JPWO2004088298A1 - キャビティ電極構造体及びそれを用いた蛋白質検出デバイス - Google Patents
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Abstract
Description
このヒトゲノム計画は、ライフサイエンスにかかわりを持つ科学技術並びに産業に対して大きなパラダイムの変化をもたらした。例えば糖尿病は、血糖値が高くなるという病状に基づいて分類が行われ、発症の原因として患者の体内でインシュリン産成能がどの程度あるかに基づいてI型(体内でインシュリンを産成できない)、II型(体内でインシュリン量の調整ができない)のような分類が行われてきた。ヒトゲノム計画は、血糖の検出とインシュリンの合成、分解などの調節に係わっている酵素やレセプターなどの蛋白質のアミノ酸配列構造、並びにそのような蛋白質の存在量の制御に係わっている遺伝子のDNA配列の情報を全て提示している。このような情報を使うと、血糖値の調節が正常に行われないという現象としての糖尿病は、血糖の検出、インシュリンの合成、分解などの一連の処理に係わるそれぞれの蛋白質のどれが不調なのかによって、サブタイプに分類でき、それにより適切な診断と治療を行うことが可能になるはずである。特に、製薬業界ではヒトゲノム配列に基づいて特定の蛋白質に対する薬剤を開発するゲノム創薬が精力的に進められており、このような一連の機能的にかかわりのある蛋白質の状態を把握してゲノム創薬薬剤を投与し、症状の緩和や治癒を行う時代がくると予想される。
このような一連の機能的にかかわりのある蛋白質の存在量を簡便に測定できる技術は、プロテオーム解析技術として発展途上にある。現在確立された方法として、二次元電気泳動と質量分析機の組み合わせで測定が行われているが、これには比較的大がかりな装置が必要になる。臨床の現場、例えば病院の検査室やベッドサイドで、患者の症状を把握するためには、より簡便な新たな技術の開発が必要とされている。
いわゆるDNAチップは、測定対象である試料中のDNAを予めPCR反応(polymerase chain reaction)によって増幅(増量)する際に蛍光色素を導入し、チップにアレイ状に配した相補DNA鎖と結合した試料中のDNA量を蛍光強度によって定量しようとするものである。それに対し、蛋白質は、DNAの場合のPCR反応による増幅に相当するものを行うことができない。また、試料中に多種類の蛋白質が混合された状態で存在する場合に、蛍光標識を一様に導入することは個々の蛋白質と色素との反応性が異なるために用いることができないという問題があった。
近年、半導体加工技術を用いた蛋白質検出デバイスの作製が模索されており、検出用のエレメントとしてDNAなどの生体高分子を利用することも試みられている。そうした生体高分子を用いたデバイスでは、検出用のDNAを一対の電極間に固定して配置し、DNAを介して流れる電流の変化を測定して蛋白質の検出や定量が行われるのが一般的である。しかし、最先端の半導体加工技術を用いても、DNAの大きさに相当する数nm〜数10nmの間隔の一対の電極を精度よく形成することは非常に困難である。例えば、特開平3−128449号公報に開示されている技術では、一対の電極を同一基板の表面に半導体ホトリソグラフィー工程により付着させてバイオセンサーを作製している。また、特表2000−501503号公報に開示されている技術では、基板表面をエッチングで加工し、加工部分にホトリソグラフィー工程により電極を付着させ、この基板にもう1枚の基板を貼り合わせるという複雑な工程でバイオセンサーを形成している。これらのセンサーの構造は従来の半導体ホトリソグラフィープロセスの空間分解能に依存する部分が多く、ナノメートルスケールの生体分子を取り扱うには不十分であり、その反面最先端装置を用いることから掛かるコストは莫大である。
本発明の別の目的は、この電極構造体を用いたセンサー及び蛋白質検出デバイスを提供することである。
本発明のキャビティ電極構造体は、第一の電極、この第一の電極上に位置し、第一の電極を部分的に露出する貫通孔を有する絶縁層、及びこの絶縁層の貫通孔の内側に向かって張り出して第一の電極の露出面に対向し、絶縁層の貫通孔に通じる開口を備えた第二の電極を含み、第一の電極の露出面と、絶縁層の貫通孔の内壁と、第二の電極の第一の電極に対向する面とによって形成されたキャビティを有する構造体である。このキャビティ構造は薄膜形成技術により形成でき、そのためナノメートルスケールの生体高分子を取扱うのに適合している。
本発明のセンサーは、一端が上記キャビティ電極構造体の第一の電極の露出面に固定され、他端が第二の電極の対向面に固定されている架橋部材であって、検出対象物質に特異的に結合する部位を有する導電性の架橋部材を含むセンサーである。このセンサーは、それを検出対象物質を含む雰囲気に置いたときに、検出対象物質が上記部位に結合することにより生じる架橋部材の導電性の変化により検出対象物質の検出を可能にする。
本発明の蛋白質検出デバイスは、上記センサーを蛋白質の検出に適用したものに相当する。具体的に言うと、この蛋白質検出デバイスは、一端が上記電極構造体の第一の電極の露出面に固定され、他端が第二の電極の対向面に固定されている架橋部材であって、検出対象蛋白質に特異的に結合する部位を有する導電性の架橋部材を含む蛋白質検出デバイスである。このデバイスは、それを検出対象蛋白質を含む雰囲気に置いたときに、検出対象蛋白質が上記部位に結合することにより生じる架橋部材の導電性の変化により検出対象蛋白質を検出する。
図2は、本発明による蛋白質検出デバイスを説明する模式図である。
図3は、図2の蛋白質検出デバイスによる蛋白質検出の説明図である。
図4A〜4Cは、本発明の蛋白質検出デバイスのキャビティの製作を説明する模式図である。
図5A及び5Bは、蛋白質検出デバイスのキャビティ内に架橋部材のDNAを固定するのを説明する模式図である。
図6は、検出準備を調えた蛋白質検出デバイスの模式図である。
図7は、検出作業時の蛋白質検出デバイスの模式図である。
本発明の電極構造体は、キャビティを形成して向き合う第一及び第二の電極間に、例えばDNAの先端をそれぞれ固定して配置し、DNAの電気的特性(導電性であるか半導体的特性であるか)を調べたり、塩基配列の違いによってその電気的特性が変化するかどうかを調べたり、あるいはDNAの電気的特性が周囲環境の影響をどのように受けるかを調べたりする研究に利用することができる。あるいは、第一及び第二の電極間に特定の物質を配置し、その電気特性を調べることにより、様々な物質を分子素子に応用する研究に利用することもできる。これら以外にも、本発明の電極構造体は、様々な物質の分子レベルでの電気的特性が関連する様々な分野の研究への応用が可能である。
本発明の電極構造体における対向する電極間の間隔は、100nm以下である。その理由は、本発明の電極構造体で取り扱われるDNA分子、あるいは分子素子を構成する分子などの長さが、通常数nm〜数十nm程度であるからである。このような極めて短い分子を対向する電極間に固定するためには、電極間のギャップは相応して狭くなければならない。数nm〜数十nm程度という狭いギャップで対向する一対の電極を、半導体加工プロセスで用いられるホトリソグラフィー技術で作ることは非常に難しく、それでいてかかる経費は著しく高い。
本発明の電極構造体の模式図を図1に示す。この図の電極構造体10において、対向する電極12、14間のギャップはそれらの間に介在する絶縁層16の厚さによって決まる。絶縁層16は、薄膜形成技術で形成され、そしてこの技術によれば、数nm〜数十nm程度の厚さの層を形成するのは極めて容易である。その上、形成する絶縁層16の厚みを思いどおりに変えることもできる。従って、薄膜技術によって製造できる本発明の電極構造体は、ホトリソグラフィー技術に依存する通常のプレーナープロセスやマイクロマシン加工プロセスを利用するのに比べて、はるかに精度よく、再現性よく、且つ安価に製造することが可能である。上方の電極14に開口14aを開けるのにも、絶縁層16に貫通孔16aを開けるのにもホトリソグラフィー技術が用いられるが、開口14aの幅又は直径Aは一般に1〜100μm程度、貫通孔16aの幅又は直径Bは一般に1〜1000μm程度でよく、従ってそれらの形成に要求される加工精度は、電極間のギャップの間隔を支配する絶縁層の厚さの精度に比べれば、それほど厳しくはない。それゆえ、絶縁膜の貫通孔形成にはホトリソグラフィーで十分である。
本発明の電極構造体の対向する電極の一方に一端が固定され、他端がもう一方に固定されるようにして、電極間のギャップに橋架けして両者を連絡する導電性の部材(本発明ではこの部材を「架橋部材」と呼ぶことにする)であって検出対象物質に特異的に結合する部位(結合部位)を有する部材を設けることによって、本発明の電極構造体をセンサーとして利用することができる。本発明のセンサーは、検出対象物質を含む雰囲気に置かれたときに、検出対象物質が上記部位に結合することにより生じる架橋部材の導電性の変化によって、検出対象物質を検出することができる。検出対象物質は液相中に存在しても気相中に存在してもよい。言い換えれば、本発明のセンサーは液相あるいは気相中の特定の検出対象物質の検出に使用することができる。
例えば、本発明のセンサーにより蛋白質を検出しようとする場合には、架橋部材をポリヌクレオチドに代表される生体高分子で作り、抗体、アプタマー、又は低分子量有機化合物(例えばビオチン)等を蛋白質検出体として生体高分子鎖の途中に付着させることができる。この蛋白質検出体が、検出対象物質の蛋白質に特異的に結合する部位を構成する。また、本発明のセンサーにより核酸を検出しようとする場合には、検出対象の核酸に対して相補的配列を持つ、例えば10〜50残基の、オリゴヌクレオチド鎖を架橋部材として使用することができる。この場合には、オリゴヌクレオチド鎖自体が検出対象物質である核酸と特異的に結合する部位となり、そして相補的な配列を持つDNA又はRNAがオリゴヌクレオチド鎖架橋部材に結合することにより生じる架橋部材の電気特性の変化を通じて核酸を検出することができる。
図2に、本発明のセンサーを適用した蛋白質検出デバイス20を示す。下部電極22の上に貫通孔24aを持つ絶縁層24が位置し、その上に、貫通孔24aに通じ、貫通孔24aの幅ないし直径より小さい幅ないし直径の開口26aを持つ上部電極が位置している。下部電極22の露出面(上面)と、絶縁層24に設けた貫通孔24aの内壁と、上部電極26の下部電極22の露出面に対向する面(下面)とによってキャビティが形成され、このキャビティは貫通孔24aの内容積に実質的に等しい容積を有する。
架橋部材として、DNA 28がキャビティに橋架けして下部電極22と上部電極26とを連絡している。DNA 28の中間部には、検出対象の蛋白質に特異的に結合する部位として働く蛋白質検出体30が付着している。蛋白質検出体30としては、検出対象蛋白質に特異的に結合する、抗体、アプタマー、低分子量化学物質(例えばビオチン)などの、任意の物質を使用することができる。
図2に示した蛋白質検出デバイス20は、下部電極22と上部電極26に接続し、蛋白質検出体30に検出対象蛋白質が結合することにより生じる電気特性の変化を示す信号(データ)を処理する信号処理装置34と、信号処理装置34からの出力を表示する信号モニタ36を備えている。
蛋白質検出デバイス20により蛋白質の検出を行う際には、図3に示すように、検出対象蛋白質42を含有する溶液40をデバイス20に供給し、蛋白質検出体30を付着したDNA 28の位置するキャビティ内に溶液40を満たす。下部電極22と上部電極26の間には、検出作業の開始前に定電圧あるいは定電流をかけておく。蛋白質42が蛋白質検出体30に結合したことによりDNA 28の電気特性が変化したなら、それを電流値又は電圧値の変化として信号処理装置34で検出して、モニタ36に出力する。それにより、検出対象蛋白質の有無をリアルタイムで検出することができる。
電気信号の大きさから対象蛋白質の量を測定することも可能となる。
更に、蛋白質検出体を異にする複数の蛋白質検出デバイスをアレイ状に配置したものを使用すれば、試料中の蛋白質の種類を特定することが可能となる。
いずれの場合も、本発明の蛋白質検出デバイスでは検出に電気信号を用いているため、検出対象蛋白質への標識を必要としない。
この例では、アビジン蛋白と特異的に結合するビオチンを付着させたDNAを用いた蛋白質検出デバイスを説明する。
シリコン基板(図示せず)上に、金(Au)の下部電極層52、SiO2の絶縁層54、及び金(Au)の上部電極層56を順次形成する(図4A)。絶縁層54の厚さは、対向電極間の架橋部材となるDNAの長さ、例えば10nmに対応した厚さとする。下部及び上部電極層52、56の厚さは、例えばそれぞれ0.1μm及び0.1μmとする。次に、図4Bに示したように、蛋白質検出デバイスを製作しようとする部分の上部電極層56に、例えばArのイオンエッチングで孔56a(例えば直径50μm)を開ける。続いて、例えばウェットエッチングで絶縁層54をアンダーエッチングして、図4Cに示したように孔56aの下にキャビティ58(例えば直径60μm)を形成する。
図5Aに示したように、キャビティ58を画定する上部電極層56の下方の露出面と下部電極層52の露出面のそれぞれに、SHあるいはSS末端を持つ一本鎖DNA 60を自己組織化させて固定する。次に、図5Bに示したように、一本鎖DNAにビオチン62を付着させた相補鎖DNA 64を供給して、電極層52、56に固定した一本鎖DNA 60に会合させ、蛋白質検出デバイスを得る。
図6に示したように、蛋白質検出デバイスの下部及び上部電極層52、56を信号処理装置66に接続し、そしてこの信号処理装置66を信号モニタ68に接続する。下部及び上部電極層52と56の間に電圧を印加し、そして蛋白質検出デバイスのキャビティに検査対象の溶液70を流し込むと(図7)、溶液70中にアビジン72が存在する場合は、それがビオチン62と特異的に結合し、電極52と56間に印加した電気信号に変化が起こる。この変化を詳細に観察することにより、検査対象溶液中のアビジンの有無と量をリアルタイムで知ることができる。
上記の例では、電極層の材料に金を用いているが、金以外の金属材料、例えば白金などを使用することも可能である。一般に、電極層材料は、導電性で、且つ架橋部材を付着させることが可能な任意の材料でよい。例えば、不純物をドープした半導体を電極層材料として用いてもよい。絶縁層の材料も、絶縁性薄膜を形成可能な任意の材料でよく、上記のSiO2に限らず、例えばSiNxなども使用可能である。このような半導体酸化物又は半導体窒化物以外の絶縁層材料の例として、ポリイミド等の有機高分子材料やアンドープの絶縁性半導体を挙げることもできる。
上記の例では、ポリヌクレオチドである架橋部材のDNAを電極層に固定するのに一本鎖DNAのSHあるいはSS末端を用いているが、アミノ基やカルボキシル基を電極表面に付着させ、それに一本鎖DNAを付着させることで固定を行ってもよい。
上記の例では、蛋白質の検出に当てられるDNA架橋部材が結合した部分以外の電極表面は露出されたままである。架橋部材が結合していない部分の電極面は、例えばSAM(Self Assembled Membrane)膜のような絶縁物で保護してもよく、あるいは絶縁性の有機物(例えばエポキシ系接着剤など)又は無機物(例えば金属酸化物や半導体酸化物など)を付着させて保護してもよい。
更に、上記実施例では一つの蛋白質検出デバイスについて記述しているが、例えば、ビオチン以外の蛋白質検出体を付着させたDNAを架橋部材として使用するデバイスを含めた複数のデバイスを一次元あるいは二次元に配列させることで、多種類の蛋白質を含んだ試料の同時検査も可能である。
産業上の利用分野
本発明によれば、非常に安価な方法で精度よく且つ再現性よく形成したナノメートルスケールのギャップを備えたセンサーないしデバイスを提供することが可能である。また、蛋白質などの検出対象物質への標識を必要とせず、電気信号の大きさから検出対象物質の有無及び量を検出することが可能となり、また、複数のデバイスをアレイ状に配列することにより試料中の検出対象物質の種類を特定することが可能となる。そのような検出や特定は、リアルタイムで行うことができる。更に、検出対象物質の検出に電気信号を用いているため、これまで一般的であった蛍光を観察する手法に比べ、大掛かりな光学的な装置が必要なく、装置の小型化、低コスト化に寄与するところが大きい。
(付記1)第一の電極、この第一の電極上に位置し、第一の電極を部分的に露出する貫通孔を有する絶縁層、及びこの絶縁層の貫通孔の内側に向かって張り出して第一の電極の露出面に対向し、絶縁層の貫通孔に通じる開口を備えた第二の電極を含み、第一の電極の露出面と、絶縁層の貫通孔の内壁と、第二の電極の第一の電極に対向する面とによって形成されたキャビティを有するキャビティ電極構造体。
(付記2)前記第一及び第二の電極間の間隔が100nm以下である、付記1記載のキャビティ電極構造体。
(付記3)前記絶縁層の貫通孔の幅又は直径が1〜1000μmである、付記1又は2記載のキャビティ電極構造体。
(付記4)前記第二の電極の開口の幅又は直径が1〜100μmである、付記1から3までのいずれか1つに記載のキャビティ電極構造体。
(付記5)前記第一及び第二の電極の材料が金属又は不純物をドープした半導体である、付記1から4までのいずれか1つに記載のキャビティ電極構造体。
(付記6)第一の電極、この第一の電極上に位置し、第一の電極を部分的に露出する貫通孔を有する絶縁層、及びこの絶縁層の貫通孔の内側に向かって張り出して第一の電極の露出面に対向し、絶縁層の貫通孔に通じる開口を備えた第二の電極を含み、第一の電極の露出面と、絶縁層の貫通孔の内壁と、第二の電極の第一の電極に対向する面とによって形成されたキャビティを有する電極構造体を含み、この電極構造体の第一の電極の露出面に一端が固定され、他端が第二の電極の対向面に固定されている架橋部材であって、検出対象物質に特異的に結合する部位を有する導電性の架橋部材を更に含むセンサー。
(付記7)前記第一及び第二の電極間の間隔が100nm以下である、付記6記載のセンサー。
(付記8)前記絶縁層の貫通孔の幅又は直径が1〜1000μmである、付記6又は7記載のセンサー。
(付記9)前記第二の電極の開口の幅又は直径が1〜100μmである、付記6から8までのいずれか1つに記載のセンサー。
(付記10)前記第一及び第二の電極の材料が金属又は不純物をドープした半導体である、付記6から9までのいずれか1つに記載のセンサー。
(付記11)前記架橋部材が生体高分子である、付記6から10までのいずれか1つに記載のセンサー。
(付記12)前記生体高分子がポリヌクレオチドである、付記11記載のセンサー。
(付記13)検出対象物質に特異的に結合する前記部位が抗体、アプタマー、又は低分子量有機化合物により構成されている、付記11又は12記載のセンサー。
(付記14)前記生体高分子が前記検出対象物質に対し相補的配列の残基を持つオリゴヌクレオチドである、付記11記載のセンサー。
(付記15)第一の電極、この第一の電極上に位置し、第一の電極を部分的に露出する貫通孔を有する絶縁層、及びこの絶縁層の貫通孔の内側に向かって張り出して第一の電極の露出面に対向し、絶縁層の貫通孔に通じる開口を備えた第二の電極を含み、第一の電極の露出面と、絶縁層の貫通孔の内壁と、第二の電極の第一の電極に対向する面とによって形成されたキャビティを有する電極構造体を含み、この電極構造体の第一の電極の露出面に一端が固定され、他端が第二の電極の対向面に固定されている架橋部材であって、検出対象蛋白質に特異的に結合する部位を有する導電性の架橋部材を更に含む蛋白質検出デバイス。
(付記16)前記第一及び第二の電極間の間隔が100nm以下である、付記15記載の蛋白質検出デバイス。
(付記17)前記絶縁層の貫通孔の幅又は直径が1〜1000μmである、付記15又は16記載の蛋白質検出デバイス。
(付記18)前記第二の電極の開口の幅又は直径が1〜100μmである、付記15から17までのいずれか1つに記載の蛋白質検出デバイス。
(付記19)前記第一及び第二の電極の材料が金属又は不純物をドープした半導体である、付記15から18までのいずれか1つに記載の蛋白質検出デバイス。
(付記20)前記架橋部材が生体高分子である、付記15から19までのいずれか1つに記載の蛋白質検出デバイス。
(付記21)前記生体高分子がポリヌクレオチドである、付記20記載の蛋白質検出デバイス。
(付記22)検出対象蛋白質に特異的に結合する前記部位が抗体、アプタマー、又は低分子量有機化合物により構成されている、付記20又は21記載の蛋白質検出デバイス。
(付記23)前記絶縁層の材料が半導体の酸化物もしくは窒化物、又は有機高分子材料である、付記15から22までのいずれか1つに記載の蛋白質検出デバイス。
(付記24)前記下部電極と上部電極に接続し、前記検出対象蛋白質に特異的に結合する部位に検出対象蛋白質が結合することにより生じる電気特性の変化を示す信号を処理するための信号処理装置を更に含む、付記15から23までのいずれか1つに記載の蛋白質検出デバイス。
Claims (24)
- 第一の電極、この第一の電極上に位置し、第一の電極を部分的に露出する貫通孔を有する絶縁層、及びこの絶縁層の貫通孔の内側に向かって張り出して第一の電極の露出面に対向し、絶縁層の貫通孔に通じる開口を備えた第二の電極を含み、第一の電極の露出面と、絶縁層の貫通孔の内壁と、第二の電極の第一の電極に対向する面とによって形成されたキャビティを有するキャビティ電極構造体。
- 前記第一及び第二の電極間の間隔が100nm以下である、請求項1記載のキャビティ電極構造体。
- 前記絶縁層の貫通孔の幅又は直径が1〜1000μmである、請求項1又は2記載のキャビティ電極構造体。
- 前記第二の電極の開口の幅又は直径が1〜100μmである、請求項1から3までのいずれか1つに記載のキャビティ電極構造体。
- 前記第一及び第二の電極の材料が金属又は不純物をドープした半導体である、請求項1から4までのいずれか1つに記載のキャビティ電極構造体。
- 第一の電極、この第一の電極上に位置し、第一の電極を部分的に露出する貫通孔を有する絶縁層、及びこの絶縁層の貫通孔の内側に向かって張り出して第一の電極の露出面に対向し、絶縁層の貫通孔に通じる開口を備えた第二の電極を含み、第一の電極の露出面と、絶縁層の貫通孔の内壁と、第二の電極の第一の電極に対向する面とによって形成されたキャビティを有する電極構造体を含み、この電極構造体の第一の電極の露出面に一端が固定され、他端が第二の電極の対向面に固定されている架橋部材であって、検出対象物質に特異的に結合する部位を有する導電性の架橋部材を更に含むセンサー。
- 前記第一及び第二の電極間の間隔が100nm以下である、請求項6記載のセンサー。
- 前記絶縁層の貫通孔の幅又は直径が1〜1000μmである、請求項6又は7記載のセンサー。
- 前記第二の電極の開口の幅又は直径が1〜100μmである、請求項6から8までのいずれか1つに記載のセンサー。
- 前記第一及び第二の電極の材料が金属又は不純物をドープした半導体である、請求項6から9までのいずれか1つに記載のセンサー。
- 前記架橋部材が生体高分子である、請求項6から10までのいずれか1つに記載のセンサー。
- 前記生体高分子がポリヌクレオチドである、請求項11記載のセンサー。
- 検出対象物質に特異的に結合する前記部位が抗体、アプタマー、又は低分子量有機化合物により構成されている、請求項11又は12記載のセンサー。
- 前記生体高分子が前記検出対象物質に対し相補的配列の残基を持つオリゴヌクレオチドである、請求項11記載のセンサー。
- 第一の電極、この第一の電極上に位置し、第一の電極を部分的に露出する貫通孔を有する絶縁層、及びこの絶縁層の貫通孔の内側に向かって張り出して第一の電極の露出面に対向し、絶縁層の貫通孔に通じる開口を備えた第二の電極を含み、第一の電極の露出面と、絶縁層の貫通孔の内壁と、第二の電極の第一の電極に対向する面とによって形成されたキャビティを有する電極構造体を含み、この電極構造体の第一の電極の露出面に一端が固定され、他端が第二の電極の対向面に固定されている架橋部材であって、検出対象蛋白質に特異的に結合する部位を有する導電性の架橋部材を更に含む蛋白質検出デバイス。
- 前記第一及び第二の電極間の間隔が100nm以下である、請求項15記載の蛋白質検出デバイス。
- 前記絶縁層の貫通孔の幅又は直径が1〜1000μmである、請求項15又は16記載の蛋白質検出デバイス。
- 前記第二の電極の開口の幅又は直径が1〜100μmである、請求項15から17までのいずれか1つに記載の蛋白質検出デバイス。
- 前記第一及び第二の電極の材料が金属又は不純物をドープした半導体である、請求項15から18までのいずれか1つに記載の蛋白質検出デバイス。
- 前記架橋部材が生体高分子である、請求項15から19までのいずれか1つに記載の蛋白質検出デバイス。
- 前記生体高分子がポリヌクレオチドである、請求項20記載の蛋白質検出デバイス。
- 検出対象蛋白質に特異的に結合する前記部位が抗体、アプタマー、又は低分子量有機化合物により構成されている、請求項20又は21記載の蛋白質検出デバイス。
- 前記絶縁層の材料が半導体の酸化物もしくは窒化物、又は有機高分子材料である、請求項15から22までのいずれか1つに記載の蛋白質検出デバイス。
- 前記下部電極と上部電極に接続し、前記検出対象蛋白質に特異的に結合する部位に検出対象蛋白質が結合することにより生じる電気特性の変化を示す信号を処理するための信号処理装置を更に含む、請求項15から23までのいずれか1つに記載の蛋白質検出デバイス。
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