JPWO2006013965A1 - 三環系スルホンの製造法 - Google Patents
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Abstract
式(I)[式中、Xは水素原子、ハロゲン、置換もしくは非置換のアルキル、モノ(置換もしくは非置換のアルキル)アミノカルボニル、ジ(置換もしくは非置換のアルキル)アミノカルボニルまたは置換もしくは非置換のアルカノイルアミノを表す]で表される三環系スルフィドを、モノ過硫酸水素カリウム複塩(2KHSO5・KHSO4・K2SO4)を用いて酸化することを特徴とする、式(II)(式中、Xは前記と同義である)で表される三環系スルホンの製造法を提供する。
Description
本発明は、医薬品またはその合成中間体として有用な三環系スルホンの製造法に関する。
メタクロロ過安息香酸等の過酸による酸化反応で、例えば化合物(Ia)から化合物(IIa)を製造する方法が知られている(特許文献1及び2参照)。
(式中、R1は水素原子、置換もしくは非置換の炭素原子数1〜6のアルキル等を表す)
しかし、メタクロロ過安息香酸の工業的スケールでの大量使用は、例えば安全面から必ずしも好ましくなく、上記方法は、工業的製造法としては、課題を残している(例えば、実験化学ガイドブック、日本化学会編、丸善、昭和59年6月15日、436頁参照)。
一方、モノ過硫酸水素カリウム複塩[2KHSO5・KHSO4・K2SO4、以下オキソン(登録商標)]を用いたスルフィドからスルホンへの酸化反応の例が知られている[テトラヘドロン・レターズ(Tetrahedron Letters)、1981年、第22巻、p.1287−1290;同、1994年、第35巻、p.3457−3460]。
国際公開第98/46587号パンフレット 特開2002−53580号公報
しかし、メタクロロ過安息香酸の工業的スケールでの大量使用は、例えば安全面から必ずしも好ましくなく、上記方法は、工業的製造法としては、課題を残している(例えば、実験化学ガイドブック、日本化学会編、丸善、昭和59年6月15日、436頁参照)。
一方、モノ過硫酸水素カリウム複塩[2KHSO5・KHSO4・K2SO4、以下オキソン(登録商標)]を用いたスルフィドからスルホンへの酸化反応の例が知られている[テトラヘドロン・レターズ(Tetrahedron Letters)、1981年、第22巻、p.1287−1290;同、1994年、第35巻、p.3457−3460]。
本発明の目的は、従来の方法よりもより安全かつ高収率で、大量合成に適した三環系スルホンの製造法を提供することにある。
本発明は、以下の(1)〜(5)に関する。
(1)式(I)
(1)式(I)
[式中、Xは水素原子、ハロゲン、置換もしくは非置換のアルキル、モノ(置換もしくは非置換のアルキル)アミノカルボニル、ジ(置換もしくは非置換のアルキル)アミノカルボニルまたは置換もしくは非置換のアルカノイルアミノを表す]で表される三環系スルフィドを、オキソン(登録商標)を用いて酸化することを特徴とする、式(II)
(式中、Xは前記と同義である)で表される三環系スルホンの製造法。
(2)Xがハロゲンである前記(1)記載の三環系スルホンの製造法。
(3)Xが置換もしくは非置換のアルカノイルアミノである前記(1)記載の三環系スルホンの製造法。
(4)Xが式(III)
(2)Xがハロゲンである前記(1)記載の三環系スルホンの製造法。
(3)Xが置換もしくは非置換のアルカノイルアミノである前記(1)記載の三環系スルホンの製造法。
(4)Xが式(III)
である前記(1)記載の三環系スルホンの製造法。
(5)Xが式(IV)
(5)Xが式(IV)
である前記(1)記載の三環系スルホンの製造法。
本発明により、従来の方法よりもより安全かつ高収率で、大量合成に適した三環系スルホンの製造法が提供される。
以下、式(I)及び式(II)で表される化合物をそれぞれ化合物(I)及び化合物(II)という。
式(I)及び式(II)の各基の定義において、
ハロゲンはフッ素、塩素、臭素及びヨウ素の各原子を表す。
アルキル、モノ(アルキル)アミノカルボニル、ジ(アルキル)アミノカルボニル及びアルカノイルアミノのアルキル部分としては、例えば炭素原子数1から10の直鎖状、分枝鎖状、環状またはこれらの組み合わせからなるアルキルが挙げられる。なお、ジ(アルキル)アミノカルボニルにおける2つのアルキル部分は同一でも異なっていてもよい。
式(I)及び式(II)の各基の定義において、
ハロゲンはフッ素、塩素、臭素及びヨウ素の各原子を表す。
アルキル、モノ(アルキル)アミノカルボニル、ジ(アルキル)アミノカルボニル及びアルカノイルアミノのアルキル部分としては、例えば炭素原子数1から10の直鎖状、分枝鎖状、環状またはこれらの組み合わせからなるアルキルが挙げられる。なお、ジ(アルキル)アミノカルボニルにおける2つのアルキル部分は同一でも異なっていてもよい。
直鎖または分枝鎖状のアルキルとしては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル等が挙げられる。
環状のアルキルとしては、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロデシル、ノルアダマンチル、アダマンチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.3.0]オクチル、ビシクロ[3.3.1]ノニル等が挙げられる。
環状のアルキルとしては、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロデシル、ノルアダマンチル、アダマンチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.3.0]オクチル、ビシクロ[3.3.1]ノニル等が挙げられる。
直鎖または分枝鎖状と環状との組み合わせからなるアルキルとしては、例えばシクロプロピルメチル、シクロペンチルメチル、シクロオクチルエチル等が挙げられる。
置換アルキル、モノ(置換アルキル)アミノカルボニル、ジ(置換アルキル)アミノカルボニル及び置換アルカノイルアミノにおける置換基としては、同一または異なって置換数1から置換可能な数の、好ましくは置換数1〜4の、例えばハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、アルコキシ、アリール、複素環基等が挙げられる。
置換アルキル、モノ(置換アルキル)アミノカルボニル、ジ(置換アルキル)アミノカルボニル及び置換アルカノイルアミノにおける置換基としては、同一または異なって置換数1から置換可能な数の、好ましくは置換数1〜4の、例えばハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、アルコキシ、アリール、複素環基等が挙げられる。
置換アルキル、モノ(置換アルキル)アミノカルボニル、ジ(置換アルキル)アミノカルボニル及び置換アルカノイルアミノにおける置換基の定義において、ハロゲンは前記と同義であり、アルコキシのアルキル部分は前記アルキルと同義であり、アリールとしては、例えばフェニル、ナフチル等が挙げられ、複素環基としては、例えば芳香族複素環基、脂環式複素環基等が挙げられる。芳香族複素環基としては、例えばピリジル、フリル、チエニル、キノリル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル等が挙げられ、脂環式複素環基としては、例えばテトラヒドロフリル、テトラヒドロチエニル、クロマニル、ピロリジニル、ピペラジニル、ピペリジル、ピペコリニル、モルホリニル、チオモルホリニル等が挙げられる。
以下、本発明の製造法を説明する。
化合物(II)は、例えば以下の方法により製造することができる。
化合物(I)を、化合物(I)に対して1〜100当量、好ましくは1〜5当量のオキソン(登録商標)と、溶媒中、好ましくは含水溶媒中、より好ましくは含水N,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMF)、含水アセトニトリル、含水メタノール、含水アセトンまたは含水1,4−ジオキサン中、さらに好ましくは含水DMFまたは含水アセトニトリル中、−78℃から用いる溶媒の沸点の間の温度、好ましくは0〜60℃の間の温度で、5分間から24時間、好ましくは2〜10時間反応させることにより、化合物(II)を得ることができる。含水溶媒における、溶媒と水との比率は、反応を行う上で問題がなければいかなる比率でも構わないが、好ましくは、溶媒:水=10:1〜1:10であり、より好ましくは、溶媒:水=3:1〜1:1である。
化合物(II)は、例えば以下の方法により製造することができる。
化合物(I)を、化合物(I)に対して1〜100当量、好ましくは1〜5当量のオキソン(登録商標)と、溶媒中、好ましくは含水溶媒中、より好ましくは含水N,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMF)、含水アセトニトリル、含水メタノール、含水アセトンまたは含水1,4−ジオキサン中、さらに好ましくは含水DMFまたは含水アセトニトリル中、−78℃から用いる溶媒の沸点の間の温度、好ましくは0〜60℃の間の温度で、5分間から24時間、好ましくは2〜10時間反応させることにより、化合物(II)を得ることができる。含水溶媒における、溶媒と水との比率は、反応を行う上で問題がなければいかなる比率でも構わないが、好ましくは、溶媒:水=10:1〜1:10であり、より好ましくは、溶媒:水=3:1〜1:1である。
化合物(I)は、WO98/46587、特開2002−53580等に記載の方法またはそれらに準じた方法により得ることができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(S)−(+)−5,5−ジオキソ−9−(3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパノイルアミノ)−4,10−ジヒドロチエノ[3,2−c][1]ベンゾチエピン−10−オン(化合物1)の製造
WO98/46587記載の方法に従って合成した(S)−(+)−9−(3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパノイルアミノ)−4,10−ジヒドロチエノ[3,2−c][1]ベンゾチエピン−10−オン(化合物2)(10.0g、25.8mmol)をDMF(45mL)及び水(15mL)に35℃で溶解させ、同温度で、オキソン(登録商標)(三菱ガス化学)(31.7g、51.6mmol)を加えた。反応混合物を同温度で5時間攪拌した後、水(200mL)を加え、50℃で1時間晶析し、結晶をろ取後、50℃の温水(100mL)で洗浄し、50℃で減圧乾燥することで、化合物1(10.3g、収率95%)を微黄白色固体として得た。なお、化合物1はWO98/46587記載の化合物1−25と同一の化合物である。
WO98/46587記載の方法に従って合成した(S)−(+)−9−(3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパノイルアミノ)−4,10−ジヒドロチエノ[3,2−c][1]ベンゾチエピン−10−オン(化合物2)(10.0g、25.8mmol)をDMF(45mL)及び水(15mL)に35℃で溶解させ、同温度で、オキソン(登録商標)(三菱ガス化学)(31.7g、51.6mmol)を加えた。反応混合物を同温度で5時間攪拌した後、水(200mL)を加え、50℃で1時間晶析し、結晶をろ取後、50℃の温水(100mL)で洗浄し、50℃で減圧乾燥することで、化合物1(10.3g、収率95%)を微黄白色固体として得た。なお、化合物1はWO98/46587記載の化合物1−25と同一の化合物である。
なおWO98/46587及び特開2002−53580に、メタクロロ過安息香酸を用いた化合物2から化合物1への酸化反応が記載されているが、この場合の化合物1の収率はいずれも65%であった。
化合物1の製造
化合物2(10.0g、25.8mmol)をアセトニトリル(150mL)に溶解させ、水(100mL)を加え、続いて室温で、オキソン(登録商標)(三菱ガス化学)(63.7g、103mmol)を加えた。反応混合物を45℃で8時間攪拌した後、酢酸エチル(50mL)を加え、水で2回洗浄(100mL、200mL)した。得られた有機層に水(200mL)及びトルエン(100mL)を加え、再度洗浄した。得られた有機層を減圧下で、50mLまで濃縮した。その残渣にトルエン(150mL)を加え、70℃で1時間晶析し、次いで氷冷下で6時間晶析し、結晶をろ取後、トルエン(30mL)で洗浄し、50℃で減圧乾燥することで、化合物1(10.3g、収率95%)を微黄白色固体として得た。
化合物2(10.0g、25.8mmol)をアセトニトリル(150mL)に溶解させ、水(100mL)を加え、続いて室温で、オキソン(登録商標)(三菱ガス化学)(63.7g、103mmol)を加えた。反応混合物を45℃で8時間攪拌した後、酢酸エチル(50mL)を加え、水で2回洗浄(100mL、200mL)した。得られた有機層に水(200mL)及びトルエン(100mL)を加え、再度洗浄した。得られた有機層を減圧下で、50mLまで濃縮した。その残渣にトルエン(150mL)を加え、70℃で1時間晶析し、次いで氷冷下で6時間晶析し、結晶をろ取後、トルエン(30mL)で洗浄し、50℃で減圧乾燥することで、化合物1(10.3g、収率95%)を微黄白色固体として得た。
化合物1の製造
WO98/46587記載の方法に従って合成した(S)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン酸(7.7g、48.9mmol)を酢酸エチル(130mL)に25℃で溶解させ、同温度で、塩化チオニル(4.2mL、57.6mmol)及びピリジン(1.2mL、14.9mmol)を加えた。反応混合物を同温度で5時間攪拌し、(S)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニルクロリドの溶液を調製した。
WO98/46587記載の方法に従って合成した(S)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン酸(7.7g、48.9mmol)を酢酸エチル(130mL)に25℃で溶解させ、同温度で、塩化チオニル(4.2mL、57.6mmol)及びピリジン(1.2mL、14.9mmol)を加えた。反応混合物を同温度で5時間攪拌し、(S)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニルクロリドの溶液を調製した。
次に、WO98/46587記載の方法に従って合成した9−アミノ−4,10−ジヒドロチエノ[3,2−c][1]ベンゾチエピン−10−オン(10.0g、40.4mmol)を酢酸エチル(150mL)に30℃で溶解させ、同温度で、水(80mL)及び先に調製した酸クロリド溶液(約140mL)を加えた。反応混合物を同温度で2時間攪拌した後、2mol/L水酸化ナトリウム水溶液で2回(60mL、80mL)、10%硫酸ナトリウム水溶液(80mL)で1回洗浄し、溶媒を減圧留去後、得られた残渣をDMF(45mL)及び水(15mL)に35℃で溶解させ、同温度で、オキソン(登録商標)(三菱ガス化学)(31.7g、51.6mmol)を加えた。反応混合物を同温度で5時間攪拌した後、水(200mL)を加え、50℃で1時間晶析することで、化合物1(16.1g、2工程収率95%)を微黄白色固体として得た。
5,5−ジオキソ−9−フルオロ−4,10−ジヒドロチエノ[3,2−c][1]ベンゾチエピン−10−オンの製造
特開2002−53580記載の方法に従って合成した9−フルオロ−4,10−ジヒドロチエノ[3,2−c][1]ベンゾチエピン−10−オン(10.0g、40.0mmol)をアセトニトリル(150mL)に45℃で溶解させ、同温度で、オキソン(登録商標)(三菱ガス化学)(98.2g、160mmol)と水(150mL)を加えた。反応混合物を同温度で2時間攪拌した後、不溶物をろ去し、ろ液を150mLまで減圧濃縮した。濃縮残渣に水を(150mL)加え、室温にて1時間晶析することにより、5,5−ジオキソ−9−フルオロ−4,10−ジヒドロチエノ[3,2−c][1]ベンゾチエピン−10−オン(10.9g、収率96%)を白色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3,δ,ppm)7.95(d,J=8.1Hz,1H),7.71(ddd,J=8.4,8.1,JH−F=5.2Hz,1H),7.71(d,J=5.0Hz,1H),7.51(ddd,J=8.4,8.1,JH−F=5.2Hz,1H),7.01(d,J=5.0Hz,1H),4.66(s,2H)
MS(EI);(m/z)282(M+)
IR(KBr,cm−1)1639,1597,1456,1410,1313,1275,1252,1194,1126,928,804,741,685,588
特開2002−53580記載の方法に従って合成した9−フルオロ−4,10−ジヒドロチエノ[3,2−c][1]ベンゾチエピン−10−オン(10.0g、40.0mmol)をアセトニトリル(150mL)に45℃で溶解させ、同温度で、オキソン(登録商標)(三菱ガス化学)(98.2g、160mmol)と水(150mL)を加えた。反応混合物を同温度で2時間攪拌した後、不溶物をろ去し、ろ液を150mLまで減圧濃縮した。濃縮残渣に水を(150mL)加え、室温にて1時間晶析することにより、5,5−ジオキソ−9−フルオロ−4,10−ジヒドロチエノ[3,2−c][1]ベンゾチエピン−10−オン(10.9g、収率96%)を白色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3,δ,ppm)7.95(d,J=8.1Hz,1H),7.71(ddd,J=8.4,8.1,JH−F=5.2Hz,1H),7.71(d,J=5.0Hz,1H),7.51(ddd,J=8.4,8.1,JH−F=5.2Hz,1H),7.01(d,J=5.0Hz,1H),4.66(s,2H)
MS(EI);(m/z)282(M+)
IR(KBr,cm−1)1639,1597,1456,1410,1313,1275,1252,1194,1126,928,804,741,685,588
実施例1〜4から、オキソン(登録商標)を用いることで三環性スルフィドから三環性スルホンへの酸化が高収率で行えることがわかる。また、オキソン(登録商標)はメタクロロ過安息香酸等の酸化剤と比べて安全な酸化剤であり、大量スケールでの使用に特に適していると考えられる。
参考例1:高純度の化合物1の製造
実施例1で得られた化合物1(10.0g、23.8mmol)をエタノール(225mL)に加熱溶解させ、水(225mL)を加えた。冷却した後、氷冷下で3時間晶析することで、純度99.9%以上(高速液体クロマトグラフィー分析)の化合物1(9.7g、収率97%)を微黄白色固体として得た。
参考例1:高純度の化合物1の製造
実施例1で得られた化合物1(10.0g、23.8mmol)をエタノール(225mL)に加熱溶解させ、水(225mL)を加えた。冷却した後、氷冷下で3時間晶析することで、純度99.9%以上(高速液体クロマトグラフィー分析)の化合物1(9.7g、収率97%)を微黄白色固体として得た。
高速液体クロマトグラフィーの分析条件は以下の通りである。
カラム:YMC−Pack AM−312 ODS(直径6.0mm、長さ150mm、ワイエムシイ社製)
カラム温度:35℃
移動相:リン酸二水素カリウム4.48g/水1.640mL/アセトニトリル1.460mL
流速:1.0mL/分
検出波長:242nm
測定時間:40分間
化合物1の保持時間:約9分
カラム:YMC−Pack AM−312 ODS(直径6.0mm、長さ150mm、ワイエムシイ社製)
カラム温度:35℃
移動相:リン酸二水素カリウム4.48g/水1.640mL/アセトニトリル1.460mL
流速:1.0mL/分
検出波長:242nm
測定時間:40分間
化合物1の保持時間:約9分
本発明により、従来の方法よりもより安全かつ高収率で、大量合成に適した三環系スルホンの製造法が提供される。
Claims (5)
- Xがハロゲンである請求項1記載の三環系スルホンの製造法。
- Xが置換もしくは非置換のアルカノイルアミノである請求項1記載の三環系スルホンの製造法。
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
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