JPWO2005107183A1 - パケット通信システム - Google Patents
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Abstract
あるVoIP端末から宛先電話番号を含む接続要求を受信すると、その宛先電話番号に対応するIPアドレスを検索する通信制御装置8と、その通信制御装置8により検索されたIPアドレスに係るVoIP端末を管轄する多重伝送装置11又は10と接続要求の送信元のVoIP端末を管轄する多重伝送装置10又は11を特定し、双方の多重伝送装置10,11に対して相手方の多重伝送装置11,10及びVoIP端末のIPアドレスを通知する多重制御装置9とを設ける。
Description
この発明は、音声信号等をパケット化して伝送するパケット通信システムに関するものである。
近年のIP(Internet Protocol)通信の発展により、電話音声信号やファクシミリ信号をIPパケット化して伝送するVoIP(Voice over IP)技術が注目されている。
しかし、VoIP端末がIPパケットを他のVoIP端末に直接伝送する場合、IPパケットのオーバーヘッドが大きくなることが知られている。
そこで、従来のパケット通信システムは、音声の伝送遅延の増大を招くことなく、IPパケットのオーバーヘッドを低減するために、ゲートウェイや多重伝送装置を設置するようにしている。
具体的には次の通りである。たたし、下記の例では、電話機とゲートウェイの組合せがVoIP端末に相当する。
まず、電話機がアナログの音声信号をディジタル化し、そのディジタルの音声データを発信すると、ゲートウェイが電話機から発信された音声データを公衆電話網経由で受信する。
ゲートウェイは、音声データを受信すると、その音声データをIPパケット化して多重伝送装置に出力する。
ここで、IPパケットのペイロードには、複数のショートパケット(シーケンス番号、宛先PSTNアドレス(PSTN:Public Switched Telephone Network)、宛先ゲートウェイアドレス、宛先多重伝送装置アドレス、音声データ)が多重化されている。
多重伝送装置は、複数のゲートウェイからIPパケットを受けると、複数のIPパケットからショートパケットを抜き出して、宛先多重伝送装置が同じであるショートパケットを集め、それらのショートパケットを再度多重化してIPパケット化し、宛先の多重伝送装置に伝送する。
宛先の多重伝送装置は、IPパケットを受信すると、そのIPパケットから音声データを抜き出して、その音声データを送信対象の電話機に送信する(特許文献1を参照)。
[特許文献1]
特開2000−4259公報(段落番号[0011]から[0042]、第1図)
従来のパケット通信システムは以上のように構成されているので、ネットワークに接続される各電話機は、予め、ネットワーク内に存在する全ての電話機の電話番号及びIPアドレスと、対応する多重伝送装置のIPアドレスとを記憶しておく必要がある。しかし、電話機はエンドユーザが所有する機器であるためネットワークには膨大な個数が接続される。また、電話機はエンドユーザが所有する機器であるため増設や撤去が頻繁に行われる。したがって、各電話機がネットワーク内に存在する全ての電話機のIPアドレス等を予め記憶しておくことは現実的に困難であるなどの課題があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、多数のVoIP端末がネットワークに接続される場合でも、音声の伝送遅延の増大を招くことなく、IPパケットのオーバーヘッドを低減することができるパケット通信システムを得ることを目的とする。
しかし、VoIP端末がIPパケットを他のVoIP端末に直接伝送する場合、IPパケットのオーバーヘッドが大きくなることが知られている。
そこで、従来のパケット通信システムは、音声の伝送遅延の増大を招くことなく、IPパケットのオーバーヘッドを低減するために、ゲートウェイや多重伝送装置を設置するようにしている。
具体的には次の通りである。たたし、下記の例では、電話機とゲートウェイの組合せがVoIP端末に相当する。
まず、電話機がアナログの音声信号をディジタル化し、そのディジタルの音声データを発信すると、ゲートウェイが電話機から発信された音声データを公衆電話網経由で受信する。
ゲートウェイは、音声データを受信すると、その音声データをIPパケット化して多重伝送装置に出力する。
ここで、IPパケットのペイロードには、複数のショートパケット(シーケンス番号、宛先PSTNアドレス(PSTN:Public Switched Telephone Network)、宛先ゲートウェイアドレス、宛先多重伝送装置アドレス、音声データ)が多重化されている。
多重伝送装置は、複数のゲートウェイからIPパケットを受けると、複数のIPパケットからショートパケットを抜き出して、宛先多重伝送装置が同じであるショートパケットを集め、それらのショートパケットを再度多重化してIPパケット化し、宛先の多重伝送装置に伝送する。
宛先の多重伝送装置は、IPパケットを受信すると、そのIPパケットから音声データを抜き出して、その音声データを送信対象の電話機に送信する(特許文献1を参照)。
[特許文献1]
特開2000−4259公報(段落番号[0011]から[0042]、第1図)
従来のパケット通信システムは以上のように構成されているので、ネットワークに接続される各電話機は、予め、ネットワーク内に存在する全ての電話機の電話番号及びIPアドレスと、対応する多重伝送装置のIPアドレスとを記憶しておく必要がある。しかし、電話機はエンドユーザが所有する機器であるためネットワークには膨大な個数が接続される。また、電話機はエンドユーザが所有する機器であるため増設や撤去が頻繁に行われる。したがって、各電話機がネットワーク内に存在する全ての電話機のIPアドレス等を予め記憶しておくことは現実的に困難であるなどの課題があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、多数のVoIP端末がネットワークに接続される場合でも、音声の伝送遅延の増大を招くことなく、IPパケットのオーバーヘッドを低減することができるパケット通信システムを得ることを目的とする。
この発明に係るパケット通信システムは、ある端末装置から宛先電話番号を含む接続要求を受信すると、その宛先電話番号に対応するアドレスを検索する通信制御装置と、その通信制御装置により検索されたアドレスに係る端末装置を管轄する多重伝送装置と接続要求の送信元の端末装置を管轄する多重伝送装置を特定し、双方の多重伝送装置に対して相手方の多重伝送装置及び端末装置のアドレスを通知する多重制御装置とを設けたものである。
このことによって、多数の端末装置がネットワークに接続される場合でも、音声の伝送遅延の増大を招くことなく、IPパケットのオーバーヘッドを低減することができる効果がある。
このことによって、多数の端末装置がネットワークに接続される場合でも、音声の伝送遅延の増大を招くことなく、IPパケットのオーバーヘッドを低減することができる効果がある。
第1図はこの発明の実施の形態1によるパケット通信システムを示す構成図である。
第2図は多重伝送装置により多重化されたパケットのフォーマットを示す説明図である。
第3図はこの発明の実施の形態2によるパケット通信システムを示す構成図である。
第4図はこの発明の実施の形態3によるパケット通信システ厶を示す構成図である。
第5図はこの発明の実施の形態4によるパケット通信システムを示す構成図である。
第6図は多重伝送装置により多重化されたパケットのフォーマットを示す説明図である。
第7図はSIPプロトコルによる通信制御を行う場合のパケット通信システムを示す概略構成図である。
第8図はパケット通信システムの通信プロトコルを示すシーケンス図である。
第9図はこの発明の実施の形態6によるパケット通信システムの通信プロトコルを示すシーケンス図である。
第10図はこの発明の実施の形態7によるパケット通信システムの通信プロトコルを示すシーケンス図である。
第11図はこの発明の実施の形態8によるパケット通信システムの通信プロトコルを示すシーケンス図である。
第12図はこの発明の実施の形態9によるパケット通信システムを示す構成図である。
第13図はこの発明の実施の形態10によるパケット通信システムを示す構成図である。
第14図はこの発明の実施の形態10によるパケット通信システムの通信プロトコルを示すシーケンス図である。
第15図はこの発明の実施の形態10によるパケット通信システムの通信プロトコルを示すシーケンス図である。
第16図はこの発明の実施の形態11によるパケット通信システムの通信プロトコルを示すシーケンス図である。
第17図はこの発明の実施の形態12によるパケット通信システムの通信プロトコルを示すシーケンス図である。
第18図はこの発明の実施の形態13によるパケット通信システムの通信プロトコルを示すシーケンス図である。
第2図は多重伝送装置により多重化されたパケットのフォーマットを示す説明図である。
第3図はこの発明の実施の形態2によるパケット通信システムを示す構成図である。
第4図はこの発明の実施の形態3によるパケット通信システ厶を示す構成図である。
第5図はこの発明の実施の形態4によるパケット通信システムを示す構成図である。
第6図は多重伝送装置により多重化されたパケットのフォーマットを示す説明図である。
第7図はSIPプロトコルによる通信制御を行う場合のパケット通信システムを示す概略構成図である。
第8図はパケット通信システムの通信プロトコルを示すシーケンス図である。
第9図はこの発明の実施の形態6によるパケット通信システムの通信プロトコルを示すシーケンス図である。
第10図はこの発明の実施の形態7によるパケット通信システムの通信プロトコルを示すシーケンス図である。
第11図はこの発明の実施の形態8によるパケット通信システムの通信プロトコルを示すシーケンス図である。
第12図はこの発明の実施の形態9によるパケット通信システムを示す構成図である。
第13図はこの発明の実施の形態10によるパケット通信システムを示す構成図である。
第14図はこの発明の実施の形態10によるパケット通信システムの通信プロトコルを示すシーケンス図である。
第15図はこの発明の実施の形態10によるパケット通信システムの通信プロトコルを示すシーケンス図である。
第16図はこの発明の実施の形態11によるパケット通信システムの通信プロトコルを示すシーケンス図である。
第17図はこの発明の実施の形態12によるパケット通信システムの通信プロトコルを示すシーケンス図である。
第18図はこの発明の実施の形態13によるパケット通信システムの通信プロトコルを示すシーケンス図である。
以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための最良の形態について、添付の図面に従って説明する。
実施の形態1.
第1図はこの発明の実施の形態1によるパケット通信システ厶を示す構成図である。図において、VoIP端末1〜4は電話機やファクシミリなどの端末装置であり、VoIP端末1,2はローカルIP網5に接続され、VoIP端末3,4はローカルIP網6に接続されている。なお、ローカルIP網5とローカルIP網6はIP基幹網7に接続されている。
通信制御装置8は例えばVoIP端末1から宛先電話番号(例えば、VoIP端末4の電話番号)を含む接続要求を受信すると、その宛先電話番号に対応するIPアドレスを検索し、その検索結果を多重制御装置9に出力する。多重制御装置9は通信制御装置8により検索されたIPアドレスに係るVoIP端末4を管轄する多重伝送装置11と、接続要求の送信元のVoIP端末1を管轄する多重伝送装置10を特定し、多重伝送装置11に対して多重伝送装置10のIPアドレスとVoIP端末1のIPアドレスを通知するとともに、多重伝送装置10に対して多重伝送装置11のIPアドレスとVoIP端末4のIPアドレスを通知する。
多重伝送装置10はVoIP端末1,2からIPパケットを受信すると、複数のIPパケットを多重化して多重伝送装置11に送信する一方、多重伝送装置11から多重化されたIPパケットを受信すると、多重化されたIPパケットを分解してVoIP端末1,2に送信する。多重伝送装置11はVoIP端末3,4からIPパケットを受信すると、複数のIPパケットを多重化して多重伝送装置10に送信する一方、多重伝送装置10から多重化されたIPパケットを受信すると、多重化されたIPパケットを分解してVoIP端未3,4に送信する。
次に動作について説明する。
例えば、VoIP端末1の使用者がVoIP端末4の電話番号をダイヤルすると、VoIP端末1は、宛先電話番号(VoIP端末4の電話番号)を含む接続要求パケット(制御パケット)を多重制御装置9に送信する。
多重制御装置9は、VoIP端末1から宛先電話番号(VoIP端末4の電話番号)を含む接続要求パケットを受信すると、その接続要求パケットを通信制御装置8に転送するとともに、その接続要求パケットを一時的に保存する。
通信制御装置8は、多重制御装置9から宛先電話番号(VoIP端末4の電話番号)を含む接続要求パケットを受信すると、VoIP端末4の電話番号に対応するIPアドレスを検索し、その検索結果を多重制御装置9に返信する。
なお、通信制御装置8は、ローカルIP網5,6に接続されているVoIP端末1〜4の電話番号とIPアドレスを管理している。
多重制御装置9は、通信制御装置8により検索されたIPアドレスを受けると、そのIPアドレスを参照して、宛先であるVoIP端末4を管轄する多重伝送装置11を特定し、また、接続要求パケットの送信元のVoIP端末1を管轄する多重伝送装置10を特定する。
そして、多重制御装置9は、VoIP端末1から受信した接続要求パケットにVoIP端末4を管轄する多重伝送装置11のIPアドレスを含めて(接続要求パケットに元々含まれているVoIP端末1のIPアドレスを多重伝送装置11のIPアドレスに書き換える)、その接続要求パケットをVoIP端末4に送信する。
VoIP端末4は、多重制御装置9から接続要求パケットを受信すると、現在接続可能な状態にあれば(例えば、他のVoIP端末と通信していない状態)、接続許可パケット(制御パケット)を多重制御装置9に送信する。
多重制御装置9は、VoIP端末4から接続許可パケットを受信すると、その接続許可パケットを通信制御装置8に転送する。
そして、多重制御装置9は、VoIP端末4から受信した接続許可パケットに接続要求元のVoIP端末1を管轄する多重伝送装置10のIPアドレスを含めて(接続許可パケットに元々含まれているVoIP端末4のIPアドレスを多重伝送装置10のIPアドレスに書き換える)、その接続許可パケットをVoIP端末1に送信する。
多重制御装置9は、上記のようにして接続許可パケットをVoIP端末1に送信すると、多重化情報を多重伝送装置10,11に送信する。
即ち、多重伝送装置10には、多重化情報として、IPパケットの送信元であるVoIP端末1のIPアドレスと、多重化したパケットの送信先である多重伝送装置11のIPアドレスと、最終的な転送先であるVoIP端末4のIPアドレスとを通知する。
また、多重伝送装置11には、多重化情報として、IPパケットの送信元であるVoIP端末4のIPアドレスと、多重化したパケットの送信先である多重伝送装置10のIPアドレスと、最終的な転送先であるVoIP端末1のIPアドレスとを通知する。
VoIP端末1は、多重制御装置9から多重伝送装置10のIPアドレスを含む接続許可パケットを受信すると、通信の確立を認識するとともに、音声パケットの送信先が多重伝送装置10であると認識して、以降、音声パケットを多重伝送装置10に送信する。
多重伝送装置10は、VoIP端末1から音声パケットを受信すると、その音声パケットを多重化する。ただし、VoIP端末1以外のVoIP端末(例えば、VoIP端末2)からも音声パケットを受信すると、複数の音声パケットからショートパケットを抜き出して、宛先多重伝送装置が同じであるショートパケットを集め、それらのショートパケットを再度多重化してIPパケット化する。
ただし、第1図の例では、多重伝送装置10以外には、多重伝送装置11が存在するだけであるため、複数の音声パケットから抜き出したショートパケットの宛先多重伝送装置は、すべて多重伝送装置11になる。仮に、多重伝送装置10以外に、複数の多重伝送装置が存在する場合、それらの多重伝送装置毎に、宛先多重伝送装置が同じであるショートパケットを集めて再度多重化する。
第2図は多重伝送装置10により多重化されたパケットのフォーマットを示し、そのパケットを構成するショートパケットのヘッダには、宛先VoIP端末アドレス、シリアル番号、符号化タイプが付けられる。宛先VoIP端末アドレスは最終的な転送先であるVoIP端末4のIPアドレスであり、シリアル番号には、同じ転送先のショートパケットに対して1ずつ増加する数値が付与され、ショートパケットの損失の検出に用いられる。符号化タイプは音声データの符号化方式の種別がコード化されたものである。
そして、多重伝送装置10は、多重制御装置9から送信された多重化情報を参照して、多重化したパケットの送信先である多重伝送装置11のIPアドレスを認識し、多重化したパケットを多重伝送装置11に送信する。
多重伝送装置11は、多重伝送装置10から多重化されたパケットを受信すると、多重化されたパケットを分解して音声パケットを抜き出し、また、多重制御装置9から送信された多重化情報を参照して、音声パケットの最終的な転送先であるVoIP端末4のIPアドレスを認識する。
そして、多重伝送装置11は、その音声パケットを最終的な転送先であるVoIP端末4に送信する。
一方、VoIP端末4は、接続許可パケットを多重制御装置9に送信すると、音声パケットの送信先が多重伝送装置11であると認識して、以降、音声パケットを多重伝送装置11に送信する。
多重伝送装置11は、VoIP端末4から音声パケットを受信すると、その音声パケットを多重化する。ただし、VoIP端末4以外のVoIP端末(例えば、VoIP端末3)からも音声パケットを受信すると、複数の音声パケットからショートパケットを抜き出して、宛先多重伝送装置が同じであるショートパケットを集め、それらのショートパケットを再度多重化してIPパケット化する。
ただし、第1図の例では、多重伝送装置11以外には、多重伝送装置10が存在するだけであるため、複数の音声パケットから抜き出したショートパケットの宛先多重伝送装置は、すべて多重伝送装置10になる。仮に、多重伝送装置11以外に、複数の多重伝送装置が存在する場合、それらの多重伝送装置毎に、宛先多重伝送装置が同じであるショートパケットを集めて再度多重化する。
そして、多重伝送装置11は、多重制御装置9から送信された多重化情報を参照して、多重化したパケットの送信先である多重伝送装置10のIPアドレスを認識し、多重化したパケットを多重伝送装置10に送信する。
多重伝送装置10は、多重伝送装置11から多重化されたパケットを受信すると、多重化されたパケットを分解して音声パケットを抜き出し、また、多重制御装置9から送信された多重化情報を参照して、音声パケットの最終的な転送先であるVoIP端末1のIPアドレスを認識する。
そして、多重伝送装置10は、その音声パケットを最終的な転送先であるVoIP端末1に送信する。
これにより、VoIP端末1とVoIP端末4間のパケット通信が確立するが、このようなパケット通信を確立させるには、多重制御装置9がVoIP端末1〜4と多重伝送装置10,11の対応関係を予め認識している必要がある。このため、多重伝送装置10,11をネットワーク上に設置する際、VoIP端末1〜4のIPアドレスと多重伝送装置10,11のIPアドレスが多重制御装置9に設定される。
ここで、全てのVoIP端末1〜4のIPアドレスについて、接続先の多重伝送装置10,11のIPアドレスとの対応を設定することも不可能ではないが、この実施の形態1では、次のような方法で対応関係を設定する。
例えば、ローカルIP網5に接続されるVoIP端末1,2のIPアドレスを“a.b.c.0”〜“a.b.c.255”の範囲に設定し、ローカルIP網6に接続されるVoIP端末3,4のIPアドレスを“d.e.f.0”〜“d.e.f.255”の範囲に設定する。ただし、a、b、c、d、e、fはIPアドレスの上位3バイト分を規定するものであり、下位1バイトは“0”から“255”の範囲の整数であるとする。
このように、VoIP端末1〜4のIPアドレスを設定すれば、IPアドレスが“a.b.c.0”〜“a.b.c.255”の範囲にあるVoIP端末1,2は多重伝送装置10に対応し、IPアドレスが“d.e.f.0”〜“d.e.f.255”の範囲にあるVoIP端末3,4は多重伝送装置11に対応することを直ちに判別することができる。
この場合、多重制御装置9は、VoIP端末1〜4のIPアドレスから対応する多重伝送装置10,11を簡単に検索することができる。
なお、この実施の形態1では、VoIP端末1とVoIP端末4がパケットを送受信するものについて示したが、例えば、VoIP端末1とVoIP端末2がパケットを送受信する場合のように、同一の多重伝送装置10によって管轄されるVoIP端末間でパケットの送受信を行う場合、多重制御装置9は、多重伝送装置10,11に対する多重化情報の送信を行わない。このような場合、VoIP端末1とVoIP端末2は、多重伝送装置10,11を介さずに、直接音声パケットの通信を行うようにする。
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、あるVoIP端末から宛先電話番号を含む接続要求を受信すると、その宛先電話番号に対応するIPアドレスを検索する通信制御装置8と、その通信制御装置8により検索されたIPアドレスに係るVoIP端末を管轄する多重伝送装置11又は10と接続要求の送信元のVoIP端末を管轄する多重伝送装置10又は11を特定し、双方の多重伝送装置10,11に対して相手方の多重伝送装置11,10及びVoIP端末のIPアドレスを通知する多重制御装置9とを設けるように構成したので、多数のVoIP端末がネットワークに接続される場合でも、音声の伝送遅延の増大を招くことなく、IPパケットのオーバーヘッドを低減することができる効果を奏する。
即ち、VoIP端末1〜4は、ネットワークに接続されている他のVoIP端末のIPアドレスを記憶しておく必要がないので、多数のVoIP端末がネットワークに接続される場合でも、多重伝送装置11,10経由のパケット多重伝送を実施することができる。そのため、音声の伝送遅延の増大を招くことなく、IPパケットのオーバーヘッドを低減することができる。
この実施の形態1によれば、複数のパケットを多重化する際、そのパケット内のペイロードを複数のショートパケットから構成し、そのショートパケットのヘッダに宛先の端末装置のアドレス、シリアル番号や音声符号化方式の識別情報を含めるように構成しているので、既存のVoIPシグナリングプロトコルを適用することができる効果を奏する。
なお、音声通話パスの接続方式や、VoIP端末と通信制御装置8間で交換されるメッセージ形式は、VoIPシグナリングと呼ばれる通信制御方式を利用するが、インターネットに関わる標準化団体であるIETF(Internet Engineering Task Force)によって、その通信制御方式の標準化が行われている。その例としては、VoIPに関わる通信制御全般について記述されたSIP(Session Initiate Protocol)や、通信制御装置8がVoIP端末やゲートウェイを制御するプロトコルであるMEGACO(MEdia GAteway COntrol protocol)などの標準が存在する。したがって、SIPやMEGACOなどのプロトコルを適用することができる。
この実施の形態1によれば、通信制御装置8により検索されたIPアドレスに係るVoIP端末を管轄する多重伝送装置と、接続要求の送信元のVoIP端末を管轄する多重伝送装置とが同一の多重伝送装置である場合、その多重伝送装置に対するIPアドレスの通知を行わず、通信対象のVoIP端末間で直接パケットの通信を行わせるように構成したので、同一のローカルIP網に接続されているVoIP端末間のパケット通信の効率化を図ることができる効果を奏する。
この実施の形態1によれば、多重伝送装置がネットワークに接続される際、その多重伝送装置のIPアドレスと、その多重伝送装置が管轄するVoIP端末のIPアドレスとを多重制御装置9に設定するように構成したので、ネットワークに接続されている全てのVoIP端末間のパケット通信を確立することができる効果を奏する。
この実施の形態1によれば、多重伝送装置のIPアドレスの上位アドレスと、VoIP端末のIPアドレスの上位アドレスとを共通化するように構成したので、VoIP端末のIPアドレスから対応する多重伝送装置を簡単に検索することができる効果を奏する。
実施の形態2.
第3図はこの発明の実施の形態2によるパケット通信システムを示す構成図であり、図において、第1図と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
通信制御装置12は例えばVoIP端末1からVoIP端末2の電話番号を含む接続要求を受信すると、VoIP端末2のIPアドレスを検索し、VoIP端末3,4の電話番号を含む接続要求を受信すると、VoIP端末3,4を管轄する通信制御装置13のIPアドレスを検索する。通信制御装置13は例えばVoIP端末3からVoIP端末4の電話番号を含む接続要求を受信すると、VoIP端末4のIPアドレスを検索し、VoIP端末1,2の電話番号を含む接続要求を受信すると、VoIP端末1,2を管轄する通信制御装置12のIPアドレスを検索する。
多重制御装置14は通信制御装置12が通信制御装置13のIPアドレスを検索すると、その通信制御装置13に対応する多重伝送装置11と、接続要求の送信元のVoIP端末1を管轄する多重伝送装置10を特定し、多重伝送装置10に対して多重伝送装置11のIPアドレスとVoIP端末4のIPアドレスを通知する。多重制御装置15は通信制御装置13が通信制御装置12のIPアドレスを検索すると、その通信制御装置12に対応する多重伝送装置10と、接続要求の送信元のVoIP端末3を管轄する多重伝送装置11を特定し、多重伝送装置11に対して多重伝送装置10のIPアドレスとVoIP端末1のIPアドレスを通知する。
次に動作について説明する。
例えば、VoIP端末1の使用者がVoIP端末4の電話番号をダイヤルすると、VoIP端末1は、宛先電話番号(VoIP端末4の電話番号)を含む接続要求パケットを多重制御装置14に送信する。
多重制御装置14は、VoIP端末1から宛先電話番号(VoIP端末4の電話番号)を含む接続要求パケットを受信すると、その接続要求パケットを通信制御装置12に転送するとともに、その接続要求パケットを一時的に保存する。
通信制御装置12は、多重制御装置14から宛先電話番号(VoIP端末4の電話番号)を含む接続要求パケットを受信すると、VoIP端末4の電話番号に対応するIPアドレスを検索する。即ち、通信制御装置12は、VoIP端末4が自己が管轄するVoIP端末ではないので、VoIP端末4を管轄する通信制御装置13のIPアドレスを検索し、その検索結果を多重制御装置14に返信する。
ただし、宛先電話番号が自己が管轄するVoIP端末(例えば、VoIP端末2)の電話番号である場合には、そのVoIP端末2のIPアドレスを検索し、その検索結果を送信先であるVoIP端末2に送信する。
なお、通信制御装置12は、ローカルIP網5,6に接続されているVoIP端末1〜4の電話番号及びIPアドレスと、通信制御装置13のIPアドレスを管理している。
多重制御装置14は、通信制御装置12から通信制御装置13のIPアドレスを受けると、その通信制御装置13に対応する多重伝送装置11を特定し、また、接続要求パケットの送信元のVoIP端末1を管轄する多重伝送装置10を特定する。
そして、多重制御装置14は、VoIP端末1から受信した接続要求パケットに送信元のVoIP端末1を管轄する多重伝送装置10のIPアドレスを含めて、その接続要求パケットを多重制御装置15に送信する。
なお、多重制御装置14は、通信制御装置13を管轄する多重制御装置15のIPアドレスを予め認識している。
多重制御装置15は、多重制御装置14から多重伝送装置10のIPアドレスを含む接続要求パケットを受信すると、その多重伝送装置10のIPアドレスを一時的に保存する一方、その接続要求パケットから多重伝送装置10のIPアドレスを削除して、削除後の接続要求パケットを通信制御装置13に送信する。
通信制御装置13は、多重制御装置15から宛先電話番号(VoIP端末4の電話番号)を含む接続要求パケットを受信すると、VoIP端末4の電話番号に対応するIPアドレスを検索する。
多重制御装置15は、通信制御装置13により検索されたIPアドレスを受けると、そのIPアドレスを参照して、宛先であるVoIP端末4を管轄する多重伝送装置11を特定し、また、接続要求パケットの送信元のVoIP端末1を管轄する多重伝送装置10を特定する。
そして、多重制御装置15は、多重制御装置14から受信した接続要求パケットにVoIP端末4を管轄する多重伝送装置11のIPアドレスを含めて(接続要求パケットに元々含まれているVoIP端末1のIPアドレスを多重伝送装置11のIPアドレスに書き換える)、その接続要求パケットをVoIP端末4に送信する。
VoIP端末4は、多重制御装置15から接続要求パケットを受信すると、現在接続可能な状態にあれば(例えば、他のVoIP端末と通信していない状態)、接続許可パケットを多重制御装置15に送信する。
多重制御装置15は、VoIP端末4から接続許可パケットを受信すると、その接続許可パケットを通信制御装置13に転送し、また、VoIP端末4を管轄する多重伝送装置11のIPアドレスを接続許可パケットに含めて多重制御装置14に転送する。
多重制御装置14は、多重制御装置15から多重伝送装置11のIPアドレスを含む接続許可パケットを受信すると、その多重伝送装置11のIPアドレスを一時的に保存する一方、その接続許可パケットから多重伝送装置11のIPアドレスを削除して、削除後の接続要求パケットを通信制御装置12に送信する。
そして、多重制御装置14は、多重制御装置15から受信した接続許可パケットに接続要求元のVoIP端末1を管轄する多重伝送装置10のIPアドレスを含めて(接続許可パケットに元々含まれているVoIP端末4のIPアドレスを多重伝送装置10のIPアドレスに書き換える)、その接続許可パケットをVoIP端末1に送信する。
多重制御装置14は、上記のようにして接続許可パケットをVoIP端末1に送信すると、多重化情報を多重伝送装置10に送信する。
即ち、多重伝送装置10には、多重化情報として、IPパケットの送信元であるVoIP端末1のIPアドレスと、多重化したパケットの送信先である多重伝送装置11のIPアドレス(接続許可パケットから抜き出して保存していたIPアドレス)と、最終的な転送先であるVoIP端末4のIPアドレスとを通知する。
また、多重制御装置14は、多重化情報を多重伝送装置11に送信する。
即ち、多重伝送装置11には、多重化情報として、IPパケットの送信元であるVoIP端末4のIPアドレスと、多重化したパケットの送信先である多重伝送装置10のIPアドレス(接続要求パケットから抜き出して保存していたIPアドレス)と、最終的な転送先であるVoIP端末1のIPアドレスとを通知する。
以下、VoIP端末1は、多重伝送装置10,11経由でVoIP端末4とパケットの送受信を実施するが、このパケットの送受信動作は、上記実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
これにより、VoIP端末1とVoIP端末4間のパケット通信が確立するが、このようなパケット通信を確立させるには、多重制御装置14は、VoIP端末1,2と多重伝送装置10との対応関係を予め認識している必要があり、多重制御装置15は、VoIP端末3,4と多重伝送装置11との対応関係を予め認識している必要がある。
このため、多重制御装置14は、多重伝送装置10がネットワーク上に設置される際、VoIP端末1,2のIPアドレスと多重伝送装置10のIPアドレスが設定される。また、多重制御装置15は、多重伝送装置11がネットワーク上に設置される際、VoIP端末3,4のIPアドレスと多重伝送装置11のIPアドレスが設定される。ただし、IPアドレスの設定方法は上記実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
多重制御装置14は、多重制御装置15のIPアドレスを予め認識しておく必要があり、多重制御装置15は、多重制御装置14のIPアドレスを予め認識しておく必要がある。これについては、多重制御装置14,15がネットワーク上に設置される際に設定されるようにする。
なお、この実施の形態2では、VoIP端末1とVoIP端末4がパケットを送受信するものについて示したが、例えば、VoIP端末1とVoIP端末2がパケットを送受信する場合のように、同一の多重伝送装置10によって管轄されるVoIP端末間でパケットの送受信を行う場合、多重制御装置14は、多重伝送装置10に対する多重化情報の送信を行わない。このような場合、VoIP端末1とVoIP端末2は、多重伝送装置10,11を介さずに、直接音声パケットの通信を行うようにする。
以上で明らかなように、この実施の形態2によれば、通信制御装置及び多重制御装置がネットワーク上に複数設置される場合、各通信制御装置は宛先電話番号から他の通信制御装置のアドレスを検索し、各多重制御装置は他の通信制御装置に対応する多重伝送装置と接続要求の送信元の端末装置を管轄する多重伝送装置を特定するように構成したので、通信制御装置及び多重制御装置がネットワーク上に複数設置される場合でも、上記実施の形態1と同様の効果を奏することができる。
実施の形態3.
上記実施の形態2では、各ローカルIP網5,6にはそれぞれ多重制御装置14,15が設置されているものについて示したが、第4図に示すように、ローカルIP網23には多重制御装置が設置されていない場合がある。なお、第4図において、VoIP端末21,22はVoIP端末1と同様のVoIP端末、通信制御装置24は通信制御装置12と同様の通信制御装置、多重伝送装置25は多重伝送装置10と同様の多重伝送装置である。
この実施の形態3では、例えば、VoIP端末1がVoIP端末21,22とパケットの通信を行う場合、多重制御装置14は、VoIP端末1から受信した制御パケット(接続要求パケット、接続許可パケット)に含まれている送信元のVoIP端末1のIPアドレスを自己が管轄する多重伝送装置10のIPアドレスに変更せずに、その制御パケットをVoIP端末21,22に転送するようにする。
具体的には次の通りである。
例えば、VoIP端末1がVoIP端末4とパケットの通信を行う場合には、上記実施の形態2で説明した通りであり、VoIP端末1は、多重伝送装置10,11経由で、VoIP端末4とパケットの通信を行う。
しかし、VoIP端末1がVoIP端末21とパケットの通信を行う場合、多重制御装置14がローカルIP網23側から受信する制御パケットは、ローカルIP網23に多重制御装置が設置されていないため、多重伝送装置25のIPアドレスが付加されていないものになる。このため、多重制御装置14は、自己が管轄する多重伝送装置10に通知する多重化情報を得ることができず、上記実施の形態2のような多重伝送装置経由のパケット通信を行うことができない。
そこで、この実施の形態3では、例えば、VoIP端末1がVoIP端末21,22とパケットの通信を行う場合、多重制御装置14は、VoIP端末1から受信した制御パケット(接続要求パケット接続許可パケット)に含まれている送信元のVoIP端末1のIPアドレスを自己が管轄する多重伝送装置10のIPアドレスに変更せずに、その制御パケットをVoIP端末21,22に転送するようにする。
これにより、VoIP端末1は、多重伝送装置10,25を介さずに、直接VoIP端末21,22とパケットの通信を行うようになる。
この実施の形態3によれば、多重制御装置が設置されていないローカルIP網23に接続されているVoIP端末21,22が通信対象であっても、パケット通信を実施することができる効果を奏する。
実施の形態4.
上記実施の形態3では、ローカルIP網23に多重制御装置が設置されていないものについて示したが、第5図に示すように、新たな多重制御装置26をローカルIP網23に追加するようにしてもよい。
このように、新たな多重制御装置26をローカルIP網23に追加する場合、その多重制御装置26が既存の多重制御装置14,15に対して増設された旨を通知するようにする。
具体的には次の通りである。
多重制御装置26を追加する際には、上述したように、ローカルIP網23に接続されるVoIP端末21,22と多重伝送装置25の対応関係を予め認識している必要があるため、VoIP端末21,22のIPアドレスと多重伝送装置25のIPアドレスが多重制御装置26に設定される。
また、多重制御装置26には、多重制御装置14,15のIPアドレスも設定される。
一方、多重制御装置26が稼動を開始する際には、多重制御装置14,15に対して自装置が追加されたことを通知する。
これにより、多重制御装置14,15は、多重制御装置26がネットワーク内に追加されたことを認識し、多重制御装置26のIPアドレスを取得する。
この実施の形態4によれば、多重制御装置26をネットワークに追加する際、多重制御装置14,15に対する多重制御装置26のIPアドレスの設定を自動的に行うことができる効果を奏する。
実施の形態5.
上記実施の形態1〜4では、端末装置がVoIP端末であるものについて示したが、これに限るものではなく、例えば、端末装置が電話回線を収容するゲートウェイであってもよい。
この場合、多重化されたショートパケットのヘッダには宛先電話回線のチャネル番号が必要となるため、多重伝送装置10,11等が出力するパケットのペイロードは第6図に示すようになる。
実施の形態6.
上記実施の形態1における音声通話パスの接続方式や、VoIP端末と通信制御装置8間で交換されるメッセージ形式は、VoIPシグナリングと呼ばれる通信制御方式を利用している。
この通信制御方式としては、例えばSIPやMEGACOなどのプロトコルを適用することができることを説明したが、この実施の形態6では、特にSIPプロトコルを用いた場合のパケット通信システムの動作について説明する。
まず、この実施の形態6におけるパケット通信システ厶の動作を具体的に説明する前に、SIPによる通信制御の基本的な動作を簡単に説明する。第7図はSIPプロトコルによる通信制御を行う場合のパケット通信システムを示す概略構成図であり、第8図はパケット通信システムの通信プロトコルを示すシーケンス図である。
第7図に示すように、IP網30(第1図のローカル網5,6及びIP基幹網7に相当する)にVoIP端末1とVoIP端末4が接続された構成において、VoIP端末1とVoIP端末4がSIPのプロトコルにしたがって呼接続を行う場合、通信制御装置8を経由したSIPメッセージの送受信が行われる。
SIPプロトコルにより通信制御を行う場合に使用される通信制御装置8はSIPサーバと称され、この通信制御装置8は、VoIP端末間で送受信されるSIPメッセージの転送を行うプロキシサーバの機能と、IPネットワーク上のVoIP端末の位置情報の登録を受け付ける登録サーバの機能とを有する。
まず、VoIP端末1の使用者がVoIP端末1の電源を投入すると、VoIP端末1は、自身のIPアドレスを含むREGISTERメッセージ100(登録メッセージ)を通信制御装置8に送信する。
通信制御装置8は、VoIP端末1からREGISTERメッセージ100を受信すると、REGISTERメッセージ100に含まれているVoIP端末1のIPアドレスを登録する。即ち、VoIP端末1の位置情報を登録する。
また、通信制御装置8は、REGISTERメッセージ100を正常に受信できたことを通知するため、OKメッセージ110をVoIP端末1に送信する。
同様に、VoIP端末4の使用者がVoIP端末4の電源を投入すると、VoIP端末4は、自身のIPアドレスを含むREGISTERメッセージ120を通信制御装置8に送信する。
通信制御装置8は、VoIP端末4からREGISTERメッセージ120を受信すると、REGISTERメッセージ120に含まれているVoIP端末4のIPアドレスを登録する。即ち、VoIP端末4の位置情報を登録する。
また、通信制御装置8は、REGISTERメッセージ120を正常に受信できたことを通知するため、OKメッセージ130をVoIP端末4に送信する。
上記のようにして、VoIP端末1,4の位置情報の登録が完了すると、以後、通信制御装置8は、VoIP端末1,4から送信されたSIPメッセージをVoIP端末4,1に転送することが可能になる。
次に、VoIP端末1の使用者がVoIP端末4との通話を希望し、VoIP端末4の電話番号をダイヤルすると、VoIP端末1は、通話を希望する相手先(VoIP端末4)のIPアドレスを含むINVITEメッセージ200a(接続要求パケット)を通信制御装置8に送信する。
通信制御装置8は、VoIP端末1からINVITEメッセージ200aを受信すると、そのINVITEメッセージ200aをINVITEメッセージ200bとしてVoIP端末4に転送する。
なお、VoIP端末1がINVITEメッセージ200aを通信制御装置8に送信するに際して、VoIP端末4のIPアドレスを知る必要があるが、例えば、VoIP端末1がVoIP端末4の電話番号に対応するIPアドレスをDNSサーバ31に問い合わせることにより、VoIP端末4のIPアドレスを知ることができる。
VoIP端末4は、通信制御装置8からINVITEメッセージ200bを受信すると、INVITEメッセージ200bを正常に受信できたことを通知するため、通話を希望してきた相手先(VoIP端末1)のIPアドレスを含むOKメッセージ210aを通信制御装置8に送信する。
通信制御装置8は、VoIP端末4からOKメッセージ210aを受信すると、そのOKメッセージ210aをOKメッセージ210bとしてVoIP端末1に転送する。
VoIP端末1は、通信制御装置8からOKメッセージ210bを受信すると、OKメッセージ210bを正常に受信できたことを通知するため、ACKメッセージ220をVoIP端末4に送信する。
このACKメッセージ220は、通信制御装置8を経由しないで、直接、VoIP端末4に送信することが可能である。ただし、通信制御装置8がINVITEメッセージ200bをVoIP端末4に送信する際に、通信制御装置8のIPアドレスを示すRecord−Routeヘッダ(メッセージの伝送ルート)をINVITEメッセージ200bに追加することにより、VoIP端末1,4間で送受信される以降のSIPメッセージを、全て通信制御装置8経由で行うような指示がある場合は、この限りでない。
上記のようにして、INVITEメッセージ200、OKメッセージ210、ACKメッセージ220の交換が行われると、VoIP端末1とVoIP端末4の間にセッションが確立して通話可能な状態になり、以後、VoIP端末1とVoIP端末4の間で音声パケット400の送受信が開始される。
なお、このINVITEメッセージ200、OKメッセージ210、ACKメッセージ220の交換において、SIPメッセージの中にSDP(Session Definition Protocol:セッション記述プロトコル)によるセッション情報を含め、VoIP端末1,4間の通信に使用する音声コーデックの種別や、音声パケットの送信先IPアドレスなどの取り決めが行われる。
このSDPによるセッション情報の交換は、INVITEメッセージ200とOKメッセージ210より行われることが一般的であるが、INVITEメッセージ200の中にSDPによるセッション情報を含めない場合、OKメッセージ210とACKメッセージ220の中にSDPによるセッション情報を含めて交換が行われる。
その後、VoIP端末1,4間の通話が終了し、通話者のいずれか一方、例えば、VoIP端末1の使用者がオンフックして終話処理を行うと、VoIP端末1は、BYEメッセージ230をVoIP端末4に送信する。
VoIP端末4は、VoIP端末1からBYEメッセージ230を受信すると、BYEメッセージ230を正常に受信できたことを通知するため、OKメッセージ240をVoIP端末1に送信する。ここまでの動作によりVoIP端末1,4間の通信が終了する。
次に、第1図のパケット通信システムにおいて、通信制御手順としてSIPプロトコルを用いた場合の動作を具体的に説明する。第9図はこの発明の実施の形態6によるパケット通信システ厶の通信プロトコルを示すシーケンス図である。
まず、VoIP端末1の使用者がVoIP端末1の電源を投入すると、VoIP端末1は、ローカルIP網5を介して、自身のIPアドレスを含むREGISTERメッセージ100aを通信制御装置8に送信する。ただし、VoIP端末1から通信制御装置8に対する伝送路上には多重制御装置9が存在するので、VoIP端末1から送信されるREGISTERメッセージ100aは、通信制御装置8が受信する前に多重制御装置9が受信する。
多重制御装置9は、VoIP端末1からREGISTERメッセージ100aを受信すると、そのREGISTERメッセージ100aをREGISTERメッセージ100bとして通信制御装置8に転送する。
通信制御装置8は、多重制御装置9からREGISTERメッセージ100bを受信すると、REGISTERメッセージ100bに含まれているVoIP端末1のIPアドレスを登録する。即ち、VoIP端末1の位置情報を登録する。
また、通信制御装置8は、REGISTERメッセージ100bを正常に受信できたことを通知するため、OKメッセージ110aをVoIP端末1に送信する。ただし、通信制御装置8からVoIP端末1に対する伝送路上には多重制御装置9が存在するので、通信制御装置8から送信されるOKメッセージ110aは、VoIP端末1が受信する前に多重制御装置9が受信する。
多重制御装置9は、通信制御装置8からOKメッセージ110aを受信すると、ローカルIP網5を介して、そのOKメッセージ110aをOKメッセージ110bとしてVoIP端末1に転送する。
同様に、VoIP端末4の使用者がVoIP端末4の電源を投入すると、VoIP端末4は、ローカルIP網6、IP基幹網7及びローカルIP網5を介して、自身のIPアドレスを含むREGISTERメッセージ120aを通信制御装置8に送信する。ただし、VoIP端末4から通信制御装置8に対する伝送路上には多重制御装置9が存在するので、VoIP端末4から送信されるREGISTERメッセージ120aは、通信制御装置8が受信する前に多重制御装置9が受信する。
多重制御装置9は、VoIP端末4からREGISTERメッセージ120aを受信すると、そのREGISTERメッセージ120aをREGISTERメッセージ120bとして通信制御装置8に転送する。
通信制御装置8は、多重制御装置9からREGISTERメッセージ120bを受信すると、REGISTERメッセージ120bに含まれているVoIP端末4のIPアドレスを登録する。即ち、VoIP端末4の位置情報を登録する。
また、通信制御装置8は、REGISTERメッセージ120bを正常に受信できたことを通知するため、OKメッセージ130aをVoIP端末4に送信する。ただし、通信制御装置8からVoIP端末4に対する伝送路上には多重制御装置9が存在するので、通信制御装置8から送信されるOKメッセージ130aは、VoIP端末4が受信する前に多重制御装置9が受信する。
多重制御装置9は、通信制御装置8からOKメッセージ130aを受信すると、ローカルIP網5、IP基幹網7及びローカルIP網6を介して、そのOKメッセージ130aをOKメッセージ130bとしてVoIP端末4に転送する。
上記のようにして、VoIP端末1,4の位置情報の登録が完了すると、以後、通信制御装置8は、VoIP端末1,4から送信されたSIPメッセージをVoIP端末4,1に転送することが可能になる。
次に、VoIP端末1の使用者がVoIP端末4との通話を希望し、VoIP端末4の電話番号をダイヤルすると、VoIP端末1は、ローカルIP網5を介して、通話を希望する相手先(VoIP端末4)のIPアドレスを含むINVITEメッセージ200cを通信制御装置8に送信する。ただし、VoIP端末1から通信制御装置8に対する伝送路上には多重制御装置9が存在するので、VoIP端末1から送信されるINVITEメッセージ200cは、通信制御装置8が受信する前に多重制御装置9が受信する。
このINVITEメッセージ200cには、SDPによるセッション情報が含められ、通信相手(VoIP端末4)から送信される音声パケットの送り先IPアドレスとして、VoIP端末1のIPアドレスがSDPの中に記述される。
多重制御装置9は、VoIP端末1からINVITEメッセージ200cを受信すると、そのINVITEメッセージ200cをINVITEメッセージ200dとして通信制御装置8に転送する。
通信制御装置8は、多重制御装置9からINVITEメッセージ200dを受信すると、そのINVITEメッセージ200dをINVITEメッセージ200eとしてVoIP端末4に転送する。ただし、通信制御装置8からVoIP端末4に対する伝送路上には多重制御装置9が存在するので、通信制御装置8から転送されるINVITEメッセージ200eは、VoIP端末4が受信する前に多重制御装置9が受信する。
ここでは、INVITEメッセージ200eを転送する際に、通信制御装置8のIPアドレスを示すRecord−RouteヘッダをINVITEメッセージ200eに追加しないものとする。
多重制御装置9は、通信制御装置8からINVITEメッセージ200eを受信すると、そのINVITEメッセージ200eに含まれているSDPによるセッション情報の書き換えを行う。
即ち、INVITEメッセージ200eに含まれているSDPによるセッション情報には、通信相手(VoIP端末4)から送信される音声パケットの送り先IPアドレスとして、VoIP端末1のIPアドレスが記述されているので、VoIP端末1のIPアドレスを多重伝送装置11のIPアドレスに書き換える処理を行う。
多重制御装置9は、ローカルIP網5、IP基幹網7及びローカルIP網6を介して、書換処理後のINVITEメッセージ200eをINVITEメッセージ200fとしてVoIP端末4に送信する。
VoIP端末4は、多重制御装置9からINVITEメッセージ200fを受信すると、INVITEメッセージ200fを正常に受信できたことを通知するため、ローカルIP網6、IP基幹網7及びローカルIP網5を介して、通話を希望してきた相手先(VoIP端末1)のIPアドレスを含むOKメッセージ210cを通信制御装置8に送信する。ただし、VoIP端末4から通信制御装置8に対する伝送路上には多重制御装置9が存在するので、VoIP端末4から送信されるOKメッセージ210cは、通信制御装置8が受信する前に多重制御装置9が受信する。
このOKメッセージ210cには、SDPによるセッション情報が含められ、通信相手(VoIP端末1)から送信される音声パケットの送り先IPアドレスとして、VoIP端末4のIPアドレスがSDPの中に記述される。
多重制御装置9は、VoIP端末4からOKメッセージ210cを受信すると、そのOKメッセージ210cをOKメッセージ210dとして通信制御装置8に転送する。
通信制御装置8は、多重制御装置9からOKメッセージ210dを受信すると、そのOKメッセージ210dをOKメッセージ210eとしてVoIP端末1に転送する。ただし、通信制御装置8からVoIP端末1に対する伝送路上には多重制御装置9が存在するので、通信制御装置8から転送されるOKメッセージ210eは、VoIP端末1が受信する前に多重制御装置9が受信する。
多重制御装置9は、通信制御装置8からOKメッセージ210eを受信すると、そのOKメッセージ210eに含まれているSDPによるセッション情報の書き換えを行う。
即ち、OKメッセージ210eに含まれているSDPによるセッション情報には、通信相手(VoIP端末1)から送信される音声パケットの送り先IPアドレスとして、VoIP端末4のIPアドレスが記述されているので、VoIP端末4のIPアドレスを多重伝送装置10のIPアドレスに書き換える処理を行う。
多重制御装置9は、ローカルIP網5を介して、書換処理後のOKメッセージ210eをOKメッセージ210fとしてVoIP端末1に送信する。
また、多重制御装置9は、OKメッセージ210fをVoIP端末1に送信すると、ローカルIP網5を介して、多重化情報300を多重伝送装置10に送信し、ローカルIP網5、IP基幹網7及びローカルIP網6を介して、多重化情報310を多重伝送装置11に送信する。
ここで、多重伝送装置10に送信される多重化情報300には、IPパケットの送信元であるVoIP端末1のIPアドレスと、多重化されたIPパケットの送信先である多重伝送装置11のIPアドレスと、最終的な転送先であるVoIP端末4のIPアドレスとが含まれている。
また、多重伝送装置11に送信される多重化情報310には、IPパケットの送信元であるVoIP端末4のIPアドレスと、多重化されたIPパケットの送信先である多重伝送装置10のIPアドレスと、最終的な転送先であるVoIP端末1のIPアドレスとが含まれている。
VoIP端末1は、多重制御装置9からOKメッセージ210fを受信すると、OKメッセージ210fを正常に受信できたことを通知するため、ACKメッセージ220をVoIP端末4に送信する。
上述したように、通信制御装置8がINVITEメッセージ200eを転送する際に、通信制御装置8のIPアドレスを示すRecord−RouteヘッダをINVITEメッセージ200eに追加していないので、このACKメッセージ220は、通信制御装置8を経由しないで、直接、VoIP端末4に送信される。
上記のようにして、ACKメッセージ220の送信が完了した時点で、VoIP端末1,4が通信の確立を認識するが、多重制御装置9がOKメッセージ210eに含まれているSDPによるセッション情報の書き換えを行っているため、VoIP端末1は、音声パケットの送信先が多重伝送装置10であると認識して、以降、音声パケットを多重伝送装置10に送信する。
多重伝送装置10は、VoIP端末1から音声パケットを受信すると、その音声パケットを多重化する。ただし、VoIP端末1以外のVoIP端末(例えば、VoIP端末2)からも音声パケットを受信すると、複数の音声パケットからショートパケットを抜き出して、宛先多重伝送装置が同じであるショートパケットを集め、それらのショートパケットを再度多重化してIPパケット化する。
同様に、多重制御装置9がINVITEメッセージ200eに含まれているSDPによるセッション情報の書き換えを行っているため、VoIP端末4は、音声パケットの送信先が多重伝送装置11であると認識して、以降、音声パケットを多重伝送装置11に送信する。
多重伝送装置11は、VoIP端末4から音声パケットを受信すると、その音声パケットを多重化する。ただし、VoIP端末4以外のVoIP端末(例えば、VoIP端末3)からも音声パケットを受信すると、複数の音声パケットからショートパケットを抜き出して、宛先多重伝送装置が同じであるショートパケットを集め、それらのショートパケットを再度多重化してIPパケット化する。
以上で明らかなように、この実施の形態6によれば、多重制御装置9がVoIP端末1,4間で送受信されるSIPメッセージの中のSDPによるセッション情報を書き換え、VoIP端末1,4から送信される音声パケットの送信先が多重伝送装置10,11であると認識させるように構成したので、多重伝送装置10,11において音声パケットを多重化することができるようになり、その結果、多数のVoIP端末がローカルIP網5,6に接続される場合でも、音声の伝送遅延の増大を招くことなく、IPパケットのオーバーヘッドを低減することができる効果を奏する。
実施の形態7.
上記実施の形態6では、SDPによるセッション情報の交換が、INVITEメッセージ200とOKメッセージ210により行われる場合について説明したが、INVITEメッセージ200の中にSDPによるセッション情報を含めずに、OKメッセージ210とACKメッセージ220により、SDPによるセッション情報の交換が行われるようにしてもよい。
この場合、通信制御装置8がINVITEメッセージ200eを転送する際に、Record−RouteヘッダをINVITEメッセージ200eに追加していないと、ACKメッセージ220が通信制御装置8を経由しないで、直接、VoIP端末4に送信されるため、多重制御装置9がACKメッセージ220に含まれているSDPによるセッション情報の書き換えを行うことができず、多重伝送装置10,11において音声パケットを多重化することができない。
このため、上記実施の形態6によるパケット通信システムにおいては、使用するVoIP端末、または、通信制御装置8の仕様を限定する必要がある。
そこで、この発明の実施の形態7では、SDPによるセッション情報の交換が、OKメッセージ210とACKメッセージ220により行われ、かつ、通信制御装置8がRecord−Routeヘッダを追加していない場合でも、多重伝送装置10,11において音声パケットを多重化することができるようにしている。
第10図はこの発明の実施の形態7によるパケット通信システムの通信プロトコルを示すシーケンス図である。
次に動作について説明する。
最初に、VoIP端末1,4は、通信制御装置8との間でREGISTERメッセージやOKメッセージの交換を行うことにより、通信制御装置8に対して位置情報の登録を行うが、この位置情報の登録の動作は上記実施の形態6と同様であるため説明を省略する。
次に、VoIP端末1の使用者がVoIP端末4との通話を希望し、VoIP端末4の電話番号をダイヤルすると、VoIP端末1は、ローカルIP網5を介して、通話を希望する相手先(VoIP端末4)のIPアドレスを含むINVITEメッセージ200gを通信制御装置8に送信する。ただし、VoIP端末1から通信制御装置8に対する伝送路上には多重制御装置9が存在するので、VoIP端末1から送信されるINVITEメッセージ200gは、通信制御装置8が受信する前に多重制御装置9が受信する。
このINVITEメッセージ200gには、SDPによるセッション情報が含められないものとする。
多重制御装置9は、VoIP端末1からINVITEメッセージ200gを受信すると、そのINVITEメッセージ200gをINVITEメッセージ200hとして通信制御装置8に転送する。
通信制御装置8は、多重制御装置9からINVITEメッセージ200hを受信すると、そのINVITEメッセージ200hをINVITEメッセージ200iとしてVoIP端末4に転送する。ただし、通信制御装置8からVoIP端末4に対する伝送路上には多重制御装置9が存在するので、通信制御装置8から転送されるINVITEメッセージ200iは、VoIP端末4が受信する前に多重制御装置9が受信する。
多重制御装置9は、通信制御装置8からINVITEメッセージ200iを受信すると、通信制御装置8のIPアドレスを示すRecord−Routeヘッダを必要に応じてINVITEメッセージ200iに追加する。
即ち、多重制御装置9は、INVITEメッセージ200iを解析して、通信制御装置8のアドレスを示すRecord−Routeヘッダの有無を調査し、そのRecord−Routeヘッダがあれば、通信制御装置8によりRecord−Routeヘッダが追加されたものと判断して、そのヘッダの追加処理を行わないが、そのRecord−Routeヘッダがなければ、通信制御装置8のIPアドレスを示すRecord−RouteヘッダをINVITEメッセージ200iに追加する。
多重制御装置9は、ローカルIP網5、IP基幹網7及びローカルIP網6を介して、Record−Routeヘッダを含むINVITEメッセージ200iをINVITEメッセージ200jとしてVoIP端末4に転送する。
VoIP端末4は、多重制御装置9からINVITEメッセージ200jを受信すると、INVITEメッセージ200jを正常に受信できたことを通知するため、ローカルIP網6、IP基幹網7及びローカルIP網5を介して、通話を希望してきた相手先(VoIP端末1)のIPアドレスを含むOKメッセージ210gを通信制御装置8に送信する。ただし、VoIP端末4から通信制御装置8に対する伝送路上には多重制御装置9が存在するので、VoIP端末4から送信されるOKメッセージ210gは、通信制御装置8が受信する前に多重制御装置9が受信する。
このOKメッセージ210gには、SDPによるセッション情報が含められ、通信相手(VoIP端末1)から送信される音声パケットの送り先IPアドレスとして、VoIP端末4のIPアドレスがSDPの中に記述される。
多重制御装置9は、VoIP端末4からOKメッセージ210gを受信すると、そのOKメッセージ210gをOKメッセージ210hとして通信制御装置8に転送する。
通信制御装置8は、多重制御装置9からOKメッセージ210hを受信すると、そのOKメッセージ210hをOKメッセージ210iとしてVoIP端末1に転送する。ただし、通信制御装置8からVoIP端末1に対する伝送路上には多重制御装置9が存在するので、通信制御装置8から転送されるOKメッセージ210iは、VoIP端末1が受信する前に多重制御装置9が受信する。
多重制御装置9は、通信制御装置8からOKメッセージ210iを受信すると、そのOKメッセージ210iに含まれているSDPによるセッション情報の書き換えを行う。
即ち、OKメッセージ210iに含まれているSDPによるセッション情報には、通信相手(VoIP端末1)から送信される音声パケットの送り先IPアドレスとして、VoIP端末4のIPアドレスが記述されているので、VoIP端末4のIPアドレスを多重伝送装置10のIPアドレスに書き換える処理を行う。
多重制御装置9は、ローカルIP網5を介して、書換処理後のOKメッセージ210iをOKメッセージ210jとしてVoIP端末1に送信する。
VoIP端末1は、多重制御装置9からOKメッセージ210jを受信すると、OKメッセージ210jを正常に受信できたことを通知するため、ローカルIP網5を介して、ACKメッセージ220eを通信制御装置8に送信する。ただし、VoIP端末1から通信制御装置8に対する伝送路上には多重制御装置9が存在するので、VoIP端末1から送信されるACKメッセージ220eは、通信制御装置8が受信する前に多重制御装置9が受信する。
このACKメッセージ220eには、SDPによるセッション情報が含められ、通信相手(VoIP端末4)から送信される音声パケットの送り先IPアドレスとして、VoIP端末1のIPアドレスがSDPの中に記述される。
多重制御装置9は、VoIP端末1からACKメッセージ220eを受信すると、そのACKメッセージ220eをACKメッセージ220fとして通信制御装置8に転送する。
この実施の形態7では、通信制御装置8がRecord−Routeヘッダを追加していない場合には、多重制御装置9がRecord−RouteヘッダをINVITEメッセージ200iに追加するようにしているので、ACKメッセージ220は、通信制御装置8経由でVoIP端末4に送信されることになる。
通信制御装置8は、多重制御装置9からACKメッセージ220fを受信すると、そのACKメッセージ220fをACKメッセージ220gとしてVoIP端末4に転送する。ただし、通信制御装置8からVoIP端末4に対する伝送路上には多重制御装置9が存在するので、通信制御装置8から転送されるACKメッセージ220gは、VoIP端末4が受信する前に多重制御装置9が受信する。
多重制御装置9は、通信制御装置8からACKメッセージ220gを受信すると、そのACKメッセージ220gに含まれているSDPによるセッション情報の書き換えを行う。
即ち、ACKメッセージ220gに含まれているSDPによるセッション情報には、通信相手(VoIP端末4)から送信される音声パケットの送り先IPアドレスとして、VoIP端末1のIPアドレスが記述されているので、VoIP端末1のIPアドレスを多重伝送装置11のIPアドレスに書き換える処理を行う。
多重制御装置9は、ローカルIP網5、IP基幹網7及びローカルIP網6を介して、書換処理後のACKメッセージ220gをACKメッセージ220hとしてVoIP端末4に送信する。
また、多重制御装置9は、ACKメッセージ220hをVoIP端末4に送信すると、ローカルIP網5を介して、多重化情報300を多重伝送装置10に送信し、ローカルIP網5、IP基幹網7及びローカルIP網6を介して、多重化情報310を多重伝送装置11に送信する。
ここで、多重伝送装置10に送信される多重化情報300には、IPパケットの送信元であるVoIP端末1のIPアドレスと、多重化されたIPパケットの送信先である多重伝送装置11のIPアドレスと、最終的な転送先であるVoIP端末4のIPアドレスとが含まれている。
また、多重伝送装置11に送信される多重化情報310には、IPパケットの送信元であるVoIP端末4のIPアドレスと、多重化されたIPパケットの送信先である多重伝送装置10のIPアドレスと、最終的な転送先であるVoIP端末1のIPアドレスとが含まれている。
上記のようにして、ACKメッセージ220の送信が完了した時点で、VoIP端末1,4が通信の確立を認識し、音声パケットの送受信を開始するが、以後の動作は、上記実施の形態6と同様であるため説明を省略する。
以上で明らかなように、この実施の形態7によれば、SDPによるセッション情報の交換が、OKメッセージ210とACKメッセージ220により行われ、かつ、通信制御装置8がRecord−Routeヘッダを追加していない場合でも、多重制御装置9が代わりにRecord−Routeヘッダを追加し、SDPを含むACKメッセージを強制的に通信制御装置8を経由して送信するように構成したので、通信制御装置8がRecord−Routeヘッダを追加するか否かに拘わらず、多重制御装置9がVoIP端末1,4間で送受信されるSIPメッセージの中のSDPによるセッション情報を書き換えることができるようになり、その結果、多数のVoIP端末がローカルIP網5,6に接続される場合でも、音声の伝送遅延の増大を招くことなく、IPパケットのオーバーヘッドを低減することができる効果を奏する。
実施の形態8.
上記実施の形態7では、通信制御装置8がRecord−Routeヘッダを追加していない場合、多重制御装置9が代わりにRecord−Routeヘッダを追加し、SDPを含むACKメッセージを強制的に通信制御装置8を経由して送信するものについて示したが、この場合、通信制御装置8は、ACKメッセージを受信することを予期していないにも拘わらず、多重制御装置9からACKメッセージを受信することになり、通信制御装置8の内部状態の不一致を招く可能性がある。
そこで、この発明の実施の形態8では、多重制御装置9が、通信制御装置8がRecord−Routeヘッダを追加したか否かを判定し、その判定結果にしたがってACKメッセージの転送先を決めることにより、通信制御装置8の内部状態の不一致を招かないようにしている。
第11図はこの発明の実施の形態8によるパケット通信システムの通信プロトコルを示すシーケンス図である。
最初に、VoIP端末1,4は、通信制御装置8との間でREGISTERメッセージやOKメッセージの交換を行うことにより、通信制御装置8に対して位置情報の登録を行うが、この位置情報の登録の動作は上記実施の形態6と同様であるため説明を省略する。
また、VoIP端末1とVoIP端末4におけるINVITEメッセージやOKメッセージの交換については、上記実施の形態7と同様であるため説明を省略する。
ただし、この実施の形態8における多重制御装置9は、通信制御装置8からINVITEメッセージ200jをVoIP端末4に転送する際、そのINVITEメッセージ200jにRecord−Routeヘッダを追加したか否かを示す情報を記録するものとする。
VoIP端末1は、多重制御装置9からOKメッセージ210jを受信すると、そのOKメッセージ210jを正常に受信できたことを通知するため、ローカルIP網5を介して、ACKメッセージ220iを通信制御装置8に送信する。
ただし、通信制御装置8がRecord−Routeヘッダを追加していない場合には、多重制御装置9が代わりにRecord−Routeヘッダを追加しているため、通信制御装置8がRecord−Routeヘッダを追加しているか否かに拘わらず、このACKメッセージ220iの宛先は、常に通信制御装置8となっている。
多重制御装置9は、VoIP端末1からACKメッセージ220iを受信すると、INVITEメッセージ200iにRecord−Routeヘッダを追加したか否かを示す情報を参照して、そのACKメッセージ220iの転送先を決定する。
即ち、多重制御装置9は、自身がINVITEメッセージ200iにRecord−Routeヘッダを追加している場合、そのACKメッセージ220iの宛先を強制的に通信制御装置8からVoIP端末4に書き換え、そのACKメッセージ220iをACKメッセージ220jとしてVoIP端末4に転送する。
一方、多重制御装置9は、自身がINVITEメッセージ200iにRecord−Routeヘッダを追加していない場合、ACKメッセージ220iの宛先を変更せず、そのACKメッセージ220iを通信制御装置8に転送する。この場合、上記実施の形態7と同様の経路(VoIP端末1、多重制御装置9、通信制御装置8、多重制御装置9、VoIP端末4)でACKメッセージ220が転送される。
なお、多重制御装置9は、ACKメッセージ220jをVoIP端末4に転送する際、そのACKメッセージ220jにSDPによるセッション情報が含まれている場合、そのSDPによるセッション情報の書き換えを行う。
即ち、ACKメッセージ220jに含まれているSDPによるセッション情報には、通信相手(VoIP端末4)から送信される音声パケットの送り先IPアドレスとして、VoIP端末1のIPアドレスが記述されているので、VoIP端末1のIPアドレスを多重伝送装置11のIPアドレスに書き換える処理を行う。
以降の、多重化情報の送信や音声パケットの送受信の動作については、上記実施の形態7と同様であるため説明を省略する。
以上で明らかなように、この実施の形態8によれば、多重制御装置9が、通信制御装置8がRecord−Routeヘッダを追加したか否かを判定し、その判定結果にしたがってACKメッセージの転送先を決めるように構成したので、通信制御装置8が受信することを予期していないACKメッセージを受信することによる内部状態の不一致の発生が回避され、信頼性を高めることができる効果を奏する。
実施の形態9.
上記実施の形態6〜8では、ローカルIP網5から通信制御装置8に至る経路上に多重制御装置9を配置し、VoIP端末1,4から送信されるSIPメッセージの宛先が通信制御装置8であって(VoIP端末間で直接SIPメッセージを送受信する場合を除く)、多重制御装置9が通信制御装置8宛のSIPメッセージを中継する際、必要に応じてSIPメッセージの書き換え(SDPによるセッション情報の書き換え、Record−Routeヘッダの追加)を行うものについて示したが、これに限るものではない。
例えば、第12図に示すように、多重制御装置9及び通信制御装置8がローカルIP網5に直接つながる形に配置するようにしてもよい。
この場合、VoIP端末1,4から送信されるSIPメッセージの宛先は多重制御装置9となり(VoIP端末間で直接SIPメッセージを送受信する場合を除く)、多重制御装置9は、VoIP端末1,4から受信したSIPメッセージを通信制御装置8に転送するようにする。
また、通信制御装置8からVoIP端末1,4に送信するSIPメッセージも、一旦、多重制御装置9に送信して、多重制御装置9がVoIP端末1,4に転送するようにする。
実施の形態10.
第13図はこの発明の実施の形態10によるパケット通信システ厶を示す構成図であり、図において、第1図と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
通信制御装置18はIP基幹網7に接続され、多重制御装置19はローカルIP網5に接続され、多重制御装置20はローカルIP網6に接続されている。
第14図及び第15図はこの発明の実施の形態10によるパケット通信システ厶の通信プロトコルを示すシーケンス図である。
次に動作について説明する。
まず、VoIP端末1の使用者がVoIP端末1の電源を投入すると、VoIP端末1は、ローカルIP網5を介して、自身のIPアドレスを含むREGISTERメッセージ100cを多重制御装置19に送信する。
多重制御装置19は、VoIP端末1からREGISTERメッセージ100cを受信すると、そのREGISTERメッセージ100cに多重制御装置19のIPアドレスを含め(REGISTERメッセージ100cに元々含まれているVoIP端末1のIPアドレスを多重制御装置19のIPアドレスに書き換える)、ローカルIP網5及びIP基幹網7を介して、そのREGISTERメッセージ100cをREGISTERメッセージ100dとして通信制御装置18に転送する。
通信制御装置18は、多重制御装置19からREGISTERメッセージ100dを受信すると、そのREGISTERメッセージ100dを正常に受信できたことを通知するため、IP基幹網7及びローカルIP網5を介して、OKメッセージ110cを多重制御装置19に送信する。
多重制御装置19は、通信制御装置18からOKメッセージ110cを受信すると、ローカルIP網5を介して、そのOKメッセージ110cをOKメッセージ110dとしてVoIP端末1に送信する。
同様に、VoIP端末4の使用者がVoIP端末4の電源を投入すると、VoIP端末4は、ローカルIP網6を介して、自身のIPアドレスを含むREGISTERメッセージ120cを多重制御装置20に送信する。
多重制御装置20は、VoIP端末4からREGISTERメッセージ120cを受信すると、そのREGISTERメッセージ120cに多重制御装置20のIPアドレスを含め(REGISTERメッセージ120cに元々含まれているVoIP端末4のIPアドレスを多重制御装置20のIPアドレスに書き換える)、ローカルIP網6及びIP基幹網7を介して、そのREGISTERメッセージ120cをREGISTERメッセージ120dとして通信制御装置18に転送する。
通信制御装置18は、多重制御装置20からREGISTERメッセージ120dを受信すると、そのREGISTERメッセージ120dを正常に受信できたことを通知するため、IP基幹網7及びローカルIP網6を介して、OKメッセージ130cを多重制御装置20に送信する。
多重制御装置20は、通信制御装置18からOKメッセージ130cを受信すると、ローカルIP網6を介して、そのOKメッセージ130cをOKメッセージ130dとしてVoIP端末4に送信する。
上記のようにして、REGISTERメッセージとOKメッセージの交換により、通信制御装置18には多重制御装置19,20のIPアドレス(位置情報)が登録される。
位置情報の登録が完了すると、以後、通信制御装置18は、VoIP端末1,4間でSIPメッセージの交換を行う場合、VoIP端末1が送信するSIPメッセージは、VoIP端末4ではなく多重制御装置20に転送し、VoIP端末4が送信するSIPメッセージは、VoIP端末1ではなく多重制御装置19に転送することができるようになる。
次に、VoIP端末1の使用者がVoIP端末4との通話を希望し、VoIP端末4の電話番号をダイヤルすると、VoIP端末1は、ローカルIP網5を介して、通話を希望する相手先(VoIP端末4)のIPアドレスを含むINVITEメッセージ200k(接続要求パケット)を多重制御装置19に送信する。
このINVITEメッセージ200kには、SDPによるセッション情報が含められ、通信相手(VoIP端末4)から送信される音声パケットの送り先IPアドレスとして、VoIP端末1のIPアドレスがSDPの中に記述される。
多重制御装置19は、VoIP端末1からINVITEメッセージ200kを受信すると、ローカルIP網5及びIP基幹網7を介して、そのINVITEメッセージ200kをINVITEメッセージ200lとして通信制御装置18に転送する。
通信制御装置18は、多重制御装置19からINVITEメッセージ200lを受信すると、IP基幹網7及びローカルIP網6を介して、そのINVITEメッセージ200lをINVITEメッセージ200mとして多重制御装置20に転送する。
ただし、ここでは、INVITEメッセージ200mを転送する際に、通信制御装置8のIPアドレスを示すRecord−RouteヘッダをINVITEメッセージ200mに追加しないものとする。
多重制御装置20は、通信制御装置18からINVITEメッセージ200mを受信すると、そのINVITEメッセージ200mに含まれているSDPによるセッション情報の書き換えを行う。
即ち、INVITEメッセージ200mに含まれているSDPによるセッション情報には、通信相手(VoIP端末4)から送信される音声パケットの送り先IPアドレスとして、VoIP端末1のIPアドレスが記述されているので、VoIP端末1のIPアドレスを多重伝送装置11のIPアドレスに書き換える処理を行う。
多重制御装置20は、ローカルIP網6を介して、書換処理後のINVITEメッセージ200mをINVITEメッセージ200nとしてVoIP端末4に送信する。
VoIP端末4は、多重制御装置20からINVITEメッセージ200nを受信すると、INVITEメッセージ200nを正常に受信できたことを通知するため、ローカルIP網6を介して、通話を希望してきた相手先(VoIP端末1)のIPアドレスを含むOKメッセージ210kを多重制御装置20に送信する。
このOKメッセージ210kには、SDPによるセッション情報が含められ、通信相手(VoIP端末1)から送信される音声パケットの送り先IPアドレスとして、VoIP端末4のIPアドレスがSDPの中に記述される。
多重制御装置20は、VoIP端末4からOKメッセージ210kを受信すると、ローカルIP網6及びIP基幹網7を介して、そのOKメッセージ210kをOKメッセージ210lとして通信制御装置18に転送する。
通信制御装置18は、多重制御装置20からOKメッセージ210lを受信すると、IP基幹網7及びローカルIP網5を介して、そのOKメッセージ210lをOKメッセージ210mとして多重制御装置19に転送する。
多重制御装置19は、通信制御装置18からOKメッセージ210mを受信すると、そのOKメッセージ210mに含まれているSDPによるセッション情報の書き換えを行う。
即ち、OKメッセージ210mに含まれているSDPによるセッション情報には、通信相手(VoIP端末1)から送信される音声パケットの送り先IPアドレスとして、VoIP端末4のIPアドレスが記述されているので、VoIP端末4のIPアドレスを多重伝送装置10のIPアドレスに書き換える処理を行う。
多重制御装置19は、ローカルIP網5を介して、書換処理後のOKメッセージ210mをOKメッセージ210nとしてVoIP端末1に送信する。
また、多重制御装置19は、OKメッセージ210nをVoIP端末1に送信すると、ローカルIP網5を介して、多重化情報300を多重伝送装置10に送信する。
ここで、多重伝送装置10に送信される多重化情報300には、IPパケットの送信元であるVoIP端末1のIPアドレスと、多重化されたIPパケットの送信先である多重伝送装置11のIPアドレスと、最終的な転送先であるVoIP端末4のIPアドレスとが含まれている。
また、多重制御装置20は、OKメッセージ210lを通信制御装置18に送信すると、ローカルIP網6を介して、多重化情報310を多重伝送装置11に送信する。
ここで、多重伝送装置11に送信される多重化情報310には、IPパケットの送信元であるVoIP端末4のIPアドレスと、多重化されたIPパケットの送信先である多重伝送装置10のIPアドレスと、最終的な転送先であるVoIP端末1のIPアドレスとが含まれている。
VoIP端末1は、多重制御装置19からOKメッセージ210nを受信すると、OKメッセージ210nを正常に受信できたことを通知するため、ACKメッセージ220をVoIP端末4に送信する。
上述したように、通信制御装置18がINVITEメッセージ200mを転送する際に、通信制御装置18のIPアドレスを示すRecord−RouteヘッダをINVITEメッセージ200mに追加していないので、このACKメッセージ220は、通信制御装置8を経由しないで、直接、VoIP端末4に送信される。
上記のようにして、ACKメッセージ220の送信が完了した時点で、VoIP端末1,4が通信の確立を認識するが、多重制御装置19がOKメッセージ210mに含まれているSDPによるセッション情報の書き換えを行っているため、VoIP端末1は、音声パケットの送信先が多重伝送装置10であると認識して、以降、音声パケットを多重伝送装置10に送信する。
多重伝送装置10は、VoIP端末1から音声パケットを受信すると、その音声パケットを多重化する。たたし、VoIP端末1以外のVoIP端末(例えば、VoIP端末2)からも音声パケットを受信すると、複数の音声パケットからショートパケットを抜き出して、宛先多重伝送装置が同じであるショートパケットを集め、それらのショートパケットを再度多重化してIPパケット化する。
同様に、多重制御装置20がINVITEメッセージ200mに含まれているSDPによるセッション情報の書き換えを行っているため、VoIP端末4は、音声パケットの送信先が多重伝送装置11であると認識して、以降、音声パケットを多重伝送装置11に送信する。
多重伝送装置11は、VoIP端末4から音声パケットを受信すると、その音声パケットを多重化する。ただし、VoIP端末4以外のVoIP端末(例えば、VoIP端末3)からも音声パケットを受信すると、複数の音声パケットからショートパケットを抜き出して、宛先多重伝送装置が同じであるショートパケットを集め、それらのショートパケットを再度多重化してIPパケット化する。
以上で明らかなように、この実施の形態10によれば、多重制御装置19,20がVoIP端末1,4間で送受信されるSIPメッセージの中のSDPによるセッション情報を書き換え、VoIP端末1,4から送信される音声パケットの送信先が多重伝送装置10,11であると認識させるように構成したので、多重伝送装置10,11において音声パケットを多重化することができるようになり、その結果、多数のVoIP端末がローカルIP網5,6に接続される場合でも、音声の伝送遅延の増大を招くことなく、IPパケットのオーバーヘッドを低減することができる効果を奏する。
実施の形態11.
上記実施の形態10では、SDPによるセッション情報の交換か、INVITEメッセージ200とOKメッセージ210により行われる場合について説明したが、INVITEメッセージ200の中にSDPによるセッション情報を含めずに、OKメッセージ210とACKメッセージ220により、SDPによるセッション情報の交換が行われるようにしてもよい。
この場合、通信制御装置18がINVITEメッセージ200lを転送する際に、Record−RouteヘッダをINVITEメッセージ200lに追加していないと、ACKメッセージ220が通信制御装置18を経由しないで、直接、VoIP端末4に送信されるため、多重制御装置20がACKメッセージ220に含まれているSDPによるセッション情報の書き換えを行うことができず、多重伝送装置10,11において音声パケットを多重化することができない。
このため、上記実施の形態10によるパケット通信システムにおいては、使用するVoIP端末、または、通信制御装置18の仕様を限定する必要がある。
そこで、この発明の実施の形態11では、SDPによるセッション情報の交換が、OKメッセージ210とACKメッセージ220により行われ、かつ、通信制御装置18がRecord−Routeヘッダを追加していない場合でも、多重伝送装置10,11において音声パケットを多重化することができるようにしている。
第16図はこの発明の実施の形態11によるパケット通信システムの通信プロトコルを示すシーケンス図である。
次に動作について説明する。
VoIP端末1の使用者がVoIP端末4との通話を希望し、VoIP端末4の電話番号をダイヤルすると、VoIP端末1は、ローカルIP網5を介して、通話を希望する相手先(VoIP端末4)のIPアドレスを含むINVITEメッセージ200o(接続要求パケット)を多重制御装置19に送信する。
ただし、ここでは、このINVITEメッセージ200oには、SDPによるセッション情報を含めないものとする。
多重制御装置19は、VoIP端末1からINVITEメッセージ200oを受信すると、そのINVITEメッセージ200oに自身(多重制御装置19)のアドレスを示すRecord−Routeヘッダを追加する。
そして、多重制御装置19は、ローカルIP網5及びIP基幹網7を介して、そのINVITEメッセージ200oをINVITEメッセージ200pとして通信制御装置18に転送する。
通信制御装置18は、多重制御装置19からINVITEメッセージ200pを受信すると、IP基幹網7及びローカルIP網6を介して、そのINVITEメッセージ200pをINVITEメッセージ200qとして多重制御装置20に転送する。
ただし、通信制御装置18がINVITEメッセージ200qを転送する際、通信制御装置18のアドレスを示すRecord−RouteヘッダをINVITEメッセージ200qに追加しないものとする。
多重制御装置20は、通信制御装置18からINVITEメッセージ200qを受信すると、そのINVITEメッセージ200qに自身(多重制御装置20)のアドレスを示すRecord−Routeヘッダを追加する。
そして、多重制御装置20は、ローカルIP網6を介して、そのINVITEメッセージ200qをINVITEメッセージ200rとしてVoIP端末4に転送する。
VoIP端末4は、多重制御装置20からINVITEメッセージ200rを受信すると、INVITEメッセージ200rを正常に受信できたことを通知するため、ローカルIP網6を介して、通話を希望してきた相手先(VoIP端末1)のIPアドレスを含むOKメッセージ210oを多重制御装置20に送信する。
このOKメッセージ210oには、SDPによるセッション情報が含められ、通信相手(VoIP端末1)から送信される音声パケットの送り先IPアドレスとして、VoIP端末4のIPアドレスがSDPの中に記述される。
多重制御装置20は、VoIP端末4からOKメッセージ210oを受信すると、ローカルIP網6及びIP基幹網7を介して、そのOKメッセージ210oをOKメッセージ210pとして通信制御装置18に転送する。
通信制御装置18は、多重制御装置20からOKメッセージ210pを受信すると、IP基幹網7及びローカルIP網5を介して、そのOKメッセージ210pをOKメッセージ210qとして多重制御装置19に転送する。
多重制御装置19は、通信制御装置18からOKメッセージ210qを受信すると、そのOKメッセージ210qに含まれているSDPによるセッション情報の書き換えを行う。
即ち、OKメッセージ210qに含まれているSDPによるセッション情報には、通信相手(VoIP端末1)から送信される音声パケットの送り先IPアドレスとして、VoIP端末4のIPアドレスが記述されているので、VoIP端末4のIPアドレスを多重伝送装置10のIPアドレスに書き換える処理を行う。
多重制御装置19は、ローカルIP網5を介して、書換処理後のOKメッセージ210qをOKメッセージ210rとしてVoIP端末1に送信する。
VoIP端末1は、多重制御装置19からOKメッセージ210rを受信すると、OKメッセージ210rを正常に受信できたことを通知するため、ローカルIP網5を介して、ACKメッセージ220kを多重制御装置19に送信する。
このACKメッセージ220kには、SDPによるセッション情報が含められ、通信相手(VoIP端末4)から送信される音声パケットの送り先IPアドレスとして、VoIP端末1のIPアドレスがSDPの中に記述される。
多重制御装置19は、VoIP端末1からACKメッセージ220kを受信すると、ローカルIP網5,IP基幹網7及びローカルIP網6を介して、そのACKメッセージ220kをACKメッセージ220lとして多重制御装置20に転送する。
この実施の形態11では、上述したように、多重制御装置19がINVITEメッセージ200oに自身(多重制御装置19)のIPアドレスを示すRecord−Routeヘッダを追加し、多重制御装置20がINVITEメッセージ200qに自身(多重制御装置20)のIPアドレスを示すRecord−Routeヘッダを追加しているので、多重制御装置19から送信されるACKメッセージ220lは、通信制御装置18を経由せずに、多重制御装置20に送信される。
多重制御装置20は、多重制御装置19からACKメッセージ220lを受信すると、そのACKメッセージ220lに含まれているSDPによるセッション情報の書き換えを行う。
即ち、ACKメッセージ220lに含まれているSDPによるセッション情報には、通信相手(VoIP端末4)から送信される音声パケットの送り先IPアドレスとして、VoIP端末1のIPアドレスが記述されているので、VoIP端末1のIPアドレスを多重伝送装置11のIPアドレスに書き換える処理を行う。
多重制御装置20は、ローカルIP網6を介して、書換処理後のACKメッセージ220lをACKメッセージ220mとしてVoIP端末4に送信する。
以上で明らかなように、この実施の形態11によれば、SDPによるセッション情報の交換が、OKメッセージ210とACKメッセージ220により行われ、かつ、通信制御装置18がRecord−Routeヘッダを追加していない場合でも、多重制御装置19,20がRecord−Routeヘッダを追加し、SDPを含むACKメッセージを強制的に多重制御装置19,20を経由して転送するように構成したので、通信制御装置18がRecord−Routeヘッダを追加するか否かに拘わらず、多重制御装置19,20がVoIP端末1,4間で送受信されるSIPメッセージの中のSDPによるセッション情報を書き換えることができるようになり、その結果、多数のVoIP端末がローカルIP網5,6に接続される場合でも、音声の伝送遅延の増大を招くことなく、IPパケットのオーバーヘッドを低減することができる効果を奏する。
実施の形態12.
この実施の形態12では、VoIP端末間の通話が終了する際の終話処理について説明する。
第17図はこの発明の実施の形態12によるパケット通信システムの通信プロトコルを示すシーケンス図である。
次に動作について説明する。
VoIP端末1の使用者が電話番号をダイヤルしてから、SIPメッセージの交換を経て、VoIP端末1,4間の通信が確立し、音声パケットの送受信を行うまでの処理については、上記実施の形態7と同様であるため説明を省略する。
VoIP端末1,4間の通話が終了し、通話者のいずれか一方、例えば、VoIP端末1の使用者がオンフックして終話の処理を行うと、VoIP端末1は、ローカルIP網5を介して、BYEメッセージ230aを通信制御装置8に送信する。たたし、VoIP端末1から通信制御装置8に対する伝送路上には多重制御装置9が存在するので、VoIP端末1から送信されるBYEメッセージ230aは、通信制御装置8が受信する前に多重制御装置9が受信する。
多重制御装置9は、VoIP端末1からBYEメッセージ230aを受信すると、そのBYEメッセージ230aをBYEメッセージ230bとして通信制御装置8に転送する。
通信制御装置8は、多重制御装置9からBYEメッセージ230bを受信すると、そのBYEメッセージ230bをBYEメッセージ230cとしてVoIP端末4に転送する。ただし、通信制御装置8からVoIP端末4に対する伝送路上には多重制御装置9が存在するので、通信制御装置8から転送されるBYEメッセージ230cは、VoIP端末4が受信する前に多重制御装置9が受信する。
多重制御装置9は、通信制御装置8からBYEメッセージ230cを受信すると、ローカルIP網5,IP基幹網7及びローカルIP網6を介して、そのBYEメッセージ230cをBYEメッセージ230dとしてVoIP端末4に送信する。
VoIP端末4は、多重制御装置9からBYEメッセージ230dを受信すると、そのBYEメッセージ230dを正常に受信できたことを通知するため、ローカルIP網6,IP基幹網7及びローカルIP網5を介して、OKメッセージ240aを通信制御装置8に送信する。ただし、VoIP端末4から通信制御装置8に対する伝送路上には多重制御装置9が存在するので、VoIP端末4から送信されるOKメッセージ240aは、通信制御装置8が受信する前に多重制御装置9が受信する。
多重制御装置9は、VoIP端末4からOKメッセージ240aを受信すると、そのOKメッセージ240aをOKメッセージ240bとして通信制御装置8に転送する。
通信制御装置8は、多重制御装置9からOKメッセージ240bを受信すると、そのOKメッセージ240bをOKメッセージ240cとしてVoIP端末1に転送する。ただし、通信制御装置8からVoIP端末1に対する伝送路上には多重制御装置9が存在するので、通信制御装置8から転送されるOKメッセージ240cは、VoIP端末1か受信する前に多重制御装置9が受信する。
多重制御装置9は、通信制御装置8からOKメッセージ240cを受信すると、ローカルIP網5を介して、そのOKメッセージ240cをOKメッセージ240dとしてVoIP端末1に送信する。
多重制御装置9は、上記のようにして、VoIP端末1から送信されたBYEメッセージ230aを受信すると、VoIP端末1,4間の通話が終了したものと認識し、ローカルIP網5を介して、先に送信した多重化情報300の消去を指示する多重化情報クリア指示320を多重伝送装置10に送信する。
また、ローカルIP網5,IP基幹網7及びローカルIP網6を介して、先に送信した多重化情報310の消去を指示する多重化情報クリア指示330を多重伝送装置11に送信する。
多重伝送装置10は、多重制御装置9から多重化情報クリア指示320を受信すると、内部に保存している多重化情報300、即ち、VoIP端末1,4間で送受信される音声パケットを多重化するために必要なIPアドレスの情報を消去する。
また、多重伝送装置11は、多重制御装置9から多重化情報クリア指示330を受信すると、内部に保存している多重化情報310、即ち、VoIP端末1,4間で送受信される音声パケットを多重化するために必要なIPアドレスの情報を消去する。
以上で明らかなように、この実施の形態12によれば、VoIP端末から送信されるBYEメッセージを受信すると、VoIP端末間の通話が終了したものと認識するように構成したので、VoIP端末間の通話の終了を速やかに検出して多重化情報を消去することができる効果を奏する。
実施の形態13.
上記実施の形態12では、多重制御装置9がVoIP端末1から送信されるBYEメッセージ230aを受信すると、VoIP端末1,4間の通話が終了したものと認識して、多重化情報クリア指示320,330を多重伝送装置10,11に送信するものについて示したが、多重制御装置9がVoIP端末4から送信されるOKメッセージ240aを受信すると、VoIP端末1,4間の通話が終了したものと認識して、多重化情報クリア指示320,330を多重伝送装置10,11に送信するようにしてもよい。
具体的には次の通りである。
第18図はこの発明の実施の形態13によるパケット通信システ厶の通信プロトコルを示すシーケンス図である。
多重制御装置9は、VoIP端末4から送信されたOKメッセージ240aを受信すると、上記実施の形態12と同様に、そのOKメッセージ240aをOKメッセージ240bとして通信制御装置8に転送する。
また、多重制御装置9は、VoIP端末4から送信されたOKメッセージ240aを受信すると、VoIP端末1,4間の通話が終了したものと認識し、ローカルIP網5を介して、先に送信した多重化情報300の消去を指示する多重化情報クリア指示320を多重伝送装置10に送信する。
また、ローカルIP網5,IP基幹網7及びローカルIP網6を介して、先に送信した多重化情報310の消去を指示する多重化情報クリア指示330を多重伝送装置11に送信する。
その他の動作については、上記実施の形態12と同様であるため説明を省略する。
以上で明らかなように、この実施の形態13によれば、BYEメッセージへの応答としてVoIP端末から送信されるOKメッセージを受信したとき、VoIP端末間の通話が終了したものと認識するように構成したので、VoIP端末間の通話の終了を速やかに検出して多重化情報を消去することができる効果を奏する。
実施の形態14.
上記実施の形態12,13では、多重制御装置9がVoIP端末から送信されるBYEメッセージ、または、OKメッセージを受信すると、VoIP端末間の通話が終了したものと認識して、多重化情報クリア指示320,330を多重伝送装置10,11に送信するものについて示したが、これに限るものではなく、次のようにしてもよい。
例えば、多重伝送装置10,11がVoIP端末間で送受信される音声パケットの有無を監視し、その音声パケットの送受信が一定時間以上無い状態が継続すると、内部に保存している多重化情報300,310を消去するようにしてもよい。
以上で明らかなように、この実施の形態14によれば、多重伝送装置10,11がVoIP端末間で送受信される音声パケットの有無を監視し、その音声パケットの送受信が一定時間以上無い状態が継続すると、内部に保存している多重化情報300,310を消去するように構成したので、多重制御装置9から送信される多重化情報クリア指示320,330を受信することなく、内部に保存している多重化情報300,310を消去することができる。そのため、多重制御装置9と多重伝送装置10,11間のメッセージ量を低減することができる効果を奏する。
実施の形態1.
第1図はこの発明の実施の形態1によるパケット通信システ厶を示す構成図である。図において、VoIP端末1〜4は電話機やファクシミリなどの端末装置であり、VoIP端末1,2はローカルIP網5に接続され、VoIP端末3,4はローカルIP網6に接続されている。なお、ローカルIP網5とローカルIP網6はIP基幹網7に接続されている。
通信制御装置8は例えばVoIP端末1から宛先電話番号(例えば、VoIP端末4の電話番号)を含む接続要求を受信すると、その宛先電話番号に対応するIPアドレスを検索し、その検索結果を多重制御装置9に出力する。多重制御装置9は通信制御装置8により検索されたIPアドレスに係るVoIP端末4を管轄する多重伝送装置11と、接続要求の送信元のVoIP端末1を管轄する多重伝送装置10を特定し、多重伝送装置11に対して多重伝送装置10のIPアドレスとVoIP端末1のIPアドレスを通知するとともに、多重伝送装置10に対して多重伝送装置11のIPアドレスとVoIP端末4のIPアドレスを通知する。
多重伝送装置10はVoIP端末1,2からIPパケットを受信すると、複数のIPパケットを多重化して多重伝送装置11に送信する一方、多重伝送装置11から多重化されたIPパケットを受信すると、多重化されたIPパケットを分解してVoIP端末1,2に送信する。多重伝送装置11はVoIP端末3,4からIPパケットを受信すると、複数のIPパケットを多重化して多重伝送装置10に送信する一方、多重伝送装置10から多重化されたIPパケットを受信すると、多重化されたIPパケットを分解してVoIP端未3,4に送信する。
次に動作について説明する。
例えば、VoIP端末1の使用者がVoIP端末4の電話番号をダイヤルすると、VoIP端末1は、宛先電話番号(VoIP端末4の電話番号)を含む接続要求パケット(制御パケット)を多重制御装置9に送信する。
多重制御装置9は、VoIP端末1から宛先電話番号(VoIP端末4の電話番号)を含む接続要求パケットを受信すると、その接続要求パケットを通信制御装置8に転送するとともに、その接続要求パケットを一時的に保存する。
通信制御装置8は、多重制御装置9から宛先電話番号(VoIP端末4の電話番号)を含む接続要求パケットを受信すると、VoIP端末4の電話番号に対応するIPアドレスを検索し、その検索結果を多重制御装置9に返信する。
なお、通信制御装置8は、ローカルIP網5,6に接続されているVoIP端末1〜4の電話番号とIPアドレスを管理している。
多重制御装置9は、通信制御装置8により検索されたIPアドレスを受けると、そのIPアドレスを参照して、宛先であるVoIP端末4を管轄する多重伝送装置11を特定し、また、接続要求パケットの送信元のVoIP端末1を管轄する多重伝送装置10を特定する。
そして、多重制御装置9は、VoIP端末1から受信した接続要求パケットにVoIP端末4を管轄する多重伝送装置11のIPアドレスを含めて(接続要求パケットに元々含まれているVoIP端末1のIPアドレスを多重伝送装置11のIPアドレスに書き換える)、その接続要求パケットをVoIP端末4に送信する。
VoIP端末4は、多重制御装置9から接続要求パケットを受信すると、現在接続可能な状態にあれば(例えば、他のVoIP端末と通信していない状態)、接続許可パケット(制御パケット)を多重制御装置9に送信する。
多重制御装置9は、VoIP端末4から接続許可パケットを受信すると、その接続許可パケットを通信制御装置8に転送する。
そして、多重制御装置9は、VoIP端末4から受信した接続許可パケットに接続要求元のVoIP端末1を管轄する多重伝送装置10のIPアドレスを含めて(接続許可パケットに元々含まれているVoIP端末4のIPアドレスを多重伝送装置10のIPアドレスに書き換える)、その接続許可パケットをVoIP端末1に送信する。
多重制御装置9は、上記のようにして接続許可パケットをVoIP端末1に送信すると、多重化情報を多重伝送装置10,11に送信する。
即ち、多重伝送装置10には、多重化情報として、IPパケットの送信元であるVoIP端末1のIPアドレスと、多重化したパケットの送信先である多重伝送装置11のIPアドレスと、最終的な転送先であるVoIP端末4のIPアドレスとを通知する。
また、多重伝送装置11には、多重化情報として、IPパケットの送信元であるVoIP端末4のIPアドレスと、多重化したパケットの送信先である多重伝送装置10のIPアドレスと、最終的な転送先であるVoIP端末1のIPアドレスとを通知する。
VoIP端末1は、多重制御装置9から多重伝送装置10のIPアドレスを含む接続許可パケットを受信すると、通信の確立を認識するとともに、音声パケットの送信先が多重伝送装置10であると認識して、以降、音声パケットを多重伝送装置10に送信する。
多重伝送装置10は、VoIP端末1から音声パケットを受信すると、その音声パケットを多重化する。ただし、VoIP端末1以外のVoIP端末(例えば、VoIP端末2)からも音声パケットを受信すると、複数の音声パケットからショートパケットを抜き出して、宛先多重伝送装置が同じであるショートパケットを集め、それらのショートパケットを再度多重化してIPパケット化する。
ただし、第1図の例では、多重伝送装置10以外には、多重伝送装置11が存在するだけであるため、複数の音声パケットから抜き出したショートパケットの宛先多重伝送装置は、すべて多重伝送装置11になる。仮に、多重伝送装置10以外に、複数の多重伝送装置が存在する場合、それらの多重伝送装置毎に、宛先多重伝送装置が同じであるショートパケットを集めて再度多重化する。
第2図は多重伝送装置10により多重化されたパケットのフォーマットを示し、そのパケットを構成するショートパケットのヘッダには、宛先VoIP端末アドレス、シリアル番号、符号化タイプが付けられる。宛先VoIP端末アドレスは最終的な転送先であるVoIP端末4のIPアドレスであり、シリアル番号には、同じ転送先のショートパケットに対して1ずつ増加する数値が付与され、ショートパケットの損失の検出に用いられる。符号化タイプは音声データの符号化方式の種別がコード化されたものである。
そして、多重伝送装置10は、多重制御装置9から送信された多重化情報を参照して、多重化したパケットの送信先である多重伝送装置11のIPアドレスを認識し、多重化したパケットを多重伝送装置11に送信する。
多重伝送装置11は、多重伝送装置10から多重化されたパケットを受信すると、多重化されたパケットを分解して音声パケットを抜き出し、また、多重制御装置9から送信された多重化情報を参照して、音声パケットの最終的な転送先であるVoIP端末4のIPアドレスを認識する。
そして、多重伝送装置11は、その音声パケットを最終的な転送先であるVoIP端末4に送信する。
一方、VoIP端末4は、接続許可パケットを多重制御装置9に送信すると、音声パケットの送信先が多重伝送装置11であると認識して、以降、音声パケットを多重伝送装置11に送信する。
多重伝送装置11は、VoIP端末4から音声パケットを受信すると、その音声パケットを多重化する。ただし、VoIP端末4以外のVoIP端末(例えば、VoIP端末3)からも音声パケットを受信すると、複数の音声パケットからショートパケットを抜き出して、宛先多重伝送装置が同じであるショートパケットを集め、それらのショートパケットを再度多重化してIPパケット化する。
ただし、第1図の例では、多重伝送装置11以外には、多重伝送装置10が存在するだけであるため、複数の音声パケットから抜き出したショートパケットの宛先多重伝送装置は、すべて多重伝送装置10になる。仮に、多重伝送装置11以外に、複数の多重伝送装置が存在する場合、それらの多重伝送装置毎に、宛先多重伝送装置が同じであるショートパケットを集めて再度多重化する。
そして、多重伝送装置11は、多重制御装置9から送信された多重化情報を参照して、多重化したパケットの送信先である多重伝送装置10のIPアドレスを認識し、多重化したパケットを多重伝送装置10に送信する。
多重伝送装置10は、多重伝送装置11から多重化されたパケットを受信すると、多重化されたパケットを分解して音声パケットを抜き出し、また、多重制御装置9から送信された多重化情報を参照して、音声パケットの最終的な転送先であるVoIP端末1のIPアドレスを認識する。
そして、多重伝送装置10は、その音声パケットを最終的な転送先であるVoIP端末1に送信する。
これにより、VoIP端末1とVoIP端末4間のパケット通信が確立するが、このようなパケット通信を確立させるには、多重制御装置9がVoIP端末1〜4と多重伝送装置10,11の対応関係を予め認識している必要がある。このため、多重伝送装置10,11をネットワーク上に設置する際、VoIP端末1〜4のIPアドレスと多重伝送装置10,11のIPアドレスが多重制御装置9に設定される。
ここで、全てのVoIP端末1〜4のIPアドレスについて、接続先の多重伝送装置10,11のIPアドレスとの対応を設定することも不可能ではないが、この実施の形態1では、次のような方法で対応関係を設定する。
例えば、ローカルIP網5に接続されるVoIP端末1,2のIPアドレスを“a.b.c.0”〜“a.b.c.255”の範囲に設定し、ローカルIP網6に接続されるVoIP端末3,4のIPアドレスを“d.e.f.0”〜“d.e.f.255”の範囲に設定する。ただし、a、b、c、d、e、fはIPアドレスの上位3バイト分を規定するものであり、下位1バイトは“0”から“255”の範囲の整数であるとする。
このように、VoIP端末1〜4のIPアドレスを設定すれば、IPアドレスが“a.b.c.0”〜“a.b.c.255”の範囲にあるVoIP端末1,2は多重伝送装置10に対応し、IPアドレスが“d.e.f.0”〜“d.e.f.255”の範囲にあるVoIP端末3,4は多重伝送装置11に対応することを直ちに判別することができる。
この場合、多重制御装置9は、VoIP端末1〜4のIPアドレスから対応する多重伝送装置10,11を簡単に検索することができる。
なお、この実施の形態1では、VoIP端末1とVoIP端末4がパケットを送受信するものについて示したが、例えば、VoIP端末1とVoIP端末2がパケットを送受信する場合のように、同一の多重伝送装置10によって管轄されるVoIP端末間でパケットの送受信を行う場合、多重制御装置9は、多重伝送装置10,11に対する多重化情報の送信を行わない。このような場合、VoIP端末1とVoIP端末2は、多重伝送装置10,11を介さずに、直接音声パケットの通信を行うようにする。
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、あるVoIP端末から宛先電話番号を含む接続要求を受信すると、その宛先電話番号に対応するIPアドレスを検索する通信制御装置8と、その通信制御装置8により検索されたIPアドレスに係るVoIP端末を管轄する多重伝送装置11又は10と接続要求の送信元のVoIP端末を管轄する多重伝送装置10又は11を特定し、双方の多重伝送装置10,11に対して相手方の多重伝送装置11,10及びVoIP端末のIPアドレスを通知する多重制御装置9とを設けるように構成したので、多数のVoIP端末がネットワークに接続される場合でも、音声の伝送遅延の増大を招くことなく、IPパケットのオーバーヘッドを低減することができる効果を奏する。
即ち、VoIP端末1〜4は、ネットワークに接続されている他のVoIP端末のIPアドレスを記憶しておく必要がないので、多数のVoIP端末がネットワークに接続される場合でも、多重伝送装置11,10経由のパケット多重伝送を実施することができる。そのため、音声の伝送遅延の増大を招くことなく、IPパケットのオーバーヘッドを低減することができる。
この実施の形態1によれば、複数のパケットを多重化する際、そのパケット内のペイロードを複数のショートパケットから構成し、そのショートパケットのヘッダに宛先の端末装置のアドレス、シリアル番号や音声符号化方式の識別情報を含めるように構成しているので、既存のVoIPシグナリングプロトコルを適用することができる効果を奏する。
なお、音声通話パスの接続方式や、VoIP端末と通信制御装置8間で交換されるメッセージ形式は、VoIPシグナリングと呼ばれる通信制御方式を利用するが、インターネットに関わる標準化団体であるIETF(Internet Engineering Task Force)によって、その通信制御方式の標準化が行われている。その例としては、VoIPに関わる通信制御全般について記述されたSIP(Session Initiate Protocol)や、通信制御装置8がVoIP端末やゲートウェイを制御するプロトコルであるMEGACO(MEdia GAteway COntrol protocol)などの標準が存在する。したがって、SIPやMEGACOなどのプロトコルを適用することができる。
この実施の形態1によれば、通信制御装置8により検索されたIPアドレスに係るVoIP端末を管轄する多重伝送装置と、接続要求の送信元のVoIP端末を管轄する多重伝送装置とが同一の多重伝送装置である場合、その多重伝送装置に対するIPアドレスの通知を行わず、通信対象のVoIP端末間で直接パケットの通信を行わせるように構成したので、同一のローカルIP網に接続されているVoIP端末間のパケット通信の効率化を図ることができる効果を奏する。
この実施の形態1によれば、多重伝送装置がネットワークに接続される際、その多重伝送装置のIPアドレスと、その多重伝送装置が管轄するVoIP端末のIPアドレスとを多重制御装置9に設定するように構成したので、ネットワークに接続されている全てのVoIP端末間のパケット通信を確立することができる効果を奏する。
この実施の形態1によれば、多重伝送装置のIPアドレスの上位アドレスと、VoIP端末のIPアドレスの上位アドレスとを共通化するように構成したので、VoIP端末のIPアドレスから対応する多重伝送装置を簡単に検索することができる効果を奏する。
実施の形態2.
第3図はこの発明の実施の形態2によるパケット通信システムを示す構成図であり、図において、第1図と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
通信制御装置12は例えばVoIP端末1からVoIP端末2の電話番号を含む接続要求を受信すると、VoIP端末2のIPアドレスを検索し、VoIP端末3,4の電話番号を含む接続要求を受信すると、VoIP端末3,4を管轄する通信制御装置13のIPアドレスを検索する。通信制御装置13は例えばVoIP端末3からVoIP端末4の電話番号を含む接続要求を受信すると、VoIP端末4のIPアドレスを検索し、VoIP端末1,2の電話番号を含む接続要求を受信すると、VoIP端末1,2を管轄する通信制御装置12のIPアドレスを検索する。
多重制御装置14は通信制御装置12が通信制御装置13のIPアドレスを検索すると、その通信制御装置13に対応する多重伝送装置11と、接続要求の送信元のVoIP端末1を管轄する多重伝送装置10を特定し、多重伝送装置10に対して多重伝送装置11のIPアドレスとVoIP端末4のIPアドレスを通知する。多重制御装置15は通信制御装置13が通信制御装置12のIPアドレスを検索すると、その通信制御装置12に対応する多重伝送装置10と、接続要求の送信元のVoIP端末3を管轄する多重伝送装置11を特定し、多重伝送装置11に対して多重伝送装置10のIPアドレスとVoIP端末1のIPアドレスを通知する。
次に動作について説明する。
例えば、VoIP端末1の使用者がVoIP端末4の電話番号をダイヤルすると、VoIP端末1は、宛先電話番号(VoIP端末4の電話番号)を含む接続要求パケットを多重制御装置14に送信する。
多重制御装置14は、VoIP端末1から宛先電話番号(VoIP端末4の電話番号)を含む接続要求パケットを受信すると、その接続要求パケットを通信制御装置12に転送するとともに、その接続要求パケットを一時的に保存する。
通信制御装置12は、多重制御装置14から宛先電話番号(VoIP端末4の電話番号)を含む接続要求パケットを受信すると、VoIP端末4の電話番号に対応するIPアドレスを検索する。即ち、通信制御装置12は、VoIP端末4が自己が管轄するVoIP端末ではないので、VoIP端末4を管轄する通信制御装置13のIPアドレスを検索し、その検索結果を多重制御装置14に返信する。
ただし、宛先電話番号が自己が管轄するVoIP端末(例えば、VoIP端末2)の電話番号である場合には、そのVoIP端末2のIPアドレスを検索し、その検索結果を送信先であるVoIP端末2に送信する。
なお、通信制御装置12は、ローカルIP網5,6に接続されているVoIP端末1〜4の電話番号及びIPアドレスと、通信制御装置13のIPアドレスを管理している。
多重制御装置14は、通信制御装置12から通信制御装置13のIPアドレスを受けると、その通信制御装置13に対応する多重伝送装置11を特定し、また、接続要求パケットの送信元のVoIP端末1を管轄する多重伝送装置10を特定する。
そして、多重制御装置14は、VoIP端末1から受信した接続要求パケットに送信元のVoIP端末1を管轄する多重伝送装置10のIPアドレスを含めて、その接続要求パケットを多重制御装置15に送信する。
なお、多重制御装置14は、通信制御装置13を管轄する多重制御装置15のIPアドレスを予め認識している。
多重制御装置15は、多重制御装置14から多重伝送装置10のIPアドレスを含む接続要求パケットを受信すると、その多重伝送装置10のIPアドレスを一時的に保存する一方、その接続要求パケットから多重伝送装置10のIPアドレスを削除して、削除後の接続要求パケットを通信制御装置13に送信する。
通信制御装置13は、多重制御装置15から宛先電話番号(VoIP端末4の電話番号)を含む接続要求パケットを受信すると、VoIP端末4の電話番号に対応するIPアドレスを検索する。
多重制御装置15は、通信制御装置13により検索されたIPアドレスを受けると、そのIPアドレスを参照して、宛先であるVoIP端末4を管轄する多重伝送装置11を特定し、また、接続要求パケットの送信元のVoIP端末1を管轄する多重伝送装置10を特定する。
そして、多重制御装置15は、多重制御装置14から受信した接続要求パケットにVoIP端末4を管轄する多重伝送装置11のIPアドレスを含めて(接続要求パケットに元々含まれているVoIP端末1のIPアドレスを多重伝送装置11のIPアドレスに書き換える)、その接続要求パケットをVoIP端末4に送信する。
VoIP端末4は、多重制御装置15から接続要求パケットを受信すると、現在接続可能な状態にあれば(例えば、他のVoIP端末と通信していない状態)、接続許可パケットを多重制御装置15に送信する。
多重制御装置15は、VoIP端末4から接続許可パケットを受信すると、その接続許可パケットを通信制御装置13に転送し、また、VoIP端末4を管轄する多重伝送装置11のIPアドレスを接続許可パケットに含めて多重制御装置14に転送する。
多重制御装置14は、多重制御装置15から多重伝送装置11のIPアドレスを含む接続許可パケットを受信すると、その多重伝送装置11のIPアドレスを一時的に保存する一方、その接続許可パケットから多重伝送装置11のIPアドレスを削除して、削除後の接続要求パケットを通信制御装置12に送信する。
そして、多重制御装置14は、多重制御装置15から受信した接続許可パケットに接続要求元のVoIP端末1を管轄する多重伝送装置10のIPアドレスを含めて(接続許可パケットに元々含まれているVoIP端末4のIPアドレスを多重伝送装置10のIPアドレスに書き換える)、その接続許可パケットをVoIP端末1に送信する。
多重制御装置14は、上記のようにして接続許可パケットをVoIP端末1に送信すると、多重化情報を多重伝送装置10に送信する。
即ち、多重伝送装置10には、多重化情報として、IPパケットの送信元であるVoIP端末1のIPアドレスと、多重化したパケットの送信先である多重伝送装置11のIPアドレス(接続許可パケットから抜き出して保存していたIPアドレス)と、最終的な転送先であるVoIP端末4のIPアドレスとを通知する。
また、多重制御装置14は、多重化情報を多重伝送装置11に送信する。
即ち、多重伝送装置11には、多重化情報として、IPパケットの送信元であるVoIP端末4のIPアドレスと、多重化したパケットの送信先である多重伝送装置10のIPアドレス(接続要求パケットから抜き出して保存していたIPアドレス)と、最終的な転送先であるVoIP端末1のIPアドレスとを通知する。
以下、VoIP端末1は、多重伝送装置10,11経由でVoIP端末4とパケットの送受信を実施するが、このパケットの送受信動作は、上記実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
これにより、VoIP端末1とVoIP端末4間のパケット通信が確立するが、このようなパケット通信を確立させるには、多重制御装置14は、VoIP端末1,2と多重伝送装置10との対応関係を予め認識している必要があり、多重制御装置15は、VoIP端末3,4と多重伝送装置11との対応関係を予め認識している必要がある。
このため、多重制御装置14は、多重伝送装置10がネットワーク上に設置される際、VoIP端末1,2のIPアドレスと多重伝送装置10のIPアドレスが設定される。また、多重制御装置15は、多重伝送装置11がネットワーク上に設置される際、VoIP端末3,4のIPアドレスと多重伝送装置11のIPアドレスが設定される。ただし、IPアドレスの設定方法は上記実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
多重制御装置14は、多重制御装置15のIPアドレスを予め認識しておく必要があり、多重制御装置15は、多重制御装置14のIPアドレスを予め認識しておく必要がある。これについては、多重制御装置14,15がネットワーク上に設置される際に設定されるようにする。
なお、この実施の形態2では、VoIP端末1とVoIP端末4がパケットを送受信するものについて示したが、例えば、VoIP端末1とVoIP端末2がパケットを送受信する場合のように、同一の多重伝送装置10によって管轄されるVoIP端末間でパケットの送受信を行う場合、多重制御装置14は、多重伝送装置10に対する多重化情報の送信を行わない。このような場合、VoIP端末1とVoIP端末2は、多重伝送装置10,11を介さずに、直接音声パケットの通信を行うようにする。
以上で明らかなように、この実施の形態2によれば、通信制御装置及び多重制御装置がネットワーク上に複数設置される場合、各通信制御装置は宛先電話番号から他の通信制御装置のアドレスを検索し、各多重制御装置は他の通信制御装置に対応する多重伝送装置と接続要求の送信元の端末装置を管轄する多重伝送装置を特定するように構成したので、通信制御装置及び多重制御装置がネットワーク上に複数設置される場合でも、上記実施の形態1と同様の効果を奏することができる。
実施の形態3.
上記実施の形態2では、各ローカルIP網5,6にはそれぞれ多重制御装置14,15が設置されているものについて示したが、第4図に示すように、ローカルIP網23には多重制御装置が設置されていない場合がある。なお、第4図において、VoIP端末21,22はVoIP端末1と同様のVoIP端末、通信制御装置24は通信制御装置12と同様の通信制御装置、多重伝送装置25は多重伝送装置10と同様の多重伝送装置である。
この実施の形態3では、例えば、VoIP端末1がVoIP端末21,22とパケットの通信を行う場合、多重制御装置14は、VoIP端末1から受信した制御パケット(接続要求パケット、接続許可パケット)に含まれている送信元のVoIP端末1のIPアドレスを自己が管轄する多重伝送装置10のIPアドレスに変更せずに、その制御パケットをVoIP端末21,22に転送するようにする。
具体的には次の通りである。
例えば、VoIP端末1がVoIP端末4とパケットの通信を行う場合には、上記実施の形態2で説明した通りであり、VoIP端末1は、多重伝送装置10,11経由で、VoIP端末4とパケットの通信を行う。
しかし、VoIP端末1がVoIP端末21とパケットの通信を行う場合、多重制御装置14がローカルIP網23側から受信する制御パケットは、ローカルIP網23に多重制御装置が設置されていないため、多重伝送装置25のIPアドレスが付加されていないものになる。このため、多重制御装置14は、自己が管轄する多重伝送装置10に通知する多重化情報を得ることができず、上記実施の形態2のような多重伝送装置経由のパケット通信を行うことができない。
そこで、この実施の形態3では、例えば、VoIP端末1がVoIP端末21,22とパケットの通信を行う場合、多重制御装置14は、VoIP端末1から受信した制御パケット(接続要求パケット接続許可パケット)に含まれている送信元のVoIP端末1のIPアドレスを自己が管轄する多重伝送装置10のIPアドレスに変更せずに、その制御パケットをVoIP端末21,22に転送するようにする。
これにより、VoIP端末1は、多重伝送装置10,25を介さずに、直接VoIP端末21,22とパケットの通信を行うようになる。
この実施の形態3によれば、多重制御装置が設置されていないローカルIP網23に接続されているVoIP端末21,22が通信対象であっても、パケット通信を実施することができる効果を奏する。
実施の形態4.
上記実施の形態3では、ローカルIP網23に多重制御装置が設置されていないものについて示したが、第5図に示すように、新たな多重制御装置26をローカルIP網23に追加するようにしてもよい。
このように、新たな多重制御装置26をローカルIP網23に追加する場合、その多重制御装置26が既存の多重制御装置14,15に対して増設された旨を通知するようにする。
具体的には次の通りである。
多重制御装置26を追加する際には、上述したように、ローカルIP網23に接続されるVoIP端末21,22と多重伝送装置25の対応関係を予め認識している必要があるため、VoIP端末21,22のIPアドレスと多重伝送装置25のIPアドレスが多重制御装置26に設定される。
また、多重制御装置26には、多重制御装置14,15のIPアドレスも設定される。
一方、多重制御装置26が稼動を開始する際には、多重制御装置14,15に対して自装置が追加されたことを通知する。
これにより、多重制御装置14,15は、多重制御装置26がネットワーク内に追加されたことを認識し、多重制御装置26のIPアドレスを取得する。
この実施の形態4によれば、多重制御装置26をネットワークに追加する際、多重制御装置14,15に対する多重制御装置26のIPアドレスの設定を自動的に行うことができる効果を奏する。
実施の形態5.
上記実施の形態1〜4では、端末装置がVoIP端末であるものについて示したが、これに限るものではなく、例えば、端末装置が電話回線を収容するゲートウェイであってもよい。
この場合、多重化されたショートパケットのヘッダには宛先電話回線のチャネル番号が必要となるため、多重伝送装置10,11等が出力するパケットのペイロードは第6図に示すようになる。
実施の形態6.
上記実施の形態1における音声通話パスの接続方式や、VoIP端末と通信制御装置8間で交換されるメッセージ形式は、VoIPシグナリングと呼ばれる通信制御方式を利用している。
この通信制御方式としては、例えばSIPやMEGACOなどのプロトコルを適用することができることを説明したが、この実施の形態6では、特にSIPプロトコルを用いた場合のパケット通信システムの動作について説明する。
まず、この実施の形態6におけるパケット通信システ厶の動作を具体的に説明する前に、SIPによる通信制御の基本的な動作を簡単に説明する。第7図はSIPプロトコルによる通信制御を行う場合のパケット通信システムを示す概略構成図であり、第8図はパケット通信システムの通信プロトコルを示すシーケンス図である。
第7図に示すように、IP網30(第1図のローカル網5,6及びIP基幹網7に相当する)にVoIP端末1とVoIP端末4が接続された構成において、VoIP端末1とVoIP端末4がSIPのプロトコルにしたがって呼接続を行う場合、通信制御装置8を経由したSIPメッセージの送受信が行われる。
SIPプロトコルにより通信制御を行う場合に使用される通信制御装置8はSIPサーバと称され、この通信制御装置8は、VoIP端末間で送受信されるSIPメッセージの転送を行うプロキシサーバの機能と、IPネットワーク上のVoIP端末の位置情報の登録を受け付ける登録サーバの機能とを有する。
まず、VoIP端末1の使用者がVoIP端末1の電源を投入すると、VoIP端末1は、自身のIPアドレスを含むREGISTERメッセージ100(登録メッセージ)を通信制御装置8に送信する。
通信制御装置8は、VoIP端末1からREGISTERメッセージ100を受信すると、REGISTERメッセージ100に含まれているVoIP端末1のIPアドレスを登録する。即ち、VoIP端末1の位置情報を登録する。
また、通信制御装置8は、REGISTERメッセージ100を正常に受信できたことを通知するため、OKメッセージ110をVoIP端末1に送信する。
同様に、VoIP端末4の使用者がVoIP端末4の電源を投入すると、VoIP端末4は、自身のIPアドレスを含むREGISTERメッセージ120を通信制御装置8に送信する。
通信制御装置8は、VoIP端末4からREGISTERメッセージ120を受信すると、REGISTERメッセージ120に含まれているVoIP端末4のIPアドレスを登録する。即ち、VoIP端末4の位置情報を登録する。
また、通信制御装置8は、REGISTERメッセージ120を正常に受信できたことを通知するため、OKメッセージ130をVoIP端末4に送信する。
上記のようにして、VoIP端末1,4の位置情報の登録が完了すると、以後、通信制御装置8は、VoIP端末1,4から送信されたSIPメッセージをVoIP端末4,1に転送することが可能になる。
次に、VoIP端末1の使用者がVoIP端末4との通話を希望し、VoIP端末4の電話番号をダイヤルすると、VoIP端末1は、通話を希望する相手先(VoIP端末4)のIPアドレスを含むINVITEメッセージ200a(接続要求パケット)を通信制御装置8に送信する。
通信制御装置8は、VoIP端末1からINVITEメッセージ200aを受信すると、そのINVITEメッセージ200aをINVITEメッセージ200bとしてVoIP端末4に転送する。
なお、VoIP端末1がINVITEメッセージ200aを通信制御装置8に送信するに際して、VoIP端末4のIPアドレスを知る必要があるが、例えば、VoIP端末1がVoIP端末4の電話番号に対応するIPアドレスをDNSサーバ31に問い合わせることにより、VoIP端末4のIPアドレスを知ることができる。
VoIP端末4は、通信制御装置8からINVITEメッセージ200bを受信すると、INVITEメッセージ200bを正常に受信できたことを通知するため、通話を希望してきた相手先(VoIP端末1)のIPアドレスを含むOKメッセージ210aを通信制御装置8に送信する。
通信制御装置8は、VoIP端末4からOKメッセージ210aを受信すると、そのOKメッセージ210aをOKメッセージ210bとしてVoIP端末1に転送する。
VoIP端末1は、通信制御装置8からOKメッセージ210bを受信すると、OKメッセージ210bを正常に受信できたことを通知するため、ACKメッセージ220をVoIP端末4に送信する。
このACKメッセージ220は、通信制御装置8を経由しないで、直接、VoIP端末4に送信することが可能である。ただし、通信制御装置8がINVITEメッセージ200bをVoIP端末4に送信する際に、通信制御装置8のIPアドレスを示すRecord−Routeヘッダ(メッセージの伝送ルート)をINVITEメッセージ200bに追加することにより、VoIP端末1,4間で送受信される以降のSIPメッセージを、全て通信制御装置8経由で行うような指示がある場合は、この限りでない。
上記のようにして、INVITEメッセージ200、OKメッセージ210、ACKメッセージ220の交換が行われると、VoIP端末1とVoIP端末4の間にセッションが確立して通話可能な状態になり、以後、VoIP端末1とVoIP端末4の間で音声パケット400の送受信が開始される。
なお、このINVITEメッセージ200、OKメッセージ210、ACKメッセージ220の交換において、SIPメッセージの中にSDP(Session Definition Protocol:セッション記述プロトコル)によるセッション情報を含め、VoIP端末1,4間の通信に使用する音声コーデックの種別や、音声パケットの送信先IPアドレスなどの取り決めが行われる。
このSDPによるセッション情報の交換は、INVITEメッセージ200とOKメッセージ210より行われることが一般的であるが、INVITEメッセージ200の中にSDPによるセッション情報を含めない場合、OKメッセージ210とACKメッセージ220の中にSDPによるセッション情報を含めて交換が行われる。
その後、VoIP端末1,4間の通話が終了し、通話者のいずれか一方、例えば、VoIP端末1の使用者がオンフックして終話処理を行うと、VoIP端末1は、BYEメッセージ230をVoIP端末4に送信する。
VoIP端末4は、VoIP端末1からBYEメッセージ230を受信すると、BYEメッセージ230を正常に受信できたことを通知するため、OKメッセージ240をVoIP端末1に送信する。ここまでの動作によりVoIP端末1,4間の通信が終了する。
次に、第1図のパケット通信システムにおいて、通信制御手順としてSIPプロトコルを用いた場合の動作を具体的に説明する。第9図はこの発明の実施の形態6によるパケット通信システ厶の通信プロトコルを示すシーケンス図である。
まず、VoIP端末1の使用者がVoIP端末1の電源を投入すると、VoIP端末1は、ローカルIP網5を介して、自身のIPアドレスを含むREGISTERメッセージ100aを通信制御装置8に送信する。ただし、VoIP端末1から通信制御装置8に対する伝送路上には多重制御装置9が存在するので、VoIP端末1から送信されるREGISTERメッセージ100aは、通信制御装置8が受信する前に多重制御装置9が受信する。
多重制御装置9は、VoIP端末1からREGISTERメッセージ100aを受信すると、そのREGISTERメッセージ100aをREGISTERメッセージ100bとして通信制御装置8に転送する。
通信制御装置8は、多重制御装置9からREGISTERメッセージ100bを受信すると、REGISTERメッセージ100bに含まれているVoIP端末1のIPアドレスを登録する。即ち、VoIP端末1の位置情報を登録する。
また、通信制御装置8は、REGISTERメッセージ100bを正常に受信できたことを通知するため、OKメッセージ110aをVoIP端末1に送信する。ただし、通信制御装置8からVoIP端末1に対する伝送路上には多重制御装置9が存在するので、通信制御装置8から送信されるOKメッセージ110aは、VoIP端末1が受信する前に多重制御装置9が受信する。
多重制御装置9は、通信制御装置8からOKメッセージ110aを受信すると、ローカルIP網5を介して、そのOKメッセージ110aをOKメッセージ110bとしてVoIP端末1に転送する。
同様に、VoIP端末4の使用者がVoIP端末4の電源を投入すると、VoIP端末4は、ローカルIP網6、IP基幹網7及びローカルIP網5を介して、自身のIPアドレスを含むREGISTERメッセージ120aを通信制御装置8に送信する。ただし、VoIP端末4から通信制御装置8に対する伝送路上には多重制御装置9が存在するので、VoIP端末4から送信されるREGISTERメッセージ120aは、通信制御装置8が受信する前に多重制御装置9が受信する。
多重制御装置9は、VoIP端末4からREGISTERメッセージ120aを受信すると、そのREGISTERメッセージ120aをREGISTERメッセージ120bとして通信制御装置8に転送する。
通信制御装置8は、多重制御装置9からREGISTERメッセージ120bを受信すると、REGISTERメッセージ120bに含まれているVoIP端末4のIPアドレスを登録する。即ち、VoIP端末4の位置情報を登録する。
また、通信制御装置8は、REGISTERメッセージ120bを正常に受信できたことを通知するため、OKメッセージ130aをVoIP端末4に送信する。ただし、通信制御装置8からVoIP端末4に対する伝送路上には多重制御装置9が存在するので、通信制御装置8から送信されるOKメッセージ130aは、VoIP端末4が受信する前に多重制御装置9が受信する。
多重制御装置9は、通信制御装置8からOKメッセージ130aを受信すると、ローカルIP網5、IP基幹網7及びローカルIP網6を介して、そのOKメッセージ130aをOKメッセージ130bとしてVoIP端末4に転送する。
上記のようにして、VoIP端末1,4の位置情報の登録が完了すると、以後、通信制御装置8は、VoIP端末1,4から送信されたSIPメッセージをVoIP端末4,1に転送することが可能になる。
次に、VoIP端末1の使用者がVoIP端末4との通話を希望し、VoIP端末4の電話番号をダイヤルすると、VoIP端末1は、ローカルIP網5を介して、通話を希望する相手先(VoIP端末4)のIPアドレスを含むINVITEメッセージ200cを通信制御装置8に送信する。ただし、VoIP端末1から通信制御装置8に対する伝送路上には多重制御装置9が存在するので、VoIP端末1から送信されるINVITEメッセージ200cは、通信制御装置8が受信する前に多重制御装置9が受信する。
このINVITEメッセージ200cには、SDPによるセッション情報が含められ、通信相手(VoIP端末4)から送信される音声パケットの送り先IPアドレスとして、VoIP端末1のIPアドレスがSDPの中に記述される。
多重制御装置9は、VoIP端末1からINVITEメッセージ200cを受信すると、そのINVITEメッセージ200cをINVITEメッセージ200dとして通信制御装置8に転送する。
通信制御装置8は、多重制御装置9からINVITEメッセージ200dを受信すると、そのINVITEメッセージ200dをINVITEメッセージ200eとしてVoIP端末4に転送する。ただし、通信制御装置8からVoIP端末4に対する伝送路上には多重制御装置9が存在するので、通信制御装置8から転送されるINVITEメッセージ200eは、VoIP端末4が受信する前に多重制御装置9が受信する。
ここでは、INVITEメッセージ200eを転送する際に、通信制御装置8のIPアドレスを示すRecord−RouteヘッダをINVITEメッセージ200eに追加しないものとする。
多重制御装置9は、通信制御装置8からINVITEメッセージ200eを受信すると、そのINVITEメッセージ200eに含まれているSDPによるセッション情報の書き換えを行う。
即ち、INVITEメッセージ200eに含まれているSDPによるセッション情報には、通信相手(VoIP端末4)から送信される音声パケットの送り先IPアドレスとして、VoIP端末1のIPアドレスが記述されているので、VoIP端末1のIPアドレスを多重伝送装置11のIPアドレスに書き換える処理を行う。
多重制御装置9は、ローカルIP網5、IP基幹網7及びローカルIP網6を介して、書換処理後のINVITEメッセージ200eをINVITEメッセージ200fとしてVoIP端末4に送信する。
VoIP端末4は、多重制御装置9からINVITEメッセージ200fを受信すると、INVITEメッセージ200fを正常に受信できたことを通知するため、ローカルIP網6、IP基幹網7及びローカルIP網5を介して、通話を希望してきた相手先(VoIP端末1)のIPアドレスを含むOKメッセージ210cを通信制御装置8に送信する。ただし、VoIP端末4から通信制御装置8に対する伝送路上には多重制御装置9が存在するので、VoIP端末4から送信されるOKメッセージ210cは、通信制御装置8が受信する前に多重制御装置9が受信する。
このOKメッセージ210cには、SDPによるセッション情報が含められ、通信相手(VoIP端末1)から送信される音声パケットの送り先IPアドレスとして、VoIP端末4のIPアドレスがSDPの中に記述される。
多重制御装置9は、VoIP端末4からOKメッセージ210cを受信すると、そのOKメッセージ210cをOKメッセージ210dとして通信制御装置8に転送する。
通信制御装置8は、多重制御装置9からOKメッセージ210dを受信すると、そのOKメッセージ210dをOKメッセージ210eとしてVoIP端末1に転送する。ただし、通信制御装置8からVoIP端末1に対する伝送路上には多重制御装置9が存在するので、通信制御装置8から転送されるOKメッセージ210eは、VoIP端末1が受信する前に多重制御装置9が受信する。
多重制御装置9は、通信制御装置8からOKメッセージ210eを受信すると、そのOKメッセージ210eに含まれているSDPによるセッション情報の書き換えを行う。
即ち、OKメッセージ210eに含まれているSDPによるセッション情報には、通信相手(VoIP端末1)から送信される音声パケットの送り先IPアドレスとして、VoIP端末4のIPアドレスが記述されているので、VoIP端末4のIPアドレスを多重伝送装置10のIPアドレスに書き換える処理を行う。
多重制御装置9は、ローカルIP網5を介して、書換処理後のOKメッセージ210eをOKメッセージ210fとしてVoIP端末1に送信する。
また、多重制御装置9は、OKメッセージ210fをVoIP端末1に送信すると、ローカルIP網5を介して、多重化情報300を多重伝送装置10に送信し、ローカルIP網5、IP基幹網7及びローカルIP網6を介して、多重化情報310を多重伝送装置11に送信する。
ここで、多重伝送装置10に送信される多重化情報300には、IPパケットの送信元であるVoIP端末1のIPアドレスと、多重化されたIPパケットの送信先である多重伝送装置11のIPアドレスと、最終的な転送先であるVoIP端末4のIPアドレスとが含まれている。
また、多重伝送装置11に送信される多重化情報310には、IPパケットの送信元であるVoIP端末4のIPアドレスと、多重化されたIPパケットの送信先である多重伝送装置10のIPアドレスと、最終的な転送先であるVoIP端末1のIPアドレスとが含まれている。
VoIP端末1は、多重制御装置9からOKメッセージ210fを受信すると、OKメッセージ210fを正常に受信できたことを通知するため、ACKメッセージ220をVoIP端末4に送信する。
上述したように、通信制御装置8がINVITEメッセージ200eを転送する際に、通信制御装置8のIPアドレスを示すRecord−RouteヘッダをINVITEメッセージ200eに追加していないので、このACKメッセージ220は、通信制御装置8を経由しないで、直接、VoIP端末4に送信される。
上記のようにして、ACKメッセージ220の送信が完了した時点で、VoIP端末1,4が通信の確立を認識するが、多重制御装置9がOKメッセージ210eに含まれているSDPによるセッション情報の書き換えを行っているため、VoIP端末1は、音声パケットの送信先が多重伝送装置10であると認識して、以降、音声パケットを多重伝送装置10に送信する。
多重伝送装置10は、VoIP端末1から音声パケットを受信すると、その音声パケットを多重化する。ただし、VoIP端末1以外のVoIP端末(例えば、VoIP端末2)からも音声パケットを受信すると、複数の音声パケットからショートパケットを抜き出して、宛先多重伝送装置が同じであるショートパケットを集め、それらのショートパケットを再度多重化してIPパケット化する。
同様に、多重制御装置9がINVITEメッセージ200eに含まれているSDPによるセッション情報の書き換えを行っているため、VoIP端末4は、音声パケットの送信先が多重伝送装置11であると認識して、以降、音声パケットを多重伝送装置11に送信する。
多重伝送装置11は、VoIP端末4から音声パケットを受信すると、その音声パケットを多重化する。ただし、VoIP端末4以外のVoIP端末(例えば、VoIP端末3)からも音声パケットを受信すると、複数の音声パケットからショートパケットを抜き出して、宛先多重伝送装置が同じであるショートパケットを集め、それらのショートパケットを再度多重化してIPパケット化する。
以上で明らかなように、この実施の形態6によれば、多重制御装置9がVoIP端末1,4間で送受信されるSIPメッセージの中のSDPによるセッション情報を書き換え、VoIP端末1,4から送信される音声パケットの送信先が多重伝送装置10,11であると認識させるように構成したので、多重伝送装置10,11において音声パケットを多重化することができるようになり、その結果、多数のVoIP端末がローカルIP網5,6に接続される場合でも、音声の伝送遅延の増大を招くことなく、IPパケットのオーバーヘッドを低減することができる効果を奏する。
実施の形態7.
上記実施の形態6では、SDPによるセッション情報の交換が、INVITEメッセージ200とOKメッセージ210により行われる場合について説明したが、INVITEメッセージ200の中にSDPによるセッション情報を含めずに、OKメッセージ210とACKメッセージ220により、SDPによるセッション情報の交換が行われるようにしてもよい。
この場合、通信制御装置8がINVITEメッセージ200eを転送する際に、Record−RouteヘッダをINVITEメッセージ200eに追加していないと、ACKメッセージ220が通信制御装置8を経由しないで、直接、VoIP端末4に送信されるため、多重制御装置9がACKメッセージ220に含まれているSDPによるセッション情報の書き換えを行うことができず、多重伝送装置10,11において音声パケットを多重化することができない。
このため、上記実施の形態6によるパケット通信システムにおいては、使用するVoIP端末、または、通信制御装置8の仕様を限定する必要がある。
そこで、この発明の実施の形態7では、SDPによるセッション情報の交換が、OKメッセージ210とACKメッセージ220により行われ、かつ、通信制御装置8がRecord−Routeヘッダを追加していない場合でも、多重伝送装置10,11において音声パケットを多重化することができるようにしている。
第10図はこの発明の実施の形態7によるパケット通信システムの通信プロトコルを示すシーケンス図である。
次に動作について説明する。
最初に、VoIP端末1,4は、通信制御装置8との間でREGISTERメッセージやOKメッセージの交換を行うことにより、通信制御装置8に対して位置情報の登録を行うが、この位置情報の登録の動作は上記実施の形態6と同様であるため説明を省略する。
次に、VoIP端末1の使用者がVoIP端末4との通話を希望し、VoIP端末4の電話番号をダイヤルすると、VoIP端末1は、ローカルIP網5を介して、通話を希望する相手先(VoIP端末4)のIPアドレスを含むINVITEメッセージ200gを通信制御装置8に送信する。ただし、VoIP端末1から通信制御装置8に対する伝送路上には多重制御装置9が存在するので、VoIP端末1から送信されるINVITEメッセージ200gは、通信制御装置8が受信する前に多重制御装置9が受信する。
このINVITEメッセージ200gには、SDPによるセッション情報が含められないものとする。
多重制御装置9は、VoIP端末1からINVITEメッセージ200gを受信すると、そのINVITEメッセージ200gをINVITEメッセージ200hとして通信制御装置8に転送する。
通信制御装置8は、多重制御装置9からINVITEメッセージ200hを受信すると、そのINVITEメッセージ200hをINVITEメッセージ200iとしてVoIP端末4に転送する。ただし、通信制御装置8からVoIP端末4に対する伝送路上には多重制御装置9が存在するので、通信制御装置8から転送されるINVITEメッセージ200iは、VoIP端末4が受信する前に多重制御装置9が受信する。
多重制御装置9は、通信制御装置8からINVITEメッセージ200iを受信すると、通信制御装置8のIPアドレスを示すRecord−Routeヘッダを必要に応じてINVITEメッセージ200iに追加する。
即ち、多重制御装置9は、INVITEメッセージ200iを解析して、通信制御装置8のアドレスを示すRecord−Routeヘッダの有無を調査し、そのRecord−Routeヘッダがあれば、通信制御装置8によりRecord−Routeヘッダが追加されたものと判断して、そのヘッダの追加処理を行わないが、そのRecord−Routeヘッダがなければ、通信制御装置8のIPアドレスを示すRecord−RouteヘッダをINVITEメッセージ200iに追加する。
多重制御装置9は、ローカルIP網5、IP基幹網7及びローカルIP網6を介して、Record−Routeヘッダを含むINVITEメッセージ200iをINVITEメッセージ200jとしてVoIP端末4に転送する。
VoIP端末4は、多重制御装置9からINVITEメッセージ200jを受信すると、INVITEメッセージ200jを正常に受信できたことを通知するため、ローカルIP網6、IP基幹網7及びローカルIP網5を介して、通話を希望してきた相手先(VoIP端末1)のIPアドレスを含むOKメッセージ210gを通信制御装置8に送信する。ただし、VoIP端末4から通信制御装置8に対する伝送路上には多重制御装置9が存在するので、VoIP端末4から送信されるOKメッセージ210gは、通信制御装置8が受信する前に多重制御装置9が受信する。
このOKメッセージ210gには、SDPによるセッション情報が含められ、通信相手(VoIP端末1)から送信される音声パケットの送り先IPアドレスとして、VoIP端末4のIPアドレスがSDPの中に記述される。
多重制御装置9は、VoIP端末4からOKメッセージ210gを受信すると、そのOKメッセージ210gをOKメッセージ210hとして通信制御装置8に転送する。
通信制御装置8は、多重制御装置9からOKメッセージ210hを受信すると、そのOKメッセージ210hをOKメッセージ210iとしてVoIP端末1に転送する。ただし、通信制御装置8からVoIP端末1に対する伝送路上には多重制御装置9が存在するので、通信制御装置8から転送されるOKメッセージ210iは、VoIP端末1が受信する前に多重制御装置9が受信する。
多重制御装置9は、通信制御装置8からOKメッセージ210iを受信すると、そのOKメッセージ210iに含まれているSDPによるセッション情報の書き換えを行う。
即ち、OKメッセージ210iに含まれているSDPによるセッション情報には、通信相手(VoIP端末1)から送信される音声パケットの送り先IPアドレスとして、VoIP端末4のIPアドレスが記述されているので、VoIP端末4のIPアドレスを多重伝送装置10のIPアドレスに書き換える処理を行う。
多重制御装置9は、ローカルIP網5を介して、書換処理後のOKメッセージ210iをOKメッセージ210jとしてVoIP端末1に送信する。
VoIP端末1は、多重制御装置9からOKメッセージ210jを受信すると、OKメッセージ210jを正常に受信できたことを通知するため、ローカルIP網5を介して、ACKメッセージ220eを通信制御装置8に送信する。ただし、VoIP端末1から通信制御装置8に対する伝送路上には多重制御装置9が存在するので、VoIP端末1から送信されるACKメッセージ220eは、通信制御装置8が受信する前に多重制御装置9が受信する。
このACKメッセージ220eには、SDPによるセッション情報が含められ、通信相手(VoIP端末4)から送信される音声パケットの送り先IPアドレスとして、VoIP端末1のIPアドレスがSDPの中に記述される。
多重制御装置9は、VoIP端末1からACKメッセージ220eを受信すると、そのACKメッセージ220eをACKメッセージ220fとして通信制御装置8に転送する。
この実施の形態7では、通信制御装置8がRecord−Routeヘッダを追加していない場合には、多重制御装置9がRecord−RouteヘッダをINVITEメッセージ200iに追加するようにしているので、ACKメッセージ220は、通信制御装置8経由でVoIP端末4に送信されることになる。
通信制御装置8は、多重制御装置9からACKメッセージ220fを受信すると、そのACKメッセージ220fをACKメッセージ220gとしてVoIP端末4に転送する。ただし、通信制御装置8からVoIP端末4に対する伝送路上には多重制御装置9が存在するので、通信制御装置8から転送されるACKメッセージ220gは、VoIP端末4が受信する前に多重制御装置9が受信する。
多重制御装置9は、通信制御装置8からACKメッセージ220gを受信すると、そのACKメッセージ220gに含まれているSDPによるセッション情報の書き換えを行う。
即ち、ACKメッセージ220gに含まれているSDPによるセッション情報には、通信相手(VoIP端末4)から送信される音声パケットの送り先IPアドレスとして、VoIP端末1のIPアドレスが記述されているので、VoIP端末1のIPアドレスを多重伝送装置11のIPアドレスに書き換える処理を行う。
多重制御装置9は、ローカルIP網5、IP基幹網7及びローカルIP網6を介して、書換処理後のACKメッセージ220gをACKメッセージ220hとしてVoIP端末4に送信する。
また、多重制御装置9は、ACKメッセージ220hをVoIP端末4に送信すると、ローカルIP網5を介して、多重化情報300を多重伝送装置10に送信し、ローカルIP網5、IP基幹網7及びローカルIP網6を介して、多重化情報310を多重伝送装置11に送信する。
ここで、多重伝送装置10に送信される多重化情報300には、IPパケットの送信元であるVoIP端末1のIPアドレスと、多重化されたIPパケットの送信先である多重伝送装置11のIPアドレスと、最終的な転送先であるVoIP端末4のIPアドレスとが含まれている。
また、多重伝送装置11に送信される多重化情報310には、IPパケットの送信元であるVoIP端末4のIPアドレスと、多重化されたIPパケットの送信先である多重伝送装置10のIPアドレスと、最終的な転送先であるVoIP端末1のIPアドレスとが含まれている。
上記のようにして、ACKメッセージ220の送信が完了した時点で、VoIP端末1,4が通信の確立を認識し、音声パケットの送受信を開始するが、以後の動作は、上記実施の形態6と同様であるため説明を省略する。
以上で明らかなように、この実施の形態7によれば、SDPによるセッション情報の交換が、OKメッセージ210とACKメッセージ220により行われ、かつ、通信制御装置8がRecord−Routeヘッダを追加していない場合でも、多重制御装置9が代わりにRecord−Routeヘッダを追加し、SDPを含むACKメッセージを強制的に通信制御装置8を経由して送信するように構成したので、通信制御装置8がRecord−Routeヘッダを追加するか否かに拘わらず、多重制御装置9がVoIP端末1,4間で送受信されるSIPメッセージの中のSDPによるセッション情報を書き換えることができるようになり、その結果、多数のVoIP端末がローカルIP網5,6に接続される場合でも、音声の伝送遅延の増大を招くことなく、IPパケットのオーバーヘッドを低減することができる効果を奏する。
実施の形態8.
上記実施の形態7では、通信制御装置8がRecord−Routeヘッダを追加していない場合、多重制御装置9が代わりにRecord−Routeヘッダを追加し、SDPを含むACKメッセージを強制的に通信制御装置8を経由して送信するものについて示したが、この場合、通信制御装置8は、ACKメッセージを受信することを予期していないにも拘わらず、多重制御装置9からACKメッセージを受信することになり、通信制御装置8の内部状態の不一致を招く可能性がある。
そこで、この発明の実施の形態8では、多重制御装置9が、通信制御装置8がRecord−Routeヘッダを追加したか否かを判定し、その判定結果にしたがってACKメッセージの転送先を決めることにより、通信制御装置8の内部状態の不一致を招かないようにしている。
第11図はこの発明の実施の形態8によるパケット通信システムの通信プロトコルを示すシーケンス図である。
最初に、VoIP端末1,4は、通信制御装置8との間でREGISTERメッセージやOKメッセージの交換を行うことにより、通信制御装置8に対して位置情報の登録を行うが、この位置情報の登録の動作は上記実施の形態6と同様であるため説明を省略する。
また、VoIP端末1とVoIP端末4におけるINVITEメッセージやOKメッセージの交換については、上記実施の形態7と同様であるため説明を省略する。
ただし、この実施の形態8における多重制御装置9は、通信制御装置8からINVITEメッセージ200jをVoIP端末4に転送する際、そのINVITEメッセージ200jにRecord−Routeヘッダを追加したか否かを示す情報を記録するものとする。
VoIP端末1は、多重制御装置9からOKメッセージ210jを受信すると、そのOKメッセージ210jを正常に受信できたことを通知するため、ローカルIP網5を介して、ACKメッセージ220iを通信制御装置8に送信する。
ただし、通信制御装置8がRecord−Routeヘッダを追加していない場合には、多重制御装置9が代わりにRecord−Routeヘッダを追加しているため、通信制御装置8がRecord−Routeヘッダを追加しているか否かに拘わらず、このACKメッセージ220iの宛先は、常に通信制御装置8となっている。
多重制御装置9は、VoIP端末1からACKメッセージ220iを受信すると、INVITEメッセージ200iにRecord−Routeヘッダを追加したか否かを示す情報を参照して、そのACKメッセージ220iの転送先を決定する。
即ち、多重制御装置9は、自身がINVITEメッセージ200iにRecord−Routeヘッダを追加している場合、そのACKメッセージ220iの宛先を強制的に通信制御装置8からVoIP端末4に書き換え、そのACKメッセージ220iをACKメッセージ220jとしてVoIP端末4に転送する。
一方、多重制御装置9は、自身がINVITEメッセージ200iにRecord−Routeヘッダを追加していない場合、ACKメッセージ220iの宛先を変更せず、そのACKメッセージ220iを通信制御装置8に転送する。この場合、上記実施の形態7と同様の経路(VoIP端末1、多重制御装置9、通信制御装置8、多重制御装置9、VoIP端末4)でACKメッセージ220が転送される。
なお、多重制御装置9は、ACKメッセージ220jをVoIP端末4に転送する際、そのACKメッセージ220jにSDPによるセッション情報が含まれている場合、そのSDPによるセッション情報の書き換えを行う。
即ち、ACKメッセージ220jに含まれているSDPによるセッション情報には、通信相手(VoIP端末4)から送信される音声パケットの送り先IPアドレスとして、VoIP端末1のIPアドレスが記述されているので、VoIP端末1のIPアドレスを多重伝送装置11のIPアドレスに書き換える処理を行う。
以降の、多重化情報の送信や音声パケットの送受信の動作については、上記実施の形態7と同様であるため説明を省略する。
以上で明らかなように、この実施の形態8によれば、多重制御装置9が、通信制御装置8がRecord−Routeヘッダを追加したか否かを判定し、その判定結果にしたがってACKメッセージの転送先を決めるように構成したので、通信制御装置8が受信することを予期していないACKメッセージを受信することによる内部状態の不一致の発生が回避され、信頼性を高めることができる効果を奏する。
実施の形態9.
上記実施の形態6〜8では、ローカルIP網5から通信制御装置8に至る経路上に多重制御装置9を配置し、VoIP端末1,4から送信されるSIPメッセージの宛先が通信制御装置8であって(VoIP端末間で直接SIPメッセージを送受信する場合を除く)、多重制御装置9が通信制御装置8宛のSIPメッセージを中継する際、必要に応じてSIPメッセージの書き換え(SDPによるセッション情報の書き換え、Record−Routeヘッダの追加)を行うものについて示したが、これに限るものではない。
例えば、第12図に示すように、多重制御装置9及び通信制御装置8がローカルIP網5に直接つながる形に配置するようにしてもよい。
この場合、VoIP端末1,4から送信されるSIPメッセージの宛先は多重制御装置9となり(VoIP端末間で直接SIPメッセージを送受信する場合を除く)、多重制御装置9は、VoIP端末1,4から受信したSIPメッセージを通信制御装置8に転送するようにする。
また、通信制御装置8からVoIP端末1,4に送信するSIPメッセージも、一旦、多重制御装置9に送信して、多重制御装置9がVoIP端末1,4に転送するようにする。
実施の形態10.
第13図はこの発明の実施の形態10によるパケット通信システ厶を示す構成図であり、図において、第1図と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
通信制御装置18はIP基幹網7に接続され、多重制御装置19はローカルIP網5に接続され、多重制御装置20はローカルIP網6に接続されている。
第14図及び第15図はこの発明の実施の形態10によるパケット通信システ厶の通信プロトコルを示すシーケンス図である。
次に動作について説明する。
まず、VoIP端末1の使用者がVoIP端末1の電源を投入すると、VoIP端末1は、ローカルIP網5を介して、自身のIPアドレスを含むREGISTERメッセージ100cを多重制御装置19に送信する。
多重制御装置19は、VoIP端末1からREGISTERメッセージ100cを受信すると、そのREGISTERメッセージ100cに多重制御装置19のIPアドレスを含め(REGISTERメッセージ100cに元々含まれているVoIP端末1のIPアドレスを多重制御装置19のIPアドレスに書き換える)、ローカルIP網5及びIP基幹網7を介して、そのREGISTERメッセージ100cをREGISTERメッセージ100dとして通信制御装置18に転送する。
通信制御装置18は、多重制御装置19からREGISTERメッセージ100dを受信すると、そのREGISTERメッセージ100dを正常に受信できたことを通知するため、IP基幹網7及びローカルIP網5を介して、OKメッセージ110cを多重制御装置19に送信する。
多重制御装置19は、通信制御装置18からOKメッセージ110cを受信すると、ローカルIP網5を介して、そのOKメッセージ110cをOKメッセージ110dとしてVoIP端末1に送信する。
同様に、VoIP端末4の使用者がVoIP端末4の電源を投入すると、VoIP端末4は、ローカルIP網6を介して、自身のIPアドレスを含むREGISTERメッセージ120cを多重制御装置20に送信する。
多重制御装置20は、VoIP端末4からREGISTERメッセージ120cを受信すると、そのREGISTERメッセージ120cに多重制御装置20のIPアドレスを含め(REGISTERメッセージ120cに元々含まれているVoIP端末4のIPアドレスを多重制御装置20のIPアドレスに書き換える)、ローカルIP網6及びIP基幹網7を介して、そのREGISTERメッセージ120cをREGISTERメッセージ120dとして通信制御装置18に転送する。
通信制御装置18は、多重制御装置20からREGISTERメッセージ120dを受信すると、そのREGISTERメッセージ120dを正常に受信できたことを通知するため、IP基幹網7及びローカルIP網6を介して、OKメッセージ130cを多重制御装置20に送信する。
多重制御装置20は、通信制御装置18からOKメッセージ130cを受信すると、ローカルIP網6を介して、そのOKメッセージ130cをOKメッセージ130dとしてVoIP端末4に送信する。
上記のようにして、REGISTERメッセージとOKメッセージの交換により、通信制御装置18には多重制御装置19,20のIPアドレス(位置情報)が登録される。
位置情報の登録が完了すると、以後、通信制御装置18は、VoIP端末1,4間でSIPメッセージの交換を行う場合、VoIP端末1が送信するSIPメッセージは、VoIP端末4ではなく多重制御装置20に転送し、VoIP端末4が送信するSIPメッセージは、VoIP端末1ではなく多重制御装置19に転送することができるようになる。
次に、VoIP端末1の使用者がVoIP端末4との通話を希望し、VoIP端末4の電話番号をダイヤルすると、VoIP端末1は、ローカルIP網5を介して、通話を希望する相手先(VoIP端末4)のIPアドレスを含むINVITEメッセージ200k(接続要求パケット)を多重制御装置19に送信する。
このINVITEメッセージ200kには、SDPによるセッション情報が含められ、通信相手(VoIP端末4)から送信される音声パケットの送り先IPアドレスとして、VoIP端末1のIPアドレスがSDPの中に記述される。
多重制御装置19は、VoIP端末1からINVITEメッセージ200kを受信すると、ローカルIP網5及びIP基幹網7を介して、そのINVITEメッセージ200kをINVITEメッセージ200lとして通信制御装置18に転送する。
通信制御装置18は、多重制御装置19からINVITEメッセージ200lを受信すると、IP基幹網7及びローカルIP網6を介して、そのINVITEメッセージ200lをINVITEメッセージ200mとして多重制御装置20に転送する。
ただし、ここでは、INVITEメッセージ200mを転送する際に、通信制御装置8のIPアドレスを示すRecord−RouteヘッダをINVITEメッセージ200mに追加しないものとする。
多重制御装置20は、通信制御装置18からINVITEメッセージ200mを受信すると、そのINVITEメッセージ200mに含まれているSDPによるセッション情報の書き換えを行う。
即ち、INVITEメッセージ200mに含まれているSDPによるセッション情報には、通信相手(VoIP端末4)から送信される音声パケットの送り先IPアドレスとして、VoIP端末1のIPアドレスが記述されているので、VoIP端末1のIPアドレスを多重伝送装置11のIPアドレスに書き換える処理を行う。
多重制御装置20は、ローカルIP網6を介して、書換処理後のINVITEメッセージ200mをINVITEメッセージ200nとしてVoIP端末4に送信する。
VoIP端末4は、多重制御装置20からINVITEメッセージ200nを受信すると、INVITEメッセージ200nを正常に受信できたことを通知するため、ローカルIP網6を介して、通話を希望してきた相手先(VoIP端末1)のIPアドレスを含むOKメッセージ210kを多重制御装置20に送信する。
このOKメッセージ210kには、SDPによるセッション情報が含められ、通信相手(VoIP端末1)から送信される音声パケットの送り先IPアドレスとして、VoIP端末4のIPアドレスがSDPの中に記述される。
多重制御装置20は、VoIP端末4からOKメッセージ210kを受信すると、ローカルIP網6及びIP基幹網7を介して、そのOKメッセージ210kをOKメッセージ210lとして通信制御装置18に転送する。
通信制御装置18は、多重制御装置20からOKメッセージ210lを受信すると、IP基幹網7及びローカルIP網5を介して、そのOKメッセージ210lをOKメッセージ210mとして多重制御装置19に転送する。
多重制御装置19は、通信制御装置18からOKメッセージ210mを受信すると、そのOKメッセージ210mに含まれているSDPによるセッション情報の書き換えを行う。
即ち、OKメッセージ210mに含まれているSDPによるセッション情報には、通信相手(VoIP端末1)から送信される音声パケットの送り先IPアドレスとして、VoIP端末4のIPアドレスが記述されているので、VoIP端末4のIPアドレスを多重伝送装置10のIPアドレスに書き換える処理を行う。
多重制御装置19は、ローカルIP網5を介して、書換処理後のOKメッセージ210mをOKメッセージ210nとしてVoIP端末1に送信する。
また、多重制御装置19は、OKメッセージ210nをVoIP端末1に送信すると、ローカルIP網5を介して、多重化情報300を多重伝送装置10に送信する。
ここで、多重伝送装置10に送信される多重化情報300には、IPパケットの送信元であるVoIP端末1のIPアドレスと、多重化されたIPパケットの送信先である多重伝送装置11のIPアドレスと、最終的な転送先であるVoIP端末4のIPアドレスとが含まれている。
また、多重制御装置20は、OKメッセージ210lを通信制御装置18に送信すると、ローカルIP網6を介して、多重化情報310を多重伝送装置11に送信する。
ここで、多重伝送装置11に送信される多重化情報310には、IPパケットの送信元であるVoIP端末4のIPアドレスと、多重化されたIPパケットの送信先である多重伝送装置10のIPアドレスと、最終的な転送先であるVoIP端末1のIPアドレスとが含まれている。
VoIP端末1は、多重制御装置19からOKメッセージ210nを受信すると、OKメッセージ210nを正常に受信できたことを通知するため、ACKメッセージ220をVoIP端末4に送信する。
上述したように、通信制御装置18がINVITEメッセージ200mを転送する際に、通信制御装置18のIPアドレスを示すRecord−RouteヘッダをINVITEメッセージ200mに追加していないので、このACKメッセージ220は、通信制御装置8を経由しないで、直接、VoIP端末4に送信される。
上記のようにして、ACKメッセージ220の送信が完了した時点で、VoIP端末1,4が通信の確立を認識するが、多重制御装置19がOKメッセージ210mに含まれているSDPによるセッション情報の書き換えを行っているため、VoIP端末1は、音声パケットの送信先が多重伝送装置10であると認識して、以降、音声パケットを多重伝送装置10に送信する。
多重伝送装置10は、VoIP端末1から音声パケットを受信すると、その音声パケットを多重化する。たたし、VoIP端末1以外のVoIP端末(例えば、VoIP端末2)からも音声パケットを受信すると、複数の音声パケットからショートパケットを抜き出して、宛先多重伝送装置が同じであるショートパケットを集め、それらのショートパケットを再度多重化してIPパケット化する。
同様に、多重制御装置20がINVITEメッセージ200mに含まれているSDPによるセッション情報の書き換えを行っているため、VoIP端末4は、音声パケットの送信先が多重伝送装置11であると認識して、以降、音声パケットを多重伝送装置11に送信する。
多重伝送装置11は、VoIP端末4から音声パケットを受信すると、その音声パケットを多重化する。ただし、VoIP端末4以外のVoIP端末(例えば、VoIP端末3)からも音声パケットを受信すると、複数の音声パケットからショートパケットを抜き出して、宛先多重伝送装置が同じであるショートパケットを集め、それらのショートパケットを再度多重化してIPパケット化する。
以上で明らかなように、この実施の形態10によれば、多重制御装置19,20がVoIP端末1,4間で送受信されるSIPメッセージの中のSDPによるセッション情報を書き換え、VoIP端末1,4から送信される音声パケットの送信先が多重伝送装置10,11であると認識させるように構成したので、多重伝送装置10,11において音声パケットを多重化することができるようになり、その結果、多数のVoIP端末がローカルIP網5,6に接続される場合でも、音声の伝送遅延の増大を招くことなく、IPパケットのオーバーヘッドを低減することができる効果を奏する。
実施の形態11.
上記実施の形態10では、SDPによるセッション情報の交換か、INVITEメッセージ200とOKメッセージ210により行われる場合について説明したが、INVITEメッセージ200の中にSDPによるセッション情報を含めずに、OKメッセージ210とACKメッセージ220により、SDPによるセッション情報の交換が行われるようにしてもよい。
この場合、通信制御装置18がINVITEメッセージ200lを転送する際に、Record−RouteヘッダをINVITEメッセージ200lに追加していないと、ACKメッセージ220が通信制御装置18を経由しないで、直接、VoIP端末4に送信されるため、多重制御装置20がACKメッセージ220に含まれているSDPによるセッション情報の書き換えを行うことができず、多重伝送装置10,11において音声パケットを多重化することができない。
このため、上記実施の形態10によるパケット通信システムにおいては、使用するVoIP端末、または、通信制御装置18の仕様を限定する必要がある。
そこで、この発明の実施の形態11では、SDPによるセッション情報の交換が、OKメッセージ210とACKメッセージ220により行われ、かつ、通信制御装置18がRecord−Routeヘッダを追加していない場合でも、多重伝送装置10,11において音声パケットを多重化することができるようにしている。
第16図はこの発明の実施の形態11によるパケット通信システムの通信プロトコルを示すシーケンス図である。
次に動作について説明する。
VoIP端末1の使用者がVoIP端末4との通話を希望し、VoIP端末4の電話番号をダイヤルすると、VoIP端末1は、ローカルIP網5を介して、通話を希望する相手先(VoIP端末4)のIPアドレスを含むINVITEメッセージ200o(接続要求パケット)を多重制御装置19に送信する。
ただし、ここでは、このINVITEメッセージ200oには、SDPによるセッション情報を含めないものとする。
多重制御装置19は、VoIP端末1からINVITEメッセージ200oを受信すると、そのINVITEメッセージ200oに自身(多重制御装置19)のアドレスを示すRecord−Routeヘッダを追加する。
そして、多重制御装置19は、ローカルIP網5及びIP基幹網7を介して、そのINVITEメッセージ200oをINVITEメッセージ200pとして通信制御装置18に転送する。
通信制御装置18は、多重制御装置19からINVITEメッセージ200pを受信すると、IP基幹網7及びローカルIP網6を介して、そのINVITEメッセージ200pをINVITEメッセージ200qとして多重制御装置20に転送する。
ただし、通信制御装置18がINVITEメッセージ200qを転送する際、通信制御装置18のアドレスを示すRecord−RouteヘッダをINVITEメッセージ200qに追加しないものとする。
多重制御装置20は、通信制御装置18からINVITEメッセージ200qを受信すると、そのINVITEメッセージ200qに自身(多重制御装置20)のアドレスを示すRecord−Routeヘッダを追加する。
そして、多重制御装置20は、ローカルIP網6を介して、そのINVITEメッセージ200qをINVITEメッセージ200rとしてVoIP端末4に転送する。
VoIP端末4は、多重制御装置20からINVITEメッセージ200rを受信すると、INVITEメッセージ200rを正常に受信できたことを通知するため、ローカルIP網6を介して、通話を希望してきた相手先(VoIP端末1)のIPアドレスを含むOKメッセージ210oを多重制御装置20に送信する。
このOKメッセージ210oには、SDPによるセッション情報が含められ、通信相手(VoIP端末1)から送信される音声パケットの送り先IPアドレスとして、VoIP端末4のIPアドレスがSDPの中に記述される。
多重制御装置20は、VoIP端末4からOKメッセージ210oを受信すると、ローカルIP網6及びIP基幹網7を介して、そのOKメッセージ210oをOKメッセージ210pとして通信制御装置18に転送する。
通信制御装置18は、多重制御装置20からOKメッセージ210pを受信すると、IP基幹網7及びローカルIP網5を介して、そのOKメッセージ210pをOKメッセージ210qとして多重制御装置19に転送する。
多重制御装置19は、通信制御装置18からOKメッセージ210qを受信すると、そのOKメッセージ210qに含まれているSDPによるセッション情報の書き換えを行う。
即ち、OKメッセージ210qに含まれているSDPによるセッション情報には、通信相手(VoIP端末1)から送信される音声パケットの送り先IPアドレスとして、VoIP端末4のIPアドレスが記述されているので、VoIP端末4のIPアドレスを多重伝送装置10のIPアドレスに書き換える処理を行う。
多重制御装置19は、ローカルIP網5を介して、書換処理後のOKメッセージ210qをOKメッセージ210rとしてVoIP端末1に送信する。
VoIP端末1は、多重制御装置19からOKメッセージ210rを受信すると、OKメッセージ210rを正常に受信できたことを通知するため、ローカルIP網5を介して、ACKメッセージ220kを多重制御装置19に送信する。
このACKメッセージ220kには、SDPによるセッション情報が含められ、通信相手(VoIP端末4)から送信される音声パケットの送り先IPアドレスとして、VoIP端末1のIPアドレスがSDPの中に記述される。
多重制御装置19は、VoIP端末1からACKメッセージ220kを受信すると、ローカルIP網5,IP基幹網7及びローカルIP網6を介して、そのACKメッセージ220kをACKメッセージ220lとして多重制御装置20に転送する。
この実施の形態11では、上述したように、多重制御装置19がINVITEメッセージ200oに自身(多重制御装置19)のIPアドレスを示すRecord−Routeヘッダを追加し、多重制御装置20がINVITEメッセージ200qに自身(多重制御装置20)のIPアドレスを示すRecord−Routeヘッダを追加しているので、多重制御装置19から送信されるACKメッセージ220lは、通信制御装置18を経由せずに、多重制御装置20に送信される。
多重制御装置20は、多重制御装置19からACKメッセージ220lを受信すると、そのACKメッセージ220lに含まれているSDPによるセッション情報の書き換えを行う。
即ち、ACKメッセージ220lに含まれているSDPによるセッション情報には、通信相手(VoIP端末4)から送信される音声パケットの送り先IPアドレスとして、VoIP端末1のIPアドレスが記述されているので、VoIP端末1のIPアドレスを多重伝送装置11のIPアドレスに書き換える処理を行う。
多重制御装置20は、ローカルIP網6を介して、書換処理後のACKメッセージ220lをACKメッセージ220mとしてVoIP端末4に送信する。
以上で明らかなように、この実施の形態11によれば、SDPによるセッション情報の交換が、OKメッセージ210とACKメッセージ220により行われ、かつ、通信制御装置18がRecord−Routeヘッダを追加していない場合でも、多重制御装置19,20がRecord−Routeヘッダを追加し、SDPを含むACKメッセージを強制的に多重制御装置19,20を経由して転送するように構成したので、通信制御装置18がRecord−Routeヘッダを追加するか否かに拘わらず、多重制御装置19,20がVoIP端末1,4間で送受信されるSIPメッセージの中のSDPによるセッション情報を書き換えることができるようになり、その結果、多数のVoIP端末がローカルIP網5,6に接続される場合でも、音声の伝送遅延の増大を招くことなく、IPパケットのオーバーヘッドを低減することができる効果を奏する。
実施の形態12.
この実施の形態12では、VoIP端末間の通話が終了する際の終話処理について説明する。
第17図はこの発明の実施の形態12によるパケット通信システムの通信プロトコルを示すシーケンス図である。
次に動作について説明する。
VoIP端末1の使用者が電話番号をダイヤルしてから、SIPメッセージの交換を経て、VoIP端末1,4間の通信が確立し、音声パケットの送受信を行うまでの処理については、上記実施の形態7と同様であるため説明を省略する。
VoIP端末1,4間の通話が終了し、通話者のいずれか一方、例えば、VoIP端末1の使用者がオンフックして終話の処理を行うと、VoIP端末1は、ローカルIP網5を介して、BYEメッセージ230aを通信制御装置8に送信する。たたし、VoIP端末1から通信制御装置8に対する伝送路上には多重制御装置9が存在するので、VoIP端末1から送信されるBYEメッセージ230aは、通信制御装置8が受信する前に多重制御装置9が受信する。
多重制御装置9は、VoIP端末1からBYEメッセージ230aを受信すると、そのBYEメッセージ230aをBYEメッセージ230bとして通信制御装置8に転送する。
通信制御装置8は、多重制御装置9からBYEメッセージ230bを受信すると、そのBYEメッセージ230bをBYEメッセージ230cとしてVoIP端末4に転送する。ただし、通信制御装置8からVoIP端末4に対する伝送路上には多重制御装置9が存在するので、通信制御装置8から転送されるBYEメッセージ230cは、VoIP端末4が受信する前に多重制御装置9が受信する。
多重制御装置9は、通信制御装置8からBYEメッセージ230cを受信すると、ローカルIP網5,IP基幹網7及びローカルIP網6を介して、そのBYEメッセージ230cをBYEメッセージ230dとしてVoIP端末4に送信する。
VoIP端末4は、多重制御装置9からBYEメッセージ230dを受信すると、そのBYEメッセージ230dを正常に受信できたことを通知するため、ローカルIP網6,IP基幹網7及びローカルIP網5を介して、OKメッセージ240aを通信制御装置8に送信する。ただし、VoIP端末4から通信制御装置8に対する伝送路上には多重制御装置9が存在するので、VoIP端末4から送信されるOKメッセージ240aは、通信制御装置8が受信する前に多重制御装置9が受信する。
多重制御装置9は、VoIP端末4からOKメッセージ240aを受信すると、そのOKメッセージ240aをOKメッセージ240bとして通信制御装置8に転送する。
通信制御装置8は、多重制御装置9からOKメッセージ240bを受信すると、そのOKメッセージ240bをOKメッセージ240cとしてVoIP端末1に転送する。ただし、通信制御装置8からVoIP端末1に対する伝送路上には多重制御装置9が存在するので、通信制御装置8から転送されるOKメッセージ240cは、VoIP端末1か受信する前に多重制御装置9が受信する。
多重制御装置9は、通信制御装置8からOKメッセージ240cを受信すると、ローカルIP網5を介して、そのOKメッセージ240cをOKメッセージ240dとしてVoIP端末1に送信する。
多重制御装置9は、上記のようにして、VoIP端末1から送信されたBYEメッセージ230aを受信すると、VoIP端末1,4間の通話が終了したものと認識し、ローカルIP網5を介して、先に送信した多重化情報300の消去を指示する多重化情報クリア指示320を多重伝送装置10に送信する。
また、ローカルIP網5,IP基幹網7及びローカルIP網6を介して、先に送信した多重化情報310の消去を指示する多重化情報クリア指示330を多重伝送装置11に送信する。
多重伝送装置10は、多重制御装置9から多重化情報クリア指示320を受信すると、内部に保存している多重化情報300、即ち、VoIP端末1,4間で送受信される音声パケットを多重化するために必要なIPアドレスの情報を消去する。
また、多重伝送装置11は、多重制御装置9から多重化情報クリア指示330を受信すると、内部に保存している多重化情報310、即ち、VoIP端末1,4間で送受信される音声パケットを多重化するために必要なIPアドレスの情報を消去する。
以上で明らかなように、この実施の形態12によれば、VoIP端末から送信されるBYEメッセージを受信すると、VoIP端末間の通話が終了したものと認識するように構成したので、VoIP端末間の通話の終了を速やかに検出して多重化情報を消去することができる効果を奏する。
実施の形態13.
上記実施の形態12では、多重制御装置9がVoIP端末1から送信されるBYEメッセージ230aを受信すると、VoIP端末1,4間の通話が終了したものと認識して、多重化情報クリア指示320,330を多重伝送装置10,11に送信するものについて示したが、多重制御装置9がVoIP端末4から送信されるOKメッセージ240aを受信すると、VoIP端末1,4間の通話が終了したものと認識して、多重化情報クリア指示320,330を多重伝送装置10,11に送信するようにしてもよい。
具体的には次の通りである。
第18図はこの発明の実施の形態13によるパケット通信システ厶の通信プロトコルを示すシーケンス図である。
多重制御装置9は、VoIP端末4から送信されたOKメッセージ240aを受信すると、上記実施の形態12と同様に、そのOKメッセージ240aをOKメッセージ240bとして通信制御装置8に転送する。
また、多重制御装置9は、VoIP端末4から送信されたOKメッセージ240aを受信すると、VoIP端末1,4間の通話が終了したものと認識し、ローカルIP網5を介して、先に送信した多重化情報300の消去を指示する多重化情報クリア指示320を多重伝送装置10に送信する。
また、ローカルIP網5,IP基幹網7及びローカルIP網6を介して、先に送信した多重化情報310の消去を指示する多重化情報クリア指示330を多重伝送装置11に送信する。
その他の動作については、上記実施の形態12と同様であるため説明を省略する。
以上で明らかなように、この実施の形態13によれば、BYEメッセージへの応答としてVoIP端末から送信されるOKメッセージを受信したとき、VoIP端末間の通話が終了したものと認識するように構成したので、VoIP端末間の通話の終了を速やかに検出して多重化情報を消去することができる効果を奏する。
実施の形態14.
上記実施の形態12,13では、多重制御装置9がVoIP端末から送信されるBYEメッセージ、または、OKメッセージを受信すると、VoIP端末間の通話が終了したものと認識して、多重化情報クリア指示320,330を多重伝送装置10,11に送信するものについて示したが、これに限るものではなく、次のようにしてもよい。
例えば、多重伝送装置10,11がVoIP端末間で送受信される音声パケットの有無を監視し、その音声パケットの送受信が一定時間以上無い状態が継続すると、内部に保存している多重化情報300,310を消去するようにしてもよい。
以上で明らかなように、この実施の形態14によれば、多重伝送装置10,11がVoIP端末間で送受信される音声パケットの有無を監視し、その音声パケットの送受信が一定時間以上無い状態が継続すると、内部に保存している多重化情報300,310を消去するように構成したので、多重制御装置9から送信される多重化情報クリア指示320,330を受信することなく、内部に保存している多重化情報300,310を消去することができる。そのため、多重制御装置9と多重伝送装置10,11間のメッセージ量を低減することができる効果を奏する。
以上のように、この発明に係るパケット通信システムは、多数のVoIP端末がネットワークに接続される場合でも、音声の伝送遅延の増大を招くことなく、IPパケットのオーバーヘッドを低減する必要があるものに適している。
Claims (18)
- 複数の端末装置からパケットを受信すると、複数のパケットを多重化して他の多重伝送装置に送信する一方、他の多重伝送装置から多重化されたパケットを受信すると、多重化されたパケットを分解して任意の端末装置に送信する多重伝送装置を備えたパケット通信システ厶において、ある端末装置から宛先電話番号を含む接続要求を受信すると、その宛先電話番号に対応するアドレスを検索する通信制御装置と、上記通信制御装置により検索されたアドレスに係る端末装置を管轄する多重伝送装置と当該接続要求の送信元の端末装置を管轄する多重伝送装置を特定し、双方の多重伝送装置に対して相手方の多重伝送装置及び端末装置のアドレスを通知する多重制御装置とを設けたことを特徴とするパケット通信システム。
- 多重伝送装置は、複数のパケットを多重化する際、そのパケット内のペイロードを複数のショートパケットから構成し、そのショートパケットのヘッダに宛先の端末装置のアドレスを含めることを特徴とする請求の範囲第1項記載のパケット通信システム。
- 多重伝送装置は、複数のパケットを多重化する際、そのパケット内のペイロードを複数のショートパケットから構成し、そのショートパケットのヘッダにシリアル番号を含めることを特徴とする請求の範囲第1項記載のパケット通信システム。
- 多重伝送装置は、複数のパケットを多重化する際、そのパケット内のペイロードを複数のショートパケットから構成し、そのショートパケットのヘッダに音声符号化方式の識別情報を含めることを特徴とする請求の範囲第1項記載のパケット通信システム。
- 多重制御装置は、通信制御装置により検索されたアドレスに係る端末装置を管轄する多重伝送装置と、接続要求の送信元の端末装置を管轄する多重伝送装置とが同一の多重伝送装置である場合、その多重伝送装置に対するアドレスの通知を行わず、通信対象の端末装置間で直接パケットの通信を行わせることを特徴とする請求の範囲第1項記載のパケット通信システ厶。
- 多重伝送装置がネットワークに接続される際、その多重伝送装置のアドレスと、その多重伝送装置が管轄する端末装置のアドレスとを多重制御装置に設定することを特徴とする請求の範囲第1項記載のパケット通信システ厶。
- 多重制御装置は、多重伝送装置のアドレスの上位アドレスと、端末装置のアドレスの上位アドレスとを共通化することを特徴とする請求の範囲第6項記載のパケット通信システム。
- 通信制御装置及び多重制御装置がネットワーク上に複数設置される場合、各通信制御装置は宛先電話番号から他の通信制御装置のアドレスを検索し、各多重制御装置は他の通信制御装置に対応する多重伝送装置と接続要求の送信元の端末装置を管轄する多重伝送装置を特定することを特徴とする請求の範囲第1項記載のパケット通信システ厶。
- 多重制御装置は、予め他の多重制御装置のアドレスを設定することを特徴とする請求の範囲第8項記載のパケット通信システム。
- 多重制御装置は、他の多重制御装置にパケットを送信する際、自己が管轄する多重伝送装置のアドレスを当該パケットに付加することを特徴とする請求の範囲第8項記載のパケット通信システム。
- 多重制御装置は、送信先の端末装置を管轄する多重制御装置が設置されていない場合、送信元の端末装置から受信したパケットに含まれている送信元の端末装置のアドレスを自己が管轄する多重伝送装置のアドレスに変更せずに、そのパケットを送信先の端末装置に転送することを特徴とする請求の範囲第8項記載のパケット通信システム。
- 新たな多重制御装置がネットワークに増設される場合、その多重制御装置が既存の多重制御装置に対して増設された旨を通知することを特徴とする請求の範囲第8項記載のパケット通信システム。
- 複数の端末装置からパケットを受信すると、複数のパケットを多重化して他の多重伝送装置に送信する一方、他の多重伝送装置から多重化されたパケットを受信すると、多重化されたパケットを分解して任意の端末装置に送信する多重伝送装置を備えたパケット通信システムにおいて、ある端末装置から当該端末装置のアドレスが記述されているSIPメッセージを受信すると、そのSIPメッセージに記述されているアドレスを通信相手の端末装置を管轄する多重伝送装置のアドレスに書き換えて、そのSIPメッセージを通信相手の端末装置に送信する多重制御装置を設けたことを特徴とするパケット通信システム。
- 多重制御装置は、SIPメッセージを端末装置に送信する際、メッセージの伝送ルートを当該SIPメッセージに付加することを持徴とする請求の範囲第13項記載のパケット通信システム。
- 多重制御装置は、端末装置からACKメッセージを受信すると、そのACKメッセージを通信制御装置に転送せず、通信相手の端末装置に転送することを特徴とする請求の範囲第14項記載のパケット通信システ厶。
- 多重制御装置は、端末装置から当該端末装置のアドレスを含む登録メッセージを受信すると、そのアドレスを自身のアドレスに書き換えて、その登録メッセージを通信制御装置に送信することを特徴とする請求の範囲第13項記載のパケット通信システ厶。
- 多重制御装置は、終話時に端末装置から送信される特定のSIPメッセージを受信すると、複数の端末装置間の通信に必要なアドレスの消去を多重伝送装置に指示することを特徴とする請求の範囲第13項記載のパケット通信システム。
- 多重伝送装置は、通信中の端末装置から一定時間以上継続してパケットが送信されてこない場合、複数の端末装置間の通信に必要なアドレスを消去することを特徴とする請求の範囲第13項記載のパケット通信システム。
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