JPWO2006028162A1 - シグナルプローブポリマーの形成方法 - Google Patents

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Abstract

本発明の目的は、パルサー法の、捕捉された被験遺伝子に結合しない状態でもポリマーが形成され、非特異的なシグナルとして定量性に影響を及ぼす可能性があるという問題点を解決するために、プローブ同志の集合体(ポリマー)を形成させる工程において、ポリマーの形成を制御して被験遺伝子上でのみポリマーを形成させる手法を開発し、感度と定量性を向上させることにある。相互に相補結合能を有する複数種のプローブを反応させポリマーを形成させる工程において、それらプローブを一緒に加えて反応させるのではなく、まず一方の第1プローブを反応させて後、他方の第2プローブを反応させ、次いで第1プローブ、次いで第2プローブと、プローブを一種類ずつ順番に反応させてポリマーを形成させることにより、定量的にポリマーを形成させ非特異的反応を抑制することを見出した。

Description

本発明は、互いに相補的塩基配列領域を保有する複数種のオリゴヌクレオチドを、順次反応させてプローブ同士の集合体(ポリマー)を形成させる方法であって、試料中の被験遺伝子の検出に利用できるシグナルプローブポリマーの形成方法、該方法により形成されるポリマー、及び被験遺伝子の測定方法に関する。
試料中の微量の遺伝子を検出する方法として、核酸合成酵素を用いて遺伝子を増幅するPolymerase chain reaction法があり、さらに改良された多くの遺伝子検出法が報告されている。また、一本鎖DNAを枝分かれさせたオリゴヌクレオチドをハイブリダイゼーションさせて遺伝子を検出する方法などもいくつか報告されている(非特許文献1、2)。
一方、薄井らは酵素を使用しない新規な等温核酸増幅法を報告している(特許文献1〜4)。この方法は、互いに相補的塩基配列領域を保持させた複数種のオリゴヌクレオチド(プローブという)を自己集合反応させてプローブ同士の集合体(ポリマー)を形成させる方法であり、該ポリマーを定量することにより、試料中の被験遺伝子の検出に応用するものである。この方法は、例えば、使用するプローブの相補的塩基配列領域の1箇所を試料中の被験遺伝子と相補的塩基配列とすることにより、該プローブと被験遺伝子とを結合させてからプローブのポリマーを形成させることにより被験遺伝子を有効に検出する方法であって、パルサー(PALSAR)法と呼ばれている。
このパルサー法は使用するプローブの種類により大きく3つに分類される。第1の種類のプローブとしては、下記化学式(1)及び化学式(2)に示される3箇所の相補的塩基配列領域からなる2本のオリゴヌクレオチドであり(プローブ−1、プローブ−2という)、領域XとX’、YとY’、ZとZ’は互いに相補的塩基配列を有していることにより、互いに相補結合して下記化学式(9)に示されるポリマーを形成することができる(特許文献1及び2、以下パルサーIと称す)。
Figure 2006028162
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第2の種類のプローブとしては、下記化学式(3)及び化学式(4)に示される相補的塩基配列領域を有する2種類のプローブ(ダイマープローブ−1、ダイマープローブ−2という)であって、ここで、領域AとA’、BとB’、CとC’、DとD’、EとE’、FとF’が相補的塩基配列を保持させることにより、互いに相補結合して化学式(9)に示されるポリマーを形成することができる(特許文献3、以下パルサーIIと称す)。
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第3の種類のプローブとしては、下記化学式(6)に示される一つのダイマープローブ(ダイマープローブ−3という)と下記化学式(7)に示される2本のオリゴヌクレオチド(架橋プローブという)であり、ここで、領域AとA’、BとB’、CとC’、DとD’、FとF’が相補的塩基配列を保持させることにより、互いに相補結合して化学式(10)に示されるポリマーを形成することができる(特許文献4、以下パルサーIIIと称す)。
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該パルサー法を利用して試料中の被験遺伝子を検出する方法の一例は、例えば2種のプローブを使用する場合、支持体に固定した捕捉用オリゴヌクレオチドと試料を反応させて該遺伝子を捕捉する。この際、捕捉用オリゴヌクレオチドは被験遺伝子と相補的塩基配列領域を保有する。次いで、該遺伝子の塩基配列(捕捉用オリゴヌクレオチドと結合した部分ではない)と相補的塩基配列領域を一つの領域として保有する一方のプローブを反応させて該遺伝子と結合させる。次いで相補結合能を有する両方のプローブを添加してポリマーを形成させ、該ポリマー量を定量することにより、該遺伝子を測定するものである。
しかしながら、このユニークなパルサー法において、相補結合能を有する複数種のプローブを反応液に添加しポリマー形成反応を実施したとき、捕捉された被験遺伝子以外の箇所、いわゆる、被験遺伝子に結合しない状態でポリマーが形成される可能性があり、その結果、非特異的なシグナルとして定量性に影響を及ぼすことが懸念された。
特許第3,267,576号 国際公開第01/75157号明細書 国際公開第02/31192号明細書 特開2002−355081号公報 Shchepinov et.al ,Nuc. Acids Res. 1997, 25, 4447-4454 Stears et. al, Physiol. Genomics, 2000, 3:93-99
本発明の目的は、上記のパルサー法の問題点を解決し、プローブ同士の集合体(ポリマー)を形成させる工程において、ポリマーの形成を制御して被験遺伝子上でのみポリマーを形成させる手法を開発し、感度と定量性を向上させることにある。
即ち、本発明は、ポリマーの形成を制御し非特異反応を抑制することが可能なシグナルプローブポリマーの形成方法、該方法により形成されるポリマー、並びに優れた検出感度及び定量性を有する被験遺伝子の測定方法を提供することを目的とする。
上記問題に鑑み本発明者らは鋭意研究の結果、相互に相補結合能を有する複数種のプローブを反応させポリマーを形成させる工程において、それらプローブを一緒に加えて反応させるのではなく、まず一方の第1プローブを反応させて後、他方の第2プローブを反応させ、次いで第1プローブ、次いで第2プローブと、プローブを一種類ずつ順番に反応させてポリマーを形成させることにより、定量的にポリマーを形成させ非特異的反応を抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明のシグナルプローブポリマーの形成方法は、互いに相補的塩基配列領域を有し互いに相補的結合能を有する複数種のオリゴヌクレオチド(プローブという)を反応させてポリマーを形成させる方法であって、該プローブの少なくとも1種を被験遺伝子に固定化した後、該複数種のプローブを1種類ずつ順番に反応させ、ポリマーを形成することを特徴とする。なお、被験遺伝子にプローブを固定化する手法は特に限定されず、ポリマー形成に使用する複数種のプローブの一方と被験遺伝子とが、直接的又は間接的に結合している状態であればよい。本明細書中でシグナルプローブポリマーとは、複数種のプローブにより形成される前記集合体(ポリマー)を言う。
前記複数種のプローブが、3箇所の相補的塩基配列領域X,Y及びZからなる、下記化学式(1)の構造を有するプローブ−1と、3箇所の相補的塩基配列領域X’,Y’及びZ’からなる、下記化学式(2)の構造を有するプローブ−2であり、該プローブ−1と該プローブ−2を1種類ずつ順番に反応させ、ポリマーを形成することが好ましい。
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(式(1)及び式(2)において、XとX’、YとY’及びZとZ’はそれぞれ互いに相補的塩基配列を有する。)
また、前記複数種のプローブが、下記化学式(3)の構造を有するダイマープローブ−1と、下記化学式(4)又は下記化学式(5)の構造を有するダイマープローブ−2であり、該ダイマープローブ−1と該ダイマープローブ−2を1種類ずつ順番に反応させ、ポリマーを形成することが好適である。
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(式(3)〜式(5)においてAとA’、BとB’、CとC’、DとD’、EとE’及びFとF’はそれぞれ互いに相補的塩基配列を有する。)
前記複数種のプローブが、下記化学式(6)の構造を有するダイマープローブ−3と、下記化学式(7)又は下記化学式(8)の構造を有する2本の架橋プローブであり、該ダイマープローブ−3と該架橋プローブを1種類ずつ順番に反応させ、ポリマーを形成することが好ましい。
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(式(6)〜式(8)において、AとA’、BとB’、CとC’、DとD’及びFとF’はそれぞれ相補的塩基配列を有する。)
本発明のシグナルプローブポリマーの形成方法において、前記ポリマー形成に使用するプローブが、標識物質で標識されていることが好ましく、前記標識物質が放射性同位元素、ビオチン、ジゴキシゲニン、蛍光物質、発光物質又は色素であることがより好ましい。
また、本発明のシグナルプローブポリマーの形成方法において、前記ポリマー形成に使用する複数種のプローブ中の一つのプローブの一部又は全てと同じ塩基配列及び被験遺伝子と相補的な塩基配列を有する固定化用プローブを被験遺伝子に固定化した後、該固定化したプローブに前記複数種のプローブを1種類ずつ順番に反応させ、ポリマーを形成することが好適である。
前記複数種のプローブが、前記プローブ−1及び前記プローブ−2であり、前記固定化用プローブが前記プローブ−1の一部又は全てと同じ塩基配列及び被験遺伝子と相補的な塩基配列を有することが好ましい。また、前記複数種のプローブが、前記ダイマープローブ−1及び前記ダイマープローブ−2であり、前記固定化用プローブが前記ダイマープローブ−1又は2の一部又は全てと同じ塩基配列及び被験遺伝子と相補的な塩基配列を有することが好ましい。さらに、前記複数種のプローブが、前記ダイマープローブ−3及び前記架橋プローブであり、前記固定化用プローブがダイマープローブ−3又は前記架橋プローブの一部又は全てと同じ塩基配列及び被験遺伝子と相補的な塩基配列を有することが好ましい。
本発明のポリマーは、本発明のシグナルプローブポリマーの形成方法により形成されることを特徴とする。
本発明の被験遺伝子の測定方法は、本発明のシグナルプローブポリマーの形成方法を用いてポリマーを形成させ、形成されたポリマー量を測定することにより被験遺伝子を測定することを特徴とする。
本発明によれば、自己集合能を有する複数種のプローブを用いてポリマーを形成させる反応工程において、プローブを1種類ずつ順番に反応させることにより、ポリマー形成及び検出感度を制御し、非特異的反応を抑制して、定量性と再現性を向上させることができる。さらに、ポリマーを形成させる反応工程において、各種のプローブを含む溶液を再利用することが可能である。
被検遺伝子に固定化したプローブの模式図である。 本発明のシグナルプローブポリマーの形成方法の一例を示す概略説明図である。 実施例1の結果を示すグラフである。 実施例2で用いた2組のダイマーα及びβを示す概略説明図である。 実施例2のシグナル増幅反応工程における第1の反応を示す概略説明図である。 実施例2のシグナル増幅反応工程における第2の反応を示す概略説明図である。 実施例2のシグナル増幅反応工程における第3の反応を示す概略説明図である。 実施例2の結果を示すグラフである。 実施例3で用いた1組のダイマーγ及び1組の架橋プローブを示す概略説明図である。 実施例3のシグナル増幅反応工程における第1の反応を示す概略説明図である。 実施例3のシグナル増幅反応工程における第2の反応を示す概略説明図である。 実施例3のシグナル増幅反応工程における第3の反応を示す概略説明図である。 実施例3のシグナル増幅反応工程における第4の反応を示す概略説明図である。 実施例3の結果を示すグラフである。
符号の説明
10:被験遺伝子、12:捕捉用オリゴヌクレオチド、14:固定化用プローブ、16:支持体、20:固定化したプローブ、22:第1プローブ、24:第2プローブ、26:第1プローブ反応槽、28:第2プローブ反応槽、30:ビオチン、32:アビジン、40:ダイマーα、41:ダイマーβ、42:ダイマー形成用プローブ−1、44:ダイマー形成用プローブ−2、46:ダイマー形成用プローブ−3、48:ダイマー形成用プローブ−4、50:捕捉用オリゴヌクレオチド−1、51:支持体、52:固定化用プローブ−2、54:固定化用プローブ−3、56:被験遺伝子、60:ダイマーγ、62:ダイマー形成用プローブ−5、64:ダイマー形成用プローブ−6、66:架橋プローブ−1、68:架橋プローブ−2、70:固定化用プローブ−3。
以下に本発明の実施の形態を説明するが、本発明の技術思想から逸脱しない限り種々の変形が可能であることはいうまでもない。以下に、(1)被験遺伝子にプローブを固定化する方法、(2)ポリマーを形成させる方法、(3)ポリマー量を測定する方法について順次説明する。
(1)被験遺伝子にプローブを固定化する方法
パルサー法は試料中の被験遺伝子の測定を主な目的とする。本明細書中で、「固定化したプローブ」とは、使用するプローブの一方が測定される被験遺伝子に直接又は間接的に結合した状態を意味する。被験遺伝子にプローブを固定化する手法は特に限定されないが、被験遺伝子と相補的な塩基配列、及びポリマー形成に使用する1プローブの一部又は全てと同じ塩基配列(又は相補的な塩基配列)を有するプローブである固定化用プローブを用いて、固定化用プローブを介してポリマー形成に使用するプローブと被験遺伝子とを結合させることが好ましい。前記固定化用プローブと同じ塩基配列とするポリマー形成に使用するプローブの部位は特に限定されないが、ポリマー形成用プローブの全領域中、1又は2以上の領域を選択することが好ましい。また、適切な架橋剤も使用できる。
前記固定化用プローブは、ポリマー形成に使用する複数種のプローブの一方の一部を、被験遺伝子と相補的塩基配列となるようにデザインし、該プローブを固定化用プローブとして使用することができる。また、被験遺伝子と相補的な塩基配列、及びポリマー形成に使用するプローブと相補的な塩基配列の両方を別途有するプローブ(アシストプローブ)を用いてもよい。該アシストプローブは、被験遺伝子と相補的な部分を変えた複数のアシストプローブを準備することにより、同じ複数種のプローブのセットにより複数の遺伝子を同時に検出できるという利点を有している。
図1は、固定化用プローブを用いた被験遺伝子にプローブを固定化する方法の一例を示す概略説明図である。図1に示す、(i)被験遺伝子10及び(ii)捕捉用オリゴヌクレオチド12により、(iii)固定化用プローブ14を固定化する手法は、
(i)被験遺伝子10、
(ii)捕捉用オリゴヌクレオチド12:被験遺伝子上の領域、好ましくは15塩基以上、更に好ましくは20塩基以上の領域と相補的なオリゴヌクレオチド、
(iii)固定化用プローブ14:被験遺伝子上の領域と相補的な塩基配列及びポリマー形成で用いる第1プローブと同じ塩基配列を有するプローブ、なお、該被験遺伝子と相補的な領域は、(ii)の領域とは異なり好ましくは(ii)の領域と隣接した領域で、好ましくは15塩基以上、更に好ましくは20塩基以上の領域である、
の三種のオリゴヌクレオチドをハイブリダイズさせ、(i)被験遺伝子10を橋渡しにして(ii)捕捉用オリゴヌクレオチド12と(iii)固定化用プローブ14を結合させることにより行う。
なお、図1は、後述するパルサーIのプローブを用いた方法において、固定化用プローブとして、下記式(11)で示される、被験遺伝子と相補的な塩基配列領域T1と、ポリマー形成に使用する1プローブの全てと同じ塩基配列領域(X、Y及びZ)とを有するプローブ、即ち、被験遺伝子上の領域と相補的なオリゴヌクレオチドを連結させた、ポリマー形成で用いる第1プローブと同じ塩基配列を有するプローブを用いた例を示したが、固定化用プローブはこれに限定されるものではない。
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ポリマー形成に使用されるプローブと被験遺伝子との固定化に用いられるプローブは1種のみでなく、2種以上組み合わせて用いても良い。例えば、後述する実施例2及び3の如く、下記式(12)の構造を有する第1の固定化用プローブと、下記式(13)の構造を有する第2の固定化用プローブを用いることができる。
Figure 2006028162
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(式(12)及び(13)中、T2は被験遺伝子に相補的な塩基配列を有する領域であり、A’及びF’はそれぞれポリマー形成に使用するプローブの1領域と同じ塩基配列を有する領域であり、GとG’は相補的塩基配列である。)
(ii)捕捉用オリゴヌクレオチドを固相と結合させ固相化する、好ましくはビーズ等の支持体16に固相化することにより操作を簡便に行うことができる。
ハイブリダイズさせる順番は、三種を同時にハイブリダイズしても、最初に(i)と(ii)をハイブリダイズした後に(iii)をハイブリダイズしてもよく、また最初に(i)と(iii)をハイブリダイズした後に(ii)をハイブリダイズすることも許される。(ii)を固相化した場合は、最初に(i)と(iii)をハイブリダイズした後に(ii)をハイブリダイズすることが好ましい。
場合によっては、三種のオリゴヌクレオチドをハイブリダイズさせた後に、(ii)捕捉用オリゴヌクレオチドと(iii)固定化用プローブの間を別に結合させる、好ましくはライゲーション反応により結合することも許される。
なお、(2)のポリマー形成には複数種のプローブを使用するが、被験遺伝子に最初に固定化するプローブは、その複数種のプローブのいずれを選択するかは自由であり、特に限定されるものではない。便宜的に固定化したプローブと同じ塩基配列を有するプローブを第1プローブ、第1プローブと相補的塩基配列領域を有するプローブを第2プローブと称す。
被験遺伝子を測定するための支持体の材料としては、ガラス、プラスティック(例えば、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、金属などであり、支持体の形は、カップ型、平板、粒子など、特に限定されない。試料とは、被験遺伝子の有無を測定するサンプルであって、血液、血清、髄液などの生体液、生体組織、微生物、培養物など、及びそれらの抽出物などを意味するものである。
(2)ポリマーを形成させる方法
固定化したプローブ(第1プローブと同じ塩基配列を有する)に第2プローブを結合させ、順次第1プローブ、第2プローブを反応させてポリマーを形成させる。第1プローブと第2プローブとしては、例えば下記の(1).パルサーIのプローブ、(2).パルサーIIのプローブ、(3).パルサーIIIのプローブを使用する。
(1).パルサーIのプローブ
第1プローブ、第2プローブとして下記化学式(1)及び化学式(2)で示されるヌクレオチドを使用する。ここでXとX’、YとY’及びZとZ’はそれぞれ互いに相補的塩基配列を有し、矢印はヌクレオチドの5’から3’の方向を意味する。
Figure 2006028162
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(2).パルサーIIのプローブ
第1プローブ、第2プローブとして下記化学式(3)及び化学式(4)で示されるダイマープローブを使用する。各ダイマープローブは化学式(14)及び化学式(15)のヌクレオチドをハイブリダイズすることにより作製する。ここでAとA’、BとB’、CとC’、DとD’、EとE’及びFとF’はそれぞれ互いに相補的塩基配列を有し、矢印はヌクレオチドの5’から3’の方向を意味する。
Figure 2006028162
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Figure 2006028162
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また、ダイマープローブとして、前記化学式(4)の構造を有するダイマープローブの代わりに下記化学式(5)の構造を有するダイマープローブを用いることもできる。
Figure 2006028162
(3).パルサーIIIのプローブ
第1プローブ、第2プローブとして、下記化学式(6)に示されるダイマープローブと下記化学式(7)に示される2本のオリゴヌクレオチドである架橋プローブを使用する。ダイマープローブは前記化学式(14)のヌクレオチドをハイブリダイズすることにより作製する。ここでAとA’、BとB’、CとC’、DとD’及びFとF’はそれぞれ互いに相補的塩基配列を有し、矢印はヌクレオチドの5’から3’の方向を意味する。
Figure 2006028162
Figure 2006028162
また、架橋プローブとして、前記化学式(7)の構造を有するヌクレオチドの代わりに下記化学式(8)の構造を有する2本のヌクレオチドを用いることもできる。
Figure 2006028162
上記に加え、例えば相補的塩基配列領域の数が4箇所でも5箇所でもポリマーの形成は可能であり(特許文献2)、またダイマープローブは2種類を使用しているが、相補的塩基配列領域の位置関係を工夫すれば、さらに多種類のダイマープローブを使用することもできる(特許文献3)。このように、使用するプローブは、上記に記載のプローブの他にも相補的塩基配列領域の配置を工夫することによって他の種類のプローブも使用可能であり、自己集合するポリマーを形成するのであれば本発明に含まれる。
プローブを構成する塩基の種類としては、DNA、RNA、PNAなどいずれも使用することができ、被験遺伝子に応じて適宜選択することができる。また、プローブの各相補的塩基配列領域の長さは、塩基数にして、少なくとも5塩基であり、好ましくは少なくとも8塩基、さらに好ましくは10塩基〜100塩基、さらに好ましくは15〜30塩基である。また、それぞれのプローブにおける相補的塩基配列領域の長さは同じであることが望ましい。
図2に、本発明のシグナルプローブポリマーの形成方法の一例を示す。図2はパルサーIのプローブ(第1プローブ22、第2プローブ24)を用いた例であり、20は捕捉用オリゴヌクレオチド及び被験遺伝子により支持体に固定化された固定化用プローブを示す。また、図2は、ビオチン30を結合させた捕捉用オリゴヌクレオチドと、アビジン32を結合させた支持体を用い、ビオチン30とアビジン32の結合により捕捉用オリゴヌクレオチドを支持体に固定化した場合の一例を示した。
使用するプローブを順番に反応させる手法として、支持体に結合させた被験遺伝子に固定化したプローブ(第1プローブと同じ塩基配列を有する)を洗浄した後、次いで第2プローブを反応させ洗浄する。以下順番に第1プローブと第2プローブを順次繰り返し反応させてポリマーを形成することができる。たとえば、図2に示したように第1プローブ22を含む第1プローブ反応槽26、洗浄槽、第2プローブ24を含む第2プローブ反応槽28を準備して、被験遺伝子及び固定化用プローブが結合した支持体20を順番に移動して反応させる方法、後述する実施例1〜3のように、該支持体を含む容器に対して順番に第2プローブ反応液の添加・反応、洗浄、第1プローブ反応液の添加・反応、洗浄を繰り返す方法、また該支持体をカラムにセットして、順番に第2プローブ反応液と第1プローブ反応液を通過させて反応させる方法など、その手法は特に限定されない。本発明方法によれば、各プローブ反応液を再利用することが可能である。また、手法によっては洗浄操作を省略することも可能である。
ハイブリダイゼーション反応を実施するための反応液は、通常使用される組成液で問題はなく、適度なナトリウム塩を含むほぼ中性の緩衝液、ブロッキング剤、ハイブリダイゼーション反応を促進させるための添加剤なども含まれている。これら試薬類については、Sambrookら(Molecular cloning 3rd ed, 2001)の成書に記載されているものが使用できる。ポリマーを形成させるときの温度は、それぞれの構成プローブ同士がハイブリダイズすることができる温度であれば特に制限されず、通常の40〜90℃の範囲で、好ましくは45〜65℃の範囲で実施することができる。
(3)ポリマー量を測定する方法
形成させたポリマー量の測定は、該ポリマーにエチジウムブロミド、オリゴグリーン、SYBRなどのインターカレーティング色素を結合させて蛍光により検出する方法があげられる。また使用するプローブに、あらかじめ標識物質、例えば、放射性アイソトープ、アクリジウムエステルなどの発光、発色物質、蛍光物質、酵素、ビオチン、ジゴキシゲニン等を結合させておくことができる。結合させる標識物質はポリマーの形成に影響を与えない限り特に限定されない。
測定は標識物質に対応した方法、放射性アイソトープであれば放射能を測定し、発光物質であれば放射光を、発色物質であれば比色により、蛍光物質であれば蛍光により、酵素であれば酵素活性により、それぞれ対応した方法で測定する。
ビオチン、ジゴキシゲニン等で標識した場合には、それらと特異的に結合する標識したアビジン、抗ジゴキシゲニン抗体等を結合させ、標識物質に対応した方法により測定する。
以下実施例に基づき本発明を具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]パルサーIのプローブを用いた黄色ブドウ球菌数の測定
(1)各溶液の調製
(1−1)溶菌液の調製
トリプチックソイアガーで18時間培養した黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)を生理食塩水に懸濁させたものを培養液原液とした。これを生理食塩水で所定の菌数に希釈し、Birnboimらの方法(H.C. Birnboim et al Nuc Acids Res 1979 7 1513-1523)に従って溶菌させたものを以下の実施例に用いた。菌数については、培養菌原液の希釈系列を調製して、トリプチックソイアガーで培養して得られた生菌数から所定の菌数を算出した。なお、希釈菌液のかわりに生理食塩水を用いて同様に反応させたものを対照として、「(−)」と示した。
(1−2)第1ハイブリダイゼーション溶液の調製
下記組成となるように第1ハイブリダイゼーション溶液を調製した。
捕捉用オリゴヌクレオチド−1(配列番号1)及び固定化用プローブ−1(配列番号2)をそれぞれ2.5pmol/μL含む12×SSC、12.5%ポリエチレングリコール#20000溶液。
捕捉用オリゴヌクレオチド−1及び固定化用プローブ−1の配列は、Staphylococcus aureusの23s rRNA(GENBANK アクセッション番号NC 003923.1 GI:21281729に基づく)を捕捉するように下記の通り設計した。
捕捉用オリゴヌクレオチド−1の塩基配列(3’末端ビオチン標識)(配列番号1)
5'-cggaatttca cgtgctccgt ccgacgacga cgacgacgac gttttttttt tttttttttt tttttt-3'-Biotin
固定化用プローブ−1の塩基配列(配列番号2)
5'-T1領域(gagacaacattttcgactaca)・X領域(catgtctcgagtcttgcttg)・Y領域(ctgctacagtgatcaccaag)・Z領域(gttctcgacatagaccagtc)-3'
(1−3)ハイブリダイゼーション溶液A及びハイブリダイゼーション溶液Bの調製
パルサーIの一対のプローブとして下記塩基配列を有するプローブ−1及びジゴキシゲニン化されているプローブ−2をそれぞれ作製した。
プローブ−1の塩基配列(配列番号3)
5'-X領域(catgtctcgagtcttgcttg)・Y領域(ctgctacagtgatcaccaag)・Z領域(gttctcgacatagaccagtc)-3'
プローブ−2の塩基配列(5’末端ジゴキシゲニン標識)(配列番号4)
5'-DIG-X’領域(caagcaagactcgagacatg)・Y’領域(cttggtgatcactgtagcag)・Z’領域(gactggtctatgtcgagaac)-3'
下記組成となるようにハイブリダイゼーション溶液A及びハイブリダイゼーション溶液Bをそれぞれ調製した。
ハイブリダイゼーション溶液A:
プローブ−2(配列番号4)を10pmol/μL含む、6×SSC、0.3%硫酸ドデシルナトリウム、5%ポリエチレングリコール#20000溶液。
ハイブリダイゼーション溶液B:
プローブ−1(配列番号3)を10pmol/μLを含む、6×SSC、0.3%硫酸ドデシルナトリウム、5%ポリエチレングリコール#20000溶液。
(2)パルサーIによるシグナル増幅
黄色ブドウ球菌の5×105、5×104、5×103、5×102、5×101、(−)の菌数(CFU/mL)をそれぞれ含む溶菌液100μLを検体試料とした。試験管に検体試料と、ビオチン化捕捉用オリゴヌクレオチド−1及び固定化用プローブ−1を含む前記第1ハイブリダイゼーション溶液100μLを加えて、45℃にて1時間加温した。
加温後、試験管に10μLのアビジン化磁気ビーズ(DYNAL社、Dynabeads M-280 Streptoavidin、6−7×106beads)を添加し、室温で30分間攪拌させた。上記反応により、図1に示される如く、固定化されたプローブが形成される。攪拌にはAppropriate Technical Resources社製RKVSDを用いた。磁気ビーズを磁石で収集し、反応後の溶液を排除した。
前記磁気ビーズを含む試験管に、プローブ−2を含む前記ハイブリダイゼーション溶液Aを200μL加え、45℃で5分間加温した(図2の(b)参照。)。その後磁気ビーズのみを磁石で収集してハイブリダイゼーション溶液Aを試験管から回収した。その後、試験管にプローブ−1を含む前記ハイブリダイゼーション溶液Bを200μL加えて45℃で5分間加温した(図2の(c)参照)。磁気ビーズを収集してハイブリダイゼーション溶液Bを試験管から回収した(1回目)。なお、本実施例では、前記ハイブリダイゼーション溶液Aによる反応と前記ハイブリダイゼーション溶液Bによる反応のセットをシグナル増幅の1サイクルとして数えた。
前記磁気ビーズを含む試験管に、前記回収したハイブリダイゼーション溶液Aを加えて45℃で5分間加温した(図2の(d)参照。)。その後磁気ビーズを収集してハイブリダイゼーション溶液Aを試験管から回収した。その後、試験管に前記回収したハイブリダイゼーション溶液Bを加えて45℃で5分間加温した(図2の(e)参照。)。磁気ビーズを収集してハイブリダイゼーション溶液Bを試験管から回収した(2回目)。
以下同様にしてハイブリダイゼーション溶液A添加・加温→磁気ビーズ収集・溶液回収→ハイブリダイゼーション溶液B添加・加温→磁気ビーズ収集・溶液回収の操作を繰り返して5回目まで行った。また、1回目のみ、2回目まで、3回目まで、4回目まで行った磁気ビーズをそれぞれ調製した。それぞれの磁気ビーズを収集し、最後に200μLの洗浄溶液A[50mM Tris-HCl(pH7.6), 0.3M NaCl, 0.1% TritonX-100]で2回洗浄した。
(3)化学発色検出
前記洗浄後、磁気ビーズを含む試験管に、洗浄溶液B[1%BSA, 50mM Tris-HCl(pH7.6), 0.3M NaCl, 0.1% TritonX-100]で1000倍に希釈した抗ジゴキシゲニンFab−PODコンジュゲート(ロシュ・ダイアグノスティックス社製)を200μL加え、室温で30分間攪拌させた。その後磁気ビーズを収集し溶液を排除し、200μLの洗浄溶液Aで2回洗浄した。1 step TMB turbo ELISA(pierce社製)を200μL加え、室温で15分間反応させた。磁気ビーズを収集し、溶液を150μL回収し、該溶液の655nmの吸光度を測定した。結果を図3に示す。
その結果、図3に示すように、黄色ブドウ球菌数に応じて定量的に測定することができた。また、回数を重ねるごとに発色値が増強しポリマー形成の効果が確認された。
また、標識物質として、ジゴキシゲニンの代わりに放射性同位元素、ビオチン、蛍光物質、発光物質又は色素を用いて同様の実験を行った結果、実施例1と同じく、黄色ブドウ球菌数に応じて定量的に測定することができ且つ回数を重ねるごとに発色値が増強しポリマー形成の効果が確認された。
[実施例2]パルサーIIのプローブを用いた合成HCVcRNAの検出
(1)合成HCVcRNAの調製
(1−1)一本鎖cDNAの調製
0.2mLのマイクロチューブに1012個/μLのHCVRNAを含む保存血清を1μL、1pmol/μLcDNA合成用プライマーを2μL、2.5mM dNTPを4μL、滅菌蒸留水を6μL加えて総量13μLにした。65℃で5分間加温した後、スーパースクリプトIII(superscript III、INVITROGEN社製)に添付の5x First-strand bufferを4μL、0.1M DTTを1μL、RNAsin(Promega社製)を1μL、スーパースクリプトIIIを1μL加え、50℃で1時間加温した。その後70℃で15分間加温して酵素活性を喪失させ、cDNA溶液を調製した。
なお、cDNA合成用プライマーの塩基配列は下記の通りである。
5'-TGA GGT TTAGGA TTC GTG CTC-3'(配列番号5)
(1−2)PCR
前記調製したcDNA溶液2μLにMaster mixtureを40μL、5U/μLAmpliTaq(Applied Biosystems社製)を0.2μL、滅菌蒸留水を8μL加えて総量50μLにした。下記表1に示すサイクル条件で増幅を行った。
Figure 2006028162
上記PCRによって増幅される目的のDNAは約270塩基対である。
なお、上記Master mixtureはMaxim Biotech社製Virus, Hepatitis typeC virus 5' UTR, Primer set kit(Cat. No.: SP-10275) に含まれるミクスチャーでキット添付の取扱説明書に従いキット含有のpre-mixed primers 250μLを750μLのOptimized PCR Bufferに添加して調製したものを指す。
(1−3)クローニング
1.5mLのマイクロチューブに前述のPCRによって得られた増幅産物2μL、TOPO TA Cloning Kit for Sequencing(INVITROGEN社製)に添付のSalt solutionを1μL、滅菌蒸留水を2μL、TOPOクローニングベクターを1μL加え、室温で5分間放置した。上記反応溶液2μLをE. coli DH5α Competent Cells(タカラバイオ社製)に加え、氷中で30分間置いた。42℃で30秒間ヒートショックさせ、すぐさま氷中に置き、2分間放置した。これにE. coli DH5α Competent Cells(タカラバイオ社製)に添付のSOC mediumを250μL加え、37℃で30分間加温した後、50μLを100μg/mLでアンピシリンを含む2xYT培地(16gトリプトン、10gイーストエキストラクト、5g塩化ナトリウム/L、1.5%寒天)の表層に50μLの4%Xgal(タカラバイオ社製)と25μLのIPTG(タカラバイオ社製)を予め塗布した寒天プレート上に塗布し、37℃で16時間培養した。
(1−4)cRNAの調製
前述のクローニングで得られた目的のクローンを、100μg/mLでアンピシリンを含む2xYT培地5mLで37℃、12時間しんとう培養した後、QIAprep Spin Miniprep Kit(Qiagen社製)を用いてプラスミドクローンを得た。更にApplied Biosystems社製のDNAシーケンサー3130でインサートの配列を確定した。シーケンス確認したHCV5'UTRのシーケンスを下記に示す。
5'-AGGCCTTTCGCGACCCAACACTACTCGGCTAGCAGTCTCGCGGGGGCACGCCCAAATCTCCAGGCATCGAGCGGGTTGATCCAAGAAAGGGCCCGGTCGTCCTGGCAATTCCGGTGTACTCACCGGTTCCGCAGACCACTATGGCTCTCCCGGGAGGGGGGGTCCCGGAGGCTGCACGACACTCATACTAACGCCATGGCTAGACGCTTTCTGCGTGAAGACAGTAGTTCCTCACAGGGGAGTGATCTATGGTGGAGTGTCGCCCCC-3'(配列番号6)
得られたプラスミドクローン10μgを50UのPstI(タカラバイオ社製)で酵素添付の緩衝液20μLを加え、滅菌蒸留水で総量を200μLにして37℃で3時間反応させ完全に直鎖状のDNAを得た。1μgの前記直鎖状DNAとT7 RNA polymerase(ロシュ・ダイアグノスティックス社製)添付の10x transcription bufferを2μL、10mM ribonucleotide mix(ロシュ・ダイアグノスティックス社製)を1μL、RNase inhibitor(ロシュ・ダイアグノスティックス社製)を1μL加え、滅菌蒸留水で総量を20.5μLにし37℃で2時間反応させた。その後、DNase I(ロシュ・ダイアグノスティックス社製)を2μL加え37℃で15分間反応させた。これに100μLのTE(10mMトリス塩酸、1mM EDTA、pH8.0)、10μLの4M LiCl、300μLのエタノールを加え、−80℃で30分間置いた。4℃、15000回転、10分間遠心分離してcRNAを沈殿物として回収した。500μLの70%エタノールで沈殿物を洗浄後乾燥させ、10μLのTE(pH8.0)に溶解させた。260nmの吸光度より濃度を求めた。
(2)各溶液の作製
(2−1)パルサーII用ダイマーの調製
パルサーII用の2組のダイマーα及びβ[図4(a)の符号40及び図4(b)の符号41]作製の為に下記塩基配列を有するプローブをそれぞれ作製した。
ダイマー形成用プローブ−1(図4の符号42)の塩基配列(配列番号7)(5’末端ジゴキシゲニン標識)
5'-DIG-A領域(CAGTACAAGCACGATCTCTG)・B領域(ATTTGCCAGGACTGCGTTTC)・C領域(GACTGGTCTAGTCTGAGAAC)-3'
ダイマー形成用プローブ−2(図4の符号44)の塩基配列(配列番号8)(5’末端ジゴキシゲニン標識)
5'-DIG-D領域(GCATAGGACTTTGTGAGCAC)・B’領域(GAAACGCAGTCCTGGCAAAT)・F領域(TCAGCACTAACTTCCGTCAC)-3'
ダイマー形成用プローブ−3(図4の符号46)の塩基配列(配列番号9)(5’末端ジゴキシゲニン標識)
5'-DIG-A’領域(CAGAGATCGTGCTTGTACTG)・E’領域(TCAGCTGCTACGAGACCATA)・C’領域(GTTCTCAGACTAGACCAGTC)-3'
ダイマー形成用プローブ−4(図4の符号48)の塩基配列(配列番号10)(5’末端ジゴキシゲニン標識)
5'-DIG-D’領域(GTGCTCACAAAGTCCTATGC)・E領域(TATGGTCTCGTAGCAGCTGA)・F’領域(GTGACGGAAGTTAGTGCTGA)-3'
0.2mLマイクロチューブを用意し、前記ダイマー形成用プローブ−1及び2をそれぞれ10pmolずつ加え、さらに25xSSCを終濃度4xSSCになるように添加して滅菌蒸留水で総量10μLに調節した。該溶液を98℃で2分間加温した後すぐさま57℃で1時間加温し、ダイマーαを含むダイマーα溶液を調製した。また、ダイマー形成用プローブ−1及び2の代わりにダイマー形成用プローブ−3及び4を用いた以外は同様の方法により、ダイマーβを含むダイマーβ溶液を調製した。
(2−2)ハイブリダイゼーション溶液A及びハイブリダイゼーション溶液Bの調製
200μLの溶液あたり、前記ダイマーα溶液を0.1μL含む[4×SSC、0.1%硫酸ドデシルナトリウム]溶液を調製し、ハイブリダイゼーション溶液Aとして用いた。また、ダイマーα溶液の代わりにダイマーβ溶液を用いた以外は同様の方法により、ハイブリダイゼーション溶液Bを調製した。
(2−3)第1ハイブリダイゼーション溶液の調製
標的遺伝子である前記調製したcRNAを捕捉するように下記の如く捕捉用オリゴヌクレオチド−2を設計した。また、前記ダイマーαを標的遺伝子に固定化させるために、下記固定化用プローブ−2及び3を作製した。
捕捉用オリゴヌクレオチド−2(図5の符号50)の塩基配列(配列番号11)(5’末端ビオチン標識)
5'-Biotin-ACA CTC ATA CTA ACG-3'
固定化用プローブ−2(図5の符号52)の塩基配列(配列番号12)
5'-A’領域(CAGAGATCGTGCTTGTACTG)・G領域(TGCGATAACCAATGTCAGGC)・T2領域(GCTAGACGCTTTCTGCGTGA)-3'
固定化用プローブ−3(図5の符号54)の塩基配列(配列番号13)
5'-G’領域(GCCTGACATTGGTTATCGCA)・F’領域(GTGACGGAAGTTAGTGCTGA)-3'
下記組成となるように第1ハイブリダイゼーション溶液を調製した。
前記捕捉用オリゴヌクレオチド−2及び固定化用プローブ−2及び3をそれぞれ2.5pmolを含む、4×SSC、5%ポリエチレングリコール#20000、0.1%硫酸ドデシルナトリウム溶液。
(3)パルサーIIによるシグナル増幅
前記調製したcRNA8ng含む滅菌蒸留水100μLを試料とした。試験管に該試料と、ビオチン化捕捉用オリゴヌクレオチド−2及び固定化用プローブ−2及び3を含む前記第1ハイブリダイゼーション溶液を100μL加えて、45℃にて1時間加温した(第1の反応)。図5〜図7は実施例2のシグナル増幅反応工程の概略説明図であり、図5は、この第1の反応の概略説明図である。なお、図5中、符号56は被験遺伝子であるHCVcRNAを示す。
加温後の試験管に、10μLのアビジン化磁気ビーズ(DYNAL社、Dynabeads M-280 Streptoavidin、6−7×106beads)を添加し、室温で30分間攪拌させた。攪拌にはAppropriate Technical Resources社製RKVSDを用いた。磁気ビーズを磁石で収集し、反応後の溶液を排除した。
前記磁気ビーズを含む試験管に、ダイマーαを含む前記ハイブリダイゼーション溶液Aを200μL加え、45℃で10分間加温した(第2の反応)。図6はこの第2の反応の概略説明図である。なお、図6中、符号51は支持体である磁気ビーズを示す。その後磁気ビーズのみを磁石で収集してハイブリダイゼーション溶液Aを試験管から回収した。その後、試験管に、ダイマーβを含む前記ハイブリダイゼーション溶液Bを200μL加えて45℃で10分間加温した(第3の反応)。図7はこの第3の反応の概略説明図である。磁気ビーズを収集してハイブリダイゼーション溶液Bを試験管から回収した(1回目)。なお、本実施例では、前記ハイブリダイゼーション溶液Aによる反応と前記ハイブリダイゼーション溶液Bによる反応のセットをシグナル増幅の1サイクルとした。
前記磁気ビーズを含む試験管に、前記回収したハイブリダイゼーション溶液Aを加えて45℃で10分間加温した。その後磁気ビーズを収集してハイブリダイゼーション溶液Aを試験管から回収した。その後、試験管に前記回収したハイブリダイゼーション溶液Bを加えて45℃で10分間加温した。磁気ビーズを収集してハイブリダイゼーション溶液Bを試験管から回収した(2回目)。
以下同様にしてハイブリダイゼーション溶液A添加・加温→磁気ビーズ収集・溶液回収→ハイブリダイゼーション溶液B添加・加温→磁気ビーズ収集・溶液回収の操作を行った(3回目)。また、1回目のみ、2回目まで行った磁気ビーズをそれぞれ調製した。それぞれの磁気ビーズを収集し、最後に200μLの洗浄溶液A[50mM Tris-HCl(pH7.6), 0.3M NaCl, 0.1% TritonX-100]で2回洗浄した。
(4)化学発色検出
前記洗浄後、磁気ビーズを収集し、洗浄溶液B[1%BSA, 50mM Tris-HCl(pH7.6), 0.3M NaCl, 0.1% TritonX-100]で1000倍に希釈した抗ジゴキシゲニンFab−PODコンジュゲート(ロシュ・ダイアグノスティックス社製)を200μL加え、室温で30分間攪拌させた。攪拌にはAppropriate Technical Resources社製RKVSDを用いた。その後磁気ビーズを収集し溶液を排除し、200μLの洗浄溶液Aで2回洗浄した。1 step TMB turbo ELISA(pierce社製)を200μL加え、室温で5分間反応させ、5N硫酸を40μL加え反応を停止させた。磁気ビーズを収集し、溶液を150μL回収し、該溶液の455nmの吸光度を測定した。結果を図8に示す。
その結果、図8に示すように、回数を重ねるごとに発色値が増強しポリマー形成の効果が確認された。
また、標識物質として、ジゴキシゲニンの代わりに放射性同位元素、ビオチン、蛍光物質、発光物質又は色素を用いて同様の実験を行った結果、回数を重ねるごとに発色値が増強しポリマー形成の効果が確認された。
[実施例3]パルサーIIIのプローブを用いた合成HCVcRNAの検出
(1)各溶液の調製
(1−1)パルサーIII用ダイマー及び架橋プローブの作製
パルサーIII用の1組のダイマーγ[図9(a)の符号60]及び1組の架橋プローブ[図9(b)]作製の為に下記塩基配列を有するプローブを作製した。
ダイマー形成用プローブ−5(図9の符号62)の塩基配列(配列番号14)(5’末端ジゴキシゲニン標識)
5'-DIG-A領域(CAGTACAAGCACGATCTCTG)・H領域(GATGGTGTTCACTGTAGCAG)・C領域(GACTGGTCTAGTCTGAGAAC)-3'
ダイマー形成用プローブ−6(図9の符号64)の塩基配列(配列番号15)(5’末端ジゴキシゲニン標識)
5'-DIG-D領域(GCATAGGACTTTGTGAGCAC)・H’領域(CTGCTACAGTGAACACCATC)・F領域(TCAGCACTAACTTCCGTCAC)-3'
架橋プローブ−1(図9の符号66)の塩基配列(配列番号16)
5'-A’領域(CAGAGATCGTGCTTGTACTG)・C’領域(GTTCTCAGACTAGACCAGTC)-3'
架橋プローブ−2(図9の符号68)の塩基配列(配列番号17)
5'-D’領域(GTGCTCACAAAGTCCTATGC)・F’領域(GTGACGGAAGTTAGTGCTGA)-3'
0.2mLマイクロチューブを用意し、前記ダイマー形成用プローブ−5及び6を10pmolずつ加え、さらに25xSSCを終濃度4xSSCになるように添加して滅菌蒸留水で総量10μLに調節した。該溶液を98℃で2分間加温した後すぐさま57℃で1時間加温し、ダイマーγを含むダイマーγ溶液を調製した。
(1−2)ハイブリダイゼーション溶液A及びハイブリダイゼーション溶液Bの調製
200μLの溶液あたり、前記ダイマーγ溶液を5μL含む、[4×SSC、0.1%硫酸ドデシルナトリウム]溶液を調製し、ハイブリダイゼーション溶液Aとして用いた。
また、下記組成となるようにハイブリダイゼーション溶液Bを調製した。
5pmolの前記架橋プローブ−1及び2を含む、4×SSC、0.1%硫酸ドデシルナトリウム溶液。
(1−3)第1ハイブリダイゼーション溶液の調製
下記組成の溶液を第1ハイブリダイゼーション溶液として用いた。
ビオチン化された捕捉用オリゴヌクレオチド−2(配列番号11)、固定化用プローブ−2(配列番号12)及び固定化用プローブ−4(配列番号18)をそれぞれ2.5pmolを含む4×SSC、5%ポリエチレングリコール#20000、0.1%硫酸ドデシルナトリウム溶液。
なお、前記捕捉用オリゴヌクレオチド−2及び固定化用プローブ−2は実施例2と同様であり、固定化用プローブ−4(図10の符号70)の塩基配列は下記の通りである。
5'-G’領域(GCCTGACATTGGTTATCGCA)・C’領域(GTTCTCAGACTAGACCAGTC)-3'(配列番号18)
(2)パルサーIIIによるシグナル増幅
実施例2と同様に調製したcRNA10ng含む滅菌蒸留水100μLを試料とした。試験管に該試料と、捕捉用オリゴヌクレオチド−2及び固定化用プローブ−2及び4を含む前記第1ハイブリダイゼーション溶液を100μL加えて、45℃にて1時間加温した(第1の反応)。図10〜図13は実施例3のシグナル増幅反応工程の概略説明図であり、図10はこの第1の反応の概略説明図である。
加温後、試験管に10μLのアビジン化磁気ビーズ(DYNAL社、Dynabeads M-280 Streptoavidin、6−7×106beads)を添加し、室温で30分間攪拌させた。攪拌にはAppropriate Technical Resources社製RKVSDを用いた。磁気ビーズを磁石で収集し、反応後の溶液を排除した。
前記磁気ビーズを含む試験管に、ダイマーγを含む前記ハイブリダイゼーション溶液Aを200μL加え、45℃で10分間加温した(第2の反応)。図11はこの第2の反応の概略説明図である。その後磁気ビーズのみを磁石で収集してハイブリダイゼーション溶液Aを試験管から回収した。その後、試験管に架橋用プローブ−1及び2を含む前記ハイブリダイゼーション溶液Bを200μL加えて45℃で10分間加温した(第3の反応)。図12はこの第3の反応の概略説明図である。磁気ビーズを収集してハイブリダイゼーション溶液Bを試験管から回収した(1回目)。なお、本実施例では、前記ハイブリダイゼーション溶液Aによる反応と前記ハイブリダイゼーション溶液Bによる反応のセットをシグナル増幅の1サイクルとした。
前記磁気ビーズを含む試験管に、前記回収したハイブリダイゼーション溶液Aを加えて45℃で10分間加温した(第4の反応)。図13はこの第4の反応の概略説明図である。その後磁気ビーズを収集してハイブリダイゼーション溶液Aを試験管から回収した。その後、試験管に前記回収したハイブリダイゼーション溶液Bを加えて45℃で10分間加温した。磁気ビーズを収集してハイブリダイゼーション溶液Bを試験管から回収した(2回目)。
以下同様にしてハイブリダイゼーション溶液A添加・加温→磁気ビーズ収集・溶液回収→ハイブリダイゼーション溶液B添加・加温→磁気ビーズ収集・溶液回収の操作を繰り返して5回目まで行った。また、1回目のみ、及び3回目まで行った磁気ビーズをそれぞれ調製した。それぞれの磁気ビーズを収集し、最後に200μLの洗浄溶液A[50mM Tris-HCl(pH7.6), 0.3M NaCl, 0.1% TritonX-100]で2回洗浄した。
(3)化学発色検出
前記洗浄後、磁気ビーズを収集し、洗浄溶液B[1%BSA, 50mM Tris-HCl(pH7.6), 0.3M NaCl, 0.1% TritonX-100]で1000倍に希釈した抗ジゴキシゲニンFab−PODコンジュゲート(ロシュ・ダイアグノスティックス社製)を200μL加え、室温で30分間攪拌させた。攪拌にはAppropriate Technical Resources社製RKVSDを用いた。その後磁気ビーズを収集し溶液を排除し、200μLの洗浄溶液Aで2回洗浄した。1 step TMB turbo ELISA(pierce社製)を200μL加え、室温で5分間反応させ、5N硫酸を40μL加え反応を停止させた。磁気ビーズを収集し、溶液を150μL回収し、該溶液の455nmの吸光度を測定した。結果を図14に示す。
その結果、図14に示すように、回数を重ねるごとに発色値が増強しポリマー形成の効果が確認された。
また、標識物質として、ジゴキシゲニンの代わりに放射性同位元素、ビオチン、蛍光物質、発光物質又は色素を用いて同様の実験を行った結果、回数を重ねるごとに発色値が増強しポリマー形成の効果が確認された。
本発明により、パルサー法において、非特異的な反応が抑制され、検出感度が高まった。これにより、特異的な遺伝子の検出が可能となった。

Claims (9)

  1. 互いに相補的塩基配列領域を有し互いに相補的結合能を有する複数種のプローブを反応させてポリマーを形成させる方法であって、該プローブの少なくとも1種を被験遺伝子に固定化した後、該複数種のプローブを1種類ずつ順番に反応させ、ポリマーを形成することを特徴とするシグナルプローブポリマーの形成方法。
  2. 前記複数種のプローブが、3箇所の相補的塩基配列領域X,Y及びZからなる、下記化学式(1)の構造を有するプローブ−1と、3箇所の相補的塩基配列領域X’,Y’及びZ’からなる、下記化学式(2)の構造を有するプローブ−2であり、該プローブ−1と該プローブ−2を1種類ずつ順番に反応させ、ポリマーを形成することを特徴とする請求項1記載の方法。
    Figure 2006028162
    Figure 2006028162
    (式(1)及び式(2)において、XとX’、YとY’及びZとZ’はそれぞれ互いに相補的塩基配列を有する。)
  3. 前記複数種のプローブが、下記化学式(3)の構造を有するダイマープローブ−1と、下記化学式(4)又は下記化学式(5)の構造を有するダイマープローブ−2であり、該ダイマープローブ−1と該ダイマープローブ−2を1種類ずつ順番に反応させ、ポリマーを形成することを特徴とする請求項1記載の方法。
    Figure 2006028162
    Figure 2006028162
    Figure 2006028162
    (式(3)〜式(5)においてAとA’、BとB’、CとC’、DとD’、EとE’及びFとF’はそれぞれ互いに相補的塩基配列を有する。)
  4. 前記複数種のプローブが、下記化学式(6)の構造を有するダイマープローブ−3と、下記化学式(7)又は下記化学式(8)の構造を有する2本の架橋プローブであり、該ダイマープローブ−3と該架橋プローブを1種類ずつ順番に反応させ、ポリマーを形成することを特徴とする請求項1記載の方法。
    Figure 2006028162
    Figure 2006028162
    Figure 2006028162
    (式(6)〜式(8)において、AとA’、BとB’、CとC’、DとD’及びFとF’はそれぞれ相補的塩基配列を有する。)
  5. 前記ポリマー形成に使用するプローブが、標識物質で標識されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。
  6. 前記標識物質が放射性同位元素、ビオチン、ジゴキシゲニン、蛍光物質、発光物質又は色素であることを特徴とする請求項5記載の方法。
  7. 前記ポリマー形成に使用するプローブ中の一つのプローブの一部又は全てと同じ塩基配列及び被験遺伝子と相補的な塩基配列を有する固定化用プローブを被験遺伝子に固定化した後、該固定化したプローブに前記複数種のプローブを1種類ずつ順番に反応させ、ポリマーを形成することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項記載の方法により形成されることを特徴とするポリマー。
  9. 請求項1〜7のいずれか1項記載の方法でポリマーを形成させ、形成されたポリマー量を測定することにより被験遺伝子を測定することを特徴とする被験遺伝子の測定方法。
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