JP7219093B2 - マイクロ流路チップ - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、試験液に対する複数の薬剤の効果を比較するために使用されるマイクロ流路チップに関する。
薬剤の感受性評価試験、薬剤の分析又は反応度評価等には、マイクロ流路チップが使用される。マイクロ流路チップは、ガラス又は合成樹脂からなる基板にマイクロ流路を形成した構成となっている。マイクロ流路は、試験液の注入口、薬剤が保持される反応部、及び注入口と反応部とを連通させる流路を備える。
例えば、薬剤の感受性評価試験等を行うためのマイクロ流路は、一つの注入口から注入された試験液が複数の反応部に到達するように構成される。
特許文献1では、複数の反応部に同じタイミングで試験液を到達させるように構成されたマイクロ流路が提案されている。これによれば、1つの導入口を有する導入部と複数の反応部、それらを接続する流路を備え、導入部から複数の反応部までの流路の長さ、幅、表面状態等の流路抵抗を全て同一にすることで、各流路内の試験液の流量が一定になり、試験液が各反応部に対して同じタイミングで到達することができる、とされている。
特開2014-199206号公報
ところで、前述したような感受性試験を行うためのマイクロ流路チップでは、導入口から導入された試験液は、分配(分岐)された後、各流路を経由して均等量、かつ同一タイミングで複数の反応部に到達する必要がある。その理由は、感受性試験において、試験液の量が不均一あるいは複数の反応部への試験液が到達するタイミングにずれが発生してしまうと、異なる薬剤を保持した複数の反応部において、同一試験液に対する薬剤の効果を十分に検証できなくなる(=薬剤選定の誤り)危険性があるためである。
上述したように、同一試験液に対する複数の薬剤の中で、どの薬剤が最も効果的であるかを分析するためには、1つのマイクロ流路チップに異なる薬剤が保持された複数の反応部を設ける必要がある。しかし、特許文献1の図5に示されたマイクロ流路では、反応部が導入口を起点として放射状に広がっているために、マイクロ流路チップの基板面積が大きくなってしまい、小型化できない難点がある。
また、特許文献1の図4に示すように、マイクロ流路チップを小型化するため反応部を集約した場合には、導入口から反応部に向かうマイクロ流路の出射角度が不均一になるため、各々のマイクロ流路内の試験液量がばらつく原因となる。
加えて、特許文献1の図5では、複数の薬剤と試験液との反応状態を同時に観察することが難しく、観察装置自体が大型化してしまう。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、一つの注入口から注入された液体を複数の反応部に均等量分配し、且つ同じタイミングで反応部に到達させることが可能であり、さらに、マイクロ流路チップ自体を小型化でき、かつ各反応部に分配された液体を同時に観察することができるマイクロ流路チップを提供することを目的とする。
(1)上記目的を達成するために、本発明のマイクロ流路チップは、1つの液体導入口を有する導入部と、前記液体導入口に対し、液体と反応する薬剤が配置される複数の反応部と、前記導入部に連通し、前記液体導入口から導入された液体を分配する複数の分配部と、前記分配部に連通する分岐流路と、前記分岐流路と前記反応部とを連通させる流路とを備える。
(2)好ましくは、上記(1)のマイクロ流路チップにおいて、前記流路は前記分岐流路よりも流路断面積が大きい第一流路を少なくとも有する。
(3)好ましくは、上記(2)のマイクロ流路チップにおいて、前記流路は、前記第一流路よりも流路断面積が小さく、かつ液体と薬剤が反応した反応液を観察する領域を有する第二流路を有する。
(4)好ましくは、上記(1)のマイクロ流路チップにおいて、前記複数分配部の入口は、前記導入部を2次元平面で見たとき、前記導入部内に円弧の中心を有する仮想半円の一端から他端にわたる円弧上に等間隔で存在し、且つ少なくとも当該仮想半円の一端および他端を除き、当該複数分配部の入口の一端は、他方の分配部入口の他端と重なる。
(5)好ましくは、上記(1)又は(4)のマイクロ流路チップにおいて、前記複数分配部の入口は、前記導入部を2次元平面で見たとき、前記導入部内に円弧の中心を有する仮想半円の一端から他端にわたる円弧上に等間隔で存在し、且つ当該分配部の出口の一端及び他端が前記分岐流路の入口の一端および他端に連結されている。
(6)好ましくは、上記(1)、(4)又は(5)のいずれかのマイクロ流路チップにおいて、前記複数分配部の入口は、前記導入部を2次元平面で見たとき、前記導入部内に円弧の中心を有する仮想半円の一端から他端にわたる円弧上に等間隔で存在し、且つ当該等間隔で存在する前記分配部入口の一端と他端を結ぶ線分の長さは、前記分岐流路の入口に連結される分配部の一端及び他端を結ぶ線分の長さより長い。
(7)好ましくは、上記(1)のマイクロ流路チップにおいて、前記複数分配部の入口は、前記導入部を2次元平面で見たとき、前記導入部内に円弧の中心を有する仮想半円の一端から他端にわたる円弧上に等間隔で存在し、且つ少なくとも当該仮想半円の一端および他端を除き、当該分配部の入口の一端は、他方の分配部入口の他端と重なり、さらに該重なりの部分は、前記導入部方向に所定曲率を有する凸状である。
(8)好ましくは、上記(1)又は(2)のマイクロ流路チップにおいて、前記分岐流路の平均断面積は、前記分配部の平均断面積よりも小さい。
(9)好ましくは、上記(1)、(4)、(5)、(6)又は(7)のマイクロ流路チップにおいて、前記複数分配部の入口は、前記導入部を2次元平面で見たとき、前記導入部内に円弧の中心を有する仮想半円の一端から他端にわたる円弧上に等間隔で存在し、且つ各々の分配部入口の一端および他端は、当該分配部の出口の一端及び他端に曲線で連結されている。
(10)好ましくは、上記(1)、(4)、(5)、(6)又は(7)のマイクロ流路チップにおいて、前記複数分配部の入口は、前記導入部を2次元平面で見たとき、前記導入部内に円弧の中心を有する仮想半円の一端から他端にわたる円弧上に等間隔で存在し、且つ各々の分配部入口の一端および他端は、当該分配部の出口の一端及び他端に直線で連結されている。
(11)好ましくは、上記(1)、(4)、(5)、(6)又は(7)のマイクロ流路チップにおいて、前記複数分配部の入口は、前記導入部を2次元平面で見たとき、前記導入部内に円弧の中心を有する仮想半円の一端から他端にわたる円弧上に等間隔で存在し、且つ各々の分配部入口の一端および他端は、当該分配部の出口の一端及び他端に直線で連結され、さらに当該直線の一部に少なくとも1つの屈曲点を有する。
本発明のマイクロ流路チップによれば、一つの注入口から注入された液体を複数の反応部に均等量分配し、且つ同じタイミングで反応部に到達させることが可能であり、さらに、マイクロ流路チップ自体を小型化でき、かつ各反応部に分配された液体を同時に観察することができるマイクロ流路チップを提供することを目的とする。
本発明に係るマイクロ流路チップの構成を示す平面図である。 図1の複数のマイクロ流路のうちの1つのマイクロ流路の拡大図である。 図2の分岐構造部分の拡大図である。 マイクロ流路に導入された試験液の挙動を示す模式図である。 図2の分配部の拡大図を示す。 マイクロ流路に試験液導入に連続して導入される空気の挙動を示す模式図である。 図2の分岐点形状の他の実施例を示す図である。 図2の分配部の他の実施例を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態に係るマイクロ流路チップについて、図面を参照しつつ説明するが、本発明は以下の形態に限定されるものではない。
[マイクロ流路チップの構成]
以下、図1~図6を用いて詳細に説明する。
図1は、複数のマイクロ流路2を第一基板101に形成した後、第二基板102を貼り付けて形成されたマイクロ流路チップ100の平面模式図である。図中、マイクロ流路2は、第一基板101に形成される凹溝(図示せず)と、基板101に接合される第二基板102とにより形成される。
ところで、第一基板101は透明であることが好ましい。第一基板101が透明であることで、試験液の変化の観察、薬剤保持部の薬剤量、薬剤と菌に反応状態(後述する感受性評価)の確認等に有利であり、好ましい。また、第一基板101はゴム弾性を有することが好ましい。更に、第一基板101が気体透過性を有することも好ましい。具体的には、少なくとも天然ゴム以上の気体透過性を有することが好ましい。これは、第一基板と第二基板の貼り合せの際、両者に挟まれて不可避的に残存する空気を大気中に放出し、加熱による気体の膨張によるマイクロ流路チップの破損を防止することが期待されるからである。ここで、ゴム弾性を有する好ましい素材は、JIS K6251:2010に従って測定された引張強さが40-100kg/cm2であり、伸びが50-500%のものである。上記のような物性を備えたゴムとしてはシリコーンゴムが挙げられ、特にポリジメチルシロキサンが推奨される。なお、ポリジメチルシロキサンのJIS K6251:2010に従って測定された引張強さは70-100kg/cm2であり、伸びが100-500%であり、特にこの範囲であることが好ましい。さらに、ポリジメチルシロキサンは撥水性を有するために、後述する感受性評価の際に使用する試験液が表面エネルギを最小にするように働くと同時に、試験液導入口および反応部が大気解放されているため、試験液が流路内で逆流しづらいという特徴を有する。
また、第二基板102はマイクロ流路チップに慣用されている基板を用いればよい。素材としては、例えば、ガラス、シリコン、有機ポリマー、ガラス・有機ポリマー複合体等が挙げられる。特にガラスは好適である。
図2は、1つのマイクロ流路2の拡大図である。マイクロ流路2は、試験液導入口10および分配部31~34を含む導入部20、分配部31~34に連通する分岐流路141A~144A、分岐流路141A~144Aと反応部51~54を連通させるための逆流防止流路141B~144B、第一流路141~144、第二流路141D~144Dが形成されている。ここで、反応部51~54は、薬剤保持部も兼ねており、試験液導入口10から導入された試験液は、分配部31~34により等量分割されて、分配部31~34に連通するマイクロメートル(μm)レベルの微細な分岐流路141A~144A、逆流防止流路141B~144B、第一流路141~144、第二流路141D~144Dを介して、反応部51~54に送液されて、薬剤と試験液とを接触させる。
これにより、薬剤と試験液とを反応させて反応液を得る。特に、反応部と連通する第二流路141D~144Dの流路断面積を小さく、密集させることで第二流路141D~144Dの領域の一部を後述する試験液の感受性評価等の観察領域60として使用することができる。
ここで、図3に示すように、逆流防止流路141B~144Bと第一流路141~144の連通境界部には、試験液の逆流防止機構40が設けられていることが好ましい。逆流防止機構40は、分岐流路側141A~144Aを上流、反応部側51~54を下流として、上流端から下流側に向けて流路幅が狭くなったテーパ状の絞り部入口40aと、この絞り部入口に連通するほぼ一定幅の絞り部40bとを有しており、絞り部40bは反応液流動方向に略直交する壁面を有する絞り部出口40cに連なっている。通常、絞り部入口40aの更に上流側の部分の流路幅は、絞り部出口40cの下流側の流路幅とほぼ同一である。
試験液導入口10から流入して分岐流路141B~144Bを通過した試験液は、絞り部入口40a、絞り部40b、絞り部出口40cを経て、反応部51~54に向けて送液される。その際、試験液と薬剤が反応した反応液は、反応部51~54から試験液導入口10に向けて逆流、つまり液戻りが、上述した逆流防止機構40により防止される。なお、逆流防止機構40の構造はこれに限定されるものではなく、慣用の逆流防止機構とすることができる。例えば、試験液導入口10から反応部51~54に向かって逆流防止流路141B~144B幅が漸減する構造を有するものであってもよい。
さらに、第一基板101の背面、つまり第二基板102との接合面には、4つの反応部51~54の各々と連通する4つの連通流路141D~144D(第二流路)が形成されている。第二流路141D~144Dは、反応液を観察する観察領域60を有する。複数の第二流路141D~144Dは、単一の視野内において複数の第二流路の一部を観察できるように流路幅が設計されているので、反応液の同時観察が可能となる。
[マイクロ流路チップの製造方法]
以降、マイクロ流路チップを作製する手順を説明する。
図1および図2に示すように、第一基板101の背面(第二基板102と接する面;図示せず)に貫通孔である試験液導口10を含む導入部20、反応部51~54(薬剤保持部を兼ねる)を形成する貫通孔、導入部20の一部である分配部31~34、分岐流路141A~144A、逆流防止流路141B~144B、第一流路141~144、第二流路141D~144D等が形成され、その背面に第二基板102が貼り合わされ、マイクロ流路チップ100が作製される。
[第一基板の準備]
前述したとおり、第一基板101の素材は特に限定されないが、透明素材であることが好ましく、ゴム弾性を有することが好ましく、気体透過性を有するシリコーンゴムが好ましく、ポリジメチルシロキサンが特に好ましい。第一基板101としてゴム弾性を有する素材を使用すると、第一基板101を第二基板102上に載置するだけで密着し、接着剤等を使用することなく、第一基板101と第二基板102の積層を行うことができる。
第一基板101を作製するには、まず、導入部20、分岐流路141A~144A、逆流防止流路141B~144B、第一流路141~144、第二流路141D~144D等を構成する凹溝が設けられた鋳型を用意し、基板101の原材料となる液状の未架橋シリコーンゴムをこの鋳型に流し込んで硬化させる。これにより、第一基板101の背面(図示せず)に、図2のような導入部20、分岐流路141A~144A、逆流防止流路141B~144B、第一流路141~144、第二流路141D~144D等を構成する凹溝が形成された矩形状のシリコーンゴム製の基板101が得られる。
続いて、このシリコーンゴム製の基板101を鋳型から脱型した後、導入部20の一端側に対応する部分の基板101を加工することにより試験液導入口10が形成される。
同様に、第二流路141D~144D末端に対応する部分の基板を加工することにより反応部51~54がそれぞれ形成される。なお、これらは、鋳型による基板101成型時に同時に形成しても良い。
なお、第一基板101は、例えば、長辺が50mm、短辺が40mmであり、厚さは2mmである。第一流路141~144凹溝の幅は約300μmであり、分岐流路141A~144A、第二流路141D~144Dを構成する凹溝の幅は約50μmである。試験液導入口10の内径は約1mmであり、反応部14の外形は約3mmである。なお、図2のような構造はフォトマスクを用いた微細加工により一括形成することができる。
このように、本例示形態のマルチ分析用マイクロ流路チップは、1つのマイクロ流路2に合計4個の反応部51~54が設けられた形態であるが、任意の数の反応部をマイクロ流路2に設けることができる。また、例示では、1つの試験液導入口10に対して、4つの反応部51~54と、これに対応した本数の分岐流路、逆流防止流路、第一流路及び第二流路とを1セットとして設けているが、この試験液導入口、反応部、分岐流路、第一流路及び第二流路の数は、任意の数とすることができる。
[第二基板の準備]
第二基板102はマイクロ流路チップに慣用されている基板を用いればよいが、以下ガラス基板を例として説明する。
[第一基板と第二基板の積層]
上述したように作製された第一基板101の背面に第二基板102を接合することにより、図1に示されるように、マイクロ流路チップ100が作製される。
なお、第一基板101と第二基板102が透明な材料により形成され、マイクロ流路チップ10の内部に形成された分岐流路141A~144A、逆流防止流路141B~144B、第一流路141~144、第二流路141D~144D等が外部から目視観察できることが好ましい。
[薬液の導入]
試験液の感受性評価試験にマイクロ流路チップが使用される場合には、反応部(薬剤保持部を兼ねる)51~54には、感受性評価試験により比較評価が行われる反応物である薬剤が供給される。
反応部内51~54に薬剤を配置するには、予め薬剤を水などの溶媒に溶かして調製した後、マイクロシリンジなどを使用して液状の薬剤を反応部導入口(図示せず)から内部に滴下する。その後、反応部51~54の内部に貯留された薬剤の溶媒を蒸発させることにより、反応部51~54の底部15に固形の薬剤が固定される。
[マイクロ流路チップの使用方法]
以下、マイクロ流路チップの使用方法を、感受性評価試験を例に説明する。
この説明の中で本件発明のポイントである分配部31~34の機能を詳細に説明する。
[感受性評価試験手順]
本発明に係るマルチ分析用のマイクロ流路チップにおいては、試験液が複数の薬剤と個別に反応し、それらを比較評価することができる。図2は、導入部20の一部である分配部31~34を介して、試験液を4つに分岐させ、4つの反応部51~54に4種類の薬剤を配置可能な流路形状例である。この時、試験液の導入口10を1つにし、その液体の流路を分岐させることで、異なる薬剤に対する試験液の感受性評価を同時に行うことができる。
以下、感受性評価を行う際の手順を示す。
(Step1)
予め薬剤を反応部(薬剤保持部を兼ねる)51~54に供給、配置する。
(Step2)
反応部51~54に薬剤が配置された状態で、試験液導入口10から試験液は、例えば、所定の細菌を含んだ培養液からなり、試験液導入口10に挿入される
マイクロシリンジ等により導入部20内に供給される。
(Step3)
導入された試験液は、分配部31~34にて均等量分配され、複数の分岐流路141A~144Aに送液され、逆流防止流路141B~144B、第一流路141~144、第二流路141D~144Dを介して各々の反応部51~54に蓄積される。試験液が分岐流路141A~144A、逆流防止流路141B~144B、第一流路141~144、第二流路141D~144D等を流れると、各流路内の空気は、反応部51~54に設けられた薬剤導入口(図示せず)から外部に排出され、反応部の薬剤導入口は排気口としての機能を有している。
(Step4)
所望量の試験液導入を行った後に、試験液と混合を起こさないバッファ液又は空気を導入口10から後追いで導入する。
(Step5)
これにより、既に試験液導入口10から導入部20内に導入された試験液は、分配部31~34にて均等量に分岐された後、4本の微細な分岐流路141A~144Aに導入され、逆流防止流路141B~144B、第一流路141~144、第二流路141D~144D等を流れて、反応部51~54の各々に蓄積される。
試験液導入口10のサイズに比して分岐流路141A~144Aは、相当に微細な部分を有しており、マイクロ流路チップ10を傾斜させて試験液を自重で第一流路141~144内に流動させることは難しいが、バッファ液又は空気によって、試験液を第一流路141~144内に押し込むことにより、均等量の試験液を確実に同じタイミングで試験液を反応部51~54に配置された薬剤に接触させることができる。このように、複数の流路を有するマルチ分析用のマイクロ流路チップでは、それぞれの分岐流路141A~144Aに試験液を均等に分配する事を促進させるためにバッファ液又は空気供給による送液は有用である。
(Step6)
反応部51~54の底部に固定された薬剤に試験液が接触すると、薬剤が試験液に溶解し、薬剤に含まれる薬効成分と試験液に含まれる細菌との反応が開始される。
(Step7)
反応部51~54での反応開始と同時に、反応液は流路断面積が小さい(流路幅が狭い)第二流路141D~144Dにも満たされるため、第二流路の一部に設けた観察領域60にて、反応液の観察、分析を行う。
具体的には、試験液として細胞や細菌を分散させた培養液を用い、これを反応部内で添加剤や薬剤と反応させ、培養のために数時間保持した後、細胞や細菌の形態変化や増殖を、観察領域60を位相差顕微鏡等で観察することで、添加剤や薬剤の効果を迅速、かつ高精度に評価することができる。特に、図2に示すように、複数の第二流路141D~144Dに観察領域60を設けることで、異なる反応液の状態を同時に観察でき、効率的な分析が可能となる。
上述したように、感受性評価を正確に行うためには、試験液導入口10から、挿入された試験液を異なる薬剤を保持する複数の反応部に試験液を均等量与えると同時に、複数の反応部に同じタイミングで到達することが、特に異なる薬剤に対する試験液の感受性評価においては重要である。
[分配部機能]
感受性評価において重要な複数流路に均等量の試験液を同じタイミングで分配する分配部の機能について、図4~図6を用いて詳細に説明する。なお、図中グレー部分が試験液を示す。
図4(A)に示すように、一つの菌種が培養された試験液を、たとえばマイクロシリンジ等を用いて、試験液導入口10に導入することで、試験液の界面(試験液前端である試験液と空気の境界)は、導入部20の一側に円形状に広がる。その後、図4(B)~図4(C)に示すように、試験液は分配部31~34近傍まで試験液界面を円形状に保った状態で到達する。
その後、図4(C)に示すように、試験液円形状界面は、四つの分配部31~34の入口を構成する複数の分岐点35、36に到達する。これら分岐点は、図5に示すように、4つの分配部31~34に試験液を均等量分配できるように、導入部20内に円弧の中心(P2)を有する仮想半円Qを等間隔に分割した分配部入口31A~34Aを形成している。このように、試験液円形状界面と略相似形の仮想半円Qの円弧上に分配部入口31A~34Aを設けることで、試験液は、分配部31~34に均等に分配される(図4(D))。同時に、4つの分配部31~34に導入された試験液は、分配部31~34から各々の流路を経由して、同じタイミングで反応部51~54に到達することができる。(図4(E)~図4(F))
次に、試験液導入口10に試験液を導入した後に、さらに追加で試験液導入口10に空気を導入した場合の、分配部機能について、図6を用いて説明する。なお、図中グレー部分は、前述したように試験液を示す。
前述したようにマイクロシリンジ等を用いて、試験液を試験液導入口10に導入した後、同じマイクロシリンジに入っている空気を連続して試験液導入口10に導入することにより、すでに導入された試験液を後方から加圧して試験液を迅速に流路に送液することができる。同時に、試験液を図2に示すように第一流路141~144の任意の位置(図2では、マーク160の下流で、反応部51~54側の任意の位置)で停止させ、第一流路141~144に送液された試験液の逆流を抑えることができる。
マイクロシリンジ等を用いて、試験液を流路全体に満たした(図6(A))後に、図6(B)に示すように、さらに試験液に連続してマイクロシリンジ等に存在する空気(S)を、試験液導入口10に導入すると、空気も前述した試験液の界面(試験液前端である試験液と空気の境界)の挙動と同様に、導入部20の一側に円形に広がり、その後、図6(C)に示すように、空気は分配部31~34近傍まで空気界面が円形状に保たれたままで到達する。
その後、図6(D)に示すように、空気の円形状界面は、四つの分配部の入口を構成する複数の分岐点35、36に到達する。さらに、前述した試験液同様に、4つの分配部31~34に空気は均等量分配される。分配部31~34に導入された空気は、同じタイミングで分配部31~34から流路に送られる。(図6(E))
上述したように、後から追加された空気は、分岐点35,36および分配部入口31A~34Aの構成により、一つの試験液導入口10から注入された試験液を後方から押すことで、四つの反応部51~54に均等に分配し、且つ同じタイミングで到達させることが可能となる。これにより、各反応部51~54での感受性試験条件が揃い、各反応部51~54に保持された複数の薬剤の効果を正確に評価することができる。さらに、試験液が流路内で逆流することなく、図2に示すように試験液を流路内の所定の位置に停止されることができる。
このように、2次元平面上で見たとき、導入部20内に液体分配部31~34を設けることにより、複数の流路の合計幅を小さくすることができ、マイクロ流路の小型化、ひいてはマイクロ流路チップの小型化を図ることができる。
[分岐点形状の変形例]
図7に示すように、分岐点36の形状を、試験液導入口10方向に所定曲率を有する凸状とすることで、試験液をより均等な量に分配することができ、反応部51~54のそれぞれに保持される薬剤の効果を正確に評価することができる。
[分配部の変形例]
分配部31~34の形状として、図8(A)~(C)に示すような各種の形状を採ることができる。図8(A)は、分配部31~34が半円形状であり、図8(B)は、分配部31~34が四角形であり、図8(C)は五角形の分配部31~34を有する。いずれの形状も、試験液を均等量分配できるとともに、反応部51~54に試験液を同じタイミングで送液することができる。
なお、本発明のマイクロ流路2は、1つの試験液導入口に対して、4つの反応部を有するが、反応部の数は4つに限定されるものではなく、反応部に保持される異なる薬剤の種類に応じて、任意の数とできることは勿論である。さらに、基板上に形成されるマイクロ流路2の本数も、図1においては、5つの場合を説明したが、基板上に任意の数のマイクロ流路2を形成しても良いことは勿論である。加えて、第二流路141D~144Dにある観察領域60も、第二流路の長さの範囲にあればよいことは勿論である。
上述したように、マイクロ流路チップを、薬剤に対する細菌の感受性評価に適用する場合について説明したが、このマイクロ流路チップは、感受性評価以外にも、試薬の分析、反応度評価等、種々の対象物の分析、評価に適用することができる。
本発明のマイクロ流路チップによれば、一つの注入口から注入された液体を複数の反応部に均等量分配し、且つ同じタイミングで到達させることが可能であり、さらに、マイクロ流路チップ自体を小型化でき、かつ各反応部に分配された液体を同時に観察することができるマイクロ流路チップを提供することができる。
1、2 マイクロ流路
10 試験液導入口
20 導入部
31~34 分配部
31A~34A 分配部入口
31B~34B 分配部出口
35、36 分岐点
40 逆流防止機構
51~54 反応部
60 観察領域
100 マイクロ流路チップ
101 第1基板
102 第2基板
141~144 第一流路
141A~144A 分岐流路
141B~144B 逆流防止流路
141D~144D 第二流路
160 マーク
O 中心軸
P1、P2 中心点
Q 仮想半円
S 空気

Claims (7)

  1. 1つの試験液導入口と当該試験液を等量に分配する複数の分配部を備えた導入部と、
    前記複数の分配部の各々に対応して連通する複数の分岐流路と、
    前記複数の分岐流路の各々に対応して連通する複数の第一流路と、
    前記複数の第一流路の各々に対応して連通し、かつ前記試験液と反応する薬剤が配置される複数の反応部の各々とも対応して連通し、かつ前記試験液と薬剤が反応した反応液を同時に観察できる領域内に配置された複数の第二流路を備え、
    前記試験液が流入する前記複数の分配部の入口は、前記導入部を2次元平面で見たとき、前記導入部内に存在する円弧の中心を起点にして前記導入部の一端と他端を結ぶ仮想半円弧上に等間隔で配置されるとともに、当該複数の分配部の入口の一端は、他の分配部の入口の他端と重なる、
    ことを特徴とするマイクロ流路チップ。
  2. 前記複数の分配部の各々の出口の一端及び他端は、当該複数の分配部の各々に対応して連通する前記複数の分岐流路の各々の入口の一端および他端に連結されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のマイクロ流路チップ。
  3. 等間隔で存在する前記複数の分配部の各々の入口の一端と他端を結ぶ線分の長さは、前記複数の分岐流路の各々の入口に連通する前記分配部の各々の出口の一端及び他端を結ぶ線分の長さより長い
    ことを特徴とする請求項1に記載のマイクロ流路チップ。
  4. 前記複数の分配部のうち一つの分配部の入口の一端と他の分配部の入口の他端とが重なる部分は、前記導入部内に存在する円弧の中心方向に向かって所定曲率を有する凸状である
    ことを特徴とする請求項1に記載のマイクロ流路チップ。
  5. 前記複数の分配部の各々の入口の一端および他端は、当該複数の分配部の各々の出口の一端及び他端に曲線で連結されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のマイクロ流路チップ。
  6. 前記複数の分配部の各々の入口の一端および他端は、当該複数の分配部の各々の出口の一端及び他端に直線で連結されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のマイクロ流路チップ。
  7. 前記複数の分配部の各々の入口の一端および他端は、当該複数の分配部の各々の出口の一端及び他端に直線で連結され、
    さらに当該直線の一部に少なくとも1つの屈曲点を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載のマイクロ流路チップ。
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