JPWO2006004174A1 - C70フラーレンチューブとその製造方法 - Google Patents
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Abstract
C70フラーレン分子からなる中空構造部を持つ細線であることとする。各種の化学物質を収容するためのカプセルや反応場、ガス吸着剤、触媒担持材料、電極材料などに有用な新しい機能性材料とその製造方法とする。
Description
この出願の発明は、C70フラーレンチューブとその製造方法に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、触媒担持性能を有する新規なC70フラーレンチューブとその製造方法に関するものである。
フラーレンの存在は1985年に外国の研究者によって実験的に証明されたが、その構造モデルは、すでに1970年に日本において知られていた。このように、これまでフラーレンの研究では日本は常に世界をリードしてきた。代表的なフラーレンとしてはC60が知られているが、C60以外にもC70、C76、C78、C82、C84、C240、C540、C720等の種々のフラーレンが知られている。このフラーレンの分野における技術の進歩は極めて速く、新しいフラーレン系の化合物が次々と紹介されている。最近では、代表的なフラーレンであるC60結晶を真空熱処理することによってフラーレンや非晶質炭素からなる殻(シェル)構造を生成する方法(非特許文献1)や、液−液界面析出法によってフラーレンウィスカー(炭素細線)を作製する方法等もこの出願の発明者によって提案されている(たとえば、特許文献1および非特許文献2,3)。
特開2003−1600号公報 H.Sakuma,M.Tachibana,H.Sugiura,K.Kojima,S.Ito,T.Sekiguchi,Y.Achiba,J.Mater.Res.,12(1997)1545. K.Miyazawa,Y.Kuwasaki,A.Obayashi and M.Kuwabara,″C60 nanowhiskers formed by the liquid−liquid interfacial precipitation method″,J.Mater.Res.,17[1](2002)83. Kun´ichi Miyazawa″C70 Nanowhiskers Fabricated by Forming Liquid/Liquid Interfaces in the Systems of Toluene Solution of C70 and Isopropyl Alcohol″,J.Am.Ceram.Soc.,85[5](2002)1297.
しかしながら、発明者が提案した上記の材料については、今後の大きな発展が期待されているものの、より最良のものへのアプローチは依然として未踏のものであった。
そこで、この出願の発明は、以上のとおりの背景よりなされたものであって、各種の化学物質を収容するためのカプセルや反応場、ガス吸着剤、触媒担持材料、電極材料などに有用な新しい機能性材料とその製造方法を提供することを課題としている。
この出願の発明は、上記の課題を解決するものとして、第1には、C70フラーレン分子からなる中空構造部を持つ細線であることを特徴とするC70フラーレンチューブを提供する。
第2には、上記のC70フラーレンチューブにおいて、C60フラーレン、C70以外の高次のフラーレン、フラーレン誘導体、金属内包フラーレンのうち少なくともいずれかのフラーレン分子が含まれることを特徴とするC70フラーレンチューブを提供する。
第3には、上記第2のC70フラーレンチューブにおいて、C60フラーレン分子とC70フラーレン分子の2成分から構成され、C60フラーレン分子とC70フラーレン分子の組成がC60xC70(1−x)(0<x<1)であることを特徴とするC70フラーレンチューブを提供する。
第4には、上記のC70フラーレンチューブの端部が閉鎖または開口していることを特徴とするC70フラーレンチューブを提供する。
第5には、上記のC70フラーレンチューブの壁厚が1〜500nmの範囲であることを特徴とするC70フラーレンチューブを提供する。
第6には、上記のC70フラーレンチューブの壁厚が95〜130nmの範囲であることを特徴とするC70フラーレンチューブを提供する。
第7には、C70フラーレン分子からなる中空構造部を持つ細線であるC70フラーレンチューブの製造方法であって、少なくとも、以下の工程を含むことを特徴とするC70フラーレンチューブの製造方法を提供する。
(A)C70フラーレン分子を第1溶媒に溶解した溶液に、前記第1溶媒よりもC70フラーレン分子の溶解能の低い第2溶媒を添加する工程
(B)前記溶液と前記第2溶媒との間に液−液界面を形成させる工程
(C)前記液−液界面にてC70細線を析出させる工程
(D)前記C70細線を内部選択溶解させる工程
第8には、C70フラーレン分子からなる中空構造部を持つ細線であるC70フラーレンチューブの製造方法であって、少なくとも、以下の工程を含むことを特徴とするC70フラーレンチューブの製造方法を提供する。
(A)C60フラーレン、C70以外の高次のフラーレン、フラーレン誘導体、金属内包フラーレンのうち少なくともいずれかのフラーレン分子とC70フラーレン分子を第1溶媒に溶解した溶液に、前記第1溶媒よりも前記フラーレン分子とC70フラーレン分子の溶解能の低い第2溶媒を添加する工程
(B)前記溶液と前記第2溶媒との間に液−液界面を形成させる工程
(C)前記液−液界面にて前記フラーレン分子とC70フラーレン分子から構成されるC70細線を析出させる工程
(D)前記C70細線を内部選択溶解させる工程
また、この出願の発明は、第9には、上記のC70フラーレンチューブの製造方法において、第1溶媒がピリジン、第2溶媒がイソプロピルアルコールであることを特徴とするC70フラーレンチューブの製造方法を提供する。
そこで、この出願の発明は、以上のとおりの背景よりなされたものであって、各種の化学物質を収容するためのカプセルや反応場、ガス吸着剤、触媒担持材料、電極材料などに有用な新しい機能性材料とその製造方法を提供することを課題としている。
この出願の発明は、上記の課題を解決するものとして、第1には、C70フラーレン分子からなる中空構造部を持つ細線であることを特徴とするC70フラーレンチューブを提供する。
第2には、上記のC70フラーレンチューブにおいて、C60フラーレン、C70以外の高次のフラーレン、フラーレン誘導体、金属内包フラーレンのうち少なくともいずれかのフラーレン分子が含まれることを特徴とするC70フラーレンチューブを提供する。
第3には、上記第2のC70フラーレンチューブにおいて、C60フラーレン分子とC70フラーレン分子の2成分から構成され、C60フラーレン分子とC70フラーレン分子の組成がC60xC70(1−x)(0<x<1)であることを特徴とするC70フラーレンチューブを提供する。
第4には、上記のC70フラーレンチューブの端部が閉鎖または開口していることを特徴とするC70フラーレンチューブを提供する。
第5には、上記のC70フラーレンチューブの壁厚が1〜500nmの範囲であることを特徴とするC70フラーレンチューブを提供する。
第6には、上記のC70フラーレンチューブの壁厚が95〜130nmの範囲であることを特徴とするC70フラーレンチューブを提供する。
第7には、C70フラーレン分子からなる中空構造部を持つ細線であるC70フラーレンチューブの製造方法であって、少なくとも、以下の工程を含むことを特徴とするC70フラーレンチューブの製造方法を提供する。
(A)C70フラーレン分子を第1溶媒に溶解した溶液に、前記第1溶媒よりもC70フラーレン分子の溶解能の低い第2溶媒を添加する工程
(B)前記溶液と前記第2溶媒との間に液−液界面を形成させる工程
(C)前記液−液界面にてC70細線を析出させる工程
(D)前記C70細線を内部選択溶解させる工程
第8には、C70フラーレン分子からなる中空構造部を持つ細線であるC70フラーレンチューブの製造方法であって、少なくとも、以下の工程を含むことを特徴とするC70フラーレンチューブの製造方法を提供する。
(A)C60フラーレン、C70以外の高次のフラーレン、フラーレン誘導体、金属内包フラーレンのうち少なくともいずれかのフラーレン分子とC70フラーレン分子を第1溶媒に溶解した溶液に、前記第1溶媒よりも前記フラーレン分子とC70フラーレン分子の溶解能の低い第2溶媒を添加する工程
(B)前記溶液と前記第2溶媒との間に液−液界面を形成させる工程
(C)前記液−液界面にて前記フラーレン分子とC70フラーレン分子から構成されるC70細線を析出させる工程
(D)前記C70細線を内部選択溶解させる工程
また、この出願の発明は、第9には、上記のC70フラーレンチューブの製造方法において、第1溶媒がピリジン、第2溶媒がイソプロピルアルコールであることを特徴とするC70フラーレンチューブの製造方法を提供する。
図1は、この出願の発明の実施例1において製造されたC70フラーレンチューブのTEM像である。
図2は、図1のC70フラーレンチューブを拡大したTEM象である。
図3は、C70フラーレンチューブの壁の高分解能TEM像である。
図4は、(a)C70フラーレンチューブと(b)C70粉末の高速フーリエ変換赤外分光(FT−IR)スペクトルである。
図5は、この出願の発明の実施例1において製造された別のC70フラーレンチューブのTEM像である。
図6は、この出願の発明の実施例2におけるC70フラーレンチューブの光学顕微鏡写真である。
図7は、(a)大気中常温乾燥したC70フラーレンチューブと(b)C70粉末の高速フーリエ変換赤外分光(FT−IR)スペクトルである。
図8は、この出願の発明の実施例2におけるC70フラーレンチューブのTEM像である。
図9は、この出願の発明の実施例2におけるC70フラーレンチューブの高分解能TEM像である。
図10は、この出願の発明の実施例3において製造されたC60フラーレン分子とC70フラーレン分子の2成分から構成されるC70フラーレンチューブのTEM像である。
図11は、(a)C60フラーレン分子とC70フラーレン分子の2成分から構成されるC70フラーレンチューブと(b)このフラーレンチューブの作製に用いたC60−27mass%C70原料粉末の高速フーリエ変換赤外分光(FT−IR)スペクトルである。
図12は、この出願の発明の実施例3におけるC60フラーレン分子とC70フラーレン分子の2成分から構成されるC70フラーレンチューブの高分解能TEM像である。
図13は、この出願の発明の実施例4において製造されたC60フラーレン分子とC70フラーレン分子の2成分から構成されるC70フラーレンチューブのTEM像である。
図14は、C70フラーレンチューブの内径(y,nm)と外径(x,nm)の関係を示した図である。
図2は、図1のC70フラーレンチューブを拡大したTEM象である。
図3は、C70フラーレンチューブの壁の高分解能TEM像である。
図4は、(a)C70フラーレンチューブと(b)C70粉末の高速フーリエ変換赤外分光(FT−IR)スペクトルである。
図5は、この出願の発明の実施例1において製造された別のC70フラーレンチューブのTEM像である。
図6は、この出願の発明の実施例2におけるC70フラーレンチューブの光学顕微鏡写真である。
図7は、(a)大気中常温乾燥したC70フラーレンチューブと(b)C70粉末の高速フーリエ変換赤外分光(FT−IR)スペクトルである。
図8は、この出願の発明の実施例2におけるC70フラーレンチューブのTEM像である。
図9は、この出願の発明の実施例2におけるC70フラーレンチューブの高分解能TEM像である。
図10は、この出願の発明の実施例3において製造されたC60フラーレン分子とC70フラーレン分子の2成分から構成されるC70フラーレンチューブのTEM像である。
図11は、(a)C60フラーレン分子とC70フラーレン分子の2成分から構成されるC70フラーレンチューブと(b)このフラーレンチューブの作製に用いたC60−27mass%C70原料粉末の高速フーリエ変換赤外分光(FT−IR)スペクトルである。
図12は、この出願の発明の実施例3におけるC60フラーレン分子とC70フラーレン分子の2成分から構成されるC70フラーレンチューブの高分解能TEM像である。
図13は、この出願の発明の実施例4において製造されたC60フラーレン分子とC70フラーレン分子の2成分から構成されるC70フラーレンチューブのTEM像である。
図14は、C70フラーレンチューブの内径(y,nm)と外径(x,nm)の関係を示した図である。
この出願の発明は上記のとおりの特徴をもつものであるが、以下にその実施の形態について説明する。
この出願の発明のC70フラーレンチューブは、C70フラーレン分子からなる中空構造部を持つ細線である。また、C70フラーレンチューブには、C70フラーレン分子以外に、例えばC60フラーレン、C70以外の高次のフラーレン、フラーレン誘導体、金属内包フラーレンのうち少なくともいずれかのフラーレン分子が含まれていてもよい。特に、C60フラーレン分子とC70フラーレン分子の2成分から構成され、C60フラーレン分子とC70フラーレン分子の組成がC60xC70(1−x)(0<x<1)のC70フラーレンチューブであってもよい。フラーレン誘導体としては、各種のフラーレン(C60、C70、C82など)に各種の官能基を結合したもの、金属内包フラーレンとしては、それらフラーレン誘導体に各種の金属を内包させたものであってよい。具体的には、C60、C70、C82を初めとするフラーレンに、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリール基、アシル基、アセチル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン基、シアノ基、アミノ基、イミノ基、ニトロ基、メルカプト基、アルキルチオ基、スルホニル基、アシル基などの置換基を1つ以上有するもの、あるいは、それらがさらに、遷移金属や希土類金属を内包するものが例示される。中でも、C60のマロン酸ジエチルエステル誘導体、C60のN−メチルピロリジン誘導体、C60のフェロセン誘導体、およびC60の白金誘導体が好ましいものとして挙げられる。
この出願の発明のC70フラーレンチューブは、様々な直径および長さのものとすることができるが、とくに直径が5nm〜100μm、壁厚が1nm〜1μmで、アスペクト比(長さ/直径)が2以上のものとして得ることが可能である。なかでも壁厚が1nm〜500nmの範囲のもの、とくには壁厚が95〜130nmの範囲で直径が約200nm以上のものを得ることができる。このうち直径が1μm未満のC70フラーレンチューブをC70ナノチューブと呼ぶことができる。また、この出願の発明のC70フラーレンチューブは、後述の実施例からも明らかなように、C70フラーレン分子(およびC70以外のフラーレン、フラーレン誘導体、金属内包フラーレン)が整然と配列しており、成長軸方向に最密充填している。
この出願の発明のC70フラーレンチューブは、上記のようにC70フラーレン分子からなる中空構造部を持つ細線であるが、その両端部が閉じていても、開いていてもよく、一端のみが閉じていてもよい。また、中空構造が細線の一部にできているものであってもよい。
以上のような構造を有するC70フラーレンチューブは、その内部に様々な物質を取り込むことができる。この物質としては、例えば、シリコン、チタニア、ガラス微粒子、半導体、高分子、フラーレン、カーボンナノチューブなどの固体や、アルコール、トルエンなどの液体、酸素、水素などの気体が挙げられる。また、この出願の発明のC70フラーレンチューブは、酸素、水素などの炭素以外の元素を表面に含んでいてもよい。
このようなC70フラーレンチューブは、軽量で、大比表面積を得ることができ、C70フラーレン分子(およびC70以外のフラーレン、フラーレン誘導体、金属内包フラーレン)の機能を発現できる空間が大きいので、C70フラーレン分子(およびC70以外のフラーレン、フラーレン誘導体、金属内包フラーレン)の優れた機能を最大限に発揮できる可能性を持つことができる。また、C70フラーレンチューブは、全く新しい形状のフラーレンであり、化学的処理によって多様な誘導体合成するための前駆体として用いることができる。さらに、上述したように内部に様々な物質を導入する他、機能物質を導入することによって、発光や磁性機能を付与した従来にない性能を発揮することができるので、電気・電子産業、自動車産業、機械産業、宇宙航空産業、医薬品産業、エネルギー産業等、幅広い分野においての利用や応用が期待されるものである。具体的には、触媒、触媒担体、水素吸蔵体、抗菌材料、活性酸素消去材料、医薬品、フィルター、ガス分離材、ガス吸着材、太陽電池材料、低次元有機半導体、内部充填テンプレート、メゾポーラス材料、インクジェットプリンター用ノズル等としての利用が考慮される。
この出願の発明は、C70フラーレン分子からなる中空構造部を持つ細線であるC70フラーレンチューブの製造方法をも提供する。具体的には、少なくとも、以下の工程を含むものである。
(A)C70フラーレン分子を第1溶媒に溶解した溶液に、前記第1溶媒よりもC70フラーレン分子の溶解能の低い第2溶媒を添加する工程(B)前記溶液と前記第2溶媒との間に液−液界面を形成させる工程(C)前記液−液界面にてC70細線を析出させる工程(D)前記C70細線を内部選択溶解させる工程により、中空構造部を持つC70フラーレンチューブが得られる。
この出願の発明のC70フラーレンチューブの製造方法では、C70フラーレン分子とともに原料として、例えばC60フラーレン、C70以外の高次のフラーレン、フラーレン誘導体、金属内包フラーレンのうち少なくともいずれかのフラーレン分子(以下、「フラーレン分子」とする)を用いてもよい。この場合に製造されるC70フラーレンチューブは、C70フラーレン分子とともにフラーレン分子が含まれ、これらの分子から構成される。特にC60フラーレン分子を原料として用いた場合には、C60フラーレン分子とC70フラーレン分子の2成分から構成され、C60フラーレン分子とC70フラーレン分子の組成がC60xC70(1−x)(0<x<1)のC70フラーレンチューブが得られる。フラーレン誘導体としては、各種のフラーレン(C60、C70、C82など)に各種の官能基を結合したもの、金属内包フラーレンとしては、それらフラーレン誘導体に各種の金属を内包させたものであってよい。具体的には、C60、C70、C82を初めとするフラーレンに、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリール基、アシル基、アセチル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン基、シアノ基、アミノ基、イミノ基、ニトロ基、メルカプト基、アルキルチオ基、スルホニル基、アシル基などの置換基を1つ以上有するもの、あるいは、それらがさらに、遷移金属や希土類金属を内包するものが例示される。中でも、C60のマロン酸ジエチルエステル誘導体、C60のN−メチルピロリジン誘導体、C60のフェロセン誘導体、およびC60の白金誘導体が好ましいものとして挙げられる。
この出願の発明において、C70フラーレン分子(およびフラーレン分子)を溶解する第1溶媒は、C70フラーレン分子(およびフラーレン分子)を溶解できるものであればよく、とくに限定されない。なかでも、C70フラーレン分子(およびフラーレン分子)の溶解能が高い良溶媒として、ピリジンが挙げられる。
このとき、C70フラーレン分子(およびフラーレン分子)溶液は、飽和溶液であっても、未飽和溶液であってもよいが、とくに飽和溶液を用いることが好ましい。飽和溶液を用いた場合には、C70細線(C70フラーレン分子とフラーレン分子から構成されるC70細線)が効率的に析出される。第1溶媒には、C70細線(C70フラーレン分子とフラーレン分子から構成されるC70細線)の析出を妨げないものであれば、C70細線(C70フラーレン分子とフラーレン分子から構成されるC70細線)の溶解能を高めるための添加剤を加えてもよい。
この出願の発明のC70フラーレンチューブの製造方法において、第2溶媒は、C70フラーレン分子(およびフラーレン分子)を溶解する第1溶媒とは異なる種類の溶媒系であればよい。このような第2溶媒は、C70フラーレン分子(およびフラーレン分子)の溶解能が小さい貧溶媒であればよく、そのような溶媒系として、極性溶媒が挙げられる。具体的には、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、およびペンタノール等のアルコール系溶媒、及びエチレングリコール等の多価アルコールが例示される。
また、第2溶媒には、C70細線(C70フラーレン分子とフラーレン分子から構成されるC70細線)の析出を促進する第2溶媒以外の物質を助剤として添加してもよい。たとえば、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、アルカリ金属元素またはアルカリ土類金属元素の水酸化物、アルコキシド、その他の有機・無機化合物などを単独もしくは複数種添加してもよい。これらを添加することによってC70細線(C70フラーレン分子とフラーレン分子から構成されるC70細線)の成長を促進させることができる。この理由としては以下のように考えられる。C70フラーレン分子(およびフラーレン分子)は高い電子親和力を持っているので、電子を放出しやすい元素からの電荷移動によって、C70フラーレン分子(およびフラーレン分子)の荷電状態が変化する。C70フラーレン分子(およびフラーレン分子)の周りの電子密度の変化は、C70フラーレン分子(およびフラーレン分子)間の化学結合の状態に影響するので、C70細線(C70フラーレン分子とフラーレン分子から構成されるC70細線)の成長機構に影響が生じる。したがって、適度な濃度のアルカリ金属元素やアルカリ土類金属元素などを第2溶媒に添加することで、C70細線(C70フラーレン分子とフラーレン分子から構成されるC70細線)の成長をより促進させることができる。
この出願の発明のC70フラーレンチューブの製造方法では、C70フラーレン分子(およびフラーレン分子)の溶液と第2溶媒との間に液−液界面を形成し、この液−液界面を利用して、C70フラーレン分子(およびフラーレン分子)の溶液から、C70細線(C70フラーレン分子とフラーレン分子から構成されるC70細線)を析出させることができる。
このような液−液界面は、第1溶媒と第2溶媒とを互いに混じり合わない種類の溶媒系とすることにより形成することができる。また、液−液界面は、第1溶媒と第2溶媒とが永久に分離するように形成させる必要はなく、静置の最中に混和してもよい。したがって、特に好ましい溶媒の組合せとして、例えば、第1溶媒をピリジン、第2溶媒をイソプロピルアルコールとする組合せが挙げられる。
さらに、液−液界面は、C70フラーレン分子(およびフラーレン分子)の溶液に第2溶媒を静かに添加することによって形成することができる。この手法は、第1溶媒と第2溶媒とが、少なくとも一部において互いに混ざり合う種類の溶媒系で構成される場合、特に有効である。C70フラーレン分子(およびフラーレン分子)の溶液に第2溶媒を静かに添加する方法としては、第2溶媒を、C70フラーレン分子(およびフラーレン分子)の溶液を入れた容器の壁面を伝わせて加える方法(壁法)が挙げられる。あるいは、C70フラーレン分子(およびフラーレン分子)の溶液を入れた容器に、第2溶媒を静かに滴下する方法(滴下法)を適用してもよい。
液−液界面を形成させた後、液温を3℃〜30℃に保ち、1日〜1ヶ月以上静置して、C70細線(C70フラーレン分子とフラーレン分子から構成されるC70細線)を析出させる。そして、この間にC70細線(C70フラーレン分子とフラーレン分子から構成されるC70細線)の内部が選択溶解して、中空構造部を持つC70フラーレンチューブを得ることができる。C70細線(C70フラーレン分子とフラーレン分子から構成されるC70細線)の内部を効率的に選択溶解させるためには、常温付近の温度で静置されることが考慮される。
以上の方法で、特に、C60フラーレン分子とC70フラーレン分子の2成分から構成されるC70フラーレンチューブを作製する場合には、例えば、C60フラーレン分子とC70フラーレン分子をピリジンに溶解させて飽和溶液(飽和溶液A)とし、この飽和溶液Aにイソプロピルアルコール(IPA)を滴下して液−液界面を形成させることが好適である。この飽和溶液Aに対するIPAの添加量は、体積比で任意の量とすることができるが、飽和溶液A:IPA=1:1〜1:10の範囲が好ましい。温度は、1℃〜20℃の範囲の任意の温度とすることができるが、7℃〜13℃の範囲がより好ましい。液−液界面を形成させた後は、保管温度を1℃〜20℃の範囲、より好ましくは7℃〜13℃の範囲で保ち、育成時間として10分〜1ヶ月程度、より好ましくは2日〜14日の範囲で静置することで、C60フラーレン分子とC70フラーレン分子の組成C60xC70(1−x)において、0<x<1の任意の組成のC70フラーレンチューブを得ることができる。
この出願の発明のC70フラーレンチューブの製造方法によって製造されるC70フラーレンチューブは、例えば、ろ過、遠心分離等の一般的な分離工程を経て溶液から分離し、大気中で加熱して溶媒の除去を行うことや、大気中で常温乾燥することで得ることができる。
以下、実施例を示し、この発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。もちろん、この発明は以下の例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることは言うまでもない。
この出願の発明のC70フラーレンチューブは、C70フラーレン分子からなる中空構造部を持つ細線である。また、C70フラーレンチューブには、C70フラーレン分子以外に、例えばC60フラーレン、C70以外の高次のフラーレン、フラーレン誘導体、金属内包フラーレンのうち少なくともいずれかのフラーレン分子が含まれていてもよい。特に、C60フラーレン分子とC70フラーレン分子の2成分から構成され、C60フラーレン分子とC70フラーレン分子の組成がC60xC70(1−x)(0<x<1)のC70フラーレンチューブであってもよい。フラーレン誘導体としては、各種のフラーレン(C60、C70、C82など)に各種の官能基を結合したもの、金属内包フラーレンとしては、それらフラーレン誘導体に各種の金属を内包させたものであってよい。具体的には、C60、C70、C82を初めとするフラーレンに、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリール基、アシル基、アセチル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン基、シアノ基、アミノ基、イミノ基、ニトロ基、メルカプト基、アルキルチオ基、スルホニル基、アシル基などの置換基を1つ以上有するもの、あるいは、それらがさらに、遷移金属や希土類金属を内包するものが例示される。中でも、C60のマロン酸ジエチルエステル誘導体、C60のN−メチルピロリジン誘導体、C60のフェロセン誘導体、およびC60の白金誘導体が好ましいものとして挙げられる。
この出願の発明のC70フラーレンチューブは、様々な直径および長さのものとすることができるが、とくに直径が5nm〜100μm、壁厚が1nm〜1μmで、アスペクト比(長さ/直径)が2以上のものとして得ることが可能である。なかでも壁厚が1nm〜500nmの範囲のもの、とくには壁厚が95〜130nmの範囲で直径が約200nm以上のものを得ることができる。このうち直径が1μm未満のC70フラーレンチューブをC70ナノチューブと呼ぶことができる。また、この出願の発明のC70フラーレンチューブは、後述の実施例からも明らかなように、C70フラーレン分子(およびC70以外のフラーレン、フラーレン誘導体、金属内包フラーレン)が整然と配列しており、成長軸方向に最密充填している。
この出願の発明のC70フラーレンチューブは、上記のようにC70フラーレン分子からなる中空構造部を持つ細線であるが、その両端部が閉じていても、開いていてもよく、一端のみが閉じていてもよい。また、中空構造が細線の一部にできているものであってもよい。
以上のような構造を有するC70フラーレンチューブは、その内部に様々な物質を取り込むことができる。この物質としては、例えば、シリコン、チタニア、ガラス微粒子、半導体、高分子、フラーレン、カーボンナノチューブなどの固体や、アルコール、トルエンなどの液体、酸素、水素などの気体が挙げられる。また、この出願の発明のC70フラーレンチューブは、酸素、水素などの炭素以外の元素を表面に含んでいてもよい。
このようなC70フラーレンチューブは、軽量で、大比表面積を得ることができ、C70フラーレン分子(およびC70以外のフラーレン、フラーレン誘導体、金属内包フラーレン)の機能を発現できる空間が大きいので、C70フラーレン分子(およびC70以外のフラーレン、フラーレン誘導体、金属内包フラーレン)の優れた機能を最大限に発揮できる可能性を持つことができる。また、C70フラーレンチューブは、全く新しい形状のフラーレンであり、化学的処理によって多様な誘導体合成するための前駆体として用いることができる。さらに、上述したように内部に様々な物質を導入する他、機能物質を導入することによって、発光や磁性機能を付与した従来にない性能を発揮することができるので、電気・電子産業、自動車産業、機械産業、宇宙航空産業、医薬品産業、エネルギー産業等、幅広い分野においての利用や応用が期待されるものである。具体的には、触媒、触媒担体、水素吸蔵体、抗菌材料、活性酸素消去材料、医薬品、フィルター、ガス分離材、ガス吸着材、太陽電池材料、低次元有機半導体、内部充填テンプレート、メゾポーラス材料、インクジェットプリンター用ノズル等としての利用が考慮される。
この出願の発明は、C70フラーレン分子からなる中空構造部を持つ細線であるC70フラーレンチューブの製造方法をも提供する。具体的には、少なくとも、以下の工程を含むものである。
(A)C70フラーレン分子を第1溶媒に溶解した溶液に、前記第1溶媒よりもC70フラーレン分子の溶解能の低い第2溶媒を添加する工程(B)前記溶液と前記第2溶媒との間に液−液界面を形成させる工程(C)前記液−液界面にてC70細線を析出させる工程(D)前記C70細線を内部選択溶解させる工程により、中空構造部を持つC70フラーレンチューブが得られる。
この出願の発明のC70フラーレンチューブの製造方法では、C70フラーレン分子とともに原料として、例えばC60フラーレン、C70以外の高次のフラーレン、フラーレン誘導体、金属内包フラーレンのうち少なくともいずれかのフラーレン分子(以下、「フラーレン分子」とする)を用いてもよい。この場合に製造されるC70フラーレンチューブは、C70フラーレン分子とともにフラーレン分子が含まれ、これらの分子から構成される。特にC60フラーレン分子を原料として用いた場合には、C60フラーレン分子とC70フラーレン分子の2成分から構成され、C60フラーレン分子とC70フラーレン分子の組成がC60xC70(1−x)(0<x<1)のC70フラーレンチューブが得られる。フラーレン誘導体としては、各種のフラーレン(C60、C70、C82など)に各種の官能基を結合したもの、金属内包フラーレンとしては、それらフラーレン誘導体に各種の金属を内包させたものであってよい。具体的には、C60、C70、C82を初めとするフラーレンに、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリール基、アシル基、アセチル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン基、シアノ基、アミノ基、イミノ基、ニトロ基、メルカプト基、アルキルチオ基、スルホニル基、アシル基などの置換基を1つ以上有するもの、あるいは、それらがさらに、遷移金属や希土類金属を内包するものが例示される。中でも、C60のマロン酸ジエチルエステル誘導体、C60のN−メチルピロリジン誘導体、C60のフェロセン誘導体、およびC60の白金誘導体が好ましいものとして挙げられる。
この出願の発明において、C70フラーレン分子(およびフラーレン分子)を溶解する第1溶媒は、C70フラーレン分子(およびフラーレン分子)を溶解できるものであればよく、とくに限定されない。なかでも、C70フラーレン分子(およびフラーレン分子)の溶解能が高い良溶媒として、ピリジンが挙げられる。
このとき、C70フラーレン分子(およびフラーレン分子)溶液は、飽和溶液であっても、未飽和溶液であってもよいが、とくに飽和溶液を用いることが好ましい。飽和溶液を用いた場合には、C70細線(C70フラーレン分子とフラーレン分子から構成されるC70細線)が効率的に析出される。第1溶媒には、C70細線(C70フラーレン分子とフラーレン分子から構成されるC70細線)の析出を妨げないものであれば、C70細線(C70フラーレン分子とフラーレン分子から構成されるC70細線)の溶解能を高めるための添加剤を加えてもよい。
この出願の発明のC70フラーレンチューブの製造方法において、第2溶媒は、C70フラーレン分子(およびフラーレン分子)を溶解する第1溶媒とは異なる種類の溶媒系であればよい。このような第2溶媒は、C70フラーレン分子(およびフラーレン分子)の溶解能が小さい貧溶媒であればよく、そのような溶媒系として、極性溶媒が挙げられる。具体的には、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、およびペンタノール等のアルコール系溶媒、及びエチレングリコール等の多価アルコールが例示される。
また、第2溶媒には、C70細線(C70フラーレン分子とフラーレン分子から構成されるC70細線)の析出を促進する第2溶媒以外の物質を助剤として添加してもよい。たとえば、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、アルカリ金属元素またはアルカリ土類金属元素の水酸化物、アルコキシド、その他の有機・無機化合物などを単独もしくは複数種添加してもよい。これらを添加することによってC70細線(C70フラーレン分子とフラーレン分子から構成されるC70細線)の成長を促進させることができる。この理由としては以下のように考えられる。C70フラーレン分子(およびフラーレン分子)は高い電子親和力を持っているので、電子を放出しやすい元素からの電荷移動によって、C70フラーレン分子(およびフラーレン分子)の荷電状態が変化する。C70フラーレン分子(およびフラーレン分子)の周りの電子密度の変化は、C70フラーレン分子(およびフラーレン分子)間の化学結合の状態に影響するので、C70細線(C70フラーレン分子とフラーレン分子から構成されるC70細線)の成長機構に影響が生じる。したがって、適度な濃度のアルカリ金属元素やアルカリ土類金属元素などを第2溶媒に添加することで、C70細線(C70フラーレン分子とフラーレン分子から構成されるC70細線)の成長をより促進させることができる。
この出願の発明のC70フラーレンチューブの製造方法では、C70フラーレン分子(およびフラーレン分子)の溶液と第2溶媒との間に液−液界面を形成し、この液−液界面を利用して、C70フラーレン分子(およびフラーレン分子)の溶液から、C70細線(C70フラーレン分子とフラーレン分子から構成されるC70細線)を析出させることができる。
このような液−液界面は、第1溶媒と第2溶媒とを互いに混じり合わない種類の溶媒系とすることにより形成することができる。また、液−液界面は、第1溶媒と第2溶媒とが永久に分離するように形成させる必要はなく、静置の最中に混和してもよい。したがって、特に好ましい溶媒の組合せとして、例えば、第1溶媒をピリジン、第2溶媒をイソプロピルアルコールとする組合せが挙げられる。
さらに、液−液界面は、C70フラーレン分子(およびフラーレン分子)の溶液に第2溶媒を静かに添加することによって形成することができる。この手法は、第1溶媒と第2溶媒とが、少なくとも一部において互いに混ざり合う種類の溶媒系で構成される場合、特に有効である。C70フラーレン分子(およびフラーレン分子)の溶液に第2溶媒を静かに添加する方法としては、第2溶媒を、C70フラーレン分子(およびフラーレン分子)の溶液を入れた容器の壁面を伝わせて加える方法(壁法)が挙げられる。あるいは、C70フラーレン分子(およびフラーレン分子)の溶液を入れた容器に、第2溶媒を静かに滴下する方法(滴下法)を適用してもよい。
液−液界面を形成させた後、液温を3℃〜30℃に保ち、1日〜1ヶ月以上静置して、C70細線(C70フラーレン分子とフラーレン分子から構成されるC70細線)を析出させる。そして、この間にC70細線(C70フラーレン分子とフラーレン分子から構成されるC70細線)の内部が選択溶解して、中空構造部を持つC70フラーレンチューブを得ることができる。C70細線(C70フラーレン分子とフラーレン分子から構成されるC70細線)の内部を効率的に選択溶解させるためには、常温付近の温度で静置されることが考慮される。
以上の方法で、特に、C60フラーレン分子とC70フラーレン分子の2成分から構成されるC70フラーレンチューブを作製する場合には、例えば、C60フラーレン分子とC70フラーレン分子をピリジンに溶解させて飽和溶液(飽和溶液A)とし、この飽和溶液Aにイソプロピルアルコール(IPA)を滴下して液−液界面を形成させることが好適である。この飽和溶液Aに対するIPAの添加量は、体積比で任意の量とすることができるが、飽和溶液A:IPA=1:1〜1:10の範囲が好ましい。温度は、1℃〜20℃の範囲の任意の温度とすることができるが、7℃〜13℃の範囲がより好ましい。液−液界面を形成させた後は、保管温度を1℃〜20℃の範囲、より好ましくは7℃〜13℃の範囲で保ち、育成時間として10分〜1ヶ月程度、より好ましくは2日〜14日の範囲で静置することで、C60フラーレン分子とC70フラーレン分子の組成C60xC70(1−x)において、0<x<1の任意の組成のC70フラーレンチューブを得ることができる。
この出願の発明のC70フラーレンチューブの製造方法によって製造されるC70フラーレンチューブは、例えば、ろ過、遠心分離等の一般的な分離工程を経て溶液から分離し、大気中で加熱して溶媒の除去を行うことや、大気中で常温乾燥することで得ることができる。
以下、実施例を示し、この発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。もちろん、この発明は以下の例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることは言うまでもない。
<実施例1>
<C70フラーレンチューブの作製>
C70粉末(99%,MTR Co.,Ltd.)をピリジン(C5H5N)5mLに超音波溶解して、C70フラーレン飽和溶液を作製した。前記C70フラーレン飽和溶液を10mLの透明ガラスビンに入れ、ほぼ等量のイソプロピルアルコール(IPA)を、ピペットを用いて静かに加え、下部が前記C70フラーレン飽和溶液、上部がIPAとなるようにして液−液界面を形成した。液温は常温以下(5℃〜25℃)に保ち、1週間保管した。この間に、C70細線の内部が選択溶解して、中空構造部を持つC70フラーレンチューブを得た。
<透過電子顕微鏡による観察>
次いで、ガラスビン中に生じたC70フラーレンチューブを、ろ過乾燥後、約250℃にて大気中にて4時間加熱して、溶媒除去を行い、メタノールにて超音波分散したものを、カーボンマイクログリッドに載せて、透過電子顕微鏡(JEM−4010,加速電圧400kV)で観察した。このTEM像を図1に示す。この図1から、長さ50μm,外径475nm,内径239nmであり、約120nmの壁構造からなるC70ナノチューブであることがわかる。
図2は、図1のC70フラーレンチューブを拡大したTEM像である。この図2から、中空構造となっていることがわかる。
図3にC70フラーレンチューブの壁の高分解能TEM像(HRTEM像)を示す。0.51nmの面間隔は、最密充填方向に沿って並んだC70分子中心間距離の半分に等しい。
格子像に乱れが生じているのは、高エネルギービームによる照射損傷の影響が大きい。
図4に(a)C70フラーレンチューブと(b)C70粉末の高速フーリエ変換赤外分光(FT−IR)スペクトルを示す。578,642,674,796,1430cm−1にC70分子を特徴付ける吸収を見出すことができる。
図5に別のC70フラーレンチューブのTEM像を示す。この図によれば、C70フラーレンチューブが、矢印の場所で中空な構造から充填した構造に移行している様子がわかる。
これは、C70ナノウィスカー(細線)が内部選択溶解によって、中空構造になるメカニズムを示す証拠である。また、矢印付近の成長軸方向に走る亀裂は、熱処理によって、溶媒和した内部が収縮したために発生した結果と推察される。
<実施例2>
実施例1で作製したガラスビン中に生じたC70フラーレンチューブについて、約250℃にて大気中にて4時間加熱するかわりに、大気中で常温乾燥させた。このC70フラーレンチューブの光学顕微鏡写真を図6に示す。この図によれば、C70フラーレンチューブは、約200nm以上の直径を持ち、ミリメートルオーダーの長さに成長している繊維状物質が確認される。
図7に(a)大気中常温乾燥したC70フラーレンチューブと(b)C70粉末の高速フーリエ変換赤外分光(FT−IR)スペクトルを示す。(a)と(b)を比較することにより、(a)の高速フーリエ変換赤外分光スペクトルにC70分子を特徴付ける吸収を見出すことができ、図6に示した繊維状物質がC70分子からできていることが確認される。
図8には、この繊維状物質を透過電子顕微鏡で観察したTEM像を示す。この図によれば、外径670nm,内径460nmのC70ナノチューブであることがわかる。さらに、このC70ナノチューブの中にはC70からなる微結晶が取り込まれているのがわかる。
図9にC70フラーレンチューブの高分解能TEM像(HRTEM像)を示す。C70フラーレンチューブの成長軸方向に、約1.0nmの間隔で、C70分子が最密充填している様子がわかる。
<実施例3>
フラーレンのすす(C60−27mass%C70組成)のピリジン飽和溶液(溶液A)を調製し、これを10mLの透明なガラスビンに入れ、さらに、イソプロピルアルコール(IPA)を、ピペットを用いて静かに加え、下部が溶液A、上部がIPAとなるようにして液−液界面を形成した。この溶液Aに対するIPAの添加量は、体積比で、溶液A:IPA=1:1〜1:10とした。液温は10℃〜20℃に保ち、1日〜1ヶ月間保管して、C60フラーレン分子とC70フラーレン分子の2成分から構成されるC70フラーレンチューブを得た。
図10には、この繊維状物質を透過電子顕微鏡で観察したTEM像を示す。この図によれば、外径990nm,内径280nm,約355nmの壁構造であることがわかり、実施例1で観察したC70フラーレンチューブに比べて約3倍の壁厚となっている。この大きな壁厚は、C60フラーレンチューブが成分として含まれていることにより、ファイバー内部の溶出がC70フラーレンチューブの場合に比べて困難になったためと解釈できる。
図11に(a)C60フラーレン分子とC70フラーレン分子の2成分から構成されるC70フラーレンチューブと(b)このフラーレンチューブの作製に用いたC60−27mass%C70原料粉末の高速フーリエ変換赤外分光(FT−IR)スペクトルを示す。(a)と(b)を比較することにより、(a)の高速フーリエ変換赤外分光スペクトルには、C60フラーレン分子に帰属される黒丸で示した吸収ピークと、C70フラーレン分子に帰属される黒三角で示した吸収ピークを見出すことができることから、(a)に示したフラーレンチューブはC60フラーレン分子とC70フラーレン分子の2成分から構成されていることが確認できる。
図12にC60フラーレン分子とC70フラーレン分子の2成分から構成されるC70フラーレンチューブの高分解能TEM像(HRTEM像)を示す。この図から、C60フラーレン分子とC70フラーレン分子はフラーレンチューブの成長軸に沿って最密充填していることがわかる。また、フラーレンケージの平均隣接距離は0.98nmとなっており、図9に示したC70ケージ間距離1.0nmに比べて小さい。ここに見られるフラーレンケージ間の縮小は、C70分子に比べ、より小さなC60分子が構成成分として含まれているために生じている。
<実施例4>
5mL容量の透明なガラスビンにC60−24モル%のC70粉末をピリジンに溶かして飽和溶液を作り、これに約3倍量(容積比)のイソプロピルアルコール(IPA)を加えて液−液界面を作り、10℃で5日間静置することにより、C60とC70の2成分から構成されるC70フラーレンチューブを合成した。
図13にこのC70フラーレンチューブを透過電子顕微鏡で観察したTEM像を示す。
また、このC70フラーレンチューブは、高速フーリエ変換赤外分光分析法に(FT−IR)によって,C60−15mol%C70の組成を持つことが分かった。
<実施例5>
液−液界面析出法によって実施例1の方法で数バッチ合成したC70フラーレンチューブの内径と外径を測定し、その関係について調べた。
図14は、C70フラーレンチューブの内径(y,nm)と外径(x,nm)の測定結果である。
図14から、C70フラーレンチューブの内径と外径の間に直線関係(例えば、y=1.03x−241)が成り立つことがわかった。また、図14から、C70フラーレンチューブの平均壁厚が95〜130nmの範囲であることも確認された。この結果は、C70フラーレンチューブが中空構造となるためには少なくとも外径が約200nm以上となることが必要であることを示している。
<C70フラーレンチューブの作製>
C70粉末(99%,MTR Co.,Ltd.)をピリジン(C5H5N)5mLに超音波溶解して、C70フラーレン飽和溶液を作製した。前記C70フラーレン飽和溶液を10mLの透明ガラスビンに入れ、ほぼ等量のイソプロピルアルコール(IPA)を、ピペットを用いて静かに加え、下部が前記C70フラーレン飽和溶液、上部がIPAとなるようにして液−液界面を形成した。液温は常温以下(5℃〜25℃)に保ち、1週間保管した。この間に、C70細線の内部が選択溶解して、中空構造部を持つC70フラーレンチューブを得た。
<透過電子顕微鏡による観察>
次いで、ガラスビン中に生じたC70フラーレンチューブを、ろ過乾燥後、約250℃にて大気中にて4時間加熱して、溶媒除去を行い、メタノールにて超音波分散したものを、カーボンマイクログリッドに載せて、透過電子顕微鏡(JEM−4010,加速電圧400kV)で観察した。このTEM像を図1に示す。この図1から、長さ50μm,外径475nm,内径239nmであり、約120nmの壁構造からなるC70ナノチューブであることがわかる。
図2は、図1のC70フラーレンチューブを拡大したTEM像である。この図2から、中空構造となっていることがわかる。
図3にC70フラーレンチューブの壁の高分解能TEM像(HRTEM像)を示す。0.51nmの面間隔は、最密充填方向に沿って並んだC70分子中心間距離の半分に等しい。
格子像に乱れが生じているのは、高エネルギービームによる照射損傷の影響が大きい。
図4に(a)C70フラーレンチューブと(b)C70粉末の高速フーリエ変換赤外分光(FT−IR)スペクトルを示す。578,642,674,796,1430cm−1にC70分子を特徴付ける吸収を見出すことができる。
図5に別のC70フラーレンチューブのTEM像を示す。この図によれば、C70フラーレンチューブが、矢印の場所で中空な構造から充填した構造に移行している様子がわかる。
これは、C70ナノウィスカー(細線)が内部選択溶解によって、中空構造になるメカニズムを示す証拠である。また、矢印付近の成長軸方向に走る亀裂は、熱処理によって、溶媒和した内部が収縮したために発生した結果と推察される。
<実施例2>
実施例1で作製したガラスビン中に生じたC70フラーレンチューブについて、約250℃にて大気中にて4時間加熱するかわりに、大気中で常温乾燥させた。このC70フラーレンチューブの光学顕微鏡写真を図6に示す。この図によれば、C70フラーレンチューブは、約200nm以上の直径を持ち、ミリメートルオーダーの長さに成長している繊維状物質が確認される。
図7に(a)大気中常温乾燥したC70フラーレンチューブと(b)C70粉末の高速フーリエ変換赤外分光(FT−IR)スペクトルを示す。(a)と(b)を比較することにより、(a)の高速フーリエ変換赤外分光スペクトルにC70分子を特徴付ける吸収を見出すことができ、図6に示した繊維状物質がC70分子からできていることが確認される。
図8には、この繊維状物質を透過電子顕微鏡で観察したTEM像を示す。この図によれば、外径670nm,内径460nmのC70ナノチューブであることがわかる。さらに、このC70ナノチューブの中にはC70からなる微結晶が取り込まれているのがわかる。
図9にC70フラーレンチューブの高分解能TEM像(HRTEM像)を示す。C70フラーレンチューブの成長軸方向に、約1.0nmの間隔で、C70分子が最密充填している様子がわかる。
<実施例3>
フラーレンのすす(C60−27mass%C70組成)のピリジン飽和溶液(溶液A)を調製し、これを10mLの透明なガラスビンに入れ、さらに、イソプロピルアルコール(IPA)を、ピペットを用いて静かに加え、下部が溶液A、上部がIPAとなるようにして液−液界面を形成した。この溶液Aに対するIPAの添加量は、体積比で、溶液A:IPA=1:1〜1:10とした。液温は10℃〜20℃に保ち、1日〜1ヶ月間保管して、C60フラーレン分子とC70フラーレン分子の2成分から構成されるC70フラーレンチューブを得た。
図10には、この繊維状物質を透過電子顕微鏡で観察したTEM像を示す。この図によれば、外径990nm,内径280nm,約355nmの壁構造であることがわかり、実施例1で観察したC70フラーレンチューブに比べて約3倍の壁厚となっている。この大きな壁厚は、C60フラーレンチューブが成分として含まれていることにより、ファイバー内部の溶出がC70フラーレンチューブの場合に比べて困難になったためと解釈できる。
図11に(a)C60フラーレン分子とC70フラーレン分子の2成分から構成されるC70フラーレンチューブと(b)このフラーレンチューブの作製に用いたC60−27mass%C70原料粉末の高速フーリエ変換赤外分光(FT−IR)スペクトルを示す。(a)と(b)を比較することにより、(a)の高速フーリエ変換赤外分光スペクトルには、C60フラーレン分子に帰属される黒丸で示した吸収ピークと、C70フラーレン分子に帰属される黒三角で示した吸収ピークを見出すことができることから、(a)に示したフラーレンチューブはC60フラーレン分子とC70フラーレン分子の2成分から構成されていることが確認できる。
図12にC60フラーレン分子とC70フラーレン分子の2成分から構成されるC70フラーレンチューブの高分解能TEM像(HRTEM像)を示す。この図から、C60フラーレン分子とC70フラーレン分子はフラーレンチューブの成長軸に沿って最密充填していることがわかる。また、フラーレンケージの平均隣接距離は0.98nmとなっており、図9に示したC70ケージ間距離1.0nmに比べて小さい。ここに見られるフラーレンケージ間の縮小は、C70分子に比べ、より小さなC60分子が構成成分として含まれているために生じている。
<実施例4>
5mL容量の透明なガラスビンにC60−24モル%のC70粉末をピリジンに溶かして飽和溶液を作り、これに約3倍量(容積比)のイソプロピルアルコール(IPA)を加えて液−液界面を作り、10℃で5日間静置することにより、C60とC70の2成分から構成されるC70フラーレンチューブを合成した。
図13にこのC70フラーレンチューブを透過電子顕微鏡で観察したTEM像を示す。
また、このC70フラーレンチューブは、高速フーリエ変換赤外分光分析法に(FT−IR)によって,C60−15mol%C70の組成を持つことが分かった。
<実施例5>
液−液界面析出法によって実施例1の方法で数バッチ合成したC70フラーレンチューブの内径と外径を測定し、その関係について調べた。
図14は、C70フラーレンチューブの内径(y,nm)と外径(x,nm)の測定結果である。
図14から、C70フラーレンチューブの内径と外径の間に直線関係(例えば、y=1.03x−241)が成り立つことがわかった。また、図14から、C70フラーレンチューブの平均壁厚が95〜130nmの範囲であることも確認された。この結果は、C70フラーレンチューブが中空構造となるためには少なくとも外径が約200nm以上となることが必要であることを示している。
この出願の発明で得られるC70フラーレンチューブは、各種の化学物質を収容するためのカプセルや反応場、ガス吸着剤、触媒担持材料、電極材料などに有用な新しい機能性材料として期待でき、産業上においても有効に活用することができる。
また、この出願の第1から第4の発明のC70フラーレンチューブによれば、各種の化学物質を収容するためのカプセルや反応場、ガス吸着剤、触媒担持材料、電極材料などに有用な機能性材料とすることができる。
また、上記第5から第7の発明のC70フラーレンチューブの製造方法によれば、C70フラーレン溶液またはC60フラーレン、C70以外の高次のフラーレン、フラーレン誘導体、金属内包フラーレンのうち少なくともいずれかのフラーレン分子とC70フラーレン分子を溶解した溶液を用いて、液−液界面析出法により、中空構造を持つC70細線またはフラーレン分子とC70フラーレン分子から構成されるC70細線を、簡便に、比較的短期間で得ることが可能となる。
また、この出願の第1から第4の発明のC70フラーレンチューブによれば、各種の化学物質を収容するためのカプセルや反応場、ガス吸着剤、触媒担持材料、電極材料などに有用な機能性材料とすることができる。
また、上記第5から第7の発明のC70フラーレンチューブの製造方法によれば、C70フラーレン溶液またはC60フラーレン、C70以外の高次のフラーレン、フラーレン誘導体、金属内包フラーレンのうち少なくともいずれかのフラーレン分子とC70フラーレン分子を溶解した溶液を用いて、液−液界面析出法により、中空構造を持つC70細線またはフラーレン分子とC70フラーレン分子から構成されるC70細線を、簡便に、比較的短期間で得ることが可能となる。
【0002】
【非特許文献3】Kun´ichi Miyazawa″C70 Nanowhiskers Fabricated by Forming Liquid/Liquid Interfaces in the Systems of Toluene Solution of C70 and Isopropyl Alcohol″,J.Am.Ceram.Soc.,85[5](2002)1297.
【発明の開示】
しかしながら、発明者が提案した上記の材料については、今後の大きな発展が期待されているものの、より最良のものへのアプローチは依然として未踏のものであった。
そこで、この出願の発明は、以上のとおりの背景よりなされたものであって、各種の化学物質を収容するためのカプセルや反応場、ガス吸着剤、触媒担持材料、電極材料などに有用な新しい機能性材料とその製造方法を提供することを課題としている。
この出願の発明は、上記の課題を解決するものとして、第1には、C70フラーレン分子からなる中空構造部を持つ細線であって、チューブの壁厚が1〜500nmの範囲であることを特徴とするC70フラーレンチューブを提供する。
第2には、上記のC70フラーレンチューブにおいて、C60フラーレン、C70以外の高次のフラーレン、フラーレン誘導体、金属内包フラーレンのうち少なくともいずれかのフラーレン分子が含まれることを特徴とするC70フラーレンチューブを提供する。
第3には、上記第2のC70フラーレンチューブにおいて、C60フラーレン分子とC70フラーレン分子の2成分から構成され、C60フラーレン分子とC70フラーレン分子の組成がC60xC70(1−x)(0<x<1)であることを特徴とするC70フラーレンチューブを提供する。
第4には、上記のC70フラーレンチューブの端部が閉鎖または開口していることを特徴とするC70フラーレンチューブを提供する。
第5には、C70フラーレン分子からなる中空構造部を持つ細線であって、チューブの壁厚が95〜130nmの範囲であることを特徴とするC70フラーレンチューブを提供する。
【非特許文献3】Kun´ichi Miyazawa″C70 Nanowhiskers Fabricated by Forming Liquid/Liquid Interfaces in the Systems of Toluene Solution of C70 and Isopropyl Alcohol″,J.Am.Ceram.Soc.,85[5](2002)1297.
【発明の開示】
しかしながら、発明者が提案した上記の材料については、今後の大きな発展が期待されているものの、より最良のものへのアプローチは依然として未踏のものであった。
そこで、この出願の発明は、以上のとおりの背景よりなされたものであって、各種の化学物質を収容するためのカプセルや反応場、ガス吸着剤、触媒担持材料、電極材料などに有用な新しい機能性材料とその製造方法を提供することを課題としている。
この出願の発明は、上記の課題を解決するものとして、第1には、C70フラーレン分子からなる中空構造部を持つ細線であって、チューブの壁厚が1〜500nmの範囲であることを特徴とするC70フラーレンチューブを提供する。
第2には、上記のC70フラーレンチューブにおいて、C60フラーレン、C70以外の高次のフラーレン、フラーレン誘導体、金属内包フラーレンのうち少なくともいずれかのフラーレン分子が含まれることを特徴とするC70フラーレンチューブを提供する。
第3には、上記第2のC70フラーレンチューブにおいて、C60フラーレン分子とC70フラーレン分子の2成分から構成され、C60フラーレン分子とC70フラーレン分子の組成がC60xC70(1−x)(0<x<1)であることを特徴とするC70フラーレンチューブを提供する。
第4には、上記のC70フラーレンチューブの端部が閉鎖または開口していることを特徴とするC70フラーレンチューブを提供する。
第5には、C70フラーレン分子からなる中空構造部を持つ細線であって、チューブの壁厚が95〜130nmの範囲であることを特徴とするC70フラーレンチューブを提供する。
【0003】
第6には、上記第5のC70フラーレンチューブにおいて、C60フラーレン、C70以外の高次のフラーレン、フラーレン誘導体、金属内包フラーレンのうち少なくともいずれかのフラーレン分子が含まれることを特徴とするC70フラーレンチューブを提供する。
第7には、上記第6のC70フラーレンチューブにおいて、C60フラーレン分子とC70フラーレン分子の2成分から構成され、C60フラーレン分子とC70フラーレン分子の組成がC60xC70(1−x)(0<x<1)であることを特徴とするC70フラーレンチューブを提供する。
第8には、上記第5から第7のいずれかのC70フラーレンチューブの端部が閉鎖または開口していることを特徴とするC70フラーレンチューブを提供する。
第9には、C70フラーレン分子からなる中空構造部を持つ細線であるC70フラーレンチューブの製造方法であって、少なくとも、以下の工程を含むことを特徴とするC70フラーレンチューブの製造方法を提供する。
(A)C70フラーレン分子を第1溶媒に溶解した溶液に、前記第1溶媒よりもC70フラーレン分子の溶解能の低い第2溶媒を添加する工程
(B)前記溶液と前記第2溶媒との間に液−液界面を形成させる工程
(C)前記液−液界面にてC70細線を析出させる工程
(D)前記C70細線を内部選択溶解させる工程
第10には、C70フラーレン分子からなる中空構造部を持つ細線であるC70フラーレンチューブの製造方法であって、少なくとも、以下の工程を含むことを特徴とするC70フラーレンチューブの製造方法を提供する。
(A)C60フラーレン、C70以外の高次のフラーレン、フラーレン誘導体、金属内包フラーレンのうち少なくともいずれかのフラーレン分子とC70フラーレン分子を第1溶媒に溶解した溶液に、前記第1溶媒よりも前記フラーレン分子とC70フラーレン分子の溶解能の低い第2溶媒を添加する工程
(B)前記溶液と前記第2溶媒との間に液−液界面を形成させる工程
(C)前記液−液界面にて前記フラーレン分子とC70フラーレン分子から構成されるC70細線を析出させる工程
(D)前記C70細線を内部選択溶解させる工程
また、この出願の発明は、第11には、上記のC70フラーレンチューブの製造方法において、第1溶媒がピリジン、第2溶媒がイソプロピルアルコールであることを特徴とするC70フラーレンチューブの製造方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
図1は、この出願の発明の実施例1において製造されたC70フラーレ
第6には、上記第5のC70フラーレンチューブにおいて、C60フラーレン、C70以外の高次のフラーレン、フラーレン誘導体、金属内包フラーレンのうち少なくともいずれかのフラーレン分子が含まれることを特徴とするC70フラーレンチューブを提供する。
第7には、上記第6のC70フラーレンチューブにおいて、C60フラーレン分子とC70フラーレン分子の2成分から構成され、C60フラーレン分子とC70フラーレン分子の組成がC60xC70(1−x)(0<x<1)であることを特徴とするC70フラーレンチューブを提供する。
第8には、上記第5から第7のいずれかのC70フラーレンチューブの端部が閉鎖または開口していることを特徴とするC70フラーレンチューブを提供する。
第9には、C70フラーレン分子からなる中空構造部を持つ細線であるC70フラーレンチューブの製造方法であって、少なくとも、以下の工程を含むことを特徴とするC70フラーレンチューブの製造方法を提供する。
(A)C70フラーレン分子を第1溶媒に溶解した溶液に、前記第1溶媒よりもC70フラーレン分子の溶解能の低い第2溶媒を添加する工程
(B)前記溶液と前記第2溶媒との間に液−液界面を形成させる工程
(C)前記液−液界面にてC70細線を析出させる工程
(D)前記C70細線を内部選択溶解させる工程
第10には、C70フラーレン分子からなる中空構造部を持つ細線であるC70フラーレンチューブの製造方法であって、少なくとも、以下の工程を含むことを特徴とするC70フラーレンチューブの製造方法を提供する。
(A)C60フラーレン、C70以外の高次のフラーレン、フラーレン誘導体、金属内包フラーレンのうち少なくともいずれかのフラーレン分子とC70フラーレン分子を第1溶媒に溶解した溶液に、前記第1溶媒よりも前記フラーレン分子とC70フラーレン分子の溶解能の低い第2溶媒を添加する工程
(B)前記溶液と前記第2溶媒との間に液−液界面を形成させる工程
(C)前記液−液界面にて前記フラーレン分子とC70フラーレン分子から構成されるC70細線を析出させる工程
(D)前記C70細線を内部選択溶解させる工程
また、この出願の発明は、第11には、上記のC70フラーレンチューブの製造方法において、第1溶媒がピリジン、第2溶媒がイソプロピルアルコールであることを特徴とするC70フラーレンチューブの製造方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
図1は、この出願の発明の実施例1において製造されたC70フラーレ
【0015】
図14から、C70フラーレンチューブの平均壁厚が95〜130nmの範囲であることも確認された。この結果は、C70フラーレンチューブが中空構造となるためには少なくとも外径が約200nm以上となることが必要であることを示している。
【産業上の利用可能性】
この出願の発明で得られるC70フラーレンチューブは、各種の化学物質を収容するためのカプセルや反応場、ガス吸着剤、触媒担持材料、電極材料などに有用な新しい機能性材料として期待でき、産業上においても有効に活用することができる。
また、この出願の第1から第8の発明のC70フラーレンチューブによれば、各種の化学物質を収容するためのカプセルや反応場、ガス吸着剤、触媒担持材料、電極材料などに有用な機能性材料とすることができる。
また、上記第9から第11の発明のC70フラーレンチューブの製造方法によれば、C70フラーレン溶液またはC60フラーレン、C70以外の高次のフラーレン、フラーレン誘導体、金属内包フラーレンのうち少なくともいずれかのフラーレン分子とC70フラーレン分子を溶解した溶液を用いて、液−液界面析出法により、中空構造を持つC70細線またはフラーレン分子とC70フラーレン分子から構成されるC70細線を、簡便に、比較的短期間で得ることが可能となる。
図14から、C70フラーレンチューブの平均壁厚が95〜130nmの範囲であることも確認された。この結果は、C70フラーレンチューブが中空構造となるためには少なくとも外径が約200nm以上となることが必要であることを示している。
【産業上の利用可能性】
この出願の発明で得られるC70フラーレンチューブは、各種の化学物質を収容するためのカプセルや反応場、ガス吸着剤、触媒担持材料、電極材料などに有用な新しい機能性材料として期待でき、産業上においても有効に活用することができる。
また、この出願の第1から第8の発明のC70フラーレンチューブによれば、各種の化学物質を収容するためのカプセルや反応場、ガス吸着剤、触媒担持材料、電極材料などに有用な機能性材料とすることができる。
また、上記第9から第11の発明のC70フラーレンチューブの製造方法によれば、C70フラーレン溶液またはC60フラーレン、C70以外の高次のフラーレン、フラーレン誘導体、金属内包フラーレンのうち少なくともいずれかのフラーレン分子とC70フラーレン分子を溶解した溶液を用いて、液−液界面析出法により、中空構造を持つC70細線またはフラーレン分子とC70フラーレン分子から構成されるC70細線を、簡便に、比較的短期間で得ることが可能となる。
Claims (9)
- C70フラーレン分子からなる中空構造部を持つ細線であることを特徴とするC70フラーレンチューブ。
- 請求項1に記載のC70フラーレンチューブに、C60フラーレン、C70以外の高次のフラーレン、フラーレン誘導体、金属内包フラーレンのうち少なくともいずれかのフラーレン分子が含まれることを特徴とするC70フラーレンチューブ。
- C60フラーレン分子とC70フラーレン分子の2成分から構成され、C60フラーレン分子とC70フラーレン分子の組成がC60xC70(1−x)(0<x<1)であることを特徴とする請求項2に記載のC70フラーレンチューブ。
- チューブの端部が閉鎖または開口していることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のC70フラーレンチューブ。
- チューブの壁厚が1〜500nmの範囲であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のC70フラーレンチューブ。
- チューブの壁厚が95〜130nmの範囲であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のC70フラーレンチューブ。
- C70フラーレン分子からなる中空構造部を持つ細線であるC70フラーレンチューブの製造方法であって、少なくとも、以下の工程を含むことを特徴とするC70フラーレンチューブの製造方法。
(A)C70フラーレン分子を第1溶媒に溶解した溶液に、前記第1溶媒よりもC70フラーレン分子の溶解能の低い第2溶媒を添加する工程
(B)前記溶液と前記第2溶媒との間に液−液界面を形成させる工程
(C)前記液−液界面にてC70細線を析出させる工程
(D)前記C70細線を内部選択溶解させる工程 - C70フラーレン分子からなる中空構造部を持つ細線であるC70フラーレンチューブの製造方法であって、少なくとも、以下の工程を含むことを特徴とするC70フラーレンチューブの製造方法。
(A)C60フラーレン、C70以外の高次のフラーレン、フラーレン誘導体、金属内包フラーレンのうち少なくともいずれかのフラーレン分子とC70フラーレン分子を第1溶媒に溶解した溶液に、前記第1溶媒よりも前記フラーレン分子とC70フラーレン分子の溶解能の低い第2溶媒を添加する工程
(B)前記溶液と前記第2溶媒との間に液−液界面を形成させる工程
(C)前記液−液界面にて前記フラーレン分子とC70フラーレン分子から構成されるC70細線を析出させる工程
(D)前記C70細線を内部選択溶解させる工程 - 第1溶媒がピリジン、第2溶媒がイソプロピルアルコールであることを特徴とする請求項7または請求項8に記載のC70フラーレンチューブの製造方法。
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