JPWO2004078979A1 - 配糖化酵素遺伝子SaGT4およびその利用 - Google Patents
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Abstract
本発明の目的は、新規な配糖化酵素遺伝子を提供することである。本発明によれば、下記の何れかのアミノ酸配列を有するタンパク質をコードする遺伝子が提供される。(1)配列表の配列番号1、3、7、9または11に記載のアミノ酸配列を有し、配糖化酵素活性を有するアミノ酸配列;(2)配列表の配列番号1、3、7、9または11に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、配糖化酵素活性を有するアミノ酸配列;又は(3)配列表の配列番号1、3、7、9または11に記載のアミノ酸配列に対して70%以上の相同性を有するアミノ酸配列を有し、配糖化酵素活性を有するアミノ酸配列;
Description
本発明は、ナス科などの植物から得ることのできる配糖化酵素遺伝子、及びその利用に関する。
UDP−グルコース、TDP−ラムノースなどの活性化された単糖あるいはオリゴ糖を、特定の化合物に結合する能力を有する酵素は配糖化酵素と呼ばれ、配糖化反応における基質特異性が高いことが知られている(Kapitonov D and Yu RK,Glycobiology,9:961−978(1999))。配糖化反応によって、化合物の物性は大きく変わるため、配糖化酵素によって配糖化された化合物、あるいは逆に、配糖化反応を抑制した化合物は、医薬、食品添加物、工業原料などに利用されている。
ナス科植物の多くは、医薬品として利用価値の高いステロイドサポニンを含有しており、その生合成過程の最終段階である配糖化反応がサポニン生産において重要であると考えられる。またサポニンは二次代謝産物として植物の防御機構に関わっており、サポニン配糖化の度合いと抵抗性との相関やその制御機構にも興味が持たれる。しかし、この反応を触媒する酵素の遺伝子は未だクローニングされておらず、その機能に関する知見はほとんどない。
ナス科植物の多くは、医薬品として利用価値の高いステロイドサポニンを含有しており、その生合成過程の最終段階である配糖化反応がサポニン生産において重要であると考えられる。またサポニンは二次代謝産物として植物の防御機構に関わっており、サポニン配糖化の度合いと抵抗性との相関やその制御機構にも興味が持たれる。しかし、この反応を触媒する酵素の遺伝子は未だクローニングされておらず、その機能に関する知見はほとんどない。
植物には配糖化化合物が多く含まれている。配糖化酵素反応は基質特性が高いことから、植物由来の配糖化酵素を利用した医薬、食品添加物、工業原料の生産のための技術開発が切望されている。ところが、このような技術に利用できる既知の配糖化酵素遺伝子はその種類が十分ではなく、新規な配糖化遺伝子をクローニングする必要があった。即ち、本発明は、新規な配糖化酵素遺伝子を提供することを解決すべき課題とした。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ナス科植物から新規な配糖化酵素をコードするDNAを単離することに成功し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、下記の何れかのアミノ酸配列を有するタンパク質をコードする遺伝子が提供される。
(1)配列表の配列番号1、3、7、9または11に記載のアミノ酸配列を有し、配糖化酵素活性を有するアミノ酸配列;
(2)配列表の配列番号1、3、7、9または11に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、配糖化酵素活性を有するアミノ酸配列;又は
(3)配列表の配列番号1、3、7、9または11に記載のアミノ酸配列に対して70%以上の相同性を有するアミノ酸配列を有し、配糖化酵素活性を有するアミノ酸配列;
好ましくは、本発明の遺伝子は下記の何れかの塩基配列を有する遺伝子である。
(1)配列表の配列番号2、4、8、10または12に記載の塩基配列を有し、配糖化酵素をコードする塩基配列;
(2)配列表の配列番号2、4、8、10または12に記載の塩基配列において1から数個の塩基の欠失、置換及び/又は付加を有する塩基配列を有し、配糖化酵素をコードする塩基配列;又は
(3)配列表の配列番号2、4、8、10または12に記載の塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイスする塩基配列を有し、配糖化酵素をコードする塩基配列;
好ましくは、本発明の遺伝子は植物に由来する遺伝子であり、さらに好ましくは、植物はナス科植物である。
本発明の別の側面によれば、下記の何れかのアミノ酸配列を有するタンパク質が提供される。
(1)配列表の配列番号1、3、7、9または11に記載のアミノ酸配列を有し、配糖化酵素活性を有するアミノ酸配列;
(2)配列表の配列番号1、3、7、9または11に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、配糖化酵素活性を有するアミノ酸配列;又は
(3)配列表の配列番号1、3、7、9または11に記載のアミノ酸配列に対して70%以上の相同性を有するアミノ酸配列を有し、配糖化酵素活性を有するアミノ酸配列;
本発明のさらに別の側面によれば、本発明の遺伝子を含む組み換えベクターが提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、本発明の遺伝子又は組み換えベクターを有する形質転換体が提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、本発明の形質転換体を培養し、培養物から本発明のタンパク質を採取することを含む、当該タンパク質の製造方法が提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、本発明のタンパク質の存在下で糖と基質を反応させることを含む、糖を基質に結合させる方法が提供される。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ナス科植物から新規な配糖化酵素をコードするDNAを単離することに成功し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、下記の何れかのアミノ酸配列を有するタンパク質をコードする遺伝子が提供される。
(1)配列表の配列番号1、3、7、9または11に記載のアミノ酸配列を有し、配糖化酵素活性を有するアミノ酸配列;
(2)配列表の配列番号1、3、7、9または11に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、配糖化酵素活性を有するアミノ酸配列;又は
(3)配列表の配列番号1、3、7、9または11に記載のアミノ酸配列に対して70%以上の相同性を有するアミノ酸配列を有し、配糖化酵素活性を有するアミノ酸配列;
好ましくは、本発明の遺伝子は下記の何れかの塩基配列を有する遺伝子である。
(1)配列表の配列番号2、4、8、10または12に記載の塩基配列を有し、配糖化酵素をコードする塩基配列;
(2)配列表の配列番号2、4、8、10または12に記載の塩基配列において1から数個の塩基の欠失、置換及び/又は付加を有する塩基配列を有し、配糖化酵素をコードする塩基配列;又は
(3)配列表の配列番号2、4、8、10または12に記載の塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイスする塩基配列を有し、配糖化酵素をコードする塩基配列;
好ましくは、本発明の遺伝子は植物に由来する遺伝子であり、さらに好ましくは、植物はナス科植物である。
本発明の別の側面によれば、下記の何れかのアミノ酸配列を有するタンパク質が提供される。
(1)配列表の配列番号1、3、7、9または11に記載のアミノ酸配列を有し、配糖化酵素活性を有するアミノ酸配列;
(2)配列表の配列番号1、3、7、9または11に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、配糖化酵素活性を有するアミノ酸配列;又は
(3)配列表の配列番号1、3、7、9または11に記載のアミノ酸配列に対して70%以上の相同性を有するアミノ酸配列を有し、配糖化酵素活性を有するアミノ酸配列;
本発明のさらに別の側面によれば、本発明の遺伝子を含む組み換えベクターが提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、本発明の遺伝子又は組み換えベクターを有する形質転換体が提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、本発明の形質転換体を培養し、培養物から本発明のタンパク質を採取することを含む、当該タンパク質の製造方法が提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、本発明のタンパク質の存在下で糖と基質を反応させることを含む、糖を基質に結合させる方法が提供される。
図1は、ゲノムサザン分析の結果を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
(1)本発明の遺伝子
キンギンナスビは、根から2種類のステロイドサポニンが同定されており、毛状根培養および形質転換体の作成が可能である。本発明者らは、ステロイドサポゲニン配糖化機構を解明する手がかりとして、キンギンナスビより配糖化酵素遺伝子の単離を試み、デジェネレートPCRおよびRACE法により、2種類の候補遺伝子であるSaGT4AおよびSaGT4Rを取得した。SaGT4Aのアミノ酸配列と塩基配列を配列表の配列番号1及び2に示し、SaGT4Rのアミノ酸配列と塩基配列を配列表の配列番号3及び4に示す。
また、上記のデジェネレートPCRにより、ソラナム・カシアナムからは、配列番号8で示される塩基配列(Sk#7−5)(この塩基配列がコードするアミノ酸配列を配列番号7に示す)が取得された。同様に、ナスビからは、配列番号10で示される塩基配列(egp#1−1)(この塩基配列がコードするアミノ酸配列を配列番号9に示す)、並びに配列番号12で示される塩基配列(egp#1−4)(この塩基配列がコードするアミノ酸配列を配列番号11に示す)が得られた。上記のSaGT4AおよびSaGT4Rを取得した手法と同様の手法により、これらの遺伝子断片(Sk#7−5、egp#1−1、及びegp#1−4)を用いてRACE法を用いることにより、ソラナム・カシアナム又はナスビからこれらの遺伝子断片を含む全長の遺伝子(即ち、配糖化酵素活性を有するタンパク質をコードする遺伝子)を取得することが可能である。
即ち、本発明の遺伝子は、下記の何れかのアミノ酸配列を有するタンパク質をコードする遺伝子である。
(1)配列表の配列番号1、3、7、9または11に記載のアミノ酸配列を有し、配糖化酵素活性を有するアミノ酸配列;
(2)配列表の配列番号1、3、7、9または11に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、配糖化酵素活性を有するアミノ酸配列;又は
(3)配列表の配列番号1、3、7、9または11に記載のアミノ酸配列に対して70%以上の相同性を有するアミノ酸配列を有し、配糖化酵素活性を有するアミノ酸配列;
本発明の遺伝子の具体例としては、下記の何れかの塩基配列を有する遺伝子が挙げられる。
(1)配列表の配列番号2、4、8、10または12に記載の塩基配列を有し、配糖化酵素をコードする塩基配列;
(2)配列表の配列番号2、4、8、10または12に記載の塩基配列において1から数個の塩基の欠失、置換及び/又は付加を有する塩基配列を有し、配糖化酵素をコードする塩基配列;又は
(3)配列表の配列番号2、4、8、10または12に記載の塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイスする塩基配列を有し、配糖化酵素をコードする塩基配列;
本発明において、「配糖化酵素」とは、UDP−グルコース又はTDP−ラムノースなどの活性化された単糖あるいはオリゴ糖を特定の化合物に結合する能力を有する酵素である。また、「配糖化酵素活性」とは、上記のような単糖あるいはオリゴ糖を特定の化合物に結合することができる酵素活性を意味する。
本発明の遺伝子は、例えば、ナス科などの植物、具体的には、キンギンナスビ、ソラナム・カシアナム、ナスビ、ジャガイモ、タバコなどから単離できる。
本明細書で言う「1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列」における「1から数個」の範囲は特には限定されないが、例えば、1から20個、好ましくは1から10個、より好ましくは1から7個、さらに好ましくは1から5個、特に好ましくは1から3個程度を意味する。
本明細書で言う「配列表の配列番号1、3、7、9または11に記載のアミノ酸配列に対して70%以上の相同性を有するアミノ酸配列」における相同性は、70%以上であれば特に限定されないが、さらに好ましくは80%以上、さらに好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%、特に好ましくは95%以上である。
本明細書で言う「1から数個の塩基の欠失、置換及び/又は付加を有する塩基配列」における「1から数個」の範囲は特には限定されないが、例えば、1から40個、好ましくは1から30個、より好ましくは1から20個、より好ましくは1から10個、さらに好ましくは1から5個、特に好ましくは1から3個程度を意味する。
上記した「ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする」とは、DNAをプローブとして使用し、コロニーハイブリダイゼーション法、プラークハイブリダイゼーション法、あるいはサザンブロットハイブリダイゼーション法等を用いることにより得られるDNAの塩基配列を意味し、例えば、コロニーあるいはプラーク由来のDNA又は該DNAの断片を固定化したフィルターを用いて、0.7〜1.0MのNaCl存在下、65℃でハイブリダイゼーションを行った後、0.1〜2×SSC溶液(1×SSC溶液は、150mM塩化ナトリウム、15mMクエン酸ナトリウム)を用い、65℃条件下でフィルターを洗浄することにより同定できるDNA等を挙げることができる。ハイブリダイゼーションは、モレキュラークローニング第2版等に記載されている方法に準じて行うことができる。
ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAとしては、プローブとして使用するDNAの塩基配列と一定以上の相同性を有するDNAが挙げられ、例えば70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは93%以上、特に好ましくは95%以上、最も好ましくは98%以上の相同性を有するDNAが挙げられる。
本発明の遺伝子の取得方法は特に限定されない。本明細書中の配列表の配列番号1から12に記載したアミノ酸配列及び塩基配列の情報に基づいて適当なブローブやプライマーを調製し、それらを用いてナス科などの植物(より具体的には、キンギンナスビ、ソラナム・カシアナム、ナスビ、ジャガイモ、タバコなど)のcDNAライブラリーをスクリーニングすることにより本発明の遺伝子を単離することができる。cDNAライブラリーは、本発明の遺伝子を発現している細胞から常法により作製することができる。
PCR法により本発明の遺伝子を取得することもできる。上記した植物由来の染色体DNAライブラリー又はcDNAライブラリーを鋳型として使用し、配列番号2、4、6、8、10又は12に記載した塩基配列を増幅できるように設計した1対のプライマーを用いてPCRを行う。PCRの反応条件は適宜設定することができ、例えば、94℃で30秒間(変性)、55℃で30秒〜1分間(アニーリング)、72℃で2分間(伸長)からなる反応工程を1サイクルとして、例えば30サイクル行った後、72℃で7分間反応させる条件などを挙げることができる。次いで、増幅されたDNA断片を、大腸菌等の宿主で増幅可能な適切なベクター中にクローニングすることができる。
上記したプローブ又はプライマーの調製、cDNAライブラリーの構築、cDNAライブラリーのスクリーニング、並びに目的遺伝子のクローニングなどの操作は当業者に既知であり、例えば、Molecular Cloning:A laboratory Mannual,2nd Ed.,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,NY.,1989(以下、モレキュラークローニング第2版と略す)、Current Protocols in Molecular Biology,Supplement 1〜38,John Wiley & Sons(1987−1997)(以下、カレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジーと略す)等に記載の方法に準じて行うことができる。
また、配列表の配列番号1、3、7、9または11に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、配糖化酵素活性を有するタンパク質をコードする遺伝子;並びに配列表の配列番号2、4、8、10または12に記載の塩基配列において1から数個の塩基の欠失、置換及び/又は付加を有する塩基配列を有し、配糖化酵素をコードする塩基配列を有する遺伝子(以下、これらの遺伝子を変異遺伝子と称する)については、配列番号1〜12に記載のアミノ酸配列および塩基配列の情報に基づいて、化学合成、遺伝子工学的手法又は突然変異誘発などの当業者に既知の任意の方法で作製することができる。
例えば、配列表の配列番号2、4、8、10または12に記載の塩基配列を有するDNAに対し、変異原となる薬剤と接触作用させる方法、紫外線を照射する方法、遺伝子工学的手法等を用いて行うことができる。遺伝子工学的手法の一つである部位特異的変異誘発法は特定の位置に特定の変異を導入できる手法であることから有用であり、モレキュラークローニング第2版、カレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジー等に記載の方法に準じて行うことができる。
(2)本発明のタンパク質
本発明のタンパク質は、下記の何れかのアミノ酸配列を有する。
(1)配列表の配列番号1、3、7、9または11に記載のアミノ酸配列を有し、配糖化酵素活性を有するアミノ酸配列;
(2)配列表の配列番号1、3、7、9または11に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、配糖化酵素活性を有するアミノ酸配列;又は
(3)配列表の配列番号1、3、7、9または11に記載のアミノ酸配列に対して70%以上の相同性を有するアミノ酸配列を有し、配糖化酵素活性を有するアミノ酸配列;
本発明のタンパク質は配糖化酵素活性を有するタンパク質であり、このタンパク質の存在下で糖と基質を反応させることにより糖を基質に結合させることができる。上記方法による糖の基質への結合方法も本発明の範囲内に含まれる。
本発明のタンパク質の取得方法は特に制限されず、化学合成により合成したタンパク質でもよいし、遺伝子組み換え技術により作製した組み換えタンパク質でもよい。
組み換えタンパク質を作製する場合には、先ず、本明細書の上記(1)に記載した当該タンパク質をコードする遺伝子(DNA)を取得する。このDNAを適当な発現系に導入することにより、本発明のタンパク質を産生することができる。発現系でのタンパク質の発現については本明細書中後記する。
(3)本発明の組み換えベクター
本発明の遺伝子は適当なベクター中に挿入して使用することができる。本発明で用いるベクターの種類は特に限定されず、例えば、自立的に複製するベクター(例えばプラスミド等)でもよいし、あるいは、宿主細胞に導入された際に宿主細胞のゲノムに組み込まれ、組み込まれた染色体と共に複製されるものであってもよい。
好ましくは、本発明で用いるベクターは発現ベクターである。発現ベクターにおいて本発明の遺伝子は、転写に必要な要素(例えば、プロモーター等)が機能的に連結されている。プロモータは宿主細胞において転写活性を示すDNA配列であり、宿主の種類に応じて適宜選択することができる。
細菌細胞で作動可能なプロモータとしては、バチルス・ステアロテルモフィルス・マルトジェニック・アミラーゼ遺伝子(Bacillus stearothermophilus maltogenic amylase gene)、バチルス・リケニホルミス α アミラーゼ遺伝子(Bacillus licheniformis alpha−amylase gene)、バチルス・アミロリケファチエンス・BANアミラーゼ遺伝子(Bacillus amyloliquefaciens BAN amylase gene)、バチルス・サブチリス・アルカリプロテアーゼ遺伝子(Bacillus Subtilis alkaline protease gene)もしくはバチルス・プミルス・キシロシダーゼ遺伝子(Bacillus pumilus xylosldase gene)のプロモータ、またはファージ・ラムダのPR若しくはPLプロモータ、大腸菌のlac、trp若しくはtacプロモータなどが挙げられる。
哺乳動物細胞で作動可能なプロモータの例としては、SV40プロモータ、MT−1(メタロチオネイン遺伝子)プロモータ、またはアデノウイルス2主後期プロモータなどがある。昆虫細胞で作動可能なプロモータの例としては、ポリヘドリンプロモータ、P10プロモータ、オートグラファ・カリホルニカ・ポリヘドロシス塩基性タンパクプロモータ、バキュウロウイルス即時型初期遺伝子1プロモータ、またはバキュウロウイルス39K遅延型初期遺伝子プロモータ等がある。酵母宿主細胞で作動可能なプロモータの例としては、酵母解糖系遺伝子由来のプロモータ、アルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子プロモータ、TPI1プロモータ、ADH2−4cプロモータなどが挙げられる。糸状菌細胞で作動可能なプロモータの例としては、ADH3プロモータまたはtpiAプロモータなどがある。
また、本発明の遺伝子は必要に応じて、適切なターミネータに機能的に結合されてもよい。本発明の組み換えベクターは更に、ポリアデニレーションシグナル(例えばSV40またはアデノウイルス5E1b領域由来のもの)、転写エンハンサ配列(例えばSV40エンハンサ)などの要素を有していてもよい。
本発明の組み換えベクターは更に、該ベクターが宿主細胞内で複製することを可能にするDNA配列を具備してもよく、その一例としてはSV40複製起点(宿主細胞が哺乳類細胞のとき)が挙げられる。
本発明の組み換えベクターはさらに選択マーカーを含有してもよい。選択マーカーとしては、例えば、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)またはシゾサッカロマイセス・ポンベTPI遺伝子等のようなその補体が宿主細胞に欠けている遺伝子、または例えばアンピシリン、カナマイシン、テトラサイクリン、クロラムフェニコール、ネオマイシン若しくはヒグロマイシンのような薬剤耐性遺伝子を挙げることができる。本発明の遺伝子、プロモータ、および所望によりターミネータおよび/または分泌シグナル配列をそれぞれ連結し、これらを適切なベクターに挿入する方法は当業者に周知である。
(4)本発明の形質転換体及びそれを用いた組み換えタンパク質の製造
本発明の遺伝子又は組み換えベクターを適当な宿主に導入することによって形質転換体を作製することができる。
本発明の遺伝子または組み換えベクターを導入される宿主細胞は、本発明の遺伝子を発現できれば任意の細胞でよく、細菌、酵母、真菌および高等真核細胞等が挙げられる。
細菌細胞の例としては、バチルスまたはストレプトマイセス等のグラム陽性菌又は大腸菌等のグラム陰性菌が挙げられる。これら細菌の形質転換は、プロトプラスト法、または公知の方法でコンピテント細胞を用いることにより行えばよい。
哺乳類細胞の例としては、HEK293細胞、HeLa細胞、COS細胞、BHK細胞、CHL細胞またはCHO細胞等が挙げられる。哺乳類細胞を形質転換し、該細胞に導入されたDNA配列を発現させる方法も公知であり、例えば、エレクトロポーレーション法、リン酸カルシウム法、リポフェクション法等を用いることができる。
酵母細胞の例としては、サッカロマイセスまたはシゾサッカロマイセスに属する細胞が挙げられ、例えば、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevislae)またはサッカロマイセス・クルイベリ(Saccharomyces kluyveri)等が挙げられる。酵母宿主への組み換えベクターの導入方法としては、例えば、エレクトロポレーション法、スフェロブラスト法、酢酸リチウム法等を挙げることができる。
他の真菌細胞の例は、糸状菌、例えばアスペルギルス、ニューロスポラ、フザリウム、またはトリコデルマに属する細胞である。宿主細胞として糸状菌を用いる場合、DNA構築物を宿主染色体に組み込んで組換え宿主細胞を得ることにより形質転換を行うことができる。DNA構築物の宿主染色体への組み込みは、公知の方法に従い、例えば相同組換えまたは異種組換えにより行うことができる。
昆虫細胞を宿主として用いる場合には、組換え遺伝子導入ベクターおよびバキュロウイルスを昆虫細胞に共導入して昆虫細胞培養上清中に組換えウイルスを得た後、さらに組換えウイルスを昆虫細胞に感染させ、タンパク質を発現させることができる(例えば、Baculovirus Expression Vectors,A Laboratory Manual;及びカレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジー、Bio/Technology,6,47(1988)等に記載)。
バキュロウイルスとしては、例えば、ヨトウガ科昆虫に感染するウイルスであるアウトグラファ・カリフォルニカ・ヌクレアー・ポリヘドロシス・ウイルス(Autographa californica nuclear polyhedrosis virus)等を用いることができる。
昆虫細胞としては、Spodoptera frugiperdaの卵巣細胞であるSf9、Sf21〔バキュロウイルス・エクスプレッション・ベクターズ、ア・ラボラトリー・マニュアル、ダブリュー・エイチ・フリーマン・アンド・カンパニー(W.H.Freeman and Company)、ニューヨーク(New York)、(1992)〕、Trichoplusia niの卵巣細胞であるHiFive(インビトロジェン社製)等を用いることができる。
組換えウイルスを調製するための、昆虫細胞への組換え遺伝子導入ベクターと上記バキュロウイルスの共導入方法としては、例えば、リン酸カルシウム法又はリポフェクション法等を挙げることができる。
上記の形質転換体は、導入された遺伝子の発現を可能にする条件下で適切な栄養培地中で培養する。形質転換体の培養物から、本発明のタンパク質を単離精製するには、通常のタンパク質の単離、精製法を用いればよい。
例えば、本発明のタンパク質が、細胞内に溶解状態で発現した場合には、培養終了後、細胞を遠心分離により回収し水系緩衝液に懸濁後、超音波破砕機等により細胞を破砕し、無細胞抽出液を得る。該無細胞抽出液を遠心分離することにより得られた上清から、通常のタンパク質の単離精製法、即ち、溶媒抽出法、硫安等による塩析法、脱塩法、有機溶媒による沈殿法、ジエチルアミノエチル(DEAE)セファロース等のレジンを用いた陰イオン交換クロマトグラフィー法、S−Sepharose FF(ファルマシア社製)等のレジンを用いた陽イオン交換クロマトグラフィー法、ブチルセファロース、フェニルセファロース等のレジンを用いた疎水性クロマトグラフィー法、分子篩を用いたゲルろ過法、アフィニティークロマトグラフィー法、クロマトフォーカシング法、等電点電気泳動等の電気泳動法等の手法を単独あるいは組み合わせて用い、精製標品を得ることができる。
(5)糖を基質に結合させる方法
本発明の配糖化酵素活性を有するタンパク質の存在下で糖と基質を反応させることによって糖を基質へ結合させる方法も本発明の範囲内に含まれる。本発明で用いる基質は限定されるものではないが、ステロイドアルカロイド、ステロイド、あるいはそれらの誘導体が例示される。ステロイドアルカロイドとして、例えば、ソラソジン、トマチジンを、またステロイドとして、例えば、ジオスゲニン、ヌアチゲニン、チゴゲニンを例示できる。
本発明では、上記(4)に記載したように培養して得られた形質転換体をそのまま、あるいは洗浄して、配糖化反応に使用することができる。培養して得られた形質転換体をさらに処理して得られる処理物もまた、配糖化反応に使用することができる。ここで言う処理物としては、(a)形質転換体を当業者に公知の方法で固定化したもの、(b)形質転換体を、例えば、ガラスビーズなどを使用して機械的に、又は酵素的に処理するか、又は界面活性剤や有機溶剤(例えば、トルエンなど)などで処理したもの、又はそれらを固定化したもの、(c)形質転換体を破砕して破砕残渣を除去したもの、又はそれを固定化したもの、(d)上記(b)または(c)からさらに精製した得られた酵素、又はそれを固定化したもの、などが挙げられる。
上記の通り本発明では、酵素を固定化して用いることもできる。酵素を固定化する方法は、特に限定されないが、例えば、グルタルアルデヒド、ポリアクリルアミド、カラギーナン、アルギン酸カルシウム、イオン交換樹脂、セライトなどを用いて酵素を固定化する方法を使用することができる。また、本発明の配糖化反応は、膜リアクターを利用して行うこともできる。膜リアクターを構成することができる膜としては、限外濾過膜、疎水性膜、カチオン膜、ナノフィルトレーション膜(J.Ferment.Bioeng.83,54−58(1997))等を挙げることができる。
上記したような形質転換体又はその処理物(精製酵素、粗精製酵素などを含む)は、基質と糖を含む反応液と混合して、配糖化反応を行う。本発明の酵素を用いた配糖化反応は、水、又は水と有機溶媒との混合液中で行うことができる。有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、あるいはアセトニトリルなどを挙げることができる。
反応液中における基質と糖の割合は配糖化反応が進行する限り特に限定されないが、好ましくは約100:1〜1:100であり、さらに好ましくは約10:1〜1:10である。反応液のpHは、配糖化反応が進行する限り特に限定されないが、好ましくは約3.0〜11.0であり、さらに好ましくはpH約6.0〜8.0である。反応温度も配糖化反応が進行する限り特に限定されないが、通常は約4〜70℃であり、好ましくは約10〜50℃である。また、基質および糖は反応開始時に一括して添加することも可能であるが、反応液中の濃度が高くなりすぎないように連続的もしくは非連続的に添加することもできる。
上記の反応により、糖が付加された生成物(例えば、糖が付加されたステロイドアルカロイド、ステロイド、あるいはそれらの誘導体など)が得られるが、得られた生成物は、遠心分離、溶媒抽出、蒸留、晶析、クロマトグラフィーなどを単独又は適宜組み合わせることによって分離することができる。
以下の実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(1)本発明の遺伝子
キンギンナスビは、根から2種類のステロイドサポニンが同定されており、毛状根培養および形質転換体の作成が可能である。本発明者らは、ステロイドサポゲニン配糖化機構を解明する手がかりとして、キンギンナスビより配糖化酵素遺伝子の単離を試み、デジェネレートPCRおよびRACE法により、2種類の候補遺伝子であるSaGT4AおよびSaGT4Rを取得した。SaGT4Aのアミノ酸配列と塩基配列を配列表の配列番号1及び2に示し、SaGT4Rのアミノ酸配列と塩基配列を配列表の配列番号3及び4に示す。
また、上記のデジェネレートPCRにより、ソラナム・カシアナムからは、配列番号8で示される塩基配列(Sk#7−5)(この塩基配列がコードするアミノ酸配列を配列番号7に示す)が取得された。同様に、ナスビからは、配列番号10で示される塩基配列(egp#1−1)(この塩基配列がコードするアミノ酸配列を配列番号9に示す)、並びに配列番号12で示される塩基配列(egp#1−4)(この塩基配列がコードするアミノ酸配列を配列番号11に示す)が得られた。上記のSaGT4AおよびSaGT4Rを取得した手法と同様の手法により、これらの遺伝子断片(Sk#7−5、egp#1−1、及びegp#1−4)を用いてRACE法を用いることにより、ソラナム・カシアナム又はナスビからこれらの遺伝子断片を含む全長の遺伝子(即ち、配糖化酵素活性を有するタンパク質をコードする遺伝子)を取得することが可能である。
即ち、本発明の遺伝子は、下記の何れかのアミノ酸配列を有するタンパク質をコードする遺伝子である。
(1)配列表の配列番号1、3、7、9または11に記載のアミノ酸配列を有し、配糖化酵素活性を有するアミノ酸配列;
(2)配列表の配列番号1、3、7、9または11に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、配糖化酵素活性を有するアミノ酸配列;又は
(3)配列表の配列番号1、3、7、9または11に記載のアミノ酸配列に対して70%以上の相同性を有するアミノ酸配列を有し、配糖化酵素活性を有するアミノ酸配列;
本発明の遺伝子の具体例としては、下記の何れかの塩基配列を有する遺伝子が挙げられる。
(1)配列表の配列番号2、4、8、10または12に記載の塩基配列を有し、配糖化酵素をコードする塩基配列;
(2)配列表の配列番号2、4、8、10または12に記載の塩基配列において1から数個の塩基の欠失、置換及び/又は付加を有する塩基配列を有し、配糖化酵素をコードする塩基配列;又は
(3)配列表の配列番号2、4、8、10または12に記載の塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイスする塩基配列を有し、配糖化酵素をコードする塩基配列;
本発明において、「配糖化酵素」とは、UDP−グルコース又はTDP−ラムノースなどの活性化された単糖あるいはオリゴ糖を特定の化合物に結合する能力を有する酵素である。また、「配糖化酵素活性」とは、上記のような単糖あるいはオリゴ糖を特定の化合物に結合することができる酵素活性を意味する。
本発明の遺伝子は、例えば、ナス科などの植物、具体的には、キンギンナスビ、ソラナム・カシアナム、ナスビ、ジャガイモ、タバコなどから単離できる。
本明細書で言う「1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列」における「1から数個」の範囲は特には限定されないが、例えば、1から20個、好ましくは1から10個、より好ましくは1から7個、さらに好ましくは1から5個、特に好ましくは1から3個程度を意味する。
本明細書で言う「配列表の配列番号1、3、7、9または11に記載のアミノ酸配列に対して70%以上の相同性を有するアミノ酸配列」における相同性は、70%以上であれば特に限定されないが、さらに好ましくは80%以上、さらに好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%、特に好ましくは95%以上である。
本明細書で言う「1から数個の塩基の欠失、置換及び/又は付加を有する塩基配列」における「1から数個」の範囲は特には限定されないが、例えば、1から40個、好ましくは1から30個、より好ましくは1から20個、より好ましくは1から10個、さらに好ましくは1から5個、特に好ましくは1から3個程度を意味する。
上記した「ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする」とは、DNAをプローブとして使用し、コロニーハイブリダイゼーション法、プラークハイブリダイゼーション法、あるいはサザンブロットハイブリダイゼーション法等を用いることにより得られるDNAの塩基配列を意味し、例えば、コロニーあるいはプラーク由来のDNA又は該DNAの断片を固定化したフィルターを用いて、0.7〜1.0MのNaCl存在下、65℃でハイブリダイゼーションを行った後、0.1〜2×SSC溶液(1×SSC溶液は、150mM塩化ナトリウム、15mMクエン酸ナトリウム)を用い、65℃条件下でフィルターを洗浄することにより同定できるDNA等を挙げることができる。ハイブリダイゼーションは、モレキュラークローニング第2版等に記載されている方法に準じて行うことができる。
ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAとしては、プローブとして使用するDNAの塩基配列と一定以上の相同性を有するDNAが挙げられ、例えば70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは93%以上、特に好ましくは95%以上、最も好ましくは98%以上の相同性を有するDNAが挙げられる。
本発明の遺伝子の取得方法は特に限定されない。本明細書中の配列表の配列番号1から12に記載したアミノ酸配列及び塩基配列の情報に基づいて適当なブローブやプライマーを調製し、それらを用いてナス科などの植物(より具体的には、キンギンナスビ、ソラナム・カシアナム、ナスビ、ジャガイモ、タバコなど)のcDNAライブラリーをスクリーニングすることにより本発明の遺伝子を単離することができる。cDNAライブラリーは、本発明の遺伝子を発現している細胞から常法により作製することができる。
PCR法により本発明の遺伝子を取得することもできる。上記した植物由来の染色体DNAライブラリー又はcDNAライブラリーを鋳型として使用し、配列番号2、4、6、8、10又は12に記載した塩基配列を増幅できるように設計した1対のプライマーを用いてPCRを行う。PCRの反応条件は適宜設定することができ、例えば、94℃で30秒間(変性)、55℃で30秒〜1分間(アニーリング)、72℃で2分間(伸長)からなる反応工程を1サイクルとして、例えば30サイクル行った後、72℃で7分間反応させる条件などを挙げることができる。次いで、増幅されたDNA断片を、大腸菌等の宿主で増幅可能な適切なベクター中にクローニングすることができる。
上記したプローブ又はプライマーの調製、cDNAライブラリーの構築、cDNAライブラリーのスクリーニング、並びに目的遺伝子のクローニングなどの操作は当業者に既知であり、例えば、Molecular Cloning:A laboratory Mannual,2nd Ed.,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,NY.,1989(以下、モレキュラークローニング第2版と略す)、Current Protocols in Molecular Biology,Supplement 1〜38,John Wiley & Sons(1987−1997)(以下、カレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジーと略す)等に記載の方法に準じて行うことができる。
また、配列表の配列番号1、3、7、9または11に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、配糖化酵素活性を有するタンパク質をコードする遺伝子;並びに配列表の配列番号2、4、8、10または12に記載の塩基配列において1から数個の塩基の欠失、置換及び/又は付加を有する塩基配列を有し、配糖化酵素をコードする塩基配列を有する遺伝子(以下、これらの遺伝子を変異遺伝子と称する)については、配列番号1〜12に記載のアミノ酸配列および塩基配列の情報に基づいて、化学合成、遺伝子工学的手法又は突然変異誘発などの当業者に既知の任意の方法で作製することができる。
例えば、配列表の配列番号2、4、8、10または12に記載の塩基配列を有するDNAに対し、変異原となる薬剤と接触作用させる方法、紫外線を照射する方法、遺伝子工学的手法等を用いて行うことができる。遺伝子工学的手法の一つである部位特異的変異誘発法は特定の位置に特定の変異を導入できる手法であることから有用であり、モレキュラークローニング第2版、カレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジー等に記載の方法に準じて行うことができる。
(2)本発明のタンパク質
本発明のタンパク質は、下記の何れかのアミノ酸配列を有する。
(1)配列表の配列番号1、3、7、9または11に記載のアミノ酸配列を有し、配糖化酵素活性を有するアミノ酸配列;
(2)配列表の配列番号1、3、7、9または11に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、配糖化酵素活性を有するアミノ酸配列;又は
(3)配列表の配列番号1、3、7、9または11に記載のアミノ酸配列に対して70%以上の相同性を有するアミノ酸配列を有し、配糖化酵素活性を有するアミノ酸配列;
本発明のタンパク質は配糖化酵素活性を有するタンパク質であり、このタンパク質の存在下で糖と基質を反応させることにより糖を基質に結合させることができる。上記方法による糖の基質への結合方法も本発明の範囲内に含まれる。
本発明のタンパク質の取得方法は特に制限されず、化学合成により合成したタンパク質でもよいし、遺伝子組み換え技術により作製した組み換えタンパク質でもよい。
組み換えタンパク質を作製する場合には、先ず、本明細書の上記(1)に記載した当該タンパク質をコードする遺伝子(DNA)を取得する。このDNAを適当な発現系に導入することにより、本発明のタンパク質を産生することができる。発現系でのタンパク質の発現については本明細書中後記する。
(3)本発明の組み換えベクター
本発明の遺伝子は適当なベクター中に挿入して使用することができる。本発明で用いるベクターの種類は特に限定されず、例えば、自立的に複製するベクター(例えばプラスミド等)でもよいし、あるいは、宿主細胞に導入された際に宿主細胞のゲノムに組み込まれ、組み込まれた染色体と共に複製されるものであってもよい。
好ましくは、本発明で用いるベクターは発現ベクターである。発現ベクターにおいて本発明の遺伝子は、転写に必要な要素(例えば、プロモーター等)が機能的に連結されている。プロモータは宿主細胞において転写活性を示すDNA配列であり、宿主の種類に応じて適宜選択することができる。
細菌細胞で作動可能なプロモータとしては、バチルス・ステアロテルモフィルス・マルトジェニック・アミラーゼ遺伝子(Bacillus stearothermophilus maltogenic amylase gene)、バチルス・リケニホルミス α アミラーゼ遺伝子(Bacillus licheniformis alpha−amylase gene)、バチルス・アミロリケファチエンス・BANアミラーゼ遺伝子(Bacillus amyloliquefaciens BAN amylase gene)、バチルス・サブチリス・アルカリプロテアーゼ遺伝子(Bacillus Subtilis alkaline protease gene)もしくはバチルス・プミルス・キシロシダーゼ遺伝子(Bacillus pumilus xylosldase gene)のプロモータ、またはファージ・ラムダのPR若しくはPLプロモータ、大腸菌のlac、trp若しくはtacプロモータなどが挙げられる。
哺乳動物細胞で作動可能なプロモータの例としては、SV40プロモータ、MT−1(メタロチオネイン遺伝子)プロモータ、またはアデノウイルス2主後期プロモータなどがある。昆虫細胞で作動可能なプロモータの例としては、ポリヘドリンプロモータ、P10プロモータ、オートグラファ・カリホルニカ・ポリヘドロシス塩基性タンパクプロモータ、バキュウロウイルス即時型初期遺伝子1プロモータ、またはバキュウロウイルス39K遅延型初期遺伝子プロモータ等がある。酵母宿主細胞で作動可能なプロモータの例としては、酵母解糖系遺伝子由来のプロモータ、アルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子プロモータ、TPI1プロモータ、ADH2−4cプロモータなどが挙げられる。糸状菌細胞で作動可能なプロモータの例としては、ADH3プロモータまたはtpiAプロモータなどがある。
また、本発明の遺伝子は必要に応じて、適切なターミネータに機能的に結合されてもよい。本発明の組み換えベクターは更に、ポリアデニレーションシグナル(例えばSV40またはアデノウイルス5E1b領域由来のもの)、転写エンハンサ配列(例えばSV40エンハンサ)などの要素を有していてもよい。
本発明の組み換えベクターは更に、該ベクターが宿主細胞内で複製することを可能にするDNA配列を具備してもよく、その一例としてはSV40複製起点(宿主細胞が哺乳類細胞のとき)が挙げられる。
本発明の組み換えベクターはさらに選択マーカーを含有してもよい。選択マーカーとしては、例えば、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)またはシゾサッカロマイセス・ポンベTPI遺伝子等のようなその補体が宿主細胞に欠けている遺伝子、または例えばアンピシリン、カナマイシン、テトラサイクリン、クロラムフェニコール、ネオマイシン若しくはヒグロマイシンのような薬剤耐性遺伝子を挙げることができる。本発明の遺伝子、プロモータ、および所望によりターミネータおよび/または分泌シグナル配列をそれぞれ連結し、これらを適切なベクターに挿入する方法は当業者に周知である。
(4)本発明の形質転換体及びそれを用いた組み換えタンパク質の製造
本発明の遺伝子又は組み換えベクターを適当な宿主に導入することによって形質転換体を作製することができる。
本発明の遺伝子または組み換えベクターを導入される宿主細胞は、本発明の遺伝子を発現できれば任意の細胞でよく、細菌、酵母、真菌および高等真核細胞等が挙げられる。
細菌細胞の例としては、バチルスまたはストレプトマイセス等のグラム陽性菌又は大腸菌等のグラム陰性菌が挙げられる。これら細菌の形質転換は、プロトプラスト法、または公知の方法でコンピテント細胞を用いることにより行えばよい。
哺乳類細胞の例としては、HEK293細胞、HeLa細胞、COS細胞、BHK細胞、CHL細胞またはCHO細胞等が挙げられる。哺乳類細胞を形質転換し、該細胞に導入されたDNA配列を発現させる方法も公知であり、例えば、エレクトロポーレーション法、リン酸カルシウム法、リポフェクション法等を用いることができる。
酵母細胞の例としては、サッカロマイセスまたはシゾサッカロマイセスに属する細胞が挙げられ、例えば、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevislae)またはサッカロマイセス・クルイベリ(Saccharomyces kluyveri)等が挙げられる。酵母宿主への組み換えベクターの導入方法としては、例えば、エレクトロポレーション法、スフェロブラスト法、酢酸リチウム法等を挙げることができる。
他の真菌細胞の例は、糸状菌、例えばアスペルギルス、ニューロスポラ、フザリウム、またはトリコデルマに属する細胞である。宿主細胞として糸状菌を用いる場合、DNA構築物を宿主染色体に組み込んで組換え宿主細胞を得ることにより形質転換を行うことができる。DNA構築物の宿主染色体への組み込みは、公知の方法に従い、例えば相同組換えまたは異種組換えにより行うことができる。
昆虫細胞を宿主として用いる場合には、組換え遺伝子導入ベクターおよびバキュロウイルスを昆虫細胞に共導入して昆虫細胞培養上清中に組換えウイルスを得た後、さらに組換えウイルスを昆虫細胞に感染させ、タンパク質を発現させることができる(例えば、Baculovirus Expression Vectors,A Laboratory Manual;及びカレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジー、Bio/Technology,6,47(1988)等に記載)。
バキュロウイルスとしては、例えば、ヨトウガ科昆虫に感染するウイルスであるアウトグラファ・カリフォルニカ・ヌクレアー・ポリヘドロシス・ウイルス(Autographa californica nuclear polyhedrosis virus)等を用いることができる。
昆虫細胞としては、Spodoptera frugiperdaの卵巣細胞であるSf9、Sf21〔バキュロウイルス・エクスプレッション・ベクターズ、ア・ラボラトリー・マニュアル、ダブリュー・エイチ・フリーマン・アンド・カンパニー(W.H.Freeman and Company)、ニューヨーク(New York)、(1992)〕、Trichoplusia niの卵巣細胞であるHiFive(インビトロジェン社製)等を用いることができる。
組換えウイルスを調製するための、昆虫細胞への組換え遺伝子導入ベクターと上記バキュロウイルスの共導入方法としては、例えば、リン酸カルシウム法又はリポフェクション法等を挙げることができる。
上記の形質転換体は、導入された遺伝子の発現を可能にする条件下で適切な栄養培地中で培養する。形質転換体の培養物から、本発明のタンパク質を単離精製するには、通常のタンパク質の単離、精製法を用いればよい。
例えば、本発明のタンパク質が、細胞内に溶解状態で発現した場合には、培養終了後、細胞を遠心分離により回収し水系緩衝液に懸濁後、超音波破砕機等により細胞を破砕し、無細胞抽出液を得る。該無細胞抽出液を遠心分離することにより得られた上清から、通常のタンパク質の単離精製法、即ち、溶媒抽出法、硫安等による塩析法、脱塩法、有機溶媒による沈殿法、ジエチルアミノエチル(DEAE)セファロース等のレジンを用いた陰イオン交換クロマトグラフィー法、S−Sepharose FF(ファルマシア社製)等のレジンを用いた陽イオン交換クロマトグラフィー法、ブチルセファロース、フェニルセファロース等のレジンを用いた疎水性クロマトグラフィー法、分子篩を用いたゲルろ過法、アフィニティークロマトグラフィー法、クロマトフォーカシング法、等電点電気泳動等の電気泳動法等の手法を単独あるいは組み合わせて用い、精製標品を得ることができる。
(5)糖を基質に結合させる方法
本発明の配糖化酵素活性を有するタンパク質の存在下で糖と基質を反応させることによって糖を基質へ結合させる方法も本発明の範囲内に含まれる。本発明で用いる基質は限定されるものではないが、ステロイドアルカロイド、ステロイド、あるいはそれらの誘導体が例示される。ステロイドアルカロイドとして、例えば、ソラソジン、トマチジンを、またステロイドとして、例えば、ジオスゲニン、ヌアチゲニン、チゴゲニンを例示できる。
本発明では、上記(4)に記載したように培養して得られた形質転換体をそのまま、あるいは洗浄して、配糖化反応に使用することができる。培養して得られた形質転換体をさらに処理して得られる処理物もまた、配糖化反応に使用することができる。ここで言う処理物としては、(a)形質転換体を当業者に公知の方法で固定化したもの、(b)形質転換体を、例えば、ガラスビーズなどを使用して機械的に、又は酵素的に処理するか、又は界面活性剤や有機溶剤(例えば、トルエンなど)などで処理したもの、又はそれらを固定化したもの、(c)形質転換体を破砕して破砕残渣を除去したもの、又はそれを固定化したもの、(d)上記(b)または(c)からさらに精製した得られた酵素、又はそれを固定化したもの、などが挙げられる。
上記の通り本発明では、酵素を固定化して用いることもできる。酵素を固定化する方法は、特に限定されないが、例えば、グルタルアルデヒド、ポリアクリルアミド、カラギーナン、アルギン酸カルシウム、イオン交換樹脂、セライトなどを用いて酵素を固定化する方法を使用することができる。また、本発明の配糖化反応は、膜リアクターを利用して行うこともできる。膜リアクターを構成することができる膜としては、限外濾過膜、疎水性膜、カチオン膜、ナノフィルトレーション膜(J.Ferment.Bioeng.83,54−58(1997))等を挙げることができる。
上記したような形質転換体又はその処理物(精製酵素、粗精製酵素などを含む)は、基質と糖を含む反応液と混合して、配糖化反応を行う。本発明の酵素を用いた配糖化反応は、水、又は水と有機溶媒との混合液中で行うことができる。有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、あるいはアセトニトリルなどを挙げることができる。
反応液中における基質と糖の割合は配糖化反応が進行する限り特に限定されないが、好ましくは約100:1〜1:100であり、さらに好ましくは約10:1〜1:10である。反応液のpHは、配糖化反応が進行する限り特に限定されないが、好ましくは約3.0〜11.0であり、さらに好ましくはpH約6.0〜8.0である。反応温度も配糖化反応が進行する限り特に限定されないが、通常は約4〜70℃であり、好ましくは約10〜50℃である。また、基質および糖は反応開始時に一括して添加することも可能であるが、反応液中の濃度が高くなりすぎないように連続的もしくは非連続的に添加することもできる。
上記の反応により、糖が付加された生成物(例えば、糖が付加されたステロイドアルカロイド、ステロイド、あるいはそれらの誘導体など)が得られるが、得られた生成物は、遠心分離、溶媒抽出、蒸留、晶析、クロマトグラフィーなどを単独又は適宜組み合わせることによって分離することができる。
以下の実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1(ナス科植物からのゲノムDNAの調製および部分DNAの単離)
キンギンナスビ(Solanum aculeatisimum)無菌培養苗地上部およびソラナム・カシアナム(Solanum khasianum)無菌培養苗葉、ナスビ(Solanum melongena)野外育成植物葉各0.1gよりゲノムDNAを抽出した。抽出はNucleon PhytoPure,plant and fungal DNA extraction kit(Amersham Pharmacia Biotech)を用い、手順は添付のプロトコールに従った。各々につき数100ngのDNAが回収され、その一部を以下の実験に用いた。
ゲノムDNA数ngをテンプレートとし、反応液20μl中(プライマー各1μl,0.2mM dNTP,TaKaRa ExTaq 0.5unitsおよび添付バッファー)にてサイクルパラメーター[最初に94℃(3分)、次いで94℃(30秒)/55℃(1分)/72℃(1分)を30サイクル、最後に72℃(2分)]で増幅反応を行った。使用したプライマーGT5(配列番号13)は100μM,GT8(配列番号14)は50μMに調製した。
以下、PCRは全て同様の酵素量、dNTP濃度、バッファー組成で行った。各プライマー濃度は特記のない限り、終濃度0.5μMとした。
プライマーGT5/GT8によりキンギンナスビからは約750bp、ソラナム・カシアナムからは約750bp、ナスビからは約600bp,および800bpのDNA断片が増幅された。
実施例2(部分配列の決定)
PCRにより増幅されたDNA断片を1%アガロースゲル電気泳動により分離し、QIAquick Gel Extraction Kit(QIAGEN)を用い抽出した。抽出した断片をTOPO TA Cloningキット(Invitrogen)を用いベクターpCRII−TOPOにサブクローニングし、DNA配列を決定した。
その結果、キンギンナスビからは、配列番号6で示される塩基配列(Sa#4−5)、ソラナム・カシアナムからは、配列番号8で示される塩基配列(Sk#7−5)、ナスビからは、配列番号10および12で示される塩基配列(それぞれ、egp#1−1,egp#1−4)が得られた。
実施例3(キンギンナスビのゲノムサザン解析)
セチルトリメチルアンモニウムブロマイド法により、キンギンナスビ無菌培養苗葉0.5gより約1mgのゲノムDNAを得た。このうち10μgを制限酵素BamHI,EcoRI,HindIII,XbaI(TaKaRa)で各々切断後(BamHI,XbaI 10units,EcoRI,HindIII 5units、37°C 16時間)、1%アガロースゲル電気泳動で分離した。ゲルからDNAをナイロン膜(Gene Screen Plus,NEN life science)へ10xSSC(1.5M NaCl,0.15Mクエン酸ナトリウム)中でのキャピラリー法により、室温16時間で転写した。転写後の膜を風乾後80°Cにて2時間ベーキングし、ハイブリダイゼーションに用いた。
ハイブリダイゼーション用のプローブDNAは、ベクターpCRII−TOPOにサブクローニングしたゲノム部分配列DNAをテンプレートとしてPCR(サイクルパラメーター[96℃(20秒)、次いで、96℃(20秒)/55℃(30秒)/72℃(1分30秒)を30サイクル])により調製した。プライマーとして、Sa#4−5検出用プローブにはGT22(配列番号15)およびGT23(配列番号16)を用いた。
プローブの標識はBcaBEST Labeling Kit(TaKaRa)を用いて行った。ハイブリダイゼーション・バッファー(5xSSPE pH7.4,5xデンハルト溶液,0.5%SDS,10%硫酸デキストラン,0.1mg/ml変性サケ精巣DNA)中65℃,18時間でハイブリダイズし、洗浄バッファーでナイロン膜を洗浄後(2xSSC,0.1%SDS 65℃,30分、1xSSC,0.1%SDS 65℃,30分)、オートラジオグラフィーにかけた。その結果、部分配列Sa#4−5に相当な遺伝子はキンギンナスビゲノム中に複数コピー存在することが示された(図1)。
実施例4(キンギンナスビ由来の遺伝子の3’−RACE)
キンギンナスビ無菌培養苗(1/2MS液体培地、振盪培養)地上部あるいは地下部約50mgよりRNeasy Plant Mini Kit(QIAGEN)を用い、トータルRNAを抽出した。そのうち2.5μgを最初の相補鎖の合成に用いた。合成反応はSUPERSCRIPT II RNaseH− Reverse Transcriptase(GIBCO BRL)により、添付のプロトコールの反応液組成に従い20μl中、42℃50分で行った。アダプター配列を含むオリゴ(dT)プライマー3R1(配列番号17)は終濃度0.5μMとなるよう加えた。反応終了後、反応混合液をRNaseH(TaKaRa)で処理し(2units,37℃20分)、このうち1μlをテンプレートとして次のPCRに用いた。アダプタープライマー3R2と遺伝子特異的プライマーGT28(配列番号19)による増幅反応を行い(96℃2分、次いで94℃(20秒)/55℃(30秒)/72℃(1分30秒)、20μl、30サイクル)、この反応混合液0.01μl相当をテンプレートとして、3R2(配列番号18)と遺伝子特異的プライマーGT29(配列番号20)によるnested PCRを同様の条件で行った。nested PCRにより増幅された3’領域のDNA断片を1.2%アガロースゲル電気泳動により分離し、抽出した断片をベクターpCRII−TOPOにサブクローニングし、ポリA領域を含む2種の約600bpの異なるDNA配列を得た。
実施例5(キンギンナスビ由来の遺伝子の5’−RACE)
キンギンナスビ無菌培養苗(1/2MS液体培地、振盪培養)地上部あるいは地下部より実施例4の方法と同様にトータルRNAを抽出、そのうち1.5μgを5’RACE System,version 2.0(Invitrogen)キットにより5’領域のDNA配列を増幅した。最初の相補鎖の合成には遺伝子特異的アンチセンスプライマーGT32(配列番号21)を用いた。3’末端へのアンカー配列dCポリマー付加反応後、キット添付のAAPと遺伝子特異的プライマーGT34(配列番号22)によりPCRを行い、さらにこの反応混合液をテンプレートとして、キット添付のAUAPと遺伝子特異的プライマーGT35(配列番号23)によりnested PCRを行い、増幅したDNAの塩基配列を決定した。その結果、地上部、地下部より開始コドンを含む各々約450bp,400bpの異なるDNA配列を得た。
実施例6(キンギンナスビ由来全長cDNAの単離)
実施例4および実施例5によるRACE法により非翻訳領域を含む2種のキンギンナスビcDNA全長配列を同定した。得られた塩基配列を、配列番号2(SaGT4A)および配列番号4(SaGT4R)に示す。SaGT4Aは1673塩基対で、491アミノ酸をコードしていた。一方SaGT−4Rは1613塩基対で、427アミノ酸をコードしていた。SaGT4A、SaGT4Rのいずれもが、植物二次代謝産物の生産に関わる配糖化酵素においてアミノ酸同一性80%以上のコンセンサス配列(THCGWNS)と完全に一致する配列を有していた。SaGT−4AとSaGT4Rのアミノ酸同一性は約89%であった。またSaGT4Aの全アミノ酸配列をもとにTBLASTN(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/blast)によるホモロジーサーチを行った結果、ジャガイモ由来の配糖化酵素(GenBankアクセッション番号STU82367)との相同性が最も高く、アミノ酸同一性は約63%であった。
実施例7(RT−PCR法による遺伝子発現解析)
RT−PCR法により、キンギンナスビ由来の2つの遺伝子SaGT4A、SaGT4Rの発現解析を行った。
無菌培養キンギンナスビ各器官より前述の方法で抽出したトータルRNA2.5μgを用いてSUPERSCRIPT II RNaseH− Reverse Transcriptase(GIBCO BRL)により逆転写反応を行った。反応条件は添付のプロトコールに従った。反応終了後、反応混合液をRNaseH(TaKaRa)で処理し(2units,37℃20分)、このうち0.5μl相当をテンプレートとして次のPCRに用いた。
増幅反応はサイクルパラメーター[96℃2分、96℃(20秒)/55℃(30秒)/72℃(1分30秒),30サイクル]で行った。PCR混合液20μlのうち8μlを1.5%アガロースゲル電気泳動によって分離し、PCR産物を検出した。
植物体の傷処理は、地上部については葉脈に垂直にハサミで切り込みを入れ、1/2MS固体培地培養と同じ条件下(26℃)に置き、経時的に処理葉またはその上位葉を回収した。地下部については1/2MS液体培地静置苗より切り取った根の表面にカミソリで傷をつけ、水で湿らせたキムワイプの上に並べシャーレ中に静置し(26℃)、経時的に回収した。
キンギンナスビ遺伝子の器官局在は、SaGT4Aは植物体全体で発現していたのに対し、SaGT4Rは根特異的に発現していた。
傷処理に対しSaGT4Aは葉でも根でも発現が迅速に抑制された。この抑制は一過的なもので、傷処理後6時間後には遺伝子の発現は元のレベルにまで回復した。また地上部において、傷処理を与えた葉の上位の葉でも同様の応答がみられたことから、全身応答性であることが示された。SaGT4Rの根における発現レベルは傷処理により変動したが、SaGT4Aとは異なる応答を示し、葉での発現誘導はみられなかった。
実施例8 (大腸菌によるタンパク質生産)
GST融合型タンパク質として大腸菌でSaGT4A,SaGT4Rの遺伝子産物を生産させるために、発現用ベクターを構築した。各遺伝子の翻訳領域をPCRにより調製し、ベクターpGEX−5X−1(Amersham Pharmacia Biotech)のクローンニングサイトに挿入した。PCRのテンプレートとして、無菌液体培養苗地上部および地下部から逆転写反応で合成したcDNAを用いた。プライマーにはベクター構築に必要な制限酵素サイトを導入したものもある。プライマーの配列を配列番号15、16および24から27に示す。
SaGT4Aについては、上記cDNAを鋳型として、配列番号24および配列番号25のプライマーを用いて、実施例7記載の方法によりPCR反応を行い、SaGT4Aの翻訳領域を含むDNAを増幅した。増幅した翻訳領域を含むDNAをベクターpCRII−TOPOにサブクローニングし、塩基配列を確認後、BamHI,SalIで切り出した約1.5kbの断片をpGEX−5X−1のBamHI,SalIサイトに挿入し、グルタチオン−S−トランスフェラーゼとの融合タンパク発現ベクターとした。一方、SaGT4Rについては、まず、上記cDNAを鋳型として、配列番号26および配列番号16のプライマーを用いて、実施例7記載の方法によりPCR反応を行い、SaGT4Rの翻訳領域のN末領域を含むDNAを増幅し、ベクターpCRII−TOPOにサブクローニングし、塩基配列を確認後、BamHI,EcoRVで切り出した約350bpの断片をpBluescript SK(Stratagene)のBamHI,EcoRVサイトに挿入した。このプラスミドをp4R5BEとする。続いて、上記cDNAを鋳型として、配列番号15および配列番号27のプライマーを用いて、実施例7記載の方法によりPCR反応を行い、SaGT4Rの翻訳領域のC末領域を含むDNAを増幅し、ベクターpCRII−TOPOにサブクローニングし、塩基配列を確認後、EcoRV,SalIで切り出した約1kbの断片を、プラスミドp4R5BEのEcoRV,SalIサイトに挿入することにより、SaGT4Rの翻訳領域全体を有するプラスミドを構築した。このプラスミドDNAよりBamHI,SalIで切り出した約1.3kbの断片をpGEX−5X−1のBamHI,SalIサイトに挿入し、グルタチオン−S−トランスフェラーゼとの融合タンパク発現ベクターとした。
このようにして得られたベクタープラスミドで大腸菌DH5α株を形質転換した形質転換大腸菌をLB培地(アンピシリン50μM)で、600nmにおける培養液の吸光度が0.6から0.8になるまで37℃で振盪培養し、イソプロピルチオ−β−ガラクトシド(終濃度0.1mM)を加えてタンパク質生産を誘導し、18℃で18時間振盪培養を続けた。集菌後の菌体を培養液の1/25量のバッファー(20mMトリスpH8,0.1M NaCl,1mM EDTA,0.1% NP−40,1mM DTT,0.5mM Pefabloc,2μg/ml leupeptin,0.7μg/ml pepstatin)に懸濁し、超音波破砕装置(BRANSON SONIFIER)でトータル3分間超音波処理後、8000xg,4℃で20分間遠心し、上清を回収した。融合タンパク質の精製はGlutathion Sepharose 4B(Pharmacia Biotech)を用い、添付のプロトコールに従い行った。バッファーは菌体を懸濁した際と同じ組成のものを用いた。溶出は20mM還元型グルタチオン,0.1MトリスpH8,0.12M NaCl,0.1% NP−40,1mM DTT,0.5mM Pefabloc,2μg/ml leupeptin,0.7μg/ml pepstatinで行った。溶出液を10%SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動で分離解析したところ、目的タンパク質の回収量は、大腸菌培養液50mlあたり約数10μgであると見積もられた。
実施例9(大腸菌で発現させたSaGT4Aタンパク質によるステロイドアルカロイドの配糖化)
実施例8により大腸菌で発現させ精製したSaGT4Aタンパク質1〜5μgを一回の反応に用いて、各種ステロイドアルカロイドに対するグルコース付加活性を調べた。タンパク質溶液20μl、UDPグルコース(シグマ)15μg、各種ステロイドアルカロイド(市販のものはすべてシグマ)10μgを5mM MgCl2存在下、0.1Mトリス(pH8)反応液250μl中30℃で3時間反応させた。95℃、5分間の熱処理後、5M相当のNaClを加え、ブタノール250μlによる抽出を3度繰り返し、有機溶媒層を凍結乾燥した。乾燥試料をメタノールあるいはエタノール15μlに溶解し、そのうち5μlを薄層クロマトグラフィーで分析した。
クロマトグラフィーは、5cmx5cm RP−18 F254sプレート(メルク社)、展開溶媒テトラヒドロフラン:メタノール:アンモニア(1.5:1:1)を用い、アニス溶液(パラ・アニスアルデヒド2.5ml、酢酸1ml、硫酸3.5ml、エタノール104ml)により基質およびそれらの配糖化体を検出した。その結果、ソラソジンおよびトマチジンを基質とした時に、配糖化活性が認められた。ソラソジン配糖化産物のRf値は0.57、トマチジン配糖化産物のRf値は0.53であった。また、UDPガラクストースを糖供与体としてこれらの基質に対して反応させたが、配糖体は検出されなかった。
実施例10(大腸菌で発現させたSaGT4Aタンパク質によるステロイドの配糖化)
実施例8により大腸菌で発現させ精製したSaGT4Aタンパク質1〜5μgを一回の反応に用いて、各種ステロイドに対するグルコース付加活性を調べた。タンパク質溶液20μl、UDPグルコース(シグマ)15μg、各種ステロイド(市販のものはすべてシグマ)10μgを5mM MgCl2存在下、0.1Mトリス(pH8)反応液250μl中30℃で3時間反応させた。95℃、5分間の熱処理後、5M相当のNaClを加え、ブタノール250μlによる抽出を3度繰り返し、有機溶媒層を凍結乾燥した。乾燥試料をメタノールあるいはエタノール15μlに溶解し、そのうち5μlを薄層クロマトグラフィーで分析した。
クロマトグラフィーは、6cmx5cm Silica Gel 60 F254プレート(メルク社)を用い、展開溶媒にはクロロホルム:メタノール(17:3)を使用し、アニス溶液(パラ・アニスアルデヒド2.5ml、酢酸1ml、硫酸3.5ml、エタノール104ml)により基質およびそれらの配糖化体を検出した。その結果、ジオスゲニン、ヌアチゲニン、チゴゲニンを基質とした時に、配糖化活性が認められた。ジオスゲニン配糖化産物のRf値は0.42、ヌアチゲニン配糖化産物のRf値は0.36、チゴゲニン配糖化産物のRf値は0.43であった。また、UDPガラクストースを糖供与体としてこれらの基質に対して反応させたが、配糖体は検出されなかった。
実施例11(大腸菌で発現させたSaGT4Aタンパク質の酵素活性測定)
実施例8により大腸菌で発現させ精製したSaGT4Aタンパク質、UDP−グルコースを用いて、各種ステロイドおよびステロイドアルカロイドに対する比活性を調べた。すなわち、大腸菌で発現させ精製した1〜1.5μgのSaGT4Aタンパク質、500μgのUDP−グルコース、50mMトリス(pH8)、2.5mM硫酸マグネシウム、50mM塩化カリウム、1.6mMホスホエノールピルビン酸、0.12mM NADH(還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)、0.6unitピルビン酸キナーゼ、0.8unit乳酸デヒドロゲナーゼ、10μgの各種ステロイドおよびステロイドアルカロイドを50mMトリス(pH8)反応液250μlとなるように混合し、30℃で1時間反応後、80℃で2分間の熱処理により反応を停止し、その後、氷上に保存した。反応液の340nmにおける吸光度を測定し、吸光度の減少量から、各種ステロイドおよびステロイドアルカロイドに対する比活性を求めた。その結果、SaGT4Aタンパク質1mg当たりの比活性は、ジオスゲニンが3.5mmol/min、ヌアチゲニンが1.6mmol/min、チゴゲニンが0.3mmol/min、トマチジンが3.4mmol/min、ソラソジンが3.3mmol/min、ソラニジンが0.4mmol/minとなった。
キンギンナスビ(Solanum aculeatisimum)無菌培養苗地上部およびソラナム・カシアナム(Solanum khasianum)無菌培養苗葉、ナスビ(Solanum melongena)野外育成植物葉各0.1gよりゲノムDNAを抽出した。抽出はNucleon PhytoPure,plant and fungal DNA extraction kit(Amersham Pharmacia Biotech)を用い、手順は添付のプロトコールに従った。各々につき数100ngのDNAが回収され、その一部を以下の実験に用いた。
ゲノムDNA数ngをテンプレートとし、反応液20μl中(プライマー各1μl,0.2mM dNTP,TaKaRa ExTaq 0.5unitsおよび添付バッファー)にてサイクルパラメーター[最初に94℃(3分)、次いで94℃(30秒)/55℃(1分)/72℃(1分)を30サイクル、最後に72℃(2分)]で増幅反応を行った。使用したプライマーGT5(配列番号13)は100μM,GT8(配列番号14)は50μMに調製した。
以下、PCRは全て同様の酵素量、dNTP濃度、バッファー組成で行った。各プライマー濃度は特記のない限り、終濃度0.5μMとした。
プライマーGT5/GT8によりキンギンナスビからは約750bp、ソラナム・カシアナムからは約750bp、ナスビからは約600bp,および800bpのDNA断片が増幅された。
実施例2(部分配列の決定)
PCRにより増幅されたDNA断片を1%アガロースゲル電気泳動により分離し、QIAquick Gel Extraction Kit(QIAGEN)を用い抽出した。抽出した断片をTOPO TA Cloningキット(Invitrogen)を用いベクターpCRII−TOPOにサブクローニングし、DNA配列を決定した。
その結果、キンギンナスビからは、配列番号6で示される塩基配列(Sa#4−5)、ソラナム・カシアナムからは、配列番号8で示される塩基配列(Sk#7−5)、ナスビからは、配列番号10および12で示される塩基配列(それぞれ、egp#1−1,egp#1−4)が得られた。
実施例3(キンギンナスビのゲノムサザン解析)
セチルトリメチルアンモニウムブロマイド法により、キンギンナスビ無菌培養苗葉0.5gより約1mgのゲノムDNAを得た。このうち10μgを制限酵素BamHI,EcoRI,HindIII,XbaI(TaKaRa)で各々切断後(BamHI,XbaI 10units,EcoRI,HindIII 5units、37°C 16時間)、1%アガロースゲル電気泳動で分離した。ゲルからDNAをナイロン膜(Gene Screen Plus,NEN life science)へ10xSSC(1.5M NaCl,0.15Mクエン酸ナトリウム)中でのキャピラリー法により、室温16時間で転写した。転写後の膜を風乾後80°Cにて2時間ベーキングし、ハイブリダイゼーションに用いた。
ハイブリダイゼーション用のプローブDNAは、ベクターpCRII−TOPOにサブクローニングしたゲノム部分配列DNAをテンプレートとしてPCR(サイクルパラメーター[96℃(20秒)、次いで、96℃(20秒)/55℃(30秒)/72℃(1分30秒)を30サイクル])により調製した。プライマーとして、Sa#4−5検出用プローブにはGT22(配列番号15)およびGT23(配列番号16)を用いた。
プローブの標識はBcaBEST Labeling Kit(TaKaRa)を用いて行った。ハイブリダイゼーション・バッファー(5xSSPE pH7.4,5xデンハルト溶液,0.5%SDS,10%硫酸デキストラン,0.1mg/ml変性サケ精巣DNA)中65℃,18時間でハイブリダイズし、洗浄バッファーでナイロン膜を洗浄後(2xSSC,0.1%SDS 65℃,30分、1xSSC,0.1%SDS 65℃,30分)、オートラジオグラフィーにかけた。その結果、部分配列Sa#4−5に相当な遺伝子はキンギンナスビゲノム中に複数コピー存在することが示された(図1)。
実施例4(キンギンナスビ由来の遺伝子の3’−RACE)
キンギンナスビ無菌培養苗(1/2MS液体培地、振盪培養)地上部あるいは地下部約50mgよりRNeasy Plant Mini Kit(QIAGEN)を用い、トータルRNAを抽出した。そのうち2.5μgを最初の相補鎖の合成に用いた。合成反応はSUPERSCRIPT II RNaseH− Reverse Transcriptase(GIBCO BRL)により、添付のプロトコールの反応液組成に従い20μl中、42℃50分で行った。アダプター配列を含むオリゴ(dT)プライマー3R1(配列番号17)は終濃度0.5μMとなるよう加えた。反応終了後、反応混合液をRNaseH(TaKaRa)で処理し(2units,37℃20分)、このうち1μlをテンプレートとして次のPCRに用いた。アダプタープライマー3R2と遺伝子特異的プライマーGT28(配列番号19)による増幅反応を行い(96℃2分、次いで94℃(20秒)/55℃(30秒)/72℃(1分30秒)、20μl、30サイクル)、この反応混合液0.01μl相当をテンプレートとして、3R2(配列番号18)と遺伝子特異的プライマーGT29(配列番号20)によるnested PCRを同様の条件で行った。nested PCRにより増幅された3’領域のDNA断片を1.2%アガロースゲル電気泳動により分離し、抽出した断片をベクターpCRII−TOPOにサブクローニングし、ポリA領域を含む2種の約600bpの異なるDNA配列を得た。
実施例5(キンギンナスビ由来の遺伝子の5’−RACE)
キンギンナスビ無菌培養苗(1/2MS液体培地、振盪培養)地上部あるいは地下部より実施例4の方法と同様にトータルRNAを抽出、そのうち1.5μgを5’RACE System,version 2.0(Invitrogen)キットにより5’領域のDNA配列を増幅した。最初の相補鎖の合成には遺伝子特異的アンチセンスプライマーGT32(配列番号21)を用いた。3’末端へのアンカー配列dCポリマー付加反応後、キット添付のAAPと遺伝子特異的プライマーGT34(配列番号22)によりPCRを行い、さらにこの反応混合液をテンプレートとして、キット添付のAUAPと遺伝子特異的プライマーGT35(配列番号23)によりnested PCRを行い、増幅したDNAの塩基配列を決定した。その結果、地上部、地下部より開始コドンを含む各々約450bp,400bpの異なるDNA配列を得た。
実施例6(キンギンナスビ由来全長cDNAの単離)
実施例4および実施例5によるRACE法により非翻訳領域を含む2種のキンギンナスビcDNA全長配列を同定した。得られた塩基配列を、配列番号2(SaGT4A)および配列番号4(SaGT4R)に示す。SaGT4Aは1673塩基対で、491アミノ酸をコードしていた。一方SaGT−4Rは1613塩基対で、427アミノ酸をコードしていた。SaGT4A、SaGT4Rのいずれもが、植物二次代謝産物の生産に関わる配糖化酵素においてアミノ酸同一性80%以上のコンセンサス配列(THCGWNS)と完全に一致する配列を有していた。SaGT−4AとSaGT4Rのアミノ酸同一性は約89%であった。またSaGT4Aの全アミノ酸配列をもとにTBLASTN(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/blast)によるホモロジーサーチを行った結果、ジャガイモ由来の配糖化酵素(GenBankアクセッション番号STU82367)との相同性が最も高く、アミノ酸同一性は約63%であった。
実施例7(RT−PCR法による遺伝子発現解析)
RT−PCR法により、キンギンナスビ由来の2つの遺伝子SaGT4A、SaGT4Rの発現解析を行った。
無菌培養キンギンナスビ各器官より前述の方法で抽出したトータルRNA2.5μgを用いてSUPERSCRIPT II RNaseH− Reverse Transcriptase(GIBCO BRL)により逆転写反応を行った。反応条件は添付のプロトコールに従った。反応終了後、反応混合液をRNaseH(TaKaRa)で処理し(2units,37℃20分)、このうち0.5μl相当をテンプレートとして次のPCRに用いた。
増幅反応はサイクルパラメーター[96℃2分、96℃(20秒)/55℃(30秒)/72℃(1分30秒),30サイクル]で行った。PCR混合液20μlのうち8μlを1.5%アガロースゲル電気泳動によって分離し、PCR産物を検出した。
植物体の傷処理は、地上部については葉脈に垂直にハサミで切り込みを入れ、1/2MS固体培地培養と同じ条件下(26℃)に置き、経時的に処理葉またはその上位葉を回収した。地下部については1/2MS液体培地静置苗より切り取った根の表面にカミソリで傷をつけ、水で湿らせたキムワイプの上に並べシャーレ中に静置し(26℃)、経時的に回収した。
キンギンナスビ遺伝子の器官局在は、SaGT4Aは植物体全体で発現していたのに対し、SaGT4Rは根特異的に発現していた。
傷処理に対しSaGT4Aは葉でも根でも発現が迅速に抑制された。この抑制は一過的なもので、傷処理後6時間後には遺伝子の発現は元のレベルにまで回復した。また地上部において、傷処理を与えた葉の上位の葉でも同様の応答がみられたことから、全身応答性であることが示された。SaGT4Rの根における発現レベルは傷処理により変動したが、SaGT4Aとは異なる応答を示し、葉での発現誘導はみられなかった。
実施例8 (大腸菌によるタンパク質生産)
GST融合型タンパク質として大腸菌でSaGT4A,SaGT4Rの遺伝子産物を生産させるために、発現用ベクターを構築した。各遺伝子の翻訳領域をPCRにより調製し、ベクターpGEX−5X−1(Amersham Pharmacia Biotech)のクローンニングサイトに挿入した。PCRのテンプレートとして、無菌液体培養苗地上部および地下部から逆転写反応で合成したcDNAを用いた。プライマーにはベクター構築に必要な制限酵素サイトを導入したものもある。プライマーの配列を配列番号15、16および24から27に示す。
SaGT4Aについては、上記cDNAを鋳型として、配列番号24および配列番号25のプライマーを用いて、実施例7記載の方法によりPCR反応を行い、SaGT4Aの翻訳領域を含むDNAを増幅した。増幅した翻訳領域を含むDNAをベクターpCRII−TOPOにサブクローニングし、塩基配列を確認後、BamHI,SalIで切り出した約1.5kbの断片をpGEX−5X−1のBamHI,SalIサイトに挿入し、グルタチオン−S−トランスフェラーゼとの融合タンパク発現ベクターとした。一方、SaGT4Rについては、まず、上記cDNAを鋳型として、配列番号26および配列番号16のプライマーを用いて、実施例7記載の方法によりPCR反応を行い、SaGT4Rの翻訳領域のN末領域を含むDNAを増幅し、ベクターpCRII−TOPOにサブクローニングし、塩基配列を確認後、BamHI,EcoRVで切り出した約350bpの断片をpBluescript SK(Stratagene)のBamHI,EcoRVサイトに挿入した。このプラスミドをp4R5BEとする。続いて、上記cDNAを鋳型として、配列番号15および配列番号27のプライマーを用いて、実施例7記載の方法によりPCR反応を行い、SaGT4Rの翻訳領域のC末領域を含むDNAを増幅し、ベクターpCRII−TOPOにサブクローニングし、塩基配列を確認後、EcoRV,SalIで切り出した約1kbの断片を、プラスミドp4R5BEのEcoRV,SalIサイトに挿入することにより、SaGT4Rの翻訳領域全体を有するプラスミドを構築した。このプラスミドDNAよりBamHI,SalIで切り出した約1.3kbの断片をpGEX−5X−1のBamHI,SalIサイトに挿入し、グルタチオン−S−トランスフェラーゼとの融合タンパク発現ベクターとした。
このようにして得られたベクタープラスミドで大腸菌DH5α株を形質転換した形質転換大腸菌をLB培地(アンピシリン50μM)で、600nmにおける培養液の吸光度が0.6から0.8になるまで37℃で振盪培養し、イソプロピルチオ−β−ガラクトシド(終濃度0.1mM)を加えてタンパク質生産を誘導し、18℃で18時間振盪培養を続けた。集菌後の菌体を培養液の1/25量のバッファー(20mMトリスpH8,0.1M NaCl,1mM EDTA,0.1% NP−40,1mM DTT,0.5mM Pefabloc,2μg/ml leupeptin,0.7μg/ml pepstatin)に懸濁し、超音波破砕装置(BRANSON SONIFIER)でトータル3分間超音波処理後、8000xg,4℃で20分間遠心し、上清を回収した。融合タンパク質の精製はGlutathion Sepharose 4B(Pharmacia Biotech)を用い、添付のプロトコールに従い行った。バッファーは菌体を懸濁した際と同じ組成のものを用いた。溶出は20mM還元型グルタチオン,0.1MトリスpH8,0.12M NaCl,0.1% NP−40,1mM DTT,0.5mM Pefabloc,2μg/ml leupeptin,0.7μg/ml pepstatinで行った。溶出液を10%SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動で分離解析したところ、目的タンパク質の回収量は、大腸菌培養液50mlあたり約数10μgであると見積もられた。
実施例9(大腸菌で発現させたSaGT4Aタンパク質によるステロイドアルカロイドの配糖化)
実施例8により大腸菌で発現させ精製したSaGT4Aタンパク質1〜5μgを一回の反応に用いて、各種ステロイドアルカロイドに対するグルコース付加活性を調べた。タンパク質溶液20μl、UDPグルコース(シグマ)15μg、各種ステロイドアルカロイド(市販のものはすべてシグマ)10μgを5mM MgCl2存在下、0.1Mトリス(pH8)反応液250μl中30℃で3時間反応させた。95℃、5分間の熱処理後、5M相当のNaClを加え、ブタノール250μlによる抽出を3度繰り返し、有機溶媒層を凍結乾燥した。乾燥試料をメタノールあるいはエタノール15μlに溶解し、そのうち5μlを薄層クロマトグラフィーで分析した。
クロマトグラフィーは、5cmx5cm RP−18 F254sプレート(メルク社)、展開溶媒テトラヒドロフラン:メタノール:アンモニア(1.5:1:1)を用い、アニス溶液(パラ・アニスアルデヒド2.5ml、酢酸1ml、硫酸3.5ml、エタノール104ml)により基質およびそれらの配糖化体を検出した。その結果、ソラソジンおよびトマチジンを基質とした時に、配糖化活性が認められた。ソラソジン配糖化産物のRf値は0.57、トマチジン配糖化産物のRf値は0.53であった。また、UDPガラクストースを糖供与体としてこれらの基質に対して反応させたが、配糖体は検出されなかった。
実施例10(大腸菌で発現させたSaGT4Aタンパク質によるステロイドの配糖化)
実施例8により大腸菌で発現させ精製したSaGT4Aタンパク質1〜5μgを一回の反応に用いて、各種ステロイドに対するグルコース付加活性を調べた。タンパク質溶液20μl、UDPグルコース(シグマ)15μg、各種ステロイド(市販のものはすべてシグマ)10μgを5mM MgCl2存在下、0.1Mトリス(pH8)反応液250μl中30℃で3時間反応させた。95℃、5分間の熱処理後、5M相当のNaClを加え、ブタノール250μlによる抽出を3度繰り返し、有機溶媒層を凍結乾燥した。乾燥試料をメタノールあるいはエタノール15μlに溶解し、そのうち5μlを薄層クロマトグラフィーで分析した。
クロマトグラフィーは、6cmx5cm Silica Gel 60 F254プレート(メルク社)を用い、展開溶媒にはクロロホルム:メタノール(17:3)を使用し、アニス溶液(パラ・アニスアルデヒド2.5ml、酢酸1ml、硫酸3.5ml、エタノール104ml)により基質およびそれらの配糖化体を検出した。その結果、ジオスゲニン、ヌアチゲニン、チゴゲニンを基質とした時に、配糖化活性が認められた。ジオスゲニン配糖化産物のRf値は0.42、ヌアチゲニン配糖化産物のRf値は0.36、チゴゲニン配糖化産物のRf値は0.43であった。また、UDPガラクストースを糖供与体としてこれらの基質に対して反応させたが、配糖体は検出されなかった。
実施例11(大腸菌で発現させたSaGT4Aタンパク質の酵素活性測定)
実施例8により大腸菌で発現させ精製したSaGT4Aタンパク質、UDP−グルコースを用いて、各種ステロイドおよびステロイドアルカロイドに対する比活性を調べた。すなわち、大腸菌で発現させ精製した1〜1.5μgのSaGT4Aタンパク質、500μgのUDP−グルコース、50mMトリス(pH8)、2.5mM硫酸マグネシウム、50mM塩化カリウム、1.6mMホスホエノールピルビン酸、0.12mM NADH(還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)、0.6unitピルビン酸キナーゼ、0.8unit乳酸デヒドロゲナーゼ、10μgの各種ステロイドおよびステロイドアルカロイドを50mMトリス(pH8)反応液250μlとなるように混合し、30℃で1時間反応後、80℃で2分間の熱処理により反応を停止し、その後、氷上に保存した。反応液の340nmにおける吸光度を測定し、吸光度の減少量から、各種ステロイドおよびステロイドアルカロイドに対する比活性を求めた。その結果、SaGT4Aタンパク質1mg当たりの比活性は、ジオスゲニンが3.5mmol/min、ヌアチゲニンが1.6mmol/min、チゴゲニンが0.3mmol/min、トマチジンが3.4mmol/min、ソラソジンが3.3mmol/min、ソラニジンが0.4mmol/minとなった。
本発明により新規な配糖化酵素遺伝子が提供される。本発明の配糖化酵素を利用して配糖化酵素反応を行うことにより、医薬、食品添加物又は工業原料などの新規な製造方法を提供することが可能になる。
Claims (9)
- 下記の何れかのアミノ酸配列を有するタンパク質をコードする遺伝子。
(1)配列表の配列番号1、3、7、9または11に記載のアミノ酸配列を有し、配糖化酵素活性を有するアミノ酸配列;
(2)配列表の配列番号1、3、7、9または11に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、配糖化酵素活性を有するアミノ酸配列;又は
(3)配列表の配列番号1、3、7、9または11に記載のアミノ酸配列に対して70%以上の相同性を有するアミノ酸配列を有し、配糖化酵素活性を有するアミノ酸配列; - 下記の何れかの塩基配列を有する請求項1に記載の遺伝子。
(1)配列表の配列番号2、4、8、10または12に記載の塩基配列を有し、配糖化酵素をコードする塩基配列;
(2)配列表の配列番号2、4、8、10または12に記載の塩基配列において1から数個の塩基の欠失、置換及び/又は付加を有する塩基配列を有し、配糖化酵素をコードする塩基配列;又は
(3)配列表の配列番号2、4、8、10または12に記載の塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイスする塩基配列を有し、配糖化酵素をコードする塩基配列; - 植物に由来する遺伝子である、請求項1又は2に記載の遺伝子。
- 植物がナス科植物である、請求項3に記載の遺伝子。
- 下記の何れかのアミノ酸配列を有するタンパク質。
(1)配列表の配列番号1、3、7、9または11に記載のアミノ酸配列を有し、配糖化酵素活性を有するアミノ酸配列;
(2)配列表の配列番号1、3、7、9または11に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、配糖化酵素活性を有するアミノ酸配列;又は
(3)配列表の配列番号1、3、7、9または11に記載のアミノ酸配列に対して70%以上の相同性を有するアミノ酸配列を有し、配糖化酵素活性を有するアミノ酸配列; - 請求項1から4の何れかに記載の遺伝子を含む組み換えベクター。
- 請求項1から4の何れかに記載の遺伝子又は請求項6に記載の組み換えベクターを有する形質転換体。
- 請求項7に記載の形質転換体を培養し、培養物から請求項5に記載のタンパク質を採取することを含む、請求項5に記載のタンパク質の製造方法。
- 請求項5に記載のタンパク質の存在下で糖と基質を反応させることを含む、糖を基質に結合させる方法。
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