JPWO2004102703A1 - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Abstract

電池の内部抵抗のばらつきを抑制することによって、例えば、充放電サイクル特性、ハイレート充放電特性などに代表される電池特性に優れる非水電解質二次電池を提供する。正極板と負極板とセパレータとを含む極板群と、非水電解質とを備え、前記極板群は、前記正極板と前記負極板とを前記セパレータを介して積層し、捲回した形状を有しており、前記正極板は、帯状の第1の集電体と、前記第1の集電体上に配置された正極活物質層と、前記第1の集電体と電気的に接続された第1のリードとを含み、前記負極板は、帯状の第2の集電体と、前記第2の集電体上に配置された負極活物質層と、前記第2の集電体と電気的に接続された第2のリードとを含み、前記第1の集電体の長手方向における単位長さ当たりの電気抵抗値R1に対する前記第2の集電体の長手方向における単位長さ当たりの電気抵抗値R2の比(R2/R1)の値が、0.85以上1.15以下の範囲である非水電解質二次電池とする。

Description

本発明は、非水電解質二次電池に関する。より具体的には、例えば、リチウムイオン二次電池に関する。
近年、電子機器の発達に伴って、小型かつ軽量でエネルギー密度が高く、充放電特性に優れる二次電池の開発が要望されている。このような二次電池として、非水電解質二次電池、なかでもリチウムイオン二次電池の研究、開発が盛んに行われている。
非水電解質二次電池(以下、単に「二次電池」あるいは「電池」ともいう)の電池特性は様々な要因によって決定される。電池特性に影響を与える要因の一つに、電池内部の抵抗(内部抵抗)のばらつきがある。内部抵抗は、電池内部に配置された集電体や活物質、電解質などによって生じる抵抗である。内部抵抗のばらつきが大きくなると、電池の内部における電流分布が不均一となり、電池特性(例えば、充放電サイクル特性や、ハイレート(High Rate)充放電特性)が劣化する可能性がある。このため、内部抵抗のばらつきをできるだけ抑制することが求められている。
内部抵抗のばらつきを抑制するために、例えば、集電体に取り付けるリードを複数にする技術が、特開平10−261441号公報に開示されている。また、例えば、正極活物質の厚さをリード部から遠ざかるに従って薄くする技術が特開2000−21453号公報に開示されている。
しかしながら、特開平10−261441号公報に開示されているように、集電体に取り付けるリードの数を増やした場合、リードを取り付ける面積に対応して集電体上に配置される活物質層の面積を減少させなければならない。このため、電池の容量が低下する可能性がある。また、複数のリードを取り付けるために製造工程がより複雑となる。特開2000−21453号公報に開示されているように、正極活物質層の厚さを変化させた場合、製造工程が複雑となり製造コストが増大する可能性がある。
このような状況に鑑み、本発明は、電池の内部抵抗のばらつきを抑制することによって、例えば、充放電サイクル特性、ハイレート充放電特性などに代表される電池特性に優れる非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
本発明の非水電解質二次電池は、正極板と負極板とセパレータとを含む極板群と、非水電解質とを備え、前記極板群は、前記正極板と前記負極板とを前記セパレータを介して積層し、捲回した形状を有しており、前記正極板は、帯状の第1の集電体と、前記第1の集電体上に配置された正極活物質層と、前記第1の集電体と電気的に接続された第1のリードとを含み、前記負極板は、帯状の第2の集電体と、前記第2の集電体上に配置された負極活物質層と、前記第2の集電体と電気的に接続された第2のリードとを含み、前記第1の集電体の長手方向における単位長さ当たりの電気抵抗値R1に対する前記第2の集電体の長手方向における単位長さ当たりの電気抵抗値R2の比(R2/R1)の値が、0.85以上1.15以下の範囲である。
図1は、本発明の非水電解質二次電池の一例を模式的に示す断面図である。
図2A〜図2Cは、電池の内部抵抗のばらつきを説明するための模式的な等価回路図である。
図3Aは、本発明の非水電解質二次電池に用いる正極板の一例を模式的に示す断面図である。
図3Bは、本発明の非水電解質二次電池に用いる正極板の一例を模式的に示す平面図である。
図4Aは、本発明の非水電解質二次電池に用いる負極板の一例を模式的に示す断面図である。
図4Bは、本発明の非水電解質二次電池に用いる負極板の一例を模式的に示す平面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。なお、実施の形態の説明において、同一の部材には同一の符号を付して重複する説明を省略する場合がある。
本発明の非水電解質二次電池の一例を図1に示す。図1に示す非水電解質二次電池20(以下、単に「二次電池20」あるいは「電池20」ともいう)は、正極板1と負極板3とセパレータ5とを含む極板群11と、非水電解質(図示せず)とを備えている。極板群11および非水電解質は、ともに電池ケース8の内部に収容されている。ここで、極板群11は、正極板1と負極板3とをセパレータ5を介して積層し、捲回した形状を有している。
正極板1は、帯状の正極集電体(第1の集電体)と、正極集電体上に配置された正極活物質層と、正極集電体と電気的に接続された正極リード(第1のリード)2とを含んでいる。また、負極板3は、帯状の負極集電体(第2の集電体)と、負極集電体上に配置された負極活物質層と、負極集電体と電気的に接続された負極リード(第2のリード)4とを含んでいる。正極板1および負極板3の具体的な構成例は、後述する。
ここで、正極集電体の長手方向(極板の捲回方向)における単位長さあたりの電気抵抗値R1に対する負極集電体の長手方向(極板の捲回方向)における単位長さあたりの電気抵抗値R2の比(R2/R1)の値が0.85以上1.15以下の範囲にあればよく、上記比の値が0.9以上1.14以下の範囲にあることが好ましい。なお、上記R1およびR2は、その単位が、例えば、Ω/cmで与えられる値である。
このような二次電池では、正極集電体と負極集電体との電気的抵抗値をほぼ同一にできる。このため、電池の内部抵抗のばらつきを抑制することができ、例えば、充放電サイクル特性、ハイレート充放電特性などの電池特性に優れる二次電池とすることができる。
電池の内部抵抗のばらつきについて、より具体的に説明する。
小型かつ軽量で高容量の二次電池とするために、二次電池に用いる集電体(正極集電体、負極集電体)には、一般に、非常に薄い金属箔が使用されている。このため、二次電池の電池特性は、集電体の電気抵抗値に大きな影響を受けると考えられる。しかしながら、従来の二次電池では、正極集電体の電気抵抗値と負極集電体の電気抵抗値との間の関係についてほとんど検討がなされていなかった。一般的な二次電池では、正極および負極のそれぞれの集電体に用いる材料(材質)は異なっている。例えば、一般的なリチウム二次電池では、正極集電体にアルミニウム箔を、負極集電体に銅箔を用いる。このため、正極集電体における上記R1よりも、負極集電体における上記R2の値の方が小さくなる傾向にある。例えば、アルミニウム箔からなる帯状の正極集電体と、銅箔からなる帯状の負極集電体との厚さおよび幅が同一である場合、比(R2/R1)の値は、0.63程度となる。この値は、アルミニウムの体積抵抗率(2.7×10−6Ω・cm)および銅の体積抵抗率(1.7×10−6Ω・cm)から求めることができる。
二次電池内部の導電経路を模式的に7分割したときの抵抗成分を表す等価回路を図2Aに示す。図2Aにおいて、Rp1〜Rp7は、正極集電体1aの各部分の抵抗値を反映している。同様に、Rn1〜Rn7は負極集電体3aの各部分の抵抗値を、Rs1〜Rs7は正極板1と負極板3との間に配置されている電解質の各部分の抵抗値を反映している。ここで、Rp1〜Rp7は全て同一の値であり、Rn1〜Rn7は全て同一の値であり、Rs1〜Rs7は全て同一の値であると仮定する。
ここで、電解質抵抗Rs1を介した導電経路の抵抗値は、図2Bに示すように、式Rn1+Rs1+Rp1+Rp2+Rp3+Rp4+Rp5+Rp6+Rp7、即ち、式Rn1+Rs1+7×Rp1によって近似される。また、電解質抵抗Rs7を介した導電経路の抵抗値は、図2Cに示すように、式Rn1+Rn2+Rn3+Rn4+Rn5+Rn6+Rn7+Rs7+Rp7、即ち、式7×Rn1+Rs7+Rp1によって近似される。Rs1=Rs7であるため、両者の差は、(6Rp1−6Rn1)である。
このとき、上述した従来のリチウム二次電池のように、正極集電体の長手方向における単位長さあたりの抵抗値R1よりも、負極集電体の長手方向における単位長さあたりの抵抗値R2の方が小さい場合、(Rs1を介した導電経路の抵抗)>(Rs7を介した導電経路の抵抗)となる。Rs2〜Rs6を介した導電経路を含めてより詳細に表現すると、(Rs1を介した導電経路の抵抗)>(Rs2を介した導電経路の抵抗)>(Rs3を介した導電経路の抵抗)>・・・>(Rs6を介した導電経路の抵抗)>(Rs7を介した導電経路の抵抗)となる。即ち、導電経路によって内部抵抗にばらつきが生じることになる。R1とR2との大小関係が逆の場合(R1<R2)においても、同様に、導電経路によってばらつきが生じることになる。このように内部抵抗にばらつきが生じることによって、なかでもハイレートでの充放電時に、電池内部における電流の分布が不均一となり、電池特性が低下する可能性がある。
これに対して本発明の二次電池では、R1の値とR2の値とがほぼ同一、即ち、Rp1の値とRn1の値とがほぼ同一であるため、電解質抵抗Rs1を介した導電経路の抵抗値と、電解質抵抗Rs7を介した導電経路の抵抗値との間に生じる差(および、Rs2〜Rs6の電解質抵抗を介した導電経路の抵抗値との間に生じる差)を小さくすることが可能である。従って、本発明の二次電池では、電池の内部抵抗のばらつきを抑制することができる。
なお、図2Aでは、正極リードと負極リードとが、互いに最も離れるようにそれぞれの極板に配置されている場合(例えば、図1に示すように、正極リード2が極板群11における芯部に、負極リード4が極板群11における外周部に配置されている場合)を想定している。正極リードおよび負極リードがより近接した位置に配置されている場合、導電経路による内部抵抗のばらつきはより大きくなることが予想される。このような場合においても、R1に対するR2の比(R2/R1)を上述の範囲にすることによって、電池の内部抵抗のばらつきを抑制することができる。
図1に示す二次電池20では、極板群11の芯部(巻き芯部)の正極板1(極板群11において最内周に位置する正極板1)に正極リード2が配置されている。より具体的には、正極板1のうち極板群11の芯部に位置する端部に正極リード2が電気的に接続されている。また、同様に、極板群11の外周部の負極板3(極板群11において最外周に位置する負極板3)に負極リード4が配置されている。より具体的には、負極板3のうち極板群11の外周部に位置する端部に負極リード4が電気的に接続されている。このような二次電池20では、上述したように、電池の内部抵抗のばらつきをより抑制することができる。なお、正極リード2が、極板群11の外周部の正極板1(極板群11において最外周に位置する正極板1)に、負極リード4が、極板群11の芯部の負極板3(極板群11において最内周に位置する負極板3)に配置されていてもよい。
このような構成を実現する正極板1および負極板3の一例を図3A、図3B、図4Aおよび図4Bに示す。図3Aおよび図4Aは断面図であり、図3Bおよび図4Bは平面図である。
図3Aおよび図3Bに示すように、正極板1は、帯状の正極集電体1aと、正極集電体1aの両面に形成された活物質層(正極活物質層)1bとを含んでおり、正極集電体1aの長手方向の一端に正極リード2が電気的に接続されている。また、図4Aおよび図4Bに示すように、負極板3は、帯状の負極集電体3aと、その両面に形成された活物質層(負極活物質層)3bとを含んでおり、負極集電体3aの長手方向の一端に負極リード4が電気的に接続されている。通常、正極集電体1aの幅(短手方向の幅)と負極集電体3aの幅(短手方向の幅)とはほぼ同一である。このような正極板1および負極板3を、正極リード2と負極リード4とが互いに最も遠くなるように、セパレータを介して積層し、捲回すれば、図1に示す極板群11とすることができる。
なお、図3A〜図4Bは、正極板1および負極板3の一例を模式的に示したものであり、本発明の二次電池に用いる正極板および負極板は、図3A〜図4Bに示す例に限定されない。例えば、正極集電体1aの長手方向における任意の場所に正極リード2を配置してもよい。負極集電体3aと負極リード4との関係においても同様である。同じく、図1に示す極板群11において、正極リード2が芯部または外周部に配置されていなくてもよいし、あるいは、負極リード4が芯部または外周部に配置されていなくてもよい。
比(R2/R1)の値は、集電体の厚さ、および/または、集電体の材料・材質(例えば、集電体を構成する元素の種類、あるいは、組成)などを変化させることによって制御することができる。例えば、極板が取りうる電位(電気化学的な電位)が異なることから、正極集電体と負極集電体との間で用いる材料が互いに異なる場合が一般的である。このとき、正極集電体に用いる材料の電気的な抵抗率(例えば、体積抵抗率)と、負極集電体に用いる材料の電気的な抵抗率とが異なる場合、例えば、正極集電体の厚さと負極集電体の厚さとを互いに異なるようにすればよい(具体的には、例えば、体積抵抗率が相対的に大きい材料を用いた集電体の厚さを、相対的に小さい材料を用いた集電体の厚さよりも大きくすればよい)。即ち、正極集電体および負極集電体に用いる材料が互いに異なり、かつ、正極集電体の厚さと負極集電体の厚さとが互いに異なっていればよい。
また、正極集電体に用いる材料の電気的な抵抗率と、負極集電体に用いる材料の電気的な抵抗率とをほぼ同一にしてもよい。具体的な例は、後述する。
また、これらに加えて、集電体の形状を変化させることによっても、比(R2/R1)の値を制御することが可能である。例えば、正極集電体および負極集電体から選ばれる少なくとも1つの集電体が空孔を有しており、正極集電体の空孔率と負極集電体の空孔率とが互いに異なっていてもよい。より具体的には、例えば、上記少なくとも1つの集電体が複数の貫通孔を有していればよい。空孔率を大きくするほど、集電体の電気抵抗値を大きくすることができる。また、ラス加工やエッチング加工などによって、集電体の空孔率を変化させてもよい。
このように、本発明の二次電池では、比(R2/R1)の値が0.85以上1.15以下(好ましくは、0.9以上1.14以下)の範囲を満たすように、正極集電体および負極集電体の厚さ、空孔率、および用いる材料(材質)から選ばれる少なくとも1つが制御されていてもよい。
その他、図1に示す二次電池20は、上部絶縁板6、下部絶縁板7、絶縁ガスケット9および蓋体10を備えている。電池ケース8の開口端部は、絶縁ガスケット9と蓋体10とによって封口されている。上部絶縁板6は、極板群11と蓋体10とを絶縁するために極板群11の上部に配置されている。下部絶縁板7は、極板群11と電池ケース8とを絶縁するために極板群11の下部に配置されている。また、正極リード2によって、正極端子を兼ねる蓋体10と正極板1とが電気的に接続され、負極リード4によって、負極端子を兼ねる電池ケース8と負極板3とが電気的に接続されている。これらの部材は、必要に応じて備えていればよい。
本発明の二次電池20の種類は特に限定されず、例えば、リチウム二次電池やニッケル水素電池など、様々な二次電池であってもよい。二次電池の種類は、正極板1に用いる正極活物質、負極板3に用いる負極活物質、非水電解質の種類を選択することによって決定することができる。例えば、正極活物質層1bおよび負極活物質層3bがリチウムを可逆的に吸蔵および放出できる正極活物質および負極活物質をそれぞれ含み、非水電解質がリチウム伝導性を有していてもよい。この場合、本発明の二次電池20をリチウム二次電池とすることができる。
以下、本発明の二次電池が備える各部材について、リチウム二次電池を例にして説明する。なお、各部材に用いる材料は以下に示す例に限定されず、二次電池に一般的に用いる材料を用いればよい。ただし、二次電池の種類に応じて、用いる材料を選択する必要がある。
正極集電体1aには、例えば、アルミニウムを用いればよい。正極集電体の厚さは、例えば、10μm〜60μmの範囲である。
負極集電体3aには、例えば、銅を用いればよい。正極集電体1aにアルミニウムを、負極集電体3aに銅を用いた場合、負極集電体3aの厚さを正極集電体1aの厚さの0.56倍〜0.77倍程度の範囲にすればよい。このとき、比(R2/R1)の値を、0.85以上1.15以下の範囲にすることができる。なお、正極集電体1aであるアルミニウムの厚さに対する負極集電体3aである銅の厚さは、上記0.56倍〜0.77倍の範囲に限られず、例えば、それぞれの集電体の幅、形状などに応じて任意に調整すればよい。比(R2/R1)の値が、0.85以上1.15以下の範囲に入ればよい。
また、正極集電体1aとしてアルミニウムを用いた場合、負極集電体3aとして、例えば、黄銅を用いてもよい。黄銅とは、銅と亜鉛とを含む合金であり、亜鉛の組成比を変化させることによって電気抵抗値を変化させることができる。具体的には、例えば、黄銅中における亜鉛の含有率を5原子%〜7原子%程度の範囲とすることによって、アルミニウムの電気抵抗値とほぼ同じ電気抵抗値を有する黄銅とすることができる。即ち、上記組成の黄銅を負極集電体3aに用いることによって、正極集電体1aの厚さと負極集電体3aの厚さとをほぼ同一としたまま、比(R2/R1)の値を上述の範囲内にすることができる。
なお、電池内の環境においてリチウムと反応しない金属、合金などであれば、その他の材料を用いて正極集電体1a、負極集電体3aを形成してもよい。このような場合においても、上述したように、集電体に用いる材料や厚さを調製することによって、比(R2/R1)の値を、0.85以上1.15以下(好ましくは、0.90以上1.14以下)の範囲とすればよい。
正極活物質層1bは、リチウムを可逆的に吸蔵および放出できる正極活物質を含む限り、その構成、構造などは特に限定されない。例えば、一般的なリチウム二次電池に用いる正極活物質層であればよい。正極活物質に用いる材料は、リチウムを可逆的に吸蔵および放出できる限り特に限定されず、例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO)などを用いればよい。その他、リチウムイオンをゲストイオンとして含んだ、リチウム−遷移金属化合物を用いてもよい。上記リチウム−遷移金属化合物としては、例えば、コバルト、マンガン、ニッケル、クロム、鉄およびバナジウムから選ばれる少なくとも1種の遷移金属とリチウムとの複合酸化物を用いればよい。具体的には、例えば、LiCoO、LiMnO、LiNiO、LiCoNi(1−x)(0<x<1)、LiCrO、α−LiFeO、LiVOなどを用いればよい。
負極活物質層3bは、リチウムを可逆的に吸蔵および放出できる負極活物質を含む限り、その構成、構造などは特に限定されない。例えば、一般的なリチウム二次電池に用いる負極活物質層であればよい。負極活物質に用いる材料は、リチウムを可逆的に吸蔵および放出できる限り特に限定されず、例えば、炭素材料、より具体的には、例えば、コークスやピッチを焼成することによって得られる炭素材料や、人造グラファイト、天然グラファイトなどのグラファイト類などを用いればよい。負極活物質の形状は、球状、リン片状または塊状が好ましい。また、負極活物質には、上述した炭素材料以外にも、例えば、シリコン、シリコン化合物、スズ、亜鉛などを含む合金を用いてもよい。
セパレータ5は、正極板1と負極板3との電気的な絶縁を保持することができ、かつ、リチウム伝導性を有する非水電解質を保持することができる限り、その構造、用いる材料などは特に限定されない。一般的なリチウム二次電池に用いるセパレータを用いればよい。例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などを含む微多孔性のポリオレフィン系樹脂を用いればよい。セパレータ5の厚さは、例えば、15μm〜30μmの範囲である。
非水電解質は、リチウム伝導性を有する限り特に限定されない。例えば、リチウム伝導性を有する非水電解液を用いればよい。非水電解液には、例えば、非水溶媒にリチウムを含む電解質を溶解させた電解液を用いればよい。
非水溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどのカーボネート類、あるいは、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジクロロエタン、1,3−ジメトキシプロパン、4−メチル−2−ペンタノン、1,4−ジオキサン、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、バレロニトリル、ベンゾニトリル、スルホラン、3−メチル−スルホラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、リン酸トリメチル、リン酸トリエチルなどを用いればよい。上述した非水溶媒を2種類以上混合して用いてもよい。
非水溶媒に溶解させる電解質には、例えば、電子吸引性が大きいリチウム塩を用いればよい。具体的には、例えば、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiCFSO、LiN(SOCF、LiN(SO、LiC(SOCFなどを用いればよい。上述した電解質を2種類以上組み合わせて非水溶媒に溶解してもよい。非水溶媒中の電解質の濃度は特に限定されず、例えば、0.5mol/l〜1.5mol/lの範囲であればよい。
なお、その他、非水電解質として固体状の電解質を用いることも可能である。
以下、本発明の二次電池の製造方法の一例を示す。なお、以下に示す製造方法はあくまでも一例であり、例えば、一般的な二次電池の製造方法を用いて本発明の二次電池を製造することが可能である。
最初に、負極活物質と結着剤とを有機溶媒に分散させ、混練することによって負極ペーストを作製する。次に、作製した負極ペーストを帯状の負極集電体の表面に塗布し、乾燥させた後、得られたシートを圧延することによって、負極集電体の表面(片面であっても両面であってもよい)に負極活物質層が形成された負極板3を得ることができる。圧延する工程は省略してもよい。このとき、負極集電体の長手方向における単位長さあたりの電気抵抗値R2と、正極板の製造方法において後述する正極集電体の長手方向における単位長さあたりの電気抵抗値R1との比(R2/R1)の値が、0.85以上1.15以下(好ましくは、0.9以上1.14以下)の範囲にあればよい。
負極活物質として炭素材料を用いる場合、例えば、有機高分子化合物(例えば、フェノール樹脂、ポリアクリロニトリル、セルロースなど)を焼成することによって得た炭素材料を準備すればよい。この炭素材料とフッ素系結着剤とを有機溶剤に混練してペーストを作製する。
結着剤には、例えば、フッ素系結着剤を用いればよい。また、フッ素系以外の他の結着剤、例えば、アクリルゴム、変性アクリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリル系重合体およびビニル系重合体から選ばれる少なくとも1種の材料を用いてもよい。また、これらの共重合体を用いてもよい。フッ素系結着剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデンや、フッ化ビニリデンと六フッ化プロピレンとの共重合体、あるいは、ポリテトラフルオロエチレン樹脂などを用いればよい。なお、上述した結着剤は、通常、分散体(ディスパージョン)の形態で用いられる。
負極ペーストには、必要に応じて、導電助剤や増粘剤を添加してもよい。導電助剤としては、例えば、アセチレンブラック、グラファイトおよび炭素繊維から選ばれる少なくとも1種の材料を用いればよい。増粘剤としては、例えば、エチレン−ビニルアルコール共重合体、カルボキシメチルセルロースおよびメチルセルロースから選ばれる少なくとも1種の材料を用いればよい。
負極活物質と結着剤とを分散させる溶剤には、例えば、結着剤を分散できる溶媒を用いればよい。具体的には、有機系結着剤を用いる場合、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルスルホルアミド、テトラメチル尿素、アセトンおよびメチルエチルケトンから選ばれる少なくとも1種の有機溶媒を用いればよい。水系ディスパージョンバインダーを用いる場合、溶媒には、例えば、水を用いればよい。
負極ペーストの混錬には、例えば、プラネタリーミキサー、ホモミキサー、ピンミキサー、ニーダー、ホモジナイザーなどを用いればよく、これらを複数組み合わせて用いてもよい。なお、負極ペーストを混練する際には、必要に応じて、分散剤、界面活性剤、安定剤などを添加してもよい。
負極集電体の表面に負極ペーストを塗布する際には、例えば、スリットダイコーター、リバースロールコーター、リップコーター、ブレードコーター、ナイフコーター、グラビアコーター、ディップコーターなどを用いればよい。塗布後の乾燥は、なるべく自然乾燥に近い状態での乾燥が好ましいが、生産性を高めるために、70℃〜300℃の範囲の温度において1分間〜5時間程度の範囲で乾燥を行ってもよい。
負極ペーストが塗布された負極板シートの圧延は、例えば、ロールプレス機を用いればよい。圧延は、例えば、負極板シートが目標の厚さになるまで行えばよい。より具体的には、例えば、1000kg/cm〜2000kg/cm程度の線圧の範囲において一定の線圧で数回圧延したり、あるいは、上記線圧の範囲において線圧を適宜変更しながら圧延したりしてもよい。
正極板1は、負極活物質の代わりに正極活物質、負極集電体の代わりに正極集電体を用いて、負極板3と同様に製造することができる。結着剤や溶媒、導電助剤、増粘剤、安定剤、分散剤、界面活性剤などは、負極板3の場合と同様であればよい。正極ペースト作製や、正極集電体の表面への上記ペーストの塗布、乾燥、圧延などについても同様である。
次に、上記のようにして作製した正極板1および負極板3に、それぞれ正極リード2および負極リード4を取り付ける。その後、正極板1および負極板3を、セパレータ5を介して積層し、捲回することによって渦巻状に捲回された極板群11を作製する。
次に、正極リード2と蓋体10とを電気的に接続し、負極リード4と電池ケース8の底部とを電気的に接続する。電池ケース8の底部と極板群11との間には下部絶縁板7が配置され、極板群11と蓋体10との間には上部絶縁板6が配置される。次に、電池ケース8に非水電解質を注入する。次に、電池ケース8を、絶縁ガスケット9および蓋体10によって封口する。このようにして本発明の二次電池を得ることができる。製造した二次電池は、組立後に、所定の電圧において初回の充電が行われる。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明は以下に示す実施例に限定されない。
本実施例では、サイズがJIS C8711記載のICR18650(直径18mm、高さ650mm)であり、電池容量が2000mAhの電池を作製して特性(ハイレート放電特性および充放電サイクル特性)の評価を行った。電池の特性は、各サンプルについて50個の電池の特性を測定し、それらの平均値(n=50)をとって評価した。以下に、各特性の評価方法を説明する。
ハイレート放電特性は、以下の方法によって評価した。最初に、室温において、電池電圧が4.2Vに達するまで2000mA(1CmA)の定電流で充電を行い、その後、電流値が減衰して100mA(0.05CmA)になるまで定電圧で充電を行った。次に、400mA(0.2CmA)の定電流で3.0Vの放電終止電圧まで放電させ、その際に放電した容量X(mAh)を測定した。次に、室温において、電池電圧が4.2Vに達するまで2000mA(1CmA)の定電流で充電を行い、その後、電流値が減衰して100mA(0.05CmA)になるまで定電圧で充電を行った。次に、4000mA(2CmA)の定電流で3.0Vの放電終止電圧まで放電させ、その際に放電した容量Y(mAh)を測定した。ここで、ローレート(Low Rate)放電時(放電電流:400mA)における放電容量を100%とした場合の、ハイレート(High Rate)放電時(放電電流:4000mA)における容量率(Y/X*100%)を平均値で表してハイレート放電特性とした。
充放電サイクル特性は、室温において充放電サイクルを500回繰り返した後、電池の容量維持率を測定することによって評価した。上記充放電サイクルにおいて、充電は、電池電圧が4.2Vに達するまで2000mA(1CmA)の定電流で充電した後、電流値が減衰して100mA(0.05CmA)になるまで定電圧で充電することによって行った。また、放電は、2000mAの定電流で3.0Vの放電終止電圧まで放電させることによって行った。このような充放電サイクルを500回繰り返したのち、500サイクル目の放電容量を測定した。また、3度目のサイクル終了時における電池の放電容量(初期放電容量)を測定し、初期放電容量を100%としたときの充放電サイクル後の放電容量(500サイクル目の放電容量)の割合(容量維持率)を算出した。充放電サイクル特性は、このようにして求めた容量維持率の平均値を用いて評価した。
以下に、各電池サンプルの作製方法について説明する。なお、各電池サンプルは、図1に示すような円筒状の電池とした。
−サンプル1−
最初に、以下の方法を用いて負極板を作製した。負極活物質としてリン片状の形状を有する黒鉛を準備し、上記黒鉛100重量部に対して、結着剤としてスチレンブタジエンゴムの水溶性ディスパージョンを4重量部(固形分)と、増粘剤としてカルボキシメチルセルロース0.8重量部とを水溶液の形で加え、さらにこれをプラネタリーミキサーによって混練して負極ペーストを作製した。次に、作製した負極ペーストを、帯状の銅箔(厚さ9μm)からなる負極集電体の表面にスリットダイコーターを用いて塗布した後に乾燥させ、集電体の表面に負極活物質層が形成された負極シート(厚さ230μm)を作製した。次に、ロールプレス機を用いて線圧110Kg/cmにおいて3回圧延して、厚さ147μmの負極板を作製した。その後、作製した負極板における負極集電体の端部(銅箔が露出した領域)に、負極リードをスポット溶接した。
正極板は以下の方法を用いて作製した。正極活物質としてコバルト酸リチウムを用意し、上記コバルト酸リチウム100重量部に対して、導電助剤としてアセチレンブラックの炭素粉末を3重量部と、結着剤としてポリテトラフルオロエチレン樹脂のディスパージョンを4重量部(固形分)と、増粘剤としてカルボキシメチルセルロース0.8重量部とを水溶液の形で加え、さらにこれをプラネタリーミキサーによって混練して正極ペーストを作製した。次に、作製した正極ペーストを、帯状のアルミニウム箔(厚さ14μm)からなる正極集電体の表面にスリットダイコーターを用いて塗布した後に乾燥させ、集電体の表面に正極活物質層が形成された正極シート(厚さ240μm)を作製した。次に、ロールプレス機を用いて線圧1000Kg/cmで3回圧延して、厚さ143μmの正極板作製した。次に、作製した正極板における正極集電体の端部(アルミニウムが露出した領域)に正極リードをスポット溶接した。その後、250℃において10時間さらに乾燥させた。なお、正極集電体の幅と負極集電体の幅とはほぼ同一とした。
上記のようにして作製した正極板と負極板とを、ポリプロピレン製セパレータ(厚さ20μm)を介して積層し、渦巻状に巻回して極板群を作製した。このとき、芯部に正極リードが配置され、外周部に負極リードが配置されるように極板群を作製した。次に、下部絶縁板を底部に設置した電池ケース内に極板群を収容した。次に、正極リードを蓋体に接続し、負極リードを電池ケースの底部に接続した。次に、極板群の上方に上部絶縁板を配置し、非水電解液を電池ケースに所定量注液した。電解液には、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとを混合した非水溶媒に、電解質であるヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)を1.25mol/lの濃度で溶解させた溶液を用いた。
次に、電池ケースと蓋体とを、ポリプロピレン製ガスケットを介して封口し、図1に示すような二次電池を作製した。最後に、作製した電池を所定の電圧で初回充電してサンプル1とした。なお、サンプル1において、正極集電体の厚さに対する負極集電体の厚さの比は0.64であり、即ち、サンプル1における比(R2/R1)の値は1.01であった。
サンプル1に対して上述した電池特性の評価を行ったところ、ハイレート放電特性であるハイレート放電時における容量率は96.1%であり、充放電サイクル特性である500回の充放電サイクル後の容量維持率は80.2%であった。
−サンプルA(比較例)−
負極集電体の厚さを6μm(正極集電体の厚さに対する比:0.43)とした以外はサンプル1と同様にして電池を作製し、上述した電池特性の評価を行った。なお、サンプルAにおける比(R2/R1)の値は1.52であった。サンプルAに対して上述した電池特性の評価を行ったところ、ハイレート放電時における容量率は92.8%であり、500回の充放電サイクル後の容量維持率は74.9%であった。
−サンプルB(比較例)−
負極集電体の厚さを12μm(正極集電体の厚さに対する比:0.86)とした以外はサンプル1と同様にして電池を作製し、上述した電池特性の評価を行った。なお、サンプルBにおける比(R2/R1)の値は0.76であった。サンプルBに対して上述した電池特性の評価を行ったところ、ハイレート放電時における容量率は93.5%であり、500回の充放電サイクル後の容量維持率は75.5%であった。
−サンプル2−
負極集電体の厚さを8μm(正極集電体の厚さに対する比:0.57)とした以外はサンプル1と同様にして電池を作製し、上述した電池特性の評価を行った。なお、サンプル2における比(R2/R1)の値は1.14であった。サンプル2に対して上述した電池特性の評価を行ったところ、ハイレート放電時における容量率は95.1%であり、500回の充放電サイクル後の容量維持率は79.7%であった。
−サンプル3−
負極集電体の厚さを10μm(正極集電体の厚さに対する比:0.71)にした以外はサンプル1と同様にして電池を作製し、上述した電池特性の評価を行った。なお、サンプル3における比(R2/R1)の値は0.91であった。サンプル3に対して上述した電池特性の評価を行ったところ、ハイレート放電時における容量率は95.2%であり、500回の充放電サイクル後の容量維持率は80.1%であった。
−サンプル4−
負極集電体に、亜鉛の含有率が6at%である黄銅箔(厚さ14μm)を用いた以外はサンプル1と同様にして電池を作製し、上述した電池特性の評価を行った。なお、サンプル4における比(R2/R1)の値は0.98であった。サンプル4に対して上述した電池特性の評価を行ったところ、ハイレート放電時における容量率は96.0%であり、500回の充放電サイクル後の容量維持率は80.3%であった。
−サンプルC(比較例)−
負極集電体に、亜鉛の含有率が10at%である黄銅箔(厚さ14μm)を用いた以外はサンプル1と同様にして電池を作製し、上述した電池特性の評価を行った。なお、サンプルCにおける比(R2/R1)の値は1.47であった。サンプルCに対して上述した電池特性の評価を行ったところ、ハイレート放電時における容量率は93.3%であり、500回の充放電サイクル後の容量維持率は76.2%であった。
−サンプルD(比較例)−
負極集電体に、亜鉛の含有率が2at%である黄銅箔(厚さ14μm)を用いた以外はサンプル1と同様にして電池を作製し、上述した電池特性の評価を行った。なお、サンプルDにおける比(R2/R1)の値は0.73であった。サンプルDに対して上述した電池特性の評価を行ったところ、ハイレート放電時における容量率は93.4%であり、500回の充放電サイクル後の容量維持率は75.4%であった。
−サンプル5−
負極集電体に、亜鉛の含有率が5at%である黄銅箔(厚さ14μm)を用いた以外はサンプル1と同様にして電池を作製し、上述した電池特性の評価を行った。なお、サンプル5における比(R2/R1)の値は0.90であった。サンプル5に対して上述した電池特性の評価を行ったところ、ハイレート放電時における容量率は95.9%であり、500回の充放電サイクル後の容量維持率は79.7%であった。
−サンプル6−
負極集電体に、亜鉛の含有率が7at%である黄銅箔(厚さ14μm)を用いた以外はサンプル1と同様にして電池を作製し、上述した電池特性の評価を行った。なお、サンプル6における比(R2/R1)の値は1.07であった。サンプル6に対して上述した電池特性の評価を行ったところ、ハイレート放電時における容量率は95.6%であり、500回の充放電サイクル後の容量維持率は79.8%であった。
サンプル1〜6および比較サンプルA〜Dの電池について、負極集電体の組成と電池特性とを以下の表1に示す。
Figure 2004102703
表1に示すように、正極集電体の長手方向における単位長さあたりの電気抵抗値R1に対する負極集電体の長手方向における単位長さあたりの電気抵抗値R2の比(R2/R1)の値が、0.85以上1.15以下の範囲にあるサンプル1〜サンプル6は、比(R2/R1)の値が0.85以上1.15以下の範囲にはない比較サンプルA〜比較サンプルDに比べて、ハイレート特性および充放電サイクル特性に優れる結果が得られた。
本発明は、その意図および本質的な特徴から逸脱しない限り、他の実施形態に適用しうる。この明細書に開示されている実施形態は、あらゆる点で説明的なものであってこれに限定されない。本発明の範囲は、上記説明ではなく添付したクレームによって示されており、クレームと均等な意味および範囲にあるすべての変更はそれに含まれる。
以上説明したように、本発明によれば、電池の内部抵抗のばらつきを抑制することによって、例えば、充放電サイクル特性、ハイレート充放電特性などに代表される電池特性に優れる非水電解質二次電池を提供することができる。
本発明は、非水電解質二次電池に関する。より具体的には、例えば、リチウムイオン二次電池に関する。
近年、電子機器の発達に伴って、小型かつ軽量でエネルギー密度が高く、充放電特性に優れる二次電池の開発が要望されている。このような二次電池として、非水電解質二次電池、なかでもリチウムイオン二次電池の研究、開発が盛んに行われている。
非水電解質二次電池(以下、単に「二次電池」あるいは「電池」ともいう)の電池特性は様々な要因によって決定される。電池特性に影響を与える要因の一つに、電池内部の抵抗(内部抵抗)のばらつきがある。内部抵抗は、電池内部に配置された集電体や活物質、電解質などによって生じる抵抗である。内部抵抗のばらつきが大きくなると、電池の内部における電流分布が不均一となり、電池特性(例えば、充放電サイクル特性や、ハイレート(High Rate)充放電特性)が劣化する可能性がある。このため、内部抵抗のばらつきをできるだけ抑制することが求められている。
内部抵抗のばらつきを抑制するために、例えば、集電体に取り付けるリードを複数にする技術が、特許文献1に開示されている。また、例えば、正極活物質の厚さをリード部から遠ざかるに従って薄くする技術が特許文献2に開示されている。
特開平10−261441号公報 特開2000−21453号公報
しかしながら、特許文献1に開示されているように、集電体に取り付けるリードの数を増やした場合、リードを取り付ける面積に対応して集電体上に配置される活物質層の面積を減少させなければならない。このため、電池の容量が低下する可能性がある。また、複数のリードを取り付けるために製造工程がより複雑となる。特許文献2に開示されているように、正極活物質層の厚さを変化させた場合、製造工程が複雑となり製造コストが増大する可能性がある。
このような状況に鑑み、本発明は、電池の内部抵抗のばらつきを抑制することによって、例えば、充放電サイクル特性、ハイレート充放電特性などに代表される電池特性に優れる非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
本発明の非水電解質二次電池は、
正極板と負極板とセパレータとを含む極板群と、非水電解質と、を備え、
前記極板群は、前記正極板と前記負極板とを前記セパレータを介して積層し、捲回した形状を有しており、
前記正極板は、帯状の第1の集電体と、前記第1の集電体上に配置された正極活物質層と、前記第1の集電体と電気的に接続された第1のリードとを含み、
前記負極板は、帯状の第2の集電体と、前記第2の集電体上に配置された負極活物質層と、前記第2の集電体と電気的に接続された第2のリードとを含み、
前記第1の集電体の長手方向における単位長さ当たりの電気抵抗値R1に対する前記第2の集電体の長手方向における単位長さ当たりの電気抵抗値R2の比(R2/R1)の値が、0.9以上1.14以下の範囲であり、
前記第1のリードが前記第1の集電体の一端に接続され、かつ、前記第2のリードが前記第2の集電体の一端に接続されており、
前記第1のリードは、前記極板群における芯部および外周部から選ばれるいずれか一方に配置されており、前記第2のリードは、前記芯部および前記外周部から選ばれる前記一方とは異なる他方に配置されており、
前記第1の集電体および前記第2の集電体に用いる材料が互いに異なり、かつ、前記第1の集電体の厚さと前記第2の集電体の厚さとが互いに異なる非水電解質二次電池である。
本発明の非水電解質二次電池によれば、充放電時における電池内部の電流分布が均一になり、ハイレート特性やサイクル特性に優れる非水電解質二次電池が得られる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。なお、実施の形態の説明において、同一の部材には同一の符号を付して重複する説明を省略する場合がある。
本発明の非水電解質二次電池の一例を図1に示す。図1に示す非水電解質二次電池20(以下、単に「二次電池20」あるいは「電池20」ともいう)は、正極板1と負極板3とセパレータ5とを含む極板群11と、非水電解質(図示せず)とを備えている。極板群11および非水電解質は、ともに電池ケース8の内部に収容されている。ここで、極板群11は、正極板1と負極板3とをセパレータ5を介して積層し、捲回した形状を有している。
正極板1は、帯状の正極集電体(第1の集電体)と、正極集電体上に配置された正極活物質層と、正極集電体と電気的に接続された正極リード(第1のリード)2とを含んでいる。また、負極板3は、帯状の負極集電体(第2の集電体)と、負極集電体上に配置された負極活物質層と、負極集電体と電気的に接続された負極リード(第2のリード)4とを含んでいる。正極板1および負極板3の具体的な構成例は、後述する。
ここで、正極集電体の長手方向(極板の捲回方向)における単位長さあたりの電気抵抗値R1に対する負極集電体の長手方向(極板の捲回方向)における単位長さあたりの電気抵抗値R2の比(R2/R1)の値が0.85以上1.15以下の範囲にあればよく、上記比の値が0.9以上1.14以下の範囲にあることが好ましい。なお、上記R1およびR2は、その単位が、例えば、Ω/cmで与えられる値である。
このような二次電池では、正極集電体と負極集電体との電気的抵抗値をほぼ同一にできる。このため、電池の内部抵抗のばらつきを抑制することができ、例えば、充放電サイクル特性、ハイレート充放電特性などの電池特性に優れる二次電池とすることができる。
電池の内部抵抗のばらつきについて、より具体的に説明する。
小型かつ軽量で高容量の二次電池とするために、二次電池に用いる集電体(正極集電体、負極集電体)には、一般に、非常に薄い金属箔が使用されている。このため、二次電池の電池特性は、集電体の電気抵抗値に大きな影響を受けると考えられる。しかしながら、従来の二次電池では、正極集電体の電気抵抗値と負極集電体の電気抵抗値との間の関係についてほとんど検討がなされていなかった。一般的な二次電池では、正極および負極のそれぞれの集電体に用いる材料(材質)は異なっている。例えば、一般的なリチウム二次電池では、正極集電体にアルミニウム箔を、負極集電体に銅箔を用いる。このため、正極集電体における上記R1よりも、負極集電体における上記R2の値の方が小さくなる傾向にある。例えば、アルミニウム箔からなる帯状の正極集電体と、銅箔からなる帯状の負極集電体との厚さおよび幅が同一である場合、比(R2/R1)の値は、0.63程度となる。この値は、アルミニウムの体積抵抗率(2.7×10-6Ω・cm)および銅の体積抵抗率(1.7×10-6Ω・cm)から求めることができる。
二次電池内部の導電経路を模式的に7分割したときの抵抗成分を表す等価回路を図2Aに示す。図2Aにおいて、Rp1〜Rp7は、正極集電体1aの各部分の抵抗値を反映している。同様に、Rn1〜Rn7は負極集電体3aの各部分の抵抗値を、Rs1〜Rs7は正極板1と負極板3との間に配置されている電解質の各部分の抵抗値を反映している。ここで、Rp1〜Rp7は全て同一の値であり、Rn1〜Rn7は全て同一の値であり、Rs1〜Rs7は全て同一の値であると仮定する。
ここで、電解質抵抗Rs1を介した導電経路の抵抗値は、図2Bに示すように、式Rn1+Rs1+Rp1+Rp2+Rp3+Rp4+Rp5+Rp6+Rp7、即ち、式Rn1+Rs1+7×Rp1によって近似される。また、電解質抵抗Rs7を介した導電経路の抵抗値は、図2Cに示すように、式Rn1+Rn2+Rn3+Rn4+Rn5+Rn6+Rn7+Rs7+Rp7、即ち、式7×Rn1+Rs7+Rp1によって近似される。Rs1=Rs7であるため、両者の差は、(6Rp1−6Rn1)である。
このとき、上述した従来のリチウム二次電池のように、正極集電体の長手方向における単位長さあたりの抵抗値R1よりも、負極集電体の長手方向における単位長さあたりの抵抗値R2の方が小さい場合、(Rs1を介した導電経路の抵抗)>(Rs7を介した導電経路の抵抗)となる。Rs2〜Rs6を介した導電経路を含めてより詳細に表現すると、(Rs1を介した導電経路の抵抗)>(Rs2を介した導電経路の抵抗)>(Rs3を介した導電経路の抵抗)>・・・>(Rs6を介した導電経路の抵抗)>(Rs7を介した導電経路の抵抗)となる。即ち、導電経路によって内部抵抗にばらつきが生じることになる。R1とR2との大小関係が逆の場合(R1<R2)においても、同様に、導電経路によってばらつきが生じることになる。このように内部抵抗にばらつきが生じることによって、なかでもハイレートでの充放電時に、電池内部における電流の分布が不均一となり、電池特性が低下する可能性がある。
これに対して本発明の二次電池では、R1の値とR2の値とがほぼ同一、即ち、Rp1の値とRn1の値とがほぼ同一であるため、電解質抵抗Rs1を介した導電経路の抵抗値と、電解質抵抗Rs7を介した導電経路の抵抗値との間に生じる差(および、Rs2〜Rs6の電解質抵抗を介した導電経路の抵抗値との間に生じる差)を小さくすることが可能である。従って、本発明の二次電池では、電池の内部抵抗のばらつきを抑制することができる。
なお、図2Aでは、正極リードと負極リードとが、互いに最も離れるようにそれぞれの極板に配置されている場合(例えば、図1に示すように、正極リード2が極板群11における芯部に、負極リード4が極板群11における外周部に配置されている場合)を想定している。正極リードおよび負極リードがより近接した位置に配置されている場合、導電経路による内部抵抗のばらつきはより大きくなることが予想される。このような場合においても、R1に対するR2の比(R2/R1)を上述の範囲にすることによって、電池の内部抵抗のばらつきを抑制することができる。
図1に示す二次電池20では、極板群11の芯部(巻き芯部)の正極板1(極板群11において最内周に位置する正極板1)に正極リード2が配置されている。より具体的には、正極板1のうち極板群11の芯部に位置する端部に正極リード2が電気的に接続されている。また、同様に、極板群11の外周部の負極板3(極板群11において最外周に位置する負極板3)に負極リード4が配置されている。より具体的には、負極板3のうち極板群11の外周部に位置する端部に負極リード4が電気的に接続されている。このような二次電池20では、上述したように、電池の内部抵抗のばらつきをより抑制することができる。なお、正極リード2が、極板群11の外周部の正極板1(極板群11において最外周に位置する正極板1)に、負極リード4が、極板群11の芯部の負極板3(極板群11において最内周に位置する負極板3)に配置されていてもよい。
このような構成を実現する正極板1および負極板3の一例を図3A、図3B、図4Aおよび図4Bに示す。図3Aおよび図4Aは断面図であり、図3Bおよび図4Bは平面図である。
図3Aおよび図3Bに示すように、正極板1は、帯状の正極集電体1aと、正極集電体1aの両面に形成された活物質層(正極活物質層)1bとを含んでおり、正極集電体1aの長手方向の一端に正極リード2が電気的に接続されている。また、図4Aおよび図4Bに示すように、負極板3は、帯状の負極集電体3aと、その両面に形成された活物質層(負極活物質層)3bとを含んでおり、負極集電体3aの長手方向の一端に負極リード4が電気的に接続されている。通常、正極集電体1aの幅(短手方向の幅)と負極集電体3aの幅(短手方向の幅)とはほぼ同一である。このような正極板1および負極板3を、正極リード2と負極リード4とが互いに最も遠くなるように、セパレータを介して積層し、捲回すれば、図1に示す極板群11とすることができる。
なお、図3A〜図4Bは、正極板1および負極板3の一例を模式的に示したものであり、本発明の二次電池に用いる正極板および負極板は、図3A〜図4Bに示す例に限定されない。例えば、正極集電体1aの長手方向における任意の場所に正極リード2を配置してもよい。負極集電体3aと負極リード4との関係においても同様である。同じく、図1に示す極板群11において、正極リード2が芯部または外周部に配置されていなくてもよいし、あるいは、負極リード4が芯部または外周部に配置されていなくてもよい。
比(R2/R1)の値は、集電体の厚さ、および/または、集電体の材料・材質(例えば、集電体を構成する元素の種類、あるいは、組成)などを変化させることによって制御することができる。例えば、極板が取りうる電位(電気化学的な電位)が異なることから、正極集電体と負極集電体との間で用いる材料が互いに異なる場合が一般的である。このとき、正極集電体に用いる材料の電気的な抵抗率(例えば、体積抵抗率)と、負極集電体に用いる材料の電気的な抵抗率とが異なる場合、例えば、正極集電体の厚さと負極集電体の厚さとを互いに異なるようにすればよい(具体的には、例えば、体積抵抗率が相対的に大きい材料を用いた集電体の厚さを、相対的に小さい材料を用いた集電体の厚さよりも大きくすればよい)。即ち、正極集電体および負極集電体に用いる材料が互いに異なり、かつ、正極集電体の厚さと負極集電体の厚さとが互いに異なっていればよい。
また、正極集電体に用いる材料の電気的な抵抗率と、負極集電体に用いる材料の電気的な抵抗率とをほぼ同一にしてもよい。具体的な例は、後述する。
また、これらに加えて、集電体の形状を変化させることによっても、比(R2/R1)の値を制御することが可能である。例えば、正極集電体および負極集電体から選ばれる少なくとも1つの集電体が空孔を有しており、正極集電体の空孔率と負極集電体の空孔率とが互いに異なっていてもよい。より具体的には、例えば、上記少なくとも1つの集電体が複数の貫通孔を有していればよい。空孔率を大きくするほど、集電体の電気抵抗値を大きくすることができる。また、ラス加工やエッチング加工などによって、集電体の空孔率を変化させてもよい。
このように、本発明の二次電池では、比(R2/R1)の値が0.85以上1.15以下(好ましくは、0.9以上1.14以下)の範囲を満たすように、正極集電体および負極集電体の厚さ、空孔率、および用いる材料(材質)から選ばれる少なくとも1つが制御されていてもよい。
その他、図1に示す二次電池20は、上部絶縁板6、下部絶縁板7、絶縁ガスケット9および蓋体10を備えている。電池ケース8の開口端部は、絶縁ガスケット9と蓋体10とによって封口されている。上部絶縁板6は、極板群11と蓋体10とを絶縁するために極板群11の上部に配置されている。下部絶縁板7は、極板群11と電池ケース8とを絶縁するために極板群11の下部に配置されている。また、正極リード2によって、正極端子を兼ねる蓋体10と正極板1とが電気的に接続され、負極リード4によって、負極端子を兼ねる電池ケース8と負極板3とが電気的に接続されている。これらの部材は、必要に応じて備えていればよい。
本発明の二次電池20の種類は特に限定されず、例えば、リチウム二次電池やニッケル水素電池など、様々な二次電池であってもよい。二次電池の種類は、正極板1に用いる正極活物質、負極板3に用いる負極活物質、非水電解質の種類を選択することによって決定することができる。例えば、正極活物質層1bおよび負極活物質層3bがリチウムを可逆的に吸蔵および放出できる正極活物質および負極活物質をそれぞれ含み、非水電解質がリチウム伝導性を有していてもよい。この場合、本発明の二次電池20をリチウム二次電池とすることができる。
以下、本発明の二次電池が備える各部材について、リチウム二次電池を例にして説明する。なお、各部材に用いる材料は以下に示す例に限定されず、二次電池に一般的に用いる材料を用いればよい。ただし、二次電池の種類に応じて、用いる材料を選択する必要がある。
正極集電体1aには、例えば、アルミニウムを用いればよい。正極集電体の厚さは、例えば、10μm〜60μmの範囲である。
負極集電体3aには、例えば、銅を用いればよい。正極集電体1aにアルミニウムを、負極集電体3aに銅を用いた場合、負極集電体3aの厚さを正極集電体1aの厚さの0.56倍〜0.77倍程度の範囲にすればよい。このとき、比(R2/R1)の値を、0.85以上1.15以下の範囲にすることができる。なお、正極集電体1aであるアルミニウムの厚さに対する負極集電体3aである銅の厚さは、上記0.56倍〜0.77倍の範囲に限られず、例えば、それぞれの集電体の幅、形状などに応じて任意に調整すればよい。比(R2/R1)の値が、0.85以上1.15以下の範囲に入ればよい。
また、正極集電体1aとしてアルミニウムを用いた場合、負極集電体3aとして、例えば、黄銅を用いてもよい。黄銅とは、銅と亜鉛とを含む合金であり、亜鉛の組成比を変化させることによって電気抵抗値を変化させることができる。具体的には、例えば、黄銅中における亜鉛の含有率を5原子%〜7原子%程度の範囲とすることによって、アルミニウムの電気抵抗値とほぼ同じ電気抵抗値を有する黄銅とすることができる。即ち、上記組成の黄銅を負極集電体3aに用いることによって、正極集電体1aの厚さと負極集電体3aの厚さとをほぼ同一としたまま、比(R2/R1)の値を上述の範囲内にすることができる。
なお、電池内の環境においてリチウムと反応しない金属、合金などであれば、その他の材料を用いて正極集電体1a、負極集電体3aを形成してもよい。このような場合においても、上述したように、集電体に用いる材料や厚さを調製することによって、比(R2/R1)の値を、0.85以上1.15以下(好ましくは、0.90以上1.14以下)の範囲とすればよい。
正極活物質層1bは、リチウムを可逆的に吸蔵および放出できる正極活物質を含む限り、その構成、構造などは特に限定されない。例えば、一般的なリチウム二次電池に用いる正極活物質層であればよい。正極活物質に用いる材料は、リチウムを可逆的に吸蔵および放出できる限り特に限定されず、例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO2)などを用いればよい。その他、リチウムイオンをゲストイオンとして含んだ、リチウム−遷移金属化合物を用いてもよい。上記リチウム−遷移金属化合物としては、例えば、コバルト、マンガン、ニッケル、クロム、鉄およびバナジウムから選ばれる少なくとも1種の遷移金属とリチウムとの複合酸化物を用いればよい。具体的には、例えば、LiCoO2、LiMnO2、LiNiO2、LiCoxNi(1-x)2(0<x<1)、LiCrO2、α−LiFeO2、LiVO2などを用いればよい。
負極活物質層3bは、リチウムを可逆的に吸蔵および放出できる負極活物質を含む限り、その構成、構造などは特に限定されない。例えば、一般的なリチウム二次電池に用いる負極活物質層であればよい。負極活物質に用いる材料は、リチウムを可逆的に吸蔵および放出できる限り特に限定されず、例えば、炭素材料、より具体的には、例えば、コークスやピッチを焼成することによって得られる炭素材料や、人造グラファイト、天然グラファイトなどのグラファイト類などを用いればよい。負極活物質の形状は、球状、リン片状または塊状が好ましい。また、負極活物質には、上述した炭素材料以外にも、例えば、シリコン、シリコン化合物、スズ、亜鉛などを含む合金を用いてもよい。
セパレータ5は、正極板1と負極板3との電気的な絶縁を保持することができ、かつ、リチウム伝導性を有する非水電解質を保持することができる限り、その構造、用いる材料などは特に限定されない。一般的なリチウム二次電池に用いるセパレータを用いればよい。例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などを含む微多孔性のポリオレフィン系樹脂を用いればよい。セパレータ5の厚さは、例えば、15μm〜30μmの範囲である。
非水電解質は、リチウム伝導性を有する限り特に限定されない。例えば、リチウム伝導性を有する非水電解液を用いればよい。非水電解液には、例えば、非水溶媒にリチウムを含む電解質を溶解させた電解液を用いればよい。
非水溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどのカーボネート類、あるいは、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジクロロエタン、1,3−ジメトキシプロパン、4−メチル−2−ペンタノン、1,4−ジオキサン、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、バレロニトリル、ベンゾニトリル、スルホラン、3−メチル−スルホラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、リン酸トリメチル、リン酸トリエチルなどを用いればよい。上述した非水溶媒を2種類以上混合して用いてもよい。
非水溶媒に溶解させる電解質には、例えば、電子吸引性が大きいリチウム塩を用いればよい。具体的には、例えば、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、LiCF3SO3、LiN(SO2CF32、LiN(SO2252、LiC(SO2CF33などを用いればよい。上述した電解質を2種類以上組み合わせて非水溶媒に溶解してもよい。非水溶媒中の電解質の濃度は特に限定されず、例えば、0.5mol/l〜1.5mol/lの範囲であればよい。
なお、その他、非水電解質として固体状の電解質を用いることも可能である。
以下、本発明の二次電池の製造方法の一例を示す。なお、以下に示す製造方法はあくまでも一例であり、例えば、一般的な二次電池の製造方法を用いて本発明の二次電池を製造することが可能である。
最初に、負極活物質と結着剤とを有機溶媒に分散させ、混練することによって負極ペーストを作製する。次に、作製した負極ペーストを帯状の負極集電体の表面に塗布し、乾燥させた後、得られたシートを圧延することによって、負極集電体の表面(片面であっても両面であってもよい)に負極活物質層が形成された負極板3を得ることができる。圧延する工程は省略してもよい。このとき、負極集電体の長手方向における単位長さあたりの電気抵抗値R2と、正極板の製造方法において後述する正極集電体の長手方向における単位長さあたりの電気抵抗値R1との比(R2/R1)の値が、0.85以上1.15以下(好ましくは、0.9以上1.14以下)の範囲にあればよい。
負極活物質として炭素材料を用いる場合、例えば、有機高分子化合物(例えば、フェノール樹脂、ポリアクリロニトリル、セルロースなど)を焼成することによって得た炭素材料を準備すればよい。この炭素材料とフッ素系結着剤とを有機溶剤に混練してペーストを作製する。
結着剤には、例えば、フッ素系結着剤を用いればよい。また、フッ素系以外の他の結着剤、例えば、アクリルゴム、変性アクリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリル系重合体およびビニル系重合体から選ばれる少なくとも1種の材料を用いてもよい。また、これらの共重合体を用いてもよい。フッ素系結着剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデンや、フッ化ビニリデンと六フッ化プロピレンとの共重合体、あるいは、ポリテトラフルオロエチレン樹脂などを用いればよい。なお、上述した結着剤は、通常、分散体(ディスパージョン)の形態で用いられる。
負極ペーストには、必要に応じて、導電助剤や増粘剤を添加してもよい。導電助剤としては、例えば、アセチレンブラック、グラファイトおよび炭素繊維から選ばれる少なくとも1種の材料を用いればよい。増粘剤としては、例えば、エチレン−ビニルアルコール共重合体、カルボキシメチルセルロースおよびメチルセルロースから選ばれる少なくとも1種の材料を用いればよい。
負極活物質と結着剤とを分散させる溶剤には、例えば、結着剤を分散できる溶媒を用いればよい。具体的には、有機系結着剤を用いる場合、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルスルホルアミド、テトラメチル尿素、アセトンおよびメチルエチルケトンから選ばれる少なくとも1種の有機溶媒を用いればよい。水系ディスパージョンバインダーを用いる場合、溶媒には、例えば、水を用いればよい。
負極ペーストの混錬には、例えば、プラネタリーミキサー、ホモミキサー、ピンミキサー、ニーダー、ホモジナイザーなどを用いればよく、これらを複数組み合わせて用いてもよい。なお、負極ペーストを混練する際には、必要に応じて、分散剤、界面活性剤、安定剤などを添加してもよい。
負極集電体の表面に負極ペーストを塗布する際には、例えば、スリットダイコーター、リバースロールコーター、リップコーター、ブレードコーター、ナイフコーター、グラビアコーター、ディップコーターなどを用いればよい。塗布後の乾燥は、なるべく自然乾燥に近い状態での乾燥が好ましいが、生産性を高めるために、70℃〜300℃の範囲の温度において1分間〜5時間程度の範囲で乾燥を行ってもよい。
負極ペーストが塗布された負極板シートの圧延は、例えば、ロールプレス機を用いればよい。圧延は、例えば、負極板シートが目標の厚さになるまで行えばよい。より具体的には、例えば、1000kg/cm〜2000kg/cm程度の線圧の範囲において一定の線圧で数回圧延したり、あるいは、上記線圧の範囲において線圧を適宜変更しながら圧延したりしてもよい。
正極板1は、負極活物質の代わりに正極活物質、負極集電体の代わりに正極集電体を用いて、負極板3と同様に製造することができる。結着剤や溶媒、導電助剤、増粘剤、安定剤、分散剤、界面活性剤などは、負極板3の場合と同様であればよい。正極ペースト作製や、正極集電体の表面への上記ペーストの塗布、乾燥、圧延などについても同様である。
次に、上記のようにして作製した正極板1および負極板3に、それぞれ正極リード2および負極リード4を取り付ける。その後、正極板1および負極板3を、セパレータ5を介して積層し、捲回することによって渦巻状に捲回された極板群11を作製する。
次に、正極リード2と蓋体10とを電気的に接続し、負極リード4と電池ケース8の底部とを電気的に接続する。電池ケース8の底部と極板群11との間には下部絶縁板7が配置され、極板群11と蓋体10との間には上部絶縁板6が配置される。次に、電池ケース8に非水電解質を注入する。次に、電池ケース8を、絶縁ガスケット9および蓋体10によって封口する。このようにして本発明の二次電池を得ることができる。製造した二次電池は、組立後に、所定の電圧において初回の充電が行われる。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明は以下に示す実施例に限定されない。
本実施例では、サイズがJIS C8711記載のICR18650(直径18mm、高さ650mm)であり、電池容量が2000mAhの電池を作製して特性(ハイレート放電特性および充放電サイクル特性)の評価を行った。電池の特性は、各サンプルについて50個の電池の特性を測定し、それらの平均値(n=50)をとって評価した。以下に、各特性の評価方法を説明する。
ハイレート放電特性は、以下の方法によって評価した。最初に、室温において、電池電圧が4.2Vに達するまで2000mA(1CmA)の定電流で充電を行い、その後、電流値が減衰して100mA(0.05CmA)になるまで定電圧で充電を行った。次に、400mA(0.2CmA)の定電流で3.0Vの放電終止電圧まで放電させ、その際に放電した容量X(mAh)を測定した。次に、室温において、電池電圧が4.2Vに達するまで2000mA(1CmA)の定電流で充電を行い、その後、電流値が減衰して100mA(0.05CmA)になるまで定電圧で充電を行った。次に、4000mA(2CmA)の定電流で3.0Vの放電終止電圧まで放電させ、その際に放電した容量Y(mAh)を測定した。ここで、ローレート(Low Rate)放電時(放電電流:400mA)における放電容量を100%とした場合の、ハイレート(High Rate)放電時(放電電流:4000mA)における容量率(Y/X*100%)を平均値で表してハイレート放電特性とした。
充放電サイクル特性は、室温において充放電サイクルを500回繰り返した後、電池の容量維持率を測定することによって評価した。上記充放電サイクルにおいて、充電は、電池電圧が4.2Vに達するまで2000mA(1CmA)の定電流で充電した後、電流値が減衰して100mA(0.05CmA)になるまで定電圧で充電することによって行った。また、放電は、2000mAの定電流で3.0Vの放電終止電圧まで放電させることによって行った。このような充放電サイクルを500回繰り返したのち、500サイクル目の放電容量を測定した。また、3度目のサイクル終了時における電池の放電容量(初期放電容量)を測定し、初期放電容量を100%としたときの充放電サイクル後の放電容量(500サイクル目の放電容量)の割合(容量維持率)を算出した。充放電サイクル特性は、このようにして求めた容量維持率の平均値を用いて評価した。
以下に、各電池サンプルの作製方法について説明する。なお、各電池サンプルは、図1に示すような円筒状の電池とした。
−サンプル1−
最初に、以下の方法を用いて負極板を作製した。負極活物質としてリン片状の形状を有する黒鉛を準備し、上記黒鉛100重量部に対して、結着剤としてスチレンブタジエンゴムの水溶性ディスパージョンを4重量部(固形分)と、増粘剤としてカルボキシメチルセルロース0.8重量部とを水溶液の形で加え、さらにこれをプラネタリーミキサーによって混練して負極ペーストを作製した。次に、作製した負極ペーストを、帯状の銅箔(厚さ9μm)からなる負極集電体の表面にスリットダイコーターを用いて塗布した後に乾燥させ、集電体の表面に負極活物質層が形成された負極シート(厚さ230μm)を作製した。次に、ロールプレス機を用いて線圧110Kg/cmにおいて3回圧延して、厚さ147μmの負極板を作製した。その後、作製した負極板における負極集電体の端部(銅箔が露出した領域)に、負極リードをスポット溶接した。
正極板は以下の方法を用いて作製した。正極活物質としてコバルト酸リチウムを用意し、上記コバルト酸リチウム100重量部に対して、導電助剤としてアセチレンブラックの炭素粉末を3重量部と、結着剤としてポリテトラフルオロエチレン樹脂のディスパージョンを4重量部(固形分)と、増粘剤としてカルボキシメチルセルロース0.8重量部とを水溶液の形で加え、さらにこれをプラネタリーミキサーによって混練して正極ペーストを作製した。次に、作製した正極ペーストを、帯状のアルミニウム箔(厚さ14μm)からなる正極集電体の表面にスリットダイコーターを用いて塗布した後に乾燥させ、集電体の表面に正極活物質層が形成された正極シート(厚さ240μm)を作製した。次に、ロールプレス機を用いて線圧1000Kg/cmで3回圧延して、厚さ143μmの正極板作製した。次に、作製した正極板における正極集電体の端部(アルミニウムが露出した領域)に正極リードをスポット溶接した。その後、250℃において10時間さらに乾燥させた。なお、正極集電体の幅と負極集電体の幅とはほぼ同一とした。
上記のようにして作製した正極板と負極板とを、ポリプロピレン製セパレータ(厚さ20μm)を介して積層し、渦巻状に巻回して極板群を作製した。このとき、芯部に正極リードが配置され、外周部に負極リードが配置されるように極板群を作製した。次に、下部絶縁板を底部に設置した電池ケース内に極板群を収容した。次に、正極リードを蓋体に接続し、負極リードを電池ケースの底部に接続した。次に、極板群の上方に上部絶縁板を配置し、非水電解液を電池ケースに所定量注液した。電解液には、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとを混合した非水溶媒に、電解質であるヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)を1.25mol/lの濃度で溶解させた溶液を用いた。
次に、電池ケースと蓋体とを、ポリプロピレン製ガスケットを介して封口し、図1に示すような二次電池を作製した。最後に、作製した電池を所定の電圧で初回充電してサンプル1とした。なお、サンプル1において、正極集電体の厚さに対する負極集電体の厚さの比は0.64であり、即ち、サンプル1における比(R2/R1)の値は1.01であった。
サンプル1に対して上述した電池特性の評価を行ったところ、ハイレート放電特性であるハイレート放電時における容量率は96.1%であり、充放電サイクル特性である500回の充放電サイクル後の容量維持率は80.2%であった。
−サンプルA(比較例)−
負極集電体の厚さを6μm(正極集電体の厚さに対する比:0.43)とした以外はサンプル1と同様にして電池を作製し、上述した電池特性の評価を行った。なお、サンプルAにおける比(R2/R1)の値は1.52であった。サンプルAに対して上述した電池特性の評価を行ったところ、ハイレート放電時における容量率は92.8%であり、500回の充放電サイクル後の容量維持率は74.9%であった。
−サンプルB(比較例)−
負極集電体の厚さを12μm(正極集電体の厚さに対する比:0.86)とした以外はサンプル1と同様にして電池を作製し、上述した電池特性の評価を行った。なお、サンプルBにおける比(R2/R1)の値は0.76であった。サンプルBに対して上述した電池特性の評価を行ったところ、ハイレート放電時における容量率は93.5%であり、500回の充放電サイクル後の容量維持率は75.5%であった。
−サンプル2−
負極集電体の厚さを8μm(正極集電体の厚さに対する比:0.57)とした以外はサンプル1と同様にして電池を作製し、上述した電池特性の評価を行った。なお、サンプル2における比(R2/R1)の値は1.14であった。サンプル2に対して上述した電池特性の評価を行ったところ、ハイレート放電時における容量率は95.1%であり、500回の充放電サイクル後の容量維持率は79.7%であった。
−サンプル3−
負極集電体の厚さを10μm(正極集電体の厚さに対する比:0.71)にした以外はサンプル1と同様にして電池を作製し、上述した電池特性の評価を行った。なお、サンプル3における比(R2/R1)の値は0.91であった。サンプル3に対して上述した電池特性の評価を行ったところ、ハイレート放電時における容量率は95.2%であり、500回の充放電サイクル後の容量維持率は80.1%であった。
−サンプル4−
負極集電体に、亜鉛の含有率が6at%である黄銅箔(厚さ14μm)を用いた以外はサンプル1と同様にして電池を作製し、上述した電池特性の評価を行った。なお、サンプル4における比(R2/R1)の値は0.98であった。サンプル4に対して上述した電池特性の評価を行ったところ、ハイレート放電時における容量率は96.0%であり、500回の充放電サイクル後の容量維持率は80.3%であった。
−サンプルC(比較例)−
負極集電体に、亜鉛の含有率が10at%である黄銅箔(厚さ14μm)を用いた以外はサンプル1と同様にして電池を作製し、上述した電池特性の評価を行った。なお、サンプルCにおける比(R2/R1)の値は1.47であった。サンプルCに対して上述した電池特性の評価を行ったところ、ハイレート放電時における容量率は93.3%であり、500回の充放電サイクル後の容量維持率は76.2%であった。
−サンプルD(比較例)−
負極集電体に、亜鉛の含有率が2at%である黄銅箔(厚さ14μm)を用いた以外はサンプル1と同様にして電池を作製し、上述した電池特性の評価を行った。なお、サンプルDにおける比(R2/R1)の値は0.73であった。サンプルDに対して上述した電池特性の評価を行ったところ、ハイレート放電時における容量率は93.4%であり、500回の充放電サイクル後の容量維持率は75.4%であった。
−サンプル5−
負極集電体に、亜鉛の含有率が5at%である黄銅箔(厚さ14μm)を用いた以外はサンプル1と同様にして電池を作製し、上述した電池特性の評価を行った。なお、サンプル5における比(R2/R1)の値は0.90であった。サンプル5に対して上述した電池特性の評価を行ったところ、ハイレート放電時における容量率は95.9%であり、500回の充放電サイクル後の容量維持率は79.7%であった。
−サンプル6−
負極集電体に、亜鉛の含有率が7at%である黄銅箔(厚さ14μm)を用いた以外はサンプル1と同様にして電池を作製し、上述した電池特性の評価を行った。なお、サンプル6における比(R2/R1)の値は1.07であった。サンプル6に対して上述した電池特性の評価を行ったところ、ハイレート放電時における容量率は95.6%であり、500回の充放電サイクル後の容量維持率は79.8%であった。
サンプル1〜6および比較サンプルA〜Dの電池について、負極集電体の組成と電池特性とを以下の表1に示す。
Figure 2004102703
表1に示すように、正極集電体の長手方向における単位長さあたりの電気抵抗値R1に対する負極集電体の長手方向における単位長さあたりの電気抵抗値R2の比(R2/R1)の値が、0.85以上1.15以下の範囲にあるサンプル1〜サンプル6は、比(R2/R1)の値が0.85以上1.15以下の範囲にはない比較サンプルA〜比較サンプルDに比べて、ハイレート特性および充放電サイクル特性に優れる結果が得られた。
本発明は、その意図および本質的な特徴から逸脱しない限り、他の実施形態に適用しうる。この明細書に開示されている実施形態は、あらゆる点で説明的なものであってこれに限定されない。本発明の範囲は、上記説明ではなく添付したクレームによって示されており、クレームと均等な意味および範囲にあるすべての変更はそれに含まれる。
以上説明したように、本発明によれば、電池の内部抵抗のばらつきを抑制することによって、例えば、充放電サイクル特性、ハイレート充放電特性などに代表される電池特性に優れる非水電解質二次電池を提供することができる。
本発明の非水電解質二次電池の一例を模式的に示す断面図である。 A〜Cは、電池の内部抵抗のばらつきを説明するための模式的な等価回路図である。 Aは、本発明の非水電解質二次電池に用いる正極板の一例を模式的に示す断面図であり、Bは、本発明の非水電解質二次電池に用いる正極板の一例を模式的に示す平面図である。 Aは、本発明の非水電解質二次電池に用いる負極板の一例を模式的に示す断面図であり、Bは、本発明の非水電解質二次電池に用いる負極板の一例を模式的に示す平面図である。
符号の説明
1 正極板
1a 正極集電体
1b 活物質層(正極活物質層)
2 正極リード
3 負極板
3a 負極集電体
3b 活物質層(負極活物質層)
4 負極リード
5 セパレータ
6 上部絶縁板
7 下部絶縁板
8 電池ケース
9 絶縁ガスケット
10 蓋体
20 非水電解質二次電池

Claims (9)

  1. 正極板と負極板とセパレータとを含む極板群と、非水電解質と、を備え、
    前記極板群は、前記正極板と前記負極板とを前記セパレータを介して積層し、捲回した形状を有しており、
    前記正極板は、帯状の第1の集電体と、前記第1の集電体上に配置された正極活物質層と、前記第1の集電体と電気的に接続された第1のリードとを含み、
    前記負極板は、帯状の第2の集電体と、前記第2の集電体上に配置された負極活物質層と、前記第2の集電体と電気的に接続された第2のリードとを含み、
    前記第1の集電体の長手方向における単位長さ当たりの電気抵抗値R1に対する前記第2の集電体の長手方向における単位長さ当たりの電気抵抗値R2の比(R2/R1)の値が、0.85以上1.15以下の範囲である非水電解質二次電池。
  2. 前記第1のリードが前記第1の集電体の一端に接続され、かつ、前記第2のリードが前記第2の集電体の一端に接続されており、
    前記第1のリードは、前記極板群における芯部および外周部から選ばれるいずれか一方に配置されており、前記第2のリードは、前記芯部および前記外周部から選ばれる前記一方とは異なる他方に配置されている請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  3. 前記第1の集電体および前記第2の集電体に用いる材料が互いに異なり、かつ、前記第1の集電体の厚さと前記第2の集電体の厚さとが互いに異なる請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  4. 前記第1の集電体に用いる材料の電気的な抵抗率と、前記第2の集電体に用いる材料の電気的な抵抗率とがほぼ同一である請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  5. 前記第1の集電体および前記第2の集電体から選ばれる少なくとも1つが空孔を有しており、
    前記第1の集電体と前記第2の集電体との空孔率が互いに異なる請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  6. 前記比(R2/R1)の値が0.85以上1.15以下の範囲を満たすように、前記第1および前記第2の集電体の厚さ、空孔率、および材質から選ばれる少なくとも1つが制御されている請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  7. 前記正極活物質層および前記負極活物質層が、リチウムを可逆的に吸蔵および放出できる正極活物質および負極活物質をそれぞれ含み、
    前記非水電解質がリチウム伝導性を有する請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  8. 前記第1の集電体がアルミニウムからなり、
    前記第2の集電体が銅からなる請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  9. 前記第1の集電体がアルミニウムからなり、
    前記第2の集電体は、亜鉛を5原子%〜7原子%の範囲で含む黄銅からなる請求項4に記載の非水電解液二次電池。
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