JPWO2005112057A1 - 電気二重層コンデンサとその製造方法 - Google Patents

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Abstract

電気二重層コンデンサは、ケースと、ケース内に収納される電解液と正極と負極と分子ふるい部とを有し、電解液はカチオンとアニオンとを含み、分子ふるい部は、カチオンの正極表面への吸着と、アニオンの負極表面への吸着の、一方または両方を抑制する。この構成により、高耐電圧、長寿命な電気二重層コンデンサが提供される。

Description

本発明は電気二重層コンデンサとその製造方法に関する。
電気二重層コンデンサは、耐電圧が高いことが求められている。電気二重層コンデンサの耐電圧は、電解液に依存している。従来は、より高い耐電圧を有する電解液を得るために、試行錯誤を繰り返していた。例えば、想定される数多くの溶質と溶媒とが組み合わされて電解液が合成され、この合成された電界液の耐電圧が測定される。耐電圧の測定結果が、目標とする耐電圧を満たすものであると判断された場合に、電気二重層コンデンサ用の電解液として適用される。このことにより、コンデンサの耐電圧の向上が図られている。
また、このような電解液の耐電圧の改善が有効に活用されるように、正極と負極のそれぞれの電極量が調整され、電気二重層コンデンサが製造されている。
なお、このような従来の電気二重層コンデンサは、例えば、特許第3405040号公報、特開2004−71814号公報などに開示されている。
しかしながら、電解液は固有の耐電圧を有する。そして、電気二重層コンデンサは、用いた電解液の固有の耐電圧より大きな電圧では使用できない。その理由は、容量減少や内部抵抗増加といった電気的特性の劣化が加速されると共に、電解液反応に伴うガス発生量の増加により、ケースが破壊されやすくなるためである。また、正極と負極との電極量を調整することによって、電解液の固有の耐電圧を最大限活用することも考えられるが、それでも電解液の固有の耐電圧より大きな電圧では使用できない。
本発明の電気二重層コンデンサは、ケースと、ケース内に収納される電解液と正極と負極と分子ふるい部とを有し、電解液はカチオンとアニオンとを含み、分子ふるい部は、カチオンの正極表面への吸着と、アニオンの負極表面への吸着の、一方または両方を抑制する。この構成により、高耐電圧、長寿命な電気二重層コンデンサが提供される。
図1は本発明の実施の形態に係る電気二重層コンデンサの断面図である。 図2は本発明の実施の形態に係る電気二重層コンデンサの要部の斜視図である。 図3は本発明の実施の形態に係る電気二重層コンデンサの要部の拡大断面図である。 図4は本発明の実施の形態に係る電気二重層コンデンサの要部をモデル化したモデル図である。 図5は本発明の実施の形態に係る電気二重層コンデンサの要部をモデル化したモデル図である。 図6は本発明の実施の形態に係る電気二重層コンデンサの製造方法を示すフローチャートである。 図7は本発明の実施の形態に係る電気二重層コンデンサに用いられる電解液の模式図である。 図8は本発明の実施の形態に係る電気二重層コンデンサに用いられる電解液の化学構造式図である。 図9は本発明の実施の形態に係る電気二重層コンデンサに用いられる電解液の電位窓の値を示す特性図である。 図10は本発明の実施の形態に係る電気二重層コンデンサの模式図である。 図11は本発明の実施の形態に係る電気二重層コンデンサの模式図である。 図12は本発明の実施の形態に係る電気二重層コンデンサの模式図である。 図13は本発明の実施の形態に係る電気二重層コンデンサの模式図である。
符号の説明
1 ケース
2 素子
3 封止ゴム
4 セパレータ
5,6 集電体
7A,7B 活性炭
8 電解液
9 カチオン
10 アニオン
12 溶媒
14 会合体
15 負極
16 正極
19A,19B 活性炭細孔
21A,21B 被膜
23A,23B 被膜細孔
(実施の形態)
本発明の実施の形態について、以下、図を参照しながら説明する。
図1〜図3は、実施の形態による電気二重層コンデンサを示す。電気二重層コンデンサ20は、外装ケース1内に素子2が封止ゴム3で封入されている。素子2は、帯状のセパレータ4と、帯状の集電体5、6からなる。集電体5、6はセパレータ4の表裏面に渦巻き状に巻き付けられている。集電体5、6のセパレータ4と対向する面には活性炭7A、7Bがそれぞれ設けられている。活性炭7Aは、後述の図12に示すように、第2の分子ふるい部として作用する活性炭細孔19A(以下、細孔19Aと呼ぶ)を有する。また、活性炭7Bは、後述の図11に示すように、第1の分子ふるい部として作用する活性炭細孔19B(以下、細孔19Bと呼ぶ)を有する。そして、集電体5、6間には外装ケース1内に充填された電解液8が存在している。集電体5と活性炭7Aとによって、マイナス側の電極である負極15が構成されている。また、集電体6と活性炭7Bとによって、プラス側の電極である正極16が構成されている。
外装ケース1、集電体5、6は、重量と導電性との観点から、アルミニウムが用いられる。外装ケース1は、強度を重視してステンレスやニッケルめっきした鉄などでもよい。集電体5、6はニッケルなどでもよい。封止ゴム3は、エチレンプロピレンゴムなど、電解液に侵されない材料からなる。また、セパレータ4はセルロースや、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの不織布や微孔性膜からなる。
電解液8は、溶質であるカチオン9とアニオン10、溶媒12、およびその他の添加剤(図示せず)から構成される。ただし、電解液8は、溶媒12や添加剤を含まない溶液を用いることもできる。例えば、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムとテトラフルオロボレートからなる塩は、室温(25℃)で液体となる溶融塩であり溶媒は必ずしも必要としない。
これらの電解液8の固有の耐電圧は、電気化学測定法などによって得られる電流電圧曲線から、電位窓として定義することができる。電位窓は、電流電圧曲線上の一定電流以下となる電圧領域の大きさのことである。また、電気化学測定法は、例えば、作用電極としてpt電極またはグラッシーカーボン電極を用いた、サイクリックボルタンメトリーやリニアスイープボルタンメトリーなどである。また、電解液8の耐電圧は、従来の分子ふるい部を有しない電気二重層コンデンサを作製し、電圧印加時の容量減少や内部抵抗増加の速度が一定値以下となる電圧の上限として定義することもできる。電位窓は、酸化電位と還元電位との大きさを足し合わせた値であって、電位窓の内側の電圧範囲では、電解液の酸化還元反応は起こりにくい。そのため、電位窓のより大きな電解液8を用いた電気二重層コンデンサ20は、容量減少や内部抵抗増加の速度を抑制しながら、より高い電圧で使用することができる。
たとえば、上記の方法で、電解液8の耐電圧の測定を試みる。使用した電解液8は、アニオン10としてテトラフルオロボレート(BF4)を含む。また、カチオン9として、テトラエチルアンモニウム(TEA)、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム(EMI)、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム(TMI)、5−アザ−1−アザニア−5−メチルバイシクロ[4,3,0]ノナン(AMN)、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム(TMIL)のいずれか一つを含む5種類の電解液8である。また、作用電極にグラッシーカーボン、対向電極にプラチナ、参照電極にAg/Agを用いる。さらに、10mV/secで電圧走査したサイクリックボルタンメトリーによって電流電圧曲線が得られる。得られた電流電圧曲線から、電流値が1mA/cmとなる電圧値によって決定した還元電位(Ered)と酸化電位(Eox)と電位窓(Ew)とを表1に示す。また、これらの測定に用いた、カチオン9とアニオン10とを含む電解液8の化学構造の模式図を、図7に示す。
Figure 2005112057
各電解液8は、いずれもアニオン10としてテトラフルオロボレートを含んでいるが、得られた酸化電位はアニオン10と組み合わせるカチオン9に依存していることがわかる。このことは、電解液8の酸化電位は、アニオン10のみによって決定されるのではなく、電解液中に存在するカチオン9とアニオン10との相互作用の影響を強く受けて決定されることを意味する。
同様に、電解液8の還元電位は、カチオン9のみによって決定されるのではなく、電解液8中に存在するカチオン9とアニオン10との相互作用の影響を強く受けて決定されると考えられる。
以上のことから、ある種の電解液8において、カチオン9とアニオン10との相互作用を小さくすることができれば、酸化電位と還元電位の一方または両方を増大し、電位窓を拡大することができる可能性があると考えられる。また、ある特定の電解液8が、このような効果を持つか否かは、後述するシミュレーションによって判定することができる。
シミュレーションには分子軌道計算を用いることができる。プログラムコードは、MOPAC93(Fujitsu Co.,Ltd.)やGAUSSIAN98(Gaussian Inc.)などが利用可能である。以下、この手続きについて、図を用いて説明する。
図4は、図3に示す素子2の部分をモデル化したモデル図である。図4に示すように、集電体5、6間には電解液8が存在している。また、図4の状態は、集電体5、6間に電圧が印加されていない状態であるので、カチオン9とアニオン10とは分散された状態で溶解液8中に存在している。
図5は、集電体5、6間に電源11を接続した状態を示している。集電体5に電源11のマイナス極が接続され、集電体6に電源11のプラス極がそれぞれ接続されている。電源11が接続されると、活性炭7Aの表面には、カチオン9が活性炭7A表面のマイナス電荷によって引き付けられた状態となる。また、逆に、活性炭7Bの表面には、アニオン10が活性炭7B表面のプラス電荷によって引き付けられた状態となる。このことにより、電気二重層コンデンサ20にエネルギーが蓄積される。
カチオン9とマイナス電荷との間に、ある一定値V以上の電位差が印加されると、活性炭7Aの表面から電子が電解液8へと移動する。また、アニオン10とプラス電荷との間に、ある一定値V以上の電位差が印加されると、活性炭7Bの表面に電解液8から電子が移動する。電気二重層コンデンサ20における耐電圧は、このVとVとを加算したV(=V+V)、つまり、電位窓の大きさのことを意味する。
但し、従来の分子ふるい部を持たない電極を使用した場合には、電極表面にカチオン9とアニオン10とのいずれか一方だけでなく、両方が近づくことができる。このため、VおよびVは、単純にカチオン9およびアニオン10だけでなく、カチオン9とアニオン10との相互作用の影響を受けて決められる。そこで、図6に示す手続きに基づくシミュレーションによって、電解液8の酸化電位と還元電位とが評価され、酸化電位と還元電位とが増大可能であるか否かが容易に判定される。以下、図6を用いて、その判定の手順を説明する。
まず、ステップS71において、電界液8が選択される。具体的には、電解液8は、図7に示すように、カチオン9とアニオン10と溶媒12とによって構成されているとする。また、図7は、カチオン9がテトラエチルアンモニウム、アニオン10がテトラフルオロボレート、溶媒12がプロピレンカーボネートである場合を想定して描かれている。しかし、図7は、溶解液8の一例であり、選択する電解液8によって、構成は異なる。
次に、ステップS72Aにおいて、カチオン9とアニオン10とが溶媒12中に溶解したモデルを想定する。ステップS72Aでは、カチオン9とアニオン10とは会合体14を形成していると仮定する。そして、会合体14は、1つのカチオン9と1つのアニオン10とからなる二量体を形成していると仮定する。カチオン9、アニオン10、会合体14などの溶質が溶媒12中に溶解したモデルは、一例として、溶媒12を分極性連続体として近似して、その連続体の内部に溶質を格納することによって想定することができる。しかし、溶質の溶解モデルは、これに限定されない。
次に、ステップS73Aにおいて、カチオン9とアニオン10とによって形成された会合体14が安定状態にあるときの、会合体14のエネルギーをシミュレーションにより算出する。算出したエネルギーを第1エネルギーと呼び、第1値と定義する。
ここで、算出されるエネルギーは、会合体に含まれる電子と原子核とが有するエネルギーの総和である。電子と原子核の有するエネルギーは、電子の運動エネルギー、電子と原子核の間のポテンシャルエネルギー、原子核の間のポテンシャルエネルギー、原子核のゼロ点振動エネルギーである。さらに、有限温度における原子核の熱振動エネルギーが加えられることもある。
次に、ステップS74Aにおいて、ステップS73Aの状態から会合体14が還元されたとき、または会合体14が酸化されたときのエネルギーを、それぞれシミュレーションにより算出する。算出したエネルギーをそれぞれ第2、第3エネルギーと呼び、第2値、第3値と定義する。
ここで、会合体14が還元されたときとは、活性炭7Aの表面近くに存在する会合体14に向かって、活性炭7Aから電子が移動した状態を意味する。また、会合体14が酸化されたときとは、活性炭7Bの表面近くに存在する会合体14から、活性炭7Bに向かって電子が移動した状態を意味する。
つまり、会合体14が還元または酸化されることによって、負極15または正極16に貯えられたマイナス及びプラスの電荷が、電解液8中に移動する。このことによって、電気二重層コンデンサ20に貯えられたエネルギーが失われる。また同時に、会合体14を形成しているカチオン9とアニオン10とはラジカルに近い状態となる。そして、カチオン9とアニオン10とは化学反応を起こしやすく、電解液8は破壊されやすい状態となる。
次に、ステップS75Aにおいて、第1値から第2値を減算して第4値を求めると共に、第3値から第1値を減算して第5値を求める。ここで、第4値は、集電体5側で会合体14が還元される際のエネルギーの利得を意味する。そして、第5値は、集電体6側で会合体14が酸化される際のエネルギーの損失を意味する。
つまり、これらは、第4値が小さいほど、還元電位が大きくなる可能性があることを意味する。そして、第5値が大きいほど酸化電位が大きくなる可能性があることを意味する。さらに、第5値から第4値を減算して第6値とする。第6値が大きいほど、電位窓が大きくなる可能性があることを意味する。
一方、ステップS72Bにおいて、カチオン9またはアニオン10が溶媒12中に単独で溶解したモデルを想定する。ステップS72Bでは、カチオン9またはアニオン10は会合体14を形成せずに、単独で存在していると仮定する。
次に、ステップS73Bにおいて、カチオン9が単独で安定状態にあるときのエネルギーをシミュレーションにより算出する。算出したエネルギーを第1Cエネルギーと呼び、第1C値と定義する。同様に、アニオン10が単独で安定状態にあるときのエネルギーをシミュレーションにより算出する。算出したエネルギーを第1Aエネルギーと呼び、第1A値と定義する。
次に、ステップS74Bにおいて、S73Bの状態から、カチオン9が還元されたとき、およびアニオン10が酸化されたときの、それぞれのエネルギーを算出する。算出したエネルギーをそれぞれ第2C、第3Aエネルギーと呼び、第2C値、第3A値と定義する。
ここで、カチオン9が還元されたときとは、活性炭7Aの表面近くに存在するカチオン9に向かって、活性炭7Aから電子が移動した状態を意味する。また、アニオン10が酸化されたときとは、活性炭7Bの表面近くに存在するアニオン10から活性炭7Bに向かって電子が移動した状態を意味する。
つまり、カチオン9が還元され、または、アニオン10が酸化されることによって、負極15または正極16に貯えられた、マイナス及びプラスの電荷が電解液8中に移動する。このことによって、電気二重層コンデンサ20に貯えられたエネルギーが放出される。また同時に、カチオン9とアニオン10とはそれぞれラジカルとなる。そして、カチオン9とアニオン10とは化学反応を起こしやすく、電解液8は破壊されやすい状態となる。
次に、ステップS75Bにおいて、第1C値から第2C値を減算して第4C値を求めると共に、第3A値から第1A値を減算して第5A値を求める。第4C値は、集電体5側でカチオン9が還元される際のエネルギーの利得を意味する。そして、第5A値は、集電体6側でアニオン10が酸化される際のエネルギーの損失を意味する。
つまり、第4C値が小さいほど還元電位が大きくなる可能性があり、第5A値が大きいほど酸化電位が大きくなる可能性がある。
更に、ステップS76において、第5値と第5A値が比較される。比較した結果、第5A値の方が大きければ、アニオン10はカチオン9と会合体14を形成せず、イオン間の相互作用を小さくした方が、酸化電位が増大すると判定する。そして、イオン間の相互作用を小さく方法として、正極16側に第1の分子ふるい部を形成する。また、第4値と第4C値が比較される。比較した結果、第4値の方が大きければ、カチオン9はアニオン10と会合体14を形成せず、イオン間の相互作用を小さくした方が、還元電位が増大すると判定する。イオン間の相互作用を小さく方法として、負極15側に第2の分子ふるい部を形成する。
以下、表1に示した5種類の電解液について、具体的にこの手続きの適用を試みる。
図6の手続きにおいて、HF/3−21+G(Hartree−Fock法、3−21+G基底関数)、IPCM(Isodensity Polarizable Continuum Model:J.B.Foresmanetal.,Phys.Chem.100,16098(1996).)を適用して第5値と第4値を求める。得られた第5値から第4値を減算して第6値を求める。この第6値を電位窓の予測計算値とし、表1に示したサイクリックボルタンメトリーによる電位窓の実測値Ewと比較した結果を図9に示す。
図9によると、計算値と実測値は良好な相関関係を持っている。このことから、還元電位および酸化電位と電位窓が、カチオン9とアニオン10との相互作用の影響を受けて決まっていることがわかる。さらに、図6の手続きによる還元電位および酸化電位と電位窓の予測が正確であることが分かる。
また、第5値と第5A値を比較した結果を表2に示す。
Figure 2005112057
表2によると、カチオン9としてテトラエチルアンモニウム(TEA+)を含む電解液8以外は、第5A値が第5値よりも大きい。このことから、アニオン10はカチオン9と会合体14を形成せず、イオン間の相互作用を小さくすることによって酸化電位が大きくなると判定できる。このとき、第5A値と第5値の差の約2V程度、酸化電位が増大される可能性がある。
そこで、カチオン9として、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム(EMI)、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム(TMI)、5−アザ−1−アザニア−5−メチルバイシクロ[4,3,0]ノナン(AMN)、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム(TMIL)を含む電解液8を用いる場合、電気二重層コンデンサ20の正極16に分子ふるい機能を有する第1の分子ふるい部を設ける。このことにより、正極16表面にテトラフルオロボレート(BF4)のみが吸着し、カチオン10が吸着できなくなる。その結果、アニオン10はカチオン9と会合体14を形成することがなくなり、酸化電位が増大する。
例えば、図10に示すように、正極16に用いる活性炭7Bに設けられた細孔19Bの平均細孔半径(Rxb)が、アニオン10のイオン半径(Ra)よりも大きく、カチオン9のイオン半径(Rc)よりも小さいものを選択するとよい(Ra<Rxb<Rc)。すると、アニオン10のみが細孔19B内に侵入して、活性炭7Bのポーラスな表面に吸着する。カチオン9は、細孔19Bを通過できないため、活性炭7Bのポーラスな表面に吸着しない。つまり、活性炭7Bの細孔19Bが、カチオン9が正極16表面に付着するのを抑制する第1の分子ふるい部として働き、分子ふるい機能を有して作用する。
また、第4値と第4C値とを比較して、第4値が大きい場合、カチオン9はアニオン10と会合体14を形成せず、イオン間の相互作用を小さくすることによって還元電位が大きくなると判定できる。このとき、第4値と第4C値の電位差の分、還元電位が増大される可能性がある。そして、電気二重層コンデンサ20の負極15に分子ふるい機能を有する第2の分子ふるい部を設ける。このことにより、負極15表面にカチオン9のみが吸着し、アニオン10が吸着できなくなる。その結果、カチオン9はアニオン10と会合体14を形成することがなくなり、還元電位が増大する。
例えば、図11に示すように、負極15に用いる活性炭7Aに設けられた細孔19Aの平均細孔半径(Rxa)が、カチオン9のイオン半径(Rc)よりも大きく、アニオン10のイオン半径(Ra)よりも小さいものを選択するとよい(Rc<Rxa<Ra)。すると、カチオン9のみが細孔19A内に侵入して、活性炭7Aのポーラスな表面に吸着する。アニオン10は、細孔19Aを通過できないため、活性炭7Aのポーラスな表面に吸着しない。つまり、活性炭7Aの細孔19Aが、アニオン10が負極15表面に付着するのを抑制する第2の分子ふるい部として働き、分子ふるい機能を有して作用する。
また、Hartree−Fock法の3−21+G基底関数によって求めた等電子密度面(0.001a.u.)を用いてイオンの広がりを定義する。その結果、得られたイオン体積と等しい体積を持つ球体の半径によってイオン半径を定義した結果を表3に示す。
Figure 2005112057
表2によると、第1の分子ふるい部の分子ふるい機能によって、酸化電位が増大可能な電解液8のうち、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム(EMI)の還元電位が最も大きい。また、表3から、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム(EMI)を含む電解液8は、第1の分子ふるい部の機能を得るためには、細孔19Bの平均細孔半径が6オングストローム以下であればよい。このことにより、アニオン10であるテトラフルオロボレート(BF4)のみを選択的に細孔19B内に侵入させることが可能である。その結果、酸化電位が増大する。つまり、アニオン10としてテトラフルオロボレート(BF4)を含む電解液8を用いる場合、細孔19Bの平均細孔半径が6オングストローム以下であれば、酸化電位が増大する。
また、分子ふるい機能を実現するためには、分子ふるい部が、負極15または正極16の表面を被覆する被膜21A、21Bに形成されてもよい。図12は、第1の分子ふるい部が正極16の表面を被覆する被膜21Bに形成された場合を示す模式図である。また、図13は、第2の分子ふるい部が負極15の表面を被覆する被膜21Aに形成された場合を示す模式図である。
図12に示すように、被膜21Bの被膜細孔23B(以下、細孔23Bと呼ぶ)の平均細孔半径(Ryb)が、アニオン10のイオン半径(Ra)よりも大きく、カチオン9のイオン半径(Rc)よりも小さいものを選択するとよい(Ra<Ryb<Rc)。このことにより、アニオン10のみが正極16である活性炭7Bの表面に吸着できる。つまり、カチオン9は、細孔23Bを通過できないため、活性炭7Bのポーラスな表面に吸着しない。細孔23Bは、カチオン9が正極16表面に付着するのを抑制する第1の分子ふるい部として働き、分子ふるい機能を有して作用する。
この場合、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム(EMI)を含む電解液8は、細孔23Bの平均細孔半径が6オングストローム以下であれば、アニオン10であるテトラフルオロボレート(BF4)のみを選択的に正極16表面に吸着させることができる。その結果、酸化電位を増大することができる。つまり、アニオン10としてテトラフルオロボレート(BF4)を含む電解液8を用いる場合、細孔23Bの平均細孔半径が6オングストローム以下であれば、酸化電位が増大する。
また、図13に示すように、被膜21Aの被膜細孔23A(以下、細孔23Aと呼ぶ)の平均細孔半径(Rya)が、カチオン9のイオン半径(Rc)よりも大きく、アニオン10のイオン半径(Ra)よりも小さいものを選択するとよい(Rc<Rya<Ra)。すると、アニオン10のみが細孔23A内に侵入して、活性炭7Aのポーラスな表面に吸着する。アニオン10は、細孔23Aを通過できないため、活性炭7Aのポーラスな表面に吸着しない。つまり、細孔23Aが、アニオン10が負極15表面に付着するのを抑制する第2の分子ふるい部として働き、分子ふるい機能を有して作用する。
被膜21A、21Bの材質は、例えば、高分子、セラミックスなどが選択可能である。しかし、これらに限定されない。被膜21A、21Bは、電解液8中で被膜21A、21Bが溶解し、消滅したり、負極15、正極16や電解液8の特性変化をもたらしたりしなければよい。つまり、被膜21A、21Bは、分子ふるい機能を発現すること、かつ溶解するなどして、特性変化をもたらすことがなければ、あらゆるものを適用できる。
また、電子密度が0.001a.u.以下である領域の容積と同じ容積を持つ球体の半径として、カチオン9の半径(Rc)とアニオン10の半径(Ra)とを求める工程を、図6に示した手続きの前後に組み合わせてもよい。このことによって、第1または第2の分子ふるい部を実現するための細孔19A、19B、23A、23Bの平均細孔半径を容易に定義できる。その場合、負極15または正極16に活性炭7A、7Bを形成する工程が図6に示した手続きに組み合わされることによって、分子ふるい部を有する電気二重層コンデンサ20が実現される。また、負極15または正極16の表面を被覆する被膜21A、21Bを形成する工程を図6に示した手続きに組み合わされることによっても、分子ふるい部を有する電気二重層コンデンサ20が実現される。
また、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム(EMI)以外にも、イオン半径が6オングストローム以上のカチオン9であれば、第1の分子ふるい部の平均細孔半径が6オングストローム以下であればよい。このことにより、アニオン10であるテトラフルオロボレート(BF4)のみを選択的に正極16の表面に吸着させることが可能となる。
ここで示したように、ある特定の電解液8が、正極15または負極15などの電極に分子ふるい機能を持たせることで、酸化電位と還元電位との一方または両方を増大することができる。さらに、酸化電位または還元電位の増大をすることができるか否かの判定には、シミュレーションを利用することが非常に有効である。なぜならば、従来のような、分子ふるい機能を持たせた電気二重層コンデンサ20を実際に試作し、試行錯誤の実験を繰り返すことによって効果を確認するには、多大な労力と長時間が必要である。その結果、電気二重層コンデンサ20の製造は非現実的である。
なお、図6に示した手続きは、カチオン9とアニオン10とが相互作用する系を、図7に示すカチオン9とアニオン10との二量体として想定した。しかし、会合体は、二量体に限定されない。例えば、二量体に代えて、1つのカチオン9と2つのアニオン10とからなる三量体や、2つのカチオン9と1つのアニオン10とからなる三量体などを想定しても良い。さらに、その他にも可能性のある、あらゆる会合体を想定しても良い。
そして、想定した会合体に対する第4値と第5値とを求め、単独のアニオン10に対する第5A値と単独のカチオン9に対する第4C値を求める。得られた第5値と第5A値とを比較した結果、第5A値の方が大きければ、アニオン10はカチオン9と会合体14を形成しない。そして、イオン間の相互作用を小さくした方が、酸化電位が増大すると判定する。また、得られた第4値と第4C値を比較した結果、第4値の方が大きければ、カチオン9はアニオン10と会合体14を形成しない。そして、イオン間の相互作用を小さくした方が、還元電位が増大すると判定すれば良い。イオン間の相互作用を小さくする方法として、第1または第2の分子ふるい部を設ければよい。
以上のように、電気二重層コンデンサ20に含まれる電解液8に対して、イオン間の相互作用を小さくすることによって、酸化電位と還元電位の両方または一方を増大させて電位窓を拡大する。つまり、電解液8に含まれるカチオン9の正極16表面への吸着を第1の分子ふるい部が抑制する。また、電解液8に含まれるアニオン10の負極15表面への吸着を第2の分子ふるい部が抑制する。第1と第2の分子ふるい部の、一方または両方の分子ふるい機能を設け、電極表面付近においてアニオン10とカチオン9とを分離する。このことにより、高耐電圧、長寿命な電気二重層コンデンサ20が提供される。
また、酸化電位と還元電位との一方または両方を増大することができるか否かの判定が、シミュレーションを利用して行われる。このことにより、従来のように、実験による無数の試行錯誤が繰り返されることなく、高耐電圧の電気二重層コンデンサ20の製造が効率的に行われる。
本発明にかかる電気二重層コンデンサとその製造方法は、電解液の開発期間を短縮するとともに、耐電圧特性を有効に活用した、高性能な電気二重層コンデンサが得られる。
【書類名】明細書
【発明の名称】電気二重層コンデンサとその製造方法
【技術分野】
【0001】
本発明は電気二重層コンデンサとその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気二重層コンデンサは、耐電圧が高いことが求められている。電気二重層コンデンサの耐電圧は、電解液に依存している。従来は、より高い耐電圧を有する電解液を得るために、試行錯誤を繰り返していた。例えば、想定される数多くの溶質と溶媒とが組み合わされて電解液が合成され、この合成された電界液の耐電圧が測定される。耐電圧の測定結果が、目標とする耐電圧を満たすものであると判断された場合に、電気二重層コンデンサ用の電解液として適用される。このことにより、コンデンサの耐電圧の向上が図られている。
【0003】
また、このような電解液の耐電圧の改善が有効に活用されるように、正極と負極のそれぞれの電極量が調整され、電気二重層コンデンサが製造されている。
【0004】
なお、このような従来の電気二重層コンデンサは、例えば、特許第3405040号公報、特開2004−71814号公報などに開示されている。
【0005】
しかしながら、電解液は固有の耐電圧を有する。そして、電気二重層コンデンサは、用いた電解液の固有の耐電圧より大きな電圧では使用できない。その理由は、容量減少や内部抵抗増加といった電気的特性の劣化が加速されると共に、電解液反応に伴うガス発生量の増加により、ケースが破壊されやすくなるためである。また、正極と負極との電極量を調整することによって、電解液の固有の耐電圧を最大限活用することも考えられるが、それでも電解液の固有の耐電圧より大きな電圧では使用できない。
【発明の開示】
【0006】
本発明の電気二重層コンデンサは、ケースと、ケース内に収納される電解液と正極と負極と分子ふるい部とを有し、電解液はカチオンとアニオンとを含み、分子ふるい部は、カチオンの正極表面への吸着と、アニオンの負極表面への吸着の、一方または両方を抑制する。この構成により、高耐電圧、長寿命な電気二重層コンデンサが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明にかかる電気二重層コンデンサとその製造方法は、電解液の開発期間を短縮するとともに、耐電圧特性を有効に活用した、高性能な電気二重層コンデンサが得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
(実施の形態)
本発明の実施の形態について、以下、図を参照しながら説明する。
【0009】
図1〜図3は、実施の形態による電気二重層コンデンサを示す。電気二重層コンデンサ20は、外装ケース1内に素子2が封止ゴム3で封入されている。素子2は、帯状のセパレータ4と、帯状の集電体5、6からなる。集電体5、6はセパレータ4の表裏面に渦巻き状に巻き付けられている。集電体5、6のセパレータ4と対向する面には活性炭7A、7Bがそれぞれ設けられている。活性炭7Aは、後述の図12に示すように、第2の分子ふるい部として作用する活性炭細孔19A(以下、細孔19Aと呼ぶ)を有する。また、活性炭7Bは、後述の図11に示すように、第1の分子ふるい部として作用する活性炭細孔19B(以下、細孔19Bと呼ぶ)を有する。そして、集電体5、6間には外装ケース1内に充填された電解液8が存在している。集電体5と活性炭7Aとによって、マイナス側の電極である負極15が構成されている。また、集電体6と活性炭7Bとによって、プラス側の電極である正極16が構成されている。
【0010】
外装ケース1、集電体5、6は、重量と導電性との観点から、アルミニウムが用いられる。外装ケース1は、強度を重視してステンレスやニッケルめっきした鉄などでもよい。集電体5、6はニッケルなどでもよい。封止ゴム3は、エチレンプロピレンゴムなど、電解液に侵されない材料からなる。また、セパレータ4はセルロースや、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの不織布や微孔性膜からなる。
【0011】
電解液8は、溶質であるカチオン9とアニオン10、溶媒12、およびその他の添加剤(図示せず)から構成される。ただし、電解液8は、溶媒12や添加剤を含まない溶液を用いることもできる。例えば、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムとテトラフルオロボレートからなる塩は、室温(25℃)で液体となる溶融塩であり溶媒は必ずしも必要としない。
【0012】
これらの電解液8の固有の耐電圧は、電気化学測定法などによって得られる電流電圧曲線から、電位窓として定義することができる。電位窓は、電流電圧曲線上の一定電流以下となる電圧領域の大きさのことである。また、電気化学測定法は、例えば、作用電極としてpt電極またはグラッシーカーボン電極を用いた、サイクリックボルタンメトリーやリニアスイープボルタンメトリーなどである。また、電解液8の耐電圧は、従来の分子ふるい部を有しない電気二重層コンデンサを作製し、電圧印加時の容量減少や内部抵抗増加の速度が一定値以下となる電圧の上限として定義することもできる。電位窓は、酸化電位と還元電位との大きさを足し合わせた値であって、電位窓の内側の電圧範囲では、電解液の酸化還元反応は起こりにくい。そのため、電位窓のより大きな電解液8を用いた電気二重層コンデンサ20は、容量減少や内部抵抗増加の速度を抑制しながら、より高い電圧で使用することができる。
【0013】
たとえば、上記の方法で、電解液8の耐電圧の測定を試みる。使用した電解液8は、アニオン10としてテトラフルオロボレート(BF4)を含む。また、カチオン9として、テトラエチルアンモニウム(TEA)、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム(EMI)、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム(TMI)、5−アザ−1−アザニア−5−メチルバイシクロ[4,3,0]ノナン(AMN)、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム(TMIL)のいずれか一つを含む5種類の電解液8である。また、作用電極にグラッシーカーボン、対向電極にプラチナ、参照電極にAg/Agを用いる。さらに、10mV/secで電圧走査したサイクリックボルタンメトリーによって電流電圧曲線が得られる。得られた電流電圧曲線から、電流値が1mA/cmとなる電圧値によって決定した還元電位(Ered)と酸化電位(Eox)と電位窓(Ew)とを表1に示す。また、これらの測定に用いた、カチオン9とアニオン10とを含む電解液8の化学構造の模式図を、図7に示す。
【0014】
【表1】
Figure 2005112057
【0015】
各電解液8は、いずれもアニオン10としてテトラフルオロボレートを含んでいるが、得られた酸化電位はアニオン10と組み合わせるカチオン9に依存していることがわかる。このことは、電解液8の酸化電位は、アニオン10のみによって決定されるのではなく、電解液中に存在するカチオン9とアニオン10との相互作用の影響を強く受けて決定されることを意味する。
【0016】
同様に、電解液8の還元電位は、カチオン9のみによって決定されるのではなく、電解液8中に存在するカチオン9とアニオン10との相互作用の影響を強く受けて決定されると考えられる。
【0017】
以上のことから、ある種の電解液8において、カチオン9とアニオン10との相互作用を小さくすることができれば、酸化電位と還元電位の一方または両方を増大し、電位窓を拡大することができる可能性があると考えられる。また、ある特定の電解液8が、このような効果を持つか否かは、後述するシミュレーションによって判定することができる。
【0018】
シミュレーションには分子軌道計算を用いることができる。プログラムコードは、MOPAC93(Fujitsu Co.,Ltd.)やGAUSSIAN98(Gaussian Inc.)などが利用可能である。以下、この手続きについて、図を用いて説明する。
【0019】
図4は、図3に示す素子2の部分をモデル化したモデル図である。図4に示すように、集電体5、6間には電解液8が存在している。また、図4の状態は、集電体5、6間に電圧が印加されていない状態であるので、カチオン9とアニオン10とは分散された状態で溶解液8中に存在している。
【0020】
図5は、集電体5、6間に電源11を接続した状態を示している。集電体5に電源11のマイナス極が接続され、集電体6に電源11のプラス極がそれぞれ接続されている。電源11が接続されると、活性炭7Aの表面には、カチオン9が活性炭7A表面のマイナス電荷によって引き付けられた状態となる。また、逆に、活性炭7Bの表面には、アニオン10が活性炭7B表面のプラス電荷によって引き付けられた状態となる。このことにより、電気二重層コンデンサ20にエネルギーが蓄積される。
【0021】
カチオン9とマイナス電荷との間に、ある一定値V以上の電位差が印加されると、活性炭7Aの表面から電子が電解液8へと移動する。また、アニオン10とプラス電荷との間に、ある一定値V以上の電位差が印加されると、活性炭7Bの表面に電解液8から電子が移動する。電気二重層コンデンサ20における耐電圧は、このVとVとを加算したV(=V+V)、つまり、電位窓の大きさのことを意味する。
【0022】
但し、従来の分子ふるい部を持たない電極を使用した場合には、電極表面にカチオン9とアニオン10とのいずれか一方だけでなく、両方が近づくことができる。このため、VRおよびVは、単純にカチオン9およびアニオン10だけでなく、カチオン9とアニオン10との相互作用の影響を受けて決められる。そこで、図6に示す手続きに基づくシミュレーションによって、電解液8の酸化電位と還元電位とが評価され、酸化電位と還元電位とが増大可能であるか否かが容易に判定される。以下、図6を用いて、その判定の手順を説明する。
【0023】
まず、ステップS71において、電界液8が選択される。具体的には、電解液8は、図7に示すように、カチオン9とアニオン10と溶媒12とによって構成されているとする。また、図7は、カチオン9がテトラエチルアンモニウム、アニオン10がテトラフルオロボレート、溶媒12がプロピレンカーボネートである場合を想定して描かれている。しかし、図7は、溶解液8の一例であり、選択する電解液8によって、構成は異なる。
【0024】
次に、ステップS72Aにおいて、カチオン9とアニオン10とが溶媒12中に溶解したモデルを想定する。ステップS72Aでは、カチオン9とアニオン10とは会合体14を形成していると仮定する。そして、会合体14は、1つのカチオン9と1つのアニオン10とからなる二量体を形成していると仮定する。カチオン9、アニオン10、会合体14などの溶質が溶媒12中に溶解したモデルは、一例として、溶媒12を分極性連続体として近似して、その連続体の内部に溶質を格納することによって想定することができる。しかし、溶質の溶解モデルは、これに限定されない。
【0025】
次に、ステップS73Aにおいて、カチオン9とアニオン10とによって形成された会合体14が安定状態にあるときの、会合体14のエネルギーをシミュレーションにより算出する。算出したエネルギーを第1エネルギーと呼び、第1値と定義する。
【0026】
ここで、算出されるエネルギーは、会合体に含まれる電子と原子核とが有するエネルギーの総和である。電子と原子核の有するエネルギーは、電子の運動エネルギー、電子と原子核の間のポテンシャルエネルギー、原子核の間のポテンシャルエネルギー、原子核のゼロ点振動エネルギーである。さらに、有限温度における原子核の熱振動エネルギーが加えられることもある。
【0027】
次に、ステップS74Aにおいて、ステップS73Aの状態から会合体14が還元されたとき、または会合体14が酸化されたときのエネルギーを、それぞれシミュレーションにより算出する。算出したエネルギーをそれぞれ第2、第3エネルギーと呼び、第2値、第3値と定義する。
【0028】
ここで、会合体14が還元されたときとは、活性炭7Aの表面近くに存在する会合体14に向かって、活性炭7Aから電子が移動した状態を意味する。また、会合体14が酸化されたときとは、活性炭7Bの表面近くに存在する会合体14から、活性炭7Bに向かって電子が移動した状態を意味する。
【0029】
つまり、会合体14が還元または酸化されることによって、負極15または正極16に貯えられたマイナス及びプラスの電荷が、電解液8中に移動する。このことによって、電気二重層コンデンサ20に貯えられたエネルギーが失われる。また同時に、会合体14を形成しているカチオン9とアニオン10とはラジカルに近い状態となる。そして、カチオン9とアニオン10とは化学反応を起こしやすく、電解液8は破壊されやすい状態となる。
【0030】
次に、ステップS75Aにおいて、第1値から第2値を減算して第4値を求めると共に、第3値から第1値を減算して第5値を求める。ここで、第4値は、集電体5側で会合体14が還元される際のエネルギーの利得を意味する。そして、第5値は、集電体6側で会合体14が酸化される際のエネルギーの損失を意味する。
【0031】
つまり、これらは、第4値が小さいほど、還元電位が大きくなる可能性があることを意味する。そして、第5値が大きいほど酸化電位が大きくなる可能性があることを意味する。さらに、第5値から第4値を減算して第6値とする。第6値が大きいほど、電位窓が大きくなる可能性があることを意味する。
【0032】
一方、ステップS72Bにおいて、カチオン9またはアニオン10が溶媒12中に単独で溶解したモデルを想定する。ステップS72Bでは、カチオン9またはアニオン10は会合体14を形成せずに、単独で存在していると仮定する。
【0033】
次に、ステップS73Bにおいて、カチオン9が単独で安定状態にあるときのエネルギーをシミュレーションにより算出する。算出したエネルギーを第1Cエネルギーと呼び、第1C値と定義する。同様に、アニオン10が単独で安定状態にあるときのエネルギーをシミュレーションにより算出する。算出したエネルギーを第1Aエネルギーと呼び、第1A値と定義する。
【0034】
次に、ステップS74Bにおいて、S73Bの状態から、カチオン9が還元されたとき、およびアニオン10が酸化されたときの、それぞれのエネルギーを算出する。算出したエネルギーをそれぞれ第2C、第3Aエネルギーと呼び、第2C値、第3A値と定義する。
【0035】
ここで、カチオン9が還元されたときとは、活性炭7Aの表面近くに存在するカチオン9に向かって、活性炭7Aから電子が移動した状態を意味する。また、アニオン10が酸化されたときとは、活性炭7Bの表面近くに存在するアニオン10から活性炭7Bに向かって電子が移動した状態を意味する。
【0036】
つまり、カチオン9が還元され、または、アニオン10が酸化されることによって、負極15または正極16に貯えられた、マイナス及びプラスの電荷が電解液8中に移動する。このことによって、電気二重層コンデンサ20に貯えられたエネルギーが放出される。また同時に、カチオン9とアニオン10とはそれぞれラジカルとなる。そして、カチオン9とアニオン10とは化学反応を起こしやすく、電解液8は破壊されやすい状態となる。
【0037】
次に、ステップS75Bにおいて、第1C値から第2C値を減算して第4C値を求めると共に、第3A値から第1A値を減算して第5A値を求める。第4C値は、集電体5側でカチオン9が還元される際のエネルギーの利得を意味する。そして、第5A値は、集電体6側でアニオン10が酸化される際のエネルギーの損失を意味する。
【0038】
つまり、第4C値が小さいほど還元電位が大きくなる可能性があり、第5A値が大きいほど酸化電位が大きくなる可能性がある。
【0039】
更に、ステップS76において、第5値と第5A値が比較される。比較した結果、第5A値の方が大きければ、アニオン10はカチオン9と会合体14を形成せず、イオン間の相互作用を小さくした方が、酸化電位が増大すると判定する。そして、イオン間の相互作用を小さく方法として、正極16側に第1の分子ふるい部を形成する。また、第4値と第4C値が比較される。比較した結果、第4値の方が大きければ、カチオン9はアニオン10と会合体14を形成せず、イオン間の相互作用を小さくした方が、還元電位が増大すると判定する。イオン間の相互作用を小さく方法として、負極15側に第2の分子ふるい部を形成する。
【0040】
以下、表1に示した5種類の電解液について、具体的にこの手続きの適用を試みる。
【0041】
図6の手続きにおいて、HF/3−21+G(Hartree−Fock法、3−21+G基底関数)、IPCM(Isodensity Polarizable Continuum Model:J.B.Foresmanetal.,Phys.Chem.100,16098(1996).)を適用して第5値と第4値を求める。得られた第5値から第4値を減算して第6値を求める。この第6値を電位窓の予測計算値とし、表1に示したサイクリックボルタンメトリーによる電位窓の実測値Ewと比較した結果を図9に示す。
【0042】
図9によると、計算値と実測値は良好な相関関係を持っている。このことから、還元電位および酸化電位と電位窓が、カチオン9とアニオン10との相互作用の影響を受けて決まっていることがわかる。さらに、図6の手続きによる還元電位および酸化電位と電位窓の予測が正確であることが分かる。
【0043】
また、第5値と第5A値を比較した結果を表2に示す。
【0044】
【表2】
Figure 2005112057
【0045】
表2によると、カチオン9としてテトラエチルアンモニウム(TEA+)を含む電解液8以外は、第5A値が第5値よりも大きい。このことから、アニオン10はカチオン9と会合体14を形成せず、イオン間の相互作用を小さくすることによって酸化電位が大きくなると判定できる。このとき、第5A値と第5値の差の約2V程度、酸化電位が増大される可能性がある。
【0046】
そこで、カチオン9として、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム(EMI)、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム(TMI)、5−アザ−1−アザニア−5−メチルバイシクロ[4,3,0]ノナン(AMN)、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム(TMIL)を含む電解液8を用いる場合、電気二重層コンデンサ20の正極16に分子ふるい機能を有する第1の分子ふるい部を設ける。このことにより、正極16表面にテトラフルオロボレート(BF4)のみが吸着し、カチオン10が吸着できなくなる。その結果、アニオン10はカチオン9と会合体14を形成することがなくなり、酸化電位が増大する。
【0047】
例えば、図10に示すように、正極16に用いる活性炭7Bに設けられた細孔19Bの平均細孔半径(Rxb)が、アニオン10のイオン半径(Ra)よりも大きく、カチオン9のイオン半径(Rc)よりも小さいものを選択するとよい(Ra<Rxb<Rc)。すると、アニオン10のみが細孔19B内に侵入して、活性炭7Bのポーラスな表面に吸着する。カチオン9は、細孔19Bを通過できないため、活性炭7Bのポーラスな表面に吸着しない。つまり、活性炭7Bの細孔19Bが、カチオン9が正極16表面に付着するのを抑制する第1の分子ふるい部として働き、分子ふるい機能を有して作用する。
【0048】
また、第4値と第4C値とを比較して、第4値が大きい場合、カチオン9はアニオン10と会合体14を形成せず、イオン間の相互作用を小さくすることによって還元電位が大きくなると判定できる。このとき、第4値と第4C値の電位差の分、還元電位が増大される可能性がある。そして、電気二重層コンデンサ20の負極15に分子ふるい機能を有する第2の分子ふるい部を設ける。このことにより、負極15表面にカチオン9のみが吸着し、アニオン10が吸着できなくなる。その結果、カチオン9はアニオン10と会合体14を形成することがなくなり、還元電位が増大する。
【0049】
例えば、図11に示すように、負極15に用いる活性炭7Aに設けられた細孔19Aの平均細孔半径(Rxa)が、カチオン9のイオン半径(Rc)よりも大きく、アニオン10のイオン半径(Ra)よりも小さいものを選択するとよい(Rc<Rxa<Ra)。すると、カチオン9のみが細孔19A内に侵入して、活性炭7Aのポーラスな表面に吸着する。アニオン10は、細孔19Aを通過できないため、活性炭7Aのポーラスな表面に吸着しない。つまり、活性炭7Aの細孔19Aが、アニオン10が負極15表面に付着するのを抑制する第2の分子ふるい部として働き、分子ふるい機能を有して作用する。
【0050】
また、Hartree−Fock法の3−21+G基底関数によって求めた等電子密度面(0.001a.u.)を用いてイオンの広がりを定義する。その結果、得られたイオン体積と等しい体積を持つ球体の半径によってイオン半径を定義した結果を表3に示す。
【0051】
【表3】
Figure 2005112057
【0052】
表2によると、第1の分子ふるい部の分子ふるい機能によって、酸化電位が増大可能な電解液8のうち、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム(EMI)の還元電位が最も大きい。また、表3から、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム(EMI)を含む電解液8は、第1の分子ふるい部の機能を得るためには、細孔19Bの平均細孔半径が6オングストローム以下であればよい。このことにより、アニオン10であるテトラフルオロボレート(BF4)のみを選択的に細孔19B内に侵入させることが可能である。その結果、酸化電位が増大する。つまり、アニオン10としてテトラフルオロボレート(BF4)を含む電解液8を用いる場合、細孔19Bの平均細孔半径が6オングストローム以下であれば、酸化電位が増大する。
【0053】
また、分子ふるい機能を実現するためには、分子ふるい部が、負極15または正極16の表面を被覆する被膜21A、21Bに形成されてもよい。図12は、第1の分子ふるい部が正極16の表面を被覆する被膜21Bに形成された場合を示す模式図である。また、図13は、第2の分子ふるい部が負極15の表面を被覆する被膜21Aに形成された場合を示す模式図である。
【0054】
図12に示すように、被膜21Bの被膜細孔23B(以下、細孔23Bと呼ぶ)の平均細孔半径(Ryb)が、アニオン10のイオン半径(Ra)よりも大きく、カチオン9のイオン半径(Rc)よりも小さいものを選択するとよい(Ra<Ryb<Rc)。このことにより、アニオン10のみが正極16である活性炭7Bの表面に吸着できる。つまり、カチオン9は、細孔23Bを通過できないため、活性炭7Bのポーラスな表面に吸着しない。細孔23Bは、カチオン9が正極16表面に付着するのを抑制する第1の分子ふるい部として働き、分子ふるい機能を有して作用する。
【0055】
この場合、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム(EMI)を含む電解液8は、細孔23Bの平均細孔半径が6オングストローム以下であれば、アニオン10であるテトラフルオロボレート(BF4)のみを選択的に正極16表面に吸着させることができる。その結果、酸化電位を増大することができる。つまり、アニオン10としてテトラフルオロボレート(BF4)を含む電解液8を用いる場合、細孔23Bの平均細孔半径が6オングストローム以下であれば、酸化電位が増大する。
【0056】
また、図13に示すように、被膜21Aの被膜細孔23A(以下、細孔23Aと呼ぶ)の平均細孔半径(Rya)が、カチオン9のイオン半径(Rc)よりも大きく、アニオン10のイオン半径(Ra)よりも小さいものを選択するとよい(Rc<Rya<Ra)。すると、アニオン10のみが細孔23A内に侵入して、活性炭7Aのポーラスな表面に吸着する。アニオン10は、細孔23Aを通過できないため、活性炭7Aのポーラスな表面に吸着しない。つまり、細孔23Aが、アニオン10が負極15表面に付着するのを抑制する第2の分子ふるい部として働き、分子ふるい機能を有して作用する。
【0057】
被膜21A、21Bの材質は、例えば、高分子、セラミックスなどが選択可能である。しかし、これらに限定されない。被膜21A、21Bは、電解液8中で被膜21A、21Bが溶解し、消滅したり、負極15、正極16や電解液8の特性変化をもたらしたりしなければよい。つまり、被膜21A、21Bは、分子ふるい機能を発現すること、かつ溶解するなどして、特性変化をもたらすことがなければ、あらゆるものを適用できる。
【0058】
また、電子密度が0.001a.u.以下である領域の容積と同じ容積を持つ球体の半径として、カチオン9の半径(Rc)とアニオン10の半径(Ra)とを求める工程を、図6に示した手続きの前後に組み合わせてもよい。このことによって、第1または第2の分子ふるい部を実現するための細孔19A、19B、23A、23Bの平均細孔半径を容易に定義できる。その場合、負極15または正極16に活性炭7A、7Bを形成する工程が図6に示した手続きに組み合わされることによって、分子ふるい部を有する電気二重層コンデンサ20が実現される。また、負極15または正極16の表面を被覆する被膜21A、21Bを形成する工程を図6に示した手続きに組み合わされることによっても、分子ふるい部を有する電気二重層コンデンサ20が実現される。
【0059】
また、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム(EMI)以外にも、イオン半径が6オングストローム以上のカチオン9であれば、第1の分子ふるい部の平均細孔半径が6オングストローム以下であればよい。このことにより、アニオン10であるテトラフルオロボレート(BF4)のみを選択的に正極16の表面に吸着させることが可能となる。
【0060】
ここで示したように、ある特定の電解液8が、正極15または負極15などの電極に分子ふるい機能を持たせることで、酸化電位と還元電位との一方または両方を増大することができる。さらに、酸化電位または還元電位の増大をすることができるか否かの判定には、シミュレーションを利用することが非常に有効である。なぜならば、従来のような、分子ふるい機能を持たせた電気二重層コンデンサ20を実際に試作し、試行錯誤の実験を繰り返すことによって効果を確認するには、多大な労力と長時間が必要である。その結果、電気二重層コンデンサ20の製造は非現実的である。
【0061】
なお、図6に示した手続きは、カチオン9とアニオン10とが相互作用する系を、図7に示すカチオン9とアニオン10との二量体として想定した。しかし、会合体は、二量体に限定されない。例えば、二量体に代えて、1つのカチオン9と2つのアニオン10とからなる三量体や、2つのカチオン9と1つのアニオン10とからなる三量体などを想定しても良い。さらに、その他にも可能性のある、あらゆる会合体を想定しても良い。
【0062】
そして、想定した会合体に対する第4値と第5値とを求め、単独のアニオン10に対する第5A値と単独のカチオン9に対する第4C値を求める。得られた第5値と第5A値とを比較した結果、第5A値の方が大きければ、アニオン10はカチオン9と会合体14を形成しない。そして、イオン間の相互作用を小さくした方が、酸化電位が増大すると判定する。また、得られた第4値と第4C値を比較した結果、第4値の方が大きければ、カチオン9はアニオン10と会合体14を形成しない。そして、イオン間の相互作用を小さくした方が、還元電位が増大すると判定すれば良い。イオン間の相互作用を小さくする方法として、第1または第2の分子ふるい部を設ければよい。
【0063】
以上のように、電気二重層コンデンサ20に含まれる電解液8に対して、イオン間の相互作用を小さくすることによって、酸化電位と還元電位の両方または一方を増大させて電位窓を拡大する。つまり、電解液8に含まれるカチオン9の正極16表面への吸着を第1の分子ふるい部が抑制する。また、電解液8に含まれるアニオン10の負極15表面への吸着を第2の分子ふるい部が抑制する。第1と第2の分子ふるい部の、一方または両方の分子ふるい機能を設け、電極表面付近においてアニオン10とカチオン9とを分離する。このことにより、高耐電圧、長寿命な電気二重層コンデンサ20が提供される。
【0064】
また、酸化電位と還元電位との一方または両方を増大することができるか否かの判定が、シミュレーションを利用して行われる。このことにより、従来のように、実験による無数の試行錯誤が繰り返されることなく、高耐電圧の電気二重層コンデンサ20の製造が効率的に行われる。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明にかかる電気二重層コンデンサとその製造方法は、電解液の開発期間を短縮するとともに、耐電圧特性を有効に活用した、高性能な電気二重層コンデンサが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の実施の形態に係る電気二重層コンデンサの断面図
【図2】本発明の実施の形態に係る電気二重層コンデンサの要部の斜視図
【図3】本発明の実施の形態に係る電気二重層コンデンサの要部の拡大断面図
【図4】本発明の実施の形態に係る電気二重層コンデンサの要部をモデル化したモデル図
【図5】本発明の実施の形態に係る電気二重層コンデンサの要部をモデル化したモデル図
【図6】本発明の実施の形態に係る電気二重層コンデンサの製造方法を示すフローチャート
【図7】本発明の実施の形態に係る電気二重層コンデンサに用いられる電解液の模式図
【図8】本発明の実施の形態に係る電気二重層コンデンサに用いられる電解液の化学構造式図
【図9】本発明の実施の形態に係る電気二重層コンデンサに用いられる電解液の電位窓の値を示す特性図
【図10】本発明の実施の形態に係る電気二重層コンデンサの模式図
【図11】本発明の実施の形態に係る電気二重層コンデンサの模式図
【図12】本発明の実施の形態に係る電気二重層コンデンサの模式図
【図13】本発明の実施の形態に係る電気二重層コンデンサの模式図
【符号の説明】
【0067】
1 ケース
2 素子
3 封止ゴム
4 セパレータ
5,6 集電体
7A,7B 活性炭
8 電解液
9 カチオン
10 アニオン
12 溶媒
14 会合体
15 負極
16 正極
19A,19B 活性炭細孔
21A,21B 被膜
23A,23B 被膜細孔

Claims (13)

  1. ケースと、
    カチオンとアニオンとを含み、前記ケース内に収納される電解液と、
    前記ケース内に収納される正極と負極と、を備え、
    前記カチオンの前記正極表面への吸着を抑制する第1の分子ふるい部と、前記アニオンの前記負極表面への吸着を抑制する第2の分子ふるい部とのうちの少なくともいずれかを有した、電気二重層コンデンサ。
  2. 前記正極は、細孔を有する活性炭を含み、
    前記第1の分子ふるい部は、前記アニオンの侵入が可能で、前記カチオンの侵入を抑制する大きさの平均細孔半径を有する前記細孔である、請求項1に記載の電気二重層コンデンサ。
  3. 前記細孔の平均細孔半径は、前記アニオンのイオン半径よりも大きく、前記カチオンのイオン半径よりも小さい、請求項2に記載の電気二重層コンデンサ。
  4. 前記正極は、前記正極の表面を被覆し、細孔を有する第1の被膜を含み、
    前記第1の分子ふるい部は、前記アニオンの通過が可能で、前記カチオンの通過を抑制する大きさの平均細孔半径を有する前記細孔である、請求項1に記載の電気二重層コンデンサ。
  5. 前記細孔の平均細孔半径は、前記アニオンのイオン半径よりも大きく、前記カチオンのイオン半径よりも小さい、請求項4に記載の電気二重層コンデンサ。
  6. 前記電解液は、テトラフルオロボレートを含み、
    前記正極は、平均細孔半径が6オングストローム以下の細孔を有する活性炭を含む、請求項1に記載の電気二重層コンデンサ。
  7. 前記電解液は、テトラフルオロボレートを含み、
    前記正極は、前記正極の表面を被覆し、平均細孔半径が6オングストローム以下の細孔を有する被膜を含む、請求項1に記載の電気二重層コンデンサ。
  8. 前記負極は、細孔を有する活性炭を含み、
    前記第2の分子ふるい部は、前記カチオンの侵入が可能で、前記アニオンの侵入を抑制する大きさの平均細孔半径を有する前記細孔である、請求項1に記載の電気二重層コンデンサ。
  9. 前記細孔の平均細孔半径は、前記カチオンのイオン半径よりも大きく、前記アニオンのイオン半径よりも小さい、請求項8に記載の電気二重層コンデンサ。
  10. 前記負極は、前記負極の表面を被覆し、細孔を有する第2の被膜を含み、
    前記第2の分子ふるい部は、前記カチオンの通過が可能で、前記アニオンの通過を抑制する大きさの平均細孔半径を有する、請求項9に記載の電気二重層コンデンサ。
  11. 前記細孔の平均細孔半径は、前記カチオンのイオン半径よりも大きく、前記アニオンのイオン半径よりも小さい、請求項10に記載の電気二重層コンデンサ。
  12. ケースと、前記ケース内に収納される電解液と、正極と、負極と、を備えた電気二重層コンデンサの製造方法であって、
    A)溶質と溶媒とを選択するステップと、
    B)前記溶質を前記溶媒に溶解させときに、前記溶質を構成するカチオンとアニオンとが会合体を形成するモデルを想定するステップと、
    C)前記会合体が安定状態にあるときのエネルギーを算出して第1値とするステップと、
    D)前記会合体が還元されたときのエネルギーを算出して第2値とするステップと、
    E)前記会合体が酸化されたときのエネルギーを算出して第3値とするステップと、
    F)前記第1値から前記第2値を減算して第4値を求めると共に、前記第3値から前記第1値を減算して第5値を求めるステップと、
    G)前記溶質を前記溶媒に溶解させときに、前記溶質を構成するカチオンが前記溶媒に単独で溶解するモデルを想定するステップと、
    H)前記カチオンが安定状態にあるときのエネルギーを算出して第1C値とするステップと、
    I)前記カチオンが還元されたときのエネルギーを算出して第2C値とするステップと、
    J)前記第1C値から前記第2C値を減算して第4C値を求めるステップと、
    K)前記溶質を前記溶媒に溶解させときに、前記溶質を構成するアニオンが前記溶媒に単独で溶解するモデルを想定するステップと、
    L)前記アニオンが安定状態にあるときのエネルギーを算出して第1A値とするステップと、
    M)前記アニオンが酸化されたときのエネルギーを算出して第3A値とするステップと、
    N)前記第3A値から前記第1A値を減算して第5A値を求めるステップと、
    O)前記第4値が前記第4C値よりも大きい場合に、前記カチオンの前記正極表面への吸着を抑制する第1の分子ふるい部を形成し、前記第5A値が前記第5値よりも大きい場合に、前記アニオンの前記負極表面への吸着を抑制する第2の分子ふるい部を形成する、分子ふるい部形成ステップと、を備えた、電気二重層コンデンサの製造方法。
  13. P)前記カチオンの電子密度が0.001a.u.以下である領域の容積と同じ容積を持つ球体の半径Rcを求めるステップと、
    Q)前記アニオンの電子密度が0.001a.u.以下である領域の容積と同じ容積を持つ球体の半径Raを求めるステップと、
    R)前記正極と前記負極とに、活性炭と表面を被覆する被膜との少なくともいずれかを形成するステップと、をさらに備え、
    前記第4値が前記第4C値よりも大きい場合に、前記分子ふるい部形成ステップで形成される前記第1の分子ふるい部は、
    平均細孔半径がRaより大きく、かつRcより小さい細孔を有した、前記正極に設けられた前記活性炭と前記正極の表面を被覆する前記被膜との少なくともいずれかであり、前記第5A値が前記第5値よりも大きい場合に、前記分子ふるい部形成ステップで形成される前記第2の分子ふるい部は、
    平均細孔半径がRcより大きく、かつRaより小さい細孔を有した、前記負極に設けられた前記活性炭と前記負極の表面を被覆する前記被膜との少なくともいずれかである、請求項12項に記載の電気二重層コンデンサの製造方法。
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