではコントロール群に比べて、cyp7αの遺伝子発現量を減少させ(図6−1)、SHPの遺伝子発現量を増加させた(図6−2)。この結果はFXRアゴニストであるGW-4064が肝臓においてFXRの活性上昇を介した胆汁酸合成の負の制御を行っていることを示している。
(2)肝臓における糖新生酵素の遺伝子発現
図7に結果を示す。GW-4064群ではコントロール群と比較してPEPCKの遺伝子発現量を増加させた。この結果は、FXRアゴニストであるGW-4064が肝臓において糖新生反応を亢進させたことを示している。
(1)肝臓におけるcyp7αとSHPの遺伝子発現
図6に結果を示す。GW-4064群ではコントロール群に比べて、cyp7αの遺伝子発現量を減少させ(図6−1)、SHPの遺伝子発現量を増加させた(図6−2)。この結果はFXRアゴニストであるGW-4064が肝臓においてFXRの活性上昇を介した胆汁酸合成の負の制御を行っていることを示している。
(2)肝臓における糖新生酵素の遺伝子発現
図7に結果を示す。GW-4064群ではコントロール群と比較してPEPCKの遺伝子発現量を増加させた。この結果は、FXRアゴニストであるGW-4064が肝臓において糖新生反応を亢進させたことを示している。
以上の結果から、FXRのアゴニストであるGW-4064は肝臓におけるFXRの活性上昇を引き起こし、肝糖新生を亢進させることが示された。
実施例3
試験方法
C57BL6マウス(雄性、Charles River Laboratories France社 (l'Arbresle, France)、5週齢、N=4-5)を使用した。guggulipidは、高脂血症薬として汎用されている薬剤であり、本発明においてはSyntrax Innovations社から販売されているものを使用した。
試験方法
C57BL6マウス(雄性、Charles River Laboratories France社 (l'Arbresle, France)、5週齢、N=4-5)を使用した。guggulipidは、高脂血症薬として汎用されている薬剤であり、本発明においてはSyntrax Innovations社から販売されているものを使用した。
コントロール群(HFD-cont)には高脂肪食(35.9%fat、UAR社 (Villemoison sur Orge, France))、guggulipid群(HFD-guggulipid)には2.5%のguggulipidを含有した高脂肪食、コレスチミド群(HDF−コレスチミド)には2%のコレスチミドを含有した高脂肪食を与えた。
投与8週目にインスリン負荷試験を通常の方法に従って実施した。インスリン負荷前の採血を実施した後、インスリンを腹腔内投与し、30、60、90分後の血糖値を測定した。
投与9週目に経口糖負荷試験を通常の方法に従って実施した。グルコース負荷前の採血を実施した後、グルコース溶液を経口投与し、30、60、90、120分後の血糖値を測定した。
投与12週目に基礎代謝測定装置(Oxymax、Columbus Instruments社)にて酸素消費量を測定した。
投与13週目にマウスより肝臓、副睾丸周囲白色脂肪組織、褐色脂肪組織を摘出し、重量を測定した。また、肝臓における胆汁酸合成酵素のcyp7α、抑制性核内受容体SHPの遺伝子発現量、褐色脂肪組織における3つの熱産生関連タンパク(1.PPAR gamma coactivator 1a (PGC-1a)、2.uncoupler protein 1(UCP-1)、3.deiodinase 2 (Dio2))の遺伝子発現量をリアルタイム定量PCR法にて測定した。
リアルタイム定量PCR反応に供したプライマー配列は、Cyp7αに対しては配列表の配列番号1および2、SHPに対しては配列表の配列番号3および4、PGC-1aに対しては配列表の配列番号9および10、UCP-1に対しては配列表の配列番号11および12、Dio2に対しては配列表の配列番号13および14をそれぞれ用いた。
結果
(1)体重
図8にコントロール群(●)、guggulipid群(■)、およびコレスチミド群(▲)の体重変化を示す。図8に示すとおり、guggulipid群、コレスチミド群の体重はコントロール群の体重と比較して低値を示した。
(2)臓器重量
図9に結果を示す。guggulipid群、コレスチミド群ではコントロール群と比較して副睾丸周囲脂肪組織の重量(図9−1)、褐色脂肪組織の重量(図9−2)が低下し、コレスチミド群では肝臓の重量(図9−3)も低下した。
(3)インスリン負荷試験
図10にコントロール群(●)、guggulipid群(■)、およびコレスチミド群(▲)のインスリン負荷後の血漿中グルコース濃度(mg/ml)の推移を示す。図10に示すとおり、guggulipid群、コレスチミド群ではコントロール群と比較してインスリン負荷後の血糖値が低下した。
(4)糖負荷試験
図11にコントロール群(●)、guggulipid群(■)、およびコレスチミド群(▲)の糖負荷後の血漿中グルコース濃度(mg/ml)の推移を示す。図11に示すとおり、guggulipid群、コレスチミド群ではコントロール群と比較してグルコース負荷後の血糖値が速やかに低下した。
(5)酸素消費量
図12に結果を示す。guggulipid群、コレスチミド群ではコントロール群と比較して単位体重あたりの酸素消費量が増加していた。
(1)体重
図8にコントロール群(●)、guggulipid群(■)、およびコレスチミド群(▲)の体重変化を示す。図8に示すとおり、guggulipid群、コレスチミド群の体重はコントロール群の体重と比較して低値を示した。
(2)臓器重量
図9に結果を示す。guggulipid群、コレスチミド群ではコントロール群と比較して副睾丸周囲脂肪組織の重量(図9−1)、褐色脂肪組織の重量(図9−2)が低下し、コレスチミド群では肝臓の重量(図9−3)も低下した。
(3)インスリン負荷試験
図10にコントロール群(●)、guggulipid群(■)、およびコレスチミド群(▲)のインスリン負荷後の血漿中グルコース濃度(mg/ml)の推移を示す。図10に示すとおり、guggulipid群、コレスチミド群ではコントロール群と比較してインスリン負荷後の血糖値が低下した。
(4)糖負荷試験
図11にコントロール群(●)、guggulipid群(■)、およびコレスチミド群(▲)の糖負荷後の血漿中グルコース濃度(mg/ml)の推移を示す。図11に示すとおり、guggulipid群、コレスチミド群ではコントロール群と比較してグルコース負荷後の血糖値が速やかに低下した。
(5)酸素消費量
図12に結果を示す。guggulipid群、コレスチミド群ではコントロール群と比較して単位体重あたりの酸素消費量が増加していた。
この結果は、guggulipid、コレスチミドにより基礎代謝が増加していることを示している。
(6)肝臓におけるcyp7αとSHPの遺伝子発現
図13に結果を示す。guggulipid群、コレスチミド群ではコントロール群と比較してcyp7αの遺伝子発現量が顕著に増加し、SHPの遺伝子発現量が約50%減少していた。
(6)肝臓におけるcyp7αとSHPの遺伝子発現
図13に結果を示す。guggulipid群、コレスチミド群ではコントロール群と比較してcyp7αの遺伝子発現量が顕著に増加し、SHPの遺伝子発現量が約50%減少していた。
この結果は、guggulipid、コレスチミドにより肝臓におけるFXR活性が抑制され、胆汁酸合成の負の制御が解除されていることを示している。
(7)褐色脂肪組織におけるPGC-1a、UCP-1、Dio2の遺伝子発現
図14に結果を示す。guggulipid群、コレスチミド群ではコントロール群と比較してのいずれも遺伝子発現量が増加していた。
(7)褐色脂肪組織におけるPGC-1a、UCP-1、Dio2の遺伝子発現
図14に結果を示す。guggulipid群、コレスチミド群ではコントロール群と比較してのいずれも遺伝子発現量が増加していた。
この結果は、guggulipid、コレスチミドにより褐色脂肪組織における熱産生反応が増加していることを示している。
以上の結果から、コレスチミドは肝臓におけるFXRの活性抑制を引き起こし、エネルギー代謝を亢進することが明らかになった。
実施例4
試験方法
KKAyマウス(雄性、日本クレア、N=8)を使用した。コントロール群には高脂肪食(23.6% fat)、コレスチミド群にはコレスチミドを2%含有した高脂肪食を与えた。投与4週目に、糖負荷試験を通常の方法に従って実施した。マウスを一晩絶食させ、グルコース負荷前の採血を実施した後、グルコース溶液を1g/kg体重の割合で経口投与し、30、60、90、120分後の血糖値を測定した。投与6週目にマウスを解剖し肝臓を摘出した。肝臓におけるcyp7α、SHP の遺伝子発現量を定量PCR法にて測定した。なお、リアルタイム定量PCR反応に供したプライマー配列は実施例1に示したものと同様である。
実施例4
試験方法
KKAyマウス(雄性、日本クレア、N=8)を使用した。コントロール群には高脂肪食(23.6% fat)、コレスチミド群にはコレスチミドを2%含有した高脂肪食を与えた。投与4週目に、糖負荷試験を通常の方法に従って実施した。マウスを一晩絶食させ、グルコース負荷前の採血を実施した後、グルコース溶液を1g/kg体重の割合で経口投与し、30、60、90、120分後の血糖値を測定した。投与6週目にマウスを解剖し肝臓を摘出した。肝臓におけるcyp7α、SHP の遺伝子発現量を定量PCR法にて測定した。なお、リアルタイム定量PCR反応に供したプライマー配列は実施例1に示したものと同様である。
結果
(1)糖負荷試験
図15にコントロール群(●)、およびコレスチミド群(▲)の糖負荷後の血漿中グルコース濃度(mg/ml)の推移を示す。
(1)糖負荷試験
図15にコントロール群(●)、およびコレスチミド群(▲)の糖負荷後の血漿中グルコース濃度(mg/ml)の推移を示す。
図15に示すとおり、コレスチミド群ではコントロール群と比較してグルコース負荷後の血糖値が速やかに低下した。
(2)肝臓におけるcyp7αとSHPの遺伝子発現
図16に結果を示す。コレスチミド群ではコントロール群と比較してcyp7αの遺伝子発現量が約5.5倍増加し、SHPの遺伝子発現量が約60%減少していた。
(2)肝臓におけるcyp7αとSHPの遺伝子発現
図16に結果を示す。コレスチミド群ではコントロール群と比較してcyp7αの遺伝子発現量が約5.5倍増加し、SHPの遺伝子発現量が約60%減少していた。
この結果は、コレスチミドにより肝臓におけるFXR活性が抑制され、胆汁酸合成の負の制御が解除されていることを示している。
実施例5
試験方法
KKAyマウス(雄性、日本クレア、N=8)を使用した。コントロール群には高脂肪食(23.6% fat)、塩酸コレセベラム群には塩酸コレセベラムを2%含有した高脂肪食を与えた。投与4週目に、糖負荷試験を通常の方法に従って実施した。マウスを一晩絶食させ、グルコース負荷前の採血を実施した後、グルコース溶液を1g/kg体重の割合で経口投与し、30、60、90、120分後の血糖値を測定した。投与6週目にマウスを解剖し肝臓を摘出した。肝臓におけるcyp7α、SHP の遺伝子発現量を定量PCR法にて測定した。なお、リアルタイム定量PCR反応に供したプライマー配列は実施例1に示したものと同様である。
実施例5
試験方法
KKAyマウス(雄性、日本クレア、N=8)を使用した。コントロール群には高脂肪食(23.6% fat)、塩酸コレセベラム群には塩酸コレセベラムを2%含有した高脂肪食を与えた。投与4週目に、糖負荷試験を通常の方法に従って実施した。マウスを一晩絶食させ、グルコース負荷前の採血を実施した後、グルコース溶液を1g/kg体重の割合で経口投与し、30、60、90、120分後の血糖値を測定した。投与6週目にマウスを解剖し肝臓を摘出した。肝臓におけるcyp7α、SHP の遺伝子発現量を定量PCR法にて測定した。なお、リアルタイム定量PCR反応に供したプライマー配列は実施例1に示したものと同様である。
結果
(1)糖負荷試験
図17にコントロール群(●)、および塩酸コレセベラム群(▲)の糖負荷後の血漿中グルコース濃度(mg/ml)の推移を示す。
(1)糖負荷試験
図17にコントロール群(●)、および塩酸コレセベラム群(▲)の糖負荷後の血漿中グルコース濃度(mg/ml)の推移を示す。
図17に示すとおり、塩酸コレセベラム群ではコントロール群と比較してグルコース負荷後の血糖値が速やかに低下した。
(2)肝臓におけるcyp7αとSHPの遺伝子発現
図18に結果を示す。塩酸コレセベラム群ではコントロール群と比較してcyp7αの遺伝子発現量が約5.4倍増加し、SHPの遺伝子発現量が約20%減少していた。
(2)肝臓におけるcyp7αとSHPの遺伝子発現
図18に結果を示す。塩酸コレセベラム群ではコントロール群と比較してcyp7αの遺伝子発現量が約5.4倍増加し、SHPの遺伝子発現量が約20%減少していた。
この結果は、塩酸コレセベラムにより肝臓におけるFXR活性が抑制され、胆汁酸合成の負の制御が解除されていることを示している。
実施例6
試験方法
KKAyマウス(雄性、日本クレア、N=8)を使用した。コントロール群には高脂肪食(23.6% fat)、塩酸セベラマー群には塩酸セベラマーを2%含有した高脂肪食を与えた。投与4週目に、糖負荷試験を通常の方法に従って実施した。マウスを一晩絶食させ、グルコース負荷前の採血を実施した後、グルコース溶液を1g/kg体重の割合で経口投与し、30、60、90、120分後の血糖値を測定した。投与6週目にマウスを解剖し肝臓を摘出した。肝臓におけるcyp7α、SHP の遺伝子発現量を定量PCR法にて測定した。なお、リアルタイム定量PCR反応に供したプライマー配列は実施例1に示したものと同様である。
実施例6
試験方法
KKAyマウス(雄性、日本クレア、N=8)を使用した。コントロール群には高脂肪食(23.6% fat)、塩酸セベラマー群には塩酸セベラマーを2%含有した高脂肪食を与えた。投与4週目に、糖負荷試験を通常の方法に従って実施した。マウスを一晩絶食させ、グルコース負荷前の採血を実施した後、グルコース溶液を1g/kg体重の割合で経口投与し、30、60、90、120分後の血糖値を測定した。投与6週目にマウスを解剖し肝臓を摘出した。肝臓におけるcyp7α、SHP の遺伝子発現量を定量PCR法にて測定した。なお、リアルタイム定量PCR反応に供したプライマー配列は実施例1に示したものと同様である。
結果
(1)糖負荷試験
図19にコントロール群(●)、および塩酸セベラマー群(▲)の糖負荷後の血漿中グルコース濃度(mg/ml)の推移を示す。
(1)糖負荷試験
図19にコントロール群(●)、および塩酸セベラマー群(▲)の糖負荷後の血漿中グルコース濃度(mg/ml)の推移を示す。
図19に示すとおり、塩酸セベラマー群ではコントロール群と比較してグルコース負荷後の血糖値が速やかに低下した。
(2)肝臓におけるcyp7αとSHPの遺伝子発現
図20に結果を示す。塩酸セベラマー群ではコントロール群と比較してcyp7αの遺伝子発現量が約5.9倍増加し、SHPの遺伝子発現量が約60%減少していた。
(2)肝臓におけるcyp7αとSHPの遺伝子発現
図20に結果を示す。塩酸セベラマー群ではコントロール群と比較してcyp7αの遺伝子発現量が約5.9倍増加し、SHPの遺伝子発現量が約60%減少していた。
この結果は、塩酸セベラマーにより肝臓におけるFXR活性が抑制され、胆汁酸合成の負の制御が解除されていることを示している。
本発明によれば、新規な糖尿病予防および/または治療剤を提供することができる。
なお、本出願は、日本特許出願 特願2004−301027号及び特願2005‐152124を優先権主張して出願されたものである。
Claims (11)
- farnesoid X receptorの活性を抑制する物質を有効成分とする、肝糖新生を抑制する糖尿病の予防および/または治療薬。
- farnesoid X receptorの活性を抑制する物質を有効成分とする、エネルギー代謝を亢進する糖尿病の予防および/または治療薬。
- エネルギー代謝の亢進が、基礎代謝の増加である請求項2に記載の糖尿病の予防および/または治療薬。
- エネルギー代謝の亢進が、熱産生の増加である請求項2に記載の糖尿病の予防および/または治療薬。
- コレステロール7a水酸化酵素の遺伝子発現量を上昇させる請求項1または2に記載の糖尿病の予防および/または治療薬。
- small heterodimer partnerの遺伝子発現量を抑制させる請求項1または2に記載の糖尿病の予防および/または治療薬。
- farnesoid X receptorの活性を抑制する物質が、薬学的に許容される陰イオン交換樹脂またはfarnesoid X receptorのアンタゴニストである請求項1から6に記載の糖尿病の予防および/または治療薬。
- 薬学的に許容しうる陰イオン交換樹脂が、胆汁酸吸着能を有するものである請求項7に記載の糖尿病の予防および/または治療薬。
- 薬学的に許容し得る陰イオン交換樹脂が、コレスチミド、コレスチラミンレジン、コレスチポール、塩酸セベラメル及び塩酸コレセベラムから選ばれるものである請求項7または8に記載の糖尿病の予防および/または治療薬。
- 薬学的に許容し得る陰イオン交換樹脂が、エピクロロヒドリン誘導体とイミダゾール誘導体に代表されるアミン類の重合反応にて合成される陰イオン交換樹脂である請求項7または8に記載の糖尿病の予防および/または治療薬。
- 薬学的に許容し得る陰イオン交換樹脂が、コレスチミドである請求項7から10のいずれかに記載の糖尿病の予防および/または治療薬。
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