JPWO2005038680A1 - 情報配信サービス提供システム及び同システムにおける情報配信方法並びに同システムに用いられるサーバシステム - Google Patents
情報配信サービス提供システム及び同システムにおける情報配信方法並びに同システムに用いられるサーバシステム Download PDFInfo
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Abstract
本発明は、情報配信サービス技術に関し、サーバシステムが、移動情報端末の位置情報に基づいて情報配信対象地域において特定の利用者属性をもつサービス利用者(移動情報端末)の分布状態の時間的変化を基に、将来の移動情報端末の分布状態を予測して、サービス利用者の移動情報端末に対する情報配信を行なう。これにより、より効率良く情報配信効果を向上できる。
Description
本発明は、情報配信サービス提供システム及び同システムにおける情報配信方法並びに同システムに用いられるサーバシステムに関し、特に、携帯電話等の移動情報端末に対して、その使用者(ユーザ)にとって有用な情報を適切に選んで配信し、また、その情報を配信する側にとっても、情報配信の効果を高めることを可能にするサービスの実現に好適な技術に関する。
近年のインターネットの普及と、電子メール等のインターネットサービスを利用できる携帯電話等の移動情報端末の普及とが相まって、移動情報端末に対してその時と場所と状況に応じた広告等の情報を配信するサービスの将来性が従来から有望視されてきた。さらに、GPS(Global Positioning System)等により位置情報を高い精度で知ることが可能な移動情報端末が実用化された結果、このサービスの実現が間近いものとなった。
従来提案されてきたこの種の情報配信サービスでは、任意時点で任意地域内にある端末群に対して情報を配信することを想定している。この場合、端末が時と共に移動することはある程度想定しているが、集団として端末群がどのような動きをするかは考慮していない。
一方、広告の配信にあたってはその効果を極力定量的に把握することが望まれてきたが、従来のマスメディア等による広告では、効果測定(調査)は行なわれたものの、精度はごく低いものであった。さらに、測定の時期は広告配信の時期からかなりの時間が経過してから実施されるのが普通であり、その点でも精度は高くないと考えられる。
一般に、情報配信サービスでは、多数のサービス利用者と多数の情報提供業者が存在し、それぞれの情報提供業者は、複数の告知メッセージをそれぞれ異なる条件でサービス利用者に配信することが想定される。このようなサービスの例として、後記特許文献1〜4により提案されている技術がある。これらの技術のうち特許文献1により提案されている技術(特定エリアの携帯移動情報端末へ情報配信を行なうサーバシステム)では、次のような情報配信サービスの提供が行なわれる。即ち、
(1)サービス利用者(携帯情報端末のユーザ)とサーバシステム運営業者、サーバシステム運営業者と情報提供業者がそれぞれ本情報配信サービスの利用に関して登録、あるいは契約しておき、
(2)サーバシステムがサービス利用者の位置情報を時々刻々受信し、サービス利用者の中から情報提供業者が指定する時刻の少し前に、指定する地域に在圏して、かつ、属性も情報提供業者が指定したものと一致するものを選択し、
(3)選択したリストをサーバシステムから情報提供業者に送って、情報提供業者側でさらに絞り込む等した後、リストに入っているサービス利用者に対して、広告等の情報を配信する。
これにより、特定エリア内に在圏する複数人に対してのみそのエリアに密接に関連する情報を告知することが可能となり、例えば、登録者(情報配信依頼主)が特定の店舗のバーゲン情報や催事情報等の配信を希望した場合等に、当該店舗所在地付近に在圏するサービス利用者のみに情報配信を行なうことが可能となる。換言すれば、当該店舗から著しく離れた場所(例えば、店舗が東京に存在する場合に九州や北海道)に在圏するサービス利用者への告知を不要にできる。
また、特許文献2により提案されている技術(移動通信システムにおける通信サービスエリアの構成、情報配信方法及びその移動通信システム)は、セルラ方式の移動通信システムにおける通信サービスエリアの構成において、移動通信システムから移動機に対して所定の通信サービスが提供される通信サービスエリアに重畳して移動通信システムから移動機に対して上記所定の通信サービスと異なる通信サービスとして情報の配信を行ない得る特別エリアを形成することで、通常の通信サービスのほかに地域的に限定した通常のサービス以外のサービスを提供することができるものである。
さらに、特許文献3により提案されている技術(位置登録方法、情報配信方法、移動通信網及び移動通信端末)は、特定の領域内において移動通信端末が在圏する無線ゾーンを管轄する基地局のIDと当該移動通信端末のIDとを把握(管理)することにより当該移動通信端末の詳細な位置を知り、その位置に関連する情報を当該移動通信端末に提供することで、移動通信端末の位置に応じたきめ細やかな情報を当該移動端末のユーザに提供できるようにしたものである。
また、特許文献4により提案されている技術(広告情報配信システム及び広告情報配信方法)は、ユーザによる携帯情報端末の所定の操作時に広告情報を配信することによって、ユーザによる携帯情報端末の制御に影響を与えることなく広告提供を行なえるようにしたもので、広告情報の内容及び表示時間などを変更して配信することによって、ユーザに対して柔軟で的確な広告提供を行なうことができるようになっている。
特開2002−216021号公報 特開2002−262351号公報 特開2002−84564号公報 特開2002−290629号公報
従来提案されてきたこの種の情報配信サービスでは、任意時点で任意地域内にある端末群に対して情報を配信することを想定している。この場合、端末が時と共に移動することはある程度想定しているが、集団として端末群がどのような動きをするかは考慮していない。
一方、広告の配信にあたってはその効果を極力定量的に把握することが望まれてきたが、従来のマスメディア等による広告では、効果測定(調査)は行なわれたものの、精度はごく低いものであった。さらに、測定の時期は広告配信の時期からかなりの時間が経過してから実施されるのが普通であり、その点でも精度は高くないと考えられる。
一般に、情報配信サービスでは、多数のサービス利用者と多数の情報提供業者が存在し、それぞれの情報提供業者は、複数の告知メッセージをそれぞれ異なる条件でサービス利用者に配信することが想定される。このようなサービスの例として、後記特許文献1〜4により提案されている技術がある。これらの技術のうち特許文献1により提案されている技術(特定エリアの携帯移動情報端末へ情報配信を行なうサーバシステム)では、次のような情報配信サービスの提供が行なわれる。即ち、
(1)サービス利用者(携帯情報端末のユーザ)とサーバシステム運営業者、サーバシステム運営業者と情報提供業者がそれぞれ本情報配信サービスの利用に関して登録、あるいは契約しておき、
(2)サーバシステムがサービス利用者の位置情報を時々刻々受信し、サービス利用者の中から情報提供業者が指定する時刻の少し前に、指定する地域に在圏して、かつ、属性も情報提供業者が指定したものと一致するものを選択し、
(3)選択したリストをサーバシステムから情報提供業者に送って、情報提供業者側でさらに絞り込む等した後、リストに入っているサービス利用者に対して、広告等の情報を配信する。
これにより、特定エリア内に在圏する複数人に対してのみそのエリアに密接に関連する情報を告知することが可能となり、例えば、登録者(情報配信依頼主)が特定の店舗のバーゲン情報や催事情報等の配信を希望した場合等に、当該店舗所在地付近に在圏するサービス利用者のみに情報配信を行なうことが可能となる。換言すれば、当該店舗から著しく離れた場所(例えば、店舗が東京に存在する場合に九州や北海道)に在圏するサービス利用者への告知を不要にできる。
また、特許文献2により提案されている技術(移動通信システムにおける通信サービスエリアの構成、情報配信方法及びその移動通信システム)は、セルラ方式の移動通信システムにおける通信サービスエリアの構成において、移動通信システムから移動機に対して所定の通信サービスが提供される通信サービスエリアに重畳して移動通信システムから移動機に対して上記所定の通信サービスと異なる通信サービスとして情報の配信を行ない得る特別エリアを形成することで、通常の通信サービスのほかに地域的に限定した通常のサービス以外のサービスを提供することができるものである。
さらに、特許文献3により提案されている技術(位置登録方法、情報配信方法、移動通信網及び移動通信端末)は、特定の領域内において移動通信端末が在圏する無線ゾーンを管轄する基地局のIDと当該移動通信端末のIDとを把握(管理)することにより当該移動通信端末の詳細な位置を知り、その位置に関連する情報を当該移動通信端末に提供することで、移動通信端末の位置に応じたきめ細やかな情報を当該移動端末のユーザに提供できるようにしたものである。
また、特許文献4により提案されている技術(広告情報配信システム及び広告情報配信方法)は、ユーザによる携帯情報端末の所定の操作時に広告情報を配信することによって、ユーザによる携帯情報端末の制御に影響を与えることなく広告提供を行なえるようにしたもので、広告情報の内容及び表示時間などを変更して配信することによって、ユーザに対して柔軟で的確な広告提供を行なうことができるようになっている。
ところで、上述したような情報配信の狙いは、商品や企業の認知度を高め、購買行動に結びつけることにある。したがって、メッセージ配信を依頼する側としては、情報配信の効果について客観的な評価が得られること、かつ、極力その効果が高まるような配信方法を知りたい、また、情報配信の効果を極力精密にかつ時間をおかずに測定したい、というニーズが高いと考えられる。
しかしながら、上記特許文献1〜4により提案されている技術を含む従来の情報配信サービスは、指定された時刻に指定された地域内に在圏するサービス利用者への情報配信を行なうものであり、予め人が集まることが明らかな繁華街等を配信対象地域とすることで、広い地域に一様に配信する場合よりも高い効果が期待できるが、どのような配信方法を用いれば配信効果を高められるか、また、その効果をどのように評価するかという方法については、何も有効な方法を示していない。
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、指定された時刻に指定された地域内に在圏するサービス利用者(移動情報端末)への情報配信を行なうばかりでなく、移動情報端末群の分布状態の時間的変化を監視して将来の分布状態の変化を予測することにより、より効率良く情報配信効果を向上できるようにようにすることを主たる目的とする。
しかしながら、上記特許文献1〜4により提案されている技術を含む従来の情報配信サービスは、指定された時刻に指定された地域内に在圏するサービス利用者への情報配信を行なうものであり、予め人が集まることが明らかな繁華街等を配信対象地域とすることで、広い地域に一様に配信する場合よりも高い効果が期待できるが、どのような配信方法を用いれば配信効果を高められるか、また、その効果をどのように評価するかという方法については、何も有効な方法を示していない。
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、指定された時刻に指定された地域内に在圏するサービス利用者(移動情報端末)への情報配信を行なうばかりでなく、移動情報端末群の分布状態の時間的変化を監視して将来の分布状態の変化を予測することにより、より効率良く情報配信効果を向上できるようにようにすることを主たる目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の情報配信サービス提供システムは、情報配信サービスの利用を登録した複数のサービス利用者の各移動情報端末に対して該情報配信サービスを所望のネットワーク経由で提供するサーバシステムと、該サーバシステムに接続して該情報配信サービスにより情報配信を行なうべきサービス利用者に応じた利用者属性及び情報配信対象地域を指定し得る情報配信依頼者の端末とをそなえたシステムであって、該サーバシステムが、以下の手段をそなえたことを特徴としている。
(a)該移動情報端末の位置情報に基づいて該情報配信対象地域における該利用者属性をもつサービス利用者の移動情報端末の分布状態の時間的変化を監視する分布状態変化監視手段
(b)該分布状態変化監視手段による監視結果に基づいて将来の該移動情報端末の該分布状態を予測する分布状態予測手段
(c)該分布状態予測手段による予測結果に基づいて該サービス利用者の移動情報端末に対する情報配信を行なう情報配信手段
ここで、該分布状態変化監視手段(a)は、(a−1)該移動情報端末の位置情報に基づいて該情報配信対象地域に含まれる所定区画について、該利用者属性をもつサービス利用者の移動情報端末の分布密度を計算する分布密度計算部と、(a−2)該分布密度計算部の計算結果に基づいて該分布密度の高い高密度分布区域を検出する高密度分布区域検出部とをそなえるとともに、該分布状態予測手段(b)は、(b−1)該高密度分布区域検出部により検出された高密度分布区域の移動変位を計算する高密度分布区域移動変位計算部と、(b−2)該高密度分布区域移動変位計算部により得られた該移動変位に基づいて該高密度分布区域の移動先を予測する高密度分布区域移動予測部とをそなえ、且つ、該情報配信手段(c)は、(c−1)該高密度分布区域移動予測部(b−2)により予測された移動先区域に対して該情報配信を行なう高密度分布区域予測型の情報配信部をそなえるのが好ましい。
また、該情報配信手段(c)は、(c−2)該高密度分布区域移動変位計算部(b−2)による計算結果に基づいて該高密度分布区域から該情報配信依頼者の所在地又は該情報配信依頼者が指定した場所までの距離及び/又は到達時間を推定する距離/到達時間推定部と、(c−3)該距離/到達時間推定部(c−2)により推定された距離及び/又は到達時間に応じた情報を該高密度分布区域の該移動情報端末に配信する距離/到達時間推定型の情報配信部とをそなえていてもよい。
さらに、該情報配信手段(c)は、(c−4)該距離/到達時間推定部(c−2)により推定された距離及び/又は到達時間に応じた配信情報内容についての勧告を該情報配信依頼者の端末に対して行なう配信情報勧告部をそなえていてもよいし、(c−5)高密度分布区域移動予測部(b−2)による予測結果を該情報配信依頼者の端末に通知する高密度分布区域移動予測結果通知部をそなえていてもよい。
また、該サーバシステムは、(d)該情報配信手段(c)により配信した情報に対する該サービス利用者の該移動情報端末からの反応を分析してその分析結果を外部出力する利用者反応処理手段をそなえていてもよい。
さらに、該分布状態予測手段(b)は、(b−3)該分布状態変化監視手段(a)による過去の監視結果の履歴に基づいて将来の該分布状態の時間的変化についての近似関数を推定することにより該分布状態の予測を行なう近似関数推定部をそなえていてもよい。この場合、該サーバシステムは、(e)該近似関数推定部(b−3)による推定結果に応じた情報を該サービス利用者の移動予測データとして該情報配信依頼者の端末に提供する移動予測データ提供手段をそなえていてもよい。
また、本発明の情報配信サービス提供システムにおける情報配信方法は、情報配信サービスの利用を登録した複数のサービス利用者の各移動情報端末に対して該情報配信サービスを所望のネットワーク経由で提供するサーバシステムと、該サーバシステムに接続して該情報配信サービスにより情報配信を行なうべきサービス利用者に応じた利用者属性及び情報配信対象地域を指定し得る情報配信依頼者の端末とをそなえた情報配信サービス提供システムにおいて、該サーバシステムが、
(a)該移動情報端末の位置情報に基づいて該情報配信対象地域における該利用者属性をもつサービス利用者の移動情報端末の分布状態の時間的変化を監視し、
(b)その監視結果に基づいて将来の該移動情報端末の該分布状態を予測し、
(c)その予測結果に基づいて該サービス利用者の移動情報端末に対する情報配信を行なうことを特徴としている。
ここで、該サーバシステムは、該移動情報端末の位置情報に基づいて該情報配信対象地域に含まれる所定区画について、該利用者属性をもつサービス利用者の移動情報端末の分布密度を計算し、その計算結果に基づいて該分布密度の高い高密度分布区域を検出し、検出した高密度分布区域の移動変位を計算し、これにより得られた該移動変位に基づいて該高密度分布区域の移動先を予測し、予測した移動先区域に対応する情報を選択して情報配信を行なうのが好ましい。
また、該サーバシステムは、上記計算により求めた該移動変位に基づいて該高密度分布区域から該情報配信依頼者の所在地又は該情報配信依頼者が指定した場所までの距離及び/又は到達時間を推定し、推定した距離及び/又は到達時間に応じた情報を該高密度分布区域の該移動情報端末に配信することもできる。
さらに、該サーバシステムは、上記推定した距離及び/又は到達時間に応じた配信情報内容についての勧告を該情報配信依頼者の端末に対して行なうこともできるし、該高密度分布区域の移動先についての予測結果を該情報配信依頼者の端末に通知することもできる。
また、該サーバシステムは、該分布状態の予測結果に基づいて該移動情報端末に配信した情報に対する該サービス利用者の該移動情報端末からの反応を分析してその分析結果を外部出力することもできる。
さらに、該サーバシステムは、過去の該分布状態の監視結果の履歴に基づいて将来の該分布状態の時間的変化についての近似関数を推定することにより該分布状態の予測を行なうこともでき、この場合、該近似関数に応じた情報を該サービス利用者の移動予測データとして該情報配信依頼者の端末に提供することもできる。
また、本発明の情報配信サービス提供システムに用いられるサーバシステムは、上述した本発明の情報配信サービス提供システムにおけるサーバシステムと同等の構成を有することを特徴としている。
(a)該移動情報端末の位置情報に基づいて該情報配信対象地域における該利用者属性をもつサービス利用者の移動情報端末の分布状態の時間的変化を監視する分布状態変化監視手段
(b)該分布状態変化監視手段による監視結果に基づいて将来の該移動情報端末の該分布状態を予測する分布状態予測手段
(c)該分布状態予測手段による予測結果に基づいて該サービス利用者の移動情報端末に対する情報配信を行なう情報配信手段
ここで、該分布状態変化監視手段(a)は、(a−1)該移動情報端末の位置情報に基づいて該情報配信対象地域に含まれる所定区画について、該利用者属性をもつサービス利用者の移動情報端末の分布密度を計算する分布密度計算部と、(a−2)該分布密度計算部の計算結果に基づいて該分布密度の高い高密度分布区域を検出する高密度分布区域検出部とをそなえるとともに、該分布状態予測手段(b)は、(b−1)該高密度分布区域検出部により検出された高密度分布区域の移動変位を計算する高密度分布区域移動変位計算部と、(b−2)該高密度分布区域移動変位計算部により得られた該移動変位に基づいて該高密度分布区域の移動先を予測する高密度分布区域移動予測部とをそなえ、且つ、該情報配信手段(c)は、(c−1)該高密度分布区域移動予測部(b−2)により予測された移動先区域に対して該情報配信を行なう高密度分布区域予測型の情報配信部をそなえるのが好ましい。
また、該情報配信手段(c)は、(c−2)該高密度分布区域移動変位計算部(b−2)による計算結果に基づいて該高密度分布区域から該情報配信依頼者の所在地又は該情報配信依頼者が指定した場所までの距離及び/又は到達時間を推定する距離/到達時間推定部と、(c−3)該距離/到達時間推定部(c−2)により推定された距離及び/又は到達時間に応じた情報を該高密度分布区域の該移動情報端末に配信する距離/到達時間推定型の情報配信部とをそなえていてもよい。
さらに、該情報配信手段(c)は、(c−4)該距離/到達時間推定部(c−2)により推定された距離及び/又は到達時間に応じた配信情報内容についての勧告を該情報配信依頼者の端末に対して行なう配信情報勧告部をそなえていてもよいし、(c−5)高密度分布区域移動予測部(b−2)による予測結果を該情報配信依頼者の端末に通知する高密度分布区域移動予測結果通知部をそなえていてもよい。
また、該サーバシステムは、(d)該情報配信手段(c)により配信した情報に対する該サービス利用者の該移動情報端末からの反応を分析してその分析結果を外部出力する利用者反応処理手段をそなえていてもよい。
さらに、該分布状態予測手段(b)は、(b−3)該分布状態変化監視手段(a)による過去の監視結果の履歴に基づいて将来の該分布状態の時間的変化についての近似関数を推定することにより該分布状態の予測を行なう近似関数推定部をそなえていてもよい。この場合、該サーバシステムは、(e)該近似関数推定部(b−3)による推定結果に応じた情報を該サービス利用者の移動予測データとして該情報配信依頼者の端末に提供する移動予測データ提供手段をそなえていてもよい。
また、本発明の情報配信サービス提供システムにおける情報配信方法は、情報配信サービスの利用を登録した複数のサービス利用者の各移動情報端末に対して該情報配信サービスを所望のネットワーク経由で提供するサーバシステムと、該サーバシステムに接続して該情報配信サービスにより情報配信を行なうべきサービス利用者に応じた利用者属性及び情報配信対象地域を指定し得る情報配信依頼者の端末とをそなえた情報配信サービス提供システムにおいて、該サーバシステムが、
(a)該移動情報端末の位置情報に基づいて該情報配信対象地域における該利用者属性をもつサービス利用者の移動情報端末の分布状態の時間的変化を監視し、
(b)その監視結果に基づいて将来の該移動情報端末の該分布状態を予測し、
(c)その予測結果に基づいて該サービス利用者の移動情報端末に対する情報配信を行なうことを特徴としている。
ここで、該サーバシステムは、該移動情報端末の位置情報に基づいて該情報配信対象地域に含まれる所定区画について、該利用者属性をもつサービス利用者の移動情報端末の分布密度を計算し、その計算結果に基づいて該分布密度の高い高密度分布区域を検出し、検出した高密度分布区域の移動変位を計算し、これにより得られた該移動変位に基づいて該高密度分布区域の移動先を予測し、予測した移動先区域に対応する情報を選択して情報配信を行なうのが好ましい。
また、該サーバシステムは、上記計算により求めた該移動変位に基づいて該高密度分布区域から該情報配信依頼者の所在地又は該情報配信依頼者が指定した場所までの距離及び/又は到達時間を推定し、推定した距離及び/又は到達時間に応じた情報を該高密度分布区域の該移動情報端末に配信することもできる。
さらに、該サーバシステムは、上記推定した距離及び/又は到達時間に応じた配信情報内容についての勧告を該情報配信依頼者の端末に対して行なうこともできるし、該高密度分布区域の移動先についての予測結果を該情報配信依頼者の端末に通知することもできる。
また、該サーバシステムは、該分布状態の予測結果に基づいて該移動情報端末に配信した情報に対する該サービス利用者の該移動情報端末からの反応を分析してその分析結果を外部出力することもできる。
さらに、該サーバシステムは、過去の該分布状態の監視結果の履歴に基づいて将来の該分布状態の時間的変化についての近似関数を推定することにより該分布状態の予測を行なうこともでき、この場合、該近似関数に応じた情報を該サービス利用者の移動予測データとして該情報配信依頼者の端末に提供することもできる。
また、本発明の情報配信サービス提供システムに用いられるサーバシステムは、上述した本発明の情報配信サービス提供システムにおけるサーバシステムと同等の構成を有することを特徴としている。
図1は本発明が対象とする情報配信サービス提供システムの一例を示す概念図である。
図2は本実施形態に係る情報配信サービスの対象地域の概念を説明するための図である。
図3は本実施形態に係る単位区画及び分布スポットの概念を説明するための図である。
図4A及び図4Bはそれぞれ本実施形態に係る情報配信地域に対する分布密度計算を優先して行なう区域の概念を説明するための図である。
図5は図1に示すサーバシステム(ASP)の利用者サービス登録等処理機能に着目した構成を示す機能ブロック図である。
図6は図1に示すASPの情報提供業者登録等処理機能に着目した構成を示す機能ブロック図である。
図7は図1に示すASPの地図情報管理機能に着目した構成を示す機能ブロック図である。
図8は図1に示すASPのASP運用管理・指定区域処理機能に着目した構成を示す機能ブロック図である。
図9は図1に示すASPの分布密度計算優先区域精密化機能に着目した構成を示す機能ブロック図である。
図10は図1に示すASPの高密度分布スポット生起状態(移動変位)判定機能に着目した構成を示す機能ブロック図である。
図11は図1に示すASPの分布密度時系列変化記録・予測機能に着目した構成を示す機能ブロック図である。
図12は本実施形態に係る情報提供業者の指定する地域のイメージを示す図である。
図13は図11に示す時系列密度変化記録データベース(DB)の記録内容の一例を示す図である。
図14は本実施形態に係る情報提供業者の指定地域の密度変化の近似関数推定方法を説明すべく時刻に対する密度変化を表したグラフである。
図15は図1に示すASPの情報配信処理機能に着目した構成を示す機能ブロック図である。
図16は図1に示すASPの利用者反応処理機能に着目した構成を示す機能ブロック図である。
図17は図1に示すASPの情報提供業者応答処理機能に着目した構成を示す機能ブロック図である。
図18は図1に示すASPの配信情報要求処理機能に着目した構成を示す機能ブロック図である。
図19は本実施形態に係る分布密度計算を優先して行なう区域の精緻化プロセスを説明するためのフローチャートである。
図20及び図21はそれぞれ本実施形態に係る分布密度計算優先区域の設定手法を説明するための図である。
図22は本実施形態に係る高密度分布スポットの生起状態(移動変位)の判定処理プロセスを説明するためのフローチャートである。
図23は本実施形態に係る移動変位予測区域の設定手法を説明するための概念図である。
図24は本実施形態に係る分布密度計算を優先して行なう区域内における情報配信処理プロセスを説明するためのフローチャートである。
図25は本実施形態に係る高密度分布スポットの移動を示す概念図である。
図26〜図28はそれぞれ本実施形態のASPによる情報配信サービスのビジネス応用例を説明するための図である。
図29は本実施形態のASPによる情報配信サービスのビジネス応用例を説明すべくレストラン業務システムの要部構成を示すブロック図である。
図30は本実施形態のASPによる情報配信サービスのビジネス応用例を説明するためのシーケンス図である。
図31〜図34はいずれも本実施形態のASPによる情報配信サービスにおける決済プロセスを説明するためのシーケンス図である。
図35は本実施形態に係る分布密度計算優先区域の設定手法を説明するための図である。
図2は本実施形態に係る情報配信サービスの対象地域の概念を説明するための図である。
図3は本実施形態に係る単位区画及び分布スポットの概念を説明するための図である。
図4A及び図4Bはそれぞれ本実施形態に係る情報配信地域に対する分布密度計算を優先して行なう区域の概念を説明するための図である。
図5は図1に示すサーバシステム(ASP)の利用者サービス登録等処理機能に着目した構成を示す機能ブロック図である。
図6は図1に示すASPの情報提供業者登録等処理機能に着目した構成を示す機能ブロック図である。
図7は図1に示すASPの地図情報管理機能に着目した構成を示す機能ブロック図である。
図8は図1に示すASPのASP運用管理・指定区域処理機能に着目した構成を示す機能ブロック図である。
図9は図1に示すASPの分布密度計算優先区域精密化機能に着目した構成を示す機能ブロック図である。
図10は図1に示すASPの高密度分布スポット生起状態(移動変位)判定機能に着目した構成を示す機能ブロック図である。
図11は図1に示すASPの分布密度時系列変化記録・予測機能に着目した構成を示す機能ブロック図である。
図12は本実施形態に係る情報提供業者の指定する地域のイメージを示す図である。
図13は図11に示す時系列密度変化記録データベース(DB)の記録内容の一例を示す図である。
図14は本実施形態に係る情報提供業者の指定地域の密度変化の近似関数推定方法を説明すべく時刻に対する密度変化を表したグラフである。
図15は図1に示すASPの情報配信処理機能に着目した構成を示す機能ブロック図である。
図16は図1に示すASPの利用者反応処理機能に着目した構成を示す機能ブロック図である。
図17は図1に示すASPの情報提供業者応答処理機能に着目した構成を示す機能ブロック図である。
図18は図1に示すASPの配信情報要求処理機能に着目した構成を示す機能ブロック図である。
図19は本実施形態に係る分布密度計算を優先して行なう区域の精緻化プロセスを説明するためのフローチャートである。
図20及び図21はそれぞれ本実施形態に係る分布密度計算優先区域の設定手法を説明するための図である。
図22は本実施形態に係る高密度分布スポットの生起状態(移動変位)の判定処理プロセスを説明するためのフローチャートである。
図23は本実施形態に係る移動変位予測区域の設定手法を説明するための概念図である。
図24は本実施形態に係る分布密度計算を優先して行なう区域内における情報配信処理プロセスを説明するためのフローチャートである。
図25は本実施形態に係る高密度分布スポットの移動を示す概念図である。
図26〜図28はそれぞれ本実施形態のASPによる情報配信サービスのビジネス応用例を説明するための図である。
図29は本実施形態のASPによる情報配信サービスのビジネス応用例を説明すべくレストラン業務システムの要部構成を示すブロック図である。
図30は本実施形態のASPによる情報配信サービスのビジネス応用例を説明するためのシーケンス図である。
図31〜図34はいずれも本実施形態のASPによる情報配信サービスにおける決済プロセスを説明するためのシーケンス図である。
図35は本実施形態に係る分布密度計算優先区域の設定手法を説明するための図である。
〔A〕システムの概要
図1は本発明が対象とする情報配信サービス提供システムの一例を示す概念図で、この図1に示す情報配信サービス提供システム(以下、情報配信システムと略称することがある)は、本情報配信サービスの複数の利用者がそれぞれ所有する携帯移動情報端末1,モバイルネットワーク(公衆移動通信網)2,インターネット3,企業ネットワーク4,アプリケーションサービスプロバイダ(ASP:Application Service Provider)のサーバシステム5,パーソナルコンピュータ等の固定端末(インターネット端末)6,本情報配信サービスによる配信情報の提供元である情報提供業者の端末(インターネット端末又は携帯移動情報端末)7などをそなえて構成されている。
ここで、携帯移動情報端末1(以下、単に「移動端末1」あるいは「端末1」と略記することがある)は、それぞれ、モバイルネットワーク2内での音声通信及びデータ通信機能を備えるとともに、インターネット接続端末としての機能(文字/静止画像/動画/音声/音楽等のデータを含むWWW(World Wide Web)のアクセス/表示/音声信号再生/電子メールの送受信等の機能)も備えるものである。この移動端末1には、携帯電話機を含むが、これに限定されない。例えば、通信機能と表示等の機能とが別の機器に分離されているような機器でもよい。
また、モバイルネットワーク2は、移動端末1が通信を行なうときに接続されるアクセス網であって、移動端末1がインターネット3との間でデータを送受する場合、データを中継する機能を網内に有している。さらに、当該モバイルネットワーク2は、移動端末1の位置情報生成・転送機能部21を備えており、当該機能部21により、移動端末1の位置情報をサーバシステム5に提供(通知)できるようになっている。なお、この位置情報生成・転送機能部21は、例えば、位置情報センター等としてモバイルネットワークの一機能としてそなえられていてもよいし、いわゆるGPS(Global Positioning System)機能等として移動端末1自体に実装されていてもよい。また、「位置情報」とは、サービス提供のために十分な精度で位置を特定するための情報であり、例えば、緯度や経度等のデータを意味する。
インターネット3は、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)により、データの送受を行なう通信ネットワークで、移動端末1又は情報提供業者(情報配信依頼者)に属する端末7(以下、情報提供業者7と表記することがある)がインターネット3に接続されることにより、各種サーバとの間、あるいは他の端末との間で情報の送受が可能になっている。
企業ネットワーク4は、企業内イントラネット等、法人企業や小売店舗等に属するインターネット端末6で独自に構築されたネットワークであり、インターネット3と接続されることにより、当該インターネット端末6からインターネット3経由で各種サーバとの間、あるいは企業ネットワーク4以外の他端末との間で情報の送受が可能になっている。
サーバシステム5(以下、ASP5と表記する)は、インターネット3の構成要素であり、一般的なインターネットサーバの機能を全て備え、本発明による情報配信サービスを実現するための各種処理機能を有するもので、インターネット3およびモバイルネットワーク2を介し、情報配信サービスの利用を登録した複数のサービス利用者の各移動端末1に対して、その位置情報に応じた適切な情報配信サービスを提供できるようになっている。
なお、本ASP5には、地図データベース(DB)51もそなえられており、当該地図データベース51の地図情報と移動端末1の位置情報とに基づいて後述するような移動端末1の特定地域における分布密度の計算等が行なえるようになっている。ただし、当該地図DB51は、ASP5が地図コンテンツ事業者等との契約等により当該地図コンテンツ事業者から提供を受ける形態であってもよい。
さらに、情報提供業者は、移動端末1を所有する、本発明による情報配信サービスの利用者に対して情報配信を行なう意図があり、情報配信することをASP5に依頼する企業や団体,個人などで、ASP5との接続に必要な情報処理機能や情報入力機能を有する端末7を用いて、インターネット3やモバイルネットワーク2、あるいは企業ネットワーク4経由でASP5と接続することにより、情報配信を行なうべきサービス利用者の属性(利用者属性)や情報配信対象地域などを指定できるようになっている。なお、「サービス利用者の属性」とは、配信して欲しい情報カテゴリや配信に必要となる利用者の性別,年齢,関心領域等のサービス利用者に応じた情報を意味する。
以上のような基本システム構成において、本実施形態では、予め決められた時刻に決められた範囲(地域)だけに情報配信を行なうだけでなく、(1)ある時点でのサービス利用者の移動端末1の分布状態(密度)の時間的変化を把握(監視)して、当該利用者の移動端末1の集団としての動きを把握することにより、その動きを予測して、ある地域に利用者が多数集まる時刻からさかのぼって適当と判断する数分から数時間前等の時点で、そこに集まる利用者が在圏する地域に広告情報等の情報配信を行なったり、当該情報配信を情報提供業者7に提案(勧告)するサービス(後で高い広告効果が期待できる)や、(2)当該情報配信によって移動端末1の集団の動きがどう変化したかをある程度定量的に評価して、これによって得られたデータを情報提供業者に提供するサービスを実現する。
さらには、当該評価方法に基づいて、情報提供業者7に対して、情報配信の対象エリアや配信情報の内容について助言を提供することも、サービスとして有料で提供することも可能である。つまり、本発明による情報配信サービスは、市場分析のための有力な手段にもなる。
このようなサービスを実現することにより、情報提供業者7にとっては経済的合理性と対費用効果とを高めた広告情報等の情報配信サービスを提供できることになり、当該サービスの利用者にとっては、配信される情報が利用者にとって高い妥当性・納得性をもつ情報配信サービスを提供できることになる。
例えば、横浜方面から北東の方向に移動している人々が、渋谷方面に行くのか、有楽町方面に行くのか予測して、渋谷方面に行く人には渋谷の、有楽町方面へ行く人には有楽町や銀座の情報を配信する。したがって、情報提供業者にとってはより告知効果が期待できるとともに、サービス利用者にとっては適宜且つ有用な情報の提供が可能となる。
そこで、本実施形態では、例えば図2に示すように、情報提供業者7(小売、流通業等の企業、イベント企画等の団体・組織、および個人等)がその所在地60に対して最大限界と定めた情報配信地域70内において、少しでも高い配信効果と対費用効果を得るために、当該地域70内に在圏し、かつ、配信対象とする利用者属性をもつ移動端末1の分布密度の高低変化とその移動を評価・推定するエリア(区域)80を定め、その評価・推定結果に応じて、最大限界よりも狭い区域〔例えば、情報提供業者の所在地60の近傍区域(商店街、繁華街、学校区域等)〕を実際の配信対象区域90として求め、その区域90に対して情報配信を行なう。
そのため、本実施形態の情報配信サービスの中心的手順は次の4段階から構成される。
段階1:各移動端末1の位置情報を把握して、単位区画毎あるいは当該単位区画が適当個数集合して成る基本区画毎の移動端末1の分布密度(端末分布密度)を一定時間毎に計算する。なお、「単位区画」とは、端末1の位置を把握する単位としての区画を意味し、例えば、図3に示すような地図情報により定められた基本最小単位区域(緯度・経度ともに10秒毎、南北200m東西200mの正方形等)11を意味する。また、ある属性の利用者(移動端末1)の分布密度の区域を「分布スポット」(図3の斜線部参照)という。
段階2:情報提供業者7毎の配信対象地域70や80における端末分布密度の高い地域(これを「高密度分布スポット」もしくは「高密度スポットという)を抽出する。
段階3:高密度スポットの移動法則(移動ルートや移動速度)を推定する。
段階4:上記段階3で推定した結果に基づき、目標時刻から或る時間さかのぼった時刻に、適切な情報配信の対象地域を選んで情報を配信する。
なお、これらはいずれも移動端末1の属性毎に集計することが基本である。
そして、かかる情報配信サービスの適用が想定される具体例としては、次のようなシーンが考えられる。
即ち、ある繁華街(例えば、川崎駅前)のあるA商店に向かって、毎日ある時間帯に、鉄道を使って多数の端末1が移動して、例えば正午にA商店付近の端末分布密度が高くなるという移動法則が見いだせたとすると、A商店は午前11時に「1時間後に川崎駅前A商店で時間限定セールを行なう。」といった内容の広告を、正午に余裕をもって川崎駅に着くような距離の鉄道の駅近辺を情報配信地域として設定して、配信する。
このような情報配信方法をとることで、A商店にとっては広告の対費用効果が高まり、情報配信を受ける側にとってもタイムリーな情報のみが得られるので、双方にとって有益と考えられる。
ただし、この例で前提となるのは、ASP5が鉄道の路線の位置と端末1の分布の位置を結びつけられる地図情報を地図DB51あるいは地図コンテンツ事業者等からの提供により有していることである。即ち、端末分布密度の高いスポットが鉄道路線の位置と一致して、その路線に沿って移動しているとASP5が判断するためには、高い精度で路線の位置情報と端末1の位置情報とを得て、突き合わせる(比較する)ことができなければならない。道路についても同様である。
また、人の主要な移動経路は鉄道と道路であるため、これらについても少なくとも主要な路線情報をASP5が有していることを前提とする。さらに、人が集まる場所についても、同等の精度の情報をASP5が有していることを前提とする。もっとも、道路や鉄道について必要な精度の情報をASP5がもたない場合であっても上記のようなサービスを実現することは不可能ではない(その手法については後述する)。
なお、一般的には飛行機や船舶も主要交通手段ではあるが、本実施形態ではあえて除外している。現状ではこれらによる移動ルートが道路や鉄道と同等の精度で把握できず、また、高密度になる頻度が散発的で本実施形態による統計的な処理になじまないためである。
以上のような前提の下で、上記の各段階1〜4の実現手段を構築する。ただし、本実施形態では、次のような考え方も援用する。即ち、
(a)ある属性についてある地域が高密度スポットになるかどうかは隣接する単位区画毎の密度と原則として無関係である(全体として、高密度スポットの生起・消滅・継続時間は単位区画毎の独立事象である)。
(b)単位区画毎または基本区画毎の高密度スポットの生起について、主要な道路や鉄道については、隣接する単位区画または基本区画の間に時系列的な法則性がある場合がある。典型的なパターンの例としては、平日朝の通勤時間帯に、住宅地から都市の中心部のオフィス街に向かって鉄道の路線や道路に沿って人々が移動する。その場合に、以下に述べる手段により、その法則性を見いだして定義できる。
以下、上記の段階1〜4について考え方の概略を述べる。
(1)段階1について
まず、移動端末1の位置情報をASP5が把握する手法については公知である(例えば、前記の特許文献1や、日経コミュニケーション2003年1月20日号pp130〜131「3G 携帯電話の仕組み」などを参照)ので、当該公知手法を適用する。例えば、位置情報生成・転送機能部21としてのGPS機能等により端末1が自己の位置情報を独自に測位できる場合には、当該位置情報を移動端末1からASP5に送出すればよいし、移動端末1が独自の位置情報測位機能をもたない場合でもモバイルネットワーク2における基地局の識別情報等を端末1の位置情報としてASP5に送出すればよい。
また、移動端末1の分布密度を計算する手法については、特願2003−089499号明細書に記載された手法と同様の手法を適用することができる。即ち、ASP5は、サービス(情報配信対象)エリア全域にわたってサービス利用者の端末1(以下、利用者1と表記することがある)の位置情報を時々刻々取得して、単位区画(又は基本区画)に対応させて記憶する機能をもつ。単位区画や基本区画の面積は容易に計算できるので、分布密度が計算できる。
(2)段階2について
上記の段階1によりASP5のサービスエリア内の全ての単位区画の面積とそこに在圏する端末1の数が分かっているので、これらから分布密度を計算することができる。例えば、予め指定された条件(情報提供業者7が最大限界と定めた情報配信地域70等)に合致するように、単位区画を複数個適宜組み合わせて密度判断に適する地域(基本区画)を構成し、その中でそれぞれの情報提供業者7が指定した属性毎の分布密度を求める。ASP5は、地域毎に、適用する閾値を選んで高密度かどうか判断し、高密度と判断した場合は、時刻情報等関連する情報とともに記憶する。
(3)段階3について
上記の段階2により、適当な時間間隔で高密度スポット群が抽出できる。これをある期間にわたって記憶しておいて、分布密度を優先的に評価する地域について、ASP5は高密度スポットの生起傾向を評価して、高密度スポットの移動法則を推定する。
例えば、予めいくつかの移動法則の類型(パターン)を用意しておき、それらのどれかに当てはまるかどうかを評価して、一致する程度が高い(相関の高い)パターンとみなし、一致するとみなせるパターンが無い場合は、移動していないと判断することができる。
(4)段階4について
上記の段階3により、高密度スポットの移動パターンが選択できるので、それを用いてASP5は情報提供業者7に次のような主旨の情報を通知する。
例えば、高密度スポットの移動パターンとして、「休日午前中にJR横須賀駅近辺に高密度スポットがあると1時間後にJR川崎駅近辺に高密度スポットが移動する。」が見いだせたとすると、その後、ASP5は、休日午前中の高密度スポットの生起状態を評価して、JR横須賀駅近辺に高密度スポットがあることを認識したら、JR川崎駅に位置するA商店に対して、アドバイスを送信する。
そのアドバイスの例としては、「現在、JR横須賀駅近辺にお客様の候補となる人が多く存在して、1時間後にJR川崎近辺に移動する可能性が高い。1時間後に時間限定セールスを設定してその旨をJR横須賀駅近辺に広告配信することをお薦めします。」というような内容が考えられる。
なお、このような情報は当然ASP5の顧客となる情報提供業者7の営業内容(飲食店なのか、衣料品店なのか等)や高密度スポットの移動パターンによって適切なものを選択または作成する必要がある。
以上のようなサービス実現のためには、時間とともに生起・消滅を概ねアトランダムに繰り返すと考えられる高密度スポットの中から、意味のある移動パターンを見つけることが必要である。
以下に、そのための考え方の概略を述べる。
まず、高密度スポットが識別できている場合の移動パターンの発見方法について説明する。
(a)ある地域内(例えば、東京都23区)を適切な粒度(例えば、一辺100m/200m/500m/1km/2km/5km…の正方形)で区分した分布密度の高い地域(地区)=高密度地区(スポット)を適切な時間間隔(間隔は1分/3分/5分/10分/30分/1時間等、サービスの性質によって適宜定める)で識別する。
(b)高密度地区(スポット)識別時刻をti(i=0,1,2,…)で表す時、時刻ti−j,ti−j+1,ti−j+2,…,ti−2,ti−1の連続したある期間の間の高密度地区(複数)の中で時刻毎に一致もしくは一致してはいないが近接しているものがある場合、それらを各々一つの系列とみなす。なお、識別時刻tiの間隔は1分/3分/5分/10分/30分/1時間等、サービスの性質によって適宜定める。
(c)それぞれの系列について、そのスポットの位置を表すデータの系列=位置情報配列を取り出す。あるスポットの系列について、各tiに対応して(xi,yi)(i=0,1,2,…)と表す(座標系は適宜決めてよいが、例えば緯度・経度を用いて、原点を適切に設定する)。
(d)現在の時刻がtnであるとき、あるスポット系列の位置情報配列からtn−m+1,…,tn−1,tnのm個の要素を取り出して、そのデータを用いてスポットの移動予測曲線を推定する。最も単純には、tnとtn−1の2つのデータにより、直線近似を行なう。その他、軌跡の推定手法は任意の既知の手法を使用可能である。
(e)軌跡の予想曲線が求められたら、位置情報配列から平均移動速度を推定し、その移動速度と軌跡の予想曲線から任意の時間後のスポットの位置を推定できる。なお、移動速度が設定した値以下であるか、または位置情報配列の各時刻間の移動方向がランダムに近いと判断できる場合は、そのスポットを含むやや広い地域を予想位置として用いることも可能である。
(f)ti毎に軌跡の推定と移動速度の推定を行なうことにより、ある時刻にあるスポットが到達する時刻を推定することが可能である。
なお、上記の例では、位置を直交座標系で表現しているが、極座標系で表現してもよい。その方が移動方向を把握するには好適な場合もある。
(高密度スポットを識別する現実的な手段)
端末1が高密度に分布しているスポットを識別するための方法として、原理的には、サービス対象(情報配信対象)とする地域全体について上で述べたような方法をとることができるが、人が集まるところを見つけることが狙いなので、通常は人が集まらないとみなされる場所は初めから対象外としてよい。例えば、山林地帯、田園地帯、住宅専用地域などは分布密度の判断対象外とすることが考えられる。日本全体を考えると、人が集まる場所は比較的面積が小さいので、人が集まらない場所を判断対象にすることは計算機の資源及び処理能力を無駄にすることになるので、サービスのコストアップになる。もっとも、通常は分布密度の監視対象外の地域も、情報提供業者7(スポンサー)の特殊な事情により、監視対象とすることを排除するものではない。
このような考え方により、何らかの要因で人が集まると想定される場所およびその場所への交通手段に限定して、分布密度変化の監視対象とする。そのような場所としては、例えば、繁華街,オフィス街,各種スポーツやイベント(コンサート,市民参加の「〜大会」等)の会場となる施設〔サッカー場,野球場,ゴルフ場,その他各種競技場,テーマパーク,遊園地,神社仏閣(初詣,七五三等季節要因も考慮),各種名所旧跡等の観光スポット,各種学校(小中高,大学(入学試験)),「〜ホール」のようなセミナーなどの会場となる施設,宿泊施設(大規模ホテル)等〕や、これらのスポットへの主要道路網,鉄道網,駅(橋やトンネルも含む)等がある。
(高密度スポットを識別する方法)
分布密度を計算する方法の考え方と、密度の高低を判断するスレッショルドの考え方の組み合わせでバリエーションが種々考えられる。
・分布密度の求め方
次の3つのレベルを考える。
(1)システムの基礎
端末1の位置を把握する単位としての単位区画11(図3参照)を定める。例えば、緯度で10秒毎、経度で10秒毎、あるいは、南北で200m、東西で200mの正方形等とする。
(2)密度を判断する面積/区画(基本区画)
地域の特性や事象(例えば、サッカーワールドカップの決勝戦なのか、野球のシーズン終盤の消化試合か、年始の初詣なのか、有名大学の大規模入学試験、地方都市のテーマパーク、高速道路、鉄道など)の性質毎に区画の形や広さを適宜設定する(後述のスレッショルドも変える必要がある)。これは、山間部の観光スポットを想定すると、人が集まる時でも、都心の繁華街と比べると広い地域に人は少ないと考えられるので、同じ基準で判断すると「高密度スポット」と判断できないためである。上記(1)の単位区画をいくつか組み合わせて、「その中に在圏する端末数÷面積」で判断の対象となる密度を計算する。
なお、該当する地域Xにおける利用者属性Aの分布密度DA(X)の一般式は、DA(X)=[該当地域(X)内に所在する当該利用者属性(A)を持つ利用者数]÷[当該地域(X)の面積]で表すことができる。また、該当する地域X内に含まれる単位区画X1,X2,…,Xmにおける利用者属性Aの分布密度DA(Xi)(i=1〜m)の一般式は、DA(Xi)=[当該単位区画(Xi)に所在する当該利用者属性(A)の利用者数]÷[当該単位区画(Xi)の面積]で表すことができる。ただし、X1〜Xmの面積はXの面積に比べて十分小さくする。
(3)情報提供業者7が指定したサービスの対象地域
情報提供業者7が分布密度を監視したいとしてASP5と契約したサービスエリアは、通常は小売店等の情報提供業者7の商圏をカバーする範囲と考えられる。ASP5は、当該サービス対象地域内について上記(2)の対象毎に上記(1)の単位区画のデータを基に、後述の適宜定めたスレッショルドの考え方により、高密度スポットかどうかを判断する。
ここで、高速道路等では次のような考え方も併用する方が、判断の精度が高い。
即ち、上記(1)の単位区画は例えば200m×200mとすると高速道路上の端末1の分布密度を正確に判断するには広すぎる。日本の高速道路の幅を上下計4車線とすると、広くみても40m程度である。従って、端末1が高速道路上に位置すると判断できるなら、単位区画の中に占める高速道路の面積は比較的小さい。「道路上の密度」を求めたいが、単位区画の面積を使うと真の値からのずれが大きい。そこで、単位区画の中の道路部分を、分布密度計算を優先して行なう区域として、その部分の面積を予め求めておき、その面積を用いて密度を計算する方法の方が実態に合う密度となる。なお、単位区画のサイズを高速道路の幅に比べて十分小さくできれば、単位区画を複数組み合わせて高速道路をカバーしても、誤差が大きくならないので、それでもよい。
一方、ある程度広い繁華街のような地域において、単位区画単位で密度の変化を見る場合を想定すると、高密度スポットがランダムに生成・消滅を繰り返しているように見える場合があると考えられる(多数の人がその地域内をアトランダムに往来している場合)。このような場合に単位区画を複数個まとめた基本区画を定義してその地域全体について高密度かどうか判断する。その方法としては、例えば、(a)その地域全体の平均密度により判断する方法、(b)その地域内のある閾値以上の高密度スポットが継続的にある個数以上存在するかどうかによって判断する方法(局所的に高密度になっていて、平均的には密度は低いような場合に有効)等が考えられる。
・スレッショルド(閾値)の考え方
極端な例として、(a)ある繁華街では、深夜・早朝を除き、常時人が往来しているので、平均的に分布密度は高い。「高密度スポット」と判断するためには、平均的な密度をある程度越える密度をスレッショルド(閾値)として設定する。ただし、広域でみて比較的高密度なスポットを見る、というような特殊なケースでは、スレッショルドを均一にしてもよい。
また、(b)高速道路等では、道路をカバーする細長い地域を対象として考える必要がある。その上で、(b1)交通がほとんど無い状態(分布密度はほとんどゼロ),(b2)順調に流れている状態(密度は絶対値では小さいが、高速道路としては比較的高い),(b3)渋滞してほとんど動かない状態(密度は絶対値ではさほど高くないが、高速道路としては高い)といった状態を識別する必要がある。この識別のための閾値は、上記(a)の場合の閾値よりもかなり低いと考えられる。
以上のような状況から、また、情報提供業者7の要求により、高密度かどうかを判断する閾値は適宜変更する。
(高密度スポットの移動を識別する方法)
ある時刻T0の時に高密度スポットがA0,B0,C0の3ヶ所存在し、次ぎに判断する時刻T1の時点で高密度スポットがA1,B1,C1の3ヶ所存在していた場合、A0とA1、B0とB1、C0とC1がそれぞれほとんど同一の位置であるとき、例えば、B0がA1,B1,C1(あるいはもっと離れた別の位置)に移動した(あるいは静止していた)かどうかは高密度スポットの位置だけでは判断できない。
このような場合、B0のスポットに在圏する端末からいくつかの標本をランダムに取り出すか、または全数について時刻T0と時刻T1のときの位置を比較して、それらがA1,B1,C1のどこにいるかを判断することで、高密度スポットの移動を判断する。
(本実施形態で想定する地図情報の定義)
本実施形態では、分布密度の監視対象地域を抽出するための知識情報(人が集まる場所や交通手段に関する情報)は、計算機システムに識別できるような形式で、ASP5がサービスを開始する時点でASP5に組み込まれており、また、事情の変化(例えば、新たな大規模オフィスビルの建設,新たなテーマパークの新規開業/廃業,路線の開通/廃止,駅の新設/廃止,車線数の増減,インターチェンジの新設/廃止など)、あるいは情報の要求に応じて適宜更新されるものとする。
即ち、ASP5には、サービス提供の対象地域を適切な大きさでかつそれぞれ適当な方法で識別可能な単位区画(あるいは基本区画)に区切り、例えば、繁華街,オフィス街,各種スポーツやイベント(コンサート,市民参加の「〜大会」等)の会場となる施設〔サッカー場,野球場,ゴルフ場,その他各種競技場,テーマパーク,遊園地,神社仏閣(初詣,七五三等季節要因も考慮),各種名所旧跡等の観光スポット,各種学校(小中高,大学(入学試験)),「〜ホール」のようなセミナーなどの会場となる施設,宿泊施設(大規模ホテル)等〕や、これらのスポットへの主要道路網,鉄道網,駅(橋やトンネルも含む)等、あらゆる地物の場所がそれらの単位区画上のどこにあるか、または、それらの単位区画の複数にまたがる場合、どの単位区画とどの単位区画とでカバーできるかが予め情報として含まれている、あるいは、包含関係が判断できる情報を含んでいるか、あるいは、必要に応じて追加する(例えば、人手で入力する)手段が備えられている。
近年のデジタル化地図においては、各種情報は階層化して含まれており、道路や鉄道もそれらの階層の一つであり、路線のデータはベクトルの連なりのデータとして含まれている。また、データが不足であれば、ASP5で独自に補うことも可能なので、本実施形態において上述したような条件を設けても十分合理的である。なお、道路や鉄道の情報が不十分で、主要なポイントだけしかもたない場合であっても、本実施形態では後述するように、密度変化の監視地域を限定する方法により対応することが可能である。
〔B〕サーバシステムの具体例
以下、本発明を適用されるASP5の具体例について詳述する。
(B1)利用者サービス登録等処理機能
本発明による情報配信サービスを利用するために利用者は予めASP5に対してサービス利用の登録を行なう必要がある。その手順は公知であり、例えば前記の特許文献1に示されている手順を適用することができる。
そのため、本実施形態のASP5は、例えば図5に示すように、利用者サービス登録等処理機能として、(1)本発明による情報配信サービスの利用を登録する端末1の利用者が求める配信情報の種別区分に必要な利用者の特徴や関心領域などを示す情報(利用者属性)の登録を利用者の合意において行なわせる機能、(2)ASP5のサービス利用者からのサービスの「(新規)登録」,「変更」,「開始」,「休止」,「解除」等を受け付ける機能、(3)利用者が登録した利用者の属性を表す情報、登録内容の変更などの要求を受け付け、処理し、適切に維持し、管理する機能、(4)本情報配信サービス利用者の位置情報を記憶し、当該利用者の位置情報変位を維持し、管理する機能を兼ね備えている。
即ち、この図5に示すように、ASP5は、利用者インタフェース処理部501,利用者サービス受付処理部502,登録サービス分析処理部503,登録メニュー送出処理部504,利用者位置情報受付処理部505,利用者位置情報履歴管理処理部506,利用者登録マスターDB(データベース)507,利用者登録属性別マスターDB508,利用者位置情報マスターDB509,利用者位置情報履歴DB510をそなえて構成される。
ここで、利用者インタフェース処理部501は、サービス利用者の端末1との間で各種情報を授受するためのもので、この処理部501を通じて、図1により前述した位置情報生成・転送機能部21により、端末1自身から時々刻々自律的に送られてくるか、あるいはASP5からの指示に従って送られてくるサービス利用者の位置情報が受信されるようになっている。
また、利用者サービス受付処理部502は、端末1から送られてきた要求を受け付けて、その内容(サービス利用の新規登録,変更,休止,開始,解除など)を判定し、要求内容に応じた処理(登録メニュー送出処理部504に対する「登録メニュー」の送出指示や利用者登録マスターDB507の内容の書き換え/削除など)を行なうとともに、利用者(端末1)からの登録内容を受け付けるものであり、登録サービス分析処理部503は、利用者サービス受付処理部502で受け付けられた利用者の登録内容を分析し、当該登録内容を利用者属性毎に区分した利用者登録属性別マスターDB508に格納・記憶するものである。
さらに、登録メニュー送出処理部504は、配信希望などの登録内容を示した「登録メニュー」(属性の一覧を示して利用者に選択を求める情報)を利用者インタフェース処理部501経由で、利用者の端末1に送出するものであり、利用者位置情報受付処理部505は、利用者の端末1の位置情報を定期的に受け付けて、利用者位置情報マスターDB509に格納・記憶するものであり、利用者位置情報履歴管理処理部506は、利用者位置情報受付処理部505で受け付けた利用者毎の位置情報の履歴を利用者別位置情報履歴DB510に格納・記憶するものである。
なお、この利用者位置情報履歴管理処理部506は、後述する分布状態を表すデータの算出が容易になるように単位区画に対応付けて、また、単位時間当たりの移動速度や移動方向、移動距離を計算し、それらを適切に分類・処理し、その結果を利用者別位置情報履歴DB510に記憶することもできるようになっている。
つまり、本実施形態のASP5は、上述した利用者サービス登録等処理機能を実現するために、以下のような手段をそなえていることになる。
(1)本情報配信サービスを利用しようとして、あるいは、既に利用を登録済みで登録内容又は動作状態を変更しようとして、ASP5に接続している端末1に対して、属性又は選択可能な動作の一覧を示して利用者に選択を求める情報を送出し、それに対する応答情報を受信して記憶する手段(登録メニュー送出処理部504,利用者サービス受付処理部502,登録サービス分析処理部503,利用者登録マスターDB507,利用者登録属性別マスターDB508)
(2)端末1から受信して記憶した情報を適切な種別に分類し、種別毎に最新の情報のみを、または、過去の履歴も含めて、記憶する手段(登録サービス分析処理部503,利用者登録属性別マスターDB508)
(3)位置情報生成・転送機能部21により、端末1又はモバイルネットワーク2の位置情報センター等で生成され、ASP5に自律的に時々刻々送られてくる(又は、ASP5からの指示により送られてくる)サービス利用者の位置情報を受信して、時刻等関連情報とともに記憶する手段(利用者位置情報受付処理部505,利用者位置情報マスターDB509)
(4)サービス利用者の位置情報を、分布状態を表すデータの算出が容易になるように単位区画(あるいは基本区画)に対応付けて、また、単位時間当たりの移動速度や移動方向、移動距離を計算し、それらを適切に分類・処理し、その結果を記憶する手段(利用者位置情報履歴管理処理部506,利用者別位置情報履歴DB510)
上述のごとく構成された本実施形態のASP5では、利用者インタフェース処理部501により利用者の端末1との間での情報の送受を行ない、受信した情報は、利用者サービス受付処理部502でその内容を判定する。利用者サービス受付処理部502は、利用者(端末1)からの要求が本情報配信サービスの利用を希望する新規「登録」の場合は、登録メニュー送出処理部504に指示を与えて、配信希望などの登録内容を示した「登録メニュー」を利用者インタフェース処理部501経由で、利用者の端末1に送出させる。
サービス利用者は、このようにASP5から受信し、端末1の画面に表示される「登録メニュー」画面を参照し、配信して欲しい情報カテゴリや配信に必要となる利用者の性別,年齢,関心領域などの属性情報を選択あるいは入力し、これらの登録内容をASP5に送信する。すると、ASP5は、利用者サービス受付処理部502により、受信した登録内容を利用者登録マスターDB507に格納するとともに、登録サービス分析処理部503により、登録内容を分析して、利用者属性毎に区分した利用者登録属性別マスターDB508に格納する。
一方、利用者サービス受付処理部502にて、利用者(端末1)からの要求が登録内容の「変更」であると判定された場合は、上記の新規「登録」と同様に、登録メニュー送出処理部504から「登録メニュー」を利用者の端末1に送出し、利用者からの新たな登録内容を受け付け、利用者サービス受付処理部502及び登録サービス分析処理部503が、それぞれ、受け付けた新規登録内容に応じて利用者登録マスターDB507及び利用者登録属性別マスターDB508の登録内容を書き換えて更新する。
また、サービス利用者からの本情報配信サービスの利用「解除」要求を利用者サービス受付処理部502が受け付けた場合は、利用者サービス受付処理部502及び登録サービス分析処理部503が、利用者登録マスターDB507及び利用者登録属性別マスターDB508の当該利用者に関する情報を削除・抹消する。
さらに、サービス利用者からの本情報配信サービスの利用「休止」要求を利用者サービス受付処理部502が受け付けた場合は、利用者サービス受付処理部502及び登録サービス分析処理部503が、それぞれ、利用者登録マスターDB507及び利用者登録属性別マスターDB508の当該利用者に関する情報の非活性化を行なう。
また、サービス利用者からの本情報配信サービスの利用「開始」要求を利用者サービス受付処理部502が受け付けた場合は、利用者サービス受付処理部502及び登録サービス分析処理部503が、それぞれ、利用者登録マスターDB507及び利用者登録属性別マスターDB508の当該利用者に関する情報の活性化を行なうとともに、利用者位置情報受付処理部505が、当該利用者の端末1の位置情報を定期的に受け付けて利用者位置情報マスターDB509に格納し、且つ、利用者位置情報履歴管理処理部506が、利用者毎の位置情報の履歴を利用者別位置情報履歴DB510に格納する。
(B2)情報提供業者登録等処理機能
一方、本発明による情報配信サービスを実施するためには、情報提供業者7とASP(サーバシステム)5が情報配信に関する契約を締結していることが前提となる。そのため、本実施形態のASP5は、例えば図6に示すように、情報提供業者登録等処理機能として、(1)本情報配信サービスにより情報配信を行なう情報提供業者7の所在地,販売拠点の所在地,配信する情報,情報提供業者7が配信効果を期待している利用者プロフィールや配信条件などの登録を情報提供業者7の合意において行なわせる機能,(2)情報提供業者から登録された配信に関わる登録内容の「変更」,「休止」,「解除」,「開始」などの要求を受け付ける機能,(3)情報提供業者7が登録した情報提供業者の情報,配信内容の変更などの要求を適切に維持し、管理する機能を兼ね備えている。
即ち、この図6に示すように、本実施形態のASP5は、情報提供業者インタフェース処理部511,情報提供業者登録受付処理部512,登録情報分析処理部513,登録メニュー送出処理部514,情報提供業者位置情報受付処理部515,情報提供業者登録マスターDB516及び情報提供業者登録情報別マスターDB517などをそなえて構成される。
ここで、情報提供業者インタフェース処理部511は、情報提供業者7と各種情報を授受するためのインタフェースであり、情報提供業者登録受付処理部512は、当該インタフェース処理部511で受信した情報内容(情報提供業者7が情報配信対象として指定する地域内において、当該情報提供業者7が情報配信によって売り上げ増加等の効果を期待する利用者属性の分布状態に関する情報要求を含む)を判別する機能を有するものである。
また、登録情報分析処理部513は、当該インタフェース処理部511で受信した情報提供業者7からの登録情報を分析して、配信条件等に区分した情報提供業者登録情報別マスターDB517に格納・記憶するものであり、登録メニュー送出処理部514は、配信内容などの登録内容を示した「登録メニュー」を情報提供業者インタフェース処理部511経由で情報提供業者7に送出するものである。
なお、情報提供業者登録受付処理部512で受け付けた情報が、情報提供業者7が情報配信によって売り上げ増加等の効果を期待する利用者属性の分布状態に関する情報要求であった場合、登録メニュー送出処理部514は、ASP5に接続している情報提供業者7に対して、利用者属性の分布状態を表す情報について提供可能なものを、選択肢の一覧として送出し、それに対する応答情報が情報提供業者登録受付処理部512にて受信されて情報提供業者登録マスターDB516に記憶されることになる。
また、情報提供業者位置情報受付処理部515は、情報提供業者が移動しながら、所持する移動端末7を用いてサービス利用登録等の操作を行なう場合に、当該端末7の位置情報を定期的に受け付けて、情報提供業者登録マスターDB515に、移動している情報提供業者7の最新の所在地を格納・記憶するためのものである。なお、この情報提供業者位置情報受付処理部515の機能は、情報提供業者の端末7として固定端末のみを対象とし移動端末を対象としない場合には省略可能である。
つまり、本ASP5は、上述した情報提供業者登録等処理機能を実現するために、次のような手段をそなえていることになる。
(1)本情報配信サービスを利用しようとして、あるいは、既に利用を登録済みで登録内容を変更しようとして、ASP5に接続している情報提供業者7から入力されたサービス実現に必要な情報、もしくは、ASP5に接続している情報提供業者7に対して選択可能な形に整形した選択肢の一覧を送出し、それに対する応答情報を受信して記憶する手段(情報提供業者登録受付処理部512,登録メニュー送出処理部514,手情報提供業者登録マスターDB516)
(2)ASP5に接続している情報提供業者7から受信して記憶した情報を適切な種別に分類し、種別毎に最新の情報のみを、または、過去の履歴も含めて、記憶する手段(登録情報分析処理部513,情報提供業者登録情報別マスターDB517)
上述のごとく構成されたASP5では、情報提供業者インタフェース処理部511により、情報提供業者7との間での情報の送受を行なって、情報提供業者7からの本情報配信サービスの利用「登録」や、登録した配信内容の「変更」,サービスの利用「開始」,「休止」,「解除」等の要求を受け付け、情報提供業者登録受付処理部512により、受信した情報の内容を判定する。
その結果、情報提供業者7からの要求が例えば本情報配信サービスの利用の新規「登録」であれば、情報提供業者登録受付処理部512は、登録メニュー送出処理部514に指示を与えて配信内容などの登録内容を示した「登録メニュー」を情報提供業者インタフェース処理部511経由で情報提供業者7に送出させる。
情報提供業者7は、ASP5から受信した「登録メニュー」に沿って、情報提供業者7の所在地、配信情報や配信条件(配信対象地域や頻度など)等をASP5に送信する。ASP5は、情報提供業者登録受付処理部512により、受信した登録内容を情報提供業者登録マスターDB516に格納するとともに、登録情報分析処理部513により、当該登録内容を分析して、配信条件等に区分した情報提供業者登録情報別マスターDB517に格納する。
一方、情報提供業者7からの要求が登録内容の「変更」要求であった場合、ASP5は、上記の新規「登録」と同様に、登録メニュー送出処理部514から「登録メニュー」を情報提供業者7に送出し、当該情報提供業者7からの新たな登録内容を情報提供業者登録受付処理部512にて受け付け、情報提供業者登録受付処理部512及び登録情報分析部513により、それぞれ、情報提供業者登録マスターDB516及び情報提供業者登録情報別マスターDB517に格納する。
また、情報提供業者7からの要求が本情報配信サービスの利用「解除」要求であった場合、ASP5は、情報提供業者登録受付処理部512及び登録情報分析処理部513により、それぞれ、情報提供業者登録マスターDB516及び情報提供業者登録情報別マスターDB517の当該情報提供業者7に関する情報を解除扱いとする。なお、実際に情報を抹消するのはサービス料金の精算処理等が完了してからである。
さらに、情報提供業者7からの要求が本情報配信サービスの利用「休止」要求であった場合、ASP5は、情報提供業者登録受付処理部512及び登録情報分析処理部513により、それぞれ、情報提供業者登録マスターDB516及び情報提供業者登録情報別マスターDB517における当該情報提供業者7に関する情報の非活性化を行なう。
また、情報提供業者7からの要求が本情報配信サービスの利用「開始」要求であった場合、ASP5は、情報提供業者登録受付処理部512及び登録情報分析処理部513により、それぞれ、情報提供業者登録マスターDB516及び情報提供業者登録情報別マスターDB517における当該情報提供業者7に関する情報の活性化を行なう。
さらに、情報提供業者7が移動しながら、所持する端末1を用いてサービス利用登録等の操作を行なう場合は、本情報配信サービスの利用「開始」要求により、情報提供業者位置情報受付処理部515により情報提供業者7の位置情報を定期的に受け付け、当該位置情報を情報提供業者7の最新の所在地として情報提供業者登録マスターDB516に格納する。
(B3)地図情報管理機能
図7は本実施形態のASP5の地図情報管理機能に着目した構成を示す機能ブロック図で、この図7に示すように、ASP5は、情報配信対象として指定された地域を地図情報の単位区画と対応付けて単位区画の集合として記憶するための地図情報管理機能として、例えば、地図情報マスターDB518,緯度・経度量子化処理部519及び量子化地図マスターDB520などをそなえている。
ここで、地図情報マスターDB518は、デジタル形式の各種地図情報を格納・記憶するものであり、緯度・経度量子化処理部519は、当該地図情報を前記の単位区画に対応付けるために、緯度・経度の量子化(例えば、ある桁数以下をゼロとみなす)を行なうものであり、量子化地図マスターDB520は、この経度・緯度・経度量子化処理部519により量子化された地図情報を本情報配信サービスの実施に適合する地図情報として格納・記憶するものである。
つまり、これらの地図情報マスターDB518,緯度・経度量子化処理部519及び量子化地図マスターDB520は、情報配信対象として指定された地域を適切な手順に従って、単位区画に分割し、各々の単位区画をそれぞれ面積が計算可能なデータの集合として表現し、それらの面積を求めて記憶する手段として機能するのである。
このような機能により、情報配信対象の指定地域(サービスエリア)が地図情報の単位区画に対応付けられる。なお、この対応付けは、上記のような緯度・経度の量子化以外の他の方法を用いてもよい。例えば、ある地域を単位区画に区切り、それぞれに識別番号を付与するという公知の方法を用いることができる(国際的には海域番号が定められており、企業ではデンソー社のマップコードなどがある)。また、特願2002−88432号明細書にもその方法が開示されている。
(B4)ASP運用管理・指定区域処理機能
次に、図8は本実施形態のASP5のASP運用管理・指定区域処理機能に着目した構成を示す機能ブロック図で、この図8に示すように、ASP5は、既述の情報提供業者インタフェース処理部511,情報提供業者登録受付処理部512,情報提供業者登録マスターDB516及び量子化地図マスターDB520に加えて、ASP運用管理・指定区域処理機能として、ASP運用管理インタフェース処理部521,ASP運用管理受付処理部522,情報提供業者別指定区域処理部523,情報提供業者別分布密度計算優先対象区域算出処理部524,運用管理ログDB525,情報提供業者別指定区域DB526及び情報提供業者別分布密度計算優先対象区域DB527などをそなえて構成される。なお、この図8において、符号Aは図9及び図10中に示す符号Aと対応しており、上記の情報提供業者別分布密度計算優先対象区域算出処理部524と、図9により後述する高密度分布スポット検出処理部528及び/又は図10により後述する高密度分布スポット検出処理部533とが接続されることを示している。
ここで、ASP運用管理インタフェース処理部521は、ASP運用・管理者の端末とのインタフェースをとるものであり、ASP運用管理受付処理部522は、当該ASP運用・管理者の端末からの指示内容(情報提供業者7が指定するサービスエリア(指定区域)に関する情報等)を判別して、その判別結果に応じた処理(運用管理ログDB525への履歴の記録,情報提供業者別指定区域処理部523に対する指定区域に基づく端末分布密度の計算指示など)を行なうものである。なお、運用管理ログ525には、ASP5全体の運用管理のため、情報提供業者登録受付処理部512による処理の履歴も記録される。
また、情報提供業者別指定区域処理部523は、情報提供業者登録マスターDB516及び量子化地図マスターDB520の記録内容に基づいて、情報提供業者7別に、それぞれがサービスエリアとして指定した地域全域から、情報配信の対象となる人が多く住んでいると想定される都市や街、情報提供業者7の店舗所在地などにより分布密度計算を優先して行なえる区域を算出し、その結果を情報提供業者別指定区域DB526に記録・格納するものである。その際、当該区域は、面積を単位区画(又は、基本区画)の集合に変換して面積計算できる形式のデータの集合として情報提供業者別指定区域DB526に記憶される。
さらに、情報提供業者別分布密度計算優先対象区域算出処理部524は、情報提供業者7別に、サービスエリアとして指定された地域よりも小さい優先的な情報配信対象区域で分布密度計算が行なわれるよう当該情報配信対象区域を設定するためのもので、量子化地図マスターDB520及び情報提供業者別指定区域DB526の記録内容(情報提供業者別指定区域処理部523の処理結果)に基づいて、情報提供業者7別に、分布密度計算を優先して行なう区域を算出し、その結果を情報提供業者別分布密度計算優先対象区域DB527に記録・格納するようになっている。
なお、この場合、該当する地域X内において、優先的な情報配信対象区域として設定した区域xに含まれる各単位区画(x1,x2,…,xn)における利用者属性Aの分布密度DA(x)の一般式は、下記式(1)のようになる。
つまり、本ASP5は、情報提供業者7やASP運用者が指定した地域に関する情報を記憶し、地図情報から当該指定地域を面積計算できる形式のデータの集合として記憶する機能を実現するために、次のような手段をそなえているのである。
(1)ASP5に接続している情報提供業者7やASP運用者の端末から入力された、サービス対象としたい地域を指定するために必要な情報、もしくはASP5に接続している情報提供業者7やASP運用者の端末に対して選択可能な形に整形した選択肢の一覧を送出し、それに対する応答情報を受信し、記憶する手段(登録メニュー送出処理部514(図6参照),情報提供業者登録受付処理部512,情報提供業者別指定区域処理部523,情報提供業者別指定区域DB526)
(2)適切な方法により該当地域を、面積を単位区画(又は、基本区画)の集合に変換して、面積計算できる形式のデータの集合として記憶する手段(情報提供業者別指定区域処理部523,情報提供業者別指定区域DB526)
このような構成により、本ASP5は、情報提供業者インタフェース処理部511経由で情報提供業者7からの本情報配信サービスの利用「開始」要求を受信して情報処理提供業者登録受付処理部512でこれを判別した場合や、ASP運用管理インタフェース処理部521経由でASP運用・管理者からの指示を受信してASP運用管理受付処理部522でこれを判別した場合に、各受付処理部512及び522がそれぞれその履歴を運用管理ログ525に格納する。
一方、上記のサービスの利用「開始」要求又はASP運用管理者からの指示により、ASP5は、情報提供者別指定区域処理部523によって、情報提供業者登録マスターDB516及び量子化地図マスターDB520の記録内容に基づき、情報提供業者7が指定した地域全域から、情報配信の対象となる人が多く住んでいると想定される都市や街、情報提供業者7の店舗所在地などにより分布密度計算を優先して行なえる区域を算出し、その結果を情報提供業者別指定区域DB526に格納する。
さらに、ASP5は、情報提供業者別分布密度計算優先対象区域算出処理部524により、量子化地図マスターDB520及び情報提供業者別指定区域DB526の記録内容に基づいて、分布密度計算を優先する区域を算出し、その結果を情報提供業者別分布密度計算優先対象区域DB527に格納する。
以上のようにして、情報提供業者7がサービスエリアとして指定した地域の中で端末分布密度の計算を優先して行なう区域が選定されてDB化される。なお、情報提供業者7が指定した地域全域を分布密度計算の対象とすることも勿論可能であるが、処理効率を高めるために指定地域内でも上述のごとく分布密度計算の対象区域を絞り込む方が計算機資源及び処理能力の有効利用の面で有利である。
例えば図4Aに示すように、情報提供業者7は、情報提供業者7の所在地14を中心にA市,B市,C市,D市を頂点とする矩形領域12を情報配信対象の地域として指定した場合、当該矩形領域12全体について、全単位区画の分布密度を計算することは極めて効率が悪い。面積としては利用者がほとんど存在しない地域が大部分であるためである。
なお、本実施形態では、前述したように、ASP5が、人の集まる場所(季節要因等も含む)や交通手段に関する知識を使えることを前提としているため、サービス開始時点で、端末1の分布密度が低いと想定される地域を排除、あるいは計算頻度を減らすように設定することが可能となる。
即ち、本実施形態で適用する地図情報に交通アクセス情報(道路,鉄道などの人の移動手段のルートに当たる路線情報)が含まれている場合は、その路線をカバーするような単位区画の集合を分布密度計算を優先する区域とすることで、既に分布密度計算を優先して行なう区域の精緻化は行なわれているとすることができる。例えば図4Bに示すように、適用する地図情報に情報提供業者7の所在地とランドマークとなるC市との間の道路や鉄道等の交通アクセス情報が含まれている場合、該当する交通アクセス情報をカバーする単位区画の集合を、分布密度計算を優先して行なう区域13とする。
また、情報提供業者7が指定した地域が繁華街や商店街など、利用者の行動範囲が徒歩などによりある程度限られた地域(例えば、徒歩10分圏内)15である場合は、当該地域15全域を、分布密度計算を優先して行なう区域とする。
一方、適用する地図情報に交通アクセス情報が含まれないような場合は、次のような方法で分布密度の計算対象とする地域を限定することができる。
即ち、例えば、情報提供業者7が自分の店舗には主にC市からの人が顧客となると想定する場合、C市から情報提供業者7の店舗の所在地への人の流れを把握することに意味がある。このとき、C市と情報提供業者7の店舗との間の地域に許容範囲(分布密度計算を優先して行なう区域を抽出するための候補区画の集合)を設定し、この許容範囲とその隣接する地域について分布密度を優先的に計算するようにすれば、計算量を少なくできる。
そこで、情報提供業者7を「原点」とし、当該原点とC市を結ぶ直線をx軸とし、原点にてx軸と直交する直線をy軸とするような座標(許容範囲算出用座標)変換を行なって、この座標系の上でその許容範囲を(a)−b<y<b、且つ、0<x<Rの範囲、もしくは、(b)y=±axの範囲で、且つ、x<Rの範囲(ただし、Rは情報提供業者7の所在地又は店舗と指定されたランドマークまでの距離を表す)、又は(c)これらの(a)及び(b)の両方を含む範囲と定義できる(図35参照)。
そして、当該許容範囲に含まれるか接する基本区域を分布密度計算優先区域として抽出する。この分布密度計算優先区域についてのみ分布密度計算を行なうことにより、分布密度計算の効率化を図ることができる。
なお、この分布密度計算優先区域は、例えば図20に示すように、原点とC市を結ぶ直線を一次関数y=axで表し、y=ax±b′で定義される2つの直線で挟まれる範囲を許容範囲とする方法で設定してもよい。ただし、この場合、bを基本区画のサイズu及び情報提供業者7の所在地と目標ランドマークとの間の距離rmの関数で表したとき、例えば、
b=f(n,u,rm)=f{(n×u)・f(rm)}(n≠0)
b′=b・(a2+1)1/2
となる。
また、y=a1x,y=a2xで定義される2つの直線で挟まれる範囲を許容範囲とする方法でもよい。
(B5)分布密度計算優先区域精密化機能
次に、図9は本実施形態のASP5の分布密度計算優先区域精密化機能に着目した構成を示す機能ブロック図で、この図9に示すように、ASP5は、既述の利用者別位置情報履歴DB510,情報提供業者別指定区域DB526及び情報提供業者別分布密度計算優先対象区域DB527に加えて、分布密度計算優先区域精密化機能として、高密度分布スポット検出処理部528,情報提供業者別分布密度計算優先対象区域補正処理部529,指定区域から計算優先対象区域を除いた高密度分布スポットDB530,計算対象区域の高密度分布スポットDB531及び情報提供業者別分布密度計算優先対象区域DB532をそなえて構成される。なお、この図9において、符号Bは図10中に示す符号Bと対応しており、上記の情報提供業者別分布密度計算優先対象区域補正処理部529と、図10により後述する高密度分布スポット履歴比較処理部534とが接続されることを示している。
ここで、本「分布密度計算優先区域精密化機能」は、時間経過により、高密度スポット(ある定めた「閾値」を超えた分布密度を示した単位区画または基本区画)の生起状況(発生頻度)から分布密度計算を優先して行なう区域の「絞り込み」を行なうための機能である。
そして、高密度分布スポット検出処理部528は、利用者毎の位置情報を格納している利用者別位置情報履歴DB510,情報提供業者7が指定した区域の情報を情報提供業者別に格納している情報提供業者別指定区域DB526及び当該指定区域の中で分布密度計算を優先して行なう区域の情報を格納している情報提供業者別分布密度計算優先対象区域DB527の各記録内容に基づいて、情報提供業者7が指定した区域内に生起した高密度スポットの分布状況(発生頻度)を検出し、その結果を指定区域から計算優先対象区域を除いた高密度分布スポットDB530及び計算優先対象区域の高密度分布スポットDB531に記録・格納するものである。
そのため、この高密度分布スポット検出処理部528は、各単位区画(又は基本区画)について指定された利用者属性毎の分布密度を算出する機能として、任意の区域に在圏する利用者1の中から、指定された属性をもつ利用者1を抽出してその数を計数する手段と、その計数結果から当該区域における当該利用者1の分布密度を計算する手段とを兼ね備えてもいる。
このような機能により、ASP5は、情報提供業者7が指定した地域から、その限界を示す都市名や地名やその住所や情報提供業者7が指定した地域内に所在し、道案内などの目標となっている名所や建設物やその住所などの、目標化できるランドマークなどを基に、生起した高密度スポットの分布状況を検出することが可能となる。
また、情報提供業者別分布密度計算優先対象区域補正処理部529は、最新の計算優先対象区域の高密度分布スポットDB531の記録内容に基づいて分布密度計算を優先して行なう区域を補正・更新し、その結果を情報提供業者別分布密度計算対象区域DB532に記録・格納することにより、分布密度計算を優先して行なう区域の精緻化を行なうためのものである。
例えば図20又は図35に示すように、情報提供業者7を「原点」とし、ランドマークとなるC市を結ぶ直線を一次関数y=ax(又はx軸)とし、許容範囲をy=ax±b′(又は、y=±ax)とした場合(図19のステップA1〜A3に相当)、図21に示すように、その範囲内に生起した高密度スポットとy=ax(又はx軸)との距離dを評価することで、高密度スポットの有効性を判定できる。即ち、生起した高密度スポットが想定した分布密度計算優先区域からかけ離れている場合、生起した高密度スポットは有効性(相関性)が低いと判定できる(図19のステップA4,ステップA5のNOルート)。
一方、生起した高密度スポットが直前まで想定していた分布密度計算優先区域に隣接している場合(相関性が強い場合:ステップA5でYESの場合)には、生起した高密度スポットを分布密度計算優先区域(許容範囲)に加えるとともに(ステップA6)、直前まで想定した分布密度計算優先区域内において、ある定めた期間に高密度スポットの出現がない区域あるいは出現頻度が所定閾値よりも低い区域はその対象(許容範囲)から除く。
そして、ここまでで決まった新しい許容範囲について、改めてその内部と周辺の区域について評価をし直して、許容範囲を更新する。このような処理を反復して、新たな区域の増減が無くなったら許容範囲の更新を終了する。このようにして、分布密度計算を優先して行なう区域の精緻化を行なう(図19のステップA7)。
即ち、本実施形態では、ある程度長期間にわたって、許容範囲及びその周辺区域群の中で高密度スポットの発生頻度の高い区域の有無を調べ、定常的に生起する高密度スポットが予め想定した分布密度計算優先区域の内部になく、隣接もしていない場合、想定した分布密度計算優先区域は正しく設定されていないと判断して、分布密度計算優先区域内において高密度スポットが生起しない区域はその対象から除くとともに定常的に高密度スポットが生起している区域を加えて補正することにより、分布密度計算を優先して行なう区域の精緻化を行なうのである。
なお、本機能は、分布密度計算を優先して行なう区域の絞り込み(精密化)が既にできていれば省略可能である。また、当該精緻化処理は、単位区画及び基本区画のいずれを単位として行なっても良い。さらに、上記の高密度スポットの生起頻度の高低を判断するための閾値は、当初は比較的低めに設定し、時系列的なデータの蓄積に伴って高めてゆくことにより、許容範囲を狭めてASP5の運用を効率的化することが可能となる。
(B6)高密度分布スポット生起状態(移動変位)判定機能
次に、図10は本実施形態のASP5の高密度分布スポット生起状態(移動変位)判定機能に着目した構成を示す機能ブロック図で、この図10に示すように、ASP5は、既述の利用者別位置情報履歴DB510および情報提供業者別分布密度計算優先対象区域DB532に加えて、高密度分布スポット生起状態(移動変位)判定機能として、例えば、高密度分布スポット検出処理部533,高密度分布スポット履歴比較処理部534,高密度分布スポット変位判定処理部535,計算優先対象区域の高密度分布スポットDB536,高密度分布スポット履歴DB537及び高密度分布スポット変位記録DB538をそなえて構成されている。なお、この図10において、符号Cは図15に示す符号Cと対応しており、上記の高密度分布スポット変位判定処理部535と、図15により後述する配信方法決定処理部541及び対象利用者抽出処理部543とがそれぞれ接続されることを示している。
ここで、本「高密度分布スポット生起状態(移動変位)判定機能」は、分布密度計算を優先して行なう区域内において生起した高密度分布スポットの移動変位の傾向やその傾向から次に高密度分布スポットの生起が予測される区域を推定するための機能である。
そして、高密度分布スポット検出処理部533は、利用者毎の位置情報履歴を格納している利用者別位置情報履歴DB510及び情報提供業者別分布密度計算優先対象区域DB532の各記録内容に基づいて、ある定めた「閾値」を超える分布密度を示して生起した高密度分布スポットを検出し、その検出結果を計算優先対象区域の高密度分布スポットDB536に記録・格納するものである。
つまり、この高密度分布スポット検出処理部533は、端末1の位置情報に基づいて情報配信対象地域において特定の利用者属性をもつサービス利用者の端末1の分布状態の時間的変化を監視する分布状態変化監視手段としての機能を果たすもので、そのため、次のような機能も兼ね備えている。
(a)端末1の位置情報に基づいて情報配信対象地域に含まれる所定区画について、特定の利用者属性をもつサービス利用者の移動情報端末の分布密度を計算する分布密度計算部5331としての機能
(b)この分布密度計算部5331の計算結果に基づいて分布密度が所定の閾値よりも高い高密度分布区域を検出する高密度分布区域検出部5332としての機能
また、高密度分布スポット履歴比較処理部534は、最新の高密度分布スポットの情報が格納されている、計算優先対象区域の高密度分布スポットDB536の記録内容と、過去の高密度分布スポットの情報を格納している高密度分布スポット履歴DB537の記録内容とを比較して、最新の高密度分布スポットの情報を高密度分布スポット履歴DB537に記録・格納するものである。
高密度分布スポット変位判定処理部535は、高密度分布スポット履歴DB537における最新の高密度分布スポットの情報から把握される高密度分布スポットの生起状態の特徴を基にその移動変位を判定して、その移動変位の情報を高密度分布スポット変位記録DB538に記録・格納するもので、ここでは、高密度分布スポット検出処理部533により検出された高密度分布スポットの移動変位を計算する高密度分布スポット移動変位計算部5351としての機能と、この高密度分布スポット移動変位計算部5351により得られた移動変位に基づいて高密度分布スポットの移動先を予測する高密度分布スポット移動予測部5352としての機能を兼ね備えている。
ここで、具体的な予測手法としては、例えば、生起した高密度分布スポットが「ある許容された範囲」にあるかを判定するために「移動変位予測区域」を定義する。この「移動変位予測区域」は、分布密度の計算優先対象区域内において、例えば、ある時刻T0で生起した高密度分布スポットP0を基準(原点)とし、次の時刻T1で生起した高密度分布密度スポットP1が分布密度計算を行なう時間間隔(Td)と分布密度計算の基本区域サイズ(U)の関数〔r=f{Td×(U×n)}(nは1以上の整数)〕を一辺の長さとして表現され、時刻T0で生起した高密度分布スポットP0を頂点の一つとし、矩形で囲まれる区域(例えば図23参照)もしくは時刻T0で生起した高密度分布スポットを中心とし、半径rpで表現された円などで囲まれた区域をカバーする単位区画群または基本区画群とする。
そして、時刻T1において、「移動変位予測区域」内に生起した高密度分布スポットP1に在圏する端末の集合S1と、基準とした時刻T0で生起した高密度分布スポットP0に在圏する端末の集合S0とは次式(2)で示すような関係があると見てよい場合がある。
即ち、(a)時刻T1において生起した高密度分布スポットP1に在圏する端末1の集合S1の中に、時刻T0で存在した高密度分布スポットP0に在圏していた端末1の集合S0に含まれていた端末がある定めた割合(閾値)以上で含まれている場合、時刻T0における高密度分布スポットP0が時刻T1には高密度分布スポットP1に移動したとみなすことができる(図22のステップB1,ステップB2のYESルートからステップB3,ステップB4のYESルートに相当)。このときのP0−P1間の距離を高密度分布スポットの移動変位と定義する。
ここで、前述したように予め地図情報などから計算優先対象区域内の交通アクセス手段(鉄道や道路等の路線情報)が確定できる場合は、その交通アクセス手段から想定される平均的な移動速度(v)(例えば、一般道上の乗用車なら時速40km、高速道路上の乗用車なら時速80km等)から「移動変位予測区域」を(v×Td)/Uにて定義することができる。
これに対し、(b)地図情報から交通アクセス手段などが確定できない場合は、例えば、みなし的に交通アクセス手段を乗用車と想定することができる。ただし、みなし的に規定した「移動変位予測区域」も精緻化(絞り込み)が可能である。即ち、この場合、最初は移動変位予測区域サイズを予め定めることができないので、P1を決定するために、P0近辺の高密度分布スポットについて全て上記(a)の方法で、端末1の包含比率の関係を調べる必要があるが、一度定めれば、以降は高密度分布スポットの生起により移動変位予測区域サイズの精緻化を行なうことが可能である。
例えば、時刻T0において基準とした高密度分布スポットをP0、その座標を(X0,Y0)とし、時刻T1において移動変位が認められた高密度分布スポットをP1x(xはA,B,…を意味する)、その座標を(X1,Y1)とすると(図22のステップB1に相当)、移動変位予測区域のサイズは、次式(3)で算出することができる。
また、この時の高密度分布スポットの移動変位(速度v)は、次式(4)で算出することができる。
したがって、この場合の移動変位予測区域サイズを求める一般式は、(v×Td)/Uとなる。なお、「移動変位予測区域」は、基準とした高密度分布スポットを頂点とした上記のように矩形もしくは基準とした高密度分布スポットを中心とした円形とする等の方法で設定することが可能である。
そして、時刻T1において、移動変位予測区域内に生起した高密度分布スポットP1に在圏する端末の集合S1と基準とした時刻T0で生起した高密度分布スポットP0に在圏する端末の集合S0との関係性(相関性)は、次の時刻T1において、移動変位予測区域内に生起した高密度分布スポットP1x(xはA,B,Cのいずれか)に含まれる端末の集合をそれぞれS1x(図23参照)とすると、各S1xについてそれとS0との共通集合がS1xのある定めた割合(例えば、90%)以上かどうかによって判定できる(図22のステップB2のYESルートからステップB3,B4参照)。
即ち、時刻T1において生起した高密度分布スポットを構成する端末集合S1Xに、時刻T0で基準とした高密度分布スポットP0を構成していた端末集合S0に含まれていた端末1がある定めた割合以上含まれる場合、時刻T0における高密度分布スポットP0が時刻T1にはS1Xの高密度分布スポットを構成(移動)したと判定するのである(図22のステップB4のYESルート参照)。
その後は、前述した移動変位予測区域の精緻化や、後述する高密度分布スポットの変位(速度や情報提供業者7の所在地までの距離や到着予定時刻)の算出などが行なわれる(図22のステップB5参照)。
なお、時刻T1において「移動変位予測区域」内に高密度分布スポットが生起していなかった場合や、S1X≒S0が成立せず各集合S1X,S0に相関性が低い場合には、ASP5は、いずれも、処理を終了する(図22のステップB2又はB4のNOルート参照)。
つまり、上記の高密度分布スポット履歴比較処理部534および高密度分布スポット変位判定処理部535は、上述した分布状態変化監視手段として機能する高密度分布スポット検出処理部533による端末分布状態の時間的変化の監視結果に基づいて特定の利用者属性をもつ利用者(端末1)の将来の分布状態を予測する分布状態予測手段として機能するのである。
そして、ASP5は、これらの高密度分布スポット検出処理部533,高密度分布スポット履歴比較処理部534及び高密度分布スポット変位判定処理部535の各機能により、分布密度計算を優先して行なう区域内において生起した高密度分布スポットの移動変位を高密度分布スポット変位記録DB538に記録してDB化する。
なお、上記の高密度分布スポット変位判定処理部535は、計算優先対象区域内のある時刻における特定属性をもつ高密度分布スポットの生起状態(移動変位)のほかに、同区域内における或る期間の高密度分布スポットの「総生起数」,「平均生起数」,「平均分布密度の傾向(生起傾向)」,或る期間の同区域内における「平均分布密度の変化傾向」,「標準偏差(分散)の変化傾向」をも求めることができる。これらの情報要素は、後述するように実際に情報配信を行なう際に、配信効果が高いと評価できる方法を選択するのに用いられる。
ここで、利用者属性毎の分布密度から当該地域内において、指定された利用者属性分布密度の分散を算出する場合、該当する地域Xにおける利用者属性Aの分散SA(X)の一般式は、下記式(5)で表される。
そして、この式(5)において、SA(X)2は、次式(6)で表される。
ただし、この式(6)において、mは該当地域(X)をカバーする単位区画数を表
(B7)分布密度時系列変化記録・予測機能
次に、図11は本実施形態のASP5の分布密度時系列変化記録・予測機能に着目した構成を示すブロック図で、この図11に示すように、本ASP5は、上述した各種機能に加えて、分布密度時系列変化記録・予測機能として、例えば、分布データ蓄積部591,サービス対象地域分布密度計算部592,近似関数推定部594,情報提供業者向けレポート作成部595,情報提供業者向けレポート配布部596,時系列端末在圏数DB597,時系列密度変化記録DB598,近似関数式DB599及び情報提供業者対応レポートDB600をそなえて構成されている。なお、この図11において、符号Aは図8に示す符号Aと対応し、符号Bは図9に示す符号Bと対応し、符号Cは図15に示す符号Cと対応していることをそれぞれ示している。
ここで、分布データ蓄積部591は、適切な時間間隔(例えば、10分毎)を設定して、情報提供業者7が指定又はASP運用者が設定したサービス対象となる地域において特定の利用者属性をもつ端末1の単位区画(あるいは基本区画)毎の在圏数に関するデータを時系列に時系列端末在圏数DB597に記録するものである。なお、サービス対象地域と単位区画との関係の例を図12に示す。また、在圏数に関するデータは、図10により上述した高密度分布スポット変位記録DB538のデータを得るまでの過程で取得できる。即ち、図10に示した、利用者毎の位置情報履歴を格納している利用者別位置情報履歴DB510及び情報提供業者別分布密度計算優先対象区域DB532の各記録内容に基づいて取得することができる。
サービス対象地域分布密度計算部592は、この時系列端末在圏数DB597におけるデータに基づいて利用者属性毎の分布密度(又は分散)の時系列(時間的)変化を求めるもので、上記サービス対象地域において特定の利用者属性をもつ端末1の単位区画(あるいは基本区画)毎の分布密度〔あるいは、分散(散らばり具合)〕等、必要なデータを計算して時系列密度変化記録DB598に記録するようになっている。
つまり、このサービス対象地域分布密度計算部592は、情報提供業者7やASP運用者が指定する任意の地域における任意の利用者属性毎の分布密度(集まり具合)や分散(散らばり具合)の日,曜日,週,月,年などの単位での時系列変化を時系列密度変化記録DB598に記録することにより、高密度分布スポットの移動状態を監視する手段として機能するものである。
なお、時系列密度変化記録DB598には、各情報提供業者7が指定した対象地域又はASP5運用者が設定した対象地域についての情報が記録される。その記録内容の一例を図13に示す。この図13に示すように、時系列密度変化記録DB598には、例えば、情報提供業者A,B,C,・・・毎に、10分間隔でその時点でのサービス対象地域における単位区画あたりの特定利用者属性の在圏端末1の分布密度が記録される。
なお、表を単純化するため、図13では各端末の位置情報を取得する時刻や間隔がそろっているように記載しているが、一般的にはバラバラである。そのようなデータを用いても以下の近似方法は適用可能である。
つまり、上記の分布データ蓄積部591およびサービス対象地域分布密度計算部592は、前記の高密度分布スポット検出処理部533と同様に、端末1の位置情報に基づいて情報配信対象地域において特定の利用者属性をもつサービス利用者(端末1)の分布状態の時間的変化を監視する分布状態変化監視手段として機能するのである。
そして、近似関数推定部594は、前記の高密度分布スポット履歴比較処理部534および高密度分布スポット変位判定処理部535と同様に、上記端末分布状態の監視結果に基づいて特定の利用者属性をもつ利用者(端末1)の将来の分布状態を予測する分布状態予測手段として機能するもので、ここでは、上記の時系列密度変化記録DB598の記録内容に基づいて、各情報提供業者7についてのサービス対象地域に含まれる単位区画(又は基本区画)における分布密度の時系列変化の周期(1日周期,週周期,月周期,年周期等)の近似関数を推定するようになっている。
例えば、密度をd、時刻をtとするとき、d=f(t)なる近似関数を推定するものである。具体例を挙げると、例えば、平日の時系列変化の近似関数を推定する場合、毎週月曜日から金曜日までのデータ(祝日が存在する場合はそれを除く)を抽出し、図14に示すように、縦軸に密度、横軸に時刻をとったグラフにプロットして大体の傾向を判定し、山が1つであれば2次曲線、山が2つであれば4次曲線等と想定し、2次曲線ならば、
d=at2+bt+c(a,b,cは係数)
4次曲線ならば、
d=at4+bt3+ct2+dt+e(a,b,c,d,eは係数)
として、最小自乗法などの手法を用いて係数を推定する。なお、得られた近似関数式は情報提供業者7別に近似関数式DB599に記録される。また、近似に使用する関数は高次関数に限らず、適当な一次関数等でもよく、区間ごとの定数でもよい。
情報提供業者向けレポート作成部595は、上述のようにして推定された近似関数式(分布密度の時系列変化予測)に基づいて、高密度分布になるであろうと予測される地域に関する情報等を将来の情報配信に有用な予測データとして情報提供業者7に提供するためのレポートを作成するものであり、情報提供業者向けレポート配布部596は、この情報提供業者向けレポート配布部595により作成されたレポートを、情報提供業者インタフェース処理部511(図8参照)を通じて情報提供業者7に配布(送信)するものである。
つまり、上記のレポート作成部595およびレポート配布部596は、近似関数推定部594による推定結果に応じた情報をサービス利用者の移動予測データとして情報提供業者7に提供する移動予測データ提供手段としての機能を果たすものである。
なお、これらのレポート作成部595およびレポート配布部596の機能は、図15により後述する通知情報編集処理部546および通知情報実行処理部547の一機能として兼用されてもよい。
以上のような「分布密度時系列変化記録・予測機能」をそなえることにより、本実施形態のASP5は、過去のサービス対象地域における利用者属性毎の端末分布密度の時系列変化を記録し、その記録(つまり、過去の分布密度の時間的変化の履歴)に基づいて将来の分布密度の変化を予測し、その予測結果(サービス利用者の移動の予測情報)を情報提供業者7に提供することが可能となるので、時間的に、将来、高い情報配信効果(広告効果)が得られるであろう地域や配信方法等を適切に指定する契機を与えることができる。
なお、上記予測結果(近似関数)は、下記の「情報配信処理機能」において情報配信効果の高い配信方法を決定する際の基礎となる情報として用いることもできる。
(B8)情報配信処理機能
次に、図15は本実施形態のASP5の情報配信処理機能に着目した構成を示す機能ブロック図で、この図15に示すように、本ASP5は、既述の利用者インタフェース処理部501,情報提供業者インタフェース処理部511,情報提供業者登録情報別マスターDB517及び計算優先対象区域の高密度分布スポットDB536に加えて、情報配信処理機能として、配信方法決定処理部541,配信情報抽出処理部542,対象利用者抽出処理部543,情報配信編集処理部544,情報配信実行処理部545,通知情報編集処理部546,通知情報実行処理部547,配信対象コンテンツDB550,決定配信方法ログDB551,対象利用者DB552,配信方法別配信情報DB553,配信ログDB554及び通知ログDB555をそなえて構成されている。
なお、この図15において、符号D及びEはそれぞれ図18中に示す符号D及びEと対応しており、上記の通知情報実行処理部547と図18により後述するコンテンツ要求編集処理部581とが接続され、上記の配信情報抽出処理部542と図18により後述する配信コンテンツ編集処理部585とが接続されることを示している。
ここで、本「情報配信処理機能」は、情報提供業者7に対して提供(配信)情報への高い配信効果や対費用効果などをサービスとして提供するために、上述したごとく定義した分布密度計算優先区域(=高密度分布スポットが生起する頻度が高い区域)に対する情報配信を行なうための機能であって、本例では、図10により前述した分布状態予測手段(高密度分布スポット履歴比較処理部534および高密度分布スポット変位判定処理部535)による端末分布状態の予測結果に基づいてサービス利用者(端末1)に対する情報配信を行なう情報配信手段として機能するものである。
そして、配信方法決定処理部541は、高密度分布スポットの生起状況の特徴を格納している高密度分布スポット変位記録DB538と、情報提供業者7が指定する配信情報や配信条件などを格納している情報提供業者登録情報別マスターDB517の各記録内容に基づいて、配信効果の高い配信方法を決定し、その結果を決定配信方法ログDB551に記録・格納するもので、本実施形態では、上記の高密度スポットの移動変位を基に、高密度スポットから情報提供業者7の所在地(あるいは、情報提供業者が指定した場所)までの距離及び/又は到達時間を推定(算出)する距離/到達時間推定部5411としての機能もそなえるものである。
また、配信情報抽出処理部542は、情報提供業者7が事前に登録している配信情報を格納している情報提供業者登録情報別マスターDB517と、コンテンツプロバイダ5A(図18参照)から提供された配信情報を格納している配信対象コンテンツDB550と、配信方法決定処理部541により決定された配信方法が格納されている決定配信方法ログDB551の各記録内容から配信対象となる情報を抽出して、配信方法別配信情報DB553に記録・格納するものである。
その際、配信情報抽出処理部542は、ASP(配信方法決定処理部541)が決定した配信方法に適合する配信情報をコンテンツプロバイダ5Aに要求し、また、該当する配信コンテンツは配信対象コンテンツDB550から抽出し、決定した配信方法と整合させて配信方法別配信情報DB553に格納するようになっている。
さらに、対象利用者抽出処理部543は、高密度分布スポットを構成する端末1(利用者)の情報を格納している、計算優先対象区域の高密度分布スポットDB536から情報配信の対象となる端末1の抽出を行ない、その結果を対象利用者DB552に記録・格納するものである。即ち、この対象利用者抽出処理部543は、サービス対象地域内に所在するサービス利用者の中から、情報提供業者7やASP運用者が指定した利用者属性(利用者の求める情報分野,関心を持つ分野等の内容等)に合致する利用者を抽出して、対象利用者DB552に記憶するものである。
また、情報配信編集処理部544は、配信方法決定処理部541が決定した配信方法に対応する配信情報を基に端末1に配信すべき情報の編集を行なうとともに、当該配信情報と配信対象となる端末1との対応付けを行ない、その結果を配信ログDB554に記録するものである。
情報配信実行処理部545は、利用者インタフェース処理部501経由で、個々の端末1に対して情報配信編集処理部544により編集された配信情報の送出を実行するものである。つまり、この本情報配信実行処理部545は、前記の高密度分布スポット変位判定処理部535(図10参照)により予測された移動先スポットに対応する情報を選択して情報配信を行なう高密度分布スポット予測型の情報配信部5451としての機能と、前記の距離/到達時間推定部により推定された距離及び/又は到達時間に応じた情報を高密度分布スポットの利用者(端末1)に配信する距離/到達時間推定型の情報配信部5452としての機能を兼ね備えるものである。
また、通知情報編集処理部546は、情報提供業者7が事前(サービス登録時)に配信情報を預かっていない(登録していない)場合、ASPが効果的な配信方法の決定や決定した配信方法に適合する情報構成内容などの助言を含め、情報提供業者7から配信情報の提供を依頼するために、決定した配信方法を格納している決定配信方法ログDB551の記録内容を基に、情報提供業者7に通知(勧告)する内容を編集・作成し、その結果を通知ログDB555に記録するものであり、通知情報実行処理部547は、情報提供業者インタフェース処理部511経由で、該当する情報提供業者7に配信方法を決定した旨の通知を送出するためのものである。
つまり、これらの通知情報編集処理部546および通知情報実行処理部547は、高密度分布スポットの予測結果を情報提供業者7に通知する高密度分布スポット移動予測結果通知部としての機能と、上述のごとく推定された距離及び/又は到達時間に応じた配信情報内容についての勧告を情報提供業者7に対して行なう配信情報勧告部としての機能とを果たすものである。
一方、大規模な繁華街(例えば、銀座・有楽町周辺、新宿近辺、渋谷近辺など)では、全体としては高密度だが、ある場所から別の場所に決まった人の流れができることは少なく、単位区画ごとにみると密度の平均値は高いがランダムな変動を示すと考えられる。このような場合には、移動傾向をみて情報を配信する方法は適用できず、全体の傾向を調べることが適当である。
図24はこのような場合に対応すべく、対象区域が全体として高密度かどうか(情報配信に適するかどうか)を判断する手順を示す。即ち、ASP5は、まず、高密度分布スポット変位判定処理部535の機能により、分布密度計算を優先して行なう区域において、高密度分布スポットの生起状態を調べ(ステップC1)、明確に移動する高密度スポットの有無を判定する(ステップC2)。その結果、移動する高密度スポットがあれば、その移動先を予測して情報配信する処理を行ない(ステップC2のYESルートからステップC2′)、移動する高密度スポットがなければ、時刻Tnにおける高密度分布スポットの生起数を算出し(ステップC2のNOルートからステップC3)、当該生起数が所定の閾値を超えているか否かを判定する(ステップC4)。
高密度分布スポットの生起数が閾値を超えていない場合(ステップC4でNOの場合)、ASP5(高密度分布スポット変位判定処理部535)は、時刻Tn−m〜時刻Tnの期間の高密度分布スポットの総生起数,平均生起数及び生起傾向を算出し(ステップC5)、それぞれが所定の閾値を超えているか否かを判定する(ステップC6)。
その結果、それぞれが閾値を超えていなければ、ASP5は、次に、時刻Tn−m〜時刻Tnの期間の分布密度計算を優先して行なう区域の平均密度および標準偏差の傾向を算出し(ステップC6のNOルートからステップC7)、それぞれが所定の閾値を超えているか否かを判定し(ステップC8)、閾値を超えていなければ、ASP5は処理を終了する(ステップC8のNOルート)。
これに対し、上記のステップC4,C6又はC8において、閾値との比較判定対象値が閾値を超えていた場合(ステップC4,C6又はC8でYESの場合)、ASP5は、情報配信対象となる端末1と該当する配信情報との整合を行なう(ステップC9)。
即ち、情報提供業者7が事前(サービス登録時)に配信情報を登録している場合、まず、配信方法決定処理部541が、高密度分布スポット変位記録DB538と情報提供業者登録情報別マスターDB517の各記録内容に基づいて、配信効果の高い配信方法を決定し、その結果を決定配信方法ログDB551に記録する。
次いで、配信情報抽出処理部542が、情報提供業者登録情報別マスターDB517,配信コンテンツDB550及び配信方法決定処理部541により決定した配信方法が格納されている決定配信方法ログDB551の各記録内容に基づいて配信対象となる情報を抽出し、配信方法別配信情報DB553に格納する。
一方、このとき、対象利用者抽出処理部543は、高密度分布スポットを構成する利用者(端末1)の情報を格納している高密度分布スポットDB536の記録内容に基づいて情報配信の対象となる端末1の抽出を行ない、その結果を対象利用者DB552に格納する。
そして、情報配信編集処理部544が、決定した配信方法に対応する配信情報と配信対象となる端末1との対応付けを行ない、その結果を配信ログDB554に記録し、情報配信実行処理部545が、利用者インタフェース処理部501を通じて、個々の端末1に対して、該当する配信情報を送出する。
なお、情報提供業者7が事前(サービス登録時)に配信情報を登録していない場合は、ASP5が、効果的な配信方法の決定や決定した配信方法に適合する情報構成内容などの助言を含め、情報提供業者7から配信情報の提供を依頼する。即ち、ASP5は、通知情報編集処理部546により、決定した配信方法を格納している決定配信方法ログDB551の情報を基に情報提供業者7に通知する内容を編集・作成し、その結果を通知ログDB555に記録し、通知情報実行処理部547により、情報提供業者インタフェース処理部511を通じて、該当する情報提供業者7に対して、配信方法を決定した旨の通知を送出して、配信情報の提供を促す。
また、上述した例においては、図10により前述した「高密度分布スポット生起状態(移動変位)判定機能」による端末分布状態の予測結果に基づいて利用者に対する情報配信を行なっているが、これに加えて(あるいは代えて)、図11により前述した近似関数推定部594による推定結果(近似関数式DB599の記録内容)を端末分布状態の予測結果として、これに基づいて配信方法の決定,配信情報の抽出,配信情報の編集等を行なって利用者に対する情報配信を行なうことも勿論可能である。
つまり、ASP5は、将来の端末分布状態を予測して情報配信を行なうにあたって、端末分布状態の移動変位の監視結果を用いることもできるし、過去の端末分布状態の履歴を用いることもできるのである。
(B9)利用者反応処理機能
次に、図16は本実施形態のASP5の利用者反応処理機能に着目した構成を示す機能ブロック図で、この図16に示すように、本ASP5は、既述の利用者インタフェース処理部501,情報提供業者インタフェース処理部511,情報提供業者登録情報別マスターDB517,対象利用者DB552及び配信ログDB554に加えて、「利用者反応処理機能」として、利用者反応受付処理部561,利用者反応分析処理部562,通知情報編集処理部563,通知情報実行処理部564,利用者反応統計処理部565,利用者反応報告作成処理部566,利用者反応マスターDB567,利用者反応分析結果DB568,通知ログDB569及び利用者反応統計DB570などをそなえて構成されている。
ここで、「利用者反応処理機能」は、配信情報に端末1の利用者からの応答(反応)を求める仕組み(例えば、アンケート,予約行為,問合せなど)を組込んでいる場合に、利用者からの応答を記録するとともに配信効果の分析を即時的に行なうことを可能にするための機能である。
そして、利用者反応受付処理部561は、利用者インタフェース処理部501経由で受信した端末1の利用者からの情報配信に対する反応を受け付け、その内容を利用者反応マスターDB567に記録・格納するものであり、利用者反応分析処理部562は、情報配信の対象となった端末1を記録している対象利用者DB552と、配信の記録をした配信ログDB554と、上記利用者からの反応を記録した利用者反応マスターDB567の各記録内容に基づいて当該利用者の反応(配信時間から利用者応答までの時間、その時の利用者の位置情報など)の分析を行ない、その結果を利用者反応分析結果DB568に格納するものである。
また、通知情報編集処理部563は、配信情報に対する利用者の反応結果を該当する情報提供業者7に通知するために、利用者反応分析結果DB568の記録内容に基づいて通知内容(メッセージ)を編集するとともに、これを通知ログDB569に記録・格納するものであり、通知情報実行処理部564は、情報提供業者インタフェース処理部511を通じて、通知情報編集処理部563により編集されたメッセージ(利用者の反応結果)を該当する情報提供業者7へ通知するものである。
さらに、利用者反応統計処理部565は、配信情報を記録した配信ログDB554,利用者の反応分析結果を格納した利用者反応分析結果DB568および情報提供業者7の配信条件などを格納している情報提供業者登録情報別マスターDB517の各記録内容に基づいて配信情報に対する利用者からの反応の統計処理を行ない、その結果を利用者反応統計DB570に記録・格納するものである。
そして、利用者反応報告書作成処理部566は、この利用者反応統計処理部565による統計処理結果を、例えばドキュメント化処理して報告書571等の作成を行なうものである。
このように構成された「利用者反応処理機能」を実装することで、本実施形態のASP5は、配信情報に端末1の利用者からの応答(反応)を求める仕組みを組込んでいる場合に、利用者からの応答を記録するとともに情報提供元の情報提供業者7に提供することができ、また、情報配信による配信効果の分析を即時的に行なうことが可能となる。
(B10)情報提供業者応答処理機能
次に、図17は本実施形態のASP5の情報提供業者応答処理機能に着目した構成を示す機能ブロック図で、この図17に示すように、本ASP5は、図16により上述した「利用者反応処理機能」の他、「情報提供業者応答処理機能」として、情報提供業者応答受付処理部572,情報提供業者応答編集処理部573,応答通知実行処理部574,情報提供業者応答マスターDB575及び応答ログDB576をそなえて構成されている。なお、この図16において、既述の符号と同一符号を付した部分は、いずれも、既述の部分と同一もしくは同様の部分である。
ここで、「情報提供業者応答処理機能」は、配信情報に対する利用者の反応に情報提供業者7が応答すること〔例えば、販売の予約などを訴求した配信情報に利用者が予約行為などを行なった時、その確認(了解)した旨を当該利用者に対して情報提供業者7が応答すること〕を可能にする機能であって、配信した情報に対するサービス利用者の端末1からの反応を分析してその分析結果を外部出力する利用者反応処理手段としての機能を果たすものである。
そして、情報提供業者応答受付処理部572は、情報提供業者インタフェース処理部511経由で受信した情報提供業者7の応答を受け付け、その内容を情報提供業者応答マスターDB575に記録・格納するものであり、情報提供業者応答編集処理部573は、この情報提供業者7からの応答を記録した情報提供業者応答マスターDB575および情報提供業者7に利用者の反応結果を通知した通知ログDB569の各記録内容に基づいて、利用者に対する必要な応答メッセージを編集・作成するとともに、応答の事実を応答ログDB576に記録・格納するものである。
また、応答通知実行処理部574は、当該利用者の端末1に対して、利用者インタフェース処理部501を通じて、上記情報提供業者応答編集処理部573により作成された情報提供業者7の応答(メッセージ)を送出するものである。
このように構成された「情報提供業者応答処理機能」を実装することで、本ASP5は、配信情報に対する利用者の反応に情報提供業者7が適切・的確に応答することが可能となる。
(B11)配信情報要求処理機能
次に、図18は本実施形態のASP5の配信情報要求処理機能に着目した構成を示す機能ブロック図で、この図18に示すように、本ASP5は、既述の配信対象コンテンツDB550及び通知ログDB569をそなえるほか、「配信情報要求処理機能」として、例えば、コンテンツ要求編集処理部581,コンテンツ要求実行処理部582,コンテンツプロバイダインタフェース処理部583,配信コンテンツ受付処理部584,配信コンテンツ編集処理部585,要求コンテンツログDB586及び配信コンテンツ受付DB587などをそなえて構成されている。なお、符号5Aはコンテンツプロバイダを表し、当該コンテンツプロバイダ5Aに、配信コンテンツを記録した配信コンテンツマスターDB50Aがそなえられている。
ここで、本「配信情報要求処理機能」は、コンテンツプロバイダ5Aに対して、前述したように決定した配信方法に適合する配信情報の提供を通知することを機能である。なお、ここでは、コンテンツプロバイダ5Aと情報提供業者7が同一事業体でないとして記述しているが、同一事業体であっても本質的な機能や手順は変わらず、これにより得られる効果ないし利点も変わらない。
そして、上記のコンテンツ要求編集処理部581は、情報提供業者7に通知した内容が格納されている通知ログDB569を基に、決定した配信方法に適合する配信情報の提供をコンテンツプロバイダ5Aに依頼する内容などを編集し、その記録を要求コンテンツログDB586に記録・格納するものであり、コンテンツ要求実行処理部582は、ASP5とコンテンツプロバイダ5Aとの間での情報の送受を行なうコンテンツプロバイダインタフェース処理部583を通じて、該当するコンテンツプロバイダ5Aに要求内容を送出するものである。
また、配信コンテンツ受付処理部584は、上記依頼に対するコンテンツプロバイダ5Aからの情報を、コンテンツプロバイダインタフェース処理部583を通じて受信して、配信コンテンツ受付DB587に記録・格納するものであり、配信コンテンツ編集処理部585は、コンテンツプロバイダ5Aから受け付けた配信情報(コンテンツ)を格納している配信コンテンツ受付DB587の記録内容を基に、実際に配信対象となる情報の抽出・編集を行ない、その結果を配信対象コンテンツDB556に記録・格納するものである。
以上のように構成された「配信情報要求処理機能」により、ASP5は、情報提供業者7が予め配信情報の登録を受けていない場合であっても、配信方法決定処理部541(図15参照)で決定した配信方法に適合する配信情報(コンテンツ)をコンテンツプロバイダ5Aに要求して取得することが可能となり、必要かつ適切な配信情報を、常時、確保・管理することが可能となる。
以上を総括すると、本実施形態のASP5は、以下に示すような手段を本発明による情報配信サービスを実現する前提としてそなえていることになる。
(a)情報提供業者7と各種情報を授受するためのインタフェースをもち、それを通じて情報提供業者7が指定する地域に関する情報を受信し、記憶する手段
(b)サービス利用者の所持する端末1と各種情報を授受するためのインタフェースをもち、それを通じて送られてくるサービス利用者の位置情報を受信し、記憶する手段
(c)(a)で指定された地域内に在圏するサービス利用者を抽出して記憶する手段
(d)(a)で指定された地域を適切な面積の単位区画に区切ってその集合として(a)の地域を記憶する手段と、各々の単位区画内に在圏するサービス利用者を識別し、単位区画毎にサービス利用者の属性毎の分布密度を算出し、記憶する手段
(e)複数個の単位区画を一つの基本区画とし、当該基本区画について(d)と同様に分布密度計算を行なって結果を記憶する手段
(f)(d)または(e)で算出した各属性の分布密度を基に、情報提供業者と契約した内容により通知する情報を各種統計処理によって算出し、そして/またはなんらかの基準に基づき抽出し、記憶する手段
(g)(f)の情報を情報提供業者7に通知する手段
(h)情報提供業者7の所在地を受信し記憶する手段
(i)情報提供業者7から配信したいメッセージ(配信用メッセージ)を受信し、記憶する手段
(j)情報提供業者7からメッセージ配信の対象となるサービス利用者の属性,地域,区画等の情報を受信し、記憶する手段
(k)(j)の情報に基づいて記憶した各種情報から配信対象のサービス利用者を抽出し、(i)で受信したメッセージをその利用者に対して送信する手段
〔C〕動作説明
以下、上述のごとく構成された本実施形態の情報配信サービス提供システム(ASP5)の主要な動作について説明する。
上述した各種機能により、本実施形態のASP5は、情報提供業者7やASP運用者が指定した地域全域に存在し、情報配信対象として指定された属性をもつ利用者1に対して、指定された情報の配信を行なったり、情報提供業者7やASP運用者が指定した地域が情報提供業者の所在地に近接している区域(例えば、徒歩圏内など)の場合は、その指定区域内において、指定された属性の「ある時刻における高密度分布スポットの生起数」,「定めた期間内における高密度分布スポットの総生起数,平均生起数,生起傾向」および「定めた期間内の区域内における平均密度の変化傾向,分散の変化傾向」から、配信効果が高いと評価できる方法を選択して、その方法を用いて、指定された情報の配信を行なったりすることができることに加えて、次のようなサービスが可能となる。
即ち、ASP5は、前記の「高密度分布スポット生起状態(移動変位)判定機能」(図10参照)及び「情報配信機能」(図15参照)により、分布密度計算を優先して行なう区域において高密度分布スポットの生起傾向から移動変位を判定することで、(1)次時刻において高密度分布スポットの生起が予測される区域に集中的な情報配信を行なって、情報提供業者7に対して対費用効果の高い情報配信サービスを提供したり、(2)高密度分布スポットの移動変位から、情報提供業者7の所在地までの推定距離や到着予定時刻などを算出したりすることが可能となる。
例えば、高密度分布スポットの時系列的な変化から次時刻に高密度分布スポットの生起が予測される区域に集中した情報配信が可能となる。即ち、時刻Tnにおける高密度分布スポットPnを構成する携帯移動情報端末MSn,iの集合Snを、次式(7)で表すとき、
時刻Tn+1では、PnがPn+1に移動するというルールが見いだされていたとすると、次式(8)で表される、Pn+1を構成する端末1の集合
とSnは、一般的には完全には一致しないが、高密度分布スポットの移動の定義から、共通な要素が多いとみなせる。つまり、集合Sn+1の要素は集合Snの要素とほぼ同じとみなすことにより、時刻Tn+1においても端末1の集合Snを情報配信対象として情報配信を行なうことで、高い情報配信効果を期待できる(図25参照)。
このようにして、高密度分布スポットの移動変位から、情報提供業者7の所在地に高密度分布スポットが到達するまでの時間や距離の推定が可能となることで、情報提供業者7は、高密度分布スポットが到達するまでの時間や距離を想定したマーケティング活動や到着予定時刻に合わせた販売活動,情報告知などが可能となる。
なお、分布密度計算を優先して行なう区域において、渋滞している道路やラッシュ時間帯の鉄道路線などでは高密度分布スポットの生起傾向に移動変位などの特徴を見いだせない場合もあるが、そのような状況においては、分布密度計算の対象区域内全域に情報配信を行なう。
また、分布密度計算の対象区域の精緻化やデータの蓄積により、情報提供業者7から一定の距離もしくは到達時間に位置する区域や高密度分布スポットが高頻度の確率で生起する区域を定義することができる。
(C1)ビジネス応用例1
例えば、図26,図27,図28に示すように、情報提供業者7(例えば、レストラン等)の所在地からある一定の距離に位置する区域に高密度分布スポットの生起頻度が多い区域(区域A,区域B,区域C)がASP5(「高密度分布スポット生起状態(移動変位)判定機能」)において観測されているとする。即ち、この場合、区域Aは情報提供業者7の所在地から自動車でT時間、区域Bは2T時間、区域Cは3T時間の位置にあるとする。
このような事象の場合、情報提供業者7は、区域A,B,C毎に配信する情報の内容や配信頻度などを変化させることにより、対費用効果の高い情報配信が可能となる。即ち、例えば図27に示すように、最新の高密度分布スポットが情報提供業者7の所在地に到着する予定時刻を、「現在時刻」+(D/v−t)〔Dは情報提供業者7の所在地から高密度分布スポットまでの距離,vは高密度分布スポットの移動変位(移動速度),tは情報配信時刻から利用者の反応時刻(配信情報に対して利用者が予約行為等をした時刻)〕で求めることができるので、その予定時刻に応じて配信する情報の内容や配信頻度を変化させることができる。
具体的には、例えば、情報提供業者7がロードサイドのレストランであると想定し、現在の時刻が午前11時、ランチタイムサービスが正午から午後1時までとし、ランチタイムでの顧客の来店を促す情報告知をこの種のグルメ情報を要求した属性登録をした利用者に行なうとする。また、当該属性の高密度分布スポットが図28に示す区域A,区域B,区域Cとし、それぞれ、このレストランから1時間,2時間,3時間の距離に位置しているとする。
ここで、レストランが配信する情報に対する要求度・関心度は、利用者の現在置かれている状況により異なることから、このレストランが現時刻(午前11時)に配信する情報内容は、それぞれの区域に居る利用者毎にそれぞれ異なる必要がある。
即ち、まず、このレストランから1時間の距離にある区域Aに生起している高密度分布スポットに居る利用者は、ランチタイムでの来店の可能性が極めて高く、レストランにとって来店期待ができる集団として認識できることから配信内容にはランチサービスとその予約メリットを強調するような内容が必要であり、しかも高頻度での告知を行なう。
これに対し、レストランから2時間の距離にある区域Bに生起している高密度分布スポットに居る利用者は、ランチタイムでの来店可能性が低くなることから配信情報にはランチサービスの告知をしてもその訴求レベルや告知頻度は低くても構わない。
そして、レストランから3時間の距離にある区域Cに生起している高密度分布スポットに居る利用者にはランチサービスの告知は無意味となる。逆に、この区域Cに居る利用者にとってランチタイムサービスの情報は「スパム」となり、このレストランの評価に悪影響を及ぼす可能性があることから、当該区域Cに居る利用者にはレストランからの眺望での休息を促したり、ティータイムサービスなどの異なった配信内容である必要がある。
このように、ASP5において、生起した高密度分布するスポットの位置に応じた情報配信方法を「配信情報機能」の配信方法決定処理部541(図15参照)によって決定することで、情報提供業者7(ここでは、レストラン)にとっては、生起した高密度分布するスポットの位置に応じた情報配信が行なえ、より高い配信効果と収益改善や向上を期待することができる。
(C2)ビジネス応用例2
また、ASP5により情報提供業者7が配信した情報に対する利用者の反応を活用することで情報提供業者7の事業収益をより改善できる。即ち、ASP5は、前記の「利用者反応処理機能」(図16参照)により、情報提供業者7(レストラン)の配信情報に対して利用者が反応(予約行為)した場合、その結果から、該当するレストランに対して、反応(予約)した利用者の「氏名」,「人数」,「注文内容」や「到着予定時刻」などを通知することでレストランは、業務の効率化が可能となる。
例えば図29に示すように、情報提供業者7であるレストランのレストラン業務管理システムに、ASP5とのインタフェース機能(店舗運営システム)161と、ASP5(図16の通知情報実行処理部564)から通知された利用者の反応(予約行為)内容を表示する機器163を駆動制御する機能(表示駆動制御部)162をそなえ、スタッフルームや厨房に予約内容を表示(符号164,165参照)したり、駐車場や座席確保のための予約表示(符号166参照)したりすることで、レストランは、利用者(予約者)の到着までに充分な接客準備が可能になるとともに、利用者(予約者)は、駐車場探しや席待ち時間を限りなくゼロに近づけて、レストラン到着と同時に当該レストランでのサービス提供を受けることができる。
(C3)ビジネス応用例3
また、情報提供業者7が物販などの小売り流通業者の場合、配信情報に来店を促進する「電子割引クーポン」などを加えることで到着予定時刻に応じた新たな販売方法を適用することができる。例えば図30に示すように、ASP5が、利用者に対して「○○では商品△△をご来店後10分以内にお買い上げ頂きますと、定価□□□の50%OFFでご提供します。▽▽をクリック頂くと、ご来店予定時刻と会計レジに提示頂くクーポンを表示します。」といった内容の情報配信を行なったとすると(ステップD1)、その情報にある利用者が反応してASP5の「利用者反応処理機能」(図16参照)により情報提供業者7(小売り流通業者)にその反応が通知される(ステップD2,D3)。
すると、情報提供業者7は、当該反応通知に対する応答通知として、例えば「貴方の○○への到着時刻は○○時○○分から○○時○○分頃です。商品△△のご会計時刻が到着時刻から10分以内は50%OFF、20分以内は40%OFF、30分以内は30%OFFです。」といった内容のメッセージをASP5へ送出し(ステップD4)、ASP5は、この応答通知を受けると、図17により前述した「情報提供業者応答処理機能」により、利用者に当該応答通知を送信する(ステップD5)。
このようにして、本ASP5によれば、利用者の店舗到着予定時刻から物品購入(会計)までの時間差により異なる割引率を適用することなどが可能となる。
〔D〕決済方法について
次に、以下では、上述した情報配信サービスを利用する利用者および情報提供業者7、さらにモバイルネットワーク2を運営・管理する移動通信事業者(モバイル事業者)の間で必要となるサービス利用に関する決済手続きについて説明する。
一般的に、移動通信事業者は、契約加入者に対して、月度毎に当月に利用したサービス料金に通話料金を加算した通信料金を請求し、契約加入者の取引金融機関から請求した通信料金の全額を銀行間決済により引き落とすことにより、通信料金の決済を行なう。そして、その内、サービス料金については、接続手数料数パーセント分を移動通信事業者の手数料収入として処理し、残りを当該サービスの提供事業者(ASP)に銀行間決済により支払うとする料金回収代行を行なっている。
そこで、本実施形態では、現在、移動通信事業者が行なっている料金回収代行業務をそのまま活用するとともに、ASP5は本情報配信サービスに関する決済手続きを仲介することにより、利用者,情報提供業者7および移動通信事業者間の決済処理をより簡素化する。
(D1)情報提供業者7の所在地が固定した住所に存在している場合
情報提供業者7の所在地が固定している(サービス契約時に情報提供業者7の取引金融機関がASP5に登録されている)場合、図31に示すように、移動通信事業者は、契約加入者である本情報配信サービスの利用者1に対して、当月度の通信料金を請求するとともに、本情報配信サービスの提供者であるASP5に対しても接続契約料金の請求を行なう(ステップE1,E2)。
そして、利用者1及びASP5は、それぞれの契約(取引)金融機関(銀行)とモバイル事業者の契約(取引)金融機関(銀行)との間の決済(取引)により、請求された料金をモバイル事業者に支払い(ステップE3,E4)、ASP5は、本情報配信サービスの利用者が支払った上記通信料金から移動通信事業者の手数料収入を除いた分(例えば、通信料金の90%等)の支払いをそれぞれの銀行間決済により受ける(ステップE5)。
また、ASP5は、これとともに、本情報配信サービスを利用する立場にもある情報提供業者7に対して、情報配信条件などにより定めた契約料金の支払いを請求し(ステップE6)、当該情報提供業者7の取引金融機関から請求した契約料金の支払いを銀行間決済により受ける(ステップE7)。
(D2)情報提供業者7の所在地が固定していない場合
上記に対して、情報提供業者7の所在地が固定していない(情報提供業者が携帯移動情報端末7から情報提供を行なう)場合、例えば、情報提供業者7がストリートパフォーマー等の野外イベント主催者や、移動弁当屋などの移動物販業者であるような場合、移動通信事業者は、図32に示すように、契約加入者である本実施形態のサービスの利用者1に対して当月度の通信料金を請求する(ステップF1)とともに、本情報配信サービスの提供者であるASP5に対しても接続契約料金の請求を行なう(ステップF2)。
これに対し、利用者1及びASP5は、それぞれの契約(取引)金融機関(銀行)とモバイル事業者の契約(取引)金融機関(銀行)との間の決済(取引)により、請求された料金を移動通信事業者に支払い(ステップF3,F4)、ASP5は、本情報配信サービスの利用者が支払った上記通信料金から移動通信事業者の手数料収入を除いた分(例えば、通信料金の90%等)の支払いを銀行間決済により受ける(ステップF5)。
さらに、移動通信事業者は、本情報配信サービスの契約加入者でもある情報提供業者7に対しても契約料金の請求を行ない(ステップF6)、情報提供業者7は、請求された料金を銀行間決済により移動通信事業者に支払う(ステップF7)。ASP5は、このように情報提供業者7が支払った料金から移動通信事業者の手数料収入を除いた分(例えば、90%)の支払いを銀行間決済により受ける(ステップF8)。
(D3)ASP5がネット銀行を兼業もしくはネット銀行と業務連携し、サービス利用者が当該ネット銀行に取引口座を開設している場合
ASP5がネット銀行業務を兼業もしくはネット銀行と業務連携し、そのネット銀行に本情報配信サービスの利用者1が取引口座を開設している場合には、銀行間決済によって生じる銀行間取引の手数料を低減できるので、サービスの利用者1に料金の値引きなどの還元を実施することができる。
即ち、例えば図33に示すように、移動通信事業者は、契約加入者である本情報配信サービスの利用者1に対して当月度の通信料金を請求する(ステップG1)とともに、本情報配信サービスの提供者であるASP5に対しても接続契約料金の請求を行なう(ステップG6)が、利用者1への請求先は、ASP5が兼業もしくは業務連携するネット銀行となる。
また、ASP5は、本情報配信サービスを利用する立場にもある情報提供業者7に対して、情報配信条件などにより定めた契約料金の支払いを請求し(ステップG2)、当該情報提供業者7の取引金融機関から請求した契約料金を銀行間決済によりその支払いを受ける(ステップG3)。
ここで、ASP5がネット銀行を兼業もしくはネット銀行と業務連携し、サービス利用者1が当該ネット銀行に取引口座を開設していることにより、ASP5が兼業もしくは業務連携するネット銀行から移動通信事業者の取引銀行間で行なわれる利用者1の通信料金の支払い過程(ステップG4,G5)を省略することが可能となり、それに見合う料金分をサービス料の値下げなどにより利用者1に還元することができる。
なお、通信事業者から請求された接続契約料金については、ASP5は、ネット銀行に開設している取引口座から通信事業者の契約金融機関に対して支払いを行なうことになる(ステップG7)。
(D4)ASP5がネット銀行を兼業もしくはネット銀行と業務連携し、サービスの利用者1および情報提供業者7がともに当該ネット銀行に取引口座を開設している場合
この場合、例えば図34に示すように、移動通信事業者は、契約加入者である本情報配信サービスの利用者1に対して当月度の通信料金を請求するとともに、本情報配信サービスの提供者であるASP5に対しても接続契約料金の請求を行なうが、これらの請求先はいずれもASP5が兼業もしくは業務連携するネット銀行となる(ステップH1,H6)。
そして、この場合は、ネット銀行にサービスの利用者1と情報提供業者7の取引口座がともに開設されているので、ほとんどの決済手続きを当該ネット銀行の口座間取引で処理することが可能となり(図34のステップH2〜H5で示す処理を省略でき)、それに見合う料金分を料金値下げ等によりサービスの利用者1および情報提供業者7に還元することができる(ステップH7)。
図1は本発明が対象とする情報配信サービス提供システムの一例を示す概念図で、この図1に示す情報配信サービス提供システム(以下、情報配信システムと略称することがある)は、本情報配信サービスの複数の利用者がそれぞれ所有する携帯移動情報端末1,モバイルネットワーク(公衆移動通信網)2,インターネット3,企業ネットワーク4,アプリケーションサービスプロバイダ(ASP:Application Service Provider)のサーバシステム5,パーソナルコンピュータ等の固定端末(インターネット端末)6,本情報配信サービスによる配信情報の提供元である情報提供業者の端末(インターネット端末又は携帯移動情報端末)7などをそなえて構成されている。
ここで、携帯移動情報端末1(以下、単に「移動端末1」あるいは「端末1」と略記することがある)は、それぞれ、モバイルネットワーク2内での音声通信及びデータ通信機能を備えるとともに、インターネット接続端末としての機能(文字/静止画像/動画/音声/音楽等のデータを含むWWW(World Wide Web)のアクセス/表示/音声信号再生/電子メールの送受信等の機能)も備えるものである。この移動端末1には、携帯電話機を含むが、これに限定されない。例えば、通信機能と表示等の機能とが別の機器に分離されているような機器でもよい。
また、モバイルネットワーク2は、移動端末1が通信を行なうときに接続されるアクセス網であって、移動端末1がインターネット3との間でデータを送受する場合、データを中継する機能を網内に有している。さらに、当該モバイルネットワーク2は、移動端末1の位置情報生成・転送機能部21を備えており、当該機能部21により、移動端末1の位置情報をサーバシステム5に提供(通知)できるようになっている。なお、この位置情報生成・転送機能部21は、例えば、位置情報センター等としてモバイルネットワークの一機能としてそなえられていてもよいし、いわゆるGPS(Global Positioning System)機能等として移動端末1自体に実装されていてもよい。また、「位置情報」とは、サービス提供のために十分な精度で位置を特定するための情報であり、例えば、緯度や経度等のデータを意味する。
インターネット3は、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)により、データの送受を行なう通信ネットワークで、移動端末1又は情報提供業者(情報配信依頼者)に属する端末7(以下、情報提供業者7と表記することがある)がインターネット3に接続されることにより、各種サーバとの間、あるいは他の端末との間で情報の送受が可能になっている。
企業ネットワーク4は、企業内イントラネット等、法人企業や小売店舗等に属するインターネット端末6で独自に構築されたネットワークであり、インターネット3と接続されることにより、当該インターネット端末6からインターネット3経由で各種サーバとの間、あるいは企業ネットワーク4以外の他端末との間で情報の送受が可能になっている。
サーバシステム5(以下、ASP5と表記する)は、インターネット3の構成要素であり、一般的なインターネットサーバの機能を全て備え、本発明による情報配信サービスを実現するための各種処理機能を有するもので、インターネット3およびモバイルネットワーク2を介し、情報配信サービスの利用を登録した複数のサービス利用者の各移動端末1に対して、その位置情報に応じた適切な情報配信サービスを提供できるようになっている。
なお、本ASP5には、地図データベース(DB)51もそなえられており、当該地図データベース51の地図情報と移動端末1の位置情報とに基づいて後述するような移動端末1の特定地域における分布密度の計算等が行なえるようになっている。ただし、当該地図DB51は、ASP5が地図コンテンツ事業者等との契約等により当該地図コンテンツ事業者から提供を受ける形態であってもよい。
さらに、情報提供業者は、移動端末1を所有する、本発明による情報配信サービスの利用者に対して情報配信を行なう意図があり、情報配信することをASP5に依頼する企業や団体,個人などで、ASP5との接続に必要な情報処理機能や情報入力機能を有する端末7を用いて、インターネット3やモバイルネットワーク2、あるいは企業ネットワーク4経由でASP5と接続することにより、情報配信を行なうべきサービス利用者の属性(利用者属性)や情報配信対象地域などを指定できるようになっている。なお、「サービス利用者の属性」とは、配信して欲しい情報カテゴリや配信に必要となる利用者の性別,年齢,関心領域等のサービス利用者に応じた情報を意味する。
以上のような基本システム構成において、本実施形態では、予め決められた時刻に決められた範囲(地域)だけに情報配信を行なうだけでなく、(1)ある時点でのサービス利用者の移動端末1の分布状態(密度)の時間的変化を把握(監視)して、当該利用者の移動端末1の集団としての動きを把握することにより、その動きを予測して、ある地域に利用者が多数集まる時刻からさかのぼって適当と判断する数分から数時間前等の時点で、そこに集まる利用者が在圏する地域に広告情報等の情報配信を行なったり、当該情報配信を情報提供業者7に提案(勧告)するサービス(後で高い広告効果が期待できる)や、(2)当該情報配信によって移動端末1の集団の動きがどう変化したかをある程度定量的に評価して、これによって得られたデータを情報提供業者に提供するサービスを実現する。
さらには、当該評価方法に基づいて、情報提供業者7に対して、情報配信の対象エリアや配信情報の内容について助言を提供することも、サービスとして有料で提供することも可能である。つまり、本発明による情報配信サービスは、市場分析のための有力な手段にもなる。
このようなサービスを実現することにより、情報提供業者7にとっては経済的合理性と対費用効果とを高めた広告情報等の情報配信サービスを提供できることになり、当該サービスの利用者にとっては、配信される情報が利用者にとって高い妥当性・納得性をもつ情報配信サービスを提供できることになる。
例えば、横浜方面から北東の方向に移動している人々が、渋谷方面に行くのか、有楽町方面に行くのか予測して、渋谷方面に行く人には渋谷の、有楽町方面へ行く人には有楽町や銀座の情報を配信する。したがって、情報提供業者にとってはより告知効果が期待できるとともに、サービス利用者にとっては適宜且つ有用な情報の提供が可能となる。
そこで、本実施形態では、例えば図2に示すように、情報提供業者7(小売、流通業等の企業、イベント企画等の団体・組織、および個人等)がその所在地60に対して最大限界と定めた情報配信地域70内において、少しでも高い配信効果と対費用効果を得るために、当該地域70内に在圏し、かつ、配信対象とする利用者属性をもつ移動端末1の分布密度の高低変化とその移動を評価・推定するエリア(区域)80を定め、その評価・推定結果に応じて、最大限界よりも狭い区域〔例えば、情報提供業者の所在地60の近傍区域(商店街、繁華街、学校区域等)〕を実際の配信対象区域90として求め、その区域90に対して情報配信を行なう。
そのため、本実施形態の情報配信サービスの中心的手順は次の4段階から構成される。
段階1:各移動端末1の位置情報を把握して、単位区画毎あるいは当該単位区画が適当個数集合して成る基本区画毎の移動端末1の分布密度(端末分布密度)を一定時間毎に計算する。なお、「単位区画」とは、端末1の位置を把握する単位としての区画を意味し、例えば、図3に示すような地図情報により定められた基本最小単位区域(緯度・経度ともに10秒毎、南北200m東西200mの正方形等)11を意味する。また、ある属性の利用者(移動端末1)の分布密度の区域を「分布スポット」(図3の斜線部参照)という。
段階2:情報提供業者7毎の配信対象地域70や80における端末分布密度の高い地域(これを「高密度分布スポット」もしくは「高密度スポットという)を抽出する。
段階3:高密度スポットの移動法則(移動ルートや移動速度)を推定する。
段階4:上記段階3で推定した結果に基づき、目標時刻から或る時間さかのぼった時刻に、適切な情報配信の対象地域を選んで情報を配信する。
なお、これらはいずれも移動端末1の属性毎に集計することが基本である。
そして、かかる情報配信サービスの適用が想定される具体例としては、次のようなシーンが考えられる。
即ち、ある繁華街(例えば、川崎駅前)のあるA商店に向かって、毎日ある時間帯に、鉄道を使って多数の端末1が移動して、例えば正午にA商店付近の端末分布密度が高くなるという移動法則が見いだせたとすると、A商店は午前11時に「1時間後に川崎駅前A商店で時間限定セールを行なう。」といった内容の広告を、正午に余裕をもって川崎駅に着くような距離の鉄道の駅近辺を情報配信地域として設定して、配信する。
このような情報配信方法をとることで、A商店にとっては広告の対費用効果が高まり、情報配信を受ける側にとってもタイムリーな情報のみが得られるので、双方にとって有益と考えられる。
ただし、この例で前提となるのは、ASP5が鉄道の路線の位置と端末1の分布の位置を結びつけられる地図情報を地図DB51あるいは地図コンテンツ事業者等からの提供により有していることである。即ち、端末分布密度の高いスポットが鉄道路線の位置と一致して、その路線に沿って移動しているとASP5が判断するためには、高い精度で路線の位置情報と端末1の位置情報とを得て、突き合わせる(比較する)ことができなければならない。道路についても同様である。
また、人の主要な移動経路は鉄道と道路であるため、これらについても少なくとも主要な路線情報をASP5が有していることを前提とする。さらに、人が集まる場所についても、同等の精度の情報をASP5が有していることを前提とする。もっとも、道路や鉄道について必要な精度の情報をASP5がもたない場合であっても上記のようなサービスを実現することは不可能ではない(その手法については後述する)。
なお、一般的には飛行機や船舶も主要交通手段ではあるが、本実施形態ではあえて除外している。現状ではこれらによる移動ルートが道路や鉄道と同等の精度で把握できず、また、高密度になる頻度が散発的で本実施形態による統計的な処理になじまないためである。
以上のような前提の下で、上記の各段階1〜4の実現手段を構築する。ただし、本実施形態では、次のような考え方も援用する。即ち、
(a)ある属性についてある地域が高密度スポットになるかどうかは隣接する単位区画毎の密度と原則として無関係である(全体として、高密度スポットの生起・消滅・継続時間は単位区画毎の独立事象である)。
(b)単位区画毎または基本区画毎の高密度スポットの生起について、主要な道路や鉄道については、隣接する単位区画または基本区画の間に時系列的な法則性がある場合がある。典型的なパターンの例としては、平日朝の通勤時間帯に、住宅地から都市の中心部のオフィス街に向かって鉄道の路線や道路に沿って人々が移動する。その場合に、以下に述べる手段により、その法則性を見いだして定義できる。
以下、上記の段階1〜4について考え方の概略を述べる。
(1)段階1について
まず、移動端末1の位置情報をASP5が把握する手法については公知である(例えば、前記の特許文献1や、日経コミュニケーション2003年1月20日号pp130〜131「3G 携帯電話の仕組み」などを参照)ので、当該公知手法を適用する。例えば、位置情報生成・転送機能部21としてのGPS機能等により端末1が自己の位置情報を独自に測位できる場合には、当該位置情報を移動端末1からASP5に送出すればよいし、移動端末1が独自の位置情報測位機能をもたない場合でもモバイルネットワーク2における基地局の識別情報等を端末1の位置情報としてASP5に送出すればよい。
また、移動端末1の分布密度を計算する手法については、特願2003−089499号明細書に記載された手法と同様の手法を適用することができる。即ち、ASP5は、サービス(情報配信対象)エリア全域にわたってサービス利用者の端末1(以下、利用者1と表記することがある)の位置情報を時々刻々取得して、単位区画(又は基本区画)に対応させて記憶する機能をもつ。単位区画や基本区画の面積は容易に計算できるので、分布密度が計算できる。
(2)段階2について
上記の段階1によりASP5のサービスエリア内の全ての単位区画の面積とそこに在圏する端末1の数が分かっているので、これらから分布密度を計算することができる。例えば、予め指定された条件(情報提供業者7が最大限界と定めた情報配信地域70等)に合致するように、単位区画を複数個適宜組み合わせて密度判断に適する地域(基本区画)を構成し、その中でそれぞれの情報提供業者7が指定した属性毎の分布密度を求める。ASP5は、地域毎に、適用する閾値を選んで高密度かどうか判断し、高密度と判断した場合は、時刻情報等関連する情報とともに記憶する。
(3)段階3について
上記の段階2により、適当な時間間隔で高密度スポット群が抽出できる。これをある期間にわたって記憶しておいて、分布密度を優先的に評価する地域について、ASP5は高密度スポットの生起傾向を評価して、高密度スポットの移動法則を推定する。
例えば、予めいくつかの移動法則の類型(パターン)を用意しておき、それらのどれかに当てはまるかどうかを評価して、一致する程度が高い(相関の高い)パターンとみなし、一致するとみなせるパターンが無い場合は、移動していないと判断することができる。
(4)段階4について
上記の段階3により、高密度スポットの移動パターンが選択できるので、それを用いてASP5は情報提供業者7に次のような主旨の情報を通知する。
例えば、高密度スポットの移動パターンとして、「休日午前中にJR横須賀駅近辺に高密度スポットがあると1時間後にJR川崎駅近辺に高密度スポットが移動する。」が見いだせたとすると、その後、ASP5は、休日午前中の高密度スポットの生起状態を評価して、JR横須賀駅近辺に高密度スポットがあることを認識したら、JR川崎駅に位置するA商店に対して、アドバイスを送信する。
そのアドバイスの例としては、「現在、JR横須賀駅近辺にお客様の候補となる人が多く存在して、1時間後にJR川崎近辺に移動する可能性が高い。1時間後に時間限定セールスを設定してその旨をJR横須賀駅近辺に広告配信することをお薦めします。」というような内容が考えられる。
なお、このような情報は当然ASP5の顧客となる情報提供業者7の営業内容(飲食店なのか、衣料品店なのか等)や高密度スポットの移動パターンによって適切なものを選択または作成する必要がある。
以上のようなサービス実現のためには、時間とともに生起・消滅を概ねアトランダムに繰り返すと考えられる高密度スポットの中から、意味のある移動パターンを見つけることが必要である。
以下に、そのための考え方の概略を述べる。
まず、高密度スポットが識別できている場合の移動パターンの発見方法について説明する。
(a)ある地域内(例えば、東京都23区)を適切な粒度(例えば、一辺100m/200m/500m/1km/2km/5km…の正方形)で区分した分布密度の高い地域(地区)=高密度地区(スポット)を適切な時間間隔(間隔は1分/3分/5分/10分/30分/1時間等、サービスの性質によって適宜定める)で識別する。
(b)高密度地区(スポット)識別時刻をti(i=0,1,2,…)で表す時、時刻ti−j,ti−j+1,ti−j+2,…,ti−2,ti−1の連続したある期間の間の高密度地区(複数)の中で時刻毎に一致もしくは一致してはいないが近接しているものがある場合、それらを各々一つの系列とみなす。なお、識別時刻tiの間隔は1分/3分/5分/10分/30分/1時間等、サービスの性質によって適宜定める。
(c)それぞれの系列について、そのスポットの位置を表すデータの系列=位置情報配列を取り出す。あるスポットの系列について、各tiに対応して(xi,yi)(i=0,1,2,…)と表す(座標系は適宜決めてよいが、例えば緯度・経度を用いて、原点を適切に設定する)。
(d)現在の時刻がtnであるとき、あるスポット系列の位置情報配列からtn−m+1,…,tn−1,tnのm個の要素を取り出して、そのデータを用いてスポットの移動予測曲線を推定する。最も単純には、tnとtn−1の2つのデータにより、直線近似を行なう。その他、軌跡の推定手法は任意の既知の手法を使用可能である。
(e)軌跡の予想曲線が求められたら、位置情報配列から平均移動速度を推定し、その移動速度と軌跡の予想曲線から任意の時間後のスポットの位置を推定できる。なお、移動速度が設定した値以下であるか、または位置情報配列の各時刻間の移動方向がランダムに近いと判断できる場合は、そのスポットを含むやや広い地域を予想位置として用いることも可能である。
(f)ti毎に軌跡の推定と移動速度の推定を行なうことにより、ある時刻にあるスポットが到達する時刻を推定することが可能である。
なお、上記の例では、位置を直交座標系で表現しているが、極座標系で表現してもよい。その方が移動方向を把握するには好適な場合もある。
(高密度スポットを識別する現実的な手段)
端末1が高密度に分布しているスポットを識別するための方法として、原理的には、サービス対象(情報配信対象)とする地域全体について上で述べたような方法をとることができるが、人が集まるところを見つけることが狙いなので、通常は人が集まらないとみなされる場所は初めから対象外としてよい。例えば、山林地帯、田園地帯、住宅専用地域などは分布密度の判断対象外とすることが考えられる。日本全体を考えると、人が集まる場所は比較的面積が小さいので、人が集まらない場所を判断対象にすることは計算機の資源及び処理能力を無駄にすることになるので、サービスのコストアップになる。もっとも、通常は分布密度の監視対象外の地域も、情報提供業者7(スポンサー)の特殊な事情により、監視対象とすることを排除するものではない。
このような考え方により、何らかの要因で人が集まると想定される場所およびその場所への交通手段に限定して、分布密度変化の監視対象とする。そのような場所としては、例えば、繁華街,オフィス街,各種スポーツやイベント(コンサート,市民参加の「〜大会」等)の会場となる施設〔サッカー場,野球場,ゴルフ場,その他各種競技場,テーマパーク,遊園地,神社仏閣(初詣,七五三等季節要因も考慮),各種名所旧跡等の観光スポット,各種学校(小中高,大学(入学試験)),「〜ホール」のようなセミナーなどの会場となる施設,宿泊施設(大規模ホテル)等〕や、これらのスポットへの主要道路網,鉄道網,駅(橋やトンネルも含む)等がある。
(高密度スポットを識別する方法)
分布密度を計算する方法の考え方と、密度の高低を判断するスレッショルドの考え方の組み合わせでバリエーションが種々考えられる。
・分布密度の求め方
次の3つのレベルを考える。
(1)システムの基礎
端末1の位置を把握する単位としての単位区画11(図3参照)を定める。例えば、緯度で10秒毎、経度で10秒毎、あるいは、南北で200m、東西で200mの正方形等とする。
(2)密度を判断する面積/区画(基本区画)
地域の特性や事象(例えば、サッカーワールドカップの決勝戦なのか、野球のシーズン終盤の消化試合か、年始の初詣なのか、有名大学の大規模入学試験、地方都市のテーマパーク、高速道路、鉄道など)の性質毎に区画の形や広さを適宜設定する(後述のスレッショルドも変える必要がある)。これは、山間部の観光スポットを想定すると、人が集まる時でも、都心の繁華街と比べると広い地域に人は少ないと考えられるので、同じ基準で判断すると「高密度スポット」と判断できないためである。上記(1)の単位区画をいくつか組み合わせて、「その中に在圏する端末数÷面積」で判断の対象となる密度を計算する。
なお、該当する地域Xにおける利用者属性Aの分布密度DA(X)の一般式は、DA(X)=[該当地域(X)内に所在する当該利用者属性(A)を持つ利用者数]÷[当該地域(X)の面積]で表すことができる。また、該当する地域X内に含まれる単位区画X1,X2,…,Xmにおける利用者属性Aの分布密度DA(Xi)(i=1〜m)の一般式は、DA(Xi)=[当該単位区画(Xi)に所在する当該利用者属性(A)の利用者数]÷[当該単位区画(Xi)の面積]で表すことができる。ただし、X1〜Xmの面積はXの面積に比べて十分小さくする。
(3)情報提供業者7が指定したサービスの対象地域
情報提供業者7が分布密度を監視したいとしてASP5と契約したサービスエリアは、通常は小売店等の情報提供業者7の商圏をカバーする範囲と考えられる。ASP5は、当該サービス対象地域内について上記(2)の対象毎に上記(1)の単位区画のデータを基に、後述の適宜定めたスレッショルドの考え方により、高密度スポットかどうかを判断する。
ここで、高速道路等では次のような考え方も併用する方が、判断の精度が高い。
即ち、上記(1)の単位区画は例えば200m×200mとすると高速道路上の端末1の分布密度を正確に判断するには広すぎる。日本の高速道路の幅を上下計4車線とすると、広くみても40m程度である。従って、端末1が高速道路上に位置すると判断できるなら、単位区画の中に占める高速道路の面積は比較的小さい。「道路上の密度」を求めたいが、単位区画の面積を使うと真の値からのずれが大きい。そこで、単位区画の中の道路部分を、分布密度計算を優先して行なう区域として、その部分の面積を予め求めておき、その面積を用いて密度を計算する方法の方が実態に合う密度となる。なお、単位区画のサイズを高速道路の幅に比べて十分小さくできれば、単位区画を複数組み合わせて高速道路をカバーしても、誤差が大きくならないので、それでもよい。
一方、ある程度広い繁華街のような地域において、単位区画単位で密度の変化を見る場合を想定すると、高密度スポットがランダムに生成・消滅を繰り返しているように見える場合があると考えられる(多数の人がその地域内をアトランダムに往来している場合)。このような場合に単位区画を複数個まとめた基本区画を定義してその地域全体について高密度かどうか判断する。その方法としては、例えば、(a)その地域全体の平均密度により判断する方法、(b)その地域内のある閾値以上の高密度スポットが継続的にある個数以上存在するかどうかによって判断する方法(局所的に高密度になっていて、平均的には密度は低いような場合に有効)等が考えられる。
・スレッショルド(閾値)の考え方
極端な例として、(a)ある繁華街では、深夜・早朝を除き、常時人が往来しているので、平均的に分布密度は高い。「高密度スポット」と判断するためには、平均的な密度をある程度越える密度をスレッショルド(閾値)として設定する。ただし、広域でみて比較的高密度なスポットを見る、というような特殊なケースでは、スレッショルドを均一にしてもよい。
また、(b)高速道路等では、道路をカバーする細長い地域を対象として考える必要がある。その上で、(b1)交通がほとんど無い状態(分布密度はほとんどゼロ),(b2)順調に流れている状態(密度は絶対値では小さいが、高速道路としては比較的高い),(b3)渋滞してほとんど動かない状態(密度は絶対値ではさほど高くないが、高速道路としては高い)といった状態を識別する必要がある。この識別のための閾値は、上記(a)の場合の閾値よりもかなり低いと考えられる。
以上のような状況から、また、情報提供業者7の要求により、高密度かどうかを判断する閾値は適宜変更する。
(高密度スポットの移動を識別する方法)
ある時刻T0の時に高密度スポットがA0,B0,C0の3ヶ所存在し、次ぎに判断する時刻T1の時点で高密度スポットがA1,B1,C1の3ヶ所存在していた場合、A0とA1、B0とB1、C0とC1がそれぞれほとんど同一の位置であるとき、例えば、B0がA1,B1,C1(あるいはもっと離れた別の位置)に移動した(あるいは静止していた)かどうかは高密度スポットの位置だけでは判断できない。
このような場合、B0のスポットに在圏する端末からいくつかの標本をランダムに取り出すか、または全数について時刻T0と時刻T1のときの位置を比較して、それらがA1,B1,C1のどこにいるかを判断することで、高密度スポットの移動を判断する。
(本実施形態で想定する地図情報の定義)
本実施形態では、分布密度の監視対象地域を抽出するための知識情報(人が集まる場所や交通手段に関する情報)は、計算機システムに識別できるような形式で、ASP5がサービスを開始する時点でASP5に組み込まれており、また、事情の変化(例えば、新たな大規模オフィスビルの建設,新たなテーマパークの新規開業/廃業,路線の開通/廃止,駅の新設/廃止,車線数の増減,インターチェンジの新設/廃止など)、あるいは情報の要求に応じて適宜更新されるものとする。
即ち、ASP5には、サービス提供の対象地域を適切な大きさでかつそれぞれ適当な方法で識別可能な単位区画(あるいは基本区画)に区切り、例えば、繁華街,オフィス街,各種スポーツやイベント(コンサート,市民参加の「〜大会」等)の会場となる施設〔サッカー場,野球場,ゴルフ場,その他各種競技場,テーマパーク,遊園地,神社仏閣(初詣,七五三等季節要因も考慮),各種名所旧跡等の観光スポット,各種学校(小中高,大学(入学試験)),「〜ホール」のようなセミナーなどの会場となる施設,宿泊施設(大規模ホテル)等〕や、これらのスポットへの主要道路網,鉄道網,駅(橋やトンネルも含む)等、あらゆる地物の場所がそれらの単位区画上のどこにあるか、または、それらの単位区画の複数にまたがる場合、どの単位区画とどの単位区画とでカバーできるかが予め情報として含まれている、あるいは、包含関係が判断できる情報を含んでいるか、あるいは、必要に応じて追加する(例えば、人手で入力する)手段が備えられている。
近年のデジタル化地図においては、各種情報は階層化して含まれており、道路や鉄道もそれらの階層の一つであり、路線のデータはベクトルの連なりのデータとして含まれている。また、データが不足であれば、ASP5で独自に補うことも可能なので、本実施形態において上述したような条件を設けても十分合理的である。なお、道路や鉄道の情報が不十分で、主要なポイントだけしかもたない場合であっても、本実施形態では後述するように、密度変化の監視地域を限定する方法により対応することが可能である。
〔B〕サーバシステムの具体例
以下、本発明を適用されるASP5の具体例について詳述する。
(B1)利用者サービス登録等処理機能
本発明による情報配信サービスを利用するために利用者は予めASP5に対してサービス利用の登録を行なう必要がある。その手順は公知であり、例えば前記の特許文献1に示されている手順を適用することができる。
そのため、本実施形態のASP5は、例えば図5に示すように、利用者サービス登録等処理機能として、(1)本発明による情報配信サービスの利用を登録する端末1の利用者が求める配信情報の種別区分に必要な利用者の特徴や関心領域などを示す情報(利用者属性)の登録を利用者の合意において行なわせる機能、(2)ASP5のサービス利用者からのサービスの「(新規)登録」,「変更」,「開始」,「休止」,「解除」等を受け付ける機能、(3)利用者が登録した利用者の属性を表す情報、登録内容の変更などの要求を受け付け、処理し、適切に維持し、管理する機能、(4)本情報配信サービス利用者の位置情報を記憶し、当該利用者の位置情報変位を維持し、管理する機能を兼ね備えている。
即ち、この図5に示すように、ASP5は、利用者インタフェース処理部501,利用者サービス受付処理部502,登録サービス分析処理部503,登録メニュー送出処理部504,利用者位置情報受付処理部505,利用者位置情報履歴管理処理部506,利用者登録マスターDB(データベース)507,利用者登録属性別マスターDB508,利用者位置情報マスターDB509,利用者位置情報履歴DB510をそなえて構成される。
ここで、利用者インタフェース処理部501は、サービス利用者の端末1との間で各種情報を授受するためのもので、この処理部501を通じて、図1により前述した位置情報生成・転送機能部21により、端末1自身から時々刻々自律的に送られてくるか、あるいはASP5からの指示に従って送られてくるサービス利用者の位置情報が受信されるようになっている。
また、利用者サービス受付処理部502は、端末1から送られてきた要求を受け付けて、その内容(サービス利用の新規登録,変更,休止,開始,解除など)を判定し、要求内容に応じた処理(登録メニュー送出処理部504に対する「登録メニュー」の送出指示や利用者登録マスターDB507の内容の書き換え/削除など)を行なうとともに、利用者(端末1)からの登録内容を受け付けるものであり、登録サービス分析処理部503は、利用者サービス受付処理部502で受け付けられた利用者の登録内容を分析し、当該登録内容を利用者属性毎に区分した利用者登録属性別マスターDB508に格納・記憶するものである。
さらに、登録メニュー送出処理部504は、配信希望などの登録内容を示した「登録メニュー」(属性の一覧を示して利用者に選択を求める情報)を利用者インタフェース処理部501経由で、利用者の端末1に送出するものであり、利用者位置情報受付処理部505は、利用者の端末1の位置情報を定期的に受け付けて、利用者位置情報マスターDB509に格納・記憶するものであり、利用者位置情報履歴管理処理部506は、利用者位置情報受付処理部505で受け付けた利用者毎の位置情報の履歴を利用者別位置情報履歴DB510に格納・記憶するものである。
なお、この利用者位置情報履歴管理処理部506は、後述する分布状態を表すデータの算出が容易になるように単位区画に対応付けて、また、単位時間当たりの移動速度や移動方向、移動距離を計算し、それらを適切に分類・処理し、その結果を利用者別位置情報履歴DB510に記憶することもできるようになっている。
つまり、本実施形態のASP5は、上述した利用者サービス登録等処理機能を実現するために、以下のような手段をそなえていることになる。
(1)本情報配信サービスを利用しようとして、あるいは、既に利用を登録済みで登録内容又は動作状態を変更しようとして、ASP5に接続している端末1に対して、属性又は選択可能な動作の一覧を示して利用者に選択を求める情報を送出し、それに対する応答情報を受信して記憶する手段(登録メニュー送出処理部504,利用者サービス受付処理部502,登録サービス分析処理部503,利用者登録マスターDB507,利用者登録属性別マスターDB508)
(2)端末1から受信して記憶した情報を適切な種別に分類し、種別毎に最新の情報のみを、または、過去の履歴も含めて、記憶する手段(登録サービス分析処理部503,利用者登録属性別マスターDB508)
(3)位置情報生成・転送機能部21により、端末1又はモバイルネットワーク2の位置情報センター等で生成され、ASP5に自律的に時々刻々送られてくる(又は、ASP5からの指示により送られてくる)サービス利用者の位置情報を受信して、時刻等関連情報とともに記憶する手段(利用者位置情報受付処理部505,利用者位置情報マスターDB509)
(4)サービス利用者の位置情報を、分布状態を表すデータの算出が容易になるように単位区画(あるいは基本区画)に対応付けて、また、単位時間当たりの移動速度や移動方向、移動距離を計算し、それらを適切に分類・処理し、その結果を記憶する手段(利用者位置情報履歴管理処理部506,利用者別位置情報履歴DB510)
上述のごとく構成された本実施形態のASP5では、利用者インタフェース処理部501により利用者の端末1との間での情報の送受を行ない、受信した情報は、利用者サービス受付処理部502でその内容を判定する。利用者サービス受付処理部502は、利用者(端末1)からの要求が本情報配信サービスの利用を希望する新規「登録」の場合は、登録メニュー送出処理部504に指示を与えて、配信希望などの登録内容を示した「登録メニュー」を利用者インタフェース処理部501経由で、利用者の端末1に送出させる。
サービス利用者は、このようにASP5から受信し、端末1の画面に表示される「登録メニュー」画面を参照し、配信して欲しい情報カテゴリや配信に必要となる利用者の性別,年齢,関心領域などの属性情報を選択あるいは入力し、これらの登録内容をASP5に送信する。すると、ASP5は、利用者サービス受付処理部502により、受信した登録内容を利用者登録マスターDB507に格納するとともに、登録サービス分析処理部503により、登録内容を分析して、利用者属性毎に区分した利用者登録属性別マスターDB508に格納する。
一方、利用者サービス受付処理部502にて、利用者(端末1)からの要求が登録内容の「変更」であると判定された場合は、上記の新規「登録」と同様に、登録メニュー送出処理部504から「登録メニュー」を利用者の端末1に送出し、利用者からの新たな登録内容を受け付け、利用者サービス受付処理部502及び登録サービス分析処理部503が、それぞれ、受け付けた新規登録内容に応じて利用者登録マスターDB507及び利用者登録属性別マスターDB508の登録内容を書き換えて更新する。
また、サービス利用者からの本情報配信サービスの利用「解除」要求を利用者サービス受付処理部502が受け付けた場合は、利用者サービス受付処理部502及び登録サービス分析処理部503が、利用者登録マスターDB507及び利用者登録属性別マスターDB508の当該利用者に関する情報を削除・抹消する。
さらに、サービス利用者からの本情報配信サービスの利用「休止」要求を利用者サービス受付処理部502が受け付けた場合は、利用者サービス受付処理部502及び登録サービス分析処理部503が、それぞれ、利用者登録マスターDB507及び利用者登録属性別マスターDB508の当該利用者に関する情報の非活性化を行なう。
また、サービス利用者からの本情報配信サービスの利用「開始」要求を利用者サービス受付処理部502が受け付けた場合は、利用者サービス受付処理部502及び登録サービス分析処理部503が、それぞれ、利用者登録マスターDB507及び利用者登録属性別マスターDB508の当該利用者に関する情報の活性化を行なうとともに、利用者位置情報受付処理部505が、当該利用者の端末1の位置情報を定期的に受け付けて利用者位置情報マスターDB509に格納し、且つ、利用者位置情報履歴管理処理部506が、利用者毎の位置情報の履歴を利用者別位置情報履歴DB510に格納する。
(B2)情報提供業者登録等処理機能
一方、本発明による情報配信サービスを実施するためには、情報提供業者7とASP(サーバシステム)5が情報配信に関する契約を締結していることが前提となる。そのため、本実施形態のASP5は、例えば図6に示すように、情報提供業者登録等処理機能として、(1)本情報配信サービスにより情報配信を行なう情報提供業者7の所在地,販売拠点の所在地,配信する情報,情報提供業者7が配信効果を期待している利用者プロフィールや配信条件などの登録を情報提供業者7の合意において行なわせる機能,(2)情報提供業者から登録された配信に関わる登録内容の「変更」,「休止」,「解除」,「開始」などの要求を受け付ける機能,(3)情報提供業者7が登録した情報提供業者の情報,配信内容の変更などの要求を適切に維持し、管理する機能を兼ね備えている。
即ち、この図6に示すように、本実施形態のASP5は、情報提供業者インタフェース処理部511,情報提供業者登録受付処理部512,登録情報分析処理部513,登録メニュー送出処理部514,情報提供業者位置情報受付処理部515,情報提供業者登録マスターDB516及び情報提供業者登録情報別マスターDB517などをそなえて構成される。
ここで、情報提供業者インタフェース処理部511は、情報提供業者7と各種情報を授受するためのインタフェースであり、情報提供業者登録受付処理部512は、当該インタフェース処理部511で受信した情報内容(情報提供業者7が情報配信対象として指定する地域内において、当該情報提供業者7が情報配信によって売り上げ増加等の効果を期待する利用者属性の分布状態に関する情報要求を含む)を判別する機能を有するものである。
また、登録情報分析処理部513は、当該インタフェース処理部511で受信した情報提供業者7からの登録情報を分析して、配信条件等に区分した情報提供業者登録情報別マスターDB517に格納・記憶するものであり、登録メニュー送出処理部514は、配信内容などの登録内容を示した「登録メニュー」を情報提供業者インタフェース処理部511経由で情報提供業者7に送出するものである。
なお、情報提供業者登録受付処理部512で受け付けた情報が、情報提供業者7が情報配信によって売り上げ増加等の効果を期待する利用者属性の分布状態に関する情報要求であった場合、登録メニュー送出処理部514は、ASP5に接続している情報提供業者7に対して、利用者属性の分布状態を表す情報について提供可能なものを、選択肢の一覧として送出し、それに対する応答情報が情報提供業者登録受付処理部512にて受信されて情報提供業者登録マスターDB516に記憶されることになる。
また、情報提供業者位置情報受付処理部515は、情報提供業者が移動しながら、所持する移動端末7を用いてサービス利用登録等の操作を行なう場合に、当該端末7の位置情報を定期的に受け付けて、情報提供業者登録マスターDB515に、移動している情報提供業者7の最新の所在地を格納・記憶するためのものである。なお、この情報提供業者位置情報受付処理部515の機能は、情報提供業者の端末7として固定端末のみを対象とし移動端末を対象としない場合には省略可能である。
つまり、本ASP5は、上述した情報提供業者登録等処理機能を実現するために、次のような手段をそなえていることになる。
(1)本情報配信サービスを利用しようとして、あるいは、既に利用を登録済みで登録内容を変更しようとして、ASP5に接続している情報提供業者7から入力されたサービス実現に必要な情報、もしくは、ASP5に接続している情報提供業者7に対して選択可能な形に整形した選択肢の一覧を送出し、それに対する応答情報を受信して記憶する手段(情報提供業者登録受付処理部512,登録メニュー送出処理部514,手情報提供業者登録マスターDB516)
(2)ASP5に接続している情報提供業者7から受信して記憶した情報を適切な種別に分類し、種別毎に最新の情報のみを、または、過去の履歴も含めて、記憶する手段(登録情報分析処理部513,情報提供業者登録情報別マスターDB517)
上述のごとく構成されたASP5では、情報提供業者インタフェース処理部511により、情報提供業者7との間での情報の送受を行なって、情報提供業者7からの本情報配信サービスの利用「登録」や、登録した配信内容の「変更」,サービスの利用「開始」,「休止」,「解除」等の要求を受け付け、情報提供業者登録受付処理部512により、受信した情報の内容を判定する。
その結果、情報提供業者7からの要求が例えば本情報配信サービスの利用の新規「登録」であれば、情報提供業者登録受付処理部512は、登録メニュー送出処理部514に指示を与えて配信内容などの登録内容を示した「登録メニュー」を情報提供業者インタフェース処理部511経由で情報提供業者7に送出させる。
情報提供業者7は、ASP5から受信した「登録メニュー」に沿って、情報提供業者7の所在地、配信情報や配信条件(配信対象地域や頻度など)等をASP5に送信する。ASP5は、情報提供業者登録受付処理部512により、受信した登録内容を情報提供業者登録マスターDB516に格納するとともに、登録情報分析処理部513により、当該登録内容を分析して、配信条件等に区分した情報提供業者登録情報別マスターDB517に格納する。
一方、情報提供業者7からの要求が登録内容の「変更」要求であった場合、ASP5は、上記の新規「登録」と同様に、登録メニュー送出処理部514から「登録メニュー」を情報提供業者7に送出し、当該情報提供業者7からの新たな登録内容を情報提供業者登録受付処理部512にて受け付け、情報提供業者登録受付処理部512及び登録情報分析部513により、それぞれ、情報提供業者登録マスターDB516及び情報提供業者登録情報別マスターDB517に格納する。
また、情報提供業者7からの要求が本情報配信サービスの利用「解除」要求であった場合、ASP5は、情報提供業者登録受付処理部512及び登録情報分析処理部513により、それぞれ、情報提供業者登録マスターDB516及び情報提供業者登録情報別マスターDB517の当該情報提供業者7に関する情報を解除扱いとする。なお、実際に情報を抹消するのはサービス料金の精算処理等が完了してからである。
さらに、情報提供業者7からの要求が本情報配信サービスの利用「休止」要求であった場合、ASP5は、情報提供業者登録受付処理部512及び登録情報分析処理部513により、それぞれ、情報提供業者登録マスターDB516及び情報提供業者登録情報別マスターDB517における当該情報提供業者7に関する情報の非活性化を行なう。
また、情報提供業者7からの要求が本情報配信サービスの利用「開始」要求であった場合、ASP5は、情報提供業者登録受付処理部512及び登録情報分析処理部513により、それぞれ、情報提供業者登録マスターDB516及び情報提供業者登録情報別マスターDB517における当該情報提供業者7に関する情報の活性化を行なう。
さらに、情報提供業者7が移動しながら、所持する端末1を用いてサービス利用登録等の操作を行なう場合は、本情報配信サービスの利用「開始」要求により、情報提供業者位置情報受付処理部515により情報提供業者7の位置情報を定期的に受け付け、当該位置情報を情報提供業者7の最新の所在地として情報提供業者登録マスターDB516に格納する。
(B3)地図情報管理機能
図7は本実施形態のASP5の地図情報管理機能に着目した構成を示す機能ブロック図で、この図7に示すように、ASP5は、情報配信対象として指定された地域を地図情報の単位区画と対応付けて単位区画の集合として記憶するための地図情報管理機能として、例えば、地図情報マスターDB518,緯度・経度量子化処理部519及び量子化地図マスターDB520などをそなえている。
ここで、地図情報マスターDB518は、デジタル形式の各種地図情報を格納・記憶するものであり、緯度・経度量子化処理部519は、当該地図情報を前記の単位区画に対応付けるために、緯度・経度の量子化(例えば、ある桁数以下をゼロとみなす)を行なうものであり、量子化地図マスターDB520は、この経度・緯度・経度量子化処理部519により量子化された地図情報を本情報配信サービスの実施に適合する地図情報として格納・記憶するものである。
つまり、これらの地図情報マスターDB518,緯度・経度量子化処理部519及び量子化地図マスターDB520は、情報配信対象として指定された地域を適切な手順に従って、単位区画に分割し、各々の単位区画をそれぞれ面積が計算可能なデータの集合として表現し、それらの面積を求めて記憶する手段として機能するのである。
このような機能により、情報配信対象の指定地域(サービスエリア)が地図情報の単位区画に対応付けられる。なお、この対応付けは、上記のような緯度・経度の量子化以外の他の方法を用いてもよい。例えば、ある地域を単位区画に区切り、それぞれに識別番号を付与するという公知の方法を用いることができる(国際的には海域番号が定められており、企業ではデンソー社のマップコードなどがある)。また、特願2002−88432号明細書にもその方法が開示されている。
(B4)ASP運用管理・指定区域処理機能
次に、図8は本実施形態のASP5のASP運用管理・指定区域処理機能に着目した構成を示す機能ブロック図で、この図8に示すように、ASP5は、既述の情報提供業者インタフェース処理部511,情報提供業者登録受付処理部512,情報提供業者登録マスターDB516及び量子化地図マスターDB520に加えて、ASP運用管理・指定区域処理機能として、ASP運用管理インタフェース処理部521,ASP運用管理受付処理部522,情報提供業者別指定区域処理部523,情報提供業者別分布密度計算優先対象区域算出処理部524,運用管理ログDB525,情報提供業者別指定区域DB526及び情報提供業者別分布密度計算優先対象区域DB527などをそなえて構成される。なお、この図8において、符号Aは図9及び図10中に示す符号Aと対応しており、上記の情報提供業者別分布密度計算優先対象区域算出処理部524と、図9により後述する高密度分布スポット検出処理部528及び/又は図10により後述する高密度分布スポット検出処理部533とが接続されることを示している。
ここで、ASP運用管理インタフェース処理部521は、ASP運用・管理者の端末とのインタフェースをとるものであり、ASP運用管理受付処理部522は、当該ASP運用・管理者の端末からの指示内容(情報提供業者7が指定するサービスエリア(指定区域)に関する情報等)を判別して、その判別結果に応じた処理(運用管理ログDB525への履歴の記録,情報提供業者別指定区域処理部523に対する指定区域に基づく端末分布密度の計算指示など)を行なうものである。なお、運用管理ログ525には、ASP5全体の運用管理のため、情報提供業者登録受付処理部512による処理の履歴も記録される。
また、情報提供業者別指定区域処理部523は、情報提供業者登録マスターDB516及び量子化地図マスターDB520の記録内容に基づいて、情報提供業者7別に、それぞれがサービスエリアとして指定した地域全域から、情報配信の対象となる人が多く住んでいると想定される都市や街、情報提供業者7の店舗所在地などにより分布密度計算を優先して行なえる区域を算出し、その結果を情報提供業者別指定区域DB526に記録・格納するものである。その際、当該区域は、面積を単位区画(又は、基本区画)の集合に変換して面積計算できる形式のデータの集合として情報提供業者別指定区域DB526に記憶される。
さらに、情報提供業者別分布密度計算優先対象区域算出処理部524は、情報提供業者7別に、サービスエリアとして指定された地域よりも小さい優先的な情報配信対象区域で分布密度計算が行なわれるよう当該情報配信対象区域を設定するためのもので、量子化地図マスターDB520及び情報提供業者別指定区域DB526の記録内容(情報提供業者別指定区域処理部523の処理結果)に基づいて、情報提供業者7別に、分布密度計算を優先して行なう区域を算出し、その結果を情報提供業者別分布密度計算優先対象区域DB527に記録・格納するようになっている。
なお、この場合、該当する地域X内において、優先的な情報配信対象区域として設定した区域xに含まれる各単位区画(x1,x2,…,xn)における利用者属性Aの分布密度DA(x)の一般式は、下記式(1)のようになる。
つまり、本ASP5は、情報提供業者7やASP運用者が指定した地域に関する情報を記憶し、地図情報から当該指定地域を面積計算できる形式のデータの集合として記憶する機能を実現するために、次のような手段をそなえているのである。
(1)ASP5に接続している情報提供業者7やASP運用者の端末から入力された、サービス対象としたい地域を指定するために必要な情報、もしくはASP5に接続している情報提供業者7やASP運用者の端末に対して選択可能な形に整形した選択肢の一覧を送出し、それに対する応答情報を受信し、記憶する手段(登録メニュー送出処理部514(図6参照),情報提供業者登録受付処理部512,情報提供業者別指定区域処理部523,情報提供業者別指定区域DB526)
(2)適切な方法により該当地域を、面積を単位区画(又は、基本区画)の集合に変換して、面積計算できる形式のデータの集合として記憶する手段(情報提供業者別指定区域処理部523,情報提供業者別指定区域DB526)
このような構成により、本ASP5は、情報提供業者インタフェース処理部511経由で情報提供業者7からの本情報配信サービスの利用「開始」要求を受信して情報処理提供業者登録受付処理部512でこれを判別した場合や、ASP運用管理インタフェース処理部521経由でASP運用・管理者からの指示を受信してASP運用管理受付処理部522でこれを判別した場合に、各受付処理部512及び522がそれぞれその履歴を運用管理ログ525に格納する。
一方、上記のサービスの利用「開始」要求又はASP運用管理者からの指示により、ASP5は、情報提供者別指定区域処理部523によって、情報提供業者登録マスターDB516及び量子化地図マスターDB520の記録内容に基づき、情報提供業者7が指定した地域全域から、情報配信の対象となる人が多く住んでいると想定される都市や街、情報提供業者7の店舗所在地などにより分布密度計算を優先して行なえる区域を算出し、その結果を情報提供業者別指定区域DB526に格納する。
さらに、ASP5は、情報提供業者別分布密度計算優先対象区域算出処理部524により、量子化地図マスターDB520及び情報提供業者別指定区域DB526の記録内容に基づいて、分布密度計算を優先する区域を算出し、その結果を情報提供業者別分布密度計算優先対象区域DB527に格納する。
以上のようにして、情報提供業者7がサービスエリアとして指定した地域の中で端末分布密度の計算を優先して行なう区域が選定されてDB化される。なお、情報提供業者7が指定した地域全域を分布密度計算の対象とすることも勿論可能であるが、処理効率を高めるために指定地域内でも上述のごとく分布密度計算の対象区域を絞り込む方が計算機資源及び処理能力の有効利用の面で有利である。
例えば図4Aに示すように、情報提供業者7は、情報提供業者7の所在地14を中心にA市,B市,C市,D市を頂点とする矩形領域12を情報配信対象の地域として指定した場合、当該矩形領域12全体について、全単位区画の分布密度を計算することは極めて効率が悪い。面積としては利用者がほとんど存在しない地域が大部分であるためである。
なお、本実施形態では、前述したように、ASP5が、人の集まる場所(季節要因等も含む)や交通手段に関する知識を使えることを前提としているため、サービス開始時点で、端末1の分布密度が低いと想定される地域を排除、あるいは計算頻度を減らすように設定することが可能となる。
即ち、本実施形態で適用する地図情報に交通アクセス情報(道路,鉄道などの人の移動手段のルートに当たる路線情報)が含まれている場合は、その路線をカバーするような単位区画の集合を分布密度計算を優先する区域とすることで、既に分布密度計算を優先して行なう区域の精緻化は行なわれているとすることができる。例えば図4Bに示すように、適用する地図情報に情報提供業者7の所在地とランドマークとなるC市との間の道路や鉄道等の交通アクセス情報が含まれている場合、該当する交通アクセス情報をカバーする単位区画の集合を、分布密度計算を優先して行なう区域13とする。
また、情報提供業者7が指定した地域が繁華街や商店街など、利用者の行動範囲が徒歩などによりある程度限られた地域(例えば、徒歩10分圏内)15である場合は、当該地域15全域を、分布密度計算を優先して行なう区域とする。
一方、適用する地図情報に交通アクセス情報が含まれないような場合は、次のような方法で分布密度の計算対象とする地域を限定することができる。
即ち、例えば、情報提供業者7が自分の店舗には主にC市からの人が顧客となると想定する場合、C市から情報提供業者7の店舗の所在地への人の流れを把握することに意味がある。このとき、C市と情報提供業者7の店舗との間の地域に許容範囲(分布密度計算を優先して行なう区域を抽出するための候補区画の集合)を設定し、この許容範囲とその隣接する地域について分布密度を優先的に計算するようにすれば、計算量を少なくできる。
そこで、情報提供業者7を「原点」とし、当該原点とC市を結ぶ直線をx軸とし、原点にてx軸と直交する直線をy軸とするような座標(許容範囲算出用座標)変換を行なって、この座標系の上でその許容範囲を(a)−b<y<b、且つ、0<x<Rの範囲、もしくは、(b)y=±axの範囲で、且つ、x<Rの範囲(ただし、Rは情報提供業者7の所在地又は店舗と指定されたランドマークまでの距離を表す)、又は(c)これらの(a)及び(b)の両方を含む範囲と定義できる(図35参照)。
そして、当該許容範囲に含まれるか接する基本区域を分布密度計算優先区域として抽出する。この分布密度計算優先区域についてのみ分布密度計算を行なうことにより、分布密度計算の効率化を図ることができる。
なお、この分布密度計算優先区域は、例えば図20に示すように、原点とC市を結ぶ直線を一次関数y=axで表し、y=ax±b′で定義される2つの直線で挟まれる範囲を許容範囲とする方法で設定してもよい。ただし、この場合、bを基本区画のサイズu及び情報提供業者7の所在地と目標ランドマークとの間の距離rmの関数で表したとき、例えば、
b=f(n,u,rm)=f{(n×u)・f(rm)}(n≠0)
b′=b・(a2+1)1/2
となる。
また、y=a1x,y=a2xで定義される2つの直線で挟まれる範囲を許容範囲とする方法でもよい。
(B5)分布密度計算優先区域精密化機能
次に、図9は本実施形態のASP5の分布密度計算優先区域精密化機能に着目した構成を示す機能ブロック図で、この図9に示すように、ASP5は、既述の利用者別位置情報履歴DB510,情報提供業者別指定区域DB526及び情報提供業者別分布密度計算優先対象区域DB527に加えて、分布密度計算優先区域精密化機能として、高密度分布スポット検出処理部528,情報提供業者別分布密度計算優先対象区域補正処理部529,指定区域から計算優先対象区域を除いた高密度分布スポットDB530,計算対象区域の高密度分布スポットDB531及び情報提供業者別分布密度計算優先対象区域DB532をそなえて構成される。なお、この図9において、符号Bは図10中に示す符号Bと対応しており、上記の情報提供業者別分布密度計算優先対象区域補正処理部529と、図10により後述する高密度分布スポット履歴比較処理部534とが接続されることを示している。
ここで、本「分布密度計算優先区域精密化機能」は、時間経過により、高密度スポット(ある定めた「閾値」を超えた分布密度を示した単位区画または基本区画)の生起状況(発生頻度)から分布密度計算を優先して行なう区域の「絞り込み」を行なうための機能である。
そして、高密度分布スポット検出処理部528は、利用者毎の位置情報を格納している利用者別位置情報履歴DB510,情報提供業者7が指定した区域の情報を情報提供業者別に格納している情報提供業者別指定区域DB526及び当該指定区域の中で分布密度計算を優先して行なう区域の情報を格納している情報提供業者別分布密度計算優先対象区域DB527の各記録内容に基づいて、情報提供業者7が指定した区域内に生起した高密度スポットの分布状況(発生頻度)を検出し、その結果を指定区域から計算優先対象区域を除いた高密度分布スポットDB530及び計算優先対象区域の高密度分布スポットDB531に記録・格納するものである。
そのため、この高密度分布スポット検出処理部528は、各単位区画(又は基本区画)について指定された利用者属性毎の分布密度を算出する機能として、任意の区域に在圏する利用者1の中から、指定された属性をもつ利用者1を抽出してその数を計数する手段と、その計数結果から当該区域における当該利用者1の分布密度を計算する手段とを兼ね備えてもいる。
このような機能により、ASP5は、情報提供業者7が指定した地域から、その限界を示す都市名や地名やその住所や情報提供業者7が指定した地域内に所在し、道案内などの目標となっている名所や建設物やその住所などの、目標化できるランドマークなどを基に、生起した高密度スポットの分布状況を検出することが可能となる。
また、情報提供業者別分布密度計算優先対象区域補正処理部529は、最新の計算優先対象区域の高密度分布スポットDB531の記録内容に基づいて分布密度計算を優先して行なう区域を補正・更新し、その結果を情報提供業者別分布密度計算対象区域DB532に記録・格納することにより、分布密度計算を優先して行なう区域の精緻化を行なうためのものである。
例えば図20又は図35に示すように、情報提供業者7を「原点」とし、ランドマークとなるC市を結ぶ直線を一次関数y=ax(又はx軸)とし、許容範囲をy=ax±b′(又は、y=±ax)とした場合(図19のステップA1〜A3に相当)、図21に示すように、その範囲内に生起した高密度スポットとy=ax(又はx軸)との距離dを評価することで、高密度スポットの有効性を判定できる。即ち、生起した高密度スポットが想定した分布密度計算優先区域からかけ離れている場合、生起した高密度スポットは有効性(相関性)が低いと判定できる(図19のステップA4,ステップA5のNOルート)。
一方、生起した高密度スポットが直前まで想定していた分布密度計算優先区域に隣接している場合(相関性が強い場合:ステップA5でYESの場合)には、生起した高密度スポットを分布密度計算優先区域(許容範囲)に加えるとともに(ステップA6)、直前まで想定した分布密度計算優先区域内において、ある定めた期間に高密度スポットの出現がない区域あるいは出現頻度が所定閾値よりも低い区域はその対象(許容範囲)から除く。
そして、ここまでで決まった新しい許容範囲について、改めてその内部と周辺の区域について評価をし直して、許容範囲を更新する。このような処理を反復して、新たな区域の増減が無くなったら許容範囲の更新を終了する。このようにして、分布密度計算を優先して行なう区域の精緻化を行なう(図19のステップA7)。
即ち、本実施形態では、ある程度長期間にわたって、許容範囲及びその周辺区域群の中で高密度スポットの発生頻度の高い区域の有無を調べ、定常的に生起する高密度スポットが予め想定した分布密度計算優先区域の内部になく、隣接もしていない場合、想定した分布密度計算優先区域は正しく設定されていないと判断して、分布密度計算優先区域内において高密度スポットが生起しない区域はその対象から除くとともに定常的に高密度スポットが生起している区域を加えて補正することにより、分布密度計算を優先して行なう区域の精緻化を行なうのである。
なお、本機能は、分布密度計算を優先して行なう区域の絞り込み(精密化)が既にできていれば省略可能である。また、当該精緻化処理は、単位区画及び基本区画のいずれを単位として行なっても良い。さらに、上記の高密度スポットの生起頻度の高低を判断するための閾値は、当初は比較的低めに設定し、時系列的なデータの蓄積に伴って高めてゆくことにより、許容範囲を狭めてASP5の運用を効率的化することが可能となる。
(B6)高密度分布スポット生起状態(移動変位)判定機能
次に、図10は本実施形態のASP5の高密度分布スポット生起状態(移動変位)判定機能に着目した構成を示す機能ブロック図で、この図10に示すように、ASP5は、既述の利用者別位置情報履歴DB510および情報提供業者別分布密度計算優先対象区域DB532に加えて、高密度分布スポット生起状態(移動変位)判定機能として、例えば、高密度分布スポット検出処理部533,高密度分布スポット履歴比較処理部534,高密度分布スポット変位判定処理部535,計算優先対象区域の高密度分布スポットDB536,高密度分布スポット履歴DB537及び高密度分布スポット変位記録DB538をそなえて構成されている。なお、この図10において、符号Cは図15に示す符号Cと対応しており、上記の高密度分布スポット変位判定処理部535と、図15により後述する配信方法決定処理部541及び対象利用者抽出処理部543とがそれぞれ接続されることを示している。
ここで、本「高密度分布スポット生起状態(移動変位)判定機能」は、分布密度計算を優先して行なう区域内において生起した高密度分布スポットの移動変位の傾向やその傾向から次に高密度分布スポットの生起が予測される区域を推定するための機能である。
そして、高密度分布スポット検出処理部533は、利用者毎の位置情報履歴を格納している利用者別位置情報履歴DB510及び情報提供業者別分布密度計算優先対象区域DB532の各記録内容に基づいて、ある定めた「閾値」を超える分布密度を示して生起した高密度分布スポットを検出し、その検出結果を計算優先対象区域の高密度分布スポットDB536に記録・格納するものである。
つまり、この高密度分布スポット検出処理部533は、端末1の位置情報に基づいて情報配信対象地域において特定の利用者属性をもつサービス利用者の端末1の分布状態の時間的変化を監視する分布状態変化監視手段としての機能を果たすもので、そのため、次のような機能も兼ね備えている。
(a)端末1の位置情報に基づいて情報配信対象地域に含まれる所定区画について、特定の利用者属性をもつサービス利用者の移動情報端末の分布密度を計算する分布密度計算部5331としての機能
(b)この分布密度計算部5331の計算結果に基づいて分布密度が所定の閾値よりも高い高密度分布区域を検出する高密度分布区域検出部5332としての機能
また、高密度分布スポット履歴比較処理部534は、最新の高密度分布スポットの情報が格納されている、計算優先対象区域の高密度分布スポットDB536の記録内容と、過去の高密度分布スポットの情報を格納している高密度分布スポット履歴DB537の記録内容とを比較して、最新の高密度分布スポットの情報を高密度分布スポット履歴DB537に記録・格納するものである。
高密度分布スポット変位判定処理部535は、高密度分布スポット履歴DB537における最新の高密度分布スポットの情報から把握される高密度分布スポットの生起状態の特徴を基にその移動変位を判定して、その移動変位の情報を高密度分布スポット変位記録DB538に記録・格納するもので、ここでは、高密度分布スポット検出処理部533により検出された高密度分布スポットの移動変位を計算する高密度分布スポット移動変位計算部5351としての機能と、この高密度分布スポット移動変位計算部5351により得られた移動変位に基づいて高密度分布スポットの移動先を予測する高密度分布スポット移動予測部5352としての機能を兼ね備えている。
ここで、具体的な予測手法としては、例えば、生起した高密度分布スポットが「ある許容された範囲」にあるかを判定するために「移動変位予測区域」を定義する。この「移動変位予測区域」は、分布密度の計算優先対象区域内において、例えば、ある時刻T0で生起した高密度分布スポットP0を基準(原点)とし、次の時刻T1で生起した高密度分布密度スポットP1が分布密度計算を行なう時間間隔(Td)と分布密度計算の基本区域サイズ(U)の関数〔r=f{Td×(U×n)}(nは1以上の整数)〕を一辺の長さとして表現され、時刻T0で生起した高密度分布スポットP0を頂点の一つとし、矩形で囲まれる区域(例えば図23参照)もしくは時刻T0で生起した高密度分布スポットを中心とし、半径rpで表現された円などで囲まれた区域をカバーする単位区画群または基本区画群とする。
そして、時刻T1において、「移動変位予測区域」内に生起した高密度分布スポットP1に在圏する端末の集合S1と、基準とした時刻T0で生起した高密度分布スポットP0に在圏する端末の集合S0とは次式(2)で示すような関係があると見てよい場合がある。
即ち、(a)時刻T1において生起した高密度分布スポットP1に在圏する端末1の集合S1の中に、時刻T0で存在した高密度分布スポットP0に在圏していた端末1の集合S0に含まれていた端末がある定めた割合(閾値)以上で含まれている場合、時刻T0における高密度分布スポットP0が時刻T1には高密度分布スポットP1に移動したとみなすことができる(図22のステップB1,ステップB2のYESルートからステップB3,ステップB4のYESルートに相当)。このときのP0−P1間の距離を高密度分布スポットの移動変位と定義する。
ここで、前述したように予め地図情報などから計算優先対象区域内の交通アクセス手段(鉄道や道路等の路線情報)が確定できる場合は、その交通アクセス手段から想定される平均的な移動速度(v)(例えば、一般道上の乗用車なら時速40km、高速道路上の乗用車なら時速80km等)から「移動変位予測区域」を(v×Td)/Uにて定義することができる。
これに対し、(b)地図情報から交通アクセス手段などが確定できない場合は、例えば、みなし的に交通アクセス手段を乗用車と想定することができる。ただし、みなし的に規定した「移動変位予測区域」も精緻化(絞り込み)が可能である。即ち、この場合、最初は移動変位予測区域サイズを予め定めることができないので、P1を決定するために、P0近辺の高密度分布スポットについて全て上記(a)の方法で、端末1の包含比率の関係を調べる必要があるが、一度定めれば、以降は高密度分布スポットの生起により移動変位予測区域サイズの精緻化を行なうことが可能である。
例えば、時刻T0において基準とした高密度分布スポットをP0、その座標を(X0,Y0)とし、時刻T1において移動変位が認められた高密度分布スポットをP1x(xはA,B,…を意味する)、その座標を(X1,Y1)とすると(図22のステップB1に相当)、移動変位予測区域のサイズは、次式(3)で算出することができる。
また、この時の高密度分布スポットの移動変位(速度v)は、次式(4)で算出することができる。
したがって、この場合の移動変位予測区域サイズを求める一般式は、(v×Td)/Uとなる。なお、「移動変位予測区域」は、基準とした高密度分布スポットを頂点とした上記のように矩形もしくは基準とした高密度分布スポットを中心とした円形とする等の方法で設定することが可能である。
そして、時刻T1において、移動変位予測区域内に生起した高密度分布スポットP1に在圏する端末の集合S1と基準とした時刻T0で生起した高密度分布スポットP0に在圏する端末の集合S0との関係性(相関性)は、次の時刻T1において、移動変位予測区域内に生起した高密度分布スポットP1x(xはA,B,Cのいずれか)に含まれる端末の集合をそれぞれS1x(図23参照)とすると、各S1xについてそれとS0との共通集合がS1xのある定めた割合(例えば、90%)以上かどうかによって判定できる(図22のステップB2のYESルートからステップB3,B4参照)。
即ち、時刻T1において生起した高密度分布スポットを構成する端末集合S1Xに、時刻T0で基準とした高密度分布スポットP0を構成していた端末集合S0に含まれていた端末1がある定めた割合以上含まれる場合、時刻T0における高密度分布スポットP0が時刻T1にはS1Xの高密度分布スポットを構成(移動)したと判定するのである(図22のステップB4のYESルート参照)。
その後は、前述した移動変位予測区域の精緻化や、後述する高密度分布スポットの変位(速度や情報提供業者7の所在地までの距離や到着予定時刻)の算出などが行なわれる(図22のステップB5参照)。
なお、時刻T1において「移動変位予測区域」内に高密度分布スポットが生起していなかった場合や、S1X≒S0が成立せず各集合S1X,S0に相関性が低い場合には、ASP5は、いずれも、処理を終了する(図22のステップB2又はB4のNOルート参照)。
つまり、上記の高密度分布スポット履歴比較処理部534および高密度分布スポット変位判定処理部535は、上述した分布状態変化監視手段として機能する高密度分布スポット検出処理部533による端末分布状態の時間的変化の監視結果に基づいて特定の利用者属性をもつ利用者(端末1)の将来の分布状態を予測する分布状態予測手段として機能するのである。
そして、ASP5は、これらの高密度分布スポット検出処理部533,高密度分布スポット履歴比較処理部534及び高密度分布スポット変位判定処理部535の各機能により、分布密度計算を優先して行なう区域内において生起した高密度分布スポットの移動変位を高密度分布スポット変位記録DB538に記録してDB化する。
なお、上記の高密度分布スポット変位判定処理部535は、計算優先対象区域内のある時刻における特定属性をもつ高密度分布スポットの生起状態(移動変位)のほかに、同区域内における或る期間の高密度分布スポットの「総生起数」,「平均生起数」,「平均分布密度の傾向(生起傾向)」,或る期間の同区域内における「平均分布密度の変化傾向」,「標準偏差(分散)の変化傾向」をも求めることができる。これらの情報要素は、後述するように実際に情報配信を行なう際に、配信効果が高いと評価できる方法を選択するのに用いられる。
ここで、利用者属性毎の分布密度から当該地域内において、指定された利用者属性分布密度の分散を算出する場合、該当する地域Xにおける利用者属性Aの分散SA(X)の一般式は、下記式(5)で表される。
そして、この式(5)において、SA(X)2は、次式(6)で表される。
ただし、この式(6)において、mは該当地域(X)をカバーする単位区画数を表
(B7)分布密度時系列変化記録・予測機能
次に、図11は本実施形態のASP5の分布密度時系列変化記録・予測機能に着目した構成を示すブロック図で、この図11に示すように、本ASP5は、上述した各種機能に加えて、分布密度時系列変化記録・予測機能として、例えば、分布データ蓄積部591,サービス対象地域分布密度計算部592,近似関数推定部594,情報提供業者向けレポート作成部595,情報提供業者向けレポート配布部596,時系列端末在圏数DB597,時系列密度変化記録DB598,近似関数式DB599及び情報提供業者対応レポートDB600をそなえて構成されている。なお、この図11において、符号Aは図8に示す符号Aと対応し、符号Bは図9に示す符号Bと対応し、符号Cは図15に示す符号Cと対応していることをそれぞれ示している。
ここで、分布データ蓄積部591は、適切な時間間隔(例えば、10分毎)を設定して、情報提供業者7が指定又はASP運用者が設定したサービス対象となる地域において特定の利用者属性をもつ端末1の単位区画(あるいは基本区画)毎の在圏数に関するデータを時系列に時系列端末在圏数DB597に記録するものである。なお、サービス対象地域と単位区画との関係の例を図12に示す。また、在圏数に関するデータは、図10により上述した高密度分布スポット変位記録DB538のデータを得るまでの過程で取得できる。即ち、図10に示した、利用者毎の位置情報履歴を格納している利用者別位置情報履歴DB510及び情報提供業者別分布密度計算優先対象区域DB532の各記録内容に基づいて取得することができる。
サービス対象地域分布密度計算部592は、この時系列端末在圏数DB597におけるデータに基づいて利用者属性毎の分布密度(又は分散)の時系列(時間的)変化を求めるもので、上記サービス対象地域において特定の利用者属性をもつ端末1の単位区画(あるいは基本区画)毎の分布密度〔あるいは、分散(散らばり具合)〕等、必要なデータを計算して時系列密度変化記録DB598に記録するようになっている。
つまり、このサービス対象地域分布密度計算部592は、情報提供業者7やASP運用者が指定する任意の地域における任意の利用者属性毎の分布密度(集まり具合)や分散(散らばり具合)の日,曜日,週,月,年などの単位での時系列変化を時系列密度変化記録DB598に記録することにより、高密度分布スポットの移動状態を監視する手段として機能するものである。
なお、時系列密度変化記録DB598には、各情報提供業者7が指定した対象地域又はASP5運用者が設定した対象地域についての情報が記録される。その記録内容の一例を図13に示す。この図13に示すように、時系列密度変化記録DB598には、例えば、情報提供業者A,B,C,・・・毎に、10分間隔でその時点でのサービス対象地域における単位区画あたりの特定利用者属性の在圏端末1の分布密度が記録される。
なお、表を単純化するため、図13では各端末の位置情報を取得する時刻や間隔がそろっているように記載しているが、一般的にはバラバラである。そのようなデータを用いても以下の近似方法は適用可能である。
つまり、上記の分布データ蓄積部591およびサービス対象地域分布密度計算部592は、前記の高密度分布スポット検出処理部533と同様に、端末1の位置情報に基づいて情報配信対象地域において特定の利用者属性をもつサービス利用者(端末1)の分布状態の時間的変化を監視する分布状態変化監視手段として機能するのである。
そして、近似関数推定部594は、前記の高密度分布スポット履歴比較処理部534および高密度分布スポット変位判定処理部535と同様に、上記端末分布状態の監視結果に基づいて特定の利用者属性をもつ利用者(端末1)の将来の分布状態を予測する分布状態予測手段として機能するもので、ここでは、上記の時系列密度変化記録DB598の記録内容に基づいて、各情報提供業者7についてのサービス対象地域に含まれる単位区画(又は基本区画)における分布密度の時系列変化の周期(1日周期,週周期,月周期,年周期等)の近似関数を推定するようになっている。
例えば、密度をd、時刻をtとするとき、d=f(t)なる近似関数を推定するものである。具体例を挙げると、例えば、平日の時系列変化の近似関数を推定する場合、毎週月曜日から金曜日までのデータ(祝日が存在する場合はそれを除く)を抽出し、図14に示すように、縦軸に密度、横軸に時刻をとったグラフにプロットして大体の傾向を判定し、山が1つであれば2次曲線、山が2つであれば4次曲線等と想定し、2次曲線ならば、
d=at2+bt+c(a,b,cは係数)
4次曲線ならば、
d=at4+bt3+ct2+dt+e(a,b,c,d,eは係数)
として、最小自乗法などの手法を用いて係数を推定する。なお、得られた近似関数式は情報提供業者7別に近似関数式DB599に記録される。また、近似に使用する関数は高次関数に限らず、適当な一次関数等でもよく、区間ごとの定数でもよい。
情報提供業者向けレポート作成部595は、上述のようにして推定された近似関数式(分布密度の時系列変化予測)に基づいて、高密度分布になるであろうと予測される地域に関する情報等を将来の情報配信に有用な予測データとして情報提供業者7に提供するためのレポートを作成するものであり、情報提供業者向けレポート配布部596は、この情報提供業者向けレポート配布部595により作成されたレポートを、情報提供業者インタフェース処理部511(図8参照)を通じて情報提供業者7に配布(送信)するものである。
つまり、上記のレポート作成部595およびレポート配布部596は、近似関数推定部594による推定結果に応じた情報をサービス利用者の移動予測データとして情報提供業者7に提供する移動予測データ提供手段としての機能を果たすものである。
なお、これらのレポート作成部595およびレポート配布部596の機能は、図15により後述する通知情報編集処理部546および通知情報実行処理部547の一機能として兼用されてもよい。
以上のような「分布密度時系列変化記録・予測機能」をそなえることにより、本実施形態のASP5は、過去のサービス対象地域における利用者属性毎の端末分布密度の時系列変化を記録し、その記録(つまり、過去の分布密度の時間的変化の履歴)に基づいて将来の分布密度の変化を予測し、その予測結果(サービス利用者の移動の予測情報)を情報提供業者7に提供することが可能となるので、時間的に、将来、高い情報配信効果(広告効果)が得られるであろう地域や配信方法等を適切に指定する契機を与えることができる。
なお、上記予測結果(近似関数)は、下記の「情報配信処理機能」において情報配信効果の高い配信方法を決定する際の基礎となる情報として用いることもできる。
(B8)情報配信処理機能
次に、図15は本実施形態のASP5の情報配信処理機能に着目した構成を示す機能ブロック図で、この図15に示すように、本ASP5は、既述の利用者インタフェース処理部501,情報提供業者インタフェース処理部511,情報提供業者登録情報別マスターDB517及び計算優先対象区域の高密度分布スポットDB536に加えて、情報配信処理機能として、配信方法決定処理部541,配信情報抽出処理部542,対象利用者抽出処理部543,情報配信編集処理部544,情報配信実行処理部545,通知情報編集処理部546,通知情報実行処理部547,配信対象コンテンツDB550,決定配信方法ログDB551,対象利用者DB552,配信方法別配信情報DB553,配信ログDB554及び通知ログDB555をそなえて構成されている。
なお、この図15において、符号D及びEはそれぞれ図18中に示す符号D及びEと対応しており、上記の通知情報実行処理部547と図18により後述するコンテンツ要求編集処理部581とが接続され、上記の配信情報抽出処理部542と図18により後述する配信コンテンツ編集処理部585とが接続されることを示している。
ここで、本「情報配信処理機能」は、情報提供業者7に対して提供(配信)情報への高い配信効果や対費用効果などをサービスとして提供するために、上述したごとく定義した分布密度計算優先区域(=高密度分布スポットが生起する頻度が高い区域)に対する情報配信を行なうための機能であって、本例では、図10により前述した分布状態予測手段(高密度分布スポット履歴比較処理部534および高密度分布スポット変位判定処理部535)による端末分布状態の予測結果に基づいてサービス利用者(端末1)に対する情報配信を行なう情報配信手段として機能するものである。
そして、配信方法決定処理部541は、高密度分布スポットの生起状況の特徴を格納している高密度分布スポット変位記録DB538と、情報提供業者7が指定する配信情報や配信条件などを格納している情報提供業者登録情報別マスターDB517の各記録内容に基づいて、配信効果の高い配信方法を決定し、その結果を決定配信方法ログDB551に記録・格納するもので、本実施形態では、上記の高密度スポットの移動変位を基に、高密度スポットから情報提供業者7の所在地(あるいは、情報提供業者が指定した場所)までの距離及び/又は到達時間を推定(算出)する距離/到達時間推定部5411としての機能もそなえるものである。
また、配信情報抽出処理部542は、情報提供業者7が事前に登録している配信情報を格納している情報提供業者登録情報別マスターDB517と、コンテンツプロバイダ5A(図18参照)から提供された配信情報を格納している配信対象コンテンツDB550と、配信方法決定処理部541により決定された配信方法が格納されている決定配信方法ログDB551の各記録内容から配信対象となる情報を抽出して、配信方法別配信情報DB553に記録・格納するものである。
その際、配信情報抽出処理部542は、ASP(配信方法決定処理部541)が決定した配信方法に適合する配信情報をコンテンツプロバイダ5Aに要求し、また、該当する配信コンテンツは配信対象コンテンツDB550から抽出し、決定した配信方法と整合させて配信方法別配信情報DB553に格納するようになっている。
さらに、対象利用者抽出処理部543は、高密度分布スポットを構成する端末1(利用者)の情報を格納している、計算優先対象区域の高密度分布スポットDB536から情報配信の対象となる端末1の抽出を行ない、その結果を対象利用者DB552に記録・格納するものである。即ち、この対象利用者抽出処理部543は、サービス対象地域内に所在するサービス利用者の中から、情報提供業者7やASP運用者が指定した利用者属性(利用者の求める情報分野,関心を持つ分野等の内容等)に合致する利用者を抽出して、対象利用者DB552に記憶するものである。
また、情報配信編集処理部544は、配信方法決定処理部541が決定した配信方法に対応する配信情報を基に端末1に配信すべき情報の編集を行なうとともに、当該配信情報と配信対象となる端末1との対応付けを行ない、その結果を配信ログDB554に記録するものである。
情報配信実行処理部545は、利用者インタフェース処理部501経由で、個々の端末1に対して情報配信編集処理部544により編集された配信情報の送出を実行するものである。つまり、この本情報配信実行処理部545は、前記の高密度分布スポット変位判定処理部535(図10参照)により予測された移動先スポットに対応する情報を選択して情報配信を行なう高密度分布スポット予測型の情報配信部5451としての機能と、前記の距離/到達時間推定部により推定された距離及び/又は到達時間に応じた情報を高密度分布スポットの利用者(端末1)に配信する距離/到達時間推定型の情報配信部5452としての機能を兼ね備えるものである。
また、通知情報編集処理部546は、情報提供業者7が事前(サービス登録時)に配信情報を預かっていない(登録していない)場合、ASPが効果的な配信方法の決定や決定した配信方法に適合する情報構成内容などの助言を含め、情報提供業者7から配信情報の提供を依頼するために、決定した配信方法を格納している決定配信方法ログDB551の記録内容を基に、情報提供業者7に通知(勧告)する内容を編集・作成し、その結果を通知ログDB555に記録するものであり、通知情報実行処理部547は、情報提供業者インタフェース処理部511経由で、該当する情報提供業者7に配信方法を決定した旨の通知を送出するためのものである。
つまり、これらの通知情報編集処理部546および通知情報実行処理部547は、高密度分布スポットの予測結果を情報提供業者7に通知する高密度分布スポット移動予測結果通知部としての機能と、上述のごとく推定された距離及び/又は到達時間に応じた配信情報内容についての勧告を情報提供業者7に対して行なう配信情報勧告部としての機能とを果たすものである。
一方、大規模な繁華街(例えば、銀座・有楽町周辺、新宿近辺、渋谷近辺など)では、全体としては高密度だが、ある場所から別の場所に決まった人の流れができることは少なく、単位区画ごとにみると密度の平均値は高いがランダムな変動を示すと考えられる。このような場合には、移動傾向をみて情報を配信する方法は適用できず、全体の傾向を調べることが適当である。
図24はこのような場合に対応すべく、対象区域が全体として高密度かどうか(情報配信に適するかどうか)を判断する手順を示す。即ち、ASP5は、まず、高密度分布スポット変位判定処理部535の機能により、分布密度計算を優先して行なう区域において、高密度分布スポットの生起状態を調べ(ステップC1)、明確に移動する高密度スポットの有無を判定する(ステップC2)。その結果、移動する高密度スポットがあれば、その移動先を予測して情報配信する処理を行ない(ステップC2のYESルートからステップC2′)、移動する高密度スポットがなければ、時刻Tnにおける高密度分布スポットの生起数を算出し(ステップC2のNOルートからステップC3)、当該生起数が所定の閾値を超えているか否かを判定する(ステップC4)。
高密度分布スポットの生起数が閾値を超えていない場合(ステップC4でNOの場合)、ASP5(高密度分布スポット変位判定処理部535)は、時刻Tn−m〜時刻Tnの期間の高密度分布スポットの総生起数,平均生起数及び生起傾向を算出し(ステップC5)、それぞれが所定の閾値を超えているか否かを判定する(ステップC6)。
その結果、それぞれが閾値を超えていなければ、ASP5は、次に、時刻Tn−m〜時刻Tnの期間の分布密度計算を優先して行なう区域の平均密度および標準偏差の傾向を算出し(ステップC6のNOルートからステップC7)、それぞれが所定の閾値を超えているか否かを判定し(ステップC8)、閾値を超えていなければ、ASP5は処理を終了する(ステップC8のNOルート)。
これに対し、上記のステップC4,C6又はC8において、閾値との比較判定対象値が閾値を超えていた場合(ステップC4,C6又はC8でYESの場合)、ASP5は、情報配信対象となる端末1と該当する配信情報との整合を行なう(ステップC9)。
即ち、情報提供業者7が事前(サービス登録時)に配信情報を登録している場合、まず、配信方法決定処理部541が、高密度分布スポット変位記録DB538と情報提供業者登録情報別マスターDB517の各記録内容に基づいて、配信効果の高い配信方法を決定し、その結果を決定配信方法ログDB551に記録する。
次いで、配信情報抽出処理部542が、情報提供業者登録情報別マスターDB517,配信コンテンツDB550及び配信方法決定処理部541により決定した配信方法が格納されている決定配信方法ログDB551の各記録内容に基づいて配信対象となる情報を抽出し、配信方法別配信情報DB553に格納する。
一方、このとき、対象利用者抽出処理部543は、高密度分布スポットを構成する利用者(端末1)の情報を格納している高密度分布スポットDB536の記録内容に基づいて情報配信の対象となる端末1の抽出を行ない、その結果を対象利用者DB552に格納する。
そして、情報配信編集処理部544が、決定した配信方法に対応する配信情報と配信対象となる端末1との対応付けを行ない、その結果を配信ログDB554に記録し、情報配信実行処理部545が、利用者インタフェース処理部501を通じて、個々の端末1に対して、該当する配信情報を送出する。
なお、情報提供業者7が事前(サービス登録時)に配信情報を登録していない場合は、ASP5が、効果的な配信方法の決定や決定した配信方法に適合する情報構成内容などの助言を含め、情報提供業者7から配信情報の提供を依頼する。即ち、ASP5は、通知情報編集処理部546により、決定した配信方法を格納している決定配信方法ログDB551の情報を基に情報提供業者7に通知する内容を編集・作成し、その結果を通知ログDB555に記録し、通知情報実行処理部547により、情報提供業者インタフェース処理部511を通じて、該当する情報提供業者7に対して、配信方法を決定した旨の通知を送出して、配信情報の提供を促す。
また、上述した例においては、図10により前述した「高密度分布スポット生起状態(移動変位)判定機能」による端末分布状態の予測結果に基づいて利用者に対する情報配信を行なっているが、これに加えて(あるいは代えて)、図11により前述した近似関数推定部594による推定結果(近似関数式DB599の記録内容)を端末分布状態の予測結果として、これに基づいて配信方法の決定,配信情報の抽出,配信情報の編集等を行なって利用者に対する情報配信を行なうことも勿論可能である。
つまり、ASP5は、将来の端末分布状態を予測して情報配信を行なうにあたって、端末分布状態の移動変位の監視結果を用いることもできるし、過去の端末分布状態の履歴を用いることもできるのである。
(B9)利用者反応処理機能
次に、図16は本実施形態のASP5の利用者反応処理機能に着目した構成を示す機能ブロック図で、この図16に示すように、本ASP5は、既述の利用者インタフェース処理部501,情報提供業者インタフェース処理部511,情報提供業者登録情報別マスターDB517,対象利用者DB552及び配信ログDB554に加えて、「利用者反応処理機能」として、利用者反応受付処理部561,利用者反応分析処理部562,通知情報編集処理部563,通知情報実行処理部564,利用者反応統計処理部565,利用者反応報告作成処理部566,利用者反応マスターDB567,利用者反応分析結果DB568,通知ログDB569及び利用者反応統計DB570などをそなえて構成されている。
ここで、「利用者反応処理機能」は、配信情報に端末1の利用者からの応答(反応)を求める仕組み(例えば、アンケート,予約行為,問合せなど)を組込んでいる場合に、利用者からの応答を記録するとともに配信効果の分析を即時的に行なうことを可能にするための機能である。
そして、利用者反応受付処理部561は、利用者インタフェース処理部501経由で受信した端末1の利用者からの情報配信に対する反応を受け付け、その内容を利用者反応マスターDB567に記録・格納するものであり、利用者反応分析処理部562は、情報配信の対象となった端末1を記録している対象利用者DB552と、配信の記録をした配信ログDB554と、上記利用者からの反応を記録した利用者反応マスターDB567の各記録内容に基づいて当該利用者の反応(配信時間から利用者応答までの時間、その時の利用者の位置情報など)の分析を行ない、その結果を利用者反応分析結果DB568に格納するものである。
また、通知情報編集処理部563は、配信情報に対する利用者の反応結果を該当する情報提供業者7に通知するために、利用者反応分析結果DB568の記録内容に基づいて通知内容(メッセージ)を編集するとともに、これを通知ログDB569に記録・格納するものであり、通知情報実行処理部564は、情報提供業者インタフェース処理部511を通じて、通知情報編集処理部563により編集されたメッセージ(利用者の反応結果)を該当する情報提供業者7へ通知するものである。
さらに、利用者反応統計処理部565は、配信情報を記録した配信ログDB554,利用者の反応分析結果を格納した利用者反応分析結果DB568および情報提供業者7の配信条件などを格納している情報提供業者登録情報別マスターDB517の各記録内容に基づいて配信情報に対する利用者からの反応の統計処理を行ない、その結果を利用者反応統計DB570に記録・格納するものである。
そして、利用者反応報告書作成処理部566は、この利用者反応統計処理部565による統計処理結果を、例えばドキュメント化処理して報告書571等の作成を行なうものである。
このように構成された「利用者反応処理機能」を実装することで、本実施形態のASP5は、配信情報に端末1の利用者からの応答(反応)を求める仕組みを組込んでいる場合に、利用者からの応答を記録するとともに情報提供元の情報提供業者7に提供することができ、また、情報配信による配信効果の分析を即時的に行なうことが可能となる。
(B10)情報提供業者応答処理機能
次に、図17は本実施形態のASP5の情報提供業者応答処理機能に着目した構成を示す機能ブロック図で、この図17に示すように、本ASP5は、図16により上述した「利用者反応処理機能」の他、「情報提供業者応答処理機能」として、情報提供業者応答受付処理部572,情報提供業者応答編集処理部573,応答通知実行処理部574,情報提供業者応答マスターDB575及び応答ログDB576をそなえて構成されている。なお、この図16において、既述の符号と同一符号を付した部分は、いずれも、既述の部分と同一もしくは同様の部分である。
ここで、「情報提供業者応答処理機能」は、配信情報に対する利用者の反応に情報提供業者7が応答すること〔例えば、販売の予約などを訴求した配信情報に利用者が予約行為などを行なった時、その確認(了解)した旨を当該利用者に対して情報提供業者7が応答すること〕を可能にする機能であって、配信した情報に対するサービス利用者の端末1からの反応を分析してその分析結果を外部出力する利用者反応処理手段としての機能を果たすものである。
そして、情報提供業者応答受付処理部572は、情報提供業者インタフェース処理部511経由で受信した情報提供業者7の応答を受け付け、その内容を情報提供業者応答マスターDB575に記録・格納するものであり、情報提供業者応答編集処理部573は、この情報提供業者7からの応答を記録した情報提供業者応答マスターDB575および情報提供業者7に利用者の反応結果を通知した通知ログDB569の各記録内容に基づいて、利用者に対する必要な応答メッセージを編集・作成するとともに、応答の事実を応答ログDB576に記録・格納するものである。
また、応答通知実行処理部574は、当該利用者の端末1に対して、利用者インタフェース処理部501を通じて、上記情報提供業者応答編集処理部573により作成された情報提供業者7の応答(メッセージ)を送出するものである。
このように構成された「情報提供業者応答処理機能」を実装することで、本ASP5は、配信情報に対する利用者の反応に情報提供業者7が適切・的確に応答することが可能となる。
(B11)配信情報要求処理機能
次に、図18は本実施形態のASP5の配信情報要求処理機能に着目した構成を示す機能ブロック図で、この図18に示すように、本ASP5は、既述の配信対象コンテンツDB550及び通知ログDB569をそなえるほか、「配信情報要求処理機能」として、例えば、コンテンツ要求編集処理部581,コンテンツ要求実行処理部582,コンテンツプロバイダインタフェース処理部583,配信コンテンツ受付処理部584,配信コンテンツ編集処理部585,要求コンテンツログDB586及び配信コンテンツ受付DB587などをそなえて構成されている。なお、符号5Aはコンテンツプロバイダを表し、当該コンテンツプロバイダ5Aに、配信コンテンツを記録した配信コンテンツマスターDB50Aがそなえられている。
ここで、本「配信情報要求処理機能」は、コンテンツプロバイダ5Aに対して、前述したように決定した配信方法に適合する配信情報の提供を通知することを機能である。なお、ここでは、コンテンツプロバイダ5Aと情報提供業者7が同一事業体でないとして記述しているが、同一事業体であっても本質的な機能や手順は変わらず、これにより得られる効果ないし利点も変わらない。
そして、上記のコンテンツ要求編集処理部581は、情報提供業者7に通知した内容が格納されている通知ログDB569を基に、決定した配信方法に適合する配信情報の提供をコンテンツプロバイダ5Aに依頼する内容などを編集し、その記録を要求コンテンツログDB586に記録・格納するものであり、コンテンツ要求実行処理部582は、ASP5とコンテンツプロバイダ5Aとの間での情報の送受を行なうコンテンツプロバイダインタフェース処理部583を通じて、該当するコンテンツプロバイダ5Aに要求内容を送出するものである。
また、配信コンテンツ受付処理部584は、上記依頼に対するコンテンツプロバイダ5Aからの情報を、コンテンツプロバイダインタフェース処理部583を通じて受信して、配信コンテンツ受付DB587に記録・格納するものであり、配信コンテンツ編集処理部585は、コンテンツプロバイダ5Aから受け付けた配信情報(コンテンツ)を格納している配信コンテンツ受付DB587の記録内容を基に、実際に配信対象となる情報の抽出・編集を行ない、その結果を配信対象コンテンツDB556に記録・格納するものである。
以上のように構成された「配信情報要求処理機能」により、ASP5は、情報提供業者7が予め配信情報の登録を受けていない場合であっても、配信方法決定処理部541(図15参照)で決定した配信方法に適合する配信情報(コンテンツ)をコンテンツプロバイダ5Aに要求して取得することが可能となり、必要かつ適切な配信情報を、常時、確保・管理することが可能となる。
以上を総括すると、本実施形態のASP5は、以下に示すような手段を本発明による情報配信サービスを実現する前提としてそなえていることになる。
(a)情報提供業者7と各種情報を授受するためのインタフェースをもち、それを通じて情報提供業者7が指定する地域に関する情報を受信し、記憶する手段
(b)サービス利用者の所持する端末1と各種情報を授受するためのインタフェースをもち、それを通じて送られてくるサービス利用者の位置情報を受信し、記憶する手段
(c)(a)で指定された地域内に在圏するサービス利用者を抽出して記憶する手段
(d)(a)で指定された地域を適切な面積の単位区画に区切ってその集合として(a)の地域を記憶する手段と、各々の単位区画内に在圏するサービス利用者を識別し、単位区画毎にサービス利用者の属性毎の分布密度を算出し、記憶する手段
(e)複数個の単位区画を一つの基本区画とし、当該基本区画について(d)と同様に分布密度計算を行なって結果を記憶する手段
(f)(d)または(e)で算出した各属性の分布密度を基に、情報提供業者と契約した内容により通知する情報を各種統計処理によって算出し、そして/またはなんらかの基準に基づき抽出し、記憶する手段
(g)(f)の情報を情報提供業者7に通知する手段
(h)情報提供業者7の所在地を受信し記憶する手段
(i)情報提供業者7から配信したいメッセージ(配信用メッセージ)を受信し、記憶する手段
(j)情報提供業者7からメッセージ配信の対象となるサービス利用者の属性,地域,区画等の情報を受信し、記憶する手段
(k)(j)の情報に基づいて記憶した各種情報から配信対象のサービス利用者を抽出し、(i)で受信したメッセージをその利用者に対して送信する手段
〔C〕動作説明
以下、上述のごとく構成された本実施形態の情報配信サービス提供システム(ASP5)の主要な動作について説明する。
上述した各種機能により、本実施形態のASP5は、情報提供業者7やASP運用者が指定した地域全域に存在し、情報配信対象として指定された属性をもつ利用者1に対して、指定された情報の配信を行なったり、情報提供業者7やASP運用者が指定した地域が情報提供業者の所在地に近接している区域(例えば、徒歩圏内など)の場合は、その指定区域内において、指定された属性の「ある時刻における高密度分布スポットの生起数」,「定めた期間内における高密度分布スポットの総生起数,平均生起数,生起傾向」および「定めた期間内の区域内における平均密度の変化傾向,分散の変化傾向」から、配信効果が高いと評価できる方法を選択して、その方法を用いて、指定された情報の配信を行なったりすることができることに加えて、次のようなサービスが可能となる。
即ち、ASP5は、前記の「高密度分布スポット生起状態(移動変位)判定機能」(図10参照)及び「情報配信機能」(図15参照)により、分布密度計算を優先して行なう区域において高密度分布スポットの生起傾向から移動変位を判定することで、(1)次時刻において高密度分布スポットの生起が予測される区域に集中的な情報配信を行なって、情報提供業者7に対して対費用効果の高い情報配信サービスを提供したり、(2)高密度分布スポットの移動変位から、情報提供業者7の所在地までの推定距離や到着予定時刻などを算出したりすることが可能となる。
例えば、高密度分布スポットの時系列的な変化から次時刻に高密度分布スポットの生起が予測される区域に集中した情報配信が可能となる。即ち、時刻Tnにおける高密度分布スポットPnを構成する携帯移動情報端末MSn,iの集合Snを、次式(7)で表すとき、
時刻Tn+1では、PnがPn+1に移動するというルールが見いだされていたとすると、次式(8)で表される、Pn+1を構成する端末1の集合
とSnは、一般的には完全には一致しないが、高密度分布スポットの移動の定義から、共通な要素が多いとみなせる。つまり、集合Sn+1の要素は集合Snの要素とほぼ同じとみなすことにより、時刻Tn+1においても端末1の集合Snを情報配信対象として情報配信を行なうことで、高い情報配信効果を期待できる(図25参照)。
このようにして、高密度分布スポットの移動変位から、情報提供業者7の所在地に高密度分布スポットが到達するまでの時間や距離の推定が可能となることで、情報提供業者7は、高密度分布スポットが到達するまでの時間や距離を想定したマーケティング活動や到着予定時刻に合わせた販売活動,情報告知などが可能となる。
なお、分布密度計算を優先して行なう区域において、渋滞している道路やラッシュ時間帯の鉄道路線などでは高密度分布スポットの生起傾向に移動変位などの特徴を見いだせない場合もあるが、そのような状況においては、分布密度計算の対象区域内全域に情報配信を行なう。
また、分布密度計算の対象区域の精緻化やデータの蓄積により、情報提供業者7から一定の距離もしくは到達時間に位置する区域や高密度分布スポットが高頻度の確率で生起する区域を定義することができる。
(C1)ビジネス応用例1
例えば、図26,図27,図28に示すように、情報提供業者7(例えば、レストラン等)の所在地からある一定の距離に位置する区域に高密度分布スポットの生起頻度が多い区域(区域A,区域B,区域C)がASP5(「高密度分布スポット生起状態(移動変位)判定機能」)において観測されているとする。即ち、この場合、区域Aは情報提供業者7の所在地から自動車でT時間、区域Bは2T時間、区域Cは3T時間の位置にあるとする。
このような事象の場合、情報提供業者7は、区域A,B,C毎に配信する情報の内容や配信頻度などを変化させることにより、対費用効果の高い情報配信が可能となる。即ち、例えば図27に示すように、最新の高密度分布スポットが情報提供業者7の所在地に到着する予定時刻を、「現在時刻」+(D/v−t)〔Dは情報提供業者7の所在地から高密度分布スポットまでの距離,vは高密度分布スポットの移動変位(移動速度),tは情報配信時刻から利用者の反応時刻(配信情報に対して利用者が予約行為等をした時刻)〕で求めることができるので、その予定時刻に応じて配信する情報の内容や配信頻度を変化させることができる。
具体的には、例えば、情報提供業者7がロードサイドのレストランであると想定し、現在の時刻が午前11時、ランチタイムサービスが正午から午後1時までとし、ランチタイムでの顧客の来店を促す情報告知をこの種のグルメ情報を要求した属性登録をした利用者に行なうとする。また、当該属性の高密度分布スポットが図28に示す区域A,区域B,区域Cとし、それぞれ、このレストランから1時間,2時間,3時間の距離に位置しているとする。
ここで、レストランが配信する情報に対する要求度・関心度は、利用者の現在置かれている状況により異なることから、このレストランが現時刻(午前11時)に配信する情報内容は、それぞれの区域に居る利用者毎にそれぞれ異なる必要がある。
即ち、まず、このレストランから1時間の距離にある区域Aに生起している高密度分布スポットに居る利用者は、ランチタイムでの来店の可能性が極めて高く、レストランにとって来店期待ができる集団として認識できることから配信内容にはランチサービスとその予約メリットを強調するような内容が必要であり、しかも高頻度での告知を行なう。
これに対し、レストランから2時間の距離にある区域Bに生起している高密度分布スポットに居る利用者は、ランチタイムでの来店可能性が低くなることから配信情報にはランチサービスの告知をしてもその訴求レベルや告知頻度は低くても構わない。
そして、レストランから3時間の距離にある区域Cに生起している高密度分布スポットに居る利用者にはランチサービスの告知は無意味となる。逆に、この区域Cに居る利用者にとってランチタイムサービスの情報は「スパム」となり、このレストランの評価に悪影響を及ぼす可能性があることから、当該区域Cに居る利用者にはレストランからの眺望での休息を促したり、ティータイムサービスなどの異なった配信内容である必要がある。
このように、ASP5において、生起した高密度分布するスポットの位置に応じた情報配信方法を「配信情報機能」の配信方法決定処理部541(図15参照)によって決定することで、情報提供業者7(ここでは、レストラン)にとっては、生起した高密度分布するスポットの位置に応じた情報配信が行なえ、より高い配信効果と収益改善や向上を期待することができる。
(C2)ビジネス応用例2
また、ASP5により情報提供業者7が配信した情報に対する利用者の反応を活用することで情報提供業者7の事業収益をより改善できる。即ち、ASP5は、前記の「利用者反応処理機能」(図16参照)により、情報提供業者7(レストラン)の配信情報に対して利用者が反応(予約行為)した場合、その結果から、該当するレストランに対して、反応(予約)した利用者の「氏名」,「人数」,「注文内容」や「到着予定時刻」などを通知することでレストランは、業務の効率化が可能となる。
例えば図29に示すように、情報提供業者7であるレストランのレストラン業務管理システムに、ASP5とのインタフェース機能(店舗運営システム)161と、ASP5(図16の通知情報実行処理部564)から通知された利用者の反応(予約行為)内容を表示する機器163を駆動制御する機能(表示駆動制御部)162をそなえ、スタッフルームや厨房に予約内容を表示(符号164,165参照)したり、駐車場や座席確保のための予約表示(符号166参照)したりすることで、レストランは、利用者(予約者)の到着までに充分な接客準備が可能になるとともに、利用者(予約者)は、駐車場探しや席待ち時間を限りなくゼロに近づけて、レストラン到着と同時に当該レストランでのサービス提供を受けることができる。
(C3)ビジネス応用例3
また、情報提供業者7が物販などの小売り流通業者の場合、配信情報に来店を促進する「電子割引クーポン」などを加えることで到着予定時刻に応じた新たな販売方法を適用することができる。例えば図30に示すように、ASP5が、利用者に対して「○○では商品△△をご来店後10分以内にお買い上げ頂きますと、定価□□□の50%OFFでご提供します。▽▽をクリック頂くと、ご来店予定時刻と会計レジに提示頂くクーポンを表示します。」といった内容の情報配信を行なったとすると(ステップD1)、その情報にある利用者が反応してASP5の「利用者反応処理機能」(図16参照)により情報提供業者7(小売り流通業者)にその反応が通知される(ステップD2,D3)。
すると、情報提供業者7は、当該反応通知に対する応答通知として、例えば「貴方の○○への到着時刻は○○時○○分から○○時○○分頃です。商品△△のご会計時刻が到着時刻から10分以内は50%OFF、20分以内は40%OFF、30分以内は30%OFFです。」といった内容のメッセージをASP5へ送出し(ステップD4)、ASP5は、この応答通知を受けると、図17により前述した「情報提供業者応答処理機能」により、利用者に当該応答通知を送信する(ステップD5)。
このようにして、本ASP5によれば、利用者の店舗到着予定時刻から物品購入(会計)までの時間差により異なる割引率を適用することなどが可能となる。
〔D〕決済方法について
次に、以下では、上述した情報配信サービスを利用する利用者および情報提供業者7、さらにモバイルネットワーク2を運営・管理する移動通信事業者(モバイル事業者)の間で必要となるサービス利用に関する決済手続きについて説明する。
一般的に、移動通信事業者は、契約加入者に対して、月度毎に当月に利用したサービス料金に通話料金を加算した通信料金を請求し、契約加入者の取引金融機関から請求した通信料金の全額を銀行間決済により引き落とすことにより、通信料金の決済を行なう。そして、その内、サービス料金については、接続手数料数パーセント分を移動通信事業者の手数料収入として処理し、残りを当該サービスの提供事業者(ASP)に銀行間決済により支払うとする料金回収代行を行なっている。
そこで、本実施形態では、現在、移動通信事業者が行なっている料金回収代行業務をそのまま活用するとともに、ASP5は本情報配信サービスに関する決済手続きを仲介することにより、利用者,情報提供業者7および移動通信事業者間の決済処理をより簡素化する。
(D1)情報提供業者7の所在地が固定した住所に存在している場合
情報提供業者7の所在地が固定している(サービス契約時に情報提供業者7の取引金融機関がASP5に登録されている)場合、図31に示すように、移動通信事業者は、契約加入者である本情報配信サービスの利用者1に対して、当月度の通信料金を請求するとともに、本情報配信サービスの提供者であるASP5に対しても接続契約料金の請求を行なう(ステップE1,E2)。
そして、利用者1及びASP5は、それぞれの契約(取引)金融機関(銀行)とモバイル事業者の契約(取引)金融機関(銀行)との間の決済(取引)により、請求された料金をモバイル事業者に支払い(ステップE3,E4)、ASP5は、本情報配信サービスの利用者が支払った上記通信料金から移動通信事業者の手数料収入を除いた分(例えば、通信料金の90%等)の支払いをそれぞれの銀行間決済により受ける(ステップE5)。
また、ASP5は、これとともに、本情報配信サービスを利用する立場にもある情報提供業者7に対して、情報配信条件などにより定めた契約料金の支払いを請求し(ステップE6)、当該情報提供業者7の取引金融機関から請求した契約料金の支払いを銀行間決済により受ける(ステップE7)。
(D2)情報提供業者7の所在地が固定していない場合
上記に対して、情報提供業者7の所在地が固定していない(情報提供業者が携帯移動情報端末7から情報提供を行なう)場合、例えば、情報提供業者7がストリートパフォーマー等の野外イベント主催者や、移動弁当屋などの移動物販業者であるような場合、移動通信事業者は、図32に示すように、契約加入者である本実施形態のサービスの利用者1に対して当月度の通信料金を請求する(ステップF1)とともに、本情報配信サービスの提供者であるASP5に対しても接続契約料金の請求を行なう(ステップF2)。
これに対し、利用者1及びASP5は、それぞれの契約(取引)金融機関(銀行)とモバイル事業者の契約(取引)金融機関(銀行)との間の決済(取引)により、請求された料金を移動通信事業者に支払い(ステップF3,F4)、ASP5は、本情報配信サービスの利用者が支払った上記通信料金から移動通信事業者の手数料収入を除いた分(例えば、通信料金の90%等)の支払いを銀行間決済により受ける(ステップF5)。
さらに、移動通信事業者は、本情報配信サービスの契約加入者でもある情報提供業者7に対しても契約料金の請求を行ない(ステップF6)、情報提供業者7は、請求された料金を銀行間決済により移動通信事業者に支払う(ステップF7)。ASP5は、このように情報提供業者7が支払った料金から移動通信事業者の手数料収入を除いた分(例えば、90%)の支払いを銀行間決済により受ける(ステップF8)。
(D3)ASP5がネット銀行を兼業もしくはネット銀行と業務連携し、サービス利用者が当該ネット銀行に取引口座を開設している場合
ASP5がネット銀行業務を兼業もしくはネット銀行と業務連携し、そのネット銀行に本情報配信サービスの利用者1が取引口座を開設している場合には、銀行間決済によって生じる銀行間取引の手数料を低減できるので、サービスの利用者1に料金の値引きなどの還元を実施することができる。
即ち、例えば図33に示すように、移動通信事業者は、契約加入者である本情報配信サービスの利用者1に対して当月度の通信料金を請求する(ステップG1)とともに、本情報配信サービスの提供者であるASP5に対しても接続契約料金の請求を行なう(ステップG6)が、利用者1への請求先は、ASP5が兼業もしくは業務連携するネット銀行となる。
また、ASP5は、本情報配信サービスを利用する立場にもある情報提供業者7に対して、情報配信条件などにより定めた契約料金の支払いを請求し(ステップG2)、当該情報提供業者7の取引金融機関から請求した契約料金を銀行間決済によりその支払いを受ける(ステップG3)。
ここで、ASP5がネット銀行を兼業もしくはネット銀行と業務連携し、サービス利用者1が当該ネット銀行に取引口座を開設していることにより、ASP5が兼業もしくは業務連携するネット銀行から移動通信事業者の取引銀行間で行なわれる利用者1の通信料金の支払い過程(ステップG4,G5)を省略することが可能となり、それに見合う料金分をサービス料の値下げなどにより利用者1に還元することができる。
なお、通信事業者から請求された接続契約料金については、ASP5は、ネット銀行に開設している取引口座から通信事業者の契約金融機関に対して支払いを行なうことになる(ステップG7)。
(D4)ASP5がネット銀行を兼業もしくはネット銀行と業務連携し、サービスの利用者1および情報提供業者7がともに当該ネット銀行に取引口座を開設している場合
この場合、例えば図34に示すように、移動通信事業者は、契約加入者である本情報配信サービスの利用者1に対して当月度の通信料金を請求するとともに、本情報配信サービスの提供者であるASP5に対しても接続契約料金の請求を行なうが、これらの請求先はいずれもASP5が兼業もしくは業務連携するネット銀行となる(ステップH1,H6)。
そして、この場合は、ネット銀行にサービスの利用者1と情報提供業者7の取引口座がともに開設されているので、ほとんどの決済手続きを当該ネット銀行の口座間取引で処理することが可能となり(図34のステップH2〜H5で示す処理を省略でき)、それに見合う料金分を料金値下げ等によりサービスの利用者1および情報提供業者7に還元することができる(ステップH7)。
以上のように、本発明によれば、情報配信対象区域における特定の利用者属性をもつサービス利用者についての端末分布密度の時間的変化を監視して、その監視結果から将来の端末分布密度を予測して情報配信を行なうので、情報提供業者にとっては経済的合理性と対費用効果とを高めた広告情報等の情報配信サービスを提供でき、当該サービスの利用者にとっては、配信される情報が利用者にとって高い妥当性・納得性をもつ情報配信サービスを提供でき、当該サービス分野において極めて有用であると考えられる。
Claims (27)
- 情報配信サービスの利用を登録した複数のサービス利用者の各移動情報端末に対して該情報配信サービスを所望のネットワーク経由で提供するサーバシステムと、該サーバシステムに接続して該情報配信サービスにより情報配信を行なうべきサービス利用者に応じた利用者属性及び情報配信対象地域を指定し得る情報配信依頼者の端末とをそなえた情報配信サービス提供システムであって、
該サーバシステムが、
該移動情報端末の位置情報に基づいて該情報配信対象地域における該利用者属性をもつサービス利用者の移動情報端末の分布状態の時間的変化を監視する分布状態変化監視手段と、
該分布状態変化監視手段による監視結果に基づいて将来の該移動情報端末の該分布状態を予測する分布状態予測手段と、
該分布状態予測手段による予測結果に基づいて該サービス利用者の移動情報端末に対する情報配信を行なう情報配信手段とをそなえたことを特徴とする、情報配信サービス提供システム。 - 該分布状態変化監視手段が、
該移動情報端末の位置情報に基づいて該情報配信対象地域に含まれる所定区画について、該利用者属性をもつサービス利用者の移動情報端末の分布密度を計算する分布密度計算部と、
該分布密度計算部の計算結果に基づいて該分布密度の高い高密度分布区域を検出する高密度分布区域検出部とをそなえるとともに、
該分布状態予測手段が、
該高密度分布区域検出部により検出された高密度分布区域の移動変位を計算する高密度分布区域移動変位計算部と、
該高密度分布区域移動変位計算部により得られた該移動変位に基づいて該高密度分布区域の移動先を予測する高密度分布区域移動予測部とをそなえ、且つ、
該情報配信手段が、
該高密度分布区域移動予測部により予測された移動先区域に対応する情報を選択して情報配信を行なう高密度分布区域予測型の情報配信部をそなえたことを特徴とする、請求の範囲第1項に記載の情報配信サービス提供システム。 - 該情報配信手段が、
該高密度分布区域移動変位計算部による計算結果に基づいて該高密度分布区域から該情報配信依頼者の所在地又は該情報配信依頼者が指定した場所までの距離及び/又は到達時間を推定する距離/到達時間推定部と、
該距離/到達時間推定部により推定された距離及び/又は到達時間に応じた情報を該高密度分布区域の該移動情報端末に配信する距離/到達時間推定型の情報配信部とをそなえたことを特徴とする、請求の範囲第1項又は第2項に記載の情報配信サービス提供システム。 - 該情報配信手段が、
該距離/到達時間推定部により推定された距離及び/又は到達時間に応じた配信情報内容についての勧告を該情報配信依頼者の端末に対して行なう配信情報勧告部をそなえたことを特徴とする、請求の範囲第3項に記載の情報配信サービス提供システム。 - 該情報配信手段が、
高密度分布区域移動予測部による予測結果を該情報配信依頼者の端末に通知する高密度分布区域移動予測結果通知部をそなえたことを特徴とする、請求の範囲第2項に記載の情報配信サービス提供システム。 - 該サーバシステムが、
該情報配信手段により配信した情報に対する該サービス利用者の該移動情報端末からの反応を分析してその分析結果を外部出力する利用者反応処理手段をそなえたことを特徴とする、請求の範囲第1項に記載の情報配信サービス提供システム。 - 該分布状態予測手段が、
該分布状態変化監視手段による過去の監視結果の履歴に基づいて将来の該分布状態の時間的変化についての近似関数を推定することにより該分布状態の予測を行なう近似関数推定部をそなえたことを特徴とする、請求の範囲第1項に記載の情報配信サービス提供システム。 - 該サーバシステムが、
該近似関数推定部による推定結果に応じた情報を該サービス利用者の移動予測データとして該情報配信依頼者の端末に提供する移動予測データ提供手段をそなえたことを特徴とする、請求の範囲第7項に記載の情報配信サービス提供システム。 - 情報配信サービスの利用を登録した複数のサービス利用者の各移動情報端末に対して該情報配信サービスを所望のネットワーク経由で提供するサーバシステムと、該サーバシステムに接続して該情報配信サービスにより情報配信を行なうべきサービス利用者に応じた利用者属性及び情報配信対象地域を指定し得る情報配信依頼者の端末とをそなえた情報配信サービス提供システムにおいて、
該サーバシステムが、
該移動情報端末の位置情報に基づいて該情報配信対象地域における該利用者属性をもつサービス利用者の移動情報端末の分布状態の時間的変化を監視し、
その監視結果に基づいて将来の該移動情報端末の該分布状態を予測し、
その予測結果に基づいて該サービス利用者の移動情報端末に対する情報配信を行なうことを特徴とする、情報配信サービス提供システムにおける情報配信方法。 - 該サーバシステムが、
該移動情報端末の位置情報に基づいて該情報配信対象地域に含まれる所定区画について、該利用者属性をもつサービス利用者の移動情報端末の分布密度を計算し、
その計算結果に基づいて該分布密度の高い高密度分布区域を検出し、
検出した高密度分布区域の移動変位を計算し、
これにより得られた該移動変位に基づいて該高密度分布区域の移動先を予測し、
予測した移動先区域に対応する情報を選択して情報配信を行なうことを特徴とする、請求の範囲第9項に記載の情報配信サービス提供システムにおける情報配信方法。 - 該サーバシステムが、
上記計算により求めた該移動変位に基づいて該高密度分布区域から該情報配信依頼者の所在地又は該情報配信依頼者が指定した場所までの距離及び/又は到達時間を推定し、
推定した距離及び/又は到達時間に応じた情報を該高密度分布区域の該移動情報端末に配信することを特徴とする、請求の範囲第9項又は第10項に記載の情報配信サービス提供システムにおける情報配信方法。 - 該サーバシステムが、
上記推定した距離及び/又は到達時間に応じた配信情報内容についての勧告を該情報配信依頼者の端末に対して行なうことを特徴とする、請求の範囲第11項に記載の情報配信サービス提供システムにおける情報配信方法。 - 該サーバシステムが、
該高密度分布区域の移動先についての予測結果を該情報配信依頼者の端末に通知することを特徴とする、請求の範囲第10項に記載の情報配信サービス提供システムにおける情報配信方法。 - 該サーバシステムが、
該分布状態の予測結果に基づいて該移動情報端末に配信した情報に対する該サービス利用者の該移動情報端末からの反応を分析してその分析結果を外部出力することを特徴とする、請求の範囲第9項に記載の情報配信サービス提供システムにおける情報配信方法。 - 該サーバシステムが、
過去の該分布状態の監視結果の履歴に基づいて将来の該分布状態の時間的変化についての近似関数を推定することにより該分布状態の予測を行なうことを特徴とする、請求の範囲第9項に記載の情報配信サービス提供システムにおける情報配信方法。 - 該サーバシステムが、
該近似関数に応じた情報を該サービス利用者の移動予測データとして該情報配信依頼者の端末に提供することを特徴とする、請求の範囲第15項に記載の情報配信サービス提供システムにおける情報配信方法。 - 情報配信サービスの利用を登録した複数のサービス利用者の各移動情報端末に対して該情報配信サービスを所望のネットワーク経由で提供するサーバシステムと、該サーバシステムに接続して該情報配信サービスにより情報配信を行なうべきサービス利用者に応じた利用者属性及び情報配信対象地域を指定し得る情報配信依頼者の端末とをそなえた情報配信サービス提供システムに用いられる該サーバシステムであって、
該移動情報端末の位置情報に基づいて該情報配信対象地域における該利用者属性をもつサービス利用者の移動情報端末の分布状態の時間的変化を監視する分布状態変化監視手段と、
該分布状態変化監視手段による監視結果に基づいて将来の該移動情報端末の該分布状態を予測する分布状態予測手段と、
該分布状態予測手段による予測結果に基づいて該サービス利用者の移動情報端末に対する情報配信を行なう情報配信手段とをそなえたことを特徴とする、情報配信サービス提供システムに用いられるサーバシステム。 - 該分布状態変化監視手段が、
該移動情報端末の位置情報に基づいて該情報配信対象地域に含まれる所定区画について、該利用者属性をもつサービス利用者の移動情報端末の分布密度を計算する分布密度計算部と、
該分布密度計算部の計算結果に基づいて該分布密度の高い高密度分布区域を検出する高密度分布区域検出部と、
該高密度分布区域検出部により検出された高密度分布区域の移動変位を計算する高密度分布区域移動変位計算部とをそなえるとともに、
該分布状態予測手段が、
該高密度分布区域移動変位計算部により得られた該移動変位に基づいて該高密度分布区域の移動先を予測する高密度分布区域移動予測部をそなえ、且つ、
該情報配信手段が、
該高密度分布区域移動予測部により予測された移動先区域に対応する情報を選択して情報配信を行なう高密度分布区域予測型の情報配信部をそなえたことを特徴とする、請求の範囲第17項に記載の情報配信サービス提供システムに用いられるサーバシステム。 - 該情報配信手段が、
該高密度分布区域移動変位計算部による計算結果に基づいて該高密度分布区域から該情報配信依頼者の所在地又は該情報配信依頼者が指定した場所までの距離及び/又は到達時間を推定する距離/到達時間推定部と、
該距離/到達時間推定部により推定された距離及び/又は到達時間に応じた情報を該高密度分布区域の該移動情報端末に配信する距離/到達時間推定型の情報配信部とをそなえたことを特徴とする、請求の範囲第17項又は第18項に記載の情報配信サービス提供システムに用いられるサーバシステム。 - 該情報配信手段が、
該距離/到達時間推定部により推定された距離及び/又は到達時間に応じて配信情報内容についての勧告を該情報配信依頼者の端末に対して行なう配信情報勧告部をそなえたことを特徴とする、請求の範囲第19項に記載の情報配信サービス提供システムに用いられるサーバシステム。 - 該情報配信手段が、
高密度分布区域移動予測部による予測結果を該情報配信依頼者の端末に通知する高密度分布区域移動予測結果通知部をそなえたことを特徴とする、請求の範囲第18項に記載の情報配信サービス提供システムに用いられるサーバシステム。 - 該情報配信手段により配信した情報に対する該サービス利用者の該移動情報端末からの反応を分析してその分析結果を外部出力する利用者反応処理手段をさらにそなえたことを特徴とする、請求の範囲第17項に記載の情報配信サービス提供システムに用いられるサーバシステム。
- 該利用者反応処理手段が、
該情報配信手段により配信した情報に対する該サービス利用者の該移動情報端末からの反応を受け付ける利用者反応受付処理部と、
該利用者反応受付処理部により受け付けられた該反応を分析する利用者反応分析処理部とをそなえたことを特徴とする、請求の範囲第22項に記載の情報配信サービス提供システムに用いられるサーバシステム。 - 該利用者反応処理手段が、
該利用者反応分析処理部による分析結果を該情報配信依頼者の端末に通知する分析結果通知部をそなえたことを特徴とする、請求の範囲第23項に記載の情報配信サービス提供システムに用いられるサーバシステム。 - 該利用者反応処理手段が、
該利用者反応分析処理部による分析結果を統計処理する利用者反応統計処理部と、
該利用者反応統計処理部による統計処理結果に基づいて所定の報告データを作成する利用者反応報告作成処理部とをそなえたことを特徴とする、請求の範囲第23項に記載の情報配信サービス提供システムに用いられるサーバシステム。 - 該分布状態予測手段が、
該分布状態変化監視手段による過去の監視結果の履歴に基づいて将来の該分布状態の時間的変化についての近似関数を推定することにより該分布状態の予測を行なう近似関数推定部をそなえたことを特徴とする、請求の範囲第17項に記載の情報配信サービス提供システムに用いられるサーバシステム。 - 該近似関数推定部による推定結果に応じた情報を該サービス利用者の移動予測データとして該情報配信依頼者の端末に提供する移動予測データ提供手段をそなえたことを特徴とする、請求の範囲第26項に記載の情報配信サービス提供システムに用いられるサーバシステム。
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