JPWO2005121111A1 - 3−アミノメチルテトラヒドロフラン誘導体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
本発明の目的は安価な工業原料から高い効率で3−アミノメチルテトラヒドロフラン誘導体を製造する方法を提供することにある。安価で工業的に入手容易なリンゴ酸誘導体から高い収率で3−シアノテトラヒドロフラン誘導体を製造し、3−シアノテトラヒドロフラン誘導体のシアノ基を還元して3−アミノメチルテトラヒドロフラン誘導体を製造する。
Description
本発明は、3−アミノメチルテトラヒドロフラン誘導体の製造方法に関する。さらに詳しくは、3−シアノテトラヒドロフラン誘導体を還元する3−アミノメチルテトラヒドロフラン誘導体の製造方法に関する。3−アミノメチルテトラヒドロフラン誘導体は医農薬等の中間体として有用である。
下記化1に示す構造を有する(テトラヒドロ−3−フラニル)メチルアミン誘導体は極めて高い殺虫活性を示し、しかも低毒性であって農薬の有効成分として非常に優れた性能を有している。(特許文献1参照)。しかしながら、その原料となる3−アミノメチルテトラヒドロフラン誘導体の製造方法はほとんど知られておらず、以下に述べる2つの方法がわずかに知られているのみである。これは、2位に置換基を持ったテトラヒドロフラン化合物がフラン環の置換反応から比較的簡単に誘導できるのに対し、3位に置換基を持ったテトラヒドロフラン化合物の合成が非常に困難であることが原因として挙げられる。
(式中、R10、R11、R12は水素原子または低級アルキル基を示す。)
3−アミノメチルテトラヒドロフラン誘導体の製造方法の一つとしてはテトラヒドロフラン−3−カルボキシアルデヒドを原料としアンモニア水溶液中、水素の存在下に還元アミノ化する方法が知られている(特許文献2参照)。しかしながら、この方法においては原料であるテトラヒドロフラン−3−カルボキシアルデヒドを得るために、例えば高価な2−ブテン−1,4−ジオールを環化した後、さらに高価なロジウム触媒を用いてヒドロホルミル化を行わなければならないなど非常に高価な原材料を使用しなければならず工業的に十分有利な方法とは言えない。
3−アミノメチルテトラヒドロフラン誘導体の製造方法の一つとしてはテトラヒドロフラン−3−カルボキシアルデヒドを原料としアンモニア水溶液中、水素の存在下に還元アミノ化する方法が知られている(特許文献2参照)。しかしながら、この方法においては原料であるテトラヒドロフラン−3−カルボキシアルデヒドを得るために、例えば高価な2−ブテン−1,4−ジオールを環化した後、さらに高価なロジウム触媒を用いてヒドロホルミル化を行わなければならないなど非常に高価な原材料を使用しなければならず工業的に十分有利な方法とは言えない。
また、もう一つの製造方法としては、例えば3−ヒドロキシメチルテトラヒドロフランを原料とし、3−(テトラヒドロフリル)メチルハライドまたは3−(テトラヒドロフリル)メチルスルホネートに誘導し、フタルイミドカリウムと反応させ加水分解またはヒドラジン分解する方法が上記特許文献1に記載されている。しかしながらこの方法においても3−ヒドロキシメチルテトラヒドロフランの原料である2−ヒドロキシメチル−1,4−ブタンジオールは高価であり、またフタルイミド由来の副生物が大量に生成したり、危険性の高いヒドラジンを使用するなど工業的に有利な方法ではない。
また、3−シアノテトラヒドロフラン誘導体を水素化する方法に関しては、3−シアノテトラヒドロフラン誘導体を効率よく得る合成例自体が少なく、従ってこれを原料とする3−アミノメチルテトラヒドロフラン誘導体の製造方法の例は知られていない。シアノ基を還元してアミン類を得る方法は一般には知られているものの、その好ましい方法は基質により大きく異なる。テトラヒドロフラン環を有するシアノ化合物の還元反応は3−シアノテトラヒドロフラン誘導体やその異性体である2−シアノテトラヒドロフラン誘導体についてまったく知られておらず、従ってその好ましい方法もまったく知られていない。
また、3−シアノテトラヒドロフラン誘導体の製造方法としては、テトラヒドロフランとクロロシアンとを重曹の存在下に紫外線照射する方法(特許文献3参照)、酸化エチレンとアクリロニトリルを触媒の存在下に反応させる方法(特許文献4参照)の僅か2例が知られているのみであり、前者は収率、選択率ともに低く、また後者は選択率は高いものの収率の記載がなくいずれの方法も効率良い3−シアノテトラヒドロフラン誘導体の製造方法とは言えない。本願発明の方法である3−ハロゲン化または3−アルキルもしくはアリールスルホナート化テトラヒドロフラン誘導体から3−シアノテトラヒドロフラン誘導体を製造する方法は知られていない。
さらには、本願発明の方法である3−ヒドロキシテトラヒドロフラン誘導体から3−ハロゲン化または3−アルキルもしくはアリールスルホナート化テトラヒドロフラン誘導体を製造する方法も知られていない。
特開平7−179448号公報
特開平9−110848号公報
独国特許第1234227号公報
特開2000−264884公報
従って、3−アミノメチルテトラヒドロフラン誘導体の工業的に十分有利な製造方法は未だ見出させておらず、安価な原料から効率よく該誘導体を製造する方法が熱望されていた。本願発明の課題は安価な工業原料から高い効率で3−アミノメチルテトラヒドロフラン誘導体を製造する方法を提供することにある。
本願発明者らは上記課題を達成するため鋭意検討した結果、3−シアノテトラヒドロフラン誘導体のシアノ基を還元することにより3−アミノメチルテトラヒドロフラン誘導体を製造する方法を見出し、さらに3−シアノテトラヒドロフラン誘導体を安価で工業的に入手容易なリンゴ酸誘導体から高い収率で製造する方法を見出し本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の第一は一般式(1)
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7は同一でも異なっていても良く、水素原子または炭素数1ないし4の炭化水素基を表す。)で表される3−シアノテトラヒドロフラン誘導体のシアノ基を還元することを特徴とする一般式(2)
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7は同一でも異なっていても良く、水素原子または炭素数1ないし4の炭化水素基を表す。)で表される3−アミノメチルテトラヒドロフラン誘導体の製造方法である。
本発明の第二は一般式(3)
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7は同一でも異なっていても良く、水素原子または炭素数1ないし4の炭化水素基を表す。Xはハロゲン原子または炭化水素1〜6のアルキルスルホナート基もしくは炭素数6〜12のアリールスルホナート基を表す。)で表される3−ハロゲン化または3−アルキルもしくはアリールスルホナート化テトラヒドロフラン誘導体と有機または無機シアノ化合物を反応させることを特徴とする一般式(1)で表される3−シアノテトラヒドロフラン誘導体の製造方法である。
本発明の第三は、本発明の第二の製造方法により得られた3−シアノテトラヒドロフラン誘導体を使用することを特徴とする本発明の第一の製造方法による3−アミノメチルテトラヒドロフラン誘導体の製造方法である。
本発明の第四は、リンゴ酸誘導体から3工程により製造される一般式(3a)
で表される3−ハロゲン化または3−アルキルもしくはアリールスルホナート化テトラヒドロフラン誘導体を使用することを特徴とする本発明の第三の製造方法による3−アミノメチルテトラヒドロフラン誘導体の製造方法である。
本発明によれば、3−アミノメチルテトラヒドロフラン誘導体を安価な原料から従来の方法に比べて工業的に有利に製造することができる。
以下、本発明の3−アミノメチルテトラヒドロフラン誘導体の製造方法について具体的に説明する。
本発明の方法の3−シアノテトラヒドロフラン誘導体は一般式(1)で表される。
一般式(1)において、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7は全てが同一でも互いに異なっていても良く、それぞれ水素原子または炭素数1ないし4の炭化水素基を表す。炭素数1ないし4の炭化水素基としては、より具体的には、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、2−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基などが挙げられる。このような3−シアノテトラヒドロフラン誘導体としては、具体的には3−シアノテトラヒドロフランをはじめとし、例えば4−エチル−3−シアノテトラヒドロフラン、3−メチル−3−シアノテトラヒドロフランなどの炭化水素基置換された3−シアノテトラヒドロフランを挙げることができる。
本発明の方法に用いる3−シアノテトラヒドロフラン誘導体の製造方法は限定されるものではないが、後述する3−ハロゲン化または3−アルキルもしくはアリールスルホナート化テトラヒドロフラン誘導体をシアノ化する方法により好適に製造することができる。
本発明においては、一般式(1)で表される3−シアノテトラヒドロフラン誘導体のシアノ基を還元し一般式(2)で表される3−アミノメチルテトラヒドロフラン誘導体を製造する。
一般式(2)において、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7は一般式(1)のR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7と同義である。このような3−アミノメチルテトラヒドロフラン誘導体としては具体的には、3−アミノメチルテトラヒドロフランをはじめとし、例えば4−エチル−3−アミノメチルテトラヒドロフラン、3−メチル−3−アミノメチルテトラヒドロフランなどの炭化水素基置換された3−シアノテトラヒドロフランを挙げることができる。本発明の方法で得られる3−アミノメチルテトラヒドロフラン誘導体は使用した3−シアノテトラヒドロフラン誘導体に対応し、用いた3−シアノテトラヒドロフラン誘導体のR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7の各置換基と、得られる3−アミノメチルテトラヒドロフラン誘導体のR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7の各置換基は同一である。例えば3−シアノテトラヒドロフランを用いた場合は3−アミノメチルテトラヒドロフランが、例えば3−メチル−3−シアノテトラヒドロフランを用いた場合は3−メチル−3−アミノメチルテトラヒドロフランが得られる。
本発明の3−シアノテトラヒドロフラン誘導体のシアノ基を還元する方法としては、例えば金属水素化物により還元する方法、水素化触媒の存在下に水素により還元する方法などが挙げられる。
金属水素化物により還元する場合の金属水素化物としては、具体的には例えば水素化アルミニウムリチウム、水素化トリメトキシアルミニウムリチウム、水素化アルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウムなどの水素化アルミニウム化合物、例えばジボラン、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素ナトリウムなどの水素化ホウ素化合物が挙げられる。金属水素化物により還元する場合の使用量としては通常使用する3−シアノテトラヒドロフラン誘導体1モルに対して2〜10モル、好ましくは3〜6モルの範囲である。
水素化触媒の存在下に水素により還元する場合の水素化触媒としては、本発明の3−シアノテトラヒドロフラン誘導体のシアノ基を分子状水素によりアミノメチル基に還元する反応を触媒すればどのような化合物であっても良いが、通常は周期律表第7〜13族から選ばれる少なくとも一種の金属または金属化合物が好適に用いられる。より具体的には、マンガン、レニウム、鉄、ルテニウム、オスミウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、金、亜鉛、アルミニウムなどの金属または金属化合物が挙げられる。これらの金属または金属化合物は反応液に溶解してもよいし、溶解しなくてもよい。これらの水素化触媒としては具体的には、例えばロジウム金属粉末、パラジウム金属粉末などの金属単体、例えばラネーニッケル、ラネー銅、ラネーコバルトなどのラネー金属化合物、例えば安定化ニッケルなどの安定化金属化合物、例えばレニウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウムなどの金属を例えばカーボンブラック、活性炭、アルミナ、シリカゲル、珪藻土、ゼオライト、マグネシアなどの無機担体に担持した金属担持触媒、例えば酸化ルテニウム、酸化パラジウム、酸化レニウム、酸化銅などの金属酸化物、例えば酸化銅−酸化クロム、酸化銅−酸化亜鉛−酸化アルミニウムなどの金属複合酸化物、例えばRuClH(CO)(PPh3)3、RuCl2(PPh3)3、PdCl2(PPh3)2などの周期律表第8〜10族金属の錯体化合物などが挙げられる。これらの触媒は単独でもまた2種以上を同時に使用することもできる。水素化触媒の使用量としては、使用する触媒が反応液に溶解する場合は3−シアノテトラヒドロフラン誘導体に対し通常0.1重量ppm〜10重量%、好ましくは1重量ppm〜5重量%の範囲であり、使用する触媒が反応液に溶解しない場合は通常3−シアノテトラヒドロフラン誘導体に対し0.1重量%〜500重量%、好ましくは1重量%〜200重量%の範囲である。
これらの還元方法のうち、水素化触媒の存在下に水素により還元する方法が好ましい。水素化触媒としては周期律表第9族または第10族の金属または金属化合物が好ましく、コバルトまたはニッケルの金属または金属化合物がより好ましく、コバルトの金属または金属化合物が最も好ましい。
本発明の3−シアノテトラヒドロフラン誘導体を還元する方法においては、溶媒を用いずに行いうる場合もあるが通常は溶媒の存在下に実施される。使用する場合の溶媒としてはシアノ基の還元方法により好適な溶媒が異なる。
金属水素化物により還元する場合は例えばn−ヘキサン、n−ペンタンまたはシクロヘキサンなどの炭素数5〜20の脂肪族または脂環族の炭化水素類、例えばベンゼン、トルエン、エチルベンゼンなどの炭素数6〜20の芳香族炭化水素類、例えばクロロホルム、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどの炭素数1〜20の脂肪族または芳香族ハロゲン化物、例えばジエチルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテルなどの炭素数2〜20のエーテル類が好適に用いられる。またこれらの溶媒を2種以上混合して使用しても良い。これらの溶媒のうちエーテル類の使用が特に好ましい。
水素化触媒の存在下に水素により還元する場合の溶媒としては、水、例えばメタノール、エタノール、ブタノールなどの炭素数1〜20のアルコール類、例えばn−ヘキサン、n−ペンタンまたはシクロヘキサンなどの炭素数5〜20の脂肪族または脂環族の炭化水素類、例えばベンゼン、トルエン、エチルベンゼンなどの炭素数6〜20の芳香族炭化水素類、例えばジエチルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテルなどの炭素数2〜20のエーテル類が好適に用いられる。またこれらの溶媒を2種以上混合して使用しても良い。これらの溶媒のうち水、アルコール類、エーテル類の使用が好ましく、水の使用がより好ましい。
使用する場合の溶媒の量は反応条件により一様ではないが、通常3−シアノテトラヒドロフラン誘導体1重量部に対し0.01〜200重量部、好ましくは0.02〜50重量部、より好ましくは0.05〜2重量部の範囲である。
本発明の3−シアノテトラヒドロフラン誘導体を還元する方法において、水素化触媒の存在下に水素によりシアノ基を還元する場合、アンモニアの存在下に還元反応を行うことは好ましい。本発明においてアンモニアとはアンモニア水、液体アンモニアまたはアンモニアガスであるが、アンモニアがアンモニア水であることはより好ましい。使用する場合のアンモニアの量は特に制限はないが、通常3−シアノテトラヒドロフラン誘導体1モルに対しアンモニア0.01〜50モルの範囲、好ましくはアンモニア0.1〜20モルの範囲、より好ましくはアンモニア0.3〜5モルの範囲である。
本発明の3−シアノテトラヒドロフラン誘導体を還元する方法においては、アンモニアの存在下かつ触媒として周期律表第9族または第10族の金属または金属化合物の存在下に水素により還元する方法は特に好ましい。この場合、触媒がニッケルまたはコバルトの金属または金属化合物であることはより好ましく、アンモニアがアンモニア水であることはより好ましい。さらにアンモニア水の存在下に反応を行う場合、3−シアノテトラヒドロフラン誘導体1重量部に対しアンモニア水0.05〜2重量部の存在下で行うことは好ましい。
本発明の3−シアノテトラヒドロフラン誘導体を還元する方法においてR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7のすべてが水素原子であることは好ましい。
反応の際の温度および時間は使用する3−シアノテトラヒドロフラン誘導体の種類および還元方法により一様ではない。金属水素化物により還元する場合、通常反応温度は−10〜150℃の範囲であり、好ましくは0〜120℃の範囲であり、より好ましくは10〜100℃の範囲である。水素化触媒の存在下に水素により還元する場合は、通常反応温度は0〜250℃の範囲であり、好ましくは50〜200℃の範囲であり、より好ましくは80〜150℃の範囲である。反応時間は通常100時間以内であり、好ましくは0.01〜50時間の範囲である。
反応の際の圧力は減圧、常圧または加圧のいずれでも実施できるが、好ましい形態は実施する還元方法により異なる。金属水素化物により還元する方法の場合は好ましくは常圧で実施される。水素化触媒の存在下に水素により還元する方法の場合は、好ましくは水素加圧下に実施される。加圧する場合の水素圧力は通常0.01〜25MPaゲージ圧の範囲であり、好ましくは0.1〜20MPaゲージ圧の範囲であり、より好ましくは1〜10MPaゲージ圧の範囲である。
シアノ基の還元の反応方法としては特に限定されず、回分式、半回分式または連続流通式のいずれでも構わない。
水素化触媒の存在下に水素により還元した場合、反応終了後使用した触媒は常用の金属の回収方法により回収することができる。例えば、触媒が反応液に溶解している場合はイオン交換樹脂等の金属吸着剤と接触させたり、溶媒により抽出したりすることにより回収することができるし、反応液に溶解していない場合は例えばろ過や遠心分離などの固液分離の方法により回収することができる。これらの回収触媒は繰り返し水素化触媒として使用することができる。その場合、失活または活性が低下した触媒の再生操作を施した後再使用することもできるし、新規な触媒を追加して使用しても良い。
本発明の3−シアノテトラヒドロフラン誘導体を還元する方法により生成した3−アミノメチルテトラヒドロフラン誘導体は、例えば蒸留などの常用の分離方法に従って単離することができる。
次に、3−シアノテトラヒドロフラン誘導体の本発明の製造方法について以下に説明する。一般式(3)で表される3−ハロゲン化または3−アルキルもしくはアリールスルホナート化テトラヒドロフラン誘導体と有機または無機シアノ化合物を反応させて一般式(1)で表される3−シアノテトラヒドロフラン誘導体を製造する。
一般式(3)において、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7は一般式(1)のR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7と同義である。またXはハロゲン原子または炭素数1〜6のアルキルスルホナート基もしくは炭素数6〜12のアリールスルホナート基を表す。ハロゲン原子としては具体的にはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられ、炭素数1〜6のアルキルスルホナート基としては具体的には、例えばメチルスルホナート基、エチルスルホナート基などの炭素数1〜6の炭化水素アルキルスルホナート基、例えばトリフロロメチルスルホナート基、1,1,1−トリフロロエチルスルホナート基などの炭素数1〜6のハロゲン基置換アルキルスルホナート基などが挙げられる。また炭素数6〜12のアリールスルホナート基としては、例えばベンゼンスルホナート基、p−トルエンスルホナート基などの炭素数6〜12の炭化水素アリールスルホナート基、例えばp−トリフロロメチルベンゼンスルホナート基などの炭素数6〜12のハロゲン基置換アリールスルホナート基などが挙げられる。3−ハロゲン化または3−アルキルもしくはアリールスルホナート化テトラヒドロフラン誘導体としては、より具体的には例えば3−クロロテトラヒドロフラン、3−ブロモテトラヒドロフランなどの3−ハロゲン化テトラヒドロフラン、例えば4−エチル−3−クロロテトラヒドロフラン、3−メチル−3−ヨードテトラヒドロフランなどの炭化水素基置換された3−ハロゲン化テトラヒドロフラン、例えば3−(p−トルエンスルホナート)−テトラヒドロフラン、3−トリフロロメタンスルホナートテトラヒドロフランなどの3−アルキルもしくはアリールスルホナート化テトラヒドロフラン、例えば4−エチル−3−ベンゼンスルホナートテトラヒドロフランなどの炭化水素基置換された3−アルキルもしくはアリールスルホナート化テトラヒドロフランを挙げることができる。
本発明の方法に用いる3−ハロゲン化または3−アルキルもしくはアリールスルホナート化テトラヒドロフラン誘導体の製造方法は限定されるものではないが、後述するリンゴ酸誘導体を出発原料とする方法により好適に製造することができる。
本発明の方法において使用する有機または無機シアノ化合物とは、3−ハロゲン化または3−アルキルもしくはアリールスルホナート化テトラヒドロフラン誘導体の3位のハロゲン基またはアルキルもしくはアリールスルホナート基をシアノ基に転換することのできる有機または無機のシアノ化合物である。このような有機シアノ化合物としては具体的には、例えばグリコロニトリル、アセトンシアンヒドリンなどの炭素数1〜20のケトンまたはアルデヒドのシアン化水素付加物、例えばシアン化テトラメチルアンモニウム、シアン化トリエチルアンモニウムなどのシアン化有機アンモニウム塩などが挙げられる。無機シアノ化合物としてはシアン化水素をはじめとし、シアン化アンモニウム、例えばシアン化リチウム、シアン化ナトリウム、シアン化カリウムなどのアルカリ金属シアノ化物、例えばシアン化マグネシウムなどのアルカリ土類金属シアノ化物、例えばシアン化マンガン、シアン化銅、シアン化ルテニウムなどの周期律表第3〜12族の遷移金属シアノ化物などが挙げられる。これらの有機または無機シアノ化合物のうち、炭素数1〜20のケトンまたはアルデヒドのシアン化水素付加物およびアルカリ金属シアノ化物が好ましく、アルカリ金属シアノ化物がより好ましい。
使用する有機または無機シアン化合物の使用量は3−ハロゲン化または3−アルキルもしくはアリールスルホナート化テトラヒドロフラン誘導体1モルに対し通常0.1〜10モルの範囲であり、好ましくは0.8〜3モルの範囲である。
本発明の一般式(3)の化合物をシアノ化する方法においては、シアノ化反応を促進する化合物を反応混合物中に加えることもできる。シアノ化反応を促進する化合物としては、例えば塩化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウム、塩化トリエチルアンモニウム、塩化セチルピリジニウムなどのハロゲン化アンモニウム塩、例えばテトラフェニルホスホニウムクロライド、テトラフェニルホスホニウムブロマイドなどのハロゲン化ホスホニウム塩、例えば15−クラウン−5−エーテル、18−クラウン−6−エーテルなどの環状エーテル化合物、例えば塩化ホスファゼニウムなどのハロゲン化ホスファゼニウム塩、例えば塩化ナトリウム、塩化リチウム、臭化カリウム、塩化マグネシウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウムなどのハロゲン化アルカリ金属またはアルカリ土類金属、例えば1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデカ−7−エン、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタンなどのアミン類などを例示することができる。使用する場合のこれらの化合物の使用量は有機または無機シアノ化合物1モルに対し通常0.001〜100モルであり、好ましくは0.01〜50モルの範囲である。
本発明の一般式(3)で表される化合物をシアノ化する方法においては、溶媒の非存在下においても実施できるが通常は溶媒の存在下に実施される。使用する場合の溶媒の具体例としては、水をはじめとし、例えばメタノール、エタノール、ブタノール、エチレングリコールなどの炭素数1〜20の1価または多価アルコール類、例えばn−ヘキサン、n−ペンタンまたはシクロヘキサンなどの炭素数5〜20の脂肪族または脂環族の炭化水素類、例えばベンゼン、トルエン、エチルベンゼンなどの炭素数6〜20の芳香族炭化水素類、例えばクロロホルム、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどの炭素数1〜20の脂肪族または芳香族ハロゲン化物、例えばジエチルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテルなどの炭素数2〜20のエーテル類、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどの炭素数2〜20の脂肪族または芳香族アミド類、例えば1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどの炭素数2〜20の脂肪族または芳香族イミダゾリジノン類、例えばN−メチルピロリドンなどの炭素数4〜20の脂肪族または芳香族ピロリドン類、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル炭素数2〜20の脂肪族または芳香族エステル類、例えばアセトン、メチルエチルケトンなどの炭素数3〜20の脂肪族または芳香族ケトン類、例えばアセトニトリル、ベンゾニトリルなどの炭素数2〜20の脂肪族または芳香族ニトリル類、例えばジメチルスルホキシドなどの炭素数2〜20の脂肪族または芳香族スルホキシド類、例えばスルホランなどの炭素数2〜20の脂肪族または芳香族スルホン類などが挙げられる。
これらの溶媒のうち誘電率が20F・m−1以上である溶媒の使用が好ましい。本発明における誘電率とは20ないし30℃における誘電率のことである。本発明の好ましい溶媒は該温度範囲内のすべてで誘電率が20F・m−1以上である必要はなく、一部の温度範囲で20F・m−1以上であれば本発明の好ましい溶媒に含まれる。溶媒の誘電率は、例えば溶媒ハンドブック(浅原照三ほか編、講談社、1976年)や化学便覧基礎編改訂5版(II)(日本化学会編、丸善、2004年)などに記載されている値を用いることができる。文献によっては誘電率を比誘電率と記載しているものもあるが同義である。誘電率が20F・m−1以上である溶媒の具体例としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、アセトン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドンなどを列挙することができるがこの限りではない。誘電率が20F・m−1以上の溶媒のうち非プロトン性である溶媒の使用はさらに好ましい。さらには、これらの溶媒のうち誘電率が20F・m−1以上の脂肪族または芳香族アミド類、脂肪族または芳香族イミダゾリジノン類、脂肪族または芳香族スルホキシド類の使用は最も好ましい。
これらの溶媒は2種以上を混合して使用しても良い。使用する場合の溶媒の量は反応条件により一様ではないが、通常3−ハロゲン化または3−アルキルもしくはアリールスルホナート化テトラヒドロフラン誘導体1重量部に対し0.1〜500重量部、好ましくは1〜200重量部、より好ましくは2〜100重量部の範囲である。
本発明の一般式(3)で表される化合物をシアノ化する方法においては、シアノ化合物としてアルカリ金属シアノ化物を用いかつ誘電率が20F・m−1以上の溶媒の存在下に反応させることは特に好ましい。この場合、誘電率が20F・m−1以上の溶媒が非プロトン性であることはより好ましい。
本発明の一般式(3)で表される化合物をシアノ化する方法においては、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7のすべてが水素原子であることは好ましい。またXはハロゲン原子であることが好ましく、塩素原子であることがより好ましい。
本発明の一般式(3)で表される化合物をシアノ化する方法における反応温度は通常0℃〜250℃の範囲であり、好ましくは20〜200℃の範囲であり、より好ましくは50〜180℃の範囲である。反応時間は通常100時間以内であり、好ましくは0.01〜50時間の範囲である。反応の際の圧力は減圧、常圧または加圧のいずれでも実施できる。本発明の反応方法としては特に限定されず、回分式、半回分式または連続流通式のいずれでも構わない。
反応終了後使用した場合の反応を促進する化合物は回収して次の反応に繰り返し用いることもできる。
本発明の方法において生成した3−シアノテトラヒドロフラン誘導体は、例えば蒸留や抽出などの常用の分離方法に従って単離することができる。
本発明においては、リンゴ酸誘導体から下記第一工程から第三工程の3工程により製造される一般式(3a)で表される3−ハロゲン化または3−アルキルもしくはアリールスルホナート化テトラヒドロフラン誘導体を使用して、本発明の方法により3−シアノテトラヒドロフラン誘導体を製造し、次いで3−アミノメチルテトラヒドロフラン誘導体を製造することは好ましい。
[第一工程]一般式(4)
[第一工程]一般式(4)
(式中、R1、R2、R3、R8、R9は同一でも互いに異なっていても良く水素原子または炭素数1ないし4の炭化水素基を表す。)で表されるリンゴ酸誘導体の−COOR8基および−COOR9基を還元し一般式(5)
(式中、R1、R2、R3は同一でも互いに異なっていても良く水素原子または炭素数1ないし4の炭化水素基を表す。)で表される使用したリンゴ酸誘導体に対応するトリオール類を製造する。
[第二工程]第一工程により得られた一般式(5)で表されるトリオール類を酸触媒の存在下に分子内脱水反応させ、一般式(6)
[第二工程]第一工程により得られた一般式(5)で表されるトリオール類を酸触媒の存在下に分子内脱水反応させ、一般式(6)
(式中、R1、R2、R3は同一でも互いに異なっていても良く水素原子または炭素数1ないし4の炭化水素基を表す。)で表される使用したトリオール類に対応する3−ヒドロキシテトラヒドロフラン誘導体を製造する。
[第三工程] 第二工程により得られた一般式(6)で表される3−ヒドロキシテトラヒドロフラン誘導体とハロゲン化剤またはアルキルもしくはアリールスルホニル化剤とを反応させ、水酸基をハロゲン化またはアルキルもしくはアリールスルホナート化して一般式(3a)
[第三工程] 第二工程により得られた一般式(6)で表される3−ヒドロキシテトラヒドロフラン誘導体とハロゲン化剤またはアルキルもしくはアリールスルホニル化剤とを反応させ、水酸基をハロゲン化またはアルキルもしくはアリールスルホナート化して一般式(3a)
(式中、R1、R2、R3は同一でも異なっていても良く、水素原子または炭素数1ないし4の炭化水素基を表す。Xはハロゲン原子または炭素数1〜6のアルキルスルホナート基もしくは炭素数6〜12のアリールスルホナート基を表す。)で表される3−ハロゲン化または3−アルキルもしくはアリールスルホナート化テトラヒドロフラン誘導体を製造する。
以下に一般式(3a)で表される化合物の製造方法について詳しく説明する。
本発明の好ましい方法においては、一般式(4)で表されるリンゴ酸誘導体を原料として用いる。
一般式(4)において、R1、R2、R3は一般式(1)におけるR1、R2、R3と同義である。またR8、R9はそれぞれ水素原子または炭素数1ないし4の炭化水素基を表す。このようなリンゴ酸誘導体としてはより具体的には、リンゴ酸をはじめとし、例えばシトラマル酸(2−メチルリンゴ酸)、3−エチルリンゴ酸、3,3−ジメチルリンゴ酸などの2位および/または3位が炭化水素基で置換されたリンゴ酸、例えばリンゴ酸モノイソプロピル、リンゴ酸ジメチル、リンゴ酸ジエチルなどのリンゴ酸モノエステルまたはジエステル、例えばシトラマル酸ジメチル、シトラマル酸モノブチル、3−エチルリンゴ酸ジメチルなどの2位および/または3位が炭化水素基で置換されたリンゴ酸のモノエステルまたはジエステルが挙げられる。これらのリンゴ酸誘導体は不斉炭素を有するが、本発明で使用するリンゴ酸誘導体は光学活性体であってもラセミ体であってもよい。これらのリンゴ酸誘導体のうち、リンゴ酸、リンゴ酸モノエステルまたはリンゴ酸ジエステルの使用が好ましく、リンゴ酸の使用がより好ましい。
本発明の好ましい方法の第一工程においては、一般式(4)で表されるリンゴ酸誘導体の−COOR8基および−COOR9基を還元し一般式(5)で表されるトリオール類を製造する。
一般式(5)において、R1、R2、R3は一般式(1)におけるR1、R2、R3と同義である。このようなトリオール類としてはより具体的には、1,2,4−ブタントリオールをはじめとし、例えば2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、3−ブチル−1,2,4−ブタントリオールなどの2位および/または3位が炭化水素基で置換された1,2,4−ブタントリオールを挙げることができる。本発明の第一工程で得られるトリオール類は使用したリンゴ酸誘導体に対応し、用いたリンゴ酸誘導体の2位および3位の水素原子または炭化水素基と、得られるトリオール類の2位および3位の水素原子または炭化水素基は同一である。例えばリンゴ酸誘導体としてリンゴ酸またはリンゴ酸モノもしくはジエステルを用いた場合には1,2,4−ブタントリオールが、例えばシトラマル酸(2−メチルリンゴ酸)を用いた場合には2−メチル−1,2,4−ブタントリオールが、例えば3−エチルリンゴ酸ジメチルを用いた場合には3−エチル−1,2,4−ブタントリオールが得られる。
本発明の好ましい方法の第一工程において、一般式(4)で表されるリンゴ酸誘導体の−COOR8基および−COOR9基を還元する方法としては、例えば電解還元する方法、金属水素化物により還元する方法、水素化触媒の存在下に水素により還元する方法などが挙げられる。
電解還元する方法としては具体的には、例えば硫酸水溶液中で鉛電極を用いて電解還元する方法が挙げられる。
金属水素化物により還元する場合の金属水素化物としては、具体的には例えば水素化アルミニウムリチウム、水素化トリメトキシアルミニウムリチウム、水素化アルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウムなどの水素化アルミニウム化合物、例えばジボラン、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素ナトリウムなどの水素化ホウ素化合物が挙げられる。金属水素化物により還元する場合の使用量としては通常リンゴ酸誘導体1モルに対して2〜10モル、好ましくは3〜6モルの範囲である。
水素化触媒の存在下に水素により還元する場合の水素化触媒としては、本発明のリンゴ酸誘導体のカルボキシル基またはエステル基を分子状水素により水酸基に還元する反応を触媒すればどのような化合物であっても良いが、通常は周期律表第7〜13族から選ばれる少なくとも一種の金属または金属化合物が好適に用いられる。水素化触媒の具体例とその使用量は、一般式(1)で表される3−シアノテトラヒドロフラン誘導体のシアノ基を還元する方法において例示された水素化触媒およびその使用量と同一のものを例示することができる。
これらの還元方法のうち、水素化触媒の存在下に水素により還元する方法が好ましい。水素化触媒としてはルテニウム、ロジウム、パラジウム、銅またはレニウムの金属または金属化合物が好ましく、ルテニウムまたはロジウムの金属または金属化合物がより好ましく、ルテニウムの金属または金属化合物が最も好ましい。
本発明の好ましい方法における第一工程においては、溶媒を用いずに行いうる場合もあるが通常は溶媒の存在下に実施される。使用する場合の溶媒としては還元反応を阻害しなければどのような溶媒であっても構わない。
電解還元による方法の場合の用いる溶媒としては、水、例えばメタノール、エタノール、ブタノールなどの炭素数1〜20のアルコール類が好適に用いられる。またこれらの溶媒を2種以上混合して使用しても良い。
金属水素化物により還元する場合は、例えばn−ヘキサン、n−ペンタンまたはシクロヘキサンなどの炭素数5〜20の脂肪族または脂環族の炭化水素類、例えばベンゼン、トルエン、エチルベンゼンなどの炭素数6〜20の芳香族炭化水素類、例えばクロロホルム、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどの炭素数1〜20の脂肪族または芳香族ハロゲン化物、例えばジエチルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテルなどの炭素数2〜20のエーテル類が好適に用いられる。またこれらの溶媒を2種以上混合して使用しても良い。これらの溶媒のうちエーテル類の使用が好ましい。
水素化触媒の存在下に水素により還元する場合の溶媒としては、水、例えばメタノール、エタノール、ブタノールなどの炭素数1〜20のアルコール類、例えばn−ヘキサン、n−ペンタン、シクロヘキサンなどの炭素数5〜20の脂肪族または脂環族の炭化水素類、例えばベンゼン、トルエン、エチルベンゼンなどの炭素数6〜20の芳香族炭化水素類、例えばジエチルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテルなどの炭素数2〜20のエーテル類が好適に用いられる。またこれらの溶媒を2種以上混合して使用しても良い。これらの溶媒のうち水、アルコール類、エーテル類の使用が好ましく、水または炭素数1〜4のアルコール類の使用がより好ましい。
使用する場合の溶媒の量は反応条件により一様ではないが、通常リンゴ酸誘導体1重量部に対し0.1〜500重量部、好ましくは1〜200重量部の範囲である。
反応の際の温度および時間は使用するリンゴ酸誘導体の種類および還元方法により一様ではない。しかしながら通常反応温度は−10〜250℃の範囲であり、好ましくは10〜200℃の範囲である。反応時間は通常150時間以内であり、好ましくは0.01〜100時間の範囲である。
反応の際の圧力は減圧、常圧または加圧のいずれでも実施できるが、好ましい形態は実施する還元方法により異なる。電解還元または金属水素化物により還元する方法の場合は好ましくは常圧で実施される。水素化触媒の存在下に水素により還元する方法の場合は、好ましくは水素加圧下に実施される。加圧する場合の水素圧力は通常0.01〜30MPaゲージ圧の範囲であり、好ましくは0.1〜25MPaゲージ圧の範囲である。
本発明の好ましい方法の第一工程の反応方法としては特に限定されず、回分式、半回分式または連続流通式のいずれでも構わない。
本発明の好ましい方法の第一工程において水素化触媒の存在下に水素により還元した場合、反応終了後使用した触媒は常用の金属の回収方法により回収することができる。例えば、触媒が反応液に溶解している場合はイオン交換樹脂等の金属吸着剤と接触させたり、溶媒により抽出したりすることにより回収することができるし、反応液に溶解していない場合は例えばろ過や遠心分離などの固液分離の方法により回収することができる。これらの回収触媒は繰り返し本発明の第一工程の水素化触媒として使用することができる。その場合、失活または活性が低下した触媒の再生操作を施した後再使用することもできる。残存する触媒がその後のトリオール類の回収工程および/または本発明の好ましい方法の第二工程に影響を及ぼさなければ、触媒を回収せずに反応液をそのまま次の工程に提供しても良い。
本発明の好ましい方法の第一工程において生成したトリオール類は、例えば蒸留などの常用の分離方法に従って単離した後に次の第二工程に提供しても良いし、用いた場合の溶媒だけを留去した後混合物として次の工程に供してもよいし、溶媒を含む反応混合物のまま次の工程に供してもよい。
本発明の好ましい方法の第二工程においては、第一工程により得られたトリオール類を酸触媒の存在下に分子内脱水反応させ、一般式(6)で表される3−ヒドロキシテトラヒドロフラン誘導体を製造する。
一般式(6)において、R1、R2、R3は一般式(1)におけるR1、R2、R3と同義である。このような3−ヒドロキシテトラヒドロフラン誘導体としては、3−ヒドロキシテトラヒドロフランをはじめとし、例えば4−エチル−3−ヒドロキシテトラヒドロフラン、3−メチル−3−ヒドロキシテトラヒドロフランなどの3位および/または4位が炭化水素基で置換された3−ヒドロキシテトラヒドロフランを挙げることができる。第二工程で得られる3−ヒドロキシテトラヒドロフラン誘導体は使用したトリオール類に対応し、用いたトリオール類の2位および3位の水素原子または炭化水素基と、得られる3−ヒドロキシテトラヒドロフラン誘導体の3位および4位の水素原子または炭化水素基は同一である。例えばトリオール類として1,2,4−ブタントリオールを用いた場合は3−ヒドロキシテトラヒドロフランが、例えば2−メチル−1,2,4−ブタントリオールを用いた場合は3−メチル−3−ヒドロキシテトラヒドロフランが得られる。
本発明の好ましい方法の第二工程における酸触媒としては、ブレンステッド酸でもルイス酸のいずれでもよく、反応混合物に可溶であっても不溶であっても良い。このような酸触媒としては有機酸、無機酸または固体酸のいずれであってもよく、より具体的には、例えば塩酸、臭化水素酸、ホウ酸、硝酸、硫酸、リン酸、塩素酸などの無機酸類、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、クロロ酢酸、グリコール酸、安息香酸、フタル酸などの有機カルボン酸類、例えばメチルスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフロロメタンスルホン酸などの有機スルホン酸類、例えばリン酸ジエチル、リン酸フェニルなどの有機リン酸類、例えば塩化アルミニウム、ヨウ化亜鉛、塩化チタンなどの金属ハロゲン化物、例えばトリフロロメタンスルホン酸イットリウム、トリフロロメタンスルホン酸サマリウムなどのトリフロロメタンスルホン酸金属塩、例えばスルホン酸型イオン交換樹脂等の酸性イオン交換樹脂、例えばシリカ・マグネシア、シリカ・アルミナ、シリカ・チタニア、チタニア・ジルコニア、アルミナ・ボリアなどの2種以上の金属酸化物からなる複合酸化物、例えば酸性白土、モンモリロナイト、カオリンなどの天然の粘土鉱物、例えば珪藻土、シリカゲル、セライト、アルミナ、ジルコニアなどの担体にリン酸または硫酸などを担持させた担持酸、例えばY型ゼオライト、モルデナイト、ZSM−5などの酸性の天然または合成ゼオライト、例えばニオブ酸、酸化亜鉛、アルミナ、酸化チタンなどの単元系金属酸化物、例えばシリカ・アルミナ、シリカ・ジルコニア、グラファイトなどの担体に五フッ化アンチモン、三フッ化ホウ素を担持させた固体超強酸などを例示することができる。使用する酸触媒の量としては第二工程の原料であるトリオール類に対して可溶な酸の場合、通常0.0001〜10モル%、好ましくは0.001〜5モル%の範囲であり、不溶な酸の場合通常0.001〜50重量%、好ましくは0.1〜20重量%の範囲である。
本発明の好ましい方法の第二工程においては、溶媒の存在下に実施することもできる。使用する場合の溶媒としてはトリオール類の分子内脱水反応を阻害しなければどのような溶媒であっても構わない。このような溶媒の具体例としては、第一工程において使用し得る溶媒として例示したもののうち、炭素数5〜20の脂肪族または脂環族の炭化水素類、炭素数6〜20の芳香族炭化水素類、炭素数1〜20の脂肪族または芳香族ハロゲン化物、炭素数2〜20のエーテル類が好適に用いられる。またこれらの溶媒を2種以上混合して使用しても良い。使用する場合の溶媒の量は反応条件により一様ではないが、通常トリオール類1重量部に対し0.1〜500重量部、好ましくは1〜200重量部の範囲である。
本発明の好ましい方法の第二工程においては、分子内脱水反応により生成する水を反応系外に除去しながら反応することは好ましい。生成する水を反応系外に除去する方法としては特に限定はないが、例えば反応を減圧下に行い生成した水を反応系外に留去する方法、例えばトルエンなどの水と共沸する溶媒の存在下に反応させ、共沸混合物として反応系外に除去する方法、反応液中脱水剤を存在させる方法などが好ましい方法の例として挙げられる。
本発明の好ましい方法の第二工程の反応温度は通常10〜250℃の範囲であり、好ましくは30〜200℃の範囲である。反応時間は通常100時間以内であり、好ましくは0.01〜50時間の範囲である。
反応の際の圧力は減圧、常圧または加圧のいずれでも実施できるが、生成する水を留去しながら反応させる場合は減圧下に実施することが好ましい。
本発明の反応方法としては特に限定されず、回分式、半回分式または連続流通式のいずれでも構わない。
反応終了後使用した触媒は回収して次の反応に繰り返し用いることもできるし、例えば水酸化ナトリウムなどの塩基で中和しても良いし、固体酸の場合は常用の固液分離の方法により分離しても良いし、中和も分離もせずにそのまま次の精製工程に進んでも良い。
本発明の好ましい方法の第二工程において生成した3−ヒドロキシテトラヒドロフラン誘導体は、例えば蒸留などの常用の分離方法に従って単離した後に次の第三工程に提供される場合もあるし、反応混合物のまま次の工程に供される場合もある。
本発明の好ましい方法の第三工程においては、第二工程により得られた3−ヒドロキシテトラヒドロフラン誘導体とハロゲン化剤またはアルキルもしくはアリールスルホニル化剤を反応させ、水酸基をハロゲン化またはアルキルもしくはアリールスルホナート化して一般式(3a)で表される3−ハロゲン化または3−アルキルもしくはアリールスルホナートテトラヒドロフラン誘導体を製造する。
一般式(3a)において、R1、R2、R3およびXは一般式(3)におけるR1、R2、R3およびXと同義である。一般式(3a)で表される3−ハロゲン化または3−アルキルもしくはアリールスルホナートテトラヒドロフラン誘導体は前述の一般式(3)で表される化合物のうち、R4、R5、R6、R7がすべて水素原子である化合物である。本発明の好ましい方法の第三工程で得られる3−ハロゲン化または3−アルキルもしくはアリールスルホナート化テトラヒドロフラン誘導体は使用した3−ヒドロキシテトラヒドロフラン誘導体に対応し、用いた3−ヒドロキシテトラヒドロフラン誘導体の3位および4位の水素原子または炭化水素基と、得られる3−ハロゲン化または3−アルキルもしくはアリールスルホナート化テトラヒドロフラン誘導体の3位および4位の水素原子または炭化水素基は同一である。例えば3−ヒドロキシテトラヒドロフラン誘導体として3−ヒドロキシテトラヒドロフランを用いた場合は3−ハロゲン化または3−アルキルもしくはアリールスルホナート化テトラヒドロフランが、例えば3−メチル−3−ヒドロキシテトラヒドロフランを用いた場合は3−ハロゲン化または3−アルキルもしくはアリールスルホナート化−3−メチルテトラヒドロフランが得られる。
本発明の好ましい方法の第三工程におけるハロゲン化剤としては、3−ヒドロキシテトラヒドロフラン誘導体のヒドロキシ基をハロゲン基に効率的に転換できる化合物であればどのような化合物であってもよく、このようなハロゲン化剤の例は、例えば実験化学講座第20巻(日本化学会編、丸善、1956年)や新実験化学講座第14巻(I)(日本化学会編、丸善、1977年)中のアルコール化合物からハロゲン化合物の合成に用いられているハロゲン化剤が挙げられる。より具体的には、例えばHF/ピリジン溶液、1,1,2,2−テトラフルオロエチルジエチルアミン、トリフルオロジフェニルホスホランなどのフッ素化剤、例えばホスゲン、塩化チオニル、塩化亜鉛/塩酸、次亜塩酸t−ブチル、N−塩素化アミンなどの塩素化剤、例えば臭化水素酸、次亜臭素酸t−ブチル、臭化チオニルなどの臭素化剤、例えばヨウ化水素酸などのヨウ素化剤などが挙げられる。これらのハロゲン化剤のうち塩素化剤の使用が好ましく、塩素化剤のうちホスゲンまたは塩化チオニルの使用が好ましい。使用するハロゲン化剤の使用量は3−ヒドロキシテトラヒドロフラン誘導体1モルに対し通常0.1〜10モルの範囲であり、好ましくは0.8〜3モルの範囲である。
本発明の好ましい方法の第三工程のアルキルまたはアリールスルホニル化剤としては、3−ヒドロキシテトラヒドロフラン誘導体のヒドロキシ基をアルキルまたはアリールスルホナート基に効率的に転換できる化合物であればどのような化合物であってもよい。このようなアルキルまたはアリールスルホニル化剤としては、より具体的には、例えばp−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トリフロロメタンスルホン酸などの炭素数1〜6のアルキルスルホン酸類または炭素数6〜12のアリールスルホン酸類、例えばトシルクロライド(p−トルエンスルホン酸塩化物)などの上記アルキルまたはアリールスルホン酸類のハロゲン化物、例えばトリフロロメタンスルホン酸アンモニウム、ベンゼンスルホン酸テトラエチルアンモニウムなどの上記アルキルまたはアリールスルホン酸類のアンモニウム塩、例えばp−トルエンスルホン酸ナトリウムなどの上記アルキルまたはアリールスルホン酸類のアルカリ金属塩、例えばp−トルエンスルホン酸無水物などの上記アルキルまたはアリールスルホン酸類の無水物、例えばメタンスルホン酸エチルなどの上記アルキルまたはアリールスルホン酸類のエステル化合物などが挙げられる。これらのアルキルまたはアリールスルホニル化剤のうち、上記アルキルまたはアリールスルホン酸類のハロゲン化物および無水物の使用が好ましく、上記アルキルまたはアリールスルホン酸類のハロゲン化物の使用がより好ましい。使用するアルキルまたはアリールスルホニル化剤の使用量は3−ヒドロキシテトラヒドロフラン誘導体1モルに対し通常0.1〜10モルの範囲であり、好ましくは0.8〜3モルの範囲である。
本発明の3−ヒドロキシテトラヒドロフラン誘導体とハロゲン化剤またはアルキルもしくはアリールスルホニル化剤を反応させ、水酸基をハロゲン化またはアルキルもしくはアリールスルホナート化して一般式(3a)で表される3−ハロゲン化または3−アルキルもしくはアリールスルホナートテトラヒドロフラン誘導体を製造する方法においては、ハロゲン化剤によりハロゲン化する方法が好ましく、塩素化剤により塩素化する方法がより好ましい。
本発明の好ましい方法の第三工程においては、3−ヒドロキシテトラヒドロフラン誘導体とハロゲン化剤またはアルキルもしくはアリールスルホニル化剤とを効率よく反応させるために、適宜適切な触媒、反応促進剤を用いることができる。用いる場合の触媒、反応促進剤は用いるハロゲン化剤またはアルキルもしくはアリールスルホニル化剤によって異なるが、例えばハロゲン化剤としてホスゲンや塩化チオニルを用いる場合は、例えばピリジンやトリエチルアミンなどのアミン類、例えばN,N−ジメチルホルムアミドやN,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類を用いることは反応を促進し収率を向上させる上で好ましい。またトシルクロライドなどのアルキルまたはアリールスルホン酸類のハロゲン化物を用いる場合は、例えばピリジンやトリエチルアミンなどのアミン類の使用は好ましい。
本発明の好ましい方法の第三工程においては、溶媒の非存在下においても存在下においても実施することができる。使用する場合の溶媒としては3−ヒドロキシテトラヒドロフラン誘導体とハロゲン化剤またはアルキルもしくはアリールスルホニル化剤の反応を阻害しなければどのような溶媒であっても構わない。このような溶媒の具体例としては、第一工程において使用し得る溶媒として例示したもののうち、炭素数5〜20の脂肪族または脂環族の炭化水素類、炭素数6〜20の芳香族炭化水素類、炭素数1〜20の脂肪族または芳香族ハロゲン化物、炭素数2〜20のエーテル類に加え、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどの炭素数2〜20の脂肪族または芳香族アミド類、例えば酢酸エチル、酢酸ブチルなどの炭素数2〜20の脂肪族または芳香族エステル類、例えばアセトニトリル、ベンゾニトリルなどの炭素数2〜20の脂肪族または芳香族ニトリル類、例えばジメチルスルホキシドなどの炭素数2〜20の脂肪族または芳香族スルホキシド類が好適に用いられる。またこれらの溶媒を2種以上混合して使用しても良い。使用する場合の溶媒の量は反応条件により一様ではないが、通常3−ヒドロキシテトラヒドロフラン誘導体1重量部に対し0.1〜500重量部、好ましくは1〜200重量部の範囲である。
本発明の好ましい方法の第三工程の反応温度は通常−80〜150℃の範囲であり、好ましくは−20〜80℃の範囲である。反応時間は通常200時間以内であり、好ましくは0.01〜100時間の範囲である。反応の際の圧力は減圧、常圧または加圧のいずれでも実施できる。本発明の反応方法としては特に限定されず、回分式、半回分式または連続流通式のいずれでも構わない。
反応終了後使用した場合の触媒または反応促進剤は回収して次の反応に繰り返し用いることもできるし、常用の分離方法により分離しても良い。
本発明の第三工程において生成した3−ハロゲン化または3−アルキルもしくはアリールスルホナート化テトラヒドロフラン誘導体は、例えば蒸留や抽出などの常用の分離方法に従って単離した後に次の工程に提供される。
以下に実施例により本発明をさらに詳しく説明する。
[3−アミノメチルテトラヒドロフラン誘導体の製造例]
[3−アミノメチルテトラヒドロフラン誘導体の製造例]
[実施例1]
3−シアノテトラヒドロフラン20.4g(210mmol)、25%アンモニア水14.3g(NH3として210mmol)、ラネーニッケル1.0gをオートクレーブに仕込んだ。窒素置換後水素圧を5MPaゲージ圧とし、100℃で3時間反応させた。反応後触媒をろ過し、ガスクロマトグラフィーにより分析を行った。原料転化率は100%であり、目的物である3−アミノメチルテトラヒドロフランの収率は89.8%であった。また主要な副生成物として3−シアノテトラヒドロフランのシアノ基が水和された下記構造のアミド体が0.7%の収率で生成した。生成した3−アミノメチルテトラヒドロフランは減圧蒸留により67℃/2.0kPaの留分として透明液体として単離した。
3−シアノテトラヒドロフラン20.4g(210mmol)、25%アンモニア水14.3g(NH3として210mmol)、ラネーニッケル1.0gをオートクレーブに仕込んだ。窒素置換後水素圧を5MPaゲージ圧とし、100℃で3時間反応させた。反応後触媒をろ過し、ガスクロマトグラフィーにより分析を行った。原料転化率は100%であり、目的物である3−アミノメチルテトラヒドロフランの収率は89.8%であった。また主要な副生成物として3−シアノテトラヒドロフランのシアノ基が水和された下記構造のアミド体が0.7%の収率で生成した。生成した3−アミノメチルテトラヒドロフランは減圧蒸留により67℃/2.0kPaの留分として透明液体として単離した。
[実施例2−13]
実施例1において同量の3−シアノテトラヒドロフランを使用し、触媒の種類と量、25%アンモニア水の量、水素圧、反応温度、反応時間を表1に示したとおりに代えた以外は実施例1と同様に反応および後処理を行った。結果を実施例1の結果と共に表1に示す。
実施例1において同量の3−シアノテトラヒドロフランを使用し、触媒の種類と量、25%アンモニア水の量、水素圧、反応温度、反応時間を表1に示したとおりに代えた以外は実施例1と同様に反応および後処理を行った。結果を実施例1の結果と共に表1に示す。
[実施例14]
実施例1においてアンモニア水の代わりに水14.3gを使用した以外は実施例1と同様に反応および後処理を行った。3−アミノメチルテトラヒドロフランの収率は13.6%であった。副生成物としてはアミド体4.8%のほか下記構造の2級アミンが68.0%生成していた。
実施例1においてアンモニア水の代わりに水14.3gを使用した以外は実施例1と同様に反応および後処理を行った。3−アミノメチルテトラヒドロフランの収率は13.6%であった。副生成物としてはアミド体4.8%のほか下記構造の2級アミンが68.0%生成していた。
[実施例15]
実施例1においてアンモニア水を使用しなかった以外は実施例1と同様に反応および後処理を行った。3−アミノメチルテトラヒドロフランの収率は11.1%であった。副生物として2級アミンが78.5%生成していた。
実施例1においてアンモニア水を使用しなかった以外は実施例1と同様に反応および後処理を行った。3−アミノメチルテトラヒドロフランの収率は11.1%であった。副生物として2級アミンが78.5%生成していた。
[3−シアノテトラヒドロフラン誘導体の製造例]
[実施例16]
3−クロロテトラヒドロフラン26.6g(250mmol)、NaCN18.4g(375mmol)とN,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFと略記する)260mLをオートクレーブに仕込んだ。150℃に昇温し5時間反応させた。反応終了後析出した塩をろ過し、ろ液をガスクロマトグラフィーにより分析した。3−シアノテトラヒドロフランの収率は87.1%であった。また主要副生物として2,5−ジヒドロフランが10.1%生成していた。減圧蒸留によって3−シアノテトラヒドロフラン21.1g(217mmol)を123℃/10.8kPaの留分として透明液体として単離した。
3−クロロテトラヒドロフラン26.6g(250mmol)、NaCN18.4g(375mmol)とN,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFと略記する)260mLをオートクレーブに仕込んだ。150℃に昇温し5時間反応させた。反応終了後析出した塩をろ過し、ろ液をガスクロマトグラフィーにより分析した。3−シアノテトラヒドロフランの収率は87.1%であった。また主要副生物として2,5−ジヒドロフランが10.1%生成していた。減圧蒸留によって3−シアノテトラヒドロフラン21.1g(217mmol)を123℃/10.8kPaの留分として透明液体として単離した。
[実施例17−22]
実施例16において溶媒の種類、反応温度、反応時間を表2に示したとおりに代えた以外は実施例16と同様に反応および後処理を行った。結果を実施例16の結果とともに表2に示す。また表2には各溶媒の誘電率も記した。
実施例16において溶媒の種類、反応温度、反応時間を表2に示したとおりに代えた以外は実施例16と同様に反応および後処理を行った。結果を実施例16の結果とともに表2に示す。また表2には各溶媒の誘電率も記した。
[実施例23]
実施例16において溶媒を用いなかった以外は実施例16と同様に反応および後処理を行った。結果を表2に示す。
実施例16において溶媒を用いなかった以外は実施例16と同様に反応および後処理を行った。結果を表2に示す。
[実施例24]
DMFを溶媒として用いた実施例16において反応温度を170℃、反応時間を4時間とした以外は実施例16と同様に反応および後処理を行った。転化率は100%、3−シアノテトラヒドロフランの収率は74.6%であった。
DMFを溶媒として用いた実施例16において反応温度を170℃、反応時間を4時間とした以外は実施例16と同様に反応および後処理を行った。転化率は100%、3−シアノテトラヒドロフランの収率は74.6%であった。
[実施例25]
DMFを溶媒として用いた実施例16において溶媒量を130mLとした以外は実施例16と同様に反応および後処理を行った。転化率は100%、3−シアノテトラヒドロフランの収率は87.0%であった。
DMFを溶媒として用いた実施例16において溶媒量を130mLとした以外は実施例16と同様に反応および後処理を行った。転化率は100%、3−シアノテトラヒドロフランの収率は87.0%であった。
[実施例26]
実施例25においてNaCNの代わりにKCN24.4g(375mmol)を用いた以外は実施例25と同様に反応および後処理を行った。転化率は80.8%、3−シアノテトラヒドロフランの収率は54.8%であった。
実施例25においてNaCNの代わりにKCN24.4g(375mmol)を用いた以外は実施例25と同様に反応および後処理を行った。転化率は80.8%、3−シアノテトラヒドロフランの収率は54.8%であった。
[実施例27]
実施例25においてNaCNの代わりにアセトンシアンヒドリン31.9g(375mmol)を用い、さらに1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデカ−7−エン41.9g(275mmol)を用いた以外は実施例25と同様に反応および後処理を行った。転化率は81.7%、3−シアノテトラヒドロフランの収率は54.5%であった。
実施例25においてNaCNの代わりにアセトンシアンヒドリン31.9g(375mmol)を用い、さらに1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデカ−7−エン41.9g(275mmol)を用いた以外は実施例25と同様に反応および後処理を行った。転化率は81.7%、3−シアノテトラヒドロフランの収率は54.5%であった。
[実施例28]
ジメチルスルホキシド(以下、DMSOと略記する)を溶媒として用いた実施例17において反応温度を120℃とした以外は実施例17と同様に反応および後処理を行った。転化率は98.1%、3−シアノテトラヒドロフランの収率は89.3%であった。
ジメチルスルホキシド(以下、DMSOと略記する)を溶媒として用いた実施例17において反応温度を120℃とした以外は実施例17と同様に反応および後処理を行った。転化率は98.1%、3−シアノテトラヒドロフランの収率は89.3%であった。
[実施例29]
DMSOを溶媒として用いた実施例17において反応温度を110℃とし、反応時間を8時間とした以外は実施例17と同様に反応および後処理を行った。転化率は94.3%、3−シアノテトラヒドロフランの収率は86.3%であった。
DMSOを溶媒として用いた実施例17において反応温度を110℃とし、反応時間を8時間とした以外は実施例17と同様に反応および後処理を行った。転化率は94.3%、3−シアノテトラヒドロフランの収率は86.3%であった。
[実施例30]
DMSOを溶媒として用いた実施例17においてNaCNの使用量を13.5g(275mmol)とした以外は実施例17と同様に反応および後処理を行った。転化率は99.7%、3−シアノテトラヒドロフランの収率は87.0%であった。
DMSOを溶媒として用いた実施例17においてNaCNの使用量を13.5g(275mmol)とした以外は実施例17と同様に反応および後処理を行った。転化率は99.7%、3−シアノテトラヒドロフランの収率は87.0%であった。
[実施例31]
実施例25において3−クロロテトラヒドロフランの代わりに3−(p−トルエンスルホナート)−テトラヒドロフラン60.6g(250mmol)を用いた以外は実施例25と同様に反応および後処理を行った。3−シアノテトラヒドロフランの収率は71.3%であった。
実施例25において3−クロロテトラヒドロフランの代わりに3−(p−トルエンスルホナート)−テトラヒドロフラン60.6g(250mmol)を用いた以外は実施例25と同様に反応および後処理を行った。3−シアノテトラヒドロフランの収率は71.3%であった。
[実施例32]
実施例25において3−クロロテトラヒドロフランの代わりに3−(トリフロロメタンスルホナート)−テトラヒドロフラン55.0g(250mmol)を用いた以外は実施例25と同様に反応および後処理を行った。3−シアノテトラヒドロフランの収率は68.0%であった。
実施例25において3−クロロテトラヒドロフランの代わりに3−(トリフロロメタンスルホナート)−テトラヒドロフラン55.0g(250mmol)を用いた以外は実施例25と同様に反応および後処理を行った。3−シアノテトラヒドロフランの収率は68.0%であった。
[リンゴ酸誘導体から3−ハロゲン化または3−アルキルもしくはアリールスルホナート化テトラヒドロフラン誘導体の製造例]
[実施例33]
[第一工程(リンゴ酸を還元する工程)]
1Lオートクレーブにリンゴ酸56.0g(418mmol)、水400mL、5%ルテニウムカーボン粉末40gを仕込んだ。反応器内を窒素置換した後、1MPaゲージ圧の水素で反応系内を加圧した。反応液を100℃にまで昇温した後、水素圧を12MPaゲージ圧として24時間反応を行った。反応終了後、触媒をろ過し減圧蒸留により34.2g(322mmol)の1,2,4−ブタントリオールを185−190℃/2.4kPaの留分として得た。収率は77%であった。
[第一工程(リンゴ酸を還元する工程)]
1Lオートクレーブにリンゴ酸56.0g(418mmol)、水400mL、5%ルテニウムカーボン粉末40gを仕込んだ。反応器内を窒素置換した後、1MPaゲージ圧の水素で反応系内を加圧した。反応液を100℃にまで昇温した後、水素圧を12MPaゲージ圧として24時間反応を行った。反応終了後、触媒をろ過し減圧蒸留により34.2g(322mmol)の1,2,4−ブタントリオールを185−190℃/2.4kPaの留分として得た。収率は77%であった。
[第二工程(トリオールを環化する工程)]
上記第一工程で得られた1,2,4−ブタントリオール31.8g(300mmol)、p−トルエンスルホン酸一水和物0.3gを、冷却抜き出し管を備えた75mL3ツ口フラスコに仕込んだ。反応系内を6.6kPaの減圧とし反応器内を140℃に昇温して1,2,4−ブタントリオールの環化反応を行った。反応は反応蒸留の形態で行われ、環化生成物である3−ヒドロキシテトラヒドロフランは生成した水と共に冷却抜き出し管を介して反応系外に抜き出された。得られた水分を含む3−ヒドロキシテトラヒドロフランから蒸留により水分を除去し、25.6g(291mmol)の3−ヒドロキシテトラヒドロフランを得た。収率は97%であった。
上記第一工程で得られた1,2,4−ブタントリオール31.8g(300mmol)、p−トルエンスルホン酸一水和物0.3gを、冷却抜き出し管を備えた75mL3ツ口フラスコに仕込んだ。反応系内を6.6kPaの減圧とし反応器内を140℃に昇温して1,2,4−ブタントリオールの環化反応を行った。反応は反応蒸留の形態で行われ、環化生成物である3−ヒドロキシテトラヒドロフランは生成した水と共に冷却抜き出し管を介して反応系外に抜き出された。得られた水分を含む3−ヒドロキシテトラヒドロフランから蒸留により水分を除去し、25.6g(291mmol)の3−ヒドロキシテトラヒドロフランを得た。収率は97%であった。
[第三工程(3−ヒドロキシテトラヒドロフランをハロゲン化する工程)]
上記第二工程で得られた3−ヒドロキシテトラヒドロフラン24.7g(280mmol)とDMF85mLを200mL3ツ口フラスコに仕込んだ。フラスコを氷浴に浸した後、上記のN,N−ジメチルホルムアミド溶液に塩化チオニル36.7g(308mmol)を30分かけて滴下し、滴下終了後室温でさらに6時間反応を続けた。反応終了後、窒素バブリングにより生成した二酸化硫黄と塩化水素を追い出した後、常圧蒸留により27.1g(254mmol)の3−クロロテトラヒドロフランを125−130℃の留分として得た。収率は91%であった。
上記第二工程で得られた3−ヒドロキシテトラヒドロフラン24.7g(280mmol)とDMF85mLを200mL3ツ口フラスコに仕込んだ。フラスコを氷浴に浸した後、上記のN,N−ジメチルホルムアミド溶液に塩化チオニル36.7g(308mmol)を30分かけて滴下し、滴下終了後室温でさらに6時間反応を続けた。反応終了後、窒素バブリングにより生成した二酸化硫黄と塩化水素を追い出した後、常圧蒸留により27.1g(254mmol)の3−クロロテトラヒドロフランを125−130℃の留分として得た。収率は91%であった。
以下にリンゴ酸誘導体から3−ハロゲン化または3−アルキルもしくはアリールスルホナート化テトラヒドロフラン誘導体を製造する各工程の実施例を別個に具体的に説明する。実施例33および実施例34以降のこれらの各工程を適宜組み合わせることによりリンゴ酸誘導体から3−ハロゲン化または3−アルキルもしくはアリールスルホナート化テトラヒドロフラン誘導体を合成することができる。
[実施例34]
[第一工程]
実施例33の第一工程において、触媒として5%ルテニウムカーボン粉末40gの代わりに5%ロジウムカーボン粉末40gを用い、水素圧を16MPaゲージ圧とした以外は実施例33の第一工程と同様に反応および蒸留を行った。1,2,4−ブタントリオールの収率は56%であった。
[第一工程]
実施例33の第一工程において、触媒として5%ルテニウムカーボン粉末40gの代わりに5%ロジウムカーボン粉末40gを用い、水素圧を16MPaゲージ圧とした以外は実施例33の第一工程と同様に反応および蒸留を行った。1,2,4−ブタントリオールの収率は56%であった。
[実施例35]
[第一工程]
実施例33の第一工程において、反応温度を120℃に、反応時間を6時間に変えた以外は実施例33の第一工程と同様に反応および蒸留を行った。1,2,4−ブタントリオールの収率は63%であった。
[第一工程]
実施例33の第一工程において、反応温度を120℃に、反応時間を6時間に変えた以外は実施例33の第一工程と同様に反応および蒸留を行った。1,2,4−ブタントリオールの収率は63%であった。
[実施例36]
[第一工程]
実施例33の第一工程において、溶媒として水400mLの代わりにエタノール400mLを用い、水素圧を16MPaゲージ圧に、反応時間を90時間に変えた以外は実施例33の第一工程と同様に反応および蒸留を行った。1,2,4−ブタントリオールの収率は90%であった。
[第一工程]
実施例33の第一工程において、溶媒として水400mLの代わりにエタノール400mLを用い、水素圧を16MPaゲージ圧に、反応時間を90時間に変えた以外は実施例33の第一工程と同様に反応および蒸留を行った。1,2,4−ブタントリオールの収率は90%であった。
[実施例37]
[第一工程]
実施例33の第一工程において、溶媒として水400mLの代わりにエタノール400mLを用い、水素圧を16MPaゲージ圧に、反応温度を120℃に、反応時間を70時間に変えた以外は実施例33の第一工程と同様に反応および蒸留を行った。1,2,4−ブタントリオールの収率は90%であった。
[第一工程]
実施例33の第一工程において、溶媒として水400mLの代わりにエタノール400mLを用い、水素圧を16MPaゲージ圧に、反応温度を120℃に、反応時間を70時間に変えた以外は実施例33の第一工程と同様に反応および蒸留を行った。1,2,4−ブタントリオールの収率は90%であった。
[実施例38]
[第一工程]
500mLオートクレーブにリンゴ酸ジメチル50.0g(308mmol)、テトラヒドロフラン200mL、CuO/ZnO/Al2O3(CuO/ZnO/Al2O3はそれぞれ52.8重量%、28.1重量%、19.1重量%)25gを仕込んだ。反応器内を窒素置換した後、1MPaゲージ圧の水素で反応系内を加圧した。反応液を180℃にまで昇温した後、水素圧を10MPaとして4時間反応を行った。反応終了後、触媒をろ過し減圧蒸留を行った。1,2,4−ブタントリオールの収率は80%であった。
[第一工程]
500mLオートクレーブにリンゴ酸ジメチル50.0g(308mmol)、テトラヒドロフラン200mL、CuO/ZnO/Al2O3(CuO/ZnO/Al2O3はそれぞれ52.8重量%、28.1重量%、19.1重量%)25gを仕込んだ。反応器内を窒素置換した後、1MPaゲージ圧の水素で反応系内を加圧した。反応液を180℃にまで昇温した後、水素圧を10MPaとして4時間反応を行った。反応終了後、触媒をろ過し減圧蒸留を行った。1,2,4−ブタントリオールの収率は80%であった。
[実施例39]
[第二工程]
実施例33の第二工程において、p−トルエンスルホン酸一水和物の代わりに硫酸0.3gを用いた以外はすべて実施例33の第二工程と同様に反応および蒸留を行った。3−ヒドロキシテトラヒドロフランの収率は98%であった。
[第二工程]
実施例33の第二工程において、p−トルエンスルホン酸一水和物の代わりに硫酸0.3gを用いた以外はすべて実施例33の第二工程と同様に反応および蒸留を行った。3−ヒドロキシテトラヒドロフランの収率は98%であった。
[実施例40]
[第二工程]
実施例33の第二工程において、p−トルエンスルホン酸一水和物の代わりにトリフロロメタンスルホン酸サマリウム0.5gを用いた以外はすべて実施例33の第二工程と同様に反応および蒸留を行った。3−ヒドロキシテトラヒドロフランの収率は97%であった。
[第二工程]
実施例33の第二工程において、p−トルエンスルホン酸一水和物の代わりにトリフロロメタンスルホン酸サマリウム0.5gを用いた以外はすべて実施例33の第二工程と同様に反応および蒸留を行った。3−ヒドロキシテトラヒドロフランの収率は97%であった。
[実施例41]
[第二工程]
実施例33の第二工程において、p−トルエンスルホン酸一水和物の代わりにH型モルデナイト1.0gを用いた以外はすべて実施例33の第二工程と同様に反応および蒸留を行った。3−ヒドロキシテトラヒドロフランの収率は95%であった。
[第二工程]
実施例33の第二工程において、p−トルエンスルホン酸一水和物の代わりにH型モルデナイト1.0gを用いた以外はすべて実施例33の第二工程と同様に反応および蒸留を行った。3−ヒドロキシテトラヒドロフランの収率は95%であった。
[実施例42]
[第二工程]
実施例33の第二工程において、反応時の圧力を13.2kPaに代えた以外はすべて実施例33の第二工程と同様に反応および蒸留を行った。3−ヒドロキシテトラヒドロフランの収率は95%であった。
[第二工程]
実施例33の第二工程において、反応時の圧力を13.2kPaに代えた以外はすべて実施例33の第二工程と同様に反応および蒸留を行った。3−ヒドロキシテトラヒドロフランの収率は95%であった。
[実施例43]
[第三工程]
実施例33の第三工程において、DMFの代わりにピリジン22.1g(280mmol)とトルエン50mLを用いた以外は実施例33の第三工程と同様に反応を行った。反応終了後、窒素バブリングにより生成した二酸化硫黄と塩化水素を追い出した後、析出しているピリジニウム塩をろ過で除き、常圧蒸留することにより3−クロロテトラヒドロフランを得た。収率は93%であった。
[第三工程]
実施例33の第三工程において、DMFの代わりにピリジン22.1g(280mmol)とトルエン50mLを用いた以外は実施例33の第三工程と同様に反応を行った。反応終了後、窒素バブリングにより生成した二酸化硫黄と塩化水素を追い出した後、析出しているピリジニウム塩をろ過で除き、常圧蒸留することにより3−クロロテトラヒドロフランを得た。収率は93%であった。
[実施例44]
[第三工程]
濃塩酸50mLおよび塩化亜鉛76.4g(560mmol)を250mL三ツ口フラスコ中で混合した後、この溶液に3−ヒドロキシテトラヒドロフラン24.7g(280mmol)を滴下した。2時間還流させた後上層を分液し、濃硫酸と加熱還流させた。生成物を蒸留することにより3−クロロテトラヒドロフランを得た。収率は78%であった。
[第三工程]
濃塩酸50mLおよび塩化亜鉛76.4g(560mmol)を250mL三ツ口フラスコ中で混合した後、この溶液に3−ヒドロキシテトラヒドロフラン24.7g(280mmol)を滴下した。2時間還流させた後上層を分液し、濃硫酸と加熱還流させた。生成物を蒸留することにより3−クロロテトラヒドロフランを得た。収率は78%であった。
[実施例45]
[第三工程]
3−ヒドロキシテトラヒドロフラン24.7g(280mmol)と塩化トシル53.5g(280mmol)をエーテル150mLに溶解し、この溶液にピリジン44.3g(560mmol)のエーテル50mL溶液を0℃で滴下した。反応終了後ピリジン塩酸塩をろ別した後、溶媒を留去し残存物をエーテルより再結晶した。40.0g(165mmol)の3−(p−トルエンスルホナート)−テトラヒドロフランを得た。収率は59%であった。
[第三工程]
3−ヒドロキシテトラヒドロフラン24.7g(280mmol)と塩化トシル53.5g(280mmol)をエーテル150mLに溶解し、この溶液にピリジン44.3g(560mmol)のエーテル50mL溶液を0℃で滴下した。反応終了後ピリジン塩酸塩をろ別した後、溶媒を留去し残存物をエーテルより再結晶した。40.0g(165mmol)の3−(p−トルエンスルホナート)−テトラヒドロフランを得た。収率は59%であった。
[実施例46]
[第三工程]
水素化ナトリウム3.6g(150mmol)をエーテル200mLに懸濁させここに0℃で3−ヒドロキシテトラヒドロフラン12.4g(140mmol)のエーテル50mL溶液を徐々に滴下した。トリフロロメタンスルホニルクロリド33.7g(200mmol)を滴下し、3時間還流させた。冷却後水を加えエーテル層を分離し、エーテルを留去後減圧蒸留により26.2g(119mmol)の3−(トリフロロメタンスルホナート)−テトラヒドロフランを得た。収率は85%であった。
[第三工程]
水素化ナトリウム3.6g(150mmol)をエーテル200mLに懸濁させここに0℃で3−ヒドロキシテトラヒドロフラン12.4g(140mmol)のエーテル50mL溶液を徐々に滴下した。トリフロロメタンスルホニルクロリド33.7g(200mmol)を滴下し、3時間還流させた。冷却後水を加えエーテル層を分離し、エーテルを留去後減圧蒸留により26.2g(119mmol)の3−(トリフロロメタンスルホナート)−テトラヒドロフランを得た。収率は85%であった。
農医薬中間体として有用な3−アミノメチルテトラヒドロフラン誘導体が得られ、農医薬の合成に提供することができる。
Claims (10)
- 請求項1記載の方法において、アンモニアの存在下かつ触媒として周期律表第9族または第10族の金属または金属化合物の存在下に水素により3−シアノテトラヒドロフラン誘導体のシアノ基を還元する3−アミノメチルテトラヒドロフラン誘導体の製造方法。
- 触媒がコバルトまたはニッケルの金属または金属化合物である請求項2記載の製造方法。
- アンモニアがアンモニア水である請求項2または3記載の製造方法。
- 3−シアノテトラヒドロフラン誘導体1重量部に対し水0.05〜2重量部の存在下で反応を行う請求項4記載の製造方法。
- 有機または無機シアノ化合物としてアルカリ金属シアノ化物を用い、且つ誘電率が20F・m−1以上の溶媒の存在下に反応させることを特徴とする請求項6記載の3−シアノテトラヒドロフラン誘導体の製造方法。
- 誘電率が20F・m−1以上の溶媒が非プロトン性である請求項7記載の製造方法。
- 請求項6ないし8記載のいずれかの製造方法により得られた3−シアノテトラヒドロフラン誘導体を使用することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載の3−アミノメチルテトラヒドロフラン誘導体の製造方法。
- リンゴ酸誘導体から下記第一工程から第三工程の3工程により製造される一般式(3a)で表される3−ハロゲン化または3−アルキルもしくはアリールスルホナート化テトラヒドロフラン誘導体を使用することを特徴とする請求項9記載の3−アミノメチルテトラヒドロフラン誘導体の製造方法。
[第一工程]一般式(4)
[第二工程]第一工程により得られた一般式(5)で表されるトリオール類を酸触媒の存在下に分子内脱水反応させ、一般式(6)
[第三工程] 第二工程により得られた一般式(6)で表される3−ヒドロキシテトラヒドロフラン誘導体とハロゲン化剤またはアルキルもしくはアリールスルホニル化剤とを反応させ、水酸基をハロゲン化またはアルキルもしくはアリールスルホナート化して一般式(3a)
(式中、R1、R2、R3は同一でも異なっていても良く、水素原子または炭素数1ないし4の炭化水素基を表す。Xはハロゲン原子または炭素数1〜6のアルキルスルホナート基もしくは炭素数6〜12のアリールスルホナート基を表す。)で表される3−ハロゲン化または3−アルキルもしくはアリールスルホナート化テトラヒドロフラン誘導体を製造する。
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