JPWO2004092712A1 - 分子の検出方法、分子の計数方法、分子局在化の検出方法、及びこれらに用いる分子検出装置 - Google Patents
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Abstract
Description
また、本発明は、基板に固定化された鎖状分子を検出するための分子の検出装置に関する。さらに詳しくは、探針で分子をプロービングすることにより、直立した鎖状分子を視覚化すること、単位面積当たりの鎖状分子の数を計数すること、分子局在化の情報を得ること等を可能とする分子検出装置に関する。
さらに、本発明は、前記方法又は装置を用いた鎖状分子が固定化された基板の製造方法に関する。
上記、DNAチップ又はDNAマイクロアレイにおいて、基板上に固定化されたDNAが局在化していると、これらを用いた遺伝子発現情報等の解析結果の信頼性低下につながる。つまり、基板上の意図する部分にDNAが均一に、ばらついて(非局在化して)固定化されていなければ定性的、定量的な解析に性能を発揮することができない。従来、基板上の特定の範囲に一本鎖DNAが均一に固定化されているか否かを分子レベルで調べる技術はなく、DNAチップ又はDNAマイクロアレイは非常に高価であるため、その検査技術の開発が望まれている。
また、これらのDNAチップ又はDNAマイクロアレイに固定化されているDNAを検出するには、固定化されているDNAに蛍光ラベルした相補的なDNAをハイブリダイゼーションさせ、蛍光強度を測定することにより行うことが可能ではあるが、この方法では分子の局在化情報までは知りえない。
上述のDNAチップ又はDNAマイクロアレイでの問題は、酵素免疫測定法(ELISA)で用いられるマイクロタイタープレートや、タンパクチップにおいても同様である。つまり、基板上に固定化されたタンパク質分子を、これと親和性を有する色素などで染色して吸光度を測定する、蛍光ラベルしたタンパク質を結合させ蛍光強度を測定する等しても、単位面積当りのタンパク質濃度の平均値が求められるのみで、分子の局在化情報まで得ることはできない。
基板上に固定化された分子の非局在化又は局在化の情報を得るための手段としては、電子顕微鏡などを用いた観察がある。しかし、この観察は真空下で行うので、生体高分子はその構造が壊れてしまい観察できないか、あるいは基板に密着するため基板との見分けができない。
この他に、紫外分光法あるいは赤外分光法などによる基板表面のイメージングを行う技術が近年用いられているが、装置の構造上、測定視野が広いために、分子レベルでの局在化の情報を得ることは困難である。
一方、分子を視覚化し、形状に関する情報を得るためには、走査型プローブ顕微鏡を用いた観察が知られている。核酸に関して言えば、走査型プローブ顕微鏡を用いた観察により、二本鎖核酸のらせん構造が確認されている(例えば、T.P.Beebe,Jr.,T.E.Wilson,D.F.Ogletree,J.E.Katz,R.Balhorn,M.B.Salmeron and W.J.Siekhaus,Science 243,370(1989)又はR.J.Driscoll,M.G.Youngquist and J.D.Baldeschwieler,Nature 346,294(1990)参照。)。また、原子間力顕微鏡を用いて原子間力測定を行うことで一本鎖DNA、二本鎖DNAを区別できることも可能となった(例えば、J.Wang and A.J.Bard,Anal.Chem.73,2207(2001)参照。)。しかし、これらの技術は核酸を基板に対し平行に吸着させているため、分子としての自由度が限定され、その後に起こる反応のためには好ましくない不活性な状態における観察であると言わざるを得ない。
また、測定環境から見れば、大気中と溶液中では、環境が違うため、分子は大気中では基板に密着するが、溶液中では自由運動を行っている。大気中において分子を測定すると、隣接分子同士が互いに絡み合って基板に密着し、個々の分子を識別できない。
上記のようなDNAチップ、DNAマイクロアレイ等においては、鎖状分子が活性状態を保った状態で基板に固定化されている。即ち、基板上で分子を直立させることにより、分子の自由度を増すとともに、反応部位をより開放して反応性を向上させている。従って、上述の核酸を基板に対して平行に吸着させた観察方法は、DNAチップ、DNAマイクロアレイ等の観察には適さない。
さらに、基板表面に固定化されたDNAを解析する装置として、走査型プローブ顕微鏡を用いた装置が知られているが、この装置は、1本のDNA鎖の塩基配列を決定する方法に用いられるものである(例えば、特開平6−289017号公報又は特開2001−124687号公報参照。)。
さらに、被検出物質の免疫反応を蛍光ではなく走査プローブ顕微鏡を用いて計数する方法が知られている(例えば、特許第3386883号参照。)。この方法は、均一性の良好な下地単分子膜を作成し、均一かつ一種類の分子を配向させているという限られた条件における方法であり、DNAチップやELISAの環境を再現しているとはいえず、DNAチップやELISA上の分子が均一に固定されているかという分子の局在化、非局在化を確認する方法にはなりえない。
そこで、DNAチップ、DNAマイクロアレイ等の鎖状分子が多数固定化された基板において、鎖状分子の活性を保った状態で、分子を視覚化し、計数し、さらに、分子の局在化の情報を簡便に得ることができる分子検出装置が求められている。
本発明の目的は、活性状態を保持した状態で、基板に固定された鎖状の分子を明確に識別することが可能な、分子の検出方法、計数方法及び局在化の検出方法を提供することである。また、本発明の目的は、直立した一本鎖分子を走査プローブ顕微鏡に耐えるように、分子を剛直にし、直立した分子が基板に密着しないように溶液中で測定して、基板上の分子の正確な検出方法、計数方法及び局在化の検出方法を提供することである。
本発明の他の目的は、活性状態を保持した状態で、基板に固定化された鎖状分子を検出するための装置を提供することである。また、本発明の他の目的は、活性状態を保持した状態で、基板に固定化された鎖状分子を明確に視覚化すること、鎖状分子の数を計数すること、鎖状分子の局在化の情報を与えること等を可能とする分子検出装置を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、上記方法又は上記装置を用いた鎖状分子が固定化された基板の製造方法を提供することである。
また、別の本発明は、上記方法により、単位面積あたりの検出した鎖状分子の数を計数することを特徴とする分子の計数方法に関する。
また、別の本発明は、上記方法により、単位面積当たりの検出した鎖状分子の数を計数し、分子局在化の情報を得ることを特徴とする分子局在化の検出方法に関する。
また、別の本発明は、基板に固定化された鎖状分子を検出するための装置であって、前記基板を保持する治具、前記基板と溶液とを収容する容器、探針、探針の検出器、前記基板又は前記探針を三次元方向に走査する駆動機構、及び、前記駆動機構を制御する駆動制御回路を具備することを特徴とする分子検出装置に関する。前記分子検出装置は、さらに、鎖状分子を視覚化する手段を有していることが好ましい。また、前記分子検出装置は、さらに、鎖状分子を計数する手段を有していることが好ましい。また、前記分子検出装置は、さらに、鎖状分子の局在化の情報を与える手段を有していることが好ましい。また、前記分子検出装置は、さらに、鎖状分子が固定化された基板を判別する手段を有していることが好ましい。
さらに、別の本発明は、上記方法を含む鎖状分子が固定化された基板の製造方法、または、上記装置を使用する鎖状分子が固定化された基板の製造方法に関する。
上記発明において、基板上に固定化された鎖状分子が、基板上に直立して配置された一本鎖分子であることが好ましく、直立して配置された一本鎖分子が、核酸、ペプチド核酸、ペプチド、糖ペプチド、タンパク質、糖タンパク質、多糖、化学合成ポリマーまたはこれらの類似物質であることがさらに好ましい。
また、上記発明において、基板上に固定化された鎖状分子が、直立して配置された一本鎖分子と、前記一本鎖分子に結合可能な一本以上の鎖状分子とを含む多本鎖分子であることが好ましく、多本鎖分子が、核酸、ペプチド核酸、ペプチド、糖ペプチド、タンパク質、糖タンパク質、多糖、化学合成ポリマーまたはこれらの類似物質から選ばれた1種または2種以上の分子の複合体であることがさらに好ましい。
本願の開示は、2003年4月18日に出願された特願2003−114836及び2003年12月26日に出願された特願2003−433969に記載の主題と関連しており、それらの開示内容は引用によりここに援用される。
図2は、基板に固定化された一本鎖DNAとその相補的塩基対を持つDNAとの二重らせんDNAの空間充填モデル図である。
図3は、(a)は、プラスチック基板を原子間力顕微鏡で観察した画像であり、(b)は、任意の地点における断面像の画像である。
図4は、(a)は、プラスチック基板にdT20を固定化したものを原子間力顕微鏡で観察した画像であり、(b)は、任意の地点における断面像の画像である。
図5は、(a)は、図4で示す試料に対して、dA20−FAMを添加し、二重らせんを形成させたものを原子間力顕微鏡で観察した画像であり、(b)は、任意の地点における断面像の画像である。
図6は、図5で示す試料を大気中で原子間力顕微鏡で観察した画像である。
図7は、(a)は、一本鎖DNAが基板に固定化されたものを原子間力顕微鏡で観察した場合における概念図であり、(b)は、同じ塩基数同士の二本鎖DNAを原子間力顕微鏡で観察した場合における概念図である。図7中、31は基板、32はdT20の一本鎖核酸、33はdT20とdA20−FAMの二本鎖核酸、34は粒子状に観察される一本鎖DNAの形状、35は粒子状に観察される二本鎖DNAの形状を示す。
図8は、(a)は図3で示す基板の粒子解析図であり、(b)は粒子が占める割合(粒子の数)を横軸に、粒子の高さを縦軸に取った時のヒストグラムである。
図9は、(a)は図4で示すdT20を固定化した基板の粒子解析図であり、(b)は粒子が占める割合(粒子の数)を横軸に、粒子の高さを縦軸に取った時のヒストグラムである。
図10は、(a)は図5で示す二重らせんを形成させた基板の粒子解析図であり、(b)は粒子が占める割合(粒子の数)を横軸に、粒子の高さを縦軸に取った時のヒストグラムである。
図11は、本発明の一実施例の分子検出装置(AFM)の原理説明図である。
図12は、本発明の一実施例の分子検出装置(STM)の原理説明図である。
図13は、本発明の視覚化する手段を有する分子検出装置の動作を示すフローチャートである。
図14は、本発明の計数する手段を有する分子検出装置の動作を示すフローチャートである。
図15は、本発明の局在化情報を与える手段を有する分子検出装置の動作を示すフローチャートである。
図16は、本発明の基板を判別する手段の動作を示すフローチャートである。
図17は、本発明の分子検出装置を用いて視覚化した紫外線照射したポリスチレン基板である。
図18は、本発明の分子検出装置を用いて視覚化した鎖状分子を固定化した基板である。
図19は、本発明の分子検出装置を用いて視覚化した二重らせんを固定化した基板である。
図20は、紫外線照射したポリスチレン基板について、高さ方向及び面方向のノイズを除去した後の計数される粒子を示す図である。
図21は、dT20を固定化した基板について、高さ方向及び面方向のノイズを除去した後の計数される粒子を示す図である。
図22は、二重らせんを固定化した基板について、高さ方向及び面方向のノイズを除去した後の計数される粒子を示す図である。
図23は、任意の粒子の形状像を、その頂点を通る縦断面により二分して得た断面図である。
図24は、マイカ基板にリゾチームを固定化したものを原子間力顕微鏡で観察した画像である。
図25は、図24で示す試料に対して、抗リゾチーム抗体を添加し、抗原抗体複合体を形成させたものを原子間力顕微鏡で観察した画像である。
図26は、図24で示すリゾチームを固定化した基板の粒子解析図である。
図27は、図25で示すリゾチーム/抗リゾチーム抗体複合体の粒子解析図である。
本発明において、検出対象となる鎖状分子は、一般に長さ(高さ)が基板の持つ粗さ以上であり、通常一本鎖分子である場合と多本鎖分子である場合がある。また、通常、鎖状分子は基板上に複数固定化されており、これらの複数の鎖状分子は、それぞれ同一の分子であっても、異なる分子であってもよい。つまり、複数の鎖状分子は、それぞれ同じ長さ(高さ)であっても、異なる長さ(高さ)であってもよい。さらに、検出対象とする鎖状分子は、均一に、ばらついて(非局在化して)固定化されていてもよく、不均一に(局在化して)固定化されていてもよい。加えて、検出対象とする鎖状分子は、配向が限定されていてもよく、配向が限定されていなくてもよい。
本発明の分子検出装置を用いて観察される鎖状分子は、好ましくは各種アレイ、チップ又はマイクロタイタープレートに固定されている鎖状分子である。
<一本鎖分子の配置>
本発明において、一本鎖分子としては、デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)、アデニン、チミン、シトシン、グアニン、ウラシル、ヒポキサンチンを有する人工核酸、核酸誘導体等の核酸又はペプチド核酸(PNA)が一般的である。さらに、ペプチド、糖ペプチド、タンパク質、糖タンパク質、多糖または化学合成ポリマー(例えばポリメタクリル酸、ポリアクリル酸、ポリビニルイミダゾール、ポリスチレンスルホン酸、ポリアリルアミン、ポリアクリルアミド、ポリチオフェン酢酸、または、ポリピリジルアセチレン)又はこれらの類似物質など、相補的又は特異的な分子を持つものであれば前述した多本鎖分子の形成が可能であり好ましい。さらに、ポリフェノール、ポリエステル、ポリエチレングリコール、ポリアミド酸、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールのような化学合成ポリマーを用いることもできる。
また、一本鎖分子として、例えば一部に枝分かれ構造や網目構造を有しているものでもよい。本発明において、一部に枝分かれ構造や網目構造を有している一本鎖分子とは、プロテオグリカンや側鎖を有する化学合成ポリマーのように、共有結合により分子が枝分かれ構造や網目構造を有しているものは勿論のこと、タンパク質の高次構造のようにペプチド鎖が分子内で水素結合、イオン結合、疎水結合等することにより枝分かれ構造や網目構造を有しているものも含まれる。
本発明の分子検出装置により検出される一本鎖分子としては、これらに限定されるものではなく、検出が可能であればいずれのものでも検出対象とすることができる。
上記一本鎖分子は、通常直立した状態で基板に配置(固定)されている。本発明において基板に配置(固定)することとは、例えばリンカーを介する間接的な結合、または、静電的結合、疎水結合、イオン結合、水素結合を含む、あらゆる物理的な吸着または化学結合で固定化されることである。
上記基板とは、一般に、プラスチック、ガラス、金属などの材質からなる、板状、ビーズ状、ウェル、膜、フィルム状のものであり、通常は板状である。
一本鎖分子を基板に固定化する方法は、特に限定されず、必要に応じ官能基等が導入された基板に、一本鎖分子を含む溶液を滴下し、インキュベートするなどの方法を取ることができる。したがって、本発明においては、鎖状分子の配向を限定していない、つまり、分子の並ぶ方向が制御されていない基板を用いることができる。このようにして得た基板は、鎖状分子を固定化するために複雑な操作を行う必要がなく、いずれの方法により得た基板であってもよいために好ましい。勿論、本発明においては、並ぶ方向が制御された、分子の配向を限定した基板を用いることも可能である。この際の溶液としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸アンモニウム、リン酸ナトリウム等の塩を含む水系溶媒、もしくは緩衝溶液等を用いればよい。
一本鎖分子が固定化された基板の例としては、DNAチップ、DNAマイクロアレイ、プロテインアレイ(タンパクチップ)、ペプチドアレイ等の各種アレイ又はチップ等を挙げることができる。
<多本鎖分子の形成>
本発明において、基板上に固定化された鎖状分子は、直立して配置された一本鎖分子と、前記一本鎖分子に結合可能な1本以上の鎖状分子とを含む多本鎖分子であってもよい。
本発明において、多本鎖分子とは、核酸、ペプチド核酸、ペプチド、糖ペプチド、タンパク質、糖タンパク質、多糖、化学合成ポリマーまたはこれらの類似物質から選ばれた1種または2種以上の分子の複合体であることが好ましい。多本鎖分子は、通常、上記一本鎖分子に対して、結合可能な鎖状分子が分子間の静電的結合、疎水結合、イオン結合、水素結合を含む、あらゆる物理的な吸着または化学結合により複合体を形成したものをいう。
本発明においては、一本鎖分子と結合可能な鎖状分子との結合は、相補的又は特異的な結合であることが好ましい。したがって、本発明でいう多本鎖分子としては、二本鎖DNA、二本鎖RNA、二本鎖PNA、DNAとRNAのハイブリッド、DNAとPNAのハイブリッド、RNAとPNAのハイブリッド、アデニン、チミン、シトシン、グアニン、ウラシル、ヒポキサンチンを有する人工核酸や核酸誘導体と、DNA、RNAまたはPNAとのハイブリッド、三本鎖核酸などの鎖状分子である核酸又はペプチド核酸が相補的に結合した複合体を挙げることができる。さらに本発明でいう多本鎖分子としては、これらに限定されるものではなくペプチド、糖ペプチド、タンパク質、糖タンパク質、多糖または化学合成ポリマーなどの鎖状分子が相互作用し結合した複合体全てを含む。したがって、本発明でいう多本鎖分子としては、4本のポリペプチド鎖からなる抗体や、サブユニット構造を有する酵素などを挙げることができ、さらには抗原−抗体複合体、酵素−基質複合体、アビジン−ビオチン複合体などの鎖状分子が特異的に結合した複合体を挙げることができる。
多本鎖分子が固定化された基板の例としては、マイクロタイタープレート、抗体アレイタンパク質相互作用アレイ、酵素アレイ等を挙げることができる。
本発明において、検出対象が、基板に対して直立に配置された一本鎖分子である場合、特に枝分かれ構造や網目構造を有さない一本鎖分子単独では折れ曲がってしまうために、分子が隣接していると、互いに重って個々の分子として認識され難いことがある。そこで配置された一本鎖分子に対して、結合可能な一本鎖分子を1種類以上系に加えて、多本鎖分子を形成させることが好ましい。また、検出対象となる鎖状分子が、短い(低い)分子である場合など、本発明の分子検出装置を用いて認識され難いことがある。この場合も、配置された鎖状分子に対して、結合可能な鎖状分子を1種類以上系に加えて、長い(高い)分子を形成させることが好ましい。検出のために結合させた鎖状分子は、分子検出装置を用いた検出の後、解離させればよい。
例えばDNAの場合には相補的な塩基配列を有する一本鎖DNAを加えて、二本鎖DNAを形成させる。そうすることで、その分子の構造は剛直になり、探針の接触にも耐え、検出感度が向上するので好ましい。そして、探針によって走査し、形状を得ることによって、多本鎖分子の検出を行う。
多本鎖分子を形成させる際の条件は、特に限定するものではなく、一般的に通常用いられている方法に準じて良い。例えばDNAの二本鎖形成、即ちハイブリダイゼーションは、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸アンモニウム、リン酸ナトリウム等の塩を含む水系溶媒、もしくは緩衝溶液中で行われる。また、タンパク質分子を含む多本鎖の形成、例えば抗原が吸着した基板への抗体の結合(抗原抗体反応)は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸アンモニウム、リン酸ナトリウム等の塩を含む水系溶媒、もしくは緩衝溶液中で行われる。
<溶液>
大気中と溶液中では、環境が違い、分子は大気中では隣接分子同士で絡み合って基板に密着するが、溶液中では自由運動を行っている。
本発明では、走査プローブ顕微鏡観察を溶液中で行うことにより、基板に直立した分子像が得られる。そのとき、一本鎖分子は折れ曲がり易い傾向があり、二本鎖分子は剛直な為に折れ曲がり難い傾向があるため、特に多本鎖分子を検出する場合には、両者を高さで見分けることが可能となる。多本鎖分子は、プローブする際の水平方向の障害の影響を受け難い。
本発明の検出方法において使用される溶液は、検出対象が安定に存在できるものであれば特に制限はなく、前述の多本鎖分子を形成させる際に使用されるような塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸アンモニウム等の塩を含む水系溶液、もしくは緩衝溶液が好ましい。
上記の方法であって、ある閾値以上の高さの鎖状分子の数を見積もることで、分子の局在化の情報が得られる。また、ある単位面積当たりのプロービングした鎖状分子の数を計数することで分子の数をカウントすることができる。
<走査プローブ顕微鏡>
本発明の方法に用いる走査プローブ顕微鏡とは、原子レベルでの観察が可能な走査プローブ顕微鏡の総称であり、走査型トンネル顕微鏡(scanning tunneling microscopy;STM)、原子間力顕微鏡(atomic force microscopy;AFM)が含まれる。
AFMは斥力型、引力型およびタッピング型(「タッピング型」は、アメリカ合衆国カリフォルニア州サンタバーバラに所在するデジタルインスツルメンント社の商標登録)等に大別される。この分野の研究は未だ発展している最中であり、新しい顕微鏡が開発されつつある。また、本発明における走査プローブ顕微鏡とは、現在知られているものに限らず、原子レベルの分解能を有する顕微鏡で有れば将来開発されるものも含む。
プロービングの方法自体は、前記顕微鏡を用いた通常の方法を採用することができ、好ましくは液中におけるAFM観察であることが好ましい。
本発明の分子の検出方法において、上述した通りいずれの走査プローブ顕微鏡を用いることも可能であるが、特に、別の本発明である分子検出装置を用いることが好ましい。
<分子検出装置>
本発明の分子検出装置は、基板に固定化された鎖状分子を検出するための装置であって、前記基板を保持する治具、前記基板と溶液とを収容する容器、探針、前記基板又は前記探針を三次元方向に走査する駆動機構、及び、前記駆動機構を制御する駆動制御回路を具備することを特徴とする。このような分子検出装置として、原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscopy;AFM)、走査型トンネル顕微鏡(Scanning Tunneling Microscopy;STM)等の走査型プローブ顕微鏡(Scanning Probe Microscope;SPM)に備わる機構の一部又は全部を用いることができる。
原子間力顕微鏡は、検出対象と探針との間に働く原子間力を利用、つまり、原子間力によって引き起こされる探針の撓み量を測定することにより、検出対象の表面形状を観測するものである。撓み量の測定は、レーザー光の反射を利用する方法が好ましく、従って、本発明の分子検出装置は、探針の検出器として、レーザー光源及びレーザー光検出器を有することが好ましい。
また、原子間力顕微鏡は、探針の動作の違いにより、斥力型、引力型およびタッピング型(「タッピング型」は、アメリカ合衆国カリフォルニア州サンタバーバラに所在するデジタルインスツルメンント社の商標登録)等に大別される。本発明においては、鎖状分子が固定化された基板に与えるダメージが斥力型よりも小さく、また、探針の撓み量の検出が引力型よりも容易であるとの観点から、タッピング型の原子間力顕微鏡が好ましく使用される。
走査型トンネル顕微鏡は、検出対象と探針との間に流れるトンネル電流を測定することにより、検出対象の表面形状を観測するものである。従って、本発明の分子検出装置は、探針の検出器として、電圧発生器及びトンネル電流検出器を有することが好ましい。
図11は本発明の一実施態様であるAFMを用いた分子検出装置の原理説明図である。
測定対象物となる鎖状分子が固定化された基板1は、治具3を用いて容器4の内部にセットされ、また、探針2は容器4に収容される。駆動機構5および6は、三次元方向、つまり、基板1がX軸、Y軸、Z軸方向に動くように構成されている。駆動制御回路7で駆動機構5および6が動く範囲を設定しておき、探針2と試料表面とを接近または接触させて、探針2により鎖状分子が固定化された基板1の表面を走査する。
レーザー光源8から出たレーザー光10をレンズ9により集光して探針背部11に照射し、その反射光をレーザー光検出器12で捕らえることにより、探針2の位置情報を得ることができる。つまり、探針2と基板1との間に斥力又は引力が働くと、探針背部11がそれに応じて撓む。探針背部11が撓むと、レーザー光10の反射角が変化し、それに伴いレーザー光検出器12から出力される電気信号に変化が生じる。この電気信号は、電気信号増幅器13を介してコンピューター14に伝えられる。駆動制御回路7は、コンピューター14を通して常に一定の電気信号が得られるように、つまり、探針2と基板1との間に働く原子間力が常に一定になるように、駆動機構5及び6の動きをコントロールするものである。駆動機構5及び6のX軸、Y軸、Z軸方向の位置をコンピューター14を用いて解析することにより、鎖状分子の形状を検出することができる。また、この位置情報の読み取りには、電気的に撓み抵抗の変化を読み取る自己検出型の方法もある。
本発明の分子検出装置は、鎖状分子が固定化された基板を視覚化する手段を有することが好ましい。図13は、本発明の視覚化する手段を有する分子検出装置の動作を示すフローチャートである。まず、図13のS1において、探針2が基板1上を走査する。次いで、S2において、検出器12が探針2の位置情報を読み取る。さらに、S3において、視覚化する手段(コンピューター14)が駆動機構5又は6のX軸、Y軸、Z軸の位置情報を解析することにより、鎖状分子が固定化された基板1の三次元情報、つまり、鎖状分子の形状を得て、それをディスプレイに表示する。これにより、基板1上のある単位面積当たりの鎖状分子の視覚化情報を得ることができる。
図18及び19は本発明の分子検出装置を用いて視覚化された基板である。視覚化する倍率にもよるが、図18及び19において、基板に固定化された鎖状分子は粒子状物として観測される。
また、本発明の分子検出装置は、鎖状分子を計数する手段を有することが好ましい。図14は、本発明の計数する手段を有する分子検出装置の動作を示すフローチャートである。図14のS4において探針2が基板1上を走査する。S5において検出器12が探針2の位置情報を読み取る。S6において計数する手段(コンピューター14)が駆動機構5又は6のX軸、Y軸、Z軸の位置情報を解析することにより、任意に決められた高さ以上の粒子(鎖状分子)を認識し(高さ方向のノイズの除去)、S7において計数する手段が駆動機構5又は6のX軸、Y軸、Z軸の位置情報を解析することにより、任意に決められた面積を有する粒子を認識する(面方向のノイズの除去)。S8において計数する手段が認識した粒子の個数を計数し、S9においてディスプレイに結果を表示する。これにより、基板1上のある単位面積当たりのプロービングした鎖状分子の数を計数することができる。
また、本発明の分子検出装置は、鎖状分子の局在化の情報を与える手段を有することが好ましい。図15は、本発明の局在化情報を与える手段を有する分子検出装置の動作を示すフローチャートである。図15のS10において探針2が基板1上を走査する。S11において検出器12が探針2の位置情報を読み取る。S12において局在化情報を与える手段(コンピューター14)が駆動機構5又は6のX軸、Y軸、Z軸の位置情報を解析することにより、任意に決められた高さ未満の粒子を認識し(高さ方向のノイズの除去)、S13において局在化情報を与える手段が駆動機構5又は6のX軸、Y軸、Z軸の位置情報を解析することにより、任意に決められた面積を有する粒子を認識する(面方向のノイズの除去)。S14において局在化情報を与える手段が認識した粒子の分布を解析し、任意に決められた基準に従い粒子が局在化しているか又は非局在化しているかを判定する。S15において結果をディスプレイに表示する。これにより、ある単位面積当たりの鎖状分子の局在化の情報を得ることができる。
S14における粒子の分布の解析は、従来公知の方法である分散解析、フラクタル解析等の方法により行うことが可能であり、また、認識した粒子と粒子の距離の分布を検討する、基板上の観察した範囲を区分けして個々の区分に存在する粒子数を比較検討する等の方法により行うことも可能である。
本発明の分子検出装置の使用目的に応じ、上記S6又はS12において任意に決められた高さ未満の粒子を認識してもよく、任意に決められた高さを有する粒子を認識してもよい。同様に、上記S7又はS13において任意に決められた面積未満の粒子を認識してもよく、任意に決められた面積以上の粒子を認識してもよい。
また、本発明の分子検出装置は、上記の手段により提供された鎖状分子の視覚化、計数、局在化等の情報を基に、鎖状分子が固定化された基板を判別する手段を有していても良い。図16は、本発明の鎖状分子が固定化された基板を判別する手段(コンピューター14)の動作を示すフローチャートである。図16のS16において計数する手段に従って得た鎖状分子の個数を、任意の判定基準により判定する。鎖状分子の個数が任意の判定基準以上である場合(S17)、次いで、S20において局在化情報を得る手段に従って得た鎖状分子の局在化情報により、鎖状分子が局在化しているか又は非局在化を判定する。鎖状分子の個数が任意の判定基準未満である場合(S18)、鎖状分子が固定化された基板1は検査不合格となる(S19)。S20における局在化又は非局在化の判定の後、鎖状分子が非局在化している場合(S21)、鎖状分子が固定化された基板1は検査合格となる(S24)。鎖状分子が局在化している場合(S22)、鎖状分子が固定化された基板1は検査不合格となる。これにより、製造工程で、鎖状分子を固定化した基板を検査し、ある一定レベルの基準を持たない物を判別することができる。これらの結果をディスプレイに表示してもよい。
本発明の分子検出装置の使用目的に応じ、上記S17において鎖状分子の個数が任意の判定基準未満である場合を検査合格とし、S18において鎖状分子の個数が任意の判定基準以上である場合を検査不合格としてもよい。同様にS21において鎖状分子が非局在化している場合を検査不合格とし、S22において鎖状分子が局在化している場合を検査合格としてもよい。
また、鎖状分子が固定化された基板を判別する手段として、基板の複数の個所について鎖状分子の視覚化、計数、局在化の情報を得る等を行い、得られた情報を検討することにより基板の検査を実施することも可能である。例えば、基板上の10箇所における鎖状分子の計数結果のばらつきを判定することにより、基板を合格又は不合格に判別することができる。
本発明の分子検出装置に使用される容器としては、試料の形態と溶液との反応性を考慮して、樹脂、金属、ガラス等のいずれの材質、形状でもよい。基板に固定化された鎖状分子は、溶液中では自由な運動を行っているが、大気中では隣接分子同士が互いに絡み合って基板に密着し、個々の分子を識別することができない。また、基板に密着してしまうと、分子が活性を失う。本発明の分子検出装置を用いることにより、基板上の鎖状分子の検出を溶液中で行うことができる。測定時に使用する溶液は、鎖状分子が安定に存在できるものであれば特に制限はなく、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸アンモニウム等の塩を含む水系溶液、もしくは緩衝溶液が好ましい。
本発明の分子検出装置に使用される探針2は、シリコン、酸化シリコン、窒化シリコン、カーボンナノチューブなど、市販されているものいずれでも用いることが可能であるが、これらに限定されるものではない。本発明においては、窒化シリコンを用いることが好ましい。探針の先端の曲率半径は、20nm以下が好ましい。より好ましくは、10nm以下である。
本発明において、駆動機構5または6としては、圧電素子、ボイスコイル、機械的な機構などいずれでも用いることが可能であるが、これらに限定されるものではない。好ましくは、圧電素子である。
本発明において、レーザー光源8としていずれのものを用いることも可能である。好ましくは可視光半導体レーザーである。また、レーザー光検出器12としては、二次元的に光で位置情報を捕らえられるものであればいずれの装置を用いることも可能である。好ましくは、フォトダイオード、CCD、CMOSである。
図12は本発明の一実施態様であるSTMを用いた分子検出装置の原理説明図である。
図12において、図11で示されたいくつかの部分が重複するため、図11と共通する部分の説明は省略する。基板16上の鎖状分子と探針19との間にトンネル電流を流すために、電圧発生器21が使用される。駆動機構20により、探針19を鎖状分子に原子数個分の距離まで近づけるとトンネル電流が流れる。この電流は、トンネル電流検出部22で検出され、電気信号に変換される。このトンネル電流の値が一定値として得られるように、駆動制御回路23を用いて探針19を走査し、駆動機構20のX軸、Y軸、Z軸方向の位置情報を、コンピューター24を介することにより鎖状分子の形状として検出することができる。
本発明において、駆動機構はAFMにおいては基板を駆動するだけではなく、探針を駆動する方法もある。さらに、STMにおいては、探針を駆動するだけではなく、基板を駆動する方法もある。
以上のように、本発明の方法によれば、従来は困難であった、基板上に固定された鎖状分子を明確に検出することができる。特に、直立させて配置した一本鎖分子を、走査プローブ顕微鏡によりプロービングすることで、分子を識別して局在化の情報を得ることができ、また、この一本鎖分子に相補的な一本鎖分子を結合させて剛直な多本鎖分子を形成させることで、より明確な分子像が得られ、正確な局在化の情報を得ることができる等、顕著な効果が認められる。さらに、本発明の方法によれば、基板に固定化された鎖状分子の種類、長さ(高さ)に関わらず、基板に固定化された鎖状分子が同一種又は複数種であっても、あらゆる分子を検出し、計数し、局在化の情報を与えることが可能である。
また、本発明の分子検出装置によれば、DNAチップ、DNAマイクロアレイ、マイクロタイタープレート等、又は、これらに類似する生体物質固定化基板において、鎖状分子の活性を保った状態で、鎖状分子を視覚化すること、鎖状分子の単位面積あたりの個数を計数すること、さらには、鎖状分子の局在化の情報を得ることができる。これにより、前記鎖状分子を固定化した基板を、ある一定の基準により容易に判別することが可能となり、鎖状分子が固定化された基板を製造する工程において、簡便な基板の検査技術を提供することができる。
本発明の分子検出装置は、DNAチップ、DNAマイクロアレイ、マイクロタイタープレート等の鎖状分子を固定化した基板の検査を行うための装置として用いられる他、これらの鎖状分子を固定化した基板を使用し、核酸のハイブリダイゼーション、抗原抗体反応、レセプターアッセイ等を行った後、従来の吸光度測定、蛍光強度測定等に代わる核酸、タンパク質等の検出方法に使用することも可能である。本発明の分子検出装置を用いれば、分子一つ一つを認識することができるため、従来の検出方法に比べ少量の試料であっても検出可能であり、高感度の検出方法の提供、さらにはチップ、アレイ等の縮小が可能である。
。
基板は、カルボキシル基を導入したプラスチック基板(1.5cm×1.5cm)を用いた。
<dT20固定化>
まず水酸化ナトリウムでpH6.0に調整した0.1M MES(2−(N−Morpholino)ethanesulfonic acid)緩衝液を用いて、25mM EDC(1−Ethyl−3−(3−dimethylaminopropyl)carbodiimide−HCl)溶液を調整した。次に本溶液を用いて、dT20(5’−NH2−(CH2)6−(Thymidine 5’−monophosphate)20)を用いて溶液(1.3μM dT20/EDC溶液)を調整し、この溶液を基板に100から150μl滴下し、60℃で6時間インキュベートした反応後、純水で洗浄して、過剰な溶液を除去した。
<一本鎖核酸の観察>
一本鎖DNAを固定化した基板をTE緩衝液(Tris−EDTA緩衝液、10mM Tris、1mM EDTA、pH7.8、0.5M 塩化ナトリウムを含む)中に浸漬し、原子間力顕微鏡によりdT20固定化基板表面の起伏を画像化した。原子間力顕微鏡はセイコーインスツルメンツ株式会社のSPI3800Nを用い、DFMモードで観察し、500nm×500nmの領域を走査した。
図3は、基板を原子間力顕微鏡で観察したものである。起伏が観察された。
図4は、上記手法によりdT20を固定化した基板を原子間力顕微鏡で観察したものである。高さ約5nmの粒子が確認された。
<二重らせんの形成>
相補的な一本鎖核酸にdA20−FAM(5’−5−Carboxy−fluorescein−(CH2)6−(2’−deoxyadenosine 5’−monophosphate)20)を使用した。このdA20−FAMをTE緩衝液に溶解した(20pmol/μl)。本溶液100から150μlをdT20固定化基板に滴下した。1時間後、過剰なdA20−FAM溶液をTE緩衝液で洗浄除去後、基板をTE緩衝液中に浸漬し、原子間力顕微鏡によりdT20固定化基板表面の起伏を画像化した。
図5は、上記手法により形成した二本鎖核酸を原子間力顕微鏡で観察したものである。高さが7〜8nmの粒子が鮮明にかつ規則的に観察できた。
<大気中での二重らせんの形成した像>
固定化したdT20とdA20−FAMの二重らせんを形成した基板表面を、大気中で原子間力顕微鏡により画像化した。
図6は、上記手法により形成した二本鎖核酸をTE緩衝液に浸漬せずに大気中にて原子間力顕微鏡で観察したものである。図4とは異なり、高さを判別できないことが確認できる。
図7は、図4と図5における断面像の概念図である。(a)は、一本鎖DNAが基板に固定化されたもので、(b)は、同じ塩基数同士の二本鎖DNAが基板に固定化されたものである。
粒子解析には、セイコーインスツルメンツ株式会社のSPI3800N付属のソフトウェアを用いた。閾値を7.5nmに設定し、50nm2以下の粒子面積を持つ粒子を除外して、個数を求めた。
図8は基板の粒子解析像である。濃い点がカウントされた粒子で、薄い点が除外された粒子である。500nm×500nmの領域で、高さ7.5nm以上の粒子の数は、14個であった。
図9はdT20を固定化した基板の粒子解析像である。濃い点がカウントされた粒子で、薄い点が除外された粒子である。500nm×500nmの領域で、高さ7.5nm以上の粒子の数は、17個であった。
図10は固定化したdT20とdA20−FAMの二重らせんを形成した基板の粒子解析像である。濃い点がカウントされた粒子で、薄い点が除外された粒子である。500nm×500nmの領域で、高さ7.5nm以上の粒子の数は250個であった。このようにして、計数して分子の数を求めることが可能であることが確認できる。
ポリスチレン基板(1.5cm×1.5cm)に低圧水銀灯照射を90秒間(500mJ/cm2)照射して、カルボキシル基を導入した。
<dT20(一本鎖分子)固定化>
まず水酸化ナトリウムでpH6.0に調整した0.1M MES(2−(N−morpholino)ethanesulfonic acid)緩衝液を用いて、25mM EDC(1−ethyl−3−(3−dimethyl−aminopropyl)carbodiimide−HCl)溶液を調整した。次に本溶液及びdT20(5’−NH2−(CH2)6−(thymidine 5’−monophosphate)20)を用いて溶液(1.3μM dT20/EDC溶液)を調整し、この溶液を基板に100から150μl滴下し、60℃で6時間インキュベートした反応後、純水で洗浄して、過剰な溶液を除去した。
<一本鎖核酸(一本鎖分子)の観察>
一本鎖DNAを固定化した基板をTE緩衝液(Tris−EDTA緩衝液、10mM Tris、1mM EDTA、pH7.8、0.5M塩化ナトリウムを含む)中で、本発明の分子検出装置によりdT20固定化基板表面の500nm×500nmの領域を走査し、視覚化した。
図17は、基板を本発明の分子検出装置を用い図13に従い視覚化したものである。
図18は、上記手法によりdT20を固定化した基板を、本発明の分子検出装置を用い図13に従い視覚化したものである。高さ約5nmの粒子(鎖状分子)が確認された。
<二重らせん(多本鎖分子)の形成>
相補的な一本鎖核酸にdA20−FAM(5’−5−carboxy−fluorescein−(CH2)6−(2’−deoxyadenosine−5’−monophosphate)20)を使用した。このdA20−FAMをTE緩衝液に溶解した(20pmol/μl)。本溶液100から150μlをdT20固定化基板に滴下した。1時間後、過剰なdA20−FAM溶液をTE緩衝液で洗浄除去した。
<二重らせん(多本鎖分子)の観察>
基板を前記記載のTE緩衝液中で、本発明の分子検出装置によりdT20固定化基板表面の500nm×500nmの領域を走査し、視覚化した。
図19は、上記手法により形成した二本鎖核酸を、本発明の分子検出装置を用い図13に従い視覚化したものである。高さ約8nmの粒子(鎖状分子)が鮮明にかつ規則的に観察できた。
高さ方向の閾値は、対象の分子の高さが約8nmであることから、dT20を固定化した基板においては分子の折れ曲がりを考慮して4.5nmに設定し(高さ4.5nm以上の分子を検出した。)、官能基を導入した基板及びdT20とdA20−FAMからなる二重らせんを形成した基板においては7.5nmに設定した(高さ7.5nm以上の分子を検出した。)。また、検出する粒子の面積は、高さ方向の閾値における粒子の横断面の面積が50nm2以上2000nm2以下と設定した(高さ方向の閾値における粒子の横断面が50nm2以上2000nm2以下の面積を有する分子を検出した。)。
なお、本実施例において設定した粒子の面積範囲は、以下の方法により求めたものである。
1)図14のS7において、計数する手段が駆動機構5又は6のX軸、Y軸、Z軸の位置情報を解析することにより、粒子の形状像を得る。解像度にもよるが、dT20からなる一本鎖分子及びdT20とdA20−FAMからなる多本鎖分子は、円錐形又は山形に類似した形状として認識される。
2)任意の粒子の形状像をその頂点を通る縦断面により二分し、任意の粒子の形状像の断面図を得る(図23)。
3)断面図の半値幅を求め、その半値幅を粒子の直径とし、(直径×1/2)2×πにより、(粒子高さ×1/2)の高さにおける粒子の横断面の面積を求める。
4)得られた面積の30%の値を、認識する粒子の面積範囲の下限値とする(50nm2)。
5)得られた面積の1000%の値を、認識する粒子の面積範囲の上限値とする(2000nm2)。
認識する面積範囲を求める方法は上記に限定されるものではなく、本発明の分子検出装置を使用する目的に応じ、最適な方法を使用すればよい。
図20は基板のノイズ除去後の解析像である。黒い部分が高さ7.5nm未満の部分(高さ方向のノイズとして除去された部分)、薄い点が高さ7.5nm以上、面積50nm2未満2000nm2超の部分(面方向のノイズとして除去された部分)である。500nm×500nmの領域で計数した結果、基板に固定化された鎖状分子は0個であった。
図21はdT20を固定化した基板のノイズ除去後の解析像である。黒い部分が高さ4.5nm未満の部分(高さ方向のノイズとして除去された部分)、薄い点が高さ4.5nm以上、面積50nm2未満2000nm2超の部分(面方向のノイズとして除去された部分)、濃い点が高さ4.5nm以上、面積50nm2〜2000nm2の部分(鎖状分子としてカウントされた粒子)である。500nm×500nmの領域で計数した結果、基板に固定化された鎖状分子は93個であった。
図22は固定化したdT20とdA20−FAMの二重らせんを形成した基板のノイズ除去後の解析像である。黒い部分が高さ7.5nm未満の部分(高さ方向のノイズとして除去された部分)、薄い点が高さ7.5nm以上、面積50nm2未満2000nm2超の部分(面方向のノイズとして除去された部分)、濃い点が高さ7.5nm以上、面積50nm2〜2000nm2の部分(鎖状分子としてカウントされた粒子)である。500nm×500nmの領域で計数した結果、基板に固定化された鎖状分子は180個であった。
<リゾチームの固定化>
PBS緩衝液(137mM NaCl、8.1mM Na2HPO4、2.7mM KCl、1.5mM KH2PO4を含む)を用いて0.5mg/mlリゾチーム溶液(SIGMA、EC 3.2.1.17)を調整した。次に本溶液を基板に50から100μl滴下し、室温で30分インキュベートした後、PBS緩衝液で過剰な溶液を除去した。
<リゾチームの観察>
リゾチームを固定化した基板をPBS緩衝液中に浸漬し、原子間力顕微鏡によりリゾチーム固定化基板表面の起伏を画像化した。
図24は、上記手法によりリゾチームを固定化した基板を原子間力顕微鏡で観察したものである。高さ約4nm程度の粒子が多数観察できた。
このままでは、リゾチームを一つ一つを観察することはできるかもしれないが、活性なリゾチーム、つまり抗体と結合可能なリゾチームを判別するのは困難である。そこで、リゾチームに対する抗体を反応させた。
<抗原抗体複合体の形成>
抗体に抗リゾチーム抗体(ROCKLAND、IgG fraction of anti−Lysozyme[Hen Egg White][Rabbit])を使用した。この抗リゾチーム抗体をPBS緩衝液で50ng/μlに調整した。本溶液をリゾチームを固定化したマイカ基板に対して100μl滴下して、2時間インキュベートした後、PBS緩衝液で過剰な溶液を除去した。こうして作製した基板をPBS緩衝液中に浸漬し、原子間力顕微鏡により基板の起伏を画像化した。
図25は、上記手法により形成した抗原抗体複合体を原子間力顕微鏡で観察したものである。高さが約12nm程度の粒子が観察できた。観察できた粒子が抗体と結合できたリゾチームの数に等しい。
粒子解析の閾値を4.5nmに設定し、50から200nm2以内の粒子面積を持つ粒子をカウントして、個数を求めた。
図26はリゾチームを固定化した基板の粒子解析像である。濃い点がカウントされた粒子で、薄い点が除外された粒子である。500nm×500nmの領域で、高さ4.5nm以上の粒子の数は、0個であった。
図27は固定化したリゾチームと抗リゾチーム抗体の抗原抗体複合体を形成した基板の粒子解析像である。濃い点がカウントされた粒子で、薄い点が除外された粒子である。500nm×500nmの領域で、高さ4.5nm以上の粒子の数は51個であった。このようにして、計数して分子の数を求めることが可能であった。
Claims (18)
- 基板上に固定化された鎖状分子を溶液中で走査プローブ顕微鏡によりプロービングすることで視覚化し識別することを特徴とする分子の検出方法。
- 基板上に固定化された鎖状分子が、直立して配置した一本鎖分子である請求項1記載の分子の検出方法。
- 直立して配置した一本鎖分子が、核酸、ペプチド核酸、ペプチド、糖ペプチド、タンパク質、糖タンパク質、多糖、化学合成ポリマーまたはそれらの類似物質である請求項2記載の分子の検出方法。
- 基板上に固定化された鎖状分子が、直立して配置した一本鎖分子と、前記一本鎖分子に結合可能な一本以上の鎖状分子とを含む多本鎖分子である請求項1記載の分子の検出方法。
- 多本鎖分子が、核酸、ペプチド核酸、ペプチド、糖ペプチド、タンパク質、糖タンパク質、多糖、化学合成ポリマーまたはそれらの類似物質から選ばれた1種または2種以上の分子の複合体である請求項4記載の分子の検出方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の方法により分子を検出し、単位面積当たりの検出した鎖状分子の数を計数することを特徴とする分子の計数方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の方法により分子を検出し、単位面積当たりの検出した鎖状分子の数を計数し、分子局在化の情報を得ることを特徴とする分子局在化の検出方法。
- 基板に固定化された鎖状分子を検出するための装置であって、前記基板を保持する治具、前記基板と溶液とを収容する容器、探針、探針の検出器、前記基板又は前記探針を三次元方向に走査する駆動機構、及び、前記駆動機構を制御する駆動制御回路を具備することを特徴とする分子検出装置。
- さらに、前記鎖状分子を視覚化する手段を有する請求項8記載の分子検出装置。
- さらに、前記鎖状分子を計数する手段を有する請求項8又は9記載の分子検出装置。
- さらに、前記鎖状分子の局在化の情報を与える手段を有する請求項8〜10いずれか記載の分子検出装置。
- さらに、鎖状分子が固定化された基板を判別する手段を有する請求項11記載の分子検出装置。
- 基板上に固定化された鎖状分子が、基板上に直立して配置された一本鎖分子である請求項8〜12いずれか記載の分子検出装置。
- 直立して配置された一本鎖分子が、核酸、ペプチド核酸、ペプチド、糖ペプチド、タンパク質、糖タンパク質、多糖、化学合成ポリマーまたはこれらの類似物質である請求項13記載の分子検出装置。
- 基板上に固定化された鎖状分子が、直立して配置された一本鎖分子と、前記一本鎖分子に結合可能な一本以上の鎖状分子とを含む多本鎖分子である請求項8〜12いずれか記載の分子検出装置。
- 多本鎖分子が、核酸、ペプチド核酸、ペプチド、糖ペプチド、タンパク質、糖タンパク質、多糖、化学合成ポリマーまたはこれらの類似物質から選ばれた1種または2種以上の分子の複合体である請求項15記載の分子検出装置。
- 請求項1〜7いずれか記載の方法を含む鎖状分子が固定化された基板の製造方法。
- 請求項8〜16いずれか記載の装置を使用する鎖状分子が固定化された基板の製造方法。
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