JPWO2006001473A1 - ヒアルロン酸を用いた小型肝細胞の選択的培養法および分離法 - Google Patents

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Abstract

表面にヒアルロン酸を付着させた担体および/またはヒアルロン酸を主成分とする担体の共存下で小型肝細胞を培養することを含む、小型肝細胞の培養方法が提供される。また、本発明は表面にヒアルロン酸を付着させた担体および/またはヒアルロン酸を主成分とする担体の共存下で小型肝細胞を培養すること、および、ヒアルロン酸に付着する細胞とヒアルロン酸に付着しない細胞を分離すること、を含む、小型肝細胞の培養方法も提供される。

Description

本発明は、ヒトを含む哺乳動物由来増殖性肝細胞(小型肝細胞)の分離方法および選択的培養用法に関する。
(背景技術)
肝臓および肝細胞は体内における化学工場と言われるほど多様な機能を持っている。例えば、血清タンパク質の90%以上は肝細胞が産生しており、体内に取り込まれたり産生された有害物質を代謝する解毒機能を有している。そのため、肝細胞を培養し、その持っている機能を使って有害物質の検出(バイオセンサー)、ヒトに必要な物質の体外生産を可能にしようと様々な研究機関で研究がなされている。それらの研究に用いる肝細胞を供給するためには、現在のところ分化した肝細胞機能を保持している細胞株は存在していないため、実験毎に成熟肝細胞を単離しなければならない。このような場合には、得られる細胞数は個々の個体の肝細胞数に依存する。なぜなら、肝細胞の機能を維持したまま、成熟細胞を増殖させる方法が十分に確立しているわけではないからである。従って、成熟肝細胞機能の多くを有する細胞の恒常的な大量供給が望まれている。ヒトを含めて動物の肝細胞を冷凍し、長期保存し、再び使用する方法の開発は非常に重要な課題であって、世界中でなされているが、これまでに冷凍保存後、解凍した肝細胞が培養皿上に生着し、肝細胞としての機能の70〜80%程度を短期間保持できることが報告されているのみである。しかも、これらの報告においては、解凍された肝細胞はほとんど増殖能を有せず、短期間に死滅している。
また、ヒトは種々の疾患により、例えば、肝炎、肝硬変、肝癌などにより肝機能不全状態になる。現在のところ人工肝臓は実用段階にあるとは言えないため、このような疾患の根本的な治療は肝臓移植に頼らざるを得ないのが現状である。しかも、我が国を初め世界各国において、肝臓移植を必要としている患者は多数存在するにもかかわらず、臓器を提供するドナーの数は必要数の1割を満たすのがやっとである。従って、肝臓移植に使用できるような肝組織をin vitroで形成させる方法、そのような方法に使用できる肝組織の前駆細胞コロニーおよびそのin vitro調製方法が望まれてきた。
一方、本発明者らは、肝臓組織内に、アルブミン、トランスフェリン、サイトケラチン(CK)8、CK18などのマーカーについて成熟肝細胞とほぼ同様の表現型を示し、超微構造的にも肝細胞としての特徴を有するが、増殖能の高い小型の細胞からなる細胞集団があることを報告し、これを「小型肝細胞」(small hepatocyte)と命名した(Mitaka T. ら、Hepatology, 16, 440-447,(1992)、Mitaka T., Sato F, Mizuguchi Tら、Hepatology 29, 111-135 (1999))。
さらに、本発明者らは、そのような小型肝細胞に富む画分を肝臓から得る方法を報告しており(WO 01/92481)、肝細胞の機能および増殖能を保持し得る、小型肝細胞の凍結保存方法、および、そのような方法に適した小型肝細胞の調製方法を報告してきた(WO 01/92481)。さらに、本発明者らは移植可能な肝組織を調製するために適した小型肝細胞コロニー、その調製方法、その小型肝細胞コロニーから肝組織を誘導する方法を報告し(WO 02/088332)、薬物の作用、特に正常な肝機能と関連した作用をin vitroで推定する方法も報告してきた(WO 02/088332)。しかしながら、ヒトを含む哺乳動物由来の増殖性肝細胞(小型肝細胞)に特異的なマーカータンパク質は必ずしも明らかにされておらず、そのため効率のよい分離方法および培養法にはなお改善の余地が残されていた。
その他、小型肝細胞および増殖能を有する肝実質細胞に関する報告もいくつかなされている(特許第3211941号、特開2002-078481、特開平09-313172、特開平08-112092)。また、特開2002-045087にはヒトを含む異種動物由来の肝細胞からなる肝臓を有するキメラ動物と、このキメラ動物を用いた試験方法が報告されている。
(発明の開示)
本発明によりヒトを含む哺乳動物由来増殖性肝細胞(小型肝細胞)の効率的な分離方法および、培養方法、特に選択的培養方法が提供される。
また、本発明により、小型肝細胞の培養中に成熟化して小型肝細胞としての永続的増殖能を失った細胞(成熟肝細胞としての機能を少なくとも一部有する細胞)と小型肝細胞とを効率的に分離して培養する方法、すなわち、小型肝細胞の選択的培養方法も提供される。
ヒトを含む動物由来の増殖性肝細胞(小型肝細胞)は特異的マーカータンパク質が明らかでなかったこともあり、分離方法および培養の効率を増大させることが困難であった。本発明者らは小型肝細胞がCD44を特異的に発現していること、および、そのリガンドであるヒアルロン酸が該細胞の分離・培養に極めて有用であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、表面にヒアルロン酸を付着させた担体および/またはヒアルロン酸を主成分とする担体の共存下で小型肝細胞を培養することを含む、小型肝細胞の培養方法である。
さらに、本発明により、表面にヒアルロン酸を付着させた担体および/またはヒアルロン酸を主成分とする担体の共存下で小型肝細胞を培養すること、および、ヒアルロン酸に付着する細胞とヒアルロン酸に付着しない細胞を分離すること、を含む、小型肝細胞の培養方法が提供される。
本発明により以下の工程を含む、小型肝細胞の培養方法が提供される:
i)表面にヒアルロン酸を付着させた担体および/またはヒアルロン酸を主成分とする担体の共存下で小型肝細胞を培養する工程;
ii)i)で得られる培養物においてヒアルロン酸に付着する細胞とヒアルロン酸に付着しない細胞を分離する工程;
iii)工程ii)で得られるヒアルロン酸に付着する小型肝細胞を前記ヒアルロン酸から解離させる工程;および、
iv)工程iii)で得られた小型肝細胞について、工程i)〜iii)を1サイクル以上繰り返す工程。
また、本発明により以下の工程を含む、小型肝細胞の分離方法も提供される:
i)表面にヒアルロン酸を付着させた担体および/またはヒアルロン酸を主成分とする担体の共存下で哺乳動物肝臓由来の細胞を培養する工程;
ii)i)で得られる培養物においてヒアルロン酸に付着する細胞とヒアルロン酸に付着しない細胞を分離する工程;
iii)ヒアルロン酸に付着する細胞を前記ヒアルロン酸から解離させる工程;
iv)工程i)〜iii)を1サイクル以上繰り返す工程;および
v)前記ヒアルロン酸から解離させた細胞を回収する工程。
(発明を実施するための最良の形態)
本発明により小型肝細胞の効率的な分離方法および培養方法が提供される。本明細書において、「小型肝細胞」とは、単に肝臓に由来する小型の細胞を意味するものではなく、以下に記載する方法、あるいはこれに準じた方法を用いて肝臓から単離される細胞であって、強い増殖能を有し、アルブミン、トランスフェリン、サイトケラチン(CK) 8、CK18などのマーカーについて成熟肝細胞とほぼ同様の表現型を示し、超微構造的にも肝細胞としての特徴を有する、肝臓由来の特別な種類の小型の細胞を意味する。この細胞は発明者らによって見出されたものであり、より詳しくはMitaka T. ら、Hepatology, 16, 440-447,(1992)、Mitaka, T, Sato F, Mizuguchi Tら、Hepatology, 29, 111-135 (1999)に記載されている。
本発明において、肝臓から調製した細胞画分をそのまま本発明によりヒアルロン酸共存下で培養および分離することもできるが、簡便な方法により小型肝細胞に富む画分を調製した後、その画分に本発明の方法を適用することもできる。
小型肝細胞に富む画分は、例えば以下のように調製することができる。ヒトその他の動物から採取した肝臓組織をコラゲナーゼ等を含む溶液で処理すると肝臓由来の細胞を得ることができる。この場合、通常のコラゲナーゼ肝灌流法、たとえば、Seglenの方法(Selgen, PO., Methods Cell Biol., 1976, 13, 29-83)に準じた灌流法を利用することができる。得られた細胞懸濁液は必要に応じて適当な大きさのメッシュ等を通し、未消化の組織残渣その他の組織破砕片等を除去してもよい。この細胞懸濁液から本発明の方法によって直接小型肝細胞を分離することもできるが、実質細胞および不要な組織破砕物等を可能な限り除去してから本発明の方法を適用することが好ましい。
実質細胞の除去は、以下のように低速遠心によって行うことができる。低速遠心とは、実質細胞および不要な組織破砕物等を多く含む画分と、非実質細胞を多く含む軽画分とを分離するために十分な条件をいい、好ましくは、実質細胞および不要な組織破砕物等を主として含む画分と、小型肝細胞および非実質細胞を多く含み実質細胞をほとんど含まない軽画分とを分離するために十分な条件をいう。このような条件で上述したような方法で得られる肝臓由来の細胞を分画すると、小型肝細胞は前述の軽画分により多く得られる。より具体的には、例えば、この細胞懸濁液を低速遠心、例えば50xgで1分間遠心することにより、主として実質細胞を含む重い画分と、星細胞、クッパー細胞、類洞内皮細胞等の非実質細胞を主として含む比較的軽い細胞を含む軽い上清画分とに分画することができる。小型肝細胞はこの遠心条件下で上清画分に多く得られる。
加速度が大きくなるほど、また、遠心時間が長くなるほど上清画分中の実質細胞の割合は減るが、沈殿する小型肝細胞の割合も増加するため、遠心は約50xgにて約1分間以下とするのが好ましい。上清画分は更に遠心、沈殿、懸濁を繰り返して実質細胞および不要な組織破砕物等を除去することもできる。より具体的には、例えば、上清画分を、50xgで5分間遠心し、沈殿を適当な培地に懸濁し、更に50xgで5分間遠心する。沈殿を同様な培地に懸濁し、再び50xgで5分間遠心する。得られた沈殿を同様な培地に懸濁し、150xgで5分間遠心して、沈殿した細胞を新鮮な培地に懸濁する。細胞懸濁液中の細胞数を数え、その後の培養、あるいは処理のために必要な細胞密度となるように調製することができる。通常、1x104〜5x105細胞/mlの密度に調製される。
このようにして調製した、小型肝細胞を多く含む画分を本発明の方法によって培養および/または小型肝細胞を多く含む画分から効率的に小型肝細胞を分離することができる。上述のように調製した小型肝細胞を含む画分は、ヒアルロン酸をリガンドとする細胞表面レセプターの充分な発現を誘導するため、好ましくは3日間以上、特に好ましくは5日間以上ヒアルロン酸共存下で培養を行った後、小型肝細胞を分離するのが好ましい。初期培養の際、培養開始24時間は細胞の非特異的接着を避けるため無血清培地で培養することが好ましい。RT-PCRによって調べたところ、ヒアルロン酸のレセプターであるCD44の発現が初代培養第2〜3日目くらいから顕著であり、培養開始3〜5日後にはほぼ最大に達する傾向にあることが明らかになった。一方、成熟肝細胞にはCD44が発現していないことが知られている(Terpe H-J, Stark H, Prehm P, Guenthert U., Histochemistry, 101, 79-89 (1994); Goodison S, Urquidi V, Tarin D. , J. Clin. Pathol: Mol Pathol., 52, 189-196 (1999))。
本発明者らは、肝臓からの細胞画分の調製という傷害により潜在的に存在していた小型肝細胞が活性化するのに2日〜3日ほどかかる可能性を考慮している。また、本発明者らは、小型肝細胞の成熟化に伴ってCD44の発現が低下することも見出した。さらに、本発明者らは、ラットにおいて、ガラクトサミンなどにより強い肝障害を与えた場合には、投与数日後より、肝臓組織においてCD44陽性細胞が出現することを確認しており、このことは前述の考察と一致する。また、このように予め強い肝障害を与えた個体の肝臓から細胞画分を調製した場合は、より短期間のヒアルロン酸共存下の培養により小型肝細胞の分離が可能である。
あるいは、上述のように調製した小型肝細胞を多く含む画分をヒアルロン酸非共存下で一定期間培養して(前培養)小型肝細胞を増殖させてから、本発明の方法によって培養および/または小型肝細胞を効率的に分離することもできる。さらに、上述のような小型肝細胞の濃縮操作を行なわずに得られる細胞画分、あるいは既に培養中の成熟肝細胞をヒアルロン酸共存下の培養に移して小型肝細胞を培養および/分離することもできる。これらの細胞画分は当然に小型肝細胞を含んでいる。また、成熟肝細胞を培養中に小型肝細胞が出現し得ると考えられる。正常ヒト成熟肝細胞を培養するための培地および条件は本発明者らによりWO 02/24875に記載されており、そのような培地および条件を使用して培養された正常ヒト成熟肝細胞を更に本発明によりヒアルロン酸共存下で培養し、かつ分離することもできる。
前培養する場合は、上述したように調製した小型肝細胞を多く含む画分(細胞群)を血清、ニコチンアミド、ビタミンC、抗生物質、増殖因子、その他の細胞培養に一般的に使用される添加物を更に含む基本培地、例えば、これらを添加したダルベッコ改変イーグル培地等で37℃にて培養することができる。小型肝細胞を増殖させるあるいは維持するための培地は、ニコチンアミド、ビタミンC、増殖因子、DMSO等を含むことが好ましい。ビタミンCは通常、アスコルビン酸2リン酸として添加し、その濃度は、好ましくは0.1mM〜1.0mM、より好ましくは、0.5mM〜1.0mMであり、ニコチンアミドは比較的高濃度で使用され、好ましくは1〜20mM、より好ましくは5mM〜10mMで使用する。増殖因子としては、上皮細胞増殖因子(EGF)、肝細胞増殖因子(HGF)、トランスフォーミング増殖因子α(TGFα)等が利用でき、TGFαが特に好ましい。TGFαを添加する場合には、好ましくは1μg/l〜100μg/l、より好ましくは5μg/l〜50μg/lの濃度で使用する。また、初代培養においてはDMSOは培養開始4日目から好ましくは約0.1〜約2%(v/v)、より好ましくは約0.5%〜約1.5%(v/v)の濃度で添加する。
前培養のための培養容器としては、後述のヒアルロン酸付着培養器を使用しても良いが、通常の細胞培養に使用される培養皿を使用してもよい。一般には接着細胞の培養はコラーゲン被覆をした培養皿が使用され、例えば、ウシ真皮、ラットの尾部由来のコラーゲンを被覆した種々の大きさの培養皿が商業的に入手可能であり、また必要であればそのような培養皿を調製することもできるが、コラーゲンを被覆しない培養皿を使用することが好ましい。なぜならば、細胞外基質が少ないほどより温和な条件で細胞が剥がれやすいからである。本発明の分離または培養法を適用する場合、前培養した細胞は、金属キレート剤および/または酵素の存在下で個々の細胞に分離することができるが、細胞への損傷が大きいため、非酵素的方法によってコロニーを培養容器から剥がすのが好ましい。使用し得る金属キレート剤としては、細胞毒性の少ないものであればよく、接着細胞の剥離処理に一般的に使用されるもの、例えばEDTA、EGTA及び/またはその塩を、それぞれについて一般的な濃度で使用することができる。非酵素的細胞剥離剤としては、Ca、Mgを含まないHanksの緩衝液(pH7.3〜7.5)にEDTA、グリセロール、クエン酸ナトリム等を添加した溶液が利用でき、例えばSigma社からCell dissociation solutionの名で調製済みの非酵素的細胞剥離剤を商業的に入手することができる。培養には、通常の5%炭酸ガスインキュベーターを使用することができる。炭酸ガス濃度および培養温度は、通常の培養細胞に許容される範囲であれば本質的ではない。より具体的には、WO 01/92481に記載した方法および条件を用いて前培養した小型細胞に富む細胞懸濁物を得ることができる。
本発明の一つの実施態様において、ヒアルロン酸が担体に付着(コーティング)され、そのヒアルロン酸付着担体共存下で小型肝細胞および/または哺乳動物肝臓由来の細胞が培養される。担体としては、ヒアルロン酸をコーティングすることができ、かつ細胞培養に適して担体であればどのようなものでも使用することができる。そのような担体には、プラスチック製品またはガラス製品(例えば、培養皿、培養フラスコ、培養ボトル、プラスチックまたはガラスビーズ)、セファロース、例えばセファロースビーズ、ヒアルロン酸をコーティングした多孔質(例えばスポンジ)、金属、セルロースが含まれる。担体として細胞培養容器を使用する場合、一般に動物細胞培養に使用されるのものでもよいが、細胞が本来的には付着しにくい担体、例えば、無コーティング細胞培養容器、および、細菌培養用の培養容器が好ましい。
また、本発明の別の実施態様においては、ヒアルロン酸からなる担体、または、ヒアルロン酸を主成分とする担体、例えばヒアルロン酸でできた、またはヒアルロン酸を主成分とする多孔質、例えばスポンジ、のような担体の共存下で小型肝細胞および/または哺乳動物肝臓由来の細胞が培養される。その場合の培養容器は前述したヒアルロン酸コーティング担体共存下の培養の場合と同様でよい。多孔質はヒアルロン酸がコーティングされ、小型肝細胞が付着し得る表面積が多いので担体として好ましい。この多孔質は、ヒアルロン酸をコーティングすることができ、細胞、特に小型肝細胞に有害な物質を含まない限り、どのようなものであってもよい。
ヒアルロン酸の担体へのコーティングは例えば以下のように行うことができる。ヒアルロン酸は商業的に入手可能である。また、ヒアルロン酸は一般に分子量約100万を境に、低分子量ヒアルロン酸と高分子量ヒアルロン酸に分類されるが、本発明においては高分子量ヒアルロン酸を使用することが好ましい。ヒアルロン酸、好ましくは高分子量ヒアルロン酸を適当な濃度で、例えば調製した溶液の1ml〜5mlを担体と接触させた場合に担体の表面積に対して10μg/cm2〜1000μg/cm2、より好ましくは50μg/cm2〜500μg/cm2の量となるよう、適切な培地またはバッファー中で溶液として調製する。一般には、ヒアルロン酸溶液は10〜20mg/ml程度の濃度のストック溶液として適切な培地またはバッファー中に調製するのが便利であろう。使用するバッファーは細胞に有害でない限りどのようなバッファーも使用できるが、例えば、ハンクス液、一般的な細胞培養培地、生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)等が利用できる。バッファーのpHはヒアルロン酸が溶解する範囲でよいが、一般には7.1〜8.5が好ましい。ヒアルロン酸を溶解するときの温度はヒアルロン酸が溶解し、かつ分解しない温度であればどのような温度でもよく、通常のインキュベーターの設定温度を考慮すれば、例えば、30℃〜40℃、特に37℃前後の温度範囲が簡便に利用できる。
このように調製したヒアルロン酸溶液を、そのまま、または場合により適切なバッファーまたは培地で希釈し、上述した担体と共存させ、担体上にヒアルロン酸をコーティングする。比較的撥水性の担体をコーティングする場合は、コーティング用のヒアルロン酸溶液の液量が少ないと担体の表面を充分に被覆できない可能性があるので、ヒアルロン酸溶液を希釈して液量を増やすことが特に有用であろう。コーティングのためには、0.5〜20mg/ml、好ましくは1〜10mg/mlのヒアルロン酸溶液を担体表面1cm2あたり、好ましくは10μg〜1000μg、より好ましくは50μg〜500μgとなるように担体表面と接触させる。例えば、60mmディッシュにヒアルロン酸をコーティングする場合、10mg/mlに調製したヒアルロン酸をPBS等で1mg/mlに希釈し、その希釈液1mlをディッシュに注ぐことによってコーティングを行うことができる。ヒアルロン酸溶液と担体との接触は、30℃〜40℃、特に37℃前後にて1時間〜24時間程度インキュベーションするのが好ましい。インキュベーションの温度と時間はヒアルロン酸が担体上にコーティングされるのに充分であればよく、コーティングのためのインキュベーション時間は24時間より長くても問題はないが、長時間インキュベーションすることの利点は乏しい。
コーティングに十分な時間が経過した後、ヒアルロン酸溶液を除去し、担体表面上を細胞に有害でないバッファー、例えばPBSで洗浄する。必要に応じて、担体はUV照射などにより滅菌することができる。担体自体が培養容器である場合は、後述するような小型肝細胞の培養に適した培地を添加し、担体がビーズやスポンジ等である場合は適切な培養容器中に移した後、前述の培地を添加することができる。このように用意した培養容器に小型肝細胞を含むと考えられる細胞懸濁物を添加することができる。この時の初期細胞密度は、1x104〜5x105細胞/mlとするのが好ましい。
培養は、上述したように、血清、ニコチンアミド、ビタミンC、抗生物質、増殖因子、その他の細胞培養に一般的に使用される添加物を更に含む基本培地、例えば、これらを添加したダルベッコ改変イーグル培地等で37℃にて、上述したようにヒアルロン酸付着担体共存下で培養することができる。本発明のある実施態様では、このヒアルロン酸付着担体は、ヒアルロン酸を塗布した培養皿、または、ヒアルロン酸を塗布した培養フラスコである。また、別の実施態様では、このヒアルロン酸付着担体は、ヒアルロン酸を付着させたプラスチックビーズ、ガラスビーズ、セファロースビーズ、または、ヒアルロン酸を付着させた磁気ビーズである。更にまた別の実施態様では、ヒアルロン酸付着担体はヒアルロン酸でできた担体、またはヒアルロン酸を主成分とする担体である。特に、ヒアルロン酸でできた担体、またはヒアルロン酸を主成分とする担体として多孔質(スポンジ)が好ましい。
培地は、さらにニコチンアミド、ビタミンC、増殖因子、DMSO等を含むことが好ましい。ビタミンCは通常、アスコルビン酸2リン酸として添加し、その濃度は、好ましくは0.1mM〜1.0mM、より好ましくは、0.5mM〜1.0mMであり、ニコチンアミドは比較的高濃度で使用され、好ましくは1〜20mM、より好ましくは5mM〜10mMで使用する。増殖因子としては、上皮細胞増殖因子(EGF)、肝細胞増殖因子(HGF)、トランスフォーミング増殖因子α(TGFα)等が利用でき、TGFαが特に好ましい。TGFαを添加する場合には、好ましくは1μg/l〜100μg/l、より好ましくは5μg/l〜50μg/lの濃度で使用する。継代培養した細胞ではなく哺乳動物の肝臓から調製した小型肝細胞を含む細胞画分を直接培養する場合(初代培養)は、DMSOは培養開始4日目から好ましくは約0.1〜約2%(v/v)、より好ましくは約0.5%〜約1.5%(v/v)の濃度で添加する。また、最初の24時間は無血清の上記培地を用い、その後血清を加えた上記培地と交換するのが好ましい。最初に24時間、無血清培地で培養することにより、例えば類洞内皮細胞等の非特異的な接着を低減させることができる。また、血清に含まれるビトロネクチン、フィブロネクチンの混入を防止するためにも、このような初期無血清培養が好ましい。
培養は炭酸ガス培養器を使用し、基本的に二日に一回(週3回)程度の割合で培地交換を行うのが好ましい。
より具体的には以下の培地を使用することができる:
培養期間は、予め肝障害を与えていない個体から細胞を調製した場合はヒアルロン酸への充分な接着を保証するため少なくとも2日間以上、好ましくは約3日間以上、さらに好ましくは約3日〜30日間、特に好ましくは約3日〜21日間行うが、ガラクトサミン等により肝障害を予め与えた個体から細胞を調製した場合や継代培養を行ってきた細胞の場合はより短い期間の培養により小型肝細胞を分離することができる。ガラクトサミンによる障害を与える場合は、例えば、成熟ラット(8〜10週齢)にD-ガラクトサミン(アクロス)を10mg〜100mg/200μl PBS/100g体重の濃度で腹腔内注射をし、注射後3日目〜6日目にSeglenの方法に準じて、肝臓より細胞を分離することができる。
培地交換時に、ヒアルロン酸に付着しない細胞は浮遊状態にあるか、または担体上から剥がれやすくなっているため、培養物から容易に除去すること、または、ヒアルロン酸に付着する細胞を培養物から容易に回収することができる。本発明において、培養物からヒアルロン酸に付着しない細胞を除去することと、培養物からヒアルロン酸に付着する細胞を回収することとは同等である。
ヒアルロン酸を付着させた担体が培養皿、培養フラスコまたはスポンジのような比較的大型の担体の場合は担体表面を適切なバッファーまたは培地、例えば、PBSまたは上述した小型肝細胞培養用培地でリンスすることによりヒアルロン酸に付着しない細胞を容易に除去することができる。担体がビーズのような比較的小型の担体の場合、遠心により、または、磁気ビーズの場合は磁気により固定し、続いて培地を除去し、必要により適切なバッファーまたは培地で洗浄することによってヒアルロン酸に付着した細胞を容易に回収する、あるいは、ヒアルロン酸に付着しない細胞を容易に除去することができる。その後、新鮮な培地を添加して、ヒアルロン酸存在下または非存在下でさらに培養を続けることもでき、また、後述するように担体から小型肝細胞を解離させる処理に供することもできる。
上述のように培養したのち、培地を除去し、必要に応じて担体を培地またはPBS等の適切なバッファーで洗浄した後、ヒアルロニダーゼを作用させることによって、ヒアルロン酸に付着した小型肝細胞を担体から解離させることができる。ヒアルロニダーゼは商業的に入手可能であり、適切なバッファー中に調製して使用することができる。使用する適切なバッファーは、ヒアルロニダーゼを溶解することができ、ヒアルロニダーゼ活性を著しく阻害しないバッファーであればよく、例えば、ハンクス液、一般的な細胞培養培地、生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)を利用することができる。また、ヒアルロニダーゼの濃度も特に限定されないが、例えば0.1〜20mg/ml、好ましくは1〜10mg/mlの濃度で調製することができる。担体からの小型肝細胞を解離させるためにはこのように調製したヒアルロニダーゼを担体−ヒアルロン酸−細胞複合体に作用させる。作用させるヒアルロン酸の量は特に限定されず、使用量に応じてインキュベーション時間を調整することができる。しかしながら、一般には、担体表面1cm2あたり好ましくは約5μg〜1000μg、より好ましくは約50μg〜500μgのヒアルロニダーゼを使用することが出来る。
例えば、培養液を除去後、PBSで洗浄し、1mM EDTA/PBSを1ml加え、室温で1分間インキュベートする。1mM EDTA/PBSを除去後、予め培養温度と同じ、例えば37℃に温めた上記濃度のヒアルロニダーゼ溶液を加え、37℃の5%炭酸ガスインキュベーターで適切な時間インキュベーションする。例えば、60mm培養皿を用いた場合は、5mg/mlまたは10mg/mlのヒアルロニダーゼ溶液を約1ml使用するのが好ましい。インキュベーション時間は、ヒアルロン酸を塗布した担体、例えば、ヒアルロン酸コーティング培養皿または培養フラスコを使用する場合は、典型的には約30分間〜約2時間である。特にヒアルロン酸で出来た、またはヒアルロン酸を主成分とする担体、例えばヒアルロン酸スポンジ等を処理する場合は、その担体の全部、または成分であるヒアルロン酸が充分に溶解するまでインキュベーションする。いずれの場合も、細胞の遊離状態を観察しながら、インキュベーション温度および時間を最適に調整することができる。その後、氷冷した培養液を適当量加え、軽くピペッティングした後、チューブに回収し、50 x g、5分間の遠心を行うことにより小型肝細胞を回収することが出来る。
培養期間等の条件に依存して、ヒアルロニダーゼ処理では小型肝細胞が充分に遊離しない場合もあり得る。その場合は、市販の細胞解離溶液、例えばSigma社から入手できるCell dissociation solutionを利用することが出来る。例えば、培養液を除去後、PBS等の適切なバッファーで洗浄し、1mM EDTA/PBSを適当量加え、室温で1〜3分間程度インキュベートする。続いて、1mM EDTA/PBSを除去後、予め培養温度と同じ、例えば37℃に温めたCell dissociation solutionを適当量加え、5%炭酸ガスインキュベーターで例えば5-15分間程度インキュベーションすることにより容易に小型肝細胞を担体から解離させることが出来る。インキュベーション温度および時間は細胞の遊離状態を観察しながら最適に調整することができる。
上述したような細胞解離溶液処理は単独で行っても、ヒアルロニダーゼ処理と併用しても良い。
インキュベーション後、担体から解離した小型肝細胞を適切な方法により回収することができる。例えば、インキュベーション後、培養容器にPBS等の細胞に有害でない適切なバッファーまたは培地を適当量添加し、遊離した小型肝細胞の細胞懸濁物を調製し、必要により遠心および再懸濁を繰り返し、担体−ヒアルロン酸から遊離した小型肝細胞を洗浄および回収することができる。遠心は小型肝細胞に過剰な傷害を与えないよう、比較的低速にて短時間、例えば50 x gにて5分間程度行うのが好ましい。担体がビーズ等の小型担体である場合は、さらに低速および/または短時間の遠心、または、数秒間〜数分間程度、好ましくは1分間以下、単に静置することにより小型肝細胞懸濁物と担体−ヒアルロン酸とを分離することができる。このようにして得られた小型肝細胞を、さらに、表面にヒアルロン酸を付着させた担体および/またはヒアルロン酸を主成分とする担体の共存下で選択的に培養し、上述した操作を繰り返すこともできる。
このようにして分離および/または培養した小型肝細胞が肝細胞としての機能の一部を有していることは、種々のマーカーを用いて確認することができる。そのようなマーカーとしては、培地中に分泌されるアルブミンの他、トランスフェリン、尿素の産生、グリコーゲン量、アミノ酸代謝酵素、チトクロームP450等が利用できる。これらは、培地または細胞抽出液のELISA、Westernブロット解析、RT-PCR等によって、あるいは直接細胞を免疫染色することによって確認することができる。小型肝細胞は、成熟肝細胞のマーカーであるアルブミン、CK8、CK18、グリコーゲン、ペルオキシゾーム等のマーカーを有しており、一方胆管上皮細胞のマーカーであるCK7、CK19等を有していない等の点で、他の細胞と区別し得る。例えば、肝幹細胞の一種として知られるoval 細胞はCK7、CK19等の胆管上皮細胞のマーカーを有し、グリコーゲン、ペルオキシゾーム等の成熟肝細胞マーカーを有しない点で小型肝細胞と区別することができる。またその他の非実質細胞マーカー[ED1/2(クッパー細胞のマーカー), SE-1(類洞内皮細胞マーカー), デスミン(desmin)(伊東細胞のマーカー), ビメンチン(vimentin)(肝上皮様細胞マーカー)]についても陰性であることを確認することができる。
このようにして効率的に分離および培養維持した小型肝細胞は、上述した培地および培養容器を用いて、肝臓から得た小型肝細胞を多く含む画分を培養するときと同様に培養することができる。この場合、培養容器として前述したようなヒアルロン酸付着培養器を使用しても良いが、通常の細胞培養に使用される培養皿を使用してもよい。一般に接着細胞の培養用に使用されるコラーゲン被覆培養容器を用いることもできるが、凍結保存用コロニーの調製または肝組織形成に適した小型肝細胞コロニーを調製する場合のように、小型肝細胞を培養容器から剥離することを意図するのであれば、コラーゲンを被覆しない培養皿を使用することが好ましい。細胞外基質が少ないほどより温和な条件で細胞が剥がれやすく、かつ、コラーゲン等で被覆しない場合には、小型肝細胞が優先的に容器から剥離する傾向があるからである。培養には、通常の5%炭酸ガスインキュベーターを使用することができる。炭酸ガス濃度および培養温度は、通常の培養細胞に許容される範囲であれば本質的ではない。
さらに、このようにして効率的に分離および培養維持した小型肝細胞は、WO 01/92481に記載された方法に従って凍結保存することもでき、また、WO 02/088332に記載された方法に従って、肝組織へ成熟化させること、さらには成熟化させた肝組織を用いて薬物機能を推定するために使用することもできる。
なお、本明細書に記載の文献の開示内容は、引用によりその全体が本明細書に取り込まれるものとする。
(実施例)
実施例1.小型肝細胞を豊富に含む細胞画分の調製
成熟ラット(10〜15週令)の肝臓をSeglenの方法に準じて、0.2mM EGTAを加えたカルシウム、マグネシウムを含まないハンクス液で門脈から灌流した。40ml/分の流速で約4分流したあと、0.02%コラゲナーゼ(ヤクルト)を含むハンクス液を20ml/分の流速で10分間流した。消化された肝臓から定法に従って肝細胞をビーカー内に振るい落とした。細胞縣濁液を250、70マイクロメーターの穴のあいたフィルターで濾し、50xgで1分間遠心した。上清を集め、再び50xgで1分間の遠心を2回くり返した。その上清を集め、50xgで5分間遠心した。沈殿した細胞を培養液(Leivobitz L-15+10% ウシ胎仔血清+ 10-7 M デキサメタゾン+0.5 mg/lインスリン+ 抗生物質)で洗浄し、再び50xgで5分間遠心した。同様の操作を繰り返した後、今度は150xgで5分間遠心した。同様の操作を繰り返した後、再び50xgで5分間遠心した。沈殿した細胞を新しい培養液で縣濁したあと、生細胞数を数え、1.0 x 104〜5.0 x 105細胞/mlに調製した。
実施例2.CD44の小型肝細胞における発現パターン
実施例1で調製した細胞のCD44発現パターンを調べた。
1)CD44の発現パターンの経時的変化
調製直後の小型肝細胞、培養開始後の小型肝細胞及び成熟肝細胞からtotal RNAを調整し、RT-PCR法によりCD44の発現を調べた。GPDH(グリセロール3-リン酸脱水素酵素)を陽性対照(ハウスキーピング遺伝子)として使用した。培養は以下の培地で行った。
約1.0〜1.5 x 105個の小型肝細胞からtotal RNAを抽出した。ISOGEN(ニッポンジーン)を用いて業者の推奨するプロトコルに従って細胞を溶解し、それにクロロホルムを加えてよく混ぜた後、10000 x g、15分間、4℃にて遠心した。上層を取り出し、イソプロパノールを加え、10000 x g、15分間、4℃にて遠心後、得られた沈殿を70%エタノールで洗浄し、DEPC-水に溶解した。成熟肝細胞からのRNA抽出は、灌流直後の細胞から同様な方法で抽出した。
得られたtotal RNA 10ngを用いて、RT-PCRを行った。PCR産物を電気泳動し、得られた各バンドをデンシトメータで読み取り、CD44のバンドの強度をGPDHのバンドの強度で除算し相対強度を計算した。用いたプライマーは下記の通りである:
5'-cccgaattcatggacaaggtttggtggca-3' (配列番号1)
5'-cccgaattcctacaccccaatcttcatat-3' (配列番号2)
またGPDH用には以下のプライマーを使用した。
5'-accacagtccatgccatcac-3' (配列番号3)
5'-tccaccaccctgttgctgta-3' (配列番号4)
PCRの条件は以下の通りである:95℃:15秒、60℃:30秒、68℃:1分、サイクル数=25
その結果、初代培養開始後、約2〜3日後には顕著なCD44の発現が見られ、その後さらに発現は増大して培養開始3〜5日後にはほぼ最大に達すること、および増殖中の小型肝細胞ではCD44の発現レベルがほぼ維持されることが明らかになった(図1)。また、この条件で培養した場合に小型肝細胞がある程度成熟する培養40日後にはCD44の発現が低下することも示された(図1)。
2)小型肝細胞および成熟肝細胞におけるCD44の発現パターンの比較
WO 01/92481に記載した方法に従って凍結保存しておいた細胞(約1.0〜1.5 x 105細胞)を常法に従って溶解し、2週間培養した細胞から1)と同様な手順によりtotal RNAを抽出した。成熟肝細胞からのRNA抽出は、灌流直後の細胞から同様な方法で抽出した。得られたtotal RNA 10ngを用いて、1)と同様にしてRT-PCRを行い、CD44の相対発現量を調べた。ただし、PCRのサイクル数を35とした。PCR産物を電気泳動し、得られた各バンドをデンシトメータで読み取り、CD44のバンドの強度をGPDHのバンドの強度で除算し相対強度として小型肝細胞と成熟肝細胞におけるCD44の発現を比較した(図2)。
その結果、成熟肝細胞では一貫してCD44の発現はかなり低いことが明らかになった(図1,図2)。
同様な結果はノーザンブロットによっても得られている(図3)。この場合もハウスキーピング遺伝子としてGPDHを用いた。上述したように、得られた各バンドをデンシトメータで読み取り、CD44のバンドの強度をGPDHのバンドの強度で除算し、小型肝細胞と成熟肝細胞におけるCD44の発現を比較した。使用したプローブは、CD44のコード領域全長である(配列番号5)。プローブは、Alkphos Directラベリングキット(Amersham Biosciences)を用いて標識した。
さらに、WO 02/088332に記載された方法に従って、Matrigelを培養中の小型肝細胞に添加して小型肝細胞の成熟化を誘導し、CD44発現の変化をノーザンブロットにより調べた。Matrigel添加後第2日から成熟化が開始することが分かっており(WO 02/088332)、成熟化に伴ってCD44の発現が低下することが示された(図4)。
これらの結果は、CD44の発現が小型肝細胞に特異的であることを示すと共に、肝臓からの細胞画分の調製という傷害により、CD44の発現が誘導され、肝臓を構成する細胞群中に潜在的に存在していた小型肝細胞またはその前駆細胞が小型肝細胞としての本来の性質を表すようになった可能性を示唆している。
実施例3.ヒアルロン酸共存下における培養
10mg/mlの濃度になるようにヒアルロン酸ストック溶液をPBS中で調製し、37℃に保持した。使用したヒアルロン酸はSigmaから購入した(Sigma Hyaluronic acid (ヒト臍帯;Human umbilical cords)、カタログ番号H-1504)。得られたヒアルロン酸ストック溶液の適当量にPBSを加えて、1〜10mgのヒアルロン酸を全体積3ml中に含むようにヒアルロン酸希釈溶液を調製した。得られた各種濃度のヒアルロン酸溶液を、60mmの無処理ディッシュ(Kord-Valmark Co.)に加えた。このディッシュを一晩37℃でインキュベートし、PBSで洗浄後使用した。
このディッシュに1)で調製した小型肝細胞を豊富に含む細胞分画を播いた。最初の24時間は下記に示す培地を用い、その後前述の培地に10% FBS(Hyclone Laboratories, Inc.)を加えた培地と交換した。培養は炭酸ガス培養器を使用し、基本的に二日に一回(週3回)の割合で培地交換を行った。
培地組成は以下の通りである:
ヒアルロン酸1mg、5mg、10mgを用いて60mm培養皿をコーティングし、ヒアルロン酸塗布培養皿上における小型肝細胞の増殖を7、14および21日目に顕微鏡下で観察した。結果を図5に示す。
図5から明らかなように、非付着細胞用の培養皿(陰性対照)上の培養では小型肝細胞はほとんどコロニーを形成せず、付着細胞培養用の培養皿(陽性対照)での培養に比べるとヒアルロン酸塗布培養皿では小型肝細胞の面積が大きかった。また培養期間が長くなると小型肝細胞が増殖するかわりに小型肝細胞の分化、すなわち成熟化が起こり、小型肝細胞コロニーの面積の増加率は低くなるが、ヒアルロン酸を塗布しない場合に比較して少なくとも第21日目までは依然として面積が大きいことが示されている。また、顕微鏡観察によれば、増殖中の小型肝細胞の形態に変化は見られなかった。
実施例4.小型肝細胞の単離
a)ヒアルロニダーゼ処理
ヒアルロン酸塗布培養皿で6日間、および3週間培養後、ヒアルロニダーゼ(Sigma Chemical Co.)で処理した。培養皿から培養液をぬいた後、PBSで洗浄し、1mM EDTA/PBSを1ml加え、室温で1分間インキュベートした。1mM EDTA/PBSを除去後、予め37℃に温めたヒアルロニダーゼ(5mg/mlまたは10mg/ml)を1ml加え、37℃の5%炭酸ガスインキュベーターで2時間インキュベートした。その後、氷冷した培養液を1ml加え、軽くピペッティングした後、チューブに回収し、50 x g、5分間、遠心を行い、小型肝細胞を回収した。
6日培養した小型肝細胞コロニーは、剥離可能で細胞を回収することができたが、3週間培養した細胞は、ヒアルロニダーゼ単独では細胞を充分に剥離することができなかった。そのため、b)で示すような分散液を使用した。
b)細胞解離溶液(Cell dissociation solution)による処理
ヒアルロン酸塗布培養皿で3週間培養後、細胞解離溶液(Cell dissociation solution)(Sigma Chemical Co.)を業者の推奨するプロトコルに従って用いて培養皿に付着した細胞を処理した。
培養液を除去後、PBSで洗浄し、1mM EDTA/PBSを1ml加え、室温で1分間インキュベートした。1mM EDTA/PBSを除去後、予め37℃に温めたCell dissociation solutionを1ml加え、37℃の5%炭酸ガスインキュベーターで5-15分間インキュベートした。その後、氷冷した培養液を1ml加え、チューブに回収し、50 x g、5分間の遠心を行い、小型肝細胞を回収した。
得られた細胞は形態学的に小型肝細胞と同等であり、CD44陽性であった。この細胞は増殖してコロニーを形成することができた。コロニーを形成した細胞は、アルブミンを分泌しており、さらに免疫染色によって解析した結果、非実質細胞マーカー[ED1/2(クッパー細胞のマーカー)、SE-1(類洞内皮細胞マーカー)、デスミン(desmin)(伊東細胞のマーカー)、ビメンチン(vimentin)(肝上皮様細胞マーカー)]はすべて陰性であった。従って、得られた細胞は小型肝細胞であることが確認された。
実施例5.成熟肝細胞の調製
成熟ラットの肝臓をコラゲナーゼを含む溶液で灌流し、得られた細胞懸濁液を50xg、1分間、4℃で遠心し、沈殿を回収した。沈殿をハンクス緩衝液に懸濁し、50xg、1分間、4℃で遠心、この操作を3回繰り返した。
得られた細胞を25mlのハンクス緩衝液に懸濁し、21.6ml パーコール(Amersham)、2.4mlの10xハンクス緩衝液に加えて転倒混合した。50xg、15分間、4℃で遠心し、上清を除いた。細胞をPBSで懸濁し、50xg、1min、4℃で遠心、沈殿を回収して、成熟肝細胞を得た。
実施例6.小型肝細胞及び成熟肝細胞のヒアルロン酸共存下における培養の比較
実施例1及び4の方法で調整した小型肝細胞及び成熟肝細胞を実施例3の方法で塗布したディッシュに播いた。培養法は実施例3と同様に行った。
最初の24時間は下記に示した培地を使用し、その後10%FBS (Hyclone laboratories, Inc.)を加えた培地と交換した。培養は炭酸ガス培養器を使用し、週三回の割合で培地交換を行った。
培養後1日目及び7日目でディッシュ上に生育している細胞数を数えた。1日目の細胞数を1として7日目における割合を示した(図6)。成熟肝細胞は培養7日目ではほとんど生育していないのに対し、小型肝細胞は7日目では1日目の約7倍の細胞数に達していた。
本発明により、ヒトを含む哺乳動物の肝臓から、効率的に小型肝細胞を分離することができる。また、本発明により、小型肝細胞を選択的に培養することができる。さらに、本発明により、培養中に成熟化して小型肝細胞としての永続的増殖能を失った細胞と小型肝細胞とを効率的に分離して培養することができる。
例えば、ヒアルロン酸をコーティングした培養皿で小型肝細胞および成熟肝細胞をそれぞれ培養した場合、成熟肝細胞は培養7日目ではほとんど生育していないのに対し、小型肝細胞は7日目では1日目の約7倍またはそれ以上の細胞数に達し得るので、本発明により成熟肝細胞と区別して小型肝細胞を選択的に培養および分離することが出来る。
(参考文献)
1.国際公開第WO 01/92481号パンフレット
2.国際公開第WO 02/088332号パンフレット
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4.特開2002-078481号公報
5.特開平09-313172号公報
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9.Mitaka T., Sato F, Mizuguchi Tら、Hepatology 29, 111-135 (1999)
図1は調製および培養開始後の各時点におけるCD44のmRNAレベルの発現をRT-PCRにより解析した結果である。縦軸は相対強度、横軸は培養日数を示す。 図2は、小型肝細胞および成熟肝細胞におけるCD44のmRNAレベルの発現をRT-PCRにより比較した結果である。SH:小型肝細胞、MH:成熟肝細胞。縦軸は相対強度を示す。 図3は、小型肝細胞および成熟肝細胞におけるCD44のmRNAレベルの発現をノーザンブロットにより比較した結果である。SH:小型肝細胞、MH:成熟肝細胞。縦軸は相対強度を示す。またUpperは検出されたmRNAのうちサイズの大きいRNA、Lowerはサイズの小さいRNAを表す。 図4は、Matrigelによって成熟化を誘導した小型肝細胞におけるCD44発現をノーザンブロットによって調べた結果である。SH:小型肝細胞、MH:成熟肝細胞。縦軸は相対強度を示す。 図5は、種々の量のヒアルロン酸をコーティングした培養皿における小型肝細胞コロニーの増殖の時間経過を示したものである。縦軸はmm2単位の面積x10-3である。陽性対照:付着細胞用の培養皿、陰性対照:非付着細胞用の培養皿、コラーゲン:コラーゲン塗布培養皿、1mg HA、5mg HA、10mg HA:それぞれ1mg、5mg、10mgのヒアルロン酸で処理した培養皿。 図6は、ヒアルロン酸塗布培養皿上における成熟肝細胞及び小型肝細胞の位相差顕微鏡写真である。A:成熟肝細胞培養第1日目、B:成熟肝細胞培養第7日目、C:小型肝細胞培養第1日目、D:小型肝細胞培養第7日目。ヒアルロン酸を塗布した60mm培養皿上に成熟肝細胞(MH)及び小型肝細胞(SH)を3x105細胞の濃度で播種し、培養した。それぞれ1日目、7日目の細胞の成育状況を示す。小型肝細胞はコロニーを形成して増殖しているのに対して、成熟肝細胞は丸くなり剥がれ落ち、7日目にはほとんどの生着している細胞は無くなった。図中の線は、200マイクロメーターを示す。 図7は、ヒアルロン酸塗布培養皿上における成熟肝細胞及び小型肝細胞の増殖を示したグラフである。生着している細胞数を計測し、1日目の細胞数を1として、7日目の細胞数を相対的に示した。

Claims (10)

  1. 表面にヒアルロン酸を付着させた担体および/またはヒアルロン酸を主成分とする担体の共存下で小型肝細胞を培養することを含む、小型肝細胞の培養方法。
  2. 表面にヒアルロン酸を付着させた担体および/またはヒアルロン酸を主成分とする担体の共存下で小型肝細胞を培養すること、および、ヒアルロン酸に付着する細胞とヒアルロン酸に付着しない細胞を分離すること、を含む、請求項1記載の小型肝細胞の培養方法。
  3. 以下の工程を含む、小型肝細胞の培養方法:
    i)表面にヒアルロン酸を付着させた担体および/またはヒアルロン酸を主成分とする担体の共存下で小型肝細胞を培養する工程;
    ii)i)で得られる培養物においてヒアルロン酸に付着する細胞とヒアルロン酸に付着しない細胞を分離する工程;
    iii)工程ii)で得られるヒアルロン酸に付着する小型肝細胞を前記ヒアルロン酸から解離させる工程;および、
    iv)工程iii)で得られた小型肝細胞について、工程i)〜iii)を1サイクル以上繰り返す工程。
  4. 担体が、多孔質、ガラス、セファロース、プラスチック、金属、セルロールからなる群より選ばれる、請求項1〜3のいずれか1項記載の小型肝細胞の培養方法。
  5. 担体表面へのヒアルロン酸の付着が、担体表面に対して10〜1000μg/cm2のヒアルロン酸と担体とをインキュベーションすることによって行われる、請求項1〜4のいずれか1項記載の小型肝細胞の培養方法。
  6. 以下の工程を含む、小型肝細胞の分離方法:
    i)表面にヒアルロン酸を付着させた担体および/またはヒアルロン酸を主成分とする担体の共存下で哺乳動物肝臓由来の細胞を培養する工程;
    ii)i)で得られる培養物からヒアルロン酸に付着する細胞を回収する工程。
  7. 以下の工程を含む、請求項6記載の小型肝細胞の分離方法:
    i)表面にヒアルロン酸を付着させた担体および/またはヒアルロン酸を主成分とする担体の共存下で哺乳動物肝臓由来の細胞を培養する工程;
    ii)i)で得られる培養物においてヒアルロン酸に付着する細胞とヒアルロン酸に付着しない細胞を分離する工程;
    iii)ヒアルロン酸に付着する細胞を前記ヒアルロン酸から解離させる工程;
    iv)工程i)〜iii)を1サイクル以上繰り返す工程;および
    v)前記ヒアルロン酸から解離させた細胞を回収する工程。
  8. 担体が、多孔質、ガラス、セファロース、プラスチック、金属、セルロースからなる群より選ばれる、請求項6または7記載の小型肝細胞の分離方法。
  9. 担体表面へのヒアルロン酸の付着が、担体表面に対して10〜1000μg/cm2のヒアルロン酸と担体とをインキュベーションすることによって行われる、請求項6〜8のいずれか1項記載の小型肝細胞の分離方法。
  10. 小型肝細胞をヒアルロン酸から解離させる工程が、ヒアルロニダーゼを作用させることによって行われる、請求項6〜9のいずれか1項記載の小型肝細胞の分離方法。
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