JPWO2003092497A1 - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

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Abstract

複数の受信コイルから成るマルチプル受信コイルを用いて、被検体の撮影部位に対し第1のパルスシーケンスを実行して検査画像よりも少ないn枚の感度画像701〜703を取得する。この感度画像を求めるときにk空間の低周波領域についてのみNMR信号を計測する。次いで、位相エンコードステップを間引きした第2のパルスシーケンスを実行して各受信コイルでm枚(m>n)の被検体の検査画像704、705を取得する。感度画像701〜703に基いて各受信コイルの感度分布707、708を生成するに際し、検査画像704、705のスライス位置に対応したスライスの感度分布がない場合には、感度分布701〜703に基づいてスライス補間処理により求め、感度分布707,708を用いて検査画像704、705の折り返しアーチファクトを行列演算により除去する。

Description

技術分野
本発明は、磁気共鳴現象を利用して被検体内の組織構造を映像化する磁気共鳴イメージング装置(以下、MRI装置という。)に係り、特に、複数の受信コイルを用いて被検体を高速に撮影するパラレルイメージングに好適なMRI装置に関する。
背景技術
MRI装置においては、核磁気共鳴信号(以下、NMR信号という。)へ付与される位相エンコード量を変えながらパルスシーケンスが繰り返し実行され、それによって1枚の画像再構成に必要なエコー信号が取得される。そのため、撮影時間はパルスシーケンスの繰返し時間(TR)と繰返し回数に依存する。高速撮影を行う場合、一般的には、1回のパルスシーケンスの実行により複数のエコー信号を計測できるマルチエコータイプのパルスシーケンスや、パルスシーケンスの繰返し時間を数ms〜数十msにまで短縮したパルスシーケンスが用いられる。
一方、冠状動脈撮影などの心臓領域を撮影する場合には、上記パルスシーケンスによる撮影よりも更に高速に画像を撮影する必要が生ずる。この高速撮影を行えるものとして、パラレルイメージング法と呼ばれる高速撮影法が提案されている。
パラレルイメージング法は、複数の受信コイルを用いるとともに、位相エンコードステップを等間隔に間引いてパルスシーケンスを実行することによってパルスシーケンスの操返し回数を低減し、それによって撮影時間を短縮する方法である。パラレルイメージング法パルスシーケンスを行って取得した計測信号を単純に画像再構成すると、再構成された画像上に折返しアーチファクトが発生する。この折返しアーチファクトは、得ようとする画像の視野と、パラレルイメージングにおいて実際に信号が計測される視野との違いから生ずるもので、予め求められた各受信コイルの感度分布を用いて行列演算を行うことによって除去され得る。一般的に、パラレルイメージング法では、受信コイルの数に応じて撮影時間は短縮され得る。つまり、原理的には、通常の撮影の位相エンコードステップ数から受信コイルの数だけ位相エンコードマトリクス数を間引くことができる。その結果、例えば、受信コイルがN個であれば、撮影時間を通常の位相エンコード数で撮影する場合の1/N倍に短縮することができる。
しかし、パラレルイメージング法では、画像上に生ずる折返しアーチファクトを除去するために各受信コイルの感度分布が必要とされる。この各受信コイルの感度分布を得るために、被検体を撮影するに先立って、被検体を撮影空間に位置させるとともに受信コイルを装着した状態で、被検体の検査画像を得るための位相エンコードステップを間引いたパルスシーケンスとは別に、受信コイルの感度分布取得用パルスシーケンスを実行する必要がある。さらに、被検体の撮影部位を位置が異なる多数のスライスについて撮影を行って診断しようとすると、撮影しようとするスライス位置の全てについてこの感度分布取得用のパルスシーケンスを実行する必要が生ずる。したがって、パラレルイメージングのトータルの撮影時間が非常に長くなるという問題がある。
このパラレルイメージングのトータルの撮影時間を短縮する技術の一つに、受信コイルの感度分布を3次元計測によって行うものがあるが、撮影するスライス位置の全てについて感度分布データを取ることには変わりがないため時間短縮の効果が小さく、さらなる時間短縮が要望されている。
また、撮影に先立って受信コイルの感度分布の計測と被検体の撮影とを行った後に、撮影スライス位置を変えて再度撮影する場合には、受信コイルの感度分布を撮影スライス位置に合せて再計測する必要があった。
本発明の第1の目的は、パラレルイメージング法によって被検体の撮影部位を複数のスライスで撮影する際のトータルの撮影時間を短縮することができるMRI装置を提供することにある。
本発明の第2の目的は、パラレルイメージング法によって被検体を撮影する際に、折返しアーチファクトを除去するために必要とされる受信コイルの感度分布を短時間で取得することができるMRI装置を提供することにある。
本発明の第3の目的は、パラレルイメージング法によって被検体を撮影する際に、折返しアーチファクトを除去するために必要とされる受信コイルの感度分布を簡単に取得することができるMRI装置を提供することにある。
発明の開示
上記課題を解決するために本発明は、被検体から発生する磁気共鳴信号を受信する複数の受信コイルと、前記受信コイルを用いて第1のパルスシーケンスを実行して、前記被検体の離れた複数のスライス位置から前記複数の受信コイルの各々について感度画像データを取得する感度画像データ取得手段と、前記複数の受信コイルを用いてk空間の位相エンコードマトリクスを間引いて第2のパルスシーケンスを実行して、前記被検体のそれぞれが順次隣接する複数のスライス位置から受信コイル毎に検査画像データを取得する手段と、前記複数の感度画像データに基づいて前記検査画像データのスライス位置における前記複数の受信コイルの感度分布データを生成し、この生成された受信コイルの感度分布データを用いて前記検査画像の折返しアーチファクトを除去するアーチファクト除去手段とを備えたことを特徴としている。
画像上で折返しアーチファクトとなる部分の画像データには、異なる領域のデータ成分が折り返されて重なっている。そこで、複数の受信コイルによる画像データと、各受信コイルの感度分布データと、撮影断面の複数点のデータ成分との相関に従って連立方程式を立て、その連立方程式を行列演算により解くと、折返えし部分の重なった領域のデータ成分が分離される。この分離された画像データを展開することで画像の折返しが除去される。
このように、計測空間、すなわちk空間の位相エンコードステップを間引いた第2のパルスシーケンスを実行して取得された画像データの折返し成分を除去するためには、それぞれの画像データのスライス位置に対応した感度分布データが必要であるが、この感度分布データは、k空間の中央領域(低周波領域)の計測データを取得する第1のパルスシーケンスを実行して取得された感度画像データから算出する。これによって、受信コイルの感度分布を取得する時間を短縮することができる。
本発明のMRI装置では、第1のパルスーケンスで取得する感度画像データはn枚とし、第2のパルスシーケンスで取得する折返し成分を含む検査画像データのm枚より少なくし、m枚の画像データのうち、そのスライス位置に対応した感度分布データがない場合には、取得されていた感度分布データを用いて補間により生成する。このため、受信コイルの感度分布を取得するための第1のパルスシーケンスの繰り返し回数を低減できるので、第1のパルスシーケンスを繰り返して実行する時間の合計が短縮され、第1のパルスシーケンスと第2のパルスシーケンスで構成されるパラレルイメージングのトータルの撮影時間を短縮することができる。
また、本発明のMRI装置は、第1のシーケンスを実行してそれぞれスライス位置の異なる複数枚の感度画像データを各受信コイル毎に取得するとともに、第2のシーケンスを実行して複数枚の折り返し画像データを受信コイル毎に取得する手段と、感度画像データに基づいて該感度画像データのスライス位置の感度分布データを各受信コイル毎に生成し、前記折り返し画像データのスライス位置に対応する前記感度分布データに基づいて、前記検査画像に生ずる折返しアーチファクトを除去する手段とを備えた構成とする。
また、本発明のMRI装置は、複数の受信コイルを第1の受信コイルと第2の受信コイルの2種類で構成することができる。この場合、第1の受信コイルは第2の受信コイルに比べて感度分布が均一なコイルとすると良い。このように、第1の受信コイルが取得した感度分布の均一な画像を基準にすると、第2の受信コイルの各感度分布を精度良く算出することができる。
また、感度分布が均一な第1の受信コイルを持たない構成では、複数の受信コイルを用いて得られた計測データを合成して、単一の受信コイルで取得された計測データに基づいて生成された画像よりも均一な感度分布を有する画像を生成する。この均一な感度分布を有する画像を基準にすることにより、各受信コイルの感度分布を精度良く算出することができる。
発明を実施するための最良の形態
(第1の実施形態)
以下、本発明のMRI装置およびMRイメージング方法を図面を参照して説明する。先ず、本発明のMRI装置の第1の実施形態について図1乃至図7を参照して説明する。
本実施形態のMRI装置は、図2に示すように、被検体401を含む所定の大きさを有した空間(以下、撮影空間という。)に、所定の強度を有した均一な静磁場を発生する磁石402と、この撮影空間に傾斜磁場を発生する傾斜磁場コイル403と、この撮影空間に高周波磁場を発生し、また被検体401が発生するNMR信号を検出する送受信兼用のボディコイル404と、被検体401が発生するNMR信号を検出するRFプローブ405とを備えている。ここにおいて又は以下において、RFはRadio Frequency(ラジオ周波)の略称である。図2では、本発明が適用されるMRI装置として、静磁場が図において左右方向に発生している水平磁場方式MRI装置を示しているが、図において上下方向に静磁場を発生する垂直磁場方式MRI装置であっても本発明が適用できる。
傾斜磁場コイル403は、X、Y、Zの3方向の傾斜磁場を発生する複数のコイルで構成され、傾斜磁場電源409からの信号に応じてそれぞれ傾斜磁場を発生する。この傾斜磁場は静磁場へ重畳され、撮影スライスの選択やNMR信号の符号化に供される。
ボディコイル404は、RF送信部410から出力される信号に応じてRF磁場(RFパルス)を発生するものである。したがって、ボディコイル404はその感度分布がほぼ均一になるようにコイル導体の配置が成されているので、本実施形態では受信コイルの感度分布を求めるための基準信号を得るために使用するNMR信号の受信用としても使用される。前記RF磁場は、撮影空間内に置かれた被検体404の体内の核スピンを励起するために用いられる。なお、受信コイルの感度分布を求めるための基準信号を得るためのコイルを送受信兼用コイルではなく、感度分布がほぼ均一な専用の受信コイルを設けても良い。
ボディコイル404およびRFプローブ405により受信された信号は、信号検出部406で検出され、信号処理部407において信号処理された後に演算処理されて画像データに変換される。本発明で扱う画像データには、被検体の診断に供される検査画像データと、コイルの感度分布を求めるための感度画像データとが含まれるが、それらのうち被検体の診断に供される検査画像データは表示部408へ画像として表示される。
傾斜磁場電源409、RF送信部410、信号処理部407および表示部408は、制御部411で制御される。制御部411が行う制御のタイムチャートは、一般にパルスシーケンスと呼ばれている。ベッド412は被検体401を横たえ、磁石内部の撮影空間と磁石外部との間を搬送するものである。
本実施形態のMRI装置においては、RFプローブ405は図3に示すように、2つの8の字型受信コイル4051、4052を含んで構成され、前記ボディコイル405の内部空間に配置されている。2つの受信コイル4051、4052は、X−Y平面に沿ってZ方向に一定距離間隔を持って対向して配置され、この2つの受信コイル4051、4052に囲まれた空間内に位置した被検体からのNMR信号を受信する。なお、図中において、上3桁が同じである4桁の数字で示された要素および処理は、同一の要素および処理を示し、その下1桁の数字は、複数ある同一要素および処理を区別するために付したもので、以下、そのことは本明細書において同じ扱いがされる。
なお、RFプローブ405は、MRI分野において複数の受信コイルから成る「マルチプル受信コイル」若しくは「フェーズドアレイコイル」と呼ばれている技術で構成されている。マルチプル受信コイル301は、2個の受信コイル4051、4052とプリアンプ3021、3022とが図4に示すように接続されて構成される。このようなマルチプル受信コイル301により受信される計測信号の受信部は、信号検出部406および信号処理部407を含んで構成されている。信号検出部406には、2個のAD変換/直交検波回路3031、3032が並列に設けられ、それぞれがプリアンプ3021、3022の出力へ接続されている。信号処理部407は、受信コイル4051、4052で受信された各信号をフーリエ変換法、バックプロジェクション法、ウェーブレット変換法などによりMR画像を生成するもので、これら画像信号を合成処理する信号合成処理部304を含んでいる。
このように構成される本実施形態のMRI装置における撮影方法について説明する。撮影のためのパルスシーケンスとしては、一般的なスピンエコー法やグラディエントエコー法のパルスシーケンスを、更にはスピンエコー型マルチスライスパルスシーケンスやグラディエントエコー型マルチスライスパルスシーケンスを採用することができる。例えば、図5に示すようなグラディエントエコー法のパルスシーケンスでは、RFパルス601およびスライス選択傾斜磁場パルス602の印加によって核スピンが励起される。このとき印加されるRFパルス601は静磁場へスライス選択傾斜磁場が重畳された磁場勾配によって決まる撮影スライス位置の周波数とスライス厚によって決まる周波数帯域を与えられる。そして、スライス内の核スピンが励起された後、位相エンコード傾斜磁場パルス603の印加によって励起された核スピンへ位相方向の位置情報が付与され、その後読み出し傾斜磁場パルス604の印加期間中に、すなわちサンプリングウィンド605内にエコー信号606が計測される。このパルスシーケンスが繰返し時間(TR)607をもって複数回繰り返される。繰り返し時間607は、例えば、最初の回のパルスシーケンスにおけるRFパルス6011と次の回のパルスシーケンスにおけるRFパルス6012の印加間隔である。そして、パルスシーケンスの繰返し毎に位相エンコード傾斜磁場603の印加量(強度と印加時間との積)を変えることにより、異なる位相エンコード量が核スピンへ与えられ、それぞれの位相エンコード量を与えられた核スピンからのエコー信号が検出される。これを取得する画像の位相エンコード方向における画素数に対応して設定された位相エンコード数だけ繰り返し、またサンプリングウィンド605内に読み出し方向における画素数に対応して設定された数の信号が順次計測される。そして、画像取得時間608内に1枚の画像を再構成するに必要なエコー信号のセットが計測される。すなわち、通常の撮影方法では、エコー信号数は、位相エンコード方向に対するField of View(以下、FOVという。)、つまり、視野に対する空間分解能を考慮して64、128、256、512等の値が選択され、また、各エコー信号は、読出し方向に対する視野と空間分解能と考慮して通常128、256、512、1024個等から成る時系列のサンプリングデータとして得られる。これらの計測されたデータは位相方向と読出し方向との2次元配列メモリ空間(以下、k空間という。)へ格納され、そして読み出されて2次元フーリエ変換を施され1枚のMR画像が再構成される。
本実施形態では、被検体401の検査部位に対し、互いに順次隣接する複数枚、例えばm枚のスライス撮影がなされる。このため、上記パルスシーケンスが各スライス位置に対して順次実行される。なお、上記のようにこのためにマルチスライス撮像法が実施されても良い。
ただし、本実施形態のMRI装置は、上記のパルスシーケンスがパラレルイメージング用に変更されて実行される。すなわち、本実施形態では、パラレルイメージングを高速で行うために、2個の受信コイル、すなわちボディコイル404、受信プローブ405を用いてMR信号の前計測が行われる。MR信号の前計測においては、先ず、k空間における位相エンコードステップを撮影時と同等にしたまま、位相エンコードマトリックス数、つまり、位相エンコード数を通常撮影の数分の1に低減した前計測のパルスシーケンスの実行によって、被検体の撮影部位に含まれるn枚の感度画像データが取得される。このn枚の感度画像データのうち、少なくとも2枚は撮影スライス位置に対応したものとされるが、その枚数はn<mに設定される。また、n枚の感度画像データを取得するためには、図5に示すパルスシーケンスを、それぞれ感度画像データを取得するスライス位置へ適用しても良いし、またはマルチスライス型パルスシーケンスを適用してそれぞれの感度画像データを取得するスライス位置から信号を計測しても良い。
次いでk空間における位相エンコードステップを間引いた撮影(本計測)のパルスシーケンスの実行によって、被検体401の診断部位についてマルチプル受信コイル405を構成する受信コイル4051、4052を用いてm枚(ここに、m>n)の画像データが取得される。このm枚の画像データは、本実施形態では連続的に隣接するスライス位置から取得される。なお、このm枚の画像データを取得するためには、図5に示すパルスシーケンスの他に、マルチスライス型パルスシーケンス又は3次元計測用パルスシーケンスを用いることができる。
そして、ボディコイル404及び受信プローブ405で取得された感度画像データ、並びに受信プローブ405の受信コイル4051、4052で取得された画像データは、それぞれが2次元フーリエ変換され感度画像及び検査画像へ変換される。2次元フーリエ変換によって画像再構成された検査画像には折返しアーチファクトが発生しているので、以下のような処理によってその折返しアーチファクトが除去される。
すなわち、前計測のパルスシーケンスによって取得された感度画像から、受信コイル4051、4052の感度分布データが算出され、算出された感度分布データを用いて補間処理を行い、検査画像の各スライス位置に対応する感度分布データを算出し、算出した感度分布データを用いて受信コイルの感度分布を求め、この感度分布と検査画像とを用いて行列演算を行うことで検査画像の折り返しが除去される。
本計測では、位相エンコードステップ間隔を一定の割合で間引くことによってパルスシーケンスの繰返し回数が低減される。この間引き率はパラレルイメージングの倍速数と呼ばれる。例えば、位相エンコードステップを1ステップずつ間引くと倍速数は2となる。すなわち、位相エンコード数が64の場合、通常は1〜64までの位相エンコードのデータを全て計測するのに対し、倍速数が2のパラレルイメージング法では、一つおきに位相エンコード1、3、5、...、63のデータが計測される。このとき、間引き率は1/2である。本実施形態の制御部411は、このような位相エンコードステップを間引いた本計測パルスシーケンスを実行して、受信コイル4051、4052でm枚の画像データを取得する。
ここで、パラレルイメージング法における画像の折返しについて図6を参照して説明する。図6(a)は、位相エンコードステップを間引かずに通常の位相エンコードステップで撮影した場合(通常撮影)を示しており、各位相エンコード量で取得した信号2021、2022、...、2027をk空間に配置し、画像1枚分の計測データ201とする。これをフーリエ変換すると、図6(c)に示すような、折返しのない画像207が得られる。
これに対しパラレルイメージング法では、図6(b)に示すように、通常撮影と同じ視野について位相エンコードステップ間隔を例えば2倍にし、位相エンコードステップを間引いた計測が行われる。この場合、k空間のky方向に1ラインおきにデータ2041、2042、...、2043が計測され、2051、2052、...、2053、2054のラインに相当するデータは計測されない。これにより、計測されるデータ量は半分になるが、計測視野も1/2となる。計測視野からはみ出した位置における被検体部分からのMR信号は折返し成分となって、計測データ2041、2042、...、2043から成るk空間をフーリエ変換すると、図6(d)に示すように、位相エンコード方向へ折返しの発生した画像208が取得されることとなる。つまり、図6(c)に示すような、画像207内の上側領域2071内の206で示す被検体画像2061と、下側領域2072内の被検体画像2062が折返しとなって、結果として、図6(d)に示すような折返し画像208となる。
このようにして発生した画像208の折返しは、例えば、SENSE:Sensitivity Encoding for Fast MRI(Klass P.Pruessmann et.al),Magnetic Resonance in Medicine 42:952−962(1999)等に開示された信号処理法で除去することができる。
ここで、折返し除去の演算方法について説明する。x、y方向の画像マトリクスをそれぞれX、Yとした場合、画像内の座標(x,y)(但し、1≦x≦X、1≦y≦Y)における画素値をsi(x,y)とする。ここで、添え字iは、受信コイルの番号であり、2≦i≦Nである。図6(d)の場合、位相エンコードステップを2倍に間引いているので、間引き後の画像の位相エンコード方向マトリクスは、Y’=Y/2となる。図6(d)の画像の座標を(x,y)(但し、1≦y’≦Y’)としたとき、その画素値si’(x,y’)は、本来の画像207の2つの領域2071、2072が重なって、式(1)で表される。ただし、aは定数である。
Figure 2003092497
次に、受信コイルの感度分布と画像について述べる。i番目の受信コイルの2次元的な感度分布を、ci(x,y)とすると、受信した信号si(x,y)は、受信コイルの感度分布ci(x,y)と被検体のプロトン密度分布p(x,y)との積であるから、式(2)で表せる。
Figure 2003092497
ここで、式(2)を用いると、式(1)は式(3)で表すことができる。
Figure 2003092497
ここで、簡単のため、
Figure 2003092497
とおくと、式(3)は、式(5)となる。
Figure 2003092497
式(5)は、N行2列の行列として、式(6)のように表すことができる。
Figure 2003092497
式(6)から、受信コイルの感度分布Cijが判れば、逆行列を計算することで、被検体の測定対象の核、例えば、プロトンの密度分布Pjが求められる。
同様に、N個のコイルを用いて、M倍速で撮影を行った場合の一般式は、Y’Y/M、1≦y’≦Y’として、式(7)で表せる。ここで、bは定数である。
Figure 2003092497
このようにして、受信コイルの感度分布Cijを用い、計測データs’i(x,y’)について式(7)の行列演算をすることにより、折返しが除去された画像データとして測定対象内の核スピンの密度分布Pjが求められる。なお、パラレルイメージング法の受信コイル数(N)と倍速数(M)との関係は、数学的にN≧Mである。なお、感度分布は、例えば、k空間の低周波域のデータにローパスフィルタをかけることによっても求めることができる。
本実施形態のMRI装置におけるパラレルイメージング法では、各受信コイル4051、4052の感度分布Cijは、前計測のパルスシーケンスで予め取得されたk空間の位相エンコード方向における低周波域の計測データから感度画像データを生成し、この感度画像データに基づいて算出される。
各受信コイル4051、4052の感度分布Cijを算出するための感度画像データは、前計測シーケンスを実行することにより取得される。前計測のパルスシーケンスでは、位相エンコードステップ間隔は間引かれずに通常の撮影の位相エンコードステップと同等にされるが、位相エンコード数を通常の撮影の数分の1に低減することによりパルスシーケンスの繰り返し回数が低減される。例えば、k空間の位相エンコード数が64の場合、通常撮影においては1〜64までの位相エンコードの計測データを全て計測するのに対し、パラレルイメージング法の前計測シーケンスでは、位相エンコードステップを通常撮影と同じにして、k空間の一部の領域、例えば、k空間の中央領域(低周波領域)の位相エンコード25〜40の16ステップのデータが計測される。この場合、位相エンコード数は、通常撮影の1/4となるので、前計測に要する時間が短縮される。制御部411は、このようなk空間の約1/4の中央領域の計測データを取得する前計測パルスシーケンスを実行して、ボディコイル404および受信コイル4051、4052毎にn枚の感度画像データを取得する。このように、1スライス位置の感度画像データを少ない位相エンコード数で計測するとともに、検査画像のスライス位置数よりも少ないスライス位置数の感度画像データを取得することで、パラレルイメージングのトータルの撮影時間が短縮される。
次に、本実施形態のMRI装置の信号処理部で行われる信号処理の手順について説明する。
本実施形態の信号処理部407は、図1に示すように、感度画像データ取得用の前計測パルスシーケンスを実行して取得されたボディコイル404のn枚の感度画像701と、マルチプル受信コイル301の受信コイル4051、4052の各n枚の感度画像702、703とをスライス補間処理1011、1012,1013して検査画像の各スライス位置に対応する感度画像が全て揃うように補間感度画像が生成される。次に、ボディコイル404のスライス補間処理1011により生成された感度画像を含む全感度画像と、マルチプル受信コイル301の受信コイル4051、4052のスライス補間処理1012,1013により生成された感度画像を含む全感度画像とを用いて感度分布算出処理7061、7062により各受信コイル4051、4052の感度分布データ707、708が算出される。算出された各受信コイル4051,4052の感度分布データ707、708は制御部411に設けられたメモリ(図示省略)へ記憶保持される。
上記において行われる感度分布算出処理7061、7062は、ボディコイル404の感度画像で受信コイル4051、4052の感度画像を各スライス位置を対応させて割算する処理である。
そして、検査画像データ取得用の本計測パルスシーケンスが実行され、取得されたマルチプル受信コイル301の各受信コイル4051、4052の各m枚の検査画像704、705と、感度分布データ707、708とに基いて行列作成処理709にて行列式が作成され、その行列式の逆行列計算処理710が行われと、その結果として折返しのない診断用画像711が得られる。
ところで、前計測パルスシーケンスを実行して取得されるそれぞれn枚の感度画像701、702、703は、図7に示すように、それぞれボディコイル404の感度画像7011、7014、...、701mであり、マルチプル受信コイル301の受信コイル4051の感度画像7021、7024、...、702mであり、マルチプル受信コイル301の受信コイル4052の感度画像7031、7034、...、703mである。
これに対し、本計測パルスシーケンスを実行して取得される折返しアーチファクトを含んだ検査画像704、705は、それぞれマルチプル受信コイル301の受信コイル4051の検査画像7041〜704mであり、マルチプル受信コイル301の受信コイル4052の検査画像7051〜705mである。図7では、ch.1はマルチプル受信コイル301の受信コイル4051に対応し、ch.2はマルチプル受信コイル301の受信コイル4052に対応している。
これらの感度画像701、702、703および検査画像704、705には、それぞれのスライス位置に対応してスライス番号が付与され、スライス番号が同じ画像は、同じスライス位置の画像であることを示している。このスライス番号は、画像番号の下一桁と対応し、例えば、ボディコイル404の感度画像7011、7014、...、701mには、それぞれ1、4、...、mのスライス番号が付与されている。また、前計測パルスシーケンスおよび本計測パルスシーケンスで取得される画像のスライス間隔は等間隔に設定されている。
つまり、前計測パルスシーケンスでは、スライス番号1、4、...、mのように2スライスおきに計測が行われ、スライス番号2、3、5、...、m−1についてはボディコイル404の感度画像データ701と各受信コイル4051、4052の感度画像データ702、703とが取得されない。このため、スライス番号2、3、5、...、m−1の検査画像7042、7043、7045、...、704m−1、及び7052、7053、7055、...、705m−1はそれらのスライス位置の感度分布情報がないと折返しアーチファクトの除去ができない。
そこで、本実施形態の信号処理部は、ボディコイル404の感度画像7011、7014、...、701mからスライス補間処理1011して感度画像7012、7013、7015、...、701m−1を算出し、また同様に、取得した受信コイル4051の感度画像7021、7024、...、702mからスライス補間処理1012して感度画像7022、7023、7025、...、702m−1を算出し、受信コイル4052の感度画像7031、7034...、703mからスライス補間処理1013して感度画像7032、7033、7035、...、703m−1を算出する。つまり、図7の501は前計測パルスシーケンスで取得された感度画像とスライス補間処理1011、1012、1013で得られた感度画像データとで構成され検査画像の折返しアーチファクトを除去するのに必要な感度画像のセットを示し、502は本計測パルスシーケンスで取得された折返しアーチファクトを含む検査画像のセットを示している。また、501の白抜きの感度画像は、前計測パルスシーケンスで実際に取得された感度画像を示し、黒塗りの感度画像は、スライス補間処理101により生成された感度画像を示している。
本実施形態のMRI装置において行われる感度分布算出処理706では、ボディコイルの画像データsc(x,y)を基準に、例えば、式(8)により相対化して、各受信コイルiの画像データsi(x,y)により感度分布ci(x,y)が求められる。
Figure 2003092497
このようにして算出された感度分布データ707、708と、受信コイル4051、4052毎に取得された検査画像データ7041〜704m、7051〜705mを用いて、行列作成処理709により式(7)の行列式を作成後、逆行列演算処理710によって折返しアーチファクトが除去された診断用画像711が得られる。
従来のMRI装置は、前計測パルスシーケンスにおいて、位相エンコード数を通常撮影時の数分の1に設定するが、感度画像データと折返し画像データは、同じ枚数で、かつ、同じスライス位置で撮影されるものであった。
しかし、パラレルイメージング法では、前計測パルスシーケンスの実行時間が総撮影時間の大きな割合を占める。特に、マルチスライスや三次元撮影では、撮影のスライス枚数が多いほど、パルスシーケンスの繰返し時間(TR)や、繰返し回数が増加するため、前計測パルスシーケンスの実行時間が検査効率の点に鑑み大きな問題となる。
これに対し、本実施形態のMRI装置は、前計測パルスシーケンスで取得するスライス枚数を間引いて、感度分布を算出するための感度画像データ701、702、703を複数スライス枚、例えば2枚おきに取得することによって、撮影する感度画像データを検査画像のm枚より少ないn枚に省略する。このため、前計測パルスシーケンスの繰り返し回数が低減され、取得する感度画像データ701、702、703が間引かれた分だけ撮影時間が短縮され得る。また、本実施形態を三次元計測に適用した場合には、感度分布取得用の前計測パルスシーケンスのスライスエンコード数が低減され得る。
更に、本実施形態の前計測パルスシーケンスでは、スライス間隔を等間隔に間引いて感度画像データを取得するので、スライス補間処理101により生成される感度画像データが簡単な演算で、かつ精度良く算出される。これに加えて、本実施形態の前計測パルスシーケンスでは、スライス番号を等間隔に間引いて感度画像データを取得するので、制御部411におけるパルスシーケンスの設定及び制御が簡素化される。
また、各受信コイル4051,4052の感度分布は、制御部411のメモリへ記憶保持されているので、上記の1〜mまでのスライスの撮影に対し、撮影スライスの位置を、若干ずらして再撮影を行う必要が生じた場合には、各受信コイルの感度分布を再計測することなく、メモリに記憶された各受信コイルの感度分布を用いて再撮影のスライス位置に対する各受信コイルの感度分布を算出することができる。したがって、再撮影に要する時間を短縮することができる。
(第2の実施形態)
本発明を適用してなるMRI装置の第2の実施形態について図8及び図9を参照して説明する。なお、本実施形態では、第1の実施形態と同一のものには同じ符号を付してあるので説明を省略し、第1の実施形態と相違する構成および特徴部などについて、以下説明する。
本実施形態が第1の実施形態と相違する点は、図8に示すように、感度画像データ取得用の前計測パルスシーケンスで取得されたボディコイル404の感度画像701と、マルチプル受信コイル301の受信コイル4051、4052の感度画像702、703とを用いて感度分布算出処理706を実行した後に、スライス補間処理801が行われる点にある。したがって、本実施形態の信号処理部においては、ボディコイル404の感度画像701と受信コイル4051、4052の感度画像702、703とから受信コイル4051、4052の感度分布データ7061、7062が算出され、次いで、この感度分布データ7061、7062を用いてスライス補間処理801が行われて受信コイル4051、4052の感度分布データ707,708が求められ、その後、この感度分布データ707、708と検査画像704、705とから行列作成処理709が行われ、作成された行列の逆行列計算処理710がなされることで検査画像704、705の折返しアーチファクトが除去される。
ここで、感度分布算出処理706により算出される受信コイル4051、4052の感度分布データとスライス補間処理801により生成される受信コイル4051、4052の感度分布データとについて説明する。
感度分布算出処理706により算出される感度分布データは、図9に示すように、マルチプル受信コイル301の受信コイル4051の感度分布データ7071、7074、...、707m、及び受信コイル4052の感度分布データ7081、7084、...、708mである。
つまり、本実施形態の前計測パルスシーケンスでは、第1の実施形態と同様に、計測されるスライス位置を2枚おきに設定することにより計測スライス枚数が少なくされる。すなわち、スライス番号1、4、...、mの感度画像データは取得されるが、スライス番号2、3、5、...、m−1の感度画像データは取得されない。スライス番号2、3、5、...、m−1の感度分布データがないと、検査画像7042、7043、7045、...、704m−1、7052、7053、7055、...、705m−1に現れる折返しアーチファクトを除去することができない。
そこで、本実施形態の信号処理部は、取得された受信コイル4051の感度分布データ7071、7074、...、707mをスライス補間処理8011して感度分布データ7072、7073、7075、...、707m−1を算出するとともに、受信コイル4052の感度分布データ7081、7084、...、708mをスライス補間処理8012して感度分布データ7082、7083、7085、...、708m−1を算出する。
つまり、図9の503は、図8における感度分布算出処理7061、7062により算出される感度分布データとスライス補間処理8011、8012で得られる感度分布データとで構成される検査画像の折り返しアーチファクトを除去するのに必要なデータセットを示している。また、503の白抜きの感度画像は感度分布算出処理7061、7062により算出された感度分布データを示し、黒塗りの感度分布データはスライス補間処理801により生成された感度分布データを示している。
このように、信号処理部407は、前計測パルスシーケンスで取得された感度画像データ701、702、703に基いて感度分布算出処理7061、7062を行ってからスライス補間処理8011、8012を行い、検査画像7041〜704m、7051〜705mのそれぞれのスライス位置に対応する感度分布データ7071〜707m、7081〜708mを作成した後、行列作成処理709と逆行列計算処理710により、画像の折返しアーチファクトの除去を行う。
このように、本実施形態では、第1のパルスシーケンスで取得された感度画像701、702、703に基いて受信コイル4051、4052の感度分布を算出した後に、スライス補間処理801を行うので、ボディコイル404の感度画像701のスライス補間処理を行う必要がない。このため、ボディコイル404の感度画像701のスライス補間処理1011を行う第1の実施形態に比べ、感度分布算出処理706を簡略化することができ、画像再構成に要する時間を短縮することができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明を適用してなるMRI装置の第3の実施形態について図10および図11を参照して説明する。なお、本実施形態においても、第1の実施形態と同一のものには同じ符号を付して、その説明を省略することとし、第1の実施形態と相違する構成および特徴部について以下説明する。
本実施形態が第1の実施形態と相違する点は、マルチプル受信コイルを4つの受信コイルで構成したことにある。すなわち、本実施形態のMRI装置におけるRFプローブを成すマルチプル受信コイル301Aは、図10に示すように、4つの8の字型受信コイル4051〜4054を有し、X−Y平面上およびY−Z平面上にそれぞれ所定の距離を挟んで対向配置して構成されている。
また、本実施形態のマルチプルRF受信コイル301Aは、図11に示すように、4個の受信コイル4051〜4054が、それぞれプリアンプ3021〜3024に接続されて構成されている。信号検出部406Aには、4個のAD変換/直交検波回路3031〜3034が並列に設けられ、それらはプリアンプ3021〜3024のそれぞれの出力と接続されている。
ところで、パラレルイメージングを実行する場合に、複数の受信コイルの配置関係や感度分布によっては、感度の低い領域が生ずることがあり、その場合には式(7)の行列演算が発散してしまい、アーチファクトが発生するとか、画質が劣化することがある。
本実施形態のMRI装置は、4個の受信コイルのうち、撮影断面および位相エンコード方向に基づき最適な受信コイルの組合せが成され、2組の受信コイル群が形成される。ここで、受信コイルの最適な組合せとは、上記行列演算が発散しないような組合せである。例えば、受信コイル群の感度分布を合成したときに、位相エンコード方向に感度分布の低い領域が存在しない、受信コイル群の感度分布が互いに同じではない、などの条件が考えられる。
本実施形態の受信コイルは、図10に示すように、2つの受信コイル4051、4052がX−Y平面上にZ方向に所定距離を挟んで対向して配置され、さらに、Z−Y平面に平行な面上にX方向に所定距離をおいて対向する2つの受信コイル4053、4054が配置されている。これらの4つの受信コイルのうち、受信コイル4051と4053とが組み合わせられて受信コイル群4055が形成されるとともに、受信コイル4052と4054とが組み合わせられて受信コイル群4056が形成される。このような受信コイルの配置と組合せを行うと、受信コイル4051と4053との合成感度分布データと、受信コイル4052と4054との合成感度分布データとは互いに異なるものとなり、かつ低感度領域が少なくなり、行列演算が発散し難くなる。
このような最適なコイルの組合せは、コイルの配置が一定であれば、撮影断面および位相エンコード方向によって決まるので、これら撮影条件が設定されると装置が自動的に最適な組合せを選択するように装置を構成すると良い。
信号処理部407Aは、選択された2組の組合せに係る受信コイルで計測された2組の感度画像データを取り出し、各組毎に感度画像データの合成を行う。同様に、選択された2組の組合せに係る受信コイルとで計測された2組の検査画像データを取り出し、各組毎に検査画像データの合成を行う。このようなデータの合成により生成された受信コイル群4055の感度画像データは、図7のch.1の感度画像データ7021、7024、...、702mに相当し、また、受信コイル群4056の感度画像データは、ch.2の感度画像データ7031、7034、...、703mに相当する。
同様に、合成された受信コイル群4055の検査画像データは、図7のch.1の検査画像データ7041〜704mに相当し、また、受信コイル群4056の検査画像データは、ch.2の検査画像データ7051〜705mに相当する。
つまり、受信コイル4051〜4054により取得された感度画像データは、信号合成処理部304Aにて、予め定められた受信コイル群毎の感度分布に対応するch.1、ch.2の感度画像データ702、703に合成され、受信コイル群毎に合成されたch.1、ch.2の検査画像データ704、705の折返しアーチファクトを除去する行列演算の参照データとなる。
ここで、受信コイル4051〜4054で取得された感度画像データおよび検査画像データは複素数であるので、信号合成処理部304Aでは、例えば複素加算による合成処理が行われるが、2組の感度画像データについて2乗和の平方根を、および2組の検査画像データについて2乗和の平方根を演算して合成処理を行うようにしても良い。この後者の場合は、複素加算に比べSN比が高くなるメリットがもたらされる。なお図11に示した信号処理の流れでは、信号の合成をAD変換後に行っているが、AD変換前のアナログ信号の段階で合成処理し、その後にAD変換する形態を採用しても良い。
このように、本実施形態のMRI装置によれば、マルチプル受信コイルを用いたパラレルイメージング高速撮影において、撮影断面やエンコード軸を考慮して最適な受信コイルの組合せを選択し、組み合わせられた受信コイルの合成された計測データについて行列演算するようにしたので、行列演算による画像の劣化がなく、良好な画像を得ることができる。この行列演算は、信号の間引き率を1/M、複数の受信コイルの組合せ数をG(ここで、G=2、...、Nであり、式(7)のNに対応する)とするとき、行列[G×M]を演算することとなる。本第3の実施形態では、4つの受信コイル4051〜4054を2つずつ組み合せて2組の受信コイル群(G=2)とし、これら2組の受信コイル群のそれぞれの合成計測データに対して行列演算することになるから、行列は[2×2]となり、演算を簡略化することができる。
また、撮影断面やエンコード軸を変えた場合でも、アーチファクトや画像劣化の無い安定な画像を得ることができる。さらに行列演算の負担を軽減し、画像再構成を高速化することができる。
ところで、本実施形態において、受信コイルの第1の組合せと第2の組合せを選択する際、それらの組合せ間に受信コイルの重なりがあっても問題はない。つまり、受信コイルの複数の組合せにおいて互いに共通する受信コイルを含めて組合せを選択しても良い。このように、複数のRF受信コイルの組合せには、組合せ相互に受信コイルを一部共有することができるから、最適な感度分布となるコイルの組合せ選択の自由度が増し、画質のより良好な画像を得ることができる。
本発明は、以上の実施形態で開示された内容に止まらず、本発明の趣旨を踏まえた上で各種形態を取り得る。例えば、第1乃至第3の実施形態では、感度分布取得用の前計測パルスシーケンスのスライスを2枚おきに設定した場合を示したが、任意枚数おきに設定することも可能である。
また、第1乃至第3の実施形態では、画像データを取得する際のスライス間隔を等間隔としているが、本発明のMRI装置は各画像データのスライス間隔を変更して取得することができる。
また、第1および第2の実施形態では2つの受信コイルを用いた場合を、第3の実施形態では4つの受信コイルを用いた場合を説明したが、受信コイルの数は2個または4個に限定されない。つまり、8個であっても、それ以外の数でも良い。但し、装置の回路構成を単純にするためには、また被検者の不快感を低減するためには、受信コイル数は少ないほうが望ましいと考えられる。
また、第1乃至第3の実施形態では、受信コイルの感度分布を求めるためのパルスシーケンスにおける位相エンコードステップの間隔を通常撮影のそれの2倍、つまり、間引き率を1/2にした場合について説明したが、そのステップ間隔は3倍、4倍、それ以上にすることも可能である。その場合、選択する受信コイルの組合せの数Gは、位相エンコードのステップ間隔Mと同数かそれ以上とすることが必要である。ただし、行列演算を簡略化するためにはG=Mであることが好ましい。
また、第1乃至第3の実施形態では、用いるパルスシーケンスをグラディエントエコーシーケンスとした場合について記載したが、パラレルイメージング法は、パルスシーケンスの種類や計測法を限定されることはない。例えば、SE法パルスシーケンス、FSE法パルスシーケンス、EPI法パルスシーケンスやSSFP計測法、スパイラル計測法など様々適用することができる。
また、本発明のMRI装置は、本実施形態のマルチスライス計測法に限らず、三次元計測法に適用することができる。その場合は、位相エンコード方向だけでなく、スライスエンコード方向にデータを間引いても良いし、位相エンコード方向、スライス方向を組み合わせてデータを間引いても良い。またエンコードステップを間引く軸方向に感度分布が最適な組合せとなるように受信コイルの組合せを選択しても良い。
また、本発明の信号処理部の信号処理において、スライス補間処理101、801は、例えば、スプライン補間処理や、Sinc関数による補間処理、関数によるフィッティング処理など様々な補間処理を適用することができる。
また、本発明のMRI装置は、本実施形態のボディコイルに代わり、複数の受信コイルで取得された感度画像データを合成して感度分布の均一な感度画像データを生成し、この合成された感度画像データを用いて各受信コイルで取得した画像データをそれぞれ除算し、近似的な受信コイルの感度分布を求めることができる。ただし、上記実施形態で説明したような比較的感度分布の均一なボディコイルの画像データを用いて、各受信コイルで取得された画像データをそれぞれ割算し、近似的な受信コイルの感度分布を求めると、受信コイルの感度分布を精度良く算出することができるので、後者の方がより好ましい。
また、本発明のMRI装置のマルチプル受信コイルは、第1乃至第3の実施形態に限らず、水平磁場のための頭部用マルチプルRFコイルとして、Array Head Coil for Improved Functional MRI(Christoph Leussler),1996 ISMRM abstract p.249に記載されたもの、水平磁場のための頭部用QDマルチプルRFコイルとして、Helmet and Cylindrical Shaped CP Array Coils for Brain Imaging:A Comparison of Signal−to−Noise Characteristics(H.A.Stark,E.M.Haacke),1996 ISMRM abstract P.1412に記載されたもの、そして、水平磁場のための腹部用QDマルチプルRFコイルとして、Four Channel Wrap−Around Coil with Inductive Decoupler for 1.5T Body Imaging(T.Takahashi et.al),1995 ISMRM abstract P.1418に記載されたものなど様々なマルチプル受信コイルを適用することができる。マルチプル受信コイルは、相対的に高感度な小型受信コイルを複数個並べて、各コイルで取得した信号を合成することより、受信コイルの高い感度を保ったまま視野を拡大し、高感度化を図るものであり、各受信コイルの再構成処理された画像を1枚の画像に合成して視野を拡大すすとともに高感度化を図ることができる。
また、第1乃至第3の実施形態では、本発明を静磁場方向(Z方向)が水平である水平磁場方式MRI装置に適用する場合について説明したが、本発明はこれに限定されずに静磁場が垂直方向のMRI装置へも適用することができる。
以上述べたように、本発明によれば、パラレルイメージングにより撮影された検査画像に生ずる折返しアーチファクトを除去するための受信コイルの感度分布を撮影するスライス枚数よりも少ない枚数のデータ計測で済むようにしたので、受信コイルの感度分布が短時間で取得できる。したがって、パラレルイメージングのトータルの撮影時間を短縮することができる。また、受信コイルの感度分布がない撮影スライスの感度分布は補間演算で求めるようにしたので、演算は簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
図1は本発明のMRI装置の第1の実施形態に係る信号処理部の信号処理の手順を示す図である。図2は本発明が適用されたMRI装置の第1の実施形態の概略構成図である。図3は本発明が適用されたMRI装置の第1の実施形態に係る受信コイルを説明する図である。図4は、本発明のMRI装置の第1の実施形態に係るマルチプルRF受信コイルおよび受信部の概略構成図である。図5は本発明のMRI装で用いられるパルスシーケンスを説明する図である。図6は本発明のMRI装置におけるパラレルイメージング法で除去対象とされる画像の折返しアーチファクトを説明する図である。図7は本発明のMRI装置の第1の実施形態に係るパルスシーケンスで取得される画像データおよびスライス補間処理により生成される画像データを説明する図である。図8は本発明のMRI装置の第2の実施形態に係る信号処理部の信号処理の手順を示す図である。図9は本発明のMRI装置の第2の実施形態に係る感度分布算出処理およびスライス補間処理により生成される感度分布データとパルスシーケンスで取得される画像データとを説明する図である。図10は本発明のMRI装置の第3の実施形態に係る受信コイルを説明する図である。図11は本発明のMRI装置の第3の実施形態に係るマルチプル受信コイルおよび受信部の概略構成図である。
本発明は、磁気共鳴現象を利用して被検体内の組織構造を映像化する磁気共鳴イメージング装置(以下、MRI装置という。)に係り、特に、複数の受信コイルを用いて被検体を高速に撮影するパラレルイメージングに好適なMRI装置に関する。
MRI装置においては、核磁気共鳴信号(以下、NMR信号という。)へ付与される位相エンコード量を変えながらパルスシーケンスが繰り返し実行され、それによって1枚の画像再構成に必要なエコー信号が取得される。そのため、撮影時間はパルスシーケンスの繰返し時間(TR)と繰返し回数に依存する。高速撮影を行う場合、一般的には、1回のパルスシーケンスの実行により複数のエコー信号を計測できるマルチエコータイプのパルスシーケンスや、パルスシーケンスの繰返し時間を数ms〜数十msにまで短縮したパルスシーケンスが用いられる。
一方、冠状動脈撮影などの心臓領域を撮影する場合には、上記パルスシーケンスによる撮影よりも更に高速に画像を撮影する必要が生ずる。この高速撮影を行えるものとして、パラレルイメージング法と呼ばれる高速撮影法が提案されている。
パラレルイメージング法は、複数の受信コイルを用いるとともに、位相エンコードステップを等間隔に間引いてパルスシーケンスを実行することによってパルスシーケンスの操返し回数を低減し、それによって撮影時間を短縮する方法である。パラレルイメージング法パルスシーケンスを行って取得した計測信号を単純に画像再構成すると、再構成された画像上に折返しアーチファクトが発生する。
この折返しアーチファクトは、得ようとする画像の視野と、パラレルイメージングにおいて実際に信号が計測される視野との違いから生ずるもので、予め求められた各受信コイルの感度分布を用いて行列演算を行うことによって除去され得る。
一般的に、パラレルイメージング法では、受信コイルの数に応じて撮影時間は短縮され得る。つまり、原理的には、通常の撮影の位相エンコードステップ数から受信コイルの数だけ位相エンコードマトリクス数を間引くことができる。その結果、例えば、受信コイルがN個であれば、撮影時間を通常の位相エンコード数で撮影する場合の1/N倍に短縮することができる。
しかし、パラレルイメージング法では、画像上に生ずる折返しアーチファクトを除去するために各受信コイルの感度分布が必要とされる。この各受信コイルの感度分布を得るために、被検体を撮影するに先立って、被検体を撮影空間に位置させるとともに受信コイルを装着した状態で、被検体の検査画像を得るための位相エンコードステップを間引いたパルスシーケンスとは別に、受信コイルの感度分布取得用パルスシーケンスを実行する必要がある。さらに、被検体の撮影部位を位置が異なる多数のスライスについて撮影を行って診断しようとすると、撮影しようとするスライス位置の全てについてこの感度分布取得用のパルスシーケンスを実行する必要が生ずる。したがって、パラレルイメージングのトータルの撮影時間が非常に長くなるという問題がある。
このパラレルイメージングのトータルの撮影時間を短縮する技術の一つに、受信コイルの感度分布を3次元計測によって行うものがあるが、撮影するスライス位置の全てについて感度分布データを取ることには変わりがないため時間短縮の効果が小さく、さらなる時間短縮が要望されている。
また、撮影に先立って受信コイルの感度分布の計測と被検体の撮影とを行った後に、撮影スライス位置を変えて再度撮影する場合には、受信コイルの感度分布を撮影スライス位置に合せて再計測する必要があった。
本発明の第1の目的は、パラレルイメージング法によって被検体の撮影部位を複数のスライスで撮影する際のトータルの撮影時間を短縮することができるMRI装置を提供することにある。
本発明の第2の目的は、パラレルイメージング法によって被検体を撮影する際に、折返しアーチファクトを除去するために必要とされる受信コイルの感度分布を短時間で取得することができるMRI装置を提供することにある。
本発明の第3の目的は、パラレルイメージング法によって被検体を撮影する際に、折返しアーチファクトを除去するために必要とされる受信コイルの感度分布を簡単に取得することができるMRI装置を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明は、被検体から発生する核磁気共鳴信号を受信する複数の受信コイルと、前記受信コイル毎の感度画像用データを取得する第1のパルスシーケンスと、k空間の位相エンコードステップを間引いて前記受信コイル毎の検査画像用データを取得する第2のパルスシーケンスを制御する計測制御手段と、前記受信コイル毎に前記感度画像用データから感度画像の生成と前記検査画像用データから折り返しの有る検査画像の生成とを行うと共に、前記受信コイル毎の前記感度画像と前記折り返しの有る検査画像とを用いて前記折り返しを除去しつつ1枚の検査画像を合成する信号処理手段とを備えた磁気共鳴イメージング装置において、複数スライスの各々について前記検査画像を合成する場合に、前記計測制御手段は、前記感度画像用データを取得するスライス数を前記検査画像用データを取得するスライス数よりも少なくし、前記信号処理手段は、取得された前記感度画像用データを用いて、前記感度画像用データが取得されなかったスライスにおける前記感度画像を求めることを特徴としている。
画像上で折返しアーチファクトとなる部分の画像データには、異なる領域のデータ成分が折り返されて重なっている。そこで、複数の受信コイルによる画像データと、各受信コイルの感度分布データと、撮影断面の複数点のデータ成分との相関に従って連立方程式を立て、その連立方程式を行列演算により解くと、折返えし部分の重なった領域のデータ成分が分離される。この分離された画像データを展開することで画像の折返しが除去される。
このように、計測空間、すなわちk空間の位相エンコードステップを間引いた第2のパルスシーケンスを実行して取得された画像データの折返し成分を除去するためには、それぞれの画像データのスライス位置に対応した感度分布データが必要であるが、この感度分布データは、k空間の中央領域(低周波領域)の計測データを取得する第1のパルスシーケンスを実行して取得された感度画像データから算出する。これによって、受信コイルの感度分布を取得する時間を短縮することができる。
本発明のMRI装置では、第1のパルスーケンスで取得する感度画像データはn枚とし、第2のパルスシーケンスで取得する折返し成分を含む検査画像データのm枚より少なくし、m枚の画像データのうち、そのスライス位置に対応した感度分布データがない場合には、取得されていた感度分布データを用いて補間により生成する。このため、受信コイルの感度分布を取得するための第1のパルスシーケンスの繰り返し回数を低減できるので、第1のパルスシーケンスを繰り返して実行する時間の合計が短縮され、第1のパルスシーケンスと第2のパルスシーケンスで構成されるパラレルイメージングのトータルの撮影時間を短縮することができる。
また、本発明のMRI装置は、第1のシーケンスを実行してそれぞれスライス位置の異なる複数枚の感度画像データを各受信コイル毎に取得するとともに、第2のシーケンスを実行して複数枚の折り返し画像データを受信コイル毎に取得する手段と、感度画像データに基づいて該感度画像データのスライス位置の感度分布データを各受信コイル毎に生成し、前記折り返し画像データのスライス位置に対応する前記感度分布データに基づいて、前記検査画像に生ずる折返しアーチファクトを除去する手段とを備えた構成とする。
また、本発明のMRI装置は、複数の受信コイルを第1の受信コイルと第2の受信コイルの2種類で構成することができる。この場合、第1の受信コイルは第2の受信コイルに比べて感度分布が均一なコイルとすると良い。このように、第1の受信コイルが取得した感度分布の均一な画像を基準にすると、第2の受信コイルの各感度分布を精度良く算出することができる。
また、感度分布が均一な第1の受信コイルを持たない構成では、複数の受信コイルを用いて得られた計測データを合成して、単一の受信コイルで取得された計測データに基づいて生成された画像よりも均一な感度分布を有する画像を生成する。この均一な感度分布を有する画像を基準にすることにより、各受信コイルの感度分布を精度良く算出することができる。
本発明によれば、パラレルイメージングにより撮影された検査画像に生ずる折返しアーチファクトを除去するための受信コイルの感度分布を撮影するスライス枚数よりも少ない枚数のデータ計測で済むようにしたので、受信コイルの感度分布が短時間で取得できる。したがって、パラレルイメージングのトータルの撮影時間を短縮することができる。また、受信コイルの感度分布がない撮影スライスの感度分布は補間演算で求めるようにしたので、演算は簡単に行うことができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明のMRI装置およびMRイメージング方法を図面を参照して説明する。
先ず、本発明のMRI装置の第1の実施形態について図1乃至図7を参照して説明する。
本実施形態のMRI装置は、図2に示すように、被検体401を含む所定の大きさを有した空間(以下、撮影空間という。)に、所定の強度を有した均一な静磁場を発生する磁石402と、この撮影空間に傾斜磁場を発生する傾斜磁場コイル403と、この撮影空間に高周波磁場を発生し、また被検体401が発生するNMR信号を検出する送受信兼用のボディコイル404と、被検体401が発生するNMR信号を検出するRFプロープ405とを備えている。ここにおいて又は以下において、RFはRadio Frequency(ラジオ周波)の略称である。図2では、本発明が適用されるMRI装置として、静磁場が図において左右方向に発生している水平磁場方式MRI装置を示しているが、図において上下方向に静磁場を発生する垂直磁場方式MRI装置であっても本発明が適用できる。
傾斜磁場コイル403は、X,Y,Zの3方向の傾斜磁場を発生する複数のコイルで構成され、傾斜磁場電源409からの信号に応じてそれぞれ傾斜磁場を発生する。この傾斜磁場は静磁場へ重畳され、撮影スライスの選択やNMR信号の符号化に供される。
ボディコイル404は、RF送信部410から出力される信号に応じてRF磁場(RFパルス)を発生するものである。したがって、ボディコイル404はその感度分布がほぼ均一になるようにコイル導体の配置が成されているので、本実施形態では受信コイルの感度分布を求めるための基準信号を得るために使用するNMR信号の受信用としても使用される。前記RF磁場は、撮影空間内に置かれた被検体404の体内の核スピンを励起するために用いられる。なお、受信コイルの感度分布を求めるための基準信号を得るためのコイルを送受信兼用コイルではなく、感度分布がほぼ均一な専用の受信コイルを設けても良い。
ボディコイル404およびRFプローブ405により受信された信号は、信号検出部406で検出され、信号処理部407において信号処理された後に演算処理されて画像データに変換される。本発明で扱う画像データには、被検体の診断に供される検査画像データと、コイルの感度分布を求めるための感度画像データとが含まれるが、それらのうち被検体の診断に供される検査画像データは表示部408へ画像として表示される。
傾斜磁場電源409、RF送信部410、信号処理部407および表示部408は、制御部411で制御される。制御部411が行う制御のタイムチャートは、一般にパルスシーケンスと呼ばれている。ベッド412は被検体401を横たえ、磁石内部の撮影空間と磁石外部との間を搬送するものである。
本実施形態のMRI装置においては、RFプローブ405は図3に示すように、2つの8の字型受信コイル4051、4052を含んで構成され、前記ボディコイル405の内部空間に配置されている。2つの受信コイル4051、4052は、X−Y平面に沿ってZ方向に一定距離間隔を持って対向して配置され、この2つの受信コイル4051,4052に囲まれた空間内に位置した被検体からのNMR信号を受信する。なお、図中において、上3桁が同じである4桁の数字で示された要素および処理は、同一の要素および処理を示し、その下1桁の数字は、複数ある同一要素および処理を区別するために付したもので、以下、そのことは本明細書において同じ扱いがされる。
なお、RFプローブ405は、MRI分野において複数の受信コイルから成る「マルチプル受信コイル」若しくは「フェーズドアレイコイル」と呼ばれている技術で構成されている。マルチプル受信コイル301は、2個の受信コイル4051、4052とプリアンプ3021,3022とが図4に示すように接続されて構成される。このようなマルチプル受信コイル301により受信される計測信号の受信部は、信号検出部406および信号処理部407を含んで構成されている。信号検出部406には、2個のAD変換/直交検波回路3031,3032が並列に設けられ、それぞれがプリアンプ3021,3022の出力へ接続されている。信号処理部407は、受信コイル4051,4052で受信された各信号をフーリエ変換法、バックプロジェクション法、ウェーブレット変換法などによりMR画像を生成するもので、これら画像信号を合成処理する信号合成処理部304を含んでいる。
このように構成される本実施形態のMRI装置における撮影方法について説明する。撮影のためのパルスシーケンスとしては、一般的なスピンエコー法やグラディエントエコー法のパルスシーケンスを、更にはスピンエコー型マルチスライスパルスシーケンスやグラディエントエコー型マルチスライスパルスシーケンスを採用することができる。例えば、図5に示すようなグラディエントエコー法のパルスシーケンスでは、RFパルス601およびスライス選択傾斜磁場パルス602の印加によって核スピンが励起される。このとき印加されるRFパルス601は静磁場へスライス選択傾斜磁場が重畳された磁場勾配によって決まる撮影スライス位置の周波数とスライス厚によって決まる周波数帯域を与えられる。そして、スライス内の核スピンが励起された後、位相エンコード傾斜磁場パルス603の印加によって励起された核スピンへ位相方向の位置情報が付与され、その後読み出し傾斜磁場パルス604の印加期間中に、すなわちサンプリングウィンド605内にエコー信号606が計測される。このパルスシーケンスが繰返し時間(TR)607をもって複数回繰り返される。繰り返し時間607は、例えば、最初の回のパルスシーケンスにおけるRFパルス6011と次の回のパルスシーケンスにおけるRFパルス6012の印加間隔である。そして、パルスシーケンスの繰返し毎に位相エンコード傾斜磁場603の印加量(強度と印加時間との積)を変えることにより、異なる位相エンコード量が核スピンへ与えられ、それぞれの位相エンコード量を与えられた核スピンからのエコー信号が検出される。これを取得する画像の位相エンコード方向における画素数に対応して設定された位相エンコード数だけ繰り返し、またサンプリングウィンド605内に読み出し方向における画素数に対応して設定された数の信号が順次計測される。そして、画像取得時間608内に1枚の画像を再構成するに必要なエコー信号のセットが計測される。すなわち、通常の撮影方法では、エコー信号数は、位相エンコード方向に対するField of View(以下、FOVという。)、つまり、視野に対する空間分解能を考慮して64,128,256,512等の値が選択され、また、各エコー信号は、読出し方向に対する視野と空間分解能と考慮して通常128,256,512,1024個等から成る時系列のサンプリングデータとして得られる。これらの計測されたデータは位相方向と読出し方向との2次元配列メモリ空間(以下、k空間という。)へ格納され、そして読み出されて2次元フーリエ変換を施され1枚のMR画像が再構成される。
本実施形態では、被検体401の検査部位に対し、互いに順次隣接する複数枚、例えばm枚のスライス撮影がなされる。このため、上記パルスシーケンスが各スライス位置に対して順次実行される。なお、上記のようにこのためにマルチスライス撮像法が実施されても良い。
ただし、本実施形態のMRI装置は、上記のパルスシーケンスがパラレルイメージング用に変更されて実行される。すなわち、本実施形態では、パラレルイメージングを高速で行うために、2個の受信コイル、すなわちボディコイル404、受信プローブ405を用いてMR信号の前計測が行われる。MR信号の前計測においては、先ず、k空間における位相エンコードステップを撮影時と同等にしたまま、位相エンコードマトリックス数、つまり、位相エンコード数を通常撮影の数分の1に低減した前計測のパルスシーケンスの実行によって、被検体の撮影部位に含まれるn枚の感度画像データが取得される。このn枚の感度画像データのうち、少なくとも2枚は撮影スライス位置に対応したものとされるが、その枚数はn<mに設定される。また、n枚の感度画像データを取得するためには、図5に示すパルスシーケンスを、それぞれ感度画像データを取得するスライス位置へ適用しても良いし、またはマルチスライス型パルスシーケンスを適用してそれぞれの感度画像データを取得するスライス位置から信号を計測しても良い。
次いでk空間における位相エンコードステップを間引いた撮影(本計測)のパルスシーケンスの実行によって、被検体401の診断部位についてマルチプル受信コイル405を構成する受信コイル4051,4052を用いてm枚(ここに、m>n)の画像データが取得される。このm枚の画像データは、本実施形態では連続的に隣接するスライス位置から取得される。なお、このm枚の画像データを取得するためには、図5に示すパルスシーケンスの他に、マルチスライス型パルスシーケンス又は3次元計測用パルスシーケンスを用いることができる。
そして、ボディコイル404及び受信プローブ405で取得された感度画像データ、並びに受信プローブ405の受信コイル4051,4052で取得された画像データは、それぞれが2次元フーリエ変換され感度画像及び検査画像へ変換される。2次元フーリエ変換によって画像再構成された検査画像には折返しアーチファクトが発生しているので、以下のような処理によってその折返しアーチファクトが除去される。
すなわち、前計測のパルスシーケンスによって取得された感度画像から、受信コイル4051,4052の感度分布データが算出され、算出された感度分布データを用いて補間処理を行い、検査画像の各スライス位置に対応する感度分布データを算出し、算出した感度分布データを用いて受信コイルの感度分布を求め、この感度分布と検査画像とを用いて行列演算を行うことで検査画像の折り返しが除去される。
本計測では、位相エンコードステップ間隔を一定の割合で間引くことによってパルスシーケンスの繰返し回数が低減される。この間引き率はパラレルイメージングの倍速数と呼ばれる。例えば、位相エンコードステップを1ステップずつ間引くと倍速数は2となる。すなわち、位相エンコード数が64の場合、通常は1〜64までの位相エンコードのデータを全て計測するのに対し、倍速数が2のパラレルイメージング法では、一つおきに位相エンコード1、3、5、…、63のデータが計測される。このとき、間引き率は1/2である。本実施形態の制御部411は、このような位相エンコードステップを間引いた本計測パルスシーケンスを実行して、受信コイル4051,4052でm枚の画像データを取得する。
ここで、パラレルイメージング法における画像の折返しについて図6を参照して説明する。図6(a)は、位相エンコードステップを間引かずに通常の位相エンコードステップで撮影した場合(通常撮影)を示しており、各位相エンコード量で取得した信号2021、2022、…、2027をk空間に配置し、画像1枚分の計測データ201とする。これをフーリエ変換すると、図6(c)に示すような、折返しのない画像207が得られる。
これに対しパラレルイメージング法では、図6(b)に示すように、通常撮影と同じ視野について位相エンコードステップ間隔を例えば2倍にし、位相エンコードステップを間引いた計測が行われる。この場合、k空間のky方向に1ラインおきにデータ2041、2042、…、2043が計測され、2051、2052、…、2053、2054のラインに相当するデータは計測されない。これにより、計測されるデータ量は半分になるが、計測視野も1/2となる。計測視野からはみ出した位置における被検体部分からのMR信号は折返し成分となって、計測データ2041、2042、…、2043から成るk空間をフーリエ変換すると、図6(d)に示すように、位相エンコード方向へ折返しの発生した画像208が取得されることとなる。つまり、図6(c)に示すような、画像207内の上側領域2071内の206で示す被検体画像2061と、下側領域2072内の被検体画像2062が折返しとなって、結果として、図6(d)に示すような折返し画像208となる。
このようにして発生した画像208の折返しは、例えば、[非特許文献1][非特許文献2]に開示された信号処理法で除去することができる。
SENSE:Sensitivity Encoding for Fast MRI(Klass P. Pruessmann et. al), Magnetic Resonance in Medicine 42:952−962(1999)
ここで、折返し除去の演算方法について説明する。x、y方向の画像マトリクスをそれぞれX、Yとした場合、画像内の座標(x,y)(但し、1≦x≦X、1≦y≦Y)における画素値をsi(x,y)とする。ここで、添え字iは、受信コイルの番号であり、2≦i≦Nである。図6(d)の場合、位相エンコードステップを2倍に間引いているので、間引き後の画像の位相エンコード方向マトリクスは、Y'=Y/2となる。図6(d)の画像の座標を(x,y')(但し、1≦y' ≦Y')としたとき、その画素値si'(x,y')は、本来の画像207の2つの領域2071、2072が重なって、式(1)で表される。ただし、aは定数である。
Figure 2003092497
次に、受信コイルの感度分布と画像について述べる。i番目の受信コイルの2次元的な感度分布を、ci(x,y)とすると、受信した信号si(x,y)は、受信コイルの感度分布ci(x,y)と被検体のプロトン密度分布p(x,y)との積であるから、式(2)で表せる。
Figure 2003092497
ここで、式(2)を用いると、式(1)は式(3)で表すことができる。
Figure 2003092497
ここで、簡単のため、
Figure 2003092497
とおくと、式(3)は、式(5)となる。
Figure 2003092497
式(5)は、N行2列の行列として、式(6)のように表すことができる。
Figure 2003092497
式(6)から、受信コイルの感度分布Cijが判れば、逆行列を計算することで、被検体の測定対象の核、例えば、プロトンの密度分布Pjが求められる。
同様に、N個のコイルを用いて、M倍速で撮影を行った場合の一般式は、Y'≡Y/M、1≦y'≦Y'として、式(7)で表せる。ここで、bは定数である。
Figure 2003092497
このようにして、受信コイルの感度分布Cijを用い、計測データs'i(x,y')について式(7)の行列演算をすることにより、折返しが除去された画像データとして測定対象内の核スピンの密度分布Pjが求められる。なお、パラレルイメージング法の受信コイル数(N)と倍速数(M)との関係は、数学的にN≧Mである。なお、感度分布は、例えば、k空間の低周波域のデータにローパスフィルタをかけることによっても求めることができる。
本実施形態のMRI装置におけるパラレルイメージング法では、各受信コイル4051、4052の感度分布Cijは、前計測のパルスシーケンスで予め取得されたk空間の位相エンコード方向における低周波域の計測データから感度画像データを生成し、この感度画像データに基づいて算出される。
各受信コイル4051,4052の感度分布Cijを算出するための感度画像データは、前計測シーケンスを実行することにより取得される。前計測のパルスシーケンスでは、位相エンコードステップ間隔は間引かれずに通常の撮影の位相エンコードステップと同等にされるが、位相エンコード数を通常の撮影の数分の1に低減することによりパルスシーケンスの繰り返し回数が低減される。例えば、k空間の位相エンコード数が64の場合、通常撮影においては1〜64までの位相エンコードの計測データを全て計測するのに対し、パラレルイメージング法の前計測シーケンスでは、位相エンコードステップを通常撮影と同じにして、k空間の一部の領域、例えば、k空間の中央領域(低周波領域)の位相エンコード25〜40の16ステップのデータが計測される。この場合、位相エンコード数は、通常撮影の1/4となるので、前計測に要する時間が短縮される。制御部411は、このようなk空間の約1/4の中央領域の計測データを取得する前計測パルスシーケンスを実行して、ボディコイル404および受信コイル4051,4052毎にn枚の感度画像データを取得する。このように、1スライス位置の感度画像データを少ない位相エンコード数で計測するとともに、検査画像のスライス位置数よりも少ないスライス位置数の感度画像データを取得することで、パラレルイメージングのトータルの撮影時間が短縮される。
次に、本実施形態のMRI装置の信号処理部で行われる信号処理の手順について説明する。
本実施形態の信号処理部407は、図1に示すように、感度画像データ取得用の前計測パルスシーケンスを実行して取得されたボディコイル404のn枚の感度画像701と、マルチプル受信コイル301の受信コイル4051,4052の各n枚の感度画像702、703とをスライス補間処理1011,1012,1013して検査画像の各スライス位置に対応する感度画像が全て揃うように補間感度画像が生成される。次に、ボディコイル404のスライス補間処理1011により生成された感度画像を含む全感度画像と、マルチプル受信コイル301の受信コイル4051,4052のスライス補間処理1012,1013により生成された感度画像を含む全感度画像とを用いて感度分布算出処理7061,7062により各受信コイル4051、4052の感度分布データ707,708が算出される。算出された各受信コイル4051,4052の感度分布データ707,708は制御部411に設けられたメモリ(図示省略)へ記憶保持される。
上記において行われる感度分布算出処理7061,7062は、ボディコイル404の感度画像で受信コイル4051,4052の感度画像を各スライス位置を対応させて割算する処理である。
そして、検査画像データ取得用の本計測パルスシーケンスが実行され、取得されたマルチプル受信コイル301の各受信コイル4051,4052の各m枚の検査画像704,705と、感度分布データ707,708とに基いて行列作成処理709にて行列式が作成され、その行列式の逆行列計算処理710が行われと、その結果として折返しのない診断用画像711が得られる。
ところで、前計測パルスシーケンスを実行して取得されるそれぞれn枚の感度画像701、702、703は、図7に示すように、それぞれボディコイル404の感度画像7011、7014、…、701mであり、マルチプル受信コイル301の受信コイル4051の感度画像7021、7024、…、702mであり、マルチプル受信コイル301の受信コイル4052の感度画像7031、7034、…、703mである。
これに対し、本計測パルスシーケンスを実行して取得される折返しアーチファクトを含んだ検査画像704,705は、それぞれマルチプル受信コイル301の受信コイル4051の検査画像7041〜704mであり、マルチプル受信コイル301の受信コイル4052の検査画像7051〜705mである。図7では、ch.1はマルチプル受信コイル301の受信コイル4051に対応し、ch.2はマルチプル受信コイル301の受信コイル4052に対応している。
これらの感度画像701,702,703および検査画像704,705には、それぞれのスライス位置に対応してスライス番号が付与され、スライス番号が同じ画像は、同じスライス位置の画像であることを示している。このスライス番号は、画像番号の下一桁と対応し、例えば、ボディコイル404の感度画像7011、7014、…、701mには、それぞれ1、4、…、mのスライス番号が付与されている。また、前計測パルスシーケンスおよび本計測パルスシーケンスで取得される画像のスライス間隔は等間隔に設定されている。
つまり、前計測パルスシーケンスでは、スライス番号1、4、…、mのように2スライスおきに計測が行われ、スライス番号2、3、5、…、m-1についてはボディコイル404の感度画像データ701と各受信コイル4051、4052の感度画像データ702、703とが取得されない。このため、スライス番号2、3、5、…、m-1の検査画像7042、7043、7045、…、704m-1、及び7052、7053、7055、…、705m-1はそれらのスライス位置の感度分布情報がないと折返しアーチファクトの除去ができない。
そこで、本実施形態の信号処理部は、ボディコイル404の感度画像7011、7014、…、701mからスライス補間処理1011して感度画像7012、7013、7015、…、701m−1を算出し、また同様に、取得した受信コイル4051の感度画像7021、7024、…、702mからスライス補間処理1012して感度画像7022、7023、7025、…、702m−1を算出し、受信コイル4052の感度画像7031、7034、…、703mからスライス補間処理1013して感度画像7032、7033、7035、…、703m−1を算出する。つまり、図7の501は前計測パルスシーケンスで取得された感度画像とスライス補間処理1011,1012,1013で得られた感度画像データとで構成され検査画像の折返しアーチファクトを除去するのに必要な感度画像のセットを示し、502は本計測パルスシーケンスで取得された折返しアーチファクトを含む検査画像のセットを示している。また、501の白抜きの感度画像は、前計測パルスシーケンスで実際に取得された感度画像を示し、黒塗りの感度画像は、スライス補間処理101により生成された感度画像を示している。
本実施形態のMRI装置において行われる感度分布算出処理706では、ボディコイルの画像データsc(x,y)を基準に、例えば、式(8)により相対化して、各受信コイルiの画像データsi(x,y)により感度分布ci(x,y)が求められる。
Figure 2003092497
このようにして算出された感度分布データ707,708と、受信コイル4051,4052毎に取得された検査画像データ7041〜704m、7051〜705mを用いて、行列作成処理709により式(7)の行列式を作成後、逆行列演算処理710によって折返しアーチファクトが除去された診断用画像711が得られる。
従来のMRI装置は、前計測パルスシーケンスにおいて、位相エンコード数を通常撮影時の数分の1に設定するが、感度画像データと折返し画像データは、同じ枚数で、かつ、同じスライス位置で撮影されるものであった。
しかし、パラレルイメージング法では、前計測パルスシーケンスの実行時間が総撮影時間の大きな割合を占める。特に、マルチスライスや三次元撮影では、撮影のスライス枚数が多いほど、パルスシーケンスの繰返し時間(TR)や、繰返し回数が増加するため、前計測パルスシーケンスの実行時間が検査効率の点に鑑み大きな問題となる。
これに対し、本実施形態のMRI装置は、前計測パルスシーケンスで取得するスライス枚数を間引いて、感度分布を算出するための感度画像データ701,702,703を複数スライス枚、例えば2枚おきに取得することによって、撮影する感度画像データを検査画像のm枚より少ないn枚に省略する。このため、前計測パルスシーケンスの繰り返し回数が低減され、取得する感度画像データ701,702,703が間引かれた分だけ撮影時間が短縮され得る。また、本実施形態を三次元計測に適用した場合には、感度分布取得用の前計測パルスシーケンスのスライスエンコード数が低減され得る。
更に、本実施形態の前計測パルスシーケンスでは、スライス間隔を等間隔に間引いて感度画像データを取得するので、スライス補間処理101により生成される感度画像データが簡単な演算で、かつ精度良く算出される。これに加えて、本実施形態の前計測パルスシーケンスでは、スライス番号を等間隔に間引いて感度画像データを取得するので、制御部411におけるパルスシーケンスの設定及び制御が簡素化される。
また、各受信コイル4051,4052の感度分布は、制御部411のメモリへ記憶保持されているので、上記の1〜mまでのスライスの撮影に対し、撮影スライスの位置を、若干ずらして再撮影を行う必要が生じた場合には、各受信コイルの感度分布を再計測することなく、メモリに記憶された各受信コイルの感度分布を用いて再撮影のスライス位置に対する各受信コイルの感度分布を算出することができる。したがって、再撮影に要する時間を短縮することができる。
(第2の実施形態)
本発明を適用してなるMRI装置の第2の実施形態について図8及び図9を参照して説明する。なお、本実施形態では、第1の実施形態と同一のものには同じ符号を付してあるので説明を省略し、第1の実施形態と相違する構成および特徴部などについて、以下説明する。
本実施形態が第1の実施形態と相違する点は、図8に示すように、感度画像データ取得用の前計測パルスシーケンスで取得されたボディコイル404の感度画像701と、マルチプル受信コイル301の受信コイル4051,4052の感度画像702、703とを用いて感度分布算出処理706を実行した後に、スライス補間処理801が行われる点にある。したがって、本実施形態の信号処理部においては、ボディコイル404の感度画像701と受信コイル4051,4052の感度画像702、703とから受信コイル4051、4052の感度分布データ7061,7062が算出され、次いで、この感度分布データ7061,7062を用いてスライス補間処理801が行われて受信コイル4051,4052の感度分布データ707,708が求められ、その後、この感度分布データ707、708と検査画像704,705とから行列作成処理709が行われ、作成された行列の逆行列計算処理710がなされることで検査画像704,705の折返しアーチファクトが除去される。
ここで、感度分布算出処理706により算出される受信コイル4051,4052の感度分布データとスライス補間処理801により生成される受信コイル4051,4052の感度分布データとについて説明する。
感度分布算出処理706により算出される感度分布データは、図9に示すように、マルチプル受信コイル301の受信コイル4051の感度分布データ7071、7074、…、707m、及び受信コイル4052の感度分布データ7081、7084、…、708mである。
つまり、本実施形態の前計測パルスシーケンスでは、第1の実施形態と同様に、計測されるスライス位置を2枚おきに設定することにより計測スライス枚数が少なくされる。すなわち、スライス番号1、4、…、mの感度画像データは取得されるが、スライス番号2、3、5、…、m-1の感度画像データは取得されない。スライス番号2、3、5、…、m-1の感度分布データがないと、検査画像7042、7043、7045、…、704m-1、7052、7053、7055、…、705m-1に現れる折返しアーチファクトを除去することができない。
そこで、本実施形態の信号処理部は、取得された受信コイル4051の感度分布データ7071、7074、…、707mをスライス補間処理8011して感度分布データ7072、7073、7075、…、707m-1を算出するとともに、受信コイル4052の感度分布データ7081、7084、…、708mをスライス補間処理8012して感度分布データ7082、7083、7085、…、708m-1を算出する。
つまり、図9の503は、図8における感度分布算出処理7061,7062により算出される感度分布データとスライス補間処理8011,8012で得られる感度分布データとで構成される検査画像の折り返しアーチファクトを除去するのに必要なデータセットを示している。また、503の白抜きの感度画像は感度分布算出処理7061、7062により算出された感度分布データを示し、黒塗りの感度分布データはスライス補間処理801により生成された感度分布データを示している。
このように、信号処理部407は、前計測パルスシーケンスで取得された感度画像データ701,702,703に基いて感度分布算出処理7061,7062を行ってからスライス補間処理8011,8012を行い、検査画像7041〜704m、7051〜705mのそれぞれのスライス位置に対応する感度分布データ7071〜707m、7081〜708mを作成した後、行列作成処理709と逆行列計算処理710により、画像の折返しアーチファクトの除去を行う。
このように、本実施形態では、第1のパルスシーケンスで取得された感度画像701,702,703に基いて受信コイル4051,4052の感度分布を算出した後に、スライス補間処理801を行うので、ボディコイル404の感度画像701のスライス補間処理を行う必要がない。このため、ボディコイル404の感度画像701のスライス補間処理1011を行う第1の実施形態に比べ、感度分布算出処理706を簡略化することができ、画像再構成に要する時間を短縮することができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明を適用してなるMRI装置の第3の実施形態について図10および図11を参照して説明する。なお、本実施形態においても、第1の実施形態と同一のものには同じ符号を付して、その説明を省略することとし、第1の実施形態と相違する構成および特徴部について以下説明する。
本実施形態が第1の実施形態と相違する点は、マルチプル受信コイルを4つの受信コイルで構成したことにある。すなわち、本実施形態のMRI装置におけるRFプローブを成すマルチプル受信コイル301Aは、図10に示すように、4つの8の字型受信コイル4051〜4054を有し、X−Y平面上およびY−Z平面上にそれぞれ所定の距離を挟んで対向配置して構成されている。
また、本実施形態のマルチプルRF受信コイル301Aは、図11に示すように、4個の受信コイル4051〜4054が、それぞれプリアンプ3021〜3024に接続されて構成されている。信号検出部406Aには、4個のAD変換/直交検波回路3031〜3034が並列に設けられ、それらはプリアンプ3021〜3024のそれぞれの出力と接続されている。
ところで、パラレルイメージングを実行する場合に、複数の受信コイルの配置関係や感度分布によっては、感度の低い領域が生ずることがあり、その場合には式(7)の行列演算が発散してしまい、アーチファクトが発生するとか、画質が劣化することがある。
本実施形態のMRI装置は、4個の受信コイルのうち、撮影断面および位相エンコード方向に基づき最適な受信コイルの組合せが成され、2組の受信コイル群が形成される。ここで、受信コイルの最適な組合せとは、上記行列演算が発散しないような組合せである。例えば、受信コイル群の感度分布を合成したときに、位相エンコード方向に感度分布の低い領域が存在しない、受信コイル群の感度分布が互いに同じではない、などの条件が考えられる。
本実施形態の受信コイルは、図10に示すように、2つの受信コイル4051、4052がX−Y平面上にZ方向に所定距離を挟んで対向して配置され、さらに、Z−Y平面に平行な面上にX方向に所定距離をおいて対向する2つの受信コイル4053,4054が配置されている。これらの4つの受信コイルのうち、受信コイル4051と4053とが組み合わせられて受信コイル群4055が形成されるとともに、受信コイル4052と4054とが組み合わせられて受信コイル群4056が形成される。このような受信コイルの配置と組合せを行うと、受信コイル4051と4053との合成感度分布データと、受信コイル4052と4054との合成感度分布データとは互いに異なるものとなり、かつ低感度領域が少なくなり、行列演算が発散し難くなる。
このような最適なコイルの組合せは、コイルの配置が一定であれば、撮影断面および位相エンコード方向によって決まるので、これら撮影条件が設定されると装置が自動的に最適な組合せを選択するように装置を構成すると良い。
信号処理部407Aは、選択された2組の組合せに係る受信コイルで計測された2組の感度画像データを取り出し、各組毎に感度画像データの合成を行う。同様に、選択された2組の組合せに係る受信コイルで計測された2組の検査画像データを取り出し、各組毎に検査画像データの合成を行う。このようなデータの合成により生成された受信コイル群4055の感度画像データは、図7のch.1の感度画像データ7021、7024、…、702mに相当し、また、受信コイル群4056の感度画像データは、ch.2の感度画像データ7031、7034、…、703mに相当する。
同様に、合成された受信コイル群4055の検査画像データは、図7のch.1の検査画像データ7041〜704mに相当し、また、受信コイル群4056の検査画像データは、ch.2の検査画像データ7051〜705mに相当する。
つまり、受信コイル4051〜4054により取得された感度画像データは、信号合成処理部304Aにて、予め定められた受信コイル群毎の感度分布に対応するch.1、ch.2の感度画像データ702,703に合成され、受信コイル群毎に合成されたch.1、ch.2の検査画像データ704,705の折返しアーチファクトを除去する行列演算の参照データとなる。
ここで、受信コイル4051〜4054で取得された感度画像データおよび検査画像データは複素数であるので、信号合成処理部304Aでは、例えば複素加算による合成処理が行われるが、2組の感度画像データについて2乗和の平方根を、および2組の検査画像データについて2乗和の平方根を演算して合成処理を行うようにしても良い。この後者の場合は、複素加算に比べSN比が高くなるメリットがもたらされる。なお図11に示した信号処理の流れでは、信号の合成をAD変換後に行っているが、AD変換前のアナログ信号の段階で合成処理し、その後にAD変換する形態を採用しても良い。
このように、本実施形態のMRI装置によれば、マルチプル受信コイルを用いたパラレルイメージング高速撮影において、撮影断面やエンコード軸を考慮して最適な受信コイルの組合せを選択し、組み合わせられた受信コイルの合成された計測データについて行列演算するようにしたので、行列演算による画像の劣化がなく、良好な画像を得ることができる。この行列演算は、信号の間引き率を1/M、複数の受信コイルの組合せ数をG(ここで、G=2、…、Nであり、式(7)のNに対応する)とするとき、行列[G×M]を演算することとなる。本第3の実施形態では、4つの受信コイル4051〜4054を2つずつ組み合せて2組の受信コイル群(G=2)とし、これら2組の受信コイル群のそれぞれの合成計測データに対して行列演算することになるから、行列は[2×2]となり、演算を簡略化することができる。
また、撮影断面やエンコード軸を変えた場合でも、アーチファクトや画像劣化の無い安定な画像を得ることができる。さらに行列演算の負担を軽減し、画像再構成を高速化することができる。
ところで、本実施形態において、受信コイルの第1の組合せと第2の組合せを選択する際、それらの組合せ間に受信コイルの重なりがあっても問題はない。つまり、受信コイルの複数の組合せにおいて互いに共通する受信コイルを含めて組合せを選択しても良い。このように、複数のRF受信コイルの組合せには、組合せ相互に受信コイルを一部共有することができるから、最適な感度分布となるコイルの組合せ選択の自由度が増し、画質のより良好な画像を得ることができる。
本発明は、以上の実施形態で開示された内容に止まらず、本発明の趣旨を踏まえた上で各種形態を取り得る。例えば、第1乃至第3の実施形態では、感度分布取得用の前計測パルスシーケンスのスライスを2枚おきに設定した場合を示したが、任意枚数おきに設定することも可能である。
また、第1乃至第3の実施形態では、画像データを取得する際のスライス間隔を等間隔としているが、本発明のMRI装置は各画像データのスライス間隔を変更して取得することができる。
また、第1および第2の実施形態では2つの受信コイルを用いた場合を、第3の実施形態では4つの受信コイルを用いた場合を説明したが、受信コイルの数は2個または4個に限定されない。つまり、8個であっても、それ以外の数でも良い。但し、装置の回路構成を単純にするためには、また被検者の不快感を低減するためには、受信コイル数は少ないほうが望ましいと考えられる。
また、第1乃至第3の実施形態では、受信コイルの感度分布を求めるためのパルスシーケンスにおける位相エンコードステップの間隔を通常撮影のそれの2倍、つまり、間引き率を1/2にした場合について説明したが、そのステップ間隔は3倍、4倍、それ以上にすることも可能である。その場合、選択する受信コイルの組合せの数Gは、位相エンコードのステップ間隔Mと同数かそれ以上とすることが必要である。ただし、行列演算を簡略化するためにはG=Mであることが好ましい。
また、第1乃至第3の実施形態では、用いるパルスシーケンスをグラディエントエコーシーケンスとした場合について記載したが、パラレルイメージング法は、パルスシーケンスの種類や計測法を限定されることはない。例えば、SE法パルスシーケンス、FSE法パルスシーケンス、EPI法パルスシーケンスやSSFP計測法、スパイラル計測法など様々適用することができる。
また、本発明のMRI装置は、本実施形態のマルチスライス計測法に限らず、三次元計測法に適用することができる。その場合は、位相エンコード方向だけでなく、スライスエンコード方向にデータを間引いても良いし、位相エンコード方向、スライス方向を組み合わせてデータを間引いても良い。またエンコードステップを間引く軸方向に感度分布が最適な組合せとなるように受信コイルの組合せを選択しても良い。
また、本発明の信号処理部の信号処理において、スライス補間処理101,801は、例えば、スプライン補間処理や、Sinc関数による補間処理、関数によるフィッティング処理など様々な補間処理を適用することができる。
また、本発明のMRI装置は、本実施形態のボディコイルに代わり、複数の受信コイルで取得された感度画像データを合成して感度分布の均一な感度画像データを生成し、この合成された感度画像データを用いて各受信コイルで取得した画像データをそれぞれ除算し、近似的な受信コイルの感度分布を求めることができる。ただし、上記実施形態で説明したような比較的感度分布の均一なボディコイルの画像データを用いて、各受信コイルで取得された画像データをそれぞれ割算し、近似的な受信コイルの感度分布を求めると、受信コイルの感度分布を精度良く算出することができるので、後者の方がより好ましい。
また、本発明のMRI装置のマルチプル受信コイルは、第1乃至第3の実施形態に限らず、水平磁場のための頭部用マルチプルRFコイルとして、[非特許文献3]に記載されたもの、水平磁場のための頭部用QDマルチプルRFコイルとして、[非特許文献4]に記載されたもの、そして、水平磁場のための腹部用QDマルチプルRFコイルとして、[非特許文献5]に記載されたものなど様々なマルチプル受信コイルを適用することができる。マルチプル受信コイルは、相対的に高感度な小型受信コイルを複数個並べて、各コイルで取得した信号を合成することより、受信コイルの高い感度を保ったまま視野を拡大し、高感度化を図るものであり、各受信コイルの再構成処理された画像を1枚の画像に合成して視野を拡大するとともに高感度化を図ることができる。
Array Head Coil for Improved Functional MRI(Christoph Leussler), 1996 ISMRM abstract p.249 Helmet and Cylindrical Shaped CP Array Coils for Brain Imaging: A Comparison of Signal−to−Noise Characteristics(H. A. Stark, E. M. Haacke), 1996 ISMRM abstract P.1412 Four Channel Wrap−Around Coil with Inductive Decoupler for 1.5T Body Imaging(T. Takahashi et. al), 1995 ISMRM abstract P.1418
また、第1乃至第3の実施形態では、本発明を静磁場方向(Z方向)が水平である水平磁場方式MRI装置に適用する場合について説明したが、本発明はこれに限定されずに静磁場が垂直方向のMRI装置へも適用することができる。
本発明のMRI装置の第1の実施形態に係る信号処理部の信号処理の手順を示す図。 本発明が適用されたMRI装置の第1の実施形態の概略構成図。 本発明が適用されたMRI装置の第1の実施形態に係る受信コイルを説明する図。 本発明のMRI装置の第1の実施形態に係るマルチプルRF受信コイルおよび受信部の概略構成図。 本発明のMRI装で用いられるパルスシーケンスを説明する図。 本発明のMRI装置におけるパラレルイメージング法で除去対象とされる画像の折返しアーチファクトを説明する図。 本発明のMRI装置の第1の実施形態に係るパルスシーケンスで取得される画像データおよびスライス補間処理により生成される画像データを説明する図。 本発明のMRI装置の第2の実施形態に係る信号処理部の信号処理の手順を示す図。 本発明のMRI装置の第2の実施形態に係る感度分布算出処理およびスライス補間処理により生成される感度分布データとパルスシーケンスで取得される画像データとを説明する図。 本発明のMRI装置の第3の実施形態に係る受信コイルを説明する図。 本発明のMRI装置の第3の実施形態に係るマルチプル受信コイルおよび受信部の概略構成図。

Claims (16)

  1. 被検体から発生する磁気共鳴信号を受信する複数の受信コイルと、前記受信コイルを用いて第1のパルスシーケンスを実行して、前記被検体のそれぞれが間隔を有して離間した複数のスライス位置から前記複数の受信コイルの各々によって感度画像データを取得する感度画像データ取得手段と、前記複数の受信コイルを用いてk空間の位相エンコードマトリクスを間引いて第2のパルスシーケンスを実行して、前記被検体のそれぞれが順次隣接する複数のスライス位置から前記複数の受信コイル毎に検査画像データを取得する手段と、前記複数の感度画像データに基づいて前記検査画像データのスライス位置における前記複数の受信コイルの感度分布データを生成し、この生成された受信コイルの感度分布データを用いて前記検査画像の折返しアーチファクトを除去するアーチファクト除去手段とを備えたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  2. 請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置において、前記複数の受信コイルは、感度分布がほぼ均一な受信コイルと、複数の受信コイルから成るマルチプル受信コイルとから成ることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  3. 請求項2に記載の磁気共鳴イメージング装置において、前記感度分布がほぼ均一な受信コイルはRFパルスの送信用コイルを兼ねるコイルであることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  4. 請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置において、前記複数の受信コイルの感度画像データ数をn、前記検査画像データ数をmとしたとき、n<mであることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  5. 請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置において、前記複数の感度画像データはマルチスライス法パルスシーケンスにより取得されることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  6. 請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置において、前記感度画像データ取得手段は、前記複数の受信コイルの各々について、所定位相エンコードマトリクスを有したk空間の低周波領域についてのみNMR信号を計測することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  7. 請求項6に記載の磁気共鳴イメージング装置において、前記感度画像データ取得手段によって計測される前記k空間の低周波領域は、k空間の位相エンコード方向の中央部で、かつ全位相エンコードマトリクスの約1/4であることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  8. 請求項2に記載の磁気共鳴イメージング装置において、前記検査画像データ取得手段は、マルチプル受信コイルを構成する受信コイル数がN個としたときには、各受信コイルについて、k空間の位相エンコードマトリクスに対しNステップ飛びに間引いてNMR信号を計測することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  9. 請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置において、前記検査画像のスライス位置に対応する未計測のマルチプル受信コイルの感度分布データは、計測された感度分布データを用いて補間演算により算出されることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  10. 請求項2に記載の磁気共鳴イメージング装置において、前記マルチプル受信コイルの各受信コイルの感度分布は、前記ほぼ均一な感度分布を有す受信コイルで撮影した感度画像で各受信コイルの感度画像を割算することによって求められることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  11. 請求項10に記載の磁気共鳴イメージング装置において、前記マルチプル受信コイルの前記各受信コイルの感度分布を算出する前に、ほぼ均一な感度分布を有する受信コイルと前記マルチプル受信コイルの各受信コイルについて、前記検査画像のスライス位置における未計測感度画像をスライス補間により求める処理を行うことを含むことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  12. 請求項10に記載の磁気共鳴イメージング装置において、前記マルチプル受信コイルの前記各受信コイルの感度分布を算出する前に、ほぼ均一な感度分布を有する受信コイルと前記マルチプル受信コイルの各受信コイルについて、計測したスライスについての感度分布を先に求め、その後未計測のスライスについての感度分布は前記求められた感度分布からスライス補間により求めることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  13. 請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置において、前記複数の受信コイルの数は、2個であることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  14. 請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置において、前記複数の受信コイルは3個以上であり、それらの受信コイルは複数の受信コイル群に組み合わせられ、各受信コイル群毎に感度分布データが合成されることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  15. 被検体から発生するNMR信号を受信する複数の受信コイルと、前記受信コイルを用いて第1のパルスシーケンスを実行して、前記被検体の離れた複数のスライス位置から前記複数の受信コイルの各々によってk空間の低周波領域のNMR信号からなる感度画像データを取得する感度画像データ取得手段と、前記複数の受信コイルを用いてk空間の位相エンコードマトリクスを間引いて第2のパルスシーケンスを実行して、前記被検体のそれぞれが順次隣接する複数のスライス位置から前記複数の受信コイル毎に検査画像データを取得する手段と、前記複数の感度画像データに基づいて前記検査画像データのスライス位置における前記複数の受信コイルの各感度画像データを補間により生成し、この生成された受信コイルの各感度画像データと前記複数の感度画像データとから前記複数の受信コイルの感度分布を生成する手段と、前記複数の受信コイルの感度分布と前記受信コイル毎の検査画像データとにより行列演算式を作成する手段と、前記行列演算式の逆行列演算を行って前記検査画像の折返しアーチファクトを除去するアーチファクト除去手段とを備えたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  16. 被検体から発生する核磁気共鳴信号を受信する複数の受信コイルと、前記受信コイルを用いて第1のパルスシーケンスを実行して、前記被検体の離れた複数のスライス位置から前記複数の受信コイルの各々によって感度画像データを取得する感度画像データ取得手段と、前記複数の受信コイルで取得された感度画像データを合成して感度分布のほぼ均一な感度画像データを生成し、この合成された感度画像データと前記各受信コイルの感度画像データとから各受信コイルの感度分布データを求める感度分布データ取得手段と、前記受信コイルを用いてk空間の位相エンコードマトリクスを間引いて第2のパルスシーケンスを実行して、前記被検体のそれぞれが順次隣接する複数のスライス位置から検査画像データを取得する手段と、前記各受信コイルの感度分布データを用いて前記検査画像の折返しアーチファクトを除去するアーチファクト除去手段とを備えたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
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