JPWO2005098012A1 - キラルなヒドロキシアルデヒド化合物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

従来のDERAの問題点であった、アルデヒドに対する安定性が低い、アルドール縮合の触媒活性が低い、及び縮合するアセトアルデヒド数を制御できないという問題を解決し、ヒドロキシアルデヒド類を効率よく製造する工業的方法を提供する。アルデヒドに対し安定性が高く、かつアルドール縮合の触媒活性が高いD-2-デオキシリボース-5-リン酸アルドラーゼを用いて、炭素数2から6の置換または無置換の脂肪族アルデヒド化合物とアセトアルデヒドとをアルドール縮合反応させることにより、炭素数が2または4増加したヒドロキシアルデヒド化合物を製造する。

Description

本発明は、炭素数が2から6の置換または無置換の脂肪族アルデヒド化合物に対し、アセトアルデヒドを1分子アルドール縮合する、もしくはさらに2分子目のアセトアルデヒドをアルドール縮合することで、炭素数が2または4増加したヒドロキシアルデヒド化合物を製造する方法に関するものである。
D-2-デオキシリボース-5-リン酸アルドラーゼ(EC4.1.2.4)(以下、「DERA」と略記する。)は、グリセルアルデヒド-3-リン酸とアセトアルデヒドを基質とし、D-2-デオキシリボース-5-リン酸を合成するアルドール縮合およびその逆反応(レトロアルドール反応)を触媒する酵素の総称である。大腸菌由来のDERAについては、その反応性が詳細に解析されており、比較的広い基質特異性を持ち、種々のアルデヒドのアルドール縮合を触媒し、キラルなヒドロキシアルデヒドを生成することが報告されている(非特許文献1を参照。)。
図1に示した反応スキームのように、種々のアルデヒドとアセトアルデヒドのアルドール縮合では、1分子のアセトアルデヒドがアルドール縮合したヒドロキシアルデヒドに、さらにもう1分子のアセトアルデヒドがアルドール縮合し、炭素数が4増加した化合物が得られることが報告されている。この際2分子のアセトアルデヒドがアルドール縮合した化合物は、安定なラクトール構造をとるために、主反応生成物として生成すると報告されている(非特許文献2を参照。)。
しかし、従来知られているDERAによる上述のような種々のアルデヒドに対する活性は、本来の基質であるグリセルアルデヒド-3-リン酸とアセトアルデヒドの場合に比べ極端に低く100分の1未満と報告されている(非特許文献3を参照。)。また、アルデヒド類は酵素に対して強力な阻害剤であり、DERAもアルデヒドによる阻害を受けることが報告されている。(非特許文献4を参照。)。したがって、これらアルデヒドのアルドール縮合を行うには大量の酵素が必要となる。例えば、前記の特許文献1には、4-置換-3-ヒドロキシブチルアルデヒド中間体を経由する、2,4,6-トリデオキシヘキソース誘導体の合成が記載されているが、基質であるアセトアルデヒドと置換アセトアルデヒドとの合計モル数に対し、D-2-デオキシリボース-5-リン酸アルドラーゼを約125U〜150U/mmolという高用量で実施されている。同様に、アセトアルデヒドを1分子縮合させることを目的とする反応においても、約80U〜100U/mmolという高用量で加える必要があるとされている。さらには、阻害を緩和する目的から、アルデヒドとDERAを数回に分けて分割添加するなどの方法も検討されている(特許文献2を参照。)。
DERAによるアルドール縮合反応のもうひとつの問題は、縮合するアセトアルデヒドの分子数を制御することが困難であるということである。アルドール縮合に供する2種のアルデヒドの濃度比を変える、または、酵素量を変えるなどの方法で試みられてはいるが、α位またはβ位にヒドロキシ基があるいくつかのアルデヒドとアセトアルデヒドのアルドール縮合の場合を除いては制御が困難であった(非特許文献5、非特許文献6及び特許文献3を参照。)。このような問題から、DERAによるアルドール縮合反応は実用化することが困難であった。
安定性の高いDERAという観点では、超好熱菌アエロパイラム・ペルニックス(Aeropyrum pernix)由来の耐熱性DERAが報告されている(特許文献4を参照。)。この酵素は、耐熱性が高いことと、メタノールやエタノール等の極性有機溶媒に対する安定性が高いことが報告されている(非特許文献8を参照。)。そのほかにも、サーモトガ・マリティマ(Thermotoga.maritima)、サーマス・サーモフィラス(Thermus thermophilus)などの好熱性菌由来DERAが報告されているが、これら好熱性菌由来DERAのアルデヒドに対する安定性や、それらのアルドール縮合の活性などについては一切報告されていない(非特許文献9を参照。)。
一般的に好熱性菌由来酵素は、本来の生育温度付近である高温領域において高い活性を示し、常温領域では著しく活性が低い。アルデヒドのような反応性の高い化合物を基質とするアルドール縮合の場合、高温領域での反応では様々な副反応を起こしてしまうことが予想される。それゆえ、アルドール反応を低温条件で実施する必要があり、好熱性菌由来DERAを利用することは一般的には考えにくいことである。また、アルデヒドがタンパク質中のリジン残基などと反応する性質を持つことから、単に熱安定性が高いという理由から、アルデヒドに対する安定性も高いと推察することは困難であった。
米国特許5,795,749号公報 WO 03/006656 WO03/077868 特開2003−250553号 J.Am.Chem.Soc. vol.112, pp.2013-2014(1990) J.Am.Chem.Soc. vol.116, pp.8422-8423(1994) J.Am.Chem.Soc. vol.114, pp.741-748(1992) PNAS. Vol.101, pp.5788−5793(2004) J.Am.Chem.Soc. vol.117, pp.3333-3339(1995) Angeu. Chem. Int. Ed. vol.39, pp.1352-1374(2000) J.Am.Chem.Soc. vol.114, pp.741-748(1992) J.Biol.Chem. vol.278, pp.10799-10806(2003) J.Mol.Biol. vol.343, pp.1019-1034(2004)
本発明は、従来のDERAの問題点であった、アルデヒドに対する安定性が低い、アルドール縮合の触媒活性が低い、及び縮合するアセトアルデヒド数を制御できないという問題を解決し、ヒドロキシアルデヒド類を効率よく製造する工業的方法を提供することを目的としている。
本発明者らは、アルデヒドに対し安定性が高く、かつアルドール縮合の触媒活性が高い、DERAを鋭意探索した。その結果、超好熱性菌サーモトーガ・マリティマ(Thermotoga maritima)由来、及びパイロバキュラム・アエロフィラム(Pyrobaculam aerophilum)由来のDERAが、アルデヒドに対する安定性が著しく高いことを見出した。また、天然の基質であるグリセルアルデヒド-3-リン酸とアセトアルデヒドに対する25℃での活性は既存の大腸菌由来の酵素に対し著しく低いが、非天然基質であるアルデヒドとアセトアルデヒドに対するアルドール縮合反応の活性は、既に報告されている大腸菌由来DERAよりはるかに高いことを見出した。さらに、超好熱性菌パイロバキュラム・アエロフィラム(Pyrobaculum
aerophilum)由来DERAにおいては、1分子のアセトアルデヒドがアルドール縮合したβ−ヒドロキシアルデヒドに、さらにもう1分子のアセトアルデヒドがアルドール縮合する反応が起こりにくく、炭素数が2増加したβ−ヒドロキシアルデヒドが優先的に得られるという特徴があることを見出し、本発明を完成するに至った。
サーモトーガ・マリティマ(Thermotoga maritima)及びパイロバキュラム・アエロフィラム(Pyrobaculam aerophilum)については、ゲノム情報がすでに公開されており(Nature,
vol.399, pp.323-329(1999)、Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. vol.99 pp.984-989(2002))、これらの情報を基に大腸菌由来DERAとの相同性から両菌株のDERAをコードしていると思われるDNA配列が推定されていた。しかしながら、これら超好熱性菌由来DERAについての詳細解析はなされておらず、本発明以前にこれらDERAにこのような効果があるとは想定することもできなかった。このように本発明は、種々のアルドール縮合反応への応用性が未知であった超好熱性菌由来DERAの効果について初めて実証し、明らかにしたものである。
即ち、本発明は、
[1] 100mMのクロロアセトアルデヒドを含有する水媒体中、25℃で30分間処理した後の残存活性が50%以上であるD-2-デオキシリボース-5-リン酸アルドラーゼの存在下、炭素数が2から6の置換または無置換の脂肪族アルデヒド化合物と1分子のアセトアルデヒドをアルドール縮合反応させる、炭素数が2増加したヒドロキシアルデヒド化合物の製造方法、
[2] 100mMのクロロアセトアルデヒドを含有する水媒体中、25℃で30分間処理した後の残存活性が50%以上であるD-2-デオキシリボース-5-リン酸アルドラーゼ(または該酵素を含む細胞またはその処理物)の存在下、炭素数が2から6の置換または無置換の脂肪族アルデヒド化合物と2分子のアセトアルデヒドをアルドール縮合反応させる、炭素数が4増加したヒドロキシアルデヒド化合物の製造方法、
に関するものである。
本発明によれば、アルデヒドに対し安定性が高く、かつアルドール縮合の触媒活性が高いDERAを用いることにより、少ない酵素量で反応器当りの生産性を向上させることができる。また、アセトアルデヒドを1分子アルドール縮合する活性の高いDERAと、アセトアルデヒドを2分子アルドール縮合する活性の高いDERAを使い分けることで、所望のヒドロキシアルデヒド化合物を高収率で得ることが可能となる。
DERAによる逐次アルドール反応(Sequential aldol reactions catalyzed by DERA)の概要を示す図である。
100mMのクロロアセトアルデヒドを含有する水媒体中、25℃で30分間処理した後の残存活性は、本発明に用いられるDERAの好適なpHに設定された100mMの緩衝成分と100mMのクロロアセトアルデヒドを含む水溶液に、適当量のDERAを溶解し25℃で30分間処理したあと、100mMになるようアセトアルデヒドを添加し25℃で2時間アルドール縮合反応を行い、生成した4-クロロ-3-ヒドロキシブチルアルデヒドと6-クロロ-2,4,6-トリデオキシヘキソースの生成量の合計値及び該処理をせずにアルドール縮合反応を行った場合の、4-クロロ-3-ヒドロキシブチルアルデヒド及び6-クロロ-2,4,6-トリデオキシヘキソースの生成量の合計値を求め、後者の値に対する前者の値の割合と定義される。なお、本明細書において、100mMのクロロアセトアルデヒドを含有する水媒体中、25℃で30分間処理した後の残存活性の評価を、単に「クロロアセトアルデヒド耐性の評価」といい、100mMのクロロアセトアルデヒドを含有する水媒体中、25℃で30分間処理した後の残存活性の値を「クロロアセトアルデヒド耐性値」と略記することもある。
本発明に用いられるDERAの活性は、25℃で1分間当たり1μmolのD-2-デオキシリボース-5-リン酸をD-グリセルアルデヒド-3-リン酸とアセトアルデヒドに分解する酵素量を1Uと定義される。D-2-デオキシリボース-5-リン酸の分解によって生じるD-グリセルアルデヒド-3-リン酸は、トリオースリン酸イソメラーゼでジヒドロキシアセトンリン酸に変換し、これをグリセロール-3-リン酸脱水素酵素で反応させた際のNADH(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド還元型)の減少量により定量する。
本発明において用いられるDERAは、上記の100mMのクロロアセトアルデヒドを含有する水媒体中、25℃で30分間処理した後の残存活性が、50%以上の残存活性値を示すDERAであれば何ら制限は受けない。このようなDERAとして、配列番号1に示されるアミノ酸配列を有するDERAまたは配列番号2に示されるアミノ酸配列を有するDERAが好適なものとして挙げられる。
配列番号1に示すアミノ酸配列を有するDERAは、例えば、ジャパン コレクション オブ マイクロオ-ガニズムズ(Japan Collection of Microorganisms(JCM))から入手できるサーモトーガ・マリティマ(JCM番号10099)より得られる。配列番号1に示すアミノ酸配列は、本発明に見られる効果が保持されている限りにおいて、配列番号1に示すアミノ酸配列の1ないし数個のアミノ酸が欠失、または他のアミノ酸残基に置換され、或いは他のアミノ酸残基が挿入されるといった変異が導入された配列であっても良い。
配列番号2に示すアミノ酸配列を有するDERAは、例えば、JCMから入手できるパイロバキュラム・アエロフィラム(JCM番号9630)より得られる。配列番号2に示すアミノ酸配列は、本発明に見られる効果が保持されている限りにおいて、配列番号2に示すアミノ酸配列の1ないし数個のアミノ酸が欠失、または他のアミノ酸残基に置換され、或いは他のアミノ酸残基が挿入されるといった変異が導入された配列であっても良い。
近年の分子生物学および遺伝子工学の進歩により、前記のDERA遺伝子および発現に必要な制御領域が挿入された組換えプラスミドを構築し、これを任意の宿主に導入し、該蛋白質を発現させた遺伝子組換え菌を作出することが可能となり、かつ、比較的容易にもなった。かかる技術水準に鑑み、このようなDERAの遺伝子を任意の宿主に導入した遺伝子組換え菌も本発明のDERAを発現している微生物に包含されるものとする。ここでいう発現に必要な制御領域とは、プロモーター配列(転写を制御するオペレーター配列を含む)・リボゾーム結合配列(SD配列)・転写終結配列等を示している。プロモーター配列の具体例としては、大腸菌由来のトリプトファンオペロンのtrpプロモーター・ラクトースオペロンのlacプロモーター・ラムダファージ由来のPLプロモーター及びPRプロモーターや、枯草菌由来のグルコン酸合成酵素プロモーター(gnt)・アルカリプロテアーゼプロモーター(apr)・中性プロテアーゼプロモーター(npr)・α−アミラーゼプロモーター(amy)等が挙げられる。また、tacプロモーターのように独自に改変・設計された配列も利用できる。リボゾーム結合配列としては、大腸菌由来または枯草菌由来の配列が挙げられるが、大腸菌や枯草菌等の所望の宿主内で機能する配列であれば特に限定されるものではない。たとえば、16SリボゾームRNAの3’末端領域に相補的な配列が4塩基以上連続したコンセンサス配列をDNA合成により作成してこれを利用してもよい。転写終結配列は必ずしも必要ではないが、ρ因子非依存性のもの、例えばリポプロテインターミネーター・trpオペロンターミネーター等が利用できる。これら制御領域の組換えプラスミド上での配列順序は、5’末端側上流からプロモーター配列、リボゾーム結合配列、DERAをコードする遺伝子、転写終結配列の順に並ぶことが望ましい。ここでいうプラスミドの具体例としては、大腸菌中での自律複製可能な領域を有しているpBR322、pUC18、Bluescript
II SK(+)、pKK223−3、pSC101、pET15b(Novagen社製)等や、枯草菌中での自律複製可能な領域を有しているpUB110、pTZ4、pC194、ρ11、φ1、φ105等をベクターとして利用することができる。また、2種類以上の宿主内での自律複製が可能なプラスミドの例として、pHV14、TRp7、YEp7及びpBS7をベクターとして利用することができる。ここでいう任意の宿主には、後述の実施例のように大腸菌BL21[DE3]株(Novagen社製)などの大腸菌(Escherichia
coli)が代表例として挙げられるが、とくに大腸菌に限定されるのものではなく枯草菌(Bacillus subtilis)等のバチルス属菌、酵母や放線菌等の他の微生物菌株も含まれる。
形質転換等、遺伝子組換えの手法に関しては、Molecular Cloning,A laboratory manual, second edition, Cold
Spring Harbor Laboratory Press(1989)等に記載されている方法に準じて行うことができる。形質転換された組換え細胞は、適切な条件下で培養し、その培養物から公知の精製方法によりDERAを調製することができる。
100mMのクロロアセトアルデヒドを含有する水媒体中、25℃で30分間処理した後の残存活性が50%以上であるD-2-デオキシリボース-5-リン酸アルドラーゼの存在下、炭素数が2から6の置換または無置換の脂肪族アルデヒド化合物と1分子のアセトアルデヒドをアルドール縮合反応させることにより、炭素数が2増加したヒドロキシアルデヒド化合物を製造することができる。このアルドール縮合反応は、通常、水溶液中で実施される。反応にあたっては、最適なpHを維持する目的で、適切な緩衝成分を加えてもよいし、酸またはアルカリにより適宜pH調整をしても良い。また、反応を阻害しない程度に、水と混和する有機溶媒、または水と混和しない有機溶媒を加えて反応を行っても良い。
炭素数が2から6の置換または無置換の脂肪族アルデヒド化合物における炭素数が2から6の置換の脂肪族アルデヒド化合物は、炭素数が2から6の無置換の脂肪族アルデヒド化合物に結合する任意の位置の水素原子(ただし、アルデヒド基の水素原子を除く)が置換基で置換されている化合物である。このような置換基としては、アルドール縮合反応に悪影響を与えないものであれば特に限定されないが、例えば、ハロゲン原子、アジド基、カルボキシル基、アルコキシ基またはアルカン酸基などが挙げられる。
炭素数が2から6の置換または無置換の脂肪族アルデヒド化合物としては、例えば、一般式(1)、一般式(2)または一般式(3)で示される化合物が挙げられる。これら脂肪族アルデヒド化合物に対し、アセトアルデヒドを1分子アルドール縮合することで、それぞれに対応する一般式(4)、一般式(5)または一般式(6)で示される化合物が合成される。また、一般式(1)で示される化合物に対し、アセトアルデヒドを2分子アルドール縮合することで、一般式(7)で示される3−5−ヒドロキシアルデヒド化合物が合成される。尚、一般式(1)〜(7)中のR1は、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、アジド基、カルボキシル基、または炭素数が1から4のアルコキシ基から選択される。R2は、水素原子、水酸基またはメチル基から選択される。また、R3は、水素原子または水酸基から選択される。
Figure 2005098012
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一般式(2)で示される化合物としては、アセトアルデヒド、クロロアセトアルデヒド、グリコールアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、3,4−ジヒドロキシブチルアルデヒド、マロン酸セミアルデヒド、コハク酸セミアルデヒド、アジピン酸セミアルデヒドなどが例示できる。特にクロロアセトアルデヒドは本発明の効果が顕著に現れるが故に好適に使用される。クロロアセトアルデヒドに対し、アセトアルデヒドを1分子アルドール縮合することで、炭素数が2増加した4-クロロ-3-ヒドロキシブチルアルデヒドが合成され、さらに2分子目のアセトアルデヒドを連続してアルドール縮合することで、炭素数が4増加した6-クロロ-2,4,6-トリデオキシヘキソースが合成される。一般式(3)で示される化合物では、代表的なものとしてD-グリセルアルデヒド、イソブチルアルデヒドなどが例示できる。一般式(4)で示される化合物としては例えばD-エリトロース、3−4−ジヒドロキシブチルアルデヒドが例示できる。
一般式(1)、一般式(2)または一般式(3)で示される化合物に対する、アセトアルデヒドの仕込みモル量は、0.5モル等量以上3.0モル等量以内の範囲で設定するのが好適である。例えば、クロロアセトアルデヒドに対し、アセトアルデヒドを1分子アルドール縮合させて、4-クロロ-3-ヒドロキシブチルアルデヒドを合成する場合、クロロアセトアルデヒドに対するアセトアルデヒドの仕込みモル量は、通常0.5モル等量以上1モル等量の間で選択される。より好ましくは、パイロバキュラム・アエロフィラム由来DERAのようなアセトアルデヒドを2分子アルドール縮合する活性が低いDERAを用いれば、クロロアセトアルデヒドに対するアセトアルデヒドの仕込みモル量を、0.5モル等量以上3モル等量以内に設定すれば、収率よく4-クロロ-3-ヒドロキシブチルアルデヒドを合成することができる。
また、クロロアセトアルデヒドに対し、アセトアルデヒドを2分子アルドール縮合させて、6-クロロ-2,4,6-トリデオキシヘキソースを合成する場合、クロロアセトアルデヒドに対するアセトアルデヒドの仕込みモル量は、通常2モル等量以上3モル等量の間で選択される。サーモトーガ・マリティマ由来DERAのようなアセトアルデヒドを2分子アルドール縮合する活性が高いDERAを用いれば、収率よく6-クロロ-2,4,6-トリデオキシヘキソースを合成することができるのでより好ましい。
前記の反応に用いられるDERAの使用量は以下の範囲で規定される。アセトアルデヒドを1分子アルドール縮合することで、3-ヒドロキシアルデヒドを合成する場合、一般式(1)、一般式(2)または一般式(3)で示されるアルデヒド化合物とアセトアルデヒドの合計モル数に対し、DERAを0.1U/mmol以上80U/mmol以下の割合で加え反応させることができる。
アセトアルデヒドを2分子アルドール縮合することで、3-5-ジヒドロキシアルデヒドを合成する場合、一般式(1)で示される化合物とアセトアルデヒドの合計モル数に対し、DERAを0.1U/mmol以上120U/mmol以下の割合で加え反応させることができる。
前記の反応におけるpH範囲、反応温度は、目的生成物の収率等を考慮して適宜最適な条件を選択すればよい。例えば、反応液のpH範囲は、好ましくはpH4〜12、さらに好ましくはpH5〜9である。これらの範囲の緩衝液を調製するに際しては、充分な緩衝作用を有する任意のpH緩衝剤が利用できる。反応温度は0℃から100℃の範囲内で選択可能であるが、好ましくは、0℃から40℃の範囲、より好ましくは0℃から25℃の範囲である。
反応に要する時間は目的生成物の収率が最も高くなるよう設定すればよい。目的生成物は反応液より、抽出、共沸蒸留、または晶析などの公知の精製方法により分離、回収することができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
サーモトーガ・マリティマ由来DERAの調製
〔1〕サーモトーガ・マリティマ染色体DNAの調製
サーモトーガ・マリティマの培養には、JCM237培地(以下のように調製する。5.0g 可溶性デンプン、0.5g KHPO、15.0ml
添加ミネラル液(蒸留水1lあたり、1.5g Nitrilotriacetic acid、3.0g MgSO・7HO、0.5g
MnSO・xHO、1.0g NaCl、0.1g FeSO・7HO、0.1g
CoSO・7HO、0.1g ZnSO・7HO、0.01g CuSO・5HO、0.01g
AlK(SO, 0.01g HBO、 0.01g NaMoO・2HOを組成とし、まずNitrilotriacetic
acidを溶解しKOHによりpHを6.5に調製した後、残りのミネラルを添加して、pH7.0に調製したミネラル液)、2.0mg NiCl・HO、20.0g
NaCl、0.5g Bacto yeast extract(Difco社製)、1.0mg Resazurin、0.5g NaS・9HO、250ml
人工海水(蒸留水1lあたりに27.7g NaCl、7.0g MgSO・7HO、5.5g MgCl・6HO、0.65g
KCl、0.1g NaBr、30.0mg HBO、15.0mg SrCl・6HO、10.0mg
Citric acid、0.05mg KI、2.25g CaCl・HOを溶解した組成液)、蒸留水 750mlの組成物で、NaS・9HOを除く組成物を混合しpHをHSOにより6.5に調製する。窒素雰囲気下でフィルタ-濾過により無菌化する。5%溶液としてNaS・9HOを中和し、窒素雰囲気下で高圧滅菌(121℃、20分間)する。植菌前に、殺菌したNaS・9HOを添加し、必要に応じてpHを6.5に調製する。)を用いた。保存菌株(JCM番号10099)を、脱気後、窒素通気により嫌気条件を維持しながら、80℃で、24から96時間、マグネッチクスタ-ラ-により撹はん培養し、2Lの培養液を調製した。培養終了後、得られた培養液中の菌体を遠心分離(5000g、10分間)により集菌し、3%
NaClで洗菌を行った。菌体湿重量2gの菌体を8mlのTE緩衝液(10mM Tris-HCl(pH7.5)、1mM EDTA)に懸濁した。この菌体懸濁液に10mg/ml
Lysozyme溶液2ml、10mg/ml RNase溶液 100μlを加え37℃で、30分間インキュベーションした後、20mg/ml Proteinase K溶液50μlを加え、10分後、30mg/ml
N-Lauroylsarcosine Na溶液 1mlを加えて、さらに45分間インキュベーションした。当量のCI(クロロホルム:イソアミルアルコール=24:1)を加え穏やかに混和し、遠心分離(7000g、15分間)して、水層を分取した。同じ操作をもう一度繰り返した後に、PCI(水平衡化フェノール:CI=1:1)処理をCI処理と同様に2回繰り返した。さらに2回CI処理した後、0.1倍量の3M
酢酸ナトリウムを加えて撹拌し、当量のイソプロパノールを加えて軽く撹拌した。析出したDNAをディスポチューブで巻き取り、70%エタノールで、洗浄し乾燥させ、TE緩衝液
500μlに溶解することにより、サーモトーガ・マリティマ染色体DNAを得た。
〔2〕サーモトーガ・マリティマDERA遺伝子のクローニング、及び、該DERAを発現する大腸菌株の調製
サーモトーガ・マリティマ染色体DNAを鋳型とし、配列番号3及び配列番号4に記載の配列を有するオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いたPCRにより、配列番号1のサーモトーガ・マリティマ由来DERA遺伝子を含むDNA断片を得た。得られたDNA断片を、制限酵素NdeI、BamHIを用いて処理し、同じくNdeI、BamHIを用いて処理した市販の発現ベクターpET15b(Novagen社製)にライゲーションすることにより、サーモトーガ・マリティマ由来DERA発現プラスミドpET15b-TM1559を得た。この発現プラスミドを用いて大腸菌BL21[DE3]株(Novagen社製)を形質転換し、サーモトーガ・マリティマ由来DERAを発現する大腸菌株BL21[DE3]/pET15b-TM1559を得た。
〔3〕組換え大腸菌からのサーモトーガ・マリティマ由来DERAの精製
組換え大腸菌株BL21[DE3]/pET15b-TM1559は、50μg/mlアンピシリンを含むSB(1L中、トリプトン 12g、酵母エキス 24g、グリセロール
5ml、KHPO 12.5g、KHPO 3.8g)培地100mlに植菌し、37℃で、OD660=0.6になるまで培養した後、終濃度が1mMになるようにIPTG(イソプロピル-β-チオガラクトピラノシド)を加え、さらに3時間培養した。培養終了後、遠心分離(5000g
10分間)により、集菌し、0.85% NaCl溶液で、洗菌し、湿菌体重量の9倍量の10mM Tris-HCl(pH7.5)緩衝液に懸濁させ、超音波破砕後、遠心分離し、上清を粗酵素液とした。粗酵素液を80℃で、10分間熱処理し、遠心分離により熱変性した不溶性蛋白質を除去した。ニッケルを配位させた金属アフィニティーカラム(Hi
Trap affinity columns(Pharmacia Biotech社製))に、0.5M NaCl、10mM
イミダゾールを含む10mM Tris-HCl(pH7.5)緩衝液で、平衡化した後、熱処理後の不溶性蛋白質を除去した粗酵素液を吸着させ、イミダゾール濃度を0.1M、0.2M、0.3M、0.4M、0.5Mと段階的に上昇させて、活性画分を回収した。こうして得られたサーモトーガ・マリティマ由来DERAの純度をSDS-PAGEにて分析し、均一に精製されていることを確認した。またその蛋白質量は、Bio-Rad
Protein Assayキット(Bio-Rad社製)を用いて定量した。
パイロバキュラム・アエロフィラム由来DERAの調製
パイロバキュラム・アエロフィラムの培養は、JCM215培地(以下に調製法をしめす。125ml 海洋培地/合成海水混合液(47.15g NaCl,18.10g MgCl・6HO、7.0g
MgSO・7HO、3.13g CaCl・2HO、3.24g NaSO、0.1g
NaCO、0.1g NaBr、80.0mg KBr、72.0mg SrCl・6HO、52.0mg
BO、8.1mg NaHPO、2.4mg NaF、0.4mg
Sodium silicate、0.05mg KIを1lの蒸留水に溶解した溶液)、10.0ml 添加ミネラル液(蒸留水1lあたり、1.5g Nitrilotriacetic
acid、3.0g MgSO・7HO、0.5g MnSO・xHO、1.0g
NaCl、0.1g FeSO・7HO、0.1g CoSO・7HO、0.1g ZnSO・7HO、0.01g CuSO・5HO、0.01g AlK(SO、0.01g
BO、0.01g NaMoO・2HOを組成とし、まずNitrilotriacetic
acidを溶解しKOHによりpHを6.5に調製した後、残りのミネラルを添加して、pH7.0に調製したミネラル液)、2.0mg Fe(NH・6HO、0.25g
NHCl、2.0mg (NHNi(SO・6HO、0.1mg
NaSeO、0.1mg NaWO・2HO、2.2g NaHCO、0.07g
KHPO、0.5g Bacto yeast extract(Difco社製)、1.0g NaS・5HO、865.0mlの蒸留水を混合溶解し、1N HSOでpHを7.0に調整後、フィルタ-濾過により滅菌した。窒素・二酸化炭素・酸素の混合比が80:20:1の組成の気体雰囲気下で培地を培養器に入れた。)を用い植菌後200kPaに加圧して、95℃で培養した。パイロバキュラム・アエロフィラム染色体DNAは、保存菌株(JCM番号9630)より実施例1と同様の方法で調製した。パイロバキュラム・アエロフィラム染色体DNAを鋳型とし、配列番号5及び配列番号6に記載の配列を有するオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いたPCRにより、配列番号2のパイロバキュラム・アエロフィラム由来DERA遺伝子を含むDNA断片を得た。パイロバキュラム・アエロフィラム由来DERA遺伝子の開始コドンGTGは大腸菌での発現のためATGに変更した。配列番号2には変更後のDNA配列を示している。
得られたDNA断片を、制限酵素NdeI、BamHIを用いて処理し、同じくNdeI、BamHIを用いて処理した市販の発現ベクターpET15bにライゲーションすることにより、パイロバキュラム・アエロフィラム由来DERA発現プラスミドpET15b-PAE1231を得た。この発現プラスミドを用いて大腸菌BL21[DE3]株を形質転換し、パイロバキュラム・アエロフィラム由来DERA発現大腸菌株BL21[DE3]/pET15b-PAE1231を得た。
組換え大腸菌株BL21[DE3]/pET15b-PAE1231からのパイロバキュラム・アエロフィラム由来DERAの精製は実施例1の〔3〕に記載の方法と同様の方法に従った。
[参考例1] 大腸菌由来DERAの精製
アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(American type culture collection(ATCC))から入手できる大腸菌W3110(ATCC番号27325)培養菌体より、実施例1と同様の方法で調製した大腸菌染色体DNAを鋳型とし、配列番号7及び配列番号8に記載の配列を有するオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いたPCRにより、大腸菌由来DERA遺伝子を含むDNA断片を得た。この大腸菌由来DERA遺伝子を含むDNA断片を、制限酵素NdeI、BamHIを用いて処理し、同じくNdeI、BamHIを用いて処理した市販の発現ベクターpET11b(Novagen社製)にライゲーションすることにより、大腸菌由来DERA発現プラスミドpET11b-DERAを得た。この発現プラスミドを用いて大腸菌BL21[DE3]株を形質転換し、大腸菌由来DERA発現大腸菌株BL21[DE3]/pET11b-DERAを得た。組換え大腸菌から実施例1の方法に従って粗酵素液を調製し、硫安沈殿(50〜70%飽和濃度)での分画後、50mM
Tris-HCl(pH7.5)緩衝液に透析した。この粗酵素液を、Phenyl 5PW疎水クロマトグラフィー(東ソー製)にかけ、1〜0M 硫安を含む50mM Tris-HCl(pH7.5)緩衝液の直線濃度勾配にて溶出し、得られた活性画分をSDS-PAGEにて分析し、大腸菌由来DERAが均一に精製されていることを確認した。蛋白質量は、Bio-Rad
Protein Assayキットを用いて定量した。
D-2-デオキシリボース-5-リン酸分解活性の比較
実施例1で得られたサーモトーガ・マリティマ由来DERA、実施例2で得られたパイロバキュラム・アエロフィラム由来DERA、及び、参考例1で得られた大腸菌由来DERAの25℃でのD-2-デオキシリボース-5-リン酸分解活性を測定した。測定は生成したD-グリセルアルデヒド-3-リン酸をトリオースリン酸イソメラーゼでジヒドロキシアセトンリン酸に変換し、これをグリセロール-3-リン酸脱水素酵素で反応させた際のNADHの減少を測定することで行った。
1mlの活性測定液(50mM トリエタノールアミン-HCl(pH7.5)、0.5mM D-2-デオキシリボース-5-リン酸、3.9U トリオースリン酸イソメラーゼ(SIGMA社製)、11U
グリセロール-3-リン酸脱水素酵素(SIGMA社製)、0.12mM NADH、及び、測定対象の活性画分)のうち、D-2-デオキシリボース-5-リン酸、トリオースリン酸イソメラーゼ、グリセロール-3-リン酸脱水素酵素、NADHを除く組成を25℃で3分間保温し、その後残りの組成を加えた。25℃で保温しながら吸光度を測定できる分光光度計を用いて、340nmの吸光度の減少を1分間測定した。DERAの活性1単位(U)は、25℃で1分間当たり1μmolのNADHを減少させる酵素量と定義した。また、NADHの340nmにおけるモル吸光係数は6.22mM−1cm−1とした。このようにして測定した、サーモトーガ・マリティマ由来DERA、パイロバキュラム・アエロフィラム由来DERA及び大腸菌由来DERAの25℃における1mgあたりの酵素活性(U)を表1に示す。
Figure 2005098012
クロロアセトアルデヒド耐性の評価
サーモトーガ・マリティマ由来DERA250μgを、100mMのクロロアセトアルデヒドを含む100mM クエン酸-クエン酸Na緩衝液(pH6.5)中に溶解し、25℃で30分間保温した。保温後、100mMになるようアセトアルデヒドを添加し25℃で2時間アルドール縮合反応を行った。対照区として、サーモトーガ・マリティマ由来DERA250μgを、100mMのクロロアセトアルデヒドを含む100mM
クエン酸-クエン酸Na緩衝液(pH6.5)中に溶解し、100mMになるようアセトアルデヒドを添加し25℃で2時間アルドール縮合反応を行った。反応液をULTRAFREE-MCフイルター(Millipore社製)で濾過して除蛋白することで反応を停止し、HPLC分析により、生成した4-クロロ-3-ヒドロキシブチルアルデヒドと6-クロロ-2,4,6-トリデオキシヘキソースを定量した。対照区の、4-クロロ-3-ヒドロキシブチルアルデヒド及び6-クロロ-2,4,6-トリデオキシヘキソースの生成量合計に対する、処理区の生成量合計の割合を算出した。
同様に、パイロバキュラム・アエロフィラム由来DERA250μgを、100mMのクロロアセトアルデヒドを含む100mM 酢酸-酢酸Na緩衝液(pH5.5)中に溶解し、25℃で30分間保温した。保温後、100mMになるようアセトアルデヒドを添加し25℃で2時間アルドール縮合反応を行った。対照区として、パイロバキュラム・アエロフィラム由来DERA250μgを、100mMのクロロアセトアルデヒドを含む100mM
酢酸-酢酸Na緩衝液(pH5.5)中に溶解し、100mMになるようアセトアルデヒドを添加し25℃で2時間アルドール縮合反応を行った。反応液をULTRAFREE-MCフイルター(Millipore社製)で濾過して除蛋白することで反応を停止し、HPLC分析により、生成した4-クロロ-3-ヒドロキシブチルアルデヒドと6-クロロ-2,4,6-トリデオキシヘキソースを定量した。対照区の、4-クロロ-3-ヒドロキシブチルアルデヒド及び6-クロロ-2,4,6-トリデオキシヘキソースの生成量合計に対する、処理区の生成量合計の割合を算出した。
同様に、大腸菌由来DERA250μgを、100mMのクロロアセトアルデヒドを含む100mM Tris-HCl緩衝液(pH7.5)中に溶解し、25℃で30分間保温した。保温後、100mMになるようアセトアルデヒドを添加し25℃で2時間アルドール縮合反応を行った。対照区として、パイロバキュラム・アエロフィラム由来DERA250μgを、100mMのクロロアセトアルデヒドを含む100mM
Tris-HCl緩衝液(pH7.5)中に溶解し、100mMになるようアセトアルデヒドを添加し25℃で2時間アルドール縮合反応を行った。反応液をULTRAFREE-MCフイルター(Millipore社製)で濾過して除蛋白することで反応を停止し、HPLC分析により、生成した4-クロロ-3-ヒドロキシブチルアルデヒドと6-クロロ-2,4,6-トリデオキシヘキソースを定量した。対照区の、4-クロロ-3-ヒドロキシブチルアルデヒド及び6-クロロ-2,4,6-トリデオキシヘキソースの生成量合計に対する、処理区の生成量合計の割合を算出した。
サーモトーガ・マリティマ由来DERA、パイロバキュラム・アエロフィラム由来DERA、及び、大腸菌由来DERAの4-クロロ-3-ヒドロキシブチルアルデヒドによるクロロアセトアルデヒド耐性の評価結果を表2に示す。
4-クロロ-3-ヒドロキシブチルアルデヒド、6-クロロ-2,4,6-トリデオキシヘキソースの高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による定量法
HPLCカラムとして、Develosil RPAQEOUSカラム(野村化学製)を使用し、カラム温度40℃で、水を溶離液として分析した。アプライ量は、20μLで、RI検出器(日本分光製)を用い検出を行った。
Figure 2005098012
サーモトーガ・マリティマ由来DERAによるクロロアセトアルデヒドとアセトアルデヒドのアルドール縮合
サーモトーガ・マリティマ由来DERA 400μg(0.23U)を、100mM クエン酸-クエン酸Na緩衝液(pH6.5)、300mM アセトアルデヒド、100mM
クロロアセトアルデヒドの組成からなる反応液1mlに添加し、25℃で24時間反応を行った。反応液をULTRAFREE-MCフイルター(Millipore社製)で濾過し除蛋白した後に、HPLCを用いて4-クロロ-3-ヒドロキシブチルアルデヒドと6-クロロ-2,4,6-トリデオキシヘキソースの生成量合計を定量した。生成量合計から求めたクロロアセトアルデヒドの転化率は95%であった。また、6-クロロ-2,4,6-トリデオキシヘキソースの生成量から求めたクロロアセトアルデヒドの転化率は90%であった。反応液を、2倍容の酢酸エチルで抽出する操作を3回行い、3回分の酢酸エチル相を合わせて減圧濃縮した。濃縮物を少量の酢酸エチルで溶解し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにアプライした。酢酸エチル:ヘキサン=9:1の溶離液で溶離し、4-クロロ-3-ヒドロキシブチルアルデヒドと6-クロロ-2,4,6-トリデオキシヘキソース画分を分画した。各々のカラム分取物を
NMR、13C NMR分析し、特許文献1、非特許文献2での報告と合致することを確認した。
パイロバキュラム・アエロフィラム由来DERAによるクロロアセトアルデヒドとアセトアルデヒドのアルドール縮合
パイロバキュラム・アエロフィラム由来DERA 400μg(0.04U)を、100mM 酢酸-酢酸Na緩衝液(pH5.5)、300mM アセトアルデヒド、100mM
クロロアセトアルデヒドの組成からなる反応液1mlに添加し、25℃にて24時間反応させた。反応液をULTRAFREE-MCフイルター(Millipore社製)で濾過し除蛋白した後に、HPLCを用いて4-クロロ-3-ヒドロキシブチルアルデヒドと6-クロロ-2,4,6-トリデオキシヘキソースの生成量合計を定量した。生成量合計から求めたクロロアセトアルデヒドの転化率は93%であった。また、6-クロロ-2,4,6-トリデオキシヘキソースの生成量から求めたクロロアセトアルデヒドの転化率は50%であった。反応液を、2倍容の酢酸エチルで抽出する操作を3回行い、3回分の酢酸エチル相を合わせて減圧濃縮した。濃縮物を少量の酢酸エチルで溶解し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにアプライした。酢酸エチル:ヘキサン=9:1の溶離液で溶離し、4-クロロ-3-ヒドロキシブチルアルデヒドと6-クロロ-2,4,6-トリデオキシヘキソース画分を分画した。各々のカラム分取物を
NMR、13C NMR分析し、特許文献1、非特許文献2での報告と合致することを確認した。
[参考例2] 大腸菌由来DERAによるクロロアセトアルデヒドとアセトアルデヒドのアルドール縮合
大腸菌由来DERA 400μg(24.4U)を、100mM Tris-HCl緩衝液(pH7.5)を、300mM アセトアルデヒド(純正化学)、100mM クロロアセトアルデヒド(東京化成製)の組成からなる反応液1mlに添加し、25℃にて24時間反応させた。反応液をULTRAFREE-MCフイルター(Millipore社製)で濾過し除蛋白した後に、HPLCを用いて4-クロロ-3-ヒドロキシブチルアルデヒドと6-クロロ-2,4,6-トリデオキシヘキソースの生成量合計を定量した。生成量合計から求めたクロロアセトアルデヒドの転化率は4%であった。
クロロアセトアルデヒドにアセトアルデヒドを1分子アルドール縮合して4-クロロ-3-ヒドロキシブチルアルデヒドを合成する方法
パイロバキュラム・アエロフィラム由来DERA 400μg(0.04U)を、100mM 酢酸-酢酸Na緩衝液(pH5.5)、100mM アセトアルデヒド、100mM
クロロアセトアルデヒドの組成からなる反応液1mlに添加し、4℃にて2時間反応させた。反応液をULTRAFREE-MCフイルター(Millipore社製)で濾過し除蛋白した後に、HPLCを用いて4-クロロ-3-ヒドロキシブチルアルデヒドと6-クロロ-2,4,6-トリデオキシヘキソースの生成量合計を定量した。生成量合計から求めたクロロアセトアルデヒドの転化率は90%であった。また、4-クロロ-3-ヒドロキシブチルアルデヒドの生成量から求めたクロロアセトアルデヒドの転化率は80%であった。反応液を、2倍容の酢酸エチルで抽出する操作を3回繰り返し、酢酸エチル層を合わせ減圧下、酢酸エチルを蒸発させた。得られた油状物を少量の酢酸エチルに溶解し、シリカゲルクロマトグラフィーにかけ、酢酸エチル:n−ヘキサン(9:1)を溶出液として、4-クロロ-3-ヒドロキシブチルアルデヒドを単離した。単離した、4-クロロ-3-ヒドロキシブチルアルデヒドを
NMR、13C NMR分析し、非特許文献2の報告と合致することを確認し、4-クロロ-3-ヒドロキシブチルアルデヒドであることを確認した。さらに、HPLC分析により光学純度が97.8%eeであることを確認した。
HPLCによる光学純度分析
反応液を、4℃に冷却し10%水酸化ナトリウム水溶液によりpH9.0に調整した後、水素化ホウ酸ナトリウムを添加し、30分間攪拌した。反応液を2N塩酸でpH6.0に調整し、残存する水素化ホウ酸ナトリウムを分解した。その後、2倍容の酢酸エチルで抽出する操作を3回繰り返し、酢酸エチル層を合わせ減圧下、酢酸エチルを蒸発させた。得られた油状物を少量のn−ヘキサン:エタノ−ル(50:50)に溶解しHPLCで分析した。HPLCカラムとして、CHIRALPAK AD−H カラム(ダイセル化学(社)製)を使用し、カラム温度40℃で、n−ヘキサン:エタノ−ル(92.5:7.5)を溶離液として分析した。アプライ量は、10μLで、RI検出器(日本分光製)を用い検出を行った
サーモトーガ・マリティマ由来DERAによる各種脂肪族アルデヒドとアセトアルデヒドのアルドール縮合
サーモトーガ・マリティマ由来DERA 400μg(0.23U)を、100mM クエン酸-クエン酸Na緩衝液(pH6.5)、100mM アセトアルデヒド、100mM
各種脂肪族アルデヒド(プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、n−バレルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、アジピン酸セミアルデヒドメチルエステル、コハク酸セミアルデヒド)の組成からなる反応液1mlに添加し、25℃にて反応させた。
反応液をULTRAFREE-MCフイルター(Millipore社製)を用いた濾過処理により除蛋白した後に、薄層クロマトグラフィー(TLC)分析にかけ、生じたスポットにより各種脂肪族アルデヒドとアセトアルデヒドとのアルドール縮合反応化合物を検出した。反応に供した脂肪族アルデヒドのすべてについて、アセトアルデヒドとのアルドール縮合化合物が検出された。

TLC分析条件
シリカゲルプレート:シリカ ゲル 60(メルク社製)
展開液:酢酸エチル:n−ヘキサン=9:1
スポット量:反応液 1μl
検出方法:12モリブド(6価)リン酸n水和物(和光純薬工業(株)社製)をエタノ−ルにより7%溶液とし、サンプルを展開したシリカゲルプレ−トを浸漬し加熱して発色させた。
パイロバキュラム・アエロフィラム由来DERAによる各種脂肪族アルデヒドとアセトアルデヒドのアルドール縮合
パイロバキュラム・アエロフィラム由来DERA 400μg(0.04U)を、100mM 酢酸-酢酸Na緩衝液(pH5.5)、100mM アセトアルデヒド、100mM
各種脂肪族アルデヒド(プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、n−バレルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、アジピン酸セミアルデヒドメチルエステル、コハク酸セミアルデヒド)の組成からなる反応液1mlに添加し、25℃にて反応させた。
反応液をULTRAFREE-MCフイルター(Millipore社製)を用いた濾過処理により除蛋白した後に、薄層クロマトグラフィー(TLC)分析にかけ生じたスポットにより各種脂肪族アルデヒドとアセトアルデヒドとのアルドール縮合反応化合物を検出した。
反応に供した脂肪族アルデヒドのすべてについて、アセトアルデヒドとのアルドール縮合化合物が検出された。

TLC分析条件
シリカゲルプレート:シリカ ゲル 60(メルク社製)
展開液:酢酸エチル:n−ヘキサン=9:1
スポット量:反応液 1μl
検出方法:12モリブド(6価)リン酸n水和物(和光純薬工業(株)社製)をエタノ−ルにより7%溶液とし、サンプルを展開したシリカゲルプレ−トを浸漬し加熱して発色させた。
本発明の製造方法に用いられる超好熱性菌等に由来するDERAは、非天然基質を用いたアルドール縮合反応の触媒活性が高く、また、高い基質濃度でも酵素の安定性が高いため、本発明の製造方法は、従来の大腸菌由来DERAを用いた方法と比較して、反応容器当りのキラルなヒドロキシアルデヒド化合物の生産性を向上させることができる。

Claims (11)

  1. 100mMのクロロアセトアルデヒドを含有する水媒体中、25℃で30分間処理した後の残存活性が50%以上であるD-2-デオキシリボース-5-リン酸アルドラーゼの存在下、炭素数が2から6の置換または無置換の脂肪族アルデヒド化合物と1分子のアセトアルデヒドをアルドール縮合反応させる、炭素数が2増加したヒドロキシアルデヒド化合物の製造方法。
  2. 請求項1記載のD-2-デオキシリボース-5-リン酸アルドラーゼが下記の(1)または(2)のものである、請求項1記載の製造方法。
    (1)配列番号1または配列番号2に示されたアミノ酸配列を有する。
    (2)配列番号1または配列番号2記載のアミノ酸配列の、1ないし数個のアミノ酸が欠失、または他のアミノ酸残基に置換され、或いは他のアミノ酸残基が挿入されたアミノ酸配列を有する。
  3. 炭素数が2から6の置換または無置換の脂肪族アルデヒド化合物が一般式(1)、一般式(2)または一般式(3)で示される化合物であり、アルドール縮合反応させて得られる、対応する炭素数が2増加したアルデヒド化合物がそれぞれ一般式(4)、一般式(5)または一般式(6)で示されるアルデヒド化合物である、請求項2記載の製造方法(一般式(1)〜一般式(6)中、R1は水素原子、水酸基、ハロゲン原子、アジド基、カルボキシル基、炭素数が1から4のアルキル基、アルコキシ基またはアルカン酸基を示し、R2は水素原子、水酸基またはメチル基を示し、R3は水素原子または水酸基を示す。)。
    Figure 2005098012

    Figure 2005098012

    Figure 2005098012

    Figure 2005098012

    Figure 2005098012

    Figure 2005098012

  4. 一般式(1)、一般式(2)または一般式(3)で示される化合物に対し、アセトアルデヒドを0.5モル等量以上3.0モル等量以内の範囲で使用する、請求項3記載の製造方法。
  5. 一般式(1)、一般式(2)または一般式(3)で示されるアルデヒド化合物とアセトアルデヒドの合計モル数に対し、D-2-デオキシリボース-5-リン酸アルドラーゼを0.1U/mmol以上80U/mmol以下の割合で用いて(1Uは、25℃で1分間当たり1μmolのD-2-デオキシリボース-5-リン酸をD-グリセルアルデヒド-3-リン酸とアセトアルデヒドに分解する酵素量を表す)反応させる、請求項4記載の製造方法。
  6. 一般式(1)、一般式(2)または一般式(3)で示されるアルデヒド化合物が、アセトアルデヒド、クロロアセトアルデヒド、グリコールアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、3,4−ジヒドロキシブチルアルデヒド、マロン酸セミアルデヒド、コハク酸セミアルデヒド、アジピン酸セミアルデヒドから選ばれるアルデヒドである、請求項5記載の方法。
  7. 100mMのクロロアセトアルデヒドを含有する水媒体中、25℃で30分間処理した後の残存活性が50%以上であるD-2-デオキシリボース-5-リン酸アルドラーゼ(または該酵素を含む細胞またはその処理物)の存在下、炭素数が2から6の置換または無置換の脂肪族アルデヒド化合物と2分子のアセトアルデヒドをアルドール縮合反応させる、炭素数が4増加したヒドロキシアルデヒド化合物の製造方法。
  8. 請求項1記載のD-2-デオキシリボース-5-リン酸アルドラーゼが下記の(1)または(2)のものである、請求項7記載の製造方法。
    (1)配列番号1または配列番号2に示されたアミノ酸配列を有する。
    (2)配列番号1または配列番号2記載のアミノ酸配列の、1ないし数個のアミノ酸が欠失、または他のアミノ酸残基に置換され、或いは他のアミノ酸残基が挿入されたアミノ酸配列を有する。
  9. 炭素数が2から6の置換または無置換の脂肪族アルデヒド化合物が一般式(1)で示される化合物であり、炭素数が4増加したヒドロキシアルデヒド化合物が一般式(7)で示される化合物である、請求項8記載の製造方法(一般式(7)中、R1は水素原子、水酸基、ハロゲン原子、アジド基、カルボキシル基または炭素数が1から4のアルコキシ基を示す。)。
    Figure 2005098012

    Figure 2005098012
  10. 一般式(1)で示される化合物とアセトアルデヒドの合計モル数に対し、D-2-デオキシリボース-5-リン酸アルドラーゼを0.1U/mmol以上120U/mmol以下の割合で用いて(1Uは、25℃で1分間当たり1μmolの該D-2-デオキシリボース-5-リン酸をD-グリセルアルデヒド-3-リン酸とアセトアルデヒドに分解する酵素量を表す)反応させる、請求項9記載の製造方法(一般式(7)中、R1は、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、アジド基、カルボキシル基、または炭素数が1から4のアルコキシ基を示す。)。
  11. 一般式(1)で示される化合物が、アセトアルデヒド、クロロアセトアルデヒド、グリコールアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、3,4−ジヒドロキシブチルアルデヒド、マロン酸セミアルデヒド、コハク酸セミアルデヒド、アジピン酸セミアルデヒドから選ばれるアルデヒドである請求項10記載の方法。
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