JPWO2004081048A1 - 変異受容体に対するアゴニスト活性を有するリガンド - Google Patents

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Abstract

疾患の原因遺伝子の変異に個別に対応した機能性抗体を、抗体工学技術を駆使して作製し、疾患に対する治療を可能とすることを見出した。具体的には、遺伝子変異により天然のリガンドに対する反応性がほとんど失われたレセプター(例えば、トロンボポイエチン(TPO)反応性の著しく低下した変異トロンボポイエチン受容体)に対して、アゴニスト活性を持つリガンドを作用させることにより、正常レベルに近いシグナルを伝達し得る作用を有するリガンド、特に低分子化抗体の作製に成功した。

Description

本発明は、変異受容体に対してアゴニスト活性を有するリガンド、および該リガンドを有効成分として含有する医薬組成物に関する。
近年、遺伝子疾患の原因遺伝子が次々と明らかになり、その様々な治療法が研究され確立されつつある。その中で最も良く研究されているのは、主に酵素遺伝子の欠損を補う治療法である。β−グルコセレブロシダーゼが欠損したゴーシェ病患者に対する「セレザイム」(Genzyme)による酵素補充療法、alpha−L−iduronidaseが欠損したムコ多糖症に対する「Aldurazyme」(Genzyme)による酵素補充療法等が有効である事が示されている。遺伝子を導入する試みとしては、アデノシンデアミナーゼ(ADA)欠損症患者に対するADA遺伝子の導入や、血友病B患者に対する血液凝固第IX因子遺伝子を導入する試み等がなされている。酵素欠損以外にも数多くの遺伝子疾患が知られており、サイトカインやそのレセプターの遺伝子疾患も知られている。糖尿病の約9割を占める2型糖尿病患者の一部では、インスリンレセプターの欠損や変異が報告されており、発病の原因と考えられている。また、血小板減少症の患者の中には、そのトロンボポイエチン受容体の欠損や変異が報告されており、TPOのシグナルが伝達されない事が病気の原因と考えられている。このような遺伝子疾患には未だ根本的な治療法は無く、その治療法の確立が望まれている。
Congenital amegakaryocytic thrombocytopenia(CAMT;先天性無巨核球性血小板減少症)はまれな病気で、幼年期には血小板減少(thrombocytopenia)、幼年時代後期には無形成性貧血(pancytopenia)を引き起こす疾患である。CAMT患者の血清中には、血小板造血因子であるTPOは高濃度に存在しているが、血小板や造血前駆細胞のTPOに対する反応性が失われている事が明らかにされている。それらの患者のトロンボポイエチン受容体(c−MPL)遺伝子を解析すると、ほとんどの場合、ポイントミューテーションが見出される。それらの変異によりフレームシフトや終止コドンが挿入され、全くトロンボポイエチン受容体の機能が失われた患者や、ヘテロやホモで細胞外ドメインにアミノ酸置換が導入されている患者がいる事が報告されている(非特許文献1参照)。現在、骨髄移植のみがこれらの患者の唯一の治療法である。
Matthias Ballmaier,Manuela Germeshausen,Harald Schulze,Klara Cherkaoui,Sabine Lang,Annika Gaudig,Stephanie Krukemeier,Martin Eilers,Gabriele Strausz,and Karl Welte著、「BLOOD」、1 JANUARY 2001、VOL97、NUM 1、P139
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、変異受容体に対してアゴニスト活性を有するリガンドを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を行い、上記疾患の原因遺伝子の変異に個別に対応した機能性抗体を、抗体工学技術を駆使して作製し、上記疾患に対する治療を可能とすることを見出した。具体的には、遺伝子変異により天然のリガンドに対する反応性がほとんど失われたレセプター(例えば、トロンボポイエチン(TPO)反応性の著しく低下した変異トロンボポイエチン受容体)に対してアゴニスト活性を持つ抗体を作用させることにより、正常レベルに近いシグナルを伝達し得る作用を有する低分子化抗体を作製することに成功した。
このような抗体やその改変体を用いることにより、遺伝子変異に起因する疾患の治療が可能と考えられた。また、それらを発現しうる遺伝子を用いた遺伝子治療による治療も可能である。
本発明の抗体等のアゴニスト活性を有するリガンドやそれをコードする遺伝子を用いることにより、治療の困難なCAMT患者に治療を施す道が開かれた。
また、本発明による手法は、細胞膜上のレセプターをコードする遺伝子の変異に起因する他の様々な疾患に対しても応用可能であり、新しい治療法を提供することが可能である。
即ち本発明は、変異受容体に対するアゴニスト活性を有するリガンドに関し、より具体的には、
〔1〕 変異受容体に対して、アゴニスト活性を有するリガンド、
〔2〕 リガンドが抗体であることを特徴とする、〔1〕に記載のリガンド、
〔3〕 変異受容体に対して、天然リガンドより高いアゴニスト活性を有することを特徴とする、〔1〕または〔2〕に記載のリガンド、
〔4〕 変異受容体が、アミノ酸配列の変異に起因する受容体であることを特徴とする、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のリガンド、
〔5〕 変異受容体が、天然のリガンドに対する反応性が失われていることを特徴とする、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のリガンド、
〔6〕 変異受容体が疾患の原因となっている受容体であることを特徴とする、〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載のリガンド、
〔7〕 変異受容体が、トロンボポイエチン受容体の変異受容体であることを特徴とする、〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載のリガンド、
〔8〕 抗体が低分子化抗体である、〔2〕に記載のリガンド、
〔9〕 低分子化抗体がダイアボディである、〔8〕に記載のリガンド、
〔10〕 リガンドを結合させることにより変異受容体にシグナルを伝達する方法、
〔11〕 リガンドが抗体であることを特徴とする、〔10〕に記載の方法、
〔12〕 変異受容体が、アミノ酸変異に起因する受容体であることを特徴とする、〔10〕または〔11〕に記載の方法、
〔13〕 変異受容体が、天然のリガンドに対する反応性が失われていることを特徴とする、〔10〕〜〔12〕のいずれかに記載の方法、
〔14〕 変異受容体が疾患の発症と関連している受容体であることを特徴とする、〔10〕〜〔13〕のいずれかに記載の方法、
〔15〕 変異受容体が、トロンボポイエチン受容体の変異受容体であることを特徴とする、〔10〕〜〔14〕のいずれかに記載の方法、
〔16〕 変異受容体にリガンドを結合させることにより、変異受容体に起因する疾患を治療する方法、
〔17〕 リガンドが抗体である、〔16〕に記載の方法、
〔18〕 以下の工程を含む、変異受容体に対してアゴニスト活性を有するリガンドのスクリーニング方法、
(a)変異受容体に被検物質を接触させる工程、
(b)変異受容体におけるシグナルを検出する工程、
(c)アゴニスト活性を有するリガンドを選択する工程、
〔19〕 以下の工程を含む、変異受容体に対してアゴニスト活性を有するリガンドのスクリーニング方法、
(a)正常受容体に対するアゴニスト活性を測定する工程、
(b)変異受容体に対するアゴニスト活性を測定する工程、
(c)正常受容体と比較して、変異受容体において高いアゴニスト活性を有するリガンドを選択する工程
〔20〕 以下の工程を含む、変異受容体と正常受容体に対してアゴニスト活性を有するリガンドのスクリーニング方法、
(a)正常受容体に対するアゴニスト活性を測定する工程、
(b)変異受容体に対するアゴニスト活性を測定する工程、
(c)正常受容体と変異受容体の両方にアゴニスト活性を有するリガンドを選択する工程
〔21〕 リガンドが抗体である、〔18〕〜〔20〕のいずれかに記載のスクリーニング方法、
〔22〕 〔18〕〜〔21〕のいずれかに記載のスクリーニング方法により得られた物質、
〔23〕 変異受容体に対するリガンドを含有する、変異受容体に起因する疾患の治療薬、
〔24〕 リガンドが〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載のリガンドである、〔23〕に記載の治療薬、
〔25〕 リガンドが抗体である、〔23〕に記載の治療薬、
〔26〕 変異受容体が、アミノ酸変異に起因する受容体であることを特徴とする、〔23〕〜〔25〕のいずれかに記載の治療薬、
〔27〕 変異受容体が、天然のリガンドに対する反応性が失われていることを特徴とする、〔23〕〜〔26〕のいずれかに記載の治療薬、
〔28〕 変異受容体がトロンボポイエチン受容体の変異受容体であることを特徴とする、〔23〕〜〔27〕のいずれかに記載の治療薬、
〔29〕 疾患が先天性無巨核球性血小板減少症である、〔23〕〜〔28〕のいずれかに記載の治療薬、
を提供するものである。
本発明は、変異受容体に対してアゴニスト活性を有するリガンドを提供する。
本発明において変異受容体とは、通常、50%未満の頻度で存在する受容体であり、好ましくは20%未満の頻度で存在する受容体であり、さらに好ましくは10%未満の頻度で存在する受容体であり、特に好ましくは1%未満の頻度で存在する受容体である。頻度は通常、任意に抽出された被験者において計算された頻度が用いられるが、国や地域、性別などにより頻度に偏りがある場合もあるので、例えば、日本、アメリカ、欧州などのように国や地域を限定して頻度を算出したり、性別を限定して頻度を算出するなどしてもよい。又、1つの受容体について変異が複数個所に存在する場合には、複数の個所を組み合わせて頻度を算出してもよいし、1つの変異個所に絞って頻度を算出してもよい。変異受容体の判断は上述のように頻度で行うことが好ましいが、例えば、シグナル伝達能力等で変異受容体の判断を行うことも可能である。具体的には、例えば、2つの異なる受容体が存在する場合、天然リガンドが結合した際にシグナル伝達が強い方を非変異受容体とし、シグナル伝達が弱い方を変異受容体としてもよい。
本発明の変異受容体としては、例えば、アミノ酸変異に起因する受容体(アミノ酸配列が変異している受容体)が好ましいが、本発明はそれらに限定されず、立体構造、糖鎖構造、受容体が多量体として存在する場合にはそれぞれの位置関係・角度など、天然リガンドに対する反応性に影響を与えるものであればどのような変異でもよい。アミノ酸配列の変異には、アミノ酸の置換、欠失、挿入、付加などがある。本発明の受容体は、天然のリガンドに対する反応性が失われていることが好ましい。
本発明においてリガンドとは、機能タンパク質に特異的に結合する物質のことをいい、低分子化合物、タンパク質、ペプチドなど、その種類は限定されない。本発明において好ましい機能タンパク質は受容体である。本発明において好ましいリガンドは、アゴニスト活性を有するリガンドである。また本発明は、本発明のリガンドを結合させることにより変異受容体にシグナルを伝達させる方法を提供する。本方法に用いられるリガンドは、天然リガンド以外の非天然リガンドであることが好ましい。
本発明は、天然リガンドに対する反応性が非変異受容体と異なっている変異受容体を対象とすることが好ましい。天然リガンドに対する反応性が非変異受容体と異なっている変異受容体とは、同一の天然リガンドを同一の条件下で変異受容体と非変異受容体に結合させた場合に、アゴニスト活性の強さやシグナル伝達の強さ等が非変異受容体とは異なっている変異受容体のことをいう。通常、変異受容体では、非変異受容体よりアゴニスト活性やシグナル伝達が弱くなっている(天然リガンドに対する反応性が失われている)。
受容体の例としては、例えば、造血因子受容体ファミリー、サイトカイン受容体ファミリー、チロシンキナーゼ型受容体ファミリー、セリン/スレオニンキナーゼ型受容体ファミリー、TNF受容体ファミリー、G蛋白質共役型受容体ファミリー、GPIアンカー型受容体ファミリー、チロシンホスファターゼ型受容体ファミリー、接着因子ファミリー、ホルモン受容体ファミリー、等の受容体ファミリーに属する受容体などを挙げることができる。これら受容体ファミリーに属する受容体、及びその特徴に関しては多数の文献が存在し、例えば、Cooke BA.,King RJB.,Van der Molen HJ.ed.New Comprehesive Biochemistry Vol.18B ″Hormones and their Actions Part II″pp.1−46(1988)Elsevier Science Publishers BV.,New York,USA、Patthy L.(1990)Cell,61:13−14.、Ullrich A.,et al.(1990)Cell,61:203−212.、Massagul J.(1992)Cell,69:1067−1070.、Miyajima A.,et al.(1992)Annu.Rev.Immunol.,10:295−331.、Taga T.and Kishimoto T.(1992)FASEB J.,7:3387−3396.、Fantl WI.,et al.(1993)Annu.Rev.Biochem.,62:453−481.、Smith CA.,et al.(1994)Cell,76:959−962.、Flower DR.(1999)Biochim.Biophys.Acta,1422:207−234.、宮坂昌之監修,細胞工学別冊ハンドブックシリーズ「接着因子ハンドブック」(1994)(秀潤社,東京,日本)等が挙げられる。上記受容体ファミリーに属する具体的な受容体としては、例えば、ヒト又はマウスエリスロポエチン(EPO)受容体、ヒト又はマウス顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)受容体、ヒト又はマウストロンボポイエチン(TPO)受容体、ヒト又はマウスインスリン受容体、ヒト又はマウスFlt−3リガンド受容体、ヒト又はマウス血小板由来増殖因子(PDGF)受容体、ヒト又はマウスインターフェロン(IFN)−α、β受容体、ヒト又はマウスレプチン受容体、ヒト又はマウス成長ホルモン(GH)受容体、ヒト又はマウスインターロイキン(IL)−10受容体、ヒト又はマウスインスリン様増殖因子(IGF)−I受容体、ヒト又はマウス白血病抑制因子(LIF)受容体、ヒト又はマウス毛様体神経栄養因子(CNTF)受容体等を例示することができる(hEPOR:Simon,S.et al.(1990)Blood 76,31−35.;mEPOR:D′Andrea,AD.Et al.(1989)Cell 57,277−285.;hG−CSFR:Fukunaga,R.et al.(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.USA.87,8702−8706.;mG−CSFR:Fukunaga,R.et al.(1990)Cell 61,341−350.;hTPOR:Vigon,I.et al.(1992)89,5640−5644.;mTPOR:Skoda,RC.Et al.(1993)12,2645−2653.;hInsR:Ullrich,A.et al.(1985)Nature 313,756−761.;hFlt−3:Small,D.et al.(1994)Proc.Natl.Acad.Sci.USA.91,459−463.;hPDGFR:Gronwald,RGK.Et al.(1988)Proc.Natl.acad.Sci.USA.85,3435−3439.;hIFNα/βR:Uze,G.et al.(1990)Cell 60,225−234.及びNovick,D.et al.(1994)Cell 77,391−400.)。
本発明の変異受容体の一つの態様としては、疾患の発症と関連している受容体を挙げることができる。変異受容体が疾患の発症と関連するとは、天然のリガンドに対する反応性が失われることが一因となり、疾患の発症が誘発されることをいう。本発明においては、変異受容体は疾患の発症の一因を担っていればよく、変異受容体が疾患の発症の全ての原因である必要はない。現在までに変異受容体と疾患の発症の関連については多くの報告があるが、既に報告されている関連以外にも、変異受容体が疾患の発症と関連するか否かは統計的解析方法(例えば、相関解析など)により確認することも可能である。相関解析はケースコントロール研究とも言われ、当業者によく知られた解析方法である(例えば、西村泰治:多型の統計学的用法、最新医学46:909−923,(1991)、Oka A et al.,Hum.Mol.Genetecs 8,2165−2170(1990)、Ota M et al.,Am.J.Hum.Genet.64,1406−1410(1999)、Ozawa A et al.,Tissue Antigens 53,263−268(1999)など)。例えば、患者と健常者で変異受容体の頻度を測定し、患者において有意に変異受容体の頻度が上昇しているか否かを調べることにより、変異受容体と疾患の間の相関を調べることができる。通常、頻度の違いは、χ検定で検討され、χはχ=Σ(観察値−期待値)/期待値で得られる。得られたχからp値を得ることができる。変異受容体と疾患が相関しているか否かはp値から判定することができ、例えば、p<0.05の場合、変異受容体と疾患が相関していると判定することができる。
疾患の発症との関連が知られている変異受容体については多くの報告があるが、具体的な例としては、例えば、トロンボポイエチン(TPO)受容体の変異受容体、インシュリン受容体の変異受容体、エリスロポエチン受容体の変異受容体、成長ホルモン受容体の変異受容体、コモンγチェーン(IL−2、IL−4、IL−7、IL−15、IL−21の共通レセプター)の変異受容体、アンドロゲン受容体の変異受容体(Glutamin Repeats and Neurodegenerative Disease:Molecular Aspects(2001),261−267,Oxford University press)、proopiomelanocortin(POMC)、meralocortin受容体の変異受容体(Journal of Clinical Endocrinology and Metabolism(2001),86(4),1442−1446)、Ryanodine受容体の変異受容体(Human Mutation(2000),15(5),410−417)、thyroid−stimulation hormone受容体の変異受容体(Trends in Endocrinology and Metabolism(1998),9(4),133−140)、thyrotropin受容体の変異受容体(European Journal of Medical Research(1996),1(10),460−464)などを挙げることができる。本発明において特に好ましい変異受容体はトロンボポイエチン受容体の変異受容体である。
本発明において、天然リガンドとは、生体内に存在しているリガンドのことをいい、好ましくは非変異受容体のシグナル伝達に最も影響を与えているリガンドである。本発明における天然リガンドには通常、抗体は含まれない。
アゴニスト活性とは、受容体にリガンドが結合することにより、細胞内にシグナルが伝達され、何らかの生理的活性の変化を誘導する活性である。生理的活性としては、例えば、増殖活性、生存活性、分化活性、転写活性、膜輸送活性、結合活性、蛋白質分解活性、リン酸化/脱リン酸化活性、酸化還元活性、転移活性、核酸分解活性、脱水活性などを挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。
本発明において、生理的活性の変化を測定する為に用いる検出指標は、量的および/又は質的な変化が測定可能である限り使用することができる。例えば、無細胞系(cell free assay)の指標、細胞系(cell−based assay)の指標、組織系の指標、生体系の指標を用いることができる。無細胞系の指標としては、酵素反応やタンパク質、DNA、RNAの量的および/又は質的な変化を用いることができる。酵素反応としては、例えば、アミノ酸転移反応、糖転移反応、脱水反応、脱水素反応、基質切断反応等を用いることができる。また、タンパク質のリン酸化、脱リン酸化、二量化、多量化、分解、乖離等や、DNA、RNAの増幅、切断、伸長を用いることができる。例えばシグナル伝達経路の下流に存在するタンパク質のリン酸化を検出指標とすることができる。細胞系の指標としては、細胞の表現型の変化、例えば、産生物質の量的及び/又は質的変化、増殖活性の変化、形態の変化、特性の変化等を用いることができる。産生物質としては、分泌タンパク質、表面抗原、細胞内タンパク質、mRNA等を用いることができる。形態の変化としては、突起形成及び/又は突起の数の変化、偏平度の変化、伸長度/縦横比の変化、細胞の大きさの変化、内部構造の変化、細胞集団としての異形性/均一性、細胞密度の変化等を用いることができる。これらの形態の変化は検鏡下での観察で確認することができる。特性の変化としては、足場依存性、サイトカイン依存応答性、ホルモン依存性、薬剤耐性、細胞運動性、細胞遊走活性、拍動性、細胞内物質の変化等を用いることができる。細胞運動性としては、細胞浸潤活性、細胞遊走活性がある。また、細胞内物質の変化としては例えば、酵素活性、mRNA量、Ca2+やcAMP等の細胞内情報伝達物質量、細胞内蛋白質量等を用いることができる。また、受容体の刺激によって誘導される細胞の増殖活性の変化を指標とすることができる。組織系の指標としては、使用する組織に応じた機能変化を検出指標とすることができる。生体系の指標としては組織重量変化、血液系の変化、例えば血球細胞数の変化、タンパク質量や、酵素活性、電解質量の変化、また、循環器系の変化、例えば、血圧、心拍数の変化等を用いることができる。
これらの検出指標を測定する方法としては、特に制限はなく、発光、発色、蛍光、放射活性、蛍光偏光度、表面プラズモン共鳴シグナル、時間分解蛍光度、質量、吸収スペクトル、光散乱、蛍光共鳴エネルギー移動等を用いることができる。これらの測定方法は当業者にとっては周知であり、目的に応じて、適宜選択することができる。例えば、吸収スペクトルは一般的に用いられるフォトメータやプレートリーダ等、発光はルミノメータ等、蛍光はフルオロメータ等で測定することができる。質量は質量分析計を用いて測定することができる。放射活性は、放射線の種類に応じてガンマカウンターなどの測定機器を用いて、蛍光偏光度はBEACON(宝酒造)、表面プラズモン共鳴シグナルはBIACORE、時間分解蛍光、蛍光共鳴エネルギー移動などはARVOなどにより測定できる。さらに、フローサイトメータなども測定に用いることができる。本発明においては、変異受容体の細胞外領域と他のタンパク質の細胞内領域を含むキメラ受容体を用いることも可能である。例えば、G−CSF受容体、EPO受容体、EGF受容体、トロンボポイエチン受容体の細胞内領域を用い、これらの受容体の刺激によって誘導される細胞増殖活性を検出指標とすることができる。また、細胞増殖活性を検出指標として測定する場合、検出感度を上げることを目的として、リガンドの非存在下では死滅する細胞株が好ましく、特に、継代が容易である点でサイトカイン依存性細胞株が好ましい。例えば、IL−2依存性細胞株であるCTLL−2細胞や、IL−3依存性細胞株である32D細胞、FDC−P1細胞、Ba/F3細胞を用いることができる。これらの細胞株は、IL−2あるいはIL−3等の増殖に必要なサイトカインを培養液から除去することで、培養開始2日目か3日目には細胞が死滅する特徴を有する。マウスG−CSF受容体細胞内領域を有するキメラ受容体を発現させたFDC−P1細胞やBa/F3細胞を用いることが好ましい。
本発明のアゴニスト活性を有するリガンドは、変異受容体に対してアゴニスト活性を有していれば特に限定されず、変異受容体と非変異受容体の両方にアゴニスト活性を有していてもよいし、変異受容体のみにアゴニスト活性を有していてもよい。変異受容体と非変異受容体の両方に対してアゴニスト活性を有する場合には、非変異受容体に対してより高いアゴニスト活性を有していてもよいし、変異受容体に対してより高いアゴニスト活性を有していてもよい。又、非変異受容体と変異受容体に対して、同程度のアゴニスト活性を有していてもよい。しかしながら、変異受容体に起因する疾患の治療が主目的である場合には、非変異受容体と比較して、変異受容体において高いアゴニスト活性を有するリガンドを用いることが好ましい。
本発明の抗体は、アゴニスト活性を有する限り特に制限はなく、マウス抗体、ラット抗体、ウサギ抗体、ヒツジ抗体、ラクダ抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体等を適宜用いることができる。抗体は、ポリクローナル抗体であってもモノクローナル抗体であってもよいが、均質な抗体を安定に生産できる点でモノクローナル抗体が好ましい。ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体は当業者に周知の方法により作製することができる。
モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマは、基本的には公知技術を使用し、以下のようにして作製できる。すなわち、所望の抗原や所望の抗原を発現する細胞を感作抗原として使用して、これを通常の免疫方法にしたがって免疫し、得られる免疫細胞を通常の細胞融合法によって公知の親細胞と融合させ、通常のスクリーニング法により、モノクローナルな抗体産生細胞(ハイブリドーマ)をスクリーニングすることによって作製できる。
感作抗原としては特に限定されないが、例えば、目的の受容体の全長タンパク質や、部分ペプチド(例えば、細胞外領域)などを用いることができる。抗原の調製は、当業者に公知の方法により行うことができ、例えば、バキュロウイルスを用いた方法(例えば、WO98/46777など)などに準じて行うことができる。ハイブリドーマの作製は、たとえば、ミルステインらの方法(Kohler,G.and Milstein,C.,Methods Enzymol.,1981,73,3−46.)等に準じて行うことができる。抗原の免疫原性が低い場合には、アルブミン等の免疫原性を有する巨大分子と結合させ、免疫を行えばよい。また、抗体遺伝子をハイブリドーマからクローニングし、適当なベクターに組み込んで、これを宿主に導入し、遺伝子組換え技術を用いて産生させた遺伝子組換え型抗体を用いることができる(例えば、Carl,A.K.Borrebaeck,James,W.Larrick,THERAPEUTIC MONOCLONAL ANTIBODIES,Published in the United Kingdom by MACMILLAN PUBLISHERS LTD,1990参照)。具体的には、ハイブリドーマのmRNAから逆転写酵素を用いて抗体の可変領域(V領域)のcDNAを合成する。目的とする抗体のV領域をコードするDNAが得られれば、これを所望の抗体定常領域(C領域)をコードするDNAと連結し、これを発現ベクターへ組み込む。または、抗体のV領域をコードするDNAを、抗体C領域のDNAを含む発現ベクターへ組み込んでもよい。発現制御領域、例えば、エンハンサー、プロモーターの制御のもとで発現するよう発現ベクターに組み込む。次に、この発現ベクターにより宿主細胞を形質転換し、抗体を発現させることができる。本発明の抗体の認識する分子上のエピトープは特定のものに限定されず、分子上に存在するエピトープならばどのエピトープを認識してもよいが、通常、細胞外領域に存在するエピトープを認識する。本発明では、ヒトに対する異種抗原性を低下させること等を目的として人為的に改変した遺伝子組換え型抗体、例えば、キメラ(Chimeric)抗体、ヒト化(Humanized)抗体などを使用できる。これらの改変抗体は、既知の方法を用いて製造することができる。キメラ抗体は、ヒト以外の哺乳動物、例えば、マウス抗体の重鎖、軽鎖の可変領域とヒト抗体の重鎖、軽鎖の定常領域からなる抗体であり、マウス抗体の可変領域をコードするDNAをヒト抗体の定常領域をコードするDNAと連結し、これを発現ベクターに組み込んで宿主に導入し産生させることにより得ることができる。ヒト化抗体は、再構成(reshaped)ヒト抗体とも称され、ヒト以外の哺乳動物、たとえばマウス抗体の相補性決定領域(CDR;complementarity determining region)をヒト抗体の相補性決定領域へ移植したものであり、その一般的な遺伝子組換え手法も知られている。具体的には、マウス抗体のCDRとヒト抗体のフレームワーク領域(framework region;FR)を連結するように設計したDNA配列を、末端部にオーバーラップする部分を有するように作製した数個のオリゴヌクレオチドからPCR法により合成する。得られたDNAをヒト抗体定常領域をコードするDNAと連結し、次いで発現ベクターに組み込んで、これを宿主に導入し産生させることにより得られる(欧州特許出願公開番号EP 239400、国際特許出願公開番号WO 96/02576参照)。CDRを介して連結されるヒト抗体のFRは、相補性決定領域が良好な抗原結合部位を形成するものが選択される。必要に応じ、再構成ヒト抗体の相補性決定領域が適切な抗原結合部位を形成するように抗体の可変領域のフレームワーク領域のアミノ酸を置換してもよい(Sato,K.et al.,Cancer Res,1993,53,851−856.)。また、ヒト抗体の取得方法も知られている。例えば、ヒトリンパ球をin vitroで所望の抗原または所望の抗原を発現する細胞で感作し、感作リンパ球をヒトミエローマ細胞、例えばU266と融合させ、抗原への結合活性を有する所望のヒト抗体を得ることもできる(特公平1−59878参照)。また、ヒト抗体遺伝子の全てのレパートリーを有するトランスジェニック動物を所望の抗原で免疫することで所望のヒト抗体を取得することができる(国際特許出願公開番号WO 93/12227,WO 92/03918,WO 94/02602,WO 94/25585,WO 96/34096,WO 96/33735参照)。さらに、ヒト抗体ライブラリーを用いて、パンニングによりヒト抗体を取得する技術も知られている。例えば、ヒト抗体の可変領域を一本鎖抗体(scFv)としてファージディスプレイ法によりファージの表面に発現させ、抗原に結合するファージを選択することができる。選択されたファージの遺伝子を解析すれば、抗原に結合するヒト抗体の可変領域をコードするDNA配列を決定することができる。抗原に結合するscFvのDNA配列が明らかになれば、当該配列を適当な発現ベクターを作製し、ヒト抗体を取得することができる。これらの方法は既に周知であり、WO 92/01047,WO 92/20791,WO 93/06213,WO 93/11236,WO 93/19172,WO 95/01438,WO 95/15388を参考にすることができる。抗体遺伝子を一旦単離し、適当な宿主に導入して抗体を作製する場合には、適当な宿主と発現ベクターの組み合わせを使用することができる。真核細胞を宿主として使用する場合、動物細胞、植物細胞、真菌細胞を用いることができる。動物細胞としては、(1)哺乳類細胞、例えば、CHO、COS、ミエローマ、BHK(baby hamster kidney)、HeLa、Vero、(2)両生類細胞、例えば、アフリカツメガエル卵母細胞、あるいは(3)昆虫細胞、例えば、sf9、sf21、Tn5などが知られている。植物細胞としては、ニコティアナ(Nicotiana)属、例えばニコティアナ・タバカム(Nicotiana tabacum)由来の細胞が知られており、これをカルス培養すればよい。真菌細胞としては、酵母、例えば、サッカロミセス(Saccharomyces)属、例えばサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces serevisiae)、糸状菌、例えば、アスペルギルス(Aspergillus)属、例えばアスペスギルス・ニガー(Aspergillus niger)などが知られている。原核細胞を使用する場合、細菌細胞を用いる産生系がある。細菌細胞としては、大腸菌(E.coli)、枯草菌が知られている。これらの細胞に、目的とする抗体遺伝子を形質転換により導入し、形質転換された細胞をin vitroで培養することにより抗体が得られる。
また、抗体は抗原に結合することができれば、低分子化抗体や抗体の修飾物などであってもよい。本発明において低分子化抗体とは、全長抗体(whole antibody、例えばwhole IgG等)の一部分が欠損している抗体断片を含み、抗原への結合能を有していれば特に限定されない。本発明の抗体断片は、全長抗体の一部分であれば特に限定されないが、重鎖可変領域(VH)又は軽鎖可変領域(VL)を含んでいることが好ましく、特に好ましいのはVHとVLの両方を含む断片である。抗体断片の具体例としては、例えば、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fv、scFv(シングルチェインFv)などを挙げることができるが、好ましくはscFv(Huston,J.S.et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.(1988)85,5879−5883、Plickthun「The Pharmacology of Monoclonal Antibodies」Vol.113,Resenburg及びMoore編,Springer Verlag,New York,pp.269−315,(1994))である。このような抗体断片を得るには、抗体を酵素、例えば、パパイン、ペプシンなどで処理し抗体断片を生成させるか、又は、これら抗体断片をコードする遺伝子を構築し、これを発現ベクターに導入した後、適当な宿主細胞で発現させればよい(例えば、Co,M.S.et al.,J.Immunol.(1994)152,2968−2976;Better,M.and Horwitz,A.H.,Methods Enzymol.(1989)178,476−496;Pluckthun,A.and Skerra,A.,Methods Enzymol.(1989)178,497−515;Lamoyi,E.,Methods Enzymol.(1986)121,652−663;Rousseaux,J.et al.,Methods Enzymol.(1986)121,663−669;Bird,R.E.and Walker,B.W.,Trends Biotechnol.(1991)9,132−137参照)。本発明における低分子化抗体は、全長抗体よりも分子量が小さくなることが好ましいが、例えば、ダイマー、トリマー、テトラマーなどの多量体を形成すること等もあり、全長抗体よりも分子量が大きくなることもある。
本発明において好ましい低分子化抗体は、抗体のVHを2つ以上及びVLを2つ以上含み、これら各可変領域を直接あるいはリンカー等を介して間接的に結合した抗体である。結合は、共有結合でも非共有結合でもよく、また、共有結合と非共有結合の両方でよい。さらに好ましい低分子化抗体は、VHとVLが非共有結合により結合して形成されるVH−VL対を2つ以上含んでいる抗体である。この場合、低分子化抗体中の一方のVH−VL対と他方のVH−VL対との間の距離が、全長抗体における距離よりも短くなる抗体が好ましい。
本発明において特に好ましい低分子化抗体はダイアボディ(Diabody)又はsc(Fv)2である。ダイアボディは、可変領域と可変領域をリンカー等で結合したフラグメント(例えば、scFv等)(以下、ダイアボディを構成するフラグメント)を2つ結合させて二量体化させたものであり、通常、2つのVLと2つのVHを含む(P.Holliger et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,90,6444−6448(1993)、EP404097号、WO93/11161号、Johnson et al.,Methods in Enzymology,203,88−98,(1991)、Holliger et al.,Protein Engineering,9,299−305,(1996)、Perisic et al.,Structure,2,1217−1226,(1994)、John et al.,Protein Engineering,12(7),597−604,(1999)、Holliger et al,.Proc.Natl.Acad.Sci.USA.,90,6444−6448,(1993)、Atwell et al.,Mol.Immunol.33,1301−1312,(1996))。ダイアボディを構成するフラグメント間の結合は非共有結合でも、共有結合でよいが、好ましくは非共有結合である。
また、ダイアボディを構成するフラグメント同士をリンカーなどで結合して、一本鎖ダイアボディ(scDiabody)とすることも可能である。その際、ダイアボディを構成するフラグメント同士を20アミノ酸程度の長いリンカーを用いて結合すると、同一鎖上に存在するダイアボディを構成するフラグメント同士で非共有結合が可能となり、二量体を形成する。
ダイアボディを構成するフラグメントは、VLとVHを結合したもの、VLとVLを結合したもの、VHとVHを結合したもの等を挙げることができるが、好ましくはVHとVLを結合したものである。ダイアボディを構成するフラグメント中において、可変領域と可変領域を結合するリンカーは特に制限されないが、同一フラグメント中の可変領域の間で非共有結合がおこらない程度に短いリンカーを用いることが好ましい。そのようなリンカーの長さは当業者が適宜決定することができるが、通常2〜14アミノ酸、好ましくは3〜9アミノ酸、特に好ましくは4〜6アミノ酸である。この場合、同一フラグメント上にコードされるVLとVHとは、その間のリンカーが短いため、同一鎖上のVLとVHの間で非共有結合がおこらず、単鎖V領域フラグメントが形成されない為、他のフラグメントとの非共有結合による二量体を形成する。さらに、ダイアボディ作製と同じ原理で、ダイアボディを構成するフラグメントを3つ以上結合させて、トリマー、テトラマーなどの多量体化させた抗体を作製することも可能である。
また、本発明におけるsc(Fv)2は、2つのVH及び2つのVLをリンカー等で結合して一本鎖にした低分子化抗体である(Hudson et al、J Immunol.Methods 1999;231:177−189)。sc(Fv)2は、全長抗体や他の低分子化抗体と比較して、特に高いアゴニスト活性を示す。sc(Fv)2は、例えば、scFvをリンカーで結ぶことによって作製できる。
また2つのVH及び2つのVLが、一本鎖ポリペプチドのN末端側を基点としてVH、VL、VH、VL([VH]リンカー[VL]リンカー[VH]リンカー[VL])の順に並んでいることを特徴とする抗体が好ましい。
2つのVHと2つのVLの順序は特に上記配置に限定されず、どのような順序で並べられていてもよい。例えば以下のような、配置も挙げることができる。
[VL]リンカー[VH]リンカー[VH]リンカー[VL]
[VH]リンカー[VL]リンカー[VL]リンカー[VH]
[VH]リンカー[VH]リンカー[VL]リンカー[VL]
[VL]リンカー[VL]リンカー[VH]リンカー[VH]
[VL]リンカー[VH]リンカー[VL]リンカー[VH]
抗体の可変領域を結合するリンカーとしては、遺伝子工学により導入し得る任意のペプチドリンカー、又は合成化合物リンカー(例えば、Protein Engineering,9(3),299−305,1996参照)に開示されるリンカー等を用いることができるが、本発明においてはペプチドリンカーが好ましい。ペプチドリンカーの長さは特に限定されず、目的に応じて当業者が適宜選択することが可能であるが、通常、1〜100アミノ酸、好ましくは3〜50アミノ酸、更に好ましくは5〜30アミノ酸、特に好ましくは12〜18アミノ酸(例えば、15アミノ酸)である。
例えば、ペプチドリンカーの場合:
Ser
Gly・Ser
Gly・Gly・Ser
Ser・Gly・Gly
Gly・Gly・Gly・Ser
Ser・Gly・Gly・Gly
Gly・Gly・Gly・Gly・Ser
Ser・Gly・Gly・Gly・Gly
Gly・Gly・Gly・Gly・Gly・Ser
Ser・Gly・Gly・Gly・Gly・Gly
Gly・Gly・Gly・Gly・Gly・Gly・Ser
Ser・Gly・Gly・Gly・Gly・Gly・Gly
(Gly・Gly・Gly・Gly・Ser)n
(Ser・Gly・Gly・Gly・Gly)n
[nは1以上の整数である]等を挙げることができる。但し、ペプチドリンカーの長さや配列は目的に応じて当業者が適宜選択することができる。
よって本発明において特に好ましいsc(Fv)2の態様としては、例えば、以下のsc(Fv)2を挙げることができる。
[VH]ペプチドリンカー(15アミノ酸)[VL]ペプチドリンカー(15アミノ酸)[VH]ペプチドリンカー(15アミノ酸)[VL]
合成化学物リンカー(化学架橋剤)は、ペプチドの架橋に通常用いられている架橋剤、例えばN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)、ジスクシンイミジルスベレート(DSS)、ビス(スルホスクシンイミジル)スベレート(BS)、ジチオビス(スクシンイミジルプロピオネート)(DSP)、ジチオビス(スルホスクシンイミジルプロピオネート)(DTSSP)、エチレングリコールビス(スクシンイミジルスクシネート)(EGS)、エチレングリコールビス(スルホスクシンイミジルスクシネート)(スルホ−EGS)、ジスクシンイミジル酒石酸塩(DST)、ジスルホスクシンイミジル酒石酸塩(スルホ−DST)、ビス[2−(スクシンイミドオキシカルボニルオキシ)エチル]スルホン(BSOCOES)、ビス[2−(スルホスクシンイミドオキシカルボニルオキシ)エチル]スルホン(スルホ−BSOCOES)などであり、これらの架橋剤は市販されている。
4つの抗体可変領域を結合する場合には、通常、3つのリンカーが必要となるが、全て同じリンカーを用いてもよいし、異なるリンカーを用いてもよい。本発明において好ましい低分子化抗体はダイアボディ又はsc(Fv)2である。このような低分子化抗体を得るには、抗体を酵素、例えば、パパイン、ペプシンなどで処理し、抗体断片を生成させるか、又はこれら抗体断片をコードするDNAを構築し、これを発現ベクターに導入した後、適当な宿主細胞で発現させればよい(例えば、Co,M.S.et al.,J.Immunol.(1994)152,2968−2976;Better,M.and Horwitz,A.H.,Methods Enzymol.(1989)178,476−496;Pluckthun,A.and Skerra,A.,Methods Enzymol.(1989)178,497−515;Lamoyi,E.,Methods Enzymol.(1986)121,652−663;Rousseaux,J.et al.,Methods Enzymol.(1986)121,663−669;Bird,R.E.and Walker,B.W.,Trends Biotechnol.(1991)9,132−137参照)。
全長抗体を低分子化することにより、非常に高いアゴニスト活性を有する抗体を作製することが可能である。
抗体の修飾物として、ポリエチレングリコール(PEG)等の各種分子と結合した抗体を使用することもできる。又、抗体に放射性同位元素、化学療法剤、細菌由来トキシン等の細胞傷害性物質などを結合することも可能である。このような抗体修飾物は、得られた抗体に化学的な修飾を施すことによって得ることができる。なお、抗体の修飾方法はこの分野においてすでに確立されている。
さらに、本発明で使用される抗体は二重特異性抗体(bispecific antibody)であってもよい。二重特異性抗体はある分子上の異なるエピトープを認識する抗原結合部位を有する二重特性抗体であってもよいし、一方の抗原結合部位がある分子を認識し、他方の抗原結合部位が放射性物質、化学療法剤、細胞由来トキシン等の細胞障害性物質を認識してもよい。この場合、ある分子を発現している細胞に直接細胞障害性物質を作用させ腫瘍細胞に特異的に障害を与え、腫瘍細胞の増殖を抑制することが可能である。二重特異性抗体は2種類の抗体のHL対を結合させて作製することもできるし、異なるモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを融合させて、二重特異性抗体産生融合細胞を作製し、得ることもできる。さらに、遺伝子工学的手法により二重特異性抗体を作製することも可能である。
又、本発明においては、糖鎖を改変した抗体などを用いることも可能である。抗体の糖鎖改変技術は既に知られている(例えば、WO00/61739、WO02/31140など)。
本発明における「抗体」にはこれらの抗体も包含される。
前記のように発現、産生された抗体は、通常のタンパク質の精製で使用されている公知の方法により精製することができる。例えば、プロテインAカラムなどのアフィニティーカラム、クロマトグラフィーカラム、フィルター、限外濾過、塩析、透析等を適宜選択、組み合わせることにより、抗体を分離、精製することができる(Antibodies A Laboratory Manual.Ed Harlow,David Lane,Cold Spring Harbor Laboratory,1988)。
抗体の抗原結合活性(Antibodies A Laboratory Manual.Ed Harlow,David Lane,Cold Spring Harbor Laboratory,1988)の測定には公知の手段を使用することができる。例えば、ELISA(酵素結合免疫吸着検定法)、EIA(酵素免疫測定法)、RIA(放射免疫測定法)あるいは蛍光免疫法などを用いることができる。
また本発明は、変異受容体に対してアゴニスト活性を有するリガンドのスクリーニング方法を提供する。本方法においては、まず、変異受容体に被検物質(被検化合物)を接触させる。変異受容体への被検物質の「接触」は、通常、変異受容体を発現する細胞の培養液もしくは抽出液に被検物質を添加することによって行うが、この方法に限定されない。被検物質がタンパク質等の場合には、該タンパク質を発現するDNAベクターを、該細胞へ導入することにより、「接触」を行うことができる。
本方法においては次いで変異受容体におけるシグナルを検出する。シグナルの検出には、上記した方法を用いることができる。
本方法においては次いで、被検物質を接触させない場合(対照)と比較して、アゴニスト活性を有するリガンドを選択する。このようにして選択されたリガンドは、受容体の欠損あるいは変異に関連する疾患の治療または予防のための治療薬となることが期待される。
本発明のスクリーニング方法の別の態様としては、まず正常受容体に対し、被検物質を接触させ、アゴニスト活性を測定する。次いで、変異受容体に対し、同じく被検物質を接触させ、アゴニスト活性を測定する。そして、正常受容体に接触させた場合と比較して、変異受容体に接触させた場合において高いアゴニスト活性を有するリガンドを選択する。
さらに本発明のスクリーニング方法の他の態様としては、まず、正常受容体に対し、被検物質を接触させ、アゴニスト活性を測定する。次いで、変異受容体に対し、同じく被検物質を接触させ、アゴニスト活性を測定する。そして、正常受容体と変異受容体の両方の場合にアゴニスト活性を有するリガンドを選択する。
上記方法におけるアゴニスト活性の測定は、上述の方法によって行うことができる。
本発明の上記スクリーニング方法によって取得される物質(化合物)もまた、本発明に含まれる。
本発明のリガンド(例えば、抗体)はアゴニスト活性を有することから、該リガンドが作用する受容体の欠損や変異による反応性低下に起因する疾病に対して、有効な治療薬となることが期待される。即ち本発明は、本発明の上記リガンドを含有する、変異受容体に起因する疾患の治療薬を提供する。上記の代表的な疾患として、例えば、血小板減少症や、2型糖尿病、Laron症候群を挙げることができる。
本発明における疾患としては、先天性無巨核球性血小板減少症(Congenital amegakaryocytic thrombocytopenia;CAMT)を好適に示すことができる。
本発明のリガンド、または本発明のスクリーニング方法によって取得される物質(化合物)を医薬組成物として用いる場合には、当業者に公知の方法で製剤化することが可能である。例えば、必要に応じて糖衣を施した錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤として経口的に、あるいは水もしくはそれ以外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、又は懸濁液剤の注射剤の形で非経口的に使用できる。例えば、薬理学上許容される担体もしくは媒体、具体的には、滅菌水や生理食塩水、植物油、乳化剤、懸濁剤、界面活性剤、安定剤、香味剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、結合剤などと適宜組み合わせて、一般に認められた製薬実施に要求される単位用量形態で混和することによって製剤化することが考えられる。これら製剤における有効成分量は指示された範囲の適当な容量が得られるようにするものである。
錠剤、カプセル剤に混和することができる添加剤としては、例えばゼラチン、コーンスターチ、トラガントガム、アラビアゴムのような結合剤、結晶性セルロースのような賦形剤、コーンスターチ、ゼラチン、アルギン酸のような膨化剤、ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、ショ糖、乳糖又はサッカリンのような甘味剤、ペパーミント、アカモノ油又はチェリーのような香味剤が用いられる。調剤単位形態がカプセルである場合には、上記の材料にさらに油脂のような液状担体を含有することができる。注射のための無菌組成物は注射用蒸留水のようなベヒクルを用いて通常の製剤実施に従って処方することができる。
注射用の水溶液としては、例えば生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液、例えばD−ソルビトール、D−マンノース、D−マンニトール、塩化ナトリウムが挙げられ、適当な溶解補助剤、例えばアルコール、具体的にはエタノール、ポリアルコール、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、非イオン性界面活性剤、例えばポリソルベート80(TM)、HCO−50と併用してもよい。
油性液としてはゴマ油、大豆油があげられ、溶解補助剤として安息香酸ベンジル、ベンジルアルコールと併用してもよい。また、緩衝剤、例えばリン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液、無痛化剤、例えば、塩酸プロカイン、安定剤、例えばベンジルアルコール、フェノール、酸化防止剤と配合してもよい。調製された注射液は通常、適当なアンプルに充填させる。
投与は経口、非経口投与のいずれでも可能であるが、好ましくは非経口投与であり、具体的には、注射剤型、経鼻投与剤型、経肺投与剤型、経皮投与型などが挙げられる。注射剤型の例としては、例えば、静脈内注射、筋肉内注射、腹腔内注射、皮下注射などにより全身または局部的に投与することができる。また、患者の年齢、症状により適宜投与方法を選択することができる。また、該化合物がDNAによりコードされうるものであれば、該DNAを遺伝子治療用ベクターに組込み、遺伝子治療を行うことも考えられる。投与量としては、例えば、一回につき体重1kgあたり0.0001mgから1000mgの範囲で選ぶことが可能である。あるいは、例えば、患者あたり0.001〜100000mg/bodyの範囲で投与量を選ぶことができるが、これらの数値に必ずしも制限されるものではない。投与量、投与方法は、患者の体重や年齢、症状などにより変動するが、当業者であれば適宜選択することが可能である。
図1は、pCOS2−hMPLfullベクターの構成を示す図である。
図2は、pCOS2−hMPLfullG305Cベクターの構成を示す図である。
図3は、pBACsurfl−hMPL−FLAGベクターの構成を示す図である。
図4は、pCOS2−HA−Ba/F3の各ダイアボディとhTPOに対するアゴニスト活性を示す図である。縦軸は、O.D.450/655nmを示し、横軸は濃度を示す。
図5は、hMPL−Ba/F3の各ダイアボディとhTPOに対するアゴニスト活性を示す図である。縦軸は、O.D.450/655nmを示し、横軸は濃度を示す。
図6は、hMPL(G305C)−Ba/F3の各ダイアボディとhTPOに対するアゴニスト活性を示す図である。縦軸は、O.D.450/655nmを示し、横軸は濃度を示す。
図7は、pCOS2−hMPLfullC769Tベクターの構成を示す図である。
図8は、pCOS2−hMPLfullC823Aベクターの構成を示す図である。
図9は、TA136 sc(Fv)2遺伝子構築を表す図である。
図10は、pCXND3−TA136 sc(Fv)2ベクターの構成を示す図である。
図11は、hMPL−Ba/F3細胞におけるTA136 db、TA136 sc(Fv)2のアゴニスト活性を示す図である。縦軸はO.D.450/655nmを示し、横軸は濃度を示す。
図12は、hMPL(G305C)−Ba/F3細胞におけるTA136 db、TA136 sc(Fv)2のアゴニスト活性を示す図である。縦軸はO.D.450/655nmを示し、横軸は濃度を示す。
図13は、hMPL(C769T)−Ba/F3細胞におけるTA136 db、TA136 sc(Fv)2のアゴニスト活性を示す図である。縦軸はO.D.450/655nmを示し、横軸は濃度を示す。
図14は、hMPL(C823A)−Ba/F3細胞におけるTA136 db、TA136 sc(Fv)2のアゴニスト活性を示す図である。縦軸はO.D.450/655nmを示し、横軸は濃度を示す。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に制限されるものではない。
〔実施例1〕Ba/F3細胞株の樹立
CAMT患者に見られるトロンボポイエチン受容体遺伝子変異のうちG305C(R102P)変異を持つ患者が複数報告されている。そこで、以下の方法でG305C(R102P)変異を持つトロンボポイエチン受容体遺伝子の発現ベクターを構築し、Ba/F3細胞に導入した。正常なトロンボポイエチン受容体遺伝子(配列番号:1)および該遺伝子の開始コドンから305番目の塩基をGからCに置換した遺伝子(配列番号:3)を作製した。これらのDNA断片を制限酵素EcoRI、SalIで切断し、動物細胞発現用ベクターpCOS2−HaのEcoRI、SalIサイトに導入し、pCOS2−hMPLfull(図1)、およびpCOS2−hMPLfullG305C(図2)を作製した。
pCOS2−hMPLfull、pCOS2−hMPLfullG305C、およびネガティブコントロールとしてpCOS2−HaをpvuI処理後、それぞれ20μgをBa/F3細胞に以下の条件でトランスフェクトした。GENE PULSER II(BIO−RAD)を用い、1x10cells/ml in PBS、Gene Pulser.Cuvette 0.4cm、0.33kV、950μFの条件で遺伝子導入した後、培地をRPMI1640、10% FBS、1ng/ml rmIL3(Pepro tech)、500μg/ml Geneticin(GIBCO)、100unit/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシンにかえて細胞を選抜した。その結果、それぞれのベクターからhMPL−Ba/F3細胞、hMPL(G305C)−Ba/F3細胞、pCOS2−HA−Ba/F3細胞株が得られた。
〔実施例2〕トロンボポイエチン受容体細胞外ドメインタンパクの調製
抗トロンボポイエチン受容体抗体作製用抗原調製のため、ヒトトロンボポイエチン受容体の細胞外ドメインを昆虫細胞Sf9で分泌生産する系を以下のように構築した。ヒトトロンボポイエチン受容体の細胞外ドメイン(Gln26−Trp491)の下流にFLAGタグを付加した遺伝子を作製し、pBACsurf−1(Novagen)のPstI−SmaIサイトに挿入し、pBACsurf1−hMPL−FLAG(図3)を作成した。その結果、バキュロウイルスのgp64タンパクの分泌シグナル配列を用いてトロンボポイエチン受容体の細胞外ドメインを分泌しうる遺伝子が構築された(配列番号:5)。Bac−N−Blue Transfection Kit(Invitrogen)を用い、キット添付のプロトコールに従い、4μgの本ベクターをSf9細胞にトランスフェクトした。培養3日後に培養上清を回収し、プラークアッセイで組換えウイルスを単離した。ウイルスストックを作成後、Sf9細胞に感染させ、その培養上清を回収した。得られた培養上清はQ Sepharose Fast Flow(ファルマシア)に吸着させた後、500mM NaCl、0.01% Tween−20を含むPBSで溶出し、M2 Affinity Resin(Sigma)に吸着させた。100mM Glycine−HCl,0.01% Tween20(pH3.5)で溶出後、直ちに1M Tris−Cl(pH8.0)により中和し、superdex 200 26/60によりゲルろ過クロマトを行い精製した(0.01% Tween20を含むPBS溶液)。
〔実施例3〕抗トロンボポイエチン受容体抗体ダイアボディの作製
精製されたTPOR細胞外ドメインタンパク質を初回免疫100μg、2回目以降50μgずつ計7回MRL/lprマウスに免疫し、定法に従いP3−X63−Ag8−U1(P3U1)細胞とのハイブリドーマを作製した。精製タンパクを用いたELISAアッセイで抗トロンボポイエチン受容体抗体を産生するハイブリドーマ細胞を選択した(VB08B、VB45B、VB033、VB140、VB157)。
一方、hMPL−Ba/F3細胞をBalb/Cマウスに1.0x10細胞ずつ1週間から5ヶ月の間隔で腹腔内投与し、計11回免疫後、同様にハイブリドーマを作製し、抗トロンボポイエチン受容体抗体を産生するハイブリドーマを選択した(TA136)。
得られた各ハイブリドーマ細胞から抗体cDNAの可変領域をH鎖、L鎖それぞれクローニングし塩基配列を決定した。決定した塩基配列に基づきC末端にFLAGタグの付いたダイアボディ遺伝子(VB08B db、VB45B db、VB033 db、VB140 db、VB157 db、TA136 db)を設計し、動物細胞発現用ベクターpCXND3に導入した(pCXND3−VB08B db、pCXND3−VB45B db、pCXND3−VB033 db、pCXND3−VB140 db、pCXND3−VB157 db、pCXND3−TA136 db)。作製された各ベクターをCOS7細胞に導入し、その培養上清を培養3日目に回収した。得られた培養上清中のダイアボディ濃度はM2抗体(Sigma)を用いたBIAcore(ファルマシア)で定量した。
〔実施例4〕Ba/F3細胞株のダイアボディ依存性アッセイ
pCOS2−HA−Ba/F3細胞、hMPL_Ba/F3細胞、hMPL(G305C)−Ba/F3細胞のそれぞれを、2.0x10cells/mlになるように培地(RPMI1640、10% FBS、100unit/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシン)に希釈し、60μl/wellで96well plateに分注した。hTPO(R&D、終濃度25μg/mlになるようにCHO−S−SFM IIで調整)とdiabody/COS7 sup(VB08B db、VB45B db、VB033 db、VB140 db、VB157 db、TA136 db、それぞれx1,x3,x9,x27,x81,x243にCHO−S−SFM IIで調整)を40μl/wellで分注して24時間培養した後、10μl/wellでCell Count Reagent(ナカライ)を加え、2時間培養後にO.D.450/655nm測定した。その結果、hMPL(G305C)−Ba/F3細胞ではhTPOや他のアゴニスト抗体に対する反応性が著しく低下していた。しかし、正常なレセプターを発現するhMPL_Ba/F3細胞に対するアゴニスト活性の弱いTA136 db(配列番号:7)は、hMPL(G305C)−Ba/F3細胞に対して強いアゴニスト活性を示した(図4〜6)。
なお、配列番号:8のアミノ酸番号49〜54が重鎖CDR1に、69〜84が重鎖CDR2に、117〜123が重鎖CDR3に、163〜174が軽鎖CDR1に、190〜196が軽鎖CDR2に、229〜237が軽鎖CDR3に相当する。
〔実施例5〕Ba/F3細胞株の樹立(2)
実施例1と同様CAMT患者に見られるトロンボポイエチン受容体遺伝子変異のうちC769T(R257C)、およびC823A(P275T)変異を持つトロンボポイエチン受容体遺伝子の発現ベクターをそれぞれ構築し、Ba/F3細胞に導入した。トロンボポイエチン受容体遺伝子(配列番号:1)の開始コドンから769番目の塩基をCからTに置換した遺伝子(配列番号:9)、および823番目の塩基をCからAに置換した遺伝子(配列番号:11)を作製した。これらのDNA断片を制限酵素EcoRI、SalIで切断し、動物細胞発現用ベクターpCOS2−HaのEcoRI、SalIサイトに導入しpCOS2−hMPLfullC769T(図7)、およびpCOS2−hMPLfullC823A(図8)を作製した。
pCOS2−hMPLfullC769T、pCOS2−hMPLfullC823AをpvuI処理後、それぞれ20μgをBa/F3細胞に以下の条件でトランスフェクトした。GENE PULSER II(BIO−RAD)を用い、1x10Cells/ml in PBS、Gene Pulser Cuvette 0.4cm、0.33kV、950μFの条件で遺伝子導入した後、培地をRPMI1640、10% FBS、1ng/ml rmIL3(Pepro tech)、500μg/ml Geneticin(GIBCO)、100unit/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシンにかえて細胞を選抜した。その結果、それぞれのベクターからhMPL(C769T)−Ba/F3細胞、hMPL(C823A)−Ba/F3細胞株が得られた。
〔実施例6〕抗トロンボポイエチン受容体抗体sc(FV)2の作製
前述のpCXND3−TA136 dbを用いて以下の手法によりTA136 sc(Fv)2遺伝子を構築した(図9)。
プライマーA(TAGAATTCCACCATGAGAGTGCTGATTCCTTTGTGGCTGTTCACAGCCTTTCCTGGTACCCTGTCTGATGTGCAGCTGCAGG/配列番号:15)とプライマーB(TGGGTGAGAACAATTTGCGATCCGCCACCACCCGAACCACCACCACCCGAACCACCACCACCTGAGGAGACGGTGACTGAGG/配列番号:16)の組み合わせ、およびプライマーC(CAGTCACCGTCTCCTCAGGTGGTGGTGGTTCGGGTGGTGGTGGTTCGGGTGGTGGCGGATCGCAAATTGTTCTCACCCAGTC/配列番号:17)とプライマーD(ATTGCGGCCGCTTATCACTTATCGTCGTCATCCTTGTAGTCTTTGATTTCCAGCTTGGTG/配列番号:18)の組み合わせでそれぞれPCRを行い、それぞれの産物の混合物をテンプレートとし、プライマーAとプライマーDで再びPCRを行った。得られた約800bpのDNA断片を制限酵素EcoRI、およびNotIで消化し、pBacPAK9(CLONTECH社製)にクローニングし、pBacPAK9−scTA136を作製した。
次に、pBacPAK9−scTA136をテンプレートとし、プライマーE(GATGTGCAGCTGCAGGAGTCGGGAC/配列番号:19)とプライマーF(CCTGCAGCTGCACATCCGATCCACCGCCTCCCGAACCACCACCACCCGATCCACCACCTCCTTTGATTTCCAGCTTGGTGC/配列番号:20)でPCRを行い、約800bpのDNA断片をpGEM−T Easyベクター(Promega社製)へクローニングした。
塩基配列の確認後、制限酵素PvuIIで消化し、得られた約800bpのDNA断片をpBacPAK9−scTA136のPvuIIサイトに挿入し、pBacPAK9−TA136 sc(Fv)2を作製した。作製したベクターを制限酵素EcoRIおよびNotIで消化し、約1600bpのDNA断片を発現ベクターpCXND3にクローニングし、pCXND3−TA136 sc(Fv)2を作製した(配列番号:13)(図10)。
〔実施例7〕TA136 dbおよびTA136 sc(F)2のTPO様アゴニスト活性の評価
pCXND3−TA136 db、およびpCXND3−TA136 sc(Fv)2をCOS7細胞に導入し、それぞれの培養上清を培養3日目に回収した。得られた培養上清中のDiabody濃度はM2抗体(Sigma)を用いたBIAcore(ファルマシア)で定量した。
hMPL−Ba/F3細胞、hMPL(G305C)−Ba/F3細胞、hMPL(C769T)−Ba/F3細胞、hMPL(C823A)−Ba/F3細胞のそれぞれを4.0x10cells/mlになるように培地(RPMI1640、10% FBS、100unit/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシン)に希釈し、60μl/wellで96well plateに分注した。hTPO(R&D社)と上記COS7細胞培養上清を40μl/wellで分注して24時間培養した後、10μl/wellでCell Count Reagent(ナカライ)を加え、2時間培養後にO.D.450/655nm測定した。
その結果、TA136 sc(Fv)2は、3種のトロンボポイエチン受容体変異株全てにおいてhTPOやTA136 dbよりもさらに強いアゴニスト活性を示した(図12、図13、図14)。また、正常トロンボポイエチン受容体を発現するhMPL−Ba/F3細胞においては、TA136 dbはhTPOよりも弱い活性しか示さなかったが、sc(Fv)2化する事により天然リガンドであるhTPOと同等のアゴニスト活性を示す事が判明した(図11)。
産業上の利用の可能性
本発明により、変異受容体に起因する疾患、例えば、CAMTの患者に対する治療用リガンド(抗体)、抗体をコードするポリヌクレオチド、該ポリヌクレオチドを含むベクター、該ベクターを含む宿主細胞、該抗体の製造方法が提供された。さらに、該抗体をコードするポリヌクレオチドを用いた遺伝子治療の手段が提供された。また本発明の手法は、細胞膜上のタンパク質をコードする遺伝子の変異が原因の様々な遺伝子疾患に対する治療法を提供する。今後患者個人個人の遺伝子診断が広く行われる事が予測されており、個人個人の遺伝子型に適合した医薬品の開発が本発明の抗体工学技術を用いることにより可能となる。
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Claims (29)

  1. 変異受容体に対して、アゴニスト活性を有するリガンド。
  2. リガンドが抗体であることを特徴とする、請求項1に記載のリガンド。
  3. 変異受容体に対して、天然リガンドより高いアゴニスト活性を有することを特徴とする、請求項1または2に記載のリガンド。
  4. 変異受容体が、アミノ酸配列の変異に起因する受容体であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のリガンド。
  5. 変異受容体が、天然のリガンドに対する反応性が失われていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のリガンド。
  6. 変異受容体が疾患の原因となっている受容体であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のリガンド。
  7. 変異受容体が、トロンボポイエチン受容体の変異受容体であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載のリガンド。
  8. 抗体が低分子化抗体である、請求項2に記載のリガンド。
  9. 低分子化抗体がダイアボディである、請求項8に記載のリガンド。
  10. リガンドを結合させることにより変異受容体にシグナルを伝達する方法。
  11. リガンドが抗体であることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
  12. 変異受容体が、アミノ酸変異に起因する受容体であることを特徴とする、請求項10または11に記載の方法。
  13. 変異受容体が、天然のリガンドに対する反応性が失われていることを特徴とする、請求項10〜12のいずれかに記載の方法。
  14. 変異受容体が疾患の発症と関連している受容体であることを特徴とする、請求項10〜13のいずれかに記載の方法。
  15. 変異受容体が、トロンボポイエチン受容体の変異受容体であることを特徴とする、請求項10〜14のいずれかに記載の方法。
  16. 変異受容体にリガンドを結合させることにより、変異受容体に起因する疾患を治療する方法。
  17. リガンドが抗体である、請求項16に記載の方法。
  18. 以下の工程を含む、変異受容体に対してアゴニスト活性を有するリガンドのスクリーニング方法。
    (a)変異受容体に被検物質を接触させる工程、
    (b)変異受容体におけるシグナルを検出する工程、
    (c)アゴニスト活性を有するリガンドを選択する工程、
  19. 以下の工程を含む、変異受容体に対してアゴニスト活性を有するリガンドのスクリーニング方法。
    (a)正常受容体に対するアゴニスト活性を測定する工程、
    (b)変異受容体に対するアゴニスト活性を測定する工程、
    (c)正常受容体と比較して、変異受容体において高いアゴニスト活性を有するリガンドを選択する工程
  20. 以下の工程を含む、変異受容体と正常受容体に対してアゴニスト活性を有するリガンドのスクリーニング方法
    (a)正常受容体に対するアゴニスト活性を測定する工程、
    (b)変異受容体に対するアゴニスト活性を測定する工程、
    (c)正常受容体と変異受容体の両方にアゴニスト活性を有するリガンドを選択する工程
  21. リガンドが抗体である、請求項18〜20のいずれかに記載のスクリーニング方法。
  22. 請求項18〜21のいずれかに記載のスクリーニング方法により得られた物質。
  23. 変異受容体に対するリガンドを含有する、変異受容体に起因する疾患の治療薬。
  24. リガンドが請求項1〜9のいずれかに記載のリガンドである、請求項23に記載の治療薬。
  25. リガンドが抗体である、請求項23に記載の治療薬。
  26. 変異受容体が、アミノ酸変異に起因する受容体であることを特徴とする、請求項23〜25のいずれかに記載の治療薬。
  27. 変異受容体が、天然のリガンドに対する反応性が失われていることを特徴とする、請求項23〜26のいずれかに記載の治療薬。
  28. 変異受容体がトロンボポイエチン受容体の変異受容体であることを特徴とする、請求項23〜27のいずれかに記載の治療薬。
  29. 疾患が先天性無巨核球性血小板減少症である、請求項23〜28のいずれかに記載の治療薬。
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