JPWO2003091436A1 - 新規35kd蛋白質 - Google Patents

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Abstract

本発明は、糖産生の制御に関与するタンパク質およびそれをコードするポリヌクレオチド、糖産生の制御に関与する化合物のスクリーニング方法、該糖産生の制御に関与する化合物を含有する糖尿病の治療または予防のための医薬を提供することであり、ラット肝細胞より、WF00144物質の特異的結合型タンパク質をコードするポリヌクレオチドを見いだし、糖産生の制御に関与するタンパク質およびそれをコードするポリヌクレオチドを提供するとともに、糖尿病の治療ならびに予防方法等に関する方法または物質を見いだすことにより糖尿病の治療ならびに予防方法等に関する糖産生の制御に関与する糖尿病の治療の方法を提供する。

Description

技術分野
本発明は、新規35kdタンパク質、該タンパク質をコードするポリヌクレオチド、該ポリヌクレオチドを用いた該タンパク質の製造方法、並びにそれらの製造に関わる発現系、該発現系を用いた糖産生の制御に関与する化合物のスクリーニング方法に関する。
また、本発明は上記方法により得られるタンパク質もしくはスクリーニングにより得られる化合物を用いる糖尿病の治療ならびに予防方法等に関する。
背景技術
特定の薬理活性を有することにより、ある種の病態治療効果を発現する薬剤の薬理作用は、その病態を担う薬理現象に関与する蛋白質に対する薬剤の特異的結合及びそれに起因する蛋白質の特異的機能修飾作用により生じる。
従ってある病態治療剤が、その病態を呈する組織或は細胞において、特異的に結合し機能修飾する蛋白質は、その病態に関与する蛋白質であり、新たな治療薬開発の有用な標的となる。
例えば、免疫抑制剤FK506は、移植及び慢性炎症の治療剤として用いられている。本剤の病態における特異的結合蛋白質は、Schreiber教授等のグループにより、FKBP12蛋白質であることが明らかとなっている(Harding MW,Galat A,Uehling DE,Schreiber SL,Nature 341,pp758−760(1989))。また、FK506は、FKBP12と結合した後、calcineurinと結合し、免疫抑制作用を発現することも明らかとなっている(Liu J,Farmer JD Jr,Lane WS,Friedman J,Weissman I,Schreiber SL,Cell 66(4),pp807−815(1991))。即ち、FK506を用いて発見されたFKBP12及びその免疫調節経路は、更なる免疫抑制剤開発のための重要な標的となっている。
本発明の新規35kd蛋白質はWF00144物質(図1)と結合する。WF00144物質は、カビPhoma sp.No.00144株が産生する薬理活性物質である。本物質は、in vitroにおいて、初代培養肝細胞の糖産生を抑制する。また、本物質は、糖尿病病態モデル動物において、血糖降下作用を有する。即ち、本物質は、肝糖産生を抑制することにより、血糖降下作用を発現する糖尿病治療剤である。(WO99/61645)
上記2点の理由で、WF00144物質の特異的結合蛋白質は、新たな糖尿病発症の機序解明及び新薬開発のため有用であると考えられるが、本発明以前にはWF00144物質に特異的に結合する蛋白質は知られていなかった。
発明の開示
本発明の課題は、以下の3点である。
糖産生の制御に関与するタンパク質およびそれをコードするポリヌクレオチドを提供すること
糖産生の制御に関与する化合物のスクリーニング方法を提供すること
該糖産生の制御に関与する化合物を含有する糖尿病の治療または予防のための医薬を提供すること。
本発明は、糖産生の制御に関与するタンパク質およびそれをコードするポリヌクレオチドを提供するとともに、さらには糖尿病の治療ならびに予防方法等に関する方法または物質を見いだすことにより、糖尿病の治療ならびに予防方法等に関する糖産生の制御に関与する糖尿病の治療の方法を提供することである。
本願発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、ラット肝細胞より、糖産生の制御に関与する分子量約35kdのタンパク質をコードするポリヌクレオチドを見いだし、本発明を完成した。
ラット肝細胞から、初代肝細胞の糖新生を阻害するWF00144物質と特異的に結合する蛋白質の同定及び該蛋白質をコードする遺伝子の単離を試みた。その結果、分子量約35kdの新規蛋白質を同定した。その蛋白質の部分配列情報より、完全長の遺伝子を単離した。この遺伝子は理研マウスクローン060010D20とアミノ酸レベルで96%の相同性があり、相同遺伝子と考えられる。しかし、その機能については全く知られていなかった。
また、ヒトの相同遺伝子も単離した。本蛋白質遺伝子を、大腸菌で発現させ、アミノ酸配列から予想される妥当な分子量を有する蛋白質を取得した。本蛋白質は、WF00144物質と特異的に再結合した。
本願発明の35kd蛋白質について、BLAST homology searchを行うとDihydrodipicolinate synthase(DHDPS)familyの各生物種のホモログが上位を占める。従って、ラット及びヒト35kd蛋白質は、DHDPS familyの蛋白質であると推定された。
また、PROSITEデータベースにより、35kd蛋白質のアミノ酸配列中に存在するモチーフ検索を行うと、DHDPS familyで保存されているmotifが2個存在することが明らかとなった。そのうち活性中心のリジンを含むDHDPS_2(PROSITE AC.PS00666)Y−[DNS]−[LIVMFA]−P−x(2)−[ST]−x(3)−[LIVMF]−x(13,14)−[LIVM]−x−[SGA]−[LIVMF]−K−[DEQAF]−[STAC]配列は、マウス、ラット及びヒト間で完全に保存されており、DHDPS_1(PROSITE AC.PS00665)[GSA]−[LIVM]−[LIVMFY]−x(2)−G−[ST]−[TG]−G−E−[GASNF]−x(6)−[EQ]配列についても、変換不可アミノ酸10残基中8残基が保存されている。
以上から、新規35kda蛋白質は、公知のDHDPS family蛋白質と類似の一次構造を持つことから、DHDPS familyの蛋白質であって、class Iアルドラーゼ活性を機能として有すると推測された。
糖代謝に関与する酵素は、微生物から哺乳動物まで普遍的に存在するが、35kd蛋白質は、ヒト及びげっ歯類等の哺乳動物にしかその相同遺伝子を見つけることはできなかった。
また、その遺伝子発現は、肝、腎及び精巣に限局されていた。従って、35kd蛋白質は、生物界に普遍的に存在する糖代謝系に加えて、何らかの目的で哺乳動物の特に肝及び腎に付加された代謝経路を担っていると考えらた。
高等動物においては、解糖系と糖新生系は、いくつかの律速酵素を除き、共通の酵素に触媒される正逆反応の関係にあると考えられている。特に哺乳動物において、グルコース生産(糖新生)は、飢餓を乗り越えて個体として生存するための必須の機能として肝及び腎において進化したものである。
しかしながら、現代人にとっては、肝糖産生の亢進は、糖尿病の病態の特徴となっている。この糖産生の亢進は、これまで、解糖系と糖新生系のバランスの変化であると考えられてきた。即ち、糖新生系が解糖系に比し、優位になっていると考えられていた。
35kd蛋白質と特異的に結合するWF00144物質が、肝糖産生を抑制し、病態モデル動物において血糖降下作用を有することより、35kd蛋白質は、従来から知られている解糖/糖新生系とは異なる糖産生経路で機能を果たしていると考えられた。即ち、35kd蛋白質は、肝及び腎において、解糖系とは分離してグルコースを効率的に産生するために進化した経路に存在すると推定された。
従って、35kd蛋白質及びそれを含む新規糖代謝系は、新たな糖尿病治療剤開発のための有用な標的である。
具体的には、本発明は以下に示す通りである。
〔1〕下記(a)から(e)のいずれかに記載のWF00144物質と特異的に結合するタンパク質をコードするポリヌクレオチド。
(a)配列番号:1および3のいずれかに記載の塩基配列を含むポリヌクレオチド、
(b)配列番号:2および4のいずれかに記載のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするポリヌクレオチド、
(c)配列番号:2および4のいずれかに記載のアミノ酸配列において、1若しくは複数のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加したアミノ酸からなるタンパク質をコードするポリヌクレオチド、
(d)配列番号:1および3のいずれかに記載の塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチド、
(e)配列番号:1および3のいずれかに記載の塩基配列において、少なくとも(1)88%のホモロジー、(2)92%のホモロジー、(3)96%のホモロジーを有するポリヌクレオチド、
〔2〕〔1〕に記載のポリヌクレオチドによってコードされるタンパク質の部分ペプチドをコードするポリヌクレオチド。
〔3〕〔1〕および〔2〕のいずれかに記載のポリヌクレオチドによってコードされるペプチドまたはタンパク質。
〔4〕〔1〕から〔2〕のいずれかに記載のポリヌクレオチドを含むベクター。
〔5〕〔1〕から〔2〕のいずれかに記載のポリヌクレオチド、または請求項5に記載のベクターを保持する形質転換体。
〔6〕〔5〕に記載の形質転換体を培養し、発現産物を回収する工程を含む、〔3〕に記載のペプチドまたはタンパク質の製造方法。
〔7〕〔1〕から〔2〕のいずれかに記載のポリヌクレオチド、またはその相補鎖に相補的な塩基配列からなる少なくとも15塩基の長さを有するポリヌクレオチド。
〔8〕〔3〕に記載のペプチドまたはタンパク質に対する抗体。
〔9〕〔3〕に記載のペプチドまたはタンパク質と請求項8に記載の抗体の免疫学的な反応を観察する工程を含む、免疫学的測定方法。
〔10〕次の工程を含む、糖産生を制御する物質をスクリーニングする方法。
(1)請求項1に記載のポリヌクレオチドによってコードされる蛋白質を発現する細胞に候補物質を接触させる工程、および
(2)請求項3に記載の蛋白質の合成が誘導される条件下で前記細胞を培養し、糖産生を制御する候補物質を選択する工程。
〔11〕次の工程を含む、糖産生を制御する物質をスクリーニングする方法。
(1)配列番号:1および3のいずれかに記載の塩基配列からなる遺伝子の発現制御領域と、その下流に機能的に結合されたレポーター遺伝子を含むベクターを導入した細胞と候補物質を接触させる工程、
(2)前記レポーター遺伝子の活性を測定する工程、および
(3)対照と比較して、工程(2)におけるレポーター活性を増加または減少させる候補物質を選択する工程。
〔12〕〔10〕および〔11〕のいずれかに記載の方法で得ることができる化合物を含有する医薬。
〔13〕〔3〕に記載のペプチドまたはタンパク質を含有する医薬。
〔14〕〔1〕に記載のポリヌクレオチドのタンパク質コード配列に対するアンチセンスポリヌクレオチドを含有する医薬。
〔15〕糖尿病の予防剤または治療剤である、〔12〕および〔13〕のいずれかに記載の医薬。
〔16〕糖産生の制御における〔10〕、または〔11〕に記載の方法によって得ることのできる化合物の使用。
〔17〕次の工程を含む、糖尿病の検出方法。
(1)請求項1に記載のポリヌクレオチドの発現状態を測定する工程、
(2)(1)の測定結果を正常な状態における前記ポリヌクレオチドの発現状態と比較する工程、
(3)比較の結果、前記ポリヌクレオチドの発現状態の変化を糖尿病と関連付ける工程。
〔18〕配列番号:2および4のいずれかに記載のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加したアミノ酸配列からなり、配列番号:2および4のいずれかに記載のアミノ酸配列からなる蛋白質に対してドミナントネガティブの形質を持つタンパク質をコードするポリヌクレオチド。
〔19〕次の工程を含む、糖産生を制御する物質をスクリーニングする方法。
(1)請求項3に記載のペプチドまたは蛋白質と候補物質を接触させる工程、
(2)前記のペプチドまたは蛋白質と候補物質の結合状態を測定し、結合体を選択する工程、
(3)前記で選択した結合体から候補物質を分離する工程。
本発明の糖産生に関与するタンパク質および該タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、配列番号:1〜4で示される配列の全部またはその一部の配列を有する。
本発明のポリヌクレオチドとしては、本発明のタンパク質をコードしうるものであれば、その形態に特に制限はなく、cDNAの他、ゲノムDNA、化学合成DNAなども含まれる。また、本発明のタンパク質をコードしうる限り、遺伝暗号の縮重に基づく任意の塩基配列を有するポリヌクレオチドが含まれる。
本発明のタンパク質をコードするポリヌクレオチドは、上記のように、配列番号:1または3に記載のポリヌクレオチド配列もしくはその一部をプローブとしたハイブリダイゼーション法やこれらポリヌクレオチド配列の情報に基づき設計したプライマーを用いたPCR法等の常法により単離することが可能である。
本発明のタンパク質である糖産生に関与するタンパク質は、例えば配列番号:1または3で示される配列のオープンリーディングフレームの配列を含む発現ベクターで形質転換した形質転換体で発現させることにより得ることができる。
これらの発現タンパク質は、細胞画分より常法により精製・単離することができる。精製・単離するための方法として、具体的には、例えば、以下の方法が挙げられる。まず、濾過および遠心等の常法により細胞を集め、細胞については当該細胞の細胞壁および/または細胞膜を、常法により処理して細胞質画分を得る。
次に、得られる細胞質画分を適当な水溶液に溶解する。そして該細胞質画分から、天然または合成タンパク質を精製並びに単離するために一般に用いられる常法に従って本発明のタンパク質を単離、精製する。単離、精製方法としては、透析、ゲル濾過、本発明のタンパク質またはその部分ペプチドに対するモノクローナル抗体を用いたアフィニティーカラムクロマトグラフィー、適当な吸着材上でのカラムクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィーなどが例示される。
また、本発明には、上記のタンパク質と機能的に同等なタンパク質をコードするポリヌクレオチドが含まれる。ここで「機能的に同等」とは、対象となるタンパク質が、生体内において果たす機能が質的に同一であることを意味する。すなわち、これら本実施例の新規35kdタンパク質と機能的に同等なタンパク質は、当業者であれば、例えば、タンパク質中のアミノ酸配列に変異を導入する方法(例えば、部位特異的変異誘発法(Current Protocols in Molecular Biology edit.Ausubel et al.,(1987)Publish.Jhon Wily and Sons Section 8.1−8.5))を利用して調製することができる。
また、このようなタンパク質は、自然界におけるアミノ酸の変異により生じることもある。本発明には、このように本実施例において同定されたタンパク質と同等の機能を有する限り、そのアミノ酸配列(配列番号:2または4でコードされるタンパク質のアミノ酸配列)において1もしくは複数のアミノ酸が置換、欠失、挿入および/もしくは付加などにより異なるタンパク質も含まれる。
本発明において複数のアミノ酸とは、タンパク質におけるアミノ酸の変異数や変異部位は、その機能が保持される限り制限はない。変異数は、典型的には、全アミノ酸の10%以内であり、好ましくは全アミノ酸の5%以内であり、さらに好ましくは全アミノ酸の1%以内である。あるいは本発明には複数のアミノ酸として数個のアミノ酸の変異を置換する場合が含まれる。数個とは、たとえば5、更には4または3、あるいは2、更には1のアミノ酸を言う。
置換されるアミノ酸は、タンパク質の機能の保持の観点から、置換前のアミノ酸と似た性質を有するアミノ酸であることが好ましい。例えば、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Met、PheおよびTrpは、共に非極性アミノ酸に分類されるため、互いに似た性質を有すると考えられる。また、非荷電性としては、Gly、Ser、Thr、Cys、Tyr、AsnおよびGlnが挙げられる。また、酸性アミノ酸としては、AspおよびGluが挙げられる。また、塩基性アミノ酸としては、Lys、ArgおよびHisが挙げられる。
また、本実施例の35kdタンパク質と機能的に同等なタンパク質は、当業者に周知のハイブリダイゼーション技術あるいは遺伝子増幅技術を利用して単離することも可能である。即ち、当業者であれば、ハイブリダイゼーション技術(Current Protocols in Molecular Biology edit.Ausubel et al.,(1987)Publish.Jhon Wily and Sons Section 6.3−6.4)を用いて本実施例において同定されたタンパク質をコードするポリヌクレオチドの塩基配列(配列番号:1または3)またはその一部をもとにこれと相同性の高いポリヌクレオチドを単離して、該ポリヌクレオチドから機能的に同等なタンパク質を得ることは、通常行いうることである。
本発明には、本実施例において同定されたタンパク質と同等の機能を有する限り、これらタンパク質をコードするポリヌクレオチドとハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされるタンパク質も含まれる。機能的に同等なタンパク質をコードするポリヌクレオチドを単離するためのハイブリダイゼーションのストリンジェントな条件は、通常は洗浄のための条件として「1xSSC、0.1%SDS、37℃」程度であり、より厳しい条件としては「0.5xSSC、0.1%SDS、42℃」程度であり、さらに厳しい条件としては「0.1xSSC、0.1%SDS、65℃」程度であり、ハイブリダイゼーションの条件が厳しくなるほどプローブ配列と高い相同性を有するポリヌクレオチドの単離を期待しうる。
但し、上記SSC、SDSおよび温度の条件の組み合わせは例示であり、当業者であれば、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーを決定する上記若しくは他の要素(例えば、プローブ濃度、プローブの長さ、ハイブリダイゼーション反応時間など)を適宜組み合わせることにより、上記と同様のストリンジェンシーを実現することが可能である。
このようなハイブリダイゼーション技術を利用して単離されるタンパク質は、配列番号2または4でコードされるタンパク質と比較して、通常、そのアミノ酸配列または該タンパク質をコードする塩基配列において高い相同性を有する。高い相同性とは、少なくとも80%以上、好ましくは84%以上、さらに好ましくは88%以上、さらに好ましくは92%以上、最も好ましくは96%以上の配列の同一性を指す。
相同性の特定は、BLAST2検索アルゴリズム(Altschul,S.F.et al.,1997,Gapped BLAST and PSI−BLAST:a new generation of protein database search programs,Nucleic Acids Res.25 pp3389−3402)を用いて決定することができる。
また、遺伝子増幅技術(PCR)(Current protocols in Molecular Biology edit.Ausubel et al.,(1987)Publish.John Wiley and Sons Section 6.1−6.4)を用いて、本実施例において同定されたポリヌクレオチド配列(配列番号:1または3)の一部をもとにプライマーを設計し、これらポリヌクレオチド配列またはその一部と相同性の高いポリヌクレオチド断片を単離して、これをもとに本実施例において同定されたタンパク質と機能的に同等なタンパク質を得ることも可能である。
また、本発明は、本発明のタンパク質の部分ペプチド、および該部分ペプチドのコードするポリヌクレオチドに関する。本発明の部分ペプチドは、少なくとも7アミノ酸、好ましくは9アミノ酸以上、より好ましくは12アミノ酸以上、より好ましくは15アミノ酸以上のアミノ酸配列からなる。本発明の部分ペプチドは、例えば、遺伝子工学的手法、公知のペプチド合成法、あるいは本発明のタンパク質を適当なペプチダーゼで切断することによって製造する。
また本発明は、前記ポリヌクレオチドのいずれかを含有する発現ベクターを提供するものである。さらに、本発明は、前記ポリヌクレオチド、あるいは前記いずれかの発現ベクターを保持する形質転換体、並びにその形質転換体を培養し、その培養物から本発明のタンパク質を単離することからなる、糖産生に関与するタンパク質、あるいはその部分ペプチドの製造方法に関するものである。さらに本発明は、上記の方法で製造されたタンパク質、あるいはその部分ペプチドを提供するものである。
遺伝子組換え手法でポリペプチドを生産する場合、宿主細胞の種類により、目的ポリペプチドのグリコシル化の種類や程度の異なったものが得られることや、いわゆるポリペプチドの分泌生産法において、宿主細胞中で発現された前駆体ポリペプチドの末端(N−末端および/またはC−末端)アミノ酸配列がシグナル・ペプチダーゼ等によりプロセッシングを受け、種々の末端アミノ酸配列を持つポリペプチドが得られることは当業者に周知である。従って、そのようなポリペプチドも本発明のタンパク質の範囲に含まれることは、当業者ならば容易に理解し得ることである。
下記実施例には、発現ベクターとして原核生物、特に大腸菌で機能するベクターの構築例のみが示されている。しかしながら、本発明のタンパク質をコードするポリヌクレオチドが開示されている結果、これらに基づいて、酵母等の真菌類、並びに哺乳類動物細胞宿主に導入したとき、該宿主に本発明のタンパク質を発現、産生させ得る発現ベクターを構築することは、当業者にとって容易である。従って、本発明は、本発明のポリヌクレオチド配列に基づき、当該技術分野既知の方法で構築される発現ベクターをも包含するものである。
本発明のタンパク質をコードするポリヌクレオチドを発現させるために用い得る微生物細胞には、例えば、原核性の細菌[大腸菌(Escherichia coli)や枯草菌(Bacillus subtilis)]および真核性の酵母[例えばパン酵母菌(Saccaromyces cerevisiae)]がある。また、哺乳類細胞には培養ヒト細胞および培養動物細胞が含まれる。さらには培養植物細胞も用い得る。
精製を容易に行うことを目的として、金属イオンキレートに対する親和性を持つ塩基性アミノ酸を、本発明のタンパク質におけるいずれかの末端に付加することができる。
塩基性アミノ酸を付加する場合には、所望のアミノ酸をコードする塩基配列が連続した塩基配列を5’側に付加したプライマーを用いて、PCRを行えば、目的とする遺伝子の任意の末端に、オリゴペプチドを付加することができる。塩基性アミノ酸としては、ヒスチジン、リジン、あるいはアルギニンなどを用いることができる。
本発明のタンパク質のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドは、たとえば、DNA合成装置を用いて、部分合成または全合成することによって得ることができる。あるいは、ヒトcDNAライブラリーより、配列番号:1または2に記載の塩基配列に基づいて設定したプローブやプライマーを用いて取得することができる。
更に、ゲノムDNAを常法通り処理する(たとえば、制限酵素による消化、細菌アルカリホスファターゼによる脱燐酸化、T4ポリヌクレオチドキナーゼによる燐酸化、T4 DNAリガーゼを用いたライゲーション)ことによって、本発明のタンパク質をコードするゲノムDNAを調製することができる。更にこのようにして取得したゲノムDNAを利用し、ゲノムにおける本発明の遺伝子の転写開始点を明らかにし、より上流に位置する発現制御領域を特定することができる。
本発明のタンパク質をコードする遺伝子の発現を制御するプロモーターやエンハンサー等の制御領域は、本発明のタンパク質の発現異常を検出するための標的領域として有用である。あるいは、これらの領域を標的とするデコイ核酸医薬などにより、発現制御を実現することができる。
また、本発明の宿主細胞には、本発明のタンパク質の機能解析やこのタンパク質を利用したその機能阻害剤や機能促進剤のスクリーニングのために用いる目的の細胞も含まれる。宿主細胞へのベクター導入は、例えば、リン酸カルシウム沈殿法、電気パルス穿孔法(Current protocols in Molecular Biology edit.Ausubel et al.,(1987)Publish.John Wiley and Sons.Section 9.1−9.9)、リポフェクタミン法、マイクロインジェクション法などの方法で行うことが可能である。形質転換体からの本発明のタンパク質の調製は、当業者に公知のタンパク質の分離・精製法を利用して行なうことができる。
本発明はまた、配列番号:1または3に記載の塩基配列からなるポリヌクレオチドまたはその相補鎖に相補的な少なくとも15ヌクレオチドを含むポリヌクレオチドを提供する。
ここで「相補鎖」とは、A:T(A:U)、G:Cの塩基対からなる2本鎖ポリヌクレオチドの一方の鎖に対する他方の鎖を指す。また、「相補的」とは、少なくとも15個の連続したヌクレオチド領域で完全に相補配列である場合に限られず、少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは90%、さらに好ましくは95%以上の塩基配列上の相同性を有すればよい。相同性を決定するためのアルゴリズムは本明細書に記載したものを使用すればよい。
このようなポリヌクレオチドは、本発明のタンパク質をコードするDNAやRNAを検出、単離するためのプローブとして、また、本発明のポリヌクレオチドを増幅するためのプライマーとして利用することが可能である。
プライマーとして用いる場合には、通常、15bp〜100bp、好ましくは15bp〜35bpの鎖長を有する。また、プローブとして用いる場合には、本発明のポリヌクレオチドの少なくとも一部若しくは全部の配列を有し、少なくとも15bpの鎖長のポリヌクレオチドが用いられる。プライマーとして用いる場合、3’側の領域は相補的である必要があるが、5’側には制限酵素認識配列やタグなどを付加することができる。
本発明のポリヌクレオチドは、本発明のタンパク質の異常を検査・診断するために利用することができる。例えば、本発明のポリヌクレオチドをプローブやプライマーとして用いたノーザンハイブリダイゼーションやRT−PCRにより、発現異常を検査することができる。
本発明において「発現」とは、転写および/または翻訳が含まれる。本発明のポリヌクレオチドを用いた発現の解析により、遺伝子の転写レベルでの発現を検査・診断することができる。
また、後述の本発明のタンパク質に対する抗体を用いれば、遺伝子の翻訳レベルでの発現を検査・診断することができる。また、本発明のポリヌクレオチドをプライマーとして用いたポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によりゲノムDNA−PCRやRT−PCRにより本発明のタンパク質をコードするポリヌクレオチドやその発現制御領域を増幅し、RFLP解析、SSCP、シークエンシング等の方法により、配列の異常を検査・診断することができる。
また、「配列番号:1または2に記載の塩基配列からなるポリヌクレオチドまたはその相補鎖に相補的な少なくとも15ヌクレオチドを含むポリヌクレオチド」には、本発明のタンパク質の発現を抑制するためのアンチセンスポリヌクレオチドが含まれる。アンチセンスポリヌクレオチドは、アンチセンス効果を引き起こすために、少なくとも15bp以上、好ましくは100bp、さらに好ましくは500bp以上の鎖長を有し、通常、3000bp以内、好ましくは2000bp以内の鎖長を有する。
このようなアンチセンスポリヌクレオチドには、本発明のタンパク質の異常(機能異常や発現異常)などに起因した疾患の遺伝子治療への応用も考えられる。具体的には、糖尿病においては該アンチセンスポリヌクレオチドは、例えば、配列番号:1または3に記載のポリヌクレオチドの配列情報を基にホスホロチオエート法(Stein,1988 Physicochemical properties of phosphorothioate oligodeoxynucleotides.Nucleic Acids Res.16,pp3209−21(1988))などにより調製することが可能である。
本発明のポリヌクレオチドまたはアンチセンスポリヌクレオチドは、遺伝子治療に用いる場合には、例えば、レトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクターなどのウイルスベクターやリポソームなどの非ウイルスベクターなどを利用して、ex vivo法やin vivo法などにより患者へ投与を行う。
本発明は、また、本発明のタンパク質に結合する抗体を提供する。本発明の抗体の形態には特に制限はなく、ポリクローナル抗体やモノクローナル抗体または抗原結合性を有するそれらの一部も含まれる。また、全てのクラスの抗体が含まれる。さらに、本発明の抗体には、ヒト化抗体などの特殊抗体も含まれる。
本発明の抗体は、ポリクローナル抗体の場合には、本発明の蛋白質または部分ペプチドを合成して家兎に免疫することにより得ることが可能であり(Current protocols in Molecular Biology edit.Ausubel et al.,(1987)Publish.John Wiley and Sons.Section 11.12〜11.13)、一方、モノクローナル抗体の場合には、本発明の蛋白質または部分ペプチドを用いてマウスを免疫し、脾臓細胞と骨髄腫細胞を細胞融合させたハイブリドーマ細胞の中から得ることができる(Current protocols in Molecular Biology edit.Ausubel et al.,(1987)Publish.John Wiley and Sons.Section 11.4〜11.11)。
本発明のタンパク質に結合する抗体は、本発明のタンパク質の精製に加え、例えば、これらタンパク質の発現異常や構造異常の検査・診断に利用することも考えられる。具体的には、例えば組織、血液、または細胞などからタンパク質を抽出し、ウェスタンブロッティング、免疫沈降、ELISA等の方法による本発明のタンパク質の検出を通して、発現や構造の異常の有無を検査・診断することができる。
本発明のタンパク質に結合する抗体は、本発明のタンパク質に関連した疾患の治療などの目的に利用することも考えられる。抗体を患者の治療目的で用いる場合には、ヒト抗体またはヒト化抗体が免疫原性の少ない点で好ましい。ヒト抗体は、免疫系をヒトのものと入れ換えたマウス(例えば、「Functional transplant of megabase human immunoglobulin locirecapitulates human antibody response in mice,Mendez,M.J.et al.,(1997)Nat.Genet.15 pp146−156」に免疫することにより調製することができる。また、ヒト化抗体は、モノクローナル抗体の超可変領域を用いた遺伝子組み換えによって調製することができる(Methods in Enzymology 203,pp99−121(1991))。
本発明のタンパク質のうち、配列番号:2または4のポリヌクレオチドによりコードされるタンパク質は、糖産生の制御に関して上述したように、糖産生の制御に関与している。従って、これらのタンパク質の発現を増強することにより、糖産生を抑制し糖尿病の治療及び発症の予防に有効である。さらに、これらのタンパク質およびその機能的に同等なタンパク質は、それ自身で糖尿病の治療及び発症の予防剤として使用することもできる。
また、本発明は、本発明のタンパク質の活性を調節する化合物のスクリーニング方法を提供する。本発明のタンパク質は糖産生に関与することから、当該遺伝子の産物の発現を調節する化合物は糖産生を調節することにより、糖尿病を治療または予防する薬剤として有用である。このスクリーニング方法は、以下のとおりである。
本発明のタンパク質のうち、配列番号:1または3のポリヌクレオチドによりコードされたタンパク質の発現を増加させることにより、糖産生を抑制し糖尿病の治療及び発症の予防に有効である。すなわち本発明は、次の工程を含む、本発明のポリヌクレオチドによってコードされるタンパク質の発現を制御する化合物をスクリーニングする方法に関する。
(1)配列番号:1または3に記載の塩基配列からなる遺伝子の発現制御領域と、その下流に機能的に結合されたレポーター遺伝子を含むベクターを導入した細胞と候補物質を接触させる工程、
(2)前記レポーター遺伝子の活性を測定する工程、および
(3)対照と比較して、工程(2)におけるレポーター活性を増加または減少させる候補物質を選択する工程
本発明のスクリーニングのために、当該遺伝子の制御領域を染色体DNAからクローニングし、本制御領域遺伝子の下流にレポーター遺伝子(例えばルシフェラーゼ、βガラクトシダーゼ、GFP(Green Fluorescent Protein)など)を結合させた発現プラスミドを作製する。配列番号:1または配列番号:3のいずれかに記載の塩基配列からなる遺伝子の発現制御領域は、染色体DNAから公知の方法によってクローニングすることができる。
たとえばS1マッピング法が転写開始点の特定方法として公知である(「転写調節領域の単離」および「転写制御因子の同定と精製」、「細胞工学別冊8新細胞工学実験プロトコール」、東京大学医科学研究所制癌研究部編 秀潤社1993年、p362−374)。
一般に当該遺伝子の発現制御領域DNAは、ヒト染色体ライブラリー(genomic library)を、当該遺伝子の5’末端の15〜100bp、好ましくは30〜50bpをプローブDNAに用いてスクリーニングすることにより、発現制御領域を含む遺伝子クローンとしてクローニングされる。
このようにして得られたクローンはしばしば10kbp以上の当該遺伝子の5’非翻訳領域を包含している。そこで、これらのクローンの5’末端をエキソヌクレアーゼ処理などによって短縮化、あるいは断片化する。短縮された発現制御領域を含む配列でレポーター遺伝子の発現の強さや発現の制御についての評価を行うことによって、発現制御領域の活性維持のための最小必要単位を得ることができる(deletion study)。
また、遺伝子の発現制御領域をNeural Networkを用いて予測するプログラムが公知である(http://www.fruitfly.org/seq_tools/promoter.html,Reese,M.G.et al.,“Large Scale Sequencing Spesific Neural Networks for Promoter and Splice Site Recognition”Biocomputing:Proceedings of the 1996 Pacific Symposium,edited by Lawrence Hunter and Terri E.Klein,World Scientific Publishing Co,Singapore,January 2−7,1996)。あるいはPromoter Scanのような転写因子結合配列を検索して発現制御領域を予測するプログラムを用い活性の最小単位を予測することもできる(http://biosci.cbs.umn.edu/software/proscan/promoterscan.htm,Prestridge,D.S.1995,Prediction of Pol II Promoter Sequence using Transcription Facter Binding Sites.J.Mol,Biol,249 pp923−932)。また、予測されたコアの部分を中心にdeletion studyを実施することもできる。
このようにして単離された本制御領域遺伝子の下流に、レポーター遺伝子を機能的に結合させた発現プラスミドを作製し、本発現プラスミドを適当な細胞に導入する。
本発明において、機能的な結合とは、前記発現制御領域の活性化によって、レポーター遺伝子の転写が開始されるように両者を結合することを意味する。
レポーター遺伝子には、前記発現制御領域の活性化を遺伝子の発現として観察することができる蛋白質をコードするものであれば任意の遺伝子を利用することができる。具体的には、例えばルシフェラーゼ、βガラクトシダーゼ、GFP(Green Fluorescent Protein)などの遺伝子がレポーター遺伝子として一般に用いられる。
ベクターを導入する細胞には、例えば当該遺伝子を欠失させた動物細胞を用いることができる。次に本発現プラスミドにて例えば当該遺伝子を欠失させた動物細胞を形質転換させる。制御領域の転写活性によるレポーター遺伝子の発現は発色あるいは発光等として検出される。
このような条件下で本細胞株を96ウエルマルチプレートに播種し、スクリーニングの対象となる化合物を各ウエルに加えることにより、当該遺伝子の発現産物の発現を抑制あるいは促進する化合物が容易に選択可能である。
化合物の選択法としては例えば、レポーター遺伝子としてGFPを用いた場合、薬物を加えない状態および加える場合でのGFPの発光量の比較を行うことにより選択が可能である。比較とは2倍以上もしくは1/2以下、好ましくは5倍もしくは1/5以下、より好ましくは10倍以上もしくは1/10以下の発光量比を示す場合のことを示唆している。本方法は動物細胞ばかりでなく同様なシステムでレポーター遺伝子の発現を引き起こすような宿主であれば、真核生物・原核生物を問わず用いることが可能である。
スクリーニングに用いる被検試料としては、例えば、細胞抽出液、遺伝子ライブラリーの発現産物、合成低分子化合物、合成ペプチド、天然化合物などが挙げられる。ここに記載した被検試料は例示であり、これらの具体例に制限されない。
このスクリーニングにより単離される化合物は、本発明のタンパク質の活性を促進または阻害する化合物(アゴニスト、アンタゴニスト)の候補となる。
また、生体内において、本発明のタンパク質とこれと相互作用する分子との該相互作用を阻害する化合物の候補となる。これら化合物は、本発明のタンパク質が関連する疾患の予防や治療のための医薬品として応用が考えられる。
更に本発明は、本発明のスクリーニングによって得ることができる化合物の医薬用途に関する。すなわち本発明は、前記スクリーニングによって得ることができる化合物を含有する医薬およびこの化合物を主成分として含有する医薬組成物に関する。
本発明のタンパク質、ヌクレオチド、抗体および上記スクリーニングにより単離される化合物は、糖産生の制御および糖尿病の治療剤として有用である。
これらを医薬品として用いる場合には、それ自体を医薬品として用いることも可能であるが、公知の製剤学的方法により製剤化して用いることも可能である。例えば、薬理学上許容される担体もしくは媒体、具体的には、滅菌水や生理食塩水、植物油、乳化剤、懸濁剤などと適宜組み合わせて製剤化して用いることが考えられる。
患者への投与は、例えば、動脈内注射、静脈内注射、皮下注射など当業者に公知の方法により行いうる。投与量は、患者の体重や年齢、投与方法などにより変動するが、当業者であれば適当な投与量を適宜選択することが可能である。
また、該化合物がポリヌクレオチドによりコードされうるものであれば、該ポリヌクレオチドを遺伝子治療用ベククーに組込み、遺伝子治療を行うことも考えられる。
投与量、投与方法は、患者の体重や年齢、症状などにより変動するが、当業者であれば適宜選択することが可能である。
本発明の該タンパク質が、新たな疾患関連タンパク質であるかどうかは、上記に挙げた以外にも、本発明によるタンパク質の特異認識抗体を用いて、特定の疾患とタンパク質の発現量や活性との相関を調べることにより知ることができる。
あるいは、「Method in Molecular Biology」(Humana Press社)シリーズの『Molecular Diagnosis of Genetic Diseases』(Rob Elles編、1996)を参考に解析が可能である。
本発明のタンパク質に結合する抗体は、本発明のタンパク質の精製に加え、例えば、本発明のタンパク質の発現異常や構造異常の検査・診断に利用することも考えられる。
具体的には、例えば組織、血液、または細胞などからタンパク質を抽出し、ウェスタンブロッティング、免疫沈降、ELISA等の方法による本発明のタンパク質の検出を通して、発現や構造の異常の有無を検査・診断することができる。
更に本発明のポリヌクレオチドの発現状態を測定することによって、糖尿病を検出することができる。すなわち本発明は、以下の工程を含む、糖尿病の検出方法に関する。
(1)配列番号:1、配列番号:2からなる群から選択された少なくとも1つの配列番号として記載のポリヌクレオチドの発現状態を測定する工程、
(2)(1)の測定結果を正常な状態における前記ポリヌクレオチドの発現状態と比較する工程、
(3)比較の結果、前記ポリヌクレオチドの発現状態の変化を糖尿病と関連付ける工程
本発明において、前記ポリヌクレオチドの発現状態は、遺伝子がmRNAに転写され、蛋白質に翻訳される工程のいずれかの段階を解析することによって明らかにすることができる。より具体的には、たとえば前記塩基配列からなるmRNAを前記ポリヌクレオチドとして測定することにより、転写状態を知ることができる。mRNAは、ノーザンハイブリダイゼーションやRT−PCR等の公知の手法によって測定することができる。
あるいは、前記ポリヌクレオチドによってコードされるアミノ酸配列からなる蛋白質やその断片を測定すれば、蛋白質への翻訳の状態を知ることができる。蛋白質はそれを認識する抗体を用いたウエスタンブロット法や各種のイムノアッセイによって測定することができる。
本発明による検査方法は、患者の血液試料や髄液試料を対象として実施することができる。組織標本を試料として本発明のポリヌクレオチドの発現状態を観察するには、インサイチュハイブリダイゼーションや組織免疫学的な解析手法が利用される。本発明のポリヌクレオチドの発現状態を解析し、その発現状態が糖産生の制御に異常が無い場合の結果と比較して発現の抑制が観察されるときには、糖尿病と関連付けることができる。
本発明はまた、これら本発明のポリヌクレオチドの発現状態を明らかにするための試薬に関する。より具体的には、本発明は、本発明のポリヌクレオチドまたはその相補鎖に相補的な少なくとも15塩基の長さを持つポリヌクレオチドの、本発明のポリヌクレオチドの検出のための使用に関する。
あるいは本発明は、本発明の蛋白質を認識する抗体の、この蛋白質の検出のための使用に関する。
発明を実施するための最良の形態
以下本発明を実施例として更に具体的に説明するが、本発明は該実施例に限定されるものではない。
1.ラット及びヒト35kd蛋白質の同定及び遺伝子の取得
1−1.アフィニティープローブの作成
WF00144物質(WO99/61645)のカルボン酸部分に、ビオチンをスペーサーを介してアミド結合にて結合させ、ビオチン修飾WF00144物質(以下ビオチン化WF物質と呼ぶ)を作成した。ビオチン化WF物質は、初代肝細胞における糖産生阻害活性を保持していた。
1−2.糖産生誘導ラット初代肝細胞の調製と糖濃度測定法
前日から絶食したラット(雄性、200−250g)を麻酔後、腹部を切開した。門脈に留置針を差し込んで固定し、前灌流液(8g/L塩化ナトリウム,0.4g/L塩化カリウム,0.078g/L NaH2PO4・2H2O,0.151g/L NaHPO・12HO,2.38g/L HEPES,0.006g/Lフェノールレッド,0.19g/L EGTA,0.35g/L炭酸水素ナトリウム,0.9g/Lグルコース)を流し、腹部大動脈を切断して脱血、肝臓を還流した。
次に、コラゲナーゼ液(8g/L塩化ナトリウム,0.4g/L塩化カリウム,0.078g/L NaHPO・2HO,0.151g/L NaHPO・12HO,0.74g/L CaCl,2.38g/L HEPES,0.006g/Lフェノールレッド,0.05g/Lトリプシン・インヒビター,0.35g/L炭酸水素ナトリウム,0.4g/Lコラゲナーゼ(TypeIII:Sigma))にて肝臓を還流することにより、肝細胞を遊離させた。肝臓を切り離し、被膜を切り裂き、MEM培地(Minimum Essential Medium with Eargle’s Salts)にて細胞を分散させた。
分散した細胞をガーゼでろ過し、ろ液を遠心した。上清を除き、MEM培地を加えて再び細胞を分散させ、同様に遠心分離を行った。この操作を5回行い、肝細胞懸濁液とした。
コラーゲンコートした10cm dishに、細胞懸濁液を移し、37℃,5% CO,30% O,湿度100%の条件下で6時間培養し、肝細胞をdishに接着させた。
培地をDulbecco’s MEM培地(−グルコース,1%FBS,83mg/lストレプトマイシン,83mg/lペニシリン,100mg/lカナマイシン,20mMピルビン酸,0.01mMグルカゴン,pH7.2)に替え、一昼夜肝細胞に糖産生を誘導した。
細胞培養液中に産生されたグルコース濃度は、グルコーステストワコー(和光純薬社製:グロコース濃度測定キット)を用いて、そのマニュアルに従って定量した。
1−3.糖産生誘導初代肝細胞抽出液の調製
糖産生を一晩誘導したラット初代肝細胞を、dishより回収し、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)で、一回洗浄後、肝細胞のペレットの重量を測定した。
細胞ペレットを、その重量の9倍量の細胞抽出溶液(0.25Mショ糖水溶液)に懸濁し、超音波破砕した。細胞断片を低速遠心して除去した後、上清を超遠心(100,000g,30分)した。残査を除去し、糖産生誘導初代肝細胞抽出液とした。
1−4.ビオチン/アビジンアフィニティークロマトグラフィー法
ビオチン/アビジンアフィニティークロマトグラフィー法は、定法(FEBS Lett.31,149,(1973))に従い行った。
詳しくは、前項で得られた肝細胞抽出液に、ビオチン化WF物質を10mMの濃度で添加し、一晩4℃で反応させた。この時、同時に、ビオチン化WF物質に加え、WF00144物質(100mM)をビオチン化WF物質と拮抗させる目的で添加した実験群も設定した。
反応溶液を、細胞抽出溶液に対して、一晩透析し、非結合ビオチン化WF物質を除去した。この反応液に、アビジン結合樹脂(PIERCE社製)を添加し、一晩反応させた。
遠心操作にて、アビジン結合樹脂を沈殿させ、上清を除去した後、樹脂を洗浄溶液(0.5M食塩添加細胞抽出)で、3回洗浄した。樹脂上のアビジンを8M尿素で、変性させることにより、結合蛋白質を溶出した。
溶出蛋白質は、SDSポリアクリルアミドゲル(12%)で電気泳動することにより、分離した。ゲルをCBB染色し、蛋白質バンドを観察した。観察される蛋白質バンドのうち、別に調製したアビジン結合樹脂のみ群(ビオチン化WF物質非添加)及びWF00144物質添加群においては観察されないバンドを特異的結合蛋白質とした。
1−5.ラット35kd蛋白質の同定
分子量35kd付近に観察される特異的結合蛋白質のバンドを、ゲルより切り出し、ゲル内トリプシン消化を行い、ペプチド断片を作成した。各ペプチド断片の分子量を、ペプチドマスフィンガー法(MALDI−TOFMS)(マイクロマス社製、Tof spec 2E使用)で測定し、データベースを検索したところ、ラットESTクローン(gi:8504516)の塩基配列より予想されるペプチド断片、GRMNSAALIHHYTKVADLSPIPVVLYSVPGNTGLELPVDAVVTLSQHPNIIGLKDSGGDVTRTGLIVHKTSKQDFQVLAGSVGFLLASYAVGAVGGICGLANVLGAQVCQLERLCLTGQGEAAQRLQHRLIEPNTAVTRRFGIPGLKKTMDWFGYYGGPCRAPLXELSPSEEEALRLDFSNNGWL__QAGDTWSELSQTLVPTVを同定した。
本断片のうち、下線で示したアミノ酸配列は、ペプチドシーケンスタグ法(ESI−TOF MS/MS)(マイクロマス社製、Q−Tof−2使用)により、実際に35kdのバンドより調製されたペプチドより決定された。
また、これらのデータを基に理研マウスクローンを検索したところ、理研マウスクローン060010D20が、ラット35kd蛋白質の相同蛋白質と考えられた。
1−6.ラット及びヒト35kd蛋白質の遺伝子の取得
ラットcDNAライブラリーは、先の糖産生誘導ラット初代肝細胞より調製したTotal RNAを用いて、Gibco BRL社製SuperScript Choice Systemにより調製した。ヒトcDNAライブラリーは、Clontech社より購入した。
先に決定した本蛋白質の部分アミノ酸配列に対するESTクローンの塩基配列情報より、C末側約半分に相当する遺伝子取得のためのオリゴヌクレオチドプライマーを設計した(配列番号7)。
また、理研クローン0610010D20の塩基配列情報より、N末側約半分に相当する遺伝子取得のためのオリゴヌクレオチドプライマーを設計した(配列番号6)。
設計したプライマーと、先のラット糖産生誘導初代肝細胞より調製したcDNAライブラリーより、PCR法により完全長遺伝子を取得した。
また、ラット塩基配列を基にして、プライマー(配列番号8および9)を設計しPCR法により、ヒト肝cDNAライブラリーより、ヒト35kdの相同遺伝子を取得した。
1−7.ラット及びヒト35kd蛋白質の遺伝子の配列
シークエンス解析に用いるラット及びヒト35kd蛋白質のDNA断片は、Applied Biosystems社製BigDyeTM Terminator Cycle Sequencing Ready Reaction with AmpliTaq DNA polymeraseを用いて調製した。シークエンスは、Applied Biosystems社製3100 Genetic Analyzerを用いて決定した。
決定したラットの35kd蛋白質のヌクレオチド配列およびそのアミノ酸配列をそれぞれ配列番号3および4に示した。ヒトの35kd蛋白質のヌクレオチド配列およびそのアミノ酸配列をそれぞれ配列番号1および2に示した。
その結果、ヒトとラットの35kdタンパク質のアミノ酸配列レベルでの相同性は87%であった。
また、理研クローンのコードするタンパク質とラット35kdタンパク質およびヒト35kdタンパク質のアミノ酸レベルでの相同性は各々96%、88%であった。
2.ラット及びヒト35kd蛋白質の発現及び精製
2−1.発現プラスミドの構築
発現ベクターは、Invitrogen社製、pTrcHis Bを用いた。実施形態1−6で得られた遺伝子を、ラットでは制限酵素BamHI及びEcoRI、ヒトではBglII及びEcoRIで切断した。
これらとpTrcHis Bを同様の組み合わせの制限酵素で切断した断片を結合させヒスチジンタグをコードする配列を結合した35kd蛋白質発現プラスミドを構築した(ラット:pTrcHis B/r35k,ヒト:pTrcHis B/h35k)。
2−2.発現
ヒト或はラット35kd蛋白質発現ベクターpTrcHis B/h35kにて形質転換された大腸菌(DH5α)を50μg/mlのアンピシリンを含むL培地(L−Amp)5mlに植菌し、37℃で一夜振とう培養した。
この培養液を200mlのL−Ampに移し、37℃で3時間振とう後、IPTGを終濃度1mMになるように加えて、さらに6時間振とうした。培養菌体を遠心分離(6,000rpm,20min,4℃)にて集め、−20℃で凍結保存した。
2−3.精製
前項で得た菌体を0.5mg/mlリゾチームおよび0.3M塩化ナトリウムを含む25mM Tris−HCl(pH8.0)40mlに懸濁し、室温で約15分放置した。
次に 氷冷下、超音波処理(10min)を行い、遠心分離(10,000rpm,20min,4℃)にて上精を得た。この上清を予め0.3M塩化ナトリウムを含む25mM Tris−HCl(pH8.0)で平衡化したNi−NTAカラム(Qiagen,bed vol.5ml)に通液し、4倍量の同緩衝液、続いて同量の20mMイミダゾールを含む同緩衝液でカラムを洗浄した。目的蛋白の溶出は200mMイミダゾールを含む同緩衝液10mlにて実施し、溶出液は集めて限外濾過濃縮(ULTRAFREE,BIOMAX−10k,Millipore)により約6mlまで濃縮した。
Ni−NTA精製画分(6ml)を200mlの25mM Tris−HCl(pH8.0)に対して透析後、His−tagを切断除去するためにTween20 5ul、100mM CaCl2 50ulおよびエンテロキナーゼ(Invitrogen)30unitsを加えて室温で約8時間反応させた。
切断反応終了後、反応液にDTTを5mM加えて室温で約30分静置し、Mono Q 5/5(Amersham Pharmacia)によるイオン交換クロマトグラフィーを行った。
平衡化緩衝液に25mM Tris−HCl(pH8.0)を用い、0.5M塩化ナトリウム、20カラム容量によるリニアグラジエント(流速1ml/min)にて溶出した。
UV280nmによる吸収を指標に目的蛋白画分を集め、限外濾過(ULTRAFREE,BIOMAX−10k,Millipore)にて約0.8mlまで濃縮した。
次に、0.15M塩化ナトリウムを含む25mM Tris−HCl(pH8.0)で平衡化したSuperdex 200HR 10/30(flow rate;0.5ml/min、Amersham Pharmacia)によるゲル濾過クロマトグラフィーを行い、目的蛋白を含む単一のピークを分取した。
得られた標品はprotein assay(Bio−Rad)で約10mg、SDS−PAGEによる分析で約35kda.の単一のバンドを与えた。以上の結果から、E.coliで発現させたラットおよびヒトの35kd遺伝子は、アミノ酸配列より推定される妥当な分子量のタンパク質を生じさせた。
3.ヒト35kd蛋白質のWF00144物質への特異的結合
35kd蛋白質の同定に用いたビオチン化WF物質とE.coliで発現させ精製したヒト35kd蛋白質を用いて、先に記述したビオチン/アビジンクロマトグラフィー法を行い、アビジン樹脂より溶出した蛋白質をSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法にて分析することにより、WF00144物質とヒト35kd蛋白質の特異的結合を検証した。
この結果、精製ヒト35kdタンパク質は、ビオチン標識体の存在下でのみ、アビジン樹脂に結合保持された。また、この結合はWF00144物質の存在下(ビオチン標識体とのモル比1:1)で拮抗された。
4.ゲル濾過による分子量の測定
精製の項で実施したSuperdex 200HR 10/30によるゲル濾過クロマトグラフィーにて本蛋白の分子量を測定した。分子量マーカーとしてアルドラーゼ(MW;158kDa.)、アルブミン(67kDa.)およびオボアルブミン(43kDa.いずれもAmersham Pharmacia)を用い、それぞれが示す溶出容量から計算される35kda.蛋白の分子量は約80kDa.であった。
前項のSDS−PAGEによる分子量(35kda.)から本蛋白は二量体構造を取っていると考えられた。
5.35kd蛋白質遺伝子の組織特異的発現
Clonetech社製、Rat Multiple Tissue cDNA(MTC)panel I(cat.No.#K1429−1)を用いて、PCR法にて、心臓、脳、脾臓、肺、肝臓、骨格筋、腎臓における35kd蛋白質遺伝子の発現状態を検討した。PCRに用いたprimerは、Forward primer:CTGTACAGTGTCCCAGGCAACA,Reverse primer:AATCCTGCTTGCTGGTCTTGTG、DNA polymeraseは、TOYOBO社製KOD−Plusを用い、添付マニュアルに従いPCR反応を行なった。PCR産物の分析は、反応液を定法に従いアガロースゲル電気泳動法にて分離することにより行なった。
その結果、35kd蛋白質遺伝子の発現は、肝臓と腎臓に限局されていることが明らかである。この結果は、35kd蛋白質遺伝子が糖産生に関与する蛋白質であることを強く示唆するものである。
機能未知蛋白質の生理的機能解析において、その遺伝子の組織発現の特異性を調べるのは有用である。糖の産生臓器は、肝臓と腎臓に限定されている。従って、35kd蛋白質が糖の産生に関与しているとすれば、その発現は肝臓及び腎臓に限局されていることが容易に予想できる。また、高度に機能分化した臓器である肝臓と腎臓の共通機能は、糖の産生以外にはない。
6.化合物を用いた35kd蛋白質の糖産生関連蛋白質としての証明
6−1.化合物を用いた機能証明の考え方
WF00144物質は、カビPhoma sp.No.00144株が産生する肝糖産生阻害剤である(WO99/61645)。本物質は、in vitroにおいて、初代培養肝細胞の糖産生を阻害し、この作用により糖尿病病態モデル動物において血糖降下作用を有する。
即ち、本剤は、肝糖産生にかかわる何らかの蛋白質に結合・阻害することにより、肝糖産生を抑制し血糖降下作用を発現する糖尿病治療剤であるといえる。35kd蛋白質は、実施形態1−2.に示した糖産生誘導ラット初代肝細胞、即ち、糖産生機構が作動している状態にある肝細胞において、肝糖産生抑制剤WF00144物質と特異的に結合する蛋白質である。従って、35kdは肝糖産生にかかわる蛋白質であると容易に推論できる。
新規蛋白質の最終的な機能解析方法としては、その蛋白質をコードする遺伝子を欠失変異或は過剰発現させることにより、細胞レベル或は個体レベルで表現型を観察する方法が一般的である。しかしながら、この様なgeneticsを用いた方法は、通常長期間を有するため、その間に代替機構が働き、正確な機能解析を行なうことは困難を伴うことが多い。
このgeneticsの欠点を補う新規蛋白質の最終的機能解明法として、我々は、近年Chemical geneticsとしてその妥当性が確立された、低分子化合物を使った方法を採用した。低分子化合物は、任意の時点、即ち、観察したい生物現象を誘導した時点(通常、短期間)で、一過性・可逆的に蛋白質を阻害し、それによって引き起こされる表現系を観察することを可能にする。
従って、この方法により、「ある薬理現象を抑制・阻害する化合物と特異的に結合する蛋白質と、特異的に結合する骨格の全く異なる別の低分子化合物が、元の化合物と同じ薬理現象を抑制・阻害するとき、この蛋白質は当該薬理現象に関与する蛋白質である」と考えて何ら矛盾を生じない。
例えば、本件の場合、生理的な機能が不明である35kd蛋白質と特異的に結合するWF00144物質以外の低分子化合物が、WF00144物質と同じく、ラット肝糖産生阻害作用を示せば、本35kd蛋白質は、糖の産生に関与していると結論できる。そこで、以下の方法を用いて35kd蛋白質に特異的に結合する低分子化合物を探索したところ、化合物A及びBを見出した。
6−2.化合物の選択と活性測定
上記の実施形態2と同様の方法で得られた、ヒトおよびラットの精製35kd蛋白質を含有する溶液と被験物質を含有する溶液を混合して蛋白質と化合物の結合体を得た。披験物質、蛋白質およびそれらの結合体が生じた混合溶液をそれぞれ、BiaCore S−51(BiaCore社製)を用いて各分子および結合体の状態を測定した。状態測定は、BiaCore S−51の操作マニュアルに従った。
BiaCore S−51での測定結果から、被験物質が該蛋白質と特異的に結合するかどうかを確認できた。より具体的に、被験化合物とヒト35kd蛋白質の結合のkd値をBiaCore S−51を用いて測定した結果を表1に示した。
また、ラット初代肝細胞における糖産生阻害活性は、実施形態1−2に従い、IC50値を測定した結果を表1に示した。これらの結果より、35kd蛋白質の生理的機能は、肝糖産生であると推定できる。
Figure 2003091436
7.ヒト35kd蛋白質のアルドラーゼ活性の確認と酵素活性測定
7−1.アルドラーゼ活性の確認
実施形態2.ラット及びヒト35kd蛋白質の発現及び精製の項に記述した方法で、ヒト35kd蛋白質を調整した。ヒト35kd蛋白質と酵素反応の基質物質であるグリセルアルデヒド3−リン酸(GAP)、ジヒドロキシアセトンリン酸(DHAP)、フルクトース1,6−ビスリン酸(F1,6P)を適宜、以下の組成で反応液中で、37℃、30分間反応させた。
反応液100μl:0.25mMトリス塩酸緩衝液(pH8.0)、0.5mMグリセルアルデヒド3−リン酸(シグマ社製)、0.5mMジヒドロキシアセトンリン酸(シグマ社製)、ヒト35kd蛋白質(40μg/ml)
反応液は、TLCプレート シリカゲル60F254(メルク社製)に付し、ブタノール:酢酸:水=4:1:2の組成からなる溶媒にて展開した。展開後、プレートを乾燥させ、定法に従い、α−ナフトール及び濃硫酸によるMolish反応により反応生成物を解析した。
本分析系における3つの糖のRf値及び呈色は、それぞれ以下の通りである。グリセルアルデヒド3−リン酸(GAP):0.28、褐色、ジヒドロキシアセトンリン酸(DHAP):0.16、青色、フルクトース1,6−ビスリン酸(F1,6P):0.05、赤紫色
その結果、ヒト35kd蛋白質は、グリセルアルデヒド3−リン酸及びジヒドロキシアセトンリン酸より、フルクトース1,6−ビスリン酸を生じた。また、ヒト35kd蛋白質は、フルクトース1,6−ビスリン酸より、グリセルアルデヒド3−リン酸及びジヒドロキシアセトンリン酸を生じた。この反応は、それぞれ、アルドール縮合反応及びアルドール開裂反応であり、Class I aldolaseの有する特徴的な反応である。従って、ヒト35kd蛋白質は、その構造より予想された様に、Class I aldolaseであることが確認できた。
7−2.ヒト35kd蛋白質のアルドラーゼ活性測定
ヒト35kd蛋白質のアルドラーゼ活性を参考文献(1992年9月22日発刊、日本生化学会編 新生化学実験講座15巻「代謝異常」111頁、東京化学同人社)に記載の方法に従って以下のように行った。
35kd蛋白質によるフルクトース1,6−ビスリン酸(F1,6P)のアルドール開裂反応を、triosephosepahate isomerase(TIM)及びglycerol−3−phosphate dehydrogenase(G3PDH)と共役させることにより、NADHを利用して測定した。
以下の組成の反応液を調整し、37℃で30分反応させた。酵素反応は、反応液中のNADHの酸化による340nmの吸光度減少によりモニターした。酵素活性は、1mg蛋白質当り、1分間に開裂されるF1,6Pのモル数で示した(μmol/min/mg protein)。
反応液200μl:0.25mMトリス塩酸緩衝液(pH8.0)、0.15M NaCl、0.5mM F1,6P(シグマ社製)、ヒト35kd蛋白質、ヒト肝臓TIM(500μg/ml)、ウサギ骨格筋G3PDH(8units/ml、シグマ社製)、0.3mM NADH(半井社製)
比較のために、市販のアルドラーゼであるシグマ社製、ウサギ骨格筋aldolase(A型アルドラーゼ)および酵素無添加条件を同時行った。その結果を表2に示した。この活性測定の結果から、ヒト35kd蛋白質がアルドラーゼ活性を有することが実証された。
Figure 2003091436
産業上の利用可能性
本発明により、糖産生の制御に関与するタンパク質およびそれをコードするポリヌクレオチドが提供された。
また本発明は、糖産生の制御に関与する化合物のスクリーニング方法を提供するので糖産生の制御に関与する化合物の評価が可能になる。
さらに本発明は、該糖産生の制御に関与する化合物を含有する糖尿病の治療または予防のための医薬を提供する。
【配列表】
Figure 2003091436
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【図面の簡単な説明】
図1はWF00144物質の構造式である。

Claims (19)

  1. 下記(a)から(e)のいずれかに記載のWF00144物質と特異的に結合するタンパク質をコードするポリヌクレオチド。
    (a)配列番号:1および3のいずれかに記載の塩基配列を含むポリヌクレオチド、
    (b)配列番号:2および4のいずれかに記載のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするポリヌクレオチド、
    (c)配列番号:2および4のいずれかに記載のアミノ酸配列において、1若しくは複数のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加したアミノ酸からなるタンパク質をコードするポリヌクレオチド、
    (d)配列番号:1および3のいずれかに記載の塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチド、
    (e)配列番号:1および3のいずれかに記載の塩基配列において、少なくとも(1)88%のホモロジー、(2)92%のホモロジー、(3)96%のホモロジーを有するポリヌクレオチド。
  2. 請求項1に記載のポリヌクレオチドによってコードされるタンパク質の部分ペプチドをコードするポリヌクレオチド。
  3. 請求項1および請求項2のいずれかに記載のポリヌクレオチドによってコードされるペプチドまたはタンパク質。
  4. 請求項1〜2のいずれかに記載のポリヌクレオチドを含むベクター。
  5. 請求項1〜2のいずれかに記載のポリヌクレオチド、または請求項5に記載のベクターを保持する形質転換体。
  6. 請求項5に記載の形質転換体を培養し、発現産物を回収する工程を含む、請求項3に記載のペプチドまたはタンパク質の製造方法。
  7. 請求項1〜2のいずれかに記載のポリヌクレオチド、またはその相補鎖に相補的な塩基配列からなる少なくとも15塩基の長さを有するポリヌクレオチド。
  8. 請求項3に記載のペプチドまたはタンパク質に対する抗体。
  9. 請求項3に記載のペプチドまたはタンパク質と請求項8に記載の抗体の免疫学的な反応を観察する工程を含む、免疫学的測定方法。
  10. 次の工程を含む、糖産生を制御する物質をスクリーニングする方法。
    (1)請求項1に記載のポリヌクレオチドによってコードされる蛋白質を発現する細胞に候補物質を接触させる工程、および
    (2)請求項3に記載の蛋白質の合成が誘導される条件下で前記細胞を培養し、糖産生を制御する候補物質を選択する工程。
  11. 次の工程を含む、糖産生を制御する物質をスクリーニングする方法。
    (1)配列番号:1および3のいずれかに記載の塩基配列からなる遺伝子の発現制御領域と、その下流に機能的に結合されたレポーター遺伝子を含むベクターを導入した細胞と候補物質を接触させる工程、
    (2)前記レポーター遺伝子の活性を測定する工程、および
    (3)対照と比較して、工程(2)におけるレポーター活性を増加または減少させる候補物質を選択する工程。
  12. 請求項10および請求項11のいずれかに記載の方法で得ることができる化合物を含有する医薬。
  13. 請求項3に記載のペプチドまたはタンパク質を含有する医薬。
  14. 請求項1に記載のポリヌクレオチドのタンパク質コード配列に対するアンチセンスポリヌクレオチドを含有する医薬。
  15. 糖尿病の予防剤または治療剤である、請求項12および請求項13のいずれかに記載の医薬。
  16. 糖産生の制御における請求項10、または請求項11に記載の方法によって得ることのできる化合物の使用。
  17. 次の工程を含む、糖尿病の検出方法。
    (1)請求項1に記載のポリヌクレオチドの発現状態を測定する工程、
    (2)(1)の測定結果を正常な状態における前記ポリヌクレオチドの発現状態と比較する工程、
    (3)比較の結果、前記ポリヌクレオチドの発現状態の変化を糖尿病と関連付ける工程。
  18. 配列番号:2および4のいずれかに記載のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加したアミノ酸配列からなり、配列番号:2および4のいずれかに記載のアミノ酸配列からなる蛋白質に対してドミナントネガティブの形質を持つタンパク質をコードするポリヌクレオチド。
  19. 次の工程を含む、糖産生を制御する物質をスクリーニングする方法。
    (1)請求項3に記載のペプチドまたは蛋白質と候補物質を接触させる工程、
    (2)前記のペプチドまたは蛋白質と候補物質の結合状態を測定し、結合体を選択する工程、
    (3)前記で選択した結合体から候補物質を分離する工程。
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