JPWO2005100398A1 - 抗体ライブラリー作製方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、任意の抗原群に対する抗体群、特にモノクローナル抗体群を、動物1個体から効率よく簡便に得る方法を提供することを目的とする。本発明は、少なくとも2種類の異なる抗体を含む抗体ライブラリーの作製方法であって、少なくとも2種類の異なる抗原を、スチレン系多孔質材料またはハイドロキシアパタイトを主成分とする固相担体に吸着させて免疫原組成物を得る工程と、前記免疫原組成物で動物を免疫する工程と、を含む方法を提供するものである。

Description

本発明は、少なくとも2種類の異なる抗原に対する抗体を含む抗体ライブラリーを作製する方法、特に、モノクローナル抗体のライブラリーを効率よく作製する方法に関する。
ゲノム解析研究の進展により、蛋白質の一次構造解析、即ちアミノ酸配列の解析は、質量分析計とデータベースを用いて簡便に行えるようになりつつある。しかし、蛋白質の機能解析のためには蛋白質自体を識別・同定する技術が必要とされ、そのために各蛋白質と特異的に結合する抗体の開発は必須である。ヒトの場合、蛋白質は10万〜10数万種類存在するものと推定されており、個々の蛋白質を認識するためには、少なくとも10万種類の抗体が必要とされることになる。
抗体には、モノクローナル抗体とポリクローナル抗体とがある。動物を一種類の抗原で免疫すると、その抗原の様々なエピトープ(抗原決定基)に対する複数種類の抗体が産生される。こうして得られる抗体をポリクローナル抗体と呼ぶ。一方、特定の抗体を産生するB細胞と、増殖能を持つミエローマ細胞とを融合して得られるハイブリドーマ細胞を用いて、1つの抗原部位を認識する抗体を産生する方法が知られ、この方法によって得られる抗体をモノクローナル抗体と呼ぶ。以下に、ポリクローナル抗体とモノクローナル抗体の作製方法を、より具体的に説明する。
まず、ポリクローナル抗体は、抗原と、アジュバントという免疫増強剤とを混合した抗原エマルジョンを用いて、一定期間ごとに繰り返し動物を免疫し、動物の血清中に産生された抗体を回収することによって得ることができる。アジュバントとしては、Freund's Adjuvantが広く用いられており、特に、流動パラフィンと界面活性剤に、細菌の破砕物を混合したFreund's Complete Adjuvantがよく用いられる。
ポリクローナル抗体の作製には、通常ウサギかマウスが用いられる。ウサギポリクローナル抗体は、比較的短時間で大量に得ることができるが、ウサギ1個体あたり、少なくとも1〜5mgの抗原が必要とされる。初回免疫後、2〜4週間ごとに追加免疫を繰り返すことにより抗体価が上昇し、十分な抗体価を得るまでには、一般に3〜5回の追加免疫が必要である。
こうして得られたポリクローナル抗体は、抗原上の複数のエピトープを認識するため、免疫沈降や組織染色に有用であるが、非特異的な結合も起こりやすい。
次にモノクローナル抗体の作製方法を説明する。モノクローナル抗体も、抗原とアジュバントを混合した抗原エマルジョンを用いて動物を免疫する。動物は主としてマウスが用いられる。蛋白質抗原の場合、少なくも20〜50μgが必要とされ、追加免疫は、2〜3週間間隔で2〜5回行う。追加免疫後、尾から血液を採取して、エンザイムイムノアッセイ(Enzyme-Linked Immunosorbent Assay; ELISA)や、ウェスタンブロットにより抗体価の上昇を確認することができる。
次に、免疫したマウスの脾臓を摘出し、無血清培地に懸濁する。得られた脾臓細胞を増殖期のミエローマ細胞と混合し、ポリエチレングリコールを添加して細胞融合を惹起する。こうして得られたハイブリドーマを選択培地に懸濁して培養し、コロニーが十分大きくなったら、ウェルプレートを用いたELISAおよびウェスタンブロットにより抗体産生細胞を選択する。ELISAおよびウェスタンブロットで陽性になったウェルから、1つの細胞に由来するコロニーを得るために、濃度を調整した限界希釈法によるクローニングを行う。クローン化した抗体が得られたら、特異性、交叉性の検討やサブクラスを同定し、モノクローナル抗体を得る。
モノクローナル抗体は、上述のように作製に時間がかかり、高度な技術も必要とされるが、認識するエピトープが1種類であることから、特異性が高く、精度の高い解析に用いることができる。また、一度目的の抗体を産生するハイブリドーマを得ることができれば、ほぼ同一の抗体を半永久的に得ることができるという利点がある。
このように、モノクローナル抗体とポリクローナル抗体には、それぞれ作製方法や性質が異なり、どちらを作製するかは状況に応じて選択されているが、上述の作製方法では、いずれも抗原とFreund's Adjuvantとを混合した抗原エマルジョンを用いて動物を免疫するため、アジュバント中の細菌の破砕物に含まれる多数の蛋白質も抗原として機能し、目的の抗体以外にも必要とされない抗体が多数産生されることになる。そのため、目的の抗体を得るために必要な抗原量が増大する結果、一度に動物に投与できる抗原が1種類となってしまうという問題がある。
さらに、上記抗体の作製方法では、抗原は予め精製してから用いる必要があるが、精製された抗原を複数種類用意するのは、それだけでもかなりの時間と労力が消費され、コストもかかる。
抗原の免疫原性を高め、不要な抗体が産生されるのを抑える方法として、アジュバントを使用せず、ニトロセルロースビーズに抗原を吸着させて免疫原性を増強させる方法が提案されている(特許文献1)。
特許第2089076号
しかしながら、上述のように、蛋白質はヒトだけでも10万種類以上あることが知られており、これらを特異的に認識する抗体が必要とされていることに鑑みると、動物1個体について1種類の抗体しか得られない場合、それぞれの蛋白質に対する抗体を作製する作業と労力は膨大である。また、抗体を得るために、抗原を精製する作業も容易ではない。
ニトロセルロースビーズを用いて抗原性を増強する方法は、抗原を多く含むアジュバントを必要としない点で有用であるが、得られる抗体にIgMが多く、分子量が大きいために実用上問題が多い。また、ニトロセルロースと蛋白質の複合体を認識する抗体が産生されることも多く、ニトロセルロース膜を使用するウェスタンブロッティングが行いにくくなる。さらに、ビーズの調製に時間がかかるという問題もある。
一方、ある個体、細胞等の被検試料に含まれる蛋白質を網羅的に解析しようとする場合、これらの全ての蛋白質に対する抗体を含む抗体ライブラリーが有用である。例えば、抗体ライブラリーを固相担体に固定し、被検試料と接触させた後、抗体に結合した物質の有無を検知することによって、当該被検試料に含まれる蛋白質を定量的または定性的に検出することができる。
さらに、ある共通した性質を有する蛋白質群に対する抗体群を得ることにより、この抗体群を用いて、被検試料中から当該蛋白質群を一度に除去することができる。例えば、被検試料中の微量蛋白質を検出したい場合、まず、当該被検試料中に比較的高濃度で含まれる蛋白質群の抗体群を用意し、これを固相カラム等に固定化し、被検試料をこのカラムに通すことにより、高濃度の蛋白質群を一括して被検試料から除去することができる。これにより微量蛋白質のみが試料中に残るので容易に検出することができる。
そこで、本発明は、予め抗原を精製する必要がなく、任意の抗原群に対する抗体群、特にモノクローナル抗体群を、動物1個体から効率よく簡便に得る方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、複数種類の抗原をスチレン系多孔質材料またはハイドロキシアパタイトからなる固相担体に吸着させ、これを用いて動物を免疫すると、アジュバントがなくても十分な免疫原性を示し、複数種類の抗原に対する抗体を一度に得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
[1]少なくとも2種類の異なる抗体を含む抗体ライブラリーの作製方法であって、少なくとも2種類の異なる抗原を、スチレン系多孔質材料を主成分とする固相担体に吸着させて免疫原組成物を得る工程と、前記免疫原組成物で動物を免疫する工程と、を含む方法;
[2]前記固相担体が、架橋スチレン系多孔質重合体ビーズである、上記[1]に記載の方法;
[3]少なくとも2種類の異なる抗体を含む抗体ライブラリーの作製方法であって、少なくとも2種類の異なる抗原を、ヒドロキシアパタイトを主成分とする固相担体に吸着させて免疫原組成物を得る工程と、前記免疫原組成物で動物を免疫する工程と、を含む方法;
[4]前記固相担体が、多孔質性ビーズである、上記[3]に記載の方法;
[5]前記抗原が、2種類以上200種類以下である、上記[1]から[4]のいずれか1項に記載の方法;
[6]前記抗体が、モノクローナル抗体である、上記[1]から[5]のいずれか1項に記載の方法;
[7]前記動物がマウスである、上記[1]から[6]のいずれか1項に記載の方法;
[8]前記抗原が、正常ヒト血漿に含まれる蛋白質である、上記[1]から[7]のいずれか1項に記載の方法;
[9]上記[1]から[8]のいずれか1項に記載の方法で得られた抗体ライブラリー;
[10]上記[9]に記載の抗体ライブラリーに含まれる抗体に結合する2種以上の物質を、被検試料から同時に除去する方法であって、上記[9]に記載の抗体ライブラリーを固相担体に固定化する工程と、前記被検試料を、該固相担体に接触させる工程と、を含む方法;
[11]疾患特異的に発現が増加または減少する蛋白質の分析方法であって、上記[9]に記載の方法で得られた抗体ライブラリーを固相担体に固定化する工程と、患者由来の血漿サンプルを、該固相担体に接触させインキュベートすることにより、前記血漿サンプルから前記抗体ライブラリー中に抗体に結合する物質を除去する工程と、前記抗体ライブラリーに結合する物質を除去した血漿サンプル中の蛋白質を定量的に検出する工程と、を含む方法;
[12]試料中に含まれるすべての抗原に対するモノクローナル抗体を含む抗体ライブラリーを作製する方法であって、前記試料中に含まれる抗原を、スチレン系多孔質材料またはハイドロキシアパタイトを主成分とする第一の固相担体に吸着させて免疫原組成物を得る、第一工程と、前記免疫原組成物で動物を免疫してモノクローナル抗体群を得る、第二工程と、前記第二工程で得られたモノクローナル抗体群を第二の固相担体に固定化し、該第二の固相担体と前記免疫原組成物とを接触させてインキュベートすることにより、前記試料から、第二工程で得られたモノクローナル抗体群の免疫原となる抗原を吸着させた第一の固相担体を除去して新たな免疫原組成物を得る、第三工程と、前記試料中のすべての抗原に対するモノクローナル抗体を得るまで、第三工程で得られた免疫原組成物を用いて第二工程および第三工程を繰り返す工程と、を含む方法;
[13]前記試料がヒト末梢血である、上記[12]に記載の方法;
[14]上記[1]から[8]のいずれか1項に記載の方法で抗体ライブラリーを作製する工程と、前記ライブラリーから所望の抗体を精製する工程と、を含む抗体作製方法;および、
[15]少なくとも2種類の異なる抗原を、スチレン系多孔質材料またはハイドロキシアパタイトを主成分とする固相担体に吸着させた免疫原組成物、とに関する。
本発明によれば、微量の抗原によって動物を免疫することが可能となり、任意の抗原群に対する抗体群を、1個体の動物を用いて作製することができる。また、本発明によれば、抗原を予め精製しておかなくても十分な免疫原性を得ることが可能であり、精製に必要な時間およびコストを削減することができる。さらに、本発明によれば、得られた抗体ライブラリーを用いて、被検試料から任意の抗原群を一度の操作で除去することができる。
以下に、本願明細書に用いられる用語の意義等を示し、本発明を詳細に説明する。
本願明細書において、抗体ライブラリーとは、2以上の抗体からなる抗体群であれば特に限定されないが、通常2種類から200種類、好ましくは2種類から150種類、さらに好ましくは5種類から100種類の抗体群を意味する。これらの抗体は、IgG、IgM、IgA、IgD、IgEのいずれでもあってもよいが、特に利用しやすいIgGであることが好ましい。
本発明に係る抗体ライブラリーの作製方法に用いられる抗原は、用いられる動物の生体内で抗原性を示し、免疫を誘発する物質から2種以上選択されれば特に限定されず、例えば、蛋白質、多糖類、糖蛋白質、蛋白糖質、糖脂質、脂質、リポ蛋白質、ポリグリセロールリン酸塩等のほか、病原菌やウィルス等を挙げることができる。特に、本発明によれば、通常の方法では抗体が得られにくい微量生体成分や抗原性の低い物質も抗原として用いることができ、かかる物質としては、例えば、血中微量成分、種々のリンホカイン、各種酵素、各種制御蛋白質、各種細胞間基質、各種細胞骨格成分、各種細胞膜成分等を挙げることができる。
なお、本発明に係る方法では、抗原は、固相担体に吸着させることで免疫原性を増強させられるため、予め高純度に精製しておく必要がないので、そのための時間やコストを節約できるという利点もある。
本発明で用いるスチレン系多孔質材料とは、スチレンおよび/またはスチレン誘導体を主成分とする材料であって、多孔質であるものを意味する。スチレン誘導体としては、架橋スチレン系の重合体等を挙げることができる。また、ここでいう「多孔質」とは細孔と呼ばれる微細な連続孔が、粒子内部にまで及んでいる構造のことをいう。この構造により、ビーズは、活性炭に匹敵する大きな表面積を持つようになり、水溶液中の蛋白質を効率よく吸着することができる。
本発明で用いるハイドロキシアパタイトは、組成式Ca5(OH)(PO43で表される水酸化リン酸カルシウムであり、タンパク質、核酸などの高分子多価陰イオンを吸着することが知られる。
本発明で用いられる、固相担体は、スチレンおよび/またはスチレン誘導体のみからなることが好ましいが、スチレンおよび/またはスチレン誘導体以外の夾雑物質が5〜10%程度含有されていても良い。また、本発明で用いられる固相担体は、ハイドロキシアパタイトのみからなることも好ましいが、ハイドロキシアパタイト以外の夾雑物質が5〜10%程度含有されていても良い。スチレン系多孔質材料やハイドロキシアパタイトは、細胞毒性が低く、生体内の免疫系が阻害されにくい点でも好ましい。
本発明に係る抗体ライブラリー作製方法では、上記抗原を上記固相担体に吸着させて、免疫原組成物を得る。ここで、吸着させるとは、上述したスチレン系多孔質材料またはハイドロキシアパタイトを主成分とする固相担体の表面または内部に、抗原を物理的に拘束、または化学的に結合させることを意味する。抗体に抗原を吸着させる方法は特に限定されないが、例えば、溶液中に上記固相担体と上記2種以上の抗原を添加し、撹拌する方法を用いることができる。このように、抗原を固相担体に吸着させた免疫原組成物を用いることによって、抗原−固相担体複合体が異物として認識されやすくなり、免疫担当細胞の凝集が促進される。
尚、本発明に係る方法では、各抗原が、1個体あたり、初回免疫において0.03μg〜1000μg投与されるように免疫原組成物を用いて免疫することが好ましい。より好ましくは、0.1μg〜800μg、さらに好ましくは、0.5μg〜500μg投与する。また、一般に抗体が産生されにくいタンパク質(例えばインスリン等)の場合は、1個体あたり300μg〜500μg投与することが好ましい。
また、本発明に係る抗体ライブラリー作製方法では、上記免疫原組成物で動物を免疫する工程を含む。免疫原組成物で動物を免疫する方法は、自体公知の方法を用いることができ、例えば、免疫原組成物を含むエマルジョンを動物に皮下注射、皮内注射、または腹腔内注射することによって行うことができる。初回免疫の後、2〜5週間間隔で2〜5回程度追加免疫を行うことによってより効果的に抗体価を上昇させることが可能である。
免疫する動物としては、例えば、マウス、ラット、ウサギ、ヤギ、ヒツジ、ハムスター、ニワトリ等を挙げることができるが、モノクローナル抗体ライブラリーを作製する場合はマウス、ポリクローナル抗体ライブラリーを作製する場合はウサギまたはマウスが好ましい。
本発明によれば、モノクローナル抗体およびポリクローナル抗体のいずれのライブラリーも作製することができる。それぞれの作製方法は上述の通りであるが、抗原とアジュバントを混合した抗原エマルジョンのかわりに、本発明に係る免疫原組成物を用いる点が異なり、このため不要な抗体が産生されず好適である。
本発明に係る抗体ライブラリーの作製方法は、特に通常十分な抗原量が必要とされるモノクローナル抗体のライブラリーを作製するのに有用である。モノクローナル抗体は、特異性が高く、高精度の解析に用いることができ好ましい。
ここで、本発明で得られるモノクローナル抗体ライブラリーの有用な利用方法について説明する。上述にように、本発明に係る抗体ライブラリーの作製方法では、複数種類の抗原群で動物を免疫し、これらの抗原群に対する抗体群を得ることができる。従って、特定の共通した性質を有する蛋白質群を抗原とし、本発明に係る方法を用いれば、当該蛋白質群の各蛋白質をそれぞれ認識する抗体を含む抗体ライブラリーを得ることができる。かかる抗体ライブラリーを用いれば、被検試料中における当該蛋白質群に含まれる各蛋白質の存否を確認することができる。また、かかる抗体ライブラリーを固相担体に固定化し、これに被検試料を接触させインキュベートすることにより、被検試料中から当該蛋白質群を一度の操作で除去することが可能となる。
特定の共通した性質を有する蛋白質群としては、遺伝子レベルでのカテゴリーが共通するcdk/cyclinファミリー、FGFファミリー、P53ファミリーなどの蛋白質群、転写制御因子・核内受容体などのようにDNA結合活性を有する蛋白質群、G蛋白質共役型受容体群、情報伝達系因子群(蛋白質リン酸化酵素など)、などの蛋白質群が挙げられる。
例えば、抗原として、正常ヒト血漿サンプルを用いて、本発明に係る抗体ライブラリーの作製方法を行う。こうすれば、正常ヒト血漿サンプルに比較的高濃度で含まれる蛋白質群(例えば、アルブミン、IgG、α1−アンチトリプシン、IgA、トランスフェリン、ハプトグロビン等)に対する抗体群を網羅的に含むライブラリーを得ることができる。このライブラリーを固定した抗体カラムを作製し、特定の疾患の患者から採取した血漿サンプルをこのカラムに通すことにより、健常者のサンプルと患者サンプルに共通して含まれる蛋白質を吸着除去することができる。このカラムを通した患者サンプルには、患者サンプルにのみ含まれる微量蛋白質が残されるので、この微量蛋白質の検出および解析が容易になる。特定の疾患の患者としては、例えば各種癌患者が考えられる。
さらに、上記抗体カラムを素通りした画分を用いて、再度本発明に係る抗体ライブラリーの作製方法を用いることにより、患者サンプル特有の蛋白質に対する網羅的な抗体ライブラリーを得ることが可能となる。この抗体ライブラリーを固相担体に固定化すれば、疾患特異的に発現する蛋白質を検出できるので、診断や疾患マーカーの同定に用いることもできる。
抗体を固相担体に固定化する方法は、自体公知の方法に従って行うことができ、例えばプロテインAやプロテインGを固定化した固相担体を用いれば容易に行うことができる。また、CNBr-activated Sepharose 4Bなどの市販のアフィニティーカラム用担体に抗体を共有結合させることも可能である。
さらに、本発明は、抗原性の強い抗原と弱い抗原とが混在したサンプルを用いて、このサンプル中のすべての抗原に対する抗体を網羅的に作製する方法を提供する。
具体的には、まず、このサンプル中に含まれるすべての抗原を、スチレン系多孔質材料またはハイドロキシアパタイトを主成分とする第一の固相担体に吸着させ免疫原組成物を得る。第一の固相担体はビーズ状であることが望ましい。続いて、この免疫原組成物を用いて動物を免疫し、上述の方法で複数のモノクローナル抗体を得る。この第一サイクルにおいては、抗原性が十分に高い抗原に対するモノクローナル抗体のみ得ることができる。
次に、得られたモノクローナル抗体群を第二の固相担体に固定化する。ここで用いられる第二の固相担体は、例えば、試料を通すことができるカラム等が好ましい。次に、上述した免疫原組成物を第二の固相担体と接触させると、第一サイクルで抗体が作られた抗原のみ、第二の固相担体に吸着される。これにより、免疫原組成物中には、第一サイクルで抗原が産生されなかった抗原のみが残ることになる。
こうして得られた免疫原組成物を用い、第二サイクルとして、再度動物を免疫することによって、次のモノクローナル抗体群を得ることができる。このモノクローナル抗体群は、第一サイクルで得られたモノクローナル抗体群よりも、弱い抗原性を有する抗原に対する抗体群である。
こうして、抗体の得られた抗原を順次除いた免疫原組成物を用いて動物を免疫する操作を繰り返すことにより、もとのサンプル中に含まれていたすべての抗原に対するモノクローナル抗体を含む抗体ライブラリーを得ることができる。
なお、上記サイクルは、サンプル中のすべての抗原に対するモノクローナル抗体を得るまで繰り返さずに、必要なモノクローナル抗体を得た時点で終了してもよい。所望の回数だけ上記サイクルを繰り返して、所望のモノクローナル抗体を得る方法も、本発明の「試料中に含まれるすべての抗原に対するモノクローナル抗体を含む抗体ライブラリーを作製する方法」に包含される。
上記サンプルとしては、例えば末梢血を用いることが可能であり、これにより、末梢血に含まれる抗原蛋白質に対するすべてのモノクローナル抗原を網羅的に作製することが可能となる。
また、本発明は、上述した本発明に係る抗体ライブラリー作製方法で抗体ライブラリーを作製する工程と、このライブラリーから所望の抗体を精製する工程と、を含む抗体作製方法をも提供する。抗体の精製は、例えばその抗原を固相担体に固定し、当該固相担体と本発明に係る抗体ライブラリーを含む溶液とを接触させ、固相担体表面に捕捉された抗体を溶出させることによって行うことができ、その他、当業者であれば、公知の方法またはそれに準ずる方法によって抗体を精製することが可能である。従って、本発明に係る抗体ライブラリーの作製方法と抗体の精製とを組合わせることにより、所望の抗体を迅速に得ることが可能となる。
以下、本発明を実施例を用いてより詳細に説明するが、実施例は例示的なものにすぎず、本発明は如何なる場合も以下の具体例に限定されるものではない。
ヒト末梢血に含まれる複数の抗原蛋白質に対する抗体作製実験
本実施例では、抗原としてトランスフェリン(ヒト)、インスリン(ウシ)、および血清アルブミン(ヒト)の3種類の蛋白質を用い、1個体の動物を免疫してそれぞれ抗原に対する3種類のモノクローナル抗体を同時に作製した。
(免疫原組成物の調製)
アルブミン、インスリン、およびトランスフェリンをそれぞれ5mg/mLとなるようにリン酸緩衝液に懸濁し、これらを等量ずつ混合して3種抗原混合液(総タンパク質5mg/mL。各抗原の濃度は1.7mg/mL。)とした。初回免疫では、マウス1個体あたり、125μLのスチレン系多孔質材料ビーズ(三菱化学株式会社製「ダイヤイオン(商標)」)を用い、3種抗原混合液250μLを加えて30分間撹拌した。これを遠心分離し、上清を除去後、ビーズをリン酸緩衝液(塩化ナトリウム 8g/L;塩化カリウム 0.2g/L;リン酸一水素ナトリウム(無水) 1.15g/L;リン酸二水素ナトリウム(無水) 0.2g/L)375μLに懸濁し、投与液とした。追加免疫では、1個体あたりスチレン系多孔質材料ビーズ12.5μLに3種抗原混合液を25μL加え、30分間撹拌し上清を除去後、リン酸緩衝液487.5μLに懸濁し、これを投与液とした。
(動物の免疫)
初回免疫として、上述の方法で得た投与液0.5mLを各々6〜8週齢のBalb/cByJ Jcl(雌)2〜3個体ずつの腹腔内に注射した。1個体当り注射液を0.5mLとすることによって、計1250μgの3種混合タンパク質(各タンパク質約400μg)を吸着したビーズで免疫したことになる。
初回免疫後、図1に従ったスケジュールで、4、5、6週間後に追加免疫として、マウス1個体あたり125μg×3回の3種混合タンパク質に相当するビーズを注射により腹腔内投与した。
(血清の抗体価測定(ELISA))
初回免疫前日および各追加免疫前日に、マウスの尾静脈より採血し、血液を凝固させた後遠心分離し、上清(=血清)を得た。血清を1%牛血清アルブミン溶液で希釈度100〜32000に希釈し、血清希釈液を調製した。3種抗原混合液(150ng/well)、またはアルブミン、インスリンおよびトランスフェリン(各50ng/well)を各々吸着させたアッセイ用96穴プレートを用いて、得られた血清希釈液の抗体価を、常法に従った間接法による酵素抗体法(細胞工学別冊実験プロトコールシリーズ 抗ペプチド抗体実験プロトコール 大海忍 辻村邦夫 稲垣昌樹 著)で測定した。
初回免疫および追加免疫後に行ったELISAの結果を図2〜5に示す。
図2はアルブミン、図3はインスリン、図4はトランスフェリンを抗原として、同一個体のマウスから得られた血清希釈液の抗体価を、酵素抗体法で測定した結果を示している。免疫開始前(Control)では、血清中にアルブミン、インスリンおよびトランスフェリンに対する抗体価は検出されず、1次追加免疫前日(1st)、2次追加免疫前日(2nd)、3次追加免疫前日(3rd)と免疫を重ねるにつれ、血清中にアルブミン、インスリンおよびトランスフェリンに対する抗体価の上昇が観察された。図5にここで抗体価の測定に供されたプレートを示す。同一個体のマウスの血清中に3種類の異なる抗原に対する抗体が確認され、追加免疫を増やすごとにその濃度が上昇していることが確認された。
(脾臓の摘出)
免疫したマウスのうち、血清の抗体価が十分に高いもの(希釈度10000においても抗体価が検出できるもの)を選定した。マウスをエーテル麻酔し、心臓または腋窩静脈より採血した後、脾臓を摘出した。無血清培地中で脾細胞をほぐし、70μmのメッシュフィルターを通過させ組織片等を除去した。
(細胞融合)
ミエローマ細胞と脾臓より採取した脾細胞とを1:1〜1:10の割合で混合し、ポリエチレングリコールを用いて細胞融合した。
得られたハイブリドーマを、一匹のマウスあたり384ウェルに植え込んだところ、すべてのウェルで細胞増殖が確認された。この中から、さらに、間接法による酵素抗体法で、培養上清中に、投与した抗原原料(アルブミン、インスリン、トランスフェリン混合:各々50ng/well)に対して抗体価を示すウェルが、78ウェル検出された。
これらの抗体価陽性のウェル中のハイブリドーマを増殖させ、今度は、抗原を、それぞれ、アルブミン、インスリン、トランスフェリン単独にした間接法による酵素抗体法で、各ウェル中のハイブリドーマが、どの特定の抗原に対する抗体を産生しているのかを検討した。結果図6に示す。各抗原を検出したプレート毎に、特異的に陽性であるウェルが観察され、抗体価陽性を示すウェルの位置が明らかに違うものがいくつか存在することが示された。
以上の結果から、本発明に係る方法によれば、実用的な頻度で、目的とするハイブリドーマの作製が実現され、さらに、投与した3つの抗原に対する特異的なモノクローナル抗体が、一匹のマウスから作製可能であることが示された。これらのことは、多種類の抗原に対するモノクローナル抗体を、本発明に係る方法によって、一匹のマウスで、安価に、また、簡便に作製できることも示す。
また、アミノ酸配列が高度に保存されているため、一般に抗体作製が困難であるとされる血清蛋白質の抗体を効率的に作製できることが確認された。特に、分子量が小さく、他の蛋白質に結合しないと抗体作製が困難なインスリンに対する抗体も、1個体あたり約400μgの抗原による免疫で、他の2種類の蛋白質に対する抗体と同時に得られることが示された。
本実施例では、より多数(30種類)の抗原を用いて1個体の動物を免疫し、それぞれの抗原に対する抗体を同時に作製した。1個体に投与する免疫原組成物に含まれる抗原は、実施例1よりもさらに微量の、各1μgとした。
(免疫原組成物の調製)
抗原30種を、各々1μg/mLとなるようにリン酸緩衝液(塩化ナトリウム 8g/L;塩化カリウム 0.2g/L;リン酸一水素ナトリウム(無水) 1.15g/L;リン酸二水素ナトリウム(無水) 0.2g/L)に混合し、30種抗原混合液(総タンパク質30μg/mL)とした。抗原として用いた30種のタンパク質を表1に示す。
Figure 2005100398

初回免疫では、マウス1個体あたり250μLのスチレン系多孔質材料ビーズ(三菱化学株式会社製「ダイヤイオン(商標)」)に、30種抗原混合液1mLを加え30分間撹拌した。これを遠心分離し、上清を除去後、ビーズをリン酸緩衝液250μLに懸濁し、これを投与液とした。追加免疫では、1個体あたりスチレン系多孔質材料ビーズ25μLに30種抗原混合液を100μL加え、30分間撹拌し上清を除去後、リン酸緩衝液475μLに懸濁し、これを投与液(免疫原)とした。
(動物の免疫)
上述の方法で得た免疫原組成物を注射液とし、この注射液500μLを各々6〜8週齢のBalb/cByJ Jcl(雌)3個体ずつの腹腔内に注射した。これにより、初回免疫では、マウス1個体あたり、30μgの30種混合抗原(各抗原1μg)によって、免疫されたことになる。初回免疫後、4、5、6、7、8、9、10週間後に追加免疫として、マウス1個体あたり、各々初回免疫時の1/10量の30種混合タンパク質をそれぞれの追加免疫時に注射により腹腔内投与した。
(血清の抗体価の測定)
初回免疫前日および各追加免疫前日に、マウスの尾静脈より採血し、血液を凝固させた後遠心分離し、上清(=抗血清)を得た。血清を1%牛血清アルブミン溶液で希釈度1/100から1/12800に希釈し、血清希釈液を調製した。各抗原(各50ng/well)を各々吸着させたアッセイ用96穴プレートを用いて、得られた血清希釈液の抗体価を、常法に従った間接法による酵素抗体法で測定した。
結果を図7に示す。図7(A)は、酵素抗体法の結果を示す写真であり、図7(B)は、これを表に纏めたものである。表中、1〜30の数字は上記表1の抗原1〜30に対応し、グレーに着色したものは、抗血清の測定結果が陽性であったもの、即ちマウス個体において抗体が産生されたものを示す。1個体に投与する免疫原組成物に含まれる抗原が各1μgと非常にわずかな量であったにもかかわらず、3個体において、17〜19種類の抗原に対する抗体が1回の免疫により産生されたことが確認された。
モノクローナル抗体産生ハイブリドーマ作製のプロセスを示す。 スチレン系多孔質材料ビーズを用いた免疫により、同一個体に同時投与した3種タンパク質のうち、アルブミンに対する抗体価が上昇することを確認したELISAの結果を示す。 スチレン系多孔質材料ビーズを用いた免疫により、同一個体に同時投与した3種タンパク質のうち、インスリンに対する抗体価が上昇することを確認したELISAの結果を示す。 スチレン系多孔質材料ビーズを用いた免疫により、同一個体に同時投与した3種タンパク質のうち、トランスフェリンに対する抗体価が上昇することを確認したELISAの結果を示す。 図2〜4に示すELISAの結果を示す写真である。 本発明に係る方法で作製されたモノクローナル抗体について、各抗原でコートされたイムノプレートを用いて、抗原別の特異的な抗体価の上昇を確認したELISAの結果を示す。 本発明に係る方法により、30種類の抗原を用いてマウスを免疫し、得られた抗体ライブラリーに含まれる抗体を、各抗原でコートされたイムノプレートを用いてELISA法により検出した結果を示す。

Claims (15)

  1. 少なくとも2種類の異なる抗体を含む抗体ライブラリーの作製方法であって、
    少なくとも2種類の異なる抗原を、スチレン系多孔質材料を主成分とする固相担体に吸着させて免疫原組成物を得る工程と、
    前記免疫原組成物で動物を免疫する工程と、を含む方法。
  2. 前記固相担体が、架橋スチレン系多孔質重合体ビーズである、請求項1に記載の方法。
  3. 少なくとも2種類の異なる抗体を含む抗体ライブラリーの作製方法であって、
    少なくとも2種類の異なる抗原を、ヒドロキシアパタイトを主成分とする固相担体に吸着させて免疫原組成物を得る工程と、
    前記免疫原組成物で動物を免疫する工程と、を含む方法。
  4. 前記固相担体が、多孔質性ビーズである、請求項3に記載の方法。
  5. 前記抗原が、2種類以上200種類以下である、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記抗体が、モノクローナル抗体である、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記動物がマウスである、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記抗原が、正常ヒト血漿に含まれる蛋白質である、請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載の方法で得られた抗体ライブラリー。
  10. 請求項9に記載の抗体ライブラリーに含まれる抗体に結合する2種以上の物質を、被検試料から同時に除去する方法であって、
    請求項9に記載の抗体ライブラリーを固相担体に固定化する工程と、
    前記被検試料を、該固相担体に接触させインキュベートする工程と、を含む方法。
  11. 疾患特異的に発現が増加または減少する蛋白質の分析方法であって、
    請求項9に記載の抗体ライブラリーを固相担体に固定化する工程と、
    患者由来の血漿サンプルを、該固相担体に接触させインキュベートすることにより、前記血漿サンプルから前記抗体ライブラリー中の抗体に結合する物質を除去する工程と、
    前記抗体ライブラリーに結合する物質を除去した血漿サンプル中の蛋白質を定量的に検出する工程と、を含む方法。
  12. 試料中に含まれるすべての抗原に対するモノクローナル抗体を含む抗体ライブラリーを作製する方法であって、
    前記試料中に含まれる抗原を、スチレン系多孔質材料またはハイドロキシアパタイトを主成分とする第一の固相担体に吸着させて免疫原組成物を得る、第一工程と、
    前記免疫原組成物で動物を免疫してモノクローナル抗体群を得る、第二工程と、
    前記第二工程で得られたモノクローナル抗体群を第二の固相担体に固定化し、該第二の固相担体と前記免疫原組成物とを接触させてインキュベートすることにより、前記試料から、第二工程で得られたモノクローナル抗体群の免疫原となる抗原を吸着させた第一の固相担体を除去して新たな免疫原組成物を得る、第三工程と、
    前記試料中のすべての抗原に対するモノクローナル抗体を得るまで、第三工程で得られた免疫原組成物を用いて第二工程および第三工程を繰り返す工程と、を含む方法。
  13. 前記試料がヒト末梢血である、請求項12に記載の方法。
  14. 請求項1から8のいずれか1項に記載の方法で抗体ライブラリーを作製する工程と、
    前記ライブラリーから所望の抗体を精製する工程と、を含む抗体作製方法。
  15. 少なくとも2種類の異なる抗原を、スチレン系多孔質材料またはハイドロキシアパタイトを主成分とする固相担体に吸着させた免疫原組成物。
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