JPWO2004039738A1 - 化学強化用ガラス、情報記録媒体用基板、情報記録媒体及び情報記録媒体の製造方法 - Google Patents

化学強化用ガラス、情報記録媒体用基板、情報記録媒体及び情報記録媒体の製造方法 Download PDF

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Abstract

モル%表示で、SiO2:47〜70%、Al2O3:1〜10%(ただし、SiO2とAl2O3の合計量が57〜80%)、CaO:2〜25%、BaO:1〜15%、Na2O:1〜10%,K2O:0〜15%(ただし、Na2OとK2Oの合計量が3〜16%)、ZrO2:1〜12%、MgO:0〜10%、SrO:0〜15%、ZnO:0〜10%(ただし、MgO、CaO、SrOおよびBaOの合計量に対するCaOの含有量の割合が0.5以上、MgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOの合計量が3〜30%)、TiO2:0〜10%を含み、かつ上記成分の合計含有量が95%以上の組成を有する情報記録媒体用基板に供するための化学強化用ガラス。ガラス転移温度が600℃以上、570℃で2時間加熱した後の曲げ強度が15kgf/mm2以上を示す化学強化されたガラスからなることを特徴とする情報記録媒体用基板。

Description

本発明は、高耐熱性及び高強度が得られる化学強化ガラスに関する。さらに本発明は、高耐熱性及び高強度を兼ね備えた化学強化ガラス製情報記録媒体用基板、及び前記基板を備える情報記録媒体に関する。特に、本発明は、高温スパッタ機での垂直磁気記録方式用磁性膜の作製に好適な磁気記録媒体用基板、及び磁気記録媒体に関するものである。
近年、ハードディスクに代表される磁気ディスクなどの情報記録装置には、記録の高密度化の進展に伴って、長手磁気記録方式から垂直磁気記録方式への変換が求められている。即ち、長手磁気記録方式では、室温程度の熱によって磁区が容易に回転するため、記録密度が高くなると、書き込みができなくなり、書き込んだ情報が容易に失われることが指摘されている。このような現象は、熱揺らぎの問題として知られ、長手磁気記録方式の障害になりつつある。そこで、長手磁気記録方式による熱揺らぎの問題に対処するため、垂直磁気記録方式の実用化が、近年活発に検討されている。
この垂直磁気記録方式の膜構成としては、非磁性基板上に垂直磁気記録層を形成した単層膜、軟磁性層と磁気記録層を順次に積層した二層膜、及び硬磁性層、軟磁性層および磁気記録層を順次に積層した三層膜などが知られている。その中で二層膜と三層膜は、単層膜よりも高記録密度化および磁気モーメントの安定維持に適しているので、実用化に向けた開発が近年盛んに行われている。このような多層磁性膜垂直磁気記録媒体の特性を向上させるためには、高温スパッタ機などの高温成膜機での成膜や成膜後の高温熱処理が必要とされている。
ところで、上記垂直磁気記録方式の磁気記録媒体をはじめとする種々の情報記録媒体用の基板に、加工性、信頼性に優れたガラス基板を使用する場合、次のような問題を解決する必要がある。
ガラス製情報記録媒体用基板にはラッピングやポリッシングなどの精密加工が施され、極めて高い平坦性や表面平滑性が付与されている。しかし、情報記録層を成膜する際、基板が高温に晒されるため、基板の耐熱性が高くないとガラスが軟化して変形し、情報記録媒体としては使用できなくなるという問題がある。そのため、高温に晒されても変形しない耐熱性の高いガラス材料が求められる。
上記高耐熱性は情報記録媒体の静止状態における平坦性を確保する上で重要な特性であるが、情報記録媒体は高速回転時に情報の書込み・読取りを行うため、高速回転時においても平坦性が要求される。そのため、高速回転時でもたわまない基板、すなわちヤング率が大きな材料からなる基板が求められる。
また、上記成膜工程では、ガラス基板を保持して高温成膜機に搬入、搬出する。この基板搬出の際、高温に加熱された基板が急速に冷却されるため、熱収縮によりガラス基板、特に保持部分において大きな応力が発生し、基板が破損するという問題がある。同じように、成膜後の高温熱処理時にもガラス基板には大きな熱衝撃が加わることがあり、この衝撃によって基板が破損するという問題もある。そのため、熱衝撃に対して十分対処可能な高強度のガラス基板が求められる。
さらに、上記のように情報記録媒体は動作時に毎分数千回転以上という極めて高速に回転するものであり、ガラス基板の強度を高めることによって、高速回転時の破損を防止することが強く求められている。
情報記録媒体用基板として使用され得るガラスとしては、例えば、特許文献1に、化学強化可能なアルミノケイ酸塩ガラスが開示されている。しかし、特許文献1に記載のガラスは、ガラス溶融性や化学強化のためのイオン交換の効率を高めるために、NaOを8.5〜15.5モル%含有しているが、NaOは、ヤング率を低下させる作用を有する。そのため、特許文献1に記載のガラスはヤング率が低く、このガラスから作製した基板は、高速回転時での平坦性に劣るものであった。また、特開平10−72238号公報には、垂直磁気記録方式用の情報記録媒体への適用については全く触れられていない。
そこで、本発明は、高耐熱性、高強度を兼ね備えたガラス、及びこのガラスからなる情報記録媒体用基板、並びに前記基板を備える情報記録媒体を提供することを目的とする。
本発明の上記目的を達成するための手段は以下の通りである。
(1) モル%表示で、
SiO 47〜70%
Al 1〜10%
(ただし、SiOとAlの合計量が57〜80%)
CaO 2〜25%
BaO 1〜15%
NaO 1〜10%
O 0〜15%
(ただし、NaOとKOの合計量が3〜16%)
(ただし、MgO、CaO、SrOおよびBaOの合計量に対するCaOとBaOの合計量の割合が0.5以上)
ZrO 1〜12%
MgO 0〜10%
SrO 0〜15%
ZnO 0〜10%
(ただし、MgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOの合計量が3〜30%)
TiO 0〜10%
を含み、かつ上記成分の合計含有量が95%以上の組成を有する情報記録媒体用基板に供するための化学強化用ガラス。
(2) MgO、CaO、SrOおよびBaOの合計量に対するBaOの含有量の割合が0.15以上であることを特徴とする(1)に記載の化学強化用ガラス。
(3) ガラス転移温度が600℃以上である垂直磁気記録方式の情報記録媒体用基板に供するための化学強化用ガラス。
(4) ヤング率が75GPa以上である(1)〜(3)のいずれかに記載の化学強化用ガラス。
(5) (1)〜(4)のいずれかに記載のガラスからなり、化学強化されたことを特徴とする情報記録媒体用基板。
(6) 570℃で2時間加熱した後の曲げ強度が15kgf/mm以上となる化学強化されたガラスを用いた(5)に記載の情報記録媒体用基板。
(7) ガラス転移温度が600℃以上、570℃で2時間加熱した後の曲げ強度が15kgf/mm以上を示す化学強化されたガラスからなることを特徴とする情報記録媒体用基板。
(8) 基板を構成するガラスの化学強化前の曲げ強度をf、化学強化後の前記ガラスを温度T[℃](但し、Tは20〜570℃の任意の温度)に2時間保持した後の曲げ強度をfとしたとき、(f−f)/fの値が0.5以上である(5)〜(7)のいずれかに記載の情報記録媒体用基板。
(9) T=20℃における曲げ強度f20に対し、(f20−f)/fの値が1以上である(7)に記載の情報記録媒体用基板。
(10) 基板を構成するガラスの30〜300℃における平均線膨張係数が60×10−7−1以上である(5)〜(9)のいずれかに記載の情報記録媒体用基板。
(11) ナトリウムイオンをカリウムイオンに置換するイオン交換処理により化学強化が施されている(5)〜(10)のいずれかに記載の情報記録媒体用基板。
(12) 垂直磁気記録方式の情報記録媒体用基板に供される(5)〜(11)のいずれかに記載の情報記録媒体用基板。
(13) (5)〜(11)のいずれかに記載の情報記録媒体用基板上に、情報記録層を有することを特徴とする情報記録媒体。
(14) 垂直磁気記録方式の磁気記録媒体である(13)に記載の情報記録媒体。
(15) 情報記録層を有する基板が熱処理に付されて製造されたものであり、前記熱処理における最高温度が300〜600℃であることを特徴とする(13)または(14)に記載の情報記録媒体。
(16) (5)〜(11)のいずれかに記載の情報記録媒体用基板上に、情報記録層を含む多層膜を形成する工程を含む情報記録媒体の製造方法であって、前記多層膜を形成した基板を300〜600℃の温度で加熱することをさらに含むことを特徴とする前記情報記録媒体の製造方法。
本発明の情報記録媒体用基板は、化学強化により強度が高く、ガラス転移温度が600℃以上、好ましくは620℃以上と高いので、300〜600℃程度、好ましくは400〜600℃程度の高温下に晒しても変形せず、良好な形状を保つことができ、しかもヤング率が十分大きいので高速回転時にも変形の少ない高速回転安定性に優れたものである。更に、本発明の情報記録媒体用基板は、(f−f)/fの値が0.5以上であるので、300〜600℃程度、好ましくは400〜600℃程度の高温熱処理を行っても十分な曲げ強度の維持が可能である。さらに、本発明の情報記録媒体用基板によれば、熱膨張特性が、金属の熱膨張特性に近いため、金属製の固定具によって良好な固定が可能なガラス製情報記録媒体用基板を提供することができる。また、本発明の情報記録媒体は、上記情報記録媒体上に情報記録層を備えているので、高温処理可能で、高強度、高速回転安定性を備えている。本発明の情報記録媒体は、特に垂直磁気記録方式の磁気記録媒体に適用することにより、より高記録密度化に対応可能な情報記録媒体を提供することができる。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明の第一の化学強化用ガラス(以下、「ガラスI」という)は、情報記録媒体用基板に供するためのガラスであって、モル%表示で、
SiO 47〜70%
Al 1〜10%
(ただし、SiOとAlの合計量が57〜80%)
CaO 2〜25%
BaO 1〜15%
NaO 1〜10%
O 0〜15%
(ただし、NaOとKOの合計量が3〜16%)
ZrO 1〜12%
MgO 0〜10%
SrO 0〜15%
ZnO 0〜10%
(ただし、MgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOの合計量が3〜30%)
TiO 0〜10%
を含み、かつ上記成分の合計含有量が95%以上の組成を有する化学強化ガラスである。上記ガラスにおいて、好ましくはMgO、CaO、SrOおよびBaOの合計量に対するCaOの含有量の割合(CaO/(MgO+CaO+SrO+BaO))を0.5以上、より好ましくは0.55以上、さらに好ましくは0.6以上とする。ここで、ガラスIの各成分の役割及び組成範囲について説明する。
SiOは、ガラスの網目構造を形成する主成分であり、その含有量が47%未満では、ガラスの熱安定性が低下してガラスが失透しやすくなる。また、耐久性も著しく低下し、ガラス表面を洗浄する際に使用する珪弗酸等の洗浄液で激しく侵食されるようになる。一方、70%を超えると、ガラスのヤング率が小さくなる上、高温粘性が高くなるためにガラスの熔解性が著しく悪化する。従って、ガラスIにおいて、SiOの含有量は47〜70%の範囲であり、好ましくは50〜67%の範囲である。
Alは、ガラスの耐久性や耐熱性の向上に大きく寄与する成分としても、SiOとともにガラス構造の安定化及びその剛性度を高める成分としても非常に重要である。しかし、その含有量が1%未満ではガラスからのアルカリの溶出を抑える効果が減少する傾向となり、耐久性のよいガラスが得られにくくなるのに対し、10%を超えて導入すると、ガラスの高温溶融性が悪化する。従って、ガラスIにおいて、その含有量は1〜10%の範囲であり、好ましくは2〜10%の範囲である。
本発明の化学強化用ガラスにおいて、SiOとAlの合計含有量は57〜80%の範囲であり、好ましくは57〜79%の範囲である。この合計含有量が57%未満ではガラスの耐久性が不十分となるおそれがある。一方、80%を越えると、ヤング率及び熱膨張係数が低くなり、また、高温粘性が高くなるので熔解性が悪化する。
MgO、CaO、SrO、BaO及びZnOはガラス熔解時の粘性を下げ、熔解を促進すると共にヤング率の上昇、熱膨張係数の増加に効果を有する成分である。しかしその合計含有量が30%を超えると、ガラスの耐久性が悪化する傾向となり、また熱安定性が低下し失透しやすくなる。一方、その合計含有量が3%未満では、ガラス転移温度が低くなり、また、高温粘性が高くなる。また、アルカリ土類金属酸化物の代わりにアルカリ金属酸化物を導入すると、ヤング率が低下する。そこで、ガラスIにおいて、MgO、CaO、SrO、BaO及びZnQの合計量は、3〜30%であり、好ましくは3〜25%である。
CaOはヤング率や熱膨張係数の増加、熔解粘性の低粘性化に効果が大きく特に重要な成分である。しかし、CaOの導入量が2%未満ではその効果が薄く、25%を超えて導入すると、安定性が悪化する傾向になるため、その含有量は2〜25%の範囲とし、好ましくは3〜20%の範囲とする。
BaOは熱膨張係数の増加に寄与し、耐久性の向上にも効果があるので、本発明の化学強化用ガラスに1%以上導入する。しかし、15%より多く導入すると、逆に耐久性が悪化する傾向がある。またBaOの導入により、ガラスの比重が大きく上昇する。そこで、ガラスIでは、BaO含有量は、1〜15%の範囲とし、好ましくは1〜14%とする。
その他のMgO、ZnO、SrOは、MgO、CaO、SrO、BaO及びZnOの合計量が上記範囲を超えない範囲で添加することで、ガラス構造の安定化、ヤング率、熱膨張係数の増加に効果を有する。MgO、ZnO、SrOはこれらの一つを大量に導入するよりも、少量ずつ多種類の2価成分を導入することでより効果が大きくなるため、含有量は、MgOを0〜10%、SrOを0〜15%、ZnOを0〜10%の範囲とする。より好ましくは、SrOが0〜10%、ZnOが0〜8%、MgOが0〜5%、さらに好ましくはMgOが0〜1%、SrOが0〜1%、ZnOが0〜1%である。
ところで、アルカリ金属酸化物の導入量は、ガラス転移温度低下を防止するために所定量以下に抑えることが適当である。しかし、アルカリ金属酸化物の導入量を抑えると、ガラスの熔融性が低下し、あるいは、熱膨張係数が情報記録媒体用基板として好適な範囲より減少する傾向がある。そこで、このような熔融性の低下、熱膨張係数の減少を防ぐために、本発明では、アルカリ土類金属酸化物を導入する。CaOは、アルカリ士類金属酸化物において比較的分子量が小さい部類に入るので、ガラスの比重を増加させにくいという利点がある。MgOも比重増大の抑制効果があるが、CaOと比較すると化学強化の効率を低下させる傾向がある。そのため、アルカリ土類金属酸化物中でCaOの占める割合を大きくすることが好ましい。具体的には、CaO/(MgO+CaO+SrO+BaO)が0.5以上、より好ましくは0.55以上、さらに好ましくは0.6以上となるように、上記各成分の導入量を調整すればよい。また、アルカリ土類金属酸化物は、上記のようにガラス転移温度を低下させずにガラスの熔融性を向上させ、熱膨張係数を増加させるので、MgO、CaO、SrO及びBaOの合計量を10〜30%にすることが好ましく、12〜30%にすることがより好ましく、12〜25%にすることがさらに好ましい。
また、BaOは、アルカリ土類金属酸化物中でガラスの耐失透性を高め、MgO、CaO、SrOと比べると熱膨張係数を増加させる働きが大きい。従って、MgO、CaO、SrOおよびBaOの合計量に対するBaOの含有量の割合であるBaO/(MgO+CaO+SrO+BaO)が0.15以上、より好ましくは0.16以上、さらに好ましくは0.17以上になるように導入することが望ましい。
NaO、KOはガラス熔解時の粘性を下げ、熔解を促進するとともに、熱膨張を大きく上昇させる有用な成分である。特に、NaOはイオン交換に利用され、ガラス中のナトリウムイオンはイオン交換により溶融塩中のカリウムイオンと置換されることで強化が行われる。しかし、NaOとKOの含有量が合計で15%を超えると、化学的耐久性が悪化するだけでなく、アルカリがガラス表面に多く析出するようになるため、磁性膜などの情報記録層を侵食するおそれがある。またガラス転移温度が低下し必要な耐熱性が得られなくなる場合がある。一方、その含有量が合計で3%より少なくなると、良好な化学強化が困難となり、また、ガラスの熔解性が低下したり、所定の熱膨張特性を得ることが困難になる。従って、ガラスIにおいて、NaOとKOの合計量は3〜16%とし、好ましくは3〜15%とし、より好ましくは4〜14%とし、さらに好ましくは4〜12%とする。
NaOは、ガラス転移温度を低下させずに、化学強化を可能にするための重要な成分である。その含有量が1%以上であれば、良好な化学強化を行うことができる。また、NaOは、KOほどではないが、熱膨張係数の増加に効果を有する。一方、NaOは、ガラス表面への析出の度合が大きいため、その含有量の上限は8%とする。従って、ガラスIにおいて、NaOの含有量は1〜10%であり、好ましくは1〜9%であり、より好ましくは1〜8%であり、さらに好ましくは1〜7%であり、より一層好ましくは1〜5%である。
Oは、熱膨張係数の増加に効果が大きく、ガラス表面への析出の度合も小さいため重要な成分である。KOを好ましくは0%超、より好ましくは1%以上、さらに好ましくは2%以上、より一層好ましくは4%以上含有することにより、所望の熱膨張特性並びにガラス熔解性を付与しつつ、アルカリ溶出量を低レベルに抑えることができる。しかし、15%を超えて含有すると、ガラスの耐久性を低下させ、ガラス転移温度の低下による耐熱性の悪化を引き起こす。そこで、ガラスIにおいて、KOの含有量は、0〜15%の範囲であり、好ましくは0%超15%以下の範囲であり、より好ましくは1〜15%の範囲であり、さらに好ましくは2〜15%の範囲であり、より一層好ましくは4〜13%の範囲である。
ZrO、TiOは、ガラスの化学的耐久性を向上させ、剛性度を高める成分である。少量のZrO及びTiOをガラスに添加すると、ガラスの耐久性も弾性率も脆さも改善される。一方、ZrO、TiOを導入すると、比重が急増し、多量に導入すると、ガラスの失透傾向が強くなるという問題がある。
また、ZrOはその導入によりヤング率を上昇させる成分である。1%以上含有すれば、上記効果を得ることができるが、12%を超えて導入すると、比重の増加につながる。そこで、ガラスIにおいて、ZrOの含有量は1〜12%とし、好ましくは1〜10%、より好ましくは3〜10%とする。
TiOは、ヤング率の上昇効果はZrOより劣るが、比重の上昇はあまり大きくない。しかし、TiOの含有量が10%を超えると、比重の増加やガラスの失透を引き起こす。そこで、ガラスIでは、TiOの含有量は、0〜10%とする。好ましくは0〜8%である。さらに、耐水性を考慮すると、TiOの含有量は、0%とすることがより好ましい。
更に、上記所望の目的を達成するためには、上記成分(SiO、Al、CaO、BaO、NaO、KO、ZrO、MgO、SrO、ZnO、TiO)の合計含有量は95%以上であり、好ましくは97%以上、更に好ましくは98%以上である。但し、必要により、以下の成分を添加することができる。
ガラスIには、上記成分に加えて、LiOを含有させることができる。しかし、LiOは、熱膨張の上昇とヤング率の上昇に効果が大きいが、ガラス表面への析出の度合が大きく、少量の導入でもガラス転移温度を大きく下げる働きをする。従って、その導入量は3%以下に抑えることが好ましい。より好ましくは1%以下、さらには、導入しないことが好ましい。なお、LiOを含有する場合、化学強化は、カリウムイオンを含む溶融塩に浸漬して行うこともできるが、LiイオンとNaイオンのイオン交換も生じることにより、より機械的強度を向上させる上から、ナトリウムイオンとカリウムイオンを含む溶融塩(例えば、硝酸ナトリウムと硝酸カリウムの混合溶融塩)に浸漬することにより化学強化を行うことが好ましい。
ガラスIにおいては、希土類元素は任意成分として導入することができる。希土類元素はガラス基板の耐熱性、耐久性、弾性率を高める働きをするが、高価な原料でもある。従って、コストの面から考えれば希土類元素を導入しないことが好ましい。即ち、ガラスIでは、希土類元素を導入しなくても、所要の目的を達成することができる。
一方、より高いヤング率、耐熱性、耐久性を付与する観点からは、希土類元素の導入は望ましい。希土類元素を導入する場合は、酸化物に換算して5%以下とすることが好ましく、より好ましくは3%以下である。
上記希土類元素としては、Y、La、Gd、Yb、Pr、Sc、Sm、Tb、Dy、Nd、Eu、Ho、Er、Tm、Luを例示することができ、それら酸化物としては、Y、La、Gd、Yb、Pr、Sc、Sm、Tb、Dy、Nd、Eu、Ho、Er、Tm、Luを例示することができる。この希土類元素の酸化物としては、Yが好ましく用いられる。Yを用いる場合、比重の上昇もあまり大きくなく、ヤング率の上昇効果も大きいが、ガラスの安定性の低下が著しいため、含有量は8%以下にすることが好ましく、5%以下とすることがより好ましい。但し、希土類元素を導入するか否かは、上記状況により適宜選択すればよい。
ガラスIは、上記成分以外に、ガラスの熔解性、清澄性、成形性などを改善するために脱泡剤を導入することができ、例えば、As、Sb、フッ化物、塩化物、SOを導入することができる。その導入量は、脱泡剤として用いられる適量の範囲であればよいが、外割の合計量で2重量%以下の割合を目安とする。特に、SbとAsは、脱泡効果が高く、ガラス中の気泡を極めて低レベル又は皆無にする上で、有効な脱泡剤である。ガラス中の残留気泡が研磨加工により基板表面に現れると窪みになり、表面平滑性が損なわれることになる。中でも、Sbを導入することがより好ましい。また、環境への影響に配慮すると、As等のヒ素化合物を用いないことが望ましい。本発明では、脱泡剤として、外割で、0〜1重量%のSbのみを導入することがより好ましく、0.1〜1重量%のSbのみを導入することが更に好ましい。
上記好ましい組成範囲において各成分のより好ましい範囲を任意に組合わせて、さらに好ましい組成範囲を選択することが可能であるが、中でもより一層好ましい組成範囲は、
SiO 50〜67%
Al 2〜10%
(ただし、SiOとAlの合計量が57〜79%)、
CaO 3〜20%、
BaO 1〜14%、
MgO 0〜10%、
SrO 0〜10%、
ZnO 0〜8%
(ただし、MgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOの合計量が4〜30%)、
NaO 1〜10%、
O 0%超かつ13%以下
(ただし、NaOおよびKOの合計量が5〜14%)、
ZrO 1〜10%、
TiO 0〜8%
である。
上記一層好ましい組成範囲において、MgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOの合計量を3〜25%とすることがさらに好ましい。なお、上記組成において、NaO含有量は1〜9%とすることがさらに好ましく、1〜5%とすることがより一層好ましく、ZrO含有量は3〜10%とすることが更に好ましい。
なお、希土類元素を含まない態様においては、SiO、Al、CaO、BaO、MgO、SrO、ZnO、NaO、KO、ZrO、TiOの合計含有量を100%とすることが好ましい。また、この組成に上記胞泡剤を添加してもよい。アルカリ溶出量を抑えつつ、優れた熔解性、耐熱性を得る上から、アルカリ金属酸化物をNaOとKOに限定することが望ましい。さらに好ましい組成は、SiO、Al、CaO、BaO、NaO、KO、ZrOの合計含有量が100%のもの、あるいはSiO、Al、CaO、BaO、MgO、NaO、KO、ZrOの合計含有量が100%のもの、又はSiO、Al、CaO、BaO、NaO、KO、ZrO、TiOの合計含有量が100%のものである。上記各組成範囲に上記胞泡剤を添加してもよい。添加する脱泡剤としてはSbを用いることが特に好ましく、その導入量は外割で0〜1重量%の範囲とすることがさらに好ましく、0.1〜1重量%とすることが一層好ましい。
希土類元素を含む態様においては、SiO、Al、CaO、BaO、MgO、SrO、ZnO、LiO、NaO、KO、ZrO、TiO、B、希土類元素酸化物の合計含有量を100%とすることが好ましい。中でも希土類元素酸化物の合計含有量を5%以下に抑えることが好ましい。このガラスにも胞泡剤として、As、Sb、フッ化物、塩化物、SOを適量添加することができるが、その合計含有量は外割で2%以下を目安にすることが好ましく、1%以下にすることがさらに好ましい。なお、環境への配慮から、Asなどのヒ素化合物を使用しないことが望ましい。また、気泡の低減という理由から、外割でSbを0.1〜1重量%導入することが更に好ましい。
なお、上記いずれのガラスにおいてもガラスの熔解性は優れており、ガラス中に未熔解物は認められず、また結晶粒子も認められない。即ち、各ガラスともアモルファス状態のガラスからなっていた。
なお、上記ガラスIのガラス転移温度は、600℃以上であることが好ましく、620℃以上であることがより好ましく、さらに好ましくは650℃以上であり、更に一層好ましくは660℃以上である。
本発明の第二の化学強化用ガラス(以下、「ガラスII」という)は、600℃以上、好ましくは620℃以上のガラス転移温度を示し、化学強化して、垂直磁気記録方式の情報記録媒体用基板に供するためのものである。ガラス転移温度が600℃以上、好ましくは620℃以上を示すため、400〜600℃程度の高温下に晒しても変形せず、良好な形状を保つことができる。そのため、ガラスIIは、垂直磁気記録方式の磁気記録媒体に施される高温成膜や、成膜後の高温熱処理にも耐え得る耐熱性を示し、特に、垂直磁気記録方式の磁気記録媒体用基板として好適に用いることができる。ガラスIIのガラス転移温度は、さらに好ましくは650℃以上であり、更に一層好ましくは660℃以上である。ガラスIIの組成としては、SiO、Al、ZrO、NaOとKOを合計量で3〜15モル%、MgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOを合計量で3〜30モル%(ただし、MgO、CaO、SrOおよびBaOの合計量に対するCaOの含有量の割合が0.5以上)含むもの、前記組成範囲において、モル%表示したときのMgO、CaO、SrOおよびBaOの合計量に対するBaOの含有量の割合BaO/(MgO+CaO+SrO+BaO)が0.15以上であるもの、前記各ガラスであって、SiOを47〜70モル%、Alを1〜10モル%、(ただし、SiOとAlの合計量が57〜80モル%)、ZrOを1〜12モル%含むものが好ましい。また、SiO、Al、CaO、BaO、NaO、KO、及びZrOを含むもの、又はSiO、Al、CaO、BaO、MgO、NaO、KO、及びZrOを含むものが好ましく、いずれのガラスとも上記ガラスIの組成範囲とすることがより好ましい。
更に、ガラスI及びIIは、上記組成を有することにより、従来情報記録媒体用基板として使用されていたアルミニウム製基板のヤング率(70GPa程度)よりも十分大きな、75GPa以上のヤング率を示す。そのため、高速回転時にも基板の変形(弾性変形)の少ない高速回転安定性に優れた高強度の情報記録媒体用基板を提供することができる。ガラスI及びIIのヤング率は、より好ましくは78GPa以上である。また、ガラスとして安定性の優れたものを得るためには、ヤング率を100GPa以下に抑えることが好ましい。なお、ヤング率は、化学強化の前後で変化しない。
本発明の第一の情報記録媒体用基板(以下、「基板A」という)は、ガラスI又はガラスIIからなり、化学強化されたことを特徴とするものである。
本発明の第二の情報記録媒体用基板(以下、「基板B」という)は、ガラス転移温度が600℃以上、好ましくは620℃以上、570℃で2時間加熱した後の曲げ強度が15kgf/mm以上を示す化学強化されたガラスからなることを特徴とする。上記ガラスとしては、ガラスI及びガラスIIが好ましい。さらに、SiO、Al、ZrO、NaOとKOを合計量で3〜15モル%、MgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOを合計量で3〜30モル%(ただし、MgO、CaO、SrOおよびBaOの合計量に対するCaOの含有量の割合が0.5以上)含むガラス、前記組成範囲において、モル%表示したときのMgO、CaO、SrOおよびBaOの合計量に対するBaOの含有量の割合BaO/(MgO+CaO+SrO+BaO)が0.15以上であるガラス、前記各ガラスであって、SiOを47〜70モル%、Alを1〜10モル%、(ただし、SiOとAlの合計量が57〜80モル%)、ZrOを1〜12モル%含むガラスも好ましい。また、SiO、Al、CaO、BaO、NaO、KO、及びZrOを含むガラス、又はSiO、Al、CaO、BaO、MgO、NaO、KO、及びZrOを含むガラスも好ましい。基板Aは基板Bと同様、570℃で2時間加熱した後の曲げ強度が15kgf/mm以上を示すガラスからなることが好ましい。基板A及びBとも、前記曲げ強度が、17kgf/mm以上であることがより好ましく、20kgf/mm以上であることが更に好ましく、25kgf/mm以上であることが特に好ましい。上記加熱後の曲げ強度が15kgf/mm以上であれば、加熱処理後も高い強度を維持し得る情報記録媒体用基板を提供することができる。上記範囲内において、安定性が高いガラスを容易に得るためには、上記曲げ強度を100kgf/mm以下とすればよい。上記範囲の曲げ強度を有する本発明の情報記録媒体用基板は、化学強化によって形成されたガラス表面付近の圧縮応力層の高温熱処理後の緩和が少ない。そのため、この基板によれば、加熱処理後も高い強度を維持し得るガラス製情報記録媒体用基板を提供することができる。このような性質により、上記範囲の曲げ強度を有するガラスからなる基板に高温成膜、高温アニールなどの高温処理を施しても所要の強度を維持することができるとともに、前記高温処理時に急激な温度変化に晒しても基板の強度が高いため、破損しにくく、ハンドリングが容易になるという効果も得ることができる。
曲げ強度の測定は、40mm×10mm×1mmの薄板状試料を用い、30mmスパン、加重速度0.5mm/秒の3点曲げ試験により行った。なお、上記試料は、端面(40mm×1mmの面と10mm×1mmの面)も光学研磨されているものを用いる。
本発明の情報記録媒体用基板は、基板を構成するガラスの化学強化前の曲げ強度をf、化学強化後の前記ガラスを温度T[℃](但し、Tは20〜570℃の任意の温度)に2時間保持した後の曲げ強度をfとしたとき、(f−f)/fの値が0.5以上であることが好ましく、より好ましくは0.52以上である。本発明の情報記録媒体用基板において、(f−f)/fの値が0.5以上であれば、情報記録層の形成や熱処理、例えば垂直磁気記録方式の情報記録媒体における情報記録層の形成や熱処理を行っても、十分な曲げ強度を有する情報記録媒体用基板を提供することができる。なお、上記温度Tにおける2時間の加熱は、大気中で行う。また、ガラスとしてより高い安定性を付与するとともにより良好な化学強化を可能にするという観点から、上記(f−f)/fの値を9以下にすることがより好ましい。(f−f)/fの値が所定値以上であるという判定は、曲げ強度fと化学強化後に570℃に2時間保持した前記ガラスの曲げ強度f570を測定して(f570−f)/fの値を算出し、この値が前記所定値以上になっていることを確認することによって行ってもよい。また、(f−f)/fの値が所定値以下であるという判定は、曲げ強度fと化学強化後に570℃に2時間保持した基板の曲げ強度f570を測定して(f570−f)/fの値を算出し、この値が前記所定値以下になっていることを確認することによって行ってもよい。
本発明の情報記録媒体用基板において、20℃における曲げ強度f20に対し、(f20−f)/fの値は1以上であることが好ましく、1.2以上であることがより好ましい。また、ガラスとしてより高い安定性を付与するとともにより良好な化学強化を可能にするという観点から、(f20−f)/fの値を9以下にすることがより好ましい。
本発明の情報記録媒体用基板において、基板を構成するガラスの30〜300℃における平均線膨張係数は、60×10−7−1以上であることが好ましく、60×10−7〜120×10−7−1であることが更に好ましく、70×10 〜120×10−7−1であることが特に好ましい。本発明の情報記録媒体用基板が上記範囲の平均熱線膨張係数を有することによって、金属の熱膨張特性に近いガラスが得られるため、金属製の固定具によって良好な固定が可能なガラス製情報記録媒体用基板を提供することができる。上記固定具を構成する材質としては、金属ではステンレスを用いることが適当であり、熱膨張特性がより近いセラミックスも使用可能である。
また、上記と同じ理由により、100〜300℃における平均線膨張係数は、70×10−7−1以上であることが好ましく、70×10−7〜120×10 −1であることがより好ましく、75×10−7〜120×10−7−1であることが特に好ましい。
本発明の情報記録媒体用基板を構成するガラスの液相温度は、1200℃以下であることが好ましく、より好ましくは1050℃である。液相温度が1200℃以下であれば、優れた耐失透性を有するガラスを得ることができる。
[製造方法]
本発明の化学強化用ガラス及び情報記録媒体用基板を構成するガラスは、公知の製法により生産することができ、既存の設備により生産することができる。例えば、高温溶融法、すなわち所定の割合のガラス原料を空気中又は不活性ガス雰囲気で熔解し、バブリングや攪拌などによってガラスの均質化を行い、均質化された溶融ガラスを、周知の成形法、例えばプレス法、ダウンドロー法、フロート法などにより板ガラスなどの所要形状に成形することができる。しかし、Sb又はAsの少なくとも一方を含むガラスでは、SbやAsがフロート法で使用する熔融金属と反応するので、プレス法やダウンドロー法を用いることが好ましく、特にプレス法を用いることが好ましい。このように、本発明の化学強化用ガラス及び情報記録媒体用基板を構成するガラスが、上記の高いガラス転移温度を有しながらも、汎用的な成形が可能な理由は、上記ガラスの液相温度が1200℃以下と低く、耐失透性に優れているからである。
本発明の化学強化用ガラスへの化学強化処理及び本発明の情報記録媒体用基板を化学強化するための処理は、公知の方法で行うことができ、例えば、溶融塩にガラスを浸漬することにより行うことができる。溶融塩としては硝酸カリウムを含むものを使用することが好ましい。具体的には、成形したガラスをアルカリ金属溶融塩、好ましくはカリウムを含む溶融塩(例えば硝酸カリウム溶融塩)に浸漬し、ガラス中のアルカリ金属イオン(特にガラス表面付近)と溶融塩中のアルカリ金属イオンをイオン交換して、ガラス表面に圧縮応力層を形成(化学強化)することにより行うことができる。イオン交換は、上記所望の物性を得られる程度まで行うことが好ましい。一般的な化学強化には、ガラス中のリチウムイオンと熔融塩中のナトリウムイオン及び/またはカリウムイオンとを交換するイオン交換もあるが、その場合、ガラスに多量のLiOを導入しなければならない。イオン交換に必要な量のLiOを導入すると、ガラス転移温度が著しく低下するので、本発明では、特に、ナトリウムイオンをカリウムイオンに置換するイオン交換処理によって化学強化を施すことが好ましい。但し、ガラス中にLiOを導入する場合は、ガラス中のリチウムイオンと溶融塩中のナトリウムイオン、ガラス中のナトリウムイオンと溶融塩中のカリウムイオンをイオン交換して、化学強化を行うこともできる。
本発明の情報記録媒体用基板は、良好な化学強化により高強度で、熔解性に優れ、ガラス転移温度が高いため、特に、高温処理を必要とする垂直磁気記録方式の情報記録媒体用基板として好適に用いることができる。
また、本発明によれば、次のような情報記録媒体用基板を提供することができる。
▲1▼比重が2.4〜3.0、好ましくは2.4〜2.9のガラスよりなる基板。
▲2▼剛性率が30GPa以上、好ましくは30〜35GPaのガラスよりなる基板。
▲3▼比弾性率が26×10Nm/kg以上、好ましくは26×10〜32×10Nm/kgのガラスよりなる基板。
▲4▼ポアソン比が0.22〜0.25のガラスよりなる基板。
これらの諸性質を有する本発明の情報記録媒体用基板を用いれば、安定した高速回転が可能な情報記録媒体用基板及び情報記録媒体を提供することができる。
ディスク状基板を製造する場合は、例えば、ガラス成形体に円形加工、芯抜き、内外円周面加工、研削、研磨などを施し、所望のサイズのディスク状情報記録媒体用基板を得ることができる。なお、研磨では研磨材やダイヤモンドペレットによりラッピング及び酸化セリウムなどの研磨材によるポリシング加工を行うことで、表面精度を、例えば0.1〜0.6nmの範囲にすることができる。加工後、基板表面は洗浄液により洗浄して、清浄な状態とすることが好ましい。次いで、基板を所定温度の硝酸カリウムを含む溶融塩に浸漬し、化学強化し、さらに洗浄して、清浄な基板を得る。上記洗浄液としては、ケイフッ酸溶液などの酸やアルカリ溶液、有機溶媒などを適宜選択して用いることができる。
本発明の情報記録媒体用基板は、磁気記録媒体用基板として用いることができ、特に、垂直磁気記録方式の磁気記録媒体用基板として好適に用いることができる。即ち、本発明の情報記録媒体用基板は、ガラスの転移温度が熱処理時の温度よりも十分に高く、かつヤング率が十分大きいため、製造過程における熱処理によっても変形せず、かつ高速回転時において弾性変形することがない基板を得ることができる。
(情報記録媒体)
本発明の情報記録媒体は、上記情報記録媒体用基板上に、情報記録層を設けることにより製造することができる。本発明の情報記録媒体は、耐熱性に優れ、かつ高強度な本発明の化学強化ガラスを基板として用いているため、高温処理可能であるという利点を有し、更に、高い強度を有するという利点も有する。上記情報記録媒体は情報記録層を適宜選択することによって、種々の情報記録媒体として使用することができる。このような媒体として、磁気記録媒体、光磁気記録媒体、光記録媒体などを例示することができる。
本発明の情報記録媒体は、高い耐熱性と高い強度を兼ね備えているため、特に、垂直磁気記録方式の磁気記録媒体として好適に用いることができる。垂直磁気記録方式の情報記録媒体によれば、より高記録密度化に対応可能な情報記録媒体を提供することができる。即ち、垂直磁気記録方式の磁気記録媒体は、従来の長手磁気記録方式の磁気記録媒体の面記録密度(100GBit/(2.5cm)あるいはそれ以上)よりも高記録密度(例えば1TBit/(2.5cm))であるため、更なる高密度記録化を図ることができる。
次に、本発明の情報記録媒体およびその製造方法について具体的に説明する。
上記の情報記録媒体は、前述の情報記録媒体用基板上に情報記録層を有するものである。前述のガラス基板の上に順次、下地層、磁性層、保護層、潤滑層などを設けることにより、磁気ディスクなどの情報記録媒体を作製することができる。磁性層(情報記録層)は特に限定されないが、例えば、Co−Cr系(ここで系とは、表記された物質を含む材料であることを意味する)、Co−Cr−Pt系、Co−Ni−Cr系、Co−Ni−Pt系、Co−Ni−Cr−Pt系、及びCo−Cr−Ta系などの磁性層であることができる。下地層としては、Ni層、Ni−P層、Cr層などを採用することができる。高記録密度化に好適な磁性層(情報記録層)用の材料としては特に、CoCrPt系合金材料、取り分けCoCrPtB系合金材料を挙げることができる。また、FePt系合金材料も好適である。これら磁性層は、特に垂直磁気記録方式用の磁性材料として用いると有用性が高い。CoCrPt系合金材料は300℃〜500℃、FePt系合金材料が500℃〜600℃の高温で成膜又は成膜後熱処理を行うことにより、結晶配向性又は結晶構造を調整し、高記録密度化に適した構成とすることが可能である。
下地層としては非磁性下地層及び/又は軟磁性下地層を用いることができる。非磁性下地層は主に、磁性層の結晶粒(結晶グレイン)を微細化するため、或いは磁性層の結晶配向性を制御する目的で設けられる。bcc系の結晶性の下地層、例えば、Cr系下地層は面内配向性を促進する作用があるので面内(長手)記録方式用磁気ディスクに好ましく、hcp系の結晶性の下地層、例えば、Ti系下地層、Ru系下地層は、垂直配向性を促進する作用があるので、垂直磁気記録方式用磁気ディスクとして用いることができる。また、アモルファス下地層は磁性層の結晶粒を微細化する作用を備える。
軟磁性下地層は、主に垂直磁気記録ディスクに用いられる下地層であって、磁気ヘッドの垂直磁気記録層(磁性層)への磁化パターン記録を促進する作用を備える。軟磁性下地層としての作用を十分に発揮するためには、飽和磁束密度が大きく、透磁率の高い層である必要がある。このため、高温の成膜又は成膜後熱処理を行うことが好ましい。このような軟磁性層材料としては例えばFeTa系軟磁性材料、FeTaC系軟磁性材料などのFe系軟磁性材料を挙げることができる。CoZr系軟磁性材料、CoTaZr系軟磁性材料も好ましい。
保護層としては、カーボン膜などを使用することができ、潤滑層を形成するためにはパーフルオロポリエーテル系などの潤滑剤を使用することができる。
垂直磁気記録ディスクとして好ましい態様は、本発明によるガラス基板上に、軟磁性下地層、アモルファスの非磁性下地層、結晶性の非磁性下地層、垂直磁気記録層(磁性層)、保護層、潤滑層がこの順で成膜された磁気ディスクを挙げることができる。
垂直磁気記録方式の磁気記録媒体の場合、基板状に形成される膜構成は、非磁性材料であるガラス基板上に垂直磁気記録層を形成した単層膜、軟磁性層と磁気記録層を順次に積層した二層膜、及び硬磁性層、軟磁性層及び磁気記録層を順次に積層した三層膜などを好適なものとして例示できる。その中で二層膜と三層膜は単層膜よりも高記録密度化及び磁気モーメントの安定維持に適しているので好ましい。
このような多層磁性膜垂直磁気記録媒体の特性は、一般に、高温スパッタ機での成膜や成膜後に300〜600℃、好ましくは400〜600℃での高温熱処理(アニール処理)など、基板を300〜600℃、好ましくは400〜600℃の高温に晒すことで、向上させることができる。それに対して、本発明の情報記録媒体用基板は、ガラス転移温度(Tg)が620℃以上のガラスからなるので、上記高温熱処理によっても基板が変形することなく優れた平坦性を保つことが可能である。したがって、本発明によれば、平坦な基板上に上記膜を備えた磁気ディスクなどの情報記録媒体を得ることができる。また、上記高温熱処理は基板を化学強化した後に行うが、本発明の情報記録媒体によれば、熱処理後も基板表面の圧縮応力層の緩和が少ないため、機械的な強度が十分高い磁気ディスクなどの情報記録媒体を得ることもできる。なお、本発明の情報記録媒体用基板(例えば磁気ディスク基板)や、情報記録媒体(例えば磁気ディスク)の寸法に特に制限はないが、高記録密度が得られるため媒体ならびに基板を小型化することができる。そのため、公称直径2.5インチは勿論、さらに小径(例えば1インチ)の磁気ディスク基板あるいは磁気ディスクとして好適である。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
実施例1〜9
モル%表示で、表1及び2に示すガラス組成を有するガラスが得られるように、出発原料としてSiO、Al、Al(OH)、CaCO、BaCO、NaCO、KCO、TiO、ZrOなどを用いてガラス原料を300〜1500g秤量し、十分に混合して調合バッチと成し、これを白金坩堝に入れ、1400〜1600℃の温度で空気中約3〜8時間ガラスの熔解を行った。熔解後、ガラス融液を40×40×20mmカーボン金型に流し、ガラスの転移点温度まで放冷してから直ちにアニール炉にいれ、一時間保持した後、炉内で室温まで放冷した。得られたガラスは顕微鏡で観察したが、ガラス中に結晶粒子は認められなかった。また、得られたガラスは均質性が高く、未熔解物も認められず、高い熔解性を確認することができた。このようにして得られたガラスを、40×10×1mmの薄板状に加工し、化学強化用ガラス試料を作製した。次にこのガラスを外径65.0mm、中心穴内径20.0mm、厚み0.635mmのディスク状基板に加工した。化学強化用ガラス試料、ディスク状基板には、主表面に平坦、平滑化の研磨加工を施し、主表面以外の表面にも強度低下の原因となる微細な傷などがないよう研磨を施し、平滑な面とした。化学強化は、ディスク状基板を表1に記載の温度の硝酸カリウム溶融塩に表1に記載の時間浸漬することにより行った。
化学強化用ガラス試料1枚、ディスク状基板1枚を一組とする9組、計18枚の試料を用意し、ガラス転移温度、屈伏点、30〜300℃における平均線膨張係数、100〜300℃における平均線膨張係数、比重、ヤング率、剛性率、ポアソン比、比弾性率、液相温度、化学強化を施す前の曲げ強度f、化学強化後20℃で2時間保持した後の曲げ強度f20、化学強化後570℃で2時間大気中にて加熱した後の曲げ強度f570を測定した。各組の化学強化の条件ならびに特性をガラス組成とともに表1及び2に示す。また、上記各組成に外割で0.5重量%のSbを添加したガラスを作り、同様の特性を得た。なお。Sbを添加したガラスでは、顕微鏡により観察しても気泡は全く認められなかった。
次に、各特性の測定方法を以下に示す。
(1)ガラス転移温度および屈伏点
前記試料と同じガラスを5mmφ×20mmの形状に加工し、リガク社製の熱機械分析装置(TMA8140)を用いて+4℃/分の昇温速度で測定した。なお、標準試料としてはSiOを用いた。なお、ガラス転移温度は、ガラスの粘度が1013.3dPa・sとなる温度に相当する。
(2)平均線熱膨張係数
ガラス転移温度の測定時に併せて測定した。
(3)比重
前記試料と同じガラスを40×20×15mmの形状の加工し、アルキメデス法により測定した。
(4)ヤング率、剛性率、ポアソン比
前記試料と同じガラスを40×20×15mmの形状の加工し、超音波法により測定した。
(5)比弾性率
上記ヤング率と比重から(比弾性率=ヤング率/比重)の式により算出した。
(6)液相温度
試料ガラスを蓋付き白金容器内に入れ、1500℃ですべて熔融させ、その後所定の温度に設定された炉内で保持し、所定時間後に取り出しガラス内に生じた結晶を光学顕微鏡により観察し、結晶が生じない最低温度を液相温度とした。
(7)曲げ強度
薄板状試料(40mm×10mm×1mm、側面も研磨済み)を使用して測定を行った。具体的には、30mmスパン、加重速度0.5mm/秒を加え、3点曲げ強度を測定した。
表1及び2より明らかなように、本実施例の化学強化用ガラスならびにディスク状基板によれば、ガラス転移温度が620℃以上、30〜300℃における平均線膨張係数が60×10−7−1以上、100〜300℃における平均線膨張係数が70×10−7−1以上、比重が2.4〜3.0、ヤング率が75GPa以上、剛性率が30GPa以上、比弾性率が26×10Nm/kg以上、ポアソン比が0.22〜0.25、化学強化後の曲げ強度が15kgf/mm以上、570℃で2時間加熱した後の曲げ強度が15kgf/mm以上、(f−f)/fの値が0.5以上、(f20−f)/fの値が1以上という優れた特性が得られている。
本実施例の各ディスク状ガラス基板は、公称2.5インチの情報記録媒体用基板として適しており、特に、高耐熱性および高強度を備えた基板として、磁気記録媒体用基板、特に垂直磁気記録方式の磁気記録媒体用基板として好適である。
次に、実施例1〜9及び実施例1〜9のガラスにSbを添加したものと同じガラス組成を有するガラスから、外径27.4mm、中心穴内径7.0mm、厚さ0.381mmのディスク状基板を作製した。具体的には、均質化されたガラス融液をプレス成形型へ供給し、プレス成形、徐冷し、得られたディスク状基板に研削、研磨などの機械加工を施した後、化学強化することにより作製した。なお、上記基板を作る方法としてはプレス成形以外で、例えば、フロート成形法と呼ばれる方法を使って、薄板ガラスを成形し、この薄板ガラスを円盤状に加工するようにしてもよい。このようにして得られる情報記録媒体用基板は洗浄液を用いて洗浄される。これら基板についても、化学強化後の曲げ強度が15kgf/mm以上、570℃で2時間加熱した後の曲げ強度が15kgf/mm以上、(f−f)/fの値が0.5以上かつ(f20−f)/fの値が1以上という優れた特性が得られることを確認した。
これらの基板は、公称1インチの情報記録媒体用基板として適しており、特に、高耐熱性および高強度を備えた基板として、磁気記録媒体用基板、特に垂直磁気記録方式の磁気記録媒体用基板として好適である。なお、上記基板は洗浄液を用いて洗浄されるが、基板を構成するガラスのアルカリ溶出量が極めて低レベルなので洗浄時における基板の表面荒れを抑えることができる。洗浄後の各ガラス基板の主表面の中心線平均粗さRaは0.1〜0.6nmであった。
なお、ガラス基板の中心線平均粗さRaは、原子間力顕微鏡(AFM)にて測定した。
洗浄、乾燥した実施例10のガラス基板を用いて垂直磁気記録方式の磁気ディスクを作製した。磁気記録層の形成において、軟磁性層と磁気記録層を順次に積層した二層膜、及び硬磁性層、軟磁性層及び磁気記録層を順次に積層した三層膜の2つのタイプの垂直磁気記録方式の磁気ディスクを作製した。この工程中、磁気記録膜を400〜600℃において高温熱処理したが、いずれの基板もガラス転移温度(Tg)が620℃以上の高耐熱性を有しているので、基板は変形せず高い平坦性を保っていた。以上のようにして先に説明した各種磁気ディスクを作製する。
このように、本発明のガラス基板はガラス転移温度が高いので、磁気記録媒体特性向上のための高温処理、高温スパッタ機での磁気膜作成に適している。
なお、上記実施例では磁気記録媒体を例に説明したが、その他の情報記録媒体用基板ならびに情報記録媒体、例えば、光記録方式や光磁気記録方式のものでも同様に良好な結果を得ることができる。
Figure 2004039738
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本発明の化学強化ガラスは、情報記録媒体用基板として有用であり、特に、高温スパッタ機での垂直磁気記録方式用磁性膜の作製に好適な磁気記録媒体用基板として有用である。また、本発明の化学強化ガラスを用いた情報記録媒体用基板は、磁気記録媒体などに利用可能である。

Claims (16)

  1. モル%表示で、
    SiO 47〜70%
    Al 1〜10%
    (ただし、SiOとAlの合計量が57〜80%)
    CaO 2〜25%
    BaO 1〜15%
    NaO 1〜10%
    O 0〜15%
    (ただし、NaOとKOの合計量が3〜16%)
    ZrO 1〜12%
    MgO 0〜10%
    SrO 0〜15%
    (ただし、MgO、CaO、SrOおよびBaOの合計量に対するCaOの含有量の割合が0.5以上)
    ZnO 0〜10%
    (ただし、MgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOの合計量が3〜30%)
    TiO 0〜10%
    を含み、かつ上記成分の合計含有量が95%以上の組成を有する情報記録媒体用基板に供するための化学強化用ガラス。
  2. MgO、CaO、SrOおよびBaOの合計量に対するBaOの含有量の割合が0.15以上であることを特徴とする請求項1に記載の化学強化用ガラス。
  3. ガラス転移温度が600℃以上である垂直磁気記録方式の情報記録媒体用基板に供するための化学強化用ガラス。
  4. ヤング率が75GPa以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の化学強化用ガラス。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のガラスからなり、化学強化されたことを特徴とする情報記録媒体用基板。
  6. 570℃で2時間加熱した後の曲げ強度が15kgf/mm以上となる化学強化されたガラスを用いた請求項5に記載の情報記録媒体用基板。
  7. ガラス転移温度が600℃以上、570℃で2時間加熱した後の曲げ強度が15kgf/mm以上を示す化学強化されたガラスからなることを特徴とする情報記録媒体用基板。
  8. 基板を構成するガラスの化学強化前の曲げ強度をf、化学強化後の前記ガラスを温度T[℃](但し、Tは20〜570℃の任意の温度)に2時間保持した後の曲げ強度をfとしたとき、(f−f)/fの値が0.5以上である請求項5〜7のいずれか1項に記載の情報記録媒体用基板。
  9. T=20℃における曲げ強度f20に対し、(f20−f)/fの値が1以上である請求項8に記載の情報記録媒体用基板。
  10. 基板を構成するガラスの30〜300℃における平均線膨張係数が60×10−7−1以上である請求項5〜9のいずれか1項に記載の情報記録媒体用基板。
  11. ナトリウムイオンをカリウムイオンに置換するイオン交換処理により化学強化が施されている請求項5〜10のいずれか1項に記載の情報記録媒体用基板。
  12. 垂直磁気記録方式の情報記録媒体用基板に供される請求項5〜11のいずれか1項に記載の情報記録媒体用基板。
  13. 請求項5〜11のいずれか1項に記載の情報記録媒体用基板上に、情報記録層を有することを特徴とする情報記録媒体。
  14. 垂直磁気記録方式の磁気記録媒体である請求項13に記載の情報記録媒体。
  15. 情報記録層を有する基板が熱処理に付されて製造されたものであり、前記熱処理における最高温度が300〜600℃であることを特徴とする請求項13または14に記載の情報記録媒体。
  16. 請求項5〜11のいずれか1項に記載の情報記録媒体用基板上に、情報記録層を含む多層膜を形成する工程を含む情報記録媒体の製造方法であって、前記多層膜を形成した基板を300〜600℃の温度で加熱することをさらに含むことを特徴とする前記情報記録媒体の製造方法。
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