JPWO2004087019A1 - 眼内レンズの流通コンテナ - Google Patents
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Abstract
Description
切開が大きいと術後に乱視が生じる可能性が高いことから、近年では切開をできるだけ小さくして手術が行なわれることが望まれており、そのために挿入するIOLも小切開を通じて眼内に挿入できるよう、折り曲げ可能なIOLが開発されてきた。
このため、IOLを折り曲げるための方法や装置が従来から種々提案されている。
たとえば、IOLを蝶番のような装置で折り曲げる方法や装置、およびその装置に組み合わされるケースが提案されている(たとえば、特開平3−215258号公報参照)。
また、IOL光学部を鉗子で直径方向に摘まむようにして折り曲げる操作を容易とした補助装置も提案されている(たとえば、特開平4−309348号公報参照)。
さらに、ケースに収納したIOLを折り曲げる場合に、基板から蓋を外した後、当該基板の割り溝の両側に有する摘み部を摘み、両側の摘み部のあいだに挟まれたIOLの光学部を折り曲げる得るようにしているものも提案されている(たとえば、特開2001−161727号公報参照)。
さらに、IOLを保護するカバーを開ける動作と連動してIOLを折り畳むようにしたものも提案されている(たとえば、特開2002−102261号公報参照)。
さらに、折り曲げたIOLを鑷子で摘みあげる際の鑷子の位置を規制するガイドを設けた折り畳み器具も提案されている(たとえば、特開2002−248122号公報参照)。
さらに、カム機構および接触スライダ機構を介して可動折り畳み面に結合される回転可動操作部品によりIOLを折り畳む装置も提案されている(たとえば、特開2002−515291号公報参照)。
さらに、キャップを取り外し、ついでフォルダーをベースから取り外し、IOLを摘むためのピンセットのジョーを凹所内に入れ、フォルダーの1対のレールを互いに押圧してジョーを対向するようにIOLを移動せしめることによって、IOLをピンセットのジョーに挟持し得るようにするものも提案されている(たとえば、米国特許第5281227号明細書参照)。
しかしながら、前記特開平3−215258号公報に開示された発明の場合、IOLを折り曲げるには、装置をケースから取り出す必要があり、折り曲げの際にIOLが外れたり飛び出してしまう可能性が高く、また、埃や細菌がIOLに付着してしまう虞がある。
また、前記特開平4−309348号公報に開示された発明の場合も、折り曲げた状態で保持するためには、折曲げ器のフレームを握りしめた状態を維持する必要があり、また、折り曲げの際に埃や細菌がIOLに付着する虞がある。
また、前記特開2001−161727号公報に開示された発明の場合、蓋を開けてから折り曲げ操作をするため、折り曲げ操作時にIOLが外れて飛び出す虞がある。また、折り曲げた状態で保持するためには、摘み部を摘んだ状態で維持する必要がある。さらには、蓋を開けたのち、すぐにIOLを嚢袋に移植挿入しなければ、埃や細菌がIOLに付着してしまう虞もある。
また、前記特開2002−102261号公報に開示された発明の場合、蓋を閉状態から開状態にしながら折り曲げ操作が行なわれるので、折り曲げた際に開放状態になる。このため、すぐにIOLを嚢袋に移植挿入しなければ、埃や細菌がIOLに付着する虞がある。
また、前記特開2002−248122号公報に開示された発明の場合、開放状態で操作するため、折り曲げ時に埃や細菌がIOLに付着したり、IOLが外れて飛び出してしまう虞がある。
また、前記特開2002−515291号公報に開示された発明の場合、蓋を開けてから折り曲げるので、すぐにIOLを嚢袋に移植挿入しなければ、埃や細菌がIOLに付着する虞があり、また、折り曲げ時にIOLが外れたり、飛び出す虞がある。
さらに、いずれの公知文献においてもIOLをケースに配置しやすく、かつ流通時にIOLが圧迫されることなく安全および確実に保持する実用的な手段は提供されていない。
すなわち、IOLを把持させる部分の間隔を光学部の直径より大きくすれば配置しやすくなるが、流通時にIOLが把持させる部分から外れてしまう。一方、IOLを把持させる部分の間隔を狭めればIOLが外れにくくなるが、把持する部分の間隔を広げながらIOLを配置しなければならなくなるため、配置させにくくなり、IOL配置時の作業性がわるくなる。また、光学部の直径よりも配置させる部分の間隔を狭めてしまうと、IOLの光学部が常に圧迫され、IOLに歪みを生じせしめる原因となる。
本発明にかかわるIOLの流通コンテナは、レンズステージを有するベース、キャップ、および1対のレンズ把持部を有するレンズ保持部を備え、前記レンズ把持部がIOLを把持可能な間隔をもって前記ベース上に配置されてなるIOLの流通コンテナであって、前記1対のレンズ把持部が、IOLを把持可能な間隔だけ離間せしめる離間部を介して互いに対向するように配置され、前記キャップの内面から内方に保持安定係合部が突設され、当該保持安定係合部の先端が面取りされることによって導入部を画定し、前記レンズステージ上かつ前記レンズ把持部間にIOLが配置された後、前記キャップがベースに取りつけられるときに、前記導入部が前記レンズ保持部に接触して前記離間部の間隔が僅かに狭められ、前記レンズステージ上かつ前記レンズ保持部のレンズ把持部間に配置されたIOLが圧迫されることなく、かつ当該レンズ把持部から実質的に脱落することなく保持されてなることを特徴としている。
また、ガイド孔を有するベース、キャップベース係合部を有するキャップ、およびレンズ保持部を備え、前記キャップベース係合部に爪状に突設された突起と係合するように穿設されたガイド孔を備え、これによって前記キャップが前記ベースに対して摺動可能に係合することができ、前記ガイド孔が、前記突起を前記ガイド孔に嵌入することによって係合させ、前記キャップを前記ベースに対して外れないように取りつけ得るようにしたガイド導入部と、前記突起が前記ガイド孔から外れることなく摺動し得るようにされ、前記キャップの前記ベースに対する摺動を案内するため少なくとも1つのガイド幅狭部と、前記突起が前記ガイド孔から外れ得る幅を有する少なくとも1つのガイド幅広部とを備えてなることが好ましい。
また、前記キャップにカム接触部を備え、前記レンズ保持部にカム面を備え、当該カム接触部が、前記キャップの内面から内方に突設され、前記カム面が前記レンズ保持部の側面の一部に設けられ、前記カム接触部と摺動可能に当接することによって、前記キャップの前記ベースに対する相対的な動きとして加える力が、前記離間部の間隔を狭める方向に働いて前記レンズステージ上かつ前記レンズ把持部間に配置されるIOLの光学部を折り曲げる力に変換されることが好ましい。
また、前記ガイド孔のガイド導入部とガイド幅狭部との境界に摺動制止突起が突設され、前記突起と干渉することによって前記キャップの前記ベースに対する摺動が制止可能であることが好ましい。
また、前記ガイド導入部の両端に、前記摺動制止突起、前記ガイド幅狭部および前記ガイド幅広部を備え、前記キャップを前記ベースに対して一方向に摺動するとIOLが折り曲げられ、逆方向に摺動するとIOLは折り曲げられないことが好ましい。
また、前記ベースに保持部固定部を備え、前記レンズ保持部に保持部固定突起を備え、前記離間部の間隔が狭められた状態を維持し、折り曲げられたIOLの復元を防止するように、前記保持部固定突起が前記保持部固定部に係合することが好ましい。
また、前記ベースの前記レンズ保持部と係合する保持部係合部と、前記レンズ保持部のベース係合部に突設された爪状の突起とを備え、前記ベース係合部が前記保持部係合部に摺動可能に係合していることが好ましい。
また、前記ベースに前記レンズ保持部を収容する保持部収容部を画定し、当該保持部収容部の収容部底面に突設され、前記レンズ保持部の位置を決め、安定させるための保持安定ピンを備えてなることが好ましい。
また、前記レンズステージの上面および下面が開口した貫通口が穿設されてなることが好ましい。
また、前記レンズステージの上部に少なくとも1箇所の溝を備えてなることが好ましい。
また、前記ガイド導入部の近傍に開孔が穿設されたことが好ましい。
また、前記1対のレンズ把持部が、弾性的なばね構造有する弾性ばねフレームを介して互いに結合しており、前記弾性ばねフレームが前記離間部を広げようとする方向に付勢することが好ましい。
また、前記1対のレンズ把持部の一方のレンズ把持部の近傍から前記離間部の内方向に突出した支持部支持柱の先端に第1噛み合い爪と、前記1対のレンズ把持部の近傍において前記離間部を挟んで第1噛み合い爪と対向するように位置づけられた支持部支持柱の先端に第2の噛み合い爪とを備え、前記第1噛み合い爪と第2噛み合い爪とが係合して、前記離間部が狭められた状態で保持され、IOLが折り曲げられた状態が維持されてなることが好ましい。
また、前記支持部支持柱の上面に上方に突出した支持部支持リブをさらに備え、前記支持部支持リブにIOLの支持部を挟み込むことが好ましい。
また、前記キャップの上面ほぼ中央部に窓部が設けられていることが好ましい。
本発明の他の態様にかかわるIOLの流通コンテナは、ベース、キャップおよび1対のレンズ把持部を有するレンズ保持部を備え、前記レンズ把持部が眼内レンズを把持可能な間隔をもって前記ベース上に配置されてなる眼内レンズの流通コンテナであって、前記1対のレンズ把持部が、眼内レンズを把持可能な間隔だけ離間せしめる離間部を介して互いに対向するように配置され、前記キャップの内面から内方に保持安定係合部が突設され、当該保持安定係合部の先端が面取りされることによって導入部を画定し、前記レンズ把持部間にIOLが配置された後、前記キャップがベースに取りつけられるときに、前記導入部が前記レンズ保持部に接触して前記離間部の間隔が僅かに狭められ、前記レンズ把持部間に配置された眼内レンズが圧迫されることなく、かつ前記レンズ把持部から実質的に脱落することなく保持されてなることを特徴としている。
図2は、図1の流通コンテナを構成するベースの斜視図である。
図3は、図2のベースの要部拡大図である。
図4は、図1の流通コンテナを構成するキャップの平面図である。
図5(a)は、図4のA−A線断面図、図5(b)は図4のB−B線断面図、図5(c)は図4のC−C線断面図である。
図6は、図1の流通コンテナを構成するレンズ保持部の斜視図である。
図7は、図6のD−D線断面図である。
図8は、図6のレンズ保持部の要部拡大図である。
図9(a)および(b)は、図1の流通コンテナの要部断面説明図である。
図10は、図1の流通コンテナの要部断面拡大図である。
図11は、本発明の他の実施の形態にかかわる流通コンテナの斜視図である。
図12は、図11の流通コンテナを構成するベースの平面図である。
図13は、図12のE−E線断面図である。
図14は、図11の流通コンテナを構成するキャップの平面図である。
図15は、図11の流通コンテナを構成するレンズ保持部の平面図である。
図16は、図15のF−F線断面図である。
図17は、図15のレンズ保持部の要部拡大図である。
図18(a)および(b)は、図6のレンズ保持部の要部断面拡大図である。
図19は、本発明のさらに他の実施の形態にかかわるレンズ保持部の平面図である。
図20は、図19の流通コンテナのG−G線断面図である。
また、キャップ40の内面から内方に保持安定係合部46が突設され、前記保持安定係合部46の先端が、R形状またはテーパ状に面取り加工が施されることによって導入部46aが画定されている。
レンズステージ15上であって、かつレンズ把持部54間にIOL1が配置された後、キャップ40がベース10に係合されるとき、導入部46aがレンズ保持部50の側面角部と側面51に接触し、離間部60をIOL1を把持可能な間隔に僅かに狭めるため、IOL1が圧迫されることなく、かつレンズステージ15および/またはレンズ把持部54から実質的に脱落することなく保持される。
また、ベース10はガイド孔31を有し、キャップ40はキャップベース係合部44を有している。ベース10には、キャップベース係合部44の先端に爪状に突設された突起44Nと係合するように穿設されたガイド孔31を備えている。突起44Nをガイド孔31に嵌入することによってキャップ40はベース10に対して摺動可能に係合することができる。ここで、キャップベース係合部44の角部をR形状に面取り加工を施すと、キャップベース係合部44の挿入時の抵抗を小さくすることができ、変形を防止し得るという利点がある。また、他の実施の形態として、ガイド孔31とキャップベース係合部44のいずれか一方が爪状に突設された突起を備え、他方が前記突起と係合するよう穿設された孔を備えて、双方が摺動可能に係合するようにしてもよい。
ガイド孔31には、突起44Nを前記ガイド孔31に嵌入して係合させ、キャップ40をベース10に対して外れないように取り付け得るようにしたガイド導入部32と、突起44Nがガイド孔31から外れることなく摺動することができ、キャップ40のベース10に対する摺動を案内するために、前記ガイド導入部32を挟んで少なくとも1つのガイド幅狭部33と、突起44Nがガイド孔31から外れ得る幅を有する少なくとも1つのガイド幅広部34とが画定されている。
なお、ガイド導入部32は、突起44Nと最初に当接する手前側が広く、かつ奥側が狭くなったテーパ状32aに成形されると(図3参照)、キャップ40をガイド孔31へ挿入する際の抵抗を小さくすることができるため、ベース10の変形を防止でき、かつ取り付けられたキャップ40が容易に外れないという利点がある。
ここで、ガイド孔31は、キャップベース係合部44と対応する箇所に2ヵ所図示されているが、ガイド孔31は、2ヵ所でもよく、また3ヵ所以上であってもよく、対応するキャップベース係合部44と同数あればよい。
また、キャップ40にはカム接触部45が設けられ、レンズ保持部50にはカム面52が設けられている。カム接触部45は、キャップ40の内面から内方に突設されている。カム面52はレンズ保持部50の側面51の一部に設けられており、カム接触部45と摺動可能に当接することによって、キャップ40のベース10に対する相対的な動きとして加える力が、離間部60の間隔を狭める方向に働いて前記レンズステージ15上であって、かつレンズ把持部54間に配置されるIOL1の光学部2を折り曲げる力に変換される。またカム面52は、キャップ40がほぼ等角速度で回転したときに、IOL1の折り曲げ速度をある程度制御し得るようにするために、滑らかな形状にされている。
また、前記ガイド導入部32とガイド幅狭部33との境界には、摺動制止突起36が突設されている。これによって摺動制止突起36と突起44Nとが干渉し、キャップ40のベース10に対する摺動が制止可能になる。
本実施の形態の流通コンテナにおいて、キャップ40を左(反時計方向)回転中に逆(時計方向)回転させると、レンズ把持部54の離間部60の広がりに対し、折り曲げられたIOL1の光学部2の復元が追いつかず、IOL1がレンズ把持部54から脱落してしまうのを防止するために、ベース10に舌片上の保持部固定部16が片持ち梁状に設けられており、前記保持部固定部16の自由端側にノッチ16aが少なくとも1ヵ所以上形成されている。また、前記保持部固定部16の自由端と収容部底面21との間には僅かに隙間SPが存在する。一方、レンズ保持部50の側面51の下部には、保持部固定突起52Pが設けられている。すなわち、キャップ40をベース10に挿入すると、保持安定係合部46がレンズ保持部50を縮め、保持部固定部16のノッチ16a(1段目のノッチ)に保持部固定突起52Pが嵌入する。これにより、レンズ把持部54がIOL1を把持可能な間隔を持ってベース10に固定される。キャップ40を左回転させると、カム接触部45がレンズ保持部50を圧縮し、保持部固定突起52Pが保持部固定部16の自由端を移動し、収容部底面21との間の隙間SP(2段目のノッチ)に嵌入する。この場合、逆回転させても保持部固定突起52Pは隙間SPから外れることができないため、レンズ把持部54は狭められた状態が維持される。これにより、IOL1の元の形状への復元が防止される。
また、ベース10にはレンズ保持部50を収容する保持部収容部20があり、保持部収容部20の収容部底面21にはレンズ保持部50と係合する保持部係合部23が備えられ、レンズ保持部50の下面から下垂して突設されたベース係合部59の爪状の突起が、保持部係合部23と係合する。保持部係合部23は、ベース係合部59の突起と最初に当接する手前側が広く、かつ奥側が狭くなったテーパ状に成形されると、レンズ保持部50を保持部係合部23へ挿入する際の抵抗を小さくすることができるため、レンズ保持部50およびベース10の変形を防止でき、かつ取り付けられたレンズ保持部50が容易に外れないという利点がある。
また、他の実施の形態としては、前記保持部係合部23とベース係合部59のいずれか一方が突設された爪状の突起であり、他方が前記突起を受けて係合する形であってもよい。これにより、レンズ保持部50がベース10に対して実質的に外れないように、ベース係合部59が保持部係合部23に摺動可能に係合される。
また、前記収容部底面21には保持部係合部23と、レンズ保持部50の位置を決め、安定させるための保持安定ピン24が突設されている。ここで、保持部安定ピン24は収容部底面21から上方に、キャップ40のカム接触部45と保持部安定係合部46とが干渉しないような位置および高さで突設されている。このため、保持部安定ピン24はレンズ保持部50をベース10の保持部収容部20に収容する際の位置決めと、IOL1の光学部2の折り曲げ時の位置ずれ防止のガイドとして機能し、レンズ保持部50の位置を安定させることができる。ここで、保持安定ピン24は、レンズ保持部50の位置を安定させるには2〜4本程度が好ましく、これらは鑷子の挿入を妨げない位置に設けることが好ましい。
また、レンズステージ15は上面および下面が開口した貫通口15Pを有するため、エチレンオキサイドガスの導入および排出やIOL1の埋植手術で使用される粘弾性物質を注入することができる。さらに、レンズステージ15の上部に少なくとも1ヵ所の溝15Gが設けられている。このように、レンズステージ15に溝15Gを設けると、IOL1を折り曲げずに取り出す場合に鑷子を挿入しやすくなる。ここで、IOL1が容易に、かつ安定して配置できる幅であるため、レンズステージの直径は、IOL1の光学部2の外径よりも充分大きく、また、貫通口の直径は、IOL1の光学部2の外径よりも充分小さくすることが好ましい。
さらに、ガイド導入部32の近傍に、ガイド導入部32と同心状に円弧状の開孔35が穿設されている。このように、開孔35を設けると、キャップ40をベース10に取り付ける際にベース10のガイド導入部32付近が弾性変形をし、キャップ40をガイド導入部32へ挿入する際の抵抗を小さくすることができるため、ベース10の変形を防止できる。ばねの効果を高めるためには、開孔35の長さはガイド導入部32の長さの1〜3倍にするのが好ましく、さらに好ましくは1.5〜3倍である。
また、1対のレンズ把持部54は、弾性的なばね構造を有する弾性ばねフレーム53を介し、一体的に連結している。ここで、前記弾性ばねフレーム53は弾性的なばね構造を有するため、レンズ保持部50は離間部60を広げる方向に付勢される。これにより、キャップ40がベース10に係合され、導入部46aがレンズ保持部50の側面角部と側面51に接触し、離間部60の間隔を僅かに狭める際に、離間部60をIOL1を把持可能な間隔に維持することが可能となる。
さらに、保持部収容部20の収容部側面22に1対の弾性ばねフレーム受け部25が設けられており、レンズ保持部50の弾性ばねフレーム53の一部を摺動可能に支持することで、IOL1の折り曲げ時にレンズ保持部50の実質的な移動が阻止される。本実施の形態の場合、前記保持部収容部20の収容部側面22に1対の弾性ばねフレーム受け部25が、IOL1の光学部2の折り曲げ方向に対して直行する方向に設けられており、レンズ保持部50の弾性ばねフレーム53の一部が、弾性ばねフレーム受け部25に嵌挿されて、弾性ばねフレーム53の一部を摺動可能に支持することができるので、レンズ保持部50の回転が阻止される。この弾性ばねフレーム受け部25は、使用する樹脂や成形時の厚さなどを考慮して、反りを防ぐことができる厚さを有することが好ましい。
また、レンズ保持部50は、レンズ把持部54の近傍から離間部60の内方向に突出した支持部支持柱55の先端に第1噛み合い爪57を、対向するレンズ把持部54の近傍において離間部60を挟んで第1噛み合い爪57と対向するように位置づけられた支持部支持柱55の先端に第2噛み合い爪58とを備えている。これにより離間部60が狭められると第1噛み合い爪57と第2噛み合い爪58とが係合するため、IOL1が折り曲げられた状態が維持される。ここで第1噛み合い爪57と第2噛み合い爪58とが接触、当接する際に支持部支持柱55の弾性変形を容易にするために、支持部支持柱55の一部に凹所57Rが設けられている。ここで、凹所57Rは支持部支持柱55の左右どちら側に設けてもよい。
本実施の形態の場合、支持部支持リブ56が、支持部支持柱55の上面に設けられている。支持部支持リブ56を支持部支持柱55の基端側に設けると、第1噛み合い爪57と第2噛み合い爪58の係合時における上下方向の干渉が改善され、キャップ40の回転が滑らかになるほか、IOL1を折り曲げずに取り出す際に、鑷子を挿入することが容易になる。また、本実施の形態の場合、支持部支持リブ56は2本設けられ、2本の支持部支持リブ56の間にIOL1の支持部3が収容されるため、IOL1の回転を防止することができる。これによって、IOL1が所望の位置において確実に折り曲げられる。また、他の実施の形態として、第1噛み合い爪57の上面に支持部支持リブ56を設けることで、IOL1の支持部3が支持部支持リブ56によって係止される。
本実施の形態におけるレンズ把持部54の内側形状は、離間部60の方向に向かって広がるテーパ形状にされており、その端部はR形状に面取り加工が施されている。このため、IOL1を折り曲げ、鑷子によりIOL1を取り出すときにIOL1の光学部2を傷つけることがない。
レンズ把持部54の離間部60は、レンズ把持部54先端間の間隔はIOL1の光学部の外径と略同じ、もしくはそれよりもほんの僅かに小さい開口とされており、他方レンズ把持部54の側面54b間の間隔は、IOL1の光学部2の外径と略同じ、もしくはそれよりも僅かに大きい間隔とされているので、IOL1がレンズ把持部54間に容易に配置し得るように構成されている。
側面54bは、IOL1を折り曲げた際、IOL1の外面の曲率が内面の曲率よりも大きい場合、IOL1が下向きに折れ曲がる傾向があるため、必ず上向きに折れ曲がるような傾斜角を有している。上面54aの傾斜角βは5〜35度とするのが好ましく、さらに好ましくは15〜25度である。また、側面54bの傾斜角αは0〜30度とするのが好ましく、さらに好ましくは5〜15度である。
また、他の実施の形態では、レンズ把持部54を溝状に形成することができる。この場合、ベース10にレンズステージ15を突設しなくてもIOL1を把持することができる。
レンズ把持部54の断面は、上面54cも下面54dもテーパ状に緩やかな傾斜がつけられた溝状に形成されているので、IOL1の折り曲げに際してもIOL1がレンズ把持部から飛び出すことがない。すなわち、確実にIOL1の光学部2が折り曲げられるのである。下面54dの傾斜角γは、一般におよそ0〜7度とするのが好ましく、より好ましくは5度程度である。両凸レンズの場合、IOL1の光学部2がレンズ把持部54の下面54dに接する部位の付近におけるIOL1の光学部2の曲面の接線の勾配と略同等であることがより好ましい。一方、上面54cの傾斜角δは、5〜35度とするのが好ましく、より好ましくは15〜25度である。
また、キャップ40の平面から見た外形は略円形状であるが、かかる外形は円形状に限定されず、正方形や六角形や八角形などとし、キャップ40を回転させやすい形状であればよく、とくに限定はない。なお、キャップ40はベース10に対して回転して摺動する動きに限定されるものではない。すなわち、本発明におけるキャップ40のベース10に対する摺動は、必ずしも回転による動きだけではなく、直線的な動きなど、その他の動きを構成するものであってもよい。
また、キャップ側面42の外周には、複数のローレット状凹凸47が形成されている。前記ローレット状凹凸47は、キャップ40を手で把持して回転させる際の滑り止めとして機能する。ローレット状凹凸47の角部をR形状に面取り加工を施すと、キャップ40を手で把持する際の感触を和らげることができる。
本実施の形態の流通コンテナにおいて、キャップ40の上面のほぼ中央部に流通コンテナの中に収容されているIOL1が外から視認可能な窓Wを設けると、流通コンテナ中のIOL1が所望の位置に収容されているかどうか、また折り曲げられているかどうかなどをキャップ40の外側から確認することができる。この窓Wの大きさは、流通コンテナ中に収容されるIOL1の状態が確認できる大きさであればよく、IOL1の光学部2の直径以上の大きさが好ましく採用されるが、とくに限定されない。なお、本発明における窓Wとは、開口された構造に限定されるものではなく、キャップ40の素材が透明な材料で構成されているか、もしくは半透明な材料で構成されている場合において、外部から視認できる程度にキャップ40の上面が薄肉にされた構成や、キャップ40の上面に穿設された開孔に透明なフィルムが貼着された構成も含む。さらに、前記窓Wにレンズ機能を付与することにより、流通コンテナ中に収容されたIOL1は拡大されて視認することができる。レンズ機能は、たとえば両凸レンズ、平凸レンズ、フルンネル・レンズ形状などにより実現され得るが、これらに限定されない。
キャップ40には、流通コンテナ内に収容されているIOL1に対して粘弾性物質を付着し得る注入口を設けてもよい。注入口は、前述の窓Wであっても窓Wとは別の位置であってもよく、キャップ40の上面の窓W近傍や、キャップ40の側面の任意の位置に設けることができる。このように注入口を設けると、流通コンテナ中に収容されているIOL1の上面にも粘弾性物質を付着させることができ、より有利にIOL1の埋植手術を実施することができる。
また、ベース10は、必要に応じてラベルスペース14を含む。ラベルスペース14は、保持部収容部20に対して側方に、ベース10の一部を構成しており、本発明の流通コンテナの中に収容されるIOL1の名称や規格(レンズパワー、レンズ直径など)が記載されたラベルを貼付しうるスペースを提供している。
また、キャップ40とベース10に回転終端マークMを設けると、折り曲げが確認できるという利点がある。他の実施の形態としては、キャップの回転方向を示す回転方向指示マークMaを設けてもよい。
本実施の形態の場合、IOL1をレンズステージ15上、かつレンズ把持部54間に配置したのち、キャップ40をベース10に対して取り付け、キャップ40のキャップベース係合部44がガイド導入部32に嵌挿せしめられると、ガイド導入部32にキャップベース係合部44が摺接係合し、さらにキャップベース係合部44は、摺動制止突起36でその摺動が制止されているので、キャップ40が容易に回転しないように取り付けられることとなる。同時に、導入部46aが、レンズ保持部50に当接して、離間部60は僅かに狭められることとなる。このため、離間部60は、レンズ把持部54に配置されたIOL1が圧迫されることなく、かつIOL1がレンズ把持部54から容易に脱落することがない間隔にされる。すなわち、本発明の流通コンテナによると、IOL1はその流通中も圧迫を受けることなく、安定して保持されることになる。
ついで、キャップベース係合部44を摺動制止突起36を乗りこえて摺動させ、キャップベース係合部44をガイド導入部32からガイド幅狭部33へ摺動せしめると、カム接触部45がカム面52に摺動可能に当接し、それによってキャップ40のベース10に対する相対的な動きとして加える力が、離間部60の間隔を狭める方向に働いてIOL1の光学部2を折り曲げる力に変換され、離間部60の間隔を狭める方向に働き、前記レンズステージ15上であって、かつレンズ把持部54間に配置されるIOL1が折り曲げられる。さらに、キャップベース係合部44をガイド幅広部34まで摺動させると、前記レンズ保持部の対向する1対の第1噛み合い爪57と第2噛み合い爪58とが係合して噛み合うこととなる。これによって、キャップ40をベース10から外した後においても、離間部60の間隔が狭められた状態、すなわち、IOL1の光学部が完全に折り曲げられた状態が保たれるのである。それを鑷子などで摘み出すことにより、容易にIOL1を折り曲げられた状態で取り出すことができ、そのまま眼内に移植することができるのである。
前記ガイド導入部32、前記ガイド幅狭部33、前記ガイド幅広部34および前記摺動制止突起36は、キャップ40のベース10に対する動きによりレンズ保持部50に保持されたIOL1を折り曲げるためのガイド孔31として構成されているが、これらとは別のガイド幅狭部33a、ガイド幅広部34aと摺動制止突起36aとを反対側に設けることにより、キャップベース係合部44を摺動制止突起36aを乗りこえて幅広部34aに動かせしめば、レンズ保持部50に保持されたIOL1を折り曲げることなく、ベース10からキャップ40が外せるようになる。よって、術者自らまたはその補助者が、別途鑷子やインジェクターなどを利用することにより、任意に折り曲げることもできるようになる。
本実施の形態の場合、ベース10、キャップ40およびレンズ保持部50の材料としては、たとえばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレンなどの一般に鋳型成形可能な熱可塑性樹脂があげられる。
また、レンズステージ15、離間部60とIOL1の光学部2の直径との間には、以下の式に示す関係があれば、IOL1を無理なくレンズ把持部54に配置できる。
IOL1の光学部2の直径≦S1+S2
また、レンズ把持部54を溝状に形成した場合、間隔S3は、IOL1の光学部2の直径よりも充分小さければよい。ここで、S3がIOL1の光学部2の直径以上に大きいと、IOL1をレンズ把持部54間に把持できなくなる。
前記(IOL1の光学部2の直径≦S1+S2)で、かつ(IOL1の光学部2の直径≧S1)の場合は、IOL1の光学部2を傾けながらレンズ把持部54に挿入すれば、IOL1はレンズ把持部54に配置可能である。
間隔S1よりもIOL1の光学部2の直径が小さい場合、IOL1をレンズ把持部54に容易に配置可能となるが、間隔S1とIOL1の光学部2の直径との差があまりに大きくなると、IOL1が流通中にレンズ把持部54から脱落しやすくなるので好ましくない。よって、間隔S1とIOL1の光学部2の直径との差は2mm以下、好ましくは1mm以下である。
間隔S1は、IOL1の配置中、キャップ40をベース10に対して組み付け中、流通中、あるいは折り曲げ中などのIOL1の飛び出しや脱落の危険性を防止するため、(IOL1の光学部2の直径≦S1+S2)で、かつIOL1の光学部2の直径と略同じ、もしくは僅かに小さいことが好ましい。
間隔S2は、IOL1の配置の容易性、保持性などを考慮に入れると、3mm以下、好ましくは1mm以下、より好ましくは0.6mm以下である。
また、IOL1をレンズ把持部54に配置し、キャップ40をベース10に対して組み付けたのち、IOL1の光学部2の直径方向におけるレンズ把持部54とIOL1の光学部2外周との隙間は、IOL1の配置の容易性、保持性などを考慮に入れると、1mm以下、好ましくは0.5mm以下、より好ましくは0.2mmである。
本実施の形態にかかわる流通コンテナに関し、実施の形態において開示した内容については、当業者であれば考え得る自明な変形、修正または変更は、本発明に含まれる。
Claims (16)
- レンズステージを有するベース、キャップ、および1対のレンズ把持部を有するレンズ保持部を備え、前記レンズ把持部が眼内レンズを把持可能な間隔をもって前記ベース上に配置されてなる眼内レンズの流通コンテナであって、前記1対のレンズ把持部が、眼内レンズを把持可能な間隔だけ離間せしめる離間部を介して互いに対向するように配置され、前記キャップの内面から内方に保持安定係合部が突設され、当該保持安定係合部の先端が面取りされることによって導入部を画定し、前記レンズステージ上かつ前記レンズ把持部間に眼内レンズが配置された後、前記キャップがベースに取りつけられるときに、前記導入部が前記レンズ保持部に接触して前記離間部の間隔が僅かに狭められ、前記レンズステージ上かつ前記レンズ把持部間に配置された眼内レンズが圧迫されることなく、かつ前記レンズ把持部から実質的に脱落することなく保持されてなることを特徴とする流通コンテナ。
- ガイド孔を有するベース、キャップベース係合部を有するキャップ、およびレンズ保持部を備え、前記キャップベース係合部に爪状に突設された突起と係合するように穿設されたガイド孔を備え、これによって前記キャップが前記ベースに対して摺動可能に係合することができ、前記ガイド孔が、前記突起を前記ガイド孔に嵌入することによって係合させ、前記キャップを前記ベースに対して外れないように取りつけ得るようにしたガイド導入部と、前記突起が前記ガイド孔から外れることなく摺動し得るようにされ、前記キャップの前記ベースに対する摺動を案内するため少なくとも1つのガイド幅狭部と、前記突起が前記ガイド孔から外れ得る幅を有する少なくとも1つのガイド幅広部とを備えてなることを特徴とする請求の範囲第1項記載の流通コンテナ。
- 前記キャップにカム接触部を備え、前記レンズ保持部にカム面を備え、当該カム接触部が、前記キャップの内面から内方に突設され、前記カム面が前記レンズ保持部の側面の一部に設けられ、前記カム接触部と摺動可能に当接することによって、前記キャップの前記ベースに対する相対的な動きとして加える力が、前記離間部の間隔を狭める方向に働いて前記レンズステージ上かつ前記レンズ把持部間に配置される眼内レンズの光学部を折り曲げる力に変換される請求の範囲第1項または第2項記載の流通コンテナ。
- 前記ガイド孔のガイド導入部とガイド幅狭部との境界に摺動制止突起が突設され、前記突起と干渉することによって前記キャップの前記ベースに対する摺動が制止可能であることを特徴とする請求項第2項または第3項記載の眼内レンズの流通コンテナ。
- 前記ガイド導入部の両端に、前記摺動制止突起、前記ガイド幅狭部および前記ガイド幅広部を備え、前記キャップを前記ベースに対して一方向に摺動すると眼内レンズが折り曲げられ、逆方向に摺動すると眼内レンズは折り曲げられないことを特徴とする請求の範囲第2項、第3項または第4項記載の眼内レンズの流通コンテナ。
- 前記ベースに保持部固定部を備え、前記レンズ保持部に保持部固定突起を備え、前記離間部の間隔が狭められた状態を維持し、折り曲げられた眼内レンズの復元を防止するように、前記保持部固定突起が前記保持部固定部に係合することを特徴とする請求の範囲第1項、第2項、第3項、第4項または第5項記載の流通コンテナ。
- 前記ベースの前記レンズ保持部と係合する保持部係合部と、前記レンズ保持部のベース係合部に突設された爪状の突起とを備え、前記ベース係合部が前記保持部係合部に摺動可能に係合していることを特徴とする請求の範囲第1項、第2項、第3項、第4項、第5項または第6項記載の流通コンテナ。
- 前記ベースに前記レンズ保持部を収容する保持部収容部を画定し、当該保持部収容部の収容部底面に突設され、前記レンズ保持部の位置を決め、安定させるための保持安定ピンを備えてなることを特徴とする請求の範囲第第1項、第2項、第3項、第4項、第5項、第6項または第7項記載の流通コンテナ。
- 前記レンズステージの上面および下面が開口した貫通口が穿設されてなる請求の範囲第1項、第2項、第3項、第4項、第5項、第6項、第7項または第8項記載の流通コンテナ。
- 前記レンズステージの上部に少なくとも1箇所の溝を備えてなる請求の範囲第1項、第2項、第3項、第4項、第5項、第6項、第7項、第8項または第9項記載の眼内レンズの流通コンテナ。
- 前記ガイド導入部の近傍に開孔が穿設されたことを特徴とする請求の範囲第2項、第3項、第4項、第5項、第6項、第7項、第8項、第9項または第10項記載の流通コンテナ。
- 前記1対のレンズ把持部が、弾性的なばね構造有する弾性ばねフレームを介して互いに結合しており、前記弾性ばねフレームが前記離間部を広げようとする方向へ付勢することを特徴とする請求の範囲第1項、第2項、第3項、第4項、第5項、第6項、第7項、第8項、第9項、第10項または第11項記載の流通コンテナ。
- 前記1対のレンズ把持部の一方のレンズ把持部の近傍から前記離間部の内方向に突出した支持部支持柱の先端に第1噛み合い爪と、前記1対のレンズ把持部の近傍において前記離間部を挟んで第1噛み合い爪と対向するように位置づけられた支持部支持柱の先端に第2の噛み合い爪とを備え、前記第1噛み合い爪と第2噛み合い爪とが係合して、前記離間部が狭められた状態で保持され、眼内レンズが折り曲げられた状態が維持されてなることを特徴とする請求の範囲第1項、第2項、第3項、第4項、第5項、第6項、第7項、第8項、第9項、第10項、第11項または第12項記載の流通コンテナ。
- 前記支持部支持柱の上面に上方に突出した支持部支持リブをさらに備え、前記支持部支持リブに眼内レンズの支持部を挟み込むことを特徴とする請求の範囲第13項記載の流通コンテナ。
- 前記キャップの上面ほぼ中央部に窓部が設けられていることを特徴とする請求の範囲第1項、第2項、第3項、第4項、第5項、第6項、第7項、第8項、第9項、第10項、第11項、第12項、第13項または第14項記載の流通コンテナ。
- ベース、キャップおよび1対のレンズ把持部を有するレンズ保持部を備え、前記レンズ把持部が眼内レンズを把持可能な間隔をもって前記ベース上に配置されてなる眼内レンズの流通コンテナであって、前記1対のレンズ把持部が、眼内レンズを把持可能な間隔だけ離間せしめる離間部を介して互いに対向するように配置され、前記キャップの内面から内方に保持安定係合部が突設され、当該保持安定係合部の先端が面取りされることによって導入部を画定し、前記レンズ把持部間に眼内レンズが配置された後、前記キャップがベースに取りつけられるときに、前記導入部が前記レンズ保持部に接触して前記離間部の間隔が僅かに狭められ、前記レンズ把持部間に配置された眼内レンズが圧迫されることなく、かつ前記レンズ把持部から実質的に脱落することなく保持されてなることを特徴とする流通コンテナ。
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