JPWO2006025244A1 - 液晶構造を有するゲル及びその製造方法 - Google Patents

液晶構造を有するゲル及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 核酸分子自体がゲル化機能と液晶形成機能を併せ持つとともに、芳香族化合物吸着性と光学特性のある、核酸を主成分とする水に不溶な液晶ゲルを安価に量産可能に製造する。【解決手段】 水、緩衝液、塩を含む水溶液、極性溶媒水溶液又はそれらの混合物に水溶性核酸を溶解して核酸溶解液を調製し、この核酸溶解液を2価以上の多価金属カチオンを含む水溶液中で透析し、これにより、核酸を主成分とする、柱状、筒状、錐状、棒状、繊維状、球状、板状又はフィルム状の液晶構造を有するゲルを得る。この液晶ゲルは、断面において又は板表面又はフィルム表面において観察すると、それぞれ同心円状であってかつ中心から放射状に配向した構造を有する。【選択図】 図1

Description

本発明は、DNA(deoxyribonucleic acid; デオキシリボ核酸)に代表される核酸を主成分とする水に不溶化した液晶構造を有するゲル(以下、「液晶ゲル」という。)に関し、及びこのゲルを透析により製造する方法に関する。更に詳しくは環境ホルモン吸着能、発癌物質吸着能等を有するゲル及びその製造方法に関するものである。
DNAが二重らせん構造を持つことは周知である。水溶液中のDNAは約1.5Å毎にマイナス電荷を持つ持続長約500Åの棒状高分子に分類される。またDNAの核酸塩基対層には芳香族化合物の選択的吸着性があることが知られている。
従来、支持体上の水溶性DNA(例えば、サケの精巣由来のDNA)の水溶液もしくはその液膜、又は支持体上の水溶性DNAの薄層又は支持体上の水溶性DNAの溶液の液膜の濃縮乃至乾固により得られた薄層に、波長が250〜270nmの範囲の紫外線を照射することにより、支持体に水溶性DNAの水不溶性架橋重合体を固定する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この方法によれば、紫外線によりサケの精巣由来のDNAに架橋反応を起こさせて水不溶化し、この不溶化技術により芳香族化合物よりなる環境ホルモンを吸着することができる。
特開2001−81098(特許請求の範囲、[0019][0022])
しかしながら、特許文献1に記載された方法では、紫外線を用いてDNAを架橋反応させるために、DNAに長時間紫外線を照射する必要があり、大量生産に適しない問題点があった。またこの方法は、本発明のようなDNA分子自体がゲル化機能と液晶形成機能を併せ持つように液晶ゲルを製造するものではない。
本発明の第1の目的は、核酸分子自体がゲル化機能と液晶形成機能を併せ持つ核酸を主成分とする水に不溶な液晶ゲル及びその製造方法を提供することにある。
本発明の第2の目的は、芳香族化合物吸着性と光学特性のある核酸を主成分とする液晶ゲル及びその製造方法を提供することにある。
本発明の第3の目的は、核酸を主成分とする液晶ゲルを安価にかつ量産可能に製造する方法を提供することにある。
本願請求項1に係る発明は、核酸からなるか、又は核酸と棒状高分子からなるか、又は核酸と半屈曲性高分子からなるか、或いは核酸と棒状高分子と半屈曲性高分子からなる、柱状、筒状、錐状、棒状、繊維状、球状、板状又はフィルム状の液晶構造を有するゲルである。
本発明における「液晶ゲル」とは、核酸分子の凝集状態が液晶であるとともにゲルであるものをいう。
本願請求項13に係る発明は、水、緩衝液、塩を含む水溶液、極性溶媒水溶液又はそれらの混合物に核酸を溶解して核酸溶解液を調製する工程と、この核酸溶解液を2価以上の多価金属カチオンを含む水溶液中で透析し、これにより、核酸を主成分とする、液晶構造を有するゲルを得る工程とを含むゲルの製造方法である。
本願請求項1に係る核酸を主成分とする液晶ゲルは、柱状、筒状、錐状、棒状、繊維状、球状、板状又はフィルム状に形成され、長手方向に垂直な断面、直径断面又は板表面若しくはフィルム表面で観察したときに中心から放射状に配向する。このため、第一にこの液晶ゲルに芳香族化合物を接触させると、この配向に起因して芳香族化合物が異方的に拡散し、続いてゲルに芳香族化合物のインターカレーション(挿入)が起こり、芳香族化合物を吸着した層間化合物を生成することができる。また第二にこの液晶ゲルは液晶構造及び特殊な光学特性を持つため、芳香族化合物の吸着の有無を光学的に検出することができる。また第三にこの液晶ゲルに環境ホルモンを接触させると、上記芳香族化合物と同様に、ゲルに環境ホルモンのインターカレーションが起こり、環境ホルモンが吸着される。また第四にこの液晶ゲルに発癌物質を接触させると、上記芳香族化合物と同様に、ゲルに発癌物質のインターカレーションが起こり、発癌物質が吸着される。また第五にこの液晶ゲルに重金属イオンを接触させると、金属イオンとDNAとの間で錯体形成反応が起こり、重金属イオンが吸着される。また第六にこの液晶ゲルに応力をかけると、ゲルが延伸されてその配向度が変化し、その光学物性を変化させることができる。また第七にこの液晶ゲルはエステル結合を含むため、人体内の環境における酸性条件下で分解される。また第八にこの液晶ゲルは生分解性があるため、環境中に存在する微生物によって分解される。
本願請求項13に係る方法では、水、緩衝液、塩を含む水溶液、極性溶媒水溶液又はそれらの混合物に水溶性核酸を溶解して核酸溶解液を調製し、この核酸溶解液を2価以上の多価金属カチオンを含む水溶液中で透析することにより、柱状、筒状、錐状、棒状、繊維状、球状、板状又はフィルム状に液晶ゲルが形成される。この液晶ゲルは水に不溶性であって、核酸分子自体がゲル化機能と液晶形成機能を併せ持つ特徴を有する。
製造時に緩衝液等の濃度、水溶性核酸の濃度、2価以上の多価金属カチオンの濃度を変えることにより、上記液晶ゲルにおいて芳香族化合物の吸着量及び光学特性を制御することができる。また核酸溶解液を2価以上の多価金属カチオンを含む水溶液中で透析するという簡単な操作で、水に不溶な液晶ゲルが得られる。この方法は量産に適する特長がある。
本発明実施の形態の円筒状液晶ゲルの分子構造を示す断面模式図である。 図1の液晶ゲルをクロスニコルの下で観察した図である。 図1の8つの液晶ゲルをクロスニコルの下で観察した図である。 同心円状の多層構造を有する球状の液晶ゲルを示す写真図である。 実施例9において形成した繊維状液晶ゲルを示す写真図である。
以下、本発明の最良の実施の形態について説明する。
本発明の液晶ゲルの主成分は、核酸である。核酸はDNAであるか、又はDNAとRNAの組合せである。本発明のDNA又はRNAの分子量は配向度を上げるために、50万から1千万までの範囲にあることが好ましい。分子量が50万より低すぎると配向しない。分子量が1千万より高すぎると粘性が高くなり取り扱いが難しく配向度も一定となる。上記範囲内の分子量では分子量の増加とともに配向度は大きくなる。一方、分子量が大きくなると液晶ゲルの硬さは大きくなり加工性が悪くなる。従って、分子量の大きい核酸と分子量の小さい核酸を混合することにより適度な加工性を持ち配向度も高い液晶ゲルを調製することができる。本発明のDNA及びRNAは水溶性である。このDNAとしては、一本鎖又は二本鎖のDNAであって、魚類の精巣又は哺乳類や鳥類の胸腺より得られるDNAが挙げられる。特に、魚類の精巣から得られるDNAではサケの白子(精巣)由来のDNAや大腸菌由来のDNAがDNA液晶ゲルの材料として品質およびコストの面から好ましい。また哺乳類や鳥類の胸腺より得られるDNAとしてニワトリやウシ、ブタの胸腺から得られるDNA、合成のオリゴヌクレオチド及びポリヌクレオチドがDNA液晶ゲルの材料として好ましい。RNAの例としては酵母由来のRNAが挙げられる。
また液晶ゲルは、核酸と棒状高分子(rod-like polymer)の組合せ、核酸と半屈曲性高分子(semi-flexible polymer)の組合せ、又は核酸と棒状高分子と半屈曲性高分子の組合せからなる。これらの組合せの重量割合は、核酸100重量%とするとき、棒状高分子0.1〜400重量%、半屈曲性高分子0.1〜150重量%である。また液晶ゲルの形状は、柱状、筒状、錐状、棒状、繊維状、球状、板状又はフィルム状であり、液晶ゲルの形態は二次元的又は三次元的構造を持つ。
柱状、筒状、錐状、棒状又は繊維状に形成された場合、液晶ゲルは、長手方向に垂直な断面で観察したときに中心から放射状に配向した核酸を主成分とする。この液晶ゲルには長手方向に垂直な断面で観察したときに同心円状の多層構造を有するゲルも含む。
また球状に形成された場合、液晶ゲルは、直径断面で観察したときに中心から放射状に配向した核酸を主成分とする。この液晶ゲルには直径断面で観察したときに同心円状の多層構造を有するゲルも含む。
また板状又はフィルム状に形成された場合、液晶ゲルは、板表面又はフィルム表面で観察したときに中心から放射状に配向した核酸を主成分とする。この液晶ゲルには板表面又はフィルム表面で観察したときに同心円状の多層構造を有するゲルも含む。
ゲルに含まれる棒状高分子又は半屈曲性高分子として、多糖類、多糖類の誘導体又はそれらの組合せが挙げられる。多糖類を例示すれば、微生物によって生産される発酵多糖類のカードランや再生カードランであるパラミロン、スエヒロタケによって生産されるシゾフィラン等が挙げられ、多糖類の誘導体を例示すれば、セルロースの誘導体であるメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。
またゲルに含まれる別の棒状高分子又は半屈曲性高分子として、タンパク質、変性タンパク質、ポリアミノ酸又はそれらの組合せが挙げられる。タンパク質を例示すれば、コラーゲン、ミオシン等が挙げられ、変性タンパク質を例示すれば、ゼラチン、変性アルブミン等が挙げられ、ポリアミノ酸を例示すれば、ポリグルタミン酸、ポリリジン等が挙げられる。
更にゲルに含まれる別の棒状高分子又は半屈曲性高分子として、合成高分子が挙げられる。この合成高分子を例示すれば、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸又はポリスチレンスルホン酸が挙げられる。
例えば、DNAと合成高分子であるポリアクリル酸又は多糖類であるカードランを混合すると、液晶性と発癌物質吸着性は低下する。一方、生体により分解されないポリアクリル酸又はカードランは、生体内で発癌物質を吸着して生体内、例えば肛門から排出されるゲルビーズとして用いることができ、或いは生体及び環境中での生分解性を制御できる。DNAとポリアクリル酸(PAA)の混合物から液晶ゲルを形成するためには、DNA及びポリアクリル酸の水溶液を混合する際の重量比(DNA/PAA)を1/4〜1/0.001にする。より高配向の液晶構造を持つゲルを形成するためには、重量比(DNA/PAA)を1/1〜1/0.001にすることが好ましい。また、DNAとポリビニルアルコール(PVA)の混合物から液晶ゲルを形成するためには、DNA及びポリビニルアルコールの水溶液を混合する際の重量比(DNA/PVA)を2/3〜1/0.001にする。より高配向度の液晶構造を持つゲルを形成するためには、重量比(DNA/PVA)を3/2〜1/0.001にすることが好ましい。
基本的に、これらの核酸を主成分とする液晶ゲルは、水、緩衝液、塩を含む水溶液、極性溶媒水溶液又はそれらの混合物に核酸を溶解して核酸溶解液を調製した後、この核酸溶解液を2価以上の多価金属カチオンを含む水溶液中で透析することにより得られる。
核酸溶解液は、核酸以外に上述した棒状高分子又は半屈曲性高分子のいずれか一方又は双方を含んでもよい。核酸溶解液中に含まれる棒状高分子又は半屈曲性高分子の溶解量は、核酸100重量%とするとき、棒状高分子0.1〜400重量%、半屈曲性高分子0.1〜150重量%である。核酸に加えて棒状高分子及び半屈曲性高分子を含むことにより、酵素安定性及び酸・塩基安定性の効果が期待される。
核酸を溶解する液としては、pHを制御できることから、緩衝液が好ましい。例えば、アルミニウムなどの3価カチオンを含む水溶液に浸漬又は透析する場合には、水を含む幅広いpHの水溶液を用いることができるが、コバルト塩などの2価カチオンを含む水溶液に浸漬又は透析する場合には、アルカリ側のpHを持つ溶解液を用いる場合にしか液晶ゲルは生成しない。
この緩衝液としては、塩化カリウム−塩酸緩衝液、p-トルエンスルホン酸-p-ナトリウム緩衝液、グリシン−塩酸緩衝液・フタル酸カリウム−塩酸緩衝液、クエン酸−リン酸ナトリウム緩衝液、クエン酸−クエン酸ナトリウム緩衝液、β,β’−ジメチルグルタル酸−水酸化ナトリウム緩衝液、酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液、コハク酸−水酸化ナトリウム緩衝液、フタル酸カリウム−水酸化ナトリウム緩衝液、カコジル酸ナトリウム−塩酸緩衝液、マレイン酸ナトリウム−水酸化ナトリウム緩衝液、リン酸緩衝液・イミダゾール−塩酸緩衝液、2:4:6−トリメチルピリジン−塩酸緩衝液、トリエタノールアミン、塩酸−水酸化ナトリウム緩衝液、ベロナール(5:5−ジエチルバルビツール酸ナトリウム)−塩酸緩衝液、N−エチルモルフォリン−塩酸緩衝液、トリス緩衝液、グリシルグリシン−水酸化ナトリウム緩衝液、2−アミノ−2−メチル1:3−プロパンジオール−塩酸緩衝液、ジエタノールアミン−塩酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、ホウ酸ナトリウム−塩酸緩衝液、グリシン−水酸化ナトリウム緩衝液、炭酸ナトリウム−炭酸水素ナトリウム緩衝液、ホウ酸ナトリウム−水酸化ナトリウム緩衝液、炭酸ナトリウム−水酸化ナトリウム緩衝液、炭酸水素ナトリウム−水酸化ナトリウム緩衝液、リン酸二ナトリウム−水酸化ナトリウム緩衝液、塩化カリウム−水酸化ナトリウム緩衝液、BrittonとRobinsonの緩衝液、GTA緩衝液、HEPES緩衝液等が例示される。
また塩を含む水溶液としては、pH2〜10の塩化ナトリウム水溶液、塩化カリウム水溶液、塩化リチウム水溶液等が例示される。更に極性溶媒水溶液としては、メタノール水溶液、エタノール水溶液、アセトン水溶液、蟻酸水溶液、酢酸水溶液等が例示される。
(a) 第1の液晶ゲルの製造方法(円筒状又は円柱状液晶ゲルの製造方法)
核酸として水溶性DNAを、塩の水溶液としてホウ酸塩水溶液を、それぞれ代表して説明する。
先ず水溶性DNAをホウ酸塩水溶液に溶解して核酸溶解液を調製する。このときのホウ酸塩水溶液は、pH9〜10程度に維持する理由から、四ホウ酸ナトリウム又は水素化ホウ素ナトリウムの水溶液であることが好ましい。ホウ酸塩水溶液のpHを約9程度に維持する緩衝作用により水溶性DNAが良好に溶解する。本発明の液晶ゲルを製造するために、水溶性DNAはホウ酸塩水溶液に対して0.1〜2重量%、好ましくは1〜1.5重量%添加する。DNAの添加量が下限値未満では液晶ゲルが形成されず、上限値を超えると粘性が増加し均質な溶液を得ることが困難になる。またホウ酸塩は、DNAの濃度に相応して含有させる必要があるが、ホウ酸塩の濃度は0.01M以上飽和濃度まで、好ましくは0.02〜0.04Mの範囲から選ばれる。0.01M未満ではpHの緩衝作用に劣る。この水溶液のイオン強度を上げ、DNAの溶解性を高めるために、ホウ酸塩水溶液に更にアルカリ金属塩を含有させることが好ましい。アルカリ金属塩としては、塩化ナトリウム、塩化リチウム又は塩化カリウムが例示される。アルカリ金属塩の濃度は0.01Mで十分である。
次いで得られた核酸溶解液を透析膜のチューブに充填する。充填前にチューブの下端は封止される。透析膜としては、特に制限はなく、酢酸セルロース、ポリメチルメタクリレート等が例示されるが、セルロース系透析膜が好ましい。ここで透析チューブの膜厚及び直径により、ゲル化の速度及び得られるゲルの液晶性と層構造が変化する。最終的に得られる円筒状液晶ゲルの外径はチューブの直径に依存する。チューブの直径及び長さは液晶ゲルの用途に応じて決められる。例えば直径6mm〜10cmの範囲から選択され、このチューブからは外径6mm〜10cmで内径0mm〜4cm(厚さ1mm〜10cm)の円筒状液晶ゲルが得られる。核酸溶解液をチューブに充填した後、チューブの上端を封止することにより、核酸溶解液がチューブに充填密封される。なお、適当な枠に透析膜を貼り付けて、これを透析チューブの代わりに用いれば、原理的にいくらでも大きな液晶ゲルを調製することができる。
次にチューブに充填密封された核酸溶解液を2価以上、好ましくは2価又は3価の金属カチオンを含む水溶液中に浸漬する。凝固液に2価以上の多価金属カチオンを含ませるのは、金属カチオンが核酸溶解液をゲル化させ、更にこの過程において液晶化が起こることによる。このときの2価の金属カチオンとしては、コバルト、ニッケル、鉄又はマンガンの2価の遷移金属のカチオンがDNAとの相互作用の点において適する。また3価の金属カチオンとしては3価のアルミニウムカチオン、ランタン系のジスプロシウムカチオンがより透明度の高い液晶ゲルを得られる点において適する。この化合物としては、水溶液中で上記金属カチオンを解離する塩であればよく、塩化コバルト、硫酸コバルト、塩化ニッケル、硫酸ニッケル、塩化鉄、硫酸第一鉄、塩化マンガン、硫酸マンガン、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化ジスプロシウム等が例示される。
金属カチオンを含む水溶液の濃度は0.01M以上飽和濃度までが好ましく、0.1〜0.2Mがより好ましい。濃度が下限値未満ではゲルが形成できず、上限値を超えるとゲルの著しい収縮による液晶の歪み等の不具合を生じる。またこの水溶液の温度は0〜40℃が好ましく、30〜40℃がより好ましい。温度が下限値未満では溶液の拡散速度が小さく、また凝固してしまう不具合があり、上限値を超えると液晶ゲル化が起こらない場合があったり、一度できた液晶ゲル構造の崩壊等の不具合を生じる。チューブを2価以上の多価金属カチオンを含む水溶液に浸漬すると、透析膜のチューブ内のDNAのホウ酸がチューブ外に拡散し、一方チューブ外の解離した2価以上の多価金属カチオンがチューブ内に拡散する。
上記透析によりチューブ内に円柱体が形成する。チューブの直径に応じた直径の円柱体が形成される。一般的に、透析時間を短くするか、核酸濃度を低めるか、或いは2価以上の多価金属カチオンを含む水溶液の濃度を低めることにより、円柱体の中心がゾルでその周囲が液晶ゲルになる。反対に透析時間を長くするか、核酸濃度を高めるか、或いは2価以上の多価金属カチオンを含む水溶液の濃度を高めることにより、中実な円柱状液晶ゲルが形成される。即ち、円柱体の中心がゾルの場合、この円柱体をチューブから取り出し、水洗すると、ゾルの部分が除去され、円筒状の液晶ゲルが得られる。また円柱体のすべてがゲルの場合、この円柱体をチューブから取り出し、水洗すると、中実な円柱状液晶ゲルが形成される。例えば、DNA濃度1重量部、ホウ酸濃度0.02M、塩化コバルト濃度0.1Mの条件では、透析時間が0〜30分では円筒状液晶ゲルが形成され、透析時間が60分以上では円柱状液晶ゲルが形成される。
円筒状液晶ゲルを長手方向に垂直に切断し切断面を自然光で観察すると、図1の模式図に示すように、パイナップル果実の横断面のように、同心円状であってかつ中心から放射状に配向している。一方クロスニコル下で観察すると、図2及び図3に示すように、十字線が現れ、このゲルが液晶構造を有することが立証される。この十字線はDNA分子又はその凝集体が中心から規則正しく配向していることを示す。こうした構造が得られるメカニズムは現段階では解明されていないが、溶媒交換によるDNAの構造の変化とそれに伴う金属カチオンとDNAとの錯体の形成によると推定される。
また円筒状又は円柱状液晶ゲルを長手方向に垂直な断面で観察したときに同心円状の多層構造にするためには、次の方法により行う。先ずホウ酸塩水溶液中又はホウ酸塩にアルカリ金属塩を含む水溶液中においてチューブ内に円柱体を形成する。次いでこの水溶液よりチューブを大気中に取り出して5〜30分間放置する。続いて放置していたチューブを上記水溶液中に浸漬して核酸溶解液を透析する。水溶液からのチューブの取り出しと水溶液への浸漬を繰り返すことにより、カチオンの流入による構造形成が妨げられる。これにより長手方向に垂直な断面で観察したときに同心円状の多層構造を有する円筒状又は円柱状の液晶ゲルをチューブ内に形成することができる。
(b) 第2の液晶ゲルの製造方法(球状液晶ゲルの製造方法)
第1の製造方法と同様に核酸として水溶性DNAを、塩の水溶液としてホウ酸塩水溶液を、それぞれ代表して説明する。
先ず核酸溶解液及び2価以上、好ましくは2価又は3価の金属カチオンを含む水溶液を調製する。この核酸溶解液を調製するときのホウ酸塩水溶液の濃度及びDNAの含有量は、透析膜を自己形成させるために、透析膜を形成している間、界面張力により形を球状に保てる程度の粘性が必要であるという点で第1の製造方法と異なる。即ち、ホウ酸塩水溶液の濃度は0.05M〜飽和濃度である。好ましくは0.01〜0.08Mである。また2価以上の多価金属カチオンを含む水溶液の塩の濃度は、透析膜を自己形成させるために、即座に架橋を生じなくてはならないという理由から、0.02M以上でなくてはならない。即ち、この水溶液中の2価以上の多価金属カチオンの濃度は0.02M〜飽和濃度である。好ましくは0.1〜2Mである。なお、ホウ酸塩水溶液の温度及び金属カチオンの塩を含む水溶液の温度は、それぞれ第1の製造方法と同じである。
第2の製造方法では、透析膜のチューブの代わりにシリンジ(syringe)、ノズル、スプレー又はマイクロピペットを用いる。最終的に得られる球状液晶ゲルの外径はシリンジ等の吐出口の口径に依存する。このシリンジ等の吐出口の口径は液晶ゲルの用途に応じて決められる。例えば、1μm〜1mmの範囲から選択され、このシリンジ等からは外径100μm〜4mmの球状液晶ゲルが得られる。核酸溶解液をシリンジ等に充填した後、吐出口を下方に向けてシリンジ等を2価以上の多価金属カチオンを含む水溶液の液面より1〜15cm上方の所定の位置に固定する。
次いでシリンジ等の内部を加圧することにより、シリンジ等に充填された核酸溶解液を2価以上の多価金属カチオンを含む水溶液中に滴下させる。核酸溶解液が液滴の形態で水溶液中に泳動する間において液滴全周囲に透析膜が形成される。この透析膜は金属カチオンにより誘発されたDNAゲルからなる。この状態を維持すると、液滴を構成していた核酸溶解液が透析され、透析膜内部に球状液晶ゲルが形成される。シリンジ等の吐出口の口径に応じた外径の球状液晶ゲルが形成される。
この球状液晶ゲルを半球になるように直径方向に切断し切断面を観察すると、図示しないが、球状液晶ゲルは、外殻を有し、同心円状であってかつ中心から放射状に配向している。この液晶ゲル内部中心にはゲル化していないゾル部分が存在する。この構造が形成されるメカニズムは円筒状液晶ゲルと同じである。
また球状液晶ゲルを直径断面で観察したときに同心円状の多層構造にするためには、次の方法により行う。先ずホウ酸塩水溶液中又はホウ酸塩にアルカリ金属塩を含む水溶液中において液滴全周囲に透析膜を形成する。次いでこの水溶液より全周囲に透析膜を形成した球状のゲルを大気中に取り出して5〜30分間放置する。続いて放置していた球状のゲルを上記水溶液中に浸漬して核酸溶解液を透析する。水溶液からの球状のゲルの取り出しと水溶液への浸漬を繰り返すことにより、カチオンの流入による構造形成が妨げられる。これにより直径断面で観察したときに同心円状の多層構造を有する球状の液晶ゲルを透析膜内に形成することができる。図4に同心円状の多層構造を有する球状の液晶ゲルを示す。このゲル又はゲルの内側のゾル層に薬剤を含ませて、ゲルを体内に入れると、その薬剤を体内で徐々に放出することができる。即ち、ゲル又はゲルの内側のゾル層の外層に含まれていた薬剤が体内に放出されると、外層の次の内側の層に含まれていた薬剤が外層に移行し、その外層から体内に放出される。この内層から外層にかけて薬剤が移行することにより、体内に入った薬剤が徐々に放出される。
(c) 第3の液晶ゲルの製造方法(棒状又は繊維状液晶ゲルの製造方法)
先ず水に水溶性DNAを溶解して核酸溶解液を調製する。この核酸溶解液をシリンジ又はノズルにより2価以上、好ましくは2価又は3価の金属カチオンを含む水溶液中に押出して前記水溶液中において棒状又は繊維状体全周囲に透析膜を形成するとともに核酸溶解液を透析する。これにより、長手方向に垂直な断面で観察したときに同心円状であってかつ中心から放射状に配向した棒状又は繊維状の液晶構造を有するゲルを透析膜内に形成される。このゲルを水溶液より取り出して水洗することにより、中実又は中空の棒状又は繊維状のゲルが得られる。押出し速度と核酸溶解液の粘性を制御することにより、繊維の長さ及び太さを調整することができる。
また棒状又は繊維状液晶ゲルを長手方向に垂直な断面で観察したときに同心円状の多層構造にするためには、次の方法により行う。先ずホウ酸塩水溶液中又はホウ酸塩にアルカリ金属塩を含む水溶液中において棒状又は繊維状体全周囲に透析膜を形成する。次いでこの水溶液より全周囲に透析膜を形成した棒状又は繊維状のゲルを大気中に取り出して5〜30分間放置する。続いて放置していた棒状又は繊維状のゲルを上記水溶液中に浸漬して核酸溶解液を透析する。水溶液からの棒状又は繊維状のゲルの取り出しと水溶液への浸漬を繰り返すことにより、カチオンの流入による構造形成が妨げられる。これにより長手方向に垂直な断面で観察したときに同心円状の多層構造を有する棒状又は繊維状の液晶ゲルを透析膜内に形成することができる。
(d) 第4の液晶ゲルの製造方法(板状又はフィルム状液晶ゲルの製造方法)
第1の製造方法と同様に核酸として水溶性DNAを、塩の水溶液としてホウ酸塩水溶液を、それぞれ代表して説明する。
先ず上記第2の製造方法と同一の核酸溶解液及び2価以上、好ましくは2価又は3価の金属カチオンを含む水溶液を用意する。この核酸溶解液を第1平板上に滴下した後、第1平板と同一又は第1平板より小さい別の第2平板を被せて滴下した核酸溶解液を平坦化する。第1平板は表面が平滑で形成したフィルムを剥離し易い材質のものであれば特に制限されない。第1平板としては、ガラス基板、プラスチック基板、セラミック基板等が例示される。また第2平板は平坦化する核酸溶解液(液膜)の厚さを均一にするために平滑で形成した板又はフィルムから剥離し易い材質のものであれば特に制限されない。第2平板としては、円盤状のカバーガラス、アクリル板又はPET(polyethylene terephthalate)フィルムが好ましい。第2平板のサイズは、厚さ0.12〜17mm、直径15〜22mmの範囲から選ばれる。なお、平板として市販のカバーガラスを用いずにアクリル板などを用いる場合には、平板の寸法を任意の大きさにすることができる。
平坦化した核酸溶解液の厚さ、即ち液膜の厚さは0.5〜2mmが好ましい。下限値未満ではゲル化することが困難であり、上限値を超える厚さは核酸溶解液の粘度を上げても形成することが難しい。次いでこの平坦化した核酸溶解液を第1平板と第2平板で挟んだ状態で2価以上の多価金属カチオンを含む水溶液中に浸漬する。この水溶液中に浸漬しても第2平板は核酸溶解液の相互作用により液膜より剥離しない。この水溶液中において平坦化した核酸溶解液(液膜)の第1平板及び第2平板に被覆されない部分(液膜の側面周囲)に透析膜が形成される。この透析膜は金属カチオンにより誘発されたDNAゲルからなる。この状態を維持すると、液膜を構成していた核酸溶解液が透析され、透析膜内部に板状又はフィルム状液晶ゲルが形成される。この板状又はフィルム状液晶ゲルの厚さは上記液膜に比例し、0.5〜2mmの範囲になり、大きさは第2平板の大きさに比例して直径15〜22mmの円盤状になる。平板を任意の寸法にした場合には、任意の大きさの液晶ゲルを作ることができる。
板表面又はフィルム表面で観察すると、図示しないが、板状又はフィルム状液晶ゲルは、同心円状であってかつ中心から放射状に配向している。この液晶ゲル内部中心にはゲル化していないゾル部分が存在する。この構造が形成されるメカニズムは円筒状液晶ゲルと同じである。第2平板を板状又はフィルム状液晶ゲルから剥離し、水洗すると、中心部が除かれた板状又はフィルム状の液晶ゲルが得られる。
また板表面又はフィルム表面で観察したときに同心円状の多層構造にするためには、次の方法により行う。先ずホウ酸塩水溶液中又はホウ酸塩にアルカリ金属塩を含む水溶液中において第1平板及び第2平板に被覆されない部分(液膜の側面周囲)に透析膜を形成する。次いでこの水溶液より第1及び第2平板を大気中に取り出して5〜30分間放置する。続いて放置していた第1及び第2平板を上記水溶液中に浸漬して核酸溶解液を透析する。水溶液からの第1及び第2平板の取り出しと水溶液への浸漬を繰り返すことにより、カチオンの流入による構造形成が妨げられる。これにより板表面又はフィルム表面で観察したときに同心円状の多層構造を有する板状又はフィルム状の液晶ゲルを透析膜内に形成することができる。
次に本発明の実施例を比較例とともに説明する。
<実施例1>
四ホウ酸ナトリウム40mMと塩化ナトリウム塩20mMを水に溶解した50℃の緩衝液に対して、水溶性DNAのひとつであるサケの白子由来のDNA粉末1重量%を溶解することにより、DNAを含む核酸溶解液を調製した。この核酸溶解液を直径6mm、16mm、20mm、25mmの4種類のセルロース製透析チューブにそれぞれ注入した後、各チューブを密封し、100mMの塩化コバルト水溶液に浸して室温にて透析を行った。24時間の透析の後、チューブの内側にはゲル強度の大きい、4種類の異なる直径の円柱状ゲルが形成された。この際、元の透析チューブの直径と比較してどの円柱状ゲルも14〜15%程度収縮した。これらのゲルをチューブから取り出し観察すると、ゲルの中心部はゾルであった。円柱状ゲルを水洗すると、ゾル部分は容易にくりぬかれ、外径5.1mmで内径2.1mm、外径13.0mmで内径6.4mm、外径16.6mmで内径7.4mm、外径20.7mmで内径9.5mmの4種類のDNAからなる円筒状液晶ゲルが得られた。これらのゲルを長手方向に垂直な方向に輪切りにし、偏光レンズを用いてクロスニコルの下、観察を行うと、分子が長手方向に配向した液晶構造が存在することが確認された。このようなDNA液晶ゲルからなるゲルチューブは透析チューブのサイズによらず作製できることが判った。
<比較例1>
DNA濃度を0.1重量%に変更した以外、実施例1と同一条件で円柱状ゲルを形成しようとしたが、チューブ内はゾルのままであり、DNAからなる液晶ゲルは形成されなかった。
<実施例2>
四ホウ酸ナトリウム40mMと塩化ナトリウム20mMを水に溶解した50℃の緩衝液に対して、水溶性DNAのひとつであるサケの白子由来のDNA粉末1.5重量%を溶解することにより、DNAを含む核酸溶解液を調製した。この核酸溶解液を吐出口の口径0.5mmのイエローチップをつけたマイクロピペットに充填し、表1に示す10種類の濃度(1mM〜1M)の25℃の塩化アルミニウム水溶液中に液面からの高さ5cmの位置から滴下し、液滴を5分間浸漬維持した。アルミニウムイオン濃度が0.001Mの水溶液の場合を除いて、他のすべての水溶液中で上記核酸溶解液の周囲が即座にゲル化した。このゲル化した部分が透析膜の役割を果たし、直径約5〜8mmの球状ゲルが形成された。この実施例2で得られたゲルについて液晶化の有無を調べた。その結果を表1に示す。
<比較例2>
DNA濃度を0.08重量%に変更した以外、実施例2と同一条件で球状ゲルを形成しようとしたが、塩化アルミニウムイオン濃度によらず、ゾルのままであり、ゲル化しなかった。
表1から明らかなように、比較例2では全てゲル化せず、液晶化もしなかった。また実施例2ではアルミニウムイオン濃度が0.001M以外は全てゲル化した。ゲル化したもののうち、10mM以上の濃度の塩化アルミニウム水溶液に滴下して作製した球状ゲルを偏光板を用いてクロスニコルの条件の下観察を行うことにより液晶構造を持つことが確認された。またゲル化したものの体積収縮率を相対的に比較したところ、アルミニウムイオン濃度が高い程、体積収縮率が高かった。
<実施例3>
それぞれ四ホウ酸ナトリウム塩濃度が10mM、20mM、40mM、60mM、80mMであって、塩化ナトリウム塩濃度が20mMになるように四ホウ酸ナトリウム及び塩化ナトリウムを水に溶解して5種類の50℃の緩衝液を用意した。これらの緩衝液のそれぞれに水溶性DNAのひとつであるサケの白子由来のDNA粉末1.0重量%を溶解することにより、DNAを含む5種類の核酸溶解液を調製した。30枚のガラス基板を用意し、6枚のガラス基板を1グループとして各核酸溶解液をグループ毎にガラス基板のそれぞれ上面に滴下し、厚さ0.12〜0.17mm、直径15〜22mmの円盤状のカバーガラスを液滴に被せた。これによりガラス基板とカバーガラスの間に厚さ約1mmの液膜が形成された。
一方、凝固液として塩化コバルト塩濃度が50mM、100mM、200mM、400mM、600mM、800mMの6種類の塩化コバルト水溶液を用意した。6枚で1グループのガラス基板を1枚ずつ上記6種類の塩化コバルト水溶液に浸漬した。
30通りの浸漬を行ったところ、すべての液膜の側面において、コバルトイオンとDNA水溶液(核酸溶解液)との反応により、膜が形成された。この膜が透析膜の役割を果たし、引き続いてこの透析膜を通したコバルトイオンの拡散により、ガラス基板とカバーガラスの間に水に対して不溶なフィルムが形成された。カバーガラスを取り除くとガラス基板上に厚さ0.12〜0.17mm、直径15〜22mmの円盤状のフィルムが得られた。30種類全てのフィルムを偏光板を用いてクロスニコルの条件の下で観察したところ、全てのフィルムが液晶構造を持つことが確認された。
<比較例3>
液滴の大きさを小さくして、液膜の厚さを約1μmにした以外、実施例3と同様にして透析を行った。しかしガラス基板とカバーガラスの間ではゲル化は起こらず、ゾルのままであった。
<比較例4>
四ホウ酸ナトリウム40mMと塩化ナトリウム20mMを水に溶解した50℃の緩衝液100重量%に対して、水溶性DNAのひとつであるサケの白子由来のDNA粉末0.1重量%を溶解することにより、DNAを含む核酸溶解液を調製した。この核酸溶解液を実施例3と同様にガラス基板上に滴下し、この液滴に実施例3と同一のカバーガラスを被せた。この状態で100mMの塩化コバルト水溶液に浸して室温にて透析を行った。しかしガラス基板とカバーガラスの間ではゲル化は起こらず、ゾルのままであった。
<実施例4>
実施例2で得られた球状液晶ゲルを発癌物質のひとつであるアクリジンオレンジ水溶液に浸した。その結果よりDNAからなる球状液晶ゲルがアクリジンオレンジ分子吸着性を持つことを確認した。アクリジンオレンジのDNAへの吸着はインターカレーションによって生じたと考えられるため、平面的な芳香環を持つことを特徴とする環境ホルモンや発癌物質一般についても吸着すると考えられる。このことからDNA液晶ゲルビーズは環境ホルモン吸着剤としての利用が考えられる。また中空な円柱状液晶ゲルも同様な用途に用いることが可能である。
<実施例5>
実施例3で得られたフィルム状液晶ゲルを環境ホルモンなどの芳香族化合物の定量的なインディケーターに用いた。即ち、芳香族化合物を含有したサンプルに接触する前のフィルム状液晶ゲルの着色度又は光透過度と、芳香族化合物を含有したサンプルに接触させた後のフィルム状液晶ゲルの着色度又は光透過度とを比較することにより、着色の程度又は光透過度の大小により環境ホルモンなどの芳香族化合物の定量的な測定が可能となった。
<実施例6>
水溶性DNAとカードランとを混合させて液晶ゲルを形成した。先ず四ホウ酸ナトリウム20mMと水酸化ナトリウム400mMを水に溶解した50℃の緩衝液に対して、水溶性DNAのひとつであるサケの白子由来のDNA粉末1重量%とカードラン5重量%を溶解することにより、DNAとカードランを含む核酸溶解液を調製した。次いでこの核酸溶解液を100mMの塩化コバルト及び塩化アルミニウム水溶液にマイクロピペットを用いて滴下した。両金属カチオン水溶液中に滴下された核酸-カードラン混合溶解液は、直ちにゲル化し、ゲルビーズを形成した。5分後偏光板をクロスニコルの条件にして、このゲルビーズを観察すると、両金属カチオン水溶液のどちらの場合においても液晶構造を持つゲルビーズが形成されていた。
<実施例7>
サケの白子由来のDNA粉末1重量%とカードラン3重量%を溶解して核酸溶解液を調整した以外は、実施例6と同様にしてDNAとカードランからなる液晶ゲルビーズが得られた。
<実施例8>
サケの白子由来のDNA粉末0.5重量%とカードラン5重量%を溶解して核酸溶解液を調整した以外は、実施例6と同様にしてDNAとカードランからなる液晶ゲルビーズが得られた。
実施例6〜8で得られた液晶ゲルビーズは、DNA分解酵素の(DNase)水溶液では溶解されにくいという特長があった。
<実施例9>
水に水溶性DNAを表2に示す濃度(0.2〜1重量%)で溶解して核酸溶解液を調製した。この核酸溶解液を吐出口の口径0.5mmのノズルから表2に示す2種類の濃度(50mM及び1M)の25℃の塩化アルミニウム水溶液中に押出してこの水溶液中において繊維状体全周囲に透析膜を形成するとともに核酸溶解液を透析した。これにより異方性の繊維状液晶ゲルを容易に形成することができた。実施例9で得られた繊維状液晶ゲルを束にしてカラムを作製すれば、このカラムは扱いやすい形態と強度を持つことができる。表2において、DNA1.0重量%、濃度100mMの塩化アルミニウム水溶液の条件下で形成したゲルが均一な太さで高配向の繊維状液晶ゲルであった。図5にこの繊維状液晶ゲルを示す。
<実施例10>
水溶性DNAとポリアクリル酸とを混合させて液晶ゲルを形成した。先ず四ホウ酸ナトリウム20mMと水酸化ナトリウム400mMを水に溶解した50℃の緩衝液に対して、水溶性DNAのひとつであるサケの白子由来のDNA粉末1重量%とポリアクリル酸(分子量25万)1重量%を溶解することにより、DNAとポリアクリル酸を含む核酸溶解液を調製した。次いでこの核酸溶解液を100mMの塩化コバルト及び塩化アルミニウム水溶液にマイクロピペットを用いて滴下した。両金属カチオン水溶液中に滴下された核酸−ポリアクリル酸混合溶解液は、直ちにゲル化しゲルビーズを形成した。5分後偏光板をクロスニコルの条件にして、このゲルビーズを観察すると、両金属カチオン水溶液のどちらの場合においても液晶構造を持つゲルビーズが形成されていた。実施例10で得られた液晶ゲルビーズは、酸又は塩基では溶解されにくいという特長があった。このことは生体内で分解されずに放出される発癌物質を吸着するゲルビーズとしての応用が可能であることを示している。
<実施例11>
水溶性DNAを金属カチオンを含む極性溶媒水溶液に浸漬して液晶ゲルを形成した。先ず四ホウ酸ナトリウム20mMと水酸化ナトリウム400mMを水に溶解した25℃の緩衝液に対して、水溶性DNAのひとつであるサケの白子由来のDNA粉末0.7重量%を溶解することにより、DNAを含む核酸溶解液を調製した。次いでこの核酸溶解液を100mMの塩化アルミニウムを含むエタノール水溶液、メタノール水溶液、アセトン水溶液にマイクロピペットを用いて滴下した。極性溶媒の濃度はいずれも10体積パーセントであった。アルミニウムカチオン水溶液中に滴下された核酸溶解液は、直ちにゲル化しゲルビーズを形成した。5分後偏光板をクロスニコルの条件にして、このゲルビーズを観察すると、液晶構造を持つゲルビーズが形成されていた。
本発明の液晶ゲルは芳香族化合物吸着性と光学特性の双方を有するため、第一に環境ホルモンの吸着剤に利用可能である。中空な円柱状液晶ゲル又は球状液晶ゲルをカラムに充填し、環境ホルモンを含む有害な液をこのカラムに通過させることにより、工業的に環境ホルモンを吸着することが可能となる。第二に環境ホルモンの多くは発色性を持つため、環境ホルモンが吸着したときのフィルム状液晶ゲル又は上記カラムの着色の程度又は光透過度の変化を利用して、環境ホルモンのインディケーターとしての利用が可能である。環境ホルモンが発色性を持たない場合には、液晶ゲルの両側にクロスニコルを配置することにより、吸着前後で光透過度に変化があるため、やはりインディケーターとして利用できる。第三に有機ELとしての利用が期待される色素の多くは芳香環構造を持つ低分子化合物であるため、これらの色素をインターカレートすることにより色素による光の選択的な透過と液晶としての機能を併せ持つデバイスを作製することが可能である。第四に金属イオンがドープされていることから新しい導電性材料としての発展性も期待される。

Claims (21)

  1. 核酸からなるか、又は核酸と棒状高分子からなるか、又は核酸と半屈曲性高分子からなるか、或いは核酸と棒状高分子と半屈曲性高分子からなる、柱状、筒状、錐状、棒状、繊維状、球状、板状又はフィルム状の液晶構造を有するゲル。
  2. 核酸がDNAであるか、又はDNAとRNAの組合せである請求項1記載のゲル。
  3. 柱状、筒状、錐状、棒状又は繊維状に形成され、長手方向に垂直な断面で観察したときに中心から放射状に配向した核酸を主成分とする請求項1記載のゲル。
  4. 長手方向に垂直な断面で観察したときに同心円状の多層構造を有する請求項3記載のゲル。
  5. 球状に形成され、直径断面で観察したときに中心から放射状に配向した核酸を主成分とする請求項1記載のゲル。
  6. 直径断面で観察したときに同心円状の多層構造を有する請求項5記載のゲル。
  7. 板状又はフィルム状に形成され、板表面又はフィルム表面で観察したときに中心から放射状に配向した核酸を主成分とする請求項1記載のゲル。
  8. 板表面又はフィルム表面で観察したときに同心円状の多層構造を有する請求項7記載のゲル。
  9. 棒状高分子又は半屈曲性高分子が多糖類、多糖類の誘導体又はそれらの組合せである請求項1記載のゲル。
  10. 棒状高分子又は半屈曲性高分子がタンパク質、変性タンパク質、ポリアミノ酸又はそれらの組合せである請求項1記載のゲル。
  11. 棒状高分子又は半屈曲性高分子が合成高分子である請求項1記載のゲル。
  12. 合成高分子がポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸又はポリスチレンスルホン酸である請求項11記載のゲル。
  13. 水、緩衝液、塩を含む水溶液、極性溶媒水溶液又はそれらの混合物に水溶性核酸を溶解して核酸溶解液を調製する工程と、
    前記核酸溶解液を2価以上の多価金属カチオンを含む水溶液中で透析し、これにより、核酸を主成分とする、液晶構造を有するゲルを得る工程と
    を含むゲルの製造方法。
  14. 核酸溶解液が緩衝液、塩を含む水溶液、極性溶媒水溶液又はそれらの混合物に水溶性DNAを溶解して調製され、
    液晶構造を有するゲルを得る工程が、前記核酸溶解液を透析膜のチューブに充填して密封する工程と、前記チューブに充填密封した核酸溶解液を2価以上の多価金属カチオンを含む水溶液中に浸漬して前記核酸溶解液を透析することにより、チューブ長手方向に垂直な断面で観察したときに同心円状であってかつ中心から放射状に配向した円柱状の液晶構造を有するゲルを前記チューブ内に形成する工程と、前記ゲルをチューブより取り出して水洗することにより、中実な円柱状又は円柱中心部をくりぬいた円筒状のゲルを得る工程とを含む請求項13記載の方法。
  15. 円柱状の液晶構造を有するゲルをチューブ内に形成した後、前記チューブを2価以上の多価金属カチオンを含む水溶液から大気中に取り出して放置する工程と、前記放置したチューブを前記水溶液中に浸漬して前記核酸溶解液を透析することにより、チューブ長手方向に垂直な断面で観察したときに同心円状の多層構造を有する円筒状のゲルを前記チューブ内に形成する工程とを更に含む請求項14記載の製造方法。
  16. 核酸溶解液が緩衝液、塩を含む水溶液、極性溶媒水溶液又はそれらの混合物に水溶性DNAを溶解して調製され、
    液晶構造を有するゲルを得る工程が、前記核酸溶解液をシリンジ、ノズル、スプレー又はマイクロピペットにより2価以上の多価金属カチオンを含む水溶液中に滴下して前記水溶液中において液滴全周囲に透析膜を形成するとともに前記核酸溶解液を透析することにより、直径断面で観察したときに中心から放射状に配向した球状のゲルを前記透析膜内に形成する工程と
    を含む請求項13記載の製造方法。
  17. 2価以上の多価金属カチオンを含む水溶液中において液滴全周囲に透析膜を形成した後、前記水溶液から全周囲に透析膜を形成した球状のゲルを大気中に取り出して放置する工程と、前記放置した球状のゲルを前記水溶液中に浸漬して前記核酸溶解液を透析することにより、直径断面で観察したときに同心円状の多層構造を有する球状のゲルを前記透析膜内に形成する工程とを更に含む請求項16記載の製造方法。
  18. 核酸溶解液が緩衝液、塩を含む水溶液、極性溶媒水溶液又はそれらの混合物に水溶性DNAを溶解して調製され、
    液晶構造を有するゲルを得る工程が、前記核酸溶解液を第1平板上に滴下した後、別の第2平板を被せて滴下した核酸溶解液を平坦化する工程と、前記平坦化した核酸溶解液を前記第1平板と前記第2平板で挟んだ状態で2価以上の多価金属カチオンを含む水溶液中に浸漬して前記水溶液中において前記平坦化した核酸溶解液の第1平板及び第2平板に被覆されない部分に透析膜を形成するとともにこの透析膜で前記核酸溶解液を透析することにより前記平坦化した核酸溶解液を板状又はフィルム状に形成し、板表面又はフィルム表面で観察したときに同心円状であってかつ中心から放射状に配向した板状又はフィルム状のゲルを前記透析膜内に形成する工程と、前記ゲルを第1及び第2平板より取り出して水洗することにより板状又はフィルム状のゲルを得る工程を含む請求項13記載の製造方法。
  19. 2価以上の多価金属カチオンを含む水溶液中において板状又はフィルム状の液晶構造を有するゲルを第1平板及び第2平板の間に形成した後、前記第1及び第2平板を2価以上の多価金属カチオンを含む水溶液から大気中に取り出して放置する工程と、前記放置した第1及び第2平板を前記水溶液中に浸漬して前記核酸溶解液を透析することにより、板表面又はフィルム表面で観察したときに同心円状の多層構造を有する板状又はフィルム状のゲルを前記第1平板及び第2平板の間に形成する工程とを更に含む請求項18記載の製造方法。
  20. 核酸溶解液が緩衝液、塩を含む水溶液、極性溶媒水溶液又はそれらの混合物に水溶性DNAを溶解して調製され、
    液晶構造を有するゲルを得る工程が、前記核酸溶解液をシリンジ又はノズルにより2価以上の多価金属カチオンを含む水溶液中に押出して前記水溶液中において棒状又は繊維状体全周囲に透析膜を形成するとともに前記核酸溶解液を透析することにより、長手方向に垂直な断面で観察したときに同心円状であってかつ中心から放射状に配向した棒状又は繊維状の液晶構造を有するゲルを前記透析膜内に形成する工程と、前記ゲルを前記水溶液より取り出して水洗することにより、中実又は中空の棒状又は繊維状のゲルを得る工程とを含む請求項13記載の方法。
  21. 2価以上の多価金属カチオンを含む水溶液中において棒状又は繊維状体全周囲に透析膜を形成した後、前記水溶液から全周囲に透析膜を形成した棒状又は繊維状のゲルを大気中に取り出して放置する工程と、前記放置した棒状又は繊維状のゲルを前記水溶液中に浸漬して前記核酸溶解液を透析することにより、長手方向に垂直な断面で観察したときに同心円状の多層構造を有する棒状又は繊維状のゲルを前記透析膜内に形成する工程とを更に含む請求項20記載の製造方法。
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