JPWO2003101294A1 - 磁気共鳴イメージング装置及びマルチステーションce−mra方法 - Google Patents

磁気共鳴イメージング装置及びマルチステーションce−mra方法 Download PDF

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Abstract

被検体へ設定された複数のステーションをステップ状に移動して静磁場に位置付け、各ステーションにおいて前記被検体からNMR信号を3次元計測するパルスシーケンスを実行して各ステーションにおける血管画像を取得し、それらの血管画像を1枚の画像に合成して表示するマルチステーションCE−MRAにおいて、被検体へ造影剤を注入する前のマスク像を撮像するときには被検体を最下流のステーションから最上流のステーションへ向けて順次移動させ、被検体へ造影剤を注入した後のライブ像を撮像するときには、前記マスク像を撮像するときとは逆に被検体を最上流のステーションから最下流のステーションへ向けて順次移動する。

Description

技術分野
本発明は核磁気共鳴現象を利用して被検体を画像化し表示する磁気共鳴イメージング装置(以下、MRI装置という。)において造影剤を用いて血管画像(血流画像)を撮像する技術に関し、特に被検体の広範囲の血管を画像化する技術に関するものである。
背景技術
MRI装置を利用した撮像法の一つに、造影剤を用いた血管画像の撮像(造影MRアンジオグラフィ;以下CE−MRAという。)がある。CE−MRAでは、血流のT1値を短縮する造影剤を被検体の静脈に注入し、造影剤が検査対象とする血管の部位に止まっているタイミングに高速なT1強調撮像シーケンスでそれを撮像することにより、血流の信号を高輝度で描出した画像が得られる。
近年、MRI装置を用いて生体の下肢を含む広範囲の血管を同時に撮影して診断することが要望されている。この要望を満たすものとして、1つ又は複数の受信コイルを用い、被検体を載せたテーブルをステップ状に複数のステーションへ移動し、ステーション毎に血管画像を得て、得られた複数の画像を1枚の画像に合成して診断に供するマルチステーションCE−MRAと称される撮像技法が米国特許第5,928,148号に提案されている。
このマルチステーションCE−MRAを用いると、1回の造影剤注入で広範囲の血管の画像を得られるので医師の診断効率が向上するとともに、患者にとっては投与される造影剤の量が少なく、かつ撮像時間が短いことから身体への負担が軽減されるメリットがあるとされている。
しかし、米国特許第5,928,148号には、各ステーションでの撮像を造影剤濃度のピークに行うことが開示されているが、各ステーションにおけるk空間のデータ収集順についての詳細な記載がなされていない。
ところでMRI装置では位相エンコードされた計測データをフーリエ変換することにより画像を得ているが、この際得られる画像は、位相方向と周波数(リードアウト)方向との2次元計測空間(k空間という。)に格納された計測データのうちk空間の位相エンコードゼロ付近に格納されたデータによって、そのコントラストやSN比が支配される。
このことは、MRアンジオグラフィにおいて用いる3次元計測法にも当て嵌まり、マルチステーションCE−MRAにおいて検査対象部位の血管内の造影剤濃度に応じて3次元k空間の中心へ向けて、または中心から外側へ向けてデータを収集するという技術手法が米国特許第6,230,040号に記載されている。しかし、この米国特許第6,230,040号に記載された技術は、各ステーションにおける3次元k空間のデータ収集順序が全て異なり、そのデータ収集順序を記憶しておくメモリの容量が大きくなるとともにその制御が複雑であると考えられる。
また、マルチステーションCE−MRAでは、造影剤のテストインジェクションによる各ステーションへの造影剤の到達時間の測定のための被検体移動と、造影剤注入前の血管像(マスク像)を取得するための被検体移動と、造影剤を注入後の血管像(ライブ像)を取得するための被検体移動と、各ステーションにおけるMR撮像とを組み合わせて繰り返して行う必要があるが、前記米国特許には、ライブ像の取得を終えるまでの時間、すなわちマルチステーションCE−MRA撮像が長いという課題が残されていた。
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、マルチステーションCE−MRAを短時間で行うことができるMRI装置を提供することにある。
発明の開示
前記本発明の目的を達成するための本発明のNMR装置は代表的には、静磁場内に置かれた被検体からNMR信号を3次元計測するパルスシーケンスを実行する撮像手段と、前記被検体へ注入された造影剤の流れの方向へ沿って前記被検体の複数の異なる位置へ設定された最上流に位置する第1ステーションから最下流に位置する第Nステーションまで前記被検体を前記静磁場に対しステップ的に移動する手段と、前記被検体を前記第Nステーションから第1ステーションへ順次移動するとともに、前記各ステーションにおいて前記撮像手段によってマスク像を撮像する手段と、造影剤が注入された前記被検体を第1ステーションから第Nステーションへ順次移動するとともに、前記各ステーションにおいて前記撮像手段によってライブ像を撮像する手段、を備えたことを特徴としている。
また本発明の目的を達成するためのマルチステーションCE−MRA方法は代表的には、(a)造影剤の流れ方向において被検体の異なる位置へ設定された複数のステーションの各々を造影剤の流れ方向とは逆の方向へステップ移動して各ステーションを順次静磁場に位置させ、各ステーションにおいて前記被検体のマスク像を撮像するステップ、(b)造影剤を前記被検体へ注入するステップ、(c)造影剤の流れとともに前記各ステーションを前記マスク像の撮像時とは逆にステップ移動するとともに、前記各ステーションにおいて前記被検体のライブ像を撮像するステップ、を含むことを特徴としている。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明のMRI装置の実施形態を説明する。図1は本発明が適用されるMRI装置の概略構成を示すブロック図である。
このMRI装置は、図示するように、静磁場発生回路2と、傾斜磁場発生系2と、送信系3と、受信系4と、信号処理系5と、シーケンサ6と、中央処理装置(CPU)7と、操作部8とを備えている。
静磁場発生回路1は、テーブル27の上に横たわった被検体9の周りにその体軸方向または体軸と直交する方向に均一な静磁場を発生させるもので、永久磁石方式、常電導方式または超電導方式の磁石から成る。
傾斜磁場発生系2は、x、y、zの3軸方向の傾斜磁場コイル10と、それぞれのコイルを駆動する傾斜磁場電源11とから成り、シーケンサ6からの命令に従って傾斜磁場電源11が駆動されることにより、傾斜磁場電源11から傾斜磁場コイル10へ直流電流が供給され、スライス方向傾斜磁場Gs、位相エンコード方向傾斜磁場Gp、周波数エンコード方向(リードアウト方向)傾斜磁場Grが傾斜磁場コイル10から発生され、それらが被検体9に印加される。
送信系3は、高周波発信器12と、変調器13と、高周波増幅器14と、照射コイル15とから成り、高周波発信器12から出力された高周波パルスがシーケンサ6の命令に従って変調器13で振幅変調され、この振幅変調された高周波パルスが高周波増幅器14で増幅された後に被検体9に近接して配置された照射コイル15に供給されることにより、電磁波(RFパルス)が被検体9に照射される。これにより被検体9の生体組織を構成する原子の原子核に核磁気共鳴現象が生じる。
受信系4は、核磁気共鳴によって被検体9から放出されるNMR信号(エコー信号)を検出するもので、受信コイル16と、増幅器17と、直交位相検波器18と、A/D変換器19とから成る。被検体9から発生するNMR信号は、被検体9に近接して配置された受信コイル16で検出され、次いで増幅器17で増幅された後、シーケンサ6の制御によるタイミングで直交位相検波器18によりサンプリングされて2系列の収集データとされ、それらの2系列のデータはA/D変換器19でディジタル信号に変換され信号処理系5へ送られる。なお、本発明においては、受信コイル16は、被検体の広がりのある領域からのNMR信号を受信するために、全身用受信コイル或いは複数の局所用受信コイルを組み合わせたものが用いられる。
信号処理系5は、CPU7と、ROM20、RAM21、光ディスク22及び磁気ディスク24などの記録装置と、CRTなどのディスプレイ23とから成り、受信系4から送られた計測データに対してCPU7でフーリエ変換、補正係数演算、差分処理、画像再構成などの処理を行い、被検体9の任意スライス又は3次元領域の画像を形成し、その画像をディスプレイ23に表示する。また、画像処理系5はマルチステーションCE−MRA撮像を行った場合には、各ステーションで撮像した画像をそれぞれ上記処理によって画像再構成するとともに、再構成された各画像を1枚の画像に合成処理する。
ROM20は、経時的な画像解析処理及び計測を行うプログラムや、その実行に用いられる普遍のパラメータなどを記憶する。RAM21は、全計測で用いた計測パラメータや受信系4で検出されたエコー信号及び関心領域設定に用いる画像を一時的に保管するとともに、その関心領域を設定するためのパラメータなどを記憶する。光ディスク22及び磁気ディスク24は、CPU7により再構成された画像データを記憶する。
本発明のMRI装置は、予備的な撮像によって被検体9へ投与された造影剤が複数の位置に到達する時間(造影剤注入から到達までの時間)を測定した場合、これら造影剤の到達時間を記憶する記憶手段を備える。この記憶手段は、例えばRAM21にその機能を持たせることができる。
CPU7は、前述したように、信号処理系5の一部として画像再構成に必要な各種演算を行うほか、記憶装置に設定された撮像のタイムチャートである撮像シーケンスに従いシーケンサ6に指令を送り、送信系3、傾斜磁場発生系2及び受信系4を制御する。撮像シーケンスは、撮像方法に応じて種々のものが予め設定されているが、本発明では後述する血流イメージングのための3次元計測シーケンスが備えられている。操作部8は、信号処理系5で行う処理の制御情報を入力するもので、トラックボールやマウス25、キーボード26などを備えている。
テーブル27は、被検体の所望の部位を静磁場空間に移動するための移動機構(図示省略)を備えている。この移動機構もまた、CPU7を介して制御される。
次に、上記構成のMRI装置を用いたマルチステーションCE−MRA方法の一実施形態について説明する。本実施形態では、図2に示すように3つのステーションに被検体9の撮像部位を順次位置決めし、これらのステーション毎に撮像を行い、3つの画像31、32、33を得て、さらにそれらの3つの画像を合成する例を説明する。
この実施形態では、3つのステーションで撮像される部位に対応して3つの受信コイル28、29、30が配置され、第1ステーションST(図2(a))では受信コイル28を用いて被検体9の腹部から骨盤部まで、第2ステーションST(図2(b))では受信コイル29を用いて大腿部から膝部まで、第3ステーションST(図2(c))では受信コイル30を用いて膝部から足首までが撮像される。テーブル27は、これら3つのステーションにおける撮像視野(FOV)の中心が順次、静磁場中心に位置するように移動する。この移動距離および移動のタイミングは、撮像部位が決まると、操作部8を介して記憶装置に設定され、例えば第1ステーションSTの撮像 テーブル移動 第2ステーションSTの撮像テーブル移動 第3ステーションSTの撮像の順序で、またはこれと逆の順序で撮像とテーブル移動が実行されるようにCPU7により撮像及びテーブル移動が制御される。
次に、本実施形態によるCE−MRAの手順を説明する。本実施形態では、先ず撮像に先立って、造影剤を注入してから検査部位とした被検体9の血管部位(複数の位置)に造影剤が到達する時間を計測する。造影剤の到達時間の計測は、テストインジェクションによって少量、例えば約2ccの造影剤を注入した後、連続撮像(フルオロスコピー撮像)によって目的血管を含む領域の時系列MR画像を得、これら一連のMR画像における目的位置、例えばFOVの中心位置を含むその近傍の所定領域の信号変化を観測することによって行い、造影剤濃度がピークとなった時間を造影剤の到達時間とする。
すなわち、図3のフローチャートに示すように、先ずテーブル27を移動して被検体9が第1ステーションSTの位置に設定され(ステップ301)、フルオロスコピー撮像が開始される(ステップ302)。被検体9に少量の造影剤がテストインジェクションされ(ステップ303)、造影剤の注入と同時に装置に備えられたストップウォッチが作動される。ストップウォッチにより計測された時刻は、作動開始時点を0とし、連続撮像された各フルオロスコピー画像の画像IDに画像計測の時間として記録される(ステップ304)。なお、各フルオロスコピー画像は光ディスク22又は磁気ディスク24へ記憶される。第1ステーションSTの所望の血管への造影剤の到達を確認することができたら、フルオロスコピー撮像は中断され(ステップ305)、テーブル27が第3ステーションSTに移動される(ステップ306)。テーブル27が第3ステーションSTに移動されたら再度フルオロスコピー撮像が開始され、所望の血管に造影剤が到達するのが観察される(ステップ307)。ここでも連続撮像された各フルオロスコピー画像の画像IDにストップウォッチによる計時が記録され(ステップ308)、各フルオロスコピー画像は光ディスク22又は磁気ディスク24へ記憶される。所望の血管への造影剤の到達が確認できたら、フルオロスコピー撮像は中断される(ステップ309)。
撮像された各フルオロスコピー画像を読み出して観察することによって、第1ステーションST及び第3ステージョンSTにおける所望の血管への造影剤の到達時間TT1、TT3が画像IDから求められる(ステップ310)。これらの造影剤の到達時間TT1、TT3から第2ステーションSTにおける造影剤の到達時間TT2が推定値として式(1)により算出される(ステップ311)。
TT2=(TT1+TT3)/2 ・・・(1)
こうして求められた各位置(ステーション)における造影剤到達時間TT1、TT2、TT3を各ステーションの撮影条件の一つとして記録装置に記憶する(ステップ312)。なお、図3に示す実施形態では、第1ステーションST及び第3ステーションSTの造影剤の到達時間TT1、TT3を計測し、第2ステーションSTの造影剤の到達時間TT2はそれらから推定値として演算により求めたが、全てのステーションについて造影剤の到達時間を計測によって求めても良い。また本実施形態では、造影剤の到達時間を操作者がフルオロスコピー画像を観察することによって求めることとしたが、目的血管の特定の画素又は画素領域について信号値を画像毎にCPU7によって追跡し、信号値がピークとなった画像のIDに記録された造影剤の到達時間を読み取ることで自動的に求めても良く、これは医療画像処理の分野でTIC(Time Intensity Curve)法として知られている技術を用いれば容易に実現可能である。
こうして求められた各ステーションにおける造影剤の到達時間が装置へ設定された後、撮像が開始される。撮像は、図4のフローチャートに示すように、造影剤が被検体9へ注入される前のマスク像の撮像(ステップ401〜406)と注入された後のライブ像の撮像(ステップ407〜415)の2回から成り、それらの撮像は造影剤の注入前後とも同一撮像条件で行われる。
本実施形態では、撮像開始の時点でテーブル27は第3ステーションSTにある(第3ステーションSTでのフルオロスコピー撮像が中断したままの位置にある)ので、造影剤注入前のマスク像の撮像は第3ステーションSTから第2ステーションSTへ、さらには第1ステーションSTへと被検体へ注入された造影剤の流れ方向に対し下流側のステーションから上流側のステーションへ行い、そして造影剤注入後のライブ像の撮像は第1ステーションSTから第2ステーションSTへ、さらには第3ステーションSTへと造影剤の流れの上流側のステーションから下流側のステーションへ向けてテーブル27を進めながら被検体9を移動して行われる。
各ステーションの撮像においては、例えば図5(a)に示すような短い繰返し時間TRの3次元グラディエントエコーシーケンスを用いて、被検体9の所定の厚みを有したスラブからスライスエンコードGs及び位相エンコードGpの付与された複数のエコー信号からなる3次元データ(図5(b)参照)が取得される。なお、図5(a)に示す3次元グラディエントエコーシーケンスは公知であるので、詳細な説明は省略する。
このパルスシーケンスで計測されたエコー信号は、スライスエンコード方向をkz、位相エンコード方向をky、リードアウト方向をkxとしたとき、(kx,ky,kz)で定義されるメモリ空間(3次元k空間)に順次格納され、それらを3次元フーリエ変換することにより、3次元画像データ(x,y,z)が得られる。既に述べたように3次元k空間の中心(kx=0,ky=0,kz=0)及びその付近のデータが、得られる画像のコントラスト、SN比を支配するので、本発明では、各ステーションの撮像において、k空間の中心及び中心付近を計測する時刻と造影剤の到達時刻とが一致するように撮像シーケンスが制御される。
なお、3次元k空間の中心及び中心付近を先に計測する計測オーダリングには、中心を計測した後、周辺へ向けて計測を行うセントリックオーダーを用いる方法と、シーケンシャルオーダーの一方側の高周波部分を計測しない方法とがあり、それらのいずれの方法も本発明に適用することができる。また、3次元k空間の中心とは、スライスエンコード方向kxと位相エンコード方向kyとの双方についての中心を意味する場合と、それらの一方向についての中心を意味する場合とがあるが、本発明はそれらのいずれであっても良い。本発明の実施形態では、エコー信号の計測オーダリングは、位相エンコード方向において、シーケンシャルオーダーであって、かつ位相エンコード方向の一方側の高周波部分を計測しない非対称計測法であり、またk空間の中心とは、3次元k空間の位相エンコード方向の中心を意味するものである。
そして、本発明の実施形態においては、撮像シーケンスの制御は、(1)撮像開始時間(撮像開始までの待ち時間)、および(2)データ収集をしない領域(データ収集順を含む)の一方或いは両方について行われる。
以下、造影剤注入後の撮像について、その制御の具体例を図4のフローチャート(ステップ407〜415)及び図6を参照して説明する。まず造影剤が被検体9へ注入され(ステップ407)、第1ステーションSTの撮像が開始される(ステップ408)。この際、造影剤注入後を始点として待ち時間WT1後にNMR信号の計測(スキャン)を開始するとすると、この待ち時間WT1は次式(2)とする。
WT1=TT1−(スキャン開始からk空間中心収集までの時間)
−(造影剤注入に要する時間/2) ・・・(2)
スキャン開始からk空間中心収集までの時間は、例えば図示するシーケンシャルオーダーによってk空間の全データを収集する場合、全スキャン時間Tscanの1/2である。図示するようにk空間の一部のデータを収集しない場合はそれより短くなる。また式(2)中、造影剤注入に要する時間の項は、撮像時はテストインジェクション時に比べ数倍から10倍ほどの造影剤が被検体9へ注入されるので、造影剤の注入に無視できない時間を要するため、その時間の中間点を造影剤到達時間計測の始点とみなすことにより導入されたものである。なお、造影剤注入に要する時間は、注入される造影剤の量と造影剤注入器(図示省略)により行われる造影剤の単位時間当り注入量とから算出することができる。
このように第1ステーションSTの撮像の開始時間(待ち時間WT1)を設定することにより、目的血管における造影剤濃度がピークとなる時点でスキャンタイミングをk空間中心のデータ収集に合わせることができる。
次にテーブル27が所定距離だけ移動(第2ステーションSTへ移動)され(ステップ409)、第2ステーションSTの撮像が行われる(ステップ410)。第2ステーションSTの撮像では、第2ステーションSTの撮像シーケンスの開始からk空間中心のデータ収集までの時間が、次式(3)となるようにk空間収集順が制御される(ステップ411)。
(STの撮像シーケンスの開始からk空間中心の収集までの時間)
=TT2−WT1−(STの撮像時間)−(テーブル移動時間)
−(造影剤注入に要する時間/2) ・・・(3)
さらにテーブル27が移動され(ステップ412)、第3ステーションSTの撮像が行われる(413)。第3ステーションSTの撮像では、第3ステーションSTの撮像シーケンスの開始からk空間中心におけるデータ収集までの時間が、次式(4)となるようにk空間収集順が制御される(ステップ414)。
(STの撮像シーケンスの開始からk空間中心収集までの時間)
=TT3−WT1−(STの撮像時間)−(STの撮像時間)
−(テーブルの移動時間)×2−(造影剤注入に要する時間/2)
・・・(4)
なお、上記式(4)にてテーブルの移動時間×2を引き算しているが、これは第1ステーションSTから第2ステーションSTへのテーブル27の移動距離と移動速度と、第2ステーションSTから第3ステーションSTへのテーブル27の移動距離と移動速度とがそれぞれ等しいとみなしているからで、それらが等しくない場合にはそれに応じたテーブル27の移動時間を引き算することになる。このように第2ステーションST及び第3ステーションSTの撮像では、k空間収集順を上記のように制御して撮像シーケンスの開始からk空間中心のデータ収集までの時間を適切に設定する。これにより、常に目的血管内における造影剤濃度がピークとなる時点でk空間中心のデータを収集することができる。
撮像シーケンスの開始からk空間中心の収集までの時間が、上記二式を満たすようにk空間収集順を制御する手法を説明する。図5(b)に示したように3次元計測によって計測されたデータは、スライスエンコード(kz)、位相エンコード(ky)及び周波数エンコード(kx)で決まる3次元k空間に配置される。k空間のデータを収集する順序には、前にも説明したように代表的なものとして、図7に示すようにスライスエンコードと位相エンコードとの2次元k空間を例に説明すると、位相エンコードの高周波側端部から中心を経て他方の高周波側端部に向けて順次データを収集するシーケンシャルオーダー(図7(a))と、k空間の中心のデータから収集を開始し、その後周辺に向かってデータを収集するセントリックオーダー(図7(d))がある。またシーケンシャルオーダー及びセントリックオーダーのそれぞれについて、k空間のデータの一部(例えば、高周波側)のデータを収集しない非対称オーダー(図7(b)、(c)、(e))がある。このデータ収集法とデータを収集しない領域の決め方(即ち、どのデータから収集するか、或いはどのデータで計測を終了するか)とによってスキャン開始(撮像開始)からk空間中心のデータ収集までの時間を所望の時間に設定することができる。
本発明の実施形態では、オーダリング法は1種類のみを使用する。そして、k空間の一方側の高周波領域を計測しないことで造影剤の到達時刻とスキャンの開始時刻を一致させる。そのために、k空間を全てシーケンシャルオーダーによって計測する1種類のオーダリング法に基づく3次元計測パルスシーケンスを記憶手段に記憶しておき、その記憶されたパルスシーケンスの開始アドレスまたは終了アドレスをCPU7が指示することで本実施形態の動作が制御されるようにすると良い。そうすることにより、3次元計測パルスシーケンスを他の用途に使用することもでき、装置の汎用性が得られる。この他に、本実施形態を実行するための専用の非対称計測オーダリングをメモリへ記憶しておくことも適用可能である。
すなわち、図7(b)に示す例では、k空間(ky−kz空間)について、例えば位相エンコードの一方の高周波側1/4の領域についてはデータを収集せずに、それに隣接する所定No.の位相エンコードについて得ようとするスライス数だけスライスエンコード量を順次可変設定してスキャンを行い、次に位相エンコードNo.を順次他方の高周波側端部へ向けてデータ収集する。このデータ収集方法は、傾斜磁場電源の性能が低く、強力な傾斜磁場を短時間でオン/オフ制御することが困難なMRI装置に好適である。
これによってスキャン開始からk空間中心のデータ収集までの時間が全スキャン時間の1/4に設定され得る。
すなわち、式(2)、式(3)の右辺からそのステーションでのスキャン開始からk空間中心のデータ収集までの時間が算出されたならば、その時間内で収集できるk空間の領域を求め、その求められた領域の一端をk空間の中心に位置合わせするとともに他方を高周波側として想定し、求められた領域を除く高周波側の残り領域についてはデータを収集しないこととする。これによって、k空間中心のデータ収集の時刻と目的血管への造影剤到達時刻とを一致させることができる。
図7(a),(b),(c)に示す例は、シーケンシャルオーダーの場合を示したが、セントリックオーダーの場合にも、データ収集順を制御することによって、スキャン開始からk空間中心におけるデータ収集までの時間を所望の時間に設定することが可能である。但し、セントリックオーダーの場合には、k空間中心からデータ収集を開始するので、第2ステーションST或いは第3ステーションSTのスキャン開始からk空間中心部のデータ収集までの時間はゼロとなる。したがって、第2ステーションSTの撮像で造影剤到達時刻とk空間中心部のデータ収集時刻とを一致させるためには、TT2−TT1−(テーブル移動時間)が第1ステーションSTの撮像終了時間となるように第1ステーションSTの収集順(収集エンコード数を含めた収集開始エンコード)が制御される。同様に第3ステーションSTにおいても、TT3−TT2−(テーブル移動時間)が第2ステーションSTの撮像終了時間となるようにデータ収集の制御が行われる。このように直前のステーションにおけるデータ収集プロセスを制御して撮像終了時間を適切に設定することにより、造影剤到達時刻とk空間中心のデータ収集時刻とを一致させることができる。
また上述のようにデータ収集しない領域を可変設定するのではなく、スライスエンコード数や位相エンコード数を変更することによっても、造影剤到達時刻とk空間中心のデータ収集時刻とを一致させることが可能である。すなわち、一般に、k空間を埋める全てのデータを収集する場合、スキャン時間Tscanは、パルスシーケンスの繰返し時間をTRとしたときに、
Tscan=TR×(スライスエンコード数)×(位相エンコード数) ・・・(5)
であるので、例えばスライスエンコード或いは位相エンコードを間引くことにより、スキャン開始からk空間中心のデータ収集までの時間を所望の時間に設定できる。
以上の実施例は、スキャン開始からk空間中心のデータ収集までの時間が、それぞれ1つのステーションの全スキャン時間Tscanの1/2より短い場合を示したが、被検体によっては又は1画像の撮像視野の大きさ(FOV)によっては、TT2、TT3が比較的長く撮像シーケンスの動作開始からk空間中心のデータ収集までの時間が上記全スキャン時間Tscanの1/2より長い場合もある。この場合には、待ち時間WTを設けて、k空間中心のデータ収集と造影剤到達とのタイミングが一致するようにする。このような実施例を図8に示す。
この実施例では、第1ステーションST及び第2ステーションSTの撮像は図6に示す実施例と同様に、第1ステーションSTについては造影剤の注入後、WT1と同じ待ち時間WT2(=WT1)後に撮像を開始し、第2ステーションSTでは撮像シーケンスのデータ収集順を制御して、k空間中心におけるデータ収集の時刻が造影剤到達時刻に一致するようにする。一方、第3ステーションSTについては、次式(6)となるようにデータ収集順を制御する。
(STの撮像シーケンスの開始からk空間中心収集までの時間)
=TT3−WT1−(STの撮像時間)−(STの撮像時間)
−(テーブル移動時間)×2−(造影剤注入に要する時間/2)
・・・(6)
但し、ここでは撮像シーケンスの開始からk空間中心のデータ収集までの時間が全スキャン時間の1/2と同じかそれより長いので、テーブル移動後、第3ステーションSTの撮像シーケンスの開始前に待ち時間WT3を設定する。待ち時間WT3は、WT3=(撮像開始からk空間中心収集までの時間)−Tscan/2となる。なお、ここでも、テーブルの移動時間×2を引き算しているが、これは第1ステーションSTから第2ステーションSTへのテーブル27の移動距離と移動速度と、第2ステーションSTから第3ステーションSTへのテーブル27の移動距離と移動速度とがそれぞれ等しいとみなしているからで、それらが等しくない場合にはそれに応じたテーブル27の移動時間を引き算することになる。
これによって、k空間中心のデータ収集時刻に目的血管における造影剤濃度がピークとなるようにすることができる。また、この場合にも、データ収集しない領域をk空間の位相エンコード方向の正または負の高周波側に設定し、k空間の全領域を計測せずに途中で計測を終了することにより撮像時間の短縮を図ると良い。
こうして各ステーションにおいて、目的血管における造影剤濃度がピークとなるときにk空間中心のデータを収集し、それぞれ3次元データを得た後、造影剤注入前の被検体の画像データと造影剤が注入された被検体の画像データの差分演算処理、各ステーションの画像データの合成処理を行い、最終的に1枚の血管画像が得られる。これら処理手順の一例を図9に示す。
すなわち、第1ステーションSTから第3ステーションSTの各ステーションで得られ造影注入前及び造影剤注入後の3次元計測データのそれぞれに公知の非対称計測法による画像再構成法を適用して3次元フーリエ変換処理を施すことにより、それぞれの3次元画像データが得られる(ステップ901)。次に、ステーション毎に造影剤注入前及び造影剤注入後の画像データの同一アドレスの画素値同士の差分を各アドレスについて実施することにより、血管の3次元差分画像データが取得される(ステップ902)。各ステーションの3次元差分画像データを投影処理することにより、血管像が得られる(ステップ903)。ステップ903における投影処理には、公知のMIP処理などを採用することが可能である。
そして、最後に各ステーションの血管像を合成することにより、図10に示すような腹部31から足首32までの広い領域の血管像が1枚の画像として得られる(ステップ904)。こうして得られた画像は、全てのステーションにおいて最適なタイミングで収集されたデータから構成されているため、最良なコントラスト及びSN比を有した画像となる。
なお、処理の順序は、上述の差分、投影、合成の順序以外にも、例えば各ステーションの3次元差分画像データを合成した後、投影処理を行うなど適宜変更することができる。また投影処理は、一方向のみならず所望の複数方向について行い、複数枚の画像を得ることができる。これは、3次元画像データに対する投影方向と投影面を任意に設定することで可能である。これにより、1方向視では重なりのある血管の診断が正確に行えるようになる。
以上述べたように本発明によれば、マルチステーションCE−MRAを行う際に、マスク像を取得するための移動と、ライブ像を取得するための移動との合計1往復の移動がなされるのみであり、かつ非対称計測の非計測領域の計測時間にテーブル移動を行うので、撮像時間が短くでき、医師にとっては診断効率が向上し、被検体にとっては身体的負担が減少する。
また、k空間の計測オーダリングは1種類の非対称計測のみを使用するので、そのためのメモリ媒体の容量を減らすことができ、またその計測のための制御も単純に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
図1は本発明が適用されるMRI装置の全体概要を示す図である。図2はマルチステーションCE−MRA方法を説明する図である。図3は各ステーションにおける造影剤到達時間を求める手順を示すフローチャートである。図4は本撮像の手順を示すフローチャートである。図5はMRAで採用する撮像シーケンスの一例(a)及びk空間(b)を説明する図である。図6は各ステーションにおける撮像開始時間及びデータ収集順の制御の一例を示す図である。図7はk空間のデータ収集順とその制御により撮像開始からk空間中心領域収集までの時間を制御する手法を説明する図である。図8は各ステーションにおける撮像開始時間及びデータ収集順の制御についての他の例を示す図である。図9は各ステーションで得た3次元データから全領域を1枚で表示した画像を得る手順の一例を示すフローチャートである。図10は最終的に得られる広範囲の血管像を示す図である。
本発明は核磁気共鳴現象を利用して被検体を画像化し表示する磁気共鳴イメージング装置(以下、MRI装置という。)において造影剤を用いて血管画像(血流画像)を撮像する技術に関し、特に被検体の広範囲の血管を画像化する技術に関するものである。
MRI装置を利用した撮像法の一つに、造影剤を用いた血管画像の撮像(造影MRアンジオグラフィ;以下CE−MRAという。)がある。CE−MRAでは、血流のT1値を短縮する造影剤を被検体の静脈に注入し、造影剤が検査対象とする血管の部位に止まっているタイミングに高速なT1強調撮像シーケンスでそれを撮像することにより、血流の信号を高輝度で描出した画像が得られる。
近年、MRI装置を用いて生体の下肢を含む広範囲の血管を同時に撮影して診断することが要望されている。この要望を満たすものとして、1つ又は複数の受信コイルを用い、被検体を載せたテーブルをステップ状に複数のステーションへ移動し、ステーション毎に血管画像を得て、得られた複数の画像を1枚の画像に合成して診断に供するマルチステーションCE−MRAと称される撮像技法が[特許文献1]に提案されている。
このマルチステーションCE−MRAを用いると、1回の造影剤注入で広範囲の血管の画像を得られるので医師の診断効率が向上するとともに、患者にとっては投与される造影剤の量が少なく、かつ撮像時間が短いことから身体への負担が軽減されるメリットがあるとされている。
米国特許第5,928,148号公報
しかし、[特許文献1]には、各ステーションでの撮像を造影剤濃度のピークに行うことが開示されているが、各ステーションにおけるk空間のデータ収集順についての詳細な記載がなされていない。
ところでMRI装置では位相エンコードされた計測データをフーリエ変換することにより画像を得ているが、この際得られる画像は、位相方向と周波数(リードアウト)方向との2次元計測空間(k空間という。)に格納された計測データのうちk空間の位相エンコードゼロ付近に格納されたデータによって、そのコントラストやSN比が支配される。
このことは、MRアンジオグラフィにおいて用いる3次元計測法にも当て嵌まり、マルチステーションCE−MRAにおいて検査対象部位の血管内の造影剤濃度に応じて3次元k空間の中心へ向けて、または中心から外側へ向けてデータを収集するという技術手法が[特許文献2]に記載されている。しかし、この[特許文献2]に記載された技術は、各ステーションにおける3次元k空間のデータ収集順序が全て異なり、そのデータ収集順序を記憶しておくメモリの容量が大きくなるとともにその制御が複雑であると考えられる。
米国特許第6,230,040号公報
また、マルチステーションCE−MRAでは、造影剤のテストインジェクションによる各ステーションへの造影剤の到達時間の測定のための被検体移動と、造影剤注入前の血管像(マスク像)を取得するための被検体移動と、造影剤を注入後の血管像(ライブ像)を取得するための被検体移動と、各ステーションにおけるMR撮像とを組み合わせて繰り返して行う必要があるが、前記米国特許には、ライブ像の取得を終えるまでの時間、すなわちマルチステーションCE−MRA撮像が長いという課題が残されていた。
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、マルチステーションCE−MRAを短時間で行うことができるMRI装置を提供することにある。
前記本発明の目的を達成するための本発明のNMR装置は代表的には、静磁場内に置かれた被検体から3次元k空間データを計測するパルスシーケンスを実行する像手段と、前記被検体へ注入された造影剤の流れの方向へ沿って前記被検体の複数の異なる位置へ設定された最上流に位置する第1ステーションから最下流に位置する第Nステーションまで前記被検体を前記静磁場に対しステップ的に移動する手段と、前記被検体へ造影剤をテストインジェクションし、前記第1ステーションから前記第Nステーションまでの各ステーションへ造影剤が到達する時間を計測する手段と、前記被検体を前記第Nステーションから第1ステーションへ順次移動するとともに、前記各ステーションにおいて前記撮像手段によってマスク像を撮像する手段と、造影剤が注入された前記被検体を、前記各ステーションへの造影剤到達時間に対応して、第1ステーションから第Nステーションへ順次移動するとともに、前記各ステーションにおいて前記撮像手段によってライブ像を撮像する手段と、前記ステーション毎に、前記マスク画像と前記ライブ画像とから血流画像をそれぞれ生成する手段と、を備えたことを特徴としている。
また本発明の目的を達成するためのマルチステーションCE−MRA方法は代表的には、(a)造影剤の流れ方向において被検体の異なる位置へ設定された複数のステーションの各々を造影剤の流れ方向とは逆の方向へステップ移動して各ステーションを順次静磁場に位置させ、各ステーションにおいて前記被検体のマスク像を撮像するステップ、(b)造影剤を前記被検体へ注入するステップ、(c)造影剤の流れとともに前記各ステーションを前記マスク像の撮像時とは逆にステップ移動するとともに、前記各ステーションにおいて前記被検体のライブ像を撮像するステップ、を含むことを特徴としている。
本発明によれば、マルチステーションCE−MRAを行う際に、マスク像を取得するための移動と、ライブ像を取得するための移動との合計1往復の移動がなされるのみであり、かつ非対称計測の非計測領域の計測時間にテーブル移動を行うので、撮像時間が短くでき、医師にとっては診断効率が向上し、被検体にとっては身体的負担が減少する。
また、k空間の計測オーダリングは1種類の非対称計測のみを使用するので、そのためのメモリ媒体の容量を減らすことができ、またその計測のための制御も単純に行うことができる。
以下、本発明のMRI装置の実施形態を説明する。図1は本発明が適用されるMRI装置の概略構成を示すブロック図である。
このMRI装置は、図示するように、静磁場発生回路2と、傾斜磁場発生系2と、送信系3と、受信系4と、信号処理系5と、シーケンサ6と、中央処理装置(CPU)7と、操作部8とを備えている。
静磁場発生回路1は、テーブル27の上に横たわった被検体9の周りにその体軸方向または体軸と直交する方向に均一な静磁場を発生させるもので、永久磁石方式、常電導方式または超電導方式の磁石から成る。
傾斜磁場発生系2は、x、y、zの3軸方向の傾斜磁場コイル10と、それぞれのコイルを駆動する傾斜磁場電源11とから成り、シーケンサ6からの命令に従って傾斜磁場電源11が駆動されることにより、傾斜磁場電源11から傾斜磁場コイル10へ直流電流が供給され、スライス方向傾斜磁場Gs、位相エンコード方向傾斜磁場Gp、周波数エンコード方向(リードアウト方向)傾斜磁場Grが傾斜磁場コイル10から発生され、それらが被検体9に印加される。
送信系3は、高周波発信器12と、変調器13と、高周波増幅器14と、照射コイル15とから成り、高周波発信器12から出力された高周波パルスがシーケンサ6の命令に従って変調器13で振幅変調され、この振幅変調された高周波パルスが高周波増幅器14で増幅された後に被検体9に近接して配置された照射コイル15に供給されることにより、電磁波(RFパルス)が被検体9に照射される。これにより被検体9の生体組織を構成する原子の原子核に核磁気共鳴現象が生じる。
受信系4は、核磁気共鳴によって被検体9から放出されるNMR信号(エコー信号)を検出するもので、受信コイル16と、増幅器17と、直交位相検波器18と、A/D変換器19とから成る。被検体9から発生するNMR信号は、被検体9に近接して配置された受信コイル16で検出され、次いで増幅器17で増幅された後、シーケンサ6の制御によるタイミングで直交位相検波器18によりサンプリングされて2系列の収集データとされ、それらの2系列のデータはA/D変換器19でディジタル信号に変換され信号処理系5へ送られる。なお、本発明においては、受信コイル16は、被検体の広がりのある領域からのNMR信号を受信するために、全身用受信コイル或いは複数の局所用受信コイルを組み合わせたものが用いられる。
信号処理系5は、CPU7と、ROM20、RAM21、光ディスク22及び磁気ディスク24などの記録装置と、CRTなどのディスプレイ23とから成り、受信系4から送られた計測データに対してCPU7でフーリエ変換、補正係数演算、差分処理、画像再構成などの処理を行い、被検体9の任意スライス又は3次元領域の画像を形成し、その画像をディスプレイ23に表示する。また、画像処理系5はマルチステーションCE−MRA撮像を行った場合には、各ステーションで撮像した画像をそれぞれ上記処理によって画像再構成するとともに、再構成された各画像を1枚の画像に合成処理する。
ROM20は、経時的な画像解析処理及び計測を行うプログラムや、その実行に用いられる普遍のパラメータなどを記憶する。RAM21は、全計測で用いた計測パラメータや受信系4で検出されたエコー信号及び関心領域設定に用いる画像を一時的に保管するとともに、その関心領域を設定するためのパラメータなどを記憶する。光ディスク22及び磁気ディスク24は、CPU7により再構成された画像データを記憶する。
本発明のMRI装置は、予備的な撮像によって被検体9へ投与された造影剤が複数の位置に到達する時間(造影剤注入から到達までの時間)を測定した場合、これら造影剤の到達時間を記憶する記憶手段を備える。この記憶手段は、例えばRAM21にその機能を持たせることができる。
CPU7は、前述したように、信号処理系5の一部として画像再構成に必要な各種演算を行うほか、記憶装置に設定された撮像のタイムチャートである撮像シーケンスに従いシーケンサ6に指令を送り、送信系3、傾斜磁場発生系2及び受信系4を制御する。撮像シーケンスは、撮像方法に応じて種々のものが予め設定されているが、本発明では後述する血流イメージングのための3次元計測シーケンスが備えられている。操作部8は、信号処理系5で行う処理の制御情報を入力するもので、トラックボールやマウス25、キーボード26などを備えている。
テーブル27は、被検体の所望の部位を静磁場空間に移動するための移動機構(図示省略)を備えている。この移動機構もまた、CPU7を介して制御される。
次に、上記構成のMRI装置を用いたマルチステーションCE−MRA方法の一実施形態について説明する。本実施形態では、図2に示すように3つのステーションに被検体9の撮像部位を順次位置決めし、これらのステーション毎に撮像を行い、3つの画像31、32、33を得て、さらにそれらの3つの画像を合成する例を説明する。
この実施形態では、3つのステーションで撮像される部位に対応して3つの受信コイル28、29、30が配置され、第1ステーションST1(図2(a))では受信コイル28を用いて被検体9の腹部から骨盤部まで、第2ステーションST2(図2(b))では受信コイル29を用いて大腿部から膝部まで、第3ステーションST3(図2(c))では受信コイル30を用いて膝部から足首までが撮像される。テーブル27は、これら3つのステーションにおける撮像視野(FOV)の中心が順次、静磁場中心に位置するように移動する。この移動距離および移動のタイミングは、撮像部位が決まると、操作部8を介して記憶装置に設定され、例えば第1ステーションST1の撮像→テーブル移動→第2ステーションST2の撮像→テーブル移動→第3ステーションST3の撮像の順序で、またはこれと逆の順序で撮像とテーブル移動が実行されるようにCPU7により撮像及びテーブル移動が制御される。
次に、本実施形態によるCE−MRAの手順を説明する。本実施形態では、先ず撮像に先立って、造影剤を注入してから検査部位とした被検体9の血管部位(複数の位置)に造影剤が到達する時間を計測する。造影剤の到達時間の計測は、テストインジェクションによって少量、例えば約2ccの造影剤を注入した後、連続撮像(フルオロスコピー撮像)によって目的血管を含む領域の時系列MR画像を得、これら一連のMR画像における目的位置、例えばFOVの中心位置を含むその近傍の所定領域の信号変化を観測することによって行い、造影剤濃度がピークとなった時間を造影剤の到達時間とする。
すなわち、図3のフローチャートに示すように、先ずテーブル27を移動して被検体9が第1ステーションST1の位置に設定され(ステップ301)、フルオロスコピー撮像が開始される(ステップ302)。被検体9に少量の造影剤がテストインジェクションされ(ステップ303)、造影剤の注入と同時に装置に備えられたストップウォッチが作動される。ストップウォッチにより計測された時刻は、作動開始時点を0とし、連続撮像された各フルオロスコピー画像の画像IDに画像計測の時間として記録される(ステップ304)。なお、各フルオロスコピー画像は光ディスク22又は磁気ディスク24へ記憶される。第1ステーションST1の所望の血管への造影剤の到達を確認することができたら、フルオロスコピー撮像は中断され(ステップ305)、テーブル27が第3ステーションST3に移動される(ステップ306)。テーブル27が第3ステーションST3に移動されたら再度フルオロスコピー撮像が開始され、所望の血管に造影剤が到達するのが観察される(ステップ307)。ここでも連続撮像された各フルオロスコピー画像の画像IDにストップウォッチによる計時が記録され(ステップ308)、各フルオロスコピー画像は光ディスク22又は磁気ディスク24へ記憶される。所望の血管への造影剤の到達が確認できたら、フルオロスコピー撮像は中断される(ステップ309)。
撮像された各フルオロスコピー画像を読み出して観察することによって、第1ステーションST1及び第3ステーションST3における所望の血管への造影剤の到達時間TT1、TT3が画像IDから求められる(ステップ310)。これらの造影剤の到達時間TT1、TT3から第2ステーションST2における造影剤の到達時間TT2が推定値として式(1)により算出される(ステップ311)。
TT2=(TT1+TT3)/2 ・・・(1)
こうして求められた各位置(ステーション)における造影剤到達時間TT1、TT2、TT3を各ステーションの撮影条件の一つとして記録装置に記憶する(ステップ312)。なお、図3に示す実施形態では、第1ステーションST1及び第3ステーションST3の造影剤の到達時間TT1、TT3を計測し、第2ステーションST2の造影剤の到達時間TT2はそれらから推定値として演算により求めたが、全てのステーションについて造影剤の到達時間を計測によって求めても良い。また本実施形態では、造影剤の到達時間を操作者がフルオロスコピー画像を観察することによって求めることとしたが、目的血管の特定の画素又は画素領域について信号値を画像毎にCPU7によって追跡し、信号値がピークとなった画像のIDに記録された造影剤の到達時間を読み取ることで自動的に求めても良く、これは医療画像処理の分野でTIC(Time Intensity Curve)法として知られている技術を用いれば容易に実現可能である。
こうして求められた各ステーションにおける造影剤の到達時間が装置へ設定された後、撮像が開始される。撮像は、図4のフローチャートに示すように、造影剤が被検体9へ注入される前のマスク像の撮像(ステップ401〜406)と注入された後のライブ像の撮像(ステップ407〜415)の2回から成り、それらの撮像は造影剤の注入前後とも同一撮像条件で行われる。
本実施形態では、撮像開始の時点でテーブル27は第3ステーションST3にある(第3ステーションST3でのフルオロスコピー撮像が中断したままの位置にある)ので、造影剤注入前のマスク像の撮像は第3ステーションST3から第2ステーションST2へ、さらには第1ステーションST1へと被検体へ注入された造影剤の流れ方向に対し下流側のステーションから上流側のステーションへ行い、そして造影剤注入後のライブ像の撮像は第1ステーションST1から第2ステーションST2へ、さらには第3ステーションST3へと造影剤の流れの上流側のステーションから下流側のステーションへ向けてテーブル27を進めながら被検体9を移動して行われる。
各ステーションの撮像においては、例えば図5(a)に示すような短い繰返し時間TRの3次元グラディエントエコーシーケンスを用いて、被検体9の所定の厚みを有したスラブからスライスエンコードGs及び位相エンコードGpの付与された複数のエコー信号からなる3次元データ(図5(b)参照)が取得される。なお、図5(a)に示す3次元グラディエントエコーシーケンスは公知であるので、詳細な説明は省略する。
このパルスシーケンスで計測されたエコー信号は、スライスエンコード方向をkz、位相エンコード方向をky、リードアウト方向をkxとしたとき、(kx,ky,kz)で定義されるメモリ空間(3次元k空間)に順次格納され、それらを3次元フーリエ変換することにより、3次元画像データ(x,y,z)が得られる。既に述べたように3次元k空間の中心(kx=0,ky=0,kz=0)及びその付近のデータが、得られる画像のコントラスト、SN比を支配するので、本発明では、各ステーションの撮像において、k空間の中心及び中心付近を計測する時刻と造影剤の到達時刻とが一致するように撮像シーケンスが制御される。
なお、3次元k空間の中心及び中心付近を先に計測する計測オーダリングには、中心を計測した後、周辺へ向けて計測を行うセントリックオーダーを用いる方法と、シーケンシャルオーダーの一方側の高周波部分を計測しない方法とがあり、それらのいずれの方法も本発明に適用することができる。また、3次元k空間の中心とは、スライスエンコード方向kxと位相エンコード方向kyとの双方についての中心を意味する場合と、それらの一方向についての中心を意味する場合とがあるが、本発明はそれらのいずれであっても良い。本発明の実施形態では、エコー信号の計測オーダリングは、位相エンコード方向において、シーケンシャルオーダーであって、かつ位相エンコード方向の一方側の高周波部分を計測しない非対称計測法であり、またk空間の中心とは、3次元k空間の位相エンコード方向の中心を意味するものである。
そして、本発明の実施形態においては、撮像シーケンスの制御は、(1)撮像開始時間(撮像開始までの待ち時間)、および(2)データ収集をしない領域(データ収集順を含む)の一方或いは両方について行われる。
以下、造影剤注入後の撮像について、その制御の具体例を図4のフローチャート(ステップ407〜415)及び図6を参照して説明する。まず造影剤が被検体9へ注入され(ステップ407)、第1ステーションST1の撮像が開始される(ステップ408)。この際、造影剤注入後を始点として待ち時間WT1後にNMR信号の計測(スキャン)を開始するとすると、この待ち時間WT1は次式(2)とする。
WT1=TT1−(スキャン開始からk空間中心収集までの時間)
−(造影剤注入に要する時間/2) ・・・(2)
スキャン開始からk空間中心収集までの時間は、例えば図示するシーケンシャルオーダーによってk空間の全データを収集する場合、全スキャン時間Tscanの1/2である。図示するようにk空間の一部のデータを収集しない場合はそれより短くなる。また式(2)中、造影剤注入に要する時間の項は、撮像時はテストインジェクション時に比べ数倍から10倍ほどの造影剤が被検体9へ注入されるので、造影剤の注入に無視できない時間を要するため、その時間の中間点を造影剤到達時間計測の始点とみなすことにより導入されたものである。なお、造影剤注入に要する時間は、注入される造影剤の量と造影剤注入器(図示省略)により行われる造影剤の単位時間当り注入量とから算出することができる。
このように第1ステーションST1の撮像の開始時間(待ち時間WT1)を設定することにより、目的血管における造影剤濃度がピークとなる時点でスキャンタイミングをk空間中心のデータ収集に合わせることができる。
次にテーブル27が所定距離だけ移動(第2ステーションST2へ移動)され(ステップ409)、第2ステーションST2の撮像が行われる(ステップ410)。第2ステーションST2の撮像では、第2ステーションST2の撮像シーケンスの開始からk空間中心のデータ収集までの時間が、次式(3)となるようにk空間収集順が制御される(ステップ411)。
(ST2の撮像シーケンスの開始からk空間中心の収集までの時間)
=TT2−WT1−(ST1の撮像時間)−(テーブル移動時間)
−(造影剤注入に要する時間/2) ・・・(3)
さらにテーブル27が移動され(ステップ412)、第3ステーションST3の撮像が行われる(413)。第3ステーションST3の撮像では、第3ステーションST3の撮像シーケンスの開始からk空間中心におけるデータ収集までの時間が、次式(4)となるようにk空間収集順が制御される(ステップ414)。
(ST3の撮像シーケンスの開始からk空間中心収集までの時間)
=TT3−WT1−(ST1の撮像時間)−(ST2の撮像時間)
−(テーブルの移動時間)×2−(造影剤注入に要する時間/2)
・・・(4)
なお、上記式(4)にてテーブルの移動時間×2を引き算しているが、これは第1ステーションST1から第2ステーションST2へのテーブル27の移動距離と移動速度と、第2ステーションST2から第3ステーションST3へのテーブル27の移動距離と移動速度とがそれぞれ等しいとみなしているからで、それらが等しくない場合にはそれに応じたテーブル27の移動時間を引き算することになる。このように第2ステーションST2及び第3ステーションST3の撮像では、k空間収集順を上記のように制御して撮像シーケンスの開始からk空間中心のデータ収集までの時間を適切に設定する。これにより、常に目的血管内における造影剤濃度がピークとなる時点でk空間中心のデータを収集することができる。
撮像シーケンスの開始からk空間中心の収集までの時間が、上記二式を満たすようにk空間収集順を制御する手法を説明する。図5(b)に示したように3次元計測によって計測されたデータは、スライスエンコード(kz)、位相エンコード(ky)及び周波数エンコード(kx)で決まる3次元k空間に配置される。k空間のデータを収集する順序には、前にも説明したように代表的なものとして、図7に示すようにスライスエンコードと位相エンコードとの2次元k空間を例に説明すると、位相エンコードの高周波側端部から中心を経て他方の高周波側端部に向けて順次データを収集するシーケンシャルオーダー(図7(a))と、k空間の中心のデータから収集を開始し、その後周辺に向かってデータを収集するセントリックオーダー(図7(d))がある。またシーケンシャルオーダー及びセントリックオーダーのそれぞれについて、k空間のデータの一部(例えば、高周波側)のデータを収集しない非対称オーダー(図7(b)、(c)、(e))がある。このデータ収集法とデータを収集しない領域の決め方(即ち、どのデータから収集するか、或いはどのデータで計測を終了するか)とによってスキャン開始(撮像開始)からk空間中心のデータ収集までの時間を所望の時間に設定することができる。
本発明の実施形態では、オーダリング法は1種類のみを使用する。そして、k空間の一方側の高周波領域を計測しないことで造影剤の到達時刻とスキャンの開始時刻を一致させる。そのために、k空間を全てシーケンシャルオーダーによって計測する1種類のオーダリング法に基づく3次元計測パルスシーケンスを記憶手段に記憶しておき、その記憶されたパルスシーケンスの開始アドレスまたは終了アドレスをCPU7が指示することで本実施形態の動作が制御されるようにすると良い。そうすることにより、3次元計測パルスシーケンスを他の用途に使用することもでき、装置の汎用性が得られる。この他に、本実施形態を実行するための専用の非対称計測オーダリングをメモリへ記憶しておくことも適用可能である。
すなわち、図7(b)に示す例では、k空間(ky−kz空間)について、例えば位相エンコードの一方の高周波側1/4の領域についてはデータを収集せずに、それに隣接する所定No.の位相エンコードについて得ようとするスライス数だけスライスエンコード量を順次可変設定してスキャンを行い、次に位相エンコードNo.を順次他方の高周波側端部へ向けてデータ収集する。このデータ収集方法は、傾斜磁場電源の性能が低く、強力な傾斜磁場を短時間でオン/オフ制御することが困難なMRI装置に好適である。
これによってスキャン開始からk空間中心のデータ収集までの時間が全スキャン時間の1/4に設定され得る。
すなわち、式(2)、式(3)の右辺からそのステーションでのスキャン開始からk空間中心のデータ収集までの時間が算出されたならば、その時間内で収集できるk空間の領域を求め、その求められた領域の一端をk空間の中心に位置合わせするとともに他方を高周波側として想定し、求められた領域を除く高周波側の残り領域についてはデータを収集しないこととする。これによって、k空間中心のデータ収集の時刻と目的血管への造影剤到達時刻とを一致させることができる。
図7(a),(b),(c)に示す例は、シーケンシャルオーダーの場合を示したが、セントリックオーダーの場合にも、データ収集順を制御することによって、スキャン開始からk空間中心におけるデータ収集までの時間を所望の時間に設定することが可能である。但し、セントリックオーダーの場合には、k空間中心からデータ収集を開始するので、第2ステーションST2或いは第3ステーションST3のスキャン開始からk空間中心部のデータ収集までの時間はゼロとなる。したがって、第2ステーションST2の撮像で造影剤到達時刻とk空間中心部のデータ収集時刻とを一致させるためには、TT2−TT1−(テーブル移動時間)が第1ステーションST1の撮像終了時間となるように第1ステーションST1の収集順(収集エンコード数を含めた収集開始エンコード)が制御される。同様に第3ステーションST3においても、TT3−TT2−(テーブル移動時間)が第2ステーションST2の撮像終了時間となるようにデータ収集の制御が行われる。このように直前のステーションにおけるデータ収集プロセスを制御して撮像終了時間を適切に設定することにより、造影剤到達時刻とk空間中心のデータ収集時刻とを一致させることができる。
また上述のようにデータ収集しない領域を可変設定するのではなく、スライスエンコード数や位相エンコード数を変更することによっても、造影剤到達時刻とk空間中心のデータ収集時刻とを一致させることが可能である。すなわち、一般に、k空間を埋める全てのデータを収集する場合、スキャン時間Tscanは、パルスシーケンスの繰返し時間をTRとしたときに、
Tscan=TR×(スライスエンコード数)×(位相エンコード数) ・・・(5)
であるので、例えばスライスエンコード或いは位相エンコードを間引くことにより、スキャン開始からk空間中心のデータ収集までの時間を所望の時間に設定できる。
以上の実施例は、スキャン開始からk空間中心のデータ収集までの時間が、それぞれ1つのステーションの全スキャン時間Tscanの1/2より短い場合を示したが、被検体によっては又は1画像の撮像視野の大きさ(FOV)によっては、TT2、TT3が比較的長く撮像シーケンスの動作開始からk空間中心のデータ収集までの時間が上記全スキャン時間Tscanの1/2より長い場合もある。この場合には、待ち時間WTを設けて、k空間中心のデータ収集と造影剤到達とのタイミングが一致するようにする。このような実施例を図8に示す。
この実施例では、第1ステーションST1及び第2ステーションST2の撮像は図6に示す実施例と同様に、第1ステーションST1については造影剤の注入後、WT1と同じ待ち時間WT2(=WT1)後に撮像を開始し、第2ステーションST2では撮像シーケンスのデータ収集順を制御して、k空間中心におけるデータ収集の時刻が造影剤到達時刻に一致するようにする。一方、第3ステーションST3については、次式(6)となるようにデータ収集順を制御する。
(ST3の撮像シーケンスの開始からk空間中心収集までの時間)
=TT3−WT1−(ST1の撮像時間)−(ST2の撮像時間)
−(テーブル移動時間)×2−(造影剤注入に要する時間/2)
・・・(6)
但し、ここでは撮像シーケンスの開始からk空間中心のデータ収集までの時間が全スキャン時間の1/2と同じかそれより長いので、テーブル移動後、第3ステーションST3の撮像シーケンスの開始前に待ち時間WT3を設定する。待ち時間WT3は、WT3=(撮像開始からk空間中心収集までの時間)−Tscan/2となる。なお、ここでも、テーブルの移動時間×2を引き算しているが、これは第1ステーションST1から第2ステーションST2へのテーブル27の移動距離と移動速度と、第2ステーションST2から第3ステーションST3へのテーブル27の移動距離と移動速度とがそれぞれ等しいとみなしているからで、それらが等しくない場合にはそれに応じたテーブル27の移動時間を引き算することになる。
これによって、k空間中心のデータ収集時刻に目的血管における造影剤濃度がピークとなるようにすることができる。また、この場合にも、データ収集しない領域をk空間の位相エンコード方向の正または負の高周波側に設定し、k空間の全領域を計測せずに途中で計測を終了することにより撮像時間の短縮を図ると良い。
こうして各ステーションにおいて、目的血管における造影剤濃度がピークとなるときにk空間中心のデータを収集し、それぞれ3次元データを得た後、造影剤注入前の被検体の画像データと造影剤が注入された被検体の画像データの差分演算処理、各ステーションの画像データの合成処理を行い、最終的に1枚の血管画像が得られる。これら処理手順の一例を図9に示す。
すなわち、第1ステーションST1から第3ステーションST3の各ステーションで得られ造影注入前及び造影剤注入後の3次元計測データのそれぞれに公知の非対称計測法による画像再構成法を適用して3次元フーリエ変換処理を施すことにより、それぞれの3次元画像データが得られる(ステップ901)。次に、ステーション毎に造影剤注入前及び造影剤注入後の画像データの同一アドレスの画素値同士の差分を各アドレスについて実施することにより、血管の3次元差分画像データが取得される(ステップ902)。各ステーションの3次元差分画像データを投影処理することにより、血管像が得られる(ステップ903)。ステップ903における投影処理には、公知のMIP処理などを採用することが可能である。
そして、最後に各ステーションの血管像を合成することにより、図10に示すような腹部31から足首32までの広い領域の血管像が1枚の画像として得られる(ステップ904)。こうして得られた画像は、全てのステーションにおいて最適なタイミングで収集されたデータから構成されているため、最良なコントラスト及びSN比を有した画像となる。
なお、処理の順序は、上述の差分、投影、合成の順序以外にも、例えば各ステーションの3次元差分画像データを合成した後、投影処理を行うなど適宜変更することができる。また投影処理は、一方向のみならず所望の複数方向について行い、複数枚の画像を得ることができる。これは、3次元画像データに対する投影方向と投影面を任意に設定することで可能である。これにより、1方向視では重なりのある血管の診断が正確に行えるようになる。
本発明が適用されるMRI装置の全体概要を示す図。 マルチステーションCE−MRA方法を説明する図。 各ステーションにおける造影剤到達時間を求める手順を示すフローチャート。 本撮像の手順を示すフローチャート。 MRAで採用する撮像シーケンスの一例(a)及びk空間(b)を説明する図。 各ステーションにおける撮像開始時間及びデータ収集順の制御の一例を示す図。 k空間のデータ収集順とその制御により撮像開始からk空間中心領域収集までの時間を制御する手法を説明する図。 各ステーションにおける撮像開始時間及びデータ収集順の制御についての他の例を示す図。 各ステーションで得た3次元データから全領域を1枚で表示した画像を得る手順の一例を示すフローチャート。 最終的に得られる広範囲の血管像を示す図。

Claims (15)

  1. 静磁場内に置かれた被検体からNMR信号を3次元計測するパルスシーケンスを実行する像手段と、
    前記被検体へ注入された造影剤の流れの方向へ沿って前記被検体の複数の異なる位置へ設定された最上流に位置する第1ステーションから最下流に位置する第Nステーションまで前記被検体を前記静磁場に対しステップ的に移動する手段と、
    前記被検体を前記第Nステーションから第1ステーションへ順次移動するとともに、前記各ステーションにおいて前記撮像手段によってマスク像を撮像する手段と、
    造影剤が注入された前記被検体を第1ステーションから第Nステーションへ順次移動するとともに、前記各ステーションにおいて前記撮像手段によってライブ像を撮像する手段、
    を備えたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  2. 前記被検体へ造影剤をテストインジェクションし、前記第1ステーションから前記第Nステーションまでの各ステーションへ造影剤が到達する時間を計測する手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  3. 前記造影剤到達時間は、被検体へテストインジェクションされた造影剤を前記撮像手段によるフルオロスコピー撮像を行うことによって計測されることを特徴とする請求項2に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  4. 前記ステーション数が3以上のときは、両端のステーションについて造影剤の到達時間が計測され、中間のステーションへの造影剤の到達時間は計測値から演算で求められることを特徴とする請求項2に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  5. 前記マスク撮像手段及と前記ライブ像撮像手段は、同一の非対称k空間計測オーダリングを用いて各ステーションでの撮像を行うことを特徴とする請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  6. 前記ライブ像撮像手段は、予め測定された各ステーションへの造影剤到達時間と前記k空間の中心を計測する時間とが一致するように、各ステーションでの撮像を前記k空間の非対称計測部から計測開始させることを特徴とする請求項5に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  7. 前記各ステーションで撮像されたマスク画像とライブ画像とから血流画像をそれぞれ生成する手段と、
    前記各ステーションについて生成された血流画像を合成して合成血流画像を生成する手段と、
    前記合成血流画像を表示する画像表示手段
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  8. 前記NMR信号のk空間計測オーダリングは、シーケンシャルオーダリング法のみが適用されることを特徴とする請求項5に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  9. 前記シーケンシャルオーダリング法が位相エンコード方向にのみ適用されることを特徴とする請求項8に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  10. 前記シーケンシャルオーダリング法が位相エンコード方向とスライスエンコード方向との双方に適用されることを特徴とする請求項8に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  11. 前記撮像手段の各々によって制御されるNMR信号の計測順は、位相エンコード方向のみに適用されたシーケンシャルオーダーの開始アドレスまたは終了アドレスであることを特徴とする請求項9に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  12. 前記k空間の一方の高周波側の非計測期間に被検体移動手段を制御して、撮像を完了したステーションから次のステーションへ前記被検体の移動を行うことを特徴とする請求項5に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  13. (a)造影剤の流れ方向において被検体の異なる位置へ設定された複数のステーションの各々を造影剤の流れ方向とは逆の方向へステップ移動して各ステーションを順次静磁場に位置させ、各ステーションにおいて前記被検体のマスク像を撮像するステップ、
    (b)造影剤を前記被検体へ注入するステップ、
    (c)造影剤の流れとともに前記各ステーションを前記マスク像の撮像時とは逆にステップ移動するとともに、前記各ステーションにおいて前記被検体のライブ像を撮像するステップ、
    を含むことを特徴とするマルチステーションCE−MRA方法。
  14. (d)前記ステップ(b)、(c)を実行することによって得られたマスク像とライブ像に基いて各ステーションにおける血管画像を生成するステップ、
    (e)前記各ステーションにおける血管画像を合成するステップ、
    (f)前記合成血管画像を表示するステップ、
    を含む請求項13に記載のマルチステーションCE−MRA方法。
  15. 前記ステップ(a)に先立って、前記被検体へ造影剤のテストインジェクションを行い、前記マスク像の撮像開始ステーションへ向けて各ステーションの造影剤到達時間を測定するステップを含むことを特徴とする請求項13に記載のマルチステーションCE−MRA方法。
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