JPWO2006001332A1 - スピン記録方法および装置 - Google Patents
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Abstract
原子・分子スケールの安定したビットを形成して、記録密度を大幅に向上することができるスピン記録方法。単結晶中に相互に十分離れた距離にある遷移金属原子(イオン)を含む化合物単結晶は常磁性を示し、各遷移金属原子(イオン)はその不完全殻の電子による固有の磁気モーメントを持ち、また、各遷移金属原子(イオン)は結晶場の影響で磁気異方性を生じる。すなわち、常磁性化合物の遷移金属原子(イオン)は基本的に個々の独立した磁気モーメントと磁気異方性を持つ。本方法は、このような遷移金属原子(イオン)を含む常磁性結晶表面近傍にある磁性原子(イオン)の原子磁気モーメントを利用して、情報(信号)を記録する。
Description
本発明は、孤立スピンを利用したスピン記録方法および装置に関する。
今日、情報記録デバイスとしては、磁化の向きにより情報を記録する磁気記録デバイスが一般的である。磁気記録の方式には、記録媒体の磁化方向が磁気ヘッドの走行方向に平行な長手記録方式と、磁気ヘッドの走行方向に垂直な垂直記録方式とがある。
長手記録方式は、従来、一般的な磁気記録方式であるが、技術の多年にわたる蓄積と向上によって記録密度は限界に近づいていると言われている。
一方、垂直記録方式は、最近実用化されつつある磁気記録方式であり、記録密度の増大に伴いビットの安定性が増すため、高密度記録に有利であると期待されている(非特許文献1)。垂直記録方式は、隣接する記録ビット同士に吸引力が働くため、長手記録方式に比べ高密度で安定な磁化が得られるという特長があり、現在、記録媒体としては、高密度記録が可能なCo−Cr合金系媒体と、熱安定性が高い非晶質媒体とが開発されている。
竹野入俊司、酒井泰志、榎本一雄、及川忠明、渡辺貞幸、上住洋之、島津武仁、村岡裕明、中村慶及、「CoPtCr−SiO2グラニュラー垂直磁気記録媒体」、日本応用磁気学会誌 Vol.27,No.9,2003
竹野入俊司、酒井泰志、榎本一雄、及川忠明、渡辺貞幸、上住洋之、島津武仁、村岡裕明、中村慶及、「CoPtCr−SiO2グラニュラー垂直磁気記録媒体」、日本応用磁気学会誌 Vol.27,No.9,2003
しかしながら、垂直記録方式においても、現在の研究開発スピードが続けば、磁壁程度(約10nm)の幅を持った微細な磁石を並べる必要があることが予想されており、本質的には、現行の技術(長手記録方式)と同様に強磁性材料を使用する限り、磁壁以下の大きさにはなれず、記録密度の向上には一定の限界がある。
また、仮に磁壁以下の原子・分子スケールの構造物をビットとして作成できたとしても、交換相互作用(原子間の距離程度の大きさ内で働く)や超交換相互作用(他の物質を介在して交換相互作用よりも長い距離で働く)があれば、ビット内のスピン同士が相互作用し、安定したビットにはならない。すなわち、従来は、一般に、材料として強磁性体が使用されるため、周囲に漏れ磁場が形成され、ビット間に相互作用(磁気双極子的相互作用)が生じて、隣接するビットが反転するなどの障害が生じるおそれがある。しかも、ビットを原子・分子のスケールまで縮小しようとすれば、漏れ磁場よりも原子上の電子のスピン間の相互作用(交換相互作用)が大きくなることが予想され、この交換相互作用によりビット間に相互作用が生じて、やはり、隣接するビットが反転するなどの障害が生じるおそれがある。したがって、従来の材料を使用する限り、原子・分子スケールのビットを形成したとしても、孤立的な安定したビットにはならず、安定的に読み出し/書き込みを行うには限界がある。
本発明の目的は、原子・分子スケールの安定したビットを形成して、記録密度を大幅に向上することができるスピン記録方法および装置を提供することである。
本発明は、結晶場による軌道の異方性が、スピン軌道相互作用によりスピンの磁気異方性を発現する、孤立スピンを有する常磁性体に対して、情報を前記孤立スピンの状態として書き込むようにした。また、隣接する格子上のスピンと相互作用を持たない孤立スピンを有し、前記孤立スピンが結晶場に対してスピン軌道相互作用により特定の方向性を有する常磁性体に対して、情報を前記孤立スピンの状態として書き込むようにした。
本発明によれば、原子・分子スケールの安定したビットを形成して、記録密度を大幅に向上することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
本発明は、常磁性化合物の遷移金属原子(イオン)の不完全殻電子状態、原子磁気モーメント、および磁気異方性エネルギーを考慮し、その原子磁気モーメントを利用する新規なメモリに関する。本明細書中では、この新規なメモリを「スピンメモリ」と呼ぶことにする。
本発明者は、記録密度を向上させるためには、原子・分子スケールの安定したビットを形成することが必要であることを見出した。また、原子・分子スケールの安定したビットを形成するためには、漏れ磁場や交換相互作用の影響を回避し、ビット間の相互作用がない材料を用いる必要があることを見出した。さらに、そのためには、特定の物質の内部または表面に周期的に生じ、磁気異方性を示す結晶場に対して特定の方向性を有する孤立スピン(隣接する格子上のスピンと相互作用を持たないスピン)を利用すればよいことを見出したのである。
本発明は、特定の材料において、孤立スピンが結晶場に対して特定の方向性を有する点に着目し、孤立スピンの状態(磁気モーメント)を検出または反転することにより、孤立スピンをビットとしたメモリの読み取りと書き込みを行うものである。
より具体的には、単結晶中に相互に十分離れた距離にある遷移金属原子(イオン)を含む化合物単結晶は常磁性を示し、各遷移金属原子(イオン)はその不完全殻の電子による固有の磁気モーメントを持ち、また、各遷移金属原子(イオン)は結晶場の影響で磁気異方性を生じる。すなわち、常磁性化合物の遷移金属原子(イオン)は基本的に個々の独立した磁気モーメントと磁気異方性を持つ。本発明は、このような遷移金属原子(イオン)を含む常磁性結晶表面近傍にある磁性原子(イオン)の原子磁気モーメントを利用して、情報(信号)を記録し、読み取り、書き換える等の操作を行うメモリである。ここで、原子磁気モーメントとは、原子上の電子が作り出す全磁気モーメント、つまり、原子上の全電子のスピン角運動量と軌道角運動量の総和が生み出す磁気モーメントのことである。
このように、本発明では、磁気異方性を持つ常磁性体の結晶場の性質を用いるため、構造中の1原子、1分子、1クラスタ上の孤立スピンと結晶場との相互作用が生み出す、孤立スピンの磁気モーメントをビットとしたメモリを形成することができる。読み出しと書き込みについては、プローブ顕微鏡などのスピンプローブや、磁気プローブなどを用いて、スピンを反転させることによって書き込みを行い、また、反転させない程度の相互作用を検出することによって読み出しを行う。
以下、図面を用いて本発明の原理を説明する。
本発明では、スピンメモリの材料として、a)常磁性体で、b)使用温度(好ましくは常温)で磁気異方性が強く、c)孤立スピンを持つ、物質を選択する。
図1Aは、常磁性体におけるスピンの一般的な状態(磁気モーメント)の一例を模式的に示す図であり、図1Bは、結晶場に対する孤立スピンの状態(磁気モーメント)の一例を模式的に示す図である。
上記のように、スピンメモリの材料には、常磁性体を使用する。常磁性体とは、働いている磁界の方向に磁場を発生する磁性体である。すなわち、常磁性体では、原子磁気モーメント間の相互作用が弱く、熱じょう乱のためその配列はランダムになっており、固体としての正味の磁気モーメントを生じないが、外部から磁界を加えると原子磁気モーメントがわずかに磁界の方向に配向し、全体として磁界方向に磁化する。このような常磁性体においては、図1Aに示すように、スピン1は自由な方向に向くことができる。なお、従来の磁気記録に使用される強磁性体では、原子磁気モーメント間に量子力学的な強い交換相互作用が働くため、スピンは平行に揃っている。
このような常磁性体の系に磁気異方性がある場合、図1Bに示すように、スピンは二方向のいずれかを取りやすくなる。特に、これらのスピンが孤立スピン1aである場合は、各スピン1aの方向は互いに影響することなく、二方向に集約される。図1B中の白抜き矢印3は、結晶場の磁気異方性の方向を示している。すなわち、常磁性体のスピンについては、結晶場により軌道のエネルギーが異なり、スピン軌道相互作用によりスピンの格子(結晶場)に対して方向性が生じると、磁気異方性(スピンが向きやすい方向)が生じ、スピンメモリとして使用可能になる。
以下では、本発明の原理をより詳細に説明する。
(電子間クーロン相互作用)
遷移金属原子(イオン)の不完全殻の電子は、おのおの、軌道角運動量lとスピン角運動量sを持ち、不完全殻の電子間クーロン相互作用のエネルギーは、電子全体の軌道角運動量L=Σlとスピン角運動量S=Σsで決まるLS多重項からなる。LS多重項の電子配置(電子状態)に関して、最低のエネルギーを持つ状態(基底状態)は、フント(Hund)の法則で決まる。フントの法則によれば、(a)一つの電子配置では、Sが最大の多重項が一番低いエネルギーを持つ、(b)最大のSを与える多重項が複数あれば、その中でLが最大のものが一番低いエネルギーを持つ。
遷移金属原子(イオン)の不完全殻の電子は、おのおの、軌道角運動量lとスピン角運動量sを持ち、不完全殻の電子間クーロン相互作用のエネルギーは、電子全体の軌道角運動量L=Σlとスピン角運動量S=Σsで決まるLS多重項からなる。LS多重項の電子配置(電子状態)に関して、最低のエネルギーを持つ状態(基底状態)は、フント(Hund)の法則で決まる。フントの法則によれば、(a)一つの電子配置では、Sが最大の多重項が一番低いエネルギーを持つ、(b)最大のSを与える多重項が複数あれば、その中でLが最大のものが一番低いエネルギーを持つ。
(スピン軌道相互作用)
一つの多重項は、スピン軌道相互作用によりエネルギーがさらに分裂し、J=L+Sで定義される全角運動量の大きさJで指定されるJ多重項に分かれる。
一つの多重項は、スピン軌道相互作用によりエネルギーがさらに分裂し、J=L+Sで定義される全角運動量の大きさJで指定されるJ多重項に分かれる。
遷移金属原子(イオン)の不完全殻が鉄族遷移金属(3dn)や希土類遷移金属(4fn)の場合は、電子間クーロン相互作用がスピン軌道相互作用よりも大きいため、一つの多重項内において、スピン軌道相互作用のエネルギーは、VLS=λLSで表すことができる。ここで、
3dn軌道では、n<5(less than half)でλ>0、n>5(more than half)でλ<0、
4fn軌道では、n<7(less than half)でλ>0、n>7(more than half)でλ<0、である。nは、各軌道(3d軌道、4f軌道)に入った電子の個数を意味する。
3dn軌道では、n<5(less than half)でλ>0、n>5(more than half)でλ<0、
4fn軌道では、n<7(less than half)でλ>0、n>7(more than half)でλ<0、である。nは、各軌道(3d軌道、4f軌道)に入った電子の個数を意味する。
この式により、例えば、3dn軌道の場合、この軌道に入っている電子の個数(n)が、この軌道に入りうる電子の最大数(10個)の半分(5個)よりも小さいとき、つまり、半分未満しか3d軌道が充填されていない原子の場合には、スピン軌道相互作用はプラスとして働くことになる。
なお、通常、多重項の電子配置は、分光学の記号2S+1LJを用いて表される。例えば、L=0,1,2,3,4,5,6,‥に対して記号S,P,D,F,G,H,I,K,L,M,‥が用いられる。
(1原子当たりの磁気モーメント)
最低エネルギーのJ多重項において、磁気モーメントは、m=−(L+2S)μB=−gJμBJとなる。ここで、μBはボーア(Bohr)磁子、gJはランデ(Lande)因子と呼ばれる。後述するように、4fn軌道は、遷移金属原子(イオン)の内部にあり、直接結晶場の影響を受けないため、原子磁気モーメントは、m=−gJμBJで良く記述することができる。しかし、3dn軌道の場合、電子は結晶場の影響で軌道角運動量の消失、つまり、軌道角運動量の期待値化〈L〉=0が起こるため、磁気モーメントは、m=−2SμBである。なお、結晶場は、実質的にはスピン電子状態の平衡をずらす意味を持つため、結晶内に電子(より厳密には、電子とスピンの両方)の密度に濃淡が生じ、これにより電場が形成される。
最低エネルギーのJ多重項において、磁気モーメントは、m=−(L+2S)μB=−gJμBJとなる。ここで、μBはボーア(Bohr)磁子、gJはランデ(Lande)因子と呼ばれる。後述するように、4fn軌道は、遷移金属原子(イオン)の内部にあり、直接結晶場の影響を受けないため、原子磁気モーメントは、m=−gJμBJで良く記述することができる。しかし、3dn軌道の場合、電子は結晶場の影響で軌道角運動量の消失、つまり、軌道角運動量の期待値化〈L〉=0が起こるため、磁気モーメントは、m=−2SμBである。なお、結晶場は、実質的にはスピン電子状態の平衡をずらす意味を持つため、結晶内に電子(より厳密には、電子とスピンの両方)の密度に濃淡が生じ、これにより電場が形成される。
(結晶場の影響)
遷移金属原子(イオン)の不完全殻の電子は、結晶中の周囲のイオンが作る電場(結晶場)の影響を受けながら運動している。この結晶場は、イオンの空間配置による対称性を持つ。電子の軌道角運動量は、このような結晶場の対称性を反映して、対称性が下がるにつれて縮退がとれてゆく。
遷移金属原子(イオン)の不完全殻の電子は、結晶中の周囲のイオンが作る電場(結晶場)の影響を受けながら運動している。この結晶場は、イオンの空間配置による対称性を持つ。電子の軌道角運動量は、このような結晶場の対称性を反映して、対称性が下がるにつれて縮退がとれてゆく。
一つのLS多重項において、電子間クーロン相互作用のエネルギーをVH、スピン軌道相互作用の大きさをVLS、結晶場の大きさをVcrとすると、Vcr>VH>VLSの場合は強い結晶場であり、Vcr<VLS<VHの場合は弱い結晶場であり、VLS<Vcr<VHの場合は中間の結晶場である。第1の場合は、結晶場で分かれた準位に低いエネルギーから順番に±スピンの電子が詰まるため、全体のスピンは低くなる(low spin state)。これに対し、第2と第3の場合は、フントの法則によりスピンの大きい配置が低いエネルギを持つ(high spin state)。
上記のように、鉄族(3d−)遷移元素イオンでは、電子は結晶場に大きく影響され、軌道状態の縮退が無くなり、軌道角運動量の期待値〈L〉が零となる軌道角運動量の消失が起こる。しかし、スピン軌道相互作用を通じて電子スピンは結晶場の影響を受け、原子磁気モーメントは、結晶の対称性を反映した異方性を生じる。一般には、VLS<Vcr<VH、つまり、中間の結晶場である。
希土類(4f−)遷移金属(イオン)では、軌道角運動量Lを通じて直接結晶場の対称性を反映するため、一般にはVcr<VLS<VHであるが、大きな磁気異方性を持つ。
(1イオンの結晶磁気異方性)
結晶場が軸対称であれば、3dn軌道の基底状態に縮退が無い場合のスピンハミルトニアン(H)は、H=gμBHS+D{Sz 2−S(S+1)/3}で表される。ここで、Dは微細構造定数である。4fn軌道の場合は、SをJに置き換えればよい。磁気モーメントの大きさや微細構造定数Dは、例えば、常磁性帯磁率や常磁性共鳴吸収の実験から決められる。
結晶場が軸対称であれば、3dn軌道の基底状態に縮退が無い場合のスピンハミルトニアン(H)は、H=gμBHS+D{Sz 2−S(S+1)/3}で表される。ここで、Dは微細構造定数である。4fn軌道の場合は、SをJに置き換えればよい。磁気モーメントの大きさや微細構造定数Dは、例えば、常磁性帯磁率や常磁性共鳴吸収の実験から決められる。
(遷移金属イオンを含む常磁性物質の例)
ミョウバンやタットン(Tutton)塩と呼ばれる一連の複塩が多く存在する。常磁性化合物について、常磁性帯磁率の測定や常磁性共鳴吸収の実験などから、次の表1に例示するように磁性が測定されている。表1は、特に、遷移金属イオンの常磁性を示している。
ミョウバンやタットン(Tutton)塩と呼ばれる一連の複塩が多く存在する。常磁性化合物について、常磁性帯磁率の測定や常磁性共鳴吸収の実験などから、次の表1に例示するように磁性が測定されている。表1は、特に、遷移金属イオンの常磁性を示している。
ここで、磁化率とは、物質を磁場Hの中に置いた時に生ずる磁化をMとした場合に、dM/dHで定義される量のことである。MもHもベクトルであるため、磁化率は二階のテンソル量で定義される。方向によって磁化の仕方が違うことになる。磁化率は温度の関数でもある。
また、gはg因子を示し、一般に近似理論から得られる値との補正を示す量である。この場合、磁気回転比を示す。通常は2程度になる。また、gが軸対象の場合、軸方向の要素をg‖、軸に垂直方向の要素をg⊥と表す。これらの値が異なれば軸方向の磁気異方性が強いと言える。
また、Dの微細構造因子はエネルギー準位の微細な構造を表す。Dの値(絶対値)が大きい場合は、いろいろな相互作用が生じていることが考えられる。
軸方向に対称な磁気異方性が強い物質は、スピンメモリの材料の候補となる。特に、軸方向の要素g‖と軸に垂直方向の要素g⊥との差が大きいもの、または、微細構造因子Dの絶対値が大きいものは、スピンメモリの材料として理想的である。例えば、表1に示す物質の中では、上から2番目のCrSO4・5H2O、5番目のK2Ni(SO4)2・6H2O、6番目の(NH4)2Ni(SO4)2・6H2O(Niタットン塩)、7番目のCuK2(SO4)2・6H2O(Cuタットン塩)、8番目のCe(C2H5SO4)3・9H2O(Ceエチルサルフェート)の物質が理想的である。
ミョウバンの結晶構造は、立方結晶で、磁気異方性は小さい。
タットン塩は、斜方結晶で、対称性はC5 2h−P21/aである。表1のニッケルタットン(Ni−Tutton)塩の(NH4)2Ni(SO4)2・6H2Oの場合、結晶定数は、a=8.98Å、b=12.22Å、c=6.10Å、β=107°4’で、単位格子中の分子数(Z)は、Z=2である。また、最隣接Niイオン間距離は3.05Å、次の隣接イオンは7.45Åと8.56Åであり、平均して160Å3の体積中に1個の磁性イオンが含まれる。表1に示すように、微細構造因子D=−2.25で、磁気異方性は基本的に一軸性で大きい。なお、一軸性とは、磁気異方性に関して、一つの軸を持ち、その軸に対して垂直な方向には磁気異方性を持たない物質のことである。
ニッケルタットン塩の(NH4)2Ni(SO4)2・6H2Oの場合、微細構造因子D=−2.25(cm−1)でS=1であるため、一軸磁気異方性エネルギーの大きさはEa=2.25cm−1であり、1cm−1≒1Kであるため温度で数ケルビン程度となる。ここで、一軸異方性エネルギーを表す微細構造因子Dは波数の逆数の単位で表している。
いずれにせよ一軸異方性のDパラメータはLS結合のパラメータの自乗λ2に比例し、λは102cm−1である。また、多重項間のエネルギー差ΔE〜103〜104cm−1として、DはLS結合の二次の摂動項λ2/ΔEであるため、磁気異方性エネルギーのオーダーは1〜10cm−1程度となる。
一軸異方性エネルギーの等価磁界はHa≒DSz 2/gJμBS〜104〜5Gである。
常磁性塩では、例えば、1nm3程度の空間に1個または数個の遷移金属原子(イオン)が含まれている。
(磁気モーメントmの磁界による反転)
容易軸方向(z軸)に磁界Hを印加し、同時に垂直面内に角速度ωの回転磁界を印加する。磁気角運動量比をγとして、Hまたはωをゆっくり(例えば、スピン格子緩和時間T1よりも遅い速さで)変化させると、H+ω/γ>0では磁気モーメントがz軸の正方向を向いていても、H+ω/γ=0で回転を開始して、H+ω/γ<0では反転してz軸の負方向を向く。すなわち、いわゆる磁気モーメントmの磁界による反転(adiabatic rapid passage)が起こる。
容易軸方向(z軸)に磁界Hを印加し、同時に垂直面内に角速度ωの回転磁界を印加する。磁気角運動量比をγとして、Hまたはωをゆっくり(例えば、スピン格子緩和時間T1よりも遅い速さで)変化させると、H+ω/γ>0では磁気モーメントがz軸の正方向を向いていても、H+ω/γ=0で回転を開始して、H+ω/γ<0では反転してz軸の負方向を向く。すなわち、いわゆる磁気モーメントmの磁界による反転(adiabatic rapid passage)が起こる。
すなわち、外部磁場の量子化軸をz軸とし、これに垂直な振動磁場(回転磁場)を与えると、その分裂幅に見合ったエネルギーの周波数の場合、レベル間に有限の遷移確率が生じる。Hは容易軸方向に与えた磁場の大きさを意味し、これに対して磁気モーメントを持つ存在(この場合は原子)は、垂直に与えた磁場は容易軸周辺を角速度ωで回転するようになる。H+ω/γはベクトル量の値になる。よって、Hとωが同じ方向を向いていれば正になり、逆であれば負になる。また、その中間的なあらゆる角度も考えられる。
ここで、例えば、パルス的に強い交流磁場を加えると、まず、スピン間の相互作用でスピン系のみで熱平衡に達する。この時間をスピンスピン緩和時間T2と呼ぶ。次に、スピン系の温度が格子系と熱平衡になろうとする。この時間をスピン格子緩和時間T1と呼ぶ。
以上の物理現象を利用して、単一原子磁気モーメントの反転による記憶素子(スピンメモリ)を実現する。
すなわち、上記のように、スピン間の交換相互作用がない常磁性体では、スピンが自由に動けるものの、結晶場により軌道のエネルギーが異なり、スピン軌道相互作用によりスピンの格子(結晶場)に対して方向性がある場合は、系に磁気異方性(スピンが向きやすい方向)が生じ、常磁性スピンをスピンメモリのビットにすることができる。
次に、スピンメモリにおける読み出し/書き込みの方法と原理について説明する。
スピンメモリにおいて、読み出し/書き込みは、例えば、スピンプローブまたは磁気プローブを用いて行うことができる。スピンプローブとは、スピン偏極した探針を尖端に持つプローブであり、磁気プローブとは、磁性体などを尖端に持つプローブである。スピンプローブには漏れ磁場はないが、磁気プローブには漏れ磁場がある。
まず、読み出しについては、基板上に配向したスピンにスピンプローブまたは磁気プローブを近づけ、離した時にスピンの配向性およびプローブの配向性が修復する領域においてプローブと基板間に働く力をあらかじめ計測しておき、スピンメモリのビット上でこの力を測定し、あらかじめ計測しておいた力と比較する。このとき、引力が働きやすければ、両者の配向性は反平行であり、逆に、斥力が強ければ、両者の配向性は平行であると考えられる。これらの力は、原子間力顕微鏡やプローブ顕微鏡などにより、直接観測することができる。このようにしてスピンの配向性を検出することで、ビットを読み出すことができる。
また、書き込みについては、読み出しの場合よりもさらにプローブを基板に近づけ(例えば、基板内の原子間距離程度)、より強く相互作用させる。これにより、プローブがスピンのリザーバとなり、スピンが基板に供給され、プローブが持つスピンの方向に基板上の孤立スピンが反転される。この過程を用いてビットを書き込むことができる。また、このとき、基板温度を上げることにより、孤立スピンが反転しやすくなる。
図2は、磁気プローブを用いた読み出し/書き込みの方法を説明するための図である。図2に示すように、磁気プローブ11には尖端に磁性体13が設けられている。この方法では、磁気プローブ11と表面原子のスピン1との間に磁力線が生じる。
図3Aは、磁気プローブ11を用いた読み出し過程を模式的に示す図である。この場合、表面原子の形状に加え、表面原子のスピン1と磁気プローブ11のスピン15の方向により相互作用の力が異なる。この過程では、磁気プローブ11の磁場と表面原子のスピン1との相互作用を測定する。図3A中の破線17は、測定した相互作用を示している。
図3Bは、磁気プローブ11を用いた書き込み過程を模式的に示す図である。この場合、読み出し時よりもさらに磁気プローブ11を表面に近づけ、磁気プローブ11の磁場が書き込み対象となる特定のスピン1b上で反転する程度に近づいた時、書き込みが行われる。ただし、書き込み対象以外の他のスピンとは、反転させない程度に距離を保つ必要がある。
図4は、スピンプローブを用いた読み出し/書き込みの方法を説明するための図である。図4に示すように、スピンプローブ21には、尖端に、スピン偏極した探針23が設けられている。この方法では、スピンプローブ21と表面原子のスピン1との間に磁力線は生じない。
図5Aは、スピンプローブ21を用いた読み出し過程を模式的に示す図である。この場合、表面原子の形状に加え、表面原子のスピン1とスピンプローブ21のスピン(探針)23の方向により相互作用の力が異なる。この過程では、スピンプローブ21のスピン23と表面原子のスピン1との相互作用を測定する。両者の配向性が平行であれば反発的な交換相互作用が働き、両者の配向性が反平行であれば吸引的な交換相互作用が働く。図5A中の破線25は、測定した相互作用を示している。
図5Bは、スピンプローブ21を用いた書き込み過程を模式的に示す図である。この場合、読み出し時よりもさらにスピンプローブ21を表面に近づけ、スピンプローブ21のスピン(探針)23と表面原子のスピン1との相互作用から、反発力を押し切ってスピンプローブ21を近づけた時、書き込み対象となる特定のスピン1bが反転し、書き込みが行われる。ただし、書き込み対象以外の他のスピンとは、反転させない程度に距離を保つ必要がある。
読み出し/書き込みの方法には、その他いろいろなバリエーションが考えられる。例えば、電気的にデータの読み出しと書き込みが随時可能な半導体メモリであるRAMは、本発明の一つの適用例である。
図6は、本発明を適用したRAMの構造を模式的に示す図である。このRAMは、基板31上に二組のナノワイヤ33、35を互いに交差するように設けて構成されている。ナノワイヤ33、35は、例えば、カーボンナノチューブなどである。この場合、基板31上のスピン1は、ナノワイヤ33、35に電流を流して生じる磁場によって反転させられる。
図7は、本発明を適用したRAMにおける書き込みの方法を説明するための要部拡大図である。図7に示すように、ナノワイヤ33に対し、同図に示す方向Aに電流を流すと、白抜きの矢印37の方向に磁場が生じる。また、交差するナノワイヤ35に対しても、同様に、同図に示す方向Bに電流を流すことにより、ナノワイヤ33、35が交差する部分における磁場が強まり、その交差部分のスピン(書き込み対象)1bを反転させることができる。ただし、書き込み対象以外の他のスピンが反転しないように、電流の大きさを制御する必要がある。
図8は、本発明を適用したRAMにおける読み出しの方法を説明するための図である。読み出しは、薄膜に対して垂直な方向に行われる。図8の例では、メモリ本体を構成する基板31上の各ビット1に電極を与え、この電極を含む回路39によって、各ビット1を流れる電流を検出する。各回路39は、電流計41と電源43を含んでいる。矢印3で示す方向の磁気異方性を有する基板31と、読み出し対象ビット1bのスピンとが平行であれば電流が流れやすく、反平行であれば電流が流れにくいため、検出する電流値の大小によって各ビットを読み出すことができる。
なお、本発明は、あらゆる磁気デバイスのうち、巨大な磁気モーメントを使用するもの(例えば、電磁石やモータなど)以外を、本発明における常磁性体スピンを用いて置き換えることができる。
本明細書は、2004年6月25日出願の特願2004−188907に基づく。この内容はすべてここに含めておく。
本発明に係るスピン記録方法および装置は、原子・分子スケールの安定したビットを形成して、記録密度を大幅に向上することができるスピン記録方法および装置として有用である。
Claims (15)
- 結晶場による軌道の異方性が、スピン軌道相互作用によりスピンの磁気異方性を発現する、孤立スピンを有する常磁性体に対して、情報を前記孤立スピンの状態として書き込む、スピン記録方法。
- 隣接する格子上のスピンと相互作用を持たない孤立スピンを有し、前記孤立スピンが結晶場に対してスピン軌道相互作用により特定の方向性を有する常磁性体に対して、情報を前記孤立スピンの状態として書き込む、スピン記録方法。
- 前記常磁性体は、ミョウバンまたはタットン塩である、請求項1または請求項2記載のスピン記録方法。
- 前記常磁性体は、CrSO4・5H2O、K2Ni(SO4)2・6H2O、(NH4)2Ni(SO4)2・6H2O、CuK2(SO4)2・6H2O、のCe(C2H5SO4)3・9H2Oからなる群から選ばれる、請求項1または請求項2記載のスピン記録方法。
- 前記孤立スピンと相互作用を行うプローブを用いて、前記孤立スピンを反転させない程度の相互作用を検出することにより、情報の読み出しを行う、請求項1または請求項2記載のスピン記録方法。
- 基板上に配向された読み出し対象の孤立スピンに対して磁気プローブを所定の読み出し位置に接近させたときの、前記磁気プローブのスピンと前記読み出し対象の孤立スピンとの相互作用を測定し、測定した相互作用に基づいて前記両スピンの配向性を検出することにより、情報の読み出しを行う、請求項1または請求項2記載のスピン記録方法。
- 基板上に配向された読み出し対象の孤立スピンに対してスピンプローブを所定の読み出し位置に接近させたときの、前記スピンプローブのスピンと前記読み出し対象の孤立スピンとの相互作用を測定し、測定した相互作用に基づいて前記両スピンの配向性を検出することにより、情報の読み出しを行う、請求項1または請求項2記載のスピン記録方法。
- 前記孤立スピンと相互作用を行うプローブを用いて、前記孤立スピンを反転させることにより、情報の書き込みを行う、請求項1または請求項2記載のスピン記録方法。
- 基板上に配向された書き込み対象の孤立スピンに対して磁気プローブを所定の読み出し位置よりもさらに基板に近い所定の書き込み位置に接近させ、前記磁気プローブのスピンと前記書き込み対象の孤立スピンとの相互作用により前記書き込み対象の孤立スピンを反転させることにより、情報の書き込みを行う、請求項1または請求項2記載のスピン記録方法。
- 基板上に配向された書き込み対象の孤立スピンに対してスピンプローブを所定の読み出し位置よりもさらに基板に近い所定の書き込み位置に接近させ、前記スピンプローブのスピンと前記書き込み対象の孤立スピンとの相互作用により前記書き込み対象の孤立スピンを反転させることにより、情報の書き込みを行う、請求項1または請求項2記載のスピン記録方法。
- 前記孤立スピンの近傍に電流を流して外部磁場を形成することにより、前記孤立スピンを反転させる、請求項1または請求項2記載のスピン記録方法。
- メモリ本体を構成する基板上の各孤立スピンに電流検出回路を設け、前記電流検出回路により基板上の読み出し対象の孤立スピンを流れる電流を検出し、検出した電流の大きさにより、情報の読み出しを行う、請求項1または請求項2記載のスピン記録方法。
- メモリ本体を構成する基板上の各孤立スピンを互いに交差するナノワイヤの交差部分に配置し、基板上の書き込み対象の孤立スピンに対応するナノワイヤに電流を流して前記書き込み対象の孤立スピンの近傍に外部磁場を形成して前記書き込み対象の孤立スピンを反転させることにより、情報の書き込みを行う、請求項1または請求項2記載のスピン記録方法。
- 結晶場による軌道の異方性が、スピン軌道相互作用によりスピンの磁気異方性を発現する、孤立スピンを有する常磁性体と、
情報を前記孤立スピンの状態として書き込む手段と、
を有することを特徴とするスピン記録装置。 - 隣接する格子上のスピンと相互作用を持たない孤立スピンを有し、前記孤立スピンが結晶場に対してスピン軌道相互作用により特定の方向性を有する常磁性体と、
情報を前記孤立スピンの状態として書き込む手段と、
を有することを特徴とするスピン記録装置。
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