JP4930931B2 - C60フラーレンチューブとその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、中空構造を有する新規な構造を有し、各種用途が期待されるC60フラーレンチューブとその製造方法に関する。
グラファイト、ダイヤモンドに続く炭素第3の同素体として、1985年に炭素クラスター、フラーレンC60が発見されて以来、その電子的・触媒的・医療的機能材料としての応用を目指した研究が行われている。フラーレンの結晶は様々な結晶構造を持つことが可能であり、また、温度や作製条件に依存してナノメートルスケールからミクロンメートルさらにはミリメートルスケールまでの様々な外形を示す。
本発明者ら研究グループの一部においても、2001年に、C60、C70フラーレンウィスカー(炭素細線)を発見した。このフラーレンウィスカーは、ウィスカー成長軸に沿ってC60又はC70分子が結晶学的に最密充填方向に沿って重合した物質であることが分かった(非特許文献1〜7)。その研究成果については、フラーレンウィスカーとその製造方法に関して、先に特許出願を申請した(特許文献1ないし3)。
本明細書においてフラーレンウィスカーとは、アスペクト比の小さなフラーレンの針状結晶から、アスペクト比極めて大なる針状結晶、繊維状のものまでも指すものとして定義される。このフラーレンウィスカーは、フラーレンを溶媒を使って溶解し、得られたフラーレン溶解液にフラーレン溶解能の小さな溶液を加え、形成される両液の界面において析出し、長時間成長させることによって得ることができる。本明細書において、特に断らない限りは、このフラーレンウィスカーは、直径がナノメートルオーダーのフラーレンナノウィスカーを含むものである。
本発明者らグループの一部の研究者によってその後さらに研究が進められた結果、上記定義したフラーレンウィスカーと同様の外形をした、すなわち、針状もしくは繊維状の外形を有しながら中空チューブ構造の、いわゆる中空状フラーレン微細構造体を創出することに成功し、これについても特許出願し、あるいは学術文献にも発表した(特許文献4、非特許文献8)。この中空状フラーレン微細構造体はその中空構造を有していることから広範な利用態様が考えられ、有用な機能性材料として期待されている。例えば、その用途としては、各種の化学物質を収容するカプセルや極めて限定された反応場として機能することを始め、吸着剤、触媒ないしは触媒担持材料として使用されること、さらには電極や電界電子放出材料、電気的配線材料などに使用される等、各種分野で有用な材料として使用されうるものと期待されている。
フラーレン構造体が創出され、発見されたいきさつは、概略、上記した通りであるが、その後さらに研究が進み、最近では以下に記載するように特有な形態のフラーレンや、その製造プロセスに関する研究が特許出願あるいは各種学術文献に提案、発表されている。これを簡単に紹介すると、以下(a)〜(f)のように要約される。
(a) 直径50μm、長さ数mmで中空部分を有する十角柱状構造体(非特許文献8)。
(b) 直径10μm未満で且つ長さ100μm未満の中空六角柱状フラーレン微細構造体(特許文献5)。
(c) フラーレンウィスカーを真空加熱することによって得られる「フラーレンシェルチューブ」(特許文献6、非特許文献9)。
(d) フラーレンC60を主成分とし、C60の白金誘導体を含むチューブ状もしく
はカプセル状フラーレンウィスカー(特許文献7、非特許文献10)。
(e) フラーレンC70からなるフラーレンチューブ(特許文献4、非特許文献11)。
(f) フラーレンC60を溶解したトルエン溶液中に多孔質アルミナ基盤中を浸して乾燥させる操作を繰り返した後、500℃で加熱し、さらに水酸化ナトリウム水溶液で多孔質アルミナ基盤を溶解して取り除くことによって得られる多結晶フラーレンナノチューブ(非特許文献12)。
これら文献に報告、提案された先行技術によって提供されたフラーレン構造体とその製造方法は、いずれもこれまでにない優れた特徴を備えている反面、そこにはなお問題を含んでいるものであった。
すなわち、(a)で紹介した非特許文献8に記載の「十角柱状構造」フラーレンは、その長さがミリメートルまたはサブミリメートルに及ぶが、直径は数十マイクロメートルであるため比表面積はそれほど大きくなく、したがって、これを吸着操作や触媒等に供するにおいては、さらに大きな比表面積とすることが求められている。また、(b)の特許文献5において提案された中空六角柱状フラーレン微細構造体は、その創出に際して使用された出発原料中の金属過酸化物が、生成する中空状フラーレン中に残留してくるという不都合が生じ、この問題を解決しておかなければ触媒等の分野に供するにおいては、これを取り除かなければならないという厄介な問題を抱え、そのためこれを放置すると使用範囲、利用範囲が限定されるという問題を有していた。
そして、(c)で紹介した特許文献6ないし非特許文献9に記載されたフラーレンシェルチューブは、その生成段階における加熱温度によって、シェルチューブを構成するC60分子が壊されることが生じ、C60構造を保ったチューブ状構造体を安定して生成し、得ることが困難で、その得られてなるものは形態において、乱れのある不揃いないびつな形態を有しているものであった。
また、(d)及び(e)で提案された技術は、C60の白金誘導体、高次フラーレンであるC70をそれぞれC60に対して一定の割合以上に添加して用いる必要があり、それだけC60の純度が低下し、また、コスト上昇は避けられないという問題があった。さらに、(f)で提案されたフラーレンナノチューブは基盤の使用、加熱、基盤の溶解など複雑且つ煩雑な工程を必要とするため、コストがかかるという問題があった。
以上、列挙するようにこれまでに提案されてなるフラーレンチューブ構造体とその製造プロセスには、それぞれ特有な問題を含んでおり、外形形状が一様でなく、不純物を多く含む多結晶からなり、また、製造プロセスにおいても多々問題のあるものであった。
以降、本明細書において、特に断らない限りは、チューブ状形態を有するフラーレン微細構造体を「フラーレンチューブ」と表記する。
K.Miyazawa ほか5名,"Structural characterization of the C60 nanowhiskers formed by the liquid−liquid interfacial preparation method",Proceeding of the 3rd International Symposium on Atomic Level Characterizations for New Materials and Devices‘01(ALC‘01),pp.326−329,November 11−14,(2001年11月11日),Nara−ken New Public Hall,Japan,The Microbeam Analysis 141 Committee of Japan Society for the Promotion of Science. K.Miyazawa ほか3名,"Low−temperature fabrication of sol−gel PZT thin films and structural characterization of C60 precipitates formed in a PZT−C60sol",Surface Engineering,17(6)(2001年12月)505−511. K.Miyazawa ほか2名,"C60 nanowhiskers in a mixture of leadzirconate titanate sol−C60 toluene solution ",Journal of the American Ceramic Society,84(12)(2001年12月)3037. K.Miyazawa ほか3名,"C60 nanowhiskers formed by the liquid−liquid interfacial precipitation method",J.Mater.Res.,17(1)(2001年1月)83. K.Miyazawa,"C70 Nanowhiskers fabricated by forming liquid/liquid interfaces in the systems of toluene solution of C70 and isopropyl alcohol",J.Am.Ceram.Soc.,85(1)(2002年5月)1297. K.Miyazawa ほか3名,"Fabrication and properties of fullerene(nano)whiskers",Proceedings of ICCE/9,Ninth Annual International Conference on Composites Engineering,July 1−6,2002 in San Diego,California,USA,pp.539−540. K.Miyazawa ほか1名,"Fabrication of iodine−doped C60 whiskers by the use of liquid−liquid interfacial precipitation method",J.Mater.Res.,17(9)(2002年9月)2205−2208. V.Agafonov ほか10名,"Morphology of C60 decagonal crystals grown from n−hexane",J.Cryst.Growth,123(1992年)366−372. K.Miyazawa ほか4名,"Fabrication and properties of the fullerene nanowhiskers and nanofibers",Trans.Mater.Res.Soc.Jpn.,(2004年)accepted. K.Miyazawa ほか1名,"Transmission electron microscopy investigation of fullerene nanowhiskers and needle−like precipitates formed by using C60 and(2−C60)Pt(PPh3)2",J.Mater.Res.,19(8)(2004年8月)2410−2414. K.Miyazawa ほか3名,"Fabrication of C70 nanotubes by the liquid−liquid interfacial precipitation method",J.Mater.Res.,(投稿中) H.Liu ほか10名,"Imaging as−grown [60]fullerene nanotubes by template technique",J.Am.Chem.Soc.,124(45)(2002年10月)13370−13371.
特願2001−119579号 特開2003−001600号公報(特許文献1を基礎とする国内優先出願公開公報) 米国特許出願10/125333 特願2004−194174号 特開2004−043245号公報 特願2003−346117号 特願2004−192223号
本発明の目的は、従来のフラーレンチューブ構造体とその製造プロセスには前記したように形態や純度、あるいは製造プロセス等いくつかの点で問題を含んでいるところから、これを克服することが求められていた。すなわち、その一つ一つのウィスカー結晶おいても、そしてバルクの結晶においても、外形形状が一様な乱れのない高純度単結晶状態のC60フラーレンチューブ構造体を提供しようというものであり、そのための、コストのかからない、再現性に優れた製造プロセスを提供しようというものである。
そのため本発明者等においては、鋭意研究した結果、C60フラーレンから出発して中実なC60フラーレンウィスカーを作製し、このウィスカーをアルコール液に分散させることによって、芯内部が選択的に溶解され、中実なウィスカーがチューブ(中空)状となり、極めてソフトなプロセスでC60フラーレンチューブに転換され、その外形的形態は、先端から他端に至るまでほぼ一様な直径を有した乱れのない構造のものであり、不純物のない高純度結晶体からなることを知見した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたものであり、その構成は以下の(1)〜(6)に記載するとおりである。
(1) C60フラーレン分子を主成分とし、直径が200nm以上5μm以下かつ長さ100μm以上5cm以下の一様な外形を有し、内部が中空構造を有していることを特徴とする、高純度単結晶C60フラーレンチューブ。
(2) 前記C60フラーレンチューブの中空構造には、両端が開口してなるもの以外に、1端ないし両端が閉鎖されてなるものも単独で又は混在して存在していることを特徴とする、(1)項に記載する高純度単結晶C60フラーレンチューブ。
(3) C60フラーレン分子を主成分とし、先端から他端に至るまでほぼ一様な外径を有し、内部が中空構造を有している単結晶C60フラーレンチューブの製造方法において、少なくともC60フラーレン分子を第1の溶媒に溶解し、得られた溶液に、前記第1の溶媒よりもC60フラーレン分子溶解能の低い第2の溶媒を添加して、前記溶液と前記第2の溶媒との間に液−液界面を形成し、前記液−液界面でC60細線を析出させ、得られたC60細線を第3の溶媒中に分散することにより細線の芯を選択的に溶解させ、細線内部を中空構造とすることを特徴とする、高純度単結晶C60フラーレンチューブの製造方法。
(4) 前記第1の溶媒が、トルエン、キシレン、ベンゼン、ピリジン、2硫化炭素から選ばれる1種または2種以上のC60フラーレン良溶媒からなることを特徴とする、上記(3)項に記載する高純度単結晶C60フラーレンチューブの製造方法。
(5) 前記液−液界面を形成する第2の溶媒、および細線を分散する第3の溶媒が、
エチレンアルコール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、ブチルアルコールから選ばれる1種または2種以上の溶媒であることを特徴とする、(3)項に記載する高純度単結晶C60フラーレンチューブの製造方法。
(6) 前記第1の溶媒がピリジンであり、第2の溶媒および第3の溶媒がイソプロピルアルコールであることを特徴とする、(3)記載の高純度単結晶C60フラーレンチューブの製造方法。
ここに、C60フラーレン分子を主成分とし、なる記載の意味、意義は、本発明の単結晶C60フラーレンチューブは、出発原料として、C60フラーレンのみから成る高純度C60フラーレンを出発物質とする態様から、他の変性成分(添加剤も含む)を包有するC60フラーレンを出発物質とする態様までも含み、その単結晶C60フラーレンチューブは、出発物質によって主成分以外の成分、例えば、C70以上の高次フラーレン、C20、C36などの低次フラーレン、金属内包フラーレン、ヘテロフラーレン、フラーレン誘導体等、他の成分を含みうるからである。
本発明によるフラーレンチューブは、外形が先端から他端に至るまで外形のほぼ一様な構造をした高純度単結晶C60フラーレンチューブであり、単結晶からなる中空構造をしてなる新規な構造体である。先行技術で提案されているようにC70フラーレンチューブによるものに比して、極めて安価にフラーレンチューブを提供することができ、これまでに存在していなかった新規な物質であり、且つ産業上利用しえる有用な物質を提供した格別の意義を有している。
この中空構造を有する物質は、各種分野で大いに利用されうることが期待される。例えば、その有用性、利用の形態を列記すると、各種の化学物質を収容するための超マイクロカプセル、特に特定患部への適用と薬剤の徐放効果の期待される医用超マイクロカプセル等の設計や、極めて限定された領域での反応場を実現するための超マイクロリアクターとして使用されることが期待される。また、各種気体ガスに対して選択性のある吸着剤として、そしてまた、触媒ないしは触媒成分担持材料として機能し、使用しうることが期待される。また、その電気的特性を利用することによって、マイクロ回路設計における電極材料や、配線材料としても機能し、使用することができる。以上、多岐にわたる用途を例示することによって、本発明の有用性、作用効果を述べたが、これらは、あくまでも応用例の一端を紹介するもので、これに限定する趣旨ではない。いずれにしても、本発明は、上記したように有用なフラーレンを安価に提供することができたものであり、格別の作用効果が奏せられ、その意義は極めて大きい。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明のC60フラーレンチューブは実質的にC60フラーレン分子からなる。ここで実質的にとは、C60フラーレンチューブの構成成分について前記言及したようにC60フラーレン以外の他の成分が不純物程度包有される場合を許容するということを意味する。他の成分の例としては、C60、C70以上の高次フラーレン、C20、C36などの低次フラーレン、金属内包フラーレン、ヘテロフラーレン、フラーレン誘導体等が挙げられることは前述したとおりである。
本発明のC60フラーレンチューブは、直径が200nm以上5μm以下かつ長さ100μm以上5cm以下であり、ほぼ一様な針状もしくは繊維状の外形を有しながら中空構造部を持つチューブ状であることを特徴とする。その(長さ)/(直径)で定義されるアスペクト比は、好ましくは20以上250000以下であるが、もちろん例えば超音波破砕などの方法で短くなるように切ることにより、より小さなアスペクト比を得ることも可能である。チューブ端部の形状は、閉鎖しても開口していてもよい。また、本発明のC6
0フラーレンチューブは、単結晶であることを特徴とする。ここで単結晶であるとは、透過型電子顕微鏡の制限視野回折像において回折斑点が単結晶によるものとして過不足無く説明できることをいう。
本発明のC60フラーレンチューブは、中実なC60フラーレンウィスカーの内部のみを選択的に溶解させて中空構造を形成することによって作製できる。C60フラーレンウィスカーは第1溶媒を用いてC60フラーレンを溶解した溶液に、第1溶媒とは異なる第2溶媒を添加し、それらの溶液が作る液−液界面において、C60フラーレンウィスカーの核形成を起こさせ、さらに時間の経過とともに核を針状結晶に成長させることによって作製できる。
第1溶媒にはトルエン、キシレン、ベンゼン、ピリジン、2硫化炭素などC60フラーレンの良溶媒を用いることができるが、ピリジンがより好ましい。第1溶媒に溶解するC60フラーレンは、他の成分を不純物程度包有することが可能であるが、より純度の高いC60フラーレンウィスカーを作製するためにはより純度の高いC60フラーレンを用いることが好ましい。
他の成分の例としては、C60、C70以上の高次フラーレン、C20、C36などの低次フラーレン、金属内包フラーレン、ヘテロフラーレン、フラーレン誘導体等が挙げられる。
第2溶媒にはエチレンアルコール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、ブチルアルコールなどのC60フラーレンの貧溶媒を用いることができるが、イソプロピルアルコールがより好ましい。さらに、第2溶媒を加える方法としては、第2溶媒の一部または全部を加えた後超音波分散を行い、その上に残りの第2溶媒を静かに加える方法が可能である。
作製温度は、室温付近すなわち−20℃〜35℃が好適であるが、必ずしもこの範囲に限定されない。保持時間は、界面形成直後から無限に長く設定できる。最も好ましいのは1〜3ヶ月であるが、この条件以外でもC60フラーレンウィスカーを得ることができる。
本発明のC60フラーレンチューブの作製に用いられるC60フラーレンウィスカーは、実質的にC60分子からなるが、前記第1溶媒や第2溶媒に含まれる炭素以外の元素を添加したフラーレンウィスカーを用いることも可能である。添加する元素としては、ヨウ素、臭素、塩素などのハロゲン元素や、カリウム、ナトリウム、リチウムなどのアルカリ金属元素などを用いることができる。
本発明のC60フラーレンチューブは、C60フラーレンウィスカーをさらに第3溶媒中に分散させることでその内部を選択的に溶解して中空構造部を形成することによって得られる。第3溶媒としては、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、ブチルアルコールなどのフラーレンの貧溶媒を用いることができるが、イソプロピルアルコールがより好ましい。さらに、第3溶媒中に分散させる方法としては、ピペットなどを用いてC60フラーレンウィスカーを溶液の一部と共に取り出して、別に用意した第3溶媒中に分散させる方法と、C60フラーレンウィスカーの生成した溶液に単に適量の第3溶媒を加えて混合する方法とが可能である。
以下、本発明を実施例と図面に基づいて説明する。ただし、これらの実施例は本発明を容易に理解するための一助として開示するものであって、発明の要旨を変更しない限りは
、変更は可能であり、本発明はこれらの実施例によって限定されることはない。
C60粉末(99.5%、MTR Co.Ltd.)10mgをピリジン溶媒溶液(C55N)10mlに添加し、超音波溶解した後約10℃に保ってC60フラーレン飽和溶液を作製した。得られたC60フラーレン飽和溶液は赤茶色の不透明な液体であった。このC60フラーレン飽和溶液1mlを10mlの透明ガラスビンに入れ、これにピペットに採取したイソプロピルアルコール1mlを加えて1分間超音波分散した後、さらにイソプロピルアルコール8mlを静かに加え、下部がC60フラーレンを溶解した薄茶色の半透明溶液、上部が後から加えた透明なイソプロピルアルコールの2層からなる、分層した液−液界面を形成した。液温を常温以下(5℃〜25℃)に保ち、1週間保管した。この間にC60フラーレンウィスカーが生成した。反応が十分に進むと、ガラスビンの底に茶色い綿毛状のC60フラーレンウィスカーがみられ、溶液の色は透明な薄黄色となる。
ガラスビン中に生成したC60フラーレンウィスカーをピペットで採取し、これを別に用意したイソプロピルアルコール5ml中に分散、洗浄してウィスカーの内部を選択的に溶解させた。選択溶解の操作終了後、処理されたウィスカーを回収し、カーボンマイクログリッドに載せて透過型電子顕微鏡(日本電子、JEM2000EX加速電圧200kV)で観察した。このTEM像を図1に示す。この図1から、得られたものは、長さが少なくとも40μm以上、外径約400nmのフラーレンチューブであることが明らかにされた。ただし、図1の上部の印を付けた部分は下部の印を付けた部分と接続していることを示している。短軸・長軸の比の大きい、すなわち、アスペクト比の大きいフラーレンチューブが得られたことを示している。
図2は、図1の中央部を拡大して示した観察図面(写真)である。この図2から、中央に見られるC60フラーレンウィスカーは内部が中空で、その内径が約200nmのフラーレンチューブであることが明らかにされた。このフラーレンチューブの周囲にみられる網目状の背景は、透過型電子顕微鏡観察用に用いたカーボンマイクログリッドの一部である。
図3は、図2の制限視野回折像である。この図において回折斑点は単結晶によるものとして過不足無く説明できる。この図から得られたフラーレンチューブが単結晶であり、その成長軸方向の面間隔が約1.0nmであることが明らかにされた。
図4は、図1の先端部を拡大して示した観察図面(写真)である。この図から得られたフラーレンチューブは、先端が細くなって閉じていることが確認された。
図5は、図1のものとは異なるC60フラーレンウィスカーの先端部を拡大して示した観察図面(写真)である。この図から、この観察で使用された試料体は、その先端において内部が選択的に溶解していることが明らかにされた。
図6は、別のC60フラーレンチューブの透過型電子顕微鏡像である。この観察で使用された試料体は内部を選択的に溶解して中空構造となったC60フラーレンチューブに1分間超音波分散を加えたものである。この図から、超音波分散によりC60フラーレンチューブが短く破砕され、長さが任意に調整されうることが明らかとなった。
図7は、図6の先端部を傾斜させて拡大して示した観察図面(写真)である。図7から、この観察で使用された試料体は、超音波分散により破砕された部分に開口端を持つことが明らかにされた。
図8は、(a)C60フラーレンチューブと(b)C60粉末のフーリエ変換赤外分光
(FT−IR)スペクトルである。スペクトル(a)において526,576,1182,1428cm-1にC60分子を特徴づける吸収を見いだすことができ、ともにC60フラーレン分子からなることがわかる。
図9は、(a)C60フラーレンチューブと(b)C60粉末の粉末X線回折図形である。回折図形(a)から、得られたフラーレンチューブにC60結晶を特徴づける回折ピークが見いだすことができる。
図10は、別のC60フラーレンチューブの透過型電子顕微鏡像である。この観察で使用された試料体は内部を選択的に溶解して中空構造となったC60フラーレンチューブを超音波分散によって破砕した後約20分経過したものであるが、両端が閉じられてカプセル状となっている。これは、超音波によって破断した部分では構造の不安定のために、一度溶出して液層に残留したC60成分が再付着、再成長して閉鎖されたものと考えられる。このように破砕などの方法でC60フラーレンチューブの端部を開口させた後、再成長させることにより再び閉鎖することができることを示している。
図11は、メチルアルコール液体を内包させたC60フラーレンチューブの光学顕微鏡写真である。この観察で使用された試料体はC60フラーレンチューブを超音波分散によって破砕した後、ガラス板上に固定したものである。この図では、矢印の場所より右側にメチルアルコール液体が内包されている。これは、フラーレンの貧溶媒液体をC60フラーレンチューブの開口部に接触させることにより、C60フラーレンチューブの内部に液体を内包・通過させることができ、また、乾燥させることにより液体を再び取り除くことができることを示している。フラーレンの貧溶媒液体としては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、ブチルアルコール、水などを用いることができる。
図12は、臭化カリウム固体を内包させたC60フラーレンチューブの透過型電子顕微鏡像である。この図で、矢印で示した黒い部分がC60フラーレンチューブに導入された臭化カリウムの固体である。ただし、このC60フラーレンチューブの周囲に見られる網目状の背景は、透過型電子顕微鏡観察用に用いたカーボンマイクログリッドの一部であり、矢印で示したもの以外にも、このカーボンマイクログリッドに付着して析出した臭化カリウム固体が見られる。この図は、フラーレンの貧溶媒に固体を溶解させた液体をC60フラーレンチューブの開口部に接触させて、C60フラーレンチューブの内部に液体を内包させた後、貧溶媒を蒸発させることにより、C60フラーレンチューブの内部に固体を再析出させて内包させることができることを示している。
図13は、図12の矢印で示した部分の制限視野回折像である。図13の回折斑点のうち、矢印で示したものは臭化カリウム結晶による回折斑点であり、図12でC60フラーレンチューブの内部に見られる固体が臭化カリウムの結晶であることを示している。
図14は10℃で作製したC60フラーレンチューブの光学顕微鏡写真である。図より、この温度で作製したC60フラーレンチューブは長さが少なくとも100μm以上の繊維状であることが分かる。
図15は0℃で作製したC60フラーレンチューブの光学顕微鏡写真である。図より、この温度で作製したC60フラーレンチューブは長さが少なくとも100μm以上の針状であることが分かる。
図16はC60フラーレンチューブの内径と外径の関係をプロットしたものである。内径と外径の測定には、透過型電子顕微鏡を使用している。図で、(◆)で示した点は10
℃で作製したC60フラーレンチューブの内径と外径の関係であり、(■)で示した点は0℃で作製したC60フラーレンチューブの内径と外径の関係である。図より、C60フラーレンチューブの直径(外径)は200nm以上3μm以下の範囲内であることがわかる。また、内径と外径の間には直線的な関係があり、内径を(y)nm、外径を(x)nmで表すと、y=0.85x−121という直線で近似できることがわかった。
以上、本発明は上記実施例あるいは及び図面で説明したように、本発明のC60フラーレンチューブは、チューブの長さが、任意に調整可能であり、チューブ本来のように、両端が開口された状態のものから、両端ないしはその1端が閉鎖された状態のものまで、任意に調製されうるものである。
以上述べたとおり、本発明は、C60フラーレンによるチューブ状構造物を提供するものであり、従来の技術で行われている極めて高価なC70フラーレンチューブに比し、安価にフラーレンチューブを提供することができることからその意義は極めて大きい。この方法で得られるC60フラーレンチューブは、その中空構造から、各種の化学物質を収容するための各種用途に供される超マイクロカプセルや超マイクロ流路、化学反応を限定された領域において行う反応場としての超マイクロリアクター、吸着剤、触媒の担持材料、電極、電界電子放出材料および配線材料などにおいて得に有用であり、今後大いに利用されることが予想される。
C60フラーレンチューブの透過型電子顕微鏡像を示す図面。 図1のC60フラーレンチューブの中央部を拡大した透過型電子顕微鏡像を示す図面。 図2の制限視野回折図形を示す図面。 図1のC60フラーレンチューブの先端部を拡大した透過型電子顕微鏡像を示す図面。 C60フラーレンチューブの先端部において内部が選択的に溶解している組織の透過型電子顕微鏡像を示す図面。 超音波分散によって短く破砕されたC60フラーレンチューブの透過型電子顕微鏡像を示す図面。 図6のC60フラーレンチューブの先端部を拡大した透過型電子顕微鏡像を示す図面。 (a)C60フラーレンチューブと(b)C60粉末の高速フーリエ変換赤外分光(FT−IR)スペクトルを示す図面。 (a)C60フラーレンチューブと(b)C60粉末の粉末X線回折図形を示す図面。 開口端を閉鎖したC60フラーレンチューブの透過型電子顕微鏡像を示す図面。 メチルアルコール液体を内包させたC60フラーレンチューブの光学顕微鏡写真を示す図面。 臭化カリウム固体を内包させたC60フラーレンチューブの透過型電子顕微鏡像を示す図面。 図12の制限視野回折図形を示す図面。 10℃で作製したC60フラーレンチューブの光学顕微鏡写真を示す図面。 0℃で作製したC60フラーレンチューブの光学顕微鏡写真を示す図面。 10℃で作製したC60フラーレンチューブ(◆)および0℃で作製したC60フラーレンチューブ(■)の内径と外径の関係を表す図面。

Claims (6)

  1. C60フラーレン分子を主成分とし、直径が200nm以上5μm以下かつ長さ100μm以上5cm以下の、一様な外形形状を有し、内部が中空構造を有していることを特徴とする、高純度単結晶C60フラーレンチューブ。
  2. 前記C60フラーレンチューブの中空構造には、両端が開口してなるもの以外に、1端ないし両端が閉鎖されてなるものも単独で又は混在して存在していることを特徴とする、請求項1に記載する高純度単結晶C60フラーレンチューブ。
  3. C60フラーレン分子を主成分とし、先端から他端に至るまで一様な外形形状を有し、内部が中空構造を有している高純度単結晶C60フラーレンチューブの製造方法において、少なくともC60フラーレン分子を第1の溶媒に溶解し、得られた溶液に、前記第1の溶媒よりもC60フラーレン分子溶解能の低い第2の溶媒を添加して、前記溶液と前記第2の溶媒との間に液−液界面を形成し、前記液−液界面でC60細線を析出させ、得られたC60細線を第3の溶媒中に分散することにより細線の芯を選択的に溶解させ、細線内部を中空構造とすることを特徴とする、高純度単結晶C60フラーレンチューブの製造方法。
  4. 前記第1の溶媒が、トルエン、キシレン、ベンゼン、ピリジン、2硫化炭素から選ばれる1種または2種以上のC60フラーレン良溶媒からなることを特徴とする、請求項3に記載する高純度単結晶C60フラーレンチューブの製造方法。
  5. 前記液−液界面を形成する第2の溶媒、および細線を分散する第3の溶媒が、エチレンアルコール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、ブチルアルコールから選ばれる1種または2種以上の溶媒であることを特徴とする、請求項3に記載する高純度単結晶C60フラーレンチューブの製造方法。
  6. 前記第1の溶媒がピリジンであり、第2の溶媒および第3の溶媒がイソプロピルアルコールであることを特徴とする、請求項3に記載する高純度単結晶C60フラーレンチューブの製造方法。
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