JP4866695B2 - シミュレーション装置、シミュレーション方法及びシミュレーションプログラム - Google Patents

シミュレーション装置、シミュレーション方法及びシミュレーションプログラム Download PDF

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Description

本発明は、走査プローブ顕微鏡の測定画像についてのシミュレーション装置、シミュレーション方法及びシミュレーションプログラムに関するものである。
試料表面の細かい形状や性質を測定するために、走査型プローブ顕微鏡(SPM;Scanning Probe Microscope )が利用されている。この走査型プローブ顕微鏡の中には、例えば、先の鋭い針(探針)を試料に近づけて、電流(トンネル電流)などの物理的現象を測定する走査トンネル顕微鏡(STM:Scanning Tunneling Microscope )がある。これにより、試料表面の形状や性質を原子レベルで測定することができる。また、原子間力顕微鏡(AFM:Atomic force microscope )においては、走査トンネル顕微鏡では測定し難かった絶縁性の試料を原子サイズオーダーの精度で観察することができる(例えば、特許文献1参照。)。このような走査型プローブ顕微鏡を利用することにより、表面に吸着した分子の吸着状態を評価することもできる。
そして、走査型プローブ顕微鏡に用いられる探針は、この顕微鏡の分解能や安定性のために、先端が原子レベルで鋭く、かつ先端の原子が安定であることが必要とされている。このような探針を製造する多くの技術が検討されている(例えば、特許文献2、3参照。)。
しかし、通常、原子サイズオーダーで鋭い探針を製造することは困難である。仮に、このような探針ができた場合にも、先端の原子のみならず、探針の先端部を構成する他の原子と測定対象との相互作用が生じるため、測定画像と表面原子構造とはそのまま対応するものではない。
そこで、測定画像と表面原子構造とを対応付けるために、走査型プローブ顕微鏡像の数値シミュレーションを行なう場合がある。従来、走査型プローブ顕微鏡像の数値シミュレーションには、主として2つのアプローチが検討されていた。
一つの方法は、原子レベルで作用力の計算は行なうとともに、探針走査位置を離散化することで粗視化した画像を作成するボトムアップ的な手法である。具体的には、以下の工程により算出する。
・ステップ(1) 水平面内の一点(X,Y)に探針先端原子を移動させる。
・ステップ(2) 垂直軸の一点Zに探針先端原子を移動させる。
・ステップ(3) 図13に示すように、すべての探針原子と試料原子の間での力Fを計算する。
・ステップ(4) 図14(a)に示すように、ステップ(2)に戻り、ステップ(2)〜(3)を繰り返し、作用力グラフ(F(Z))を得る。
・ステップ(5) ある力の値F0に対して、F(Z0)=F0となる高さZ0を求める。
・ステップ(6) 図14(b)に示すように、ステップ(1)に戻り、ステップ(1)〜(5)を繰り返し、高さZ0の二次元分布(Z0(x,y))を得る。
このボトムアップ的な手法は、対象物が無機固体表面では成功している。
もう一つの方法は、生体分子及び探針を連続体とみなして粗視化し、その間の相互作用を有限要素法で解析するトップダウン的な手法であり、高速に計算することができる。
特開昭62−130302号(第1頁、図1) 特開2004−279349号公報(第1頁、図2〜図3) 特開平8−178935号公報(第1頁、図1〜図3)
ところで、ボトムアップ的な手法では、作用力グラフを算出するが、F(Z0)≠F0の異なる高さ(Z)での計算は無駄になる。特に、生体分子サイズのシミュレーションでは計算速度が極めて遅い。
一方、トップダウン的な手法では、生体分子の非一様な形状といった個性が反映され難く、シミュレーション画像と生体分子との対応を付け難いという問題がある。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされ、走査プローブ顕微鏡におけるシミュレーション画像を高速に生成することができるシミュレーション装置、シミュレーション方法及びシミュレーションプログラムを提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、試料モデルの構成原子と配置座標を記録した原子配置データ記憶部と、探針モデルの形状を記録した探針形状データ記憶部と、試料モデルと探針モデルとの相対位置を算出する演算処理部とを備え、走査プローブ顕微鏡の測定画像のシミュレーションを行なう装置であって、前記演算処理部が、前記試料モデルを所定のメッシュにより分割し、前記メッシュ毎に、前記試料モデルの構成原子の配置座標に基づいて各メッシュ内で最突出位置の座標を特定し、前記各メッシュの代表値を算出する試料表面処理手段と、前記探針モデルを前記試料モデルに接近させて、前記代表値を用いて最近接位置を特定する接近処理手段と、前記探針モデルの位置を走査させて、各測定位置において前記接近処理手段から最近接位置を取得して粗視化画像を生成する走査処理手段とを備えたことを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のシミュレーション装置において、前記探針形状データ記憶部には、探針モデルの構成原子と配置座標とが記録され、前記演算処理部が、前記探針モデルを所定のメッシュにより分割し、前記メッシュ毎に、前記探針モデルの構成原子の配置座標に基づいて各メッシュ内で最突出位置の座標を特定し、前記各メッシュの代表値を算出する探針表面処理手段を更に備えたことを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のシミュレーション装置において、前記演算処理部が、走査プローブ顕微鏡により実測した測定画像を取得し、この測定画像と前記粗視化画像とを比較して一致度に関する評価値を算出する評価手段と、前記評価値が基準値以上になるまで、前記試料モデルを、順次、所定角度ずつ回転させて前記粗視化画像の生成を行なう原子配置変更処理手段とを更に備えたことを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1つに記載のシミュレーション装置において、前記試料モデルにおける各メッシュにおいて、隣接するメッシュの最近接位置の差分を算出する手段と、この差分が所定値以下のメッシュに対して、前記メッシュの所定周囲内に存在する試料の構成原子を特定し、前記試料モデルの構成原子と前記探針モデルの構成原子との作用力を算出して微視化画像を生成する手段と、前記所定周囲においては、前記粗視化画像に前記微視化画像を重畳させた合成画像を生成する手段とを更に備えたことを要旨とする。
請求項5に記載の発明は、試料モデルの構成原子と配置座標を記録した原子配置データ記憶部と、探針モデルの形状を記録した探針形状データ記憶部と、試料モデルと探針モデ
ルとの相対位置を算出する演算処理部とを備え、走査プローブ顕微鏡の測定画像のシミュレーションを行なう方法であって、前記演算処理部が、前記試料モデルを所定のメッシュにより分割し、前記メッシュ毎に、前記試料モデルの構成原子の配置座標に基づいて各メッシュ内で最突出位置の座標を特定し、前記各メッシュの代表値を算出する試料表面処理段階と、前記探針モデルを前記試料モデルに接近させて、前記代表値を用いて最近接位置を特定する接近処理段階と、前記探針モデルの位置を走査させて、各測定位置について前記接近処理段階において特定した最近接位置を取得して粗視化画像を生成する走査処理段階とを備えたことを要旨とする。
請求項6に記載の発明は、試料モデルの構成原子と配置座標を記録した原子配置データ記憶部と、探針モデルの形状を記録した探針形状データ記憶部と、試料モデルと探針モデルとの相対位置を算出する演算処理部とを備え、走査プローブ顕微鏡の測定画像のシミュレーションを行なうプログラムであって、前記演算処理部を、前記試料モデルを所定のメッシュにより分割し、前記メッシュ毎に、前記試料モデルの構成原子の配置座標に基づいて各メッシュ内で最突出位置の座標を特定し、前記各メッシュの代表値を算出する試料表面処理手段、前記探針モデルを前記試料モデルに接近させて、前記代表値を用いて最近接位置を特定する接近処理手段、及び前記探針モデルの位置を走査させて、各測定位置において前記接近処理手段から最近接位置を取得して粗視化画像を生成する走査処理手段として機能させることを要旨とする。
(作用)
請求項1、5又は6に記載の発明によれば、演算処理部が、試料モデルを所定のメッシュにより分割する。そして、メッシュ毎に、構成原子の配置座標に基づいて各メッシュ内で最突出位置の座標を特定し、各メッシュの代表値を算出する。そして、探針モデルを試料モデルに接近させて、代表値を用いて最近接位置を特定する。そして、探針モデルの位置を走査させて、各測定位置において接近処理手段から最近接位置を取得して粗視化画像を生成する。これにより、幾何学的な位置関係に基づいて、高速にシミュレーション画像を生成することができる。
請求項2に記載の発明によれば、演算処理部が、探針モデルを所定のメッシュにより分割する。そして、メッシュ毎に、構成原子の配置座標に基づいて各メッシュ内で最突出位置の座標を特定し、各メッシュの代表値を算出する。これにより、探針側もメッシュによる代表値を用いることができるので、より計算負荷を軽減し、高速に計算することができる。
請求項3に記載の発明によれば、走査プローブ顕微鏡により実測した測定画像を取得し、この測定画像と粗視化画像とを比較して一致度に関する評価値を算出する。そして、評価値が基準値以上になるまで、試料モデルを、順次、所定角度ずつ回転させて粗視化画像の生成を行なう。本願発明では、粗視化画像を高速に生成することができるので、試料モデルの配置を変更することにより、実測画像とのフィッティングを行なうことができる。そして、試料の実際の配置(例えば、吸着状態)を特定することができる。
請求項4に記載の発明によれば、試料モデルにおける各メッシュにおいて、隣接するメッシュの最近接位置の差分を算出する。そして、この差分が所定値以下のメッシュに対して、メッシュの所定周囲内に存在する試料の構成原子を特定し、試料モデルの構成原子と探針モデルの構成原子との作用力を算出して微視化画像を生成する。そして、所定周囲においては、粗視化画像に微視化画像を重畳させた合成画像を生成する。これにより、短時間で生成した粗視化画像に加えて、変化の大きい領域は微視化画像により、精緻な画像を得ることができる。
本発明によれば、走査プローブ顕微鏡におけるシミュレーション画像を高速に生成することができ、例えば、特に実験で得られた生体分子像に対しその吸着形態の推定することができる。
以下、本発明を具体化したシミュレーション装置の一実施形態を図1〜図12に基づいて説明する。本実施形態のシミュレーション装置では、原子間力顕微鏡の探針を用いて、タンパク質の吸着形態を推定する場合を想定する。ここでは、仮想3次元空間に、原子間力顕微鏡の探針モデルと、タンパク質の原子配置から構成した試料モデルとを形成する。
図1に示すように、本実施形態におけるシミュレーション装置20は、入力部10や出力部15を備える。この入力部10はシミュレーション装置20に各種データや指示を入力するための手段であり、キーボードやポインティングデバイスから構成される。具体的には、入力部10は、タンパク質の原子配置や探針の形状(3次元モデル)に関するデータを取得して、シミュレーション装置20に供給する。なお、タンパク質の原子配置に関するデータは、タンパク質構造データバンク(PDB:Protein Data Bank )から入力部10を介して取得することも可能である。出力部15は、シミュレーション装置20の計算結果を出力するための手段であり、例えば3次元グラフィックスによる表示を行なうためのディスプレイから構成される。
シミュレーション装置20は、演算処理部としての制御部21、原子配置データ記憶部22、探針形状データ記憶部23、シミュレーション画像データ記憶部24及び測定画像データ記憶部25を備えている。
制御部21は演算処理部として機能することにより、後述する処理(試料表面処理段階、接近処理段階、走査処理段階、探針表面処理段階、評価段階及び原子配置変更処理段階等を含む処理)を行なう。このため、シミュレーションプログラムを実行することにより、制御部21は、試料原子配置生成手段211、試料表面高さ算出手段212、探針形状生成手段213、探針表面高さ算出手段214、衝突高さ特定手段215、探針走査手段216、画像比較手段217及び試料回転操作処理手段218として機能する。
原子配置データ記憶部22は、評価対象である試料モデルを構成する原子配置の座標に関するデータを記憶する。本実施形態では、試料としてはタンパク質を用いる。このタンパク質の原子配置データは、例えばタンパク質構造データバンクから取得した構造に基づいて生成された原子の座標を記憶させる。この原子配置データは、試料モデルを構成する原子について、x軸、y軸、z軸の座標に関するデータである。ここで、x軸、y軸は探針を走査させる面(水平面)を規定し、z軸は探針を接近させる高さ方向の軸(垂直方向)である。このように、試料モデルの原子配置は、探針モデルとの相対的な位置関係により規定されるため、試料を回転操作させることにより異なる値になる。
探針形状データ記憶部23は、探針モデルを構成する原子配置の座標に関するデータを記憶する。ここで、探針モデルの原子配置データは、探針形状を構成する表面の原子のx軸、y軸、z軸の座標に関するデータである。上述のように、本実施形態では、探針モデルを上下させて試料に接近させる軸をz軸として、探針を走査させる面をx軸、y軸により構成する。
シミュレーション画像データ記憶部24は、シミュレーション画像生成処理において生成されたシミュレーション画像に関するデータを記憶する。具体的には、探針形状データ記憶部23に記憶された形状の探針モデルを、原子配置データ記憶部22に記憶された試
料モデルの表面を走査した場合に得られるシミュレーション画像に関するデータが記録される。
測定画像データ記憶部25は、走査型プローブ顕微鏡を用いた実測によって得られた測定画像に関するデータを記憶する。
次に、制御部21が備える各処理手段(211〜218)について説明する。
試料原子配置生成手段211は、試料(例えば、タンパク質)モデルの原子配置の座標データを生成する。具体的には、試料原子配置生成手段211は、まず、試料モデルの原子構造において相対座標系を設定し、この相対座標系による構成原子の座標を決定する。そして、試料原子配置生成手段211は、試料モデルを仮想3次元空間に配置した吸着面と探針とを含む絶対座標系における所定の位置に配置する。そして、試料モデルの相対座標系における座標を、絶対座標系における原子配置データに変換し、原子配置データ記憶部22に登録する。
試料表面高さ算出手段212は試料表面処理手段として機能する。具体的には、試料表面高さ算出手段212は、原子配置データ記憶部22に登録された原子配置データを、xy平面における所定の大きさのメッシュに分割する。そして、各メッシュ内において最高位置(z軸方向の最突出位置)に存在する原子の高さを特定し、各メッシュの高さ(代表値)として設定する。このようなメッシュ毎の高さを用いて試料表面高さ(本実施形態では、z軸方向の値)を算出する。なお、メッシュの大きさに関するデータは、試料表面高さ算出手段212に予め保持させておく。
探針形状生成手段213は、探針モデルの形状の原子配置データの座標を生成する。具体的には、探針形状生成手段213は、入力部10を介して探針モデルの形状に関するデータを取得し、この形状の原子構造において相対座標系を設定し、この相対座標系による構成原子の座標を決定した原子配置データを生成する。そして、探針形状生成手段213は、生成した原子配置データを探針形状データ記憶部23に登録する。
探針表面高さ算出手段214は、探針形状データ記憶部23に登録された原子配置データを、xy平面における所定の大きさのメッシュに分割する。そして、各メッシュ内において最低位置(z軸方向の最突出位置)に存在する原子の高さを特定し、各メッシュの高さ(代表値)と設定する。このようなメッシュ毎の高さを用いて探針表面高さ(本実施形態では、z軸方向の値)を算出する。なお、メッシュの大きさに関するデータは、探針表面高さ算出手段214に予め保持させておく。このメッシュの大きさは、試料モデルの分割に用いるメッシュと同じ大きさを設定することも可能であり、また異なる大きさを設定することも可能である。
衝突高さ特定手段215は接近処理手段として機能し、試料表面高さと探針表面高さとが衝突するときの探針位置の高さ(本実施形態では、z軸方向の値)についてシミュレーションを行なう。本実施形態では、衝突高さ特定手段215は、まず、探針走査手段216において指定された各測定位置(xy座標)に探針モデルを配置する。そして、衝突高さ特定手段215は、探針モデルを、z軸方向に試料モデルに接近させる。そして、いずれかのメッシュにおいて、探針表面高さ算出手段214が算出した探針表面が、試料表面高さ算出手段212が算出した試料表面に衝突するときの探針の絶対座標位置(z軸方向の値)を算出する。この場合、衝突するメッシュの位置は、試料表面の状態と探針形状とによって異なる。
探針走査手段216は走査処理手段として機能し、試料モデルを含む領域において探針モデルを走査させ、各測定位置における衝突高さに関するデータを衝突高さ特定手段21
5から取得する。具体的には、この探針走査手段216は、原子配置データ記憶部22に記憶された試料モデルの原子配置データに基づいて、探針モデルの走査させる範囲を決定する。そして、探針走査手段216は、この走査範囲において、探針モデルを走査させる。この場合、衝突高さを取得する各測定位置(xy座標)に関するデータを衝突高さ特定手段215に供給する。更に、探針走査手段216は、衝突高さ特定手段215から取得した衝突高さに関するデータを、各測定位置に関するデータと関連付けてシミュレーション画像データ記憶部24に記憶する。
画像比較手段217は、評価手段として機能し、シミュレーション画像データ記憶部24に記憶されたシミュレーション画像データと、測定画像データ記憶部25に記憶された測定画像データとを比較する。本実施形態では、シミュレーション画像と測定画像との全体のスケールを一致させ、両画像上の試料形状のフィッティングを行ない、その差分から一致度を算出する。そして、この一致度が、画像比較手段217が保持する基準値以下の場合には、画像比較手段217は、比較した結果を試料回転操作処理手段218に供給する。
試料回転操作処理手段218は原子配置変更処理手段として機能し、画像比較手段217から取得した比較結果に基づいて、試料の回転角度を決定する。そして、試料回転操作処理手段218は、この回転角度に基づいて、原子配置データ記憶部22に記憶されている原子配置を移動させて、その座標を原子配置データとして原子配置データ記憶部22に再登録する。
次に、上述のように構成されたシミュレーション装置20において、タンパク質の吸着形態を推定する場合の処理について、図2及び図3を用いて説明する。
まず、入力部10を用いて、試料モデル(ここではタンパク質)の原子構造及び探針モデルの原子構造を入力する。本実施形態では、評価対象のタンパク質の原子構造をタンパク質構造データバンクから取得するものとする。また、探針モデルの原子構造については、所定の形状に切削して形成した結晶構造体を用いる。
この場合、図2に示すように、シミュレーション装置20の制御部21は、シミュレーション画像生成処理を行なう(ステップS1−1)。このシミュレーション画像生成処理を、図3を用いて説明する。
このシミュレーション画像生成処理において、制御部21は、まず、試料モデルの原子配列データを生成する(ステップS2−1)。具体的には、試料原子配置生成手段211は、評価対象のタンパク質の構成原子の座標データを決定し、この原子を所定の表面に吸着させた場合の座標からなる原子配置データを生成する。そして、試料原子配置生成手段211は、生成した原子配置データを原子配置データ記憶部22に記録する。
次に、制御部21は、メッシュ毎に試料表面高さを算出する(ステップS2−2)。具体的には、試料表面高さ算出手段212は、xy平面において、予め記憶した大きさのメッシュを用いて、試料モデルを含む走査範囲を分割する。ここで、図4(a)に示す試料Tを評価対象とする場合、試料Tに含まれる各原子配置をメッシュMにより分割する。
次に、試料表面高さ算出手段212は、各メッシュにおいて、最突出位置(ここでは、最高位置)にある原子の高さ(z座標)を取得する。ここでは、図4(b)に示すように、最高位置にある原子A1の高さを特定する。
そして、試料表面高さ算出手段212は、図4(c)に示すように、特定した原子A1の高さを、このメッシュにおける試料表面の高さとして特定する。図4においては、z軸
を含む2次元座標を用いて説明したが、xy平面において形成されたメッシュを用いて分割を行ない、試料表面高さを算出すると図6に示す3次元表示のようになる。
一方、制御部21は、探針モデルの原子配列データを生成する(ステップS2−3)。具体的には、探針形状生成手段213は、入力部10を介して取得した探針モデルの形状データに基づいて探針を構成する原子配置の座標データを決定する。そして、探針形状生成手段213は、決定した原子配置データを探針形状データ記憶部23に記録する。
次に、制御部21は、xy面におけるメッシュ毎の探針表面の高さを算出する(ステップS2−4)。具体的には、探針表面高さ算出手段214は、xy平面において、予め記憶した大きさのメッシュを用いて探針範囲を分割する。次に、探針表面高さ算出手段214は、各メッシュにおいて、最突出位置(ここでは、最低位置)にある原子の高さ(z座標)を取得する。そして、探針表面高さ算出手段214は、取得した最低位置の原子の高さを、このメッシュにおける探針表面の高さとして特定する。
そして、試料表面及び探針表面の高さを算出した制御部21は、探針の走査範囲において、後述する衝突高さの算出を行なう(ステップS2−5〜S2−10)。まず、探針走査手段216は、走査範囲において走査開始位置(xy座標)を決定し、この座標を測定位置座標として衝突高さ特定手段215に供給する。
この場合、制御部21は、探針のメッシュ範囲において試料表面の高さと探針の高さとの距離を算出する(ステップS2−6〜S2−8)。具体的には、衝突高さ特定手段215は、探針走査手段216から供給された測定位置座標に探針モデルを設定する。そして、衝突高さ特定手段215は、この測定位置座標に設定された探針の対面する試料モデルのメッシュを特定する。次に、衝突高さ特定手段215は、探針モデルの各メッシュの最低位置と、各メッシュに対面する試料モデルのメッシュの最高位置とから、各メッシュにおける試料表面から探針表面までのz軸方向の距離を算出する(ステップS2−7)。この距離の算出を、この測定位置座標における探針のすべてのメッシュについて繰り返す(ステップS2−8)。これにより、図5に示すように、探針Pと試料Tとの距離d1,d2,d3,d4,…を算出することができる。
次に、制御部21は、算出した距離から衝突高さを特定する(ステップS2−9)。具体的には、衝突高さ特定手段215は、探針モデルの各メッシュの最低位置と、各メッシュに対面する試料モデルのメッシュの最高位置とから、探針表面と試料表面との距離が最も短いメッシュ位置を特定する。そして、衝突高さ特定手段215は、探針モデルをz軸方向に接近させた場合、最初に試料モデルに衝突するときの高さ(z座標)を算出することにより衝突高さを特定する。図5においては、距離d2が最短となり、この距離d2が「0」になる場合の探針のz座標が衝突高さとして特定される。そして、衝突高さ特定手段215から衝突高さに関するデータを取得した探針走査手段216は、この測定位置座標(xy座標)に関連付けて衝突高さ(z座標)に関するデータをシミュレーション画像データ記憶部24に記録する。
そして、制御部21の探針走査手段216は、走査範囲において、全測定位置座標について衝突高さの特定を終了するまで、ステップS2−5〜S2−9の処理を繰り返す(ステップS2−10)。以上により、シミュレーション画像生成処理を終了する。
次に、図2に示すように、制御部21は、シミュレーション画像と測定画像との一致度を評価する(ステップS1−2)。具体的には、画像比較手段217が、実測された測定画像データを測定画像データ記憶部25から取得するとともに、シミュレーション画像データ記憶部24から記憶されたシミュレーション画像データを取得する。次に、画像比較
手段217は、シミュレーション画像をxy平面において回転させながら測定画像とのフィッティングを行なう。そして、画像比較手段217は、xy平面における回転角を変数とした場合、フィッティングの差分最小値の逆数を一致度(評価値)として算出する。
次に、制御部21は、算出した一致度を記録する(ステップS1−3)。具体的には、画像比較手段217が、回転角(初期値は「0」)に関連付けて一致度を記憶する。
そして、制御部21の画像比較手段217は、算出した一致度と基準値とを比較する(ステップS1−4)。この基準値に関するデータは、画像比較手段217に予め保持させておく。
そして、一致度が基準値以上の場合(ステップS1−4において「YES」の場合)には、制御部21は、その結果を出力する(ステップS1−5)。具体的には、画像比較手段217が、シミュレーション画像データ記憶部24に記憶されたシミュレーション画像データを、3次元空間に展開することにより出力する。この場合、出力部15には、図7に示すシミュレーション画像が出力される。この表示画面において、中央部分は、タンパク質の分子構造(タンパク質構造データバンクにおいて「2C7C」として登録された構造)を示す。そして、その周囲の等高線の付された立体像がシミュレーション画像である。一方、図9〜図12は、それぞれ異なる角度に回転させたタンパク質を、上面から観察した場合の2次元シミュレーション画像を表している。
一方、一致度が基準値よりも小さい場合(ステップS1−4において「NO」の場合)には、制御部21は、すべての試料配置について検討したかどうかを確認する(ステップS1−6)。本実施形態では、図8に示すようにxy平面内の所定の軸を中心にして、試料回転操作処理手段218が試料を回転させた試料配置を生成する。そのため、試料回転操作処理手段218に、予め定めた回転角度リストを保持させておき、このリストに従って試料を回転させる。そして、シミュレーションを実行して一致度を算出した回転角度については消し込んでいく。すべての試料配置についてシミュレーションを実行済みの場合(ステップS1−6において「YES」の場合)には、一致度の最小になったシミュレーション画像データを特定し、この結果を出力する(ステップS1−5)。
一方、まだ、シミュレーションを実行していない試料配置が残っている場合(ステップS1−6において「NO」の場合)には、制御部21は、試料配置の変更処理を実行する(ステップS1−7)。具体的に、試料回転操作処理手段218は、回転角度リストに記録された回転角度を用いて、吸着表面上で試料を回転させる。そして、回転させた試料の原子配置データを生成し、原子配置データ記憶部22に記録する。これにより、ステップS1−1以降の処理を繰り返す。
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
・ 本実施形態では、試料表面高さ算出手段212は、原子配置データ記憶部22に登録された原子配置データを、xy平面における所定の大きさのメッシュに分割する。そして、各メッシュ内において最高位置(z軸方向の最突出位置)に存在する原子の高さを特定し、各メッシュの高さとして設定する。これにより、試料モデルの表面の情報を間引いて用いるので、計算負荷を軽減することができる。
更に、探針表面高さ算出手段214は、探針形状データ記憶部23に登録された原子配置データを、xy平面における所定の大きさのメッシュに分割する。そして、各メッシュ内において最低位置(z軸方向の最突出位置)に存在する原子の高さを特定し、各メッシュの高さとして設定する。これにより、探針モデルの表面の情報を間引いて用いるので、計算負荷を軽減することができる。
そして、衝突高さ特定手段215は、試料表面高さと探針表面高さとが衝突するときの探針位置の高さ(本実施形態では、z軸方向の値)についてシミュレーションを行なう。本実施形態では、衝突高さ特定手段215は、まず、探針モデルを探針走査手段216において指定された各測定位置(xy座標)に配置する。そして、衝突高さ特定手段215は、探針モデルを、z軸方向に試料モデルに接近させて、探針表面高さ算出手段214が算出した探針表面が、試料表面高さ算出手段212が算出した試料表面に、いずれかのメッシュにおいて衝突するときの探針モデルの絶対座標位置(z軸方向の値)を算出する。これにより、幾何学的な位置関係により、探針モデルを走査させた結果を推定することができる。すなわち、本願発明の構成では、試料/探針間の作用力を測定していないが、これを擬似的な形状に置き換えて測定することができる。これにより、数万個の原子からなる試料の計算を行なう場合、従来のボトムアップの方法では、数日を要していたが、本願発明では、数秒でシミュレーション結果を算出することができ、シミュレーション時間の短縮化を図ることができる。
・ 本実施形態では、画像比較手段217は、シミュレーション画像データ記憶部24に記憶されたシミュレーション画像データと、測定画像データ記憶部25に記憶された測定画像データとを比較する。本実施形態では、シミュレーション画像と測定画像との全体のスケールを一致させ、両画像上の試料形状のフィッティングを行ない、その差分から一致度を算出する。分子等が所定の表面に吸着している場合、吸着状態によって、走査プローブ顕微鏡による測定画像は異なる。従って、吸着状態を仮定して生成したシミュレーション画像と測定画像とを比較することにより、この仮定の真偽を判定することができる。
そして、この一致度が、画像比較手段217が保持する基準値より小さい場合には、画像比較手段217は、比較した結果を試料回転操作処理手段218に供給する。そして、試料回転操作処理手段218は、画像比較手段217から取得した比較結果に基づいて、試料の回転角度を決定する。そして、試料回転操作処理手段218は、この回転角度に基づいて、原子配置データ記憶部22に記憶されている原子配置を移動させて、その座標を原子配置データとして原子配置データ記憶部22に再登録する。これにより、試料の吸着状態を把握することができる。
また、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
○ 上記実施形態において、試料表面高さ算出手段212は、原子配置データ記憶部22に登録された原子配置データを、xy平面における所定の大きさのメッシュに分割する。そして、各メッシュ内において最高位置に存在する原子の高さを特定し、各メッシュの高さとして設定する。このようなメッシュ毎の高さを用いて試料表面高さ(本実施形態では、z軸方向の値)を算出する。この場合、最突出位置(最高位置)に存在する原子の種類に応じて、メッシュ毎の試料表面高さを変更することも可能である。例えば、原子種類毎に、ファンデルワールス力に応じたバイアス距離を設定した距離修正テーブルを準備しておく。そして、試料表面高さ算出手段212は、最突出位置に存在する原子の種類を特定し、距離修正テーブルを用いて特定されるバイアス距離を、この原子の座標に加算して試料高さを算出する。これにより、原子の種類によって異なるファンデルワールス力を考慮して、試料表面高さを算出することができる。
○ 上記実施形態において、探針表面高さ算出手段214は、探針形状データ記憶部23に登録された原子配置データを、xy平面における所定の大きさのメッシュに分割する。そして、各メッシュ内において最低位置(z軸方向の最突出位置)に存在する原子の高さを特定し、各メッシュの高さとして設定する。このようなメッシュ毎の高さを用いて探針表面高さを算出する。探針表面高さは、探針側に設けたメッシュ内の最突出位置に限定されるものではなく、探針の幾何学的形状を代表できるものであれば良い。例えば、探針先端部に、所定の曲率半径の半球状の表面を仮定して、この表面と試料表面との衝突高さ
を算出することも可能である。
○ 上記実施形態において、試料表面高さ算出手段212は、原子配置データ記憶部22に登録された原子配置データを、xy平面における所定の大きさのメッシュに分割する。このメッシュの大きさに関するデータは、試料表面高さ算出手段212に予め保持させておく。これに代えて、メッシュの大きさを変更できるようにしてもよい。例えば、試料モデルの大きさ(試料サイズ)に対応させてメッシュの大きさを決定するメッシュサイズ決定テーブルを試料表面高さ算出手段212に記憶させておく。そして試料表面高さ算出手段212は、試料の原子配置から試料サイズを特定し、メッシュサイズ決定テーブルを用いてメッシュの大きさを決定する。これにより、試料サイズに応じて適切なメッシュサイズを決定することができる。
また、探針モデルの属性(例えば、先端部の鋭度)によって、試料モデルのメッシュの大きさを変更させてもよい。この場合、試料表面高さ算出手段212に、探針モデルの属性に対応させてメッシュの大きさを決定するメッシュサイズ決定テーブルを記憶させておく。そして、シミュレーションに用いる探針が選択された場合、この探針モデルの属性を取得して、メッシュサイズ決定テーブルを用いてメッシュの大きさを決定する。走査プローブ顕微鏡の測定結果は探針の大きさの影響を受け易いが、これを反映させたシミュレーション画像を生成することができる。
○ 上記実施形態において、すべての走査領域について、ステップS2−5〜S2−10の処理によりシミュレーション画像を生成する。これに加えて、他のシミュレーション方法により生成した画像(微視化画像)を重畳させてもよい。例えば、上述のステップS2−5〜S2−10により、粗視化画像を生成し、制御部21は、この画像を用いて、特徴的な画像領域を特定する。この特徴的な画像領域は、隣接するメッシュの最近接位置の差分を算出し、この差分が所定値以下の領域を用いる。そして、制御部21は、この特徴的な画像領域を生成した試料モデルの領域を特定し、他のシミュレーション方法を実行する。この場合、例えば、メッシュの所定周囲内に存在する試料モデルの構成原子を特定して、作用力計算によるシミュレーションを用いることも可能である。そして、制御部21は、このシミュレーションにより微視化画像を生成する。次に、制御部21は、粗視化画像の特徴的な画像領域に、生成した微視化画像を重畳させる。これより、粗視化画像により全体像を把握し、微視化画像により精緻な画像を取得することができる。
○ 上記実施形態において、走査型プローブ顕微鏡の探針を用いて、試料としてのタンパク質の吸着形態を推定する。これに代えて、測定対象の吸着状態が把握できている場合には、シミュレーション画像と測定画像とを比較することにより、探針形状の評価に用いることができる。シミュレーション画像は、探針や試料を分割するメッシュの大きさによって異なる。このため、試料状態を特定できる場合には、シミュレーション画像と測定画像とのフィッティングを行ない、フィッティングしやすいメッシュの大きさを決定する。また、半球状の探針を想定している場合には、曲率半径を変更してフィッティングを行なうことにより、探針形状を特定することができる。
○ 上記実施形態において、1つの試料配置におけるシミュレーション画像を生成し(ステップS1−1)、このシミュレーション画像と測定画像との一致度の評価を行なう(ステップS1−2)。そして、一致度が基準値以上でなく、全試料配置が検討済みでない場合(ステップS1−6において「NO」の場合)には、制御部21は、試料配置の変更処理を実行する(ステップS1−7)。シミュレーション画像と測定画像との一致度の評価方法は、この方法に限定されるものではなく、複数のシミュレーション画像と測定画像とを比較する方法を用いることも可能である。この場合、まず、試料配置が異なる複数のシミュレーション画像を生成する。具体的には、比較的大きな角度からなる複数の概算評
価用回転角度と、比較的小さな角度からなる複数の詳細評価用回転角度とを制御部21に記憶させておく。この概算評価用回転角度は回転の粗動に用いられ、詳細評価用回転角度は微調整のために用いられる。そして、制御部21は、記憶した各概算評価用回転角度を用いて試料を配置した複数のシミュレーション画像を生成する(ステップS1−1)。
そして、制御部21は、生成した複数のシミュレーション画像と測定画像との一致度の評価を個々に行なう(ステップS1−2)。制御部21は、各評価結果に基づいて、一致度が最も高かった概算評価用回転角度を特定する。
次に、制御部21は、この概算評価用回転角度に対して、各詳細評価用回転角度を加算した複数の各回転角度を算出する。そして、この回転角度を用いて試料を配置した複数のシミュレーション画像を生成する(ステップS1−1)。そして、制御部21は、生成したシミュレーション画像と測定画像との一致度を評価して、測定画像に最も一致するシミュレーション画像を特定する。これにより、測定画像に対して一致度が高いシミュレーション画像を効率的に特定することができる。従って、タンパク質の吸着状態を、効率的に把握することができる。
本発明のシミュレーション装置の概略構成図。 シミュレーションの処理手順を説明するための説明図。 シミュレーション画像生成処理の処理手順を説明するための説明図。 測定対象の高さ算出を説明するための説明図であって、(a)はメッシュ分割、(b)は最高位置の原子、(c)は試料表面の高さについての説明図。 衝突高さ算出を説明するための説明図。 測定対象の高さ算出を説明するための説明図。 シミュレーション画像表示(3次元)の説明図。 試料の回転操作の説明図。 シミュレーション画像表示(2次元)の説明図。 シミュレーション画像表示(2次元)の説明図。 シミュレーション画像表示(2次元)の説明図。 シミュレーション画像表示(2次元)の説明図。 従来のシミュレーション方法の説明図。 従来のシミュレーション方法の説明図であって、(a)は原子間力と距離との関係、(b)は一定の力F0を供給する距離Z0の分布を示す。
符号の説明
M…メッシュ、P…探針、T…試料、10…入力部、15…出力部、20…シミュレーション装置、21…制御部、22…原子配置データ記憶部、23…探針形状データ記憶部、211…試料原子配置生成手段、212…試料表面高さ算出手段、213…探針形状生成手段、214…探針表面高さ算出手段、215…衝突高さ特定手段、216…探針走査手段、217…画像比較手段、218…試料回転操作処理手段。

Claims (6)

  1. 試料モデルの構成原子と配置座標を記録した原子配置データ記憶部と、探針モデルの形状を記録した探針形状データ記憶部と、試料モデルと探針モデルとの相対位置を算出する演算処理部とを備え、走査プローブ顕微鏡の測定画像のシミュレーションを行なう装置であって、
    前記演算処理部が、
    前記試料モデルを所定のメッシュにより分割し、前記メッシュ毎に、前記試料モデルの構成原子の配置座標に基づいて各メッシュ内で最突出位置の座標を特定し、前記各メッシュの代表値を算出する試料表面処理手段と、
    前記探針モデルを前記試料モデルに接近させて、前記代表値を用いて最近接位置を特定する接近処理手段と、
    前記探針モデルの位置を走査させて、各測定位置において前記接近処理手段から最近接位置を取得して粗視化画像を生成する走査処理手段と
    を備えたことを特徴とするシミュレーション装置。
  2. 前記探針形状データ記憶部には、探針モデルの構成原子と配置座標とが記録され、
    前記演算処理部が、前記探針モデルを所定のメッシュにより分割し、前記メッシュ毎に、前記探針モデルの構成原子の配置座標に基づいて各メッシュ内で最突出位置の座標を特定し、前記各メッシュの代表値を算出する探針表面処理手段を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載のシミュレーション装置。
  3. 前記演算処理部が、
    走査プローブ顕微鏡により実測した測定画像を取得し、この測定画像と前記粗視化画像とを比較して一致度に関する評価値を算出する評価手段と、
    前記評価値が基準値以上になるまで、前記試料モデルを、順次、所定角度ずつ回転させて前記粗視化画像の生成を行なう原子配置変更処理手段と
    を更に備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載のシミュレーション装置。
  4. 前記試料モデルにおける各メッシュにおいて、隣接するメッシュの最近接位置の差分を算出する手段と、
    この差分が所定値以下のメッシュに対して、前記メッシュの所定周囲内に存在する試料の構成原子を特定し、前記試料モデルの構成原子と前記探針モデルの構成原子との作用力を算出して微視化画像を生成する手段と、
    前記所定周囲においては、前記粗視化画像に前記微視化画像を重畳させた合成画像を生成する手段と
    を更に備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のシミュレーション装置。
  5. 試料モデルの構成原子と配置座標を記録した原子配置データ記憶部と、探針モデルの形状を記録した探針形状データ記憶部と、試料モデルと探針モデルとの相対位置を算出する演算処理部とを備え、走査プローブ顕微鏡の測定画像のシミュレーションを行なう方法であって、
    前記演算処理部が、
    前記試料モデルを所定のメッシュにより分割し、前記メッシュ毎に、前記試料モデルの構成原子の配置座標に基づいて各メッシュ内で最突出位置の座標を特定し、前記各メッシュの代表値を算出する試料表面処理段階と、
    前記探針モデルを前記試料モデルに接近させて、前記代表値を用いて最近接位置を特定する接近処理段階と、
    前記探針モデルの位置を走査させて、各測定位置について前記接近処理段階において特
    定した最近接位置を取得して粗視化画像を生成する走査処理段階と
    を備えたことを特徴とするシミュレーション方法。
  6. 試料モデルの構成原子と配置座標を記録した原子配置データ記憶部と、探針モデルの形状を記録した探針形状データ記憶部と、試料モデルと探針モデルとの相対位置を算出する演算処理部とを備え、走査プローブ顕微鏡の測定画像のシミュレーションを行なうプログラムであって、
    前記演算処理部を、
    前記試料モデルを所定のメッシュにより分割し、前記メッシュ毎に、前記試料モデルの構成原子の配置座標に基づいて各メッシュ内で最突出位置の座標を特定し、前記各メッシュの代表値を算出する試料表面処理手段、
    前記探針モデルを前記試料モデルに接近させて、前記代表値を用いて最近接位置を特定する接近処理手段、及び
    前記探針モデルの位置を走査させて、各測定位置において前記接近処理手段から最近接位置を取得して粗視化画像を生成する走査処理手段
    として機能させることを特徴とするシミュレーションプログラム。
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