JP6011097B2 - 試料評価方法及び試料評価プログラム - Google Patents

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Description

本発明は、試料評価方法及び試料評価プログラムに関する。
MOSトランジスタ等の半導体素子の開発段階や量産段階においては、半導体素子の電気的特性を評価するために様々な試験が行われる。その試験で用いられる装置としては走査プローブ顕微鏡(Scanning Probe Microscopy: SPM)がある。
走査プローブ顕微鏡は、試料の表面を探針で走査することにより、探針と試料との間における電流値、誘電率、及びインピーダンス等の電気的特性を可視化することができる。これらの電気的特性のどれを可視化するかにより、走査プローブ顕微鏡は様々なタイプに分類される。
例えば、電流を可視化する場合には走査型拡がり抵抗顕微鏡(Scanning Spreading Resistance Microscopy: SSRM)、インピーダンスを可視化する場合には走査型マイクロ波顕微鏡(Scanning Microwave Microscopy: SMM)と呼ばれる。そして、誘電率を可視化する場合には走査型静電容量顕微鏡(Scanning Capacitance Microscopy: SCM)又は走査型非線形誘電率顕微鏡(Scanning Nonlinear Dielectric Microscopy: SNDM)と呼ばれる。
ここで、走査プローブ顕微鏡で可視化された試料の電気的特性は、試料そのものの物性値だけでなく、試料中の歪みや観察環境にも依存する。例えば、半導体基板の不純物拡散領域の電気的特性は、その周囲からの応力が原因の歪みによって異なった値となる。また、抵抗値等の電気的特性が試料の表面において一様でない場合には、試料の表面と探針との間の電界分布が非等方的となり、試料の電気的特性を正確に可視化することができない。
上記の走査プローブ顕微鏡で得られる像は、このように歪みや観察環境の影響を受けたものであり、歪みのない試料における電気的特性を正確に反映したものとはならない。
歪みの影響を排除することにより走査プローブ顕微鏡で試料の正確な像を取得する方法がいくつか提案されているが、いずれも改善の余地がある。
例えば、有限要素法により試料の電気的特性を表す正確な像を取得する方法が提案されている。この方法では、試料の計算モデルを構築し、歪みがない場合のその試料の電気的特性と、当該試料中に生じ得る歪みとを有限要素法の入力値とする。そして、これらの入力値から得られると想定される試料の電気的特性の計算像と、走査プローブ顕微鏡で得られた試料の顕微鏡像とを比較する。その後、計算像と顕微鏡像の各々の電気的特性の相違を画素ごとに求め、その相違が全ての画素において最小となるように有限要素法の入力値である電気的特性と歪みを変えていき、歪みがない場合に想定される電気的特性を求める。
しかしながら、この方法では、比較を画素ごとに行っているため計算に膨大な時間を要してしまう。そのため、全画素のなかから代表点を選び出し、その代表点において計算像と顕微鏡像の各々の電気的特性の相違を求めざるをえず、高精度な解析を行うのが困難である。
試料評価方法と試料評価プログラムにおいて、試料の特性を短時間に計算することを目的とする。
以下の開示によれば、走査プローブ顕微鏡を用いることにより、試料の顕微鏡像を取得するステップと、関数空間内の複数の基底と係数との積の有限和で前記顕微鏡像を表すステップと、前記試料の計算モデルを作成するステップと、前記計算モデルを利用した理論計算において、前記計算モデルの物性情報を入力値とすることにより、前記計算モデルの電気的特性の計算像を取得するステップと、前記関数空間内の複数の前記基底と係数との積の有限和で前記計算像を表すステップと、前記計算像と前記顕微鏡像の各々の前記係数同士の差の絶対値の二乗和が予め定められた閾値よりも小さいときに前記顕微鏡像と前記計算像とが類似していると判断し、前記二乗和が前記閾値以上のときに前記顕微鏡像と前記計算像とが類似していない判断することにより、前記顕微鏡像と前記計算像とが類似しているか否かを判断するステップと、類似しているか否かを判断する前記ステップにおいて類似していないと判断された場合に、前記理論計算で使用する前記物性情報を変更するステップと、変更後の前記物性情報を前記入力値とする前記理論計算により、前記計算モデルの電気的特性の計算像を取得し直すステップと、前記計算像を取得し直すステップの後、類似しているか否かを判断する前記ステップを再び行い、該ステップにおいて類似していると判断された場合に、前記試料が変更後の前記物性情報を有しているものと判断するステップとを有することを特徴とする試料評価方法が提供される。
開示の試料評価方法では、試料の計算像と顕微鏡像とを関数空間内の基底と係数との積の有限和で表し、その関数空間におけるこれらの像の係数を利用することにより、計算像と顕微鏡像が類似しているか否かを判断する。類否判断に使用するこれらの係数の個数は、計算像や顕微鏡像の画素数に比べて少ないので、各像を一画素ずつ比較する場合と比較して計算に要する時間を短縮することができる。
図1は、第1実施形態に係る試料評価システムの構成図である。 図2は、第1実施形態において、SSRMによる画像データの取得方法について説明するための斜視図である。 図3は、第1実施形態において、画像データで表される顕微鏡像の一例を示す図である。 図4は、第1実施形態に係る試料評価方法を示すフローチャートである。 図5は、第1実施形態で使用する計算モデルの一例を示す斜視図である。 図6は、第1実施形態において試料の形状を求めるのに使用し得るSTEM像の一例である。 図7は、第1実施形態で使用するEDX像の一例を示す図である。 図8は、第1実施形態で使用する歪み分布の一例を示す図である。 図9は、第1実施形態における顕微鏡像と、その顕微鏡像から得られたZernikeモーメントの計算結果とを示す図である。 図10(a)〜(c)は、第1実施形態における計算像と、その顕微鏡像から得られたZernikeモーメントの計算結果とを示す図である。 図11(a)〜(c)は、第2実施形態におけるビニング処理について説明するための図である。 図12は、第2実施形態における計算像と顕微鏡像との類否の判断手法を模式的に示す図である。 図13は、第3実施形態における処理内容を示すフローチャートである。 図14は、第3実施形態における処理内容を模式的に示す図(その1)である。 図15は、第3実施形態における処理内容を模式的に示す図(その2)である。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係る試料評価システムの構成図である。
この試料評価システム1は、計算部2と走査プローブ顕微鏡3とを有する。このうち、計算部2は、例えばパーソナルコンピュータであって、後述の試料評価プログラムPに従って動作する。
その試料評価プログラムPは、任意の記録媒体から計算部2が読み取ることで実行される。そのような記録媒体としては、例えば、CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)、USB(Universal Serial Bus)メモリ、フラッシュメモリ、及びハードディスクドライブ等がある。
一方、走査プローブ顕微鏡3は、SSRM、SMM、SCM、又はSNDMであり、ネットワーク4を介して計算部2に試料の電気的特性を表す顕微鏡像の画像データDを出力する。出力される電気的特性は、走査プローブ顕微鏡3の種類によって定まる。例えば、SSRMでは試料の電流が電気的特性として出力され、SMMでは探針と試料との間のインピーダンスが電気的特性として出力される。また、SCMとSNDMでは探針と試料との間の誘電率が電気的特性として出力される。
以下では走査プローブ顕微鏡3としてSSRMを使用する場合を例にして説明する。
図2は、SSRMによる画像データDの取得方法について説明するための斜視図である。
SSRMにおいては、電源15により試料Aの裏面に−1V程度の所定のバイアス電圧を印加しながら、接地電位に維持された導電性の探針18で試料Aの表面を走査する。そして、試料Aと探針18との間に流れる電流を増幅器19で増幅し、その電流を探針18の位置と対応付けて画像データDとして出力する。
なお、探針18の位置は、レーザ光源17から探針18にレーザ光Lを照射し、その反射光を光検出器16で検出することにより特定できる。
また、この例では、試料Aとして、トランジスタTRが形成されたシリコン基板10を用いている。そのトランジスタTRは、ソースドレイン領域11とゲート電極12とを有すると共に、層間絶縁膜13で覆われる。
図3は、その画像データDで表される顕微鏡像8の一例を示す図である。
この例では、点線で表されるSTEM像に、SSRMによる顕微鏡像8を重ね合わせている。図3に示すように、試料Aを流れる電流値の違いにより、顕微鏡像8においてソースドレイン領域11やゲート電極12が可視化される。
なお、SSRMに代えてSMMを用いた場合には、インピーダンスが顕微鏡像8に現され、SCMとSNDMを用いた場合には誘電率が顕微鏡像8に現される。
ここで、顕微鏡像8は試料Aを流れる電流分布を可視化したものであるが、電流は試料Aの抵抗に比例するので、顕微鏡像8は試料Aの抵抗分布を可視化したものとみなせる。
但し、抵抗分布等のような試料Aの電気的特性は、試料A内の歪みによって変わる。そして、上記の顕微鏡像8は、その歪みが存在する状態での試料Aの抵抗分布を示すものであって、試料Aに歪みがない場合の抵抗分布は顕微鏡像8のみからは分からない。
そこで、本実施形態では以下のようにして歪みがない場合の試料Aの抵抗分布を取得すると共に、試料Aに生じている歪み分布を把握する。
図4は、本実施形態に係る試料評価方法を示すフローチャートである。
図4に示すように、この試料評価方法はステップS1〜S9を有する。これらのステップのうち、計算機2が実行するものは、計算機2が試料評価プログラムP(図1参照)を読み取ることで当該ステップを行う。
最初のステップS1では、計算部2が、走査プローブ顕微鏡3からネットワーク4を介して画像データDを取得することにより、走査プローブ顕微鏡3で作成された試料Aの顕微鏡像8を得る。
顕微鏡像8は、複数の画素の各々に電流値を対応付けてなり、関数f(x,y)で表される。なお、点(x,y)は、顕微鏡像8内に任意に設定された直交座標系における座標点である。
次に、ステップS2に移り、計算部2が、顕微鏡像f(x,y)を所定の関数空間内で展開する。展開の仕方は特に限定されないが、本実施形態ではZernike多項式Vn,m(x,y)を基底とする関数空間内で以下の式(1)のように関数f(x,y)を有限和で表し、各基底の係数Zn,mを求める。
Figure 0006011097
式(1)において、各基底Vn,m(x,y)の係数Zn,mはZernikeモーメントと呼ばれ、次の式(2)から計算される。
Figure 0006011097
但し、
Figure 0006011097
Figure 0006011097
である。
Zernike多項式Vn,m(x,y)は、xy空間の原点を中心とする単位円内で完全直交系をなす。そして、ZernikeモーメントZn,mは、原点を中心として顕微鏡像f(x,y)を回転させてもその値が不変な回転不変量であり、回転不変特徴量とも呼ばれる。このことより、式(1)のように顕微鏡像f(x,y)のZernikeモーメントZn,mを求めることは、顕微鏡像f(x,y)の回転対象性を抽出することに相当する。
そのZernikeモーメントZn,mにおいて、添え字nは次数と呼ばれ、添え字mは反復数と呼ばれる。その添え字nのうち、式(1)における最大値Nを以下では最大次数と呼ぶ。最大次数Nは、計算精度に応じてユーザが任意に設定することができ、本実施形態では10とする。
なお、次数nと反復数mは、
Figure 0006011097
という規則性を持つ。
この規則性より、上記のように最大次数Nをしたとき、式(1)におけるZernikeモーメントZn,mの個数は36となる。
また、複数のZernikeモーメントZn,mのどれを式(1)の右辺の和に入れるかも特に限定されない。例えば、顕微鏡像f(x,y)に所定の回転対象性がなく、その回転対象性に対応したZernikeモーメントZn,mの絶対値が小さい場合には、当該ZernikeモーメントZn,mを式(1)から除外して計算速度の高速化を図ってもよい。
更に、関数空間は上記に限定されず、次の式(6)のように指数関数を基底とする関数空間内で関数f(x,y)をFourier展開してもよい。
Figure 0006011097
式(6)の右辺の有限和において、基底exp[-2πi(ux+vy)/N]の係数Fu,vは、顕微鏡像f(x,y)のFourier係数である。
次に、ステップS3に移り、ユーザが試料Aの計算モデルを作成する。
図5は、その計算モデルの一例を示す斜視図である。
なお、図5において、図2で説明したのと同じ要素には図2におけるのと同じ符号を付し、その説明は省略する。
計算モデル20は、有限要素法等の理論計算において試料Aの電気的特性を計算する際に使用するものであって、試料Aの形状と試料Aの物性情報とを用いて作成される。
このうち、試料Aの形状については、試料Aの設計に用いたCADデータや試料AのSTEM(Scanning Transmission Electron Microscope)像から求めることができる。
図6は、このように試料Aの形状を求めるのに使用し得るSTEM像の一例である。
一方、試料Aの物性情報には、試料A内の歪み分布S(x,y)と、歪みがない場合の試料Aの抵抗分布R(x,y)とがある。なお、抵抗分布R(x,y)と歪み分布S(x,y)において、点(x,y)は、顕微鏡像f(x,y)におけるのと同じ直交座標系での座標点である。
抵抗分布R(x,y)は、試料Aにおける元素分布から凡その目安が付く。そのため、本実施形態では、元素分布を把握するために試料AのEDX(Energy Dispersive X-ray spectroscopy)像を求め、そのEDX像から試料Aの抵抗分布R(x,y)を推定する。
図7は、そのEDX像の一例を示す図である。この例では、酸素元素(O)、窒素元素(N)、シリコン元素(Si)、リン元素(P)、砒素元素(As)、及びコバルト元素(Co)の各々の分布を例示している。
抵抗分布R(x,y)の推定の仕方は特に限定されず、図7の各EDX像における元素分布をトレースすることにより抵抗分布R(x,y)を推定してもよい。
更に、EDX像に代えてSIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry)像を用いて抵抗分布R(x,y)を推定してもよい。
そして、歪み分布S(x,y)については、特開2006−242914号公報や特開2007−093344号公報において本願発明者が開発した手法を用いて作成する。
図8は、これらの手法を用いて作成した歪み分布の一例を示す図である。
次に、ステップS4に移り、上記の計算モデル20を利用した理論計算において、計算モデル20の形状と物性情報とを入力値とすることにより、計算モデル20の電気的特性の計算像g(x,y)を取得する。その理論計算としては、例えば有限要素法がある。
その有限要素法の入力値となる物性情報は、上記したように、歪みがない場合の計算モデル20の抵抗分布R(x,y)と、計算モデル20の歪み分布S(x,y)である。また、求めるべき計算像g(x,y)は、歪み分布S(x,y)を有する場合に計算モデル20に想定される電流分布である。
そして、計算に際しては、図2の実際のSSRMと同じ条件で計算モデル20に電圧を印加した場合を想定する。例えば、計算モデル20の裏面に−1V程度の所定のバイアス電圧を印加し、探針18を接地電位した状態で、探針18と計算モデル20との間に流れる電流を計算モデル20の表面の各点ごとに求め、その電流値を画像化することにより計算像g(x,y)を得る。
次いで、ステップS5に移り、計算部2が、ステップS2におけるのと同一の関数空間内で計算像g(x,y)を次の式(7)のように有限和に展開する。
Figure 0006011097
式(1)と同様に、式(7)の関数Vn,m(x,y)は関数空間の基底となるZernike多項式であり、基底Vn,m(x,y)の係数Z' n,mはZernikeモーメントである。
また、式(7)におけるZernikeモーメントZ' n,mの最大次数Nは式(1)におけるのと同一であり、式(7)における項数も式(1)におけるのと同一である。
更に、式(1)と同様に顕微鏡像g(x,y)に所定の回転対象性がなく、その回転対象性に対応したZernikeモーメントZ' n,mの絶対値が小さい場合には、当該ZernikeモーメントZ' n,mを式(7)から除外して計算速度の高速度化を図ってもよい。
なお、ステップS2で顕微鏡像f(x,y)を式(6)のようにFourier展開した場合には、本ステップS5では次の式(8)のように計算像g(x,y)をFourier展開する。
Figure 0006011097
式(8)の右辺の有限和において、基底exp[-2πi(ux+vy)/N]の係数Gu,vは、計算像g(x,y)のFourier係数である。
次に、ステップS6に移り、顕微鏡像f(x,y)を表すZernikeモーメントZn,m(式(1)参照)と、計算像g(x,y)を表すZernikeモーメントZ' n,m(式(7)参照)とを用いて、顕微鏡像f(x,y)と計算像g(x,y)とが類似しているか否かを判断する。
この判断に際しては、まず、次の式(9)の二乗和Δを計算部2が算出する。
Figure 0006011097
そして、この二乗和Δが、ユーザが設定した閾値Δthよりも小さいときに、計算部2は顕微鏡像f(x,y)と計算像g(x,y)とが類似していると判断する。一方、二乗和Δが閾値Δth以上のときには、計算部2は、顕微鏡像f(x,y)と計算像g(x,y)とが類似していないと判断する。
なお、ステップS1とステップS5において関数f(x,y)、g(x,y)をFourier展開した場合には、Fourier係数Fu,v、Gu,vを用いて次の式(10)のように二乗和Δを算出すればよい。
Figure 0006011097
ここで、顕微鏡像f(x,y)と計算像g(x,y)とが類似していないと判断された場合は、ステップS4で計算像g(x,y)を算出するのに使用した歪み分布S(x,y)と抵抗分布R(x,y)が、試料Aにおけるこれらの実際の分布と乖離している可能性がある。
そこで、この場合はステップS7に移り、有限要素法で使用する物性情報を変更する。その物性情報は上記の抵抗分布R(x,y)と歪み分布S(x,y)であり、本ステップではこれらの分布を新しい抵抗分布R'(x,y)と新しい歪み分布S'(x,y)に変更する。
その変更の仕方は特に限定されず、計算部3が任意のアルゴリズムにより自動で抵抗分布R(x,y)と歪み分布S(x,y)とを変更してもよい。本ステップで使用し得るアルゴリズムとしてはSimplex法がある。Simplex法においては、式(9)の二乗和を目的関数とし、当該目的関数の値を最小とするZernikeモーメントZ' n,mが得られるように新しい抵抗分布R'(x,y)と新しい歪み分布S'(x,y)とを見つける。
なお、歪みは同一の材料内では同一の値となるので、計算モデル20の全ての点(x,y)において個別に歪みの値を変更するよりも、同一の材料内での歪みを一斉に変えるのが効率的である。
次に、ステップS8に移り、変更後の物性情報R'(x,y)、S'(x,y)を入力値とする有限要素法により、計算モデル20の電気的特性の計算像g(x,y)を取得し直す。
その後、ステップS6を再び行うことにより、顕微鏡像f(x,y)と計算像g(x,y)とが類似しているか否かを判断する。
ここで、顕微鏡像f(x,y)と計算像g(x,y)とが類似していると判断された場合にはステップS9に移り、試料Aが変更後の新しい抵抗分布R'(x,y)と新しい歪み分布S'(x,y)とを有しているものと計算部2が判断する。
以上により、本実施形態に係る試料評価方法の基本ステップを終了する。
図9〜図10は、上記のようにステップS6を繰り返し行うことにより二乗和Δが小さくなっていく様子を示す図である。
このうち、図9は、顕微鏡像f(x,y)と、これより得られたZernikeモーメントZn,mの計算結果とを示す図である。
一方、図10(a)〜(c)は、計算像g(x,y)と、これより得られたZernikeモーメントZ' n,mの計算結果とを示す図である。また、これらの図には、各々のZernikeモーメントZ' n,mと図9のZernikeモーメントZn,mから得られた二乗和Δも併記してある。
この例では、図10(a)、図10(b)、図10(c)の順にステップS6の実行回数が増えており、これに伴って二乗和Δが次第に小さくなって最終的には計算像g(x,y)が顕微鏡像f(x,y)に類似するようになる。
上記した本実施形態によれば、計算像g(x,y)が顕微鏡像f(x,y)に類似するように、有限要素法の入力値である抵抗分布R(x,y)と歪み分布S(x,y)を更新し、更新後の抵抗分布R(x,y)を歪みがない場合の試料Aの抵抗分布と同定できる。また、この結果より、その試料Sには更新後の歪み分布S(x,y)が生じていると共に、最終的に得られた計算像g(x,y)が試料Sの電気的特性を正確に表す像であることが理解できる。
更に、本実施形態では、計算像g(x,y)と顕微鏡像f(x,y)との類似性を判断するにあたり、これらの像を画素ごとに比較するのではなく、計算像g(x,y)と顕微鏡像f(x,y)とを関数空間内で有限和に展開して基底の係数同士を比較するので、短時間で計算を行うことができる。
例えば、計算像g(x,y)と顕微鏡像f(x,y)の各々の画素数が256×256個の場合、一画素ごとに像の類似性を計算していたのでは、画素数と同じ回数だけ類似性を計算しなければならない。計算像g(x,y)が顕微鏡像f(x,y)に類似するのに一画素あたり10秒の計算を10回しなければばらないときには、最終的には76日(=10×10×256×256秒)も要してしまう。
これに対し、本実施形態では式(9)のように最大次数が高々NのZernikeモーメントZn,m、Z' n,mを利用して、顕微鏡像f(x,y)と計算像g(x,y)との類否判断を行う。最大次数Nが10のとき、式(9)の項数は36個となり、上記のように画素ごとに計算する場合と比較して計算の回数を大幅に減らすことができる。
また、計算精度と計算時間とはトレードオフの関係にあるが、これらは最大次数Nによってコントロールできるので、ユーザが最大次数Nを適宜設定することにより、ユーザの都合が良いように計算精度と計算時間とを容易に制御できる。
(第2実施形態)
本実施形態は、以下のように計算部2が第1実施形態の計算像g(x,y)と顕微鏡像f(x,y)の各々にビニング処理を施すことにより、第1実施形態よりも計算時間を短縮する。
図11(a)〜(c)は、ビニング処理について説明するための図である。
図11(a)は、ビニング処理を施していない顕微鏡像f(x,y)である。
一方、図11(b)は、隣接する4×4個の画素を一つにまとめるビニング処理が施された顕微鏡像f(x,y)である。
そして、図11(c)は、隣接する8×8個の画素を一つにまとめるビニング処理が施された顕微鏡像f(x,y)である。
このようなビニング処理を用い、本実施形態では次のように計算像g(x,y)と顕微鏡像f(x,y)とが類似しているか否かを判断する。
図12は、類否の判断手法を模式的に示す図であり、本実施形態におけるステップS6の内容を説明するための図である。
まず、一回目の類否判断では、計算部2が計算像g(x,y)と顕微鏡像f(x,y)の各々に対して8×8個の画素を一つにまとめるビニング処理を施した後、第1実施形態と同様にしてこれらの像を表すZernikeモーメントZn,m、Z' n,mを計算する。
そして、式(9)の二乗和Δが閾値Δth以上であると計算部2が判断した場合には、第1実施形態に従って計算部2が再び二乗和Δを計算し直す。なお、閾値Δthは特に限定されないが、この例では閾値Δthを0.5とする。
一方、二乗和Δが閾値Δthよりも小さいと判断された場合には計算部2が二回目の類否判断を行う。
二回目においては、一回目よりもビニング処理による解像度を高め、計算部2が計算像g(x,y)と顕微鏡像f(x,y)の各々に対して4×4個の画素を一つにまとめるビニング処理を施した後、第1実施形態と同様にこれらの像を表すZernikeモーメントZn,m、Z' n,mを計算する。
また、これと共に、計算部2が、閾値Δthを一回目よりも所定の値だけ小さい値に変更する。この例では、一回目の値(0.5)よりも0.3だけ小さい0.2に閾値Δthを変更する。
そして、式(9)の二乗和Δが閾値Δth以上であると計算部2が判断した場合には、第1実施形態に従って再び二乗和Δを計算し直す。
一方、二乗和Δは閾値Δthよりも小さいと判断した場合には、計算部2が三回目の類否判断を行う。
三回目においては、計算像g(x,y)と顕微鏡像f(x,y)にビニング処理を行わずに、計算部2が閾値Δthを二回目よりも所定の値だけ小さい値に変更する。この例では、二回目の値(0.2)よりも0.1だけ小さい0.1に閾値Δthを変更する。
そして、式(9)の二乗和Δが変更後の閾値Δthよりも小さい場合には、計算像g(x,y)と顕微鏡像f(x,y)とが類似していると計算部2が判断する。よって、この場合には、第1実施形態で説明したステップS9に移り、試料Aが抵抗分布R'(x,y)と歪み分布S'(x,y)とを有しているものと判断する。
以上により、本実施形態に係る試料評価方法の基本ステップを終了する。
上記した本実施形態によれば、図12に示したように、一回目と二回目の類否判断においてビニング処理を用いるので、計算像g(x,y)と顕微鏡像f(x,y)の各々の画素数が減り、これらの像からZernikeモーメントZn,m、Z' n,mを算出するための計算時間を短縮できる。
また、回を重ねるごとに閾値Δthを小さくしていくので、上記のように計算時間を短縮しながら計算精度も確保できる。
(第3実施形態)
走査プローブ顕微鏡で取得した顕微鏡像は、試料の物性情報の他に観察環境にも依存する。
例えば、SSRMでは、試料と探針との間にバイアス電圧を印加してこれらの間に流れる電流を計測するが、試料の厚さが薄くなると試料中の抵抗の低い領域を電流が流れるようになるため、電流パスが試料表面に対して垂直とはならず、電流パスが広がることがある。
こうなると、探針の直下の試料の抵抗を正確に測定することができず、SSRMで取得した顕微鏡像が不正確となる。
第1実施形態で最終的に求めた試料の抵抗分布R'(x,y)や歪み分布S'(x,y)は、観察環境によってこのように不正確となった顕微鏡像に計算像を類似させるためのものであるから、これらの抵抗分布R'(x,y)や歪み分布S'(x,y)も観察環境の影響が含まれてしまう。
そこで、本実施形態では、以下のようにして抵抗分布R'(x,y)や歪み分布S'(x,y)から観察環境の影響を排除する。
図13は、本実施形態におけるステップS4の処理内容を示すフローチャートである。第1実施形態で説明したように、ステップS4は、計算モデル20の電気的特性の計算像g(x,y)を取得するステップであるが、本実施形態ではステップS4は以下のサブステップS20〜S24に分けられる。
図14は、最初のサブステップS20の処理内容を模式的に示す図である。
サブステップS20では、図14に示すように、計算モデル20を複数の計算領域20aに分割する。この処理はセクショニング処理とも呼ばれ、図14ではセクショニング処理によって64×64個の計算領域20aに計算モデル20を分割した場合を例示している。
次に、サブステップS21に移る。
図15は、サブステップS21の処理内容を模式的に示す図である。
サブステップS21では、上記の計算領域20aの中から有限個の代表領域20bを選び出す。図15では、代表領域20bを黒色で現し、代表領域20b以外の計算領域20aを白色で現している。
代表領域20bは、後で計算モデル20の電流値を計算する領域であるが、代表領域20b同士が近接していると、計算結果によっては複数の代表領域20bにまたがるように電流パスが生じ、SSRMにおいて電流パスが広がるのと同じような状況となる。そのため、本サブステップでは、なるべくランダムに代表領域20bを選ぶのが好ましい。
次に、サブステップS22に移り、有限要素法により計算モデル20の電気的特性を代表領域20bごとに求め、計算モデル20の該電気的特性を表す第1の像g1(x,y)を取得する。その電気的特性は、最終的に求める計算像g(x,y)におけるのと同じであり、本実施形態では計算モデル20の電流分布を電気的特性として求める。
また、その有限要素法の入力値は、第1実施形態で計算像g(x,y)を求めたときと同様に、計算モデル20の形状と、抵抗分布R(x,y)及び歪み分布S(x,y)等の計算モデル20の物性情報である。
第1の像g1(x,y)で現される計算モデル20の電流分布は、図15の代表領域20bに限定して計算を行って得られたものであるため、電流パスが広がるような計算結果とはならない。
次に、サブステップS23に移り、有限要素法により計算モデル20の電気的特性を代表領域20b以外の計算領域20aごとに求め、計算モデル20の電気的特性を表す第2の像g2(x,y)を取得する。本ステップで計算する電気的特性は、サブステップS22と同様に計算モデル20の電流分布である。
また、その有限要素法の入力値も、サブステップS22と同様に、計算モデル20の形状と、抵抗分布R(x,y)及び歪み分布S(x,y)等の計算モデル20の物性情報である。
第2の像g2(x,y)で現される計算モデル20の電流分布は、図15の代表領域20b以外の計算領域20aに制限して計算を行って得られたものである。そのため、第1の像g1(x,y)と同様に、第2の像g2(x,y)の計算結果において電流パスが広がることはない。
次に、サブステップS24に移り、上記の第1の像g1(x,y)と第2の像g2(x,y)とを足し合わせて計算像g(x,y)を得る。
上記のように第1の像g1(x,y)と第2の像g2(x,y)の計算結果においては電流パスの広がりが抑制されているので、これらを足し合わせてなる計算像g(x,y)においても電流パスの広がりが抑制される。
この後は、第1実施形態で説明したステップS5〜ステップS9を行うことにより、試料Aの抵抗分布R'(x,y)と歪み分布S'(x,y)とを求める。
以上説明した本実施形態によれば、上記のように計算像g(x,y)において電流パスの広がりが抑制される。よって、その計算像g(x,y)が顕微鏡像f(x,y)に類似するように求めた抵抗分布R'(x,y)と歪み分布S'(x,y)は、SSRMの観察環境の影響を排除して試料中で電流パスの広がりがない場合のものである。これにより、本実施形態では、観察環境の影響が排除された正確な抵抗分布R'(x,y)と歪み分布S'(x,y)とを求めることができる。
また、本実施形態を第1実施形態と第2実施形態の各々と組み合わせると、計算時間の更なる高速化が図られる。例えば、第1実施形態で使用するZernikeモーメントZn,mの最大次数を10とすると、第1実施形態で説明したようにそのZernikeモーメントZn,mの個数は36個となる。この場合、元々の顕微鏡像f(x,y)の画素数が256×256で、本実施形態のセクショニング処理による分割数を5×5個、第2実施形態のビニング処理の回数を3回とすると、計算速度は121(=256×256/(36×5×3))倍となる。
このような高速化は顕微鏡像f(x,y)の画素数が多い場合に特に実益があり、例えばその画素数が4096×4096の場合、上記と同じ計算をすると計算速度が約3万倍に高速化される。
(その他の実施形態)
第1実施形態では、ステップS2において、式(1)のように顕微鏡像f(x,y)をZernike多項式Vn,m(x,y)で展開した。
ステップS2ではこのように顕微鏡像f(x,y)を直接Zernike多項式Vn,m(x,y)で展開するのではなく、次の式(11)のように一旦顕微鏡像f(x,y)をFourier変換してもよい。
Figure 0006011097
この場合は、式(11)のFourier係数Fu,vを次の式(12)のようにZernike多項式Vn,m(x,y)で展開する。
Figure 0006011097
同様に、ステップS5においても、計算像g(x,y)を直接Zernike多項式Vn,m(x,y)で展開するのではなく、次の式(13)のように一旦顕計算像g(x,y)をFourier展開してもよい。
Figure 0006011097
その後、式(13)のFourier係数Gu,vを次の式(14)のようにZernike多項式Vn,m(x,y)で展開する。
Figure 0006011097
そして、式(12)と式(14)のZernike係数Zn,m、Z' n,mを利用し、式(9)の二乗和Δを算出すればよい。
以上説明した各実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1) 走査プローブ顕微鏡を用いることにより、試料の顕微鏡像を取得するステップと、
関数空間内の複数の基底と係数との積の有限和で前記顕微鏡像を表すステップと、
前記試料の計算モデルを作成するステップと、
前記計算モデルを利用した理論計算において、前記計算モデルの物性情報を入力値とすることにより、前記計算モデルの電気的特性の計算像を取得するステップと、
前記関数空間内の複数の前記基底と係数との積の有限和で前記計算像を表すステップと、
前記顕微鏡像を表す前記係数と、前記計算像を表す前記係数とを用いて、前記顕微鏡像と前記計算像とが類似しているか否かを判断するステップと、
類似しているか否かを判断する前記ステップにおいて類似していないと判断された場合に、前記理論計算で使用する前記物性情報を変更するステップと、
変更後の前記物性情報を前記入力値とする前記理論計算により、前記計算モデルの電気的特性の計算像を取得し直すステップと、
前記計算像を取得し直すステップの後、類似しているか否かを判断する前記ステップを再び行い、該ステップにおいて類似していると判断された場合に、前記試料が変更後の前記物性情報を有しているものと判断するステップと、
を有することを特徴とする試料評価方法。
(付記2) 類似しているか否かを判断する前記ステップにおいて、前記計算像と前記顕微鏡像の各々の前記係数同士の絶対値の二乗和が閾値よりも小さいときに類似していると判断し、前記二乗和が前記閾値以上のときに類似していないと判断することを特徴とする付記1に記載の試料評価方法。
(付記3) 類似しているか否かを判断する前記ステップにおいて、
ビニング処理が施された前記計算像と前記顕微鏡像の各々の前記係数同士が類似しているか否かを判断し、
類似していると判断された場合には、前記閾値を所定の値だけ小さい閾値に変更すると共に、前記ビニング処理による解像度を高めて、該ビニング処理が施された前記計算像と前記顕微鏡像の各々の前記係数同士が類似しているか否かを判断することを特徴とする付記2に記載の試料評価方法。
(付記4) 前記基底としてZernike多項式を用い、前記係数としてZernikeモーメントを用いることを特徴とする付記1乃至付記3のいずれかに記載の試料評価方法。
(付記5) 前記基底として指数関数を用い、前記係数としてFourier係数を用いることを特徴とする付記1乃至付記3のいずれかに記載の試料評価方法。
(付記6) 前記有限和で前記顕微鏡像を表すステップにおいて、前記顕微鏡像をFourier変換したものをZernike多項式とZernikeモーメントとの積の有限和で表して、前記Zernikeモーメントを前記係数とし、
前記有限和で前記計算像を表すステップにおいて、前記計算像をFourier変換したものをZernike多項式とZernikeモーメントとの積の有限和で表して、前記Zernikeモーメントを前記係数とすることを特徴とする付記1乃至付記3のいずれかに記載の試料評価方法。
(付記7) 前記計算像を取得するステップは、
前記計算モデルを複数の計算領域に分けるステップと、
前記計算領域のなかから代表領域を選び出すステップと、
前記計算モデルの前記電気的特性を前記代表領域ごとに求め、前記計算モデルの該電気的特性を表す第1の像を取得するステップと、
前記計算モデルの前記電気的特性を前記代表領域以外の前記計算領域ごとに求め、前記計算モデルの該電気的特性を表す第2の像を取得するステップと、
前記第1の像と前記第2の像とを足し合わせて前記計算像とするステップとを有することを特徴とする付記1乃至付記6のいずれかに記載の試料評価方法。
(付記8) 前記計算モデルの前記物性情報は、前記計算モデルの抵抗分布と歪み分布であり、
前記計算モデルの前記電気的特性は、前記計算モデルの電流分布であることを特徴とする付記1乃至付記7のいずれかに記載の試料評価方法。
(付記9) 走査プローブ顕微鏡を用いて得られた試料の電気的特性を表す顕微鏡像を取得し、
関数空間内の複数の基底と係数との積の有限和で前記顕微鏡像を表し、
前記試試料の計算モデルを利用した理論計算において、前記計算モデルの物性情報を入力値とすることにより、前記計算モデルの電気的特性の計算像を取得し、
前記関数空間内の複数の前記基底と係数との積の有限和で前記計算像を表し、
前記顕微鏡像を表す前記係数と、前記計算像を表す前記係数とを用いて、前記顕微鏡像と前記計算像とが類似しているか否かを判断し、
前記判断において類似していないと判断した場合に、前記理論計算で使用する前記物性情報を変更し、
変更後の前記物性情報を前記入力値とする前記理論計算により、前記計算モデルの電気的特性の計算像を取得し直し、
前記計算像を取得し直した後、類似しているか否かの前記判断を再び行い、該判断において類似していると判断した場合に、前記試料が変更後の前記物性情報を有しているものと判断する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする試料評価プログラム。
1…試料評価システム、2…計算部、3…走査プローブ顕微鏡、4…ネットワーク、10…シリコン基板、11…ソースドレイン領域、12…ゲート電極、13…層間絶縁膜、15…電源、16…光検出器、17…レーザ光源、18…探針、19…増幅器、20…計算モデル、20a…計算領域、20b…代表領域、A…試料、D…画像データ、TR…MOSトランジスタ。

Claims (6)

  1. 走査プローブ顕微鏡を用いることにより、試料の顕微鏡像を取得するステップと、
    関数空間内の複数の基底と係数との積の有限和で前記顕微鏡像を表すステップと、
    前記試料の計算モデルを作成するステップと、
    前記計算モデルを利用した理論計算において、前記計算モデルの物性情報を入力値とすることにより、前記計算モデルの電気的特性の計算像を取得するステップと、
    前記関数空間内の複数の前記基底と係数との積の有限和で前記計算像を表すステップと、
    前記計算像と前記顕微鏡像の各々の前記係数同士の差の絶対値の二乗和が予め定められた閾値よりも小さいときに前記顕微鏡像と前記計算像とが類似していると判断し、前記二乗和が前記閾値以上のときに前記顕微鏡像と前記計算像とが類似していない判断することにより、前記顕微鏡像と前記計算像とが類似しているか否かを判断するステップと、
    類似しているか否かを判断する前記ステップにおいて類似していないと判断された場合に、前記理論計算で使用する前記物性情報を変更するステップと、
    変更後の前記物性情報を前記入力値とする前記理論計算により、前記計算モデルの電気的特性の計算像を取得し直すステップと、
    前記計算像を取得し直すステップの後、類似しているか否かを判断する前記ステップを再び行い、該ステップにおいて類似していると判断された場合に、前記試料が変更後の前記物性情報を有しているものと判断するステップと、
    を有することを特徴とする試料評価方法。
  2. 類似しているか否かを判断する前記ステップにおいて、
    ビニング処理が施された前記計算像と前記顕微鏡像とが類似しているか否かを判断し、
    類似していると判断された場合には、前記閾値を所定の値だけ小さい閾値に変更すると共に、前記ビニング処理による解像度を高めて、該ビニング処理が施された前記計算像と前記顕微鏡像とが類似しているか否かを判断することを特徴とする請求項に記載の試料評価方法。
  3. 前記計算像を取得するステップは、
    前記計算モデルを複数の計算領域に分けるステップと、
    前記計算領域のなかから代表領域を選び出すステップと、
    前記計算モデルの前記電気的特性を前記代表領域ごとに求め、前記計算モデルの該電気的特性を表す第1の像を取得するステップと、
    前記計算モデルの前記電気的特性を前記代表領域以外の前記計算領域ごとに求め、前記計算モデルの該電気的特性を表す第2の像を取得するステップと、
    前記第1の像と前記第2の像とを足し合わせて前記計算像とするステップとを有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の試料評価方法。
  4. 走査プローブ顕微鏡を用いることにより、試料の顕微鏡像を取得するステップと、
    関数空間内の複数の基底と係数との積の有限和で前記顕微鏡像を表すステップと、
    前記試料の計算モデルを作成するステップと、
    前記計算モデルを利用した理論計算において、前記計算モデルの物性情報を入力値とすることにより、前記計算モデルの電気的特性の計算像を取得するステップと、
    前記関数空間内の複数の前記基底と係数との積の有限和で前記計算像を表すステップと、
    前記顕微鏡像を表す前記係数と、前記計算像を表す前記係数との関数を用い、前記関数の値が予め定められた閾値よりも小さいか否かに応じて、前記顕微鏡像と前記計算像とが類似しているか否かを判断するステップと、
    類似しているか否かを判断する前記ステップにおいて類似していないと判断された場合に、前記理論計算で使用する前記物性情報を変更するステップと、
    変更後の前記物性情報を前記入力値とする前記理論計算により、前記計算モデルの電気的特性の計算像を取得し直すステップと、
    前記計算像を取得し直すステップの後、類似しているか否かを判断する前記ステップを再び行い、該ステップにおいて類似していると判断された場合に、前記試料が変更後の前記物性情報を有しているものと判断するステップと、
    を有することを特徴とする試料評価方法。
  5. 走査プローブ顕微鏡を用いて得られた試料の電気的特性を表す顕微鏡像を取得し、
    関数空間内の複数の基底と係数との積の有限和で前記顕微鏡像を表し、
    前記試料の計算モデルを利用した理論計算において、前記計算モデルの物性情報を入力値とすることにより、前記計算モデルの電気的特性の計算像を取得し、
    前記関数空間内の複数の前記基底と係数との積の有限和で前記計算像を表し、
    前記計算像と前記顕微鏡像の各々の前記係数同士の差の絶対値の二乗和が予め定められた閾値よりも小さいときに前記顕微鏡像と前記計算像とが類似していると判断し、前記二乗和が前記閾値以上のときに前記顕微鏡像と前記計算像とが類似していない判断することにより、前記顕微鏡像と前記計算像とが類似しているか否かを判断し、
    前記判断において類似していないと判断した場合に、前記理論計算で使用する前記物性情報を変更し、
    変更後の前記物性情報を前記入力値とする前記理論計算により、前記計算モデルの電気的特性の計算像を取得し直し、
    前記計算像を取得し直した後、類似しているか否かの前記判断を再び行い、該判断において類似していると判断した場合に、前記試料が変更後の前記物性情報を有しているものと判断する、
    処理をコンピュータに実行させることを特徴とする試料評価プログラム。
  6. 走査プローブ顕微鏡を用いて得られた試料の電気的特性を表す顕微鏡像を取得し、
    関数空間内の複数の基底と係数との積の有限和で前記顕微鏡像を表し、
    前記試料の計算モデルを利用した理論計算において、前記計算モデルの物性情報を入力値とすることにより、前記計算モデルの電気的特性の計算像を取得し、
    前記関数空間内の複数の前記基底と係数との積の有限和で前記計算像を表し、
    前記顕微鏡像を表す前記係数と、前記計算像を表す前記係数との関数を用い、前記関数の値が予め定められた閾値よりも小さいか否かに応じて、前記顕微鏡像と前記計算像とが類似しているか否かを判断し、
    前記判断において類似していないと判断した場合に、前記理論計算で使用する前記物性情報を変更し、
    変更後の前記物性情報を前記入力値とする前記理論計算により、前記計算モデルの電気的特性の計算像を取得し直し、
    前記計算像を取得し直した後、類似しているか否かの前記判断を再び行い、該判断において類似していると判断した場合に、前記試料が変更後の前記物性情報を有しているものと判断する、
    処理をコンピュータに実行させることを特徴とする試料評価プログラム。
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