JPWO2004051229A1 - 液体スイッチおよびそれを用いたマイクロチップ、質量分析システム - Google Patents

液体スイッチおよびそれを用いたマイクロチップ、質量分析システム

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Abstract

主流路(101)に導入された液体試料(104)を堰き止め部(105)に保持する一方、トリガー流路(102)にトリガー液(106)を満たす。この状態から、所望のタイミングでトリガー液(106)を導入し、トリガー液(106)の液面の先端部分を前進させ、堰き止め部(105)と接触させる。これにより、液体試料(104)が図中右方向(下流側)に移動し、主流路(101)下流側に液体試料(104)が流出する。すなわち、トリガー液(106)が呼び水としての役割を果たし、液体スイッチとしての動作が発現する。

Description

本発明は、液体の流動を制御する液体スイッチおよびそれを用いたマイクロチップ、質量分析システムに関するものである。
近年、試料の前処理・反応・分離・検出などの化学操作をマイクロチップ上で行うマイクロ化学分析(μ−TAS)が急速に発展しつつある。マイクロ化学分析によれば、使用する試料が微量で済み、環境負荷も小さく高感度な分析が可能となる。
特許文献1には、基板上に溝やリザーバを設けた構成のマイクロチャンネル型チップにより、キャピラリ電気泳動を実現する装置が記載されている。この種のマイクロチップにおいては、チップ内の流路に試料やバッファを導入するタイミングを精密に制御することが重要となる。こうした技術は、分離装置や分析装置のみならず、マイクロ化学反応装置などにおいても同様に求められる。
従来、試料を導入するタイミングの制御は、もっぱら電界や圧力等の外力付与によって行うことが通常であった。しかしながら、この方式では、チップ内の微量試料の挙動を精密に制御することは困難であった。また、外力付与手段を設ける必要性から、装置全体が大型化するという問題があった。
特許文献1 特開2002−207031号公報
本発明は、上記事情に鑑み、マイクロチップなどの装置において、試料やバッファ等の液体の流動を精密に制御し、試料の分離、分析あるいは反応を所望の条件で制御性良く行うスイッチ構造を提供することを目的とする。また、本発明の別の目的は、外部の制御装置の助けなしに、1回の試料注入をきっかけとして、毛細管力により複数の工程を適切なタイミングで発動可能とするスイッチ構造を提供することにある。
本発明によれば、第一の液体の通る流路と、前記流路中に設けられた、前記第一の液体を堰き止める堰き止め部と、前記堰き止め部の下流側の箇所で前記流路に連通し、前記堰き止め部へ第二の液体を導くトリガー流路と、を有することを特徴とする液体スイッチが提供される。
本発明の液体スイッチでは、堰き止め部で前記第一の液体が堰き止められる。堰き止め部が第一の液体を吸収し保液する構成であってもよいし、堰き止め部自体は第一の液体に対して疎液性を示し、その上流側端部で第一の液体が堰き止められる構成であってもよい。堰き止め部で堰き止められた液体試料は、第二の液体と接触したとき、堰き止め部を超えて下流側に流出する。本発明によれば、外部の制御装置を設けることなく、第二の液体の導入により、流路の開通を所望のタイミングで制御性良く実行することができる。
本発明において、堰き止め部は、第一の液体を保持する部材を含む構成とすることができる。この構成を採用した場合、流路に第二の液体が導入されると、上記部材に保持された第一の液体の液面と第二の液体の液面とが接触する。すると、第一の液体が堰き止め部を超えて下流側に流出する。こうして流路の開通を所望のタイミングで制御性良く実行することが可能となる。このような第一の液体を保持する部材としては、前記堰き止め部における流路単位体積あたりの流路表面積が、流路の他の部分における流路単位体積あたりの流路表面積よりも大きくなるように構成された構造が挙げられる。毛細管力が発生し、保液作用が発現するからである。こうした構造体の具体例としては、複数の粒子、多孔質体、離間して配置された複数の突起部を含む構造等が挙げられる。
本発明において、堰き止め部は、第一の液体に対し疎液性を示す領域を含む構成とすることができる。疎液性を示す領域は、第一の液体に対して疎液性を示す基板を用いその表面を利用して流路を形成する方法、あるいは、そうした化合物により流路表面を処理する方法等により得られる。疎液性の程度を調整することにより、開状態へ円滑に移行するとともに、開状態になった後も円滑な流動状態を実現できる。ここで、前記流路における前記流路と前記トリガー流路の交差する箇所よりもの下流側に、前記第一の液体に対し疎液性を示す領域をさらに含む構成とすることもできる。こうすることにより、トリガー流路から導入された第二の液体がバンド状の形に維持され、たとえば成分の分離等に好適な試料を提供することが可能となる。
本発明において、トリガー流路に弁構造を備え、所定量の第二の液体が導入されると前記弁構造が作動し、前記トリガー流路が閉止するように構成することができる。こうすることによって、第二の液体を所定量のみ導入することができる。また、トリガー流路から導入された第二の液体がバンド状の形に維持され、たとえば成分の分離等に好適な試料を提供することが可能となる。特に、前述した、流路とトリガー流路の交差点下流側に、疎液性の領域を設けた構成と併用することにより、分離操作に適したバンド形状の試料導入が安定的に実現される。
また本発明によれば、液体の通る流路と、前記流路中に設けられた、前記液体を堰き止める堰き止め部とを有し、前記堰き止め部は、前記液体を保持する部材を含むことを特徴とする液体スイッチが提供される。
このスイッチは、振動を与える、あるいは堰き止め部に所定の液状物質を滴下する等によりスイッチ開状態へ切り替えることができる。液体を保持する部材としては、前記堰き止め部における流路単位体積あたりの流路表面積が、流路の他の部分における流路単位体積あたりの流路表面積よりも大きくなるように構成された構造が挙げられる。毛細管力が発生し、保液作用が発現するからである。こうした構造体の具体例としては、複数の粒子、多孔質体、離間して配置された複数の突起部等が挙げられる。
また本発明によれば、液体の通る流路と、前記流路中に設けられた、前記液体を堰き止める堰き止め部とを有し、前記堰き止め部は、前記液体に対して疎液性の表面を含むことを特徴とする液体スイッチが提供される。
このスイッチは、振動を与える、あるいは堰き止め部に所定の液状物質を滴下する等によりスイッチ開状態へ切り替えることができる。疎液性を示す領域は、上記液体に対して疎液性を示す基板を用いその表面を利用して流路を形成する方法、あるいは、そうした化合物により流路表面を処理する方法等により得られる。疎液性の程度を調整することにより、開状態へ円滑に移行するとともに、開状態になった後も円滑な流動状態を実現できる。
疎液性を示す領域を設ける上記構成を採用した場合において、流路中に、堰き止め部から堰き止め部以外の場所まで移動可能に配置された移動部材をさらに有し、移動部材は、第一の液体に対し親液性を示す表面を有し、流路外部から移動部材の位置を調整できるようにしてもよい。この場合、移動部材が疎液性を示す領域の外にあるときはスイッチが閉止した状態となる。移動部材が疎液性を示す領域に位置したとき、移動部材表面に沿う通路が第一の液体の流路となり、流路が開通する。ここで、外部から前記移動部材の位置を調整する位置調整手段をさらに備え、移動部材および前記位置調整手段のうち、一方が磁石であり他方が磁性体である構成とすることができる。こうすることによって、外部から移動部材の位置を調整できる。
さらに本発明によれば、第一の液体の通る流路と、前記流路に連通する副流路と、前記副流路に連通する室と、前記室に連通し、前記室に第二の液体を導入するトリガー流路と、を備え、前記室の内部に前記第一の液体に対して疎液性を示す疎液性物質が貯蔵されており、前記トリガー流路から第二の液体が導入されたとき、前記室から前記流路へ前記疎液性物質が導入されるように構成されたことを特徴とする液体スイッチが提供される。
この液体スイッチにおいて、前記室は、前記副流路に連通する第一の小室と、前記疎液性物質を貯蔵する第二の小室と、前記第一および第二の小室の間に介在しこれらの小室を隔てる分離部と、を備え、前記トリガー流路が前記分離部に連通し、前記トリガー流路から前記室へ第二の液体が導入されたとき、前記第一の小室から前記第二の小室へ前記疎液性物質が移動するように構成することもできる。ここで疎液性物質を貯蔵する第二の小室は副流路と連通しない構造とすることが好ましい。疎液性物質は、液体でも気体でもよく、空気等でもよい。
この液体スイッチは、トリガーとなる第二の液体の導入を契機として第一の液体の通る流路に疎液性物質が導入され流路が閉止するように構成されている。本発明によれば、流路中の液体の流動を簡便な構造で確実に閉止することができる。
さらに本発明によれば、基板と、該基板上に形成された試料の通る試料流路と、該試料流路中に設けられた試料分離部と、を備え、前記試料流路中に上述の液体スイッチが配設されており、前記試料流路から前記試料分離部への前記試料の供給が前記液体スイッチにより制御されることを特徴とするマイクロチップが提供される。
また本発明によれば、基板と、該基板上に形成された液体の通る液体流路と、該液体流路中に設けられた反応部と、を備え、前記液体流路中に上述の液体スイッチが配設されており、前記液体流路から前記反応部への液体の供給が前記液体スイッチにより制御されることを特徴とするマイクロチップが提供される。
このマイクロチップにおいて、前記反応部に連通し試薬の導入されるリザーバをさらに備え、前記リザーバから前記反応部に至る液体流路に前記液体スイッチが配設されており、前記リザーバから前記反応部への前記試薬の導入が前記液体スイッチにより制御される構成とすることができる。試薬は、たとえばトリプシン消化液等の酵素消化液とすることができる。
また本発明によれば、基板と、該基板上に形成された液体の通る主流路と、前記液体が前記主流路の所定箇所に通過する時期を制御するクロック流路と、前記主流路とクロック流路とに連通する制御流路と、を備え、前記制御流路に上述の液体スイッチが配設されており、前記主流路における前記液体の進行が前記液体スイッチにより制御されることを特徴とするマイクロチップが提供される。
本発明によれば、クロック流路の利用により、チップ上で行う分離操作や反応等の様々な処理を時間の制御性良く実行することが可能となる。
これらのマイクロチップは、液体スイッチにより試料の分離や反応を所望の条件で制御性良く行うことができる。特にクロックラインを設けた構成によれば、所定のスケジュールにしたがって適切なタイミングで液体の混合や反応、分離等を行うことができる。
さらに本発明によれば、生体試料を分子サイズまたは性状に応じて分離する分離手段と、前記分離手段により分離された試料に対し、酵素消化処理を含む前処理を行う前処理手段と、前処理された試料を乾燥させる乾燥手段と乾燥後の試料を質量分析する質量分析手段と、を備え、前記分離手段は、上述のマイクロチップを含むことを特徴とする質量分析システムが提供される。
また本発明によれば、生体試料を分子サイズまたは性状に応じて分離する分離手段と、前記分離手段により分離された試料に対し、酵素消化処理を含む前処理を行う前処理手段と、前処理された試料を乾燥させる乾燥手段と、乾燥後の試料を質量分析する質量分析手段と、を備え、前記前処理手段は、上述のマイクロチップを含むことを特徴とする質量分析システムが提供される。
また本発明によれば、生体試料を分子サイズまたは性状に応じて分離する分離手段と、前記分離手段により分離された試料に対し、酵素消化処理を含む前処理を行う前処理手段と、前処理された試料を乾燥させる乾燥手段と、乾燥後の試料を質量分析する質量分析手段と、を備え、前記分離手段、前記前処理手段または前記乾燥手段が、上述のマイクロチップを含むことを特徴とする質量分析システムが提供される。
これらの質量分析システムによれば、質量分析用に適した試料を効率よく調整できる。
以上説明したように本発明によれば、マイクロチップなどの装置において、試料やバッファ等の液体の流動を精密に制御し、試料の分離、分析あるいは反応を所望の条件で制御性良く行うスイッチ構造が提供される。
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
図1は、実施の形態に係るスイッチ構造を示す図である。
図2は、実施の形態に係るスイッチ構造に含まれる堰き止め部の構造を示す図である。
図3は、実施の形態に係るスイッチ構造における、トリガー液保持のための弁構造を示す図である。
図4は、実施の形態に係るスイッチ構造を示す図である。
図5は、実施の形態に係るスイッチの断面構造を示す図である。
図6は、実施の形態に係る分離装置の構造を示す図である。
図7は、実施の形態に係るスイッチ構造を示す図である。
図8は、実施の形態に係るスイッチ構造に含まれる堰き止め部の構造を示す図である。
図9は、実施の形態に係るマイクロ化学反応装置の構造を示す図である。
図10は、実施の形態に係る装置の構造を示す図である。
図11は、実施の形態に係るスイッチ構造を示す図である。
図12は、実施の形態に係るスイッチ構造を示す図である。
図13は、実施の形態に係るスイッチ構造を示す図である。
図14は、実施の形態に係るチップの構造を示す図である。
図15は、実施の形態に係るスイッチ構造を示す図である。
図16は、質量分析装置の構成を示す概略図である。
図17は、質量分析システムのブロック図である。
図18は、実施の形態に係るスイッチ構造を示す図である。
図19は、実施の形態に係るスイッチ構造を示す図である。
図20は、実施の形態に係るスイッチ構造を示す図である。
図21は、実施例に係るスイッチの構造を示す図である。
図22は、実施例に係るスイッチの動作を説明するための図である。
図23は、実施例に係るスイッチの構造を示す図である。
図24は、実施例に係るスイッチの動作を説明するための図である。
図25は、実施例に係るスイッチの動作を説明するための図である。
図26は、実施例に係るスイッチの動作を説明するための図である。
図27は、実施例に係るスイッチの動作を説明するための図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。各実施の形態に示すスイッチは、基板上に流路やリザーバ等を備えた構成のマイクロチップにおいて、流路を移動する液体の制御に用いられる。
以下の説明では特にことわりがない限り、導入される液体は水溶液とする。また、以下の各施形態では基板として石英基板を用いるが、他の基板材料として、プラスチック材料、シリコン等を用いてもよい。プラスチック材料として、たとえばシリコン樹脂、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)等の熱可塑性樹脂や、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂等が挙げられる。このような材料は成形加工が容易であり、製造コストを抑えることができる。また、マイクロチップの流路やリザーバ等の部分を形成する方法としては、フォトリソグラフィおよびエッチングを組み合わせた方法が挙げられるが、基板材料としてプラスチック材料を用いた場合は、射出成形、ホットエンボシング等の方法を採用することができる。
また、以下の実施の形態では毛細管力により流路内を液体が進行する装置を例に挙げて説明するが、ポンプや電界、引力等の外力を利用して液体を進行させる構成とすることもできる。
第1の実施の形態
本実施形態では、試料堰き止め部に液体を保持する部材を配置した液体スイッチの例を示す。この液体スイッチは、石英基板表面に溝部を形成することにより作製することができる。石英基板の表面は親水性であるので、溝部内壁は親水性表面となっている。このスイッチを含む装置はポンプや電界等の外力印加手段を有さず、毛細管力により流路内を液体が進行していく。
図1は、この液体スイッチの上面図であり、図1(a)はスイッチ閉状態、図1(b)、(c)はスイッチ開状態を示す。図中、主流路101の側面にトリガー流路102が接続している。トリガー流路102は、流路内の親水性の程度や流路径等を適宜に調整することによって、流路内の液体の進行速度を調整することができる。これにより、スイッチ動作の速度を調整できる。主流路101とトリガー流路102の交差する領域の上流側(図中左側)に堰き止め部105が設けられている。堰き止め部105は、流路の他の部分よりも強い毛細管力を有する部分となっている。堰き止め部105の具体的構成としては、以下のものが例示される。
(i)複数の柱状体が配設された構成
この構成では、堰き止め部105における流路単位体積あたりの流路表面積が、流路の他の部分のそれよりも大きくなっている。すなわち、主流路101に液体が満たされたとき、流路堰き止め部105においては、流路の他の部分よりも表面積が大きく、固液界面が大きくなるように構成されている。
(ii)多孔質体やビーズが複数充填された構成
この構成では、流路堰き止め部105において、流路の他の部分よりも表面積が大きく、固液界面が大きくなるように構成されている。
上記(i)の構成とする場合、柱状体は、基板の種類に応じて適宜な方法で形成することができる。石英基板や石英基板を用いる場合、フォトリソグラフィ技術およびドライエッチング技術を利用して形成することができる。プラスチック基板を用いる場合、形成しようとする柱状体のパターンの反転パターンを有する金型を作製し、この金型を用いて成形を行い所望の柱状体パターン面を得ることができる。なお、このような金型は、フォトリソグラフィ技術およびドライエッチング技術を利用することにより形成することができる。
上記(ii)の構成とする場合、多孔質体やビーズは、これらを流路の所定箇所に直接充填、接着することにより形成することができる。
本実施形態では、上記(i)の構成を採用する。
図2は、堰き止め部105の上面図である。複数の柱状体121が、略等間隔で規則的に配置されている。柱状体121以外の領域は微細流路122となっている。堰き止め部105では、流路単位体積あたりの流路表面積が、流路の他の部分のそれよりも大きい。このため、堰き止め部105に浸入した液体は、毛細管力により、微細流路122に保持される。
図1(a)はスタンバイ状態にある液体スイッチを示している。主流路101に導入された液体試料104が堰き止め部105で保持されている。この状態から所望のタイミングでトリガー液106が導入されると、図1(b)のようにトリガー液106の液面の先端部分が前進し、堰き止め部105と接触することとなる。図1(a)の状態では、液体試料104は毛細管力により堰き止め部105に保持されているが、液体試料104がトリガー液106と接触した図1(b)の状態になると、液体試料104が図中右方向(下流側)に移動し、図1(c)の主流路101下流側に液体試料104が流出する。すなわち、トリガー液106が呼び水としての役割を果たし、液体スイッチとしての動作が発現する。
以上説明したスイッチは、スイッチ開状態となったとき主流路101へトリガー液106が連続的に供給されることとなる。しかし、スイッチを設ける目的によっては、主流路101へのトリガー液106の混入を最小限に抑えることが必要となる場合がある。このような制御は一般に困難であるが、例えば図3に示す弁構造を用いれば、こうした制御を確実に行うことができる。図3(a)に示す弁構造では、流路の上流側から下流側に向かって、液体試料流入路130、憩室131および液体試料流出路134がこの順で設けられている。憩室131中には吸水ゲル132が配置されている。吸水ゲル132は、流入した液体に接触すると体積が膨張し、憩室131の空間を埋め尽くすように構成されている。図3(b)は憩室131にトリガー液が導入され、吸水ゲル132が体積膨張した状態を示す図である。この状態においては、液体試料流入路130の上流側から導入された流体はもはや憩室131の下流側には流出することができない。すなわち吸水ゲル132が堰き止め部材として機能することとなる。
第2の実施の形態
本実施形態は、堰き止め部材として疎水領域を用いたスイッチ構造に関するものである。この液体スイッチは、石英基板表面に溝部を形成することにより作製することができる。石英基板を用いるため溝部内壁は親水性表面となっている。疎水領域は、石英ガラス表面を有するふた部を疎水処理することにより得られる。
このスイッチは、図4(a)に示すように、主流路101の側面にトリガー流路102が接続され、これらの交差領域の上流側主流路101中に疎水領域からなる堰き止め部110が設けられている。疎水領域からなる堰き止め部110を除く主流路101およびトリガー流路102は親水性領域である。親水性領域と疎水性領域の作り分けは、本実施形態では以下のように行っている。すなわち、主流路101の流路全体に対し、流路上面を覆う被覆部材を設けた上で、この被覆部材の試料接触面を、堰き止め部110においては疎水性とし、それ以外の領域においては親水性としている。図4(a)に示した流路の断面図はこの状態を説明する図である。左側の断面図においては、石英ガラスから成る被覆部材がそのまま用いられており、右側の断面図ではシラザン処理された被覆部材が、シラザン処理面を内側にして配置されている。このスイッチ構造に対し主流路101の上流側(図中左側)から液体試料104を導入すると、堰き止め部110の途中までその液面が進行する。
このような状態で、所望のタイミングでトリガー液106をさらに導入すると、トリガー液106の液面先端が堰き止め部110に浸入し、液体試料104の液面先端と接触する(図4(b))。すると、今まで堰き止め部110によって保持されていた液体試料104が図中右側の下流側へ向かう駆動力により流動を開始することとなる。このようにして、トリガー液106の導入による液体試料104の流動のスイッチングが実現される。
この実施形態においては、図4(b)において液体試料104の液面先端が疎水領域からなる堰き止め部110の領域中に留まるようにするとともに、トリガー液106が導入されたとき液体試料104が円滑に流動するように構成することが重要となる。これを実現するためには、堰き止め部110の疎水性を適度に制御することが望ましい。これを実現する方法としては、例えば堰き止め部110の疎水処理をする材料の選択・量の最適化などがあるが、この他、流路の構造を好適に設計することによっても可能である。
図5は、こうした疎水性制御のための構造の一例である。図5は、図4(a)の堰き止め部110の断面図である。基板401中に複数の微細流路402が設けられ、その上面が被覆材403により被覆されている。微細流路402は親水性表面を有し、被覆材403はシラザン処理により疎水性処理面を有する。この構造においては、微細流路402が複数設けられているため、毛細管力により適度な保水性が発揮される一方、流路上面の被覆材403により、疎水性が付与されている。この構造においては、毛細管力による保水性と流路の疎水性の適度なバランスによって液体保持力が決定されることとなる。さらにこの構造においては、微細流路402の数やその幅の制御により、疎水性表面と親水性表面の比率の割合を自由に制御でき、この結果、全体としての疎水性を所望の値に制御することが可能となる。こうした構造の制御、表面状態の制御により、疎水性の程度を適度に行うことができる。
本実施形態における疎水処理は、分子中に、基板材料と吸着ないし化学結合するユニットと、疎水性装飾基を有するユニットとを併せ持つ構造の化合物を、基板表面に付着ないし結合させること等により実現される。こうした化合物として、たとえばシランカップリング剤等を用いることができる。
疎水基を有するシランカップリング剤として好ましいものは、ヘキサメチルジシラザン等のシラザン結合基を有するものや、3−チオールプロピルトリエトキシシラン等のチオール基を有するものが挙げられる。
カップリング剤液等の塗布方法としては、スピンコート法、スプレー法、ディップ法、気相法等が用いられる。スピンコート法とは、カップリング剤等、結合層の構成材料を溶解または分散させた液をスピンコーターにより塗布する方法である。この方法によれば膜厚制御性が良好となる。また、スプレー法とはカップリング剤液等を基板に向けてスプレー噴霧する方法であり、ディップ法とは基板をカップリング剤液等に浸漬する方法である。これらの方法によれば、特殊な装置を必要とせず、簡便な工程で膜を形成することができる。また気相法とは、基板を必要に応じて加熱し、ここにカップリング剤液等の蒸気を流動させる方法である。この方法によっても膜厚の薄い膜を膜厚制御性良く形成することができる。このうち、シランカップリング剤溶液をスピンコートする方法が好ましく用いられる。優れた密着性が安定的に得られるからである。この際、溶液中のシランカップリング剤濃度は、好ましくは0.01〜5v/v%、より好ましくは0.05〜1v/v%とする。シランカップリング剤溶液の溶媒としては、純水;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール;酢酸エチル等のエステル類等を単独または2種以上を混合して使用できる。このうち、純水で希釈したエタノール、メタノール、および酢酸エチルが好ましい。密着性の向上効果が特に顕著となるからである。カップリング剤液等を塗布した後は、乾燥を行う。乾燥温度は特に制限がないが、通常、室温(25℃)〜170℃の範囲で行う。乾燥時間は、温度にもよるが、通常は0.5〜24時間とする。乾燥は空気中で行っても良いが、窒素等の不活性ガス中で乾燥させてもよい。たとえば、窒素を基板に吹き付けながら乾燥させる窒素ブロー法を用いることもできる。また、カップリング剤膜の作製方法として、”NATURE,vol.403,13,January(2000年)”に記載されているように、LB膜引き上げ法により基板全面にシランカップリング剤からなる膜を形成し、親水性/疎水性のマイクロパターンを形成することができる。
さらに、この疎水性処理はスタンプやインクジェットなどの印刷技術を用いて行うこともできる。スタンプによる方法では、PDMS樹脂を用いる。PDMS樹脂はシリコーンオイルを重合して樹脂化するが、樹脂化した後も分子間隙にシリコーンオイルが充填された状態となっている。そのため、PDMS樹脂を親水性の表面、例えば、ガラス表面に接触させると、接触した部分が強い疎水性となり水をはじく。これを利用して、流路部分に対応する位置に凹部を形成したPDMSブロックをスタンプとして、親水性の基板に接触させることにより、前記の疎水性処理による流路が簡単に製造できる。
インクジェットプリントによる方法では、粘稠性が低いタイプのシリコーンオイルをインクジェットプリントのインクとして用い、流路壁部分にシリコーンオイルが付着するようなパターンに印刷することによっても同じ効果が得られる。
第3の実施の形態
図6は、試料導入口に液体スイッチを採用した分離装置の例を示す図である。この分離装置は、毛細管現象を利用して試料を移動させ、分離用流路540により分子サイズ等に応じて試料の分離を行う装置である。電力、圧力等の外力の印加が不要で駆動のためのエネルギーが不要となる。この分離装置は、基板550上に分離用流路540が設けられた構成を有する。分離用流路540の一端には空気穴560が設けられ、他端にはバッファーを注入するためのバッファー注入口510が設けられている。分離用流路540は、バッファー注入口510、空気穴560の箇所を除き密閉されている。分離用流路540の起始部には、サンプル定量管530がつながっており、サンプル定量管530の他方の端は、サンプル注入口520が設けられている。サンプル定量管530には、分離用流路540と交差する手前の部分に停止弁535が設けられている。停止弁535は、図3および関連記載により説明した構造と同様である。
この装置を使用するにあたっては、使用前にバッファー注入口510を介して分離用流路540にバッファーを導入しておく。
図7は、サンプル定量管530と分離用流路540とが交差する点の近傍を拡大して示したものである。この箇所には液体スイッチが形成されている。図7はこの液体スイッチの上面図であり、図7(a)はスイッチ閉状態、図7(b)、(c)はスイッチ開状態を示す。図中、分離用流路540の側面にサンプル定量管530が接続している。分離用流路540とサンプル定量管530の交差する領域の上流側および下流側に堰き止め部110が設けられている。この交差領域の下流側には、堰き止め部110と隣接して分離部113が形成されている。分離部113には試料分離用のシリカゲル粉体が充填されている。分離用流路540へのシリカゲル粉体の充填は、下流側に堰き止め部材を設けた上で、シリカゲル粉体、バインダ、および水の混合体を分離用流路540に流し込み、その後、この混合体を乾燥、固化させることにより、上記構造を得ることができる。
トリガー流路となるサンプル定量管530には、憩室131が設けられている。憩室131中には、吸水ゲル132が配置されている。吸水ゲル132は、水に不溶の吸水性ポリマー等が好ましく用いられ、流入した液体に接触すると体積が膨張し、憩室131の空間を埋め尽くすように構成されている。
図8は、図7の堰き止め部110の上面図である。複数の疎水領域191が、略等間隔で規則的に配置されている。疎水領域191以外の領域は石英基板表面が露出しており親水領域192となっている。このような疎水/親水パターンを形成することにより、堰き止め部110の疎水性が適度に制御される。この結果、図7(a)においてバッファ111の液面先端が疎水領域105中に留まるようにするとともに、トリガー液が導入されたときバッファ111が円滑に下流側へ流動するようになる。
図7に戻り、図7(a)はスタンバイ状態にある液体スイッチを示している。分離用流路540に導入されたバッファ111が堰き止め部110中で堰き止められている。
この状態から、所望のタイミングでトリガー液となる試料112が導入されると、図7(b)のように試料112の液面の先端部分が前進し、堰き止め部110と接触することとなる。図7(a)の状態では、バッファ111は堰き止め部110中にとどまっているが、バッファ111が試料112と接触した図7(b)の状態になると、バッファ111が図中右方向(下流側)へ移動し始める。
ここで、トリガー流路となるサンプル定量管530に試料112が導入されると、吸水ゲル132が体積膨張し、憩室131を覆い尽くすようになる。これにより、試料112はもはや憩室131の下流側には流出することができない状態となる。すなわち吸水ゲル132が堰き止め部材として機能することとなる。
この作用により、所定量の試料112が分離用流路540へ導入され、つづいて図7(c)に示すように、試料112が分離部113に導かれ、試料中の成分の分離操作が行われる。
以上のようにして、図6に示す分離装置に試料が円滑に導入される。
第4の実施の形態
図9は、液体スイッチを用いたマイクロ化学反応装置の一例である。この装置は石英基板上にドライエッチングにより形成された流路溝、反応させる溶液を貯蔵するリザーバおよび反応室により構成されている。この装置では、あらかじめ設定されたタイムスケジュールで試料と試薬が混合され、反応が連続的に進行するように構成されている。以下、この装置を用いてタンパク質をトリプシン処理し、MALDI−TOFMS(Matrix−Assisted Laser Desorption Ionization−Time of Flight Mass Spectrometer:マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析装置)用の試料を調製する例について説明する。
この装置では、石英基板表面に、図示した形態の流路等が形成されている。この装置はポンプや電界等の外力印加手段を有さず、毛細管力により流路内を液体が進行していく。
溶液混合装置600に導入されたタンパク質を含む試料602は、流路604および流路606に分岐して流動し、一方はリザーバ612へ導かれ、他方はスイッチ608へ導かれる。スイッチ608の詳細構造は図4に示した構造となっており、図4における主流路101が図9の流路611に相当し、図4におけるトリガー流路102が図9の流路606に相当する。試料602の流入がトリガーとなって、スイッチ608が「開」となる。
溶液タンク610にはトリプシン消化液が貯蔵されており、その液面は、この装置に設けられた流路の液面よりも高い位置に保持されている。スイッチ608が「閉」の状態にあるときは、この部分でトリプシン消化液が留まるようになっている。流路が「開」となると、このトリプシン消化液が流路611の下流側(図中下側)へ移動する。この結果、トリプシン消化液がリザーバ612に導かれ、タンパク質を含む試料602と混合する。この混合液体は、リザーバ612から流路614を経由して室616に導かれる。なお、流路606の先には開口部を備える室630が設けられている。
室616は、大容積に形成されており、時間遅れ要素として機能する。すなわち、室616には室内が充填されるまでタンパク質を含む試料602およびトリプシン消化液の混合液が供給され続け、室616が充填されると、この混合液が溢れ出て下流側へ移動するようになっている。スイッチ608は「開」となったままであるので、溶液タンク610からトリプシン消化液が連続的に供給され、これとともに試料602も引き続き連続導入されることとなる。この結果、室616内部の液体量が次第に増加していき、ある時刻においてその収容量を超過して下流側に移動するのである。室616が満たされるまで所定の時間が経過するが、この間にタンパク質を含む試料602が37℃の温度下でトリプシン処理される。なお、トリプシン処理された液のpHは7.6程度である。
溢れたトリプシン処理液は、流路618および流路620に分岐して流出する。流路620に導かれたトリプシン処理体は、スイッチ652のトリガーとなって、スイッチ608を「開」とする。なお、流路606の先には開口部を備える室632が設けられている。
溶液タンク624には6N−HClが貯蔵されており、その液面は、この装置に設けられた流路の液面よりも高い位置に保持されている。スイッチ652が「閉」の状態にあるときは、この部分で6N−HClが留まるようになっている。流路が「開」となると、この6N−HClが下流側(図中下側)へ移動する。この結果、6N−HClがリザーバ626に導かれ、トリプシン処理液と混合する。これにより、pHが下がってトリプシン処理の反応が停止する。なおpHを下げる目的は、反応停止だけでなく、MALDI−TOFMSで用いるマトリクスと混合して測定用試料を調製するのに好適な状態とする目的もある。
以上により、マイクロチップ上で、トリプシン処理が予め設計したタイミングで実行される。トリプシン消化液による反応時間は、室616の容積の調整等により制御可能である。
本実施形態においては、リザーバ612、626に試料602が導入されるタイミングと、トリプシン消化液や停止液が導入されるタイミングとの調節が重要となる。本実施形態では、これらのリザーバや、溶液タンク610、624の設計、流路611等の設計によって適宜調整することができる。
第5の実施の形態
本実施形態は、限界ろ過装置および分離装置を組み合わせた装置に対し、複数のスイッチ構造を設けたものである。スイッチ構造の採用により、試料の導入、流動を自動的に行うことができる。外力を付与するポンプや電荷印加手段も不要となるため、装置全体を小型化することができる。
図10は、本実施形態にかかる装置の概略構成図である。この装置は、限外ろ過装置702および分離装置704から成る。限外ろ過装置702は、第1の流路716、第2の流路720およびこれらの間に介在するスイッチ712を主要構成部とする。分離装置704は、スイッチ726より導入された試料を分離部730により分離し、これらを回収部734から回収する装置である。以下、血液を試料として分離操作を行う例について説明する。
試料投入口714から導入された血液は第一の流路716を移動し、フィルタ710を経由して、スイッチ712の交差領域まで到達する。これによりスイッチ712が「開」状態となり、バッファタンク706内のバッファが第二の流路720へ進入する。バッファは第一の流路716から排出部718を通過した血しょうとともに下流側(図中右側)に移動していき、流路724を経由してスイッチ726へ到達する。なお、一部の試料は排出部722へ移動する。
スイッチ726は、図7に示した構造と同様の構造を有する。血しょうを含むバッファの到達によりスイッチ726は「開」状態となる。すると、図7の説明で既に述べたように、血しょうを含むバッファが所定量、分離部730に導入される。スイッチ726の上流側には停止弁750が設けられており、血しょうを含むバッファが過剰量流入することが抑制される構造となっている。
血しょうを含むバッファが分離部730に導入されると、バッファタンク728から導入される展開液により、血しょうがその分子量に応じて複数のバンド732に分離される。その後適切なタイミングで回収部734から試料を回収し、分子量により分画された成分を得ることができる。
回収部734で回収された成分は、その後、前処理、乾燥工程を経て、別の分析に利用される。たとえばMALDI−TOFMS等によるタンパク質の同定が行われる。
第6の実施の形態
本実施形態は、トリガー液が到達すると流路が閉止するタイプのスイッチに関するものである。図11(a)は本実施形態に係るスイッチの概略構成図である。流路901中にはバッファ912が満たされている。流路901の側面には、トリガー流路902が設けられ、トリガー流路902にはポンプ910が配設されている。
ポンプ910は、吸水性領域908、疎水性領域906および親水性領域904からなる。親水性領域904にはバッファが貯蔵されている。吸水性領域908の具体的構成としては、以下のものが例示される。
(i)複数の柱状体が配設された構成
(ii)多孔質体やビーズが複数充填された構成
ここでは(i)の構成を採用する。
吸水性領域908およびトリガー流路902には空気915が存在している。ポンプ910には空気穴905が設けられており、また、トリガー液(バッファ)の導入される流路903が接続されている。
図11(a)のスタンバイ状態から、流路903を介してポンプ910にトリガー液が導入されると、疎水性領域906に浸みだし、親水性領域904に貯蔵されたバッファが疎水性領域906の液面と接触する。すると、親水性領域904に貯蔵されたバッファは流路901側に移動し、毛細管力により柱状体形成領域908に吸い込まれていく。すると、この領域にあった空気915は流路901中に押し出される。空気915は流路901中のバッファ912の流動を堰き止める役割を果たし、スイッチが閉止した状態となる。
第7の実施の形態
本実施形態では、可逆的なスイッチに関するものである。可逆的なスイッチとは、流路の開通、閉止を繰り返し可逆的に行うことのできるスイッチをいう。図12(a)は本実施形態に係るスイッチの概略構造を示す。このスイッチは、主流路924側壁に第一のトリガー流路920および第二のトリガー流路926が連通して設けられている。これらの流路の交差する位置に疎水領域922が設けられている。また、図示したように各流路に疎水領域930が設けられている。これらの疎水領域は、図8に示したものと同様の構成を有し、円形状の疎水領域が所定のパターンで周期的に形成された領域となっている。主流路924中、疎水領域922よりも上流側(紙面左側)に、バッファ927が留まっている。
図12(b)は、第一のトリガー流路920にトリガー液が導入された状態を示す。このとき、疎水領域922において、バッファ927とトリガー液とが接触し、これらが連続相を生成する。すると、図中右方向の下流側にバッファ927が流動する。すなわち、スイッチが開状態となる。
次に、図12(c)のように第二のトリガー流路926内の空気を加圧することにより、気泡928が押し出されて導入される。気泡928は強い疎水性であるので、スイッチが閉状態となり、バッファ927の移動が停止する。
第二のトリガー流路926への加圧を止め、バッファ927の移動が停止すると、再び図12(a)の状態に戻る。その後、さらに図12(b)の如くスイッチを開状態にすることができる。すなわち、スイッチの可逆動作が可能となる。
第8の実施の形態
本実施形態は、図13(a)に示すように、流路1102を移動する液体が、副流路1100を経由して上流側にあるスイッチ1101にフィードバックして作用し、流路1102を遮断する構造のスイッチに関するものである。
このフィードバック型スイッチは、特定のチャンバーが満たされたとき液の流入を停止させるスイッチとして有効に利用できる。たとえば、図6の装置における装置において、サンプル定量管530と分離用流路540とが交差する点に液体が到達したとき、さらなる液体の侵入を抑止するといった利用形態が可能である。
図13(b)は、こうしたフィードバック型の動作により、流速の変化を抑制する機構の一例を示す。この機構においては、基板1110中に流路1112が設けられている。基板1110の上部は流路となっている。流路1112には鉱物油等の不活性な疎水性液体が満たされている。
以下、図中、左から右に向かう方向に液体が流動している場合を例に挙げて説明する。この疎水性液体は流路1112から少量はみ出た状態となっており、上流側に液滴1116、下流側に液滴1114が形成される。流路の上流側と下流側とで等圧の場合、これらの液滴は同じ大きさとなるが、流速が大きくなる等により下流側で流路内圧が高まった場合、液滴1114が小さくなり、その分、液滴1116が大きくなり液滴1118のようになる(図13(c))。この結果、流路の実効断面積が小さくなって流量が減少する。これにより、下流側の圧力が増加すると、再び図13(b)の状態に戻り、正常な流動状態となる。こうして流路の各場所における流速のばらつきを抑制することができる。
以上の動作は、図中、右から左に向かう方向に液体が流動している場合においても同様にあてはまる。この場合、下流側の流量が小さくなり圧力が減少すると、上流側の流路の実効断面積が大きくなって流量が増大することになる。
第9の実施の形態
本実施形態は、マイクロチップにクロックラインを設け、これに基づいてチップ上の流路における液体の流動を制御するものである。ここでは複数試料をESI−MS(エレクトロスプレーイオン化質量分析;electrospray ionization mass spectrometry)でインジェクションする場合を例に挙げて説明する。ここで複数試料とは、異なる種類のタンパク質、例えば二次元電気泳動で分取された各スポットに含まれるタンパク質やペプチドを、アルキル化、酵素消化、脱塩した後の試料をいう。
図14は本実施形態に係るスイッチを配設したチップの構造を示す。図14(a)はこのチップの上面図である。第一の処理済み液1204の通る流路1203と、第二の処理済み液1205の通る流路1203とが並行して形成されている。これらと直交する方向にクロック流路1201が設けられている。これらは、図14(b)に示すように、多層の流路構造となっている。図14(b)はこのチップの断面図である。主流路用基板1220およびクロック流路用基板1210が張り合わされた構造を有する。主流路用基板1220の表面には主流路1203が形成され、クロック流路用基板1210の表面にはクロック流路1201が形成されている。これらの流路は、制御用流路1212により接続されている。主流路1203には、スイッチ1207が設けられている。
図14(a)に戻り、クロック流路1201に導入されたクロック用流体は、時間遅れチャンバ1202によって流動が制御された後、制御用流路1212を経由してスイッチ1207に到達する。すると流路1203が開状態となり第一の処理済み液1204が下流側に移動し、ESI−MSのインジェクタに導かれる。
その後、クロック用流体はクロック流路1201下流側に移動し、別の時間遅れチャンバを経た後、スイッチ1208に到達する。このスイッチ1208は、トリガーが到達すると流路が閉止するタイプのスイッチであるため、クロック用流体がトリガーとなって流路1203が閉止する。その後、第二の処理済み液1205の通る流路1203に対しても同様に作用し、第二の処理済み液1205は下流側に移動し、ESI−MSのインジェクタに導かれる。
クロック流路1201におけるクロック用流体の流動は、あらかじめ、流路中の任意の位置に到達する所用時間が正確に再現されるようになっている。このため、このクロック流路の利用により、チップ上で任意の処理を時間制御性良く実行することが可能となる。
第10の実施の形態
本実施形態では、疎水領域によって遮断された流路に対し、振動を与えて流路を開通するものである。図15(a)は、このスイッチの構造を示す。図中、主流路101中に疎水領域からなる堰き止め部110が設けられ、この部分で液体試料104が堰き止められている。堰き止め部110以外の部分は、親水性の基板表面が露出している。堰き止め部110の構造は、図8に示したものと同様である。
この状態で、このスイッチの形成されたマイクロチップ全体に振動を与える。すると、堰き止め部110中に保持されていた液体試料104が堰き止め部110を越え下流側に移動し、流路が開通状態となる。
振動を与える方法としては様々な方法を用いることができる。図18はその一例である。この図は図15(a)のスイッチを横方向から見た断面図である。流路101にふた141が設けられ、ふた141に、振動付与手段として突起140が設けられている。この突起140を折り折損すると流路101に振動が付与されスイッチが開通する。
図19、図20はスイッチを開始する方法の別な例である。
図19は試料の滴下によりスイッチが開状態となる。基板155、ふた156の間に流路159が形成されている。保水領域152と吸水領域154の間に疎水領域153が介在している。保水領域152には水溶液が貯蔵され、適当な圧力がかけられている。疎水領域153により堰き止められている。疎水領域153に血液等の親水性の試料150を滴下することにより、保水領域152と吸水領域154が連続し、図中左から右へ流動が開始する。
図20は移動部材を用いた例である。保水領域152と吸水領域154の間に疎水領域153が介在している。保水領域152には水溶液が貯蔵されており疎水領域153により堰き止められている。表面親水性の磁性体160は、はじめは保水領域152に位置しているが、これを外部から磁石により操作することによって保水領域152および吸水領域154に跨る位置に移動させると、磁性体160の親水表面を介して保水領域152と吸水領域154が連続し、図中上から下へ流動が開始する。本例では、磁性体160の直径を疎水領域153の幅以上の大きさとしている。これにより、スイッチが良好に動作する。
第11の実施の形態
図16は質量分析装置の構成を示す概略図である。図16において、試料台上に乾燥試料が設置される。そして、真空下で乾燥試料に波長337nmの窒素ガスレーザーが照射される。すると、乾燥試料はマトリックスとともに蒸発する。試料台は電極となっており、電圧を印可することにより、気化した試料は真空中を飛行し、リフレクター検知器、リフレクター、およびリニアー検知器を含む検出部において検出される。
図17は本実施形態の乾燥装置を含む質量分析システムのブロック図である。このシステムは、試料1001について、夾雑物をある程度除去する精製1002、不要成分1004を除去する分離1003、分離した試料の前処理1005、前処理後の試料の乾燥1006、の各ステップを実行する手段を備えている。これらの各手段のうち一部または全部を一または二以上のマイクロチップ1008上に搭載することができる。試料をマイクロチップ1008上で連続的に処理することにより、微量の成分についても損出が少ない方法で効率よく確実に同定を行うことが可能となる。
上記実施形態において、堰き止め部はトリガー流路と近接した位置に有ることが好ましい。具体的には、主流路およびトリガー流路の各中心線の交叉する点を交叉点と定義すると、交差点と疎水性処理部との距離は、トリガー流路の幅の1.5倍以下とすることが好ましく、トリガー流路の幅以下とすることがより好ましい。こうすることにより、安定したスイッチ動作を実現することができる。
本実施例は、液体スイッチのオン動作を確認したものである。
本実施例では、さらに、液体スイッチが流路用の溝を掘ることなく、疎水性インクで描かれた流路パターンで実現できることを確認したものでもある。
図21にチップの構造を示す。(A)は平面構造を示す写真、(B)はその断面図である。親水性のスライドグラス800(白縁磨フロストスライドグラス pre−cleaned、松波硝子工業株式会社、水の接触角は約7度)を基板として、その上にガラス用の油性ペン(YYF1、超頑固しっかりマーカー、ゼブラ株式会社、水の接触角は約70度、もしくは、X100W−SD、ペンテルホワイト、ぺんてる株式会社、水のとの接触角は約100度)を用いて、幅5mmの主流路805部分と、幅1mmのトリガー流路806部分と、疎水性処理部808を含む流路パターン809を描画した。
流路部分は、その外周を幅1mm〜2mmのペン先でなぞることで実現した。水は疎水性の領域から排除されるため流路パターン809の線と線の間だけを流れる。主流路805内の液体を停止させる疎水性処理部808は、ペン先を削ったペンで幅約80μmの線を引くことで実現した。
次にスペーサーとして、厚さ約0.3mmの両面テープ801(株式会社ニトムズ)を貼付し、その上に疎水性表面を持つカバーガラス804(Matsunami micro cover glass thickness 0.17−0.25mm、silicone coated 20×20mm、松波硝子工業株式会社、水との接触角は約85度)を貼付した。これによって生じた深さ約0.3mmの縦方向の隙間803と、疎水性の流路パターン809に挟まれた横方向の隙間によって、主流路805とトリガー流路806が形成される。
このチップを水平なテーブルに設置して用いた。図22は、このチップのスイッチ動作を示す連続写真である。図22(A)は、初期状態である。図22(B)は、主流路の右端から10倍に希釈した黒インク807(SPS−400#1、プラチナ万年筆株式会社)を導入した後の写真である。黒インク807は毛細管効果で主流路805に自動的に進入した後、疎水性処理部808にて停止し、その状態を保った.2分後、トリガー流路806の端に水810(水道水)を導入した。図22(C)は、その直後の写真である。水810は、毛細管効果でトリガー流路806に急速に進入し、次の瞬間その液面は、疎水性処理部808で停止していた黒インク807の液面と融合した。これにより液面が疎水性処理部808をまたぎ、黒インク807は主流路805を左側へと進行した(図22(D))。その間、主流路805内の黒インク807がトリガー流路806方向に逆流したり、トリガー流路806内の水810が主流路805方向に、さらに流れ出す現象は観察されなかった。これはトリガー流路806の幅が主流路805の幅と比較して狭く、流路抵抗が大きいためと考えられる。
以上の結果から、幅5mmというマクロサイズの主流路805でも、それより細いトリガー流路806によって開通できること、さらにスイッチを構成する流路は、溝を掘ることなく、親水性の表面に疎水性のインクで縁取り描画するだけで実現できることが示された。
本実施例は、10μmから100μm程度のさらに細い流路で液体スイッチのオン動作を確認したものである。さらに、本実施例の液体スイッチはフォトリソグラフィーによって試作されたものであり、数センチ角のチップ上に、多数の液体スイッチを含む流路系が集積可能なことを意味する。
図23は試作した液体スイッチの構造を示す平面図である。T字状に見えるものは、後述する方法でシリコン基板900上に掘られた溝である。左右に伸びる主流路905と、直角に交わるトリガー流路906、その交叉点をはさんで主流路905の右側には疎水性処理部908が設けられている。流路の太さと、疎水性処理部908の幅や設置場所、そして主流路へ液体を導入する方向に応じて4タイプを設けた。それぞれのタイプは、図23に付した英字記号(A)〜(D)で参照する。
タイプ(A)は、100μmの主流路と50μmのトリガー流路を設け、対照として疎水性部908を設けたのと反対の左側から液体を導入するもの(タイプ(B)、(C)、(D)、(E)では、液体は、疎水性処理部908のある右側から導入する)。
タイプ(B)は、100μmの主流路と50μmのトリガー流路を設け、交叉部の直前に一部欠けのある幅5μmの疎水性部908を設けたものである。疎水性部908は、透明なので見ることはできないが、図23の平面図に点線で示した。
タイプ(C)は、50μmの主流路と50μmのトリガー流路を設け、交叉部の直前に一部欠けのある幅5μmの疎水性部908を設けたもの、
タイプ(D)は、100μmの主流路と50μmのトリガー流路を設け、交叉部分から離れた位置に幅5μmの疎水性部908を設けたものである。
なお、図には示さなかったが、各流路の端には1ミリメートル角の液溜を流路と同時にエッチングした。
これらの液体スイッチは、次のような工程で試作した。
[液体スイッチの試作]
(1)流路部分のフォトリソグラフィーとウエットエッチング
清浄な(110)シリコン基板の全面を熱酸化して、2000オングストロームの熱酸化膜を形成する。次に、フォトレジスト(S1818、Shipleyファーイースト株式会社)を塗布し、前記タイプ(A)〜(D)の液体スイッチの流路パターンが描かれた石英クロムマスクを使って露光・現像することにより、流路パターン部分のフォトレジストを除去し酸化膜を露出させる。露出した酸化膜をバッファードフッ酸(16バッファードフッ酸、森田化学工業株式会社)にて除去し、シリコン面を露出させる。つづいて基板に残ったフォトレジストを、アセトンとエタノールで洗浄して完全に除去し、水洗・乾燥の後、90℃に加温した25%TMAHで約20分間エッチングすることで、流路パターン部分が約20μmエッチングされたシリコン基板を得た。これをバッファードフッ酸に浸漬して、残った熱酸化膜を除去した。
なお、主流路905およびは、マスク上では幅100μmだがエッチング後、10%〜20%ほど拡幅する。トリガー流路も同様である。
(2)シリコン基板の化学酸化
この流路パターンがエッチングされたシリコン基板の表面は、疎水性なので、これを親水性とするため90℃の濃硝酸に40分間漬ける。水洗後の基板表面が親水性になっており、水が毛細管効果で流路を満たすことを確認する。
(3)疎水性処理部908の設置
上記化学酸化により表面が親水性となったシリコン基板に薄膜フォトレジスト(S1805、Shipleyファーイースト株式会社)を直接滴下し、スピンコートする。次いで疎水性処理部908の部分が開口した石英クロムマスクを使って、位置合わせをした後に露光・現像する。これにより、疎水性処理部908だけ、流路表面を露出させる。この基板をステンレス容器にいれ、基板にかからないようにシラザンを滴下した後、容器を密閉して1日放置する。気化したシラザンにより疎水性処理部908に疎水性のシラザン膜が形成される(この膜は、アセトン・エタノール洗浄に抵抗性である)。
実験直前に、この基板についている薄膜フォトレジストをアセトンとエタノールで除去し、10分以上水洗した後、エアガンで乾燥して用いた。流路上面にはフタは設けず開放状態とした。
[実験]
上記の方法で試作した基板を、金属顕微鏡のステージに水平に設置し、これを5倍、あるいは10倍の対物レンズと、鏡筒につけたCCDを介してビデオ(Sony Digital Handycum、ソニー)で連続撮影した。
流路に入れる液体は、界面活性剤(NCW−610A、和光純薬工業株式会社)を蒸留水で1000倍に希釈した無色溶液と、その無色溶液を用いて、黒色インク(SPS−400#1、プラチナ万年筆株式会社)を10倍に希釈した色素液の2種類を用意した。希薄な界面活性剤を用いた理由は、蒸留水を用いた場合、流路への流入速度が極めて遅く、フタが無いため途中で流路が乾燥してしまうという問題を避けるためである。進入速度が遅い理由は、恐らく薄膜フォトレジストを塗布したことで基板表面の親水性が多少低下したためと思われる。希薄な界面活性剤を用いることで、十分な流入速さ(約500μm/秒)が実現できた。
図24は、(A)タイプの液体スイッチに疎水性処理部908と反対側の左側から無色溶液を導入した後の連続写真である(対物レンズ10倍)。図24の(1)から(6)のように、無色溶液は主流路905に自動的に進入し、交叉点を超えた後、疎水性処理部908で停止した。この結果から疎水性処理部908は、溶液を停止させる効果があることがわかる。
図25は、タイプ(B)の液体スイッチの主流路905に、右側から色素液を導入した後の連続写真である(対物レンズ10倍)。色素液は、主流路905に自動的に進入した(図25(1))後、疎水性処理部908部分で主たる流れが停止した。色素液の一部が疎水性処理部908と流路壁の隙間をすり抜けて交叉点よりも先に達したが、それ以上先には進行しなかった(図25(2))。次に、トリガー流路906に無色液を導入したところ、無色液は自動的に進入して交叉点に到達した後、その液面は、先に停止していた色素液の液面と融合した(図25(3))。その後、色素液は疎水性処理部908を超えて交叉点よりも左側の主流路905を進行して行った。
この結果から1mm以下の流路でも、トリガー流路906からの液体供給によって疎水性処理部908の停止効果が失われ、主流路905が開通すること、すなわちオン動作が実現できることがわかる。
図26は、タイプ(C)の液体スイッチの主流路905に、右側から色素液を導入した後の連続写真である(対物レンズ5倍)。タイプ(B)の場合と同様に、色素液は疎水性処理部908で停止した(図26(1))。トリガー流路906から無色液が供給されると、無色液と交叉点で停止していた液面とが融合し(図26(4))、融合した液面は再び運動を始め、主流路905交叉点を超えて主流路905の左側へと進行した。但しこの場合、主流路905を進行したのは、色素液でなく、トリガー流路906から供給された無色液だった。この結果から、主流路905の太さとトリガー流路906の太さの関係、供給される液体の量によっては、スイッチ動作ができないことがわかる。
図27は、タイプ(D)の液体スイッチの主流路905に、右側から色素を導入した後の連続写真である(対物レンズ5倍)。色素液は、主流路905を自動的に進入した後、疎水性処理部908で停止した(図27(1))。次に、トリガー流路906に無色液を導入したところ、無色液が疎水性処理部908へ充分に導かれず、スイッチ動作がやや不安定であった(図27(2))。
以上の結果から、疎水性処理部908は、交叉点から近接した場所に設けることが好ましいことがわかる。主流路905およびトリガー流路906の各中心線の交叉する点を交叉点と定義すると、交差点と疎水性処理部908との距離は、トリガー流路906の幅の1.5倍以下とすることが好ましく、トリガー流路906の幅以下とすることがより好ましい。こうすることにより、安定したスイッチ動作を実現することができる。上記例では、(B)および(C)では、上記距離が50μm、トリガー流路906の幅が50〜60μm程度である。(D)では、上記距離が100μm、トリガー流路906の幅が50〜60μm程度である。
以上を総合すると、液体スイッチのオン動作が1mm以下の細さの流路でも実現できること、フォトリソグラフィー技術で製造できることから、集積化も可能なこと、安定したオン動作を実現するためには、交叉点と疎水性処理部908との位置、溶液の界面活性を考慮することが好ましい。

Claims (28)

  1. 第一の液体の通る流路と、
    前記流路中に設けられた、前記第一の液体を堰き止める堰き止め部と、
    前記堰き止め部またはその下流側の箇所で前記流路に連通し、前記堰き止め部へ第二の液体を導くトリガー流路と、
    を有することを特徴とする液体スイッチ。
  2. 請求の範囲1に記載の液体スイッチにおいて、
    前記堰き止め部は、前記第一の液体を保持する部材を含むことを特徴とする液体スイッチ。
  3. 請求の範囲2に記載の液体スイッチにおいて、
    前記堰き止め部における流路単位体積あたりの流路表面積は、流路の他の部分における流路単位体積あたりの流路表面積よりも大きいことを特徴とする液体スイッチ。
  4. 請求の範囲2に記載の液体スイッチにおいて、
    前記第一の液体を保持する前記部材は、複数の粒子であることを特徴とする液体スイッチ。
  5. 請求の範囲2に記載の液体スイッチにおいて、
    前記第一の液体を保持する前記部材は、多孔質体であることを特徴とする液体スイッチ。
  6. 請求の範囲2に記載の液体スイッチにおいて、
    前記第一の液体を保持する前記部材は、離間して配置された複数の突起部を含むことを特徴とする液体スイッチ。
  7. 請求の範囲1に記載の液体スイッチにおいて、
    前記堰き止め部は、前記第一の液体に対し疎液性を示す領域を含むことを特徴とする液体スイッチ。
  8. 請求の範囲7に記載の液体スイッチにおいて、
    前記流路における前記流路と前記トリガー流路の交差する箇所よりも下流側に、前記第一の液体に対し疎液性を示す領域をさらに含むことを特徴とする液体スイッチ。
  9. 請求の範囲1乃至8いずれかに記載の液体スイッチにおいて、
    前記トリガー流路に、弁構造を備え、所定量の第二の液体が導入されると前記弁構造が作動し、前記トリガー流路が閉止するように構成されたことを特徴とする液体スイッチ。
  10. 液体の通る流路と、前記流路中に設けられた、前記液体を堰き止める堰き止め部とを有し、前記堰き止め部は、前記液体を保持する部材を含むことを特徴とする液体スイッチ。
  11. 請求の範囲10に記載の液体スイッチにおいて、
    前記堰き止め部における流路単位体積あたりの流路表面積は、流路の他の部分における流路単位体積あたりの流路表面積よりも大きいことを特徴とする液体スイッチ。
  12. 請求の範囲10または11に記載の液体スイッチにおいて、
    前記第一の液体を保持する前記部材は、複数の粒子であることを特徴とする液体スイッチ。
  13. 請求の範囲10または11に記載の液体スイッチにおいて、
    前記第一の液体を保持する前記部材は、多孔質体であることを特徴とする液体スイッチ。
  14. 請求の範囲10または11に記載の液体スイッチにおいて、
    前記第一の液体を保持する前記部材は、離間して配置された複数の突起部を含むことを特徴とする液体スイッチ。
  15. 液体の通る流路と、前記流路中に設けられた、前記液体を堰き止める堰き止め部とを有し、前記堰き止め部は、前記液体に対して疎液性の表面を含むことを特徴とする液体スイッチ。
  16. 請求の範囲15に記載の液体スイッチにおいて、
    前記流路中に、前記堰き止め部から前記堰き止め部以外の場所まで移動可能に配置された移動部材をさらに有し、前記移動部材は、前記液体に対し親液性を示す表面を有し、前記流路外部から前記移動部材の位置を調整できるように構成されていることを特徴とする液体スイッチ。
  17. 請求の範囲16に記載の液体スイッチにおいて、外部から前記移動部材の位置を調整する位置調整手段をさらに備え、前記移動部材および前記位置調整手段のうち、一方が磁石であり他方が磁性体であることを特徴とする液体スイッチ。
  18. 第一の液体の通る流路と、前記流路に連通する副流路と、前記副流路に連通する室と、前記室に連通し、前記室に第二の液体を導入するトリガー流路と、を備え、前記室の内部に前記第一の液体に対して疎液性を示す疎液性物質が貯蔵されており、前記トリガー流路から前記室へ第二の液体が導入されたとき、前記室から前記流路へ前記疎液性物質が導入されるように構成されたことを特徴とする液体スイッチ。
  19. 請求の範囲18に記載の液体スイッチにおいて、前記室は;
    前記副流路に連通する第一の小室と、前記疎液性物質を貯蔵する第二の小室と、前記第一および第二の小室の間に介在しこれらの小室を隔てる分離部と、を備え、前記トリガー流路が前記分離部に連通し、前記トリガー流路から第二の液体が導入されたとき、前記第一の小室から前記第二の小室へ前記疎液性物質が移動するように構成されたことを特徴とする液体スイッチ。
  20. 基板と、該基板上に形成された試料の通る試料流路と、該試料流路中に設けられた試料分離部と、を備え、前記試料流路中に請求の範囲1乃至19いずれかに記載の液体スイッチが配設されており、前記試料流路から前記試料分離部への前記試料の供給が前記液体スイッチにより制御されることを特徴とするマイクロチップ。
  21. 基板と、該基板上に形成された液体の通る液体流路と、該液体流路中に設けられた反応部と、を備え、前記液体流路中に請求の範囲1乃至19いずれかに記載の液体スイッチが配設されており、前記液体流路から前記反応部への液体の供給が前記液体スイッチにより制御されることを特徴とするマイクロチップ。
  22. 請求の範囲21に記載のマイクロチップにおいて、前記反応部に連通し試薬の導入されるリザーバをさらに備え、前記リザーバから前記反応部に至る液体流路に前記液体スイッチが配設されており、前記リザーバから前記反応部への前記試薬の導入が前記液体スイッチにより制御されることを特徴とするマイクロチップ。
  23. 請求の範囲22に記載のマイクロチップにおいて、前記試薬が酵素消化液であることを特徴とするマイクロチップ。
  24. 請求の範囲23に記載のマイクロチップにおいて、前記酵素消化液がトリプシン消化液であることを特徴とするマイクロチップ。
  25. 基板と、該基板上に形成された液体の通る主流路と、前記液体が前記主流路の所定箇所に通過する時期を制御するクロック流路と、前記主流路とクロック流路とに連通する制御流路と、を備え、前記制御流路に請求の範囲1乃至19いずれかに記載の液体スイッチが配設されており、前記主流路における前記液体の進行が前記液体スイッチにより制御されることを特徴とするマイクロチップ。
  26. 生体試料を分子サイズまたは性状に応じて分離する分離手段と、前記分離手段により分離された試料に対し、酵素消化処理を含む前処理を行う前処理手段と、前処理された試料を乾燥させる乾燥手段と、乾燥後の試料を質量分析する質量分析手段と、
    を備え、前記分離手段は、請求の範囲20に記載のマイクロチップを含むことを特徴とする質量分析システム。
  27. 生体試料を分子サイズまたは性状に応じて分離する分離手段と、前記分離手段により分離された試料に対し、酵素消化処理を含む前処理を行う前処理手段と、前処理された試料を乾燥させる乾燥手段と、乾燥後の試料を質量分析する質量分析手段と、
    を備え、前記前処理手段は、請求の範囲21乃至24いずれかに記載のマイクロチップを含むことを特徴とする質量分析システム。
  28. 生体試料を分子サイズまたは性状に応じて分離する分離手段と、前記分離手段により分離された試料に対し、酵素消化処理を含む前処理を行う前処理手段と、前処理された試料を乾燥させる乾燥手段と、乾燥後の試料を質量分析する質量分析手段と、を備え、前記分離手段、前記前処理手段または前記乾燥手段が、請求の範囲25に記載のマイクロチップを含むことを特徴とする質量分析システム。
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