JPWO2004049657A1 - 伝送装置 - Google Patents
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Abstract
IPとは異なるネットワークに設置される伝送装置であって、音声の情報を含むIPデータを取り扱うことにより、IP電話機能を実施するIP電話制御手段と、前記IP電話制御手段によって取り扱われるIPデータを、自装置が設置されるネットワークのプロトコルに応じたデータにカプセル化するカプセル化手段と、前記カプセル化手段によってカプセル化されたデータを前記ネットワークに送出する送出手段と、他の伝送装置が備える前記カプセル化手段によってカプセル化されたデータを、前記ネットワークを介して受信する受信手段と、前記受信手段によって受信されたデータからIPデータを取り出す取出手段とを備える。
Description
本発明は、IP(Internet Protocol)とは異なるネットワークに設置される伝送装置であって、通話機能を実現する伝送装置に関する。
従来、光通信網内において、遠隔地に存在する局との間で用いられる音声通信機能としてOrderWire機能(オーダーワイヤ機能)がある。図13は、従来のオーダーワイヤ機能を実現するためのオーダーワイヤシステムの例を示す図である。このオーダーワイヤシステムは、複数のNE(Network Element:局)1(1a,1b,1c,1d)と伝送路2とNE1に接続される電話機3(3a,3b,3c)によって構成される。ここで、ある2点間のNE1における通信(音声通信を含む)を考える場合、通信の経路に設置されるNE1を中継局と呼ぶ。このオーダーワイヤシステムは、主に装置保守のために、装置の保守者によって使用される。オーダーワイヤシステムは、SONET(Synchronous Optical Network)又はSDH(Synchronous Digital Hierarchy)におけるオーバーヘッドのE1/E2バイトを用いて実現される。
オーダーワイヤシステムでは、電話機3aから発信された音声データは、NE1aによってAD変換される。この音声データは、NE1cによってDA変換された後に、電話機3cから発信された新たな音声データが足し合わされる。足し合わされた後の音声データは、再びAD変換され、NE1bに伝送される。この音声データは、NE1bによってDA変換され、電話機3bに伝送される。
このように、局が多段接続された従来のオーダーワイヤシステムでは、中継局における新たな音声データの足し合わせのため、中継の度にDA/AD変換が繰り返し実行される。従って、繰り返し実行されるDA/AD変換による音質の劣化が生じる。このため、従来のオーダーワイヤシステムでは、DA/AD変換の回数を制限する必要があり、多段接続可能な局の台数に制限があるという問題点があった。
このような問題を解決する方法として、デジタルスルーという方法があった。デジタルスルーは、多段接続であっても途中の局で新たな音声データを足し合わせない(拾わない)ように設定することにより、エンド・ツー・エンドの音声通信を行う技術である。このため、デジタルスルーでは、中継の際にDA/AD変換を実行する必要が無くなり、DA/AD変換の繰り返しによる音質の劣化が防止される。
しかしながら、デジタルスルーでは、中継の際に新たな音声データを拾わないように設定されるため、中継局における音声が合流されないという問題があった。即ち、中継局の保守者が会話に参加できないという問題があった。
オーダーワイヤシステムでは、電話機3aから発信された音声データは、NE1aによってAD変換される。この音声データは、NE1cによってDA変換された後に、電話機3cから発信された新たな音声データが足し合わされる。足し合わされた後の音声データは、再びAD変換され、NE1bに伝送される。この音声データは、NE1bによってDA変換され、電話機3bに伝送される。
このように、局が多段接続された従来のオーダーワイヤシステムでは、中継局における新たな音声データの足し合わせのため、中継の度にDA/AD変換が繰り返し実行される。従って、繰り返し実行されるDA/AD変換による音質の劣化が生じる。このため、従来のオーダーワイヤシステムでは、DA/AD変換の回数を制限する必要があり、多段接続可能な局の台数に制限があるという問題点があった。
このような問題を解決する方法として、デジタルスルーという方法があった。デジタルスルーは、多段接続であっても途中の局で新たな音声データを足し合わせない(拾わない)ように設定することにより、エンド・ツー・エンドの音声通信を行う技術である。このため、デジタルスルーでは、中継の際にDA/AD変換を実行する必要が無くなり、DA/AD変換の繰り返しによる音質の劣化が防止される。
しかしながら、デジタルスルーでは、中継の際に新たな音声データを拾わないように設定されるため、中継局における音声が合流されないという問題があった。即ち、中継局の保守者が会話に参加できないという問題があった。
このように、デジタルスルーには問題点があったため、オーダーワイヤシステムの音質の劣化を防止する、デジタルスルーとは異なる技術が要求される。そこで、本発明は、例えばSONETのようなIPとは異なるネットワークにおいて、多段接続可能な局の台数の制限を必要としない、デジタルスルーとは異なるオーダーワイヤシステムを構成するための伝送装置を提供することを目的とする。即ち、本発明は、音質の劣化を生じることなく伝送装置間の通話を実現するための伝送装置を提供することを目的とする。
上記問題を解決するため、本発明は以下のような構成をとる。本発明の第一の態様は、IPとは異なるネットワークに設置される伝送装置であって、音声の情報を含むIPデータを取り扱うことにより、IP電話機能を実施するIP電話制御手段と、前記IP電話制御手段によって取り扱われるIPデータを、自装置が設置されるネットワークのプロトコルに応じたデータにカプセル化するカプセル化手段と、前記カプセル化手段によってカプセル化されたデータを前記ネットワークに送出する送出手段と、他の伝送装置が備える前記カプセル化手段によってカプセル化されたデータを、前記ネットワークを介して受信する受信手段と、前記受信手段によって受信されたデータからIPデータを取り出す取出手段とを備える。
本発明の第一の態様である伝送装置は、IPとは異なるネットワークに設置される。このようなネットワークの例として、SONET/SDHによるネットワークがある。ただし、本発明の第一の態様である伝送装置は、SONET/SDHによるネットワークに設置される場合、光伝送装置として構成される必要がある。
IP電話制御手段は、IP電話機能を実施する。具体的には、IP電話制御手段は、H.323プロトコル等、IPに基づいた電話機能を実施する。
カプセル化手段は、IP電話制御手段によって取り扱われるIPデータを、自装置が設置されるネットワーク、即ちIPとは異なるネットワークのプロトコルに応じたデータにカプセル化する。このような、IPとは異なるネットワークのプロトコルの例として、OSIがある。
送出手段は、カプセル化手段によってカプセル化されたデータを、IPとは異なるネットワークに送出する。IP電話制御手段によって取り扱われるデータはIPデータであるため、このままではIPとは異なるネットワークに送出することはできないが、カプセル化手段によってカプセル化されているデータは送出することが可能である。
受信手段は、IPとは異なるネットワークを介して、他の装置によってIPとは異なるネットワークのプロトコルに応じたデータにカプセル化されたデータを受信する。
取出手段は、受信手段によって受信されたデータから、カプセル化されているIPデータを取り出す。取出手段とカプセル化手段とが実施する処理は似ているため、この二つの手段は同一の手段によって構成されても良い。即ち、取出/カプセル化手段として構成されても良い。
IP電話制御手段は、取出手段によって取り出されたIPデータをさらに取り扱うことにより、IP電話機能を実施する。
本発明の第一の態様である伝送装置には、IP電話機能に音声を入出力する入出力手段が必要に応じて備えられても良いし、伝送装置に接続される他の装置に備えられても良い。
本発明の第一の態様によれば、IPとは異なるネットワークに設置された伝送装置間において、IP電話機能を用いた通話が実施される。このため、通話を実施する伝送装置間に設置される伝送装置の数に依存した音質の劣化を生じない通話システム(オーダーワイヤシステム)が実現される。
本発明の第一の態様は、同じネットワークに設置される他の伝送装置と通信を行うことにより、他の伝送装置への通信経路を記憶する経路記憶手段をさらに備えるように構成されても良い。
また、本発明の第一の態様は、前記ネットワークの経路に障害が生じた場合、前記経路記憶手段に記憶された経路であって障害が生じた経路を含まない経路を用いて前記カプセル化されたデータを送出するように前記送出手段を制御する経路制御手段をさらに備えるように構成されても良い。
また、本発明の第一の態様は、同じネットワークに設置される他の伝送装置と通信を行うことにより、他の伝送装置に接続されるIPネットワークに接続されるIP端末のIPアドレスを取得し、このIPアドレスと前記他の伝送装置とを対応付けて記憶するIP経路記憶手段をさらに備えるように構成されても良い。
本発明の第二の態様は、伝送装置であって、インターネット・プロトコル(IP)と異なるプロトコルに従ってデータを伝送するネットワークに収容される伝送装置であって、前記ネットワークに収容された所定の伝送装置との間に、IP関連データを転送するためのトンネルを生成するトンネル生成手段と、トンネル生成手段によって生成される1以上のトンネルを用いて、前記ネットワークに収容された他の伝送装置との連携により、前記ネットワークを介したIP電話呼を確立させる呼確立制御手段と、を含む。
上記問題を解決するため、本発明は以下のような構成をとる。本発明の第一の態様は、IPとは異なるネットワークに設置される伝送装置であって、音声の情報を含むIPデータを取り扱うことにより、IP電話機能を実施するIP電話制御手段と、前記IP電話制御手段によって取り扱われるIPデータを、自装置が設置されるネットワークのプロトコルに応じたデータにカプセル化するカプセル化手段と、前記カプセル化手段によってカプセル化されたデータを前記ネットワークに送出する送出手段と、他の伝送装置が備える前記カプセル化手段によってカプセル化されたデータを、前記ネットワークを介して受信する受信手段と、前記受信手段によって受信されたデータからIPデータを取り出す取出手段とを備える。
本発明の第一の態様である伝送装置は、IPとは異なるネットワークに設置される。このようなネットワークの例として、SONET/SDHによるネットワークがある。ただし、本発明の第一の態様である伝送装置は、SONET/SDHによるネットワークに設置される場合、光伝送装置として構成される必要がある。
IP電話制御手段は、IP電話機能を実施する。具体的には、IP電話制御手段は、H.323プロトコル等、IPに基づいた電話機能を実施する。
カプセル化手段は、IP電話制御手段によって取り扱われるIPデータを、自装置が設置されるネットワーク、即ちIPとは異なるネットワークのプロトコルに応じたデータにカプセル化する。このような、IPとは異なるネットワークのプロトコルの例として、OSIがある。
送出手段は、カプセル化手段によってカプセル化されたデータを、IPとは異なるネットワークに送出する。IP電話制御手段によって取り扱われるデータはIPデータであるため、このままではIPとは異なるネットワークに送出することはできないが、カプセル化手段によってカプセル化されているデータは送出することが可能である。
受信手段は、IPとは異なるネットワークを介して、他の装置によってIPとは異なるネットワークのプロトコルに応じたデータにカプセル化されたデータを受信する。
取出手段は、受信手段によって受信されたデータから、カプセル化されているIPデータを取り出す。取出手段とカプセル化手段とが実施する処理は似ているため、この二つの手段は同一の手段によって構成されても良い。即ち、取出/カプセル化手段として構成されても良い。
IP電話制御手段は、取出手段によって取り出されたIPデータをさらに取り扱うことにより、IP電話機能を実施する。
本発明の第一の態様である伝送装置には、IP電話機能に音声を入出力する入出力手段が必要に応じて備えられても良いし、伝送装置に接続される他の装置に備えられても良い。
本発明の第一の態様によれば、IPとは異なるネットワークに設置された伝送装置間において、IP電話機能を用いた通話が実施される。このため、通話を実施する伝送装置間に設置される伝送装置の数に依存した音質の劣化を生じない通話システム(オーダーワイヤシステム)が実現される。
本発明の第一の態様は、同じネットワークに設置される他の伝送装置と通信を行うことにより、他の伝送装置への通信経路を記憶する経路記憶手段をさらに備えるように構成されても良い。
また、本発明の第一の態様は、前記ネットワークの経路に障害が生じた場合、前記経路記憶手段に記憶された経路であって障害が生じた経路を含まない経路を用いて前記カプセル化されたデータを送出するように前記送出手段を制御する経路制御手段をさらに備えるように構成されても良い。
また、本発明の第一の態様は、同じネットワークに設置される他の伝送装置と通信を行うことにより、他の伝送装置に接続されるIPネットワークに接続されるIP端末のIPアドレスを取得し、このIPアドレスと前記他の伝送装置とを対応付けて記憶するIP経路記憶手段をさらに備えるように構成されても良い。
本発明の第二の態様は、伝送装置であって、インターネット・プロトコル(IP)と異なるプロトコルに従ってデータを伝送するネットワークに収容される伝送装置であって、前記ネットワークに収容された所定の伝送装置との間に、IP関連データを転送するためのトンネルを生成するトンネル生成手段と、トンネル生成手段によって生成される1以上のトンネルを用いて、前記ネットワークに収容された他の伝送装置との連携により、前記ネットワークを介したIP電話呼を確立させる呼確立制御手段と、を含む。
FIG.1は、本発明によるオーダーワイヤシステムの基本構成を示す図であり、
FIG.2は、NEの構成の概略を示す図であり、
FIG.3は、OSIトンネルの概略を示す図であり、
FIG.4は、OSIトンネル処理部とその周囲の機能ブロックを示す図であり、
FIG.5は、OSIトンネルによりカプセル化されたH.323プロトコルのスタックを示す図であり、
FIG.6は、第一適用例におけるシステム構成を示す図であり、
FIG.7は、第一適用例における動作シーケンスを示す図であり、
FIG.8は、第二適用例におけるシステム構成を示す図であり、
FIG.9は、第三適用例におけるシステム構成を示す図であり、
FIG.10は、第四適用例におけるシステム構成を示す図であり、
FIG.11は、第四適用例における動作シーケンスを示す図であり、
FIG.12は、第五適用例におけるシステム構成を示す図であり、
FIG.13は、従来のオーダーワイヤシステムを示す図である。
FIG.2は、NEの構成の概略を示す図であり、
FIG.3は、OSIトンネルの概略を示す図であり、
FIG.4は、OSIトンネル処理部とその周囲の機能ブロックを示す図であり、
FIG.5は、OSIトンネルによりカプセル化されたH.323プロトコルのスタックを示す図であり、
FIG.6は、第一適用例におけるシステム構成を示す図であり、
FIG.7は、第一適用例における動作シーケンスを示す図であり、
FIG.8は、第二適用例におけるシステム構成を示す図であり、
FIG.9は、第三適用例におけるシステム構成を示す図であり、
FIG.10は、第四適用例におけるシステム構成を示す図であり、
FIG.11は、第四適用例における動作シーケンスを示す図であり、
FIG.12は、第五適用例におけるシステム構成を示す図であり、
FIG.13は、従来のオーダーワイヤシステムを示す図である。
次に、図を用いて本発明の実施形態における伝送装置について説明する。なお、本実施形態の説明は例示であり、本発明の構成は以下の説明に限定されない。
〔システム概要〕
図1は、本発明による伝送装置の実施形態であるNEを用いたオーダーワイヤシステムの基本的な構成例を示す図である。図1におけるオーダーワイヤシステムは、NE4(4a,4b,4c,4d),電話機5(5a,5b,5c),IP電話クライアント6,及び交換機7を用いて構成される。このオーダーワイヤシステムでは、IPによる音声通信のデータ(IP電話のデータ)がOSIプロトコルによって、光ネットワーク(SONETネットワーク)内に設置されたNEの間で送受信される。即ち、IP電話のデータが、DCC(Data Communication Channel:データ通信チャネル)通信を利用して送受信される。そして、このオーダーワイヤシステムでは、光ネットワーク内において、保守者が保守用に使用する電話回線(オーダーワイヤ)が、IP電話によって実現される。
なお、図1に示されるオーダーワイヤシステムの構成は、基本的な構成の例であり、システムへの要求に応じて、本発明の構成を逸脱しない範囲でどのように変更されても良い。このような変更の例として、後述する適用例1〜4がある。
電話機5は、従来のアナログ電話機を用いて構成される。電話機5a,5bは、それぞれNE4a,4bに接続される。電話機5cは、交換機7が設置される公衆電話網に接続される。
IP電話クライアント6は、IP電話クライアントのソフトがインストールされた情報処理装置やIP電話機などを用いて構成される。IP電話クライアント6は、NE4bと同じLANに接続される。IPクライアント6では、相手電話番号またはエイリアス名などがユーザによって指定され、他のIP電話クライアント6や電話機5との通話が実行される。
交換機7は、公衆電話網の交換機である。交換機7は、NE4dに接続された公衆電話網に設置される。
NE4は、光伝送装置を用いて構成される。NE4は、OSI自動ルーティング機能,IP電話クライアント機能を少なくとも備える。以下、NE4が備える各機能について説明する。
OSI自動ルーティング機能では、2点間を結ぶOSIトンネル(OSI tunnel)が自動的に作成される。図3はOSIトンネルの概要を示す図である。まず、図3を用いてOSIトンネルについて説明する。
ネットワーク13e,13fは、それぞれNE4e,4fに接続されるIPネットワークである。このとき、NE4e,4fは、GNE(Gateway NE)やMediated GNEを用いて構成される場合もある。また、ネットワーク13gは、NE4e及びNE4fに接続されるOSIネットワークである。このため、ネットワーク13eとネットワーク13fとは、IPでは直接接続されていない。即ち、ネットワーク13fに接続されるIPクライアント14fは、ネットワーク13eに接続されるIPサーバ14eと直接的にはIP通信を行うことができない。
OSIトンネルでは、NE4fは、IPサーバ14eのIPアドレスとNE4eのNSAPアドレス(Network Service Access Pointアドレス)とを対応付けて記憶する。これらのアドレスは、TL1コマンドにより静的に設定される。また、NE4eは、IPクライアント14fのIPアドレスとNE14fのNSAPアドレスとを対応付けて記憶する。NE4fは、IPサーバ14eのIPアドレス宛のIPパケットを受信した場合、OSIのパケット(ISO8473 CLNPにNSEL値=0x89を付加したもの)にこのIPパケットを乗せる。NE4eは、このOSIのパケットを、IPサーバ14eのIPアドレスと対応付けて記憶するNE4eのNSAPアドレス宛に、OSIを利用して送信する。NE4eは、NE4fから受信したOSIのパケットから、IPサーバ14e宛のIPパケットを取り出し、このIPパケットをネットワーク13eに送出する。そして、このIPパケットは、IPによってIPサーバ14eへ到達する。一方、IPサーバ14eからIPクライアント14fへの通信も、同様の手順によって実施される。このように、OSIトンネルでは、IPパケットがOSIパケットにカプセル化されることにより、OSIネットワークを介したIPネットワーク間で通信される。
OSI自動ルーティング機能の説明に戻る。OSI自動ルーティング機能を備える伝送装置は、OSIネットワーク内に設置された他の伝送装置がどのようなIPネットワークに接続されているかを互いに通知する。通知する情報の内容は、IPネットワークのネットワークアドレスや、その伝送装置が到達可能なIPネットワークやIP装置のアドレスなどがある。伝送装置が到達可能なIPネットワークとは、その伝送装置がIPによってデータを送信可能なIPネットワークを指す。即ち、その伝送装置がIPによってアクセス可能なIPネットワークを指す。OSI自動ルーティング機能を備える伝送装置は、通知されたこのような情報をIPルーティングテーブルに記憶する。そして、OSI自動ルーティング機能を備える伝送装置は、通知されたIPの情報を基に、必要に応じて自動的にOSIトンネルを構築する(自動OSIトンネル作成機能)。このため、OSIネットワーク内において、OSI(DCCバイト)経由でIP通信を自動的に利用することが可能となる。
次に、IP電話クライアント機能について説明する。IP電話クライアント機能を備える伝送装置は、音声データをIPを用いて通信するIP電話(IP Telephony or Voice Over IP)機能を備える。この機能は、ITU−T H.323などで規格化されており、H.323に基づいた機能の実現のためには、システムの構成としてゲートキーパー(Gatekeeper),ゲートウェイ,多地点間通信制御ユニット等が必要となる。
IP電話クライアント機能を備える伝送装置は、1台以上のゲートキーパーのアドレス又はエイリアス名が登録される。この伝送装置は、ゲートキーパーへ自分自身の登録を行い、ゲートキーパーはそのデータを登録者テーブルに登録する。この伝送装置が相手先の電話番号又はエイリアス名を用いて、自身に登録されているゲートキーパーに通話要求を行うと、ゲートキーパーは通話要求の相手先に対応するIPアドレスを登録テーブルから検索し、伝送装置へ返信する。そして、この伝送装置は、取得したIPアドレスを用いて、相手先へ接続する。相手先が公衆電話網に接続された電話機である場合は、デジタルの音声データがゲートウェイによってアナログデータに変換される。
NE4は、OSI自動ルーティング機能,IP電話クライアント機能の他にも、ゲートキーパー機能,ゲートウェイ機能,IPルーティング機能,多地点間通信機能をさらに備えるように構成されても良い。
ゲートキーパー機能とは、ITU−T H.232におけるゲートキーパーの機能であり、電話番号又はエイリアス名とIPアドレスとの変換、帯域の管理、帯域使用のための認証などを実行する。ゲートキーパー機能を実装するプロトコルはRAS(Registration,Admission,Status)プロトコル(以下、RASと呼ぶ)であり、他エンドポイント間(ゲートキーパー間を含む)で各情報要素をストリームとして伝送する。
ゲートウェイ機能とは、ITU−T H.232におけるゲートウェイの機能であり、G.711などの複数の規格に準拠したCODEC(Coder−Decoder)を持ち、音声のAD変換や呼確立の仲介などを実行する。
IPルーティング機能とは、IPパケットをIPに従ってルーティングする機能である。
多地点間通信機能とは、3以上のエンドポイント間の会議をサポートする機能である。
次に、NE4が備える機能ブロックについて説明する。図2は、NE4の構成の概略を示す図である。NE4は、ハードウェア的には、バスを介して接続されたCPU,主記憶(RAM),補助記憶装置(ハードディスク,EPROM,EEPROM,NVRAM)等を備えている。NE4は、補助記憶装置に記憶された各種のプログラム(OS,アプリケーション等)が主記憶にロードされCPUにより実行されることによって、光インタフェース部8,オーバーヘッド処理部9,フレーム受信部10,OSIトンネル処理部11,及びオーダーワイヤ処理部12等を含む装置として機能する。
光インタフェース部8は、例えばOC3等の光インタフェースカード等を用いて構成される。光インタフェース部8は、SONETネットワークに対して、データの入出力を行う。光インタフェース部8は、E1,E2をはじめとするオーバーヘッドバイトの情報,制御情報,DCCデータについての送受信を、オーバーヘッド処理部9と行う。
オーバーヘッド処理部9は、OHF48−LSI等のオーバーヘッド抽出LSIを用いて構成される。オーバーヘッド処理部9は、光インタフェース部8から受け取ったデータから、E1/E2やD1/D2等のオーバーヘッドデータを抽出する。そして、オーバーヘッド処理部9は、抽出されたオーバーヘッドデータを、オーダーワイヤ処理部12へ渡す。また、オーバーヘッド処理部9は、DCCデータをフレーム受信部10へ渡す。
フレーム受信部10は、HDLC等のフレームを受信するLSI(フレームLSI)等を用いて構成される。フレーム受信部10は、オーバーヘッド処理部9から受け取ったデータをOSIトンネル処理部11へ渡す。
OSIトンネル処理部11は、OSIトンネル処理を実行する。図4は、OSIトンネル処理部11とその周囲の機能ブロックを示す図である。OSIトンネル処理部11は、上記したOSIトンネル処理を実行するため、DCCデータ処理部15,CLNPデータ処理部16,OSI/IPリソース管理部17,OSIデータ処理部18,IPデータ取出/IPデータカプセル化部19,IPプロトコル処理部20,IP系プロトコルリソース管理部21,TCP/UDP処理部22,IP系アプリケーション処理部23,及びオーダーワイヤ処理部12を備える。
DCCデータ処理部15は、フレーム受信部10からDCCデータを受信する。
CLNPデータ処理部16は、ISO8473,ISO9542,及びISO10589を処理する。
OSI/IPリソース管理部17は、CLNPの中のデータ種別を判定し、TP4(Transport Protocol Class 4)のデータとIPのデータとを識別する。OSI/IPリソース管理部17は、現在処理待ちとなっているTP4のデータがある閾値を超えているか否かをチェックし、閾値を超えている場合には、TP4データを優先して処理する。また、ユーザは、OSI/IPリソース管理部17を設定することにより、IPデータを優先させることや、閾値を変更することが可能である。
OSIデータ処理部18は、TP4やTARP(Terminal Identifier Address Resolution Protocol)のパケットを処理する。
IPデータ取出/IPデータカプセル化部19は、DCCデータの中からIP電話に使用されるデータを取り出す。以下、IPデータ取出/IPデータカプセル化部19の処理を具体的に説明する。
図5は、OSIトンネルによりカプセル化されたH.323プロトコルのスタックを示す図である。OSIトンネル自動ルーティングプロトコルでは、OSIネットワーク上でIPルーティング情報が交換され、自動的にOSIトンネルの構築が実施される。IPデータをDCC上で転送する方法として、OSIトンネル機能と自動的にOSIトンネルを作成する機能(自動OSIトンネル作成機能)とが使用される場合、OSIトンネルによりカプセル化されたH.323プロトコルのスタックは、図5に示されるようなスタックとなる。IPデータ取出/IPデータカプセル化部19は、DCCデータからCLNS PDU(CLNS Protocol Data Unit)を抽出し、この中からIPデータを取り出す。また、IPデータ取出/IPデータカプセル化部19は、上記した処理と逆の処理を行う。即ち、IPデータ取出/IPデータカプセル化部19は、IPデータをDCCデータにカプセル化する処理も行う。
IPプロトコル処理部20は、OSIプロトコルから抽出されたIPプロトコルを処理し、IPルーティング機能を実現する。具体的には、本実施形態では、IPプロトコル処理部20は、OSI自動ルーティング機能を実現する。
IP系プロトコルリソース管理部21は、IP電話で使用されるシステムリソース(CPU時間など)を確保するため、受信したIPデータのサービス種を判定する。IP系プロトコルリソース管理部21は、受信したIPデータのサービス種がIP電話の音声データのサービスである場合、最優先で、オーダーワイヤ処理部12へこのIPデータを渡す処理を実行する(IP電話データ優先処理機能)。
一方、受信したIPデータのサービス種がIP電話の音声データ以外のサービスである場合、IP系プロトコルリソース管理部21は、このIPデータをバッファへ一時的に保管する(IP電話以外のサービスのデータ保管機能)。そして、IP系プロトコルリソース管理部21は、IP電話の音声データの処理間隔が開いた場合(通話量が少ない場合,無通話状態など)には、この間隔、即ちこの空き時間を利用して、保管されているIPデータ(即ち、IP電話の音声データ以外のサービスであるIPデータ)の処理を実行する。
また、IP系プロトコルリソース管理部21は、保管されているIPデータの保管時間が一定時間(閾値)を超えた場合、このIPデータを破棄する(保管されたデータの破棄機能)。この閾値は、ユーザによってサービス(プロトコル)毎に設定可能である。この機能により、ユーザにとって意味のあるデータのみが処理され、ユーザにとって不必要な処理が省略される。従って、システムリソースと回線の有効利用が可能となる。
TCP/UDP処理部22は、TCP(Transmission Control Protocol)及びUDP(User Datagram Protocol)プロトコルを処理する。
IP系アプリケーション処理部23は、FTP(File Transfer Protocol),Telnet,HTTP(Hypertext Transfer Protocol)等のアプリケーションプロトコルを処理する。
オーダーワイヤ処理部12は、オーダーワイヤについて処理を実行するため、H.323プロトコル処理部24,及び音声出入力部31を備える。また、H.323プロトコル処理部24は、H.323プロトコルについて処理を実行するため、RTP/RTCP処理部25,AD/DA変換処理部26,多地点間通信処理部27,RAS処理部28,H.225/Q931呼処理部29,及びH.245呼制御処理部30を備える。
RTP/RTCP処理部25は、音声データを送受信するRTP(Real−Time Transport Protocol)と、RTPを制御するRTCP(RTP Control Protocol)を処理する。
AD/DA変換処理部26は、音声データのアナログ・デジタル変換を行う。例えば、AD/DA変換処理部26は、G.711やG.723等の圧縮規格に基づいてエンコード・デコードを行う。即ち、AD/DA変換処理部26は、CODECとしても動作する。
多地点間通信処理部27は、H.323の多地点間通信の機能を実行するユニット、即ちMCU(Multipoint Control Unit)を用いて構成される。このMCUは、MP部(Multi Processor部)32,及びMC部(Multi Controller部)33を備える。
MP部32は、メディア・ストリームを処理する。MP部32は、エンド・ポイントから音声データを受信し、必要な合成、切り替え、その他の処理を実行する。そして、MP部32は、この音声データを含むストリームを多地点間通信の参加者に配信する。
MC部33は、多地点間通信を制御する。MC部33は、多地点間通信に参加している各エンド・ポイントに対してコール・パラメータの設定及び通信を行う。そして、MC部33は、マルチキャスト等の多地点間通信のリソースを制御する。
RAS処理部28は、RASについて処理を行う。即ち、RAS処理部28は、登録,通信許可,通信状態の検出について処理を行う。
H.225/Q931呼処理部29は、H.225手順を用いて回線確立処理を行う。このH.225手順は、Q931に酷似している。
H.245呼制御処理部30は、端末の能力情報やチャネル設定手順を端末間で交換することにより、呼の制御を行う。
音声出入力部31は、音声の出入力を行う。
〔第一適用例〕
〈システム構成〉
図6は、本発明による伝送装置を用いて構成されたNE4(4g,4h,4i,4j)の第一適用例、即ちNE4が適用されたオーダーワイヤシステム34aのシステム構成を示す図である。まず、図6を用いて、第一適用例におけるシステム構成について説明する。
オーダーワイヤシステム34aでは、光ネットワーク(SONET/SDH)内通信が実施される。即ち、オーダーワイヤシステム34aでは、光ネットワーク内でIP電話による通話が実施される。このため、オーダーワイヤシステム34aは、SONETネットワークを構成するNE4g,4h,4i,4j及び電話機5g,5hを用いて構成され、電話機5g,5hはそれぞれNE4g,4hに直接に接続される。この場合、NE4g,4hは、IP電話クライアントの機能を有する。また、オーダーワイヤシステム34aには、ゲートキーパー機能を有する装置が必要であり、NE4jがこの機能を備える。このゲートキーパー機能は、他のNE4によって備えられても良いし、NE4からアクセス可能であってNE4とは異なる他の装置(例えばゲートキーパー機能の専用装置)によって備えられても良い。また、NE4g,4hが備えるIP電話クライアントの機能についてのゲートキーパーへの登録は完了していると仮定する。
〈動作例〉
以下、第一適用例におけるオーダーワイヤシステム34aの動作例について、通常動作時と障害発生時とに分けて説明する。
〈〈通常動作時〉〉
図7は、第一適用例におけるオーダーワイヤシステム34aの通常動作時の動作シーケンスを示す図である。図7を用いて、第一適用例におけるオーダーワイヤシステム34aの動作例について説明する。なお、図7における動作シーケンスは、電話機5gから電話機5hへの通話が開始されるまでの動作シーケンスを示す。
まず、ユーザは、電話機5gを用いて通話相手となる電話機5hが接続されるIP電話クライアントとしてのNE4hの電話番号又はエイリアス名を、電話機5gに指定(入力)する(seq01)。
次に、NE4gは、予め自装置に登録されたゲートキーパーのIPアドレス、即ち第一適用例においてはNE4jのIPアドレスへのルートが、OSI自動ルーティング機能によって構築されたIPルーティングテーブルにあるか否かを調べる(seq02)。NE4jのIPアドレスへのルートがIPルーティングテーブルにある場合、NE4gは、自動OSIトンネル作成機能を使用して、NE4jとの間にOSIトンネルを作成する。このとき、NE4g及びNE4jにおいて、IPプロトコル処理部20が、自動OSIトンネル作成機能を実行する(seq03,seq04)。NE4jは、OSIトンネルが作成されると、作成完了ACKをNE4gに通知する。作成完了ACKとは、OSIトンネルの作成が完了したことを通知するための確認応答(Acknowledgement)である。
一方、NE4jのIPアドレスへのルートがIPルーティングテーブルに無い場合、NE4gは、電話機5gに対してエラーを通知し処理を終了する。
NE4j(ゲートキーパー)へのIPルート(OSIトンネル)が作成されると、NE4gのRAS処理部28は、RASプロトコルを使用して、NE4jに対し、通話相手(NE4h)のIPアドレスの取得依頼及び帯域使用許可依頼を実行する。このとき、NE4gは、通話相手のIPアドレスの取得依頼として、ユーザによって指定された電話番号又はエイリアス名をNE4jに対して通知する。このとき、IPデータ取出/IPデータカプセル化部19は、通信の対象となるIPデータをOSIプロトコルのCLNS PDUにカプセル化することにより、通話相手(NE4h)のIPアドレスの取得依頼及び帯域使用許可依頼を実行する(seq05)。CLNS PDUにカプセル化されたデータのプロトコルスタックは、図5に示される通りである。
NE4jは、NE4gから受信した依頼に対して、ゲートキーパーとして応答を行う。即ち、NE4jは、NE4gに対し、依頼された宛先電話番号又はエイリアス名に対応するIPアドレス(即ちNE4hのIPアドレス)、及び帯域使用許可(Admission)を通知する(seq06)。
NE4gは、NE4jから取得したIPアドレス(即ちNE4hのIPアドレス)へのルートが、OSI自動ルーティング機能で構築されたIPルーティングテーブルにあるか否かを調べる(seq07)。このIPアドレスへのルートがIPルーティングテーブルにある場合、NE4gは、自動OSIトンネル作成機能を使用して、NE4hとの間にOSIトンネルを作成する。このとき、NE4g及びNE4hにおいて、IPプロトコル処理部20が、自動OSIトンネル作成機能を実行する(seq08,seq09)。NE4hは、OSIトンネルが作成されると、作成完了ACKをNE4gに通知する。
一方、このIPアドレスへのルートがIPルーティングテーブルに無い場合、NE4gは、電話機5gに対してエラーを通知し処理を終了する。
NE4gは、作成されたOSIトンネルを通して、NE4hと、H.225手順を用いて呼の確立(コネクションの確立)を行う(seq10)。コネクション受付処理によって呼がセットアップされると(seq11)、NE4g及びNE4hは、H.245プロトコルを使用して、通信の方法(使用するCODECの規格など)を決定する(能力調整処理:seq12,seq13)。即ち、NE4gは、H.245プロトコルを使用してNE4hに対し能力調整交渉依頼を行う。そして、NE4hは、この依頼に対して、能力調整交渉回答をNE4gに行う。NE4gは、能力調整交渉回答を受信すると、通話準備が完了したと判断する(seq14)。
その後、NE4gとNE4hとにおけるIP電話クライアント機能を用いて、電話機5gと電話機5hとの間で通話が開始される(seq15)。具体的には、電話機5gから入力されたアナログ音声データがNE4gに入力される。NE4gは、音声データ作成処理を実行する(seq16)。即ち、NE4gは、能力調整処理において決定された通信の方法を用いて、NE4hとの間で音声通信を行う。例えば、NE4gは、能力調整処理において決定されたCODECの規格に従って、電話機5gから入力された音声データに対してAD変換を実行しデジタル音声データを作成するそして、NE4gは、このデジタル音声データをRTP/RTCPを用いてNE4hに送信する。一方、NE4hは、受信したデジタル音声データを、能力調整処理において決定されたCODECの規格に従ってDA変換し(音声作成処理:seq17)、アナログ音声データを作成する。そして、NE4hは、作成されたアナログ音声データを電話機5hに送信する。
〈〈障害発生時〉〉
図12は、オーダーワイヤシステム34aにおいて、障害が発生した様子を示す図である。図12を用いて、オーダーワイヤシステム34aの障害発生時の動作について説明する。
オーダーワイヤシステム34aでは、IP電話による通話中にネットワーク(SONETネットワーク)に障害が発生した際には、通話回線が救済される。ここでは、図7に示される動作後に電話機5gと電話機5hとの間でIP電話による通話が行われている際に、NE4g及びNE4hを結ぶ回線に障害(回線断など)が発生したと仮定する。
回線に障害が生じると、NE4gは、障害を生じた回線によって接続されていた隣接局(NE4h)から、ISO10589のHello PDUを受信できなくなる。従って、NE4gは、NE4hとの間の回線に障害が発生したと判断する。このため、NE4gは、自身が備えるIS−ISルーティングテーブル(Intermediate System−to−Intermediate Systemルーティングテーブル)から、回線断を生じた回線によるルート(ルート1)を削除する。このため、NE4gとNE4hとを結ぶルートは、NE4j及びNE4iを介するルート(ルート2)のみとなる。従って、CLNS PDUは、自動的に、新しいルート(ルート2)によって、NE4gからNE4hへ転送される。
〈作用/効果〉
本発明の第一適用例によれば、ユーザ(保守者)による通話がIP電話クライアント機能を用いて実現される。IP電話では、デジタルデータへエンコードされたデータは、宛先のIP電話クライアントに受信されるまでデコードされない。このため、NE(中継局)の数に応じて音質が左右されない。従って、音質の劣化を考慮する必要が無く、中継局の数を制限する必要が無くなり、利便性が向上する。
また、従来のオーダーワイヤシステムでは、音声データのリルーティングの仕組みがないため、回線に障害が発生した場合に音声データが救済できないという問題があった。しかし、本発明の第一適用例によれば、NE4はOSI自動ルーティング機能を備えるため、回線障害時の音声データのリルーティングが自動的に実施される。従って、障害の発生したルートを回避して、IP電話による通話が継続される。即ち、音声データが救済され、通話回線の信頼性が向上する。
また、従来のオーダーワイヤシステムでは、ハードウェアに対するソフトウェアの設定が煩雑であるという問題があった。しかし、本発明の第一適用例によれば、IP電話クライアント機能によって通話が実現されるため、ハードウェアに対する設定が簡易となり、ユーザによる設定操作を簡略化することが可能となる。具体的には、本発明の第一適用例によれば、DCC通信LSIのEnable設定のみが必要であり、設定の簡略化が実現されている。
また、従来のオーダーワイヤシステムでは、固定のCODEC(G.711μ−law)が使用されている。このため、異なるCODECを使用している地域(例えば欧州)における伝送装置を用いたオーダーワイヤとは接続できないという問題があった。しかし、本発明の第一適用例によれば、G.711のA−law,μ−law,G.723(ビデオに関しては、G.261,G.263)などの複数のCODECがサポートされる。従って、地域によるCODEC方式の違いを吸収することが可能であり、異なる地域の伝送網との相互乗り入れに問題が生じない。また、このため、本発明による伝送装置は、設置される地域によるローカライズも必要が無く、設置に係る作業が簡易化される。
〔第二適用例〕
〈システム構成〉
図8は、本発明による伝送装置を用いて構成されたNE4(4g,4k,4i,4j)の第二適用例、即ちNE4が適用されたオーダーワイヤシステム34bのシステム構成を示す図である。図8を用いて、第二適用例におけるシステム構成について説明する。
オーダーワイヤシステム34bでは、光ネットワーク(SONET/SDH)内に設置されるNE4gに接続される電話機5gと、インターネット内のIP電話クライアント6kとの間でIP電話による通話が実施される。このため、オーダーワイヤシステム34bは、SONETネットワークを構成するNE4g,4k,4i,4j,電話機5g,インターネットに接続されるIP電話クライアント6k,及びインターネットに接続されるIP電話ゲートキーパー35kを用いて構成される。
電話機5gはNE4gに直接に接続され、インターネットはNE4kに接続される。この場合、NE4gは、IP電話クライアントの機能を有する。また、NE4kは、IPルーティング機能を有する。また、オーダーワイヤシステム34bには、ゲートキーパー機能を有する装置が必要であり、NE4jがこの機能を備える。このゲートキーパー機能は、他のNE4によって備えられても良いし、NE4からアクセス可能であってNE4とは異なる他の装置(例えばゲートキーパー機能の専用装置:IP電話ゲートキーパー35k)によって備えられても良い。また、NE4gが備えるIP電話クライアントの機能やIP電話クライアント6kについてのゲートキーパーへの登録は完了していると仮定する。
〈動作例〉
次に、第二適用例におけるオーダーワイヤシステム34bの動作例について、第一適用例と異なる動作についてのみ説明する。このとき、第一適用例における電話機5h及びNE4kは、第二適用例におけるIP電話クライアント6kに相当する。このため、例えば第一適用例におけるseq01において、第二適用例では、ユーザはインターネット上のIP電話クライアント6kの電話番号又はエイリアス名を指定する。同様に、第一適用例における通話相手のIPアドレスは、第二適用例ではIP電話クライアント6kのIPアドレスに相当する。
第一適用例におけるseq03,seq04において、NE4j又はインターネット上に設置されたIP電話ゲートキーパー35kのIPアドレスへのルートがIPルーティングテーブルにある場合、第二適用例では、NE4gは自動OSIトンネル作成機能を使用してNE4j又はインターネット上に設置されたIP電話ゲートキーパー35kへIPデータをルート可能なNE(例えばNE4k)との間にOSIトンネルを作成する。このとき、NE4gとNE4j又はNE4kとにおいて、IPプロトコル処理部20が、自動OSIトンネル作成機能を実行する。
また、第一適用例におけるseq08,seq09において、第二適用例では、通話相手であるIP電話クライアント6kのIPアドレスへのルートがIPルーティングテーブルにある場合、NE4gは、自動OSIトンネル作成機能を使用して、IP電話クライアント6kへIPデータをルート可能な(転送可能な)NE、即ちNE4kとの間にOSIトンネルを作成する。このとき、NE4g及びNE4kにおいて、IPプロトコル処理部20が、自動OSIトンネル作成機能を実行する。
また、第一適用例におけるseq12以降の処理は、第二適用例では、第一適用例におけるNE4hの代わりにIP電話クライアント6kが、NE4gとの間で実行する。
〈作用/効果〉
従来のオーダーワイヤシステムでは、IP電話がサポートする呼確立機能がサポートされていないため、インターネットを介した通話が実現されていなかった。このため、従来は、保守者は、インターネットを介した先の保守者と通話するためには、オーダーワイヤシステムとは異なる設備(例えば携帯電話)を使用する必要があった。携帯電話などのシステムは、顧客サービス等に使用されることがあり、このような顧客回線を保守用途使用とすることは問題であった。また、携帯電話などのシステムの使用によるコスト(例えば通話料金)の増大も問題であった。
しかし、本発明の第二適用例によれば、H.323のH.225やQ.931などの標準規格を用いて通話を実現するため、インターネットとの接続が可能となる。このため、保守者は、インターネットを介した先の保守者とIP電話クライアント機能を用いて通話することが可能となり、他の設備を使用する必要がなくなる。従って、他の設備の使用に係るコストを削減することが可能となる。
〔第三適用例〕
〈システム構成〉
図9は、本発明による伝送装置を用いて構成されたNE4(4g,4l,4i,4j)の第三適用例、即ちNE4が適用されたオーダーワイヤシステム34cのシステム構成を示す図である。図9を用いて、第三適用例におけるシステム構成について説明する。
オーダーワイヤシステム34cでは、光ネットワーク(SONET/SDH)内に設置されるNE4gに接続される電話機5gと、公衆電話網内の電話機5lとの間で通話が実施される。このため、オーダーワイヤシステム34cは、SONETネットワークを構成するNE4g,4l,4i,4j,電話機5g,5l,及び公衆電話網に接続される交換機7lを用いて構成される。
電話機5gはNE4gに直接に接続され、電話機5lは交換機7lに接続される。即ち、電話機5lは、公衆電話網に接続される。この場合、NE4gは、IP電話クライアントの機能を有する。また、NE4lは、ゲートウェイ機能を有する。また、オーダーワイヤシステム34cには、ゲートキーパー機能を有する装置が必要であり、NE4jがこの機能を備える。このゲートキーパー機能は、他のNE4によって備えられても良いし、NE4からアクセス可能であってNE4とは異なる他の装置(例えばゲートキーパー機能の専用装置)によって備えられても良い。また、NE4gが備えるIP電話クライアントの機能や電話機5l等についてのゲートキーパーへの登録は完了していると仮定する。
〈動作例〉
次に、第三適用例におけるオーダーワイヤシステム34cの動作例について、第一適用例と異なる動作についてのみ説明する。このとき、第一適用例における電話機5h及びNE4kは、第三適用例における電話機5lに相当する。このため、例えば第一適用例におけるseq01において、第三適用例では、ユーザは公衆電話網上の電話機5lの電話番号を指定する。
第一適用例におけるseq03,seq04において、NE4jのIPアドレスへのルートがIPルーティングテーブルにある場合、第三適用例では、NE4gは、自動OSIトンネル作成機能を使用して、NE4jとの間にOSIトンネルを作成する。このとき、NE4g及びNE4jにおいて、IPプロトコル処理部20が、自動OSIトンネル作成機能を実行する。
また、第一適用例におけるseq05において、NE4j(ゲートキーパー)へのIPルート(OSIトンネル)が作成されると、第三適用例では、NE4gのRAS処理部28は、RASプロトコルを使用して、NE4jに対し、通話相手(電話機5l)へデータを交換可能なゲートウェイとしてのNE(NE4l)のIPアドレスの取得依頼及び帯域使用許可依頼を実行する。このとき、NE4gは、IPアドレスの取得依頼として、ユーザによって指定された電話番号をNE4jに対して通知する。
NE4jは、NE4gから受信した依頼に対して、ゲートキーパーとして応答を行う。即ち、NE4jは、NE4gに対し、依頼された宛先電話番号に対応するIPアドレス(即ちNE4lのIPアドレス)、及び帯域使用許可を通知する(seq06)。
NE4gは、NE4jから取得したIPアドレス(即ち電話機5lへデータを交換可能なゲートウェイ機能を有するNE4lのIPアドレス)へのルートが、OSI自動ルーティング機能で構築されたIPルーティングテーブルにあるか否かを調べる(seq07)。このIPアドレスへのルートがIPルーティングテーブルにある場合、NE4gは、自動OSIトンネル作成機能を使用して、NE4lとの間にOSIトンネルを作成する。このとき、NE4g及びNE4lにおいて、IPプロトコル処理部20が、自動OSIトンネル作成機能を実行する(seq08,seq09)。NE4lは、OSIトンネルが作成されると、作成完了ACKをNE4gに通知する。
また、第一適用例におけるseq10において、第三適用例では、NE4gは、作成されたOSIトンネルを通して、NE4lを経由して公衆電話網内の電話機5lと、Q.931手順を用いて呼の確立を行う。
また、第一適用例におけるseq12以降の処理は、第三適用例では、第一適用例におけるNE4hの代わりにNE4lが、NE4gとの間で実行する。
〈作用/効果〉
従来のオーダーワイヤシステムでは、公衆電話網に接続された電話機に対して電話をかけることができなかった。このため、従来は、保守者は、公衆電話網の先の保守者と通話する場合には、携帯電話などを用いる必要があり、インターネットを介した通話ができない場合と同様の問題が発生していた。
しかし、本発明の第三適用例によれば、H.323のH.225やQ.931などの標準規格を用いて通話を実現するため、公衆電話網との接続が可能となる。このため、保守者は、公衆電話網を介した先の保守者とIP電話クライアント機能を用いて通話することが可能となり、他の設備を使用する必要がなくなる。従って、他の設備の使用に係るコストを削減することが可能となる。
〔第四適用例〕
〈システム構成〉
図10は、本発明による伝送装置を用いて構成されたNE4(4g,4j,4m,4n,4p)の第四適用例、即ちNE4が適用されたオーダーワイヤシステム34dのシステム構成を示す図である。図10を用いて、第四適用例におけるシステム構成について説明する。
オーダーワイヤシステム34dでは、光ネットワーク(SONET/SDH)内において電話会議が実施される。即ち、オーダーワイヤシステム34dでは、光ネットワークにおいて、多地点間通信による音声通話が実現される。多地点間通信には、集中型と非集中型とが存在するが、第四適用例では集中型を例に説明する。ただし、本発明を用いたシステムにおける多地点間通信を、非集中型をもって構成しても良い。このような電話会議の実現のため、オーダーワイヤシステム34dは、SONETネットワークを構成するNE4g,4j,4m,4n,4p,及び電話機5g,5m,5nを用いて構成される。電話機5g,5m,5nはそれぞれNE4g,4m,4nに直接に接続される。この場合、NE4g,4m,4nは、IP電話クライアントの機能を有する。また、オーダーワイヤシステム34dには、ゲートキーパー機能を有する装置及び多地点間通信機能を有する装置(MCU)が必要であり、それぞれNE4j,NE4pがこの機能を備える。このゲートキーパー機能及び多地点間通信機能は、他のNE4によって備えられても良いし、NE4からアクセス可能であってNE4とは異なる他の装置(例えばゲートキーパー機能の専用装置や多地点間通信機能の専用装置)によって備えられても良い。また、NE4g,4m,4nが備えるIP電話クライアントの機能などについてのゲートキーパーへの登録は完了していると仮定する。
〈動作例〉
図11は、第四適用例におけるオーダーワイヤシステム34dの動作シーケンスを示す図である。図11を用いて、第四適用例におけるオーダーワイヤシステム34dの動作例について説明する。なお、図11における動作シーケンスは、電話機5gから電話機5m及び電話機5nへの電話会議が開始されるまでの動作シーケンスを示す。
まず、ユーザは、電話機5gを用いて、参加する電話会議の電話番号を電話機5gに指定(入力)する(電話会議参加要求:seq21)。
次に、NE4gは、予め自装置に登録されたゲートキーパーのIPアドレス、即ち第四適用例においてはNE4jのIPアドレスへのルートが、OSI自動ルーティング機能によって構築されたIPルーティングテーブルにあるか否かを調べる(seq22)。NE4jのIPアドレスへのルートがIPルーティングテーブルにある場合、NE4gは、自動OSIトンネル作成機能を使用して、NE4jとの間にOSIトンネルを作成する。このとき、NE4g及びNE4jにおいて、IPプロトコル処理部20が、自動OSIトンネル作成機能を実行する(seq23,seq24)。NE4jは、OSIトンネルが作成されると、作成完了ACKをNE4gに通知する。
一方、このIPアドレスへのルートがIPルーティングテーブルに無い場合、NE4gは、電話機5gに対してエラーを通知し処理を終了する。
NE4j(ゲートキーパー)へのIPルート(OSIトンネル)が作成されると、NE4gのRAS処理部28は、RASプロトコルを使用して、NE4jに対し、ユーザによって指定された電話番号に対応するIPアドレスの取得依頼及び帯域使用許可依頼を実行する。このとき、NE4gは、IPアドレスの取得依頼として、ユーザによって指定された電話番号をNE4jに対して通知する。このとき、IPデータ取出/IPデータカプセル化部19は、通信の対象となるIPデータをOSIプロトコルのCLNS PDUにカプセル化することにより、IPアドレスの取得依頼及び帯域使用許可依頼を実行する(seq25)。CLNS PDUにカプセル化されたデータのプロトコルスタックは、図5に示される通りである。
NE4jは、NE4gから受信した依頼に対して、ゲートキーパーとして応答を行う。即ち、NE4jは、NE4gに対し、依頼された電話番号に対応するIPアドレス(即ちNE4pのIPアドレス)、及び帯域使用許可(Admission)を通知する(seq26)。
NE4gは、NE4jから取得したIPアドレス(即ちNE4pのIPアドレス)へのルートが、OSI自動ルーティング機能で構築されたIPルーティングテーブルにあるか否かを調べる(seq27)。このIPアドレスへのルートがIPルーティングテーブルにある場合、NE4gは、自動OSIトンネル作成機能を使用して、NE4pとの間にOSIトンネルを作成する。このとき、NE4g及びNE4pにおいて、IPプロトコル処理部20が、自動OSIトンネル作成機能を実行する(seq28,seq29)。NE4pは、OSIトンネルが作成されると、作成完了ACKをNE4gに通知する。
一方、このIPアドレスへのルートがIPルーティングテーブルに無い場合、NE4gは、電話機5gに対してエラーを通知し処理を終了する。
NE4gは、作成されたOSIトンネルを通して、NE4pに対し、H.225手順を用いて電話会議参加要求を送信し(seq30)、多地点間通信(電話会議)用のコネクションを確立する(seq31)。
上記seq21〜seq31までの処理が、電話機5m,5n,NE4m,4nについても実行される。
各電話機5g,5m,5n及び各NE4g,4m,4nにおいて、多地点間通信用のコネクションが確立されると、各NE4g,4m,4nはNE4pと、H.245プロトコルを使用して、通信の方法(使用するCODECの規格など)を決定する(能力調整処理:seq32,seq33)。即ち、NE4g,4m,4nは、H.245プロトコルを使用してNE4pに対し能力調整交渉依頼を行う。そして、NE4pは、この依頼に対して、能力調整交渉回答をNE4g,4m,4nに行う。NE4g,4m,4nは、能力調整交渉回答を受信すると、通話準備が完了したと判断する(seq34)。
その後、NE4g,4m,4nにおけるIP電話クライアント機能を用いて各電話機5g,5m,5nにおいて、電話会議が開始する(seq35)。以下、電話会議の具体的な動作例について、電話機5gにおける動作を例に説明する。電話機5gから入力されたアナログ音声データが、NE4gに入力される。NE4gは、音声データ作成処理を実行する。例えば、NE4gは、能力調整処理において決定されたCODECの規格に従って、電話機5gから入力された音声データに対してAD変換を実行しデジタル音声データを作成する(音声データ作成処理:seq36)。そして、NE4gは、このデジタル音声データをRTP/RTCPを用いてNE4pに送信する。一方、NE4pは、受信したデジタル音声データを、能力調整処理において決定されたCODECの規格に従ってCODEC変換し、必要に応じてデータ追加処理を行う(seq37)。即ち、NE4m,4nからNE4pに送信された、電話会議における音声データがある場合には、このデータをNE4gから送信されたデータに追加する。NE4pは、このデータ(データ追加処理が実行された場合には、追加後のデータ)を、電話会議に参加している電話機5g,5m,5nが接続されたNE4に対して送信する。即ち、NE4pは、このデータをNE4g,4m,4nに対して送信する。データを受信したNE4g,4m,4nは、受信したデータを用いてアナログ音声データを作成する(seq38)。そして、NE4g,4m,4nは、作成されたアナログ音声データを、それぞれ電話機5g,5m,5nに送信する。
〈作用/効果〉
本発明の第四適用例によれば、多地点間通信機能が用いられるため、IP電話クライアント機能を用いた複数の伝送装置間での会話が可能となる。即ち、電話会議が可能となる。このため、従来のデジタルスルーとは異なり、音声の劣化を防止しつつ、複数の保守者が会話に参加することが可能となる。
〔変形例〕
本実施形態は、IP電話の方式としてITU−TのH.323に規定されたプロトコルを用いて構成されているが、他のIP電話の規格(例えばSIP)を用いて構成されても良い。
また、本実施形態におけるOSIトンネルでは、IPデータをDCCにマッピングする方法として、ISO8473で規定されているCLNS PDUにIPデータをカプセル化する方法が適用されているが、IP over DCC等の他の方法が適用されても良い。
また、第一適用例〜第四適用例において、ユーザはあらかじめNE4に接続されている電話機を使用して他方の電話機又はIP電話クライアントとの通話を行っているが、ユーザが新たに電話機をNE4に接続することにより通話を行っても良い。ただし、この場合、ユーザが新たに電話機を接続する対象となるNE4は、例えば第一適用例におけるNE4g,4hのように、IP電話クライアントの機能を備える必要がある。
〔システム概要〕
図1は、本発明による伝送装置の実施形態であるNEを用いたオーダーワイヤシステムの基本的な構成例を示す図である。図1におけるオーダーワイヤシステムは、NE4(4a,4b,4c,4d),電話機5(5a,5b,5c),IP電話クライアント6,及び交換機7を用いて構成される。このオーダーワイヤシステムでは、IPによる音声通信のデータ(IP電話のデータ)がOSIプロトコルによって、光ネットワーク(SONETネットワーク)内に設置されたNEの間で送受信される。即ち、IP電話のデータが、DCC(Data Communication Channel:データ通信チャネル)通信を利用して送受信される。そして、このオーダーワイヤシステムでは、光ネットワーク内において、保守者が保守用に使用する電話回線(オーダーワイヤ)が、IP電話によって実現される。
なお、図1に示されるオーダーワイヤシステムの構成は、基本的な構成の例であり、システムへの要求に応じて、本発明の構成を逸脱しない範囲でどのように変更されても良い。このような変更の例として、後述する適用例1〜4がある。
電話機5は、従来のアナログ電話機を用いて構成される。電話機5a,5bは、それぞれNE4a,4bに接続される。電話機5cは、交換機7が設置される公衆電話網に接続される。
IP電話クライアント6は、IP電話クライアントのソフトがインストールされた情報処理装置やIP電話機などを用いて構成される。IP電話クライアント6は、NE4bと同じLANに接続される。IPクライアント6では、相手電話番号またはエイリアス名などがユーザによって指定され、他のIP電話クライアント6や電話機5との通話が実行される。
交換機7は、公衆電話網の交換機である。交換機7は、NE4dに接続された公衆電話網に設置される。
NE4は、光伝送装置を用いて構成される。NE4は、OSI自動ルーティング機能,IP電話クライアント機能を少なくとも備える。以下、NE4が備える各機能について説明する。
OSI自動ルーティング機能では、2点間を結ぶOSIトンネル(OSI tunnel)が自動的に作成される。図3はOSIトンネルの概要を示す図である。まず、図3を用いてOSIトンネルについて説明する。
ネットワーク13e,13fは、それぞれNE4e,4fに接続されるIPネットワークである。このとき、NE4e,4fは、GNE(Gateway NE)やMediated GNEを用いて構成される場合もある。また、ネットワーク13gは、NE4e及びNE4fに接続されるOSIネットワークである。このため、ネットワーク13eとネットワーク13fとは、IPでは直接接続されていない。即ち、ネットワーク13fに接続されるIPクライアント14fは、ネットワーク13eに接続されるIPサーバ14eと直接的にはIP通信を行うことができない。
OSIトンネルでは、NE4fは、IPサーバ14eのIPアドレスとNE4eのNSAPアドレス(Network Service Access Pointアドレス)とを対応付けて記憶する。これらのアドレスは、TL1コマンドにより静的に設定される。また、NE4eは、IPクライアント14fのIPアドレスとNE14fのNSAPアドレスとを対応付けて記憶する。NE4fは、IPサーバ14eのIPアドレス宛のIPパケットを受信した場合、OSIのパケット(ISO8473 CLNPにNSEL値=0x89を付加したもの)にこのIPパケットを乗せる。NE4eは、このOSIのパケットを、IPサーバ14eのIPアドレスと対応付けて記憶するNE4eのNSAPアドレス宛に、OSIを利用して送信する。NE4eは、NE4fから受信したOSIのパケットから、IPサーバ14e宛のIPパケットを取り出し、このIPパケットをネットワーク13eに送出する。そして、このIPパケットは、IPによってIPサーバ14eへ到達する。一方、IPサーバ14eからIPクライアント14fへの通信も、同様の手順によって実施される。このように、OSIトンネルでは、IPパケットがOSIパケットにカプセル化されることにより、OSIネットワークを介したIPネットワーク間で通信される。
OSI自動ルーティング機能の説明に戻る。OSI自動ルーティング機能を備える伝送装置は、OSIネットワーク内に設置された他の伝送装置がどのようなIPネットワークに接続されているかを互いに通知する。通知する情報の内容は、IPネットワークのネットワークアドレスや、その伝送装置が到達可能なIPネットワークやIP装置のアドレスなどがある。伝送装置が到達可能なIPネットワークとは、その伝送装置がIPによってデータを送信可能なIPネットワークを指す。即ち、その伝送装置がIPによってアクセス可能なIPネットワークを指す。OSI自動ルーティング機能を備える伝送装置は、通知されたこのような情報をIPルーティングテーブルに記憶する。そして、OSI自動ルーティング機能を備える伝送装置は、通知されたIPの情報を基に、必要に応じて自動的にOSIトンネルを構築する(自動OSIトンネル作成機能)。このため、OSIネットワーク内において、OSI(DCCバイト)経由でIP通信を自動的に利用することが可能となる。
次に、IP電話クライアント機能について説明する。IP電話クライアント機能を備える伝送装置は、音声データをIPを用いて通信するIP電話(IP Telephony or Voice Over IP)機能を備える。この機能は、ITU−T H.323などで規格化されており、H.323に基づいた機能の実現のためには、システムの構成としてゲートキーパー(Gatekeeper),ゲートウェイ,多地点間通信制御ユニット等が必要となる。
IP電話クライアント機能を備える伝送装置は、1台以上のゲートキーパーのアドレス又はエイリアス名が登録される。この伝送装置は、ゲートキーパーへ自分自身の登録を行い、ゲートキーパーはそのデータを登録者テーブルに登録する。この伝送装置が相手先の電話番号又はエイリアス名を用いて、自身に登録されているゲートキーパーに通話要求を行うと、ゲートキーパーは通話要求の相手先に対応するIPアドレスを登録テーブルから検索し、伝送装置へ返信する。そして、この伝送装置は、取得したIPアドレスを用いて、相手先へ接続する。相手先が公衆電話網に接続された電話機である場合は、デジタルの音声データがゲートウェイによってアナログデータに変換される。
NE4は、OSI自動ルーティング機能,IP電話クライアント機能の他にも、ゲートキーパー機能,ゲートウェイ機能,IPルーティング機能,多地点間通信機能をさらに備えるように構成されても良い。
ゲートキーパー機能とは、ITU−T H.232におけるゲートキーパーの機能であり、電話番号又はエイリアス名とIPアドレスとの変換、帯域の管理、帯域使用のための認証などを実行する。ゲートキーパー機能を実装するプロトコルはRAS(Registration,Admission,Status)プロトコル(以下、RASと呼ぶ)であり、他エンドポイント間(ゲートキーパー間を含む)で各情報要素をストリームとして伝送する。
ゲートウェイ機能とは、ITU−T H.232におけるゲートウェイの機能であり、G.711などの複数の規格に準拠したCODEC(Coder−Decoder)を持ち、音声のAD変換や呼確立の仲介などを実行する。
IPルーティング機能とは、IPパケットをIPに従ってルーティングする機能である。
多地点間通信機能とは、3以上のエンドポイント間の会議をサポートする機能である。
次に、NE4が備える機能ブロックについて説明する。図2は、NE4の構成の概略を示す図である。NE4は、ハードウェア的には、バスを介して接続されたCPU,主記憶(RAM),補助記憶装置(ハードディスク,EPROM,EEPROM,NVRAM)等を備えている。NE4は、補助記憶装置に記憶された各種のプログラム(OS,アプリケーション等)が主記憶にロードされCPUにより実行されることによって、光インタフェース部8,オーバーヘッド処理部9,フレーム受信部10,OSIトンネル処理部11,及びオーダーワイヤ処理部12等を含む装置として機能する。
光インタフェース部8は、例えばOC3等の光インタフェースカード等を用いて構成される。光インタフェース部8は、SONETネットワークに対して、データの入出力を行う。光インタフェース部8は、E1,E2をはじめとするオーバーヘッドバイトの情報,制御情報,DCCデータについての送受信を、オーバーヘッド処理部9と行う。
オーバーヘッド処理部9は、OHF48−LSI等のオーバーヘッド抽出LSIを用いて構成される。オーバーヘッド処理部9は、光インタフェース部8から受け取ったデータから、E1/E2やD1/D2等のオーバーヘッドデータを抽出する。そして、オーバーヘッド処理部9は、抽出されたオーバーヘッドデータを、オーダーワイヤ処理部12へ渡す。また、オーバーヘッド処理部9は、DCCデータをフレーム受信部10へ渡す。
フレーム受信部10は、HDLC等のフレームを受信するLSI(フレームLSI)等を用いて構成される。フレーム受信部10は、オーバーヘッド処理部9から受け取ったデータをOSIトンネル処理部11へ渡す。
OSIトンネル処理部11は、OSIトンネル処理を実行する。図4は、OSIトンネル処理部11とその周囲の機能ブロックを示す図である。OSIトンネル処理部11は、上記したOSIトンネル処理を実行するため、DCCデータ処理部15,CLNPデータ処理部16,OSI/IPリソース管理部17,OSIデータ処理部18,IPデータ取出/IPデータカプセル化部19,IPプロトコル処理部20,IP系プロトコルリソース管理部21,TCP/UDP処理部22,IP系アプリケーション処理部23,及びオーダーワイヤ処理部12を備える。
DCCデータ処理部15は、フレーム受信部10からDCCデータを受信する。
CLNPデータ処理部16は、ISO8473,ISO9542,及びISO10589を処理する。
OSI/IPリソース管理部17は、CLNPの中のデータ種別を判定し、TP4(Transport Protocol Class 4)のデータとIPのデータとを識別する。OSI/IPリソース管理部17は、現在処理待ちとなっているTP4のデータがある閾値を超えているか否かをチェックし、閾値を超えている場合には、TP4データを優先して処理する。また、ユーザは、OSI/IPリソース管理部17を設定することにより、IPデータを優先させることや、閾値を変更することが可能である。
OSIデータ処理部18は、TP4やTARP(Terminal Identifier Address Resolution Protocol)のパケットを処理する。
IPデータ取出/IPデータカプセル化部19は、DCCデータの中からIP電話に使用されるデータを取り出す。以下、IPデータ取出/IPデータカプセル化部19の処理を具体的に説明する。
図5は、OSIトンネルによりカプセル化されたH.323プロトコルのスタックを示す図である。OSIトンネル自動ルーティングプロトコルでは、OSIネットワーク上でIPルーティング情報が交換され、自動的にOSIトンネルの構築が実施される。IPデータをDCC上で転送する方法として、OSIトンネル機能と自動的にOSIトンネルを作成する機能(自動OSIトンネル作成機能)とが使用される場合、OSIトンネルによりカプセル化されたH.323プロトコルのスタックは、図5に示されるようなスタックとなる。IPデータ取出/IPデータカプセル化部19は、DCCデータからCLNS PDU(CLNS Protocol Data Unit)を抽出し、この中からIPデータを取り出す。また、IPデータ取出/IPデータカプセル化部19は、上記した処理と逆の処理を行う。即ち、IPデータ取出/IPデータカプセル化部19は、IPデータをDCCデータにカプセル化する処理も行う。
IPプロトコル処理部20は、OSIプロトコルから抽出されたIPプロトコルを処理し、IPルーティング機能を実現する。具体的には、本実施形態では、IPプロトコル処理部20は、OSI自動ルーティング機能を実現する。
IP系プロトコルリソース管理部21は、IP電話で使用されるシステムリソース(CPU時間など)を確保するため、受信したIPデータのサービス種を判定する。IP系プロトコルリソース管理部21は、受信したIPデータのサービス種がIP電話の音声データのサービスである場合、最優先で、オーダーワイヤ処理部12へこのIPデータを渡す処理を実行する(IP電話データ優先処理機能)。
一方、受信したIPデータのサービス種がIP電話の音声データ以外のサービスである場合、IP系プロトコルリソース管理部21は、このIPデータをバッファへ一時的に保管する(IP電話以外のサービスのデータ保管機能)。そして、IP系プロトコルリソース管理部21は、IP電話の音声データの処理間隔が開いた場合(通話量が少ない場合,無通話状態など)には、この間隔、即ちこの空き時間を利用して、保管されているIPデータ(即ち、IP電話の音声データ以外のサービスであるIPデータ)の処理を実行する。
また、IP系プロトコルリソース管理部21は、保管されているIPデータの保管時間が一定時間(閾値)を超えた場合、このIPデータを破棄する(保管されたデータの破棄機能)。この閾値は、ユーザによってサービス(プロトコル)毎に設定可能である。この機能により、ユーザにとって意味のあるデータのみが処理され、ユーザにとって不必要な処理が省略される。従って、システムリソースと回線の有効利用が可能となる。
TCP/UDP処理部22は、TCP(Transmission Control Protocol)及びUDP(User Datagram Protocol)プロトコルを処理する。
IP系アプリケーション処理部23は、FTP(File Transfer Protocol),Telnet,HTTP(Hypertext Transfer Protocol)等のアプリケーションプロトコルを処理する。
オーダーワイヤ処理部12は、オーダーワイヤについて処理を実行するため、H.323プロトコル処理部24,及び音声出入力部31を備える。また、H.323プロトコル処理部24は、H.323プロトコルについて処理を実行するため、RTP/RTCP処理部25,AD/DA変換処理部26,多地点間通信処理部27,RAS処理部28,H.225/Q931呼処理部29,及びH.245呼制御処理部30を備える。
RTP/RTCP処理部25は、音声データを送受信するRTP(Real−Time Transport Protocol)と、RTPを制御するRTCP(RTP Control Protocol)を処理する。
AD/DA変換処理部26は、音声データのアナログ・デジタル変換を行う。例えば、AD/DA変換処理部26は、G.711やG.723等の圧縮規格に基づいてエンコード・デコードを行う。即ち、AD/DA変換処理部26は、CODECとしても動作する。
多地点間通信処理部27は、H.323の多地点間通信の機能を実行するユニット、即ちMCU(Multipoint Control Unit)を用いて構成される。このMCUは、MP部(Multi Processor部)32,及びMC部(Multi Controller部)33を備える。
MP部32は、メディア・ストリームを処理する。MP部32は、エンド・ポイントから音声データを受信し、必要な合成、切り替え、その他の処理を実行する。そして、MP部32は、この音声データを含むストリームを多地点間通信の参加者に配信する。
MC部33は、多地点間通信を制御する。MC部33は、多地点間通信に参加している各エンド・ポイントに対してコール・パラメータの設定及び通信を行う。そして、MC部33は、マルチキャスト等の多地点間通信のリソースを制御する。
RAS処理部28は、RASについて処理を行う。即ち、RAS処理部28は、登録,通信許可,通信状態の検出について処理を行う。
H.225/Q931呼処理部29は、H.225手順を用いて回線確立処理を行う。このH.225手順は、Q931に酷似している。
H.245呼制御処理部30は、端末の能力情報やチャネル設定手順を端末間で交換することにより、呼の制御を行う。
音声出入力部31は、音声の出入力を行う。
〔第一適用例〕
〈システム構成〉
図6は、本発明による伝送装置を用いて構成されたNE4(4g,4h,4i,4j)の第一適用例、即ちNE4が適用されたオーダーワイヤシステム34aのシステム構成を示す図である。まず、図6を用いて、第一適用例におけるシステム構成について説明する。
オーダーワイヤシステム34aでは、光ネットワーク(SONET/SDH)内通信が実施される。即ち、オーダーワイヤシステム34aでは、光ネットワーク内でIP電話による通話が実施される。このため、オーダーワイヤシステム34aは、SONETネットワークを構成するNE4g,4h,4i,4j及び電話機5g,5hを用いて構成され、電話機5g,5hはそれぞれNE4g,4hに直接に接続される。この場合、NE4g,4hは、IP電話クライアントの機能を有する。また、オーダーワイヤシステム34aには、ゲートキーパー機能を有する装置が必要であり、NE4jがこの機能を備える。このゲートキーパー機能は、他のNE4によって備えられても良いし、NE4からアクセス可能であってNE4とは異なる他の装置(例えばゲートキーパー機能の専用装置)によって備えられても良い。また、NE4g,4hが備えるIP電話クライアントの機能についてのゲートキーパーへの登録は完了していると仮定する。
〈動作例〉
以下、第一適用例におけるオーダーワイヤシステム34aの動作例について、通常動作時と障害発生時とに分けて説明する。
〈〈通常動作時〉〉
図7は、第一適用例におけるオーダーワイヤシステム34aの通常動作時の動作シーケンスを示す図である。図7を用いて、第一適用例におけるオーダーワイヤシステム34aの動作例について説明する。なお、図7における動作シーケンスは、電話機5gから電話機5hへの通話が開始されるまでの動作シーケンスを示す。
まず、ユーザは、電話機5gを用いて通話相手となる電話機5hが接続されるIP電話クライアントとしてのNE4hの電話番号又はエイリアス名を、電話機5gに指定(入力)する(seq01)。
次に、NE4gは、予め自装置に登録されたゲートキーパーのIPアドレス、即ち第一適用例においてはNE4jのIPアドレスへのルートが、OSI自動ルーティング機能によって構築されたIPルーティングテーブルにあるか否かを調べる(seq02)。NE4jのIPアドレスへのルートがIPルーティングテーブルにある場合、NE4gは、自動OSIトンネル作成機能を使用して、NE4jとの間にOSIトンネルを作成する。このとき、NE4g及びNE4jにおいて、IPプロトコル処理部20が、自動OSIトンネル作成機能を実行する(seq03,seq04)。NE4jは、OSIトンネルが作成されると、作成完了ACKをNE4gに通知する。作成完了ACKとは、OSIトンネルの作成が完了したことを通知するための確認応答(Acknowledgement)である。
一方、NE4jのIPアドレスへのルートがIPルーティングテーブルに無い場合、NE4gは、電話機5gに対してエラーを通知し処理を終了する。
NE4j(ゲートキーパー)へのIPルート(OSIトンネル)が作成されると、NE4gのRAS処理部28は、RASプロトコルを使用して、NE4jに対し、通話相手(NE4h)のIPアドレスの取得依頼及び帯域使用許可依頼を実行する。このとき、NE4gは、通話相手のIPアドレスの取得依頼として、ユーザによって指定された電話番号又はエイリアス名をNE4jに対して通知する。このとき、IPデータ取出/IPデータカプセル化部19は、通信の対象となるIPデータをOSIプロトコルのCLNS PDUにカプセル化することにより、通話相手(NE4h)のIPアドレスの取得依頼及び帯域使用許可依頼を実行する(seq05)。CLNS PDUにカプセル化されたデータのプロトコルスタックは、図5に示される通りである。
NE4jは、NE4gから受信した依頼に対して、ゲートキーパーとして応答を行う。即ち、NE4jは、NE4gに対し、依頼された宛先電話番号又はエイリアス名に対応するIPアドレス(即ちNE4hのIPアドレス)、及び帯域使用許可(Admission)を通知する(seq06)。
NE4gは、NE4jから取得したIPアドレス(即ちNE4hのIPアドレス)へのルートが、OSI自動ルーティング機能で構築されたIPルーティングテーブルにあるか否かを調べる(seq07)。このIPアドレスへのルートがIPルーティングテーブルにある場合、NE4gは、自動OSIトンネル作成機能を使用して、NE4hとの間にOSIトンネルを作成する。このとき、NE4g及びNE4hにおいて、IPプロトコル処理部20が、自動OSIトンネル作成機能を実行する(seq08,seq09)。NE4hは、OSIトンネルが作成されると、作成完了ACKをNE4gに通知する。
一方、このIPアドレスへのルートがIPルーティングテーブルに無い場合、NE4gは、電話機5gに対してエラーを通知し処理を終了する。
NE4gは、作成されたOSIトンネルを通して、NE4hと、H.225手順を用いて呼の確立(コネクションの確立)を行う(seq10)。コネクション受付処理によって呼がセットアップされると(seq11)、NE4g及びNE4hは、H.245プロトコルを使用して、通信の方法(使用するCODECの規格など)を決定する(能力調整処理:seq12,seq13)。即ち、NE4gは、H.245プロトコルを使用してNE4hに対し能力調整交渉依頼を行う。そして、NE4hは、この依頼に対して、能力調整交渉回答をNE4gに行う。NE4gは、能力調整交渉回答を受信すると、通話準備が完了したと判断する(seq14)。
その後、NE4gとNE4hとにおけるIP電話クライアント機能を用いて、電話機5gと電話機5hとの間で通話が開始される(seq15)。具体的には、電話機5gから入力されたアナログ音声データがNE4gに入力される。NE4gは、音声データ作成処理を実行する(seq16)。即ち、NE4gは、能力調整処理において決定された通信の方法を用いて、NE4hとの間で音声通信を行う。例えば、NE4gは、能力調整処理において決定されたCODECの規格に従って、電話機5gから入力された音声データに対してAD変換を実行しデジタル音声データを作成するそして、NE4gは、このデジタル音声データをRTP/RTCPを用いてNE4hに送信する。一方、NE4hは、受信したデジタル音声データを、能力調整処理において決定されたCODECの規格に従ってDA変換し(音声作成処理:seq17)、アナログ音声データを作成する。そして、NE4hは、作成されたアナログ音声データを電話機5hに送信する。
〈〈障害発生時〉〉
図12は、オーダーワイヤシステム34aにおいて、障害が発生した様子を示す図である。図12を用いて、オーダーワイヤシステム34aの障害発生時の動作について説明する。
オーダーワイヤシステム34aでは、IP電話による通話中にネットワーク(SONETネットワーク)に障害が発生した際には、通話回線が救済される。ここでは、図7に示される動作後に電話機5gと電話機5hとの間でIP電話による通話が行われている際に、NE4g及びNE4hを結ぶ回線に障害(回線断など)が発生したと仮定する。
回線に障害が生じると、NE4gは、障害を生じた回線によって接続されていた隣接局(NE4h)から、ISO10589のHello PDUを受信できなくなる。従って、NE4gは、NE4hとの間の回線に障害が発生したと判断する。このため、NE4gは、自身が備えるIS−ISルーティングテーブル(Intermediate System−to−Intermediate Systemルーティングテーブル)から、回線断を生じた回線によるルート(ルート1)を削除する。このため、NE4gとNE4hとを結ぶルートは、NE4j及びNE4iを介するルート(ルート2)のみとなる。従って、CLNS PDUは、自動的に、新しいルート(ルート2)によって、NE4gからNE4hへ転送される。
〈作用/効果〉
本発明の第一適用例によれば、ユーザ(保守者)による通話がIP電話クライアント機能を用いて実現される。IP電話では、デジタルデータへエンコードされたデータは、宛先のIP電話クライアントに受信されるまでデコードされない。このため、NE(中継局)の数に応じて音質が左右されない。従って、音質の劣化を考慮する必要が無く、中継局の数を制限する必要が無くなり、利便性が向上する。
また、従来のオーダーワイヤシステムでは、音声データのリルーティングの仕組みがないため、回線に障害が発生した場合に音声データが救済できないという問題があった。しかし、本発明の第一適用例によれば、NE4はOSI自動ルーティング機能を備えるため、回線障害時の音声データのリルーティングが自動的に実施される。従って、障害の発生したルートを回避して、IP電話による通話が継続される。即ち、音声データが救済され、通話回線の信頼性が向上する。
また、従来のオーダーワイヤシステムでは、ハードウェアに対するソフトウェアの設定が煩雑であるという問題があった。しかし、本発明の第一適用例によれば、IP電話クライアント機能によって通話が実現されるため、ハードウェアに対する設定が簡易となり、ユーザによる設定操作を簡略化することが可能となる。具体的には、本発明の第一適用例によれば、DCC通信LSIのEnable設定のみが必要であり、設定の簡略化が実現されている。
また、従来のオーダーワイヤシステムでは、固定のCODEC(G.711μ−law)が使用されている。このため、異なるCODECを使用している地域(例えば欧州)における伝送装置を用いたオーダーワイヤとは接続できないという問題があった。しかし、本発明の第一適用例によれば、G.711のA−law,μ−law,G.723(ビデオに関しては、G.261,G.263)などの複数のCODECがサポートされる。従って、地域によるCODEC方式の違いを吸収することが可能であり、異なる地域の伝送網との相互乗り入れに問題が生じない。また、このため、本発明による伝送装置は、設置される地域によるローカライズも必要が無く、設置に係る作業が簡易化される。
〔第二適用例〕
〈システム構成〉
図8は、本発明による伝送装置を用いて構成されたNE4(4g,4k,4i,4j)の第二適用例、即ちNE4が適用されたオーダーワイヤシステム34bのシステム構成を示す図である。図8を用いて、第二適用例におけるシステム構成について説明する。
オーダーワイヤシステム34bでは、光ネットワーク(SONET/SDH)内に設置されるNE4gに接続される電話機5gと、インターネット内のIP電話クライアント6kとの間でIP電話による通話が実施される。このため、オーダーワイヤシステム34bは、SONETネットワークを構成するNE4g,4k,4i,4j,電話機5g,インターネットに接続されるIP電話クライアント6k,及びインターネットに接続されるIP電話ゲートキーパー35kを用いて構成される。
電話機5gはNE4gに直接に接続され、インターネットはNE4kに接続される。この場合、NE4gは、IP電話クライアントの機能を有する。また、NE4kは、IPルーティング機能を有する。また、オーダーワイヤシステム34bには、ゲートキーパー機能を有する装置が必要であり、NE4jがこの機能を備える。このゲートキーパー機能は、他のNE4によって備えられても良いし、NE4からアクセス可能であってNE4とは異なる他の装置(例えばゲートキーパー機能の専用装置:IP電話ゲートキーパー35k)によって備えられても良い。また、NE4gが備えるIP電話クライアントの機能やIP電話クライアント6kについてのゲートキーパーへの登録は完了していると仮定する。
〈動作例〉
次に、第二適用例におけるオーダーワイヤシステム34bの動作例について、第一適用例と異なる動作についてのみ説明する。このとき、第一適用例における電話機5h及びNE4kは、第二適用例におけるIP電話クライアント6kに相当する。このため、例えば第一適用例におけるseq01において、第二適用例では、ユーザはインターネット上のIP電話クライアント6kの電話番号又はエイリアス名を指定する。同様に、第一適用例における通話相手のIPアドレスは、第二適用例ではIP電話クライアント6kのIPアドレスに相当する。
第一適用例におけるseq03,seq04において、NE4j又はインターネット上に設置されたIP電話ゲートキーパー35kのIPアドレスへのルートがIPルーティングテーブルにある場合、第二適用例では、NE4gは自動OSIトンネル作成機能を使用してNE4j又はインターネット上に設置されたIP電話ゲートキーパー35kへIPデータをルート可能なNE(例えばNE4k)との間にOSIトンネルを作成する。このとき、NE4gとNE4j又はNE4kとにおいて、IPプロトコル処理部20が、自動OSIトンネル作成機能を実行する。
また、第一適用例におけるseq08,seq09において、第二適用例では、通話相手であるIP電話クライアント6kのIPアドレスへのルートがIPルーティングテーブルにある場合、NE4gは、自動OSIトンネル作成機能を使用して、IP電話クライアント6kへIPデータをルート可能な(転送可能な)NE、即ちNE4kとの間にOSIトンネルを作成する。このとき、NE4g及びNE4kにおいて、IPプロトコル処理部20が、自動OSIトンネル作成機能を実行する。
また、第一適用例におけるseq12以降の処理は、第二適用例では、第一適用例におけるNE4hの代わりにIP電話クライアント6kが、NE4gとの間で実行する。
〈作用/効果〉
従来のオーダーワイヤシステムでは、IP電話がサポートする呼確立機能がサポートされていないため、インターネットを介した通話が実現されていなかった。このため、従来は、保守者は、インターネットを介した先の保守者と通話するためには、オーダーワイヤシステムとは異なる設備(例えば携帯電話)を使用する必要があった。携帯電話などのシステムは、顧客サービス等に使用されることがあり、このような顧客回線を保守用途使用とすることは問題であった。また、携帯電話などのシステムの使用によるコスト(例えば通話料金)の増大も問題であった。
しかし、本発明の第二適用例によれば、H.323のH.225やQ.931などの標準規格を用いて通話を実現するため、インターネットとの接続が可能となる。このため、保守者は、インターネットを介した先の保守者とIP電話クライアント機能を用いて通話することが可能となり、他の設備を使用する必要がなくなる。従って、他の設備の使用に係るコストを削減することが可能となる。
〔第三適用例〕
〈システム構成〉
図9は、本発明による伝送装置を用いて構成されたNE4(4g,4l,4i,4j)の第三適用例、即ちNE4が適用されたオーダーワイヤシステム34cのシステム構成を示す図である。図9を用いて、第三適用例におけるシステム構成について説明する。
オーダーワイヤシステム34cでは、光ネットワーク(SONET/SDH)内に設置されるNE4gに接続される電話機5gと、公衆電話網内の電話機5lとの間で通話が実施される。このため、オーダーワイヤシステム34cは、SONETネットワークを構成するNE4g,4l,4i,4j,電話機5g,5l,及び公衆電話網に接続される交換機7lを用いて構成される。
電話機5gはNE4gに直接に接続され、電話機5lは交換機7lに接続される。即ち、電話機5lは、公衆電話網に接続される。この場合、NE4gは、IP電話クライアントの機能を有する。また、NE4lは、ゲートウェイ機能を有する。また、オーダーワイヤシステム34cには、ゲートキーパー機能を有する装置が必要であり、NE4jがこの機能を備える。このゲートキーパー機能は、他のNE4によって備えられても良いし、NE4からアクセス可能であってNE4とは異なる他の装置(例えばゲートキーパー機能の専用装置)によって備えられても良い。また、NE4gが備えるIP電話クライアントの機能や電話機5l等についてのゲートキーパーへの登録は完了していると仮定する。
〈動作例〉
次に、第三適用例におけるオーダーワイヤシステム34cの動作例について、第一適用例と異なる動作についてのみ説明する。このとき、第一適用例における電話機5h及びNE4kは、第三適用例における電話機5lに相当する。このため、例えば第一適用例におけるseq01において、第三適用例では、ユーザは公衆電話網上の電話機5lの電話番号を指定する。
第一適用例におけるseq03,seq04において、NE4jのIPアドレスへのルートがIPルーティングテーブルにある場合、第三適用例では、NE4gは、自動OSIトンネル作成機能を使用して、NE4jとの間にOSIトンネルを作成する。このとき、NE4g及びNE4jにおいて、IPプロトコル処理部20が、自動OSIトンネル作成機能を実行する。
また、第一適用例におけるseq05において、NE4j(ゲートキーパー)へのIPルート(OSIトンネル)が作成されると、第三適用例では、NE4gのRAS処理部28は、RASプロトコルを使用して、NE4jに対し、通話相手(電話機5l)へデータを交換可能なゲートウェイとしてのNE(NE4l)のIPアドレスの取得依頼及び帯域使用許可依頼を実行する。このとき、NE4gは、IPアドレスの取得依頼として、ユーザによって指定された電話番号をNE4jに対して通知する。
NE4jは、NE4gから受信した依頼に対して、ゲートキーパーとして応答を行う。即ち、NE4jは、NE4gに対し、依頼された宛先電話番号に対応するIPアドレス(即ちNE4lのIPアドレス)、及び帯域使用許可を通知する(seq06)。
NE4gは、NE4jから取得したIPアドレス(即ち電話機5lへデータを交換可能なゲートウェイ機能を有するNE4lのIPアドレス)へのルートが、OSI自動ルーティング機能で構築されたIPルーティングテーブルにあるか否かを調べる(seq07)。このIPアドレスへのルートがIPルーティングテーブルにある場合、NE4gは、自動OSIトンネル作成機能を使用して、NE4lとの間にOSIトンネルを作成する。このとき、NE4g及びNE4lにおいて、IPプロトコル処理部20が、自動OSIトンネル作成機能を実行する(seq08,seq09)。NE4lは、OSIトンネルが作成されると、作成完了ACKをNE4gに通知する。
また、第一適用例におけるseq10において、第三適用例では、NE4gは、作成されたOSIトンネルを通して、NE4lを経由して公衆電話網内の電話機5lと、Q.931手順を用いて呼の確立を行う。
また、第一適用例におけるseq12以降の処理は、第三適用例では、第一適用例におけるNE4hの代わりにNE4lが、NE4gとの間で実行する。
〈作用/効果〉
従来のオーダーワイヤシステムでは、公衆電話網に接続された電話機に対して電話をかけることができなかった。このため、従来は、保守者は、公衆電話網の先の保守者と通話する場合には、携帯電話などを用いる必要があり、インターネットを介した通話ができない場合と同様の問題が発生していた。
しかし、本発明の第三適用例によれば、H.323のH.225やQ.931などの標準規格を用いて通話を実現するため、公衆電話網との接続が可能となる。このため、保守者は、公衆電話網を介した先の保守者とIP電話クライアント機能を用いて通話することが可能となり、他の設備を使用する必要がなくなる。従って、他の設備の使用に係るコストを削減することが可能となる。
〔第四適用例〕
〈システム構成〉
図10は、本発明による伝送装置を用いて構成されたNE4(4g,4j,4m,4n,4p)の第四適用例、即ちNE4が適用されたオーダーワイヤシステム34dのシステム構成を示す図である。図10を用いて、第四適用例におけるシステム構成について説明する。
オーダーワイヤシステム34dでは、光ネットワーク(SONET/SDH)内において電話会議が実施される。即ち、オーダーワイヤシステム34dでは、光ネットワークにおいて、多地点間通信による音声通話が実現される。多地点間通信には、集中型と非集中型とが存在するが、第四適用例では集中型を例に説明する。ただし、本発明を用いたシステムにおける多地点間通信を、非集中型をもって構成しても良い。このような電話会議の実現のため、オーダーワイヤシステム34dは、SONETネットワークを構成するNE4g,4j,4m,4n,4p,及び電話機5g,5m,5nを用いて構成される。電話機5g,5m,5nはそれぞれNE4g,4m,4nに直接に接続される。この場合、NE4g,4m,4nは、IP電話クライアントの機能を有する。また、オーダーワイヤシステム34dには、ゲートキーパー機能を有する装置及び多地点間通信機能を有する装置(MCU)が必要であり、それぞれNE4j,NE4pがこの機能を備える。このゲートキーパー機能及び多地点間通信機能は、他のNE4によって備えられても良いし、NE4からアクセス可能であってNE4とは異なる他の装置(例えばゲートキーパー機能の専用装置や多地点間通信機能の専用装置)によって備えられても良い。また、NE4g,4m,4nが備えるIP電話クライアントの機能などについてのゲートキーパーへの登録は完了していると仮定する。
〈動作例〉
図11は、第四適用例におけるオーダーワイヤシステム34dの動作シーケンスを示す図である。図11を用いて、第四適用例におけるオーダーワイヤシステム34dの動作例について説明する。なお、図11における動作シーケンスは、電話機5gから電話機5m及び電話機5nへの電話会議が開始されるまでの動作シーケンスを示す。
まず、ユーザは、電話機5gを用いて、参加する電話会議の電話番号を電話機5gに指定(入力)する(電話会議参加要求:seq21)。
次に、NE4gは、予め自装置に登録されたゲートキーパーのIPアドレス、即ち第四適用例においてはNE4jのIPアドレスへのルートが、OSI自動ルーティング機能によって構築されたIPルーティングテーブルにあるか否かを調べる(seq22)。NE4jのIPアドレスへのルートがIPルーティングテーブルにある場合、NE4gは、自動OSIトンネル作成機能を使用して、NE4jとの間にOSIトンネルを作成する。このとき、NE4g及びNE4jにおいて、IPプロトコル処理部20が、自動OSIトンネル作成機能を実行する(seq23,seq24)。NE4jは、OSIトンネルが作成されると、作成完了ACKをNE4gに通知する。
一方、このIPアドレスへのルートがIPルーティングテーブルに無い場合、NE4gは、電話機5gに対してエラーを通知し処理を終了する。
NE4j(ゲートキーパー)へのIPルート(OSIトンネル)が作成されると、NE4gのRAS処理部28は、RASプロトコルを使用して、NE4jに対し、ユーザによって指定された電話番号に対応するIPアドレスの取得依頼及び帯域使用許可依頼を実行する。このとき、NE4gは、IPアドレスの取得依頼として、ユーザによって指定された電話番号をNE4jに対して通知する。このとき、IPデータ取出/IPデータカプセル化部19は、通信の対象となるIPデータをOSIプロトコルのCLNS PDUにカプセル化することにより、IPアドレスの取得依頼及び帯域使用許可依頼を実行する(seq25)。CLNS PDUにカプセル化されたデータのプロトコルスタックは、図5に示される通りである。
NE4jは、NE4gから受信した依頼に対して、ゲートキーパーとして応答を行う。即ち、NE4jは、NE4gに対し、依頼された電話番号に対応するIPアドレス(即ちNE4pのIPアドレス)、及び帯域使用許可(Admission)を通知する(seq26)。
NE4gは、NE4jから取得したIPアドレス(即ちNE4pのIPアドレス)へのルートが、OSI自動ルーティング機能で構築されたIPルーティングテーブルにあるか否かを調べる(seq27)。このIPアドレスへのルートがIPルーティングテーブルにある場合、NE4gは、自動OSIトンネル作成機能を使用して、NE4pとの間にOSIトンネルを作成する。このとき、NE4g及びNE4pにおいて、IPプロトコル処理部20が、自動OSIトンネル作成機能を実行する(seq28,seq29)。NE4pは、OSIトンネルが作成されると、作成完了ACKをNE4gに通知する。
一方、このIPアドレスへのルートがIPルーティングテーブルに無い場合、NE4gは、電話機5gに対してエラーを通知し処理を終了する。
NE4gは、作成されたOSIトンネルを通して、NE4pに対し、H.225手順を用いて電話会議参加要求を送信し(seq30)、多地点間通信(電話会議)用のコネクションを確立する(seq31)。
上記seq21〜seq31までの処理が、電話機5m,5n,NE4m,4nについても実行される。
各電話機5g,5m,5n及び各NE4g,4m,4nにおいて、多地点間通信用のコネクションが確立されると、各NE4g,4m,4nはNE4pと、H.245プロトコルを使用して、通信の方法(使用するCODECの規格など)を決定する(能力調整処理:seq32,seq33)。即ち、NE4g,4m,4nは、H.245プロトコルを使用してNE4pに対し能力調整交渉依頼を行う。そして、NE4pは、この依頼に対して、能力調整交渉回答をNE4g,4m,4nに行う。NE4g,4m,4nは、能力調整交渉回答を受信すると、通話準備が完了したと判断する(seq34)。
その後、NE4g,4m,4nにおけるIP電話クライアント機能を用いて各電話機5g,5m,5nにおいて、電話会議が開始する(seq35)。以下、電話会議の具体的な動作例について、電話機5gにおける動作を例に説明する。電話機5gから入力されたアナログ音声データが、NE4gに入力される。NE4gは、音声データ作成処理を実行する。例えば、NE4gは、能力調整処理において決定されたCODECの規格に従って、電話機5gから入力された音声データに対してAD変換を実行しデジタル音声データを作成する(音声データ作成処理:seq36)。そして、NE4gは、このデジタル音声データをRTP/RTCPを用いてNE4pに送信する。一方、NE4pは、受信したデジタル音声データを、能力調整処理において決定されたCODECの規格に従ってCODEC変換し、必要に応じてデータ追加処理を行う(seq37)。即ち、NE4m,4nからNE4pに送信された、電話会議における音声データがある場合には、このデータをNE4gから送信されたデータに追加する。NE4pは、このデータ(データ追加処理が実行された場合には、追加後のデータ)を、電話会議に参加している電話機5g,5m,5nが接続されたNE4に対して送信する。即ち、NE4pは、このデータをNE4g,4m,4nに対して送信する。データを受信したNE4g,4m,4nは、受信したデータを用いてアナログ音声データを作成する(seq38)。そして、NE4g,4m,4nは、作成されたアナログ音声データを、それぞれ電話機5g,5m,5nに送信する。
〈作用/効果〉
本発明の第四適用例によれば、多地点間通信機能が用いられるため、IP電話クライアント機能を用いた複数の伝送装置間での会話が可能となる。即ち、電話会議が可能となる。このため、従来のデジタルスルーとは異なり、音声の劣化を防止しつつ、複数の保守者が会話に参加することが可能となる。
〔変形例〕
本実施形態は、IP電話の方式としてITU−TのH.323に規定されたプロトコルを用いて構成されているが、他のIP電話の規格(例えばSIP)を用いて構成されても良い。
また、本実施形態におけるOSIトンネルでは、IPデータをDCCにマッピングする方法として、ISO8473で規定されているCLNS PDUにIPデータをカプセル化する方法が適用されているが、IP over DCC等の他の方法が適用されても良い。
また、第一適用例〜第四適用例において、ユーザはあらかじめNE4に接続されている電話機を使用して他方の電話機又はIP電話クライアントとの通話を行っているが、ユーザが新たに電話機をNE4に接続することにより通話を行っても良い。ただし、この場合、ユーザが新たに電話機を接続する対象となるNE4は、例えば第一適用例におけるNE4g,4hのように、IP電話クライアントの機能を備える必要がある。
本発明は、ネットワークの保守、ネットワークに接続される設備の保守などのサービスを提供する産業に適用可能である。
Claims (12)
- インターネット・プロトコル(IP)とは異なるネットワークに設置される伝送装置であって、
音声の情報を含むIPデータを取り扱うことにより、IP電話機能を実施するIP電話制御手段と、
前記IP電話制御手段によって取り扱われるIPデータを、自装置が設置されるネットワークのプロトコルに応じたデータにカプセル化するカプセル化手段と、
前記カプセル化手段によってカプセル化されたデータを前記ネットワークに送出する送出手段と、
他の伝送装置が備える前記カプセル化手段によってカプセル化されたデータを、前記ネットワークを介して受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信されたデータからIPデータを取り出す取出手段と
を備える伝送装置。 - インターネット・プロトコル(IP)とは異なるネットワークとIPネットワークとの境界に設置される伝送装置であって、
前記IPネットワークとIPデータを送受信するIPデータ送受信手段と、
前記IPネットワークから受信されたIPデータを前記IPとは異なるネットワークのプロトコルに応じたデータにカプセル化するカプセル化手段と、
前記カプセル化手段によってカプセル化されたデータを前記IPとは異なるネットワークに送出する送出手段と、
他の装置によって前記IPとは異なるネットワークのプロトコルに応じたデータにカプセル化されたデータを、前記IPとは異なるネットワークを介して受信する受信手段と、
前記IPとは異なるネットワークから受信されたデータからIPデータを取り出す取出手段と、
前記取出手段から取り出されたIPデータを前記IPネットワークに対してルーティングするIPルーティング手段と
を備える伝送装置。 - インターネット・プロトコル(IP)とは異なるネットワークと公衆電話網との境界に設置される伝送装置であって、
前記公衆電話網とアナログデータを送受信する送受信手段と、
前記公衆電話網から受信されたアナログデータとIP電話機能において使用されるデータとを相互に変換するデータ変換手段と、
前記IP電話機能において使用されるデータを前記IPとは異なるネットワークのプロトコルに応じたデータにカプセル化するカプセル化手段と、
前記カプセル化手段によってカプセル化されたデータを前記IPとは異なるネットワークに送出する送出手段と、
他の装置によって前記IPとは異なるネットワークのプロトコルに応じたデータにカプセル化されたデータを、前記IPとは異なるネットワークを介して受信する受信手段と、
前記IPとは異なるネットワークから受信されたデータから前記IP電話機能において使用されるデータを取り出す取出手段と
を備える伝送装置。 - インターネット・プロトコル(IP)とは異なるネットワークに設置される伝送装置であって、
多地点間におけるIP電話機能を制御する多地点間制御手段と、
前記多地点間制御手段によって取り扱われるIPデータを、前記IPとは異なるネットワークのプロトコルに応じたデータにカプセル化するカプセル化手段と、
前記カプセル化手段によってカプセル化されたデータを前記IPとは異なるネットワークに送出する送出手段と、
他の装置によって前記IPとは異なるネットワークのプロトコルに応じたデータにカプセル化されたデータを前記IPとは異なるネットワークを介して受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信されたデータからIPデータを取り出す取出手段と
を備える伝送装置。 - 同じネットワークに設置される他の伝送装置と通信を行うことにより、他の伝送装置への通信経路を記憶する経路記憶手段をさらに備える請求の範囲1〜4のいずれかに記載の伝送装置。
- 前記ネットワークの経路に障害が生じた場合、前記経路記憶手段に記憶された経路であって障害が生じた経路を含まない経路を用いて前記カプセル化されたデータを送出するように前記送出手段を制御する経路制御手段をさらに備える請求の範囲5に記載の伝送装置。
- 同じネットワークに設置される他の伝送装置と通信を行うことにより、他の伝送装置に接続されるIPネットワークのネットワークアドレスを取得し、このIPアドレスと前記他の伝送装置とを対応付けて記憶するIP経路記憶手段をさらに備える請求の範囲1〜6のいずれかに記載の伝送装置。
- インターネット・プロトコル(IP)とは異なるネットワークとIPネットワークとを用いて構成される通話システムであって、
音声の情報を含むIPデータを取り扱うことによりIP電話機能を実施するIP電話制御手段と、前記IP電話制御手段によって取り扱われるIPデータを、前記IPとは異なるネットワークのプロトコルに応じたデータにカプセル化するカプセル化手段と、前記カプセル化手段によってカプセル化されたデータを前記IPとは異なるネットワークに送出する送出手段と、他の装置によって前記IPとは異なるネットワークのプロトコルに応じたデータにカプセル化されたデータを、前記IPとは異なるネットワークを介して受信する受信手段と、前記受信手段によって受信されたデータからIPデータを取り出す取出手段とを備える伝送装置と、
前記IPネットワークとIPデータを送受信するIPデータ送受信手段と、前記IPネットワークから受信されたIPデータを前記IPとは異なるネットワークのプロトコルに応じたデータにカプセル化するカプセル化手段と、自装置が備える前記カプセル化手段によってカプセル化されたデータを前記IPとは異なるネットワークに送出する送出手段と、他の装置によって前記IPとは異なるネットワークのプロトコルに応じたデータにカプセル化されたデータを、前記IPとは異なるネットワークを介して受信する受信手段と、前記IPとは異なるネットワークから受信されたデータからIPデータを取り出す取出手段と、自装置が備える前記取出手段から取り出されたIPデータを前記IPネットワークに対してルーティングするIPルーティング手段とを備えるIPルーティング伝送装置と、
前記IPネットワークに接続され、音声の情報を含むIPデータを取り扱うことによりIP電話機能を実施するIP電話制御手段と、前記IPルーティング伝送装置とIPネットワークを介してIPデータを送受信する送受信手段とを備えるIP電話クライアントと
を含む通話システム。 - インターネット・プロトコル(IP)とは異なるネットワークと公衆電話網とを用いて構成される通話システムであって、
音声の情報を含むIPデータを取り扱うことによりIP電話機能を実施するIP電話制御手段と、前記IP電話制御手段によって取り扱われるIPデータを、前記IPとは異なるネットワークのプロトコルに応じたデータにカプセル化するカプセル化手段と、前記カプセル化手段によってカプセル化されたデータを前記IPとは異なるネットワークに送出する送出手段と、他の装置によって前記IPとは異なるネットワークのプロトコルに応じたデータにカプセル化されたデータを、前記IPとは異なるネットワークを介して受信する受信手段と、前記受信手段によって受信されたデータからIPデータを取り出す取出手段とを備える伝送装置と、
前記公衆電話網とアナログデータを送受信するアナログデータ送受信手段と、前記公衆電話網から受信されたアナログデータと前記IP電話機能において使用されるデータとを相互に変換するデータ変換手段と、前記IP電話機能において使用されるデータを前記IPとは異なるネットワークのプロトコルに応じたデータにカプセル化するカプセル化手段と、自装置の前記カプセル化手段によってカプセル化されたデータを前記IPとは異なるネットワークに送出する送出手段と、他の装置によって前記IPとは異なるネットワークのプロトコルに応じたデータにカプセル化されたデータを、前記IPとは異なるネットワークを介して受信する受信手段と、前記IPとは異なるネットワークから受信されたデータから前記IP電話機能において使用されるデータを取り出す取出手段とを備えるゲートウェイ伝送装置と、
前記公衆電話網に接続され、前記アナログデータを取り扱う電話機と
を含む通話システム。 - インターネット・プロトコル(IP)とは異なるネットワークを用いて構成される通話システムであって、
音声の情報を含むIPデータを取り扱うことによりIP電話機能を実施するIP電話制御手段と、前記IP電話制御手段によって取り扱われるIPデータを、前記IPとは異なるネットワークのプロトコルに応じたデータにカプセル化するカプセル化手段と、前記カプセル化手段によってカプセル化されたデータを前記IPとは異なるネットワークに送出する送出手段と、他の装置によって前記IPとは異なるネットワークのプロトコルに応じたデータにカプセル化されたデータを、前記IPとは異なるネットワークを介して受信する受信手段と、前記受信手段によって受信されたデータからIPデータを取り出す取出手段とを備える伝送装置と、
多地点間におけるIP電話機能を制御する多地点間制御手段と、前記多地点間IP電話制御手段によって取り扱われるIPデータを、前記IPとは異なるネットワークのプロトコルに応じたデータにカプセル化するカプセル化手段と、自装置の前記カプセル化手段によってカプセル化されたデータを前記IPとは異なるネットワークに送出する送出手段と、他の装置によって前記IPとは異なるネットワークのプロトコルに応じたデータにカプセル化されたデータを前記IPとは異なるネットワークを介して受信する受信手段と、自装置の前記受信手段によって受信されたデータからIPデータを取り出す取出手段とを備える多地点間制御伝送装置と
を含む通話システム。 - インターネット・プロトコル(IP)と異なるプロトコルに従ってデータを伝送するネットワークに収容される伝送装置であって、
前記ネットワークに収容された所定の伝送装置との間に、IP関連データを転送するためのトンネルを生成するトンネル生成手段と、
トンネル生成手段によって生成される1以上のトンネルを用いて、前記ネットワークに収容された他の伝送装置との連携により、前記ネットワークを介したIP電話呼を確立させる呼確立制御手段と、
を含む伝送装置。 - インターネット・プロトコル(IP)と異なるプロトコルに従ってデータを伝送するネットワークにおける所定のノード間にIP関連データを転送するためのトンネルを生成するトンネル生成手段と、
トンネル生成手段によって生成される1以上のトンネルを用いて前記ネットワークを介したIP電話呼を確立する呼確立制御手段と
を含む電話システム。
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