本発明は光ファイバ通信に用いられる波長ルータ及び光アッドドロップマルチプレクサー(OADM)に関する。また、本発明は光ファイバ通信に用いられる光信号分岐回路及び光ファイバー通信ネットワークに関する。特に、リング状に光ファイバを設けた光ファイバ通信ネットワークおよび受動型光信号分岐回路と時分割多元接続(TDM)とを組み合わせた受動型光ファイバ通信ネットワーク(PON:Passive Optical Fiber Network)に関する。
図44に従来の光アッドドロップマルチプレクサーを示す。図44(a)は光ファイバーグレーティング(FBG)601と光サーキュレータ602を用いた光アッドドロップマルチプレクサーである。ポート603から入射した光信号は光ファイバーグレーティング(FBG)601で波長λiだけが反射され、反射されたλiの光信号は光サーキュレータ602によってアッドドロップポート605へと導かれる。λi以外の波長の光はポート604へと導かれる。
図44(b)に誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス611及び612を用いた光アッドドロップマルチプレクサーを示す。ポート613から入射した光信号の内λiの光信号は誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス611によってドロップポート615へと導かれる。またアッドポート616からの波長λiの光信号は誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス612によってポート614へと導かれる。
図45(a)に誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス620の構造を示す。入射ポート(光ファイバ)621からの光はコリメータ624、誘電体薄膜フィルタ625を経て波長λiの光はコリメータ626を経て透過ポート(光ファイバ)623へと導かれる。波長λi以外の光は誘電体薄膜フィルタ625によって反射されてコリメータ624を再び経て、反射ポート(光ファイバ)622へと導かれる。
本明細書では入射ポート、透過ポート、反射ポートの区別を図45(b)に示すようなシンボルで区別することにする。反射ポートを示す線が箱の中にまで延びているのがこのシンボルの特徴である。
また、図46に従来の受動型光ファイバ通信ネットワーク(PON:Passive Optical Fiber Network)を示す。基地局1210からの光信号は、受動型のツリー型スプリッター(ツリーカプラ)1200によって分岐されて光ファイバ群1201を介して多数のクライアント局群1213へと送られていた。また、クライアント局群1213から基地局1210への光信号は時分割多元接続(TDM)によって送られていた。ツリー型スプリッター1200の分岐比は32程度に選ばれることが多かった。
従来の光アッドドロップマルチプレクサーは単一の波長のアッドドロップを行うものが大半であった。しかしながら、光ファイバ通信ネットワークの高度化に伴い、波長多重を利用してより複雑なネットワーク構造を構築するニーズが高まっている。このようなニーズに応えるためには光アッドドロップマルチプレクサーの波長配置の設計技法が必要である。また、条件によっては光アッドドロップマルチプレクサーに高いアイソレーション特性が要求される場合が生じる。本発明はこれらの問題を解決し、柔軟なネットワーク構成を実用上十分な物理特性と共に実現することを目的としている。
また上記従来の受動形通信ネットワークにあっては、ツリー型スプリッター1200によって分岐された後は、光ファイバは32本に分岐してしまうため、非常に大量の光ファイバを敷設しなくては成らないと言う問題があった。また、32分岐より多数の分岐を行おうとするとツリー型スプリッター1200が非常に複雑な構成となると言う問題があった。
上記課題を解決するために、本発明の波長ルータは、一例を挙げるならば、第一の入力ポート、第一の光アッドドロップマルチプレクサー、第一の出力ポート、第二の入力ポート、第二の光アッドドロップマルチプレクサー、第二の出力ポートを備えた波長ルータにおいて、予め定められたノード数Nに対して、第一のアッドドロップマルチプレクサーは(N−1)組のアッド手段ドロップ手段対を備え、第二の光アッドドロップマルチプレクサーはN−1)組のアッド手段ドロップ手段対を備えていることを特徴としている。この構成を有した波長ルータを用いることによって、光ファイバを2系統設けた二重リング状光ファイバ通信ネットワーク上に波長多重によってフルメッシュ構造の冗長化通信経路を実現することができる。
本発明の手段及び作用の詳細については、以下の実施例の説明を通してさらに詳しく解説されるものである。また本発明の上述の側面および他の側面は特許請求の範囲に記載され以下実施例を用いて詳述される。
また、上記課題を解決するために本発明では波長多重化技術を用いた光アッドドロップマルチプレクサー(OADM)を光信号分岐回路ユニットに適用することにより分岐数の増大を実現した。本発明の手段及び作用の詳細については、以下の実施例の説明を通してさらに詳しく解説されるものである。
本発明によれば、リング状の光ファイバ通信ネットワーク上に波長多重を利用してフルメッシュを初めとする様々なネットワークトポロジーを柔軟に構築できる。また、その際に生じるアイソレーション不足などの問題を解決することができる。また、本発明によれば、受動型光ファイバ通信ネットワーク(PON:Passive Optical Fiber Network)における光ファイバ使用量を減少させることができる。また、冗長化された光通信ネットワークを実現できる。
以下、この発明の実施例について説明する。
図1ないし図4を用いて本発明の実施例1について説明する。図1に本発明の実施例1の波長ルータ20の内部構成を示す。図2にはこの波長ルータ20を基本形とする4つの波長ルータ21ないし24を用いて構築した二重リング状光通信ネットワークの構成を示す。図3には波長ルータ21と波長ルータ22との間における波長λ1の光信号のルーティングの様子を示す。図4は本実施例によって実現される波長ルーティングパスを示す図である。
図1に示すように、波長ルータ20は誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス1ないし12から成り立っており、いわゆる光アッドドロップフィルタの構造を有している。波長ルータ20は図2に示す光通信ネットワーク上で用いられる際には、光通信ネットワークのノード(局)ごとに、基本構成は同じであるが各誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイスの波長が異なる波長ルータ21、22、23、24が用いられる。なお、図1には波長ルータ21の場合についての各波長の光信号のアッドドロップの様子が示されている。
波長ルータ21について説明する。誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス1は光ファイバ25aから入力した波長λ1の光を取り出しローカル側ポート群30(図2の31に対応)側へ出力する。誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス2はローカルポート群30(図2の31に対応)側から入力した波長λ1の光を光ファイバ25bへと導く。誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス3は光ファイバ25aから入力した波長λ2の光を取り出しローカル側ポート群30(図2の31に対応)側へ出力する。誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス4はローカルポート群30(図2の31に対応)側から入力した波長λ2の光を光ファイバ25bへと導く。誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス5は光ファイバ25aから入力した波長λ3の光を取り出しローカル側ポート群30(図2の31に対応)側へ出力する。誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス6はローカルポート群30(図2の31に対応)側から入力した波長λ3の光を光ファイバ25bへと導く。誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス8は光ファイバ26aから入力した波長λ1の光を取り出しローカル側ポート群30(図2の31に対応)側へ出力する。誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス7はローカルポート群30(図2の31に対応)側から入力した波長λ1の光を光ファイバ26bへと導く。誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス10は光ファイバ26aから入力した波長λ2の光を取り出しローカル側ポート群30(図2の31に対応)側へ出力する。誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス9はローカルポート群30(図2の31に対応)側から入力した波長λ2の光を光ファイバ26bへと導く。誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス12は光ファイバ26aから入力した波長λ3の光を取り出しローカル側ポート群30(図2の31に対応)側へ出力する。誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス11はローカルポート群30(図2の31に対応)側から入力した波長λ3の光を光ファイバ26bへと導く。
他の波長ルータ22ないし24は波長ルータ21と同様の動作をするが、取り扱われる波長が異なる。波長ルータ22においては、波長ルータ21のλ2をλ4に、λ3をλ5に置き換えた動作をする。波長ルータ23においては、波長ルータ21のλ1をλ2に、波長ルータ21のλ2をλ5に、λ3をλ6に置き換えた動作をする。波長ルータ24においては、波長ルータ21のλ1をλ3に、波長ルータ21のλ2をλ5に、λ3をλ6に置き換えた動作をする。
図2は波長ルータ21ないし24と外周側光ファイバ25ないし内周側光ファイバ26とからなる二重リング状の光通信ネットワークの構成を示す図である。外周側光ファイバ25上では波長λ1ないし波長λ6の光信号は右回りに伝送され、内周側光ファイバ26上では波長λ1ないし波長λ6の光信号は左回りに伝送されている。波長ルータ21においては波長λ1、λ2、及びλ3の光信号がアッドドロップされ、波長λ4、λ5、及びλ6の光信号はバイパスされる。波長ルータ22においては波長λ1、λ4、及びλ5の光信号がアッドドロップされ、波長λ2、λ3、及びλ6の光信号はバイパスされる。波長ルータ23においては波長λ2、λ4、及びλ6の光信号がアッドドロップされ、波長λ1、λ3、及びλ5の光信号はバイパスされる。波長ルータ24においては波長λ3、λ5、及びλ6の光信号がアッドドロップされ、波長λ1、λ2、及びλ4の光信号はバイパスされる。
波長ルータ21、22、23、及び24には、それぞれローカル側ポート31、32、33、及び34が設けられており、これらのポートには、ツリー状のアーキテクチャを有するスイッチ(あるいはルータ)41、42、43、及び44がそれぞれ対応して接続されている。これらスイッチ(あるいはルータ)41、42、43、及び44には着脱自在の光トランシーバ45が装着されている。着脱自在の光トランシーバ45には、例えばGBICあるいはSFPと呼ばれている光トランシーバがある。これらの光トランシーバはCWDM(低密度波長多重)あるいはDWDM(高密度波長多重)に対応した波長の光信号が出力できるように設計されている。光トランシーバ45は個々にそれぞれ別々の波長が出力できるようにすることができるので、波長ルータ内の各誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイスに対応した波長になるように、光トランシーバ45をスイッチ(あるいはルータ)41、42、43、及び44の各ポートに装着している。なお、この実施例では着脱自在の光トランシーバを用いたが、スイッチ(あるいはルータ)41、42、43、及び44と対応する波長ルータ21、22、23、及び24の間に波長変換機構を介在させても良い。
各光信号の具体的な波長としては、例えばITUで定められたCWDM波長の内から、λ1:1490nm、λ2:1510nm、λ3:1530nm、λ4:1550nm、λ5:1570nm、λ6:1590nmというような値を選ぶことができる。もちろん、この波長は他の任意の波長の組み合わせ、例えば、ITUで定められたDWDMの波長帯の中からC−バンド100GHzグリッドから6波選ぶようなことも可能である。
図3において、波長ルータ21のローカル側ポート31からの2系統の波長λ1の光信号は、1系統(λ1a)は右回りで外周側光ファイバ25上を伝播して波長ルータ22に至り、もう1系統(λ1c)は左回りで内周側光ファイバ26上を伝播して波長ルータ24、23を順にバイパスしてやはり波長ルータ22に至り、共にローカル側ポート32へと出力される。一方、波長ルータ22のローカル側ポート32からの2系統の波長λ1の光信号は、1系統(λ1b)は左回りで内周側光ファイバ26上を伝播して波長ルータ21に至り、もう1系統(λd)は外周側光ファイバ25上を伝播して波長ルータ23、24を順にバイパスしてやはり波長ルータ21に至り、共にローカル側ポート31へと出力される。即ち、波長ルータ21と波長ルータ22の間には右回りと左回りの2系統の全二重の信号経路が波長λ1の光信号によって形成されている。このため、図3に示す二重リング状の光ファイバ通信ネットワークのどこか一カ所で光ファイバー切断が生じたとしても、右回りもしくは左回りの系統のいずれかは生き残ることとなり通信ネットワークの信頼性を向上させることができる。
図4は図2に示した本実施例の二重リング状光ファイバ通信ネットワークによって形成される波長ルーティングパスを示す。本実施例の二重リング状光ファイバ通信ネットワークは図4の50で示されるフルメッシュかつ冗長化された波長ルーティングパスをスイッチ(あるいはルータ)41、42、43、及び44の間に形成する。例えば、波長ルーティングパス51は図4で示された波長λ1a、波長λ1bの光信号の組から成る全二重の波長ルーティングパスである。また、波長ルーティングパス52は図4で示された波長λ1c、波長λ1dの光信号の組から成る全二重の波長ルーティングパスである。
波長ルーティングパス50はスイッチ41と42の間を波長λ1で、スイッチ41と43の間を波長λ2で、スイッチ41と44の間を波長λ3で、スイッチ42と43の間を波長λ4で、スイッチ42とスイッチ44の間を波長λ5で、そしてスイッチ43とスイッチ44の間を波長λ6でそれぞれ結んでいることが図4に示されている。
4つのスイッチの間には6通りの経路が存在するが、それぞれの経路がそれぞれの波長に対応しているのである。しかも、各経路には右回りと左回りの冗長化した経路が設けられている。フルメッシュ状の通信経路は通信効率の高い経路であり、しかも各経路は冗長化されていて、物理的な光ファイバー切断などの事故に際しても片方の経路は確保されるという利点を有している。
また、図2に示されるように各波長ルータではその波長ルータがアッドドロップする以外の光信号は光学的にバイパスするので、これらバイパスされる光信号の処理をスイッチ41ないし44が行う必要が無く、スイッチの処理能力を軽減している。すなわち、各ノード(波長ルータ)は3波のみアッドドロップし、他の3波はバイパスしており、これを全部電気的に処理した場合に比べてスイッチのハードウエア規模が半分で済むことになる。
図5ないし図7を用いて本発明の実施例2について説明する。実施例1においては2本の光ファイバを用いて二重リングを構築していたが、本実施例では一本の光ファイバー上に異波長双方向伝送を行うことによって二重リングを構築している。図5に本発明の実施例2の波長ルータ70の内部構成を示す。図6にはこの波長ルータ70を基本形とする3つの波長ルータ71ないし73を用いて構築した二重リング状光通信ネットワークの構成を示す。図7は本実施例によって実現される波長ルーティングパスを示す図である。
図5に示すように、波長ルータ70は誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス61ないし68から成り立っており、いわゆる光アッドドロップフィルタの構造を有している。波長ルータ70は図2に示す光通信ネットワーク上で用いられる際には、光通信ネットワークのノード(局)ごとに、基本構成は同じであるが各誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイスの波長が異なる波長ルータ71、72、及び、73が用いられる。なお、図5には波長ルータ71の場合についての各波長の光信号のアッドドロップの様子が示されている。
波長ルータ71について説明する。誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス71はローカルポート側から光ファイバ75a側に波長λ1の光信号を出力する。誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス62は光ファイバ75aから入力した波長λ2の光を取り出しローカル側へ出力する。波長λ1と波長λ2の光信号で一組の全二重の光信号伝送路が形成されている。
誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス63はローカルポート側から波長λ1の光を光ファイバ75b側へ出力する。誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス64は光ファイバ75bから入力した波長λ2の光をローカルポート側へ出力する。誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス65はローカルポート側からの波長λ3の光を光ファイバ75a側へ出力する。誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス66は光ファイバ75a側からの波長λ4の光をローカルポート側へ出力する。薄膜スリーポートデバイス67はローカルポート側からの波長λ3の光を光ファイバ75b側へ出力する。薄膜スリーポートデバイス68は光ファイア75b側からの波長λ4の光をローカルポート側へ出力する。
他の波長ルータ72および73は波長ルータ71と同様の動作をするが、取り扱われる波長が、図5に示されるようにそれぞれ異なっている。
図6は波長ルータ71ないし73と光ファイバ75とからなるリング状の光通信ネットワークの構成を示す図である。波長ルータ71、72、及び73、にはツリー状のアーキテクチャを有するスイッチ(あるいはルータ)81、82、及び83がそれぞれ対応して接続されている。スイッチ81、82、及び83には着脱自在の光トランシーバ85が装着されている。着脱自在の光トランシーバ85には、例えばGBICあるいはSFPと呼ばれている光トランシーバがある。これらの光トランシーバはCWDM(低密度波長多重)あるいはDWDM(高密度波長多重)に対応した波長の光信号が出力できるように設計されている。
図6に示すように、波長ルータ71からは2系統の波長λ1の光信号λ1aとλ1bが波長ルータ72へと送られる。また、波長ルータ72からは2系統の波長λ2の光信号λ2aとλ2bが波長ルータ71へと送られる。波長λ1aと波長λ2aとでひとつの全二重の通信経路が形成され、波長λ1bと波長λ2bとで別の全二重の通信経路が形成される。この結果、冗長化された2つの通信経路(右回りと左回り)とが形成されることになる。
図7は図6に示した本実施例のリング状光ファイバ通信ネットワークによって形成される波長ルーティングパスを示す。本実施例のリング状光ファイバ通信ネットワークは図8の90で示されるフルメッシュかつ冗長化された波長ルーティングパスをスイッチ81、82、及び83の間に形成する。
図8に本発明の実施例3の波長ルータ100の内部構成を示す。本実施例では高密度波長多重(DWDM)を用い光ファイバー増幅器を内部に備えている。本実施例の波長ルータ100は、光アッドドロップマルチプレクサー(OADM)101及び102とエルビウムドープファイバ光増幅器(EDFA)103及び104から成り立っている。
光アッドドロップマルチプレクサー(OADM)101及び102の内部には図示しない誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス群が組み込まれており、所定の波長を付け加えたり(アッド)取り出したり(ドロップ)することができる。
光ファイバ107aからの光信号はまずエルビウムドープファイバ光増幅器(EDFA)103で増幅された後、光アッドドロップマルチプレクサー(OADM)101によって所定の光信号のアッドドロップを行った後、光ファイバ107bへと出力する。同様に光ファイバ108aからの光信号はまずエルビウムドープファイバ光増幅器(EDFA)104で増幅された後、光アッドドロップマルチプレクサー(OADM)102によって所定の光信号のアッドドロップを行った後、光ファイバ108bへと出力する。
ローカルポート群105及び106は図示しないスイッチなどと接続されている。ローカル側ポート群105には左回りで他の波長ルータと接続する光信号が入出力される。光ファイバ107aから入力した光信号の中から取り出された(ドロップした)光信号はローカル側ポート群105に送られる。ローカル側ポート群105に図示しないスイッチ側から入力した光信号群は光ファイバ108b側へ伝送される光信号に付け加えられる(アッドされる)。ローカル側ポート群106には左回りで他の波長ルータと接続する光信号群が入出力される。光ファイバ108aから入力した光信号の中から取り出された(ドロップした)光信号はローカル側ポート群106に送られる。ローカル側ポート群106に図示しないスイッチ側から入力した光信号群は光ファイバ107b側へ伝送される光信号に付け加えられる(アッドされる)。
図9には本実施例の波長ルータを用いて形成した二重リング状光通信ネットワークの構成を示す。この二重リング状光通信ネットワークでは波長ルータ111ないし118と外周側光ファイバ121と内周側光ファイバ122とから成り立っている。外周側光ファイバ121では光信号は右回りに伝送され、内周側光ファイバ122では光信号は左回りに伝送されている。本実施例ではλ1ないしλ28の28種類の波長の光信号が用いられて波長ルータ111ないし118の間に28経路の冗長化全二重通信経路がフルメッシュに形成されている。
全体では28種類の波長が用いられているが、各ノード(波長ルータ)ではそれぞれのノード固有の7波長のみがアッドドロップされていて、残りの21波長はバイパスされている。つまり、これを全部電気的に処理した場合に比べて波長ルータに接続されるスイッチやルータのハードウエア規模が25%で済むことになる。
ここで複数のノード間にフルメッシュの通信路を形成する場合に必要な波長数及び波長配置について述べる。ノード数N局の場合、N個のノードから残りのN−1個のノードへの経路が必要なるが、相手のノードにおいてもこの経路数を二重に数えることになるので、結局N個のノード間にフルメッシュの通信経路を形成するには以下の式で与えられるM個の経路が必要となる。
このM個の経路は光ファイバを図2や図9に示したように2本用いるのならM個の波長で実現できるし、図6に示したように1本の光ファイバを用いて、上りと下りの波長を変えて通信経路を形成するのなら2M個の波長が必要となる。
光ファイバを図2や図9に示したように2本用いて、かつ、8個のノードがある場合は(1)式より28個の波長が必要となる。この時の波長配置をマトリクス表現すると(2)式で示される
Λ1は8個の要素を持つベクトルであり、その要素λ1ないしλ7はノード1から他のノードへの通信経路を形成する波長を示している。Λ1の要素φはノード1からノード1への通信経路を示す「波長」であるが、これは実際には設ける必要がないので空集合を表す概念のφを挿入してある。ノード1とノード2の間の通信経路を波長λ1で形成するとすると、ノード2から他のノードへの通信経路を示すベクトル中にも波長λ1は必ず含まれることになり、事実Λ2の要素は[λ1、φ、λ8、λ9、λ10、λ11、λ12、λ13]となっている。即ち、(2)式のマトリクスは転置行列となっている。これは光ファイバを図2や図9に示したように2本用いて形成した光通信ネットワークでは、ノード2からノード1への通信経路として用いられる波長はノード1からノード2への通信経路として用いられる波長と一致していなくてはならないからである。なお、ノード1からノード2への通信経路を波長λ1で形成する、とはノード1から送信される光信号の波長がλ1であり、このλ1の光信号がノード2で受信されることを示している。
図2や図9に示した通信ネットワークを用いてN個のノード間にフルメッシュで最小の波長数で通信経路を形成するには(3)式ないし(4)で示す波長配置を設ける必要がある。
上記の(3)中には空集合が含まれるわけであるが、空集合で表される波長については実装する必要はないので、実装される波長はN個のノード間にフルメッシュを設ける波長ルータはN−1個の波長を実装すれば良い。また、各ノードに異なる波長が実装されるので、Λ1からΛNに対応するN種類の光アッドドロップマルチプレクサーが実装されることになる。
またリング状のネットワークで冗長化経路を設けるためには各波長について右回りの送受信、左回りの送受信を行わなくてはならないので、各波長のアッド手段とドロップ手段を2組設ける必要がある。結局、N個のノード間のフルメッシュ接続に対応した光アッドドロップマルチプレクサー2(N−1)組のアッド手段ドロップ手段対を備えることになる。(N−1)個のアッド手段ドロップ手段対が右回り用、もうひとつの(N−1)個のアッド手段ドロップ手段対が左回り用に供されるのである。なお、このアッド手段とドロップ手段は具体的には誘電体薄膜フィルタであっても良いし、ファイバーブラッググレーティングフィルタなどであっても良い。
上記の波長配置では、例えば(3)式のマトリクスの非対角成分の右上半面は任意に決めることができるが、左下反面は右上半面に対応して一意にきまってしまう。これは使用する波長数を少なくするには有効であるが、波長配置の自由度が減ると言う欠点もある。そこで、別の実施形態としてノード1からノード2への通信経路の波長とノード2からノード1への通信経路の波長を一致させないでネットワークを構成しても良い。この場合は使用する波長数が2倍に増えてしまうが、波長配置が自由になるという利点がある。
図6に示したように一本の光ファイバを用いて上りと下りで波長を変えて通信経路を形成する場合は(3)式に示すような波長配置を取ることはできる、例えばノード間にフルメッシュを形成するには56通りの波長が必要となる。一般的に言うなら、図6の通信ネットワークではNノード間に2M個の波長を設けることによってフルメッシュが形成される。ここで、Mは(1)式で示された値である。
ノード1からノード2への通信経路の波長とノード2からノード1への通信経路の波長を一致させない場合の波長配置は以下の式で与えられる。
(5)式及び(6)式で洗わせられる波長配置は、1本の光ファイバで上りと下りの波長を変えて双方向伝送を実現する場合にも用いることができる。
光アッドドロップマルチプレクサーにはフルメッシュの通信経路を実現できるように波長配置しておき、その内の一部の通信経路を使わない実施形態もある。フルメッシュとはN個のノード間に考えられる全ての経路を備えたものであるので、フルメッシュ経路の一部の経路を使わないことによってスター状のトポロジーを実現したりすることもできる。
図8において右回り用に光信号と左回り用に光信号をさらに波長多重化して一本の光ファイバで実現する形態もある。例えばエルビウムドープファイバ光増幅器103にC−バンド(1530−1560nm)光増幅器を用い、エルビウムドープファイバ光増幅器10LにL−バンド(1565−1605nm)光増幅器を用い、右回りと左回りの信号とを図示しない波長多重化器によって一本の光ファイバに多重化する実施形態である。エルビウムドープファイバ光増幅器103の入力ポート107aと光アッドドロップマルチプレクサー102の出力ポート108bとを図示しない波長多重化器によって多重化し、同様にエルビウムドープファイバ光増幅器104の入力ポート108aと光アッドドロップマルチプレクサー101の出力ポート107bとを図示しない波長多重化器によって多重化すればよい。
なお、同じC−バンドのエルビウムドープファイバ光増幅器を用いて、C−バンドの中を短波長側と長波長側に分けても良い。
なお、上記実施例では誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイスによって光アッドドロップマルチプレクサーを実現しているが、これは他の手段、例えば、ファイバーブラッググレーティングフィルタ(FBG)と光サーキュレータを組み合わせて、光アッドドロップマルチプレクサーを実現することもできる。
また、光増幅器として、エルビウムドープファイバ光増幅器に限らず、他の希土類ドープファイバ光増幅器、ラマン光増幅器、半導体レーザ光増幅器、希土類ドープ平面導波路光増幅器などを用いても良い。
図10に本発明の実施例4の波長ルータの内部構造を示す。本実施例は図8の波長ルータの変形例である。図10(a)は実施例3の場合を示し、エルビウムドープ光ファイバ増幅器103が前置増幅器として光アッドドロップマルチプレクサー(OADM)101の前に配置されている。
図10(b)ではエルビウムドープ光ファイバ増幅器105がブーストアンプとして光アッドドロップマルチプレクサー(OADM)101の後段に配置されている。また、図10(c)では、エルビウムドープ光ファイバ増幅器103が前置増幅器として、エルビウムドープ光ファイバ増幅器105がブーストアンプとして、それぞれ配置されている。
図10(a)、(b)、(c)はいずれも動作可能であるが、光アッドドロップマルチプレクサー(OADM)101のアイソレーション特性を考慮すると図10(a)ないし(c)が望ましい。長距離伝送特性という観点からは、前置増幅器とブースターアンプを配置した図10(c)が最も望ましい。一方、コストという観点からは図10(a)ないし(b)が望ましい。
図11を用いて、光アッドドロップマルチプレクサー(OADM)101のアイソレーション特性とエルビウムドープ光ファイバ増幅器の配置の関係を説明する。光アッドドロップマルチプレクサー(OADM)101内部には誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス131及び132が設けられている。誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス131によってポート136側からの光信号133がアッドされ、誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス131によって光信号134がドロップされている。図10(b)に示すように光アッドドロップマルチプレクサー(OADM)101の全段にエルビウムドープ光ファイバ増幅器が無い場合、光信号134は長距離の伝送によって減衰している場合がある。一方、アッドされる光信号133は強力である。例えば、光信号134は−25dBm程度まで減衰することがある。一方、光信号133は0dBm程度である。すると、光信号133が誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス132からポート137側へ漏れていく光量135が無視できなくなる場合が生じる。
誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイスが他の波長の光の信号を漏らさない割合をアイソレーション138と呼んでいるが、この値は通常25ないし30dB程度ある。ここでアイソレーションが25dBとは漏れ光量が−25dBに減衰することを差している。アイソレーションという場合は通常、マイナスは省いて表す。
したがってポート137へドロップされた受信光信号134が−25dBmであるのに、漏れ光量135が−30dBに達し、その差がわずか5dBしかないことになる。通常、信号成分(この場合は受信信号134)と雑音信号にの場合は漏れ光量135)の差は少なくとも20dB、好ましくは25dBは必要と言われているため、これでは受信信号134を正しく受信することができない(図11(b)参照)。
また、遠いノードから何段も光アッドドロップマルチプレクサーを通過して減衰した信号を受信する場合に、近いノードからの強力な信号がクロストークを発生させることもある。
図10(a)のようにエルビウムドープ光ファイバ増幅器103が光アッドドロップマルチプレクサー(OADM)101の全段に配置されているとドロップされる受信光信号も0dBmに近い値に増幅されているため上記のような信号対雑音比の低下という問題が生じない。したがって、この観点からは図10(a)あるいは図10(c)のような構成が望ましいことになる。すなわち、図10(a)あるいは図10(c)のような構成を用いれば、アイソレーションの値が25ないし30dB程度の光アッドドロップマルチプレクサー(OADM)を用いることができ、特別にアイソレーションを高めた光アッドドロップマルチプレクサー(OADM)を用いる必要が無い。
図12は本実施例にさらにエルビウムドープファイバ光増幅器103の利得制御機構を取り付けた場合を示す。光アッドドロップマルチプレクサー(OADM)101のポート141からドロップされた光信号の一部を光ファイバカプラ142で取り出し、エルビウムドープファイバ光増幅器103のポート143に入力する構造としてある。エルビウムドープファイバ光増幅器103はポート143の入力光信号に応じて利得を変化させ、ポート143からの光信号強度を略一定に保つように動作する。
光ファイバカプラ142の分岐比はポート143側への分岐が1/10ないし1/100程度となるように選ばれるのが好ましい。ポート141からの光信号は通常の光信号が用いられても良いが、ネットワーク監視のためのモニターチャネル(あるいはスーパバイザチャネル)の光信号を用いる頃が特に好ましい。
なお、図12ではエルビウムドープファイバ光増幅器103内に光量の検出機構を設けたが、光アッドドロップマルチプレクサー(OADM)101に接続されるべき光トランシーバに受信光量の検出機構を設け、その検出結果を電気信号の形でエルビウムドープファイバ光増幅器103に送って、利得制御を行うようにしても良い。この方法は光トランシーバの構造が複雑になるものの、光量損失が少ないという利点がある。
図14に本発明の実施例5の波長ルータ(光アッドドロップマルチプレクサー)を示す。以下に述べるデュプリケート誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイスを用いたことが大きな特徴である。
コリメータとフィルタを共用して実質的に2個の誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイスを形成することができる。図13はこのようなデュプリケート誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス150の構造を示す図である。入射ポート151、反射ポート152、透過ポート153でひとつの誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイスを形成し、また、入射ポート161、反射ポート162、透過ポート163で別のひとつの誘電体スリーポートデバイスを形成している。コリメータレンズ154と156、誘電体薄膜フィルタ155は共用されている。誘電体薄膜フィルタが共用されているので上記のようにして形成されるふたつの誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイスの透過波長は同一である。
図1に示した波長ルータ20は同じ波長の誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイスを多数用いている。例えば、誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス1、2、7、及び8はλ1の波長である。したがって、これらの誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイスに図13に示すようなデュプリケート型誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス150を用いて、実際に使用する誘電体薄膜フィルタやコリメータレンズの数を減らすことができ、ひいてはコストを削減することができる。
図11において説明したようなアイソレーションの問題は実は図5に示した波長ルータ(光アッドドロップマルチプレクサ)においても生じる。このようなアイソレーション不足を解消するために図14に示すように光信号をドロップするポートに誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイスを二重に設けることがある。図14は図5の波長ルータ70のドロップポートにこのような二重フィルタ構成を設けた構成である。フィルター段のアイソレーションが25dBであったとするとフィルタを2段重ねるとアイソレーションは2倍の50dBになる。したがって、アイソレーション不足を解消することができるのである。
図14において、誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス62a及び62bを図13に示したデュプリケート型誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイスによって構成することができる。このようにすれば実際に使用される誘電体薄膜フィルタ及びコリメータレンズの数を減らしてコストを削減することができる。同様に誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス64aと64b、誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス66aと66b、誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス68aと68bをそれぞれデュプリケート型誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイスによって構成することができる。さらに、誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス61と63、誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス65と67もそれぞれ対をなしてデュプリケート型誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイスに置き換えることができる。
図15(a)にダブルパス型の誘電体薄膜フィルタスリーポートデバイス180を示す。これは入射ポート181からの光がコリメータ184を経て誘電体薄膜フィルタ185へ導かれ反射光は反射ポート182へと導かれ、透過光はミラー186で反射されてから、もう一度誘電体薄膜フィルタ185を透過して、コリメータ184を経て透過ポート183へと透過光を導く方式である。透過光は誘電体薄膜フィルタを2回透過(ダブルパス)するので、アイソレーションが2倍になる。また、コリメータレンズは1個で済み、入射ポート、反射ポート、透過ポートが全て、誘電体薄膜フィルタ185に対して同じ側に設けることができるという特徴がある。
図15(b)にさらに本発明の第6実施例であるデュプリケート構造のダブルパス型誘電体薄膜フィルタスリーポートデバイス190を示す。入射ポート181、反射ポート182、透過ポート183でひとつのダブルパス型誘電体薄膜フィルタスリーポートデバイスを形成し、入射ポート191、反射ポート192、透過ポート193で別のひとつのダブルパス型誘電体薄膜フィルタスリーポートデバイスを形成している。そして、このふたつのダブルパス型誘電体薄膜フィルタスリーポートデバイスはコリメートレンズ184、誘電体薄膜フィルタ185、ミラー186を共用しているので部品点数が減り、コストを削減することができる。
ダブルパス型誘電体薄膜フィルタフィルタスリーポートデバイスは光アッドドロップマルチプレクサーの光信号のドロップを行うポートに用いることにより、図11で示したようなアイソレーション不足の問題を解決することができる。
また、デュプリケート構造のダブルパス型誘電体薄膜フィルタスリーポートデバイスは、例えば、図5の誘電体薄膜フィルタスリーポートデバイス62と64を置き換えたりすることができる。光アッドドロップマルチプレクサーは同一波長の光信号をアッドしてドロップするために同じ波長の誘電体薄膜フィルタスリーポートデバイスを複数使う構造となることが多いので、デュプリケート型の誘電体薄膜フィルタスリーポートデバイスを用いることによって部品点数を削減し、コストを低減することができる。
図16に図14の波長ルータ(光アッドドロップマルチプレクサー)170をボックスに実装した実施例200を示す。二段フィルタを用いたポートをドロップポートとして用いる必要があるので、ドロップポートとアッドポートの誤用を防がなくてはならない。そこで本実施例では、ボックスの上面に波長ルーティング経路を示す図面201を設け、ボックス前面202の各ポート(レセプタクル)210ないし219に波長及び送受信の区別、右回り、左回りの区別を示す記号を表示したことが特徴である。ボックス前面202の各記号は、波長をλ1、λ2、λ3、λ4として表し、送信をTx、受信をRx、右回りをRight、左回りをLeft、コモンポートをCとして表している。
レセプタクル210は左回りのコモンポート、レセプタクル211は左回りの波長λ1の送信ポート、レセプタクル212は左回りの波長λ2の受信ポート、レセプタクル213は左回りの波長λ3の送信ポート、レセプタクル214は左回りの波長λ4の受信ポートである。また、レセプタクル215は右回りの波長λ1の送信ポート、レセプタクル216は右回りの波長λ2の受信ポート、レセプタクル217は右回りの波長λ3の送信ポート、レセプタクル218は右回りの波長λ4の受信ポート、レセプタクル219は右回りのコモンポートである。
図17に図14の波長ルータ(光アッドドロップマルチプレクサー)170をボックスに実装した別の実施例220を示す。ボックスの上面に波長ルーティング経路を示す別の図面221を設けてある。この図面は自局(Station−1)と他の局(Station−2、Station−3)とがどのようにルーティングされているかを示した図となっている。ユーザから見た場合、各局(ノード)が物理的にどのように接続されているかより、論理的な接続形態の方が重要な場合があり、図17の実施例はそのような場合に有用な表示方法である。
ボックス前面222の各記号は、波長をλ1、λ2、λ3、λ4として表し、送信をTx、受信をRx、右回りをRight、左回りをLeft、コモンポートをCとして表している。また、Station−2とStation−3の表示は通信経路の相手先を示している。
ボックス前面222に設けられている各レセプタクルの接続は図16の場合とは異なっている。レセプタクル230は左回りのコモンポート、レセプタクル231は左回りでStation−2へ向かう波長λ1の送信ポート、レセプタクル232は左回りでStation−2から受け取る波長λ2の受信ポート、レセプタクル233は右回りでStation−2へと向かう波長λ1の送信ポート、レセプタクル234は右回りでStation−2から受け取る波長λ2の受信ポートである。また、レセプタクル235は左回りでStation−3へと向かう波長λ3の送信ポート、レセプタクル236は左回りでStation−3から受け取る波長λ4の受信ポート、レセプタクル237は右回りでStation−3へと向かう波長λ3の送信ポート、レセプタクル238は右回りのStation−3から受け取る波長λ4の受信ポート、レセプタクル239は右回りのコモンポートである。
図18は図14の波長ルータ(光アッドドロップマルチプレクサー)170をパッチコード240として実装した場合を示している。をパッチコード240本体上面241には各局(S1、S2、S3として表示)の間の信号経路が示されている。パッチコードから出てくる光ファイバーコード244の先に光コネクタ242が設けられ、光コネクタ242の近くにタグ243が設けられており、各タグには各光コネクタの波長、役割、通信経路などが示されている。
実施例7の構成は光アッドドロップマルチプレクサーに限らず有用である。図19には、上り波長と下り波長を変えることによって一本の光ファイバ270上で双方向伝送を実現した光ファイバ通信ネットワークを示す。
図19において、波長多重化器250は誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス251ないし254を備えている。また、波長多重化器260は誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス261ないし264を備えている。
波長多重化器250のポート255には送信用の波長λ1の光信号が、ポート256には送信用の波長λ2の光信号が、それぞれ加えられる。それぞれ誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス251及び252によって多重化された光信号は共通ポート259、光ファイバ270、波長多重化器260の共通ポート269に送られる。多重化された光信号は波長多重化器260内の誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス261及び262によって、それぞれ元の波長λ1及びλ2の光信号に分離されて、それぞれポート265と266へと出力される。
波長多重化器260のポート267には送信用の波長λ3の光信号が、ポート268には送信用の波長λ4の光信号が、それぞれ加えられる。それぞれ誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス263及び264によって多重化された光信号は共通ポート269、光ファイバ270、波長多重化器250の共通ポート259に送られる。多重化された光信号は波長多重化器250内の誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス253及び254によって、それぞれ元の波長λ3及びλ4の光信号に分離されて、それぞれポート257と258へと出力される。
これら波長多重化器250ないし260は、最も単純な機能を有する波長ルータと見なすことができる。なぜなら、ポイント・ツー・ポイントではあるが波長ルーティングを行っているからである。
波長多重化器250において、共通ポート259に近い位置に送信用の誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス251ないし252を配置するのには意味がある。このことを図20を用いて説明する。
図20において、ポート281は入射ポート、ポート282は反射ポート、ポート283は透過ポートである。またこれらポートとコリメータ284、誘電体薄膜フィルタ285、コリメータ285から誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス280は成り立っている。ここで、誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス280において、透過ポート283側から送信用の光信号を入射させると、反射ポート282側へはクロストークがほとんど生じないことが知られている。透過ポート283側から入射した光の内クロストークとなる成分は方向287側へ反射し、反射ポート282へと結合する方向288側へ伝搬する成分がほとんど生じないためである。
また、入射ポート281のすぐ近傍に光コネクタなどがあって大きな反射(空気−ガラス界面のフレネル反射によって生じるいわゆる−13dB反射)が生じているような場合にも図19の構成は効果を発する。入射ポート281近傍からのフレネル反射光は大半が透過ポート283へと導かれ、方向288側へ反射される光量は入射光に対して−15dBないし−20dBに減衰することが知られている。この減衰量が、受信側の誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス253、254、261、ないし262などのアイソレーションに加算されることになる。したがって、合計で40dBないし50dB程度の実効的なアイソレーションが実現でき、クロストークの問題を排除することができる。
上記の性質を利用して、波長多重化器250では、共通ポート259に近い位置に送信用の誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス251ないし252を配置した。この結果、図11で説明したようなアイソレーション不足の問題を生じることなく、一本の光ファイバ上で上り下りに異なる波長を用いて双方向伝送を実現することができる。なお、図19では4つの波長を用いて2チャネルの全二重通信経路を実現しているが、2波長を用いて1チャネルの全二重通信経路を実現したり、8波長を用いて4チャネルの全二重通信経路を実現することもできる。いずれの場合も、送信用の誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイスを、受信用の誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイスよりも共通ポートに近い側に配置しておく必要がある。
さて、図21には本発明の実施例8の波長ルータ(波長多重化器)をボックス290及び300に実装した例を示す。本実施例では、送信ポートと受信ポートを区別して誤用を防ぐようにしないとアイソレーションの問題が生じることがある。そこで、ボックス290及び300の上面に波長ルーティング経路を示す図面291、301をそれぞれ設けた。図面291、301に示されている波長ルーティング経路は図19に示した実際の誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイスの接続とは異なっているが、ユーザから見て解り易い表現となっている。
ボックス290の前面292の各ポート(レセプタクル)255ないし258は図19(a)のポートに対応させてある。ボックス前面292には送信をTx、受信をRxとしたほか、チャネル(全二重の通信経路)をそれぞれCH1、CH2として示した。また波長はλ1、λ2、λ3、λ4として表している。共通ポートはコモンポートCとして表している。
ボックス300の前面302の各ポート(レセプタクル)265ないし268は図19(b)のポートに対応させてある。ボックス前面292には送信をTx、受信をRxとしたほか、チャネル(全二重の通信経路)をそれぞれCH1、CH2として示した。また波長はλ1、λ2、λ3、λ4として表している。共通ポートはコモンポートCとして表している。
なお、本実施例では波長多重化器をボックスに実装した場合を示したが、パッチコードとして実装しても差し支えない。
図22に本発明の実施例9の波長ルータ(光アッドドロップマルチプレクサー)310を示す。実施例8で示した送信用の誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス321、322、327、及び、328を出力ポートに近い位置に配置してアイソレーション不足を補う方法と波長配置を工夫することによって、二重フィルタやダブルパス構造を用いないで波長ルータ311ないし313を実現している。なお、誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス323、324、235、及び326は受信用に用いられている。また、参照番号315は光ファイバ、参照番号331ないし338はアッドロップポートを示している。
波長ルータ311は波長λ1、λ2、λ4、λ5を用いている。波長ルータ312は波長λ1、λ2、λ7、λ8を用いている。波長ルータ313は波長λ4、λ5、λ7、λ8を用いている。
低密度波長多重(CWDM)で好適に用いられる8つの波長、λ1=1470nm、λ2=1490nm、λ3=1510nm、λ4=1530nm、λ5=1550nm、λ6=1570nm、λ7=1590nm、λ8=1610nmから、λ1とλ2、λ4とλ5、λ7とλ8の3対の波長を選んだところに本発明の特徴がある。対となる波長同士をそれぞれ送信用波長と受信用波長として使用し、波長フィルタに実施例8に示した技法を使うことによって、対となる波長間のアイソレーション不足をまず補っている。さらに対となる波長間に一つ分だけ波長を空けることによってさらにアイソレーション不足を補っている。
もしも、連続して波長を使ったとすると、例えば図23に示したようなクロストーク340の問題が生じる。図23では波長ルータ311に波長λ2の光信号がドロップされていて、波長3の光がバイパスされている。ここで、波長λ2の光信号が遠方のノードからのもので大きく減衰していて、例えばその光強度が−30dBmであったとする。一方、波長λ3の光信号は近接ノードからのものでほとんど減衰しておらず0dBmの強度であったとする。波長λ2と波長λ3の間のアイソレーションは一段フィルタであるなら30dB程度しかないので、波長λ3からのクロストークと波長λ2の光信号強度がほぼ等しくなり、まともに受信することはできない。
低密度波長多重用の誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイスは、隣接波長には25ないし30dB程度のアイソレーションしかないが、非隣接波長に対しては50ないし60dB程度のアイソレーションがある。それで、本実施例のように波長λ3をつかわないとすると波長ルータ311をバイパスする波長は、全て非隣接波長となるため、上記のような問題が生じないのである。
図22の波長ルータは図6ないし図7で示したようにリング状の光ファイバ通信ネットワーク上にフルメッシュ型の通信経路を構成させるために用いることができる。さらに、図24に示す波長ルータと組み合わせればリング状の光ファイバ通信ネットワーク上にスター型の通信経路を構成することもできる。
図24にスター型通信路形成用の波長ルータ350を示す。送信用の誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス361及び364を外側に配置し、受信用誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス362及び363を内側に配置している。参照番号355は光ファイバ、参照番号365ないし368はアッドドロップポートを示している。
波長ルータ351は波長λ1、λ2、を用いている。波長ルータ352は波長λ4、λ5、を用いている。波長ルータ353は波長λ7、λ8を用いている。波長ルータ354は波長λ7、λ8を用いているが、波長ルータ353と送信用波長と受信用波長が反対になっている。
図25に波長ルータ311、351、352、353、及び354で形成した光通信ネットワークを示す。一本の光ファイバ361によって、波長ルータ311、351、352、353、及び354は接続されている。波長ルータ311を中心として波長ルータ351及び352はスター型に接続されている。波長ルータ311と波長ルータ351及び352の間にはそれぞれ冗長化された全二重通信経路362及び363が形成されている。一方、波長ルータ353及び354の間には、ポイント・ツー・ポイントの全二重通信経路364が形成されている。波長ルータ311、351、及び352からなるネットワークと、波長ルータ353及び354からなるネットワークは論理的には独立している。
図26に本発明の実施例10の波長ルータ(波長多重化器)を示す。本実施例は一本の光ファイバで異なる波長を用いて双方向伝送行うための波長多重化器である。本実施例は実施例9で示したCWDM波長を飛び飛びに使う手法を応用したものである。
誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス370は波長λ6(1570nm)を透過する。また、誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス380は波長λ4(1530nm)を透過する。誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス370の反射ポート372に波長λ4の送信光信号を入力している。また、誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス370の反射ポート382に波長λ4の送信光信号を入力している。光ファイバ378を伝搬してきた波長λ6の光信号は誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス370の入射ポート371を経て透過ポート373へと導かれる。光ファイバ378を伝搬してきた波長λ4の光信号は誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス380の入射ポート381を経て透過ポート383へと導かれる。
誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス370では図20において示したように反射ポートに入射した光信号は光学系の位置関係により透過ポート373へはほとんど漏れていかない。しかしながら、入射ポート371の近傍に反射点374がある場合、送信光信号376が反射点374で反射された光377に対しては、隣接波長なら25dB以上、非隣接波長なら50dB以上のアイソレーションが得られる。反射点374での反射量はガラス−空気界面のフレネル反射4%(−13dB)に達することがある。反射ポート372に入力する光信号が0dBmの光信号であったとすると隣接波長の場合はクロストークは最大−38dBmに達することになる。一方、誘電他フィルタ型スリーポートデバイス380から送られてきた光信号は光ファイバ378を伝搬する内に−35dBmまで減衰することがある。これではS/N比(信号対雑音比)が3dBしか取れず、まともに受信することができない。
しかしながら、本実施例では送信波長と受信波長をCWDM波長の非隣接波長であるλ4=1530nm及びλ6=1570nmとしているので、誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス370ないし380はアイソレーションが50dB以上とれることになる。するとS/N比も28dB以上取れることになり、良好な受信をするための条件、S/N比20dB以上(好ましくは25dB以上)を実現することができる。
本実施例によれば2波長を使って一本の光ファイバで双方向伝送を実現するのにそれぞれ一個の誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイスを用いるのでコスト削減の効果がある。また、非隣接波長を用いたので十分なアイソレーションを得ることができる。なお、用いる波長はCWDM波長の非隣接波長であればよく、λ4=1530nm及びλ6=1570nmに限定されないことは言うも出もない。
図27に本実施例を4波長の場合に適用した例を示す。波長多重化器390は誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス391、392、及び393から成り立っている。また、波長多重化器400は誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス401、402、及び403から成り立っている。また、用いている波長はITU−Tで定められたCWDM波長の中からλ3=1510nm、λ4=1530nm、λ6=1570nm、λ7=1590nmを選んでいる。
波長多重化器390は4本のポート395ないし398を備えている。ポート398から入力した波長λ4の光信号は、誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス393によってポート397から入力した波長λ3の光信号と多重化されて、誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス392、391を経てポート399へ出力され、光ファイバ410を経て波長多重化器400のポート409へと達する。また、波長多重化器400のポート409からの波長λ6及びλ7の光信号は光ファイバ410を経て、波長多重化器390のポート399に達し、次いで、誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス391と392によってそれぞれポート395、396へと導かれる。
波長多重化器400は4本のポート405ないし408を備えている。ポート408から入力した波長λ6の光信号は、誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス403によってポート407から入力した波長λ7の光信号と多重化されて、誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス402、401を経てポート409へ出力され、光ファイバ410を経て波長多重化器390のポート399へと達する。また、波長多重化器390のポート409からの波長λ4及びλ3の光信号は光ファイバ410を経て、波長多重化器400のポート409に達し、次いで、誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス401と402によってそれぞれポート405、406へと導かれる。
図27の構成によれば、3個の誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイスを用いて4波長の双方向伝送用波長多重化器を実現することができる。したがって、コスト削減を行うことができる。また、送信波長群と受信波長群の間に一波長分の間隔を置いたので十分なアイソレーションを得ることができる。
図28に本発明の実施例11の波長多重化器420を示す。この波長多重化器420は一本の光ファイバで上りと下りで波長を変えて双方向伝送を行うための波長多重化器である。実施例9及び実施例10で述べたようにCWDMでは非隣接波長では高いアイソレーションが得られるので、これを利用して双方向伝送時のアイソレーションの問題を解決することができる。
本実施例では、波長多重化器421において送信波長をλ1=1470nm、λ2=1490nm、λ3=1510nm、及びλ4=1530nmと選び、受信波長をλ5=1550nm、λ6=1570nm、λ7=1590nm、及び、λ8=1610nmと選んだ。また、波長多重化器421と対をなして用いられる波長多重化器422において、送信波長をλ5=1550nm、λ6=1570nm、λ7=1590nm、及び、λ8=1610nmと選び、受信波長をλ1=1470nm、λ2=1490nm、λ3=1510nm、及びλ4=1530nmと選んだ。
波長多重化器421は7個の誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス431ないし437から成り立っている。また、ポート441ないし444は波長λ1ないしλ4に対応する受信ローカルポート、ポート445ないし448は波長λ5ないしλ8に対応する送信ローカルポートである。また、ポート449は送受信リモートポートである。
波長多重化器421において、特に、波長λ4=1530nmの誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス434として、ダブルパス型の誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス434を用いている。ダブルパス型の誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイスは図15(a)に示したような構造をしていて、隣接波長に対しても高いアイソレーションを有している。これは波長λ4の場合は隣接波長であるλ5の光信号が用いられているため、送受信リモートポート449の近傍で反射が生じるとアイソレーション不足の問題が生じる場合があるために、この波長λ4には特に高い隣接波長アイソレーションを備える必要があるからである。他の波長については、隣接波長が反射されて戻ってくる心配がないために、通常の誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイスを用いている。また、波長多重化器421と対をなして用いられる波長多重化器422においてはλ5の波長の誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイスにダブルパス型誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイスを用いている。
なお、ダブルパス型誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイスに代えて単純な二段フィルタを用いたり、図15(b)に示すデュプリケート型誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイスを用いた二段フィルタを用いても良い。CWDM波長において連続した送信波長群と連続した受信波長群を設けた時に、境界となる波長の受信ポートにのみ高い隣接波長アイソレーションを有する誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイスを設ければよいのである。
図29は波長多重化器をパッチコードとして実装した実施例を示す。誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス間は光ファイバを融着して結線を行うのであるが、融着器にはある程度の長さの光ファイバが必要である。そのため、通常は長方形の箱の中に誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス群を設け、光ファイバを円弧状に配線している。これに対して、本実施例では、誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス群431、433、435、437をハウジング451に実装し、また、誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス群432、434、436をハウジング453に実装し、ふたつのハウジング間をコード452によって接続している。図29(a)は図28に示した波長多重化器の回路図を対応させた図であり、図29(b)は実際の実装の様子を示す図である。また、ハウジング451にはフック454を設け、ハウジング453にはフック455を設けてある。これらのフックは、ルータやスイッチなどの装置の前面パネルで光コネクタや適当な取り付け金具に引っかけられて保持されるための機具である。
図29(b)に示したパッチコード型の波長多重化器は、ふたつのハウジングをコードで接続した形なのでルータやスイッチなどの前面パネルなどにフレキシブルに取り付けることができるという利点がある。また、従来のように長方形の箱の中に実装した場合に比べて小型であるという利点がある。
2段フィルタやデュプリケート型誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイスをダブルパス型誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス434の代わりに用いるとハウジング453内にループ状の光ファイバの配線をしなくてはならず、ハウジングの大型化を招く。したがって、パッチコードとして図28の波長多重化器を実装する場合はダブルパス型誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイスの採用が望ましい。
なお、波長多重化器や光アッドドロップマルチプレクサなどの波長ルータを、図29のように誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス群を2群に分けてハウジングに実装し、ハウジング間をコードでつないで良いことは言うまでもない。すなわち、図29の構成は図28の回路構成に限定されることはない。
図30ないし図32を用いて本発明の実施例12の波長ルータ及び光通信ネットワークについて説明する。実施例9において図25を用いて説明したように、本発明の波長ルータを用いると、複数の論理的ネットワークトポロジーをリング状光ファイバネットワーク上に形成することができる。本実施例は波長数をより多く用いることのできる高密度波長多重(DWDM)を用いて、柔軟なネットワーク構造を形成するものである。
図30(a)において波長ルータ461ないし468が2本の光ファイバ471及び、472によって二重リング状に接続されている。実施例3において図9及び図8を用いて説明したネットワークと構造は類似している。実施例3との違いは、全ての波長ルータ間にフルメッシュ状のネットワークが形成されているのではないことである。まず、波長ルータ461、464、465、及び468の間に波長λ1ないしλ6を用いてフルメッシュネットワークが形成されている。また波長ルータ461を中心として波長ルータ462と463との間に第一のスター状ネットワーク(スター1)が波長λ7と波長λ8とを用いて形成されている。さらに波長ルータ468を中心として波長ルータ466と467との間に第二のスター状ネットワーク(スター2)が波長λ9と波長λ10とを用いて形成されている。このような波長配置を図30(b)に示す。
スター型のトポロジーは中心(親局)となる波長ルータには子局数Nの波長数をアッドドロップできる光アッドドロップマルチプレクサーを配置し、子局の波長ルータにはその子局を特定するひとつの波長だけをアッドドロップする光アッドドロップマルチプレクサーを配置する。したがって、最大N個の子局を収容するスター型トポロジーの親局はN波長の光アッドドロップマルチプレクサーを備える。ただし、一本の光ファイバで上りと下りの波長を変えて双方向伝送をする場合は、2N個の波長数が必要となる。
図31は、一例として波長ルータ461の内部構造を示す。入力ポート492aからの光信号はエルビウムドープファイバ光増幅器491aで増幅された後、第一の光アッドドロップマルチプレクサー(OADM)481a、第二の光アッドドロップマルチプレクサー(OADM)482aを経て出力ポート493aと送られる。第一の光アッドドロップマルチプレクサー(OADM)481aは波長λ1ないしλ6を用いてフルメッシュを形成するような波長配置を有している。一方、第二の光アッドドロップマルチプレクサー(OADM)482aは波長λ7とλ8を用いてスター1を形成するような波長配置を有している。
このように複数のネットワークトポロジーを図30のようなリング状光ファイバトポロジー上に形成するには、必要に応じて適当な波長配置を有する光アッドドロップマルチプレクサーを縦接続すれば良い。
なお、エルビウムドープファイバ光増幅器491b、光アッドドロップマルチプレクサー481b、482bはポート492bからの光信号に対して上記と同様の光増幅、アッドドロップを行っている。
図32は本実施例の変形例の波長ルータである。この図では波長ルータの半分、すなわち、図32上の左側からの光信号を増幅、光アッドドロップして右側へ送る機能部分のみを示している。実際には、図32上の右側からの光信号を増幅、アッドドロップすべく、図示しない光増幅器と光アッドドロップマルチプレクサーが波長ルータには備えられている。
さて、図32(a)においてはエルビウムドープファイバ光増幅器491cの後段に第一の光アッドドロップマルチプレクサー483が接続されている。この光アッドドロップマルチプレクサー483は図8に示した光アッドドロップマルチプレクサー101と同様の構造をしており、波長λ1ないしλ28を用いて8個のノード(波長ルータ)間にフルメッシュ状のネットワークを形成している。光アッドドロップマルチプレクサー483の後段には第二の光アッドドロップマルチプレクサー484が接続されている。
この第二の光アッドドロップマルチプレクサー484は図32(b)に示すような構造を有している。2つのアレイ状導波路回折格子485aと485bからなる光アッドドロップマルチプレクサーである。この2つのアレイ状導波路回折格子485aと485bは波長λ29からλ44の16波長をマルチプレクス及びデマルチプレクスすることができる。アッドドロップしない波長は2つのアレイ状導波路回折格子485aと485bの対応するポート間を光ファイバで短絡し、アッドドロップする波長は対応するポートを外部に引き出している。
なお、アレイ状導波路回折格子に代えて、誘電体薄膜スリーポートデバイスを多重縦接続して形成した波長多重化器や、ファイバーブラッググレーティングフィルタを多重縦接続した波長多重化器などを用いても良い。要は波長多重化器(マルチプレクサー、デマルチプレクサー)を向かい合わせにすればよいのである。
図32(a)及び、図32(b)のような構成としたので、図32(c)に示すような波長配置を実現することができる。すなわち、波長λ1ないしλ28を用いてフルメッシュのネットワークを構築し、波長λ29ないしλ44を用いてさらに追加の通信経路を任意に設けることができるのである。
フルメッシュ用光アッドドロップマルチプレクサー、スター用光アッドドロップマルチプレクサー、フリー用光アッドドロップマルチプレクサーなどを任意に縦接続することによりリング状光ファイバネットワーク上に様々な通信経路を波長多重によって実現することができる。
図30(b)や図32(c)において、各トポロジー形態(フルメッシュ、スター、フリーなど)に用いられる波長として連続した波長配置を示した。しかしながら、この波長配置は連続である必要はない。必要な数の波長を要素とする集合によって各トポロジー形態を実現することができ、各波長が物理的に連続していなくてはならない必要はない。
また、フルメッシュやスターなどのトポロジーの個数に制限は無く、フルメッシュを2個あるいはそれ以上の数、備えるようにすることも差し支えない。
図33に本発明の実施例13の波長ルータを示す。これまで述べてきたフルメッシュ型やスター型用の波長ルータ(光アッドドロップマルチプレクサー)、は図33に示す基本構成要素の縦接続で実現することができる。
図33(a)は2本の光ファイバを用いて構成したネットワーク用の光アッドドロップマルチプレクサーの基本構成要素500である。基本構成要素500は4つの誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス501ないし504から成り立っている。4つの誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス501ないし504は波長λiの波長の誘電体薄膜フィルタを備えている。
誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス501の反射ポートは誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス502の反射ポートに接続されている。誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス504の反射ポートは誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス503の反射ポートに接続されている。誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス501の入射ポートはこの基本要素の入力ポートのひとつとなり、誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス504の入射ポートはこの基本要素500の入力ポートの別のひとつとなる。誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス502の入射ポートと誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス503の入射ポートはそれぞれこの基本要素500の出力ポートとなる。誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス501ないし504の透過ポートはアッドドロップポートとなる。
図33(b)は一本の光ファイバを用いて上りと下りで異なる波長を用いて双方向伝送を行うタイプのリング状光ファイバ通信ネットワークに適用される光アッドドロップマルチプレクサーの基本構成要素510を示す。基本構成要素510は4つの誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス501ないし504から成り立っている。誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス511と513は波長λiの誘電体薄膜フィルタを備え、誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス512と514は波長λjの誘電体薄膜フィルタを備えている。
誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス511の反射ポートは誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス512の入射ポートに接続されている。誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス512の反射ポートは誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス513の反射ポートに接続されている。誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス513の入射ポートは誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス514の反射ポートに接続されている。誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス511の入射ポートはこの基本要素510の入出力ポートのひとつとなり、誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス514の入射ポートはこの基本要素の入出力ポートの別のひとつとなる。誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス511ないし514の透過ポートはアッドドロップポートとなる。
基本構成要素500を2組用いると2本の光ファイバを用いた二重リング状光ファイバ通信ネットワーク上にポイント・ツー・ポイントの冗長化通信経路を実現できる。ポイント・ツー・ポイントは「線」に例えることができるわけで、この線を組み合わせることによってフルメッシュにせよスターにせよ任意のトポロジーを構築することができるのである。
基本構成要素510の同様に2組用いると1本の光ファイバを用いたリング状光ファイバ通信ネットワーク上にポイント・ツー・ポイントの冗長化通信経路を実現できる。ポイント・ツー・ポイントは「線」に例えることができるわけで、この線を組み合わせることによってフルメッシュにせよスターにせよ任意のトポロジーを構築することができるのである。
なお、図33の基本要素500ないし510と同等の光学回路を自由空間光学系、ガラスブロック上に誘電体薄膜フィルタを取り付けた構造を利用した自由空間光学系、ガラスやプラスチックなどから成る平面光導波路上に実現することもでき、本発明はこれらの実現例も含むことは言うまでもない。
図34に本発明の実施例14の光通信ネットワークを示す。基地局1002と光信号分岐回路ユニット1001aないし1001dが光ファイバ1004によって直列に接続されている。光信号分岐回路ユニット1001aないし1001dには、それぞれクライアント局群1003aないし1003dがそれぞれ接続されている。
図35に光信号分岐回路ユニット1001の内部構造を示す。光信号分岐回路ユニット1001は誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス1011及び1012、送信波長がCWDM(低密度波長多重)波長であるCWDM光トランシーバ1013、送信波長が1.5μmの波長である1.5μm光トランシーバ1014、WDM(波長多重)光ファイバカプラ1015、32分岐のツリーカプラ1016から成り立っている。ポート1017は基地局に違い側のポートであり、ポート1018は次段の光信号分岐回路ユニットへと接続されるポートである。ポート群1021はクライアント局群に接続されるポートである。
誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス1011及び1012は図45(a)に示したものと同様の内部構造を有し、図45(b)のように簡略化したシンボルで示す。
図36は基地局1002内に設けられた波長多重化装置1040を示す図である。ローカル光トランシーバ1041aないし1041d、リモート用CWDM(低密度波長多重)光トランシーバ1042aないし1042d、及び波長多重化器43とから成り立っている。ローカル光トランシーバ1041aないし1041dの左側には図示しないPONスイッチが接続されている。CH1ないしCH4はPONの各チャネルを示している。
図示しないPONスイッチからのCH1ないしCH4の光信号はローカル光トランシーバ1041aないし1041dによって電気信号に変えられた後、リモート用CWDM(低密度波長多重)光トランシーバ1042aないし1042dによってITU−Tによって定められたCWDM波長の内から選ばれたλ1、λ3、λ5、λ7の波長に変換され、波長多重化器43によって波長多重化された後、光ファイバ1004を経て、それぞれ光信号分岐回路ユニット1001aないし1001dへと送られる。ここで光トランシーバのRは光信号の受信ポート、Tは光信号の送信ポート、Rxは光信号の受信号に対応する電気信号の出力ポート、Txは光信号の送信信号に対応する電気信号の入力ポートである。
また、光信号分岐回路ユニット1001aないし1001dからはそれぞれ波長λ2、λ4、λ6、λ8の光信号が光ファイバ1004を経て送られてくる。この波長λ2、λ4、λ6、λ8もITU−Tによって定められたCWDM波長の内から選ばれた波長を用いている
ITU−Tでは、CWDM波長は1270nmから1610nmまでの20nmおきの波長が定められている。ITU−Tで定められたCWDM波長の内、1470nmから1610nmまでの8波長が特によく使われている。本実施例では、λ1=1470nm、λ2=1490nm、λ3=1510nm、λ4=1530nm、λ5=1550nm、λ6=1570nm、λ7=1590nm、λ8=1610nmを用いている。
光ファイバ1004を経て送られた光信号は図35に示すような光信号分岐回路ユニット1001によってドロップされる。例えば、光信号分岐回路ユニット1001aは波長λ1の光信号を誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス1011によってドロップする。一方、誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス1012によって波長λ2の光信号がアッドされて基地局1002側へと送られる。光信号分岐回路ユニット1001a内のCWDM(低密度波長多重)光トランシーバ1013はλ2の光信号を送信するようになっている。CWDM(低密度波長多重)光トランシーバ1013と1.5μm光トランシーバ1014とは背中合わせに組み合わされている。CWDM(低密度波長多重)光トランシーバ1013によって受信された光信号は電気信号に変換されて1.5μm光トランシーバ1014に送られて1.5μmの波長に変えられてWDM光ファイバカプラ、ツリーカプラ1016を経てクライアント局群1003aへと送られる。
光信号分岐ユニット1001bでは波長λ3の光信号をドロップし波長λ4の光信号をアッドする。光信号分岐ユニット1001cでは波長λ5の光信号をドロップし波長λ7の光信号をアッドする。光信号分岐ユニット1001dでは波長λ7の光信号をドロップし波長λ8の光信号をアッドする。
クライアント局群1003aからの波長1.3μmの光信号はツリーカプラ1016、WDMカプラ1015を経て1.5μm光トランシーバ1014の受信ポート(R)へと送られる。この波長1.3μmの光信号は1.5μm光トランシーバ1014で電気信号に変換された後、CWDM(低密度波長多重)光トランシーバ1013によって波長λ1の光信号に変えられて誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス1012を経て基地局1002へと送られる。
上記のように構成されたので、本実施例では一本の光ファイバで4チャネルのTDM信号を送受信することができる。各チャネルで32局までのクライアント局を収容できるので合計128局までのクライアント局が収容可能である。したがって、光ファイバ敷設費用を削減に効果がある。
図37に本発明の実施例15の光信号分岐回路5を示す。光信号分岐回路ユニット5は誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス1011及び1012、CWDM(低密度波長多重)光トランシーバ1013、WDM(波長多重)光ファイバカプラ1015、32分岐のツリーカプラ1016から成り立っている。ポート1017は基地局に違い側のポートであり、ポート1018は次段の光信号分岐回路ユニットへと接続されるポートである。ポート群1021はクライアント局群に接続されるポートである。
光信号分岐回路ユニット5と光信号分岐回路ユニット1001の違いは、光信号分岐回路ユニット1050とは1.5μm光トランシーバ1014を備えておらず、CWDM(低密度波長多重)光トランシーバ1013だけでツリーカプラ1016からの基地局への上りの光信号の波長変換(1.3μm→CWDM波長)を行っている点である。CWDM(低密度波長多重)光トランシーバ1013のTx端子とRx端子が短絡されており、CWDM(低密度波長多重)光トランシーバ1013の光信号入力ポート(R)に入力した波長1.3μmの光信号は、CWDM波長の光信号λjに変換されて誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス1012を経て基地局へと送られる。
また、基地局から送られたCWDM波長λiの光信号は誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス1011を経てWDM光ファイバカプラ1015を経てツリーカプラ1016へと送られる。一般に光信号を受信するのに用いられるフォトダイオードはCWDM波長全域(1270−1610nm)にわたる広い波長範囲に感度を有しているので、上記のように構成してもクライアント局側の受信に問題は生じない。
本実施例では、フォトダイオードのこの特徴を利用して、1.5μm光トランシーバ1014を省略してコスト削減をしたことに主な特徴がある。なお、CWDM(低密度波長多重)光トランシーバ1013のRx端子とTx端子の間に図示しないクロック再生リタイミング回路を設けても良い。クロック再生リタイミング回路を設けることによって、光信号の歪みを補正することができる。また、WDM光ファイバカプラ1015に変えて誘電他薄膜フィルタ型スリーポートデバイスなどの他の波長多重化手段を用いても良い。
本実施例の構成によれば、実施例14の場合に比べて光信号分岐ユニット中から1.5μm光トランシーバを省略することができ、コスト削減の効果がある。
図38ないし図39を用いて本発明の実施例16について説明する。図38は光信号分岐回路ユニット1050a、1050b、1050c、1050dの内部構造を及びこれらの光信号分岐回路ユニットからなる光通信ネットワークを示している。図39には基地局内に設けられる波長多重化装置を示している。
本実施例では、下り信号に4つの波長を用い、上り信号には一つの波長を用いており、上りと下りで非対称な伝送容量を実現している。また、光信号分岐回路が完全な受動回路で構成されている。
図38において、参照番号1051a、1051b、1051cはそれぞれ波長λ1、λ2、λ3を透過波長とする誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス、参照番号1052a、1052b、1052cはそれぞれ波長λ1、λ2、λ3を透過波長とする誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス、参照番号1053aないし1053c及び1054aないし1054cはλ0を透過波長とする誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス、参照番号1055a、1055b、1055cはそれぞれ分岐比3:1、2:1、1:1の光ファイバカプラ、そして、参照番号1056aないし1056dは8分岐のツリーカプラである。
基地局からの下りの光信号の内、波長λ1の光信号は光信号分岐回路ユニット1050a内の誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス1051aによってドロップされて、誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス1052aを経てツリーカプラ1056aによって分岐されて図示しないクライアント局群に送られる。
基地局からの下りの光信号の内、波長λ2の光信号は光信号分岐回路ユニット1050b内の誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス1051bによってドロップされて、誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス1052bを経てツリーカプラ1056bによって分岐されて図示しないクライアント局群に送られる。
基地局からの下りの光信号の内、波長λ3の光信号は光信号分岐回路ユニット1050c内の誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス5cbによってドロップされて、誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス1052cを経てツリーカプラ1056cによって分岐されて図示しないクライアント局群に送られる。
基地局からの下りの光信号の内、波長λ4の光信号は光信号分岐回路ユニット1050d内のツリーカプラ1056dによって分岐されて図示しないクライアント局群に送られる。
一方、光信号分岐回路ユニット1050dに接続されている図示しないクライアント局群からの上りの波長λ0dの光信号は、光信号分岐回路ユニット1050d内のツリーカプラ1056dを経て、光信号分岐回路ユニット1050c内の誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス1054cでドロップされて光ファイバカプラ1055cに送られる。光信号分岐回路ユニット1050cに接続されている図示しないクライアント局群からの上りの波長λ0cの光信号は、ツリーカプラ1056c、誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス1052cの反射ポートを経て光ファイバカプラ1055cに送られる。光ファイバカプラ1055cによって、光信号分岐回路ユニット1050dの上り信号と光信号分岐回路ユニット1050cの上り信号とは合流される。合流された上り信号は、誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス1053cによって基地局側へ送られる。
光信号分岐回路ユニット1050dと1050cの上り信号の合流信号は、光信号分岐回路ユニット1050b内の誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス1054bでドロップされて光ファイバカプラ1055bに送られる。光信号分岐回路ユニット1050bに接続されている図示しないクライアント局群からの上りの波長λ0bの光信号は、ツリーカプラ1056b、誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス1052bの反射ポートを経て光ファイバカプラ1055bに送られる。光ファイバカプラ1055bによって、光信号分岐回路ユニット1050d及び1050cの上り信号と光信号分岐回路ユニット1050bの上り信号とは合流される。合流された上り信号は、誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス1053bによって基地局側へ送られる。
光信号分岐回路ユニット1050d、1050c、1050bの上り信号の合流信号は、光信号分岐回路ユニット1050a内の誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス1054aでドロップされて光ファイバカプラ1055aに送られる。光信号分岐回路ユニット1050aに接続されている図示しないクライアント局群からの上りの波長λ0aの光信号は、ツリーカプラ1056a、誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス1052cの反射ポートを経てm光ファイバカプラ1055aに送られる。光ファイバカプラ1055aによって、光信号分岐回路ユニット1050d、1050c、1050bの上り信号と光信号分岐回路ユニット1050aの上り信号とは合流される。合流された上り信号は、誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス1053aによって基地局側へ送られる。
なお、波長λ0は波長1310nm±40nm程度の範囲の波長である。これはクライアント局には安価だが波長精度の低いファブリーペローレーザーを用いるためである。波長λ0aないしλ0dは光信号の流れを説明する上で区別しているのみで、波長は1310nm±40nm程度の範囲に含まれている。
上記のように図38の光通信ネットワークは動作するので、波長λ1からλ4の下り信号はそれぞれ8分岐されてクライアント局に送られ、最大32局のクライアント局からの波長λ0の光信号がひとつに合流されて基地局へと送られる。
図39には基地局側に組み込まれる波長多重化装置の構造を示す。CWDM光トランシーバ1057aないし1057dと波長多重化器1058とから成り立っている。CWDM光トランシーバ1057aないし1057dはRx端子とTx端子とが短絡されており、ひとつの光トランシーバで波長変換が実現されている。CH1からCH4の下り信号、CH0の上り信号が波長多重化器1058によって多重化されている。
本実施例によれば、光信号分岐回路を全て受動部品で構成しているので、光信号分岐回路への電源供給の必要が無く、また、信頼性も高い。また、下りの信号に4波、上り信号に1波用いているので、下りの帯域幅を広く取ることができる。例えば、1波あたり100Mbpsの伝送速度であったとすると、上りは100Mbpsを32局でシェアし、下りは100Mbpsを8局でシェアすることになる。一般に基地局からの下り信号の方が広帯域を要求されることが多いので、このような伝送容量の配置は経済的効果が大きい。
図40に本発明の実施例17の光信号分岐回路ユニット1060aないし1060dの内部構造及び、これら光信号分岐回路ユニットからなる光通信ネットワークを示す。
図40において、参照番号1061a、1061b、1061cはそれぞれ波長λ1、λ2、λ3を透過波長とする誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス、参照番号1062a、1062b、1062cはそれぞれ波長λ1、λ2、λ3を透過波長とする誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス、参照番号1063aないし1063b、1064a、及び1064cはλ0を透過波長とする誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス、参照番号1063cはλ5を透過波長とする誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス、参照番号1065aと1065cは分岐比1:1の光ファイバカプラ、参照番号1066aないし1066dは8分岐のツリーカプラ、そして、参照番号1067はCWDM光トランシーバである。
光信号分岐回路ユニット1060aは実施例16の光信号分岐回路ユニット1050aと同様の構成を有しており、光ファイバカプラ1065aの分岐比が1:1である点のみが光信号分岐回路ユニット1050aと異なる。光信号分岐回路ユニット1060dは実施例16の光信号分岐回路ユニット1050dと同等の構造をしている。光信号分岐回路ユニット1060bと1060cが実施例16と異なる構造を有している。
光信号分岐回路ユニット1060cにおいて、実施例16と同様の仕組みによって光ファイバカプラ1065cに光信号分岐回路1060dと1060cの上り信号が合流される。この合流された光信号はCWDMトランシーバ1067によって波長λ5の光信号に変換された後、誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス1063cを経て基地局側へと送られる。このように光信号分岐回路ユニット1060dと1060cの上り信号のみを合流させて波長変換して基地局へ送る点が実施例16との主要な相違点である。
光信号分岐回路ユニット1060bでは、ツリーカプラ1066bからの波長λ0bの上り信号が誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス1062bの反射ポート、誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス1063bを経て基地局側へ送られる。光信号分岐回路ユニット1060aでは、光信号分岐回路ユニット1060bから送られてきた波長λ0bの光信号は、誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス1064aでドロップされた後、光ファイバカプラ1065aへと送られる。また、ツリーカプラ1066aからの波長λ0aの上り信号が誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス1062aの反射ポートを経て光ファイバカプラ1065aへと送られる。光ファイバカプラ1065aではλ0bとλ0aの光信号が合流された後、誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス1063aでアッドされて基地局側へと送られる。
本実施例の光通信ネットワークは上記のように構成されているので、下りの光信号はλ1ないしλ4の4波長の光信号がそれぞれ8分岐されてクライアント局側へ伝えられる。また、λ0とλ5の2波長の光信号にそれぞれ16局ずつ分のクライアント局の上り信号が合流されて基地局へと送られる。
本実施例によれば、下りと上りに割り当てる波長数を任意に変えることができるという効果がある。
図41及び図42を用いて本発明の実施例18の光信号分岐回路ユニットと光通信ネットワークを説明する。図41は本実施例の光通信ネットワークの構成を示す図である。また、図42は本実施例の光信号分岐回路ユニット1071の内部構造を示す図である。
図41において、参照番号1071a、1071b、1071c、及び1071dは本実施例の光信号分岐回路ユニットであり、参照番号1072は基地局である。基地局1072と光信号分岐回路ユニット1071aないし1071dは光ファイバ1074によってリング状に接続されている。また、各光信号分岐回路ユニット1071aないし1071dにはそれぞれクライアント局群1073aないし1073dが接続されている。
図42において、参照番号1081、1083は透過波長λiの誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイスであり、参照番号1082、1084は透過波長λjの誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイスであり、参照番号1085、1086は送信波長λjのCWDM光トランシーバであり、参照番号1087はクロスポイントスイッチ及び制御部であり、参照番号1088、1089は送信波長1.5μmの光トランシーバであり、参照番号1090、1091はWDM光ファイバカプラであり、参照番号1092、1093は32分岐のツリーカプラであり。また、参照番号1096は左回りの伝送経路用の入出力ポート、参照番号1097は右回りの伝送経路用の入出力ポート、参照番号1094及び1095はクライアント局群への入出力ポートである。
図41及び図42の構成によれば、波長λiと波長λjの2波長を使って、基地局1072から光信号分岐回路ユニット1071に対して右回りと左回りの2方向で通信経路を形成することができる。したがって、実施例14などの場合に比べて、同じ波長数で2倍の通信容量が実現できるばかりでなく、リング状のファイバの一カ所が切断された場合でも、右回りもしくは左回りのどちらかの経路は生き残ることになり冗長化された通信ネットワークが実現できるという利点がある。
図42において、右回りの伝送経路用の入出力ポート1096からの波長λiの光信号は誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス1081によってドロップされて、CWDM光トランシーバ1085の受信ポート(R)を送られる。電気信号に変換された波長λiの光信号は、CWDM光トランシーバ1085のRx端子からクロスポイントスイッチ及び制御部1087を経て、通常は光トランシーバ1088へ送られる。そして波長1.5μmの波長に変換されてWDM光ファイバカプラ1090、ツリーカプラ1092を経てクライアント局群への入出力ポート1094へと送られる。
反対にクライアント局群から入出力ポート1094へと送られてきた、波長1.3μmの光信号はツリーカプラ1092、WDM光ファイバカプラ1090、光トランシーバ1088、クロスポイントスイッチ及び制御部1087を経て、通常はCWDM光トランシーバ1085へ送られて、波長λjの光信号に変換される。この波長λjの光信号は誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス1082によってアッドされて右回りの伝送経路用の入出力ポート1096へと送られる。
図42において、左回りの伝送経路用の入出力ポート1097からの波長λiの光信号は誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス1083によってドロップされて、CWDM光トランシーバ1086の受信ポート(R)を送られる。電気信号に変換された波長λiの光信号は、CWDM光トランシーバ1086のRx端子からクロスポイントスイッチ及び制御部1087を経て、通常は光トランシーバ1089へ送られる。そして波長1.5μmの波長に変換されてWDM光ファイバカプラ1091、ツリーカプラ1093を経てクライアント局群への入出力ポート1095へと送られる。
反対にクライアント局群から入出力ポート1095へと送られてきた、波長1.3μmの光信号はツリーカプラ1093、WDM光ファイバカプラ1091、光トランシーバ1089、クロスポイントスイッチ及び制御部1087を経て、通常はCWDM光トランシーバ1086へ送られて、波長λjの光信号に変換される。この波長λjの光信号は誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス1084によってアッドされて右回りの伝送経路用の入出力ポート1097へと送られる。
図41のリング状光ファイバ1074がどこかで切断されて右回りない左回りの光通信経路のいずれかが遮断された場合、クロスポイントスイッチ及び制御部1087は、生きている通信経路の光トランシーバ1088および1089を並列に接続するように動作する。通信経路の遮断はCWDM光トランシーバ1085ないし1086からの図示しないリンク信号検出機構によって検出することができる。なお、図41の基地局1072内には図36で示した波長多重化装置1040に相当する装置が2系統設けられている。
図42の光信号分岐回路ユニットにおいて、誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス1081と1083をひとつのデュプリケート型誘電体フィルタ型スリーポートデバイスで構成することもできる。また、誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス1082と1084をひとつのデュプリケート型誘電体フィルタ型スリーポートデバイスで構成することもできる。
デュプリケート型誘電体フィルタ型スリーポートデバイスについては実施例5において図13を用いて説明した。
デュプリケート型誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイスを本実施例の光信号分岐回路ユニットに用いることによって、部品点数を削減しコストを低下させることができるという利点がある。
図43を用いて本発明の実施例20の光通信ネットワークを説明する。図43において、基地局側通信装置1501からの光信号は2×2光スイッチ1502を経て光ファイバ(通常経路)1505または光ファイバ(バックアップ経路)1504を経て2×n分岐のスプリッター1508を経てクライアント局9へと接続されている。クライアント局は通常、32局程度がひとつのスプリッター1508に接続されている。したがって、通常はn=32となるが、nは2以上の任意の整数を取ることができる。また、2×2光スイッチ1502には監視装置(OTDR)装置1503が接続されると共に、光ファイバ(通常経路)1505と2×n分岐のスプリッター1508との間には監視光(OTDR光)カットフィルタ1507が、光ファイバ(バックアップ経路)1504と2×n分岐のスプリッター1508との間には監視光(OTDR光)カットフィルタ1506がそれぞれ設けられている。
基地局側通信装置1501はPON(Passive Optical Network)においてOLT(Optical Line Terminal)と呼ばれる装置であり、クライアント局1509にはPONにおいてONU(Optical Network Unit)と呼ばれる装置が設けられている。PONでは基地局側通信装置(OLT)1501からの信号が2×n分岐のスプリッター1508によって多数(32局程度)のクライアント局(ONU)1509に分配されることになる。また、クライアント局(ONU)1509からの信号は2×n分岐のスプリッター1508によって集められて基地局側通信装置(OLT)1501に送られる。
図43の本実施例では、2×2光スイッチ1502によっていわゆるプロテクションメカニズムを実現している。もしも光ファイバ(通常経路)1505に断線などが生じたなら、2×2光スイッチ1502によって信号の伝送経路を光ファイバ(バックアップ経路)1504と切り替えることができる。そして、監視装置(OTDR)装置1503は光ファイバ(通常経路)1505に接続されるので、OTDR(Optical Time Domain Reflectometry)によって光ファイバの断線箇所を調べることができるのである。監視光(OTDR光)は監視光(OTDR光)カットフィルタ1506ないし1507によってカットされるので、監視光(OTDR光)が2×n分岐のスプリッター1508を越えてクライアント局1509側へ送られることはなく、PONの運用をしながら光ファイバ断線箇所の検出を行うことができる。
なお、プロテクションを行うには監視装置(OTDR)装置1503は必須ではない。1×2の光スイッチを用いて監視装置(OTDR)装置1503を省略しても、通常経路断線時にバックアップ経路への切り替えを行うことはできるからである。また、光スイッチによる切り替えではなく、電気的スイッチによる切り替えによってプロテクションを実現することもできる。基地局側通信装置(OLT)1501に光トランシーバを2系統用意しておき、それぞれのトランシーバを通常経路とバックアップ経路とに接続しておき、異常発生時に経路を切り替えれば良いのである。
本実施例によれば、PONにおいて、基地局側通信装置(OLT)1501と2×n分岐のスプリッター1508との間に、光ファイバ(通常経路)1505と光ファイバ(バックアップ経路)1504とを設け、光ファイバの断線などの異常発生時に通常経路からバックアップ経路への切り替え(プロテクション)を行うことができる。また、2×2光スイッチの一端に監視装置(OTDR)装置1503を設けておくことにより、PONの運用を停止せずに異常の生じた経路の断線箇所検知を行うことができるという効果がある。
なお、この発明は上述の実施例に限定されるものではなくその趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。
本発明の実施例1の波長ルータの内部構成を示す図である。
本発明の実施例1の二重リング状光通信ネットワークを示す図である。
波長ルータ21と波長ルータ22の間の波長ルーティングを示す図である。
本発明の実施例1における波長ルーティングパスを示す図である。
本発明の実施例2の波長ルータの内部構成を示す図である。
本発明の実施例2のリング状光通信ネットワークを示す図である。
本発明の実施例2における波長ルーティングパスを示す図である。
本発明の実施例3の波長ルータの内部構成を示す図である。
本発明の実施例3の二重リング状光通信ネットワークを示す図である。
本発明の実施例4の波長ルータの内部構造を示す図である。
光アッドドロップマルチプレクサーのアイソレーション不足の問題を示す図である。
本発明の実施例4における光増幅器の利得制御機構を示す図である。
デュプリケート誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイスの構造を示す図である。
本発明の実施例5の波長ルータを示す図である。
本発明の実施例6であるデュプリケート型のダブルパス型の誘電体薄膜フィルタスリーポートデバイスを示す図である。
本発明の実施例7のボックスに実装された波長ルータを示す図である。
別のボックスに実装された波長ルータを示す図である。
パッチコードとして実装された波長ルータを示す図である。
双方向伝送光ファイバ通信ネットワークを示す図である。
誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイスにおける透過光と反射光の関係を示す図である。
実施例8のボックスに実装された波長ルータ(波長多重化器)を示す図である。
本発明の実施例9の波長ルータ(光アッドドロップマルチプレクサー)を示す図である。
波長ルータ311におけるクロストークの問題を示す図である。
スター型通信路形成用の波長ルータを示す図である。
波長ルータ311、351、352、353、及び354で形成した光通信ネットワークを示す図である。
本発明の実施例10の波長ルータ(波長多重化器)を示す図である。
本発明の実施例10の4波長の波長ルータ(波長多重化器)を示す図である。
本発明の実施例11の波長ルータ(波長多重化器)を示す図である。
本発明の実施例11の波長多重化器をパッチコードとして実装した実施例を示す図である。
本発明の実施例12の光通信ネットワークを示す図である。
本発明の実施例12の波長ルータの内部構造を示す図である。
本発明の実施例12の波長ルータの変形例を示す図である。
本発明の実施例13の波長ルータを示す図である。
本発明の実施例14の光通信ネットワークを示す図である。
光信号分岐回路ユニット1001の内部構造を示す図である。
基地局1002内に設けられた波長多重化装置1040を示す図である。
本発明の実施例15の光信号分岐回路の内部構造を示す図である。
本発明の実施例16の光信号分岐回路及び光通信ネットワークを示す図である。
本発明の実施例16で基地局内に組み込まれる波長多重化装置の構造を示す図である。
本発明の実施例17の光信号分岐回路ユニット及び光通信ネットワークを示す図である。
本発明の実施例18の光通信ネットワークの構成を示す図である。
本発明の実施例の光信号分岐回路ユニット1071の内部構造を示す図である。
本発明の実施例19の光通信ネットワークを説明する図である。
従来の光アッドドロップマルチプレクサーを示す図である。
従来の誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス620の構造を示す図である。
従来の受動型光ファイバ通信ネットワーク(PON)を示す図である。
符号の説明
1−12…誘電体薄膜フィルタ型スリーポートデバイス
20、21−24…波長ルータ
25…外周側光ファイバ
26…内周側光ファイバ
25a、25b、26a、26b…光ファイバ
30、31−34…ローカルポート群
41−44…スイッチあるいはルータ
45…着脱自在の光トランシーバ
50、51、52…波長ルーティングパス