JPWO2006006701A1 - コヒーレント光源およびこれを用いた光学装置 - Google Patents

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Abstract

本発明は、ドープファイバーを備え、前記ドープファイバーにより、第1波長の光と第2波長の光を出射する光源部と、前記第1波長の光を受け、前記第1波長の光よりも波長の短い光を出射する第1波長変換素子を含む波長変換素子部とを有するコヒーレント光源である。

Description

本発明は波長変換素子を用いたコヒーレント光源、および、これを用いた光学装置に関する。
高出力のレーザ光源として、固体ファイバーレーザが開発されている。ドープファイバーによるレーザ増幅器を利用したレーザ光源は、高出力、高ビーム品質化が容易であり、大出力レーザ光源として応用が広がっている。ファイバーレーザは、2重クラッド構造により励起ポンプ光源を多段階に増幅できるため、高出力化が可能である。さらには、コア部にレーザ光を閉じ込めることで単一モード発振が可能となり、高いビーム品質を保って高出力のレーザ光を実現できる。ファイバーレーザの発振は赤外領域であり、可視領域への応用としては、波長変換による発振光の短波長化が報告されている。現在、ファイバーレーザ、またはファイバー増幅器を利用したレーザ発振は、Yb、Nd、Er、Yb/Erをファイバーのコア部に添加する構造が実現されている。発振波長としては、Ybドープファイバーが1030〜1100nm近傍、Ndドープファイバーが1060nm近傍、Er、Er/Ybファイバーが1550nm近傍で発振可能である。可視光を出力する光源として、YbまたはNdファイバーからの出力を第2高調波に変換し波長530nm近傍の緑色光を発生させる構成、Er、Er/Ybドープファイバーからの出力を第2高調波に変換し770nm近傍の近赤外光を発生させる構成を有する光源が実現されている。
一方、ファイバーレーザを利用した青色光の発生についても検討が進められている。特許文献1は、Ndドープファイバーの発する910nm光の基本波を第2高調波に波長変換し455nm近傍の青色光の発生を行う構成を開示する。
上記のように、ファイバー増幅器を用いたレーザ発振は、高効率、高出力のレーザ発振が可能であるが、現在のところファイバーでの青色光の直接発振は困難である。そのため、特許文献1のように、高調波発生による出射光の短波長化が検討されている。ファイバーレーザによって900nm近傍の波長の光を発生させれば、第2高調波の発生により青色光を出力可能である。
特表2004−503098号公報
しかしながら、900nm近傍の波長の光はレーザ媒質での吸収が大きく、相互作用長の長いファイバーを用いたレーザ光源は、固体レーザと同様、900nm近傍の光の発生効率は悪く、光源の高効率化、および、高出力化は難しい。よって、高効率でWクラスの光源を実現することは困難である。
本発明は、ファイバーレーザにおける発生効率が、900nm近傍の光よりも高い光を利用し、高効率で青色光領域の光を出射するコヒーレント光源を提供する。
さらに、本発明は、青色光および緑色光の同時発生が可能なコヒーレント光源を提供する。
さらに、本発明は、赤色光、青色光、および、緑色光の3色同時発生が可能なコヒーレント光源を提供する。
本発明は、その一態様においては、ドープファイバーを備え、ドープファイバーにより、第1波長の光と第2波長の光を出射する光源部と、第1波長の光を受け、第1波長の光よりも波長の短い光を出射する第1波長変換素子を含む波長変換素子部とを有するコヒーレント光源である。
本発明の一態様においては、第1波長変換素子は、第1波長の光を受け、第1波長の光の第2高調波を出射することが好ましい。
本発明の一態様においては、さらに、波長変換素子部は、第1波長の光の第2高調波と第2波長の光を受け、第2高調波と第2波長の光との和周波を有する光を出射する第2波長変換素子を含むことが好ましい。
本発明の一態様においては、光源部は、Er、または、ErとYbを含む第1のドープファイバーと、Ybを含む第2のドープファイバーを含むことが好ましい。
本発明の一態様においては、第1波長は、1540nm近傍の波長であり、第2波長は、1080nm近傍の波長であり、波長変換素子部は、第1波長の光および第2波長の光を受け、450nm近傍の波長を有する光を出射することが好ましい。
本発明の一態様においては、波長変換素子部は、さらに、第2波長の光を受け、第2波長の第2高調波を出射する第3波長変換素子を含むことが好ましい。
本発明の一態様においては、波長変換素子部は、さらに、第1波長の光と第2波長の光を受け、第1波長の光と第2波長の光の和周波を有する光を出射する第4波長変換素子を含むことが好ましい。
本発明の一態様においては、第1波長変換素子は、第1波長の光の少なくとも一部を受け、第2波長変換素子は、第1波長変換素子から出射する光の少なくとも一部と第2波長の光の少なくとも一部を受け、第3波長変換素子は、第2波長の光の少なくとも一部を受けることが好ましい。
本発明の一態様においては、第1波長変換素子は、第1波長の光の少なくとも一部を受け、第2波長変換素子は、第1波長変換素子から出射する光の少なくとも一部と第2波長の光の少なくとも一部を受け、第3波長変換素子は、第2波長の光の少なくとも一部を受け、さらに、第4波長変換素子は、第1波長の光の少なくとも一部と、第2波長の光の少なくとも一部とを受けることが好ましい。
本発明の一態様においては、第1波長変換素子および第2波長変換素子の少なくとも一方は、周期状分極反転構造を備えるMgドープLiNbO3、MgドープLiTaO3、KTiOPO4、ストイキオメトリック組成のMgドープLiNbO3、および、ストイキオメトリック組成のMgドープLiTaO3の少なくともひとつを含むことが好ましい。
本発明の一態様においては、光源部は、さらに、ドープファイバーに入射される光を発生するマスター光源を有することが好ましい。
本発明の一態様においては、光源部は、パルス状の光源部駆動用エネルギを供給する駆動装置と接続可能であることが好ましい。
本発明の一態様においては、光源部は、2つのドープファイバーと2つのマスター光源を備え、2つのマスター光源は、駆動装置と接続可能であり、同一の周期および位相を有するパルス状のエネルギの供給を受けて動作することが好ましい。
本発明の一態様においては、ドープファイバーは、Yb、Er、Er/Yb、Nd、Pr、Cr、Ti、V、および、Hoの少なくともいずれか1つの元素を含むことが好ましい。
本発明の一態様においては、第1波長変換素子と、第2波長変換素子とは、単一の非線形光学結晶構造を有することが好ましい。
本発明の一態様においては、光源部は、単一のドープファイバーを備えることが好ましい。
本発明の一態様においては、ドープファイバーは、Er/Ybドープファイバーであることが好ましい。
本発明の一態様においては、2つのマスター光源のうち少なくともひとつは、半導体レーザ光源であることが好ましい。
本発明の一態様においては、さらに、波長変換素子部の出射する光を受ける光ファイバーを有することが好ましい。
本発明は、その一態様においては、ドープファイバーを備え、ドープファイバーにより、第1波長の光と第2波長の光を出射する光源部と、第1波長の光を受け、第1波長の光よりも波長の短い光を出射する第1波長変換素子を含む波長変換素子部とを有するコヒーレント光源と、コヒーレント光源の出射する光を受け、コヒーレント光源の出射する光の2次元的強度分布を制御する画像変換部を有する光学装置である。
本発明により、ファイバーレーザを利用した青色光領域のコヒーレント光源が実現される。本コヒーレント光源は、効率が高く、高出力化も可能である。
本発明の第1実施形態によるコヒーレント光源の構成例を示す図 ブラッググレーティングを備えたドープファイバーの構成を示す図 本発明の第1実施形態によるコヒーレント光源の構成例を示す図 本発明の第1実施形態によるコヒーレント光源の構成例を示す図 本発明の第1実施形態によるコヒーレント光源の構成例を示す図 本発明の第2実施形態によるコヒーレント光源の構成例を示す図 本発明の第2実施形態によるコヒーレント光源の構成例を示す図 本発明の第2実施形態によるコヒーレント光源の構成例を示す図 本発明の第2実施形態によるコヒーレント光源の構成例を示す図 本発明の第2実施形態によるコヒーレント光源の構成例を示す図 光源部の駆動信号の例を示す図 駆動電源と光源部との接続例を示す図 本発明の第3実施形態によるコヒーレント光源の構成例を示す図 本発明の第3実施形態によるコヒーレント光源の構成例を示す図 本発明の第3実施形態によるコヒーレント光源の構成例を示す図 本発明の第3実施形態によるコヒーレント光源の構成例を示す図 本発明の第3実施形態によるコヒーレント光源の構成例を示す図 本発明の第4実施形態による光学装置の構成例を示す図 本発明の第4実施形態による光学装置の構成例を示す図 本発明の第4実施形態による光学装置の構成例を示す図 本発明の第4実施形態による光学装置に好適なコヒーレント光源の構成例を示す図
符号の説明
101、103 ・・・ マスター光源
102、104、1002 ・・・ ポンプ光源
105、106、204、301、302 ・・・ ドープファイバー
107、303、401、403 ・・・ SHG素子
501、505、511、517 ・・・ SHG素子
108、402、406、503 ・・・ SFG素子
507、513、515 ・・・ SFG素子
109a ・・・ パルス駆動電源
109b ・・・ 駆動電源
151 ・・・ ブラッググレーティング
801 ・・・ コヒーレント光源
802 ・・・ コリメート光学系
803、907 ・・・ インテグレータ光学系
804 ・・・ 拡散板
805、909 ・・・ 液晶パネル
806 ・・・ スクリーン
807 ・・・ 投影レンズ
901 ・・・ コヒーレント光源
902、903 ・・・ ミラー
905 ・・・ スクリーン
911 ・・・ 合波プリズム
913r、913g、913b、915 ・・・ レンズ
2002 ・・・ 波長板
3007 ・・・ 非線形ファイバー
ファイバーレーザにおいて900nm近傍のレーザ光を発生させ、波長変換により青色光の光を発生させる光源では、固体レーザと同様、900nm近傍の光の発生効率は悪く、高効率、高出力化が難しい。我々は、高出力化が進んでいる波長1080nmおよび1540nm近傍の波長を有する光を出射するファイバーレーザを用い、青色光源を提供する。
本発明にかかる実施形態による光源は、光ファイバーを備え、青色光領域のコヒーレント光を発生する光源(コヒーレント光源)である。本光源は、高出力なファイバーレーザを備え、さらに、ファイバーレーザから出社された光の波長を変換する波長変換素子により青色光領域の波長を有する光の高効率出射を可能とする構成を有する。
また、本発明にかかる実施形態による光源は、青色光源の高出力化、緑色光および青色光の同時発生、ならびに、赤色光、緑色光、および、青色光の同時発生も可能な構成を有する。
さらに、本発明にかかる実施形態によるディスプレイ装置は、本発明による光源を用いたディスプレイ装置である。
(第1の実施形態)
図1は本発明にかかる第1の実施形態のコヒーレント光源の構成図である。これより、図1を参照し、本実施形態におけるコヒーレント光源の構成および動作について概説する。ファイバー増幅器であるドープファイバー105は、マスター光源101から出射され、ポンプ光源102およびドープファイバー105で増幅された波長λ1の光を出射する。もう1つのファイバー増幅器であるドープファイバー106は、マスター光源103から出射され、ポンプ光源104およびドープファイバー106で増幅された波長λ2の光を出射する。第1の実施形態においては、マスター光源101、および、103、ポンプ光源102、および、104、ならびに、ドープファイバー105および106が光源部を構成する。他の実施形態においても、同様、マスター光源、ポンプ光源、および、ドープファイバー等により光源部が構成される。ドープファイバー106から出射される波長λ2の光は、第2高調波発生素子(SHG(second harmonic generation)素子)107により、波長λ2/2(=λ3)のSHG光(第2次高調波)に変換される。ファイバー増幅器105から出射される波長λ1の光と、SHG素子107から出射される波長λ3のSHG光は和周波発生素子(SFG(sum frequency generation)素子)108に入射し和周波を有する光に変換される。素子108により変換され発生する和周波を有する光であるSFG光110の波長λ4は、λ4=(λ1・λ3)/(λ1+λ3)=(λ1・λ2)/(2×λ1+λ2)である。よってSFG素子108は、波長λ4を有するSFG光110が出射する。この波長λ4が青色光領域に含まれるように、ドープファイバー105および106の出射する光の波長λ1およびλ2選択し、SHG素子107およびSFG素子108を設計することにより、ファイバー増幅器であるドープファイバー105および106と、波長変換素子であるSHG素子107およびSFG素子108により青色光の発生が可能となる。第1の実施形態においては、SHG素子107およびSFG素子108は、波長変換素子部を構成する。他の実施形態においても、SFG素子およびSHG素子等により波長変換素子部が構成される。なお、SFG素子は、波長λaの光と波長λbの光を入射することにより、λc^(−1)=λa^(−1)+λb^(−1)の関係を満たす波長λcの光を出射する素子である。SHG素子は、上記SFG素子の説明におけるλaとλbが等しい場合であって、波長λaの光を入射することでλc=λa/2の光を出射する波長変換素子である。以下、本発明のコヒーレント光源の原理について詳細に説明する。
第1のファイバー増幅器に含まれるドープファイバー105は、Ybドープファイバーを有する。このドープファイバー105は、1030〜1100nm程度の波長を有する光を発生することができる。一方、第2のファイバー増幅器であるドープファーバー106は、ErまたはEr/Ybドープファイバーを有する。このドープファイバー106は、1540nm近傍の波長を有する光を発生することができる。SHG素子107は、1540nm近傍の波長を有する光をSHG光に変換することができ、770nm近傍のSHG光を発生することができる素子である。
SFG素子108により、上記2つの光(波長λ1と波長λ3の光)の和周波を有する光を発生させることにより、青色光領域に含まれる440nm〜460nm近傍の波長を有する青色光を発生させることができる。
ファイバーレーザ光源の構成は、ポンプ光源と、ファイバーの両端面にミラーを形成しファイバー共振器であるドープファイバイー105および106とで構成する方法と、マスター光源101および103と、ポンプ光源102および104を用い、マスター光源101および103から出射した光を、ファイバー増幅器であるポンプ光源102およびポンプ光源104ならびにドープファイバー105および106によって増幅する構成が可能である。
前者の共振器構成にする場合、図2に示すように、ドープファイバー105(および106)に周期的なグレーティング構造によるブラッググレーティング151を用いることも可能である。ブラッググレーティング151は、波長変換素子の位相整合波長の変動を考慮して数nm程度の広い波長で反射するように設計することが望ましい。グレーティング等による狭帯域化を用いた場合、高出力時にはラマン散乱等によりレーザの発振波長の狭帯域化が困難となる場合がある。一般に、波長変換素子の位相整合波長許容度は狭いため、ファイバーをレーザ共振器として構成した場合、波長変換素子に入射する光は広い波長帯域を有し、そのために変換効率が大幅に低下する。この点を鑑みれば、ファイバー増幅器は、マスター光源101および103より出射するマスターレーザを、ポンプ光源102および104ならびにドープファイバー105および106により増幅する構成が好適である。また、マスター光源101および103は、DBRレーザ、DFBレーザ等の半導体レーザが好適である。これらの半導体レーザは、発振波長がレーザ内に構成されたグレーティングにより固定されているため、波長変換素子の位相整合波長に正確にチューニングさせることができる。また、レーザ光は、ファイバー増幅器により増幅すれば、ファイバーの非線形効果による波長スペクトルの増大(ブロード化)が抑圧できるため、高効率の波長変換が可能となる。
DFB、DBRレーザ等の半導体レーザは高速で出力を変調することができる。このため、ファイバー増幅器および波長変換素子により波長変換した光を高速に変調可能という利点を備える。ドープファイバー105および106に入射するマスター光源101および103のレーザ光をパルス駆動すればQスイッチ動作が可能となり、尖塔値の高いパルス光が発生可能である。SHGおよびSFG波長変換素子107および108においては、非線形光学効果を利用している。そのため、パワー強度が増大すれば、変換効率は飛躍的に増大する。このため尖塔値の高いピークパワーを用いることは、通常のCW光に比べて、変換効率を何桁も向上できるという点で有利である。半導体レーザを光源として用いることは、出力変調およびQスイッチ動作による変換効率向上の点で有利である。
半導体レーザを利用する場合には、幾つかの注意すべき点もある。
一つは、半導体レーザを変調する場合には、出力変調と同時に波長が変動するチャーピングを抑圧することが望ましい。チャーピングが発生すれば、SFG素子107およびSHG素子108の有する位相整合波長許容度内からレーザ光の発振波長が外れ、変換効率が低下し、出力される変調波形が歪むといった問題が生じることがある。これを防止するには、レーザ光源に3電極構造のDBRレーザを使用することが望ましい。DBRレーザに駆動電極、DBR電極、位相電極の3電極を構成し、出力変調として駆動電極部分へ入力される変調波形と、位相電極部分へ入力される変調波形を同時に加えることによって、半導体レーザ内への電流注入により発生する熱を相殺し、レーザのチャーピングを防止できる。この構成をファイバー増幅器に含まれるポンプ光源102および104に適用すれば、ドープファイバー105および106から出射されるレーザ光のチャーピングを抑圧することができ、波長変換素子であるSHG素子107およびSFG素子108による波長の変換を高効率で実現することができる。
もう一つの問題として、マスター光源101および103をパルス駆動してQスイッチ動作させる際、パルス波形整合を正確にとる必要がある。図3を参照し、ファイバー増幅器をパルス駆動する方法について説明する。マスター光源103を駆動する電源109aをパルス駆動電源とし、マスター光源103の出力をパルス状に発生させることで変換効率の向上を図れるが、その場合には、ErまたはEr/Ybレーザ103、104、および、106をパルス駆動することが望ましい。その理由としては、波長変換素子の変換効率は基本波の波長の3乗に逆比例する点が挙げられる。基本波を発する光源としてはErまたはEr/Ybレーザ103、104、および、106の波長が1540nmと一番長いため、その変換効率は、光源中で最も低い。これを改善するには、この基本波を発する光源をパルス駆動し変換効率の向上を図ることが有効である。即ち、最も波長の長い光源をパルス駆動することが、変換効率の向上に最も効果的である。ErまたはEr/Ybファイバー増幅器であるドープファイバー106に入射するマスター光源103をパルス駆動すると、変換効率が向上する。
さらには、SFG素子108の高効率化の点からは、SFG素子108に入射する2つの光が共にパルス駆動すれば、より高い変換効率が実現できる。しかし、SFG素子108に入射する2つの光の光源であるドープファイバー105および106から出射するパルス光が時間的に同期していなければ、SFG素子108内で2つのパルス光のピークが重なることはなく、高効率化は望めない。図4を参照すれば、2つのマスター光源101および103を共にパルス駆動する構成が示される。マスター光源101および103は、同一のパルス駆動電源109aまたは同期したパルス駆動電源により駆動されるため、ドープファイバー105および106から出射されるパルス光は、時間的に同期される。図4に示す構成により、単一のパルス駆動電源109によって2つのマスター光源101および103のパルス発振は同期され、ドープファイバー105および106から同時的にパルス光が発生するように制御することができる。
SHG素子107およびSFG素子108は、周期状の分極反転構造を有する非線形光学結晶からなる波長変換素子が好適である。分極反転構造を有する波長変換素子としては、KTiOP4、LiNbO3、LiTaO3、または、MgをドープしたLiNbO3、LiTaO3もしくはストイキオLiNbO3、LiTaO3等が好ましい。これらの結晶は高い非線形定数を有するため高効率の波長変換が可能である。
また、これらの結晶は周期構造を変えることで位相整合波長を自由に設計できるという利点を有する。この特徴を利用することにより、単一の光学結晶による青色光の発生も可能である。図5は、SHG素子401とSFG素子402とをモノリシックに構成した波長変換素子を備えた本実施形態による光源の構造を示す図である。分極反転の周期を設計することでSHG素子401とSFG素子402を同一結晶状に形成することができる。素子401および402を構成する結晶としては、MgドープのLiNbO3を用いることができる。例えば、光源であるドープファイバー106からは波長1540nmの基本波202が出射され、ドープファイバー105からは波長1080nmの基本波201が出射される。ここでは、これら基本波201および202の波長はマスター光源101および103の発振波長により決定されるものであって、発振可能な波長は、これら例示した波長のみに限定されるものではない。この例の場合、波長変換素子の1つであるSHG素子401は周期27.2μmの分極反転構造を有し、SFG素子402は周期4.1μmの分極反転構造を有する。これら異なる2つの周期を有する分極反転構造を1つのMgドープのLiNbO3結晶に形成する。SHG素子401は1540nmの光(基本波202)を770nmのSHG光に変換し、次いでSFG素子402によって、770nmのSHG光と1080nmの光(基本波201)との和周波を有する光である波長450nmの青色光が発生される。また、SHG素子401とSFG素子402とを一つの結晶上に形成することは、光源の簡素化、小型化に寄与する。
なお、本発明の構成ではマスター光源101および103として半導体レーザを用いたが、ファイバーレーザや、固体レーザ光源をマスター光源として利用できる。
なお、本実施形態の構成においては、2つの光源に、ファイバー増幅器102、104、105、および、106を含む。だが、固体レーザ光源を利用することも可能である。一方または両方のレーザ光源として固体レーザ光源や半導体レーザを用いることも可能である。例えば、波長980nmの光を発する半導体レーザと、1550nmのファイバーレーザ光源を用い、ファイバーレーザ光源から出た光をSHG光に変換し(光の波長を元の半分に変換し)、775nmのSHG光と980nmの基本波の和周波を発生させることで430nmの青色光を発生させることができる。半導体レーザ光源は小型化が可能であり、本発明にかかるコヒーレント光源の小型化、低コスト化に有効である。
なお、本実施形態の構成としてレーザ増幅器としてファイバーレーザを用いたが、その他、半導体増幅器をファイバーレーザの代りに利用することも可能である。半導体増幅器は電流励起が可能なため、光源の小型化に有効である。
ドープファイバー106としてはErまたはEr/Ybドープファイバーを用い、ファイバー増幅器であるドープファイバー105としてYbドープファイバーを用いれば、380〜410nm近傍の青色光の発生も可能である。
なお、ファイバー増幅器としては上記レーザ以外に、Nd、Pr、Cr、Ti、V、Ho元素のイオンのいずれかを含む構成でも実現できる。Ndドープファイバーを用いれば1060nm近傍の発光が容易になる。Nd以外の上記イオンに関しても、それぞれ異なる波長の光源が実現できる。
(第2の実施形態)
本実施形態によるコヒーレント光源は、複数の波長域(例えば、青色と緑色の2つの波長域)でピークを有するコヒーレント光を同時に発生可能な構成を有する。図6は本実施形態のコヒーレント光源の構成図である。Er/Ybドープファイバーであるドープファイバー302から出射した波長1540nmの光はSHG素子107により波長770nmのSHG光に変換される。Ybドープファイバーであるドープファイバー301から出射した波長1080nmの光と、波長770nmのSHG光は、SFG素子108により波長450nmの青色光であるSFG光110に変換される。さらにSFG素子108により変換されずに出射した波長1080nmの光は分離され、第2のSHG素子303により波長540nmの緑色光であるSHG光304に変換される。本実施形態のコヒーレント光源は、緑色光(例えば、波長540nmの光)と青色光(例えば、波長450nmの光)の同時発生が可能である。本実施形態のコヒーレント光源は、SFG素子108により変換されなかった波長1080nmの基本波を利用してSHG光304を発生する。そのため、光源全体として、利用効率は向上され低消費電力化が可能となる。また、一つの光源により青色、緑色の同時発生が可能となるため、光源の小型化、簡素化が可能である。
さらに、図7Aに示すようにSHG素子401、SFG素子402、SHG素子403を一つに集積(モノリシック化)することで光源の小型化を実現できる。波長変換素子401、402、および、403は、MgドープのLiNbO3結晶上に、波長1540nmの基本波202のSHG素子401である部分に、周期27.2μmの分極反転構造を、SFG素子402である部分に周期4.1μmの分極反転構造を、波長1080nmのSHG素子403である部分に周期7.3μmの分極反転構造をそれぞれ形成すればよい。基本波202はSHG素子401によりSHG光203に変換され、SHG光203と基本波201はSFG素子402によりSFG光404に変換される。さらに基本波201はSHG素子403によりSHG光405に変換される。SHG素子401および403ならびにSFG素子402をモノリシック化することで、光源の構成が単純化され、小型化、低コスト化が可能となる。周期状の分極反転構造は周期を設計するだけでSFG、SHG等に自由に制御できるためモノリシック化に非常に有効である。
さらに、第2の和周波素子であるSFG素子406を備えることで、赤、青、緑の3波長同時発生が可能となる。図7Bにその構成を示す。波長変換素子は、SHG素子401および403、ならびに、SFG素子402、および406を含む。また、波長変換部である波長変換素子401、402、403、および、406を一つの基板に集積することで光源の小型化も可能となる。波長変換素子は、MgドープのLiNbO3結晶上に、波長1540nmの基本波202のSHG素子401である部分として、周期27.2μmの分極反転構造を、SFG素子402である部分として周期4.1μmの分極反転構造を、SFG素子406である部分として周期11.7μmの分極反転構造を、波長1080nmのSHG素子403である部分として周期7.3μmの分極反転構造をそれぞれ形成すればよい。波長1540nmの基本波202はSHG素子401により波長770nmのSHG光203に変換され、波長770nmのSHG光203と波長1080nmの基本波201はSFG素子402により波長450nmのSFG光(青)404に変換される。さらに波長1080nmの基本波201はSHG素子403によりSHG光(緑)405に変換される。さらに、波長1080nmの基本波201と波長1540nmの基本波202は、SFG素子406により波長635nmのSFG光(赤)407に変換される。以上の結果、赤(R)、緑(G)、および、青(B)の同時発生が可能となる。本光源の発する3色の光の波長はいずれも視感度が高く、ディスプレイ用途への応用に非常に適している。さらに、2つの基本波光源で3色同時発生が可能となるため基本波の利用効率を高めることが可能となる。波長変換の順番としては、1540nmのSHG光への変換が第一であることが好ましい。先述した通り、波長が最も長いため変換効率が最も低いからである。そしてその後に和周波の青色光発生、さらに和周波の赤色発生を行うことが望ましい。そして、最後に、1080nmのSHG光である緑色光を発生させる順番が好ましい。変換効率の低い順に変換を行い。余った光でさらに変換することで、利用効率の向上が図れ、光源全体の高出力化が可能となる。また、緑色光の発生は、波長1540nmの光の出力を停止、少なくとも低下させれば、2つの和周波発生が停止、少なくとも抑圧され、1080nmの光を緑色光のみの発生に利用できる。よって、赤、青の発生とは別に、緑単独での高出力発生も可能である。RGB光源をレーザディスプレイに利用する場合、視感度の関係より緑色光のパワーは赤、青のパワーより高い出力が要求される。本発明の構成は、緑色光を他の光より効率的に利用できるため、好ましい。基本波光源の波長範囲としては波長1550±50nm近傍の波長と、1080±50nm近傍の波長を用いれば、RGB光の同時発生が可能である。Erドープファイバーを用いれば波長1550±50nm近傍の光が、またYbドープファイバーを用いれば1080±50nm近傍の光が出力可能である。この波長範囲の光源を用いれば、赤色領域では610〜660nm、青色領域では430〜470nm、緑領域では515〜565nmの光が発生できる。
さらに、光源103、104、および、302の発する光の波長は、1500から1570nmが好ましい。その理由は、波長が1570nm以上になれば、1060nm近傍の波長を有する他方の光源101、102、および、301との和周波で発生する赤色光の波長が640nm以上になるため、ディスプレイ等で利用する場合は視感度が低下する。視感度が低下すると必要となるパワーが増大するため、消費電力が大きくなる。そのため赤色の波長は640nm以下が好ましい。この条件を満足するためには、光源103、104、および、302の発する光の波長は1570nm以下であることが望ましい。一方、光源103、104、および、302の発する光の波長が1500nm以下になると、赤色の波長が620nm以下になる。赤色の波長が620nm以下になると、赤色の表示範囲が狭くなり、色再現性が劣化する。そのため、赤色の波長620nm以上を出すために、光源103、104、および、302の発する光の波長は1500nm以上であることが好ましい。さらに好ましくは1540〜1560nmがよい。その理由は、Er/Ybドープファイバー302においてポンプ光に対する変換効率が最も高いからである。
一方、光源101、102、および、301の発する光の波長は1060nmから1090nmが好ましい。この波長域は、Ybドープファイバーレーザ301での変換効率が高い領域であるため、低消費電力化が可能である。さらに好ましくは1065〜1080nmがよい。この波長域を用いれば、高い色再現性が可能となるからである。
図8および図9に、RGB同時出射可能な光源の構成例を示す。図8に示す光源においては、第1の光源部101、102、301からの1554nmの光と第2の光源部103、104、および、302からの1084nmの光を用いて、RGB同時発生を行う。
1084nmのレーザ光の一部はSHG素子501により542nmの緑色光に変換され、542nmの光は外部に取り出される。1554nmのレーザ光の一部は1084nmのレーザ光と合波されSFG素子503により和周波639nmの赤色光を発生し、赤色光は外部に取り出される。さらに、1554nmの光はSHG素子505により777nmの光に変換され、777nmの光と1084nmの光はSFG素子507によりの和周波に変換され457nmの青色光を発生する。このような構成により、2つの光源部からRGB同時発生が可能となる。
次に、図9に示す光源の構成について説明する。第2の光源部103、104、および、302から出た1554nmのレーザ光の一部はSHG素子素子511により777nmの光に変換される。777nmの光と1084nmの光の一部はSFG素子513により和周波453nmの光に変換され、453nmの光は外部に取り出される。さらに1084nmと1554nmのレーザ光の一部はSFG素子515により639nmの和周波に変換される。さらに1084nmの光はSHG素子517により542nmの緑色光に変換される。
RGBの変換効率の観点からは、図9に示す構成が好ましい。先述の通り、波長変換の効率は波長が長いほど低下する。このため、1554nmを777nmに変換する効率が最も低くなるため、最初に変換を行うことで高効率化が図れる。
これまで示したように、図7B、図8、および、図9の構成においては、RGBの同時出力が可能である。これより、RGB光源の出力切り替え方式について説明する。
RGB光の発生が可能な光源を、レーザディスプレイ等に使用する場合、RGBの出力をそれぞれ切り替えて使用することで、低消費電力化が可能となる。ここでは、出力を切り替える方法について説明する。緑色光に関しては、1540nm近傍の基本波発生を止めることで(第2の光源部103、104、および、302の出力の停止で)、和周波が発生しなくなるため、波長1080nmの基本波のSHG光である540nmの緑色光を効率よく取り出すことができる。つまり、緑色光の発生は、1540nmの基本波のon/offで切り替え可能である。
一方、青色と赤色の切り替えであるが、波長1540nmと1080nmの基本波は同時に発生させた状態で、波長1540nmの基本波をSHG光に変換する波長変換素子(例えば、SHG素子505)により切り替え可能となる。SHG素子の入れ替え、電界印加、または、温度制御等により位相整合条件をずらすことで、770nmのSHG光発生強度を制御することができ、青色と赤色の切り替えが可能となる。770nmの光がon(発生強度が大きい)時は450nm近傍の青色光発生が強くなり、off(発生強度が小さい)時は、波長640nm近傍の赤色光発生が強くなる。上記方法によりRGBの強度切り替えが可能となり、出力のバランスを取る場合の調整も可能となる。またRGBのうち赤緑、青緑、赤青等の2色光のみ発生する場合にも同様の手法で切り替えが可能となる。
さらに、分極反転構造をもちいれば、RGB発生に必要な、2つの第2高調波発生素子と2つの和周波発生素子を1つの基板にモノリシックに形成することも可能である。光源の簡素化、小型化が可能となる。
本発明による光源を、カラーディスプレイに用いるRGB光源として利用する場合、RGBを出力切り替えして出力することが望まれる。R,G,Bのそれぞれの画像を時間毎に切り替えることで、カラー画像を構成することができる。この場合、光源としてはRGB出力を切り替えることで、画像変換部である、単一の画像変換素子を用いてカラー画像に変換できる。
本発明の構成では1554nmの光の発生をスイッチングすると、1554nmの光がonの場合はRGB同時出力、offの場合は542nmの緑色のみ出力することになる。このように、光源の出力を切り替えて使用することで、効率よく画像出力が可能となる。
さらにカラー画像を構成する場合、緑色の輝度が最も必要とされる。図10Aは、第1の光源部101、102、301のon/offパターン例601および第2の光源部103、104、および、302のon/offパターン例603を示す。図10Bは、2つの駆動電源109bがそれぞれ、マスター光源101またはポンプ光源102をパターン601で駆動し、マスター光源103またはポンプ光源104をパターン603で駆動する様子を示す図である。このようにして2つの光源部を駆動すれば、パターン601および603が同時にonになっている間、2つの光源部は共にon状態となり、RGBの同時発光が可能となる。一方、パターン601がoffかつパターン603がonになっている間は、緑色の単独発光が可能となる。従って、本発明の構成でRGBの同時発生と緑色の単独発生を切り替えることで、緑の積算光量が増加し、より輝度の高い像が実現できる。
さらに1554nmの光源をon/offして出力を切り替える場合、図8の構成に比べて、図9の構成では、より効率よく緑色光を取り出すことが可能となる。1554nmの光出力をoffにした場合、1084nmの光は途中の素子で変換されなくなり、SHG素子517に直接到達する。このため1084nmの光の変換ロスが低下し、SHG素子517において高効率で緑色光発生が可能となる。一方、1554nmがonの場合、緑色光を発生する前にB,Rを出力できるため、高効率で波長変換が行え、光源の利用効率が高くなる。以上の理由で基本波を切り替えて出力する場合は、緑色光をより効率的に取り出すことが可能となる。
同様の利点が図7Bでも利用できる。緑色発生用のSHG素子403を最終段に配置することで、1064nmと1554nmの出力を切り替えてRGB同時発生と緑色光で切り替える場合に緑色発生の効率を高くできる。
(第3の実施形態)
ここでは、ファイバー増幅器(ポンプ光源およびドープファイバー)をモノリシック化した構成を有する光源について説明する。本実施形態においては、ファイバー増幅器としてErとYbを同時にドープしたドープファイバー204を用いる。ドープファイバー204は、波長975nmまたは915nmのポンプ光源102でポンプすることによりファイバー増幅器として機能する。このファイバー増幅器は1540nm近傍および1080nm近傍の波長域で増幅作用を示す。このファイバー増幅器にマスター光源101、103より光を入力すると、マスター光源の波長がドープファイバー204により増幅される。例えば、マスター光源101を波長1080nm近傍の光源とし、マスター光源103を1540nm近傍の光源とするとーのドープファイバー204により異なる波長の光を発振することができる。図11の構成では、マスター光源103、101を同時に発光させることで、ドープファイバー204から、1540nm、1080nmの波長を有する光を同時に出射することが可能である。これをSHG素子107とSFG素子108により波長変換することで、第1の実施形態にて説明した波長変換素子構成で青色のSFG光110を発生することが可能となる。ファイバーレーザを一体化することでファイバーからのレーザ光を合波する光学系が不要となり、光学系の簡素化、小型化、低コスト化が可能となる。
さらに、緑色光発生にも利用できる。図12Aは本発明の他の構成のコヒーレント光源である。上記構成にSHG素子403を加え、波長1080nmの基本波201を波長540nmの緑色光405に変換している。本構成の光源は、青色光、緑色光の同時発生が可能である。さらに、2つの光は同軸で発生するため、レーザ光を利用する光学系が非常に簡素になるという効果を奏する。
図12Bは、図12Aに示す光源を構成する波長変換素子の一部に、SFG素子406をさらに加えた波長変換素子を有する光源の構成図である。このような構成にすることにより、上述のように、RGBの同時発光が可能な光源が構成される。
図13は、波長板2002を有する光源の構成図である。本構成の光源は、Er/Ybドープファイバー204において、1064nmと1550nmの光を同時に発生し、波長変換素子部である素子401、402、403、および、406によりRGBの3色に変換する光源である。ファイバーレーザ204で2波長を同時に発生するため、ポンプレーザによるゲインを2つの波長の発振が取り合うことになり、発振が不安定になる場合がある。これを防止する方法としては、2つのマスター光源101および103の光の偏光方向を直交させ、互いの干渉を防止することが好ましい。本構成においては、ファイバー204は偏波保存ファイバーであることが好ましい。なぜならば、直交する2つの偏光が互いに干渉しないことが好ましいからである。マスター光源101、および、103からの光を、互いに直交する偏光として入力することで、1550nmと1064nmの光は、互い直交する偏光として発振し、出力の安定化が図れる。しかし、波長変換素子に入力する際には、2つの光を同一偏光にする必要があるので、波長板2002を、光源部と波長変換部との間に挿入し、2つの波長の偏光を同一偏光に変換して波長変換素子に入射する。
図14は、2つの、波長の異なるポンプ光源を用いる光源の構成図である。ポンプ光源102は、波長915nm、ポンプ光源1002は波長1480nmの光源である。ポンプ光源102は1550、および、1064nmの両方の発光ゲインを励起するが、1480nmの光は1550nmのみの励起作用を有する。このため、ポンプ光源102および1002のそれぞれのパワーを制御することで1064nmと1550nmの光の発生を制御し安定化が図れる。
なお、ポンプ光源1002の波長としては1480nm以外に920−970nmの領域も利用できる。
なお、ファイバー204としては偏波保存ファイバーを用い、1550、および、1064nmの2波長の偏光を分離することでより安定な2波長発生が可能となる。
なお、本発明の構成は、ポンプレーザにより励起されたファイバーに2つの波長の異なるマスターレーザを用いた構成であるが、その他、さらに異なる波長の光を発するマスターレーザを含む構成も有効である。例えば、波長1080nmの光を発する光源に加えて波長1040nmの光を発する光源を加え、波長1040nmの光を受けて、その第2高調波を発生する波長変換素子を追加することにより、上記に加えて波長520nmのSHG光を発生させることができる。マスター光源の発する光の波長の種類を増加させれば、本光源の出射可能な光の波長の種類を増加させることができ、マスター光源が発する光の波長を切り換えることで発生する光の波長を切り換えることも可能となる。本光源により発生する光の波長を多様に切換可能とすれば、本光源をディスプレイ装置の光源として用いた場合、ディスプレイ装置の表現可能な色範囲を拡大することができる。
なお、本実施形態は、マスターレーザの光をファイバーにより増幅する構成を有する。しかしながら、本発明は、そのような構成に限定されず、ファイバーグレーティングを用いた共振器によるレーザ発振を行う構成も含む。この共振器は、ファイバーレーザの互いに離れた2カ所にファイバーグレーティングを備える構成を有し、これらファイバーグレーティングの間で光を共振させることが可能である。そのため、ポンプレーザのみで2つの波長のレーザ発振が可能である。このようなグレーティングを用いてレーザの共振を行う場合は、マスター光源は不要である。よって、本光源の構成の簡素化、および、低コスト化に有効である。これらファイバーグレーティングは、所望の2つの異なる波長でブラッグ反射が生じるように異なる周期のグレーティング構造を備えることが好ましい。共振構造を有するファイバーレーザの場合、ファイバーレーザは、偏端保存ファイバーを用い、異なる偏光方向に異なる波長の光を励起する構成が望ましい。ひとつのファイバー内で2つの波長が励起されるとファイバーのゲインを互いに奪い合うことがあるが、偏向方向が異なるように励起すれば、ゲインの奪い合いが抑止され、出力の安定した2波長発振が可能になる。
さらに、後述するが、本発明のコヒーレント光源をレーザディスプレイ装置に利用する場合でも有利である。その理由の一つには、光源の光軸が一致している点が挙げられる。光軸が一致していることで、RGB光源を用いてディスプレイを構成する光学系が簡素化される。もう一つの点は、レーザディスプレイを構成する場合、RGB(赤、青、緑)の3原色光源を利用するが、光源としては、同時に発生する場合と、それぞれを単独で光らせて、繰り返し交互に光らせる場合とで、レーザに利用効率を向上させることが可能となる。また、DMDまたは反射型液晶パネルを用いて画像変換する場合に、RGB光を切り替えることで、パネルの単板化が可能となり小型化、低コスト化が可能となる。本発明の構成はこの順次点灯に有効である。外部変調器で光源の出力を変調する場合では、RGBの3原色光は連続発振しているため、この順次点灯方式を用いた場合の3倍の消費電力が必要となる。本発明で青、緑の順次点灯を行う場合、まず、緑色光を出すときは波長1540nm近傍マスター光源103を停止する。するとファイバーからは1080nm近傍の光のみが出射されて波長540nmの緑色のSHG光405のみが出射される。また青色光を出す場合、マスター光源101、103を同時に発光させる。この場合では、青色光のみを出射することは難しいがSFG素子402の変換効率を向上することで緑色光の発生を大幅に低減できる。マスター光源101、103の切り替えで青色、緑色光の発生を切り替えることができるため、青、緑の順次点灯が可能となり、消費電力を大幅に低減できる。
(第4の実施形態)
ここでは、本発明にかかる実施形態であるコヒーレント光源を用いた光学装置であるレーザディスプレイについて説明する。
RGBレーザを用いれば、色再現性の高いディスプレイが実現できる。しかしながら、レーザ光源としては、赤色半導体レーザは高出力のものが開発されているが、青色に関しては高出力化が実現しておらず、緑色に関しては半導体レーザの形成が難しい。そこで波長変換を利用した緑および青色光源が必要となる。本発明のコヒーレント光源はファイバーレーザを用いて高出力化が容易であるため、大画面のレーザディスプレイが実現できる。ファイバーレーザを用いた光源として、緑、青、または赤、緑、青の同時発生光源を利用することができる。
図15は、これらの光源801を備え、2次元スイッチである液晶パネルすなわち画像変換部により2次元的な光の強度分布を制御し、つまり、画像変換を行い、スクリーン上に映像を投影するレーザディスプレイの構成図である。コヒーレント光源801から出射された光はコリメート光学系802、インテグレータ光学系803を通って、拡散板804を通過した後、液晶パネル805により画像変換され、投影レンズ807によりスクリーン806に投影される。拡散板は揺動機構により位置変動しており、スクリーン上で発生するスペックルノイズを低減している。本発明のコヒーレント光源は外部の温度変化に対しても安定した出力が得られるため、高出力で安定な映像が実現できた。また、高いビーム品質のため、光学系の設計を容易にし、小型化、簡素化が可能である。
なお、2次元スイッチとしては、液晶パネル以外にも、反射型液晶スイッチ、DMDミラー等の利用も可能である。
また、本発明にかかるレーザディスプレイ装置として、図16に示す方式も有効である。コヒーレント光源901から出射したレーザ光はミラー902、903で走査することによりスクリーン上に2次元的な画像を描く。この場合にはレーザ光源に高速なスイッチ機能があればなおよい。本発明のいずれかの実施形態によるコヒーレント光源901は、高出力化が可能であり、出力安定化に優れる。温度制御素子はなくとも、または、簡易な温度制御によっても、安定した出力が得られる。
またビーム品質が高いため、走査光学系の小型化、簡素化が可能である。またビーム走査光学系としてはMEMSを利用した小型走査装置も利用できる。高いビーム品質は集光特性、コリメート特性に優れ、MEMS等の小型ミラーも利用可能となる。これによって、走査型のレーザディスプレイが実現できる。
また、本発明にかかるレーザディスプレイ装置として、図17に示す方式も有効である。図示しない本発明によるコヒーレント光源より出射されたR、G、Bの3色の光は、それぞれレンズ913r、913g、および、913bに入射して拡大され、光量均一化光学系(インテグレータ)907を通った後、2次元スイッチである液晶パネル909により画像に変換され、合波プリズム911およびレンズ915を通ってスクリーン905上に映像を投影する。
なお、本発明によるコヒーレント光源を、ディスプレイ装置に用いる場合、レーザ光のコヒーレンス(可干渉性)の高さによりスペックルノイズが生じることがある。スペックルノイズは、スクリーン等で反射されたレーザ光が互いに干渉することで発生し、画質を低下させる。そのため、光源の発する光のコヒーレンスを低下させることが望ましい。
図18は、本発明によるコヒーレント光源に非線形ファイバー3007を加えた構成を示す。波長変換素子から出射されたRGB光を非線形ファイバー3007に結合、導波させる。非線形ファイバー3007を導波した光は非線形効果によりラマン散乱が発生し、発振スペクトルが拡大する。波長変換素子部401、402、403、406等に入射する前のレーザ光は変換効率を高めるため、0.1〜0.2nm程度の狭帯域特性を有することが好ましいが、波長変換素子部401、402、403、406等を出射した光は、非線形ファイバー3007により10nm程度にスペクトル拡大を行い、コヒーレンスを大幅に低下させることが望ましい。このように非線形ファイバー3007を光源の構成の一部に追加することでスペックルノイズのない高画質のディスプレイが実現可能となる。
また、光学装置としては、レーザディスプレイについて説明したが、その他、光ディスク装置や、計測装置にも有効である。光ディスク装置では、書き込み速度の高速化によりレーザ出力の向上が求められている。さらに、レーザ光には回折限界の集光特性が求められるため、シングルモード化は必須である。本発明の光源は高出力かつ、高いコヒーレンスを有するため、光ディスク等への応用にも有効である。
本発明の構成では、光源部を構成するファイバーレーザとしてポンプレーザとマスター光源を利用した構成を用いた。しかし、ファイバーレーザは、マスター光源を用いず、グレーティングファイバー(図2参照)とポンプ光源で構成することもできる。
以上述べたように、本発明のコヒーレント光源は、波長変換を利用して青色光発生を可能にする構成である。特に高出力化が容易なファイバー増幅器を利用したレーザ光源において高出力の青色光発生が可能となるためその実用効果は大きい。
さらに、2つの波長のレーザ光から、青と緑の発生、または赤青緑の同時発生および、出力の切り替えが可能となる。単一光源で高輝度のRGB光がえられるため、その実用効果は大きい。
さらに、このコヒーレント光源を用いれば、高出力の小型RGB光源が実現できるためレーザディスプレイをはじめ、光ディスク装置等各種の光学装置への応用が可能となり、その実用効果は大きい。
本発明は波長変換素子を用いたコヒーレント光源、および、これを用いた光学装置に関する。
高出力のレーザ光源として、固体ファイバーレーザが開発されている。ドープファイバーによるレーザ増幅器を利用したレーザ光源は、高出力、高ビーム品質化が容易であり、大出力レーザ光源として応用が広がっている。ファイバーレーザは、2重クラッド構造により励起ポンプ光源を多段階に増幅できるため、高出力化が可能である。さらには、コア部にレーザ光を閉じ込めることで単一モード発振が可能となり、高いビーム品質を保って高出力のレーザ光を実現できる。ファイバーレーザの発振は赤外領域であり、可視領域への応用としては、波長変換による発振光の短波長化が報告されている。現在、ファイバーレーザ、またはファイバー増幅器を利用したレーザ発振は、Yb、Nd、Er、Yb/Erをファイバーのコア部に添加する構造が実現されている。発振波長としては、Ybドープファイバーが1030〜1100nm近傍、Ndドープファイバーが1060nm近傍、Er、Er/Ybファイバーが1550nm近傍で発振可能である。可視光を出力する光源として、YbまたはNdファイバーからの出力を第2高調波に変換し波長530nm近傍の緑色光を発生させる構成、Er、Er/Ybドープファイバーからの出力を第2高調波に変換し770nm近傍の近赤外光を発生させる構成を有する光源が実現されている。
一方、ファイバーレーザを利用した青色光の発生についても検討が進められている。特許文献1は、Ndドープファイバーの発する910nm光の基本波を第2高調波に波長変換し455nm近傍の青色光の発生を行う構成を開示する。
上記のように、ファイバー増幅器を用いたレーザ発振は、高効率、高出力のレーザ発振が可能であるが、現在のところファイバーでの青色光の直接発振は困難である。そのため、特許文献1のように、高調波発生による出射光の短波長化が検討されている。ファイバーレーザによって900nm近傍の波長の光を発生させれば、第2高調波の発生により青色光を出力可能である。
特表2004−503098号公報
しかしながら、900nm近傍の波長の光はレーザ媒質での吸収が大きく、相互作用長の長いファイバーを用いたレーザ光源は、固体レーザと同様、900nm近傍の光の発生効率は悪く、光源の高効率化、および、高出力化は難しい。よって、高効率でWクラスの光源を実現することは困難である。
本発明は、ファイバーレーザにおける発生効率が、900nm近傍の光よりも高い光を利用し、高効率で青色光領域の光を出射するコヒーレント光源を提供する。
さらに、本発明は、青色光および緑色光の同時発生が可能なコヒーレント光源を提供する。
さらに、本発明は、赤色光、青色光、および、緑色光の3色同時発生が可能なコヒーレント光源を提供する。
本発明は、その一態様においては、ドープファイバーを備え、ドープファイバーにより、第1波長の光と第2波長の光を出射する光源部と、第1波長の光を受け、第1波長の光よりも波長の短い光を出射する第1波長変換素子を含む波長変換素子部とを有するコヒーレント光源である。
本発明の一態様においては、第1波長変換素子は、第1波長の光を受け、第1波長の光の第2高調波を出射することが好ましい。
本発明の一態様においては、さらに、波長変換素子部は、第1波長の光の第2高調波と第2波長の光を受け、第2高調波と第2波長の光との和周波を有する光を出射する第2波長変換素子を含むことが好ましい。
本発明の一態様においては、光源部は、Er、または、ErとYbを含む第1のドープファイバーと、Ybを含む第2のドープファイバーを含むことが好ましい。
本発明の一態様においては、第1波長は、1540nm近傍の波長であり、第2波長は、1080nm近傍の波長であり、波長変換素子部は、第1波長の光および第2波長の光を受け、450nm近傍の波長を有する光を出射することが好ましい。
本発明の一態様においては、波長変換素子部は、さらに、第2波長の光を受け、第2波長の第2高調波を出射する第3波長変換素子を含むことが好ましい。
本発明の一態様においては、波長変換素子部は、さらに、第1波長の光と第2波長の光を受け、第1波長の光と第2波長の光の和周波を有する光を出射する第4波長変換素子を含むことが好ましい。
本発明の一態様においては、第1波長変換素子は、第1波長の光の少なくとも一部を受け、第2波長変換素子は、第1波長変換素子から出射する光の少なくとも一部と第2波長の光の少なくとも一部を受け、第3波長変換素子は、第2波長の光の少なくとも一部を受けることが好ましい。
本発明の一態様においては、第1波長変換素子は、第1波長の光の少なくとも一部を受け、第2波長変換素子は、第1波長変換素子から出射する光の少なくとも一部と第2波長の光の少なくとも一部を受け、第3波長変換素子は、第2波長の光の少なくとも一部を受け、さらに、第4波長変換素子は、第1波長の光の少なくとも一部と、第2波長の光の少なくとも一部とを受けることが好ましい。
本発明の一態様においては、第1波長変換素子および第2波長変換素子の少なくとも一方は、周期状分極反転構造を備えるMgドープLiNbO3、MgドープLiTaO3、KTiOPO4、ストイキオメトリック組成のMgドープLiNbO3、および、ストイキオメトリック組成のMgドープLiTaO3の少なくともひとつを含むことが好ましい。
本発明の一態様においては、光源部は、さらに、ドープファイバーに入射される光を発生するマスター光源を有することが好ましい。
本発明の一態様においては、光源部は、パルス状の光源部駆動用エネルギを供給する駆動装置と接続可能であることが好ましい。
本発明の一態様においては、光源部は、2つのドープファイバーと2つのマスター光源を備え、2つのマスター光源は、駆動装置と接続可能であり、同一の周期および位相を有するパルス状のエネルギの供給を受けて動作することが好ましい。
本発明の一態様においては、ドープファイバーは、Yb、Er、Er/Yb、Nd、Pr、Cr、Ti、V、および、Hoの少なくともいずれか1つの元素を含むことが好ましい。
本発明の一態様においては、第1波長変換素子と、第2波長変換素子とは、単一の非線形光学結晶構造を有することが好ましい。
本発明の一態様においては、光源部は、単一のドープファイバーを備えることが好ましい。
本発明の一態様においては、ドープファイバーは、Er/Ybドープファイバーであることが好ましい。
本発明の一態様においては、2つのマスター光源のうち少なくともひとつは、半導体レーザ光源であることが好ましい。
本発明の一態様においては、さらに、波長変換素子部の出射する光を受ける光ファイバーを有することが好ましい。
本発明は、その一態様においては、ドープファイバーを備え、ドープファイバーにより、第1波長の光と第2波長の光を出射する光源部と、第1波長の光を受け、第1波長の光よりも波長の短い光を出射する第1波長変換素子を含む波長変換素子部とを有するコヒーレント光源と、コヒーレント光源の出射する光を受け、コヒーレント光源の出射する光の2次元的強度分布を制御する画像変換部を有する光学装置である。
本発明により、ファイバーレーザを利用した青色光領域のコヒーレント光源が実現される。本コヒーレント光源は、効率が高く、高出力化も可能である。
ファイバーレーザにおいて900nm近傍のレーザ光を発生させ、波長変換により青色光の光を発生させる光源では、固体レーザと同様、900nm近傍の光の発生効率は悪く、高効率、高出力化が難しい。我々は、高出力化が進んでいる波長1080nmおよび1540nm近傍の波長を有する光を出射するファイバーレーザを用い、青色光源を提供する。
本発明にかかる実施形態による光源は、光ファイバーを備え、青色光領域のコヒーレント光を発生する光源(コヒーレント光源)である。本光源は、高出力なファイバーレーザを備え、さらに、ファイバーレーザから出社された光の波長を変換する波長変換素子により青色光領域の波長を有する光の高効率出射を可能とする構成を有する。
また、本発明にかかる実施形態による光源は、青色光源の高出力化、緑色光および青色光の同時発生、ならびに、赤色光、緑色光、および、青色光の同時発生も可能な構成を有する。
さらに、本発明にかかる実施形態によるディスプレイ装置は、本発明による光源を用いたディスプレイ装置である。
(第1の実施形態)
図1は本発明にかかる第1の実施形態のコヒーレント光源の構成図である。これより、図1を参照し、本実施形態におけるコヒーレント光源の構成および動作について概説する。ファイバー増幅器であるドープファイバー105は、マスター光源101から出射され、ポンプ光源102およびドープファイバー105で増幅された波長λ1の光を出射する。もう1つのファイバー増幅器であるドープファイバー106は、マスター光源103から出射され、ポンプ光源104およびドープファイバー106で増幅された波長λ2の光を出射する。第1の実施形態においては、マスター光源101、および、103、ポンプ光源102、および、104、ならびに、ドープファイバー105および106が光源部を構成する。他の実施形態においても、同様、マスター光源、ポンプ光源、および、ドープファイバー等により光源部が構成される。ドープファイバー106から出射される波長λ2の光は、第2高調波発生素子(SHG( second harmonic generation )素子)107により、波長λ2/2(=λ3)のSHG光(第2次高調波)に変換される。ファイバー増幅器105から出射される波長λ1の光と、SHG素子107から出射される波長λ3のSHG光は和周波発生素子(SFG( sum frequency generation )素子)108に入射し和周波を有する光に変換される。素子108により変換され発生する和周波を有する光であるSFG光110の波長λ4は、λ4=(λ1・λ3)/(λ1+λ3)=(λ1・λ2)/(2×λ1+λ2)である。よってSFG素子108は、波長λ4を有するSFG光110が出射する。この波長λ4が青色光領域に含まれるように、ドープファイバー105および106の出射する光の波長λ1およびλ2選択し、SHG素子107およびSFG素子108を設計することにより、ファイバー増幅器であるドープファイバー105および106と、波長変換素子であるSHG素子107およびSFG素子108により青色光の発生が可能となる。第1の実施形態においては、SHG素子107およびSFG素子108は、波長変換素子部を構成する。他の実施形態においても、SFG素子およびSHG素子等により波長変換素子部が構成される。なお、SFG素子は、波長λaの光と波長λbの光を入射することにより、λc^(−1)=λa^(−1)+λb^(−1)の関係を満たす波長λcの光を出射する素子である。SHG素子は、上記SFG素子の説明におけるλaとλbが等しい場合であって、波長λaの光を入射することでλc=λa/2の光を出射する波長変換素子である。以下、本発明のコヒーレント光源の原理について詳細に説明する。
第1のファイバー増幅器に含まれるドープファイバー105は、Ybドープファイバーを有する。このドープファイバー105は、1030〜1100nm程度の波長を有する光を発生することができる。一方、第2のファイバー増幅器であるドープファーバー106は、ErまたはEr/Ybドープファイバーを有する。このドープファイバー106は、1540nm近傍の波長を有する光を発生することができる。SHG素子107は、1540nm近傍の波長を有する光をSHG光に変換することができ、770nm近傍のSHG光を発生することができる素子である。
SFG素子108により、上記2つの光(波長λ1と波長λ3の光)の和周波を有する光を発生させることにより、青色光領域に含まれる440nm〜460nm近傍の波長を有する青色光を発生させることができる。
ファイバーレーザ光源の構成は、ポンプ光源と、ファイバーの両端面にミラーを形成しファイバー共振器であるドープファイバイー105および106とで構成する方法と、マスター光源101および103と、ポンプ光源102および104を用い、マスター光源101および103から出射した光を、ファイバー増幅器であるポンプ光源102およびポンプ光源104ならびにドープファイバー105および106によって増幅する構成が可能である。
前者の共振器構成にする場合、図2に示すように、ドープファイバー105(および106)に周期的なグレーティング構造によるブラッググレーティング151を用いることも可能である。ブラッググレーティング151は、波長変換素子の位相整合波長の変動を考慮して数nm程度の広い波長で反射するように設計することが望ましい。グレーティング等による狭帯域化を用いた場合、高出力時にはラマン散乱等によりレーザの発振波長の狭帯域化が困難となる場合がある。一般に、波長変換素子の位相整合波長許容度は狭いため、ファイバーをレーザ共振器として構成した場合、波長変換素子に入射する光は広い波長帯域を有し、そのために変換効率が大幅に低下する。この点を鑑みれば、ファイバー増幅器は、マスター光源101および103より出射するマスターレーザを、ポンプ光源102および104ならびにドープファイバー105および106により増幅する構成が好適である。また、マスター光源101および103は、DBRレーザ、DFBレーザ等の半導体レーザが好適である。これらの半導体レーザは、発振波長がレーザ内に構成されたグレーティングにより固定されているため、波長変換素子の位相整合波長に正確にチューニングさせることができる。また、レーザ光は、ファイバー増幅器により増幅すれば、ファイバーの非線形効果による波長スペクトルの増大(ブロード化)が抑圧できるため、高効率の波長変換が可能となる。
DFB、DBRレーザ等の半導体レーザは高速で出力を変調することができる。このため、ファイバー増幅器および波長変換素子により波長変換した光を高速に変調可能という利点を備える。ドープファイバー105および106に入射するマスター光源101および103のレーザ光をパルス駆動すればQスイッチ動作が可能となり、尖塔値の高いパルス光が発生可能である。SHGおよびSFG波長変換素子107および108においては、非線形光学効果を利用している。そのため、パワー強度が増大すれば、変換効率は飛躍的に増大する。このため尖塔値の高いピークパワーを用いることは、通常のCW光に比べて、変換効率を何桁も向上できるという点で有利である。半導体レーザを光源として用いることは、出力変調およびQスイッチ動作による変換効率向上の点で有利である。
半導体レーザを利用する場合には、幾つかの注意すべき点もある。
一つは、半導体レーザを変調する場合には、出力変調と同時に波長が変動するチャーピングを抑圧することが望ましい。チャーピングが発生すれば、SFG素子107およびSHG素子108の有する位相整合波長許容度内からレーザ光の発振波長が外れ、変換効率が低下し、出力される変調波形が歪むといった問題が生じることがある。これを防止するには、レーザ光源に3電極構造のDBRレーザを使用することが望ましい。DBRレーザに駆動電極、DBR電極、位相電極の3電極を構成し、出力変調として駆動電極部分へ入力される変調波形と、位相電極部分へ入力される変調波形を同時に加えることによって、半導体レーザ内への電流注入により発生する熱を相殺し、レーザのチャーピングを防止できる。この構成をファイバー増幅器に含まれるポンプ光源102および104に適用すれば、ドープファイバー105および106から出射されるレーザ光のチャーピングを抑圧することができ、波長変換素子であるSHG素子107およびSFG素子108による波長の変換を高効率で実現することができる。
もう一つの問題として、マスター光源101および103をパルス駆動してQスイッチ動作させる際、パルス波形整合を正確にとる必要がある。図3を参照し、ファイバー増幅器をパルス駆動する方法について説明する。マスター光源103を駆動する電源109aをパルス駆動電源とし、マスター光源103の出力をパルス状に発生させることで変換効率の向上を図れるが、その場合には、ErまたはEr/Ybレーザ103、104、および、106をパルス駆動することが望ましい。その理由としては、波長変換素子の変換効率は基本波の波長の3乗に逆比例する点が挙げられる。基本波を発する光源としてはErまたはEr/Ybレーザ103、104、および、106の波長が1540nmと一番長いため、その変換効率は、光源中で最も低い。これを改善するには、この基本波を発する光源をパルス駆動し変換効率の向上を図ることが有効である。即ち、最も波長の長い光源をパルス駆動することが、変換効率の向上に最も効果的である。ErまたはEr/Ybファイバー増幅器であるドープファイバー106に入射するマスター光源103をパルス駆動すると、変換効率が向上する。
さらには、SFG素子108の高効率化の点からは、SFG素子108に入射する2つの光が共にパルス駆動すれば、より高い変換効率が実現できる。しかし、SFG素子108に入射する2つの光の光源であるドープファイバー105および106から出射するパルス光が時間的に同期していなければ、SFG素子108内で2つのパルス光のピークが重なることはなく、高効率化は望めない。図4を参照すれば、2つのマスター光源101および103を共にパルス駆動する構成が示される。マスター光源101および103は、同一のパルス駆動電源109aまたは同期したパルス駆動電源により駆動されるため、ドープファイバー105および106から出射されるパルス光は、時間的に同期される。図4に示す構成により、単一のパルス駆動電源109によって2つのマスター光源101および103のパルス発振は同期され、ドープファイバー105および106から同時的にパルス光が発生するように制御することができる。
SHG素子107およびSFG素子108は、周期状の分極反転構造を有する非線形光学結晶からなる波長変換素子が好適である。分極反転構造を有する波長変換素子としては、KTiOP4、LiNbO3、LiTaO3、または、MgをドープしたLiNbO3、LiTaO3もしくはストイキオLiNbO3、LiTaO3等が好ましい。これらの結晶は高い非線形定数を有するため高効率の波長変換が可能である。
また、これらの結晶は周期構造を変えることで位相整合波長を自由に設計できるという利点を有する。この特徴を利用することにより、単一の光学結晶による青色光の発生も可能である。図5は、SHG素子401とSFG素子402とをモノリシックに構成した波長変換素子を備えた本実施形態による光源の構造を示す図である。分極反転の周期を設計することでSHG素子401とSFG素子402を同一結晶状に形成することができる。素子401および402を構成する結晶としては、MgドープのLiNbO3を用いることができる。例えば、光源であるドープファイバー106からは波長1540nmの基本波202が出射され、ドープファイバー105からは波長1080nmの基本波201が出射される。ここでは、これら基本波201および202の波長はマスター光源101および103の発振波長により決定されるものであって、発振可能な波長は、これら例示した波長のみに限定されるものではない。この例の場合、波長変換素子の1つであるSHG素子401は周期27.2μmの分極反転構造を有し、SFG素子402は周期4.1μmの分極反転構造を有する。これら異なる2つの周期を有する分極反転構造を1つのMgドープのLiNbO3結晶に形成する。SHG素子401は1540nmの光(基本波202)を770nmのSHG光に変換し、次いでSFG素子402によって、770nmのSHG光と1080nmの光(基本波201)との和周波を有する光である波長450nmの青色光が発生される。また、SHG素子401とSFG素子402とを一つの結晶上に形成することは、光源の簡素化、小型化に寄与する。
なお、本発明の構成ではマスター光源101および103として半導体レーザを用いたが、ファイバーレーザや、固体レーザ光源をマスター光源として利用できる。
なお、本実施形態の構成においては、2つの光源に、ファイバー増幅器102、104、105、および、106を含む。だが、固体レーザ光源を利用することも可能である。一方または両方のレーザ光源として固体レーザ光源や半導体レーザを用いることも可能である。例えば、波長980nmの光を発する半導体レーザと、1550nmのファイバーレーザ光源を用い、ファイバーレーザ光源から出た光をSHG光に変換し(光の波長を元の半分に変換し)、775nmのSHG光と980nmの基本波の和周波を発生させることで430nmの青色光を発生させることができる。半導体レーザ光源は小型化が可能であり、本発明にかかるコヒーレント光源の小型化、低コスト化に有効である。
なお、本実施形態の構成としてレーザ増幅器としてファイバーレーザを用いたが、その他、半導体増幅器をファイバーレーザの代りに利用することも可能である。半導体増幅器は電流励起が可能なため、光源の小型化に有効である。
ドープファイバー106としてはErまたはEr/Ybドープファイバーを用い、ファイバー増幅器であるドープファイバー105としてYbドープファイバーを用いれば、380〜410nm近傍の青色光の発生も可能である。
なお、ファイバー増幅器としては上記レーザ以外に、Nd、Pr、Cr、Ti、V、Ho元素のイオンのいずれかを含む構成でも実現できる。Ndドープファイバーを用いれば1060nm近傍の発光が容易になる。Nd以外の上記イオンに関しても、それぞれ異なる波長の光源が実現できる。
(第2の実施形態)
本実施形態によるコヒーレント光源は、複数の波長域(例えば、青色と緑色の2つの波長域)でピークを有するコヒーレント光を同時に発生可能な構成を有する。図6は本実施形態のコヒーレント光源の構成図である。Er/Ybドープファイバーであるドープファイバー302から出射した波長1540nmの光はSHG素子107により波長770nmのSHG光に変換される。Ybドープファイバーであるドープファイバー301から出射した波長1080nmの光と、波長770nmのSHG光は、SFG素子108により波長450nmの青色光であるSFG光110に変換される。さらにSFG素子108により変換されずに出射した波長1080nmの光は分離され、第2のSHG素子303により波長540nmの緑色光であるSHG光304に変換される。本実施形態のコヒーレント光源は、緑色光(例えば、波長540nmの光)と青色光(例えば、波長450nmの光)の同時発生が可能である。本実施形態のコヒーレント光源は、SFG素子108により変換されなかった波長1080nmの基本波を利用してSHG光304を発生する。そのため、光源全体として、利用効率は向上され低消費電力化が可能となる。また、一つの光源により青色、緑色の同時発生が可能となるため、光源の小型化、簡素化が可能である。
さらに、図7Aに示すようにSHG素子401、SFG素子402、SHG素子403を一つに集積(モノリシック化)することで光源の小型化を実現できる。波長変換素子401、402、および、403は、MgドープのLiNbO3結晶上に、波長1540nmの基本波202のSHG素子401である部分に、周期27.2μmの分極反転構造を、SFG素子402である部分に周期4.1μmの分極反転構造を、波長1080nmのSHG素子403である部分に周期7.3μmの分極反転構造をそれぞれ形成すればよい。基本波202はSHG素子401によりSHG光203に変換され、SHG光203と基本波201はSFG素子402によりSFG光404に変換される。さらに基本波201はSHG素子403によりSHG光405に変換される。SHG素子401および403ならびにSFG素子402をモノリシック化することで、光源の構成が単純化され、小型化、低コスト化が可能となる。周期状の分極反転構造は周期を設計するだけでSFG、SHG等に自由に制御できるためモノリシック化に非常に有効である。
さらに、第2の和周波素子であるSFG素子406を備えることで、赤、青、緑の3波長同時発生が可能となる。図7Bにその構成を示す。波長変換素子は、SHG素子401および403、ならびに、SFG素子402、および406を含む。また、波長変換部である波長変換素子401、402、403、および、406を一つの基板に集積することで光源の小型化も可能となる。波長変換素子は、MgドープのLiNbO3結晶上に、波長1540nmの基本波202のSHG素子401である部分として、周期27.2μmの分極反転構造を、SFG素子402である部分として周期4.1μmの分極反転構造を、SFG素子406である部分として周期11.7μmの分極反転構造を、波長1080nmのSHG素子403である部分として周期7.3μmの分極反転構造をそれぞれ形成すればよい。波長1540nmの基本波202はSHG素子401により波長770nmのSHG光203に変換され、波長770nmのSHG光203と波長1080nmの基本波201はSFG素子402により波長450nmのSFG光(青)404に変換される。さらに波長1080nmの基本波201はSHG素子403によりSHG光(緑)405に変換される。さらに、波長1080nmの基本波201と波長1540nmの基本波202は、SFG素子406により波長635nmのSFG光(赤)407に変換される。以上の結果、赤(R)、緑(G)、および、青(B)の同時発生が可能となる。本光源の発する3色の光の波長はいずれも視感度が高く、ディスプレイ用途への応用に非常に適している。さらに、2つの基本波光源で3色同時発生が可能となるため基本波の利用効率を高めることが可能となる。波長変換の順番としては、1540nmのSHG光への変換が第一であることが好ましい。先述した通り、波長が最も長いため変換効率が最も低いからである。そしてその後に和周波の青色光発生、さらに和周波の赤色発生を行うことが望ましい。そして、最後に、1080nmのSHG光である緑色光を発生させる順番が好ましい。変換効率の低い順に変換を行い。余った光でさらに変換することで、利用効率の向上が図れ、光源全体の高出力化が可能となる。また、緑色光の発生は、波長1540nmの光の出力を停止、少なくとも低下させれば、2つの和周波発生が停止、少なくとも抑圧され、1080nmの光を緑色光のみの発生に利用できる。よって、赤、青の発生とは別に、緑単独での高出力発生も可能である。RGB光源をレーザディスプレイに利用する場合、視感度の関係より緑色光のパワーは赤、青のパワーより高い出力が要求される。本発明の構成は、緑色光を他の光より効率的に利用できるため、好ましい。基本波光源の波長範囲としては波長1550±50nm近傍の波長と、1080±50nm近傍の波長を用いれば、RGB光の同時発生が可能である。Erドープファイバーを用いれば波長1550±50nm近傍の光が、またYbドープファイバーを用いれば1080±50nm近傍の光が出力可能である。この波長範囲の光源を用いれば、赤色領域では610〜660nm、青色領域では430〜470nm、緑領域では515〜565nmの光が発生できる。
さらに、光源103、104、および、302の発する光の波長は、1500から1570nmが好ましい。その理由は、波長が1570nm以上になれば、1060nm近傍の波長を有する他方の光源101、102、および、301との和周波で発生する赤色光の波長が640nm以上になるため、ディスプレイ等で利用する場合は視感度が低下する。視感度が低下すると必要となるパワーが増大するため、消費電力が大きくなる。そのため赤色の波長は640nm以下が好ましい。この条件を満足するためには、光源103、104、および、302の発する光の波長は1570nm以下であることが望ましい。一方、光源103、104、および、302の発する光の波長が1500nm以下になると、赤色の波長が620nm以下になる。赤色の波長が620nm以下になると、赤色の表示範囲が狭くなり、色再現性が劣化する。そのため、赤色の波長620nm以上を出すために、光源103、104、および、302の発する光の波長は1500nm以上であることが好ましい。さらに好ましくは1540〜1560nmがよい。その理由は、Er/Ybドープファイバー302においてポンプ光に対する変換効率が最も高いからである。
一方、光源101、102、および、301の発する光の波長は1060nmから1090nmが好ましい。この波長域は、Ybドープファイバーレーザ301での変換効率が高い領域であるため、低消費電力化が可能である。さらに好ましくは1065〜1080nmがよい。この波長域を用いれば、高い色再現性が可能となるからである。
図8および図9に、RGB同時出射可能な光源の構成例を示す。図8に示す光源においては、第1の光源部101、102、301からの1554nmの光と第2の光源部103、104、および、302からの1084nmの光を用いて、RGB同時発生を行う。
1084nmのレーザ光の一部はSHG素子501により542nmの緑色光に変換され、542nmの光は外部に取り出される。1554nmのレーザ光の一部は1084nmのレーザ光と合波されSFG素子503により和周波639nmの赤色光を発生し、赤色光は外部に取り出される。さらに、1554nmの光はSHG素子505により777nmの光に変換され、777nmの光と1084nmの光はSFG素子507によりの和周波に変換され457nmの青色光を発生する。このような構成により、2つの光源部からRGB同時発生が可能となる。
次に、図9に示す光源の構成について説明する。第2の光源部103、104、および、302から出た1554nmのレーザ光の一部はSHG素子素子511により777nmの光に変換される。777nmの光と1084nmの光の一部はSFG素子513により和周波453nmの光に変換され、453nmの光は外部に取り出される。さらに1084nmと1554nmのレーザ光の一部はSFG素子515により639nmの和周波に変換される。さらに1084nmの光はSHG素子517により542nmの緑色光に変換される。
RGBの変換効率の観点からは、図9に示す構成が好ましい。先述の通り、波長変換の効率は波長が長いほど低下する。このため、1554nmを777nmに変換する効率が最も低くなるため、最初に変換を行うことで高効率化が図れる。
これまで示したように、図7B、図8、および、図9の構成においては、RGBの同時出力が可能である。これより、RGB光源の出力切り替え方式について説明する。
RGB光の発生が可能な光源を、レーザディスプレイ等に使用する場合、RGBの出力をそれぞれ切り替えて使用することで、低消費電力化が可能となる。ここでは、出力を切り替える方法について説明する。緑色光に関しては、1540nm近傍の基本波発生を止めることで(第2の光源部103、104、および、302の出力の停止で)、和周波が発生しなくなるため、波長1080nmの基本波のSHG光である540nmの緑色光を効率よく取り出すことができる。つまり、緑色光の発生は、1540nmの基本波のon/offで切り替え可能である。
一方、青色と赤色の切り替えであるが、波長1540nmと1080nmの基本波は同時に発生させた状態で、波長1540nmの基本波をSHG光に変換する波長変換素子(例えば、SHG素子505)により切り替え可能となる。SHG素子の入れ替え、電界印加、または、温度制御等により位相整合条件をずらすことで、770nmのSHG光発生強度を制御することができ、青色と赤色の切り替えが可能となる。770nmの光がon(発生強度が大きい)時は450nm近傍の青色光発生が強くなり、off(発生強度が小さい)時は、波長640nm近傍の赤色光発生が強くなる。上記方法によりRGBの強度切り替えが可能となり、出力のバランスを取る場合の調整も可能となる。またRGBのうち赤緑、青緑、赤青等の2色光のみ発生する場合にも同様の手法で切り替えが可能となる。
さらに、分極反転構造をもちいれば、RGB発生に必要な、2つの第2高調波発生素子と2つの和周波発生素子を1つの基板にモノリシックに形成することも可能である。光源の簡素化、小型化が可能となる。
本発明による光源を、カラーディスプレイに用いるRGB光源として利用する場合、RGBを出力切り替えして出力することが望まれる。R,G,Bのそれぞれの画像を時間毎に切り替えることで、カラー画像を構成することができる。この場合、光源としてはRGB出力を切り替えることで、画像変換部である、単一の画像変換素子を用いてカラー画像に変換できる。
本発明の構成では1554nmの光の発生をスイッチングすると、1554nmの光がonの場合はRGB同時出力、offの場合は542nmの緑色のみ出力することになる。このように、光源の出力を切り替えて使用することで、効率よく画像出力が可能となる。
さらにカラー画像を構成する場合、緑色の輝度が最も必要とされる。図10Aは、第1の光源部101、102、301のon/offパターン例601および第2の光源部103、104、および、302のon/offパターン例603を示す。図10Bは、2つの駆動電源109bがそれぞれ、マスター光源101またはポンプ光源102をパターン601で駆動し、マスター光源103またはポンプ光源104をパターン603で駆動する様子を示す図である。このようにして2つの光源部を駆動すれば、パターン601および603が同時にonになっている間、2つの光源部は共にon状態となり、RGBの同時発光が可能となる。一方、パターン601がoffかつパターン603がonになっている間は、緑色の単独発光が可能となる。従って、本発明の構成でRGBの同時発生と緑色の単独発生を切り替えることで、緑の積算光量が増加し、より輝度の高い像が実現できる。
さらに1554nmの光源をon/offして出力を切り替える場合、図8の構成に比べて、図9の構成では、より効率よく緑色光を取り出すことが可能となる。1554nmの光出力をoffにした場合、1084nmの光は途中の素子で変換されなくなり、SHG素子517に直接到達する。このため1084nmの光の変換ロスが低下し、SHG素子517において高効率で緑色光発生が可能となる。一方、1554nmがonの場合、緑色光を発生する前にB,Rを出力できるため、高効率で波長変換が行え、光源の利用効率が高くなる。以上の理由で基本波を切り替えて出力する場合は、緑色光をより効率的に取り出すことが可能となる。
同様の利点が図7Bでも利用できる。緑色発生用のSHG素子403を最終段に配置することで、1064nmと1554nmの出力を切り替えてRGB同時発生と緑色光で切り替える場合に緑色発生の効率を高くできる。
(第3の実施形態)
ここでは、ファイバー増幅器(ポンプ光源およびドープファイバー)をモノリシック化した構成を有する光源について説明する。本実施形態においては、ファイバー増幅器としてErとYbを同時にドープしたドープファイバー204を用いる。ドープファイバー204は、波長975nmまたは915nmのポンプ光源102でポンプすることによりファイバー増幅器として機能する。このファイバー増幅器は1540nm近傍および1080nm近傍の波長域で増幅作用を示す。このファイバー増幅器にマスター光源101、103より光を入力すると、マスター光源の波長がドープファイバー204により増幅される。例えば、マスター光源101を波長1080nm近傍の光源とし、マスター光源103を1540nm近傍の光源とすると一のドープファイバー204により異なる波長の光を発振することができる。図11の構成では、マスター光源103、101を同時に発光させることで、ドープファイバー204から、1540nm、1080nmの波長を有する光を同時に出射することが可能である。これをSHG素子107とSFG素子108により波長変換することで、第1の実施形態にて説明した波長変換素子構成で青色のSFG光110を発生することが可能となる。ファイバーレーザを一体化することでファイバーからのレーザ光を合波する光学系が不要となり、光学系の簡素化、小型化、低コスト化が可能となる。
さらに、緑色光発生にも利用できる。図12Aは本発明の他の構成のコヒーレント光源である。上記構成にSHG素子403を加え、波長1080nmの基本波201を波長540nmの緑色光405に変換している。本構成の光源は、青色光、緑色光の同時発生が可能である。さらに、2つの光は同軸で発生するため、レーザ光を利用する光学系が非常に簡素になるという効果を奏する。
図12Bは、図12Aに示す光源を構成する波長変換素子の一部に、SFG素子406をさらに加えた波長変換素子を有する光源の構成図である。このような構成にすることにより、上述のように、RGBの同時発光が可能な光源が構成される。
図13は、波長板2002を有する光源の構成図である。本構成の光源は、Er/Ybドープファイバー204において、1064nmと1550nmの光を同時に発生し、波長変換素子部である素子401、402、403、および、406によりRGBの3色に変換する光源である。ファイバーレーザ204で2波長を同時に発生するため、ポンプレーザによるゲインを2つの波長の発振が取り合うことになり、発振が不安定になる場合がある。これを防止する方法としては、2つのマスター光源101および103の光の偏光方向を直交させ、互いの干渉を防止することが好ましい。本構成においては、ファイバー204は偏波保存ファイバーであることが好ましい。なぜならば、直交する2つの偏光が互いに干渉しないことが好ましいからである。マスター光源101、および、103からの光を、互いに直交する偏光として入力することで、1550nmと1064nmの光は、互い直交する偏光として発振し、出力の安定化が図れる。しかし、波長変換素子に入力する際には、2つの光を同一偏光にする必要があるので、波長板2002を、光源部と波長変換部との間に挿入し、2つの波長の偏光を同一偏光に変換して波長変換素子に入射する。
図14は、2つの、波長の異なるポンプ光源を用いる光源の構成図である。ポンプ光源102は、波長915nm、ポンプ光源1002は波長1480nmの光源である。ポンプ光源102は1550、および、1064nmの両方の発光ゲインを励起するが、1480nmの光は1550nmのみの励起作用を有する。このため、ポンプ光源102および1002のそれぞれのパワーを制御することで1064nmと1550nmの光の発生を制御し安定化が図れる。
なお、ポンプ光源1002の波長としては1480nm以外に920−970nmの領域も利用できる。
なお、ファイバー204としては偏波保存ファイバーを用い、1550、および、1064nmの2波長の偏光を分離することでより安定な2波長発生が可能となる。
なお、本発明の構成は、ポンプレーザにより励起されたファイバーに2つの波長の異なるマスターレーザを用いた構成であるが、その他、さらに異なる波長の光を発するマスターレーザを含む構成も有効である。例えば、波長1080nmの光を発する光源に加えて波長1040nmの光を発する光源を加え、波長1040nmの光を受けて、その第2高調波を発生する波長変換素子を追加することにより、上記に加えて波長520nmのSHG光を発生させることができる。マスター光源の発する光の波長の種類を増加させれば、本光源の出射可能な光の波長の種類を増加させることができ、マスター光源が発する光の波長を切り換えることで発生する光の波長を切り換えることも可能となる。本光源により発生する光の波長を多様に切換可能とすれば、本光源をディスプレイ装置の光源として用いた場合、ディスプレイ装置の表現可能な色範囲を拡大することができる。
なお、本実施形態は、マスターレーザの光をファイバーにより増幅する構成を有する。しかしながら、本発明は、そのような構成に限定されず、ファイバーグレーティングを用いた共振器によるレーザ発振を行う構成も含む。この共振器は、ファイバーレーザの互いに離れた2カ所にファイバーグレーティングを備える構成を有し、これらファイバーグレーティングの間で光を共振させることが可能である。そのため、ポンプレーザのみで2つの波長のレーザ発振が可能である。このようなグレーティングを用いてレーザの共振を行う場合は、マスター光源は不要である。よって、本光源の構成の簡素化、および、低コスト化に有効である。これらファイバーグレーティングは、所望の2つの異なる波長でブラッグ反射が生じるように異なる周期のグレーティング構造を備えることが好ましい。共振構造を有するファイバーレーザの場合、ファイバーレーザは、偏端保存ファイバーを用い、異なる偏光方向に異なる波長の光を励起する構成が望ましい。ひとつのファイバー内で2つの波長が励起されるとファイバーのゲインを互いに奪い合うことがあるが、偏向方向が異なるように励起すれば、ゲインの奪い合いが抑止され、出力の安定した2波長発振が可能になる。
さらに、後述するが、本発明のコヒーレント光源をレーザディスプレイ装置に利用する場合でも有利である。その理由の一つには、光源の光軸が一致している点が挙げられる。光軸が一致していることで、RGB光源を用いてディスプレイを構成する光学系が簡素化される。もう一つの点は、レーザディスプレイを構成する場合、RGB(赤、青、緑)の3原色光源を利用するが、光源としては、同時に発生する場合と、それぞれを単独で光らせて、繰り返し交互に光らせる場合とで、レーザに利用効率を向上させることが可能となる。また、DMDまたは反射型液晶パネルを用いて画像変換する場合に、RGB光を切り替えることで、パネルの単板化が可能となり小型化、低コスト化が可能となる。本発明の構成はこの順次点灯に有効である。外部変調器で光源の出力を変調する場合では、RGBの3原色光は連続発振しているため、この順次点灯方式を用いた場合の3倍の消費電力が必要となる。本発明で青、緑の順次点灯を行う場合、まず、緑色光を出すときは波長1540nm近傍マスター光源103を停止する。するとファイバーからは1080nm近傍の光のみが出射されて波長540nmの緑色のSHG光405のみが出射される。また青色光を出す場合、マスター光源101、103を同時に発光させる。この場合では、青色光のみを出射することは難しいがSFG素子402の変換効率を向上することで緑色光の発生を大幅に低減できる。マスター光源101、103の切り替えで青色、緑色光の発生を切り替えることができるため、青、緑の順次点灯が可能となり、消費電力を大幅に低減できる。
(第4の実施形態)
ここでは、本発明にかかる実施形態であるコヒーレント光源を用いた光学装置であるレーザディスプレイについて説明する。
RGBレーザを用いれば、色再現性の高いディスプレイが実現できる。しかしながら、レーザ光源としては、赤色半導体レーザは高出力のものが開発されているが、青色に関しては高出力化が実現しておらず、緑色に関しては半導体レーザの形成が難しい。そこで波長変換を利用した緑および青色光源が必要となる。本発明のコヒーレント光源はファイバーレーザを用いて高出力化が容易であるため、大画面のレーザディスプレイが実現できる。ファイバーレーザを用いた光源として、緑、青、または赤、緑、青の同時発生光源を利用することができる。
図15は、これらの光源801を備え、2次元スイッチである液晶パネルすなわち画像変換部により2次元的な光の強度分布を制御し、つまり、画像変換を行い、スクリーン上に映像を投影するレーザディスプレイの構成図である。コヒーレント光源801から出射された光はコリメート光学系802、インテグレータ光学系803を通って、拡散板804を通過した後、液晶パネル805により画像変換され、投影レンズ807によりスクリーン806に投影される。拡散板は揺動機構により位置変動しており、スクリーン上で発生するスペックルノイズを低減している。本発明のコヒーレント光源は外部の温度変化に対しても安定した出力が得られるため、高出力で安定な映像が実現できた。また、高いビーム品質のため、光学系の設計を容易にし、小型化、簡素化が可能である。
なお、2次元スイッチとしては、液晶パネル以外にも、反射型液晶スイッチ、DMDミラー等の利用も可能である。
また、本発明にかかるレーザディスプレイ装置として、図16に示す方式も有効である。コヒーレント光源901から出射したレーザ光はミラー902、903で走査することによりスクリーン上に2次元的な画像を描く。この場合にはレーザ光源に高速なスイッチ機能があればなおよい。本発明のいずれかの実施形態によるコヒーレント光源901は、高出力化が可能であり、出力安定化に優れる。温度制御素子はなくとも、または、簡易な温度制御によっても、安定した出力が得られる。
またビーム品質が高いため、走査光学系の小型化、簡素化が可能である。またビーム走査光学系としてはMEMSを利用した小型走査装置も利用できる。高いビーム品質は集光特性、コリメート特性に優れ、MEMS等の小型ミラーも利用可能となる。これによって、走査型のレーザディスプレイが実現できる。
また、本発明にかかるレーザディスプレイ装置として、図17に示す方式も有効である。図示しない本発明によるコヒーレント光源より出射されたR、G、Bの3色の光は、それぞれレンズ913r、913g、および、913bに入射して拡大され、光量均一化光学系(インテグレータ)907を通った後、2次元スイッチである液晶パネル909により画像に変換され、合波プリズム911およびレンズ915を通ってスクリーン905上に映像を投影する。
なお、本発明によるコヒーレント光源を、ディスプレイ装置に用いる場合、レーザ光のコヒーレンス(可干渉性)の高さによりスペックルノイズが生じることがある。スペックルノイズは、スクリーン等で反射されたレーザ光が互いに干渉することで発生し、画質を低下させる。そのため、光源の発する光のコヒーレンスを低下させることが望ましい。
図18は、本発明によるコヒーレント光源に非線形ファイバー3007を加えた構成を示す。波長変換素子から出射されたRGB光を非線形ファイバー3007に結合、導波させる。非線形ファイバー3007を導波した光は非線形効果によりラマン散乱が発生し、発振スペクトルが拡大する。波長変換素子部401、402、403、406等に入射する前のレーザ光は変換効率を高めるため、0.1〜0.2nm程度の狭帯域特性を有することが好ましいが、波長変換素子部401、402、403、406等を出射した光は、非線形ファイバー3007により10nm程度にスペクトル拡大を行い、コヒーレンスを大幅に低下させることが望ましい。このように非線形ファイバー3007を光源の構成の一部に追加することでスペックルノイズのない高画質のディスプレイが実現可能となる。
また、光学装置としては、レーザディスプレイについて説明したが、その他、光ディスク装置や、計測装置にも有効である。光ディスク装置では、書き込み速度の高速化によりレーザ出力の向上が求められている。さらに、レーザ光には回折限界の集光特性が求められるため、シングルモード化は必須である。本発明の光源は高出力かつ、高いコヒーレンスを有するため、光ディスク等への応用にも有効である。
本発明の構成では、光源部を構成するファイバーレーザとしてポンプレーザとマスター光源を利用した構成を用いた。しかし、ファイバーレーザは、マスター光源を用いず、グレーティングファイバー(図2参照)とポンプ光源で構成することもできる。
以上述べたように、本発明のコヒーレント光源は、波長変換を利用して青色光発生を可能にする構成である。特に高出力化が容易なファイバー増幅器を利用したレーザ光源において高出力の青色光発生が可能となるためその実用効果は大きい。
さらに、2つの波長のレーザ光から、青と緑の発生、または赤青緑の同時発生および、出力の切り替えが可能となる。単一光源で高輝度のRGB光がえられるため、その実用効果は大きい。
さらに、このコヒーレント光源を用いれば、高出力の小型RGB光源が実現できるためレーザディスプレイをはじめ、光ディスク装置等各種の光学装置への応用が可能となり、その実用効果は大きい。
本発明の第1実施形態によるコヒーレント光源の構成例を示す図 ブラッググレーティングを備えたドープファイバーの構成を示す図 本発明の第1実施形態によるコヒーレント光源の構成例を示す図 本発明の第1実施形態によるコヒーレント光源の構成例を示す図 本発明の第1実施形態によるコヒーレント光源の構成例を示す図 本発明の第2実施形態によるコヒーレント光源の構成例を示す図 本発明の第2実施形態によるコヒーレント光源の構成例を示す図 本発明の第2実施形態によるコヒーレント光源の構成例を示す図 本発明の第2実施形態によるコヒーレント光源の構成例を示す図 本発明の第2実施形態によるコヒーレント光源の構成例を示す図 光源部の駆動信号の例を示す図 駆動電源と光源部との接続例を示す図 本発明の第3実施形態によるコヒーレント光源の構成例を示す図 本発明の第3実施形態によるコヒーレント光源の構成例を示す図 本発明の第3実施形態によるコヒーレント光源の構成例を示す図 本発明の第3実施形態によるコヒーレント光源の構成例を示す図 本発明の第3実施形態によるコヒーレント光源の構成例を示す図 本発明の第4実施形態による光学装置の構成例を示す図 本発明の第4実施形態による光学装置の構成例を示す図 本発明の第4実施形態による光学装置の構成例を示す図 本発明の第4実施形態による光学装置に好適なコヒーレント光源の構成例を示す図
符号の説明
101、103 ・・・ マスター光源
102、104、1002 ・・・ ポンプ光源
105、106、204、301、302 ・・・ ドープファイバー
107、303、401、403 ・・・ SHG素子
501、505、511、517 ・・・ SHG素子
108、402、406、503 ・・・ SFG素子
507、513、515 ・・・ SFG素子
109a ・・・ パルス駆動電源
109b ・・・ 駆動電源
151 ・・・ ブラッググレーティング
801 ・・・ コヒーレント光源
802 ・・・ コリメート光学系
803、907 ・・・ インテグレータ光学系
804 ・・・ 拡散板
805、909 ・・・ 液晶パネル
806 ・・・ スクリーン
807 ・・・ 投影レンズ
901 ・・・ コヒーレント光源
902、903 ・・・ ミラー
905 ・・・ スクリーン
911 ・・・ 合波プリズム
913r、913g、913b、915 ・・・ レンズ
2002 ・・・ 波長板
3007 ・・・ 非線形ファイバー
本発明にかかる実施形態による光源は、光ファイバーを備え、青色光領域のコヒーレント光を発生する光源(コヒーレント光源)である。本光源は、高出力なファイバーレーザを備え、さらに、ファイバーレーザから出射された光の波長を変換する波長変換素子により青色光領域の波長を有する光の高効率出射を可能とする構成を有する。

Claims (20)

  1. ドープファイバーを備え、前記ドープファイバーにより、第1波長の光と第2波長の光を出射する光源部と、
    前記第1波長の光を受け、前記第1波長の光よりも波長の短い光を出射する第1波長変換素子を含む波長変換素子部とを有することを特徴とするコヒーレント光源。
  2. 前記第1波長変換素子は、前記第1波長の光を受け、前記第1波長の光の第2高調波を出射することを特徴とする請求項1に記載のコヒーレント光源。
  3. さらに、前記波長変換素子部は、前記第1波長の光の第2高調波と前記第2波長の光を受け、前記第2高調波と前記第2波長の光との和周波を有する光を出射する第2波長変換素子を含むことを特徴とする請求項2に記載のコヒーレント光源。
  4. 前記光源部は、Er、または、ErとYbを含む第1のドープファイバーと、Ybを含む第2のドープファイバーを含むことを特徴とする請求項1に記載のコヒーレント光源。
  5. 前記第1波長は、1540nm近傍の波長であり、
    前記第2波長は、1080nm近傍の波長であり、
    前記波長変換素子部は、前記第1波長の光および前記第2波長の光を受け、450nm近傍の波長を有する光を出射する、ことを特徴とする請求項3に記載のコヒーレント光源。
  6. 前記波長変換素子部は、さらに、前記第2波長の光を受け、前記第2波長の第2高調波を出射する第3波長変換素子を含むことを特徴とする請求項3に記載のコヒーレント光源。
  7. 前記波長変換素子部は、さらに、前記第1波長の光と前記第2波長の光を受け、前記第1波長の光と前記第2波長の光の和周波を有する光を出射する第4波長変換素子を含むことを特徴とする請求項6に記載のコヒーレント光源。
  8. 前記第1波長変換素子は、前記第1波長の光の少なくとも一部を受け、
    前記第2波長変換素子は、前記第1波長変換素子から出射する光の少なくとも一部と前記第2波長の光の少なくとも一部を受け、
    前記第3波長変換素子は、前記第2波長の光の少なくとも一部を受けることを特徴とする、請求項6に記載のコヒーレント光源。
  9. 前記第1波長変換素子は、前記第1波長の光の少なくとも一部を受け、
    前記第2波長変換素子は、前記第1波長変換素子から出射する光の少なくとも一部と前記第2波長の光の少なくとも一部を受け、
    前記第3波長変換素子は、前記第2波長の光の少なくとも一部を受け、さらに、
    前記第4波長変換素子は、前記第1波長の光の少なくとも一部と、前記第2波長の光の少なくとも一部とを受けることを特徴とする、請求項7に記載のコヒーレント光源。
  10. 前記第1波長変換素子および前記第2波長変換素子の少なくとも一方は、周期状分極反転構造を備えるMgドープLiNbO3、MgドープLiTaO3、KTiOPO4、ストイキオメトリック組成のMgドープLiNbO3、および、ストイキオメトリック組成のMgドープLiTaO3の少なくともひとつを含むことを特徴とする請求項3に記載のコヒーレント光源。
  11. 前記光源部は、さらに、前記ドープファイバーに入射される光を発生するマスター光源を有することを特徴とする請求項1に記載のコヒーレント光源。
  12. 前記光源部は、パルス状の光源部駆動用エネルギを供給する駆動装置と接続可能であることを特徴とする請求項11に記載のコヒーレント光源。
  13. 前記光源部は、2つのドープファイバーと2つのマスター光源を備え、
    前記2つのマスター光源は、前記駆動装置と接続可能であり、同一の周期および位相を有するパルス状のエネルギの供給を受けて動作することを特徴とする請求項12に記載のコヒーレント光源。
  14. 前記ドープファイバーは、Yb、Er、Er/Yb、Nd、Pr、Cr、Ti、V、および、Hoの少なくともいずれか1つの元素を含むことを特徴とする請求項1に記載のコヒーレント光源。
  15. 前記第1波長変換素子と、前記第2波長変換素子とは、単一の非線形光学結晶構造を有することを特徴とする請求項3に記載のコヒーレント光源。
  16. 前記光源部は、単一のドープファイバーを備えることを特徴とする請求項1に記載のコヒーレント光源。
  17. 前記ドープファイバーは、Er/Ybドープファイバーであることを特徴とする請求項16に記載のコヒーレント光源。
  18. 前記2つのマスター光源のうち少なくともひとつは、半導体レーザ光源であることを特徴とする請求項13に記載のコヒーレント光源。
  19. さらに、前記波長変換素子部の出射する光を受ける光ファイバーを有することを特徴とする請求項1に記載のコヒーレント光源。
  20. ドープファイバーを備え、前記ドープファイバーにより、第1波長の光と第2波長の光を出射する光源部と、前記第1波長の光を受け、前記第1波長の光よりも波長の短い光を出射する第1波長変換素子を含む波長変換素子部とを有するコヒーレント光源と、
    前記コヒーレント光源の出射する光を受け、前記コヒーレント光源の出射する光の2次元的強度分布を制御する画像変換部を有することを特徴とする光学装置。
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