JPWO2003070425A1 - クーラント濾過装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、工作機械による研削、切削等のときに削り出される切粉と、その研削、切削時に使用される研削、切削液(以下、クーラントという。)とを濾過分離してそれぞれに回収するようにした濾過装置に関する。特に、工作機械で使用された切粉を含んだ液(以下、ダーティ液という)を液槽に流入させ、液槽内に沈殿、又は浮遊している切粉を向心力により発生する渦の中心部に集積させて分離するクーラント濾過装置に関するものである。
背景技術
産業界ではあらゆる分野で濾過装置が用いられている。例えば、工作機械を使用する際に用いるクーラントには被加工材の加工屑である金属切粉、砥粒等が混入し、このクーラントを回収して再使用する場合には、混入している切粉等を分離して除去する必要がある。このような切粉等の異物を除去するために種々の濾過装置が使用されている。
一般に、濾過装置は、密閉ハウジング内にクロスフロー機構、遠心分離機構、サイクロン機構、カートリッジフィルタ機構等が配置された濾過部と、この濾過部に接続されたダーティ液導入管及びクリーン液排出管を備えている。この濾過装置にダーティ液導入管より異物が混入したダーティ液が導入されると、このダーティ液中の異物を濾過部で除去し、異物が除去されたクリーン液をクリーン液排出管より排出するようになっている。
クーラントから切粉や砥粒等を分離排出する従来の装置として、ダーティ液を導入した液槽(タンク)内で沈殿させ、液槽内の底部に沈殿した切粉や砥粒等の固形物をコンベアーで掻き出して排出する方法が採られていた。しかしながら、掻き出し式のコンベアー方式では、装置が複雑になるばかりでなく広い設置スペースを要する。また、切粉や砥粒によりコンベアーの走行部が摩耗し、故障や部品交換等の発生によってランニングコストが嵩み、さらに、液槽の清掃を頻繁に行なわなければならないといった多くの問題点があった。
そこで、液槽内に渦流を発生させる装置を設けたり、液槽自体を円筒形状に形成し、液槽内にダーティ液が流入されると液槽内壁面に倣って流動し旋回することにより渦流を発生させ、この発生した渦流によって、切粉等の固体を液槽の中心部に集積させ、この集積した沈殿物をポンプにより吸引して分離排出するようにした方法が提案されている。
しかしながら、上記いずれの方法も省スペース化並びに経済性を図るものにはなっておらず、とくに液槽を円筒形状に加エすることはコスト高になる。また、円筒の液槽を工作機械の間に設置した場合、工作機械は矩形が多いので円筒の液槽のために他の機械との間に無駄な隙間が発生し易く、装置を小型化し且つ作業スペースを広くして作業環境の改善を図ることはできない。更に、従来の箱形の液槽は、角部はクーラントの流れが悪く淀むために、この近傍に固形異物が滞留して固化する問題があった。このために定期的にこの固形異物を除去するために清掃する必要性があった。
本発明は、上記のような従来技術の問題点に鑑み、以下の目的を達成するものである。
本発明の目的は、容積効率を良くしたので濾過装置全体の小型化が可能になり、清掃作業回数が少なくて済むクーラント濾過装置を提供することにある。
本発明の利点は、結果として清掃作業が少ない、省スペース化が図れる等により、経済的効果が高く、しかもスペースが少ないので作業環境の改善を図ることができる。
発明の開示
本発明のクーラント濾過装置は、工作機械から流出する切粉を含むクーラントが流入する液槽と、この液槽内に沈殿した切粉を吸引して排出するポンプを備えてなるクーラント濾過装置において、前記液槽が矩形であり、クーラントを前記液槽内で渦流を生じさせて沈殿物を液槽の中心部に集積せしめるために前記液槽の角部内側に部分円筒状の湾曲板を前記角部に沿って配置したことを特徴とする。
この湾曲板は、前記液槽の側板及び底板との間に隙間が形成されている。この湾曲板の利点は、これらの隙間の形成により、ダーティ液が層流状に流れるので角隅部の内側に異物が滞留、堆積しない。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の実施の形態を図面に示す実施例に基づいて説明する。図1は本発明に係るクーラント濾過装置の平面図、図2は本発明に係るクーラント濾過装置の模式図である。
図1及び図2に示すように、本発明の濾過装置は、工作機械(図示せず、以下、M/Cという。)のクーラント流出口7の下方に設けられており、クーラント流出口7から流出したクーラントを受ける矩形の液槽1(一次濾過装置)と2次濾過装置3とを備えている。
矩形の液槽1は隔壁2によりダーティ液が流入される濾過槽(一次濾過装置)1Aと濾過後のクリーン液が貯留される貯留槽1Bの二槽に区画されている。濾過槽1Aに流入するダーティ液から切粉を除去するためにセパレーター9が配置されている。セパレーター9は、磁性体の切粉を分離するマグネット式のセパレーターであるが、非磁性体の切粉ではセパレーター9は必要はない。
濾過槽1A内には、その中心部にクーラント、及び沈殿物排出用のポンプ4が設けられており、貯留槽1Bには、濾過済みのクーラントを再度工作機械に供給するポンプ5が設けられている。
ここで、濾過槽(一次濾過装置)1Aの四隅角部の内側には、湾曲板6が取付けられて曲面が形成されている。このような構造の濾過装置において、工作機械から流出した切粉を含むダーティ液は、先ず、濾過槽(一次濾過装置)1Aに流入し、ポンプ4によって2次濾過装置3へとポンプアップされる。
[湾曲板6]
図3(a),(b)に示すように、湾曲板6は、濾過槽1Aの四隅角部の内側に配置されているが、下部、及び背面部には隙間が配置されている。
湾曲板6の下部は、底板11との間で高さhの隙間(本例では約50mm)が形成されており、湾曲板6の背面は、側板10との間で隙間S(本例では約30mm)を形成するように、濾過槽1Aの4つの隅部に配置され濾過槽部材12に固定されている。
湾曲板6の上記の構成及び配置により、ダーティ液が濾過槽1Aに流入するとダーティ液が湾曲板6の表面14に沿って円滑に流れるので渦流が発生する。このとき、ダーティ液は、隙間Sの間にも層流として流れ込む。流れ込んだ水流は、4隅角部の内側に衝突して方向変換され、他方の隙間Sから流出する。
湾曲板6の下部には、高さhの隙間が形成されており上層と同様の流れが発生するので、切屑等の異物が下部の角隅部13に滞留することはない。
[濾過装置の作用]
次に、本発明濾過装置による切粉の分離作用について説明する。工作機械で使用された金属切粉などの異物粒子が混入されたダーティ液は、濾過槽1Aの角部又はその近傍に設けられた流入口8から濾過槽1A内に流入する。その際、ダーディ液は所定の流速をもって供給されるため、濾過槽1Aの角部内側に設けられた湾曲板6の曲面に倣って流動し、渦流を生じさせる。そしてダーティ液に含まれる金属切粉などの異物粒子は、旋回しながら液槽の中心部に集積する。
集積された沈殿物は、ポンプ4により吸引され2次濾過装置3へ導入されて全量濾過される。このように、本発明装置によれば、液槽内に渦流を発生させる装置を設けたり、液槽自体を円筒形状に形成することなく、ダーティ液の流入のみで渦流を発生させ、発生した渦流に乗って、切粉等の固体を液槽の中心部に集積させ、この集積した沈殿物をポンプ4により吸引して分離排出することができる。
また、工場等に設置した場合も、矩形の箱形であるから他の機械との間に無駄な隙間が発生することがなく、装置を小型化し且つ作業スペースを広くして作業環境の改善を図ることができる。
産業上の利用可能性
本発明のクーラント濾過装置は、切削、研削等の工作機械用クーラントの濾過に限らず、転造盤等の塑性加工機械のクーラントの濾過、洗浄機等の洗浄液の濾過にも使える。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明に係るクーラント濾過装置の平面図である。
図2は、本発明に係るクーラント濾過装置の模式図である。
図3(a),(b)は湾曲板6の部分拡大図であり、図3(a)は濾過槽1Aの蓋を外した状態の平面図であり、図3(b)は図3(a)のX−X線で切断したときの断面図である。
Claims (3)
- 工作機械から流出する切粉を含むクーラントが流入する液槽と、
この液槽内に沈殿した切粉を吸引して排出するポンプを備えてなるクーラント濾過装置において、
前記液槽が矩形であり、前記液槽の角部内側に湾曲板を前記角部に沿って配置すると共に、クーラントを前記液槽の角部又はこの近傍から流入させて前記液槽内に渦流を生じさせ、沈殿物を前記液槽の中心部に集積せしめる
ことを特徴とするクーラント濾過装置。 - 請求項1に記載のクーラント濾過装置において、
前記湾曲板は、前記液槽の側板との間に隙間が形成されている
ことを特徴とするクーラント濾過装置。 - 請求項1又は2に記載のクーラント濾過装置において、
前記湾曲板は、前記液槽の底板との間に隙間が形成されている
ことを特徴とするクーラント濾過装置。
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