JPWO2006040878A1 - 単結晶製造装置 - Google Patents

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Abstract

チョクラルスキー法によりシリコン単結晶を育成する単結晶製造装置であって、少なくとも、前記単結晶の育成を行うチャンバ内でシリコン単結晶を囲繞するように配置され、該チャンバに導入されるガスの流れを整えるガス整流筒を具備し、該ガス整流筒の内側に気泡を含有する石英材が設けられていることを特徴とする単結晶製造装置。これにより、CZシリコン単結晶を育成する際に、単結晶面内径方向のF/Gを所定の値に一定に制御して、面内で均一な所望の欠陥領域を有するシリコン単結晶を効率的に製造することができ、さらにFeおよびCuの不純物汚染を防止して高品質のシリコン単結晶の製造が可能な単結晶製造装置が提供される。

Description

本発明は、チョクラルスキー法(Czochralski Method、以下CZ法と称す)によりシリコン単結晶を製造する単結晶製造装置に関し、より詳しくは、単結晶を引上げる際に結晶成長軸方向における固液界面近傍の温度勾配を単結晶径方向で均一になるように制御でき、それによって、所望の欠陥領域が面内で均一に分布するシリコン単結晶を効率よく製造することができ、かつ、不純物金属元素による汚染が少なく高品質のシリコン単結晶を製造することができる単結晶製造装置に関する。
半導体素子の基板として用いられる単結晶には、例えばシリコン単結晶があり、主にCZ法により製造されている。近年、半導体の高集積化および微細化が進んでおり、それに伴い、シリコン単結晶の成長中に導入されるグローンイン(Grown−in)欠陥の問題が重要となっている。
グローンイン欠陥には、結晶成長速度(結晶引上げ速度)Fが比較的高速の場合に形成されるFPD(Flow Pattern Defect)やCOP(Crystal Originated Particle)のようなボイド起因の空孔型欠陥と、これより引上げ速度が低下した場合に発生するOSF(酸素誘起積層欠陥、Oxidation Induced Stacking Fault)と、更に引上げ速度が低下した場合に発生するLSEP(Large Secco Etching Pit)やLFPD(Large Flow Pattern Defect)のような転位ループ起因と考えられている格子間シリコンが凝集した欠陥とが存在する。
近年、FPDやCOPが存在するV(Vacancy)領域と、LSEPやLFPDが存在するI(Interstitial)領域の中間であってOSFリングの外側に、ボイド起因の空孔型欠陥も転位ループ起因の格子間シリコン型欠陥のいずれも存在しないN(Neutral)領域が存在することが発見されている。この領域をさらに分類すると、空孔の多いNv領域と格子間シリコンの多いNi領域とがある。Nv領域では、熱酸化処理をした際に酸素析出量が多く、Ni領域では酸素析出が殆ど無いことがわかっている。
さらに、熱酸化処理後、酸素析出が発生し易いNv領域の一部に、Cuデポジション処理で検出される欠陥が存在する領域があることがわかっている。
一般にCZ法によりシリコン単結晶を製造する際には、例えば図7に示すような単結晶製造装置が用いられる。
この単結晶製造装置30は、例えばシリコンのような原料多結晶を収容するルツボや加熱ヒーター、及び輻射熱を遮断するための断熱部材等を格納するメインチャンバ1を有している。このメインチャンバ1の上部には育成した単結晶3を収容し、取り出すための引上げチャンバ2が連接されており、この上部に単結晶3をワイヤー14で引上げる引上げ機構(不図示)が設けられている。
メインチャンバ1内には、溶融された原料融液4を収容する石英ルツボ5とその石英ルツボ5を支持する黒鉛ルツボ6が設けられ、これらのルツボ5、6は駆動機構(不図示)によって回転昇降自在に支持軸13で支持されている。このルツボ5、6の駆動機構は、単結晶3の引上げに伴う原料融液4の液面低下を補償すべく、ルツボ5、6を液面低下分だけ上昇させるようにしている。
そして、ルツボ5、6を囲繞するように、円筒形状の加熱ヒーター7が配置されている。この加熱ヒーター7の外側には、加熱ヒーター7からの熱がメインチャンバ1に直接輻射されるのを防止するために、断熱部材8がその周囲を取り囲むように設けられている。
また、メインチャンバ1の内部にはガス整流筒31が設けられており、このガス整流筒31の下端には遮熱部材32が設置され、原料融液4の表面からの輻射をカットするとともに原料融液4の表面を保温するようにしている。さらに、ガス整流筒31の上方には冷却筒11が設置されており、冷媒導入口12から冷却媒体を流すことによって単結晶3を強制冷却できるようになっている。
このような単結晶製造装置30を用いてCZ法によりシリコン単結晶を育成する場合、先ず、石英ルツボ5に原料となる多結晶シリコンを収容し、加熱ヒーター7により石英ルツボ5内の多結晶シリコンを加熱し溶融する。次に、引上げチャンバ2の上部に設けられたガス導入口10からAr等の不活性ガスを導入しながら、原料融液4に種ホルダー15に固定された種結晶16を着液させ、その後、回転させながら静かに引上げることによって略円柱状のシリコン単結晶3を成長させることができる。このとき、ガス導入口10から導入された不活性ガスは、ガス整流筒31と引上げ中のシリコン単結晶3との間を通過して、ガス流出口9から排出することができる。
このようなCZ法による単結晶の製造において、上記で説明したグローンイン欠陥は、単結晶を成長させるときの引上げ速度F(mm/min)と固液界面近傍のシリコンの融点から1400℃の間の引上げ軸方向の結晶温度勾配G(℃/mm)の比であるF/G(mm/℃・min)というパラメーターにより、その導入量が決定されると考えられている(例えば、V.V.Voronkov,Journal of Crystal Growth,vol.59(1982),pp.625〜643参照)。
通常、結晶成長軸方向の温度勾配は結晶長や残融液量等の変化によってCZ炉内の熱的な環境が徐々に変化するため、単結晶の育成中では単結晶の成長に伴い結晶成長軸方向の温度勾配Gが徐々に変化してしまう。そのため、例えば単結晶の成長に伴い引上げ速度FをF/Gが一定となるように温度勾配Gの変化に応じて調節することにより、単結晶直胴部の全域に亘り所望の欠陥領域或いは所望の無欠陥領域を有するシリコン単結晶を引上げることが可能となる(特開平8−330316号公報参照)。
しかしながら、引き上げ速度を制御してN領域を有する単結晶を引き上げる場合、単結晶面内において例えばOSF領域とN領域、V領域とN領域、I領域とN領域が混在する場合が多い。このように、ウェーハ面内においてN領域の他にV領域、OSF領域あるいはI領域が存在すると、著しい電気特性の悪化を招く危険性がある。このため、ウエーハ面内欠陥品質の均一性の改善が課題となっていた。
ウェーハ面内の欠陥分布を均一に制御する方法として、例えば、融液表面からガス整流筒下端までの距離を広げる方法等が提案されている。しかし、融液表面からガス整流筒下端までの距離を過剰に広げると、不活性ガスの流れを整流化したことによる効果、例えば、結晶中の酸素濃度制御やN領域結晶引上げ速度の低下などを引き起こすため、融液表面からガス整流筒下端までの距離を広げずにシリコン単結晶を育成することが必要となっている。
一方、近年の素子製造における歩留向上の重要な要素として、ウエーハの外周部における素子の収率向上が課題となっており、そのため、ウエーハ外周部において鉄(Fe)および銅(Cu)などの重金属を低減させることが重要となっている。このような単結晶に生じる重金属汚染の原因としては、原料および炉内構成部品からFeおよびCu元素が原料融液中に混入し、固液界面からシリコン単結晶に取り込まれることが知られているが、最近では、例えばガス整流筒などから放出されたFeやCu等が引上げ中の単結晶に付着し、これが内部に拡散することにより、結晶周辺部で重金属等の不純物汚染が発生することが明らかにされている。
特に200mm以上の直径を有する大口径のシリコン単結晶をCZ法により育成する場合には、原料融液から引き上げた単結晶を囲むようにガス整流筒を設置した単結晶製造装置を使用することが多い。このガス整流筒は育成中にチャンバ内に供給された不活性ガスを整流させ、原料融液から蒸発するシリコン酸化物を炉外へ効率的に排出させるためにも重要である。
一般的に、このようなガス整流筒としては黒鉛部材等の炭素材が用いられ、結晶から10〜200mmの範囲の距離、特には10〜100mmの距離で結晶に近接するように配置される。また、ガス整流筒の材料としては、タングステン、モリブデン等の高融点金属を用いることもある。さらに、適当な冷媒を用いる場合には、ステンレスや銅をガス整流筒の材料として用いることもできる。
さらに、加熱ヒーターや原料融液からの輻射を遮断しガス整流筒内の保温性を高めるために、ガス整流筒の内側にカーボンフェルトからなる断熱材を設ける場合がある。
しかしながら、シリコン単結晶を育成する際にガス整流筒からFe及びCuなどの重金属成分が放出されると、それらの重金属成分が育成中の単結晶表面に付着し、その後の高温から室温まで冷却される過程において結晶周辺からFe及びCuの拡散が生じ、単結晶周辺部、特に単結晶の外周から直径10%以内の外周部において金属汚染が引き起こされてしまう。中でも、カーボンフェルト製の断熱材は、黒鉛部材等に比べ純度が低い上、シリコン単結晶の育成中に繊維が飛散し易く、これによりFeやCuなどによる汚染を引き起こしやすいという問題があった。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、本発明の主な目的は、CZシリコン単結晶を育成する際に、単結晶面内径方向のF/Gを所定の値に一定に制御して、面内で均一な所望の欠陥領域を有するシリコン単結晶を効率的に製造することができ、さらにFeおよびCuの不純物汚染を防止して高品質のシリコン単結晶の製造が可能な単結晶製造装置を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明は、チョクラルスキー法によりシリコン単結晶を育成する単結晶製造装置であって、少なくとも、前記単結晶の育成を行うチャンバ内でシリコン単結晶を囲繞するように配置され、該チャンバに導入されるガスの流れを整えるガス整流筒を具備し、該ガス整流筒の内側に気泡を含有する石英材が設けられていることを特徴とする単結晶製造装置を提供する。
このように、チャンバ内でシリコン単結晶を囲繞するように配置されるガス整流筒の内側に気泡を含有する石英材が設けられている単結晶製造装置であれば、シリコン単結晶を育成する際にシリコン融液を加熱するヒーターやシリコン融液からの輻射熱を遮断し、ガス整流筒内の保温性を高めることができる単結晶製造装置とすることができる。これにより、単結晶引上げ中の固液界面近傍における引上げ軸方向の結晶温度勾配Gを単結晶径方向で均一に制御することが可能となり、径方向でF/Gを所定の値に一定に制御して所望の欠陥領域、特に無欠陥領域が面内で均一に分布するシリコン単結晶を効率的に製造できる単結晶製造装置となる。さらに、ガス整流筒の内側に気泡を含有する石英材が設けられているので、ガス整流筒からのFeおよびCuの不純物汚染を効果的に防止して、高品質のシリコン単結晶を安定して製造できる装置とすることができる。
この場合、前記ガス整流筒の内側に設けられている気泡を含有する石英材中の気泡密度が、5×10個/cm以上1×10個/cm以下であることが好ましい。
このように、ガス整流筒の内側に設けられている気泡を含有する石英材中の気泡密度が5×10個/cm以上1×10個/cm以下であるものであれば、シリコン単結晶を育成する際にシリコン融液を加熱するヒーターやシリコン融液からの輻射熱をより効果的に遮断しガス整流筒内の保温性をさらに向上させることができる。これにより、高い引上げ速度FでF/Gを所定の値に一定に制御し、所望の欠陥領域が面内で均一に分布するシリコン単結晶を製造できるようになるとともに、特に無欠陥領域を有するシリコン単結晶が製造できる引上げ速度の制御許容幅が広くなるので、無欠陥領域を有するシリコン単結晶を安定して製造できる単結晶製造装置となる。
この場合、前記ガス整流筒の内側に設けられている気泡を含有する石英材は、前記ガス整流筒の内側の表面積に対する占有率が20%以上であり、かつ肉厚が3mm以上50mm以下であることが好ましい。
このように、ガス整流筒の内側に設けられている気泡を含有する石英材が、ガス整流筒の内側の表面積に対する占有率が20%以上であり、かつ肉厚が3mm以上50mm以下であるものであれば、加熱ヒーターやシリコン融液からの輻射熱をより効果的に遮断してガス整流筒内の保温性をさらに向上させることができる単結晶製造装置となる。
この場合、前記ガス整流筒の内側に設けられている気泡を含有する石英材は、1250℃における対数粘度が10poise以上14poise以下であることが好ましい。
このように、ガス整流筒の内側に設けられている気泡を含有する石英材が、1250℃における対数粘度が10poise以上14poise以下であるものであれば、シリコン単結晶育成中に石英材が高温に曝されて軟化し変形することを確実に防止できるものとなる。
この場合、前記ガス整流筒の内側に設けられている気泡を含有する石英材は、該石英材表面から深さ10μmまでの表面層領域におけるFeおよびCuの平均不純物濃度が1ppm未満であり、かつ石英材表面からの深さが10μmを超える領域におけるFeおよびCuの平均不純物濃度が前記表面層領域よりも低いものであることが好ましい。
ガス整流筒の内側に設けられている気泡を含有する石英材が上記のFeおよびCuの平均不純物濃度となるものであれば、育成する単結晶のFeおよびCuの不純物汚染を確実に防止することができる単結晶製造装置となる。
さらに、本発明は、上記の単結晶製造装置を用いてシリコン単結晶を育成する単結晶製造方法を提供する。
本発明の単結晶製造装置を用いてシリコン単結晶を育成することにより、シリコン単結晶を育成する際に加熱ヒーターやシリコン融液からの輻射熱を遮断してガス整流筒内の保温性を高めることができるので、単結晶引上げ中の固液界面近傍における引上げ軸方向の結晶温度勾配Gを単結晶径方向で均一になるように制御することが可能となり、F/Gを所定の値に一定に制御してシリコン単結晶を引き上げることができる。このため、所望の欠陥領域、特に無欠陥領域が面内で均一に分布するシリコン単結晶を効率的に製造できる。また、ガス整流筒の内側に気泡を含有する石英材が設けられているので、ガス整流筒からのFeおよびCuの不純物汚染を効果的に防止し、高品質のシリコン単結晶を高歩留まりで製造できる。
以上のように、本発明によれば、ガス整流筒の内側に気泡を含有する石英材を設けることによって、加熱ヒーターやシリコン融液からの輻射を遮蔽しガス整流筒内の保温性を高めることができる単結晶製造装置となる。このような装置は、単結晶引上げ中の固液界面近傍における引上げ軸方向の結晶温度勾配Gを径方向で均一に制御し、F/Gを所定の値に一定に制御して所望の欠陥領域、特に無欠陥領域が面内で均一に分布するシリコン単結晶を効率的に製造できるものとなる。また、ガス整流筒からのFeおよびCuの不純物汚染を効果的に防止できるので、高品質のシリコン単結晶を安定して製造できる単結晶製造装置となる。
本発明の単結晶製造装置の一例を示す概略図である。 本発明の単結晶製造装置の他の例を、ガス整流筒下部の断面を拡大して示した図である。 実施例1、2および比較例1、2のシリコン単結晶を育成する際の、単結晶直胴部の結晶成長軸方向の長さと結晶引上げ速度との関係を示した図である。 実施例1および2のシリコン単結晶における引上げ速度と結晶欠陥分布との関係を示す図である。 比較例1および2のシリコン単結晶における引上げ速度と結晶欠陥分布との関係を示す図である。 実施例1および2、比較例1および2で作製したサンプルウェーハの外周部における平均Fe濃度を測定した結果を示す図である。 従来の単結晶製造装置の一例を示す概略図である。
以下、本発明の実施の形態について具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明者は、CZ法によって面内均一に所望の欠陥領域、特にN領域を有する高品質のシリコン単結晶を効率的に安定して製造するために、単結晶製造装置のガス整流筒の内部構造に着目した。そして、ガス整流筒の内側に気泡を含有する石英材を設置することにより、加熱ヒーターやシリコン融液からの輻射を遮断しガス整流筒内の保温性を高めることができ、これによって、単結晶引上げ中の固液界面近傍における引上げ軸方向の温度勾配Gを単結晶径方向で均一になるように制御でき、F/Gを所定の値に一定に制御して面内で均一な所望の欠陥領域を有するシリコン単結晶を効率的に製造できること、さらに、ガス整流筒からのFeおよびCuの不純物汚染を効果的に防止して高品質のシリコン単結晶を安定して製造できることを見出し、本発明を完成させた。
図1は、本発明の単結晶製造装置の一例を示す概略図である。
本発明に係る単結晶製造装置20は、例えばメインチャンバ1内に原料融液4を収容する石英ルツボ5と、この石英ルツボ5を保護する黒鉛ルツボ6とがルツボ駆動機構(不図示)によって回転・昇降自在に支持軸13で支持されており、またこれらのルツボ5、6上部には、育成したシリコン単結晶3を収容し、取り出すための引上げチャンバ2が連接されており、引上げチャンバ2の上部にはシリコン単結晶3をワイヤー14で回転させながら引き上げる引上げ機構(不図示)が設けられている。
また、メインチャンバ1の内部には育成されるシリコン単結晶3を囲繞するように黒鉛材からなるガス整流筒17が配置されており、チャンバ内に導入されるガスの流れを整えることができる。また、原料融液4の表面からの輻射をカットするとともに原料融液4の表面を保温するため、ガス整流筒17の外側下端には遮熱部材18が設けられている。遮熱部材18は、例えば、黒鉛、モリブデン、タングステン、炭化ケイ素、あるいは黒鉛の表面を炭化ケイ素で被覆したものを用いることができ、その形状や大きさは特に限定されるものではなく、必要に応じて適宜変更することができる。さらに、ガス整流筒17の上方には、ガス整流筒と材質の異なる冷却筒11が設置されており、冷媒導入口12から冷却媒体を流すことによってシリコン単結晶3を強制冷却できるようになっている。尚、冷却筒11は必ずしも設置される必要はなく目的に応じて省略することができ、また、例えばガス整流筒に冷却媒体を流通させるようにして単結晶の強制冷却を行うようにしても良い。
さらに、引上げチャンバ2の上部に設けられたガス導入口10からはAr等の不活性ガスを導入することができる。この不活性ガスはガス整流筒17によりその流れが整えられ、遮熱部材18と原料融液4の融液面との間を通過させ、ガス流出口から排出することができる。
そして、本発明の単結晶製造装置20は、シリコン単結晶3を囲繞するように配置されるガス整流筒17として、ガス整流筒17の内側に気泡を含有する石英材19が設けられているものが使用される。気泡を含有する石英材19は、ガス整流筒の内側に円筒形状で設けられても良いし、平板の石英材をガス整流筒の内側に被せるように配設しても良い。
ここで、本発明の気泡を含有する石英材とは、一般的に不透明石英ガラスと呼ばれるものである。不透明石英ガラスは、高純度で耐熱性等に優れ、透明な石英ガラスに比べて熱線や赤外線の遮断性に優れている。このような不透明石英ガラスをガス整流筒の内側に設置することによって、シリコン単結晶引上げ中に加熱ヒーターや原料融液からの輻射を遮断しガス整流筒内の保温性を高め、固液界面近傍の引上げ軸方向の結晶温度勾配Gを単結晶径方向で均一に制御する。これによりF/Gを一定値に制御して所望の欠陥領域が面内に均一に分布するシリコン単結晶を製造できるようになる。
このような気泡を含有する石英材19は、直径30〜120μmの気泡の密度が、5×10個/cm以上1×10個/cm以下であることが好ましい。例えば厚さ4mmの透明な石英ガラスの場合、波長1〜2.5μmの赤外線の直線透過率は90%程度であるが、気泡を含有する石英材(不透明石英ガラス)の場合、ガラス中の微細な気泡により赤外線や熱線が反射されるので、例えば厚さ4mmの上記の気泡密度を有する石英材では、波長1〜2.5μmの赤外線の直線透過率が0.5%以下となる。従って、このような気泡密度を有する石英材であれば、加熱ヒーターや原料融液からの長波長の赤外線領域の輻射を効果的に遮断しガス整流筒内部の保温性を向上させ、高い引上げ速度FでF/Gを所定の値に一定に制御して所望の欠陥領域が面内で均一に分布するシリコン単結晶を製造できるようになるとともに、特に無欠陥領域を有するシリコン単結晶が製造できる引上げ速度の制御許容幅を広げるのに十分な断熱性が得られる。また、高温下であっても気泡の膨張による石英材の変形が発生しにくくなる。特に、気泡密度が2×10個/cm以上であれば、波長2μm以上の赤外線の輻射を遮断するのにより効果的である。
また、ガス整流筒17の内側に設置する気泡を含有する石英材19は、ガス整流筒17の内側の表面積に対する占有率が20%以上であり、かつ肉厚が3mm以上であることが好ましい。このような石英材によって、加熱ヒーターやシリコン融液からの輻射熱をより効率的に遮断することができる。なお、加工性や、経済性、石英材の自重等を考慮すると、気泡を含有する石英材の肉厚は50mm以下であることが好ましい。
ガス整流筒17の内側に設置する気泡を含有する石英材19は、単結晶育成中に高温に曝されるため、耐熱性に優れていることが要求される。そのため、気泡を含有する石英材19は、製造上の理由も考慮し、1250℃における対数粘度が10poise以上14poise以下であることが好ましく、これにより、高温による石英材の変形を防止することができ、石英材を長寿命とすることができる。このとき、石英材表面は高温のバーナーにより焼仕上げを施し、表面を光沢かつ平坦に仕上げたものが好適に用いられる。
さらに、このようなガス整流筒17の内側に設けられている石英材19は、石英材表面から深さ10μmまでの表面層領域におけるFeおよびCuの平均不純物濃度が1ppm未満であり、かつ石英材表面からの深さが10μmを超える領域におけるFeおよびCuの平均不純物濃度が前記表面層領域よりも低いものであることが好ましい。ガス整流筒の内側に設けられている石英材が、上記のようなFeおよびCuの平均不純物濃度を有するものであれば、ガス整流筒からのFeおよびCuの不純物汚染を確実に防止することができ、不純物汚染のない高品質のシリコン単結晶を安定して製造することができる。
なお、気泡を含有する石英材19は、図1のようにガス整流筒17下部の内側に設置される他、例えば、図2(a)のようにガス整流筒17の内側に気泡を含有する石英材19を設け、さらにこの石英材19の内側下部に断熱材カバー21で覆われたカーボンフェルト等からなる断熱材22を設けることも可能である。このようにすれば、ガス整流筒内の保温性が一層高まる上、断熱材からのFeやCuの汚染が防止できる。また、図2(b)のように、ガス整流筒17の内側だけでなく下端や外側も気泡を含有する石英材19で被ったり、図2(c)のように、ガス整流筒17自体を気泡を含有する石英材と同じ材質で構成することも可能である。このようにすることによっても、ガス整流筒内の保温性を高め、さらに、FeやCuによる汚染を防止することができる。
次に、上記の本発明の単結晶製造装置20を用いてシリコン単結晶を育成する本発明の単結晶製造方法について説明する。
上記単結晶製造装置20を用いてCZ法によりシリコン単結晶を育成する場合、先ず、種ホルダー15に種結晶16を保持するとともに、石英ルツボ5内にシリコンの高純度多結晶原料を収容し、加熱ヒーター7で融点(約1420℃)以上に加熱して融解する。そして、ガス導入口10からチャンバにAr等の不活性ガスを導入しながら、ワイヤー14を巻き出すことにより原料融液4の表面略中心部に種結晶16の先端を接触または浸漬させる。その後、ルツボ5、6を回転させるとともに、ワイヤー14を回転させながら種結晶16をゆっくり引上げて、例えば種絞りを形成してから所望の直径まで拡径してコーン部を形成した後、略円柱形状の直胴部を有するシリコン単結晶3を成長させることができる。
本発明は、このようにしてシリコン単結晶3の育成を行う際に、前記で説明したような内側に気泡を含有する石英材19が設けられたガス整流筒17がシリコン単結晶3を囲繞するように配置されているので、シリコン融液を加熱するためのヒーターやシリコン融液からの熱輻射を遮断して、ガス整流筒内の保温性を向上させることができる。これにより、単結晶引上げ中の固液界面近傍の引上げ軸方向の結晶温度勾配Gを単結晶径方向に均一に制御することができ、特に無欠陥領域が面内で均一に分布したシリコン単結晶を高い引上げ速度で製造することができる。さらに、無欠陥領域を製造するための引上げ速度の制御許容幅を広げることができる。
具体的に説明すると、例えばシリコン単結晶を欠陥領域が径方向の全面にわたってN領域となるように育成する場合、シリコン単結晶の直胴部がN領域で育成できるように単結晶の製造が行われる製造環境(例えば、単結晶製造装置のHZ等)に応じて引上げ速度Fを設定する。このとき、本発明では面内の温度勾配Gが均一であるので、引上げ速度Fはシリコン単結晶をN領域で育成できる範囲の最大値に設定することができる。すなわち、面内の温度勾配Gが均一であるので、引上げ速度Fが最大となるように設定しても、欠陥分布がN領域から外れることがない。
さらに、本発明では、ガス整流筒の内側に気泡を含有する石英材が設けられているので、単結晶の育成中にガス整流筒からFe及びCuの不純物汚染が生じるのを効果的に防止して高品質のシリコン単結晶を高歩留まりで安定して製造することができる。特に、ガス整流筒の内側に設けられている石英材のFe及びCuの平均不純物濃度が前記で説明したように非常に低いものであれば、育成されるシリコン単結晶への不純物汚染を確実に防止することができる。
上記の方法で製造されたシリコン単結晶から得られるウェーハは、例えば、ウェーハの周辺10%におけるFe濃度が1×1010atoms/cm以下であり、かつCu濃度が1×1011atoms/cm以下である不純物汚染の生じていない、ウエーハ全面がN領域である低欠陥のウエーハとなる。
以下に本発明の実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
図1に示した単結晶引上げ装置20を用いて、直径24インチ(600mm)の石英ルツボ5に原料多結晶シリコンを150kgチャージし、CZ法により直径8インチ(200mm)、方位<100>、酸素濃度22〜23ppma(ASTM’79)のシリコン単結晶を引き上げた。引上げチャンバ2の天井から単結晶成長方向に引上げ単結晶を囲むよう吊り下げた等方黒鉛材製のガス整流筒17下端の内側に、気泡直径30〜120μm、気泡密度2×10個/cm〜3×10個/cm、1250℃における対数粘度12poise、内側表面積に対する占有率90%、肉厚10mm、高さ150mmの気泡を含有する石英材19を設置した。なお、石英材に含まれる気泡密度は、30mm×10mm×0.3mmの大きさの石英材を顕微鏡で観察して直径30〜120μmの気泡数をカウントし、1cmあたりに換算することで得られた。また、融液表面からガス整流筒下端までの距離を60mmとした。
単結晶の引上げ速度条件としては、図3に示すように、単結晶直胴部10cmから110cmの間での引上げ速度を、0.7mm/minから0.3mm/minの範囲で結晶頭部から尾部にかけて漸減させるよう制御した。
次に、上記のようにして育成した単結晶の成長軸方向10cm毎の部位からウエーハを切り出した後、平面研削及び研磨を行って検査用のサンプルウェーハを作製し、以下の結晶品質特性の検査を行った。
(1)FPD(V領域)およびLEP(I領域)の調査
サンプルウェーハに30分間セコエッチングを無攪拌で施した後、ウェーハ面内を顕微鏡で観察し、FPDおよびLEPの有無を確認した。
(2)OSF領域の調査
サンプルウェーハに、ウェット酸素雰囲気下、1100℃で100分間の熱処理を施した後、ウェーハ面内を顕微鏡で観察し、OSF領域の有無を確認した。
(3)Cuデポジション処理による欠陥の調査
サンプルウェーハの表面に酸化膜を形成した後、Cuデポジション処理を施して酸化膜欠陥の有無を確認した。処理条件は以下の通りである。
酸化膜:25nm、
電界強度:6MV/cm、
電圧印加時間:5分間。
(4)Fe濃度の測定
サンプルウエーハの周辺10%、すなわちウエーハ最外周から径方向に20mm以内のウエーハ外周部におけるバルク中の平均Fe濃度をSPV法(Surface Photo−voltage method)により測定した。尚、Fe濃度の測定条件は次の通りである。
FeB解離温度:210℃、
解離時間:3分間、
測定装置:SDI社製CMS−IIIA。
(5)Cu濃度の測定
サンプルウェーハの酸蒸気による全溶解溶液を誘導結合プラズマ質量分析器(ICP−MS)で分析することにより、ウェーハ周辺10%(ウエーハ最外周から径方向に20mm以内のウエーハ外周部)におけるバルク中の平均Cu濃度を測定した。
実施例1で製造したシリコン単結晶について上記の検査を行った結果、図4に示す結晶欠陥分布図が得られ、Cuデポジション欠陥N領域/Cuデポジション欠陥フリーN領域の境界における引上げ速度は0.51mm/min、Cuデポジション欠陥フリーN領域/I領域の境界における引上げ速度は0.48mm/minとなった。
サンプルウェーハ最外周から径方向20mm以内のウェーハ外周部における平均Fe濃度は、図6に示すように、3.5〜7.6×10atoms/cmであった。また、平均Cu濃度は1×1011atoms/cm以下であった。
(実施例2)
単結晶製造装置20に設置するガス整流筒17下端の内側に、気泡直径30〜120μm、気泡密度5×10個/cm、1250℃における対数粘度10poise、内側表面積に対する占有率90%、肉厚10mm、高さ150mmの気泡を含有する石英材19を設置したガス整流筒を用いたこと以外は、実施例1と同様の単結晶製造装置を用いて、CZ法により直径8インチ(200mm)、方位<100>、酸素濃度22〜23ppma(ASTM’79)のシリコン単結晶を引き上げた。なお、単結晶を引き上げる際の引上げ速度条件としては、実施例1と同様に、単結晶直胴部10cmから110cmの間での引上げ速度を0.7mm/minから0.3mm/minの範囲となるように、結晶頭部から尾部にかけて引上げ速度を漸減させるよう制御した。
実施例2で製造したシリコン単結晶について上記の検査を行った結果、実施例1の図4とほぼ同じ結晶欠陥分布図が得られ、Cuデポジション欠陥N領域/Cuデポジション欠陥フリーN領域の境界における引上げ速度は0.51mm/min、Cuデポジション欠陥フリーN領域/I領域の境界における引上げ速度は0.49mm/minとなった。
サンプルウェーハ最外周から径方向20mm以内のウェーハ外周部における平均Fe濃度は、図6に示すように、4.5〜8.1×10atoms/cmであった。また、平均Cu濃度は1×1011atoms/cm以下であった。
(比較例1)
単結晶製造装置に設置するガス整流筒下端の内側に、内側表面積に対する占有率90%、肉厚10mm、高さ100mmのカーボンフェルト製の断熱材を設置したガス整流筒を用いたこと以外は、実施例1と同様の単結晶製造装置を用いて、CZ法により直径8インチ(200mm)、方位<100>、酸素濃度22〜23ppma(ASTM’79)のシリコン単結晶を引き上げた。なお、単結晶を引き上げる際の引上げ速度条件としては、実施例1と同様に、単結晶直胴部10cmから110cmの間での引上げ速度を0.7mm/minから0.3mm/minの範囲となるように、結晶頭部から尾部にかけて引上げ速度を漸減させるよう制御した。
比較例1で製造したシリコン単結晶について上記の検査を行った結果、図5(a)に示す結晶欠陥分布図が得られ、Cuデポジション欠陥N領域/Cuデポジション欠陥フリーN領域の境界における引上げ速度は0.51mm/min、Cuデポジション欠陥フリーN領域/I領域の境界における引上げ速度は0.49mm/minとなった。
サンプルウェーハ最外周から径方向20mm以内のウェーハ外周部における平均Fe濃度は、図6に示すように、1.3〜3.4×1011atoms/cmであった。また、平均Cu濃度は1〜2×1012atoms/cmであった。
(比較例2)
単結晶製造装置に設置するガス整流筒下端の内側に、内側表面積に対する占有率90%、肉厚10mm、高さ100mmのカーボンフェルト製の断熱材を設置したガス整流筒を用い、融液表面からガス整流筒下端までの距離を70mmに設定したこと以外は、実施例1と同様の単結晶製造装置を用いて、CZ法により直径8インチ(200mm)、方位<100>、酸素濃度22〜23ppma(ASTM’79)のシリコン単結晶を引き上げた。なお、単結晶を引き上げる際の引上げ速度条件としては、実施例1と同様に、単結晶直胴部10cmから110cmの間での引上げ速度を0.7mm/minから0.3mm/minの範囲となるように、結晶頭部から尾部にかけて引上げ速度を漸減させるよう制御した。
比較例2で製造したシリコン単結晶について上記の検査を行った結果、図5(b)に示す結晶欠陥分布図が得られ、Cuデポジション欠陥N領域/Cuデポジション欠陥フリーN領域の境界における引上げ速度は0.47mm/min、Cuデポジション欠陥フリーN領域/I領域の境界における引上げ速度は0.44mm/minとなった。
サンプルウェーハ最外周から径方向20mm以内のウェーハ外周部における平均Fe濃度は、図6に示すように、2.1〜5.2×1011atoms/cmであった。また、平均Cu濃度は1〜2×1012atoms/cmであった。
実施例1および実施例2のシリコン単結晶は、気泡を含有する石英材を内側に配置したガス整流筒を用いた単結晶製造装置により製造したことで、ガス整流筒内の保温性が向上し、固液界面近傍の引上げ軸方向の温度勾配を径方向に均一に制御できたため、面内で均一な欠陥分布が得られた。また、石英材を用いたことでガス整流筒からのFeおよびCuの汚染を防止でき、単結晶中に含まれるFeおよびCu濃度が低くなった。特に、実施例1のシリコン単結晶では、より気泡密度の高い石英材を用いることによってガス整流筒内の保温性がさらに向上したため、Cuデポジション欠陥フリーN領域が得られる引上げ速度の制御幅が低速側に広がった。
一方、比較例1のシリコン単結晶では、カーボンフェルト製の断熱材を内側に配置したガス整流筒を用いた単結晶製造装置により製造したことによって、ガス整流筒内の保温性を向上させることができたため、Cuデポジション欠陥フリーN領域が得られる引上げ速度が高くなったが、固液界面近傍の引上げ軸方向の温度勾配を径方向に均一に制御できなかったため、面内で均一な欠陥分布は得られなかった。従って、実施例1よりも引上げ速度の制御幅が狭くなった。また、カーボンフェルト製断熱材由来のFeおよびCuの不純物汚染が発生し、結晶中のFeおよびCu濃度が高くなった。比較例2のシリコン単結晶では、融液とガス整流筒下端との距離を広げたことで、面内で均一な欠陥分布が得られ、Cuデポジション欠陥フリーN領域が得られる引上げ速度の制御幅が広くなったものの、Cuデポジション欠陥フリーN領域が得られる引上げ速度が低くなった。また、カーボンフェルト製断熱材を使用したために結晶中のFeおよびCu濃度が高くなった。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、如何なるものであっても本発明の技術範囲に包含される。

Claims (6)

  1. チョクラルスキー法によりシリコン単結晶を育成する単結晶製造装置であって、少なくとも、前記単結晶の育成を行うチャンバ内でシリコン単結晶を囲繞するように配置され、該チャンバに導入されるガスの流れを整えるガス整流筒を具備し、該ガス整流筒の内側に気泡を含有する石英材が設けられていることを特徴とする単結晶製造装置。
  2. 前記ガス整流筒の内側に設けられている気泡を含有する石英材中の気泡密度が、5×10個/cm以上1×10個/cm以下であることを特徴とする請求項1に記載の単結晶製造装置。
  3. 前記ガス整流筒の内側に設けられている気泡を含有する石英材は、前記ガス整流筒の内側の表面積に対する占有率が20%以上であり、かつ、肉厚が3mm以上50mm以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の単結晶製造装置。
  4. 前記ガス整流筒の内側に設けられている気泡を含有する石英材は、1250℃における対数粘度が10poise以上14poise以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の単結晶製造装置。
  5. 前記ガス整流筒の内側に設けられている気泡を含有する石英材は、該石英材表面から深さ10μmまでの表面層領域におけるFeおよびCuの平均不純物濃度が1ppm未満であり、かつ石英材表面からの深さが10μmを超える領域におけるFeおよびCuの平均不純物濃度が前記表面層領域よりも低いものであることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の単結晶製造装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の単結晶製造装置を用いてシリコン単結晶を育成する単結晶製造方法。
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