JPWO2004091661A1 - 糖尿病治療剤 - Google Patents

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Abstract

本発明の目的は、従来の糖尿病の治療法と比較して簡便、安全かつ効果的な治療方法を提供することである。1種又は2種以上の幹細胞動員因子を投与することにより、破壊された膵臓ランゲルハンス島β細胞が簡便かつ安全に修復される。よって、1種又は2種以上の幹細胞動員因子を有効成分とする本発明の治療剤は、糖尿病の治療に有用である。このような幹細胞動員因子としては、例えばG−CSFのようなコロニー刺激因子が挙げられる。

Description

本発明は、幹細胞動員因子を有効成分とする糖尿病治療剤、膵臓ランゲルハンス島β細胞再生剤、膵臓ランゲルハンス島β細胞破壊抑制剤に関するものである。また、本発明は、幹細胞動員因子を投与することを含む、膵臓ランゲルハンス島β細胞の製造方法に関するものである。
糖尿病は、インスリン作用の不足による慢性高血糖に、種々の特徴的な代謝異常を伴う疾患群である。代謝異常の長期間にわたる持続は特有の合併症を来たしやすく、動脈硬化症をも促進する。糖尿病はI型およびII型に大別できる。I型は発症機構として膵ランゲルハンス島β細胞破壊を特徴とし、II型はインスリン分泌低下とインスリン感受性の低下(インスリン抵抗性)の両者が発症に関わっている。膵ランゲルハンス島β細胞は、ランゲルハンス島(膵島)を構成する4つの分泌細胞(α細胞、β細胞、δ細胞、PP細胞)の1つであり、インスリンを分泌している。
本邦における糖尿病患者は約200万人いるといわれている。糖尿病に対する治療方法としては、食事療法、運動療法およびインスリンを含む薬物療法が用いられている。これらの療法により糖尿病はある程度コントロールできるが、それぞれの療法にはいまだ問題点が存在している。
すなわち、食事療法はカロリー制限さらには腎症を合併している場合タンパク質制限を行うが、この療法は毎日長期間にわたって続けなければならない。その上、患者本人あるいはその家族によってその大部分がコントロールされるため、脱落例も多いことが問題になっている。
運動療法もまた毎日続けることが重要だが、運動療法のみで食事療法がおろそかになると、食欲増加により糖尿病コントロールにはかえって逆効果である。
薬物療法としては、I型およびII型糖尿病の一部にインスリンが用いられている。しかし、血糖の低下には劇的な効果を有するが、連日の自己注射が必要であり対症治療でしかない。経口血糖下降剤にはスルフォニル尿素(SU)薬、ビグアナイド薬等がある。しかしながら、SU薬には漫然と使用することによるβ細胞の疲弊、ビグアナイド薬には乳酸アシドーシスの副作用の問題等がある。いずれの薬物も、対照的な治療として使用されているものであり、根本的な治療薬は存在しないのが現状である。近年、インスリン抵抗性改善薬として開発されたチアゾリジン誘導体もまた副作用が多く、有効例と無効例がはっきりと分かれる傾向にある。
現在、根本的な治療という概念で、胎性幹細胞を用いたβ細胞移植あるいは膵組織内β細胞前駆体に特定の遺伝子を発現させることによる分化誘導療法の試みが前臨床段階である。
近年、骨髄中にある幹細胞が多能性を有し、血管あるいは心筋細胞等に分化することが明らかになってきた。また、内胚葉組織である腸管細胞や膵臓β細胞にも骨髄由来細胞が分化し、再生に関与することが明らかになってきた。
ヒトG−CSFは顆粒球系造血幹細胞の分化誘導因子として発見された造血因子であり、生体内では好中球造血を促進することから、骨髄移植や癌化学療法後の好中球減少症治療剤として臨床応用されている。また、上記作用のほかにもヒトG−CSFは幹細胞に作用してその分化増殖を刺激する作用や骨髄中の幹細胞を末梢血中に動員する作用がある。実際に後者の作用に基づいて、臨床の現場では強力な化学療法を施行した後の癌患者の造血回復促進を目的として、ヒトG−CSFにより動員された末梢血造血幹細胞を移植する末梢血幹細胞移植術が行われている。
本発明は、従来の糖尿病の治療法と比較して簡便、安全かつ効果的な治療方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、G−CSFの幹細胞動員作用を利用して破壊された臓器等の修復効果について検討した。その結果、破壊された膵臓ランゲルハンス島β細胞がG−CSF投与により修復され、G−CSFが糖尿病治療剤として有用であることを見出した。本発明はこの知見に基づき完成したものである。
すなわち、本発明は、幹細胞動員因子を有効成分とする糖尿病治療剤を提供するものである。
また、本発明は、幹細胞動員因子を有効成分とする膵臓ランゲルハンス島β細胞再生剤を提供する。
さらに、本発明は、幹細胞動員因子を有効成分とする膵臓ランゲルハンス島β細胞破壊抑制剤を提供する。
さらに、本発明は、(a)幹細胞動員因子を投与後、幹細胞を採取する工程、および(b)採取された幹細胞を膵臓ランゲルハンス島β細胞に分化誘導する工程、を含む膵臓ランゲルハンス島β細胞の製造方法を提供する。
図1は、G−CSF投与が血中グルコース濃度に与える影響を示すグラフである。
図2は、膵ランゲルハンス島β細胞を抗インスリン抗体で免疫染色した図である。左図は正常マウス組織、右上図はストレプトゾシン投与後溶媒を投与したマウス組織、右下図はストレプトゾシン投与後G−CSFを投与したマウス組織を示す。
本発明の糖尿病治療剤は、幹細胞動員因子を有効成分とする。
本発明の糖尿病治療剤が対象とする糖尿病は特に限定されず、I型糖尿病とII型糖尿病のどちらでもよいが、好ましくはII型糖尿病である。
幹細胞としては、胚幹細胞(ES細胞)、膵臓導管に有る未分化な細胞、肝臓の肝幹細胞、腸管幹細胞などを挙げることができる。
幹細胞動員因子は幹細胞動員作用を有する限りどのようなものを用いてもよい。幹細胞動員因子の具体的な例としては、例えば、コロニー刺激因子(顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)など)、幹細胞因子(SCF)、エリスロポエチン(EPO)などを挙げることができるが、好ましくはコロニー刺激因子であり、さらに好ましくは顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)である。
本発明の糖尿病治療剤の有効成分として好適なG−CSFは、どのようなG−CSFでも用いることができるが、好ましくは高度に精製されたG−CSFであり、より具体的には、哺乳動物G−CSF、特にヒトG−CSFと実質的に同じ生物学的活性を有するものである。G−CSFの由来は特に限定されず、天然由来のG−CSF、遺伝子組換え法により得られたG−CSFなどを用いることができるが、好ましくは遺伝子組換え法により得られたG−CSFである。遺伝子組換え法により得られるG−CSFには、天然由来のG−CSFとアミノ酸配列が同じであるもの(配列番号1を参照)、あるいは該アミノ酸配列中の1または複数のアミノ酸を欠失、置換、付加等したもので、天然由来のG−CSFと同様の生物学的活性を有するもの等であってもよい。アミノ酸の欠失、置換、付加などは当業者に公知の方法により行うことが可能である。例えば、当業者であれば、部位特異的変異誘発法(Gotoh,T.et al.(1995)Gene 152,271−275;Zoller,M.J.and Smith,M.(1983)Methods Enzymol.100,468−500;Kramer,W.et al.(1984)Nucleic Acids Res.12,9441−9456;Kramer,W.and Fritz,H.J.(1987)Methods Enzymol.154,350−367;Kunkel,T.A.(1985)Proc.Natl.Acad.Sci.USA.82,488−492;Kunkel(1988)Methods Enzymol.85,2763−2766)などを用いて、G−CSFのアミノ酸に適宜変異を導入することにより、G−CSFと機能的に同等なポリペプチドを調製することができる。また、アミノ酸の変異は自然界においても生じうる。一般的に、置換されるアミノ酸残基においては、アミノ酸側鎖の性質が保存されている別のアミノ酸に置換されることが好ましい。例えばアミノ酸側鎖の性質としては、疎水性アミノ酸(A、I、L、M、F、P、W、Y、V)、親水性アミノ酸(R、D、N、C、E、Q、G、H、K、S、T)、脂肪族側鎖を有するアミノ酸(G、A、V、L、I、P)、水酸基含有側鎖を有するアミノ酸(S、T、Y)、硫黄原子含有側鎖を有するアミノ酸(C、M)、カルボン酸及びアミド含有側鎖を有するアミノ酸(D、N、E、Q)、塩基含有側鎖を有するアミノ離(R、K、H)、芳香族含有側鎖を有するアミノ酸(H、F、Y、W)を挙げることができる(括弧内はいずれもアミノ酸の一文字標記を表す)。あるアミノ酸配列に対する1又は複数個のアミノ酸残基の欠失、付加及び/又は他のアミノ酸による置換により修飾されたアミノ酸配列を有するポリペプチドがその生物学的活性を維持することはすでに知られている(Mark,D.F.et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1984)81,5662−5666;Zoller,M.J.& Smith,M.Nucleic Acids Research(1982)10,6487−6500;Wang,A.et al.,Science 224,1431−1433;Dalbadie−McFarland,G.et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1982)79,6409−6413)。
又、G−CSFと他のタンパク質との融合タンパク質を用いることも可能である。融合ポリペプチドを作製するには、例えば、G−CSFをコードするDNAと他のタンパク質をコードするDNAをフレームが一致するように連結してこれを発現ベクターに導入し、宿主で発現させればよい。本発明のG−CSFとの融合に付される他のタンパク質としては、特に限定されない。
又、化学修飾したG−CSFを用いることも可能である。化学修飾したG−CSFの例としては、例えば、糖鎖の構造変換・付加・欠失操作を行ったG−CSFや、ポリエチレングリコール・ビタミンB12等、無機あるいは有機化合物等の化合物を結合させたG−CSFなどを挙げることができる。
本発明で用いるG−CSFは、いかなる方法で製造されたものでもよく、例えば、ヒト腫瘍細胞やヒトG−CSF産生ハイブリドーマの細胞株を培養し、これから種々の方法で抽出し分離精製したG−CSF、あるいは遺伝子工学的手法により大腸菌、イースト菌、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO細胞)、C127細胞、COS細胞、ミエローマ細胞、BHK細胞、昆虫細胞、などに産生せしめ、種々の方法で抽出し分離精製したG−CSFなどを用いることができる。本発明において用いられるG−CSFは、遺伝子工学的手法により製造されたG−CSFが好ましく、哺乳動物細胞(特にCHO細胞)を用いて製造されたG−CSFが好ましい(例えば、特公平1−44200号公報、特公平2−5395号公報、特開昭62−129298号公報、特開昭62−132899号公報、特開昭62−236488号公報、特開昭64−85098号公報)。
本発明の糖尿病治療剤には、その投与方法や剤型に応じて必要により、懸濁化剤、溶解補助剤、安定化剤、等張化剤、保存剤、吸着防止剤、海面活性化剤、希釈剤、賦形剤、pH調整剤、無痛化剤、緩衝剤、含硫還元剤、酸化防止剤等を適宜添加することができる。
懸濁剤の例としては、メチルセルロース、ポリソルベート80、ヒドロキシエチルセルロース、アラビアゴム、トラガント末、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート等を挙げることができる。
溶液補助剤としては、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリソルベート80、ニコチン酸アミド、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、マグロゴール、ヒマシ油脂肪酸エチルエステル等を挙げることができる。
安定化剤としては、デキストラン40、メチルセルロース、ゼラチン、亜硫酸ナトリウム、メタ亜硫酸ナトリウム等を挙げることができる。
等張化剤としては例えば、D−マンニトール、ソルビート等を挙げることができる。
保存剤としては例えば、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、ソルビン酸、フェノール、クレゾール、クロロクレゾール等を挙げることができる。
吸着防止剤としては例えば、ヒト血清アルブミン、レシチン、デキストラン、エチレンオキサイド・プロピレンオキサイド共重合体、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリエチレングリコール等を挙げることができる。
含硫還元剤としては例えば、N−アセチルシステイン、N−アセチルホモシステイン、チオクト酸、チオジグリコール、チオエタノールアミン、チオグリセロール、チオソルビトール、チオグリコール酸及びその塩、チオ硫酸ナトリウム、グルタチオン、炭素原子数1〜7のチオアルカン酸等のスルフヒドリル基を有するもの等が挙げられる。
酸化防止剤としては例えば、エリソルビン酸、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、α−トコフェロール、酢酸トコフェロール、L−アスコルビン酸及びその塩、L−アスコルビン酸パルミテート、L−アスコルビン酸ステアレート、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、没食子酸トリアミル、没食子酸プロピルあるいはエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(EDTA)、ピロリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム等のキレート剤が挙げられる。
さらには、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、炭酸水素ナトリウムなどの無機塩;クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、酢酸ナトリウムなどの有機塩などの通常添加される成分を含んでいてもよい。
本発明の糖尿病治療剤は、注射剤(皮下、皮内、筋肉内、静脈内、腹腔内、など)として、または経皮、経粘膜、経鼻などの投与に適した剤形、又は経口投与に適した剤形(錠剤、カプセル剤、顆粒剤、液剤、懸濁剤など)として投与することが可能である。本発明は投与経路や剤形などによって限定されるものではない。
本発明の幹細胞動員因子を有効成分とする糖尿病治療剤の投与量、投与回数は対象の疾患患者の病状を配慮して当業者が適宜決定することができるが、通常、成人一人あたり0.1〜500μg/kg/day、好ましくは1〜50μg/kg/dayの用量で幹細胞動員因子を投与することができる。投与回数は一週間に1〜7日間投与することができる。しかし、本発明は幹細胞動員因子の用量によって限定されるものではない。
本発明の糖尿病治療剤を投与することにより骨髄中および末梢血中の幹細胞を増加させた後、細胞を集めて試験管内でβ細胞に分化誘導させることが可能である。分化誘導させたβ細胞は体内に戻して治療に用いることができる。
ヒトG−CSFはすでに好中球減少症治療剤などとして臨床応用されているため、ヒトG−CSFを投与することは、末梢血中に幹細胞を動員し、破壊された膵β細胞を補うことに特に好適である。
幹細胞動員因子以外のβ細胞再生因子を投与する場合、同時に幹細胞動員因子を投与することにより治療効果の増大が考えられる。幹細胞動員因子を用いた糖尿病の治療は、SU薬、ビグアナイド薬およびチアゾリジン誘導体薬等、現在糖尿病に用いられている薬物の投与とともに行ってもその治療効果が増大することが期待できる。さらに、複数の幹細胞動員因子を同時に投与することも可能である。又、遺伝子治療との併用や、幹細胞動員因子をコードする遺伝子を用いて本発明の糖尿病治療剤自体を遺伝子治療に応用することも可能である。
実施例1および図2に示すように、糖尿病モデルマウスにおいては膵β細胞が破壊されているが、G−CSFを投与することにより、ある程度のβ細胞の存在が確認された。したがって、本発明の糖尿病治療剤は、膵臓ランゲルハンス島β細胞の破壊抑制剤または再生剤としても有効である。
さらに、本発明は、幹細胞動員因子を投与後に、幹細胞を採取し、採取された幹細胞を膵臓ランゲルハンス島β細胞に分化誘導することを特徴とする膵臓ランゲルハンス島β細胞の製造方法に関するものである。
幹細胞は公知の方法、例えば末梢血から単核球を分取する方法や、CD34、c−kit又はCD133などの幹細胞マーカーをもった血液をソーティングして幹細胞画分とする方法などにより採取することが可能である。
膵臓ランゲルハンス島β細胞に分化誘導する方法としては、特に限定されないが、膵臓ランゲルハンス島β細胞分化誘導因子と伴に培養する方法、膵臓ランゲルハンス島β細胞分化誘導因子を幹細胞に処置する方法、細胞融合により増殖させる方法などを挙げることができる。
本発明に用いる膵臓ランゲルハンス島β細胞分化因子は、幹細胞を膵臓ランゲルハンス島β細胞に分化誘導できる因子であれば特に限定されない。そのような因子の具体例としては、例えば、bFGF、Reg遺伝子、TGF、IGF1、アクチビンA、NGF、VEGF、インターフェロンなどが挙げられる。
本発明の方法は自己の骨髄細胞をβ細胞に分化誘導させるので、現在考えられている胎性幹細胞を用いたβ細胞移植よりも拒絶反応が少なく、倫理的な面でも優れていると考えられる。さらに、根本治療となり得るので、糖尿病患者をインスリン注射から解放することが可能となり、生活の質を著しく改善し得る。
以下、本発明を実験例を挙げて説明する。
実験例1
マウスにストレプトゾシンを100mg/kgの用量で腹腔内投与することによって、膵臓の細胞を破壊して糖尿病モデルを作製した。ストレプトゾシン投与一日後からG−CSF300μg/kgあるいは溶媒を1日1回皮下に連日9日間投与した。ストレプトゾシン投与前、投与1、2、4、7、14および22日後に血中グルコース濃度の測定を行った。結果を図1に示す。ストレプトゾシン投与マウスではストレプトゾシン投与後より血中グルコース濃度が上昇するが、G−CSF投与群では溶媒投与群と比較して血中グルコース濃度が低値であった。
さらに、同様な実験でストレプトゾシンを160mg/kgの用量で腹腔内投与し、投与翌日よりG−CSF300μg/kgあるいは溶媒を1日1回皮下に連日8日間投与した。ストレプトゾシン投与2週後に膵臓を摘出して凍結切片を作製し、抗インスリン抗体で免疫染色することによって膵ランゲルハンス島のβ細胞を染色し、正常マウス膵臓と比較した。結果を図2に示す。ストレプトゾシン投与により、溶媒投与群ではβ細胞が破壊されているが(右上図)、G−CSF投与群ではある程度のβ細胞の存在が認められた(右下図)。これは、ストレプトゾシンによる膵臓ランゲルハンス島β細胞の破壊がG−CSF投与によって減少あるいは破壊されたβ細胞が再生するからであると考えられる。
産業上の利用の可能性
本発明により、糖尿病の根本治療が期待でき、患者の生活の質を著しく改善し得る。本発明による治療は、従来の治療法と比較して、簡便、安全かつ効果的である。
【配列表】
Figure 2004091661
Figure 2004091661

Claims (13)

  1. 1種又は2種以上の幹細胞動員因子を有効成分とする糖尿病治療剤。
  2. 幹細胞動員因子がコロニー刺激因子である請求項1に記載の糖尿病治療剤。
  3. コロニー刺激因子が顆粒球コロニー刺激因子である請求項2に記載の糖尿病治療剤。
  4. 1種又は2種以上の幹細胞動員因子を有効成分とする膵臓ランゲルハンス島β細胞再生剤。
  5. 幹細胞動員因子がコロニー刺激因子である請求項4に記載の再生剤。
  6. コロニー刺激因子が顆粒球コロニー刺激因子である請求項5に記載の再生剤。
  7. 1種又は2種以上の幹細胞動員因子を有効成分とする膵臓ランゲルハンス島β細胞破壊抑制剤。
  8. 幹細胞動員因子がコロニー刺激因子である請求項7に記載の抑制剤。
  9. コロニー刺激因子が顆粒球コロニー刺激因子である請求項8に記載の抑制剤。
  10. (a)1種又は2種以上の幹細胞動員因子を投与後、幹細胞を採取する工程、および
    (b)採取された幹細胞を膵臓ランゲルハンス島β細胞に分化誘導する工程、
    を含む膵臓ランゲルハンス島β細胞の製造方法。
  11. 糖尿病治療剤を製造するための1種又は2種以上の幹細胞動員因子の使用。
  12. 膵臓ランゲルハンス島β細胞再生剤を製造するための1種又は2種以上の幹細胞動員因子の使用。
  13. 膵臓ランゲルハンス島β細胞破壊抑制剤を製造するための1種又は2種以上の幹細胞動員因子の使用。
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