JPWO2004058232A1 - 貼付剤 - Google Patents
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Abstract
透湿度が0〜50(g/m2/24h)である剥離可能な保護フィルム;該保護フィルムに積層された透湿性フィルム;該透湿性フィルムに粘着剤を介して積層された不織布又は織布;該不織布又は織布に塗布された、水分を膏体量に対して20〜70重量%含有する含水型薬物含有膏体の層;及び該膏体の層上に設けられたライナー、を含み、該透湿性フィルムと該粘着剤の層と該不織布又は織布とから構成される膏体用支持体の透湿度が500〜1000(g/m2/24h)である貼付剤。該貼付剤は、皮膚刺激性が低く、経時的な薬物吸収性及び外観安定性に優れる。
Description
本発明は、皮膚刺激性が低く、経時的な薬物吸収性及び外観安定性に優れた貼付剤に関する。
一般に、消炎鎮痛剤等の薬物を含有する含水型膏体の支持体としては、不織布または織布が用いられている。これらの支持体は、ドレープ性、膏体との接着性及び伸縮性に優れ、通気性が高いため皮膚刺激性が少ない等の利点を有している。しかしながら、経時的に膏体中の薬物が支持体表面に浸透し、薬物含量が低下したり、貼付時に膏体中の水分が揮散し、薬物の皮膚への移行性並びに粘着性が低下する問題点があった。
これらの問題点を解決するために、不織布または織布に高分子フィルムを積層した支持体を用いることが既に知られている。不織布または織布に高分子フィルムを積層した支持体に関するものとしては、例えば特許第3044352号公報、特開平8−217668号公報、特開2000−143503号公報、及び特許第2565334号公報に記載された技術が知られている。特許第3044352号では、高分子フィルムと不織布または織布等の多孔性シートとの積層体からなる、透湿度が100〜4000(g/m2/24h)の支持体に、ボールタック式粘着力がNo.10以上である膏体を用いることにより、貼付剤の皮膚刺激性を低下させ、吸収性及び粘着性を向上させている。特開平8−217668号公報では、透湿度が480〜9600(g/m2/24h)の透湿性フィルムと不織布とを部分接着した支持体を用いることにより、粘着剤による透湿度低下を抑制している。
特開2000−143503号公報では、微細孔を有する透湿度が500〜7000(g/m2/24h)の多孔性合成樹脂フィルムと不織布を積層した支持体を用いることにより、貼付剤の治療効果の向上や皮膚刺激性の低減をおこなっている。特許第2565334号公報では、透湿性の異なるフィルム及び/又はシートを2層以上の積層構造とし、外層にいくに従って透湿度の低いフィルム及び/又はシートを用いることにより、薬物の皮膚透過量を制御している。
しかし、いずれの上記先行文献に記載された貼付剤も、経時的に透湿性フィルム表面にしわが発生して商品価値が低下したり、経時的な薬物吸収性の低下が生じるという問題があった。含水型薬物含有膏体を用いた貼付剤であって、皮膚刺激性が低く、経時的な薬物吸収性及び外観安定性に優れた、満足できるものはいまだ得られていない。
従って、貼付後の伸縮性が良好で、経時的な薬物吸収性及び外観安定性に優れた貼付剤が求められていた。
これらの問題点を解決するために、不織布または織布に高分子フィルムを積層した支持体を用いることが既に知られている。不織布または織布に高分子フィルムを積層した支持体に関するものとしては、例えば特許第3044352号公報、特開平8−217668号公報、特開2000−143503号公報、及び特許第2565334号公報に記載された技術が知られている。特許第3044352号では、高分子フィルムと不織布または織布等の多孔性シートとの積層体からなる、透湿度が100〜4000(g/m2/24h)の支持体に、ボールタック式粘着力がNo.10以上である膏体を用いることにより、貼付剤の皮膚刺激性を低下させ、吸収性及び粘着性を向上させている。特開平8−217668号公報では、透湿度が480〜9600(g/m2/24h)の透湿性フィルムと不織布とを部分接着した支持体を用いることにより、粘着剤による透湿度低下を抑制している。
特開2000−143503号公報では、微細孔を有する透湿度が500〜7000(g/m2/24h)の多孔性合成樹脂フィルムと不織布を積層した支持体を用いることにより、貼付剤の治療効果の向上や皮膚刺激性の低減をおこなっている。特許第2565334号公報では、透湿性の異なるフィルム及び/又はシートを2層以上の積層構造とし、外層にいくに従って透湿度の低いフィルム及び/又はシートを用いることにより、薬物の皮膚透過量を制御している。
しかし、いずれの上記先行文献に記載された貼付剤も、経時的に透湿性フィルム表面にしわが発生して商品価値が低下したり、経時的な薬物吸収性の低下が生じるという問題があった。含水型薬物含有膏体を用いた貼付剤であって、皮膚刺激性が低く、経時的な薬物吸収性及び外観安定性に優れた、満足できるものはいまだ得られていない。
従って、貼付後の伸縮性が良好で、経時的な薬物吸収性及び外観安定性に優れた貼付剤が求められていた。
本発明者らは、以上の点を考慮して鋭意検討を行った結果、特定の透湿度を有する剥離可能な保護フィルムを、透湿性フィルムと粘着剤層と不織布又は織布で構成される膏体用支持体の該透湿性フィルム面上に設け、該支持体の透湿度を特定範囲のものとし、そして特定の水分を含有する膏体を使用することにより、経時的な薬物吸収性及び外観安定性を維持する貼付剤が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、透湿度が0〜50(g/m2/24h)である剥離可能な保護フィルム;該保護フィルムに積層された透湿性フィルム;該透湿性フィルムに粘着剤を介して積層された不織布又は織布;該不織布又は織布に展延された、水分を膏体量に対して20〜70重量%含有する含水型薬物含有膏体の層;及び該膏体の層上に設けられたライナー、を含み、該透湿性フィルムと該粘着剤の層と該不織布又は織布とから構成される膏体用支持体の透湿度が500〜1000(g/m2/24h)であることを特徴とする貼付剤である。
即ち、本発明は、透湿度が0〜50(g/m2/24h)である剥離可能な保護フィルム;該保護フィルムに積層された透湿性フィルム;該透湿性フィルムに粘着剤を介して積層された不織布又は織布;該不織布又は織布に展延された、水分を膏体量に対して20〜70重量%含有する含水型薬物含有膏体の層;及び該膏体の層上に設けられたライナー、を含み、該透湿性フィルムと該粘着剤の層と該不織布又は織布とから構成される膏体用支持体の透湿度が500〜1000(g/m2/24h)であることを特徴とする貼付剤である。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の剥離可能な保護フィルムの材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリブタジエン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられ、ポリエチレン、ポリプロピレン及びエチレン−酢酸ビニル共重合体が好ましい。厚さは、約10〜100μm、特に約20〜80μmが好ましい。保護フィルムは、単独で又は2枚以上組み合わせて積層して用いてもよい。
上記剥離可能な保護フィルムの透湿度は0〜50(g/m2/24h)、好ましくは0〜30(g/m2/24h)、特に好ましくは0〜20(g/m2/24h)である。保護フィルムの透湿度が50(g/m2/24h)を超える場合には、透湿性フィルムにしわが発生したり、膏体中の水分揮散の抑制ができないため、本願発明の効果を発揮しない恐れがある。保護フィルムは、貼付剤の貼付後に剥離するのが、皮膚に貼付しやすく、更に、貼付剤の伸縮性を良好にする観点から好ましい。
上記保護フィルムと透湿性フィルムを積層する方法としては、粘着剤により間接的に積層する方法や、粘着剤を用いずに直接的に積層する方法が挙げられる。粘着剤としては、例えば、ポリ酢酸ビニル系、ポリビニルアルコール系、ポリビニルアセタール系、ポリ塩化ビニル系、アクリル系、ポリアミド系、セルロース系の熱可塑性樹脂及びユリア系、メラミン系、フェノール系、エポキシ系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリアロマティック系の熱硬化性樹脂が挙げられ、特にポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、アクリル系の熱可塑性樹脂が好ましい。
本発明の透湿性フィルムとしては、例えば、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリブタジエン、ポリエーテルウレタン、ポリエステルウレタン、ポリエーテルポリアミドブロックポリマー、ポリアクリル酸エステル等が挙げられ、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエーテルウレタン、ポリエステルウレタン、ポリエーテルポリアミドブロックポリマー、及びポリアクリル酸エステルが好ましい。厚さは、約1〜100μm、特に約5〜50μmが好ましい。透湿性フィルムは、単独で又は2枚以上組み合わせて積層して用いてもよい。なお、本発明において上記透湿性フィルムは、フィルム材料自体に透湿性がない場合や不充分な場合には、穿孔処理を施こすことによって透湿性を付与することもできる。
上記透湿性フィルムと不織布又は織布を積層する粘着剤としては、例えば、ポリ酢酸ビニル系、ポリビニルアルコール系、ポリビニルアセタール系、ポリ塩化ビニル系、アクリル系、ポリアミド系、又はセルロース系の熱可塑性樹脂、及びユリア系、メラミン系、フェノール系、エポキシ系、ポリエステル系、ポリウレタン系、又はポリアロマティック系の熱硬化性樹脂が挙げられる。これらの中で、ポリ酢酸ビニル系、ポリビニルアルコール系、アクリル系、ポリアミド系、又はセルロース系の熱可塑性樹脂、及びポリウレタン系の熱硬化性樹脂が好ましい。更に、透湿性フィルムと不織布又は織布が粘着剤により全面接着されていることが、透湿性フィルムと不織布の良好な密着性及び膏体からの薬物漏出抑制という観点から好ましい。粘着剤層の厚さは特に限定されないが、通常約10〜100μmである。
本発明の不織布又は織布の材質としては、コットン、ポリエステル、レーヨン、ナイロン、ポリオレフィン、ポリエチレン、ビニロン、アセテート、ポリプロピレン、ポリウレタン等が挙げられ、ポリエステル、レーヨン及びナイロンが好ましい。不織布の製造方法としては、ニードルパンチ法、スパンレース法、スパンボンド法、スラッチボンド法、及びメルトブローン法が挙げられ、スパンレース法、及びスパンボンド法が好ましい。厚さは、約1〜2000μm、特に約100〜1000μmが好ましい。目付は、約50〜200g/m2、特に約70〜150g/m2が好ましい。
透湿性フィルムと粘着剤層と不織布又は織布とから構成される膏体用支持体の透湿度は、500〜1000(g/m2/24)、好ましくは550〜900(g/m2/24)、特に好ましくは600〜850(g/m2/24h)が好ましい。透湿度が1000(g/m2/24h)を超えた場合、経時的に透湿性フィルムが膨潤してしわが発生したり、貼付時に膏体中の薬物の皮膚への吸収性が低下するため、好ましくない。また、500(g/m2/24h)未満の場合は、貼付時に通気性が低いため、皮膚に対する刺激が発生するので、好ましくない。
本発明の含水型薬物含有膏体は、薬物、基剤、溶媒、添加物及び水から構成され、通常の作製方法で調製できる。
膏体中の水の配合量は、膏体重量に対して20〜70重量%、好ましくは25〜65重量%、特に好ましくは30〜60重量%である。水が70重量%を超えた場合、膏体の粘着性が著しく低下するため好ましくない。また、20重量%未満の場合は膏体中の架橋剤による架橋反応が起きにくく、貼付剤を皮膚から剥離する際に膏体残りが発生するので、好ましくない。
上記薬物としては、エチドロン酸二ナトリウム等の骨カルシウム調整剤、エバスチン、塩酸セチリジン、塩酸エピナスチン、フマル酸エメダスチン、塩酸ジフェンヒドラミン等の抗ヒスタミン剤、塩酸アゼセトロン、塩酸オンダンセトロン、塩酸グラニセトロン等の鎮吐剤、塩酸イトプリド、シサプリド等の胃腸運動促進剤、塩酸イミダプリル、塩酸テモカプリル、塩酸キナプリル、塩酸ベナゼプリル、シラザプリル、トランドラプリル、リシノプリル等のACE阻害剤、塩酸ベニジピン、塩酸エホニジピン、シルニジピン、ベジル酸アムロジピン、塩酸マニジピン、塩酸バルニジピン、ニソルジピン、ニルバジピン、フェロジピン等のカルシウム拮抗剤、塩酸ロキサチジンアセタート、塩酸ラニチジン、ファモチジン、ニザチジン等のH2受容体拮抗剤、メサラジン等の抗炎症剤、ラナコナゾール、イトラコナゾール、塩酸アモロルフィン、塩酸テルビナフィン、塩酸ブテナフィン、ケトコナゾール、フルコナゾール等の抗真菌剤、アカルボース、エパルレスタット、ボグリボース等の糖尿病治療剤、アクタリット等の抗リウマチ剤、アシクロビル等の抗ウィルス剤、オキシグルタチオン等の眼科用手術補助剤、ポピドンヨウ素等の殺菌剤、アンピロキシカム、ザルトプロフェン、モフェゾラク、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール、インドメタシン、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、ジクロフェナックナトリウム、メフェナム酸、フルフェナム酸、ブフェキサマク、イブフェナック、アルクロフェナック、グリチルレチン酸等の非ステロイド性抗炎症剤、尿素等の角質軟化剤、エカベトナトリウム、塩酸ベネキサートベータデクス、エンプロスチル、ソファルコン、ポラプレジンク、レバミピド、白糖等の潰瘍治療剤、塩酸アモスラロール、塩酸ベタキソロール、カルベジロール、ニプラジロール等のβ−ブロッカー、フルバスタチンナトリウム、シンバスタチン、プラバスタチン、ピタバスタチン等のHMG−CoA還元酵素阻害剤、塩酸タムスロシン等の前立腺疾患治療剤、塩酸ピルジカイニド、塩酸ピルメノール等の不整脈治療剤、塩酸ファスジル水和物等の血管拡張剤、塩酸プロピベリン、塩酸オキシブチニン等の尿失禁治療剤、塩酸ミドドリン、デノパミン、メチル硫酸アメジニウム等の強心剤、塩酸モサプラミン、ネモナプリド、リスペリドン等の抗精神病薬、オザグレルナトリウム等の高血小板凝集剤、オメプラゾール、ランソプラゾール等のプロトンポンプ阻害剤、塩酸リルマザホン等の非バルビツール酸系、クエン酸タンドスピロン等の抗不安剤、酢酸ナファレリン、酢酸ブセレリン、吉草酸酢酸プレドニゾロン等のホルモン、タクロリムス水和物等の免疫抑制剤、ナジフロキサシン等のにきび治療剤、パルミチン酸デキサメタゾン、プロピオン酸フルチカゾン、フランカルボン酸モメタゾン等のコルチステロイド剤、ピモベンダン等の陽性変力作用物質、プランルカスト水和物等の抗ロイコトリエン剤、ベザフィブラート等の強心配糖剤、ペミロラストカリウム等の結膜炎治療剤、リドカイン等の局所麻酔剤、メシル酸ドキサゾシン等の降圧剤、酢酸トコフェロール等のビタミンE、メナテトレノン等のビタミンK等が挙げられる。薬物の含量は、膏体重量に対して0.001〜10重量%、特に0.01〜5重量%が好ましい。
上記基剤としては、ゼラチン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸部分中和物、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、メチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、アラビアガム、トラガントガム、カラヤガム、無水マレイン酸共重合体、ポリアクリル酸n−ブチル、ポリアクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル系粘着剤、ポリジメチルシロキサン酸のシリコン系粘着剤、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、ポリイソプレン等のゴム系粘着剤、脂環族飽和炭化水素樹脂、エステルガム等が挙げられ、これらを単独又は2種以上の組み合わせで使用することが出来る。基剤の配合量は、膏体重量に対して1〜50重量%、特に5〜25重量%が好ましい。
上記溶媒としては、(濃)グリセリン、D−ソルビトール液、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ポリプロピレングリコール2000等の多価アルコール、エタノール、イソプロパノール、ベンジルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等の一価のアルコール、アジピン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、トリアセチン、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、トリイソオクタン酸等の中鎖の炭素数が6〜12の中鎖脂肪酸トリグリセリド等のエステル類、クロタミトン等のケトン類等が挙げられ、これらを単独又は2種以上の組み合わせで使用することが可能である。溶媒の配合量は、膏体重量に対して1〜70重量%、特に10〜50重量%が好ましい。
上記添加物としては、架橋剤、硬化調整剤、油成分、鉱物性粉末、吸収促進剤、安定化剤及び界面活性剤等が挙げられる。これらの添加物は、単独又は2種以上の組み合わせで使用することが可能である。添加物の配合量は、膏体重量に対して0.1〜30重量%、特に1〜20重量%が好ましい。
上記架橋剤としては、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、水酸化アルミニウムマグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート、乾燥水酸化アルミニウムゲル等が挙げられる。
上記硬化調整剤としては、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、エデト酸二ナトリウム、グルコン酸、乳酸等が挙げられる。
上記油成分としては、オリーブ油、ツバキ油、ヒマシ油、サフラワー油、ヒマワリ油、サザンカ油、大豆油、綿実油、ゴマ油、ヤシ油、パーム油、チョウジ油等が挙げられる。
上記鉱物性粉末としては、カオリン、ベントナイト、モンモリトナイト、酸化亜鉛、酸化チタン、無水ケイ酸等が挙げられる。
上記吸収促進剤としては、ジメチルスルホキシド等の非プロトン系極性溶媒、L−メントール、dl−カンフル等のテルペン類、尿素等の角質の保温・軟化剤、オレイン酸、ステアリン酸等の脂肪酸、エイゾン等の角質溶解剤が挙げられる。
上記安定化剤としては、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル等のフェノール性物質、クロロブタノール、フェニルエチルアルコール等の中性物質、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等の逆性石鹸、ビタミンE、ブチルヒドロキシアニソール、酢酸トコフェロール、没食子酸プロピル、2−メルカプトベンズイミダゾール等の抗酸化剤、アスコルビン酸、亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム等の還元剤が挙げられる。
上記界面活性剤としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム等の陰イオン性界面活性剤、塩化セチルピリゾニウム等の陽イオン性界面活性剤、モノステアリン酸グリセリル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等の非イオン性界面活性剤が挙げられる。
また、含水型薬物含有膏体のボールタック式粘着力がNo.3以上No.9以下であることが、貼付剤の貼付時に膏体が支持体から剥離することなく、また貼付剤の皮膚からの剥離時に皮膚に対して刺激が低いという観点から好ましい。膏体は支持体上に、通常0.1〜2mm、好ましくは0.15〜1.5mm、更に好ましくは0.2〜1mmの厚さで塗布される。
本発明のライナーとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のプラスチックフィルム、セルロースフィルム、及びシリコーン系剥離剤を表面にコーティングした上記フィルム又は紙シート等が挙げられ、特にポリエチレンフィルム、又はポリプロピレンフィルムが好ましい。厚さは約1〜200μm、特に5〜100μmが好ましい。
本発明の貼付剤の製造方法としては、通常の製剤化の方法が使用でき、例えば、保護フィルムと透湿性フィルムとを積層し、更に、透湿性フィルムの保護フィルムを積層していない面に粘着剤を介して不織布を積層し、このようにして得た積層体の不織布又は織布面とライナーの間に含水型薬物含有膏体を展延して貼付剤を作製する。
本発明の貼付剤の保存方法としては、密封性、遮光性に優れた紙/アルミニウム/ポリエチレン積層シートを用い、袋詰めにすることが好ましい。
剥離可能な保護フィルムを積層することにより、貼付剤製造時に透湿性フィルムが直接表面に露出しないため、透湿性フィルムを機械的な損傷から保護することが可能である。また、保護フィルムは貼付後までは剥離しないため、貼付時には製剤の腰が強くなり、貼付性が向上する。貼付後は保護フィルムを剥離することにより、伸縮性が低下する等の違和感はない。更に、透湿性フィルムが露出した従来の貼付剤では膏体からの水分揮散により、透湿性フィルムの表面に「しわ」が発生して商品価値が著しく低下するが、本発明では保護フィルムを積層することにより、「しわ」発生及び透湿性フィルムの性能低下を抑制できる。更に、本貼付剤は、薬物の漏出がなく、薬物含量の低下を抑制でき、皮膚刺激が少ない。
本発明の剥離可能な保護フィルムの材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリブタジエン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられ、ポリエチレン、ポリプロピレン及びエチレン−酢酸ビニル共重合体が好ましい。厚さは、約10〜100μm、特に約20〜80μmが好ましい。保護フィルムは、単独で又は2枚以上組み合わせて積層して用いてもよい。
上記剥離可能な保護フィルムの透湿度は0〜50(g/m2/24h)、好ましくは0〜30(g/m2/24h)、特に好ましくは0〜20(g/m2/24h)である。保護フィルムの透湿度が50(g/m2/24h)を超える場合には、透湿性フィルムにしわが発生したり、膏体中の水分揮散の抑制ができないため、本願発明の効果を発揮しない恐れがある。保護フィルムは、貼付剤の貼付後に剥離するのが、皮膚に貼付しやすく、更に、貼付剤の伸縮性を良好にする観点から好ましい。
上記保護フィルムと透湿性フィルムを積層する方法としては、粘着剤により間接的に積層する方法や、粘着剤を用いずに直接的に積層する方法が挙げられる。粘着剤としては、例えば、ポリ酢酸ビニル系、ポリビニルアルコール系、ポリビニルアセタール系、ポリ塩化ビニル系、アクリル系、ポリアミド系、セルロース系の熱可塑性樹脂及びユリア系、メラミン系、フェノール系、エポキシ系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリアロマティック系の熱硬化性樹脂が挙げられ、特にポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、アクリル系の熱可塑性樹脂が好ましい。
本発明の透湿性フィルムとしては、例えば、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリブタジエン、ポリエーテルウレタン、ポリエステルウレタン、ポリエーテルポリアミドブロックポリマー、ポリアクリル酸エステル等が挙げられ、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエーテルウレタン、ポリエステルウレタン、ポリエーテルポリアミドブロックポリマー、及びポリアクリル酸エステルが好ましい。厚さは、約1〜100μm、特に約5〜50μmが好ましい。透湿性フィルムは、単独で又は2枚以上組み合わせて積層して用いてもよい。なお、本発明において上記透湿性フィルムは、フィルム材料自体に透湿性がない場合や不充分な場合には、穿孔処理を施こすことによって透湿性を付与することもできる。
上記透湿性フィルムと不織布又は織布を積層する粘着剤としては、例えば、ポリ酢酸ビニル系、ポリビニルアルコール系、ポリビニルアセタール系、ポリ塩化ビニル系、アクリル系、ポリアミド系、又はセルロース系の熱可塑性樹脂、及びユリア系、メラミン系、フェノール系、エポキシ系、ポリエステル系、ポリウレタン系、又はポリアロマティック系の熱硬化性樹脂が挙げられる。これらの中で、ポリ酢酸ビニル系、ポリビニルアルコール系、アクリル系、ポリアミド系、又はセルロース系の熱可塑性樹脂、及びポリウレタン系の熱硬化性樹脂が好ましい。更に、透湿性フィルムと不織布又は織布が粘着剤により全面接着されていることが、透湿性フィルムと不織布の良好な密着性及び膏体からの薬物漏出抑制という観点から好ましい。粘着剤層の厚さは特に限定されないが、通常約10〜100μmである。
本発明の不織布又は織布の材質としては、コットン、ポリエステル、レーヨン、ナイロン、ポリオレフィン、ポリエチレン、ビニロン、アセテート、ポリプロピレン、ポリウレタン等が挙げられ、ポリエステル、レーヨン及びナイロンが好ましい。不織布の製造方法としては、ニードルパンチ法、スパンレース法、スパンボンド法、スラッチボンド法、及びメルトブローン法が挙げられ、スパンレース法、及びスパンボンド法が好ましい。厚さは、約1〜2000μm、特に約100〜1000μmが好ましい。目付は、約50〜200g/m2、特に約70〜150g/m2が好ましい。
透湿性フィルムと粘着剤層と不織布又は織布とから構成される膏体用支持体の透湿度は、500〜1000(g/m2/24)、好ましくは550〜900(g/m2/24)、特に好ましくは600〜850(g/m2/24h)が好ましい。透湿度が1000(g/m2/24h)を超えた場合、経時的に透湿性フィルムが膨潤してしわが発生したり、貼付時に膏体中の薬物の皮膚への吸収性が低下するため、好ましくない。また、500(g/m2/24h)未満の場合は、貼付時に通気性が低いため、皮膚に対する刺激が発生するので、好ましくない。
本発明の含水型薬物含有膏体は、薬物、基剤、溶媒、添加物及び水から構成され、通常の作製方法で調製できる。
膏体中の水の配合量は、膏体重量に対して20〜70重量%、好ましくは25〜65重量%、特に好ましくは30〜60重量%である。水が70重量%を超えた場合、膏体の粘着性が著しく低下するため好ましくない。また、20重量%未満の場合は膏体中の架橋剤による架橋反応が起きにくく、貼付剤を皮膚から剥離する際に膏体残りが発生するので、好ましくない。
上記薬物としては、エチドロン酸二ナトリウム等の骨カルシウム調整剤、エバスチン、塩酸セチリジン、塩酸エピナスチン、フマル酸エメダスチン、塩酸ジフェンヒドラミン等の抗ヒスタミン剤、塩酸アゼセトロン、塩酸オンダンセトロン、塩酸グラニセトロン等の鎮吐剤、塩酸イトプリド、シサプリド等の胃腸運動促進剤、塩酸イミダプリル、塩酸テモカプリル、塩酸キナプリル、塩酸ベナゼプリル、シラザプリル、トランドラプリル、リシノプリル等のACE阻害剤、塩酸ベニジピン、塩酸エホニジピン、シルニジピン、ベジル酸アムロジピン、塩酸マニジピン、塩酸バルニジピン、ニソルジピン、ニルバジピン、フェロジピン等のカルシウム拮抗剤、塩酸ロキサチジンアセタート、塩酸ラニチジン、ファモチジン、ニザチジン等のH2受容体拮抗剤、メサラジン等の抗炎症剤、ラナコナゾール、イトラコナゾール、塩酸アモロルフィン、塩酸テルビナフィン、塩酸ブテナフィン、ケトコナゾール、フルコナゾール等の抗真菌剤、アカルボース、エパルレスタット、ボグリボース等の糖尿病治療剤、アクタリット等の抗リウマチ剤、アシクロビル等の抗ウィルス剤、オキシグルタチオン等の眼科用手術補助剤、ポピドンヨウ素等の殺菌剤、アンピロキシカム、ザルトプロフェン、モフェゾラク、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール、インドメタシン、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、ジクロフェナックナトリウム、メフェナム酸、フルフェナム酸、ブフェキサマク、イブフェナック、アルクロフェナック、グリチルレチン酸等の非ステロイド性抗炎症剤、尿素等の角質軟化剤、エカベトナトリウム、塩酸ベネキサートベータデクス、エンプロスチル、ソファルコン、ポラプレジンク、レバミピド、白糖等の潰瘍治療剤、塩酸アモスラロール、塩酸ベタキソロール、カルベジロール、ニプラジロール等のβ−ブロッカー、フルバスタチンナトリウム、シンバスタチン、プラバスタチン、ピタバスタチン等のHMG−CoA還元酵素阻害剤、塩酸タムスロシン等の前立腺疾患治療剤、塩酸ピルジカイニド、塩酸ピルメノール等の不整脈治療剤、塩酸ファスジル水和物等の血管拡張剤、塩酸プロピベリン、塩酸オキシブチニン等の尿失禁治療剤、塩酸ミドドリン、デノパミン、メチル硫酸アメジニウム等の強心剤、塩酸モサプラミン、ネモナプリド、リスペリドン等の抗精神病薬、オザグレルナトリウム等の高血小板凝集剤、オメプラゾール、ランソプラゾール等のプロトンポンプ阻害剤、塩酸リルマザホン等の非バルビツール酸系、クエン酸タンドスピロン等の抗不安剤、酢酸ナファレリン、酢酸ブセレリン、吉草酸酢酸プレドニゾロン等のホルモン、タクロリムス水和物等の免疫抑制剤、ナジフロキサシン等のにきび治療剤、パルミチン酸デキサメタゾン、プロピオン酸フルチカゾン、フランカルボン酸モメタゾン等のコルチステロイド剤、ピモベンダン等の陽性変力作用物質、プランルカスト水和物等の抗ロイコトリエン剤、ベザフィブラート等の強心配糖剤、ペミロラストカリウム等の結膜炎治療剤、リドカイン等の局所麻酔剤、メシル酸ドキサゾシン等の降圧剤、酢酸トコフェロール等のビタミンE、メナテトレノン等のビタミンK等が挙げられる。薬物の含量は、膏体重量に対して0.001〜10重量%、特に0.01〜5重量%が好ましい。
上記基剤としては、ゼラチン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸部分中和物、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、メチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、アラビアガム、トラガントガム、カラヤガム、無水マレイン酸共重合体、ポリアクリル酸n−ブチル、ポリアクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル系粘着剤、ポリジメチルシロキサン酸のシリコン系粘着剤、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、ポリイソプレン等のゴム系粘着剤、脂環族飽和炭化水素樹脂、エステルガム等が挙げられ、これらを単独又は2種以上の組み合わせで使用することが出来る。基剤の配合量は、膏体重量に対して1〜50重量%、特に5〜25重量%が好ましい。
上記溶媒としては、(濃)グリセリン、D−ソルビトール液、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ポリプロピレングリコール2000等の多価アルコール、エタノール、イソプロパノール、ベンジルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等の一価のアルコール、アジピン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、トリアセチン、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、トリイソオクタン酸等の中鎖の炭素数が6〜12の中鎖脂肪酸トリグリセリド等のエステル類、クロタミトン等のケトン類等が挙げられ、これらを単独又は2種以上の組み合わせで使用することが可能である。溶媒の配合量は、膏体重量に対して1〜70重量%、特に10〜50重量%が好ましい。
上記添加物としては、架橋剤、硬化調整剤、油成分、鉱物性粉末、吸収促進剤、安定化剤及び界面活性剤等が挙げられる。これらの添加物は、単独又は2種以上の組み合わせで使用することが可能である。添加物の配合量は、膏体重量に対して0.1〜30重量%、特に1〜20重量%が好ましい。
上記架橋剤としては、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、水酸化アルミニウムマグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート、乾燥水酸化アルミニウムゲル等が挙げられる。
上記硬化調整剤としては、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、エデト酸二ナトリウム、グルコン酸、乳酸等が挙げられる。
上記油成分としては、オリーブ油、ツバキ油、ヒマシ油、サフラワー油、ヒマワリ油、サザンカ油、大豆油、綿実油、ゴマ油、ヤシ油、パーム油、チョウジ油等が挙げられる。
上記鉱物性粉末としては、カオリン、ベントナイト、モンモリトナイト、酸化亜鉛、酸化チタン、無水ケイ酸等が挙げられる。
上記吸収促進剤としては、ジメチルスルホキシド等の非プロトン系極性溶媒、L−メントール、dl−カンフル等のテルペン類、尿素等の角質の保温・軟化剤、オレイン酸、ステアリン酸等の脂肪酸、エイゾン等の角質溶解剤が挙げられる。
上記安定化剤としては、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル等のフェノール性物質、クロロブタノール、フェニルエチルアルコール等の中性物質、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等の逆性石鹸、ビタミンE、ブチルヒドロキシアニソール、酢酸トコフェロール、没食子酸プロピル、2−メルカプトベンズイミダゾール等の抗酸化剤、アスコルビン酸、亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム等の還元剤が挙げられる。
上記界面活性剤としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム等の陰イオン性界面活性剤、塩化セチルピリゾニウム等の陽イオン性界面活性剤、モノステアリン酸グリセリル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等の非イオン性界面活性剤が挙げられる。
また、含水型薬物含有膏体のボールタック式粘着力がNo.3以上No.9以下であることが、貼付剤の貼付時に膏体が支持体から剥離することなく、また貼付剤の皮膚からの剥離時に皮膚に対して刺激が低いという観点から好ましい。膏体は支持体上に、通常0.1〜2mm、好ましくは0.15〜1.5mm、更に好ましくは0.2〜1mmの厚さで塗布される。
本発明のライナーとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のプラスチックフィルム、セルロースフィルム、及びシリコーン系剥離剤を表面にコーティングした上記フィルム又は紙シート等が挙げられ、特にポリエチレンフィルム、又はポリプロピレンフィルムが好ましい。厚さは約1〜200μm、特に5〜100μmが好ましい。
本発明の貼付剤の製造方法としては、通常の製剤化の方法が使用でき、例えば、保護フィルムと透湿性フィルムとを積層し、更に、透湿性フィルムの保護フィルムを積層していない面に粘着剤を介して不織布を積層し、このようにして得た積層体の不織布又は織布面とライナーの間に含水型薬物含有膏体を展延して貼付剤を作製する。
本発明の貼付剤の保存方法としては、密封性、遮光性に優れた紙/アルミニウム/ポリエチレン積層シートを用い、袋詰めにすることが好ましい。
剥離可能な保護フィルムを積層することにより、貼付剤製造時に透湿性フィルムが直接表面に露出しないため、透湿性フィルムを機械的な損傷から保護することが可能である。また、保護フィルムは貼付後までは剥離しないため、貼付時には製剤の腰が強くなり、貼付性が向上する。貼付後は保護フィルムを剥離することにより、伸縮性が低下する等の違和感はない。更に、透湿性フィルムが露出した従来の貼付剤では膏体からの水分揮散により、透湿性フィルムの表面に「しわ」が発生して商品価値が著しく低下するが、本発明では保護フィルムを積層することにより、「しわ」発生及び透湿性フィルムの性能低下を抑制できる。更に、本貼付剤は、薬物の漏出がなく、薬物含量の低下を抑制でき、皮膚刺激が少ない。
実施例1〜3及び比較例1
精製水30重量部にポリビニルアルコール(PVA217S)0.8重量部を60℃に加温して溶解後、室温まで冷却した。ここに、酒石酸1.3重量部及びエデト酸ナトリウム0.1重量部を溶解後、D−ソルビトール液(70%)25重量部及びカオリンA 3重量部を均一に懸濁した(水相)。
別にインドメタシン0.375重量部及びL−メントール0.5重量部をマクロゴール400 5重量部に40℃に加温して溶解後、室温まで冷却した。ここに、濃グリセリン20重量部を溶解後、カルメロールナトリウム3.5重量部、ポリアクリル酸部分中和物6重量部及びジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート0.1重量部を均一に分散させた(油相)。
油相に水相を添加し、精製水で重量を全100重量部とした後、練合機(公転:40rpm、自転:80rpm)で15分間練合し、含水型薬物含有膏体を得た。
精製水30重量部にポリビニルアルコール(PVA217S)0.8重量部を60℃に加温して溶解後、室温まで冷却した。ここに、酒石酸1.3重量部及びエデト酸ナトリウム0.1重量部を溶解後、D−ソルビトール液(70%)25重量部及びカオリンA 3重量部を均一に懸濁した(水相)。
別にインドメタシン0.375重量部及びL−メントール0.5重量部をマクロゴール400 5重量部に40℃に加温して溶解後、室温まで冷却した。ここに、濃グリセリン20重量部を溶解後、カルメロールナトリウム3.5重量部、ポリアクリル酸部分中和物6重量部及びジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート0.1重量部を均一に分散させた(油相)。
油相に水相を添加し、精製水で重量を全100重量部とした後、練合機(公転:40rpm、自転:80rpm)で15分間練合し、含水型薬物含有膏体を得た。
精製水17重量部にポリビニルアルコール(PVA217S)0.8重量部を60℃に加温して溶解後、室温まで冷却した。ここに、酒石酸1.3重量部及びエデト酸ナトリウム0.1重量部を溶解後、D−ソルビトール液(70%)25重量部並びにカオリンA3重量部を均一に懸濁した。(水相)
別にインドメタシン0.375重量部及びL−メントール0.5重量部をマクロゴール400 22.125重量部に40℃に加温して溶解後、室温まで冷却した。ここに、濃グリセリン20重量部を溶解後、カルメロールナトリウム3.5重量部、ポリアクリル酸部分中和物6重量部及びジヒドロキシアルミニウムアセテート0.1重量部を均一に分散させた。(油相)
油相に水相を添加し、精製水で重量を全100重量部とした後、練合機(公転:40rpm、自転:80rpm)で15分間練合し含水型薬物含有膏体を得た。
別にインドメタシン0.375重量部及びL−メントール0.5重量部をマクロゴール400 22.125重量部に40℃に加温して溶解後、室温まで冷却した。ここに、濃グリセリン20重量部を溶解後、カルメロールナトリウム3.5重量部、ポリアクリル酸部分中和物6重量部及びジヒドロキシアルミニウムアセテート0.1重量部を均一に分散させた。(油相)
油相に水相を添加し、精製水で重量を全100重量部とした後、練合機(公転:40rpm、自転:80rpm)で15分間練合し含水型薬物含有膏体を得た。
精製水62重量部にポリビニルアルコール(PVA217S)0.8重量部を60℃に加温して溶解後、室温まで冷却した。ここに、酒石酸1.3重量部及びエデト酸ナトリウム0.1重量部を溶解後、カオリンA3重量部を均一に懸濁した。(水相)
別にインドメタシン0.375重量部及びL−メントール0.5重量部をマクロゴール400 2.125重量部に40℃に加温して溶解後、室温まで冷却した。ここに、濃グリセリン20重量部を溶解後、カルメロールナトリウム3.5重量部、ポリアクリル酸部分中和物6重量部及びジヒドロキシアルミニウムアセテート0.1重量部を均一に分散させた。(油相)
油相に水相を添加し、精製水で重量を全100重量部とした後、練合機(公転:40rpm、自転:80rpm)で15分間練合し含水型薬物含有膏体を得た。
比較例2
精製水7重量部にポリビニルアルコール(PVA217S)0.8重量部を60℃に加温して溶解後、室温まで冷却した。ここに、酒石酸1.3重量部及びエデト酸ナトリウム0.1重量部を溶解後、D−ソルビトール液(70%)25重量部並びにカオリンA3重量部を均一に懸濁した。(水相)
別にインドメタシン0.375重量部及びL−メントール0.5重量部をマクロゴール400 32.125重量部に40℃に加温して溶解後、室温まで冷却した。ここに、濃グリセリン20重量部を溶解後、カルメロールナトリウム3.5重量部、ポリアクリル酸部分中和物6重量部及びジヒドロキシアルミニウムアセテート0.1重量部を均一に分散させた。(油相)
油相に水相を添加し、精製水で重量を全100重量部とした後、練合機(公転:40rpm、自転:80rpm)で15分間練合し含水型薬物含有膏体を得た。
比較例3
精製水72重量部にポリビニルアルコール(PVA217S)0.8重量部を60℃に加温して溶解後、室温まで冷却した。ここに、酒石酸1.3重量部及びエデト酸ナトリウム0.1重量部を溶解後、カオリンA3重量部を均一に懸濁した。(水相)
別にインドメタシン0.375重量部及びL−メントール0.5重量部をマクロゴール400 2.125重量部に40℃に加温して溶解後、室温まで冷却した。ここに、濃グリセリン10重量部を溶解後、カルメロールナトリウム3.5重量部、ポリアクリル酸部分中和物6重量部及びジヒドロキシアルミニウムアセテート0.1重量部を均一に分散させた。(油相)
油相に水相を添加し、精製水で重量を全100重量部とした後、練合機(公転:40rpm、自転:80rpm)で15分間練合し含水型薬物含有膏体を得た。
ポリプロピレン製の保護フィルム(透湿度16g/m2/24h)にポリウレタン製の透湿性フィルムを積層し、さらに、透湿性フィルムの保護フィルムを積層していない面にアクリル系粘着剤を介してポリエステル製不織布を積層した。このようにして得られた膏体の支持体の不織布面上とポリプロピレン製ライナーの間で、含水型薬物含有膏体を展延機を用いて膏体の厚さが1mmとなるように展延し、10×14cmの大きさに切断して貼付剤を作製した。
なお、透湿性フィルムと粘着剤層と不織布又は織布とからなる膏体用支持体の透湿度は、実施例1、4及び5が642(g/m2/24h)、実施例2が734(g/m2/24h)、実施例3が925(g/m2/24h)、比較例1が1129(g/m2/24h)、比較例2及び3が642(g/m2/24h)であった。透湿度の測定は以下の方法により行った。
<透湿度試験>
10mLの蒸留水を内径40mm、高さ40mmのガラス製容器に入れ、直径50mmの円形に裁断したサンプルを該容器の口に貼付し、固定した。サンプルを貼付した容器全体の重量(W3)を測定したのち、これを40℃、相対湿度30%R.H.の恒温恒湿器中に入れ、24時間放置後の重量(W4)を測定した。測定した重量から、以下の式によって透湿度を算出した。
透湿度(g/m2/24h)=(W3−W4)/(0.02×0.02×π)
比較試験1(フィルム表面のしわ試験)
実施例1〜5及び比較例1〜3で作製した貼付剤を3×4cmに切断し、アルミ袋に入れ、密封後室温で放置した。同様に切断した貼付剤から保護フイルムを剥離したものもアルミ袋に入れ、密封後室温で放置した。1ヶ月経過後、アルミ袋から取り出し、フィルム(保護フィルム又は透湿性フィルム)表面のしわ状態を目視で確認した。結果を表1及び2に記載するが、ここでしわのある貼付剤を×、しわのない貼付剤を○で示した。
比較試験2(薬物吸収性)
実施例1〜5及び比較例1〜3で作製した貼付剤を3×4cmに切断し、アルミ袋に入れ、密封後室温で1ヶ月放置した(貼付剤A)。別に、ポリエステル製不織布とポリプロピレン製ライナーの間に、実施例1〜5及び比較例1〜3の処方と同じ含水型薬物含有膏体を展延機を用いて膏体の厚さが1mmとなるように展延し、3×4cmの大きさに切断して製剤を作製した。この製剤を貼付剤Aと同様に保存し、実験当日に不織布上にアクリル系粘着剤を介して、ポリウレタン製の透湿性フィルムに積層した(貼付剤B)。薬物吸収実験は、Wistar系ラット(雄、8週齢、体重190〜220g)の腹部を脱毛処理した後、貼付剤A又はBを貼付して行った。貼付してから2、4及び6時間経過時に採血し、血漿中のインドメタシン濃度をHPLC法で測定し、AUC(血中薬物濃度下面積、area under the curve)を求めた。その結果を表1及び表2に示す。
比較試験3(膏体の粘着力)
ボールタック式粘着力試験(医薬品製造指針2001,第II部医薬品の承認申請,第1章医療用医薬品の承認申請の留意事項 粘着力試験 記載)により、粘着力を測定した。なお、ボールタック式粘着力は、スチールボールが10秒以上停止した号数とした。その結果を表1及び表2に示す。
透湿性フィルムと粘着剤層と不織布又は織布からなる膏体用支持体の透湿度が500(g/m2/24h)以上の支持体に保護フィルムを積層しないとしわが生じるが、保護フィルムを積層することにより、しわが生じないことが確認できた。また、膏体用支持体の透湿度が1000(g/m2/24h)を超える支持体を使用した貼付剤については、透湿性フイルムを貼付当日積層した貼付剤Bに比べ、保護フィルム及び透湿性フイルムを積層した経日品(貼付剤A)ではAUCが著しく低下した。しかし、透湿度が1000(g/m2/24h)以下の膏体用支持体を使用した貼付剤や膏体中の水分含量が70%以下の貼付剤においては、透湿性フイルムを実験当日積層した貼付剤Bと比べて、保護フィルム及び透湿性フイルムを積層した経日品(貼付剤A)はAUCの低下が少なかった。なお、水分含量が20%未満の比較例2では、貼付剤が作製できなかった。更に、比較例2を除く貼付剤のボールタック式粘着力は、皮膚刺激性が認められない10号未満であった。
製造例1及び2
ゼラチン1重量部を精製水27重量部に60℃で溶解させ、乳酸1.25重量部、D−ソルビトール液(70%)22重量部及びカオリンA3重量部を加え、均一に分散させた。(水相)
別に、エステルガム10重量部に、軽質流動パラフィン2.5重量部を、120℃で溶解させた。(粘着剤相)
更に別に、インドメタシン1重量部及びL−メントール1重量部を40℃で溶解させ、室温まで冷却し、濃グリセリン22重量部、カルメロースナトリウム3重量部、ポリアクリル酸部分中和物3.5重量部及び乾燥水酸化アルミニウムゲル0.2重量部を加え、均一に分散させた。(油相)
水相を120℃に加温後、粘着剤相を加えて均一に分散させた。室温まで冷却後、油相を加え、更に精製水で全重量を100重量部とし含水型薬物含有膏体を得た。得られた含水型薬物含有膏体をポリプロピレン製の保護フィルム(透湿度16g/m2/24h)にポリエーテルポリアミドブロックポリマー製の透湿性フィルムに積層し、さらに、透湿性フィルムの保護フィルムを積層していない面にアクリル系粘着剤を介してポリエチレン製不織布を積層した支持体の不織布面とポリプロピレン製ライナーの間に、含水型薬物含有膏体を展延機を用いて膏体の厚さが0.2mmとなるように展延し、10×14cmの大きさに切断して製剤を作製した。なお、透湿性フィルムと粘着剤層と不織布又は織布からなる膏体用支持体の透湿度は、製造例1が642(g/m2/24h)及び製造例2が1129(g/m2/24h)であった。
別にインドメタシン0.375重量部及びL−メントール0.5重量部をマクロゴール400 2.125重量部に40℃に加温して溶解後、室温まで冷却した。ここに、濃グリセリン20重量部を溶解後、カルメロールナトリウム3.5重量部、ポリアクリル酸部分中和物6重量部及びジヒドロキシアルミニウムアセテート0.1重量部を均一に分散させた。(油相)
油相に水相を添加し、精製水で重量を全100重量部とした後、練合機(公転:40rpm、自転:80rpm)で15分間練合し含水型薬物含有膏体を得た。
比較例2
精製水7重量部にポリビニルアルコール(PVA217S)0.8重量部を60℃に加温して溶解後、室温まで冷却した。ここに、酒石酸1.3重量部及びエデト酸ナトリウム0.1重量部を溶解後、D−ソルビトール液(70%)25重量部並びにカオリンA3重量部を均一に懸濁した。(水相)
別にインドメタシン0.375重量部及びL−メントール0.5重量部をマクロゴール400 32.125重量部に40℃に加温して溶解後、室温まで冷却した。ここに、濃グリセリン20重量部を溶解後、カルメロールナトリウム3.5重量部、ポリアクリル酸部分中和物6重量部及びジヒドロキシアルミニウムアセテート0.1重量部を均一に分散させた。(油相)
油相に水相を添加し、精製水で重量を全100重量部とした後、練合機(公転:40rpm、自転:80rpm)で15分間練合し含水型薬物含有膏体を得た。
比較例3
精製水72重量部にポリビニルアルコール(PVA217S)0.8重量部を60℃に加温して溶解後、室温まで冷却した。ここに、酒石酸1.3重量部及びエデト酸ナトリウム0.1重量部を溶解後、カオリンA3重量部を均一に懸濁した。(水相)
別にインドメタシン0.375重量部及びL−メントール0.5重量部をマクロゴール400 2.125重量部に40℃に加温して溶解後、室温まで冷却した。ここに、濃グリセリン10重量部を溶解後、カルメロールナトリウム3.5重量部、ポリアクリル酸部分中和物6重量部及びジヒドロキシアルミニウムアセテート0.1重量部を均一に分散させた。(油相)
油相に水相を添加し、精製水で重量を全100重量部とした後、練合機(公転:40rpm、自転:80rpm)で15分間練合し含水型薬物含有膏体を得た。
ポリプロピレン製の保護フィルム(透湿度16g/m2/24h)にポリウレタン製の透湿性フィルムを積層し、さらに、透湿性フィルムの保護フィルムを積層していない面にアクリル系粘着剤を介してポリエステル製不織布を積層した。このようにして得られた膏体の支持体の不織布面上とポリプロピレン製ライナーの間で、含水型薬物含有膏体を展延機を用いて膏体の厚さが1mmとなるように展延し、10×14cmの大きさに切断して貼付剤を作製した。
なお、透湿性フィルムと粘着剤層と不織布又は織布とからなる膏体用支持体の透湿度は、実施例1、4及び5が642(g/m2/24h)、実施例2が734(g/m2/24h)、実施例3が925(g/m2/24h)、比較例1が1129(g/m2/24h)、比較例2及び3が642(g/m2/24h)であった。透湿度の測定は以下の方法により行った。
<透湿度試験>
10mLの蒸留水を内径40mm、高さ40mmのガラス製容器に入れ、直径50mmの円形に裁断したサンプルを該容器の口に貼付し、固定した。サンプルを貼付した容器全体の重量(W3)を測定したのち、これを40℃、相対湿度30%R.H.の恒温恒湿器中に入れ、24時間放置後の重量(W4)を測定した。測定した重量から、以下の式によって透湿度を算出した。
透湿度(g/m2/24h)=(W3−W4)/(0.02×0.02×π)
比較試験1(フィルム表面のしわ試験)
実施例1〜5及び比較例1〜3で作製した貼付剤を3×4cmに切断し、アルミ袋に入れ、密封後室温で放置した。同様に切断した貼付剤から保護フイルムを剥離したものもアルミ袋に入れ、密封後室温で放置した。1ヶ月経過後、アルミ袋から取り出し、フィルム(保護フィルム又は透湿性フィルム)表面のしわ状態を目視で確認した。結果を表1及び2に記載するが、ここでしわのある貼付剤を×、しわのない貼付剤を○で示した。
比較試験2(薬物吸収性)
実施例1〜5及び比較例1〜3で作製した貼付剤を3×4cmに切断し、アルミ袋に入れ、密封後室温で1ヶ月放置した(貼付剤A)。別に、ポリエステル製不織布とポリプロピレン製ライナーの間に、実施例1〜5及び比較例1〜3の処方と同じ含水型薬物含有膏体を展延機を用いて膏体の厚さが1mmとなるように展延し、3×4cmの大きさに切断して製剤を作製した。この製剤を貼付剤Aと同様に保存し、実験当日に不織布上にアクリル系粘着剤を介して、ポリウレタン製の透湿性フィルムに積層した(貼付剤B)。薬物吸収実験は、Wistar系ラット(雄、8週齢、体重190〜220g)の腹部を脱毛処理した後、貼付剤A又はBを貼付して行った。貼付してから2、4及び6時間経過時に採血し、血漿中のインドメタシン濃度をHPLC法で測定し、AUC(血中薬物濃度下面積、area under the curve)を求めた。その結果を表1及び表2に示す。
比較試験3(膏体の粘着力)
ボールタック式粘着力試験(医薬品製造指針2001,第II部医薬品の承認申請,第1章医療用医薬品の承認申請の留意事項 粘着力試験 記載)により、粘着力を測定した。なお、ボールタック式粘着力は、スチールボールが10秒以上停止した号数とした。その結果を表1及び表2に示す。
透湿性フィルムと粘着剤層と不織布又は織布からなる膏体用支持体の透湿度が500(g/m2/24h)以上の支持体に保護フィルムを積層しないとしわが生じるが、保護フィルムを積層することにより、しわが生じないことが確認できた。また、膏体用支持体の透湿度が1000(g/m2/24h)を超える支持体を使用した貼付剤については、透湿性フイルムを貼付当日積層した貼付剤Bに比べ、保護フィルム及び透湿性フイルムを積層した経日品(貼付剤A)ではAUCが著しく低下した。しかし、透湿度が1000(g/m2/24h)以下の膏体用支持体を使用した貼付剤や膏体中の水分含量が70%以下の貼付剤においては、透湿性フイルムを実験当日積層した貼付剤Bと比べて、保護フィルム及び透湿性フイルムを積層した経日品(貼付剤A)はAUCの低下が少なかった。なお、水分含量が20%未満の比較例2では、貼付剤が作製できなかった。更に、比較例2を除く貼付剤のボールタック式粘着力は、皮膚刺激性が認められない10号未満であった。
製造例1及び2
ゼラチン1重量部を精製水27重量部に60℃で溶解させ、乳酸1.25重量部、D−ソルビトール液(70%)22重量部及びカオリンA3重量部を加え、均一に分散させた。(水相)
別に、エステルガム10重量部に、軽質流動パラフィン2.5重量部を、120℃で溶解させた。(粘着剤相)
更に別に、インドメタシン1重量部及びL−メントール1重量部を40℃で溶解させ、室温まで冷却し、濃グリセリン22重量部、カルメロースナトリウム3重量部、ポリアクリル酸部分中和物3.5重量部及び乾燥水酸化アルミニウムゲル0.2重量部を加え、均一に分散させた。(油相)
水相を120℃に加温後、粘着剤相を加えて均一に分散させた。室温まで冷却後、油相を加え、更に精製水で全重量を100重量部とし含水型薬物含有膏体を得た。得られた含水型薬物含有膏体をポリプロピレン製の保護フィルム(透湿度16g/m2/24h)にポリエーテルポリアミドブロックポリマー製の透湿性フィルムに積層し、さらに、透湿性フィルムの保護フィルムを積層していない面にアクリル系粘着剤を介してポリエチレン製不織布を積層した支持体の不織布面とポリプロピレン製ライナーの間に、含水型薬物含有膏体を展延機を用いて膏体の厚さが0.2mmとなるように展延し、10×14cmの大きさに切断して製剤を作製した。なお、透湿性フィルムと粘着剤層と不織布又は織布からなる膏体用支持体の透湿度は、製造例1が642(g/m2/24h)及び製造例2が1129(g/m2/24h)であった。
本発明によると、皮膚刺激性が低く、経時的な薬物吸収性及び外観安定性に優れた貼付剤を提供することができる。
Claims (5)
- 透湿度が0〜50(g/m2/24h)である剥離可能な保護フィルム;該保護フィルムに積層された透湿性フィルム;該透湿性フィルムに粘着剤を介して積層された不織布又は織布;該不織布又は織布に塗布された、水分を膏体量に対して20〜70重量%含有する含水型薬物含有膏体の層;及び該膏体の層上に設けられたライナーを含み、該透湿性フィルムと該粘着剤の層と該不織布又は織布とから構成される膏体用支持体の透湿度が500〜1000(g/m2/24h)であることを特徴とする貼付剤。
- 上記保護フィルムの透湿度が0〜30(g/m2/24h)である請求項1記載の貼付剤。
- 上記保護フィルムがポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびエチレン−酢酸ビニル共重合体から選ばれた少なくとも1種のフィルムである、請求項1又は2記載の貼付剤。
- 上記保護フィルムが、貼付剤の貼付後に剥離されるものである、請求項1〜3のいずれか1項記載の貼付剤。
- 上記含水型薬物含有膏体のボールタック式粘着力がNo.3以上No.9以下である、請求項1〜4のいずれか1項記載の貼付剤。
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