JPWO2004111024A1 - チアジアゾリン誘導体 - Google Patents

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智久 仲野
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徹也 辻田
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Abstract

一般式(I)[式中、R1は水素原子などを表し、R2は水素原子、−COR5(式中、R5は低級アルキルなどを表す)などを表し、R3は低級アルキルなどを表し、R4はアリールなどを表し、Aは−(CH2)n−(式中、nは1〜6の整数を表す)などを表し、Bは−NR6R7(式中、R6およびR7は同一または異なって、水素原子、低級アルキルなどを表す)などを表す]で表されるチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩を提供する。

Description

本発明は腫瘍の治療などに有用なチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩に関する。
臨床上重要な抗癌剤であるビンカアルカロイド類やタキサン類などの薬剤は微小管と結合し、微小管を構造ユニットとする紡錘体の機能を阻害する作用を有している。紡錘体機能は細胞分裂時(細胞周期M期)における中心体の局在や染色体の正確な分離に必須であり、その機能の阻害は、正常な細胞分裂を阻害し癌細胞に細胞死を誘導することが知られている[バイオケミカル・バイオフィジカル・リサーチ・コミュニケーションズ(Biochem.Biophys.Res.Commun.)、263巻、398ページ(1999年)]。
微小管はM期紡錘体の構成分子としてだけでなく、細胞形態の維持や細胞内物質輸送および神経線維の軸索輸送にも関わっているため、微小管作用性の抗癌剤は癌細胞に作用するだけでなく正常細胞に対しても副作用を及ぼす。例えば、微小管作用薬に特徴的な副作用として、神経線維の軸索輸送の阻害による末梢神経障害が臨床上問題となっている。したがって、微小管以外の、細胞周期M期における紡錘体機能制御に重要な分子に作用し、既存の微小管作用性抗癌剤と同様に紡錘体機能を阻害する薬剤は、既存抗癌剤に見られる微小管作用に由来する上記副作用を回避した新しい抗癌剤になると期待される。
M期キネシンはM期紡錘体制御に関わる蛋白質であり、細胞周期のM期進行において必須の役割を担っている。これら蛋白質は、ATP加水分解により生じたエネルギーを利用して、微小管に沿って蛋白質を移動させる機能を有しており、一般に「分子モーター」と呼ばれる機能蛋白質の一群である。M期においては、紡錘体の伸長と維持および紡錘体極と呼ばれる構造体形成に深く関わっており、さらに紡錘体微小管に沿った染色体の移動を通して、正しい細胞分裂の進行を制御している。
M期キネシンイージーファイブ(Eg5)は、進化上保存されたサブファミリーを形成するM期キネシンの一つである。Eg5はホモ四量体の双極性分子であって、2本の同じ向きの微小管を架橋して+(プラス)端方向へ移動させ、逆平行に並んだ2本の微小管の間でスライディングを起こし、微小管の−(マイナス)端同士を遠ざけることで、紡錘体極を分離し、双極性の紡錘体構造の形成に関与することが知られている。このようなEg5の機能については、抗体導入実験や特異的阻害剤を用いたヒト細胞の解析から明らかにされている[セル(Cell)、83巻、1159ページ(1995年);ジャーナル・オブ・セル・バイオロジー(J.Cell Biol.)、150巻、975ページ(2000年);実験医学、17巻、439ページ(1999年)]。
ヒトEg5の遺伝子は1995年にクローニングされ、昆虫細胞を用いた全長のヒトEg5組換え蛋白質の発現とそれを利用した機能解析が報告されている[セル(Cell)、83巻、1159ページ(1995年)]。遺伝子はGenBankaccession number:X85137、NM004523、U37426として公的データベースに登録されている。ヒトEg5と相同性が高いアフリカツメガエル由来のEg5を用いた解析[プロシーディングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシーズ・オブ・ユーエスエー(Proc.Natl.Acad.Sci.USA)、96巻、9106ページ(1999年);バイオケミストリー(Biochemistry)、35巻、2365ページ(1996年)]と同様の手法を用い、大腸菌を用い発現させたヒトEg5のN末端部分を利用し、Eg5に関する生化学的解析および結晶構造解析が報告されている[ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J.Biological Chemistry)、276巻、25496ページ(2001年);ケミストリー・バイオロジー(Chemistry&Biology)、9巻、989ページ(2002年)]。
ヒト正常組織におけるEg5の発現は、精巣や胸腺などに限定されることが知られており、また、癌患者の組織を解析した結果より、ヒトEg5は非癌部に比べ癌部において高い発現を示すことが報告されている[プロシーディングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシーズ・オブ・ユーエスエー(Proc.Natl.Acad.Sci.USA)、99巻、4465ページ(2002年)、US6414121B1]。
以上のように、M期キネシンEg5は新規M期作用薬の標的分子として重要であり、その阻害剤は癌などの細胞増殖制御の異常が原因となる疾患の治療剤として有望と考えられる。
ヒトEg5酵素阻害活性を示す化合物としては、モナスタロール(Monastrol)[サイエンス(Science)、286巻、971ページ(1999年)]、キナゾリン誘導体(WO01/98278)、フェナチアジン誘導体(WO02/057244)、トリフェニルメタン誘導体(WO02/056880)、ジヒドロピリミジン誘導体(WO02/079149,WO02/079169)などが報告されている。
一方、チアジアゾリン誘導体として、転写因子スタット6(STAT6)活性化阻害活性やインテグリンのアンタゴニスト作用を有するものが知られている(特開2000−229959号、WO01/56994号)。また、抗菌活性、ACE阻害活性などを有するものも知られている[WO93/22311号、特開昭62−53976号、ジャーナル・オブ・バングラディシュ・ケミカル・ソサエティ(J.Bangladesh Chem.Soc.)、1992年、5巻、127ページ]。
本発明の目的は、細胞増殖が関わる疾患の治療、例えば悪性腫瘍(乳癌、胃癌、卵巣癌、大腸癌、肺癌、脳腫瘍、喉頭癌、血液系の癌、膀胱癌および前立腺癌を含む尿生殖管の癌、腎癌、皮膚癌、肝癌、膵癌、子宮癌など)、再狭窄、心肥大、免疫疾患などの治療に有用なチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩を提供することにある。
本発明は、以下の(1)〜(34)に関する。
(1) 一般式(I)
Figure 2004111024
<式中、
は水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニルまたは置換もしくは非置換のシクロアルキルを表し、
は水素原子または−COR(式中、Rは置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニルまたは置換もしくは非置換のシクロアルキルを表す)
を表すか、またはRとRが隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の複素環基を形成し、
は水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニルまたは置換もしくは非置換のシクロアルキルを表し、
は置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の複素環基を表し、Aは、−(CH−(式中、nは1〜6の整数を表す)または式(II)
Figure 2004111024
(式中、mは0〜2の整数を表し、ZはBと結合するCHまたは窒素原子を表す)を表し、
(i)Aが−(CH−であり、nが1または2であるとき
Bは、−NR{式中、Rは水素原子または低級アルキルを表し、Rは置換低級アルキル、−COR[式中、Rは置換低級アルキル(但し、トリフルオロメチルではない)、置換低級アルコキシ、置換もしくは非置換のアリールオキシ、置換もしくは非置換の複素環基または−NR10(式中、RおよびR10は、同一または異なって、水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の複素環基を表すか、またはRとR10が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の複素環基を形成する)を表す]を表すか、またはRとRが隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の複素環基を形成する}、
−OR11(式中、R11は置換低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルカノイル、置換もしくは非置換の低級アルキルカルバモイル、置換もしくは非置換のジ低級アルキルカルバモイルまたは置換もしくは非置換の複素環カルボニルを表す)、
−SR12(式中、R12は前記R11と同義である)、または
CH=NR13(式中、R13はヒドロキシまたは置換もしくは非置換の低級アルコキシを表す)を表し、
(ii)Aが−(CH−であり、nが3〜6の整数であるとき、
Bは−NR1415{式中、R14およびR15は同一または異なって、水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換の複素環基、−COR16[式中、R は置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換の低級アルコキシ、置換もしくは非置換のアリールオキシまたは−NR1718(式中、R17およびR18は、同一または異なって、水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の複素環基を表すか、またはR17とR18が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の複素環基を形成する)を表す]または−SO19[式中、R19は置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換の複素環基または−NR2021(式中、R20およびR21は同一または異なって、水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニルまたは置換もしくは非置換のシクロアルキルを表すか、またはR20とR21が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の複素環基を形成する)を表す]を表すか、またはR14とR15が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の複素環基を形成する}、
−OR22(式中、R22は前記R11と同義である)、
−SR23(式中、R23は前記R11と同義である)、または
−CH=NR24(式中、R24は前記R13と同義である)を表し、
(iii)Aが式(II)であるとき、
Bは水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルカノイル、置換もしくは非置換の低級アルコキシカルボニルまたは置換もしくは非置換の低級アルキルスルホニルを表す>
で表されるチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(2) Rが水素原子または低級アルキルである(1)記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(3) Rが−COR(式中、Rは前記と同義である)である(1)または(2)記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(4) Rが低級アルキルである(3)記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(5) Rがtert−ブチルである(3)記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(6) Rが低級アルキルである(1)〜(5)のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(7) Rがtert−ブチルである(1)〜(5)のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(8) Rが置換もしくは非置換のアリールである(1)〜(7)のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(9) Rがフェニルである(1)〜(7)のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(10) Aが−(CH−(式中、nは前記と同義である)である(1)〜(9)のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(11) nが1または2である(10)記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(12) Bが−NR(式中、RおよびRはそれぞれ前記と同義である)である(11)記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(13) Rが水素原子である(12)記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(14) Rが−COR(式中、Rは前記と同義である)である(12)または(13)記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(15) RとRが隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の複素環基を形成する(12)記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(16) nが3〜6の整数である(10)記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(17) nが3である(10)記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(18) Bが−NR1415(式中、R14およびR15はそれぞれ前記と同義である)である(17)記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(19) R14が水素原子である(18)記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(20) R15が置換もしくは非置換の低級アルキルである(18)または(19)記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(21) R15が−COR16(式中、R16は前記と同義である)である(18)または(19)記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(22) R16が置換もしくは非置換の複素環基である(21)記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(23) R16が−NR1718(式中、R17およびR18はそれぞれ前記と同義である)である(21)記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(24) R15が−SO19(式中、R19は前記と同義である)である(18)または(19)記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(25) Aが式(II)である(1)〜(9)のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(26) Zが窒素原子である(25)記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(27) Bが水素原子または置換もしくは非置換の低級アルキルである(25)または(26)記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(28) (1)〜(27)のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬。
(29) (1)〜(27)のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有するM期キネシンEg5阻害剤。
(30) (1)〜(27)のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する抗腫瘍剤。
(31) (1)〜(27)のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩の有効量を投与することを特徴とするM期キネシンEg5阻害方法。
(32) (1)〜(27)のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩の有効量を投与することを特徴とする悪性腫瘍の治療方法。
(33) M期キネシンEg5阻害剤の製造のための(1)〜(27)のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩の使用。
(34) 抗腫瘍剤の製造のための(1)〜(27)のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩の使用。
以下、一般式(I)で表される化合物を化合物(I)という。他の式番号の化合物についても同様である。
一般式(I)の各基の定義において、
(i)低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルカノイル、低級アルコキシカルボニル、低級アルキルカルバモイル、ジ低級アルキルカルバモイルおよび低級アルキルスルホニルの低級アルキル部分としては、例えば直鎖または分岐状の炭素数1〜10のアルキル、具体的にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシルなどがあげられる。ジ低級アルキルカルバモイルの2つの低級アルキル部分は、同一でも異なっていてもよい。
(ii)低級アルケニルとしては、例えば直鎖または分岐状の炭素数2〜10のアルケニル、具体的にはビニル、アリル、1−プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニルなどがあげられる。
(iii)低級アルキニルとしては、例えば直鎖または分岐状の炭素数2〜10のアルキニル、具体的にはエチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、デシニルなどがあげられる。
(iv)シクロアルキルとしては、例えば炭素数3〜8のシクロアルキル、具体的にはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどがあげられる。
(v)アリールおよびアリールオキシのアリール部分としては、例えばフェニル、ナフチルなどがあげられる。
(vi)複素環基および複素環カルボニルの複素環基部分としては、例えば脂肪族複素環基、芳香族複素環基などがあげられる。脂肪族複素環基としては、例えば窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む5員または6員の単環性脂肪族複素環基、3〜8員の環が縮合した二環または三環性で窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む縮環性脂肪族複素環基などがあげられ、具体的にはアゼチジニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロチオピラニル、イミダゾリジニル、ピロリジニル、オキサゾリニル、ジオキソラニル、ピペリジノ、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリノ、モルホリニル、チオモルホリニル、ホモピペリジニル、ホモピペラジニル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロベンゾフラニル、ピラニルなどがあげられる。芳香族複素環基としては、例えば窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む5員または6員の単環性芳香族複素環基、3〜8員の環が縮合した二環または三環性で窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む縮環性芳香族複素環基などがあげられ、具体的にはフリル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、プリニル、キノリル、イソキノリル、キナゾリニル、フタラジニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、ベンゾジアゼピニル、フェノチアジニル、ベンゾピラニル、シンノリニルなどがあげられる。
(vii)隣接する窒素原子と一緒になって形成される複素環基としては、例えば少なくとも1個の窒素原子を含む脂肪族複素環基などがあげられる。該少なくとも1個の窒素原子を含む脂肪族複素環基は、酸素原子、硫黄原子または他の窒素原子を含んでもいてよく、例えば1−ピロリル、ピロリジニル、イミダゾリル、モルホリノ、チオモルホリノ、ピラゾリジニル、ピペリジノ、ピペラジニル、ホモピペラジニル、アジリジニル、アゼチジニル、アゾリジニル、ペルヒドロアゼピニル、ペルヒドロアゾシニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、インドリル、イソインドリル、1,3−ジヒドロイソインドリル、ピロリドニル、スクシンイミジル、グルタルイミジル、ピペリドニル、1,2−チアザン−2−イル、1,2−チアゼパン−2−イルなどがあげられる。
(viii)置換低級アルキル、置換低級アルケニル、置換低級アルキニル、置換シクロアルキル、置換低級アルコキシ、置換低級アルカノイル、置換低級アルコキシカルボニル、置換低級アルキルカルバモイル、置換ジ低級アルキルカルバモイルおよび置換低級アルキルスルホニルにおける置換基としては、同一または異なって例えば置換数1〜置換可能な数の、好ましくは1〜3の、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、ニトロ、アジド、シアノ、カルボキシ、
置換もしくは非置換のシクロアルキル{該置換シクロアルキルにおける置換基(a)としては、同一または異なって例えば置換数1〜3の、
ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、アミノ、ニトロ、アジド、シアノ、カルボキシ、
置換もしくは非置換の低級アルコキシ(該置換低級アルコキシにおける置換基(b)としては、同一または異なって例えば置換数1〜3の、
ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、アミノ、ニトロ、アジド、シアノ、カルボキシ、低級アルコキシ、ヒドロキシ置換低級アルコキシ、低級アルコキシ置換低級アルコキシ、アミノ置換低級アルコキシ、低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノ、ヒドロキシ置換低級アルキルアミノ、低級アルコキシ置換低級アルキルアミノ、アミノ置換低級アルキルアミノ、アラルキルオキシ、アリール、アリールオキシ、複素環基
などがあげられる)、
置換もしくは非置換の低級アルキルチオ(該置換低級アルキルチオにおける置換基は前記置換低級アルコキシにおける置換基(b)と同義である)、
置換もしくは非置換の低級アルカノイル(該置換低級アルカノイルにおける置換基は前記置換低級アルコキシにおける置換基(b)と同義である)、
−NR2526[式中、R25およびR26は同一または異なって、
水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル(該置換低級アルキルにおける置換基は前記置換低級アルコキシにおける置換基(b)と同義である)、
置換もしくは非置換の低級アルカノイル(該置換低級アルカノイルにおける置換基は前記置換低級アルコキシにおける置換基(b)と同義である)、
アラルキル、アリールまたは複素環基
を表すか、またはR25とR26が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の複素環基を形成する(該隣接する窒素原子と一緒になって形成される置換複素環基における置換基は前記低級アルコキシにおける置換基(b)と同義である)]、
アリール、複素環基
などがあげられる}、
置換もしくは非置換のアリール(該置換アリールにおける置換基は後記置換アリールにおける置換基(xi)と同義である)、
置換もしくは非置換の複素環基(該置換複素環基における置換基は後記置換複素環基における置換基(xii)と同義である)、
−NR2728<式中、R27およびR28は、同一または異なって、
水素原子、ヒドロキシ、アミノ、
置換もしくは非置換の低級アルコキシ(該置換低級アルコキシにおける置換基は前記置換シクロアルキルにおける置換基(a)と同義である)、
置換もしくは非置換の低級アルキルアミノ(該置換低級アルキルアミノにおける置換基は前記置換シクロアルキルにおける置換基(a)と同義である)、
置換もしくは非置換のジ低級アルキルアミノ(該置換ジ低級アルキルアミノにおける置換基は前記置換シクロアルキルにおける置換基(a)と同義である)、
置換もしくは非置換の低級アルキル{該置換低級アルキルにおける置換基(c)としては、例えば置換数1〜3の
ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、ニトロ、アジド、シアノ、カルボキシ、置換もしくは非置換のシクロアルキル(該置換シクロアルキルにおける置換基は前記置換シクロアルキルにおける置換基(a)と同義である)、
置換もしくは非置換のアリール(該置換アリールにおける置換基は後記置換アリールにおける置換基(xi)と同義である)、
置換もしくは非置換の複素環基(該置換複素環基における置換基は後記置換複素環基における置換基(xii)と同義である)、
置換もしくは非置換の低級アルコキシ(該置換低級アルコキシにおける置換基は前記置換シクロアルキルにおける置換基(a)と同義である)、
置換もしくは非置換の低級アルキルチオ(該置換低級アルキルチオにおける置換基は前記置換シクロアルキルにおける置換基(a)と同義である)、
置換もしくは非置換の低級アルカノイル(該置換低級アルカノイルにおける置換基は前記置換シクロアルキルにおける置換基(a)と同義である)、
置換もしくは非置換の低級アルコキシカルボニル(該置換低級アルコキシカルボニルにおける置換基は前記置換シクロアルキルにおける置換基(a)と同義である)、
−O(CHCHO)29(式中、pは1〜15の整数を表し、R29は水素原子または低級アルキルを表す)、
−NR3031[式中、R30およびR31は、同一または異なって、
水素原子、ヒドロキシ、アミノ、低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノ、
置換もしくは非置換の低級アルコキシ(該置換低級アルコキシにおける置換基は前記置換シクロアルキルにおける置換基(a)と同義である)、
置換もしくは非置換の低級アルキル(該置換低級アルキルにおける置換基は前記置換シクロアルキルにおける置換基(a)と同義である)、
置換もしくは非置換の低級アルケニル(該置換低級アルケニルにおける置換基は前記置換シクロアルキルにおける置換基(a)と同義である)、
置換もしくは非置換の低級アルキニル(該置換低級アルキニルにおける置換基は前記置換シクロアルキルにおける置換基(a)と同義である)、
置換もしくは非置換のシクロアルキル(該置換シクロアルキルにおける置換基は前記置換シクロアルキルにおける置換基(a)と同義である)、
置換もしくは非置換のアリール(該置換アリールにおける置換基は後記置換アリールにおける置換基(xi)と同義である)、
置換もしくは非置換の複素環基(該置換複素環基における置換基は後記置換複素環基における置換基(xii)と同義である)、
置換もしくは非置換の低級アルカノイル(該置換低級アルカノイルにおける置換基は前記置換シクロアルキルにおける置換基(a)と同義である)、
置換もしくは非置換の低級アルコキシカルボニル(該置換低級アルコキシカルボニルにおける置換基は前記置換シクロアルキルにおける置換基(a)と同義である)、
置換もしくは非置換の低級アルキルスルホニル(該置換低級アルキルスルホニルにおける置換基は前記置換シクロアルキルにおける置換基(a)と同義である)、
置換もしくは非置換のアロイル(該置換アロイルにおける置換基は後記置換アリールにおける置換基(xi)と同義である)、
置換もしくは非置換のアリールオキシカルボニル(該置換アリールオキシカルボニルにおける置換基は後記置換アリールにおける置換基(xi)と同義である)または
置換もしくは非置換のアラルキル(該置換アラルキルにおける置換基は後記置換アリールにおける置換基(xi)と同義である)
を表すか、またはR30とR31が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の複素環基を形成する(該隣接する窒素原子と一緒になって形成される置換複素環基における置換基は後記置換複素環基における置換基(xii)と同義である)]、
−CONR3233(式中、R32およびR33はそれぞれ前記R30およびR と同義である)、
−SO34[式中、R34
置換もしくは非置換の低級アルキル(該置換低級アルキルにおける置換基は前記置換シクロアルキルにおける置換基(a)と同義である)、
置換もしくは非置換の低級アルケニル(該置換低級アルケニルにおける置換基は前記置換シクロアルキルにおける置換基(a)と同義である)、
置換もしくは非置換の低級アルキニル(該置換低級アルキニルにおける置換基は前記置換シクロアルキルにおける置換基(a)と同義である)、
置換もしくは非置換のシクロアルキル(該置換シクロアルキルにおける置換基は前記置換シクロアルキルにおける置換基(a)と同義である)、
置換もしくは非置換のアリール(該置換アリールにおける置換基は後記置換アリールにおける置換基(xi)と同義である)、
置換もしくは非置換の複素環基(該置換複素環基における置換基は後記置換複素環基における置換基(xii)と同義である)、
置換もしくは非置換の低級アルコキシ(該置換低級アルコキシにおける置換基は前記置換シクロアルキルにおける置換基(a)と同義である)または
−NR3536(式中、R35およびR36はそれぞれ前記R30およびR と同義である)
を表す]、
−N373839(式中、R37およびR38は同一または異なって低級アルキルを表すか、またはR37とR38が隣接する窒素原子と一緒になって複素環基を形成し、R39は低級アルキルを表し、Xはハロゲンを表す)
などがあげられる}、
置換もしくは非置換の低級アルケニル(該置換低級アルケニルにおける置換基は前記置換低級アルキルにおける置換基(c)と同義である)、
置換もしくは非置換の低級アルキニル(該置換低級アルキニルにおける置換基は前記置換低級アルキルにおける置換基(c)と同義である)、
置換もしくは非置換のシクロアルキル(該置換シクロアルキルにおける置換基は前記置換低級アルキルにおける置換基(c)と同義である)、
置換もしくは非置換のアリール(該置換アリールにおける置換基は後記置換アリールにおける置換基(xi)と同義である)、
置換もしくは非置換の複素環基(該置換複素環基における置換基は後記置換複素環基における置換基(xii)と同義である)、
−COR40[式中、R40
置換もしくは非置換の低級アルキル(該置換低級アルキルにおける置換基は前記置換低級アルキルにおける置換基(c)と同義である)、
置換もしくは非置換の低級アルケニル(該置換低級アルケニルにおける置換基は前記置換低級アルキルにおける置換基(c)と同義である)、
置換もしくは非置換の低級アルキニル(該置換低級アルキニルにおける置換基は前記置換低級アルキルにおける置換基(c)と同義である)、
置換もしくは非置換のシクロアルキル(該置換シクロアルキルにおける置換基は前記置換低級アルキルにおける置換基(c)と同義である)、
置換もしくは非置換のアリール(該置換アリールにおける置換基は後記置換アリールにおける置換基(xi)と同義である)、
置換もしくは非置換の複素環基(該置換複素環基における置換基は後記置換複素環基における置換基(xii)と同義である)、
置換もしくは非置換の低級アルコキシ(該置換低級アルコキシにおける置換基は前記置換低級アルキルにおける置換基(c)と同義である)、
置換もしくは非置換のアリールオキシ(該置換アリールオキシにおける置換基は後記置換アリールにおける置換基(xi)と同義である)または
置換もしくは非置換の複素環オキシ(該置換複素環オキシにおける置換基は後記置換複素環における置換基(xiii)と同義である)
を表す]、
−CONR4142(式中、R41およびR42はそれぞれ前記R30およびR31と同義である)、または
−SO43[式中、R43
置換もしくは非置換の低級アルキル(該置換低級アルキルにおける置換基は前記置換低級アルキルにおける置換基(c)と同義である)、
置換もしくは非置換の低級アルケニル(該置換低級アルケニルにおける置換基は前記置換低級アルキルにおける置換基(c)と同義である)、
置換もしくは非置換の低級アルキニル(該置換低級アルキニルにおける置換基は前記置換低級アルキルにおける置換基(c)と同義である)、
置換もしくは非置換のシクロアルキル(該置換シクロアルキルにおける置換基は前記置換低級アルキルにおける置換基(c)と同義である)、
置換もしくは非置換のアリール(該置換アリールにおける置換基は後記置換アリールにおける置換基(xi)と同義である)、
置換もしくは非置換の複素環基(該置換複素環基における置換基は後記置換複素環基における置換基(xii)と同義である)、
置換もしくは非置換の低級アルコキシ(該置換低級アルコキシにおける置換基は前記置換低級アルキルにおける置換基(c)と同義である)または
−NR4445(式中、R44およびR45はそれぞれ前記R30およびR31と同義である)
を表す]
を表すか、またはR27とR28が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の複素環基を形成する(該隣接する窒素原子と一緒になって形成される置換複素環基における置換基は後記置換複素環基における置換基(xii)と同義である)
を表す>、
−CONR4647(式中、R46およびR47はそれぞれ前記R27およびR28と同義である)、
−COR48[式中、R48
置換もしくは非置換の低級アルキル(該置換低級アルキルにおける置換基は前記置換低級アルキルにおける置換基(c)と同義である)、
置換もしくは非置換の低級アルケニル(該置換低級アルケニルにおける置換基は前記置換低級アルキルにおける置換基(c)と同義である)、
置換もしくは非置換の低級アルキニル(該置換低級アルキニルにおける置換基は前記置換低級アルキルにおける置換基(c)と同義である)、
置換もしくは非置換のシクロアルキル(該置換シクロアルキルにおける置換基は前記置換低級アルキルにおける置換基(c)と同義である)、
置換もしくは非置換のアリール(該置換アリールにおける置換基は後記置換アリールにおける置換基(xi)と同義である)または
置換もしくは非置換の複素環基(該置換複素環基における置換基は後記置換複素環基における置換基(xii)と同義である)
を表す]、
−COOR49(式中、R49は前記R48と同義である)、
−SO50[式中、R50
置換もしくは非置換の低級アルキル(該置換低級アルキルにおける置換基は前記置換低級アルキルにおける置換基(c)と同義である)、
置換もしくは非置換の低級アルケニル(該置換低級アルケニルにおける置換基は前記置換低級アルキルにおける置換基(c)と同義である)、
置換もしくは非置換の低級アルキニル(該置換低級アルキニルにおける置換基は前記置換低級アルキルにおける置換基(c)と同義である)、
置換もしくは非置換のシクロアルキル(該置換シクロアルキルにおける置換基は前記置換低級アルキルにおける置換基(c)と同義である)、
置換もしくは非置換のアリール(該置換アリールにおける置換基は後記置換アリールにおける置換基(xi)と同義である)、
置換もしくは非置換の複素環基(該置換複素環基における置換基は後記置換複素環基における置換基(xii)と同義である)、
置換もしくは非置換の低級アルコキシ(該置換低級アルコキシにおける置換基は前記置換低級アルキルにおける置換基(c)と同義である)または
−NR5152(式中、R51およびR52はそれぞれ前記R30およびR31と同義である)
を表す]、
−OR53[式中、R53
置換もしくは非置換の低級アルキル(該置換低級アルキルにおける置換基は前記置換低級アルキルにおける置換基(c)と同義である)、
置換もしくは非置換の低級アルケニル(該置換低級アルケニルにおける置換基は前記置換低級アルキルにおける置換基(c)と同義である)、
置換もしくは非置換の低級アルキニル(該置換低級アルキニルにおける置換基は前記置換低級アルキルにおける置換基(c)と同義である)、
置換もしくは非置換のシクロアルキル(該置換シクロアルキルにおける置換基は前記置換低級アルキルにおける置換基(c)と同義である)、
置換もしくは非置換のアリール(該置換アリールにおける置換基は後記置換アリールにおける置換基(xi)と同義である)、
置換もしくは非置換の複素環基(該置換複素環基における置換基は後記置換複素環基における置換基(xii)と同義である)、
−COR54(式中、R54は前記R50と同義である)、
−SO55(式中、R55は前記R50と同義である)または
−SiR565758(式中、R56、R57およびR58は同一または異なって、水素原子、ヒドロキシ、低級アルキルまたは低級アルコキシを表す)
を表す]、
−SR59(式中、R59は前記R53と同義である)、
−N6061621−(式中、R60、R61、R62およびXはそれぞれ前記R 、R38、R39およびXと同義である)などがあげられる。
ここで示した低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルキルチオ、低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノ、低級アルコキシカルボニル、低級アルカノイル、低級アルコキシ置換低級アルコキシ、低級アルコキシ置換低級アルキルアミノおよび低級アルキルスルホニルの低級アルキル部分、低級アルケニル、低級アルキニルならびにシクロアルキルは、それぞれ前記は前記低級アルキル(i)、低級アルケニル(ii)、低級アルキニル(iii)およびシクロアルキル(iv)と同義であり、ヒドロキシ置換低級アルコキシ、アミノ置換低級アルコキシ、低級アルコキシ置換低級アルコキシ、ヒドロキシ置換低級アルキルアミノ、アミノ置換低級アルキルアミノおよび低級アルコキシ置換低級アルキルアミノのアルキレン部分は、前記低級アルキル(i)の定義であげた基から水素原子を一つ除いたものと同義である。ジ低級アルキルアミノにおける2つの低級アルキル部分は同一でも異なっていてもよい。また、ここで示したアリール、アリールオキシ、アリールオキシカルボニルおよびアロイルのアリール部分、複素環基、複素環オキシにおける複素環基部分ならびに隣接する窒素原子と一緒になって形成される複素環基は、それぞれ前記アリール(v)、複素環基(vi)および隣接する窒素原子と一緒になって形成される複素環基(vii)と同義であり、ここで示したアラルキルおよびアラルキルオキシのアラルキル部分(ix)としては、例えば炭素数7〜15のアラルキル、具体的にはベンジル、フェネチル、ベンズヒドリル、ナフチルメチルなどがあげられる。また、ハロゲン(x)はフッ素、塩素、臭素およびヨウ素の各原子を意味する。
(xi)置換アリールおよび置換アリールオキシにおける置換基としては、同一または異なって例えば置換数1〜3の、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アジド、メチレンジオキシ、
置換もしくは非置換の低級アルキル(該置換低級アルキルにおける置換基は前記シクロアルキルにおける置換基(a)と同義である)、
置換もしくは非置換の低級アルケニル(該置換低級アルケニルにおける置換基は前記シクロアルキルにおける置換基(a)と同義である)、
置換もしくは非置換の低級アルキニル(該置換低級アルキニルにおける置換基は前記シクロアルキルにおける置換基(a)と同義である)、
置換もしくは非置換のシクロアルキル(該置換シクロアルキルにおける置換基は前記シクロアルキルにおける置換基(a)と同義である)、
置換もしくは非置換のアリール(該置換アリールにおける置換基(d)としては、同一または異なって例えば置換数1〜3の、
ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、アジド、シアノ、カルボキシ、低級アルコキシ、低級アルキルチオ、低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノ、低級アルカノイル、低級アルカノイルオキシ、低級アルカノイルアミノ、メチレンジオキシ、アリール、複素環基
などがあげられる)、
置換もしくは非置換の複素環基(該置換複素環基における置換基は前記置換アリールにおける置換基(d)と同義である)、
−COR63[式中、R63
水素原子、
置換もしくは非置換の低級アルキル(該置換低級アルキルにおける置換基は前記シクロアルキルにおける置換基(a)と同義である)、
置換もしくは非置換の低級アルケニル(該置換低級アルケニルにおける置換基は前記シクロアルキルにおける置換基(a)と同義である)、
置換もしくは非置換の低級アルキニル(該置換低級アルキニルにおける置換基は前記シクロアルキルにおける置換基(a)と同義である)、
置換もしくは非置換のシクロアルキル(該置換シクロアルキルにおける置換基は前記シクロアルキルにおける置換基(a)と同義である)、
置換もしくは非置換のアリール(該置換アリールにおける置換基は前記置換アリールにおける置換基(d)と同義である)または
置換もしくは非置換の複素環基(該置換複素環基における置換基は前記置換アリールにおける置換基(d)と同義である)
を表す]、
−COOR64(式中、R64は前記R63と同義である)、
−OR65[式中、R65
置換もしくは非置換の低級アルキル(該置換低級アルキルにおける置換基は前記シクロアルキルにおける置換基(a)と同義である)、
置換もしくは非置換の低級アルケニル(該置換低級アルケニルにおける置換基は前記シクロアルキルにおける置換基(a)と同義である)、
置換もしくは非置換の低級アルキニル(該置換低級アルキニルにおける置換基は前記シクロアルキルにおける置換基(a)と同義である)、
置換もしくは非置換のシクロアルキル(該置換シクロアルキルにおける置換基は前記シクロアルキルにおける置換基(a)と同義である)、
置換もしくは非置換の低級アルカノイル(該置換低級アルカノイルにおける置換基は前記シクロアルキルにおける置換基(a)と同義である)、
トリ低級アルキルシリル、
置換もしくは非置換のアリール(該置換アリールにおける置換基は前記置換アリールにおける置換基(d)と同義である)、
置換もしくは非置換のアラルキル(該置換アラルキルにおける置換基は前記置換アリールにおける置換基(d)と同義である)または
置換もしくは非置換の複素環基(該置換複素環基における置換基は前記置換アリールにおける置換基(d)と同義である)
を表す]、
−SR66(式中、R66は前記R65と同義である)、
−NR6768[式中、R67およびR68は、同一または異なって、
水素原子、ヒドロキシ、
置換もしくは非置換の低級アルキル(該置換低級アルキルにおける置換基は前記シクロアルキルにおける置換基(a)と同義である)、
置換もしくは非置換の低級アルケニル(該置換低級アルケニルにおける置換基は前記シクロアルキルにおける置換基(a)と同義である)、
置換もしくは非置換の低級アルキニル(該置換低級アルキニルにおける置換基は前記シクロアルキルにおける置換基(a)と同義である)、
置換もしくは非置換のシクロアルキル(該置換シクロアルキルにおける置換基は前記シクロアルキルにおける置換基(a)と同義である)、
置換もしくは非置換の低級アルコキシ(該置換低級アルコキシにおける置換基は前記シクロアルキルにおける置換基(a)と同義である)、
置換もしくは非置換の低級アルカノイル(該置換低級アルカノイルにおける置換基は前記シクロアルキルにおける置換基(a)と同義である)、
置換もしくは非置換の低級アルキルスルホニル(該置換低級アルキルスルホニルにおける置換基は前記シクロアルキルにおける置換基(a)と同義である)、
置換もしくは非置換のアリール(該置換アリールにおける置換基は前記置換アリールにおける置換基(d)と同義である)、
置換もしくは非置換のアラルキル(該置換アラルキルにおける置換基は前記置換アリールにおける置換基(d)と同義である)、
置換もしくは非置換のアロイル(該置換アロイルにおける置換基は前記置換アリールにおける置換基(d)と同義である)または
置換もしくは非置換の複素環基(該置換複素環基における置換基は前記置換アリールにおける置換基(d)と同義である)
を表すか、またはR67とR68が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の複素環基を形成する(該隣接する窒素原子と一緒になって形成される置換複素環基における置換基は前記アリールにおける置換基(d)と同義である)]、
−CONR6970(式中、R69およびR70はそれぞれ前記R67およびR68と同義である)、
−SO71[式中、R71は、
置換もしくは非置換の低級アルキル(該置換低級アルキルにおける置換基は前記シクロアルキルにおける置換基(a)と同義である)、
置換もしくは非置換の低級アルケニル(該置換低級アルケニルにおける置換基は前記シクロアルキルにおける置換基(a)と同義である)、
置換もしくは非置換の低級アルキニル(該置換低級アルキニルにおける置換基は前記シクロアルキルにおける置換基(a)と同義である)、
置換もしくは非置換のシクロアルキル(該置換シクロアルキルにおける置換基は前記シクロアルキルにおける置換基(a)と同義である)、
置換もしくは非置換の低級アルコキシ(該置換低級アルコキシにおける置換基は前記シクロアルキルにおける置換基(a)と同義である)、
置換もしくは非置換のアリール(該置換アリールにおける置換基は前記置換アリールにおける置換基(d)と同義である)、
置換もしくは非置換のアラルキル(該置換アラルキルにおける置換基は前記置換アリールにおける置換基(d)と同義である)、
置換もしくは非置換のアロイル(該置換アロイルにおける置換基は前記置換アリールにおける置換基(d)と同義である)、
置換もしくは非置換の複素環基(該置換複素環基における置換基は前記置換アリールにおける置換基(d)と同義である)または
−NR7273(式中、R72およびR73はそれぞれ前記R67およびR68と同義である)
を表す]などがあげられる。
ここで示した低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルキルチオ、低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノ、トリ低級アルキルシリル、低級アルカノイル、低級アルカノイルオキシ、低級アルカノイルアミノおよび低級アルキルスルホニルの低級アルキル部分、低級アルケニル、低級アルキニル、シクロアルキルならびにハロゲンは、それぞれ前記低級アルキル(i)、低級アルケニル(ii)、低級アルキニル(iii)、シクロアルキル(iv)およびハロゲン(x)と同義であり、ジ低級アルキルアミノにおける2つの低級アルキル部分およびトリ低級アルキルシリルにおける3つの低級アルキル部分は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。また、ここで示したアリールおよびアロイルのアリール部分、複素環基、隣接する窒素原子と一緒になって形成される複素環基ならびにアラルキルは、それぞれ前記アリール(v)、複素環基
(vi)、隣接する窒素原子と一緒になって形成される複素環基(vii)およびアラルキル(ix)と同義である。
(xii)置換複素環基、置換複素環カルボニルおよび隣接する窒素原子と一緒になって形成される置換複素環基における置換基としては、前記置換アリールにおける置換基(xi)の定義であげた基に加え、オキソなどがあげられる。
化合物(I)の薬理学的に許容される塩は、例えば薬理学的に許容される酸付加塩、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン付加塩、アミノ酸付加塩などを包含する。化合物(I)の薬理学的に許容される酸付加塩としては、例えば塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩などの無機酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩などの有機酸塩などがあげられ、薬理学的に許容される金属塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩などのアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、亜鉛塩などがあげられ、薬理学的に許容されるアンモニウム塩としては、例えばアンモニウム、テトラメチルアンモニウムなどの塩があげられ、薬理学的に許容される有機アミン付加塩としては、例えばモルホリン、ピペリジンなどの付加塩があげられ、薬理学的に許容されるアミノ酸付加塩としては、例えばリジン、グリシン、フェニルアラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸などの付加塩があげられる。
次に化合物(I)の製造法について説明する。
なお、以下に示す製造法において、定義した基が製造方法の条件下で変化するかまたは方法を実施するのに不適切な場合、有機合成化学で常用される保護基の導入および除去方法[例えば、プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis)、グリーン(T.W.Greenes)著、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ・インコーポレイテッド(John Wiley&Sons Inc.)(1981年)]などを用いることにより、目的化合物を製造することができる。また、必要に応じて置換基導入などの反応工程の順序を変えることもできる。
化合物(I)は、以下の反応工程に従い製造することができる。
製造法1
化合物(I)は、公知の方法[例えばジャーナル・オブ・バングラディシュ・ケミカル・ソサエティ(J.Bangladesh Chem.Soc.)、5巻、127ページ(1992年)、ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)、45巻、1473ページ(1980年)、東独特許第243930号などに記載の方法]またはそれらに準じて、化合物(III)と化合物(IV)から化合物(V)を経て製造することができる。ここで、原料化合物である化合物(III)、(IV)、(VIa)および(VIb)は、市販品としてまたは公知の方法[例えば、新実験化学講座、14巻、751ページ、丸善(1978年);新実験化学講座、14巻、1621ページ、丸善(1978年);新実験化学講座、14巻、1104ページおよび1120ページ、丸善(1978年)などに記載の方法]で、またはそれらに準じて得ることができる。
Figure 2004111024
(式中、R、R、R、R、AおよびBはそれぞれ前記と同義であり、Xは塩素原子または臭素原子を表す)
製造法2
化合物(I)のうち、Rが−COR(式中、Rは前記と同義である)であり、RがRにおけるRと同一である化合物(Ia)は、公知の方法[例えばジャーナル・オブ・バングラディシュ・ケミカル・ソサエティ
(J.Bangladesh Chem.Soc.)、5巻、127ページ(1992年)、ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)、45巻、1473ページ(1980年)、東独特許第243930号などに記載の方法]で、またはそれらに準じて、化合物(III)と化合物(IVa)から化合物(Va)を経て製造することもできる。ここで、原料化合物である化合物(III)、(IVa)、(VIIa)および(VIIb)は、市販品としてまたは公知の方法[例えば、新実験化学講座、14巻、751ページ、丸善(1978年);新実験化学講座、14巻、1621ページ、丸善(1978年);新実験化学講座、14巻、1104ページおよび1120ページ、丸善(1978年)]で、またはそれらに準じて得ることができる。
Figure 2004111024
(式中、R、R、R、X、AおよびBはそれぞれ前記と同義である)
製造法3
化合物(I)のうち、Rが−COR(式中、Rは前記と同義である)である化合物(Ib)は次の工程に従って製造することもできる。
Figure 2004111024
(式中、R、R、R、R、A、BおよびXはそれぞれ前記と同義である)
製造法1または2で得られる化合物(Va)と化合物(VIIa)を、例えばアセトン、ジメチルホルムアミド(DMF)などの反応に不活性な溶媒中、例えば2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルピリジンなどの適当な塩基の存在下、通常、−78℃〜100℃の間の温度で、好ましくは−10℃〜30℃の間の温度で、5分間〜24時間、反応させた後、続いて化合物(VIb)と例えばピリジンなどの適当な塩基を加え、さらに10〜48時間反応させることにより化合物(Ib)を得ることができる。ここで、化合物(VIIa)、(VIb)、最初に用いる適当な塩基および次に用いる適当な塩基は、化合物(Va)に対し、それぞれ好ましくは1〜5当量、1〜5当量、0.5〜2当量および1〜5当量の範囲で用いられる。
製造法4
化合物(I)のうち、Rが−COR(式中、Rは前記と同義である)であり、Aが−(CH−(式中、nは前記と同義である)であり、Bがtert−ブトキシカルボニルアミノである化合物(Ic)または(Id)は、化合物(VIII)より、製造法1〜3と同様にして製造することができる。ここで、原料化合物である化合物(VIII)は、公知の方法[例えば、ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(J.Med.Chem.)、41巻、591ページ(1998年)、アンゲバンテ・ケミ・インターナショナル・エディション(Angew.Chem.Int.Ed.)、40巻、3458ページ(2001年)などに記載の方法]で、またはそれらに準じて得ることができる。
Figure 2004111024
(式中、n、R、R、R、RおよびXはそれぞれ前記と同義であり、Bocはtert−ブトキシカルボニルを表す)
製造法5
化合物(I)のうち、Aが−(CH−(式中、nは前記と同義である)であり、BがNHである化合物(If)は、製造法1〜4で得られる化合物(Ie)を、有機合成化学で常用される保護基の除去方法、例えば、プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis)、グリーン(T.W.Greene)著、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ・インコーポレイテッド(John Wiley&Sons Inc.)(1981年)などに記載の方法またはそれらに準じた方法に付すことにより製造することもできる。
Figure 2004111024
(式中、n、R、R、R、RおよびBocはそれぞれ前記と同義である)
製造法6
化合物(I)のうち、Aが−(CH−(式中、nは前記と同義である)であり、Bが−NHCOR(式中、Rは前記と同義である)または
−NHCOR16(式中、R16は前記と同義である)である化合物(Ig)は、製造法1〜3または5で得られる化合物(If)より、次の工程に従って製造することもできる。
Figure 2004111024
(式中、n、R、R、RおよびRはそれぞれ前記と同義であり、R100は前記と同義のRまたはR16を表す)
化合物(Ig)は、化合物(If)と化合物(IX)を、例えばDMFなどの反応に不活性な溶媒中、例えば1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩などの適当な縮合剤、および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物などの適当な活性化剤の存在下、通常−78℃〜100℃の間の温度、好ましくは0℃〜50℃の間の温度で、5分間〜48時間反応させることにより製造することができる。化合物(IX)、適当な縮合剤および適当な活性化剤は、化合物(If)に対し、それぞれ好ましくは1〜10当量の範囲で用いられる。
製造法7
化合物(I)のうち、Aが−(CH−(式中、nは前記と同義である)であり、BがNR(式中、RおよびRはそれぞれ前記と同義である)またはNR1415(式中、R14およびR15はそれぞれ前記と同義である)である化合物(Ih)は、化合物(X)から、製造法1〜3と同様にして得られる化合物(XI)を経て、以下の工程により製造することもできる。ここで、原料化合物である化合物(X)は、市販品として、または公知の方法[例えば、新実験化学講座、14巻、1000ページ、丸善(1978年)などに記載の方法]で、またはそれらに準じて得ることができる。
Figure 2004111024
(式中、n、R、R、RおよびRはそれぞれ前記と同義であり、R101はメチル、エチルなどの低級アルキルを表し、R102およびR103はそれぞれ前記のRおよびRまたはR14およびR15と同義である)
化合物(XII)は、化合物(XI)を、例えばテトラヒドロフラン(THF)、トルエン、ヘキサンなどの反応に不活性な溶媒中、例えば水素化ジイソブチルアルミニウムなどの適当な還元剤の存在下、−78℃〜100℃の間の温度、好ましくは−78℃〜30℃の間の温度で、5分間〜80時間処理することにより製造することができる。ここで、適当な還元剤は、化合物(XI)に対し、好ましくは1〜10当量の範囲で用いられる。
化合物(XIII)は、上記で得られる化合物(XII)を、例えばジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、トルエンなどの反応に不活性な溶媒中、例えば二クロム酸ピリジニウムなどの適当な酸化剤の存在下、−78℃〜100℃の間の温度、好ましくは0℃〜50℃の間の温度で、5分間〜72時間処理することにより製造することができる。ここで、適当な酸化剤は化合物(XII)に対し、好ましくは1〜10当量の範囲で用いられる。
化合物(Ih)は、上記で得られる化合物(XIII)と化合物(XIV)を、例えばジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、トルエンなどの反応に不活性な溶媒中、例えばトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムなどの適当な還元剤と酢酸などの適当な酸の存在下、−78℃〜100℃の間の温度、好ましくは0℃〜50℃の間の温度で、5分間〜48時間反応させることにより製造することができる。ここで、化合物(XIV)、適当な酸および適当な還元剤は、化合物(XIII)に対し、それぞれ好ましくは1〜10当量の範囲で用いられる。
製造法8
化合物(I)のうち、Aが−(CH−(式中、nは前記と同義である)であり、Bがtert−ブトキシカルボニルアミノである化合物(Ie)は、以下の工程によっても製造することができる。
Figure 2004111024
(式中、n、R、R、R、R、R101およびBocはそれぞれ前記と同義である)
化合物(XVI)は、製造法7と同様にして得られる化合物(XV)を、例えば1,4−ジオキサン−水などの水を含む適当な溶媒中、例えば水酸化ナトリウムなどの適当な塩基の存在下、−10℃〜100℃の間の温度で、5分間〜48時間処理することにより製造することができる。ここで、適当な塩基は、化合物(XV)に対して、0.3〜100当量の範囲で用いられる。
化合物(Ie)は、上記で得られる化合物(XVI)をtert−ブタノール中、例えばトリエチルアミンなどの適当な塩基の存在下、アジ化ジフェニルホスホリルと通常−78℃〜140℃の間の温度、好ましくは0℃〜120℃の間の温度で、5分間〜48時間反応させることにより製造することができる。ここで、適当な塩基およびアジ化ジフェニルホスホリルは、化合物(XVI)に対して、それぞれ0.5〜10当量および1〜10当量の範囲で用いられる。
製造法9
化合物(I)のうち、Rが水素原子である化合物(Ii)は、以下の工程に従い製造することもできる。
Figure 2004111024
(式中、R、R、R、R、AおよびBはそれぞれ前記と同義である)
化合物(Ii)は、製造法1〜8で得られる化合物(Ib)を、適当な溶媒中、1〜200当量の、好ましくは1〜10当量の適当な塩基の存在下、−10℃〜用いる溶媒の沸点の間の温度で、5分間〜24時間処理することにより製造することができる。
適当な溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、tert−ブタノール、アセトニトリル、ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチル、THF、ジオキサン、トルエン、キシレン、DMF、N−メチルピロリドン(NMP)、ピリジン、水などがあげられ、これらを単独でまたは混合して用いることができる。適当な塩基としては、例えば水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸カリウム、ヒドラジン一水和物などがあげられる。
また別法として、化合物(Ii)は、化合物(Ib)を、適当な溶媒中、1〜200当量の適当な還元剤の存在下、必要に応じて適当な添加剤の存在下、−10℃〜100℃の間の温度で、5分間〜24時間処理することによって製造することもできる。
適当な溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、tert−ブタノール、アセトニトリル、ジクロロメタン、THF、ジオキサン、トルエン、キシレン、水などがあげられ、これらを単独でまたは混合して用いることができる。適当な還元剤としては、例えば水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムなどがあげられ、適当な添加剤としては、例えば塩化セリウム七水和物、塩酸−酢酸ナトリウムバッファーなどがあげられる。
製造法10
化合物(I)のうち、RとRが隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の複素環基を形成する化合物(Ik)は、以下の工程10−1および10−2に従い製造することもできる。
Figure 2004111024
[式中、R、R、AおよびBはそれぞれ前記と同義であり、Xは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表し、R1aおよびR2aは、それぞれが隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の複素環基を形成する(該複素環基は前記隣接する窒素原子と一緒になって形成される複素環基(vii)と同義であり、該置換複素環基における置換基は前記複素環基における置換基(xii)と同義である)]
工程10−1
化合物(XVIII)は、製造法1または5〜9で得られる化合物(Ij)から、例えばケミカル・コミュニケーションズ(Chem.Commun.)、8巻、873ページ(1998年)などに記載の方法でまたはそれらに準じて製造することができる。
工程10−2
化合物(Ik)は、上記工程10−1で得られる化合物(XVIII)を、無溶媒で、または反応に不活性な溶媒中、1〜200当量の、好ましくは2〜50当量の化合物(XVII)と−10℃〜200℃の間の温度で、5分間〜24時間反応させることにより製造することができる。
反応に不活性な溶媒としては、例えばアセトニトリル、ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチル、THF、ジオキサン、トルエン、キシレン、DMF、NMP、ピリジンなどがあげられ、これらを単独でまたは混合して用いることができる。
化合物(VII)は、市販品として得られるか、または新実験化学講座、14巻、1332ページ、丸善(1978年)などに記載の方法で、またはそれらに準じて得ることができる。
また別法として、化合物(Ik)のうちR1aおよびR2aが一緒になって−CO(CH−(式中、qは2〜7の整数を表す)である化合物(In)は、以下の工程10−3および10−4に従い製造することもできる。
Figure 2004111024
(式中、q、R、R、X、AおよびBはそれぞれ前記と同義である)
工程10−3
化合物(Im)は、製造法1または5〜9で得られる化合物(Ij)を、無溶媒でまたは適当な溶媒中、必要に応じ、1〜30当量の適当な塩基の存在下、1〜30当量の化合物(XIX)と、−30℃〜150℃の間の温度で5分間〜48時間反応させることにより製造することができる。
適当な溶媒としては、例えばジクロロメタン、アセトニトリル、トルエン、酢酸エチル、ピリジン、THF、DMFなどがあげられ、適当な塩基としては、例えばピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、炭酸カリウム、水酸化カリウムなどがあげられる。
工程10−4
化合物(In)は、上記工程10−3で得られる化合物(Im)から、例えば新実験化学講座、14巻、1174ページ、丸善(1978年)などに記載の方法でまたはそれらに準じて製造することができる。
製造法11
化合物(I)のうち、Aが−(CH−(式中、nは前記と同義である)であり、BがNHCONR10(式中、R、R10はそれぞれ前記と同義である)またはNHCONR1718(式中、R17、R18はそれぞれ前記と同義である)である化合物(Ip)は、以下の工程11−1および11−2に従い製造することもできる。
Figure 2004111024
(式中、R、R、R、Rおよびnはそれぞれ前記と同義であり、Arはフェニル、ニトロ基が1〜2個置換したフェニルまたは塩素原子が1〜3個置換したフェニルを表し、R105およびR106はそれぞれ前記のRおよびR10またはR17およびR18と同義である)
工程11−1
化合物(Io)は、製造法1〜3、5または9〜10で得られる化合物(If)を適当な溶媒中、必要に応じ、1〜30当量の適当な塩基の存在下、1〜30当量のArOCOCl(式中、Arは前記と同義である)と−30℃〜用いる溶媒の沸点の間の温度で、5分間〜48時間反応させることにより製造することができる。
適当な溶媒としては、例えばジクロロメタン、アセトニトリル、トルエン、酢酸エチル、ピリジン、THF、DMFなどがあげられ、適当な塩基としては、例えばピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、炭酸カリウム、水酸化カリウムなどがあげられる。また、ArOCOCl(式中、Arは前記と同義である)としては、例えば、クロロギ酸フェニル、クロロギ酸4−ニトロフェニル、クロロギ酸2−ニトロフェニル、クロロギ酸2,4−ジニトロフェニル、クロロギ酸2,4−ジクロロフェニルなどがあげられる。
工程11−2
化合物(Ip)は、上記工程11−1で得られる化合物(Io)を、無溶媒でまたは適当な溶媒中、必要に応じ1〜30当量の適当な塩基の存在下、1〜200当量の化合物HNR105106(式中、R105およびR106はそれぞれ前記と同義である)と−30℃〜150℃の間の温度で、5分間〜48時間反応させることにより製造することができる。
適当な溶媒としては、例えばジクロロメタン、アセトニトリル、トルエン、酢酸エチル、ピリジン、THF、DMFなどがあげられ、適当な塩基としては、例えばピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、炭酸カリウム、水酸化カリウムなどがあげられる。
製造法12
化合物(I)のうち、Aが−(CH−(式中、nは前記と同義である)であり、Bが−WR11(式中、Wは酸素原子または硫黄原子を表し、R11は前記と同義である)である化合物(It)は、以下の工程に従い製造することもできる。
Figure 2004111024
(式中、R、R、R、R、R11およびnはそれぞれ前記と同義であり、
107はメチル、エチル、イソプロピル、フェニルまたはp−トルイルを表し、Wは酸素原子または硫黄原子を表す)
工程12−1
化合物(XX)は、製造法7で得られる化合物(XII)を、適当な溶媒中、必要に応じ、1〜30当量の適当な塩基の存在下、1〜30当量のR107SOCl(式中、R107は前記と同義である)または(R107SOO(式中、R107は前記と同義である)と、−30℃〜150℃の間の温度で、5分間〜48時間反応させることにより製造することができる。
適当な溶媒としては、例えばジクロロメタン、アセトニトリル、トルエン、酢酸エチル、ピリジン、THF、DMFなどがあげられ、適当な塩基としては、例えばピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、炭酸カリウム、水酸化カリウムなどがあげられる。
工程12−2
化合物(Iq)は、上記工程12−1で得られる化合物(XX)を、適当な溶媒中、必要に応じ、1〜30当量の適当な塩基の存在下、1〜200当量のR11WH(式中、WおよびR11はそれぞれ前記と同義である)と、−30℃〜150℃の間の温度で、5分間〜48時間反応させることにより製造することができる。
適当な溶媒としては、例えばジクロロメタン、アセトニトリル、トルエン、酢酸エチル、ピリジン、THF、DMFなどがあげられ、適当な塩基としては、例えばピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、炭酸カリウム、水酸化カリウムなどがあげられる。
化合物(I)におけるR、R、R、R、AまたはBに含まれる官能基の変換は、上記工程以外にも公知の他の方法[例えば、コンプリヘンシブ・オーガニック・トランスフォーメーションズ(Comprehensive Organic Transformations)、R.C.ラロック(Larock)著(1989年)などに記載の方法]またはそれらに準じて行うこともできる。
また、上記の方法を適宜組み合わせて実施することにより、所望の位置に所望の官能基を有する化合物(I)を得ることができる。
上記製造法における中間体および目的化合物は、有機合成化学で常用される精製法、例えば濾過、抽出、洗浄、乾燥、濃縮、再結晶、高速液体クロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、シリカゲルクロマトグラフィーなどの各種クロマトグラフィーなどに付して精製単離することができる。また、中間体においては、特に精製することなく次の反応に供することも可能である。
化合物(I)の中には、位置異性体、幾何異性体、光学異性体、互変異性体などが存在しうるものもあるが、本発明は、これらを含め、すべての可能な異性体およびそれらの混合物を包含する。
化合物(I)の塩を取得したいとき、化合物(I)が塩の形で得られる場合には、そのまま精製すればよく、また、遊離の形で得られる場合には、化合物(I)を適当な溶媒に溶解または懸濁させて、適当な酸または塩基を加えることにより塩を形成させて単離すればよい。
また、化合物(I)およびその薬理学的に許容される塩は、水または各種溶媒との付加物の形で存在することもあるが、これら付加物も本発明に包含される。
本発明によって得られる化合物(I)の具体例(実施例)を第1表〜第8表に示す。ただし、本発明の化合物はこれらに限定されることはない。
Figure 2004111024
Figure 2004111024
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次に、代表的な化合物(I)の薬理活性について試験例で説明する。
試験例1:ヒト大腸癌細胞HCT 116に対する増殖阻害活性
HCT 116細胞(ATCC番号:CCL−247)を1x10個/ウェルの割合で96ウェルマイクロタイタープレート(ヌンク社製、167008)に分注した。該プレートを5%炭酸ガスインキュベーター内で37℃、24時間培養した後、これに段階的に希釈した試験化合物を加えて合計100mL/ウェルとし、さらに5%炭酸ガスインキュベーター内で37℃、72時間培養した。この培養培地中に、XTT{3’−[1−(フェニルアミノカルボニル)−3,4−テトラゾリウム]−ビス(4−メトキシ−6−ニトロ)ベンゼンスルホン酸ナトリウム水和物(Sodium 3’−[1−(phenylaminocarbonyl)−3,4−tetrazolium]−bis(4−methoxy−6−nitro)−benzenesulfonic acid hydrate)}標識混合液(ロシュ・ダイアグノスティックス社製、1465015)を50μL/ウェルずつ分注した後、5%炭酸ガスインキュベーター内で37℃、1時間培養し、マイクロプレート分光光度計(バイオラッド社製、Model550)を用い、490nmと655nmでの吸光度を測定した。細胞増殖抑制活性は50%増殖阻害濃度GI50で示した。
GI50の算出方法:各ウェルの490nmでの吸光度から655nmでの吸光度を減じた値(差吸光度)を算出した。試験化合物未処理の細胞で得られた差吸光度を100%とし、既知濃度の化合物で処理した細胞で得られた差吸光度と比較することにより、細胞の増殖を50%阻害する化合物の濃度を算出し、それをGI50とした。
化合物9は増殖阻害活性を示し、そのGI50値は、65nmol/Lであった。また、化合物10、59、76、85、96、122、144、174および181は1μmol/L以下のGI50値を示した。
試験例2:Eg5酵素に対する阻害試験(1)
組換え型全長ヒトEg5蛋白質の調製は文献[セル(Cell)、83巻、1159ページ(1995年)]を参考にして実施する。HisタグをN末端に融合した全長ヒトEg5を発現するバキュロウイルスをSpodoptera frugi−perda(スポドプテラ フルギペルダ)(Sf)9昆虫細胞に感染させ、培養後、培養液を遠心して細胞沈殿物を回収する。細胞沈殿物をバッファーに懸濁し、遠心により上清を回収する。上清をニッケルアガロースカラムに通塔し、HisタグをN末端に融合したEg5をアフィニティー精製して部分精製標品を取得する。
Eg5のATPase活性の測定は文献[エンボ・ジャーナル(The EMBO Journal)、13巻、751ページ(1994年)、プロシーディング・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシーズ・オブ・ザ・ユナイテッド・ステイツ・オブ・アメリカ(Proc.Natl.Acad.Sci.USA)、89巻、4884ページ(1992年)]を参考にして実施する。25mmol/L ピペラジンN,N’−ビス(エタンスルホン酸)(PIPES)/KOH(pH 6.8)、1mmol/L エチレングリコールビス(2−アミノエチルエーテル)四酢酸(EGTA)、2mmol/L MgCl、1mmol/L ジチオトレイトール(DTT)、100μg/mL ウシ血清アルブミン(BSA)、5μmol/L パクリタキセル(Paclitaxel)、25μg/L チューブリン(Tubulin)(サイトスケルトン社、カタログ番号TL238)、および200μmol/L MESG substrate(2−アミノ−6−メルカプト−7−メチルプリンリボサイド)(モレキュラープローブズ社、カタログ番号E−6646)、1U/mL プリンヌクレオシドホスホリラーゼ(Purine nucleo−side phosphorylase)(モレキュラープローブズ社、カタログ番号E−6646)にEg5部分精製標品を加えた反応溶液を調製する。段階的に希釈をした試験化合物を含む反応溶液を96−ウェルプレートに分注する。酵素反応は
30℃で30分間実施する。ATPase活性の指標となる360nmの吸光度をプレートリーダー(モレキュラーデバイス社、SpectraMax 340PC384)で測定する。Eg5存在下試験化合物非存在下での吸光度を100%、Eg5非存在下試験化合物非存在下での吸光度を0%として相対活性を計算し、IC50値を算出する。
上記の試験により、化合物(I)のEg5酵素に対する阻害作用が確認できる。
試験例3 Eg5酵素に対する阻害試験(2)
組換え型ヒトEg5モータードメイン蛋白質の調製は文献[バイオケミストリー(Biochemistry)、35巻、2365ページ(1996年)]を参考にして実施した。ヒトEg5モータードメインを発現するプラスミドを構築し、大腸菌BL21(DE3)へ形質転換した。形質転換体を25℃で培養し、OD600が0.74になった時点で、終濃度0.5mmol/Lになるようにイソプロピル−β−D−チオガラクシドを添加した。さらに、4時間培養後、培養液を遠心して菌体を回収した。菌体をバッファーに懸濁し、超音波破砕後、遠心により上清を回収した。上清を陽イオン交換カラムクロマトグラフィーにより精製し、部分精製標品を取得した。さらに、部分精製標品をゲルろ過カラムクロマトグラフィーにより精製し、最終精製標品を取得した。
Eg5のATPase活性の測定は文献[エンボ・ジャーナル(EMBO Journal)、13巻、751ページ(1994年)、プロシーディングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシーズ・オブ・ザ・ユナイテッド・ステイツ・オブ・アメリカ(Proc.Natl.Acad.Sci.USA)、89巻、4884ページ(1992年)]を参考にして実施した。次の2種類の溶液を用意した。25mmol/LピペラジンN,N’−ビス(エタンスルホン酸)(PIPES)/KOH(pH6.8)、1mmol/Lエチレングリコールビス(2−アミノエチルエーテル)四酢酸(EGTA)、2mmol/L MgCl、1mmol/Lジチオトレイトール(DTT)、5μmol/L パクリタキセル(Paclitaxel)、167μg/mLウシ血清アルブミン(BSA)、41.7μg/mLチューブリン(Tubulin)(サイトスケルトン社、カタログ番号TL238)、333μmol/L MESG substrate(2−アミノ−6−メルカプト−7−メチルプリンリボサイド)(モレキュラープローブズ社、カタログ番号E−6646)、1.67U/mLプリンヌクレオシドホスホリラーゼ(Purine nucleoside phosphorylase)(モレキュラープローブ社、カタログ番号E−6646)および1.33μg/mLヒトEg5モータードメイン精製標品から構成される溶液Aを調製した。25mmol/LピペラジンN,N’−ビス(エタンスルホン酸)(PIPES)/KOH(pH6.8)、1mmol/Lエチレングリコールビス(2−アミノエチルエーテル)四酢酸(EGTA)、2mmol/L MgCl、1mmol/Lジチオトレイトール(DTT)、5μmol/Lパクリタキセル(Paclitaxel)および2.5mmol/L ATPから構成される溶液Bを調製した。溶液Aを96−ウェルプレートに各ウェル45μLずつ分注した。溶液Bを用いて、試験化合物を段階的に希釈した。希釈された試験化合物溶液各30μLを、先の96−ウェルプレート内に分注された溶液Aと混合し、酵素反応を開始した。酵素反応は30℃で30分間実施した。ATPase活性の指標となる360nmでの吸光度をプレートリーダー(モレキュラーデバイス社、SpectraMax340PC384)で測定した。Eg5存在下、試験化合物非存在下での吸光度を100%、Eg5非存在下、試験化合物非存在下の吸光度を0%として相対活性を計算し、IC50値を算出した。
化合物3、9、23、29、59、73、76、83、85、88、90、96、122、144および181は濃度依存的にEg5のATPase活性を阻害し、そのIC50値は5μmol/L以下であった。
化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩は、そのまま単独で投与することも可能であるが、通常各種の医薬製剤として提供するのが望ましい。また、それら医薬製剤は、動物または人に使用されるものである。
本発明に係わる医薬製剤は、活性成分として化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩を単独で、あるいは任意の他の治療のための有効成分との混合物として含有することができる。また、それら医薬製剤は、活性成分を薬理学的に許容される一種またはそれ以上の担体と一緒に混合し、製剤学の技術分野においてよく知られている任意の方法により製造される。
投与経路としては、治療に際し最も効果的なものを使用するのが望ましく、経口または、例えば静脈内などの非経口をあげることができる。
投与形態としては、例えば錠剤、注射剤などがあげられる。
経口投与に適当な、例えば錠剤などは、乳糖、マンニットなどの賦形剤、澱粉などの崩壊剤、ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤、ヒドロキシプロピルセルロースなどの結合剤、脂肪酸エステルなどの界面活性剤、グリセリンなどの可塑剤などを用いて製造できる。
非経口投与に適当な製剤は、好ましくは受容者の血液と等張である活性化合物を含む滅菌水性剤からなる。例えば、注射剤の場合は、塩溶液、ブドウ糖溶液または塩水とブドウ糖溶液の混合物からなる担体などを用いて注射用の溶液を調製する。
また、これら非経口剤においても、経口剤で例示した賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、結合剤、界面活性剤、可塑剤および希釈剤、防腐剤、フレーバー類などから選択される1種もしくはそれ以上の補助成分を添加することもできる。
化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩は、上記の目的で用いる場合、通常、全身的または局所的に、経口または非経口の形で投与される。投与量および投与回数は、投与形態、患者の年齢、体重、治療すべき症状の性質もしくは重篤度などにより異なるが、通常経口の場合、成人1人あたり、1回につき0.01〜1000mg、好ましくは0.05〜500mgの範囲で、1日1回ないし数回投与する。静脈内投与などの非経口投与の場合、通常成人一人当り0.001〜1000mg、好ましくは0.01〜300mgを一日一回ないし数回投与するか、または1日1〜24時間の範囲で静脈内に持続投与する。しかしながら、これら投与量および投与回数に関しては、前述の種々の条件により変動する。
以下に、実施例、参考例および製剤例により、本発明を詳細に説明する。
実施例および参考例で用いられるプロトン核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)は、270MHzまたは300MHzで測定されたものであり、化合物および測定条件によって交換性プロトンが明瞭には観測されないことがある。なお、シグナルの多重度の表記としては通常用いられるものを用いるが、brとは見かけ上幅広いシグナルであることを表す。
実施例1(化合物1)
参考例4と同様にして、参考例3で得られる化合物c(51.3mg,0.132mmol)、酢酸(0.0460mL,0.804mmol)、モルホリン(0.0580mL,0.665mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(117mg,0.553mmol)より、化合物1(55.5mg,91%)を得た。
APCI−MS m/z:461(M+H)
実施例2(化合物2)
参考例4と同様にして、参考例3で得られる化合物c(50.3mg,0.129mmol)、酢酸(0.0440mL,0.769mmol)、2−アミノエタノール(0.0400mL,0.663mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(116mg,0.546mmol)より、化合物2(24.5mg,44%)を得た。
APCI−MS m/z:435(M+H)
実施例3(化合物3)
参考例4と同様にして、参考例3で得られる化合物c(50.4mg,0.129mmol)、酢酸(0.0440mL,0.769mmol)、2−エトキシエチルアミン(0.0680mL,0.648mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(121mg,0.572mmol)より、化合物3(46.9mg,79%)を得た。
APCI−MS m/z:463(M+H)
実施例4(化合物4)
参考例4と同様にして、参考例3で得られる化合物c(51.1mg,0.131mmol)、酢酸(0.0460mL,0.804mmol)、N−(2−アミノエチル)ピロリジン(0.0830mL,0.661mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(139mg,0.656mmol)より、化合物4(18.5mg,29%)を得た。
APCI−MS m/z:488(M+H)
実施例5(化合物5)
参考例4と同様にして、参考例3で得られる化合物c(53.1mg,0.136mmol)、酢酸(0.0470mL,0.821mmol)、N−(2−アミノエチル)モルホリン(0.0890mL,0.684mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(148mg,0.697mmol)より、化合物5(61.2mg,89%)を得た。
APCI−MS m/z:504(M+H)
実施例6(化合物6)
参考例4と同様にして、参考例3で得られる化合物c(52.0mg,0.134mmol)、酢酸(0.0460mL,0.804mmol)、N,N−ジエチルエチレンジアミン(0.0940mL,0.669mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(121mg,0.570mmol)より、化合物6(36.9mg,56%)を得た。
APCI−MS m/z:490(M+H)
実施例7(化合物7)
参考例4と同様にして、参考例3で得られる化合物c(54.5mg,0.140mmol)、酢酸(0.0800mL,1.40mmol)、N−エチルエチレンジアミン(0.0740mL,0.703mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(134mg,0.632mmol)より、化合物7(29.7mg,46%)を得た。
FAB−MS m/z:462(M+H)
実施例8(化合物8)
参考例4と同様にして、参考例3で得られる化合物c(54.5mg,0.140mmol)、酢酸(0.0800mL,1.400mmol)、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン(0.0880mL,0.699mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(131mg,0.620mmol)より、化合物8(22.9mg,34%)を得た。
FAB−MS m/z:476(M+H)
実施例9(化合物9)
参考例4と同様にして、参考例3で得られる化合物c(48.3mg,0.124mmol)、酢酸(0.0480mL,0.839mmol)、1−(3−アミノプロピル)−2−ピロリジノン(0.0870mL,0.620mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(125mg,0.590mmol)より、化合物9(49.1mg,77%)を得た。
APCI−MS m/z:516(M+H)
実施例10(化合物10)
参考例4と同様にして、参考例3で得られる化合物c(50.7mg,0.130mmol)、酢酸(0.0450mL,0.786mmol)、3−エトキシプロピルアミン(0.0780mL,0.651mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(125mg,0.588mmol)より、化合物
10(54.6mg,88%)を得た。
APCI−MS m/z:477(M+H)
実施例11(化合物11)
参考例4と同様にして、参考例3で得られる化合物c(50.9mg,0.131mmol)、酢酸(0.0450mL,0.786mmol)、3−メトキシプロピルアミン(0.0670mL,0.657mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(130mg,0.611mmol)より、化合物11(48.8mg,81%)を得た。
APCI−MS m/z:463(M+H)
実施例12(化合物12)
参考例4と同様にして、参考例3で得られる化合物c(101mg,0.259mmol)、酢酸(0.0900mL,1.57mmol)、3−アミノ−1−プロパノール(0.100mL,1.31mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(248mg,1.17mmol)より、化合物12(87.1mg,75%)を得た。
APCI−MS m/z:449(M+H)
実施例13(化合物13)
参考例4と同様にして、参考例3で得られる化合物c(102mg,0.262mmol)、酢酸(0.0900mL,1.57mmol)、2−(2−アミノエトキシ)エタノール(0.131mL,1.31mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(243mg,1.15mmol)より、化合物13(85.4mg,68%)を得た。
APCI−MS m/z:479(M+H)
実施例14(化合物14)
参考例4と同様にして、参考例3で得られる化合物c(50.3mg,0.129mmol)、酢酸(0.0450mL,0.786mmol)、2−メトキシエチルアミン(0.0570mL,0.656mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(119mg,0.561mmol)より、化合物14(50.3mg,87%)を得た。
APCI−MS m/z:449(M+H)
実施例15(化合物15)
参考例4と同様にして、参考例8で得られた化合物g(69.0mg,0.171mmol)、酢酸(0.0587mL,1.03mmol)、n−プロピルアミン(0.0703mL,0.855mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(187mg,0.882mmol)より、化合物15(29.3mg,38%)を得た。
APCI−MS m/z:447(M+H)
実施例16(化合物16)
参考例4と同様にして、参考例8で得られる化合物g(66.5mg,0.165mmol)、酢酸(0.0587mL,1.03mmol)、ジエチルアミン(0.0886mL,0.855mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(175mg,0.824mmol)より、化合物16(47.4mg,62%)を得た。
APCI−MS m/z:461(M+H)
実施例17(化合物17)
参考例4と同様にして、参考例8で得られる化合物g(51.6mg,0.128mmol)、酢酸(0.0730mL,1.28mmol)、N−エチルエチレンジアミン(0.0670mL,0.636mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(114mg,0.537mmol)より、化合物17(23.6mg,39%)を得た。
APCI−MS m/z:476(M+H)
実施例18(化合物18)
参考例4と同様にして、参考例8で得られる化合物g(52.5mg,0.130mmol)、酢酸(0.0740mL,1.29mmol)、N,N−ジエチルエチレンジアミン(0.0910mL,0.648mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(114mg,0.539mmol)より、化合物18(50.5mg,77%)を得た。
APCI−MS m/z:504(M+H)
実施例19(化合物19)
参考例4と同様にして、参考例8で得られる化合物g(51.2mg,0.127mmol)、酢酸(0.0440mL,0.769mmol)、2−アミノエタノール(0.0380mL,0.630mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(121mg,0.570mmol)より、化合物19(20.3mg,36%)を得た。
APCI−MS m/z:449(M+H)
実施例20(化合物20)
参考例4と同様にして、参考例8で得られる化合物g(51.8mg,0.128mmol)、酢酸(0.0440mL,0.758mmol)、2−エトキシエチルアミン(0.0670mL,0.639mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(123mg,0.581mmol)より、化合物20(41.5mg,68%)を得た。
APCI−MS m/z:477(M+H)
実施例21(化合物21)
参考例4と同様にして、参考例8で得られる化合物g(51.4mg,0.127mmol)、酢酸(0.0440mL,0.758mmol)、ピロリジン(0.0530mL,0.636mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(117mg,0.551mmol)より、化合物21(55.7mg,96%)を得た。
APCI−MS m/z:459(M+H)
実施例22(化合物22)
参考例4と同様にして、参考例8で得られる化合物g(51.7mg,0.128mmol)、酢酸(0.0440mL,0.758mmol)、モルホリン(0.0560mL,0.642mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(133mg,0.628mmol)より、化合物22(55.2mg,91%)を得た。
APCI−MS m/z:475(M+H)
実施例23(化合物23)
参考例4と同様にして、参考例8で得られる化合物g(57.6mg,0.143mmol)、酢酸(0.0587mL,1.03mmol)、メチルアミンの40%メタノール溶液(0.0838mL,0.855mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(176mg,0.831mmol)より、化合物23(31.4mg,52%)を得た。
APCI−MS m/z:419(M+H)
実施例24(化合物24)
参考例4と同様にして、参考例8で得られる化合物g(58.0mg,0.144mmol)、酢酸(0.0587mL,1.03mmol)、エチルアミンの70%水溶液(0.0707mL,0.855mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(180mg,0.850mmol)より、化合物24(38.2mg,61%)を得た。
APCI−MS m/z:433(M+H)
実施例25(化合物25)
参考例4と同様にして、参考例8で得られる化合物g(52.1mg,0.129mmol)、酢酸(0.0587mL,1.03mmol)、2−アミノプロパン(0.0728mL,0.855mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(175mg,0.828mmol)より、化合物25(46.5mg,81%)を得た。
APCI−MS m/z:447(M+H)
実施例26(化合物26)
参考例4と同様にして、参考例8で得られる化合物g(55.0mg,0.136mmol)、酢酸(0.0800mL,1.40mmol)、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン(0.0880mL,0.699mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(137mg,0.646mmol)より、化合物26(24.4mg,37%)を得た。
APCI−MS m/z:490(M+H)
実施例27(化合物27)
参考例4と同様にして、参考例8で得られる化合物g(53.5mg,0.133mmol)、酢酸(0.0800mL,1.40mmol)、N,N−ジメチルエチレンジアミン(0.0780mL,0.711mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(131mg,0.620mmol)より、化合物27(40.3mg,64%)を得た。
APCI−MS m/z:476(M+H)
実施例28(化合物28)
参考例4と同様にして、参考例8で得られる化合物g(53.3mg,0.132mmol)、酢酸(0.0500mL,0.873mmol)、1−(3−アミノプロピル)−2−ピロリドン(0.0930mL,0.663mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(131mg,0.617mmol)より、化合物28(56.3mg,80%)を得た。
APCI−MS m/z:530(M+H)
実施例29(化合物29)
参考例4と同様にして、参考例8で得られる化合物g(50.7mg,0.126mmol)、酢酸(0.0500mL,0.873mmol)、3−アミノ−1−プロパノール(0.0480mL,0.628mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(138mg,0.652mmol)より、化合物29(38.3mg,66%)を得た。
APCI−MS m/z:463(M+H)
実施例30(化合物30)
参考例4と同様にして、参考例8で得られる化合物g(50.6mg,0.125mmol)、酢酸(0.0500mL,0.873mmol)、N−アセチルエチレンジアミン(80.0mg,0.783mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(134mg,0.632mmol)より、化合物30(30.3mg,49%)を得た。
APCI−MS m/z:490(M+H)
実施例31(化合物31)
参考例4と同様にして、参考例8で得られる化合物g(50.1mg,0.124mmol)、酢酸(0.0500mL,0.873mmol)、2−(2−アミノエトキシ)エタノール(0.0630mL,0.628mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(130mg,0.612mmol)より、化合物31(44.6mg,73%)を得た。
APCI−MS m/z:493(M+H)
参考例4と同様にして、参考例11で得られた化合物j(29.4mg,0.0704mmol)、酢酸(0.0450mL,0.786mmol)、n−プロピルアミン(0.0538mL,0.654mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(162mg,0.762mmol)より、化合物32(30.0mg,93%)を得た。
ESI−MS m/z:459(M−H)
実施例33(化合物33)
参考例4と同様にして、参考例11で得られる化合物j(50.8mg,0.122mmol)、酢酸(0.0420mL,0.734mmol)、ジエチルアミン(0.0630mL,0.609mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(107mg,0.503mmol)より、化合物33(28.5mg,49%)を得た。
APCI−MS m/z:475(M+H)
実施例34(化合物34)
参考例4と同様にして、参考例11で得られる化合物j(51.0mg,0.122mmol)、酢酸(0.0420mL,0.734mmol)、モルホリン(0.0530mL,0.608mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(112mg,0.530mmol)より、化合物34(48.8mg,82%)を得た。
APCI−MS m/z:489(M+H)
実施例35(化合物35)
参考例4と同様にして、参考例11で得られる化合物j(45.0mg,0.108mmol)、酢酸(0.0370mL,0.638mmol)、N,N−ジエチルエチレンジアミン(0.0760mL,0.541mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(97.0mg,0.455mmol)より、化合物35(23.3mg,42%)を得た。
APCI−MS m/z:518(M+H)
実施例36(化合物36)
参考例13で得られた化合物mのトリフルオロ酢酸塩(116mg,0.235mmol)をDMF(4mL)に溶解し、N−tert−ブトキシカルボニル−β−アラニン(127mg,0.671mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(163mg,1.07mmol)および1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.100mL,0.644mmol)を加え、室温で10時間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30mL)を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣を分取薄層クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/3)で精製することにより、化合物36(93.3mg,75%)を得た。
APCI−MS m/z:548(M+H)
実施例37(化合物37)
化合物36(79.0mg,0.149mmol)をジクロロメタン(5mL)に溶解した。この溶液にトリフルオロ酢酸(0.5mL)を加え、室温で3時間攪拌した後、反応液を減圧留去した。残渣を分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール/濃アンモニア水=100/10/1)で精製することにより、化合物37(61.0mg,91%)を得た。
APCI−MS m/z:448(M+H)
実施例38(化合物38)
化合物37(43.6mg,0.0974mmol)をアセトニトリル(5mL)に溶解し、4−ジメチルアミノピリジン(26.6mg,0.218mmol)および無水酢酸(0.0368mL,0.389mmol)を加え、室温で12時間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30mL)を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣を分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=20/1)で精製することにより、化合物38(12.7mg,27%)を得た。
APCI−MS m/z:488(M−H)
実施例39(化合物39)
実施例36と同様にして、参考例13で得られる化合物mのトリフルオロ酢酸塩(107mg,0.218mmol)、N−tert−ブトキシカルボニル−L−プロリン(148mg,0.687mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(209mg,1.35mmol)および1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.120mL,0.784mmol)より、化合物39(140mg,100%)を得た。
APCI−MS m/z:572(M−H)
実施例40(化合物40)
実施例37と同様にして、化合物39(114mg,0.199mmol)およびトリフルオロ酢酸(0.5mL)より、化合物40(76.9mg,82%)を得た。
APCI−MS m/z 474(M+H)
実施例41(化合物41)
実施例36と同様にして、参考例13で得られる化合物mのトリフルオロ酢酸塩(107mg,0.218mmol)、N−tert−ブトキシカルボニル−L−アラニン(130mg,0.686mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(209mg,1.35mmol)および1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.120mL,0.784mmol)より、化合物41(110mg,92%)を得た。
APCI−MS m/z:546(M−H)
実施例42(化合物42および43)
実施例37と同様にして、化合物41(75.7mg,0.138mmol)およびトリフルオロ酢酸(0.5mL)より、化合物42(27.9mg,45%)および43(25.1mg,41%)をジアステレオマーとして得た。
化合物42 APCI−MS m/z:448(M+H)
化合物43 APCI−MS m/z:448(M+H)
実施例43(化合物44)
実施例36と同様にして、参考例13で得られる化合物mのトリフルオロ酢酸塩(107mg,0.218mmol)、N−tert−ブトキシカルボニル−N−メチルグリシン(138mg,0.727mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(209mg,1.35mmol)および1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.120mL,0.784mmol)より、化合物44(106mg,88%)を得た。
APCI−MS m/z:546(M−H)
実施例44(化合物45)
実施例37と同様にして、化合物44(77.8mg,0.142mmol)およびトリフルオロ酢酸(0.5mL)より、化合物45(61.4mg,97%)を得た。
APCI−MS m/z:448(M+H)
実施例45(化合物46)
実施例36と同様にして、参考例13で得られる化合物mのトリフルオロ酢酸塩(107mg,0.218mmol)、N−tert−ブトキシカルボニルグリシン(121mg,0.688mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(209mg,1.35mmol)および1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.120mL,0.784mmol)より、化合物46(58.9mg,51%)を得た。
APCI−MS m/z:532(M−H)
実施例46(化合物47)
実施例37と同様にして、化合物46(39.8mg,0.0750mmol)およびトリフルオロ酢酸(0.5mL)より、化合物47(36.6mg,100%)を得た。
APCI−MS m/z:434(M+H)
実施例47(化合物48)
実施例36と同様にして、参考例13で得られる化合物mのトリフルオロ酢酸塩(107mg,0.218mmol)、N,N−ジメチルグリシン(80.1mg,0.777mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(209mg,1.35mmol)および1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.120mL,0.784mmol)より、化合物48(68.7mg,68%)を得た。
APCI−MS m/z:460(M−H)
実施例48(化合物49)
実施例36と同様にして、参考例13で得られる化合物mのトリフルオロ酢酸塩(101mg,0.206mmol)、N−アセチルグリシン(112mg,0.956mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(215mg,1.40mmol)および1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.120mL,0.784mmol)より、化合物49(87.1mg,89%)を得た。
APCI−MS m/z:474(M−H)
実施例49(化合物50)
実施例36と同様にして、参考例13で得られた化合物mのトリフルオロ酢酸塩(107mg,0.218mmol)、N−tert−ブトキシカルボニル−γ−アミノ酪酸(129mg,0.633mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(209mg,1.35mmol)および1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.120mL,0.784mmol)より、化合物50(44.4mg,36%)を得た。
実施例50(化合物51)
実施例40と同様にして、実施例49で得られた化合物50(36.0mg,0.0640mmol)およびトリフルオロ酢酸(0.3mL)より、化合物51(18.0mg,61%)を得た。
APCI−MS m/z:462(M+H)
実施例51(化合物52)
実施例36と同様にして、参考例15で得られた化合物oのトリフルオロ酢酸塩(105mg,0.208mmol)、N−tert−ブトキシカルボニル−β−アラニン(122mg,0.643mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(169mg,1.10mmol)および1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.120mL,0.784mmol)より、化合物52(87.5mg,75%)を得た。
APCI−MS m/z:562(M+H)
実施例52(化合物53)
実施例37と同様にして、実施例51で得られた化合物52(67.9mg,0.121mmol)およびトリフルオロ酢酸(0.5mL)より、化合物53のトリフルオロ酢酸塩(59.7mg,86%)を得た。
APCI−MS m/z:462(M+H)
実施例53(化合物54)
実施例36と同様にして、参考例15で得られた化合物oのトリフルオロ酢酸塩(103mg,0.203mmol)、N−tert−ブトキシカルボニルグリシン(116mg,0.664mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(190mg,1.23mmol)および1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.120mL,0.784mmol)より、化合物54(80.5mg,72%)を得た。
APCI−MS m/z:548(M+H)
実施例54(化合物55)
実施例37と同様にして、実施例53で得られた化合物54(67.6mg,0.123mmol)およびトリフルオロ酢酸(0.5mL)より、化合物55(52.0mg,94%)を得た。
APCI−MS m/z:448(M+H)
実施例55(化合物56)
実施例36と同様にして、参考例15で得られた化合物oのトリフルオロ酢酸塩(101mg,0.201mmol)、N−tert−ブトキシカルボニル−L−アラニン(128mg,0.678mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(168mg,1.08mmol)および1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.120mL,0.784mmol)より、化合物56(66.3mg,59%)を得た。
APCI−MS m/z:560(M−H)
実施例56(化合物57)
実施例37と同様にして、実施例55で得られた化合物56(54.3mg,0.0970mmol)およびトリフルオロ酢酸(0.5mL)より、化合物57(37.2mg,83%)を得た。
APCI−MS m/z:462(M+H)
実施例57(化合物58)
実施例36と同様にして、参考例15で得られた化合物oのトリフルオロ酢酸塩(102mg,0.202mmol)、N−tert−ブトキシカルボニル−L−プロリン(140mg,0.651mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(173mg,1.11mmol)および1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.120mL,0.784mmol)より、化合物58(94.7mg,82%)を得た。
APCI−MS m/z:588(M+H)
実施例58(化合物59)
実施例37と同様にして、実施例57で得られた化合物58(70.5mg,0.120mmol)およびトリフルオロ酢酸(0.5mL)より、化合物59(51.2mg,88%)を得た。
APCI−MS m/z:488(M+H)
実施例59(化合物60)
実施例36と同様にして、参考例15で得られた化合物oのトリフルオロ酢酸塩(104mg,0.206mmol)、N,N−ジメチルグリシン(73.3mg,0.711mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(183mg,1.18mmol)および1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.120mL,0.784mmol)より、化合物60(76.4mg,78%)を得た。
APCI−MS m/z:476(M+H)
実施例60(化合物61)
実施例36と同様にして、参考例15で得られた化合物oのトリフルオロ酢酸塩(102mg,0.202mmol)、N−tert−ブトキシカルボニル−N−メチルグリシン(122mg,0.645mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(165mg,1.06mmol)および1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.120mL,0.784mmol)より、化合物61(75.4mg,66%)を得た。
APCI−MS m/z:562(M+H)
実施例61(化合物62)
実施例37と同様にして、実施例60で得られた化合物61(61.8mg,0.110mmol)およびトリフルオロ酢酸(0.5mL)より、化合物62(45.9mg,90%)を得た。
APCI−MS m/z:462(M+H)
実施例62(化合物63)
実施例36と同様にして、参考例15で得られた化合物oのトリフルオロ酢酸塩(103mg,0.204mmol)、3−ピペリジノプロピオン酸(103mg,0.656mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(199mg,1.28mmol)および1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.120mL,0.784mmol)より、化合物63(75.1mg,69%)を得た。
APCI−MS m/z:530(M+H)
実施例63(化合物64)
実施例36と同様にして、参考例15で得られた化合物oのトリフルオロ酢酸塩(102mg,0.202mmol)、N,N−ジメチル−γ−アミノ酪酸(119mg,0.710mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(178mg,1.15mmol)および1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.120mL,0.784mmol)より、化合物64(61.3mg,60%)を得た。
APCI−MS m/z:504(M+H)
実施例64(化合物65)
実施例36と同様にして、参考例15で得られた化合物oのトリフルオロ酢酸塩(103mg,0.205mmol)、メトキシ酢酸(0.0500mL,0.652mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(192mg,1.24mmol)および1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.120mL,0.784mmol)より、化合物65(63.8mg,67%)を得た。
APCI−MS m/z:463(M+H)
実施例65(化合物66)
実施例36と同様にして、参考例15で得られた化合物oのトリフルオロ酢酸塩(113mg,0.224mmol)、N−アセチルグリシン(101mg,0.858mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(209mg,1.37mmol)および1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.120mL,0.784mmol)より、化合物66(71.5mg,65%)を得た。
APCI−MS m/z:488(M−H)
実施例66(化合物67)
実施例36と同様にして、参考例18で得られた化合物rの塩酸塩(77.0mg,0.175mmol)、N−tert−ブトキシカルボニル−L−プロリン(108mg,0.502mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(187mg,1.21mmol)および1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.120mL,0.784mmol)より、化合物67(108mg,100%)を得た。
APCI−MS m/z:602(M+H)
実施例67(化合物68)
実施例37と同様にして、実施例66で得られた化合物67(91.6mg,0.152mmol)およびトリフルオロ酢酸(0.5mL)より、化合物68(70.9mg,93%)を得た。
APCI−MS m/z:502(M+H)
実施例68(化合物69)
実施例36と同様にして、参考例18で得られた化合物rの塩酸塩(74.4mg,0.152mmol)、N,N−ジメチルグリシン(94.9mg,0.920mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(204mg,1.32mmol)および1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.120mL,0.784mmol)より、化合物69(81.5mg,100%)を得た。
APCI−MS m/z:490(M+H)
実施例69(化合物70)
実施例36と同様にして、参考例18で得られた化合物rの塩酸塩(75.8mg,0.172mmol)、N−tert−ブトキシカルボニル−N−メチルグリシン(95.0mg,0.502mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(198mg,1.28mmol)および1−エチ
ル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.120mL,0.784mmol)より、化合物70(103mg,100%)を得た。
APCI−MS m/z:576(M+H)
実施例70(化合物71)
実施例37と同様にして、実施例69で得られた化合物70(86.2mg,0.150mmol)およびトリフルオロ酢酸(0.5mL)より、化合物71(64.0mg,90%)を得た。
APCI−MS m/z:476(M+H)
実施例71(化合物72)
実施例36と同様にして、参考例18で得られた化合物rの塩酸塩(76.8mg,0.174mmol)、N−tert−ブトキシカルボニルグリシン(97.7mg,0.558mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(187mg,1.21mmol)および1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.120mL,0.784mmol)より、化合物72(96.9mg,99%)を得た。
APCI−MS m/z:562(M+H)
実施例72(化合物73)
実施例37と同様にして、実施例71で得られた化合物72(80.9mg,0.144mmol)およびトリフルオロ酢酸(0.5mL)より、化合物73(61.1mg,92%)を得た。
APCI−MS m/z:462(M+H)
実施例73(化合物74)
実施例38と同様にして、参考例18で得られた化合物rの塩酸塩(50.3mg,0.114mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(33.7mg,0.276mmol)および無水酢酸(0.0500mL,0.529mmol)より、化合物74(45.6mg,90%)を得た。
APCI−MS m/z:447(M+H))
実施例74(化合物75)
参考例4と同様にして、参考例8で得られる化合物g(51.3mg,0.127mmol)、酢酸(0.0440mL,0.769mmol)、1−メチル−ピペラジン(0.0710mL,0.635mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(119mg,0.563mmol)より、化合物75(52.4mg,85%)を得た。
APCI−MS m/z:488(M+H)
実施例75(化合物76)
参考例4と同様にして、実施例8で得られる化合物g(86.0mg,0.213mmol)、酢酸(0.0730mL,1.28mmol)、2−アミノ−1,3−プロパンジオール(100mg,1.102mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(202mg,0.952mmol)より、化合物76(18.0mg,18%)を得た。
APCI−MS m/z:479(M+H)
実施例76(化合物77)
参考例4と同様にして、実施例8で得られる化合物g(81.4mg,0.202mmol)、酢酸(0.0730mL,1.28mmol)、3−アミノ−1,2−プロパンジオール(88.2mg,0.968mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(202mg,0.952mmol)より、化合物77(21.9mg,23%)を得た。
APCI−MS m/z:479(M+H)
実施例77(化合物78)
工程1
N−tert−ブトキシカルボニル−γ−アミノブチル酸(10g,49.2mmol)をTHF(100mL)に溶解し、N,N’−カルボニルジイミダゾール(14.3g,59.0mmol)を加え、室温で30分間攪拌した。次いで、N,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(6.2g,64.0mmol)を加え、室温で12時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去することにより、1−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(N−メトキシ−N−メチルカルバモイル)プロパン(9.55g,80%)を得た。
APCI−MS m/z:247(M+H)
工程2
上記で得られた1−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(N−メトキシ−N−メチルカルバモイル)プロパンをTHF(300mL)に溶解した。この溶液に、−10℃でイソプロピルマグネシウムクロライドの2.0mol/L THF溶液(18.4mL,36.8mmol)を加え、同温度で15分間攪拌した。次いで、フェニルマグネシウムクロライドの2.0mol/L THF溶液(21.3mL,42.7mmol)を−10℃で加え、室温で3時間攪拌した。反応液に酢酸(5.6mL)を加え減圧濃縮した。残渣に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水溶液で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=6/1→4/1)で精製することにより、4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ブチロフェノン(3.95g,39%)を得た。
APCI−MS m/z:264(M+H)
工程3
上記で得られた4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ブチロフェノンをメタノール(80mL)および蒸留水(20mL)の混合溶媒に溶解した。この溶液にチオセミカルバジド塩酸塩(3.80g,30.0mmol)を加え、室温で5時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をヘキサン−ジエチルエーテルでリスラリーすることにより、4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ブチロフェノン=チオセミカルバゾン(3.86g,76%)を得た。
APCI−MS m/z:337(M+H)
工程4
上記で得られた4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ブチロフェノン=チオセミカルバゾン(1.69g,5.02mmol)をジクロロメタン(50mL)に溶解し、ピリジン(3.30mL,40.2mmol)および塩化トリメチルアセチル(3.1mL,25.1mmol)を加え、室温で12時間攪拌した。反応液に1mol/L塩酸を加え、室温で1時間攪拌した後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=4/1)で精製することにより、参考例17に記載の化合物q(2.02g,80%)を得た。
APCI−MS m/z:505(M+H)
工程5
上記で得られた化合物q(0.674g,1.34mmol)を4mol/L塩化水素−酢酸エチル溶液(20mL)に溶解した。室温で30分間攪拌し、反応液を減圧濃縮した。残渣をジエチルエーテルでリスラリーすることにより、参考例18に記載の化合物rの塩酸塩(574mg,98%)を得た。
ESI−MS m/z:405(M+H)
工程6
上記で得られた化合物rの塩酸塩(450mg,1.02mmol)にジクロロメタン(40mL)およびトリエチルアミン(2.5mL,17.7mmol)を加え攪拌した。次いで、2−クロロ−1−エタンスルホニルクロライド(0.74mL,7.07mmol)を加え、室温で30分間攪拌した。反応液に水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=3/2→1/1)で精製することにより、化合物78(169mg,34%)を得た。
APCI−MS m/z:495(M+H)
実施例78(化合物79)
実施例77で得られる化合物78(490mg,0.991mmol)をアセトニトリル(5mL)、メタノール(5mL)および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(5mL)に溶解し、ジメチルアミン塩酸塩(808mg,9.91mmol)を加え、室温で15分間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣を分取用薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール/トリエチルアミン=90/10/0.1)で精製した。得られた粗生成物を4mol/L塩化水素−酢酸エチル溶液(20mL)およびジエチルエーテルでリスラリーすることにより化合物79(206mg,36%)を塩酸塩として得た。
APCI−MS m/z:540(M+H)
実施例79(化合物80)
実施例77で得られる化合物78(505mg,1.02mmol)を7mol/Lアンモニア−メタノール溶液(100mL)に溶解し、室温で12時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール/トリエチルアミン=6/1/0.35)で精製した。得られた無色粉末を10%塩化水素−メタノール溶液(10mL)に溶解し、ジエチルエーテル(50mL)を加え、生じた結晶を濾取し、乾燥することにより、化合物80(235mg,43%)を得た。
APCI−MS m/z:512(M+H)
実施例80(化合物81)
参考例17で得られる化合物q(0.81g,1.60mmol)をtert−ブタノール(35mL)に溶解し、1mol/L塩酸−1mol/L酢酸ナトリウム緩衝液(pH=3,12mL)および水素化ホウ素ナトリウム(0.60g,16.0mmol)を加え、60℃で15分間攪拌した。反応液に酢酸(2.7mL)を加え、減圧濃縮した。残渣に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=3/1→1/1)で精製することにより、化合物81(323mg,48%)を得た。
APCI−MS m/z:421(M+H)
実施例81(化合物82)
実施例80で得られた化合物81(323mg,0.768mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶解し、ピリジン(0.230mL,2.69mmol)および5−ブロモバレリルクロライド(0.206mL,1.54mmol)を加え、室温で30分間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をジメチルスルホキシド(DMSO)(10mL)に溶解し、酢酸ナトリウム(0.315mg,3.84mmol)を加え、室温で24時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=3/2)で精製することにより、化合物82(0.386g,99%)を得た。
APCI−MS m/z:503(M+H)
実施例82(化合物83)
実施例77の工程5と同様にして、実施例81で得られた化合物82(0.386g,0.768mmol)および4mol/L塩化水素−酢酸エチル溶液(10mL)より、化合物83(0.217g,64%)を得た。
APCI−MS m/z:403(M+H)
実施例83(化合物84)
実施例77の工程6と同様にして、実施例82で得られた化合物83(185mg,0.417mmol)、トリエチルアミン(0.290mL,2.11mmol)および2−クロロ−1−エタンスルホニルクロライド(0.066mL,0.632mmol)より、化合物84(0.205mg,99%)を得た。
APCI−MS m/z:493(M+H)
実施例84(化合物85)
実施例78と同様にして、実施例83で得られた化合物84(0.205mg,0.417mmol)およびジメチルアミン塩酸塩(0.348g,4.26mmol)より、化合物85(0.177mg,77%)を得た。
APCI−MS m/z:538(M+H)
実施例85(化合物86)
実施例77の工程3で得られた4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ブチロフェノン=チオセミカルバゾン(0.968mg,4.09mmol)をアセトン(20mL)に溶解し、ピリジン(1.7mL,20.5mmol)および無水酢酸(1.9mL,20.5mmol)を加え、室温で24時間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣にメタノール(30mL)およびヒドラジン・1水和物(20mL)を加え、室温で1時間攪拌した。反応液に1mol/L塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をジイソプロピルエーテルでリスラリーすることにより、化合物86(0.910mg,59%)を得た。
APCI−MS m/z:379(M+H)
実施例86(化合物87)
実施例85で得られた化合物86(0.334g,0.883mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶解し、ピリジン(0.376mL,4.41mmol)および塩化トリメチルアセチル(0.326mL,2.65mmol)を加え、室温で12時間攪拌した。反応液に塩酸を加え、室温で1時間攪拌した後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=3/2→1/1)で精製することにより、化合物87(0.327g,80%)を得た。
APCI−MS m/z:463(M+H)
実施例87(化合物88)
実施例77の工程5と同様にして、実施例86で得られた化合物87(327mg,0.707mmol)および4mol/L塩化水素−酢酸エチル溶液より、化合物88(214mg,77%)を得た。
H NMR(270MHz,CDCl)δ(ppm):1.24(s,9H),2.17(m,2H),2.28(s,3H),2.39(m,1H),3.03(m,2H),3.23(m,1H),7.21−7.45(m,5H).
APCI−MS m/z:363(M+H)
実施例88(化合物89)
実施例85で得られた化合物86(299mg,0.790mmol)をジクロロメタン(8mL)に溶解し、ピリジン(0.202mL,2.37mmol)および4−ブロモブチリルクロライド(0.230mL,1.98mmol)を加え、室温で30分間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。次いで、残渣をDMSO(3mL)に溶解し、酢酸ナトリウム(0.324mg,3.95mmol)を加え、室温で24時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/1→2/3)で精製することにより、化合物89(0.265g,75%)を得た。
APCI−MS m/z:447(M+H)
実施例89(化合物90)
実施例77の工程5と同様にして、実施例88で得られた化合物89(0.265g,0.593mmol)および4mol/L塩化水素−酢酸エチル溶液(10mL)より、化合物90(0.195g,86%)を得た。
APCI−MS m/z:347(M+H)
実施例90(化合物91)
実施例81と同様にして、実施例85で得られた化合物86(274mg,0.724mmol)、ピリジン(0.185mL,2.17mmol)、5−ブロモバレリルクロライド(0.242mL,1.81mmol)および酢酸ナトリウム(0.324mg,3.95mmol)より、化合物91(0.267g,80%)を得た。
APCI−MS m/z:461(M+H)
実施例91(化合物92)
実施例77の工程5と同様にして、実施例90で得られた化合物91(0.267g,0.580mmol)および4mol/L塩化水素−酢酸エチル溶液(10mL)より、化合物92(0.181g,79%)を得た。
APCI−MS m/z:361(M+H)
実施例92(化合物93)
ピロール(0.0153mL,0.221mmol)をDMF(1mL)に溶解し、水素化ナトリウム(11.1mg,0.278mmol)を加え、0℃に冷却した。次いで、参考例19で得られた化合物s(30.5mg,0.0631mmol)を加え、室温で14時間攪拌した。反応液に水および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=40/1)で精製することにより、化合物93(0.0054g,19%)を得た。
APCI−MS m/z:455(M+H)
実施例93(化合物94)
実施例92と同様にして、参考例19で得られた化合物s(33.2mg,0.0686mmol)、イミダゾール(19.1mg,2.81mmol)および水素化ナトリウム(11.1mg,0.278mmol)、より、化合物94(12.4mg,40%)を得た。
APCI−MS m/z:456(M+H)
実施例94(化合物95)
参考例4と同様にして、参考例8で得られた化合物g(50.0mg,0.124mmol)、酢酸(0.090mL,1.57mmol)、2−ピコリルアミン(0.0650mL,0.968mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(116mg,0.547mmol)より、化合物95(42.5mg,69%)を得た。
APCI−MS m/z:496(M+H)
実施例95(化合物96)
参考例4と同様にして、参考例8で得られた化合物g(50.6mg,0.125mmol)、酢酸(0.0450mL,0.786mmol)、3−ピコリルアミン(0.0650mL,0.968mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(128mg,0.603mmol)より、化合物96(56.0mg,90%)を得た。
APCI−MS m/z:496(M+H)
実施例96(化合物97)
参考例4と同様にして、参考例8で得られた化合物g(100mg,0.248mmol)、酢酸(0.090mL,1.572mmol)、(S)−(−)−1−フェニルエチルアミン(150mg,1.24mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(210mg,0.992mmol)より、化合物97(50mg,40%)得た。
APCI−MS m/z:509(M+H)
実施例97(化合物98)
参考例4と同様にして、参考例8で得られた化合物g(101mg,0.250mmol)、酢酸(0.0900mL,1.57mmol)、3−アミノピリジン(138mg,1.47mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(214mg,1.01mmol)より、化合物98(96.7mg,80%)を得た。
APCI−MS m/z:425(M+H)
実施例98(化合物99)
参考例4と同様にして、参考例8で得られた化合物g(102mg,0.253mmol)、酢酸(0.090mL,1.572mmol)、4−(アミノメチル)ピリジン(136mg,1.26mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(214mg,1.01mmol)より、化合物99(96.8mg,77%)を得た。
APCI−MS m/z:496(M+H)
実施例99(化合物100)
参考例4と同様にして、参考例8で得られた化合物g(490mg,1.21mmol)、酢酸(0.420mL,7.34mmol)、ピペラジン−2−オン(606mg,6.05mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(1.02g,4.84mmol)より、化合物100(563mg,95%)を得た。
APCI−MS m/z:488(M+H)
実施例100(化合物101)
参考例4と同様にして、参考例8で得られた化合物g(100mg,0.248mmol)、酢酸(0.0900mL,1.57mmol)、1−アセチルピペラジン(159mg,1.24mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(210mg,0.992mmol)より、化合物101(110mg,85%)を得た。
APCI−MS m/z:516(M+H)
実施例101(化合物102)
参考例4と同様にして、参考例22で得られた化合物v(0.249g,0.663mmol)、酢酸(0.240mL,4.20mmol)、ジエチルアミン(0.243g,3.32mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.562g,2.65mmol)より、化合物102(0.236g,82%)を得た。
APCI−MS m/z:433(M+H)
実施例102(化合物103)
実施例101で得られた化合物102(34.3mg,0.0793mmol)をメタノール(0.5mL)に溶解し、塩化セリウム(III)・7水和物(29.5mg,0.0793mmol)および水素化ホウ素ナトリウム(30.0mg,0.793mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。反応液に水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=90/10)で精製することにより、化合物103(15.1mg,52%)を得た。
実施例103(化合物104)
実施例102で得られた化合物103(15.1mg,0.0415mmol)をジクロロメタン(0.5mL)に溶解し、0℃に冷却した。この溶液に、ピリジン(0.0128mL,0.150mmol)および塩化トリメチルアセチル(0.014mL,0.125mmol)を加え、室温で15時間攪拌した。反応液に水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去した。残渣を分取用薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=90/10)で精製することにより、化合物104(9.20mg,50%)を得た。
AP−Ms m/z:447(M+H)
実施例104(化合物105)
参考例4と同様にして、参考例8で得られた化合物g(50.1mg,0.124mmol)、酢酸(0.0450mL,0.785mmol)、4−エチルアミノメチルピリジン(84.4mg,0.620mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(105mg,0.496mmol)より、化合物105(51.4mg,79%)を得た。
AP−Ms m/z:524(M+H)
実施例105(化合物106)
参考例4と同様にして、参考例8で得られた化合物g(0.0502g,0.124mmol)、酢酸(0.045mL,0.786mmol)、N−エチルイソプロピルアミン(0.0542g,0.622mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.105g,0.496mmol)より、化合物106(0.0435g,74%)を得た。
APCI−MS m/z:475(M+H)
実施例106(化合物107)
参考例4と同様にして、参考例8で得られた化合物g(0.0710g,0.176mmol)、酢酸(0.062mL,1.08mmol)、2−(エチルアミノ)エタノール(0.0784g,0.880mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.149g,0.704mmol)より、化合物107(0.0572g,68%)を得た。
APCI−MS m/z:477(M+H)
実施例107(化合物108)
参考例4と同様にして、参考例8で得られた化合物g(0.0750g,0.186mmol)、酢酸(0.065mL,1.13mmol)、ジエタノールアミン(0.0978g,0.930mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.158g,0.774mmol)より、化合物108(0.0708g,77%)を得た。
APCI−MS m/z:493(M+)
実施例108(化合物109)
参考例4と同様にして、参考例8で得られた化合物g(0.0985g,0.244mmol)、酢酸(0.090mL,1.57mmol)、シクロプロピルアミン(0.0700g,1.22mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.207g,0.976mmol)より、化合物109(0.0772g,71%)を得た。
APCI−MS m/z:445(M+1)
実施例109(化合物110)
参考例4と同様にして、参考例8で得られた化合物g(0.0516g,0.128mmol)、酢酸(0.0450mL,0.785mmol)、ジメチルアミノエチルメチルアミン(0.0654g,0.640mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.109g,0.512mmol)より、化合物110(0.0523g,82%)を得た。
APCI−MS m/z:490(M+H)
実施例110(化合物111)
参考例4と同様にして、参考例8で得られた化合物g(0.0507g,0.126mmol)、酢酸(0.045mL,0.786mmol)、ジイソプロピルアミン(0.0637g,0.630mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.107g,0.504mmol)より、化合物111(0.0133g,22%)を得た。
APCI−MS m/z:489(M+H)
実施例111(化合物112)
実施例108で得られた化合物109(0.0452g,0.102mmol)をジクロロエタン(2.0mL)に溶解し、アセトアルデヒド(0.0225g,0.51mmol)、酢酸(0.038mL,0.664mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.152g,0.717mmol)を加え、室温で24時間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(3mL)および水(3mL)を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣を分取用薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=9/1)で精製することにより、化合物112(0.0283g,59%)を得た。
APCI−MS m/z:473(M+H)
実施例112(化合物113)
参考例4と同様にして、参考例8で得られた化合物g(0.0760g,0.188mmol)、酢酸(0.065mL,1.14mmol)、4−(2−アミノエチル)モルホリン(0.122g,0.937mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.159g,0.752mmol)より、化合物113(0.0673g,69%)を得た。
APCI−MS m/z:518(M+H)
実施例113(化合物114)
参考例4と同様にして、参考例8で得られた化合物g(0.0750g,0.186mmol)、酢酸(0.065mL,1.14mmol)、1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン(0.121g,0.930mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.157g,0.744mmol)より、化合物114(0.0702g,73%)を得た。
APCI−MS m/z:518(M+H)
実施例114(化合物115)
参考例4と同様にして、参考例8で得られた化合物g(0.0748g,0.185mmol)、酢酸(0.065mL,1.14mmol)、2−(イソプロピルアミノ)エタノール(0.0954g,0.925mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.157g,0.740mmol)より、化合物115(0.0626g,69%)を得た。
APCI−MS m/z:491(M+H)
実施例115(化合物116)
参考例4と同様にして、参考例8で得られた化合物g(0.0760g,0.188mmol)、酢酸(0.065mL,1.14mmol)、1−メチルホモピペラジン(0.102g,0.940mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.159g,0.752mmol)より、化合物116(0.0597g,63%)を得た。
APCI−MS m/z:502(M+H)
実施例116(化合物117)
実施例81と同様にして、実施例102で得られた化合物103(0.0421g,0.116mmol)、ピリジン(0.0135mL,0.167mmol)、4−ブロモブチリルクロライド(0.0161mL,0.139mmol)および酢酸ナトリウム(0.324mg,3.95mmol)より、化合物117(0.0108g,22%)を得た。
APCI−MS m/z:431(M+1)
実施例117(化合物118)
参考例4と同様にして、参考例8で得られる化合物g(0.691g,1.70mmol)、酢酸(0.600mL,10.5mmol)、1−(tert−ブトキシカルボニル)ピペラジン(1.58g,8.48mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(1.44g,6.79mmol)より、化合物118(0.975g,99%)を得た。
APCI−MS m/z:574(M+H)
実施例118(化合物119)
実施例37と同様にして、実施例117で得られた化合物118(0.975g,1.70mmol)、トリフルオロ酢酸(20mL)およびジクロロメタン(30ml)より、化合物119(0.749g,93%)を得た。
APCI−MS m/z:474(M+H)
実施例119(化合物120)
実施例118で得られた化合物119(0.051g,0.108mmol)をジクロロメタン(2.0mL)に溶解した。次いで、ピリジン(0.0175mL,0.216mmol)および塩化イソブチリル(0.0137mL,0.130mmol)を0℃で加え、室温で5時間攪拌した。反応液に1mol/L塩酸および水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣を分取用薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=9/1)で精製することにより、化合物120(0.0475g,81%)を得た。
APCI−MS m/z:544(M+H)
実施例120(化合物121)
実施例119と同様にして、実施例118で得られた化合物119(0.0508g,0.107mmol)、ピリジン(0.0173mL,0.214mmol)および無水トリフルオロ酢酸(0.0181mL,0.128mmol)より、化合物121(0.0471g,77%)を得た。
APCI−MS m/z:570(M+H)
実施例121(化合物122)
実施例119と同様にして、実施例118で得られた化合物119(0.0527g,0.111mmol)、トリエチルアミン(0.0311mL,0.223mmol)およびクロロギ酸メチル(0.0103mL,0.133mmol)より、化合物122(0.0912g,82%)を得た。
APCI−MS m/z:532(M+H)
実施例122(化合物123)
実施例119と同様にして、実施例118で得られた化合物119(0.0519g,0.111mmol)、ピリジン(0.0178mL,0.220mmol)およびメタンスルホニルクロライド(0.0102mL,0.132mmol)より、化合物123(0.0531g,88%)を得た。
APCI−MS m/z:552(M+H)
実施例123(化合物124)
実施例119と同様にして、実施例118で得られた化合物119(0.0502g,0.106mmol)、トリエチルアミン(0.0212mL,0.152mmol)およびジメチルカルバモイルクロライド(0.0117mL,0.127mmol)より、化合物124(0.0450g,78%)を得た。
APCI−MS m/z:545(M+H)
実施例124(化合物125)
実施例119と同様にして、実施例27で得られた化合物27(0.0416g,0.0875mmol)、トリエチルアミン(0.0237mL,0.170mmol)および塩化アセチル(0.00933mL,0.131mmol)より、化合物127(0.0355g,78%)を得た。
APCI−MS m/z:518(M+H)
実施例125(化合物126)
実施例119と同様にして、実施例118で得られた化合物119(0.0511g,0.108mmol)、トリエチルアミン(0.0218mL,0.158mmol)およびn−ブチリルクロライド(0.0135mL,0.130mmol)より、化合物126(0.0491g,84%)を得た。
APCI−MS m/z:544(M+H)
実施例126(化合物127)
参考例4と同様にして、参考例8で得られた化合物g(0.0511g,0.127mmol)、酢酸(0.0520mL,0.908mmol)、N−エチルアニリン(0.0769g,0.635mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.108g,0.508mmol)より、化合物127(0.0541g,83%)を得た。
APCI−MS m/z:509(M+H)
実施例127(化合物128)
実施例111と同様にして、実施例118で得られた化合物119(0.0757g,0.160mmol)、酢酸(0.0650mL,1.14mmol)、プロピオンアルデヒド(0.0465g,0.800mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.203g,0.960mmol)より、化合物128(0.0634g,77%)を得た。
APCI−MS m/z:516(M+H)
実施例128(化合物129)
実施例119と同様にして、実施例118で得られた化合物119(0.0502g,0.106mmol)、トリエチルアミン(0.0212mL,0.154mmol)およびシクロプロパンカルボニルクロライド(0.0115mL,0.127mmol)より、化合物129(0.0504g,88%)を得た。
APCI−MS m/z:542(M+H)
実施例129(化合物130)
実施例111と同様にして、実施例29で得られる化合物29(0.122g,0.264mmol)、酢酸(0.099mL,1.74mmol)、アセトアルデヒド(0.0581g,1.32mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.335g,1.58mmol)より、化合物130(0.0942g,73%)を得た。
APCI−MS m/z:491(M+H)
実施例130(化合物131)
参考例24で得られた化合物x(50.2mg,0.116mmol)をトルエン(2.0mL)に溶解し、ジエチルアミン(0.024mL,0.232mmol)およびジフェニルホスホリルアジド(0.025mL,0.116mmol)を加え、80℃で4時間攪拌した。反応液に水および1mol/L塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣を分取用シリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/アセトニトリル=9/1)で精製することにより、化合物131(0.0235g,40%)を得た。
APCI−MS m/z:503(M−H)
実施例131(化合物132)
参考例4と同様にして、参考例27で得られた化合物aa(20mg,0.037mmol)、酢酸(0.013mL,0.23mmol)、2−アミノエタノール(0.011mL,0.18mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(34mg,0.16mmol)より、化合物132(13mg,60%)を得た。
APCI−MS m/z:579(M+H)
実施例132(化合物133)
実施例131で得られた化合物133(11mg,0.019mmol)をTHF(0.5mL)に溶解し、テトラブチルアンモニウムフルオライド(1.0mol/L THF溶液,0.029mL,0.10mmol)を加え、室温で40分間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣を分取薄層クロマトグラフィー(含アンモニアクロロホルム/メタノール=9/1)で精製することにより、化合物133(10mg,定量的)を得た。
APCI−MS m/z:465(M+H)
実施例133(化合物134)
参考例4と同様にして、参考例27で得られた化合物aa(25mg,0.047mmol)、酢酸(0.027mL,0.47mmol)、エチレンジアミン(0.016mL,0.24mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(45mg,0.21mmol)より、化合物134(5.4mg,20%)を得た。
APCI−MS m/z:578(M+H)
実施例134(化合物135)
実施例132と同様にして、実施例133で得られた化合物134(4.4mg,0.0076mmol)をテトラブチルアンモニウムフルオライド(1.0mol/L THF溶液,0.011mL,0.038mmol)で処理することにより、化合物135(3.5mg,99%)を得た。
APCI−MS m/z:464(M+H)
実施例135(化合物136)
1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(200mg,1.29mmol)をDMF(3mL)に溶解し、氷冷下、3−ジメチルアミノプロピオン酸塩酸塩(100mg,0.646mmol)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール・1水和物(198mg,1.29mmol)を加え、同温度で5分間撹拌した。次いで、参考例15で得られる化合物o(100mg,0.256mmol)を加え、室温で6.7時間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣を分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール/アンモニア=20/0.5/0.5)で精製することにより、化合物136(109mg,87%)を得た。
APCI−MS m/z:490(M+H)
実施例136(化合物137)
実施例63で得られる化合物64(195mg,0.387mmol)をtert−ブチルアルコール(7.8mL)および1mol/L塩酸−1mol/L酢酸ナトリウム緩衝液(pH=3,2.4mL)に溶解し、水素化ホウ素ナトリウム(293mg,7.74mmol)を加え、50℃で1.2時間撹拌した。次いで、1時間ごとに水素化ホウ素ナトリウム(146mg,3.87mmol)を2回加えた後、3時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣を分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール/アンモニア=40/4/1)で精製することにより、化合物137(78mg,48%)を得た。
APCI−MS m/z:420(M+H)
実施例137(化合物138)
実施例88と同様にして、実施例136で得られる化合物137(103mg,0.245mmol)、ジクロロメタン(3.1mL)、ピリジン(0.050mL,0.61mmol)、4−ブロモブチリルクロライド(0.071mL,0.061mmol)および酢酸ナトリウム(50mg,0.61mmol)より、化合物138(36mg,30%)を得た。
APCI−MS m/z:488(M+H)
実施例138(化合物139)
参考例15で得られる化合物o(90.1mg,0.231mmol)をジクロロメタン(3.6mL)に溶解し、ピリジン(0.064mL,0.81mmol)および4−ブロモブチリルクロライド(0.067mL,0.058mmol)を加え、室温で0.7時間撹拌した。反応液に水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。次いで、残渣をDMF(6.8mL)に溶解し、モルホリン(0.403mL,4.62mmol)および炭酸カリウム(160mg,1.16mmol)を加え、100℃で1.3時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣を分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=12/1)で精製することにより、化合物139(31mg,25%)を得た。
APCI−MS m/z:546(M+H)
実施例130(化合物140)
実施例138と同様にして、参考例15で得られる化合物o(108mg,0.277mmol)、ピリジン(0.077mL,0.97mmol)、4−ブロモブチリルクロライド(0.080mL,0.069mmol)、N−メチルピペラジン(0.615mL,5.54mmol)および炭酸カリウム(191mg,1.39mmol)より、化合物140(51mg,33%)を得た。
APCI−MS m/z:559(M+H)
実施例140(化合物141)
工程1
4−メチルアミノ酪酸(1.00g,6.51mmol)を1,4−ジオキサン(30mL)に溶解し、二炭酸−ジ−tert−ブチル(1.42g,6.51mmol)および0.5mol/L水酸化カリウム水溶液(130mL)を加え、室温で72時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで抽出し、有機層を15%クエン酸水溶液および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=30/1→7/1)で精製することにより、4−(N−tert−ブトキシカルボニル−N−メチルアミノ)酪酸(689mg,49%)を得た。
APCI−MS m/z:216(M−H)
工程2
実施例135と同様にして、参考例15で得られる化合物oのトリフルオロ酢酸塩(200mg,0.396mmol)、1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(185mg,1.19mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール・1水和物(243mg,1.58mmol)および上記で得られた4−(N−tert−ブトキシカルボニル−N−メチルアミノ)酪酸(258mg,1.19mmol)より、化合物141(137mg,58%)を得た。
APCI−MS m/z:590(M+H)
実施例141(化合物142)
実施例140で得られた化合物141(84.0mg,0.142mmol)をジクロロメタン(3.5mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(0.109mL,1.42mmol)を加え、室温で72時間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣を分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール/アンモニア=20/0.5/0.5→2/1/1)で精製することにより、化合物142(34mg,48%)を得た。
APCI−MS m/z:490(M+H)
実施例142(化合物143)
実施例37と同様にして、参考例29で得られた化合物cc(100mg,0.231mmol)、をトリフルオロ酢酸(0.356mL,4.62mmol)で処理した。次いで、実施例135と同様にして、1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(108mg,0.693mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール・1水和物(142mg,0.924mmol)および4−ジメチルアミノ酪酸塩酸塩(116mg,0.693mmol)と反応させることにより、化合物143(58mg,57%)を得た。
APCI−MS m/z:446(M+H)
実施例143(化合物144)
実施例37と同様にして、参考例30で得られた化合物dd(120mg,0.269mmol)をトリフルオロ酢酸(0.414mL,5.38mmol)で処理した。次いで、実施例135と同様にして、1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(126mg,0.807mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール・1水和物(165mg,1.08mmol)および4−ジメチルアミノ酪酸塩酸塩(135mg,0.807mmol)と反応させることにより、化合物144(80mg,65%)を得た。
APCI−MS m/z:460(M+H)
実施例144(化合物145)
工程1
4Åモレキュラーシーブス(642mg)をDMF(8mL)に懸濁させ、水酸化セシウム・1水和物(646mg,3.84mmol)、シクロプロピルアミン(0.890mL,12.8mmol)および4−ブロモ酪酸エチル(0.367mL,2.56mmol)を加え、室温で18.7時間撹拌した。反応液をろ過した後、ろ液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去することにより、N−シクロプロピル−4−アミノ酪酸エチル(147mg,34%)を得た。
APCI−MS m/z:172(M+H)
工程2
上記で得られたN−シクロプロピル−4−アミノ酪酸エチル(133mg,0.777mmol)を1,2−ジクロロエタン(8mL)に溶解し、酢酸(0.289mL)、アセトアルデヒド(0.218mL,3.89mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(988mg,4.66mmol)を加え、室温で3時間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣を分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=25/1)で精製することにより、N−シクロプロピル−N−エチル−4−アミノ酪酸エチル(105mg,68%)を得た。
APCI−MS m/z:200(M+H)
工程3
上記で得られたN−シクロプロピル−N−エチル−4−アミノ酪酸エチル(105mg,0.527mmol)をエタノール(5.3mL)に溶解し、4mol/L水酸化カリウム水溶液(0.395mL,1.58mmol)を加え、50℃で40分間撹拌した。反応液に4mol/L塩酸−酢酸エチル溶液(0.791mL,3.16mmol)を加えた後、析出した固体をろ別し、ろ液を減圧濃縮することにより、N−シクロプロピル−N−エチル−4−アミノ酪酸塩酸塩(102mg,93%)を得た。
APCI−MS m/z:172(M+H)
工程4
実施例135と同様にして、参考例15で得られる化合物oのトリフルオロ酢酸塩(121mg,0.234mmol)を1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(73mg,0.47mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール・1水和物(108mg,0.702mmol)および上記で得られたN−シクロプロピル−N−エチル−4−アミノ酪酸塩酸塩(97.1mg,0.234mmol)と反応させた後、分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール/アンモニア=15/0.5/0.5)で精製することにより、化合物145(47mg,37%)を得た。
APCI−MS m/z:544(M+H)
実施例145(化合物146)
参考例31で得られた化合物mの塩酸塩(500mg,1.21mmol)をジクロロメタン(5mL)に溶解し、氷冷下、ピリジン(0.431mL,5.33mmol)およびジクロロメタン(5mL)に溶解したクロロギ酸4−ニトロフェニル(293mg,1.45mmol)を加え、室温で1.5時間攪拌した。反応液に水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を1mol/L塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=9/1→4/1→7/3)で精製することにより、化合物146(460mg,70%)を得た。
APCI−MS m/z:542(M+H)
実施例146(化合物147)
実施例145で得られた化合物146(74mg,0.14mmol)をジクロロメタン(1.5mL)に溶解し、70%エチルアミン水溶液(0.022mL)を加え、室温で1.5時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣を分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=20/1)で精製した後、エタノールおよび水から再結晶することにより、化合物147(22mg,36%)を得た。
APCI−MS m/z:448(M+H)
実施例147(化合物148)
実施例146と同様にして、実施例145で得られた化合物146(72mg,0.13mmol)およびエチレンジアミン(0.053mL,0.80mmol)より、化合物148(48mg,78%)を得た。
APCI−MS m/z:463(M+H)
実施例148(化合物149)
実施例146と同様にして、実施例145で得られた化合物146(71mg,0.13mmol)およびN,N−ジメチルエチレンジアミン(0.029mL,0.26mmol)より、化合物149(54mg,84%)を得た。
APCI−MS m/z:491(M+H)
実施例149(化合物150)
実施例146と同様にして、実施例145で得られた化合物146(71mg,0.13mmol)および2−アミノエタノール(0.016mL,0.27mmol)より、化合物150(57mg,94%)を得た。
APCI−MS m/z:464(M+H)
実施例150(化合物151)
実施例146と同様にして、実施例145で得られた化合物146(72mg,0.13mmol)および1−メチルピペラジン(0.030mL,0.27mmol)より、化合物151(59mg,88%)を得た。
APCI−MS m/z:503(M+H)
実施例151(化合物152)
実施例146と同様にして、実施例145で得られた化合物146(73mg,0.14mmol)および1,3−プロパンジアミン(0.067mL,0.80mmol)より、化合物152(43mg,67%)を得た。
APCI−MS m/z:477(M+H)
実施例152(化合物153)
実施例146と同様にして、実施例145で得られた化合物146(70mg,0.13mmol)およびN,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン(0.032mL,0.25mmol)より、化合物153(58mg,89%)を得た。
APCI−MS m/z:505(M+H)
実施例153(化合物154)
参考例32で得られた化合物ff(520mg,1.01mmol)をDMF(20mL)に溶解し、ヨウ化ナトリウム(3.03g,20.2mmol)を加え、100℃で7時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣にアセトニトリル(15mL)および70%エチルアミン水溶液(3.0mL)を加え、室温で2.5時間攪拌した。さらに、反応液にヨウ化ナトリウム(3.04g,20.3mmol)を加え、16.5時間攪拌した後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を1mol/L塩酸および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=40/1)で精製した後、酢酸エチルでトリチュレーションすることにより、化合物154(74mg,15%)を得た。
H NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm):1.28(s,9H),1.32(s,9H),2.28−2.41(m,2H),2.96(dt,J=8.5,12.3Hz,1H),3.16(m,1H),3.38(dt,J=7.3,14.8Hz,1H),3.53(m,1H),4.21(d,J=15.0Hz,1H),4.56(d,J=15.0Hz,1H),7.21−7.38(m,5H),7.86(s,1H).
実施例154(化合物155)
実施例135と同様にして、参考例31で得られた化合物mの塩酸塩(100mg,0.240mmol)、1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(112mg,0.720mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール・1水和物(147mg,0.960mmol)および4−ジメチルアミノ酪酸塩酸塩(121mg,0.720mmol)より、化合物155(76mg,65%)を得た。
APCI−MS m/z:490(M+H)
実施例155(化合物156)
参考例36で得られた化合物jj(479mg,1.35mmol)をDMF(14mL)に溶解し、N−tert−ブトキシブトキシカルボニルグリシン(686mg,3.92mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(930mg,6.07mmol)および1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(566mg,3.64mmol)を加え、室温で12時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/酢酸エチル=3/7→2/8)で精製することにより、化合物156(160mg,25%)を得た。
APCI−MS m/z:476(M+H)
実施例156(化合物157)
実施例77の工程5と同様にして、実施例155で得られた化合物156(160mg,0.336mmol)および4mol/L塩化水素−酢酸エチル溶液(3mL)より、化合物157(40.7mg,26%)を得た。
APCI−MS m/z:376(M+H)
実施例157(化合物158)
実施例135と同様にして、参考例37で得られた化合物mm(518mg,1.40mmol)、N−tert−ブトキシブトキシカルボニルグリシン(711mg,4.06mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(968mg,6.32mmol)および1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(589mg,3.79mmol)より、化合物158(222mg,33%)を得た。
APCI−MS m/z:490(M+H)
実施例158(化合物159)
実施例77の工程5と同様にして、実施例157で得られる化合物158(222mg,0.453mmol)および4mol/L塩化水素−酢酸エチル溶液(3mL)より、化合物161(37.8mg,20%)を得た。
APCI−MS m/z:390(M+H)
実施例159(化合物160)
参考例4と同様にして、参考例42で得られた化合物qq(0.0625g,0.145mmol)、酢酸(0.060mL,1.05mmol)、シクロプロピルアミン(0.0414g,0.725mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.123g,0.580mmol)より、化合物160(0.0222g,32%)を得た。
APCI−MS m/z:473(M+H)
実施例160(化合物161)
参考例4と同様にして、参考例42で得られた化合物qq(0.0448g,0.104mmol)、酢酸(0.040mL,0.70mmol)、モルホリン(0.0536g,0.535mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.0880g,0.416mmol)より、化合物161(0.0222g,75%)を得た。
APCI−MS m/z:503(M+H)
実施例161(化合物162)
参考例4と同様にして、参考例42で得られた化合物qq(0.0463g,0.107mmol)、酢酸(0.040mL,0.70mmol)、4−メチルピペラジン(0.0536g,0.535mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.0852g,0.403mmol)より、化合物162(0.0502g,91%)を得た。
APCI−MS m/z:516(M+H)
実施例162(化合物163)
実施例111と同様にして、実施例159で得られた化合物160(0.0151g,0.0319mmol)、酢酸(0.013mL,0.228mmol)、アセトアルデヒド(0.00705g,0.160mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.0405g,0.191mmol)より、化合物163(0.00510g,32%)を得た。
APCI−MS m/z:501(M+H)
実施例163(化合物164)
工程1
参考例14の工程1と同様にして、4−ベンゾイルピペリジン塩酸塩(0.721g,3.19mmol)、二炭酸−ジ−tert−ブチル(1.66g,7.61mmol)およびジメチルアミノピリジン(0.280g,2.29mmol)より、4−ベンゾイル−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピペリジン(0.923mg,99%)を得た。
工程2
参考例1の工程1と同様にして、上記で得られる4−ベンゾイル−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピペリジン(1.09g,3.77mmol)およびチオセミカルバジド塩酸塩(1.44g,11.3mmol)より、フェニル(N−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリジル)メタノン=チオセミカルバゾン(0.326g,24%)を得た。
工程3
参考例1の工程2と同様にして、上記で得られたフェニル(N−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリジル)メタノン=チオセミカルバゾン(0.120g,0.331mmol)、ピリジン(0.128mL,1.58mmol)および塩化トリメチルアセチル(0.147mL,1.32mmol)より、化合物164(0.148g,84%)を得た。
APCI−MS m/z:531(M+H)
実施例164(化合物165)
実施例37と同様にして、実施例163で得られた化合物164(0.100g,0.188mmol)およびトリフルオロ酢酸(0.300mL,0.317mmol)より、化合物165(0.0815g,99%)を得た。
APCI−MS m/z:431(M+H)
実施例165(化合物166)
実施例111と同様にして、実施例164で得られた化合物165(0.0307g,0.0713mmol)、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.0907g,0.428mmol)、酢酸(0.025mL,0.437mmol)およびアセトアルデヒド(0.020mL,0.357mmol)より、化合物166(0.0220g,67%)を得た。
APCI−MS m/z:459(M+H)
実施例166(化合物167)
実施例163の工程2で得られるフェニル(N−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリジル)メタノン=チオセミカルバゾン(0.204g,0.563mmol)を無水酢酸(2.0mL,21.2mmol)に溶解し、80℃で2時間攪拌した。反応混合物を減圧濃縮し、残渣にジイソプロピルエーテルを加え攪拌した。析出した白色結晶を濾取し、クロロホルムに溶解させた後、水および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、激しく攪拌した。混合物をクロロホルムで抽出した後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去することにより、化合物167(0.214g,85%)を得た。
APCI−MS m/z:447(M+H)
実施例167(化合物168)
実施例166で得られた化合物167(0.210g,0.470mmol)をメタノール(5mL)に溶解し、塩化セリウム・7水和物(0.175g,0.470mmol)および水素化ホウ素ナトリウム(0.178g,0.470mmol)を加え、室温で30分間攪拌した。反応液に水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=9/1)で精製することにより、化合物168(0.136g,71%)を得た。
APCI−MS m/z:405(M+H)
実施例168(化合物169)
実施例86と同様にして、実施例167で得られた化合物168(0.136g,0.332mmol)、ピリジン(0.0652mL,0.806mmol)および塩化トリメチルアセチル(0.749mL,0.672mmol)より、化合物169(0.139g,86%)を得た。
APCI−MS m/z:489(M+H)
実施例169(化合物170)
実施例37と同様にして、実施例168で得られた化合物169(0.139g,0.284mmol)およびトリフルオロ酢酸(0.900mL,0.951mmol)より、化合物170(0.0997g,90%)を得た
APCI−MS m/z:389(M+H)
実施例170(化合物171)
実施例111と同様にして、実施例169で得られた化合物170(0.0313g,0.0806mmol)、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.103g,0.484mmol)、酢酸(0.025mL,0.437mmol)およびアセトアルデヒド(0.0224mL,0.403mmol)より、化合物171(0.0211g,63%)を得た。
APCI−MS m/z:417(M+H)
実施例171(化合物172)
参考例43で得られた化合物rr(0.119g,0.213mmol)をtert−ブチルアルコール(2.0mL)に溶解し、N−(tert−ブトキシカルボニル)エタノールアミン(0.329mL,2.13mmol)およびカリウムtert−ブトキシド(0.263g,2.34mmol)を加え、室温で18時間攪拌した。反応液に、水および1.0mol/L塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣を分取用薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=20/1)で精製することにより、化合物172(0.068g,58%)を得た。
APCI−MS m/z:549(M+H)
実施例172(化合物173)
実施例37と同様にして、実施例171で得られる化合物172(0.116g,0.211mmol)およびトリフルオロ酢酸(0.300mL,0.317mmol)より、化合物175(0.0186g,20%)を得た。
APCI−MS m/z:449(M+H)
実施例173(化合物174)
参考例43で得られた化合物rr(0.103g,0.184mmol)をtert−ブチルアルコール(5.0mL)に溶解し、2−メルカプトエチルアミン塩酸塩(0.103mg,0.184mmol)およびカリウムtert−ブトキシド(0.206g,1.84mmol)を加え、室温で15時間攪拌した。反応液に水および1.0mol/L塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣を分取用薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール/アンモニア=9/1/1)で精製することにより、化合物174(0.0574g,67%)を得た。
APCI−MS m/z:465(M+H)
実施例174(化合物175)
実施例171と同様にして、参考例44で得られた化合物ss(0.218g,0.380mmol)をN−(tert−ブトキシカルボニル)エタノールアミン(0.306mL,1.90mmol)およびカリウムtert−ブトキシド(0.426g,3.80mmol)と反応させた。次いで、実施例37と同様にして、トリフルオロ酢酸(0.500mL,0.528mmol)で処理することにより、化合物175(0.0346g,46%)を得た。
APCI−MS m/z:463(M+H)
実施例175(化合物176)
実施例173と同様にして、参考例44で得られる化合物ss(0.122g,0.213mmol)、2−メルカプトエチルアミン塩酸塩(0.122mg,0.107mmol)およびカリウムtert−ブトキシド(0.239g,2.13mmol)より、化合物176(0.0626g,62%)を得た。
APCI−MS m/z:479(M+H)
実施例176(化合物177)
工程1
2−ヒドロキシアセトフェノン(1.03g,7.60mmol)をDMF(50mL)に溶解し、無水酢酸(1.20mL,12.7mmol)およびN,N−ジメチルアミノピリジン(1.03g,8.41mmol)を加え、室温で4時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=20/1→10/1)で精製することにより、2−アセトキシアセトフェノン(0.941g,69%)を得た。
H−NMR(300MHz,CDCl):2.24(s,3H),5.35(s,2H),7.45−7.54(m,2H),7.57−7.65(m,1H),7.88−7.95(m,2H).
工程2
上記で得られた2−アセトキシアセトフェノン(0.637g,3.57mmol)をメタノール(15mL)に溶解し、チオセミカルバジド塩酸塩(508mg,3.98mmol)を加え、室温で2時間攪拌した。反応混合物を減圧濃縮した後、残渣をジクロロメタン(15mL)に懸濁し、ピリジン(1.00mL,12.4mmol)およびトリメチルアセチルクロライド(1.40mL,11.4mmol)を加え、室温で12時間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、室温で1時間攪拌した後、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=9/1→4/1→2/1)で精製することにより、化合物177(0.592g,39%)を得た。
APCI−MS m/z:420(M+H)
実施例177(化合物178)
参考例23で得られる化合物w(0.304g,0.806mmol)をジクロロメタン(15mL)に溶解し、N,N’−カルボニルジイミダゾール(0.539g,3.32mmol)を加え、室温で2時間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=4/1→2/1→1/1)で精製することにより、化合物178(0.360g,95%)を得た。
H−NMR(300MHz,CDCl):1.27(s,9H),1.31(s,9H),5.28(d,J=11.0Hz,1H),5.63(d,J=11.0Hz,1H),7.06−7.09(m,1H),7.25−7.45(m,6H),8.03(br s,1H),8.10(br s,1H).
実施例178(化合物179)
実施例177で得られた化合物178(30.8mg,0.0653mmol)をジクロロメタン(2mL)に溶解し、2−アミノエタノール(0.0784mL,1.31mmol)を加え、室温で3時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣を分取薄層クロマトグラフィー(酢酸エチル)で精製することにより、化合物179(27.1mg,89%)を得た。
ESI−MS m/z:465(M+H)
実施例179(化合物180)
実施例178と同様にして、実施例177で得られた化合物178(30.8mg,0.0653mmol)およびN−エチルエチレンジアミン(0.138mL,1.31mmol)より、化合物180(23.6mg,74%)を得た。
ESI−MS m/z:492(M+H)
実施例180(化合物181)
実施例178と同様にして、実施例177で得られた化合物178(30.8mg,0.0653mmol)および1−(2−アミノエチル)ピロリジン(0.166mL,1.31mmol)より、化合物181(26.5mg,78%)を得た。
ESI−MS m/z:518(M+H)
実施例181(化合物182)
参考例8で得られた化合物g(0.189g,0.469mmol)をメタノール(6mL)に溶解し、O−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩(51.7mg,0.619mmol)を加え、室温で1.5時間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣を分取用薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=60/1)で精製することにより、化合物182(0.174g,86%)を得た。
APCI−MS m/z:433(M+H)
実施例182(化合物183)
実験例181と同様にして、参考例8で得られた化合物g(0.191g,0.474mmol)および塩化ヒドロキシルアンモニウム(42.5mg,0.612mmol)より、化合物183(0.146g,73%)を得た。
APCI−MS m/z:419(M+H)
以下に、参考例1〜44で得られる化合物a〜ssの構造を第9表〜第12表に示す。
Figure 2004111024
Figure 2004111024
Figure 2004111024
Figure 2004111024
Figure 2004111024
参考例1(化合物a)
工程1
チオセミカルバジド塩酸塩(8.30g,65.1mmol)をメタノール(50mL)と蒸留水(50mL)の混合溶媒に溶解し、ベンゾイル酢酸エチル(17.0mL,98.2mmol)および濃塩酸(1.00mL,12.0mmol)を加え、室温で11時間攪拌した。析出した固体をろ取し、メタノールで洗浄した後、乾燥し、3−フェニル−3−チオセミカルバゾノプロピオン酸エチルエステル(11.1g,64%)を得た。
工程2
上記で得られた3−フェニル−3−チオセミカルバゾノプロピオン酸エチルエステル(2.03g,7.65mmol)をジクロロメタン(40mL)に溶解し、ピリジン(4.00mL,49.7mmol)および塩化トリメチルアセチル(5.60mL,45.5mmol)を加え、室温で12時間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、室温でさらに1時間攪拌した後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=20/1→9/1)で精製することにより、化合物a(3.25g,98%)を得た。
参考例2(化合物b)
参考例1で得られた化合物a(519mg,1.20mmol)をTHF(10mL)に溶解した。この溶液を0℃に冷却した後、水素化ジイソブチルアルミニウムの0.93mol/Lヘキサン溶液(5.30mL,4.93mmol)を加え、2.5時間攪拌した。反応液に無水硫酸ナトリウムおよび飽和硫酸ナトリウム水溶液を加え、さらに1時間攪拌した後、ろ過した。ろ液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=4/1→2/1)で精製することにより、化合物b(348mg,74%)を得た。
ESI−MS m/z:392(M+H)
参考例3(化合物c)
参考例2で得られた化合物b(234mg,0.597mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶解し、二クロム酸ピリジニウム(783mg,2.08mmol)を加え、室温で60時間攪拌した。反応液をろ過した後、得られたろ液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=4/1→2/1)で精製することにより、化合物c(155mg,67%)を得た。
参考例4(化合物d)
参考例3で得られた化合物c(55.8mg,0.143mmol)を1,2−ジクロロエタン(5mL)に溶解し、酢酸(0.0450mL,0.786mmol)、n−プロピルアミン(0.0538mL,0.654mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(130mg,0.612mmol)を加え、室温で12時間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30mL)を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣を分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール/濃アンモニア水=100/10/1)で精製することにより、化合物d(51.9mg,84%)を得た。
ESI−MS m/z:865(2M+H)
参考例6(化合物e)
工程1
参考例1の工程1と同様にして、3−カルボメトキシ−1−フェニル−1−プロパノン(8.13g,42.3mmol)とチオセミカルバジド(3.86g,42.3mmol)より、3−カルボメトキシ−1−フェニル−1−プロパノン=チオセミカルバゾン(10.6g,94%)を得た。
工程2
参考例1の工程2と同様にして、上記で得られた3−カルボメトキシ−1−フェニル−1−プロパノン=チオセミカルバゾン(7.76g,29.2mmol)、ピリジン(11.3mL,140mmol)および塩化トリメチルアセチル(14.4mL,117mmol)より、化合物e(9.70g,77%)を得た。
参考例7(化合物f)
参考例2と同様にして、参考例6で得られた化合物e(1.50g,3.46mmol)および水素化ジイソブチルアルミニウムの0.93mol/Lヘキサン溶液(12.5mL,11.6mmol)より、化合物f(1.49g,100%)を得た。
参考例8(化合物g)
参考例3と同様にして、参考例7で得られた化合物f(1.00g,2.47mmol)および二クロム酸ピリジニウム(2.94g,7.81mmol)より、化合物g(517mg,52%)を得た。
参考例9(化合物h)
工程1
参考例1の工程1と同様にして、4−カルボメトキシ−1−フェニル−1−ブタノン(0.588g,2.85mmol)およびチオセミカルバジド(0.260g,2.85mmol)より4−カルボメトキシ−1−フェニル−1−ブタノン=チオセミカルバゾン(0.700g,88%)を得た。
工程2
参考例1の工程2と同様にして、上記で得られた4−カルボメトキシ−1−フェニル−1−ブタノン=チオセミカルバゾン(0.700g,2.51mmol)、ピリジン(0.431mL,5.34mmol)および塩化トリメチルアセチル(0.549mL,4.45mmol)より、化合物h(318mg,64%)を得た。
参考例10(化合物i)
参考例2と同様にして、参考例9で得られた化合物h(667mg,1.49mmol)および水素化リチウムアルミニウムの1.00mol/Lヘキサン溶液(3.00mL,3.00mmol)より、化合物i(0.393g,63%)を得た。
ESI−MS m/z:418(M−H)
参考例11(化合物j)
参考例3と同様にして、参考例10で得られた化合物i(338mg,0.805mmol)および二クロム酸ピリジニウム(878mg,2.33mmol)より、化合物j(189mg,56%)を得た。
参考例12(化合物k)
工程1
2−アミノアセトフェノン塩酸塩(2.93g,17.1mmol)をアセトニトリル(100mL)に溶解し、二炭酸−ジ−tert−ブチル(5.09g,22.9mmol)および4−ジメチルアミノピリジン(2.21g,18.1mmol)を加え、室温で10時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=9/1→4/1)にて精製し、2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)アセトフェノン(865mg,21%)を得た。
工程2
上記で得られた2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)アセトフェノン(851mg,3.62mmol)をメタノール(20mL)に溶解し、チオセミカルバジド塩酸塩(1.03g,8.04mmol)を加え、室温で15時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去することにより、2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)アセトフェノン=チオセミカルバゾンを得た。得られた2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)アセトフェノン=チオセミカルバゾンをジクロロメタン(50mL)に溶解し、ピリジン(1.75mL,21.7mmol)および塩化トリメチルアセチル(2.23mL,18.1mmol)を加え、室温で16時間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、室温でさらに1時間攪拌した後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=9/1→4/1)にて精製し、化合物k(910mg,53%)を得た。
APCI−MS m/z:477(M+H)
参考例13(化合物m)
参考例12で得られた化合物k(369mg,0.770mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶解した。この溶液にトリフルオロ酢酸(1.0mL)を加え、室温で2時間攪拌した後、反応液を減圧留去し、化合物mをトリフルオロ酢酸塩(436mg,100%)として得た。
参考例14(化合物n)
工程1
酢酸パラジウム(II)(125mg,0.559mmol)およびトリフェニルホスフィン(317mg,1.21mmol)をTHF(50mL)に溶解した。この溶液にN−tert−ブトキシカルボニル−β−アラニン(2.07g,10.9mmol)、フェニルボロン酸(1.61g,13.2mmol)、蒸留水(0.477mL,26.5mmol)およびトリメチル酢酸無水物(3.23mL,15.9mmol)を加えた後、60℃に加熱し、24時間攪拌した。反応液をろ過した後、ろ液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=9/1→4/1)にて精製し、3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−プロピオフェノン(1.85g,68%)を得た。
工程2
上記で得られた3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−プロピオフェノン(513mg,2.06mmol)をメタノール(40mL)に溶解した。この溶液にチオセミカルバジド塩酸塩(562mg,4.40mmol)を加え、室温で8時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去し、淡黄色固体(3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)プロピオフェノン=チオセミカルバゾン;513mg)を得た。得られた固体の一部(198mg)をジクロロメタン(10mL)に溶解した。この溶液にピリジン(0.300mL,3.73mmol)および塩化トリメチルアセチル(0.415mL,3.37mmol)を加え、室温で22時間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、室温でさらに1時間攪拌した後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣を分取薄層クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1)にて精製し、化合物n(319mg,82%)を得た。
APCI−MS m/z:491(M+H)
参考例15(化合物o)
実施例37と同様にして、参考例14で得られた化合物n(274mg,0.557mmol)およびトリフルオロ酢酸(1.0mL)より、化合物oをトリフルオロ酢酸塩として(252mg,90%)得た。
APCI−MS m/z:391(M+H)
参考例16(化合物p)
水酸化ナトリウム(2.68g,66.9mmol)を水(2mL)に溶解し、1,4−ジオキサン(4mL)を加え、次いで参考例9で得られる化合物h(9.65g,22.3mmol)を加えた。室温で5時間攪拌した後、1mol/L塩酸(20mL)および水(30mL)を加え、析出した白色結晶をろ取した。得られた白色結晶を水さらにジイソプロピルエーテルで洗浄した後、減圧乾燥することにより化合物p(9.17g,95%)を得た。
参考例17(化合物q)
参考例16で得られた化合物p(4.44g,10.2mmol)をtert−ブタノール(100mL)に溶解し、80℃に加熱した。この溶液にトリエチルアミン(1.4mL,10.2mmol)およびアジ化ジフェニルホスホリル(2.2mL,10.2mmol)を加え、同温度で9時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮し、水(100mL)を加え酢酸エチル(300mL)で抽出した。有機層を飽和食塩水(50mL)で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=3/1)で精製することにより、化合物q(1.91g,3.78mmol)を得た。
参考例18(化合物r)
参考例17で得られた化合物q(1.91g,3.78mmol)を4mol/L塩化水素−酢酸エチル(50mL)に溶解し、室温で30分間静置した。溶媒を減圧留去し、化合物rの塩酸塩(1.43g,3.24mmol)を得た。
APCI−MS m/z:405(M+H)
参考例19(化合物s)
参考例7で得られた化合物f(508mg,1.25mmol)をジクロロメタン(20mL)に溶解し、トリエチルアミン(0.251mL,1.80mmol)を加え、0℃に冷却した。次いで、メタンスルホニルクロライド(0.116mL,1.50mmol)を加え、室温で30分間攪拌した。反応液に水および1mol/L塩酸を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去することにより、化合物s(0.623g,99%)を得た。
APCI−MS m/z:484(M+H)
参考例20(化合物t)
参考例1の工程2と同様にして、参考例6の工程1で得られる3−メトキシカルボニル−1−フェニル−1−プロパノン=チオセミカルバゾン(1.00g,3.58mmol)をイソブチリルクロライド(1.49mL,14.3mmol)およびピリジン(1.48mL,17.2mmol)と反応させた。
次いで、上記の反応生成物を5mol/L水酸化ナトリウム水溶液(10mL)およびメタノール(20mL)の混合溶液に溶解し、2時間激しく攪拌した。反応混合物を1mol/L塩酸(200mL)に滴下し、析出した白色沈殿物を濾取し、真空乾燥することにより化合物t(1.39g,99%)を得た。
参考例21(化合物u)
参考例20で得られた化合物t(1.39g,3.55mmol)をTHF(10mL)に溶解した。この溶液にN,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(0.416g,4.26mmol)およびN,N−カルボニルジイミダゾール(0.634g,3.91mmol)を加え、室温で15時間攪拌した。反応液に水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を1mol/L塩酸および水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=99/1→95/1)で精製することにより、化合物u(1.02g,66%)を得た。
参考例22(化合物v)
参考例21で得られた化合物u(0.372g,0.856mmol)をTHF(15mL)に溶解した。この溶液を0℃に冷却した後、水素化ジイソブチルアルミニウムの1.01mol/Lヘキサン溶液(1.68mL,1.70mmol)を加え、2.5時間攪拌した。反応液に無水硫酸ナトリウムおよび飽和硫酸ナトリウム水溶液を加え、さらに1時間攪拌した後、濾過した。濾液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=3/1)で精製することにより、化合物v(0.249g,77%)を得た。
参考例23(化合物w)
実施例176で得られた化合物177(0.585g,1.40mmol)をメタノール(15mL)に溶解し、ナトリウムメトキシド(0.170g,3.14mmol)を加え、室温で6時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=9/1→4/1→2/1→1/1)で精製することにより、化合物w(0.206g,39%)を得た。
APCI−MS m/z:378(M+H)
参考例24(化合物x)
水酸化ナトリウム(2.7g,67mmol)を水(23mL)に溶解し、メタノール(30mL)を加えた。この溶液に、参考例9で得られた化合物h(254mg,0.567mmol)を加え、室温で5時間攪拌した。反応液に1mol/L塩酸(20mL)および水(30mL)を加え、析出した白色固体を濾取した。得られた固体を水およびジイソプロピルエーテルで洗浄した後、減圧乾燥することにより、化合物x(234mg,95%)を得た。
H NMR(270MHz,CDCl)δ(ppm):1.29(s,9H),1.32(s,9H),1.65−1.75(m,1H),2.10−2.35(m,2H),2.50(m,2H),3.10−3.20(m,1H),7.23−7.35(m,6H),7.92(br s,1H).
参考例25(化合物y)
工程1
コハク酸モノメチル(1.00g,7.57mmol)、3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)フェニルボロン酸(2.23g,8.84mmol)、トリフェニルホスフィン(0.280g,1.07mmol)および酢酸パラジウム(II)(0.10g,0.46mmol)をTHF(20mL)に懸濁し、水(0.340mL,18.9mmol)および無水ピバリン酸(2.30mL,11.3mmol)を加え、アルゴン雰囲気下、60℃で33時間攪拌した。反応液を減圧濃縮した後、残渣に水および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧濃縮した。残渣を12連並列分取クロマトグラフィー(山善:Hi−FlashTMcolumn、ヘキサン→ヘキサン/酢酸エチル=3/2)で精製することにより、4−(3−tert−ブチルジメチルシリルオキソフェニル)−4−オキソブチル酸メチルエステル(557mg,23%)を得た。
APCI−MS m/z:323(M+H)
工程2
参考例1の工程1と同様にして、上記で得られた4−(3−tert−ブチルジメチルシリルオキソフェニル)−4−オキソブチル酸メチルエステル(557mg,1.73mmol)を濃塩酸(数滴)およびチオセミカルバジド(481mg,5.28mmol)と反応させることにより、4−(3−tert−ブチルジメチルシリルオキソフェニル)−4−チオセミカルバゾノブチル酸メチルエステル(540mg,79%)を得た。
工程3
参考例1の工程2と同様にして、上記で得られた4−(3−tert−ブチルジメチルシリルオキソフェニル)−4−チオセミカルバゾノブチル酸メチルエステル(540mg,1.37mmol)をピリジン(0.662mL,8.19mmol)および塩化トリメチルアセチル(1.00mL,8.12mmol)と反応させることにより、化合物y(309mg,40%)を得た。
APCI−MS m/z:564(M+H)
参考例26(化合物z)
参考例25で得られた化合物y(246mg,0.436mmol)をTHF(10mL)に溶解し、氷冷下、水素化ジイソブチルアルミニウム(1.01mol/Lトルエン溶液,1.38mL,1.39mmol)を加え、同温度で2時間攪拌した。さらに反応液に水素化ジイソブチルアルミニウム(1.01mol/Lトルエン溶液,0.86mL,0.87mmol)を加え、1時間攪拌した後、飽和硫酸ナトリウム水溶液および無水硫酸ナトリウムを加え、室温で45分間攪拌した。沈殿を濾別し、減圧濃縮した後、残渣を12連並列分取クロマトグラフィー(ヘキサン→ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製することにより、化合物z(145mg,62%)を得た。
H NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm):0.17(s,6H),0.96(s,9H),1.29(s,9H),1.33(s,9H),1.57(m,1H),2.05(m,1H),2.29(m,1H),3.13(m,1H),3.70−3.80(m,2H),6.70(m,1H),6.80(dd,J=2.0,2.2Hz,1H),6.93(m,1H),7.17(dd,J=8.1,8.1Hz,1H),7.89(s,1H).
参考例27(化合物aa)
参考例26で得られた化合物z(72mg,0.13mmol)をジクロロメタン(1mL)に溶解し、二クロム酸ピリジニウム(156mg,0.415mmol)を加え、室温で24時間攪拌した。沈殿物を濾別し、沈殿物をクロロホルムで洗浄した後、濾液および洗浄液を集め、減圧濃縮した。残渣を分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/アセトン=9/1)で精製することにより、化合物aa(43mg,60%)を得た。
APCI−MS m/z:534(M+H)
参考例28(化合物bb)
参考例14の工程2の中間体として得られる3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)プロピオフェノン=チオセミカルバゾン(4.07g,12.6mmol)をアセトン(20mL)に溶解し、ピリジン(5.4mL,63.1mmol)および無水酢酸(6.0mL,63.1mmol)を加え、室温で24時間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣にメタノール(30mL)およびヒドラジン・1水和物(20mL)を加え、室温で1時間攪拌した。反応液に1mol/L塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣にジイソプロピルエーテル(30mL)を加え、リスラリーした後、不溶物を濾取し、減圧乾燥することにより化合物bb(4.38g,95%)を得た。
APCI−MS m/z:365(M+H)
参考例29(化合物cc)
実施例88と同様にして、参考例28で得られた化合物bb(103mg,0.283mmol)、4−ブロモブチリルクロライド(0.082mL,0.707mmol)、ピリジン(0.072mL,0.848mmol)および酢酸ナトリウム(232mg,2.83mmol)より、化合物cc(103mg,84%)を得た。
APCI−MS m/z:433(M+H)
参考例30(化合物dd)
実施例81と同様にして、参考例28で得られた化合物bb(400mg,1.10mmol)、ピリジン(0.222mL,2.75mmol)、5−ブロモバレリルクロライド(0.367mL,2.75mmol)および酢酸ナトリウム(225mg,2.75mmol)より、化合物dd(490mg,100%)を得た。
H NMR(270MHz,CDCl)δ(ppm):1.44(s,9H),1.85−1.98(m,4H),2.30(s,3H),2.44−2.55(m,3H),3.17−3.29(m,2H),3.68(m,1H),3.86(m,2H),4.64(br s,1H),7.21−7.33(m,5H).
参考例31(化合物mの塩酸塩)
実施例77の工程5と同様にして、参考例12で得られる化合物k(3.13g,6.57mmol)および4mol/L塩化水素−酢酸エチル溶液(30mL)より、化合物mの塩酸塩(2.80g,定量的)を得た。
H NMR(270MHz,DMSO−d)δ(ppm):1.17(s,9H),1.32(s,9H),4.06(d,J=13.7Hz,1H),4.21(d,J=13.7Hz,1H),7.20−7.44(m,5H),8.30(br s,3H),11.17(s,1H).
参考例32(化合物ff)
参考例31で得られた化合物mの塩酸塩(2.80g,6.78mmol)をジクロロメタン(50mL)に懸濁し、氷冷下、トリエチルアミン(3.80mL,27.3mmol)および3−クロロプロパンスルホニルクロライド(1.24mL,10.2mmol)を加え、同温度で20分間攪拌した。反応液に水および1mol/L塩酸を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をジイソプロピルエーテルおよび酢酸エチルの混合溶媒でトリチュレーションすることにより、化合物ff(3.01g,86%)を得た。
ESI−MS m/z:515,517(M−H)
参考例33(化合物gg)
参考例12の工程2の中間体として得られる2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)アセトフェノン=チオセミカルバゾン(2.91g,9.44mmol)に無水酢酸(30mL)を加え、130℃で5分間、次いで70℃で1時間攪拌した。反応液を放冷後、ジイソプロピルエーテルとヘキサンの混合溶媒でトリチュレーションすることにより、化合物gg(2.06g,56%)を得た。
APCI−MS m/z:393(M+H)
参考例34(化合物hh)
参考例33で得られた化合物gg(2.01g,5.12mmol)をアセトニトリル(20mL)に溶解し、ヒドラジン・1水和物(8.0mL,0.16mol)を加え、室温で6時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣を12連並列分取クロマトグラフィー(山善:Hi−FlashTMcolumn、ヘキサン/酢酸エチル=2/3)で精製することにより、化合物hh(1.42g,79%)を得た。
APCI−MS m/z:351(M+H)
参考例35(化合物ii)
実施例88と同様にして、参考例34で得られた化合物hh(1.01g,2.88mmol)をピリジン(0.585mL,7.23mmol)および4−ブロモブチリルクロライド(0.840mL,7.24mmol)と反応させた後、次いで、DMSO(20mL)中、酢酸ナトリウム(608mg,7.41mmol)で処理することにより、化合物ii(0.99g,82%)を得た。
APCI−MS m/z:419(M+H)
参考例36(化合物jj)
実施例77の工程5と同様にして、参考例35で得られた化合物ii(3.81g,9.10mmol)を4mol/L塩化水素−酢酸エチル溶液(30mL)に溶解し、室温で30分間攪拌した。反応液を減圧留去した後、残渣をジエチルエーテルでリスラリーすることにより化合物jj(2.64g,91%)を得た。
APCI−MS m/z:319(M+H)
参考例36(化合物kk)
実施例81と同様にして、参考例34で得られる化合物hh(1.57g,4.48mmol)、ピリジン(1.20mL,13.4mmol)、5−ブロモバレリルクロライド(1.50mL,11.2mmol)および酢酸ナトリウム(3.7g,44.8mmol)より化合物kk(1.85g,95%)を得た。
APCI−MS m/z:433(M+H)
参考例37(化合物mm)
実施例77の工程5と同様にして、参考例36で得られた化合物kk(1.85g,4.28mmol)および4mol/L塩化水素−酢酸エチル溶液(20mL)より、化合物mm(1.42g,90%)を得た。
APCI−MS m/z:333(M+H)
参考例39(化合物nn)
工程1
実施例77の工程3と同様にして、5−(エトキシカルボニル)バレロフェノン(0.299g,1.28mmol)およびチオセミカルバジド塩酸塩(0.490g,3.84mmol)より、5−(メトキシカルボニル)バレロフェノン=チオセミカルバゾン(定量的)を得た。
工程2
参考例1の工程2と同様にして、上記で得られた5−(メトキシカルボニル)バレロフェノン=チオセミカルバゾン(0.233g,0.994mmol)、ピリジン(0.387mL,4.78mmol)および塩化トリメチルアセチル(0.444mL,3.98mmol)より、化合物nn(0.200g,42%)を得た。
参考例40(化合物oo)
参考例20と同様にして、参考例39で得られた化合物nn(0.200g,0.420mmol)、5mol/L水酸化ナトリウム水溶液(10mL)およびメタノール(20mL)より化合物oo(0.185g,98%)を得た。
参考例41(化合物pp)
参考例21と同様にして、参考例40で得られる化合物oo(0.200g,0.447mmol)、N,N’−カルボニルジイミダゾール(79.8g,492mmol)およびN,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(6.2g,64.0mmol)より、化合物pp(0.198g,90%)を得た。
参考例42(化合物qq)
参考例22と同様にして、参考例41で得られた化合物pp(0.198g,0.404mmol)および水素化ジイソブチルアルミニウム(0.95mol/Lヘキサン溶液,0.51mL,0.485mmol)より、化合物qq(0.154g,88%)を得た。
参考例43(化合物rr)
参考例7で得られた化合物f(0.541g,1.33mmol)をジクロロメタン(7.0mL)に溶解し、トリエチルアミン(0.464mL,3.33mmol)およびp−トルエンスルホニルクロライド(259mg,1.36mmol)を加え、室温で15時間攪拌した。反応液に1.0mol/L塩酸および水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)で精製することにより、化合物rr(0.515g,69%)を得た。
APCI−MS m/z:560(M+H)
参考例44(化合物ss)
参考例43と同様にして、参考例10で得られる化合物i(0.405g,0.965mmol)、トリエチルアミン(0.336mL,2.41mmol)およびp−トルエンスルホニルクロライド(202mg,1.06mmol)より、化合物ss(0.277g,50%)を得た。
製剤例1 錠剤(化合物7)
常法により、次の組成からなる錠剤を調製する。化合物7,40g、乳糖286.8gおよび馬鈴薯澱粉60gを混合し、これにヒドロキシプロピルセルロースの10%水溶液120gを加える。この混合物を常法により練合し、造粒して乾燥させた後、整粒し打錠用顆粒とする。これにステアリン酸マグネシウム1.2gを加えて混合し、径8mmの杵をもった打錠機(菊水社製RT−15型)で打錠を行って、錠剤(1錠あたり活性成分20mgを含有する)を得る。
処方 化合物7 20 mg
乳糖 143.4mg
馬鈴薯澱粉 30 mg
ヒドロキシプロピルセルロース 6 mg
ステアリン酸マグネシウム 0.6mg
200 mg
本発明により、細胞増殖が関わる疾患の治療、例えば悪性腫瘍(乳癌、胃癌、卵巣癌、大腸癌、肺癌、脳腫瘍、喉頭癌、血液系の癌、膀胱癌および前立腺癌を含む尿生殖管の癌、腎癌、皮膚癌、肝癌、膵癌、子宮癌など)、再狭窄、心肥大、免疫疾患などの治療に有用なチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩が提供される。

Claims (34)

  1. 一般式(I)
    Figure 2004111024
    <式中、
    は水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニルまたは置換もしくは非置換のシクロアルキルを表し、
    は水素原子または−COR(式中、Rは置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニルまたは置換もしくは非置換のシクロアルキルを表す)
    を表すか、またはRとRが隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の複素環基を形成し、
    は水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニルまたは置換もしくは非置換のシクロアルキルを表し、
    は置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の複素環基を表し、
    Aは、−(CH−(式中、nは1〜6の整数を表す)または式(II)
    Figure 2004111024
    (式中、mは0〜2の整数を表し、ZはBと結合するCHまたは窒素原子を表す)を表し、
    (i)Aが−(CH−であり、nが1または2であるとき
    Bは、−NR{式中、Rは水素原子または低級アルキルを表し、Rは置換低級アルキル、−COR[式中、Rは置換低級アルキル(但し、トリフルオロメチルではない)、置換低級アルコキシ、置換もしくは非置換のアリールオキシ、置換もしくは非置換の複素環基または−NR10(式中、RおよびR10は、同一または異なって、水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の複素環基を表すか、またはRとR10が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の複素環基を形成する)を表す]を表すか、またはRとRが隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の複素環基を形成する}、
    −OR11(式中、R11は置換低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルカノイル、置換もしくは非置換の低級アルキルカルバモイル、置換もしくは非置換のジ低級アルキルカルバモイルまたは置換もしくは非置換の複素環カルボニルを表す)、
    −SR12(式中、R12は前記R11と同義である)、または
    CH=NR13(式中、R13はヒドロキシまたは置換もしくは非置換の低級アルコキシを表す)を表し、
    (ii)Aが−(CH−であり、nが3〜6の整数であるとき、
    Bは−NR1415{式中、R14およびR15は同一または異なって、水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換の複素環基、−COR16[式中、R は置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換の低級アルコキシ、置換もしくは非置換のアリールオキシまたは−NR1718(式中、R17およびR18は、同一または異なって、水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の複素環基を表すか、または
    17とR18が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の複素環基を形成する)を表す]または−SO19[式中、R19は置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換の複素環基または−NR2021(式中、R20およびR21は同一または異なって、水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニルまたは置換もしくは非置換のシクロアルキルを表すか、またはR20とR21が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の複素環基を形成する)を表す]を表すか、またはR14とR15が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の複素環基を形成する}、
    −OR22(式中、R22は前記R11と同義である)、
    −SR23(式中、R23は前記R11と同義である)、または
    −CH=NR24(式中、R24は前記R13と同義である)を表し、
    (iii)Aが式(II)であるとき、
    Bは水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルカノイル、置換もしくは非置換の低級アルコキシカルボニルまたは置換もしくは非置換の低級アルキルスルホニルを表す>
    で表されるチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
  2. が水素原子または低級アルキルである請求の範囲第1項記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
  3. が−COR(式中、Rは前記と同義である)である請求の範囲第1または2項記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
  4. が低級アルキルである請求の範囲第3項記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
  5. がtert−ブチルである請求の範囲第3項記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
  6. が低級アルキルである請求の範囲第1〜5項のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
  7. がtert−ブチルである請求の範囲第1〜5項のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
  8. が置換もしくは非置換のアリールである請求の範囲第1〜7項のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
  9. がフェニルである請求の範囲第1〜7項のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
  10. Aが−(CH−(式中、nは前記と同義である)である請求の範囲第1〜9項のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
  11. nが1または2である請求の範囲第10項記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
  12. Bが−NR(式中、RおよびRはそれぞれ前記と同義である)である請求の範囲第11項記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
  13. が水素原子である請求の範囲第12項記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
  14. が−COR(式中、Rは前記と同義である)である請求の範囲第12または13項記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
  15. とRが隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の複素環基を形成する請求の範囲第12項記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
  16. nが3〜6の整数である請求の範囲第10項記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
  17. nが3である請求の範囲第10項記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
  18. Bが−NR1415(式中、R14およびR15はそれぞれ前記と同義である)である請求の範囲第16または17項記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
  19. 14が水素原子である請求の範囲第18項記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
  20. 15が置換もしくは非置換の低級アルキルである請求の範囲第18または19項記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
  21. 15が−COR16 (式中、R16は前記と同義である)である請求の範囲第18または19項記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
  22. 16が置換もしくは非置換の複素環基である請求の範囲第21項記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
  23. 16が−NR1718(式中、R17およびR18はそれぞれ前記と同義である)である請求の範囲第21項記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
  24. 15が−SO19(式中、R19は前記と同義である)である請求の範囲第18または19項記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
  25. Aが式(II)である請求の範囲第1〜9項のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
  26. Zが窒素原子である請求の範囲第25項記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
  27. Bが水素原子または置換もしくは非置換の低級アルキルである請求の範囲第25または26項記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
  28. 請求の範囲第1〜27項のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬。
  29. 請求の範囲第1〜27項のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有するM期キネシンイージーファイブ(Eg5)阻害剤。
  30. 請求の範囲第1〜27項のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する抗腫瘍剤。
  31. 請求の範囲第1〜27項のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩の有効量を投与することを特徴とするM期キネシンEg5阻害方法。
  32. 請求の範囲第1〜27項のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩の有効量を投与することを特徴とする悪性腫瘍の治療方法。
  33. M期キネシンEg5阻害剤の製造のための請求の範囲第1〜27項のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩の使用。
  34. 抗腫瘍剤の製造のための請求の範囲第1〜27項のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩の使用。
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