JPWO2004108192A1 - 薬液供給制御方法、その方法に使用する薬液供給制御装置及びその装置を用いた薬液投与セット - Google Patents

薬液供給制御方法、その方法に使用する薬液供給制御装置及びその装置を用いた薬液投与セット Download PDF

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Abstract

薬液の投与を行なう場合に、血管が確保されているか、否かを容易に検出できるようにする。 (a) 薬液供給手段と注射ライン間に介装されたハウジング1と、(b) ハウジング1内に軸心方向に摺動自在に備えられて、軸心方向の摺動により、薬液供給手段と注射ラインを断続自在に接続するスプール2と、(c) 薬液供給手段から注射ラインへの薬液の供給を停止させる薬液供給停止手段及び/又は薬液供給手段から注射ラインへの薬液供給に関する不具合を報知する不具合報知手段を使用し、注射ラインが閉鎖状態の場合に、薬液供給停止手段及び/又は不具合報知手段を作動させる。

Description

本発明は、薬液供給制御方法、その方法に使用する薬液供給制御装置及びその装置を用いた薬液投与セットに関する。
シリンジにより、患者に薬液を投与する方法には、シリンジのチップに接続可能な注射針、既に血管に留置された留置針、或いは、カテーテルから延びる所謂注射ライン等にシリンジを接続する方法がある。この際、予め、血管が確保、即ち、注射ラインに接続された注射針の先端が血管内に確実に留置されている場合は問題ない。
しかし、そうでない場合には、血管までの流路及び接続された注射針の先端の位置を確認する必要がある。通常、最初に、薬液又は生理食塩水等により、患者までの注射ライン内の空気を除去する所謂「プライミング」を行った後、注射ラインの注射針を患者の血管に穿刺する。その後、シリンジのプランジャーを引いて、注射ラインに血液が逆流してくる所謂「フラッシュバック」を目視し、注射針が血管内に確実に留置されていることを確認する。
CTスキャナーやMRIスキャナー(磁気共鳴診断装置)等の装置の内部にいる患者に薬液を投与する場合には、その必要性から、肘静脈等に対し、手動により、又は、注入手段として自動注入機を使用して、高速の注入速度で投与することも少なくない。患者に薬液を上記のように投与する際には、例えば、予め、血管が確保されている場合でも、装置内にいる患者が動くことで、注射針の先端が患者の血管から外れることがある。そのため、薬液の投与前にフラッシュバックを行い、血管が確保されているか否かを確認する必要がある。
通常、医療機関では、血管内へ注射すべき薬液が血管外へ漏出することを防ぐため、薬液を投与する直前に、再度、シリンジのプランジャーを引き、注射ラインへの血液の逆流を確認している。しかしながら、高速の注入速度による注射針先端の位置の移動や、患者の体動などにより、留置された注射針の先端位置が血管内に正しく留置されないことがあるという問題があった。
又、同時に患者がCTスキャナーやMRIスキャナー等の内部にいる場合、血液の逆流を確認しづらいという問題もあった。
この際、血管が正しく確保されていない場合には、薬液が必要でない部位、即ち、血管外に無理に注入されることによって、患者は著しい痛みを感じることになる。又、これにより、無理に注射された薬剤が無駄になると共に、当初予定していた検査を再度行う必要が生じるばかりか、患者における、無理に薬液が注入された部位等への治療も行わなければならない。これらのことは必要でない医療行為とコストの負担を招く要因にもなり得る。
更に、薬液の投与を行うシリンジが、予め薬液が充填された薬液充填済みシリンジ(プレフィルドシリンジ)の場合には、ガスケットがシリンジバレルの開放端近傍に位置していたり、高圧蒸気滅菌時のガスケット抜け防止の目的で、開放端からストッパーが挿着されている場合があるが、これらの場合には、構造上、プランジャーを引くことができない。そのため、上記のものでは、血管の確保の確認が行えず、従って、血管が確保されていないことに起因する上記の問題が必然的に発生する可能性があったのが実情である。
又、薬液の投与をカテーテルを介して行う場合にも、カテーテルの挿入部位によっては、換言すれば、カテーテルが患者の体内の奥深い部位に挿入されている場合にも、上記同様の問題が生じていた。
更に、薬液の種類によっては、その最大注入速度が定められているものもあるが、従来においては、薬液の注入速度が正規注入速度よりも大である場合に、これを施術者に報知したり、或いは、薬液の注入を停止したりすることができない場合が少なくなく、そのため、上記の場合には、患者に負担が掛かっていたのが実情である。
又、放射線医薬品を投与する際には、施術者の被爆を防止するために、シリンジや注射ラインも防護壁で覆われている場合があるが、そのような場合には、血液の逆流を視覚的に確認できない。そのため、上記の場合には、血管の確保の確認が行えず、従って、血管が確保されていないことに起因する上記の問題が必然的に発生する可能性があったのが実情である。
解決しようとする問題点は、「薬液の投与を行なう患者がCTスキャナーやMRIスキャナー等の内部にいる場合」や、「薬液の投与を行うシリンジがプレフィルドシリンジである場合」や、「患者の体内の奥深い部位に挿入されているカテーテルを介して、薬液の投与を行なう場合」や、「放射線医薬品を投与する際に、施術者の被曝を防止するために、シリンジや注射ラインも防護壁で覆われている場合」には、血管が確保されているか、否かを容易に検出できなかった点等である。
本発明は、上記問題点を解決した薬液供給制御方法、その方法に使用する薬液供給制御装置及びその装置を用いた薬液投与セットを提供することを目的とし、本発明の薬液供給制御方法の特徴とするところは、(a)薬液供給手段と注射ライン間に介装されたハウジングと、(b)ハウジング内に軸心方向に摺動自在に備えられて、軸心方向の摺動により、薬液供給手段と注射ラインを断続自在に接続するスプールと、(c)薬液供給手段から注射ラインへの薬液の供給を停止させる薬液供給停止手段及び/又は薬液供給手段から注射ラインへの薬液供給に関する不具合を報知する不具合報知手段を使用し、注射ラインが閉鎖状態の場合に、薬液供給停止手段及び/又は不具合報知手段を作動させる点にある。
尚、ハウジングに、スプールの軸心方向一端面と対向し、この端面との間が作動用流入部とされる対向部が形成されており、薬液の圧力が設定圧力以上の場合に、薬液供給停止手段が、薬液供給手段又は注射ラインの薬液を作動用流入部に供給して、スプールを軸心方向に摺動させ、これにより、薬液供給手段から注射ラインへの薬液の供給を停止させることもある。
又、スプールに係脱自在に係合された操作手段を使用し、注射ラインに液体を満たした状態で、操作手段によりスプールに軸心方向の操作力を作用させ、これにより、注射ラインが開放状態の場合には、スプールが摺動して、注射ライン内の液体がハウジング内に吸引され、注射ラインが閉鎖状態の場合には、スプールが摺動せず、スプールと操作手段の係合が解除されることもある。
更に、注射ラインが開放状態の場合に、注射ライン内の液体が、スプールにおける、操作方向とは反対側の端面とハウジング間に吸引されることもある。
本発明の薬液供給制御装置の特徴とするところは、(a)薬液供給手段と注射ライン間に介装されたハウジングと、(b)ハウジング内に軸心方向に摺動自在に備えられ、軸心方向の摺動により、薬液供給手段と注射ラインを断続自在に接続するスプールと、(c)薬液供給停止手段及び/又は不具合報知手段を有し、薬液供給停止手段は、注射ラインが閉鎖状態の場合及び/又は薬液の圧力が設定圧力以上の場合に薬液供給手段から注射ラインへの薬液の供給を停止させる手段とされ、不具合報知手段は、薬液供給手段から注射ラインへの薬液供給に関する不具合を報知する手段とされた点にある。
尚、ハウジングに、スプールの軸心方向一端面と対向し、この端面との間が作動用流入部とされる対向部が形成され、薬液供給停止手段が、作動時に、薬液供給手段又は注射ラインの薬液を作動用流入部に供給して、スプールを軸心方向に摺動させることもある。
又、ハウジングに、(a)スプール孔と、(b)薬液供給手段からの薬液をスプール孔内に流入させる流入ポートと、(c)スプール孔内の薬液を注射ラインに流出させる流出ポートが形成され、スプール孔内に、流入ポートと流出ポートを断続自在に接続するスプールが軸心方向に摺動自在に備えられ、流入ポートと流出ポートの接続時において、薬液の圧力が上昇した際に、この圧力により、スプールを摺動させて、流入ポートと流出ポートの接続を遮断する薬液供給停止手段が備えられることもある。
更に、スプールが、軸心方向に離間した一対のランドを有し、両ランド間が、流入ポートと流出ポートを接続するグルーブとされ、薬液供給停止手段が、スプールに形成されて、グルーブと作動用流入部を連通させる流路とされることもある。
又、薬液供給停止手段が、ハウジングに形成されて、薬液供給手段と作動用流入部を連通させる入口側作動ポートとされることもある。
更に、流入ポートが、入口側作動ポートと兼用とされることもある。
又、薬液供給停止手段が、ハウジングに形成されて、注射ラインと作動用流入部を連通させる出口側作動ポートとされることもある。
更に、流出ポートが、出口側作動ポートと兼用とされることもある。
又、対向部の少なくとも一部が、弾性材料からなる補助部とされることもある。
更に、薬液の圧力が設定圧力以上になった際にのみ、スプールの摺動を許容して、薬液供給手段と注射ラインの接続を遮断する設定手段が備えられることもある。
又、設定手段の設定圧力が調整可能とされることもある。
更に、スプールの操作手段を有し、ハウジングが、(a)スプールが軸心方向に摺動自在に内装されたスプール孔と、(b)薬液供給手段からの薬液をスプール孔内に流入させる流入ポートと、(c)スプールの摺動により、流入ポートと断続自在に接続されて、スプール孔内の薬液を注射ラインに流出させる流出ポートと、(d)注射ラインの薬液を作動用流入部に流入させる作動ポートを有し、スプールと操作手段間に、両者を係脱自在に係合し、スプールを対向部から離間する方向に操作した際において、操作手段の操作力が設定操作力以上になった場合に、上記係合を解除する係合手段が備えられることもある。
又、スプールが、軸心方向に離間し且つスプール孔内に軸心方向に摺動自在に備えられる一対のランドを有し、両ランド間が、流入ポートと流出ポートを接続するグルーブとされることもある。
更に、スプールが、(a)軸心方向に離間して、スプール孔内に軸心方向に摺動自在に備えられた一対の小径ランドと、(b)両小径ランドとスプールの軸心方向他端面間に配設されると共に、小径ランドよりも大径とされて、スプール孔内に軸心方向に摺動自在に備えられる大径ランドを有することもある。
又、両小径ランドと大径ランドが別体とされることもある。
更に、スプールに、薬液供給手段と注射ラインの接続の遮断時に、ハウジングの外部に突出して、上記遮断を報知する報知部が備えられることもある。
又、操作手段が、(a)ハウジングに揺動自在に枢支された梃子と、(b)揺動後の梃子を原位置に復帰させる復帰バネを有し、係合手段が、(i)スプールに形成された周溝と、(ii)梃子に形成され、周溝に弾性変形を介して係脱自在に係合する係合部を有することもある。
更に、梃子が、流入ポートと流出ポートの接続の遮断時に、この遮断を報知する報知部とされることもある。
又、ハウジングに、流出ポートを囲繞する筒状の注射ライン装着部が備えられ、注射ライン装着部に、注射ラインと接続されるルアーロックアダプターが備えられることもある。
更に、ハウジングが、(a)軸心方向に形成され、内部にスプールが軸心方向に摺動自在に備えられるスプール孔と、(b)ハウジングの側部に形成され、スプール孔と連通すると共に、注射ラインと接続される流出ポートを有し、スプールが、(i)薬液供給手段と接続されると共に、作動用流入部と連通する連通路と、(ii)スプールの側部に形成され、連通路及びスプール孔と連通すると共に、スプールの摺動により、流出ポートと断続自在に接続される流入ポートを有することもある。
又、ハウジングが、(a)略筒状とされ、内部がスプール孔とされて、先端部が対向部とされると共に、側壁部に流入ポートが半径方向に形成された第1部材と、(b)軸心方向両方に開口する略筒状とされ、基部側の接続部と、注射ラインと接続される先端部側の注射ライン装着部を有する第2部材を有し、接続部が第1部材に先端側から外嵌固着されて、流入ポートが接続部に内有されると共に、流入ポートが、第1・第2部材の間隙を介して、注射ライン装着部と連通することもある。
更に、注射ライン装着部に、注射ラインと接続されるルアーロックアダプターが備えられることもある。
又、ハウジングが、第1部材の基端部に備えられ、スプールの軸心方向後方側への摺動を規制する蓋体を有することもある。
更に、スプールの外周部に、第1〜第3ランドが、先端部から基端部に向かって、軸心方向に並設され、第1・第2ランド間が、流入ポートと流出ポートの接続の遮断時に、流出ポートと連通する遮断用グルーブとされ、第2・第3ランド間が、流入ポートと、常時、連通すると共に、流入ポートと流出ポートの接続時に、流出ポートと連通する接続用グルーブとされることもある。
又、スプールの外周部における、第3ランドよりも基部側に、第4ランドが備えられ、第3・第4ランド間の距離が、スプールの接続位置と遮断位置間の距離よりも大とされることもある。
更に、スプールに貫通孔が軸心方向に形成されて、スプールの基部が、シリンジのチップが分離可能に装着されるチップ装着部とされると共に、貫通孔の先端部が連通路とされることもある。
又、スプールの摺動に必要な外力の値を設定する設定手段が備えられることもある。
更に、設定手段の設定値が調整可能とされることもある。
又、スプールに、流入ポートと流出ポートの接続の遮断時に、ハウジングの軸心方向後方に突出して、上記遮断を報知する報知部が備えられることもある。
更に、薬液供給手段と流入ポートとの間に、三方活栓機能が備えられることもある。
本発明の薬液投与セットの特徴とするところは、薬液供給制御装置と薬液供給手段を有する点にある。
尚、薬液供給手段が注射用シリンジであることもある。
又、注射用シリンジが薬液充填済みシリンジであることもある。
更に、薬液供給手段が点滴用バッグであることもある。
尚、点滴用バッグが薬液充填済みバッグであることもある。
又、薬液供給手段により供給される薬液が造影剤であることもある。
更に、造影剤がMRI造影剤であることもある。
以上詳述したように、本発明によれば、「薬液の投与を行なう患者がCTスキャナーやMRIスキャナー等の内部にいる場合」や、「薬液の投与を行うシリンジがプレフィルドシリンジである場合」や、「患者の体内の奥深い部位に挿入されているカテーテルを介して、薬液の投与を行なう場合」や、「放射線医薬品を投与する際に、施術者の被曝を防止するために、シリンジや注射ラインも防護壁で覆われている場合」において、血管が確保されていない場合には、これを容易に検出できて、薬液の血管外漏出を防止できると共に、患者にとっても、血管外漏出という不安から開放されるメリットがある。
又、薬液の投与直前に、シリンジのプランジャーを引く必要がないので、スムーズ且つ効率的な医療行為を実現できる。
請求項2、4記載の発明によれば、薬液の注入速度が設定された正規注入速度よりも速くなって、薬液の圧力が設定圧力以上になった場合には、薬液を注入できなくなって、上記状態での薬液の注入を防止でき、患者に大きな負担が掛かることがない。
又、上記異常を手元側で容易に知ることができると共に、この異常を視覚的に確認する必要もない。
請求項11記載の発明によれば、弾性材料から成る補助部により、スプールが遮断位置に摺動することを補助できる。
請求項12及び請求項31記載の発明によれば、流入ポートと流出ポートの接続を遮断する際の薬液の圧力を設定できる。
請求項13及び請求項32記載の発明によれば、流入ポートと流出ポートの接続を遮断する際の薬液の圧力を自由に設定できる。
請求項18記載の発明によれば、スプールを摺動させるための操作力が大となるので、施術者は、操作機構を操作していることをより確実に認識できる。
請求項19記載の発明によれば、スプールを摺動させるための操作力がより大となるので、施術者は、操作機構を操作していることを更により確実に認識できる。
請求項20、請求項21及び請求項33記載の発明によれば、施術者が報知部又は梃子を視認することで、流入ポートと流出ポートの接続が遮断されたことを容易に知ることができる。
[図1]本発明の第1実施例を示す断面図である。
[図2]図1の作動状態図である。
[図3]本発明の第2実施例を示す断面図である。
[図4]図3の作動状態図である。
[図5]本発明の第3実施例を示す断面図である。
[図6]図5のスプールの作動状態図である。
[図7]図5の設定機構の作動状態図である。
[図8]本発明の第4実施例を示す断面図である。
[図9]図8の作動状態図である。
[図10]本発明の第5実施例を示す断面図である。
[図11]図10の作動状態図である。
[図12]図10のA−A線矢視断面図である。
[図13]本発明の第6実施例を示す断面図である。
[図14]図13の作動状態図である。
[図15]本発明の第7実施例を示す断面図である。
[図16]図15の作動状態図である。
[図17]本発明の第8実施例を示す正面図である。
[図18]図17の平面図である。
[図19]図17の底面図である。
[図20]図17の左側面図である。
[図21]図17の右側面図である。
[図22]図17の正面断面図である。
[図23]図22の作動状態図である。
[図24]図22の作動状態図である。
[図25]本発明の第9実施例を示す正面断面図である。
[図26]図25の作動状態図である。
[図27]図25の作動状態図である。
[図28]本発明の第10実施例を示す正面断面図である。
[図29]本発明の第11実施例を示す側面図である。
[図30]図29の作動状態図である。
[図31]図29のB−B線矢視断面図である。
[図32]図31のC−C線矢視断面図である。
[図33]図30のD−D線矢視断面図である。
[図34]本発明の第12実施例を示す縦側断面図である。
[図35]本発明の第13実施例を示す側面図である。
[図36]図35の作動状態図である。
[図37]図35のE−E線矢視断面図である。
[図38]図36のF−F線矢視断面図である。
符号の説明
1 ハウジング
2 スプール
3 操作手段
10,210 スプール孔
11,211 対向部
12,212 流入ポート
13,213 流出ポート
19,17 上側・下側ランド
20,122,220 報知部
21,124,221 作動用流入部
25 グルーブ
26 流路
33 設定機構
40 入口側作動ポート
49 出口側作動ポート
50 補助体
120,118,上側・下側ランド
122 報知部
125 グルーブ
128 周溝
131 梃子
132 復帰用バネ
145,143 上側・下側小径ランド
147 大径ランド
150,149 上側・下側構成体
203,204 第1・第2部材
205 蓋体
208 チップ装着部
209 注射ライン装着部
214 接続部
215 間隙
225 連通路
233 設定機構
241〜244 第1〜第4ランド
245 遮断用グルーブ
246 接続用グルーブ
本発明は、血管が確保されているか、否かを容易に検出でき、薬液の血管外漏出を防止できる薬液供給制御方法、その方法に使用する薬液供給制御装置及びその装置を用いた薬液投与セットを提供する。
以下、本発明の第1実施例を、図1及び図2の図面に基づき説明すると、薬液供給制御装置は、薬液供給手段(薬液供給ライン)(図示省略)と注射ライン(図示省略)間に介装されるもので、ハウジング1と、スプール(ガスケット)2等を有する。
薬液供給手段とは、薬液を生体の血管内に投与するための医療器具を意味し、注射用シリンジ、点滴用バック、点滴用ボトル等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。薬液供給手段には、薬液が既に充填されている、薬液充填済みシリンジ(プレフィルドシリンジ)、薬液充填済みバック、薬液充填済み点滴用ボトル等も含まれる。
本明細書において薬液とは、皮膚等を通して生体の血管内に直接適用される、溶液、懸濁液、乳濁液等であって、各種疾病の治療又は診断に用いる薬剤液、栄養剤液、生理食塩水その他の医療用溶液を意味するが、これらに限定されるものではない。尚、各種疾病の診断に用いる薬剤液としては、MRI造影剤、エックス線造影剤、超音波造影剤等の造影剤や各種診断薬を挙げることができる。
注射ラインとしては、シリンジのチップに装着可能な注射針、既に血管に留置された留置針、或いは、カテーテルから延びるライン等が使用される。尚、上記「注射」には、長時間、大量(100ml以上)の薬液を投与する所謂「輸液」も含まれる。
ハウジング1はプラスチック製とされ、本体4と蓋体5を有する。
本体4は、上下方向に配設され且つ上方に開口する筒状(中空状)の筒部(筒状部)7と、筒部7の上下方向中途部から右側方に、後述する流入ポート12を囲繞するように突設された筒状(中空状)のチップ装着部8と、筒部7の上下方向中途部から左側方に、後述する流出ポート13を囲繞するように突設された筒状(中空状)の注射ライン装着部9を、一体形成して成る。尚、チップ装着部8と注射ライン装着部9は、平面的に見た場合に、必ずしも同一直線上に並んでいる必要はなく、筒部7の周方向に角度を設けて設置してもよい。
筒部7の内部は、上下方向の軸心を有し且つ上方に開口するスプール孔10とされ、筒部7の底部が、スプール2の下端面と対向する対向部11とされている。
チップ装着部8は、その内部に、シリンジ(図示省略)のチップが分離可能に装着されると共に、三方活栓機能(三方活栓)を有するもので、右端で開口すると共に、筒部7に左右方向(横方向)に貫通形成された流入ポート12により、スプール孔10と連通している。流入ポート12は、薬液供給手段からの薬液を、チップ装着部8を介して、スプール孔10内に流入させる。チップ装着部8に三方活栓機能を備える方法として、チップ装着部8に2種以上の薬液の流路を任意に変更可能な三方活栓(図示しない)を挿着する方法と、チップ装着部8自体を三方活栓とする方法とがある。
ここで、チップ装着部8に三方活栓機能を備える理由は、下記の通りである。即ち、薬剤が無事血管内に投与された場合でも(殆どの場合は何の問題もなく血管内に投与される)、薬剤に対して血圧の低下など重篤なアレルギー反応が起こる場合があり、このような場合には、迅速な対応が必要となる。この場合において、本発明のように、三方活栓機能により血管が確保されていれば、ステロイド等の様々な薬剤の投与による緊急治療を速やかに行うことが可能となる。
上記のアレルギー反応は薬液注入中に起こることもあり、又、投与後暫くして起こることもあるため、三方活栓機能を使用して検査を行う事が望ましいと考えられている。
又、投与ラインに残存する薬液のフラッシュとしての役割は、投与する薬液量が少ない場合、適切な投与量を確保するという観点から重要となる。
チップ装着部8には、薬液供給手段に備えられたルアーロックアダプター(ルアーロック機構)の雌螺子と螺合し得るよう、フランジを設けることが望ましい。又、薬液供給手段における、チップ装着部8との接続部には、チップ或いはチップに相当する部分を有していることが望ましい。更に、薬液供給手段とチップ装着部8間には、チップ或いはチップに相当する部分を有しているカテーテル等を装着してもよい。
注射ライン装着部9は、注射ライン(図示省略)が分離可能に装着されるもので、チップ装着部8よりも下位に配設されて、左端で開口すると共に、筒部7に左右方向(横方向)に貫通形成された流出ポート13により、スプール孔10と連通している。流出ポート13は、スプール孔10内の薬液を注射ライン装着部9に流出させるもので、流入ポート12よりも下位に配設されている。又、注射ライン装着部9には、例えばルアーロックアダプターのようなロック機構を設け、薬液の注入圧力が高い場合に、注射ラインと注射ライン装着部9が不慮に外れないようにすることが好ましい。注射ライン装着部9には、具体的には、カテーテル、注射針、留置針等が接続される。
蓋体5は筒部7の上端部に外嵌、固着されて、筒部7の上端開口を施蓋しているが、その中央部には、開口部15が上下方向に貫通形成されている。
スプール2はスプール孔10内に上下方向(軸心方向)に摺動自在に備えられて、図1に示すように、スプール2の下端面がハウジング1の対向部11に当接し且つ流入ポート12と流出ポート13を接続する接続位置と、図2に示すように、接続位置よりも上位とされ且つ上記接続を遮断する遮断位置とに位置変更自在とされ、蓋体5の開口部15に挿通されている。スプール2の構成材料としては、プラスチック、熱可塑性エラストマー、シリコンエラストマー、ブチルゴム等が用いられるが、医療器具として使用実績のある弾性部材であれば特に限定されない。
スプール2は、下側ランド17と、下側ランド17よりも小径とされた小径部18と、下側ランド17と(略)同径とされた上側ランド19と、両ランド17,19よりも小径とされた報知部20を、上記の順で、上方に向かって連設(一体形成)することで、構成されている。尚、小径部18を、各ランド17,19と同径としてもよい。
下側ランド17の下端面はハウジング1の対向部11と上下方向に関して対向し、両者間が作動用流入部21とされているが、スプール2が接続位置にある時には、スプール2の下端面は対向部11と当接している。
下側ランド17の外周部の上下端部と、上側ランド19の下端部には、スプール孔10の内面に当接(圧接)して、液漏れを防止するシール部22〜24が備えられている。尚、上記当接により、スプール2は任意の摺動位置で保持可能とされており、摺動開始外力(設定外力)以上の大きさの外力がスプール2に上下方向に作用した際に、スプール2が摺動可能とされている。即ち、シール部22〜24は、上記摺動開始外力を定める設定手段としての機能も有している。
シール部22〜24は、通常、スプール2と一体形成されるが、別体とされたシール部材により構成される場合もある。そして、スプール2が遮断位置にある時に、下側ランド17の上下シール部23,22間に、流出ポート13が位置するようにされている。
軸心方向に関して離間した両ランド17,19間、即ち、小径部18の径方向外方側は、グルーブ(周溝)25とされ、流入ポート12とは、常時、連通しているが、流出ポート13とは、スプール2が接続位置にある時のみ、連通している。
小径部18の下部及び下側ランド17には、薬液供給停止手段(遮断手段)が構成されている。この手段は、流入ポート12と流出ポート13の接続時において、薬液の圧力が設定圧力(異常圧力)以上になった際に、薬液の圧力により、スプール2を摺動させて、流入ポート12と流出ポート13の接続を遮断して、薬液の供給を停止するもので、具体的には、バイパスとされる流路26により構成されている。尚、薬液供給停止手段には、作動用流入部21も含めることがある。
流路26は、グルーブ25と作動用流入部21を連通させるもので、縦孔27と横孔28から成る。縦孔27は、下側ランド17及び小径部18の下部の軸心部に形成されて、下端で下方に開口している。横孔28は、小径部18の下部に前後方向に形成されて、前後方向中央部が縦孔27の上端部と連通すると共に、前後両端が前後方向に開口している。尚、横孔28の前後両端の一方のみが開口していてもよい。
尚、上記薬液供給停止手段の作用により、薬液の設定注入圧力以下の通常注入圧力、即ち、注射時における、シリンジの針のゲージ、シリンジの断面積等に起因する薬液の通常の圧力上昇、例えば、シリンジのプランジャーの摺動初期における薬液の圧力上昇、薬液の正規注入速度等による薬液の圧力上昇によって、スプール2に対して、上方向の外力が作用するが、この外力よりも、スプール2の摺動開始外力は大とされている。又、注射時に、血管が確保されていない場合と、薬液の注入速度が正規注入速度以上の場合には、スプール2に対して、薬液の設定注入圧力以上の大きな異常注入圧力が、上方向の外力として、作用するが、この外力よりは、スプール2の摺動開始外力は小さくされている。即ち、摺動開始外力は、注射時にスプール2に作用する通常外力よりは大とされて、スプール2が不慮に摺動しないようにされているが、注射時にスプール2に作用する異常外力よりは小とされている。
上側ランド19の上面は、スプール2が遮断位置にある時に、蓋体5の下端面と当接する。
報知部20は、薬液供給手段から注射ラインへの薬液供給に関する不具合を報知する不具合報知手段を構成するもので、薬液供給停止手段の作動時に、この作動を報知する。報知部20は、スプール2が接続位置にある時には、ハウジング1から若干上方に突出し(突出させないこともある。)、スプール2が遮断位置にある時には、ハウジング1から大きく上方に突出する。尚、報知部20の視認を確実なものとするために、通常、報知部20は着色される。更に、スプール2の摺動又はそれに伴う報知部20の作動を電気的、光学的若しくは音響的信号に変えて報知させることもできる。電気的、光学的若しくは音響的信号に変えて報知する手段としては、ベル、電球、発光ダイオード、ブザー、音を発する板などが挙げられる。
上記構成例では、注射時には、注射ライン装着部9に、シリンジのチップに装着可能な注射針、既に血管に留置された留置針、或いは、カテーテルから延びる注射ラインが装着され、一方、チップ装着部8に、薬液供給手段として、薬液が充填されたシリンジのチップが装着される。又、スプール2は図1に示す接続位置にあって、そのグルーブ25により、流入ポート12と流出ポート13が接続されている。
注射前には、まず、シリンジのプランジャーを押圧して、患者までの流路、即ち、チップ装着部8、スプール孔10、注射ライン装着部9及び注射ライン内部に薬液を充填して、上記内部の空気を除去する所謂「プライミング」を行なった後、注射ラインの注射針を患者の血管に穿刺する。尚、上記プライミングを生理食塩水により行なう場合もある。
次に、シリンジのプランジャーを押圧するのであるが、この際、血管が確保、即ち、確実に、注射ラインの注射針が血管に穿刺されて、注射ラインが血管に接続されていると共に、薬液の注入速度が正規注入速度である場合には、下記のように、スプール2が接続位置に保持されるので、薬液が血管内に流入し、通常通りの注射を行なえる。
即ち、薬液供給停止手段の作用により、薬液の設定注入圧力以下の通常注入圧力、つまり、注射時における、シリンジの針のゲージ、シリンジの断面積等に起因する薬液の通常の圧力上昇、例えば、シリンジのプランジャーの摺動初期における薬液の圧力上昇、薬液の正規注入速度等による薬液の圧力上昇によって、スプール2の下端面に対して、上方向の外力が作用する。しかし、この外力よりもスプール2の摺動開始外力は大とされているので、スプール2が不慮に摺動する惧れはなく、上記のように、通常通りの注射を行なえる。
しかし、注射時の初期において、血管が確保されていない場合、即ち、注射ラインの注射針が血管に穿刺されておらず、注射ラインが血管に接続されていない場合には、薬液の設定注入圧力以上の大きな異常注入圧力が、流路26を介して、スプール2の下端面に作用し、スプール2に作用する上方向の外力が摺動開始外力以上となる。
これにより、スプール2が上方向に摺動すると共に、シリンジの薬液が、チップ装着部8、流出ポート13を介して、作動用流入部21内に流入し続けて、スプール2が図2に示す遮断位置となり、流入ポート12と流出ポート13の接続が遮断されて、報知部20がハウジング1から大きく突出する。
これによって、シリンジのプランジャーを押圧できなくなり、薬液が必要部位でない箇所に無理に注入されないため、患者が著しい痛みを感じることもない。言い換えれば、患者は必要な医療をスムーズに受け入れることが可能になり、且つ、薬液の血管外への漏出に伴う治療行為などの追加的な医療行為を防ぐことができるため、医療経済的にも効率が上がることが期待される。
又、上記のように、シリンジのプランジャーを押圧できなくなるので、施術者は、上記の異常、即ち、血管が確保されていないことを容易に手元側で知ることができるが、更に、報知部20がハウジング1から大きく突出するので、施術者は容易にこれを視認でき、これによっても、血管が確保されていないことを容易に手元側で知ることができる。
この際、シリンジのプランジャーを引けば、チップ装着部8内等の薬液をシリンジ内に戻すこともでき、この面でも、薬液が無駄にならないようにでき、医療コストの増大を防止できる。尚、シリンジのプランジャーを引いた際には、作動用流入部21内の薬液の圧力が低下して、スプール2が接続位置に戻ることもあるが、戻らない場合には、手でスプール2の報知部20を下方に押圧して、スプール2を接続位置に戻せばよい。このとき、注射ラインの一部を手指等により閉塞させた後、前記操作を行なえば、作動用流入部21内の薬液も再びシリンジ内に戻すことができる。
そして、再度、上記一連の操作を最初から行ない、血管が確保されていることを確認した後、注射を従来同様に行なう。
本構成例では、上記のように、血管が確保されていない場合には、薬液を投与できないので、薬液の投与直前に、シリンジのプランジャーを引いて、注射ラインに血液が逆流してくる所謂「フラッシュバック」を目視で確認して、血管が確保されているか、否かを確認する必要がない。
従って、CT検査やMRI検査等で患者が装置内部にいて、薬液を血管内に高速に注入する必要があるような場合でも、血管外へ薬液が漏出するという不安なく検査を行なうことが可能となる。又、薬液の投与をカテーテルを介して行なう場合でも、カテーテルの挿入部位によって、換言すれば、カテーテルが患者の奥深い部位に挿入されている場合でも、上記同様の問題が生じる惧れもない。更に、薬液の投与を行なうシリンジが、投与前にプランジャーを引くことができない場合が多い薬液充填済みシリンジ(プレフィルドシリンジ)でも、上記のような問題が生じる惧れはない。又、放射線医薬品を投与する場合には、施術者の被曝を防止するために、シリンジや注射ラインも防護壁で覆われている場合があるが、そのような場合でも、血液の逆流を視覚的に確認する必要がないので、何ら問題はない。
又、薬液の種類によっては、薬液の最大注入速度が定められたものがあるが、これに対しても、下記のように、薬液が、正規注入速度よりも速い速度で注入されることはない。即ち、注射の初期が過ぎた後に、薬液の注入速度が正規注入速度よりも速くなると、上記同様に、薬液の設定注入圧力以上の大きな異常注入圧力が、流路26を介して、スプール2の下端面に作用し、スプール2に作用する上方向の外力が摺動開始外力以上となる。これにより、スプール2が遮断位置となり、薬液の注入ができなくなるので、患者に大きな負担が掛かることがないと共に、これを報知部20が報知するので、施術者は、薬液の注入速度が正規注入速度よりも速いことを、容易に手元側で知ることができる。従って、施術者は、スプール2を接続位置に戻した後、シリンジのプランジャーを前よりも遅い速度で押圧し、薬液の注入速度を正規注入速度として、薬液を注入すればよい。
図3及び図4は本発明の第2実施例を示すもので、スプール2の上側ランド19の上端部に上側シール部31が備えられて、上側ランド19における、両シール部24,31間の距離が、スプール2の接続位置と遮断位置間の距離よりも大とされている。これにより、スプール孔10の内面における、下側シール部24の摺動区域が外気による汚染から防護されて、薬液の汚染の惧れが少なくされている。
図5〜図7は本発明の第3実施例を示すもので、スプール2の摺動開始外力を設定する設定機構(手段)33が備えられて、下記のように構成されている。
即ち、スプール2の報知部20の軸心方向中途部には、径方向外方に突出する周突起34が一体形成されている。
又、ハウジング1の筒部7の上端部には、スプール2の報知部20の上部に外嵌される調整筒35が外嵌、固定されている。調整筒35は、弾性変形可能な材料により一体形成されており、その下部の外周面には、上方に向かってテーパー状とされたテーパー螺子部36が形成されている。又、調整筒35の内周面の軸心方向中途部には、径方向内方に突出する周突起37が一体形成され、この周突起37が、スプール2の周突起34の上方に配設されている。更に、調整筒35の上端から周突起34の下端にわたる部分には、径方向に貫通形成されたスリット45が配設されている。調整筒35の構成材料としては、スプール2と同様なものが用いられる。
蓋体5は調整筒に外嵌されて、その内周の雌螺子部38がテーパー螺子部36に螺合されており、図5及び図7に示すように、蓋体5の調整筒35に対する螺進退により、調整筒35のスリット45が周方向に拡縮して、周突起37の内径が拡縮する。尚、調整筒35に、テーパー螺子部36ではなく、通常の螺子部を形成し、蓋体5にテーパー螺子部を形成してもよい。
上記構成例では、スプール2が、図5に示す接続位置から図6に示す遮断位置に移動する際には、調整筒35の周突起37及び/又はスプール2の周突起34が弾性変形して、スプール2の周突起34が調整筒35の周突起37の内部を通過する必要がある。従って、図5及び図7に示すように、調整筒35の周突起37の内径を拡縮することにより、スプール2の周突起34が調整筒35の周突起37の内部を通過するに必要な外力、即ち、摺動開始外力を自由に設定できる。
図8及び図9は本発明の第4実施例を示すもので、ハウジング1が、本体4と、注射ライン装着体39と、蓋体5等を有する。
流入ポート12は筒部7の下部に形成されており、図8に示すように、スプール2が接続位置にある時には、スプール2のグルーブ25と連通するが、図9に示すように、スプール2が遮断位置にある時には、作動用流入部21と連通する。又、流出ポート13は、流入ポート12よりも上位とされ、常時、スプール2のグルーブ25と連通している。筒部7には、流入ポート12の下方に位置する入口側作動ポート40が左右方向に貫通形成され、チップ装着部8と作動用流入部21を連通している。
注射ライン装着体39は、上下方向に関して、チップ装着部8と略同一位置に配置することができ、筒部7の左側面に固設されて、これら両者間には、上下方向の連絡路41が形成され、この連絡路41と流出ポート13が連通すると共に、注射ライン装着体39の右端部に、連絡路41及び注射ライン装着体39内部と連通する連通孔42が左右方向に貫通形成されている。
又、スプール2の下側ランド17の軸心方向長さは小とされている。尚、シール部43は複数であっても良いが、シール性を増すために、好ましくは、単一とされると共に、スプール2の下端面には、対向部11と当接する突起44が形成されており、スプール2が接続位置にある時にも、スプール2の下端面の大部分は対向部11から離間している。
上記構成例によれば、注射時に、薬液の注入圧力が設定注入圧力以上になると、チップ装着部8内の薬液が、まず、入口側作動ポート40を介して、作動用流入部21内に流入して、スプール2が上方に摺動を開始する。その後、流入ポート12とスプール2のグルーブ25との連通が遮断されて、流入ポート12も作動用流入部21と連通し、流入ポート12からも薬液が作動用流入部21内に流入する。これにより、スプール2が、図9に示す所定の遮断位置に摺動する。
図10〜図12は本発明の第5実施例を示すもので、チップ装着部8と注射ライン装着部9、流入ポート12と流出ポート13が、夫々、上下方向に関して、(略)同一位置とされている。又、下側ランド17の上・下シール部23,22間に、軸心方向の縦シール部46が周方向等間隔に配設されて、上・下シール部23,22間が複数の区画室47に区画されており、スプール2が遮断位置になった際に、流入ポート12と流出ポート13が、夫々、異なる区画室47に連通して、流入ポート12と流出ポート13の接続が遮断される。
図13及び図14は本発明の第6実施例を示すもので、上記第4実施例と同様に、ハウジング1が、本体4と、注射ライン装着体39と、蓋体5等を有するが、その相違点のみを次に説明する。
まず、流入ポート12は筒部7の上下方向中途部に形成されて、スプール2のグルーブ25と、常時、連通している。又、流出ポート13は、筒部7の下部側に形成されて、流入ポート12よりも下位とされ、図13に示すように、スプール2が接続位置にある時には、スプール2のグルーブ25と連通するが、図14に示すように、スプール2が遮断位置にある時には、作動用流入部21と連通する。
筒部7には、流出ポート13の下方に位置する出口側作動ポート49が左右方向に貫通形成され、作動用流入部21と連通している。そして、筒部7と注射ライン装着体39間の連絡路41が、流出ポート13及び出口側作動ポート49と連通している。又、ハウジング1の対向部11における、主要部、即ち、外周部を除く部分(又は、全部)が、ゴム等の弾性材料から成る補助体50とされている。
上記構成例によれば、注射時に、薬液の注入圧力が設定注入圧力以上になると、注射ライン装着体39内の薬液が、まず、出口側作動ポート49を介して、作動用流入部21内に流入して、この薬液の圧力により、補助体50が下方に弾性変形する。その後、薬液の圧力により、スプール2が上方に摺動して、流出ポート13とグルーブ25の接続が遮断されると共に、流出ポート13が作動用流入部21と連通する。そして、薬液の圧力と、補助体50の弾性復元力とにより、スプール2が更に上方に摺動して、スプール2が、図14に示す所定の遮断位置となる。
上記構成例では、スプール2が摺動して、流出ポート13とグルーブ25の接続が遮断されると、チップ装着部8側から作動用流入部21内に薬液が供給されないため、スプール2の所定の遮断位置までの『確実な摺動』に、一見、問題があるように考えられるが、補助体50の上記作用により、スプール2は所定の遮断位置まで確実に摺動する。尚、本例において、補助体50が無くても、実際上は、問題がないが、より信頼性を高めるために、補助体50を具備させている。
図15及び図16は本発明の第7実施例を示し、上記第1実施例の変形例であって、その相違点のみを次に説明する。まず、チップ装着部8が注射ライン装着部9よりも若干上位とされている。流出ポート13は、出口側作動ポートと兼用とされるもので、筒部7の下端部に形成されて、常時、作動用流入部21と連通している。又、ハウジング1の対向部11における、主要部、即ち、外周部を除く部分(又は、全部)が、ゴム等の弾性材料から成る補助体50とされている。更に、スプール2の下端面には、対向部11と当接する突起44が形成されており、スプール2が接続位置にある時にも、スプール2の下端面の大部分は対向部11から離間している。
上記構成例によれば、注射時に、流入ポート12からスプール2のグルーブ25内に流入した薬液は、流路26、作動用流入部21、流出ポート13を介して、注射ライン装着部9内に流入する。この際、薬液の注入圧力が設定注入圧力以上になると、作動用流入部21内の薬液の圧力により、補助体50が下方に弾性変形する。その後、薬液の圧力により、スプール2が上方に摺動して、流入ポート12とグルーブ25の連通が遮断される。そして、薬液の圧力と、補助体50の弾性復元力とにより、スプール2が更に上方に摺動して、スプール2が、図16に示す所定の遮断位置となる。尚、本例においても、補助体50が無くても、実際上は、問題がないが、より信頼性を高めるために、補助体50を具備させている。
尚、図13及び図14では、流出ポートと出口側作動ポートを別々に設けたが、図1〜図11、図15及び図16のように、流出ポートと出口側作動ポートを兼用としてもよい。又、図8及び図9では、流入ポートと入口側作動ポートを別々に設けたが、図1〜図7、図10、図11、図13〜図16のように、流入ポートと入口側作動ポートを兼用としてもよい。
図17〜図24は本発明の第8実施例を示し、薬液供給制御装置は、ハウジング1やスプール2の他に、操作手段3も有する。ハウジング1の本体4は透明とされているが、ハウジング1の蓋体5も透明とされることがある。
スプール2は、図22に示す接続位置と、図23に示す遮断位置とに位置変更自在とされている。スプール2は、下端部117と、下側ランド118と、中間部119と、上側ランド120と、ストッパ部121と、報知部122と、軸部123を、上記の順で、上方に向かって連設(一体形成)することで、構成されている。上側・下側ランド120,118は同径とされ、スプール2の他の部分は、これらよりも小径とされている。下端部117と下側ランド118の下端面は、ハウジング1の対向部11と上下方向に関して対向し、これらの間が作動用流入部124とされて、この作動用流入部124に作動用ポート14が連通しているが、スプール2が接続位置にある時には、下端部117は対向部11と当接している。尚、作動用ポート14により、薬液供給停止手段が構成されるが、この薬液供給停止手段に作動用流入部124を含めることもある。
下側ランド118と上側ランド120の外周部は、シール部として、スプール孔10の内面に軸心方向に摺動自在に液密状態(気密状態)で当接(圧接)している。尚、上記当接により、スプール2は任意の摺動位置で保持可能とされており、摺動開始外力(設定外力)以上の大きさの外力がスプール2に上下方向に作用した際に、スプール2が摺動可能とされている。即ち、下側ランド118と上側ランド120の外周のシール部は、上記摺動開始外力を定める設定手段としての機能も有している。これらシール部は、通常、下側ランド118と上側ランド120と一体形成されるが、別体とされたシール部材により構成される場合もある。
下側ランド118と上側ランド120間、即ち、中間部119の径方向外方側は、グルーブ(周溝)125とされ、流入ポート12とは、常時、連通しているが、流出ポート13とは、スプール2が接続位置にある時のみ、連通している。
ストッパ部121の上面は、スプール2が遮断位置にある時に、蓋体5の下端面と当接する。
軸部123は、報知部122よりも小径とされて、その中間部に、全周にわたって、径方向外方に湾曲状に突出するリング部127が形成されており、このリング部127と報知部122間が周溝128とされている。
操作手段3は、後述する係合手段と共に、薬液供給手段から注射ラインへの薬液供給に関する不具合を報知する不具合報知手段を構成するが、この不具合報知手段は、報知部122により構成される不具合報知手段とは別個とされている。操作手段3は、支持台130と、梃子131と、復帰用バネ132を有する。支持台130は、ハウジング1の蓋体5に一体形成されると共に、この支持台130には支持部133が立設されており、この支持部133からは前後に一対の支持軸134が突設されている。梃子131は、その長手方向中途部が支持部133に載置されると共に、支持軸134に弾性変形を介して係脱自在に係合されており、支持軸134により、ハウジング1に揺動自在に枢支されている。又、梃子131の先端部は、2股状の係合部135とされて、この係合部135の前後両側部がスプールの周溝128に係脱自在に係合されており、これら係合部135と周溝128により、操作手段3とスプールを係脱自在に係合する係合手段が構成されている。この係合手段の係合を解除させるためには、係合部135に上向きの設定操作力以上の外力を作用させて、係合部135にリング部127を乗り越えさせる必要がある。尚、上記設定操作力は、スプール2の摺動開始外力よりも大とされている。復帰用バネ132は揺動後の梃子131を原位置に復帰させるもので、梃子131の基部に湾曲状に一体形成されて、梃子131の基部と支持台130間に弾発状に介装されて、梃子131の基部を上方に付勢している。
上記構成例では、注射時には、注射ライン装着部9に、シリンジのチップに装着可能な注射針、既に血管に留置された留置針、或いは、カテーテルから延びる注射ラインが装着され、一方、チップ装着部8に、薬液供給手段として、薬液が充填されたシリンジのチップが装着される。又、スプール2は図22に示す接続位置にあって、そのグルーブ125により、流入ポート12と流出ポート13が接続されている。
注射前には、まず、シリンジのプランジャーを押圧して、患者までの流路、即ち、チップ装着部8、スプール孔10、注射ライン装着部9及び注射ライン内部に薬液を充填して、上記内部の空気を除去する所謂「プライミング」を行なった後、注射ラインの注射針を患者の血管に穿刺する。尚、上記プライミングを生理食塩水により行なう場合もある。
次に、血管が確保されているか、否かを確認するために、梃子131の基部を押し下げて、スプール2に対して、上向きの操作力を加える。この際、血管が確保、即ち、確実に、注射ラインの注射針が血管に穿刺されて、注射ラインが血管に接続されている場合(換言すれば、注射ラインが開放状態である場合)には、図23に示すように、スプール2が上方に摺動し、これに伴って発生する負圧により、注射ライン内の薬液等が、先ず、作動ポート14を介して、作動用流入部124に流入し、次に、作動ポート14及び流出ポート13を介して、作動用流入部124に流入する。これにより、注射ラインに血液が逆流してくる所謂「フラッシュバック」を目視でき、血管が確保されていることを確認できる。そして、梃子131の操作力を解除すると、梃子131は復帰用バネ132により原位置に揺動し、スプール2が薬液を注射ライン装着部に押し出しながら下降して、接続位置に戻る。これにより、通常通りの注射を行なえる。
又、梃子131の基部を押し下げて、スプール2に上向きの操作力を加えた際に、血管が確保されていない場合、即ち、注射ラインの注射針が血管に穿刺されておらず、注射ラインが血管に接続されていない場合(換言すれば、注射ラインが閉鎖状態である場合)には、スプール2を上方に摺動させることができず、注射ライン内の薬液等を作動用流入部124内に吸引できない。そして、梃子131の操作力が設定操作力以上になると、図24に示すように、梃子131の係合部135がスプール2の周溝128から離脱し、リング部127を乗り越えて、その上方に移動し、これにより、施術者は、血管が確保されていないことを容易に知ることができる。そして、梃子131の操作力を解除すると、復帰用バネ132により、梃子131の基部が上方に揺動しようとするが、梃子131の係合部135がスプール2のリング部127に当接しているため、梃子131は原位置に復帰せず、この梃子131の位置からも、血管が確保されていないことを視認できる。
これによって、施術者がシリンジのプランジャーを押圧しないので、薬液が必要部位でない箇所に無理に注入されることがなく、患者が著しい痛みを感じることもない。換言すれば、患者は必要な医療をスムーズに受け入れることが可能になり、且つ、薬液の血管外への漏出に伴う治療行為などの追加的な医療行為を防ぐことができるため、医療経済的にも効率が上がることが期待される。
上記のように、施術者は、血管が確保されていないことを容易に手元側で知ることができるので、再度、上記一連の操作を最初から行ない、血管が確保されていることを確認した後、注射を下記のように従来同様に行なう。
即ち、シリンジのプランジャーを押圧するのであるが、この際、薬液の注入速度が正規注入速度である場合には、スプール2が接続位置に保持されるので、薬液が血管内に流入し、通常通りの注射を行なえる。
この場合において、薬液の設定注入圧力以下の通常注入圧力、つまり、注射時における、シリンジの針のゲージ、シリンジの断面積等に起因する薬液の通常の圧力上昇、例えば、シリンジのプランジャーの摺動初期における薬液の圧力上昇、薬液の正規注入速度等による薬液の圧力上昇により、出口側作動ポート14を介して、スプール2の下端面に、上方向の外力が作用する。しかし、この外力よりもスプール2の摺動開始外力は大とされているので、スプール2が不慮に摺動する惧れはなく、上記のように、通常通りの注射を行なえる。
又、薬液の種類によっては、薬液の最大注入速度が定められたものがあるが、これに対しても、下記のように、薬液が、正規注入速度よりも速い速度で注入されることはない。即ち、薬液の注入速度が正規注入速度よりも速くなると、注射ライン装着部9内の薬液が、まず、出口側作動ポート14を介して、作動用流入部124内に流入し、この薬液の圧力がスプール2に作用して、スプール2に作用する上方向の外力が摺動開始外力以上となる。これにより、図23に示すように、スプール2が上方に摺動して、遮断位置となると共に、梃子131が揺動し、薬液の注入ができなくなるので、患者に大きな負担が掛かることがなく、しかも、これを、蓋体から上方に大きく突出した報知部122及び揺動した梃子131が報知するので、施術者は、薬液の注入速度が正規注入速度よりも速いことを、容易に手元側で知ることができる。従って、施術者は、梃子131、又は、スプール2の押圧により、スプール2を接続位置に戻した後、シリンジのプランジャーを前よりも遅い速度で押圧し、薬液の注入速度を正規注入速度として、薬液を注入すればよい。
従って、CT検査やMRI検査等で患者が装置内部にいて、薬液を血管内に高速に注入する必要があるような場合でも、血管外へ薬液が漏出するという不安なく検査を行なうことが可能となる。又、薬液の投与をカテーテルを介して行なう場合でも、カテーテルの挿入部位によって、換言すれば、カテーテルが患者の奥深い部位に挿入されている場合でも、上記同様の問題が生じる惧れもない。更に、薬液の投与を行なうシリンジが、投与前にプランジャーを引くことができない場合が多い薬液充填済みシリンジ(プレフィルドシリンジ)でも、上記のような問題が生じる惧れはない。又、放射線医薬品を投与する場合には、施術者の被曝を防止するために、シリンジや注射ラインも防護壁で覆われている場合があるが、そのような場合でも、血液の逆流を視覚的に確認する必要がないので、何ら問題はない。
図25〜図27は本発明の第9実施例を示すもので、ハウジング1のスプール孔10が、下部側の小径部141と、この小径部141よりも大径とされた上部側の大径部142から成る。又、スプール2は、下端部117と、下側小径ランド143と、下側中間部144と、上側小径ランド145と、上側中間部146と、大径ランド147と、報知部122と、軸部123を、上記の順で、上方に向かって連設することで、構成されている。上側・下側小径ランド145,143は同径とされて、下端部117、上側・下側中間部146,144、軸部123よりも大径とされ、報知部122はこれらよりも大径とされ、大径ランド147が最も大径とされている。上側・下側小径ランド145,143は小径部141内に摺動自在に備えられ、又、大径ランド147は大径部142内に摺動自在に備えられており、大径ランド147と上側小径ランド145間の距離が、スプール2の接続位置と遮断位置間の距離よりも大とされている。これにより、スプール孔10の内面における、上側小径ランド145の摺動区域が外気による汚染から防護されて、薬液の汚染の惧れが少なくされている。尚、大径ランド147は、実施例1のストッパ部兼用とされている。
上記構成例では、血管が確保されているか、否かを確認する際において、梃子131の基部に下向きの操作力を作用させた場合には、大径ランド147の下面にも負圧が作用するので、その分、スプール2を上方に摺動させるための操作力が大となり、施術者自身が、梃子131を操作していることを確実に認識できる。
図28は本発明の第10実施例を示すもので、スプール2が、上側中間部146と大径ランド147間で分離されて、下側構成体149と、上側構成体150から成る。
上記構成例では、血管が確保されている場合等の通常時には、上側構成体150の上昇時には、下側構成体149との間で作用する負圧により、下側構成体149が上昇し、又、上側構成体150の下降時には、その押圧により、下側構成体149が下降する。又、血管が確保されているか、否かを確認する際において、梃子131の基部に下向きの操作力を作用させた場合には、上側構成体150の大径ランド147の下端面に作用する負圧が、「下側構成体149の下端面に作用する負圧に両下端面の面積比『(大径ランド147の下端面の面積)/(スプール2の下端部117及び下側小径ランド143の両者の下端面の面積)、又は、(大径ランド147の最大横断面積)/(下側小径ランド143の最大横断面積)』を乗じた大きな圧力」となるため、その分、スプール2を上方に摺動させるための操作力が第9実施例の場合よりも大となり、施術者自身が、梃子131を操作していることを第9実施例の場合よりも更により確実に認識できる。
図29〜33は、本発明の第11実施例を示すもので、ハウジング1は透明なプラスチック製とされ、第1・第2部材203,204と、蓋体205を有する。
図31〜図33に示すように、第1部材203は、軸心方向(前後方向)後方に開口する有底円筒状とされて、その先端部が、スプール2の先端部と対向する対向部211とされると共に、その内部が、軸心方向のスプール孔210とされている。第1部材203の先端部側の側壁部には、流出ポート213が半径方向に貫通形成され、該ポート213はスプール孔210と連通している。
第2部材204は、軸心方向両方に開口する略円筒状とされて、基部側の接続部214と、接続部214よりも小径とされた先端部側の注射ライン装着部209を有し、一体成形されている。接続部214は、第1部材203に先端側から外嵌固着されて、流出ポート213が接続部214に内有されると共に、流出ポート213が、第1・第2部材203,204の間隙215を介して、注射ライン装着部209と連通している。
蓋体205は、スプール2の軸心方向後方側への摺動を規制するもので、第1部材203の基端部に外嵌固着されると共に、その中央部には、開口部217が上下方向に貫通形成され、その内周部が、第1部材203よりも径方向内方に突出している。
スプール2はスプール孔210に軸心方向後方から挿入されて、スプール孔210に軸心方向に摺動自在に備えられ、スプール2の先端部が第1部材203の対向部211に当接する接続位置(図29及び図31参照)と、後述する遮断位置(図30及び図33参照)に位置変更自在とされている。スプール2はベース部219と、ベース部219の先端部に備えられるシール用部材222を有し、スプール2の先端部と第1部材203の対向部211間が、作動用流入部221とされている。
ベース部219は、スプール2の大部分を構成するもので、略円筒形状とされて、貫通孔224が軸心方向に形成されている。この貫通孔224の先端部は連通路225とされ、この連通路225の先端が、作動用流入部221と常時連通する作動ポート226とされている。ベース部219の軸心方向中途部には、径方向外方に突出し且つ蓋体205よりも軸心方向前方に位置する当接部229が形成され、図33に示すように、この当接部229が蓋体205の前面に当接した位置が、スプール2の遮断位置とされている。ベース部219の基部はチップ装着部208とされて、蓋体205から軸心方向後方に大きく突出している。チップ装着部208には、薬液供給手段に備えられたルアロックアダプターと螺合するフランジ227が備えられている。
チップ装着部の先端部(又は、上記先端部及びその近傍部分)の外周面には、報知部220が形成されている。この報知部220は、スプール2が接続位置にある時には、ハウジング1内部に位置し、スプール2が遮断位置にある時には、ハウジング1から軸心方向後方に突出する。
シール用部材222は、ベース部219の先端部に弾性変形を介して外嵌固定されて、スプール孔210に内装されるもので、このシール用部材222及びベース部219の先端部の側壁部には、連通路225及びスプール孔210と連通すると共にスプール2の摺動により流出ポート213と断続自在に接続される流入ポート212が半径方向に貫通形成されている。シール用部材222の外周部には、第1〜第4ランド241〜244が、先端部から基端部に向かって、軸心方向に並設されて、これらの外周部が、シール部として、スプール孔210の内面に軸心方向に摺動自在に液密状態(気密状態)で当接(圧接)している。尚、上記当接により、スプール2は任意の摺動位置で保持可能とされており、スプールの摺動に必要な外力(摺動開始外力、設定外力)以上の大きさの外力がスプール2に軸心方向に作用した際に、スプール2が摺動可能とされている。即ち、上記ランド241〜244の外周のシール部は、上記摺動開始外力を定める設定手段としての機能も有している。これらシール部は、通常、各ランド241〜244と一体形成されるが、別体とされたシール部材により構成される場合もある。そして、第1・第2ランド241,242間は、流入ポート212と流出ポート213の接続の遮断時に流出ポート213と連通する遮断用グルーブ245とされている。又、第2・第3ランド242,243間は接続用グルーブ246とされている。このグルーブ246は、流入ポート212と、常時、連通すると共に、流入ポート212と流出ポート213の接続時にのみ、流出ポート213と連通する。更に、第3・第4ランド243,244間の距離は、スプール2の接続位置と遮断位置間の距離よりも大とされている。
ところで、上記連通路225と作動用流入部221が良好に連通するように、ベース部219の先端面が、軸心方向後方に向かって、若干テーパー状とされたテーパー面247とされている。そして、連通路225、又は、貫通孔224及び連通路225により、薬液供給停止手段が構成されるが、この薬液供給停止手段に、作動用流入部221を含めることもある。
上記構成例では、注射時には、注射ライン装着部209に、シリンジのチップに装着可能な注射針、既に血管に留置された留置針、或いは、カテーテルから延びる注射ラインが装着され、一方、チップ装着部208に、薬液供給手段として、薬液が充填されたシリンジのチップが装着される。又、スプール2は図29及び図31に示す接続位置にあって、その接続用グルーブ36により、流入ポート212と流出ポート213が接続されている。
注射前には、まず、シリンジのプランジャーを押圧して、患者までの流路、即ち、貫通孔224、作動用流入部221、流入ポート212、接続用グルーブ246、流出ポート213、第1・第2部材204の間隙215、注射ライン装着部209及び注射ライン内部に薬液を充填して、上記内部の空気を除去する所謂「プライミング」を行なった後、注射ラインの注射針を患者の血管に穿刺する。尚、上記プライミングを生理食塩水により行なう場合もある。
次に、シリンジのプランジャーを押圧するが、この際、血管が確保、即ち、確実に、注射ラインの注射針が血管に穿刺されて、注射ラインが血管に接続されていると共に、薬液の注入速度が正規注入速度である場合には、下記のように、スプール2が接続位置に保持されるので、薬液が血管内に流入し、通常通りの注射を行なえる。
即ち、薬液の圧力が、連通路225から作動用流入部221内に作用することにより、薬液の設定注入圧力以下の通常注入圧力、つまり、注射時における、シリンジの針のゲージや、シリンジの断面積等に起因する薬液の通常の圧力上昇、例えば、シリンジのプランジャーの摺動初期における薬液の圧力上昇や、薬液の正規注入速度等による薬液の圧力上昇によって、スプール2の先端面に対して、軸心方向後方への外力が作用する。しかし、この外力よりもスプール2の摺動開始外力が大とされているので、スプール2が不慮に摺動する惧れはなく、上記のように、通常通りの注射を行なえる。
しかし、注射時の初期に、血管が確保されていない場合、即ち、注射ラインの注射針が血管に穿刺されておらず、注射ラインが血管に接続されていない場合には、薬液の設定注入圧力以上の大きな異常注入圧力が、連通路225及び作動用流入部221を介して、スプール2の先端面に作用し、スプール2に作用する軸心方向後方への外力が摺動開始外力以上となる。
これにより、スプール2が軸心方向後方へ摺動すると共に、シリンジの薬液が、連通路225を介して、作動用流入部221内に流入し続ける。これにより、スプール2が図30及び図33に示す遮断位置となって、当接部229が蓋体205に当接し、流出ポート213が遮断用グルーブ245と連通して、流入ポート212と流出ポート213の接続が遮断され、報知部220がハウジング1から軸心方向後方に突出する。
これにより、シリンジのプランジャーを押圧できなくなり、薬液が必要部位でない箇所に無理に注入されないため、患者が著しい痛みを感じることもない。換言すれば、患者は必要な医療をスムーズに受け入れることが可能になると共に、薬液の血管外への漏出に伴う治療行為等の追加的な医療行為も防止できるため、医療経済的にも効率を向上できることが期待される。
又、上記のように、シリンジのプランジャーを押圧できなくなるので、施術者は、上記の異常、即ち、血管が確保されていないことを容易に手元側で知ることができるが、更に、報知部220がハウジング1から突出するので、施術者は容易にこれを視認でき、これによっても、血管が確保されていないことを容易に手元側で知ることができる。
この際、シリンジのプランジャーを引けば、チップ装着部208内等の薬液をシリンジ内に戻すこともでき、この面でも、薬液が無駄にならないようにでき、医療コストの増大を防止できる。尚、シリンジのプランジャーを引いた際には、作動用流入部221内の薬液の圧力が低下して、スプール2が接続位置に戻ることもあるが、戻らない場合には、手でスプール2を軸心方向前方に押圧して、スプール2を接続位置に戻せばよい。このとき、注射ラインの一部を手指等により閉塞させた後、前記操作を行なえば、作動用流入部221内の薬液も再びシリンジ内に戻すことができる。
上記のような処理をした後、再度、上記一連の操作を最初から行ない、血管が確保されていることを確認した後、注射を従来同様に行なう。
本構成例では、上記のように、血管が確保されていない場合には、薬液を投与できないので、薬液の投与直前に、シリンジのプランジャーを引いて、注射ラインに血液が逆流してくる所謂「フラッシュバック」を目視で確認して、血管が確保されているか、否かを確認する必要がない。
従って、「CT検査やMRI検査等で患者が装置内部にいて、薬液を血管内に高速に注入する必要があるような場合」や、「薬液の投与を行なうシリンジが、投与前にプランジャーを引くことができない場合が多い薬液充填済みシリンジ(プレフィルドシリンジ)の場合」や、「患者の奥深い部位に挿入されているカテーテルを介して、薬液の投与を行なう場合」や、「放射線医薬品を投与する際には、施術者の被曝を防止するために、シリンジや注射ラインも防護壁で覆われている場合」でも、薬液が血管外へ漏出するという不安なく、各種検査や治療を行える。
又、薬液の種類によっては、薬液の最大注入速度が定められたものがあるが、これに対しても、下記のように、薬液が、正規注入速度よりも速い速度で注入されることはない。即ち、注射の初期が過ぎた後に、薬液の注入速度が正規注入速度よりも速くなると、上記同様に、薬液の設定注入圧力以上の大きな異常注入圧力が、連通路225及び作動用流入部221を介して、スプール2の先端面に作用し、スプール2に作用する軸心方向後方へのの外力が摺動開始外力以上となる。
これにより、スプール2が遮断位置となり、薬液の注入ができなくなるので、患者に大きな負担が掛かることがないと共に、これを報知部220が報知するので、施術者は、薬液の注入速度が正規注入速度よりも速いことを、容易に手元側で知ることができる。従って、施術者は、スプール2を接続位置に戻した後、シリンジのプランジャーを前よりも遅い速度で押圧し、薬液の注入速度を正規注入速度として、薬液を注入すればよい。
図34は本発明の第12実施例を示し、スプール2の摺動に必要な外力の値を設定する設定機構(手段)233が備えられて、下記のように構成されている。
即ち、スプール2のチップ装着部208の先端部に、ベース部219の基部よりも大径とされた周突起234が一体形成されている。
又、ハウジング1の第1部材203の基端部には、ベース部219に外嵌された調整筒235が外嵌、固定されている。調整筒235は、弾性変形可能な材料により一体形成されており、その先端部の外周面には、上方に向かってテーパー状とされたテーパー螺子部236が形成されている。又、調整筒235の内周面の軸心方向中途部には、第1部材203よりも軸心方向後方に位置し且つ径方向内方に突出する周突起237が一体形成され、この周突起237が、スプール2の周突起234の軸心方向後方に配設されている。更に、調整筒235の基端から周突起234にわたる部分には、径方向に貫通形成されたスリット(図示省略)が配設されている。調整筒235の構成材料としては、スプール2と同様なものが用いられる。
蓋体205は調整筒235に外嵌されて、その内周の雌螺子部238がテーパー螺子部236に螺合されており、蓋体205の調整筒235に対する螺進退により、調整筒235のスリットが周方向に拡縮して、周突起237の内径が拡縮する。尚、周突起237の内径が最大径の場合でも、この内径よりも、周突起234の外径が大となるようにされている。又、上記内径よりも、ベース部219の当接部229の外径が大となるようにされて、周突起237が当接部229のストッパとなるようにされている。尚、調整筒235に、テーパー螺子部236ではなく、通常の螺子部を形成し、蓋体205にテーパー螺子部を形成してもよい。
上記構成例では、スプール2が、接続位置から遮断位置に移動する際には、調整筒235の周突起237及び/又はスプール2の周突起234が弾性変形して、スプール2の周突起234が調整筒235の周突起237の内部を通過する必要がある。従って、調整筒235の周突起237の内径を拡縮することにより、スプール2の周突起234が調整筒235の周突起237の内部を通過するに必要な外力、即ち、摺動開始外力を自由に設定できる。
図35〜図38は、本発明の第13実施例を示し、ハウジング1の第2部材204の接続部214が第1部材203の全体に外嵌されている。又、スプール2のシール用部材222の基部にベース部219の先端部が弾性変形を介して嵌入されて、一体化され、ベース部219及びシール用部材222に貫通孔224が形成されている。
尚、上記実施例では、スプールの遮断位置から接続位置への復帰操作は、スプールの手動による操作、又は、シリンジのプランジャーを引く操作で行なったが、復帰を短時間で自動的に行なうために、スプールを軸心方向前方に押圧するコイルバネや圧縮空気バネ等の各種バネ、或いは、その他の復帰手段を備えてもよい。
又、本発明に係る薬液投与セットの一例としては、例えば、薬液投与セットが、薬液供給手段である薬液充填済みシリンジと本発明に係る薬液供給制御装置を有するものが挙げられる。この際には、(1)シリンジに備えられたルアーロックアダプターと薬液供給制御装置のチップ装着部のフランジを螺合することにより、シリンジと薬液供給制御装置を接続する場合と、(2)シリンジと薬液供給制御装置との間に注射ラインを接続して、薬液供給制御装置の注射ライン装着部に注射針を接続する場合と、(3)薬液供給制御装置と注射針との間に注射ラインを接続する場合がある。又、薬液投与セットには、薬液供給手段と薬液供給制御装置に、更に、カテーテル、注射針、留置針、三方活栓(三方活栓機能)、エクステンションチューブ、その他生体の血管内に薬液を投与する際に使用される種々の医療器具或いはその機能を組み合わせたものも含めることもできる。
以上のように、本発明にかかる薬液供給制御方法、その方法に使用する薬液供給制御装置及びその装置を用いた薬液投与セットは、患者に薬液を投与する方法、装置及びセットとして有用である。

Claims (41)

  1. (a)薬液供給手段と注射ライン間に介装されたハウジングと、
    (b)ハウジング内に軸心方向に摺動自在に備えられて、軸心方向の摺動により、薬液供給手段と注射ラインを断続自在に接続するスプールと、
    (c)薬液供給手段から注射ラインへの薬液の供給を停止させる薬液供給停止手段及び/又は薬液供給手段から注射ラインへの薬液供給に関する不具合を報知する不具合報知手段
    を使用し、
    注射ラインが閉鎖状態の場合に、薬液供給停止手段及び/又は不具合報知手段を作動させる薬液供給制御方法。
  2. ハウジングに、
    スプールの軸心方向一端面と対向し、この端面との間が作動用流入部とされる対向部
    が形成されており、
    薬液の圧力が設定圧力以上の場合に、薬液供給停止手段が、薬液供給手段又は注射ラインの薬液を作動用流入部に供給して、スプールを軸心方向に摺動させ、これにより、薬液供給手段から注射ラインへの薬液の供給を停止させる請求項1記載の薬液供給制御方法。
  3. (a)薬液供給手段と注射ライン間に介装されたハウジングと、
    (b)ハウジング内に軸心方向に摺動自在に備えられ、軸心方向の摺動により、薬液供給手段と注射ラインを断続自在に接続するスプールと、
    (c)薬液供給停止手段及び/又は不具合報知手段
    を有し、
    薬液供給停止手段は、注射ラインが閉鎖状態の場合及び/又は薬液の圧力が設定圧力以上の場合に薬液供給手段から注射ラインへの薬液の供給を停止させる手段とされ、
    不具合報知手段は、薬液供給手段から注射ラインへの薬液供給に関する不具合を報知する手段とされた薬液供給制御装置。
  4. ハウジングに、
    スプールの軸心方向一端面と対向し、この端面との間が作動用流入部とされる対向部
    が形成され、
    薬液供給停止手段が、作動時に、薬液供給手段又は注射ラインの薬液を作動用流入部に供給して、スプールを軸心方向に摺動させる請求項3記載の薬液供給制御装置。
  5. ハウジングに、
    (a)スプール孔と、
    (b)薬液供給手段からの薬液をスプール孔内に流入させる流入ポートと、
    (c)スプール孔内の薬液を注射ラインに流出させる流出ポート
    が形成され、
    スプール孔内に、流入ポートと流出ポートを断続自在に接続するスプールが軸心方向に摺動自在に備えられ、
    流入ポートと流出ポートの接続時において、薬液の圧力が上昇した際に、この圧力により、スプールを摺動させて、流入ポートと流出ポートの接続を遮断する薬液供給停止手段が備えられた請求項4記載の薬液供給制御装置。
  6. スプールが、軸心方向に離間した一対のランドを有し、
    両ランド間が、流入ポートと流出ポートを接続するグルーブとされ、
    薬液供給停止手段が、
    スプールに形成されて、グルーブと作動用流入部を連通させる流路
    とされた請求項5記載の薬液供給制御装置。
  7. 薬液供給停止手段が、
    ハウジングに形成されて、薬液供給手段と作動用流入部を連通させる入口側作動ポート
    とされた請求項5記載の薬液供給制御装置。
  8. 流入ポートが、入口側作動ポートと兼用とされた請求項7記載の薬液供給制御装置。
  9. 薬液供給停止手段が、
    ハウジングに形成されて、注射ラインと作動用流入部を連通させる出口側作動ポート
    とされた請求項5記載の薬液供給制御装置。
  10. 流出ポートが、出口側作動ポートと兼用とされた請求項9記載の薬液供給制御装置。
  11. 対向部の少なくとも一部が、弾性材料からなる補助部とされた請求項4〜10の何れかに記載の薬液供給制御装置。
  12. 薬液の圧力が設定圧力以上になった際にのみ、スプールの摺動を許容して、薬液供給手段と注射ラインの接続を遮断する設定手段
    が備えられた請求項4〜11の何れかに記載の薬液供給制御装置。
  13. 設定手段の設定圧力が調整可能とされた請求項12記載の薬液供給制御装置。
  14. スプールに係脱自在に係合された操作手段を使用し、
    注射ラインに液体を満たした状態で、操作手段によりスプールに軸心方向の操作力を作用させ、これにより、
    注射ラインが開放状態の場合には、スプールが摺動して、注射ライン内の液体がハウジング内に吸引され、
    注射ラインが閉鎖状態の場合には、スプールが摺動せず、スプールと操作手段の係合が解除される請求項1又は2記載の薬液供給制御方法。
  15. 注射ラインが開放状態の場合に、注射ライン内の液体が、スプールにおける、操作方向とは反対側の端面とハウジング間に吸引される請求項14記載の薬液供給制御方法。
  16. スプールの操作手段を有し、
    ハウジングが、
    (a)スプールが軸心方向に摺動自在に内装されたスプール孔と、
    (b)薬液供給手段からの薬液をスプール孔内に流入させる流入ポートと、
    (c)スプールの摺動により、流入ポートと断続自在に接続されて、スプール孔内の薬液を注射ラインに流出させる流出ポートと、
    (d)注射ラインの薬液を作動用流入部に流入させる作動ポート
    を有し、
    スプールと操作手段間に、
    両者を係脱自在に係合し、スプールを対向部から離間する方向に操作した際において、操作手段の操作力が設定操作力以上になった場合に、上記係合を解除する係合手段
    が備えられた請求項4記載の薬液供給制御装置。
  17. スプールが、軸心方向に離間し且つスプール孔内に軸心方向に摺動自在に備えられる一対のランドを有し、
    両ランド間が、流入ポートと流出ポートを接続するグルーブとされた請求項16記載の薬液供給制御装置。
  18. スプールが、
    (a)軸心方向に離間して、スプール孔内に軸心方向に摺動自在に備えられた一対の小径ランドと、
    (b)両小径ランドとスプールの軸心方向他端面間に配設されると共に、小径ランドよりも大径とされて、スプール孔内に軸心方向に摺動自在に備えられる大径ランド
    を有する請求項16記載の薬液供給制御装置。
  19. 両小径ランドと大径ランドが別体とされた請求項18記載の薬液供給制御装置。
  20. スプールに、
    薬液供給手段と注射ラインの接続の遮断時に、ハウジングの外部に突出して、上記遮断を報知する報知部
    が備えられた請求項3〜13、16〜19の何れかに記載の薬液供給制御装置。
  21. 操作手段が、
    (a)ハウジングに揺動自在に枢支された梃子と、
    (b)揺動後の梃子を原位置に復帰させる復帰バネ
    を有し、
    係合手段が、
    (i)スプールに形成された周溝と、
    (ii)梃子に形成され、周溝に弾性変形を介して係脱自在に係合する係合部
    を有する請求項16〜20の何れかに記載の薬液供給制御装置。
  22. 梃子が、
    流入ポートと流出ポートの接続の遮断時に、この遮断を報知する報知部
    とされた請求項21記載の薬液供給制御装置。
  23. ハウジングに、流出ポートを囲繞する筒状の注射ライン装着部が備えられ、
    注射ライン装着部に、注射ラインと接続されるルアーロックアダプターが備えられた請求項5〜13、16〜22の何れかに記載の薬液供給制御装置。
  24. ハウジングが、
    (a)軸心方向に形成され、内部にスプールが軸心方向に摺動自在に備えられるスプール孔と、
    (b)ハウジングの側部に形成され、スプール孔と連通すると共に、注射ラインと接続される流出ポート
    を有し、
    スプールが、
    (i)薬液供給手段と接続されると共に、作動用流入部と連通する連通路と、
    (ii)スプールの側部に形成され、連通路及びスプール孔と連通すると共に、スプールの摺動により、流出ポートと断続自在に接続される流入ポート
    を有する請求項4記載の薬液供給制御装置。
  25. ハウジングが、
    (a)略筒状とされ、内部がスプール孔とされて、先端部が対向部とされると共に、側壁部に流入ポートが半径方向に形成された第1部材と、
    (b)軸心方向両方に開口する略筒状とされ、基部側の接続部と、注射ラインと接続される先端部側の注射ライン装着部を有する第2部材
    を有し、
    接続部が第1部材に先端側から外嵌固着されて、流入ポートが接続部に内有されると共に、流入ポートが、第1・第2部材の間隙を介して、注射ライン装着部と連通する請求項24記載の薬液供給制御装置。
  26. 注射ライン装着部に、注射ラインと接続されるルアーロックアダプターが備えられた請求項24又は25記載の薬液供給制御装置。
  27. ハウジングが、
    第1部材の基端部に備えられ、スプールの軸心方向後方側への摺動を規制する蓋体を有する請求項25又は26記載の薬液供給制御装置。
  28. スプールの外周部に、第1〜第3ランドが、先端部から基端部に向かって、軸心方向に並設され、
    第1・第2ランド間が、
    流入ポートと流出ポートの接続の遮断時に、流出ポートと連通する遮断用グルーブとされ、
    第2・第3ランド間が、
    流入ポートと、常時、連通すると共に、流入ポートと流出ポートの接続時に、流出ポートと連通する接続用グルーブ
    とされた請求項24〜27の何れかに記載の薬液供給制御装置。
  29. スプールの外周部における、第3ランドよりも基部側に、第4ランドが備えられ、
    第3・第4ランド間の距離が、スプールの接続位置と遮断位置間の距離よりも大とされた請求項28記載の薬液供給制御装置。
  30. スプールに貫通孔が軸心方向に形成されて、
    スプールの基部が、シリンジのチップが分離可能に装着されるチップ装着部とされると共に、
    貫通孔の先端部が連通路とされた請求項24〜29の何れかに記載の薬液供給制御装置。
  31. スプールの摺動に必要な外力の値を設定する設定手段が備えられた請求項24〜30の何れかに記載の薬液供給制御装置。
  32. 設定手段の設定値が調整可能とされた請求項31記載の薬液供給制御装置。
  33. スプールに、
    流入ポートと流出ポートの接続の遮断時に、ハウジングの軸心方向後方に突出して、上記遮断を報知する報知部
    が備えられた請求項24〜32の何れかに記載の薬液供給制御装置。
  34. 薬液供給手段と流入ポートとの間に、三方活栓機能が備えられた請求項5〜13、16〜33の何れかに記載の薬液供給制御装置。
  35. 請求項3〜13、16〜34の何れかに記載の薬液供給制御装置と薬液供給手段を有する薬液投与セット。
  36. 薬液供給手段が注射用シリンジである請求項35記載の薬液投与セット。
  37. 注射用シリンジが薬液充填済みシリンジである請求項36記載の薬液投与セット。
  38. 薬液供給手段が点滴用バッグである請求項35記載の薬液投与セット。
  39. 点滴用バッグが薬液充填済みバッグである請求項38記載の薬液投与セット。
  40. 薬液供給手段により供給される薬液が造影剤である請求項35〜39の何れかに記載の薬液投与セット。
  41. 造影剤がMRI造影剤である請求項40記載の薬液投与セット。
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