JPWO2006001257A1 - 芳香族カーボネートの工業的製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明が解決しようとする課題は、ジアルキルカーボネートと芳香族モノヒドロキシ化合物とから連続多段蒸留塔を用いて芳香族カーボネートを、1時間あたり1トン以上の工業的規模で、高選択率・高生産性で長期間安定的に製造できる具体的な方法を提供することにある。反応蒸留法による芳香族カーボネート類の製造方法に関する多くの提案があるが、これらは全て小規模、短期間の実験室的レベルのものであり、工業的規模の大量生産を可能とする具体的な方法や装置の開示は全くなかった。本発明では特定の連続多段蒸留塔が提供され、ジアルキルカーボネートと芳香族モノヒドロキシ化合物とから、1時間あたり1トン以上の工業的規模で、高選択率・高生産性で芳香族カーボネートを長期間安定的に製造できる具体的な方法が提供される。

Description

本発明は、芳香族カーボネートの工業的製造法に関する。さらに詳しくは、ジアルキルカーボネートと芳香族モノヒドロキシ化合物とを、触媒を存在させた連続多段蒸留塔内でエステル交換反応に付し、エステル交換法ポリカーボネートの原料として有用な芳香族カーボネートを工業的に大量に製造する方法に関する。
芳香族カーボネートは、最も需要の多いエンジニアリングプラスチックである芳香族ポリカーボネートを、有毒なホスゲンを用いないで製造するための原料として重要である。芳香族カーボネートの製法として、芳香族モノヒドロキシ化合物とホスゲンとの反応による方法が古くから知られており、最近も種々検討されている。しかしながら、この方法はホスゲン使用の問題に加え、この方法によって製造された芳香族カーボネートには分離が困難な塩素系不純物が存在しており、そのままでは芳香族ポリカーボネートの原料として用いることはできない。なぜならば、この塩素系不純物は極微量の塩基性触媒の存在下で行うエステル交換法ポリカーボネートの重合反応を著しく阻害し、たとえば、1ppmでもこのような塩素系不純物が存在すると殆ど重合を進行させることができない。そのため、エステル交換法ポリカーボネートの原料とするには、希アルカリ水溶液と温水による十分な洗浄と油水分離、蒸留などの多段階の面倒な分離・精製工程が必要であり、さらに、このような分離・精製工程での加水分解ロスや蒸留ロスのため収率が低下するなど、この方法を経済的に見合った工業的規模で実施するには多くの課題がある。
一方、ジアルキルカーボネートと芳香族モノヒドロキシ化合物とのエステル交換反応による芳香族カーボネートの製造方法も知られている。しかしながら、これらのエステル交換反応は全て平衡反応であって、しかもその平衡が原系に極端に偏っていることに加えて反応速度が遅いことから、この方法によって芳香族カーボネート類を工業的に大量に製造するのは多大な困難を伴っていた。これを改良するために、いくつかの提案がなされているが、その大部分は、反応速度を高めるための触媒開発に関するものである。このタイプのエステル交換反応用触媒として数多くの金属化合物が提案されている。例えば、遷移金属ハライド等のルイス酸又はルイス酸を生成させる化合物類(特許文献1:特開昭51−105032号公報、特開昭56−123948号公報、特開昭56−123949号公報(西独特許公開公報第2528412号、英国特許第1499530号明細書、米国特許第4182726号明細書)、特開昭51−75044号公報(西独特許公開公報第2552907号、米国特許第4045464号明細書)参照)、有機スズアルコキシドや有機スズオキシド類等のスズ化合物(特許文献2:特開昭54−48733号公報(西独特許公開公報第2736062号)、特開昭54−63023号公報、特開昭60−169444号公報(米国特許第4554110号明細書)、特開昭60−169445号公報(米国特許第4552704号明細書)、特開昭62−277345号公報、特開平1−265063号公報参照)、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の塩類及びアルコキシド類(特許文献3:特開昭57−176932号公報参照)、鉛化合物類(特許文献4:特開昭57−176932号公報、特開平1−93560号公報参照)、銅、鉄、ジルコニウム等の金属の錯体類(特許文献5:特開昭57−183745号公報参照)、チタン酸エステル類(特許文献6:特開昭58−185536号公報(米国特許第4410464号明細書)、特開平1−265062号公報参照)、ルイス酸とプロトン酸の混合物(特許文献7:特開昭60−173016号公報(米国特許第4609501号明細書)参照)、Sc、Mo、Mn、Bi、Te等の化合物(特許文献8:特開平1−265064号公報参照)、酢酸第2鉄(特許文献9:特開昭61−172852号公報参照)等が提案されている。しかしながら、触媒開発だけでは、不利な平衡の問題を解決できないので、大量生産を目的とする工業的製造法にするためには、反応方式の検討を含め、非常に多くの検討課題がある。
また、反応方式を工夫することによって平衡をできるだけ生成系側にずらし、芳香族カーボネート類の収率を向上させる試みもなされている。例えば、ジメチルカーボネートとフェノールの反応において、副生してくるメタノールを共沸形成剤とともに共沸によって留去する方法(特許文献10:特開昭54−48732号公報(西独特許公開公報第736063号、米国特許第4252737号明細書)参照)、副生してくるメタノールをモレキュラーシーブで吸着させて除去する方法(特許文献11:特開昭58−185536号公報(米国特許第410464号明細書)参照)が提案されている。また、反応器の上部に蒸留塔を設けた装置によって、反応で副生してくるアルコール類を反応混合物から分離させながら同時に蒸発してくる未反応原料との蒸留分離を行う方法も提案されている(特許文献12:特開昭56−123948号公報(米国特許第4182726号明細書)の実施例、特開昭56−25138号公報の実施例、特開昭60−169444号公報(米国特許第4554110号明細書)の実施例、特開昭60−169445号公報(米国特許第4552704号明細書)の実施例、特開昭60−173016号公報(米国特許第4609501号明細書)の実施例、特開昭61−172852号公報の実施例、特開昭61−291545号公報の実施例、特開昭62−277345号公報の実施例参照)。
しかしながら、これらの反応方式は基本的にはバッチ方式か、切り替え方式である。触媒開発による反応速度の改良もこれらのエステル交換反応に対しては限度があり、反応速度が遅いことから、連続方式よりもバッチ方式の方が好ましいと考えられていたからである。これらのなかには、連続方式として蒸留塔を反応器の上部に備えた連続攪拌槽型反応器(CSTR)方式も提案されているが、反応速度が遅いことや反応器の気液界面が液容量に対して小さいことから反応率を高くできないなどの問題がある。従って、これらの方法で芳香族カーボネートを連続的に大量に、長期間安定的に製造するという目的を達成することは困難であり、経済的に見合う工業的実施にいたるには、なお多くの解決すべき課題が残されている。
本発明者等は、ジアルキルカーボネートと芳香族ヒドロキシ化合物を連続的に多段蒸留塔に供給し、触媒を存在させた該塔内で連続的に反応させ、副生するアルコールを含む低沸点成分を蒸留によって連続的に抜き出すと共に、生成したアルキルアリールカーボネートを含む成分を塔下部より抜き出す反応蒸留法(特許文献13:特開平3−291257号公報参照)、アルキルアリールカーボネートを連続的に多段蒸留塔に供給し、触媒を存在させた該塔内で連続的に反応させ、副生するジアルキルカーボネートを含む低沸成分を蒸留によって連続的に抜き出すと共に、生成したジアリールカーボネートを含む成分を塔下部より抜き出す反応蒸留法(特許文献14:特開平4−9358号公報参照)、これらの反応を2基の連続多段蒸留塔を用いて行い、副生するジアルキルカーボネートを効率的にリサイクルさせながらジアリールカーボネートを連続的に製造する反応蒸留法(特許文献15:特開平4−211038号公報参照)、ジアルキルカーボネートと芳香族ヒドロキシ化合物等を連続的に多段蒸留塔に供給し、塔内を流下する液を蒸留塔の途中段及び/又は最下段に設けられたサイド抜き出し口より抜き出し、蒸留塔の外部に設けられた反応器へ導入して反応させた後に、該抜き出し口のある段よりも上部の段に設けられた循環用導入口へ導入することによって、該反応器内と該蒸留塔内の両方で反応を行う反応蒸留法(特許文献16:特開平4−224547号公報、特開平4−230242号公報、特開平4−235951号公報参照))等、これらのエステル交換反応を連続多段蒸留塔内で反応と蒸留分離とを同時に行う反応蒸留法を開発し、これらのエステル交換反応に対して反応蒸留方式が有用であることを世界で初めて開示した。
本発明者等が提案したこれらの反応蒸留法は、芳香族カーボネート類を効率よく、かつ、連続的に製造することを可能とする初めてのものであり、その後これらの開示をベースとする同様な反応蒸留方式が数多く提案されるようになった(特許文献17〜32参照;特許文献17:国際公開第 00/18720号公報(米国特許第5362901号明細書);特許文献18:イタリア特許第01255746号公報;特許文献19:特開平6−9506号公報(欧州特許0560159号明細書、米国特許第5282965号明細書);特許文献20:特開平6−41022号公報(欧州特許0572870号明細書、米国特許第5362901号明細書);特許文献21:特開平6−157424号公報(欧州特許0582931号明細書、米国特許第5334742号明細書)、特開平6−184058号公報(欧州特許0582930号明細書、米国特許第5344954号明細書);特許文献22:特開平7−304713号公報;特許文献23:特開平9−40616号公報;特許文献24:特開平9−59225号公報;特許文献25:特開平9−110805号公報;特許文献26:特開平9−165357号公報;特許文献27:特開平9−173819号公報;特許文献28:特開平9−176094号公報、特開2000−191596号公報、特開2000−191597号公報;特許文献29:特開平9−194436号公報(欧州特許0785184号明細書、米国特許第5705673号明細書);特許文献30:国際公開第00/18720公報(米国特許第6093842号明細書);特許文献31:特開2001−64234号公報、特開2001−64235号公報;特許文献32:国際公開第02/40439公報(米国特許第6596894号、米国特許第6596895号、米国特許第6600061号明細書))。
また、本出願人は、反応蒸留方式において、多量の触媒を必要とせずに高純度芳香族カーボネートを長時間、安定に製造できる方法として、触媒成分を含む高沸点物質を作用物質と反応させた上で分離し、触媒成分をリサイクルする方法(特許文献31:特開2001−64234号公報、特開2001−64235号公報参照)や、反応系内の多価芳香族ヒドロキシ化合物を触媒金属に対して質量比で2.0以下に保ちながら行う方法(特許文献32:国際公開第02/40439公報(米国特許第6596894号、米国特許第6596895号、米国特許第6600061号明細書)参照)を提案した。さらに、本発明者等は、重合工程で副生するフェノールの70〜99質量%を原料として用いて、反応蒸留法でジフェニルカーボネートを製造しこれを芳香族ポリカーボネートの重合原料とする方法をも提案した(特許文献33:国際公開第97/11049公報(欧州特許0855384号明細書、米国特許第5872275号明細書)参照)。
しかしながら、これら反応蒸留法による芳香族カーボネート類の製造を提案する全ての先行文献には、工業的規模の大量生産(例えば、1時間あたり1トン以上)を可能とする具体的な方法や装置の開示は全くなく、またそれらを示唆する記述もない。例えば、ジメチルカーボネートとフェノールから主としてメチルフェニルカーボネート(MPC)を製造するために開示された反応蒸留塔の高さ(H:cm)、直径(D:cm)、段数(n)と反応原料液導入量(Q:kg/hr)に関する記述は、次表のとおりである。

〔特許文献35〕:特開平9−255772号公報(欧州特許0892001号明細書、米国特許第5747609号明細書)
すなわち、この反応を反応蒸留方式で実施するにあたり用いられた連続多段蒸留塔の最大のものは、本出願人が特許文献33、34(特開平11−92429号公報(欧州特許1016648号明細書、米国特許第6262210号明細書)参照)において開示したものである。このようにこの反応用に開示されている連続多段蒸留塔における各条件の最大値は、H=1200cm、D=20cm、n=50(特許文献23)、Q=86kg/hrであり、メチルフェニルカーボネートとジフェニルカーボネートを合わせた芳香族カーボネートの生産量は約10kg/hrに過ぎず、工業的規模の生産量ではなかった。
本発明が解決しようとする課題は、ジアルキルカーボネートと芳香族モノヒドロキシ化合物とから連続多段蒸留塔を用いて芳香族カーボネートを、1時間あたり1トン以上の工業的規模で、高選択率・高生産性で長期間安定的に製造できる具体的な方法を提供することにある。
本発明者らが連続多段蒸留塔を用いる芳香族カーボネート類の製造方法を開示して以来、反応蒸留法による芳香族カーボネート類の製造方法に関する多くの提案があるが、これらは全て小規模、短期間の実験室的レベルのものであり、工業的規模の大量生産を可能とする具体的な方法や装置の開示は全くなかった。そこで、本発明者等は、1時間あたり1トン以上の工業的規模で、高選択率・高生産性で芳香族カーボネートを長期間安定的に製造できる具体的な方法を見出すべき検討を重ねた結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明の第一の態様では、
1.原料としてのジアルキルカーボネートと芳香族モノヒドロキシ化合物からの芳香族カーボネートの製造方法であって、
(i)該原料を、触媒が存在する連続多段蒸留塔内に連続的に供給する工程と、
(ii)アルコール類と芳香族カーボネート類を生成するように、該原料を反応させる工程と、
(iii)生成するアルコール類を含む低沸点反応混合物を塔上部からガス状で連続的に抜出すとともに、生成する芳香族カーボネート類を含む高沸点反応混合物を塔下部より液状で連続的に抜出す工程と、を含み、
(a)該原料のジアルキルカーボネートと芳香族モノヒドロキシ化合物とのモル比が0.4〜4であり、
(b)該連続多段蒸留塔は、長さL(cm)、内径D(cm)の円筒形の胴部の上下に鏡板部を有し、内部に段数nをもつインターナルを有する構造をしており、塔頂部またはそれに近い塔の上部に内径d(cm)のガス抜出し口、塔底部またはそれに近い塔の下部に内径d(cm)の液抜出し口、該ガス抜出し口より下部であって塔の上部および/または中間部に少なくとも1つの導入口、該液抜出し口より上部であって塔の下部に少なくとも1つの導入口を有するものであって、

(1)長さL(cm)が式(1)を満足するものであり、
1500 ≦ L ≦ 8000 式(1)
(2)塔の内径D(cm)が式(2)を満足するものであり、
100 ≦ D ≦ 2000 式(2)
(3)長さL(cm)と塔の内径D(cm)の比が、式(3)を満足するものであり、
2 ≦ L/D ≦ 40 式(3)
(4)段数nが式(4)を満足するものであり、
20 ≦ n ≦ 120 式(4)
(5)塔の内径D(cm)とガス抜出し口の内径d(cm)の比が、式(5)を満足するものであり、
5 ≦ D/d ≦ 30 式(5)
(6)塔の内径D(cm)と液抜出し口の内径d(cm)の比が、式(6)を満足するものである、
3 ≦ D/d ≦ 20 式(6)
ことを特徴とする方法、2.前記工程(ii)にて、蒸留も同時に行われることを特徴とする前項1記載の方法、
3.該芳香族カーボネートが連続的に製造され、その生産量が、1時間あたり1トン以上であることを特徴とする前項1または2記載の方法、
を提供する。
また、本発明の第二の態様では、
4.ジアルキルカーボネートと芳香族モノヒドロキシ化合物とを原料とし、この原料を触媒が存在する連続多段蒸留塔内に連続的に供給し、該塔内で反応と蒸留を同時に行い、生成するアルコール類を含む低沸点反応混合物を塔上部よりガス状で連続的に抜出し、芳香族カーボネート類を含む高沸点反応混合物を塔下部より液状で連続的に抜出す反応蒸留方式によって、芳香族カーボネート類を連続的に製造するにあたり、
(a)該連続多段蒸留塔内に連続的に供給される該原料において、ジアルキルカーボネートと芳香族モノヒドロキシ化合物とのモル比が0.4〜4であり、
(b)該連続多段蒸留塔が、長さL(cm)、内径D(cm)の円筒形の胴部の上下に鏡板部を有し、内部に段数nをもつインターナルを有する構造をしており、塔頂部またはそれに近い塔の上部に内径d(cm)のガス抜出し口、塔底部またはそれに近い塔の下部に内径d(cm)の液抜出し口、該ガス抜出し口より下部であって塔の上部および/または中間部に少なくとも一つの導入口、該液抜出し口より上部であって塔の下部に少なくとも一つの導入口を有するものであって、
(1)長さL(cm)が式(1)を満足するものであり、
1500 ≦ L ≦ 8000 式(1)
(2)塔の内径D(cm)が式(2)を満足するものであり、
100 ≦ D ≦ 2000 式(2)
(3)長さL(cm)と塔の内径D(cm)の比が、式(3)を満足するものであり、
2 ≦ L/D ≦ 40 式(3)
(4)段数nが式(4)を満足するものであり、
20 ≦ n ≦ 120 式(4)
(5)塔の内径D(cm)とガス抜出し口の内径d(cm)の比が、式(5)を満足するものであり、
5 ≦ D/d ≦ 30 式(5)
(6)塔の内径D(cm)と液抜出し口の内径d(cm)の比が、式(6)を満足するものである、
3 ≦ D/d ≦ 20 式(6)
ことを特徴とする芳香族カーボネートの工業的製造法、
5.該芳香族カーボネートの生産量が、1時間あたり1トン以上であることを特徴とする前項5記載の方法、
6.該dと該dが式(7)を満足することを特徴とする前項1〜6のいずれかに記載の方法、
1 ≦ d/d ≦ 5 式(7)、
7.該連続多段蒸留塔のL、D、L/D、n、D/d、D/d がそれぞれ、2000≦L≦6000、 150≦D≦1000、 3≦L/D≦30、 30≦n≦100、 8≦D/d≦25、 5≦D/d≦18であることを特徴とする前項1〜6のいずれかに記載の方法、
8.該連続多段蒸留塔のL、D、L/D、n、D/d、D/d がそれぞれ、2500≦L≦5000、 200≦D≦800、 5≦L/D≦15、 40≦n≦90、 10≦D/d≦25、 7≦D/d≦15であることを特徴とする前項1〜7のいずれかに記載の方法、
9.該連続多段蒸留塔が、該インターナルとしてトレイおよび/または充填物を有する蒸留塔であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の方法、
10.該連続多段蒸留塔が、該インターナルとしてトレイを有する棚段式蒸留塔であることを特徴とする前項9記載の方法、
11.該トレイが多孔板部とダウンカマー部を有する多孔板トレイであることを特徴とする前項9または10記載の方法、
12.該多孔板トレイが該多孔板部の面積1mあたり100〜1000個の孔を有するものであることを特徴とする前項11記載の方法、
13.該多孔板トレイの孔1個あたりの断面積が0.5〜5cmであることを特徴とする前項11または12記載の方法、
を提供する。
さらに、本発明の第三の態様では、
14.前項1〜13のいずれか一に記載の方法で製造され、ハロゲン含有量が0.1ppm以下である芳香族カーボネート、
を提供する。
本発明を実施することによって、ジアルキルカーボネートと芳香族モノヒドロキシ化合物とから、95%以上、好ましくは97%以上、さらに好ましくは99%以上の高選択率で、芳香族カーボネートを、1時間あたり1トン以上、好ましくは1時間あたり2トン以上、さらに好ましくは1時間あたり3トン以上の工業的規模で、2000時間以上、好ましくは3000時間以上、さらに好ましくは5000時間以上の長期間、安定的に製造できることが見出された。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明で用いられるジアルキルカーボネートとは、一般式(8)で表されるものである。
OCOOR (8)
ここで、R1は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10の脂環族基、炭素数6〜10のアラールキル基を表す。このようなR1としては、例えば、メチル、エチル、プロピル(各異性体)、アリル、ブチル(各異性体)、ブテニル(各異性体)、ペンチル(各異性体)、ヘキシル(各異性体)、ヘプチル(各異性体)、オクチル(各異性体)、ノニル(各異性体)、デシル(各異性体)、シクロヘキシルメチル等のアルキル基;シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等の脂環族基;ベンジル、フェネチル(各異性体)、フェニルプロピル(各異性体)、フェニルブチル(各異性体)、メチルベンジル(各異性体)等のアラールキル基が挙げられる。なお、これらのアルキル基、脂環族基、アラールキル基において、他の置換基、例えば低級アルキル基、低級アルコキシ基、シアノ基、ハロゲン等で置換されていてもよいし、不飽和結合を有していてもよい。
このようなR1を有するジアルキルカーボネートとしては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート(各異性体)、ジアリルカーボネート、ジブテニルカーボネート(各異性体)、ジブチルカーボネート(各異性体)、ジペンチルカーボネート(各異性体)、ジヘキシルカーボネート(各異性体)、ジヘプチルカーボネート(各異性体)、ジオクチルカーボネート(各異性体)、ジノニルカーボネート(各異性体)、ジデシルカーボネート(各異性体)、ジシクロペンチルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネート、ジシクロヘプチルカーボネート、ジベンジルカーボネート、ジフェネチルカーボネート(各異性体)、ジ(フェニルプロピル)カーボネート(各異性体)、ジ(フェニルブチル)カーボネート(各異性体)ジ(クロロベンジル)カーボネート(各異性体)、ジ(メトキシベンジル)カーボネート(各異性体)、ジ(メトキシメチル)カーボネート、ジ(メトキシエチル)カーボネート(各異性体)、ジ(クロロエチル)カーボネート(各異性体)、ジ(シアノエチル)カーボネート(各異性体)等が挙げられる。
これらの中で、本発明において好ましく用いられるのは、R1がハロゲンを含まない炭素数4以下のアルキル基からなるジアルキルカーボネートであり、特に好ましいのはジメチルカーボネートである。また、好ましいジアルキルカーボネートのなかで、さらに好ましいのは、ハロゲンを実質的に含まない状態で製造されたジアルキルカーボネートであって、例えばハロゲンを実質的に含まないアルキレンカーボネートとハロゲンを実質的に含まないアルコールから製造されたものである。
本発明で用いられる芳香族モノヒドロキシ化合物とは、下記一般式(9)で表されるものであり、芳香族基に直接ヒドロキシル基が結合しているものであれば、どの様なものであってもよい。
ArOH (9)
ここでAr1は炭素数5〜30の芳香族基を表す。このようなAr1を有する芳香族モノヒドロキシ化合物としては、例えば、フェノール;クレゾール(各異性体)、キシレノール(各異性体)、トリメチルフェノール(各異性体)、テトラメチルフェノール(各異性体)、エチルフェノール(各異性体)、プロピルフェノール(各異性体)、ブチルフェノール(各異性体)、ジエチルフェノール(各異性体)、メチルエチルフェノール(各異性体)、メチルプロピルフェノール(各異性体)、ジプロピルフェノール(各異性体)、メチルブチルフェノール(各異性体)、ペンチルフェノール(各異性体)、ヘキシルフェノール(各異性体)、シクロヘキシルフェノール(各異性体)等の各種アルキルフェノール類;メトキシフェノール(各異性体)、エトキシフェノール(各異性体)等の各種アルコキシフェノール類;フェニルプロピルフェノール(各異性体)等のアリールアルキルフェノール類;ナフトール(各異性体)及び各種置換ナフトール類;ヒドロキシピリジン(各異性体)、ヒドロキシクマリン(各異性体)、ヒドロキシキノリン(各異性体)等のヘテロ芳香族モノヒドロキシ化合物類等が用いられる。これらの芳香族モノヒドロキシ化合物の中で、本発明において好ましく用いられるのは、Ar1が炭素数6から10の芳香族基からなる芳香族モノヒドロキシ化合物であり、特に好ましいのはフェノールである。また、これらの芳香族モノヒドロキシ化合物の中で、本発明において好ましく用いられるのは、ハロゲンを実質的に含まないものである。
本発明で原料として用いられるジアルキルカーボネートと芳香族モノヒドロキシ化合物の量比は、ジアルキルカーボネートが、芳香族モノヒドロキシ化合物に対して、モル比で、0.4〜4であることが必要である。この範囲外では、目的とする芳香族カーボネートの所定生産量に対して、残存する未反応の原料が多くなり、効率的でないし、またそれらを回収するために多くのエネルギーを要する。この意味で、このモル比は、0.5〜3が好ましく、0.8〜2.5がより好ましく、さらに好ましいのは、1.0〜2.0である。
本発明においては、1時間あたり1トン以上の芳香族カーボネートを連続的に製造するのであるが、そのために連続的に供給される芳香族モノヒドロキシ化合物の最低量は、製造すべき芳香族カーボネートの量(Pトン/hr)に対して、通常13Pトン/hr、好ましくは、10Pトン/hr、より好ましくは7Pトン/hrである。さらに好ましい場合は、7Pトン/hrよりも少なくできる。
本発明において製造される芳香族カーボネートとは、ジアルキルカーボネートと芳香族モノヒドロキシ化合物とがエステル交換反応によって得られるアルキルアリールカーボネート、ジアリールカーボネート、およびこれらの混合物のことである。このエステル交換反応においては、ジアルキルカーボネートの1つまたは2つのアルコキシ基が芳香族モノヒドロキシ化合物のアリーロキシ基と交換されアルコール類を離脱する反応と、生成したアルキルアリールカーボネート2分子間のエステル交換反応である不均化反応によってジアリールカーボネートとジアルキルカーボネートに変換される反応が含まれている。本発明では、主としてアルキルアリールカーボネートが得られるが、このアルキルアリールカーボネートをさらに芳香族モノヒドロキシ化合物とエステル交換反応をさせるか、不均化反応をさせることによって、ジアリールカーボネートとすることができる。このジアリールカーボネートは、ハロゲンを全く含まないため、エステル交換法でポリカーボネートを工業的に製造するときの原料として重要である。
なお、本発明で原料として用いられるジアルキルカーボネートと芳香族モノヒドロキシ化合物はそれぞれ純度の高いものであってもいいが、他の化合物を含むものであってもよく、例えば、この工程または/および他の工程で生成する化合物や反応副生物を含むものであってもよい。工業的に実施する場合、これらの原料として、新規に反応系に導入されるジアルキルカーボネートと芳香族モノヒドロキシ化合物に加え、この工程または/および他の工程から回収されたものをも使用することが好ましい。本発明の方法では、他の化合物を含むこのような回収されたものも原料として用いることができる。従って例えば本発明において、ジアルキルカーボネートとしてジメチルカーボネートを、芳香族モノヒドロキシ化合物としてフェノールを原料にして、メチルフェニルカーボネートおよびジフェニルカーボネートを製造する場合、その原料中に反応生成物であるメチルアルコールや、メチルフェニルカーボネートおよびジフェニルカーボネートを少量含んでいてもよく、さらには反応副生物であるアニソールや高沸点副生物を含んでいてもよい。
本発明で使用される触媒としては、例えば下記の化合物から選択される。
<鉛化合物>PbO、PbO2、Pb34等の酸化鉛類;PbS、Pb2S等の硫化鉛類;Pb(OH)2、Pb22(OH)2等の水酸化鉛類;Na2PbO2、K2PbO2、NaHPbO2、KHPbO2等の亜ナマリ酸塩類;Na2PbO3、Na22PbO4、K2PbO3、K2[Pb(OH)6]、K4PbO4、Ca2PbO4、CaPbO3等の鉛酸塩類;PbCO3、2PbCO3・Pb(OH)2等の鉛の炭酸塩及びその塩基性塩類;Pb(OCOCH32、Pb(OCOCH34、Pb(OCOCH32・PbO・3H2O等の有機酸の鉛塩及びその炭酸塩や塩基性塩類;Bu4Pb、Ph4Pb、Bu3PbCl、Ph3PbBr、Ph3Pb(又はPh6Pb2)、Bu3PbOH、Ph3PbO等の有機鉛化合物類(Buはブチル基、Phはフェニル基を示す。);Pb(OCH32、(CH3O)Pb(OPh)、Pb(OPh)2等のアルコキシ鉛類、アリールオキシ鉛類;Pb−Na、Pb−Ca、Pb−Ba、Pb−Sn、Pb−Sb等の鉛の合金類;ホウエン鉱、センアエン鉱等の鉛鉱物類、及びこれらの鉛化合物の水和物;
<銅族金属の化合物>CuCl、CuCl2、CuBr、CuBr2、CuI、CuI2、Cu(OAc)2、Cu(acac)2、オレイン酸銅、Bu2Cu、(CH3O)2Cu、AgNO3、AgBr、ピクリン酸銀、AgC66ClO4、[AuC≡C−C(CH33]n、[Cu(C78)Cl]4等の銅族金属の塩及び錯体(acacはアセチルアセトンキレート配位子を表す。);
<アルカリ金属の錯体>Li(acac)、LiN(C492等のアルカリ金属の錯体;
<亜鉛の錯体>Zn(acac)2等の亜鉛の錯体;
<カドミウムの錯体>Cd(acac)2等のカドミウムの錯体;
<鉄族金属の化合物>Fe(C108)(CO)5、Fe(CO)5、Fe(C46)(CO)3、Co(メシチレン)2(PEt2Ph)2、CoC55(CO)7、Ni−π−C55NO、フェロセン等の鉄族金属の錯体;
<ジルコニウム錯体>Zr(acac)4,ジルコノセン等のジルコニウムの錯体;
<ルイス酸類化合物>AlX3、TiX3,TiX4、VOX3、VX5、ZnX2、FeX3、SnX4 (ここでXはハロゲン、アセトキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基である。)等のルイス酸及びルイス酸を発生する遷移金属化合物;
<有機スズ化合物>(CH33SnOCOCH3、(C253SnOCOC65、Bu3SnOCOCH3、Ph3SnOCOCH3、Bu2Sn(OCOCH32、Bu2Sn(OCOC11232、Ph3SnOCH3、(C253SnOPh、Bu2Sn(OCH32、Bu2Sn(OC252、Bu2Sn(OPh)2、Ph2Sn(OCH32、(C253SnOH、Ph3SnOH、Bu2SnO、(C8172SnO、Bu2SnCl2、BuSnO(OH)等の有機スズ化合物;
等の金属含有化合物が触媒として用いられる。これらの触媒は多段蒸留塔内に固定された固体触媒であってもいいし、反応系に溶解する可溶性触媒であってもよい。
もちろん、これらの触媒成分が反応系中に存在する有機化合物、例えば、脂肪族アルコール類、芳香族モノヒドロキシ化合物類、アルキルアリールカーボネート類、ジアリールカーボネート類、ジアルキルカーボネート類等と反応したものであってもよいし、反応に先立って原料や生成物で加熱処理されたものであってもよい。
本発明を反応系に溶解する可溶性触媒で実施する場合は、これらの触媒は、反応条件において反応液への溶解度の高いものであることが好ましい。この意味で好ましい触媒としては、例えば、PbO、Pb(OH)2、Pb(OPh)2;TiCl4、Ti(OMe)、(MeO)Ti(OPh)、(MeO)Ti(OPh)、(MeO)Ti(OPh)、Ti(OPh)4;SnCl4、Sn(OPh)4、Bu2SnO、Bu2Sn(OPh)2;FeCl3、Fe(OH)3、Fe(OPh)3等、又はこれらをフェノール又は反応液等で処理したもの等が挙げられる。
図1は、本発明に係る製造法を実施する連続多段蒸留塔の概略図である。ここで、本発明において用いられる連続多段蒸留塔10とは、長さL(cm)、内径D(cm)の円筒形の胴部7の上下に鏡板部5を有し、内部に段数nをもつインターナル6を有する構造をしており、塔頂部またはそれに近い塔の上部に内径d(cm)のガス抜出し口1と、塔底部またはそれに近い塔の下部に内径d(cm)の液抜出し口2と、該ガス抜出し口1より下部であって塔の上部および/または中間部に1つ以上の第一の導入口3と、該液抜出し口2より上部であって塔の下部に1つ以上の第二の導入口4と、を有するものであるが、蒸留だけでなく反応も同時に行って、1時間あたり1トン以上の芳香族カーボネートを長期間安定的に製造できるものとするには種々の条件を満足させることが必要である。なお、図1は、本発明に係る連続多段蒸留塔の一の実施態様であるため、インターナル6の配置は、図1に示す構成に限定されるものではない。
本発明に係る連続多段蒸留塔は、単なる蒸留機能からの条件だけではなく、安定的に高選択率で反応を進行させるために必要とされる条件とが複合したものであり、
具体的には、
(1)長さL(cm)が式(1)を満足するものであって、
1500 ≦ L ≦ 8000 式(1)
(2)塔の内径D(cm)が式(2)を満足するものであって、
100 ≦ D ≦ 2000 式(2)
(3)長さL(cm)と塔の内径D(cm)の比が、式(3)を満足するものであって、
2 ≦ L/D ≦ 40 式(3)
(4)段数nが式(4)を満足するものであって、
20 ≦ n ≦ 120 式(4)
(5)塔の内径D(cm)とガス抜出し口1の内径d(cm)の比が、式(5)を満足するものであって、
5 ≦ D/d ≦ 30 式(5)
(6)塔の内径D(cm)と液抜出し口2の内径d(cm)の比が、式(6)を満足するものであって、
3 ≦ D/d ≦ 20 式(6)
であることが必要である。
なお、本発明で用いる用語「塔頂部またはそれに近い塔の上部」とは、塔頂部から下方に約0.25Lまでの部分を意味し、用語「塔底部またはそれに近い塔の下部」とは、塔底部から上方に約0.25Lまでの部分を意味する。また、「L」は、前述の定義とおりである。
式(1)、(2)、(3)、(4)、(5)および(6)を同時に満足する連続多段蒸留塔を用いることによって、ジアルキルカーボネートと芳香族モノヒドロキシ化合物とから1時間あたり1トン以上の工業的規模で、高選択率・高生産性で、例えば2000時間以上、好ましくは3000時間以上、さらに好ましくは5000時間以上の長期間、安定的に製造できることが見出されたのである。本発明の方法を実施することによって、このような優れた効果を有する工業的規模での芳香族カーボネートの製造が可能になった理由は明らかではないが、式(1)〜(6)の条件が組み合わさった時にもたらされる複合効果のためであると推定される。なお、各々の要因の好ましい範囲は下記に示される。
L(cm)が1500より小さいと、反応率が低下するため目的とする生産量を達成できないし、目的の生産量を達成できる反応率を確保しつつ設備費を低下させるには、Lを8000以下にすることが必要である。より好ましいL(cm)の範囲は、2000≦L ≦6000 であり、さらに好ましくは、2500≦L≦5000 である。
D(cm)が100よりも小さいと、目的とする生産量を達成できないし、目的の生産量を達成しつつ設備費を低下させるには、Dを2000以下にすることが必要である。より好ましいD(cm)の範囲は、150≦D≦1000 であり、さらに好ましくは、200≦D≦800 である。
L/Dが2より小さい時や40より大きい時は安定運転が困難となり、特に40より大きいと塔の上下における圧力差が大きくなりすぎるため、長期安定運転が困難となるだけでなく、塔下部での温度を高くしなければならないため、副反応が起こりやすくなり選択率の低下をもたらす。より好ましいL/Dの範囲は、3≦L/D≦30 であり、さらに好ましくは、5≦L/D≦15 である。
nが20より小さいと反応率が低下するため目的とする生産量を達成できないし、目的の生産量を達成できる反応率を確保しつつ設備費を低下させるには、nを120よりも小さくすることが必要である。さらに、nが120よりも大きいと塔の上下における圧力差が大きくなりすぎるため、長期安定運転が困難となるだけでなく、塔下部での温度を高くしなければならないため、副反応が起こりやすくなり選択率の低下をもたらす。より好ましいnの範囲は、30≦n≦100 であり、さらに好ましくは、40≦n≦90 である。
D/dが5より小さいと設備費が高くなるだけでなく大量のガス成分が系外に出やすくなるため、安定運転が困難になり、30よりも大きいとガス成分の抜出し量が相対的に小さくなり、安定運転が困難になるだけでなく、反応率の低下をもたらす。より好ましいD/dの範囲は、8≦D/d≦25 であり、さらに好ましくは、10≦D/d≦20 である。
D/dが3より小さいと設備費が高くなるだけでなく液抜出し量が相対的に多くなり、安定運転が困難になり、20よりも大きいと液抜出し口や配管での流速が急激に速くなりエロージョンを起こしやすくなり装置の腐食をもたらす。より好ましいD/dの範囲は、5≦D/d≦18 であり、さらに好ましくは、7≦D/d≦15 である。
さらに本発明では該dと該dが式(7)を満足する場合、さらに好ましいことがわかった。
1 ≦ d/d ≦ 5 式(7)
本発明でいう長期安定運転とは、1000時間以上、好ましくは3000時間以上、さらに好ましくは5000時間以上、配管のつまりやエロージョンがなく、運転条件に基づいた定常状態で運転が継続でき、高選択率を維持しながら、所定量の芳香族カーボネートが製造されていることを意味する。
本発明は、1時間あたり1トン以上の高生産性で芳香族カーボネートを高選択率で長期間安定的に生産することを特徴としているが、好ましくは1時間あたり2トン以上、さらに好ましくは1時間あたり3トン以上の芳香族カーボネートを生産することにある。また、本発明は、該連続多段蒸留塔のL、D、L/D、n、D/d、D/d がそれぞれ、2000≦L≦6000、 150≦D≦1000、 3≦L/D≦30、 30≦n≦100、 8≦D/d≦25、 5≦D/d≦18の場合は、1時間あたり2トン以上、好ましくは1時間あたり2.5トン以上、さらに好ましくは1時間あたり3トン以上の芳香族カーボネートを製造することを特徴とするものである。さらに、本発明は、該連続多段蒸留塔のL、D、L/D、n、D/d、D/d がそれぞれ、2500≦L≦5000、 200≦D≦800、 5≦L/D≦15、 40≦n≦90、 10≦D/d≦25、 7≦D/d≦15の場合は、1時間あたり3トン以上、好ましくは1時間あたり3.5トン以上、さらに好ましくは1時間あたり4トン以上の芳香族カーボネートを製造することを特徴とするものである。
本発明でいう芳香族カーボネートの選択率とは、反応した芳香族モノヒドロキシ化合物に対するものであって、本発明では通常95%以上の高選択率であり、好ましくは97%以上、さらに好ましくは99%以上の高選択率を達成することができる。
本発明で用いられる連続多段蒸留塔は、インターナルとしてトレイおよび/または充填物を有する蒸留塔であることが好ましい。本発明でいうインターナルとは、蒸留塔において実際に気液の接触を行わせる部分のことを意味する。このようなトレイとしては、例えば泡鍾トレイ、多孔板トレイ、バルブトレイ、向流トレイ、スーパーフラックトレイ、マックスフラックトレイ等が好ましく、充填物としては、ラシヒリング、レッシングリング、ポールリング、ベルルサドル、インタロックスサドル、ディクソンパッキング、マクマホンパッキング、ヘリパック等の不規則充填物やメラパック、ジェムパック、テクノパック、フレキシパック、スルザーパッキング、グッドロールパッキング、グリッチグリッド等の規則充填物が好ましい。トレイ部と充填物の充填された部分とを合わせ持つ多段蒸留塔も用いることができる。なお、本発明でいう用語「インターナルの段数n」とは、トレイの場合は、トレイの数を意味し、充填物の場合は、理論段数を意味する。
本発明のジアルキルカーボネートと芳香族モノヒドロキシ化合物との反応は、平衡定数が極端に小さく、しかも反応速度が遅いので、反応蒸留に用いる連続多段蒸留塔としては、インターナルがトレイである棚段式蒸留塔がより好ましいことが見出された。さらに、該トレイが多孔板部とダウンカマー部を有する多孔板トレイが機能と設備費との関係で特に優れていることが見出された。そして、該多孔板トレイが該多孔板部の面積1mあたり100〜1000個の孔を有していることが好ましいことも見出された。より好ましい孔数は該面積1mあたり120〜900個であり、さらに好ましくは、150〜800個である。また、該多孔板トレイの孔1個あたりの断面積が0.5〜5cmであることが好ましいことも見出された。より好ましい孔1個あたりの断面積は、0.7〜4cmであり、さらに好ましくは0.9〜3cmである。さらには、該多孔板トレイが該多孔板部の面積1mあたり100〜1000個の孔を有しており、かつ、孔1個あたりの断面積が0.5〜5cmである場合、特に好ましいことが見出された。連続多段蒸留塔に上記の条件を付加することによって、本発明の課題が、より容易に達成されることが判明したのである。
本発明を実施する場合、原料であるジアルキルカーボネートと芳香族モノヒドロキシ化合物とを触媒が存在する連続多段蒸留塔内に連続的に供給し、該塔内で反応と蒸留を同時に行い、生成するアルコール類を含む低沸点反応混合物を塔上部よりガス状で連続的に抜出し、芳香族カーボネート類を含む高沸点反応混合物を塔下部より液状で連続的に抜出すことにより芳香族カーボネート類が連続的に製造される。この原料中には、反応生成物であるアルコール類、アルキルアリールカーボネート、ジアリールカーボネートやアルキルアリールエーテルや高沸点化合物などの反応副生物が含まれていてもいいことは前述のとおりである。他の工程での分離・精製にかかる設備、費用のことを考慮すれば、実際に工業的に実施する本発明の場合は、これらの化合物を少量含んでいることが好ましい。
また、本発明において、原料であるジアルキルカーボネートと芳香族モノヒドロキシ化合物を連続多段蒸留塔内に連続的に供給するには、蒸留塔の上部のガス抜出し口よりも下部であるが塔の上部または中間部に設置された1箇所または数箇所の導入口から、液状および/またはガス状で供給してもよいし、芳香族モノヒドロキシ化合物を多く含む原料を蒸留塔の上部の導入口から液状で供給し、ジアルキルカーボネートを多く含む原料を蒸留塔の下部の液抜出し口よりも上部であって塔の下部に設置された導入口からガス状で供給することも好ましい方法である。
本発明において、連続多段蒸留塔内に触媒を存在させる方法はどのようなものであってもよいが、触媒が反応液に不溶解性の固体状の場合は、連続多段蒸留塔内の段に設置する、充填物状にして設置するなどによって塔内に固定させる方法などがある。また、原料や反応液に溶解する触媒の場合は、蒸留塔の中間部より上部から蒸留塔内に供給することが好ましい。この場合、原料または反応液に溶解させた触媒液を原料と一緒に導入してもよいし、原料とは別の導入口からこの触媒液を導入してもよい。本発明で用いる触媒の量は、使用する触媒の種類、原料の種類やその量比、反応温度並びに反応圧力などの反応条件の違いによっても異なるが、原料の合計質量に対する割合で表して、通常、0.0001〜30質量%、好ましくは0.005〜10質量%、より好ましくは0.001〜1質量%で使用される。
本発明で行われるエステル交換反応の反応時間は連続多段蒸留塔内での反応液の平均滞留時間に相当すると考えられるが、これは蒸留塔のインターナルの形状や段数、原料供給量、触媒の種類や量、反応条件などによって異なるが、通常0.1〜10時間、好ましくは0.3〜5時間、より好ましくは0.5〜3時間である。
反応温度は、用いる原料化合物の種類や触媒の種類や量によって異なるが、通常100〜350℃である。反応速度を高めるためには反応温度を高くすることが好ましいが、反応温度が高いと副反応も起こりやすくなり、例えば、アルキルアリールエーテルなどの副生が増えるので好ましくない。このような意味で、好ましい反応温度は130〜280℃、より好ましくは150〜260℃、さらに好ましくは、180〜250℃の範囲である。また、反応圧力は、用いる原料化合物の種類や組成、反応温度などにより異なるが、減圧、常圧、加圧のいずれであってもよく、通常0.1〜2×10Pa、好ましくは、10〜10Pa、より好ましくは2×10〜5×10の範囲で行われる。
本発明で用いられる連続多段蒸留塔を構成する材料は、主に炭素鋼、ステンレススチールなどの金属材料であるが、製造する芳香族カーボネートの品質の面からは、ステンレススチールが好ましい。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
ハロゲン含有量は、イオンクロマトグラフィー法で測定した。
<連続多段蒸留塔>
図1に示されるようなL=3300cm、D=500cm、L/D=6.6、n=80、D/d=17、D/d=9 である連続多段蒸留塔を用いた。なお、この実施例では、インターナルとして、孔1個あたりの断面積=約1.5cm、孔数=約250個/mを有する多孔板トレイを用いた。
[実施例1]
<反応蒸留>
フェノール/ジメチルカーボネート=1.9(質量比)からなる原料1を蒸留塔の上部導入口から液状で50トン/hrの流量で連続的に導入した。一方、ジメチルカーボネート/フェノール=3.6(質量比)からなる原料2を蒸留塔の下部導入口からガス状で50トン/hrの流量で連続的に導入した。蒸留塔に導入された原料のモル比は、ジメチルカーボネート/フェノール=1.35であった。この原料にはハロゲンは実質的に含まれていなかった(イオンクロマトグラフィーでの検出限界外で1ppb以下)。触媒はPb(OPh)として、反応液中に約100ppmとなるように塔の上部から導入された。塔底部の温度が225℃で、塔頂部の圧力が7×10Paの条件下で連続的に反応蒸留が行われた。24時間後には安定的な定常運転が達成できた。塔底部から連続的に抜出された液には、メチルフェニルカーボネートが18.2質量%、ジフェニルカーボネートが0.8質量%含まれていた。メチルフェニルカーボネートの1時間あたりの生産量は9.1トン、ジフェニルカーボネートの1時間あたりの生産量は0.4トンであることがわかった。反応したフェノールに対して、メチルフェニルカーボネートとジフェニルカーボネートを合わせた選択率は99%であった。
この条件で長期間の連続運転を行った。500時間後、2000時間後、4000時間後、5000時間後、6000時間後の1時間あたりの生産量は、メチルフェニルカーボネートが、9.1トン、9.1トン、9.1トン、9.1トン、9.1トンであり、ジフェニルカーボネートの1時間あたりの生産量は0.4トン、0.4トン、0.4トン、0.4トン、0.4トンであり、メチルフェニルカーボネートとジフェニルカーボネートを合わせた選択率は99%、99%、99%、99%、99%、99%、であり、非常に安定していた。また、製造された芳香族カーボネートには、ハロゲンは実質的に含まれていなかった(1ppb以下)。
[実施例2]
実施例1と同じ連続多段蒸留塔を用いて、下記の条件で反応蒸留を行った。
フェノール/ジメチルカーボネート=1.1(質量比)からなる原料1を蒸留塔の上部導入口から液状で40トン/hrの流量で連続的に導入した。一方、ジメチルカーボネート/フェノール=3.9(質量比)からなる原料2を蒸留塔の下部導入口からガス状で43トン/hrの流量で連続的に導入した。蒸留塔に導入された原料のモル比は、ジメチルカーボネート/フェノール=1.87であった。この原料にはハロゲンは実質的に含まれていなかった(イオンクロマトグラフィーでの検出限界外で1ppb以下)。触媒はPb(OPh)として、反応液中に約250ppmとなるように塔の上部から導入された。塔底部の温度が235℃で、塔頂部の圧力が9×10Paの条件下で連続的に反応蒸留が行われた。24時間後には安定的な定常運転が達成できた。塔底部から連続的に抜出された液には、メチルフェニルカーボネートが20.7質量%、ジフェニルカーボネートが1.0質量%含まれていた。メチルフェニルカーボネートの1時間あたりの生産量は8.3トン、ジフェニルカーボネートの1時間あたりの生産量は0.4トンであることがわかった。反応したフェノールに対して、メチルフェニルカーボネートとジフェニルカーボネートを合わせた選択率は98%であった。
この条件で長期間の連続運転を行った。500時間後、1000時間後、2000時間後の1時間あたりの生産量は、メチルフェニルカーボネートが、8.3トン、8.3トン、8.3トンであり、ジフェニルカーボネートの1時間あたりの生産量は0.4トン、0.4トン、0.4トンであり、メチルフェニルカーボネートとジフェニルカーボネートを合わせた選択率は98%、98%、98%であり、非常に安定していた。また、製造された芳香族カーボネートには、ハロゲンは実質的に含まれていなかった(1ppb以下)。
[実施例3]
実施例1と同じ連続多段蒸留塔を用いて、下記の条件で反応蒸留を行った。
フェノール/ジメチルカーボネート=1.7(質量比)からなる原料1を蒸留塔の上部導入口から液状で86トン/hrの流量で連続的に導入した。一方、ジメチルカーボネート/フェノール=3.5(質量比)からなる原料2を蒸留塔の下部導入口からガス状で90トン/hrの流量で連続的に導入した。蒸留塔に導入された原料のモル比は、ジメチルカーボネート/フェノール=1.44であった。この原料にはハロゲンは実質的に含まれていなかった(イオンクロマトグラフィーでの検出限界外で1ppb以下)。触媒はPb(OPh)として、反応液中に約150ppmとなるように塔の上部から導入された。塔底部の温度が220℃で、塔頂部の圧力が8×10Paの条件下で連続的に反応蒸留が行われた。24時間後には安定的な定常運転が達成できた。塔底部から連続的に抜出された液には、メチルフェニルカーボネートが15.8質量%、ジフェニルカーボネートが0.5質量%含まれていた。メチルフェニルカーボネートの1時間あたりの生産量は12.8トン、ジフェニルカーボネートの1時間あたりの生産量は0.4トンであることがわかった。反応したフェノールに対して、メチルフェニルカーボネートとジフェニルカーボネートを合わせた選択率は99%であった。
この条件で長期間の連続運転を行った。500時間後、1000時間後、2000時間後の1時間あたりの生産量は、メチルフェニルカーボネートが、12.8トン、12.8トン、12.8トンであり、ジフェニルカーボネートの1時間あたりの生産量は0.4トン、0.4トン、0.4トンであり、メチルフェニルカーボネートとジフェニルカーボネートを合わせた選択率は99%、99%、99%であり、非常に安定していた。また、製造された芳香族カーボネートには、ハロゲンは実質的に含まれていなかった(1ppb以下)。
本発明は、ジアルキルカーボネートと芳香族モノヒドロキシ化合物とから連続多段蒸留塔を用いて芳香族カーボネートを、1時間あたり1トン以上の工業的規模で、高選択率・高生産性で長期間安定的に製造できる具体的な方法として好適である。
本発明を実施する連続多段蒸留塔の概略図である。胴部内部にはインターナルが設置されている。 なお、図1にて使用した符号の説明は、以下のとおりである;1 ガス抜出し口、2 液抜出し口、3 導入口、4 導入口、5 鏡板部、6 インターナル、7 胴体部分、10 連続多段蒸留塔、L 胴部長さ(cm)、D 胴部内径(cm)、d ガス抜出し口の内径(cm)、d 液抜出し口の内径(cm)。

Claims (14)

  1. 原料としてのジアルキルカーボネートと芳香族モノヒドロキシ化合物からの芳香族カーボネートの製造方法であって、
    (i)該原料を、触媒が存在する連続多段蒸留塔内に連続的に供給する工程と、
    (ii)アルコール類と芳香族カーボネート類を生成するように、該原料を反応させる工程と、
    (iii)生成するアルコール類を含む低沸点反応混合物を塔上部からガス状で連続的に抜出すとともに、生成する芳香族カーボネート類を含む高沸点反応混合物を塔下部より液状で連続的に抜出す工程と、を含み、
    (a)該原料のジアルキルカーボネートと芳香族モノヒドロキシ化合物とのモル比が0.4〜4であり、
    (b)該連続多段蒸留塔は、長さL(cm)、内径D(cm)の円筒形の胴部の上下に鏡板部を有し、内部に段数nをもつインターナルを有する構造をしており、塔頂部またはそれに近い塔の上部に内径d(cm)のガス抜出し口、塔底部またはそれに近い塔の下部に内径d(cm)の液抜出し口、該ガス抜出し口より下部であって塔の上部および/または中間部に少なくとも1つの導入口、該液抜出し口より上部であって塔の下部に少なくとも1つの導入口を有するものであって、

    (1)長さL(cm)が式(1)を満足するものであり、
    1500 ≦ L ≦ 8000 式(1)
    (2)塔の内径D(cm)が式(2)を満足するものであり、
    100 ≦ D ≦ 2000 式(2)
    (3)長さL(cm)と塔の内径D(cm)の比が、式(3)を満足するものであり、
    2 ≦ L/D ≦ 40 式(3)
    (4)段数nが式(4)を満足するものであり、
    20 ≦ n ≦ 120 式(4)
    (5)塔の内径D(cm)とガス抜出し口の内径d(cm)の比が、式(5)を満足するものであり、
    5 ≦ D/d ≦ 30 式(5)
    (6)塔の内径D(cm)と液抜出し口の内径d(cm)の比が、式(6)を満足するものである、
    3 ≦ D/d ≦ 20 式(6)
    ことを特徴とする方法。
  2. 前記工程(ii)にて、蒸留も同時に行われることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 該芳香族カーボネートが連続的に製造され、その生産量が、1時間あたり1トン以上であることを特徴とする請求項1または2記載の方法。
  4. ジアルキルカーボネートと芳香族モノヒドロキシ化合物とを原料とし、この原料を触媒が存在する連続多段蒸留塔内に連続的に供給し、該塔内で反応と蒸留を同時に行い、生成するアルコール類を含む低沸点反応混合物を塔上部よりガス状で連続的に抜出し、芳香族カーボネート類を含む高沸点反応混合物を塔下部より液状で連続的に抜出す反応蒸留方式によって、芳香族カーボネート類を連続的に製造するにあたり、
    (a)該連続多段蒸留塔内に連続的に供給される該原料において、ジアルキルカーボネートと芳香族モノヒドロキシ化合物とのモル比が0.4〜4であり、
    (b)該連続多段蒸留塔が、長さL(cm)、内径D(cm)の円筒形の胴部の上下に鏡板部を有し、内部に段数nをもつインターナルを有する構造をしており、塔頂部またはそれに近い塔の上部に内径d(cm)のガス抜出し口、塔底部またはそれに近い塔の下部に内径d(cm)の液抜出し口、該ガス抜出し口より下部であって塔の上部および/または中間部に少なくとも一つの導入口、該液抜出し口より上部であって塔の下部に少なくとも一つの導入口を有するものであって、
    (1)長さL(cm)が式(1)を満足するものであり、
    1500 ≦ L ≦ 8000 式(1)
    (2)塔の内径D(cm)が式(2)を満足するものであり、
    100 ≦ D ≦ 2000 式(2)
    (3)長さL(cm)と塔の内径D(cm)の比が、式(3)を満足するものであり、
    2 ≦ L/D ≦ 40 式(3)
    (4)段数nが式(4)を満足するものであり、
    20 ≦ n ≦ 120 式(4)
    (5)塔の内径D(cm)とガス抜出し口の内径d(cm)の比が、式(5)を満足するものであり、
    5 ≦ D/d ≦ 30 式(5)
    (6)塔の内径D(cm)と液抜出し口の内径d(cm)の比が、式(6)を満足するものである、
    3 ≦ D/d ≦ 20 式(6)
    ことを特徴とする芳香族カーボネートの工業的製造法。
  5. 該芳香族カーボネートの生産量が、1時間あたり1トン以上であることを特徴とする請求項5記載の方法。
  6. 該dと該dが式(7)を満足することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
    1 ≦ d/d ≦ 5 式(7)。
  7. 該連続多段蒸留塔のL、D、L/D、n、D/d、D/d がそれぞれ、2000≦L≦6000、 150≦D≦1000、 3≦L/D≦30、 30≦n≦100、 8≦D/d≦25、 5≦D/d≦18であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 該連続多段蒸留塔のL、D、L/D、n、D/d、D/d がそれぞれ、2500≦L≦5000、 200≦D≦800、 5≦L/D≦15、 40≦n≦90、 10≦D/d≦25、 7≦D/d≦15であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 該連続多段蒸留塔が、該インターナルとしてトレイおよび/または充填物を有する蒸留塔であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 該連続多段蒸留塔が、該インターナルとしてトレイを有する棚段式蒸留塔であることを特徴とする請求項10記載の方法。
  11. 該トレイが多孔板部とダウンカマー部を有する多孔板トレイであることを特徴とする請求項9または10記載の方法。
  12. 該多孔板トレイが該多孔板部の面積1mあたり100〜1000個の孔を有するものであることを特徴とする請求項11記載の方法。
  13. 該多孔板トレイの孔1個あたりの断面積が0.5〜5cmであることを特徴とする請求項11または12記載の方法。
  14. 請求項1〜13のいずれかに記載の方法で製造され、ハロゲン含有量が0.1ppm以下である芳香族カーボネート。


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