JPWO2003069649A1 - 電極、電子放出素子およびそれを用いた装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は薄膜からの電子放出を利用する電極、電子放出素子に関するものである。
背景技術
冷陰極はフィールドエミッションディスプレー、電子ビーム露光機、マイクロ波進行波管、撮像素子等に応用できる。また、電子ビームを用いたオージェ電子分光装置等の材料評価装置の電子源としても用いることができる。更に、発光素子として照明装置や表示ランプにも用いることができ、様々な用途に対応できる。
従来、冷陰極としては金属やシリコンを用いて尖塔形状を作製したスピント型と呼ばれている電子放出素子が研究開発されてきたが、上記の応用に対して更に低電圧動作、高電流動作および素子の信頼性が要求され、スピント型冷陰極の特性改善や新しい冷陰極用材料の研究開発がすすめられている。ダイヤモンド、窒化アルミニウム、窒化ホウ素は負性電子親和力を有する材料として注目され、また、近年、カーボンナノチューブやカーボンナノファイバといった電界集中因子を大きくできる材料の合成がすすみ、低電圧での電子放出が観測され、フィールドエミッションディスプレイ等への応用が期待されている。しかしこれらのカーボンナノチューブやカーボンナノファイバからの電子放出特性における空間安定性について問題があった。今後更なる低電圧動作、高電流動作も望まれている。
このような状況でスピント型冷陰極の特性改善については表面への異なった材料のコーティングが検討されてきている。また、カーボンナノチューブやカーボンナノファイバからの電子放出時の空間安定性を向上させるためにもコーティング技術が注目される。これまでにいくつかの試みが為されているが、更に優れた電子放出特性の実現が望まれている。
本発明は上記の状況を鑑みてなされたもので、従来に優る電子放出特性をもった冷陰極を提供することを目的とする。
発明の開示
上記目的を達成するための本発明の電極は電子供給可能な下地材料上に膜があり、前記膜が電界を有し、前記下地材料からの電子がトンネルできる状態密度を有することを特徴とする。
また、前記膜内の電界が前記一材料内の負電荷と前記膜内の正電荷により形成されていることを特徴とする。
また、前記膜内の正電荷がアモルファス領域、結晶粒界、不純物原子の存在のいずれかにより生成されることを特徴とする。なお、正電荷の密度は高いほど好ましい。1×1017cm−3以上あれば効果的である。
また、厚さ30nm以下、電子親和力が4.0eV以下の膜を表面に有することを特徴とする。なお、膜の厚さは薄いほど好ましく、10nm以下でその効果が顕著になり、製造コストを考慮して3−5nmが好ましい。また、電子親和力としては3.5eV以下が好ましい。電子親和力は小さいほど好ましく、マイナスの値を取れば更に好ましい。
また、前記の膜がIII族原子と窒素原子の化合物、窒化ホウ素炭素、炭化ホウ素、窒化炭素、ホウ素を含む酸化物のいずれかであることを特徴とする。III族原子と窒素原子の二元化合物として窒化ホウ素(BN)、窒化アルミニウム(AIN)、窒化インジウム(InN)があげられ、それらの二元化合物を混晶にした多元化合物混晶も用いることができる。
また、前記の膜にシリコン、イオウ、リン、酸素、リチウムのいずれかの原子を含むことを特徴とする。かかる原子を含有する場合、フェルミ準位の上昇という効果を奏する。含有量としては原子%で0.001%−1%が好ましく0.01%−0.1%がより好ましい。
また、前記膜の表面に水素が存在することを特徴とする。表面に水素が存在する場合には、電子親和力の低下という効果が達成される。なお、表面に水素を存在させるためには、膜の堆積後、水素プラズマ処理を行えばよい。
また、前記の膜が凹凸を有するまたは尖塔形状を有する基板の表面に存在することを特徴とする。膜が凹凸または尖塔形状部を有する場合、膜内および膜表面での凹凸又は尖塔形状部で電界強度を上昇させるという効果が達成される。
また、前記の膜がカーボンナノチューブまたはカーボンナノファイバの表面に存在することを特徴とする。この場合には更に膜内および膜表面の電界強度が上昇するという効果を達成する。
また、本発明の電子放出装置は前記電極を陰極として備えたことを特徴とする。更に、本発明のプラズマディスプレイは前記電極を放電セルの電極として用いたことを特徴とする。
また、本発明の電子放出素子をフィールドエミッションディスプレイに用いた場合、低電圧動作、明瞭な画像を実現できる。
また、本発明の電子放出素子を電子ビーム露光装置に用いた場合、高解像度でスループットの向上した電子ビーム露光装置が実現できる。
また、本発明の電子放出素子をマイクロ波進行波管に用いた場合、高出力マイクロ波出力を得ることができる。
また、本発明の電子放出素子を撮像素子に用いた場合、明瞭な画像を実現できる。
また、本発明の電子放出素子を電子ビームを用いた材料評価装置に用いた場合、評価精度の向上が実現できる。
また、本発明の電極を発光素子の電極に用いることを特徴とする。本発明の電極を発光素子に用いた場合、高輝度で鮮明な発光が得られ、高品質な照明および表示が実現できる。
また、本発明の電極を用いた発光素子を液晶ディスプレイのバックライトに用いた場合、高輝度で消費電力の少ない液晶ディスプレイが実現できる。
発明を実施するための最良の形態
次に本発明の実施の形態について説明する。本発明による電極および電子放出装置は従来のシリコンやモリブデンで作製されるスピント型冷陰極、他の金属や半導体基板表面に凹凸を設けて作製される冷陰極、金属基板上にカーボンナノチューブやカーボンナノファイバを作製した冷陰極、および金属や半導体平坦基板に本発明に該当する膜を50nm以下の厚さに設ける。本発明の薄膜を設けることにより、前述の冷陰極の電子放出特性の改善および信頼性の向上に効果を発揮すると共に、作製の容易な平坦型電子放出装置の提供が可能となる。
(実施例)
以下に各々の基板上に作製する本発明の電子放出装置の実施例について、具体的に説明する。
(実施例1)
図1は本発明の第1実施例に係る電子放出装置の断面概略図を示す。実施例1の電子放出装置は基板1、窒化ホウ素薄膜2、SiOx膜3、引き出し電極4、アノード電極5、電源6、7、カソード電極8で構成されている。
基板1としてここではシリコンを用いた。その上に三塩化ホウ素と窒素ガスを用いたプラズマアシスト化学気相合成(CVD)法によって窒化ホウ素薄膜2を10nm堆積した。窒化ホウ素薄膜2にはイオウ原子を1×1018cm−3の濃度に添加した。次に、窒化ホウ素薄膜2上にSiOx薄膜3を800nm、および引き出し電極4用金属としてTi(20nm)/Au(500nm)を電子ビーム蒸着法で形成する。また、シリコン基板1の裏面にカソード電極8としてAL(500nm)を電子ビーム蒸着した。その後、フォトリソグラフィー工程を用いて、引き出し電極4用金属およびSiOx薄膜3をエッチングにより除去し、直径5μmの窓を形成する。窓の中に露出した窒化ホウ素薄膜2表面を水素プラズマで処理した後、真空チェンバー内でアノード電極5となる金属板を窒化ホウ素薄膜2に対向させ、その間隔を125μmとした。引き出し電極4を接地し、カソード電極8とアノード電極5に各々バイアスを加えて、8×10−7Torr以下の真空度で放出電流を測定した。アノード電圧を500Vと一定にし、カソード電圧を変化させた。カソード電極8に10V印可することにより電子放出が始まり、30V印可することにより0.1mAの高い放出電流が得られた。
平坦なシリコン基板上に窒化ホウ素薄膜を上記の方法で厚さ10nm堆積させ、引き出し電極4を作製しないで、窒化ホウ素薄膜とアノード電極5間を125μmと一定にして電子放出特性を調べ、更に膜表面の粗さを評価した。平坦なシリコン基板表面では0.3−0.7nmの表面粗さが評価され、10nmの厚さの窒化ホウ素膜では表面粗さが0.6−1.2nmと評価された。平坦なシリコン基板上で電界集中因子を1と仮定し、シリコンの電子親和力(4.05eV)が表面ポテンシャルに匹敵すると考えると、それと比べ、厚さ10nmの窒化ホウ素の場合、電界集中因子を過大評価して10と見積もっても実効的なポテンシャル障壁高さが0.6eV程度に評価され、本発明により顕著な実効的なポテンシャル障壁高さの低減が可能となり、電子放出しきい値電界の低下が期待できる。
窒化ホウ素膜以外の本発明に係る膜の導入により実効的なポテンシャル障壁高さを低減でき、電子放出特性の改善ができる。ここでは窒化ホウ素膜を用いたが、窒化ホウ素以外に本発明に係る材料は全て用いることができる。また、本実施例では窒化ホウ素膜をプラズマアシストCVD法により合成したが、有機金属化学気相合成(MOCVD)法、分子線エピタキシャル(MBE)法、スパッタリング法など様々な作製方法を用いることができる。
イオウ不純物を添加した窒化ホウ素薄膜2を用いたが、ドナー不純物となるリチウム、酸素、シリコン等の原子を添加した窒化ホウ素薄膜3を用いることもできる。上記の窒化ホウ素以外のIII族原子と窒素原子からなる化合物に対しても同様の不純物を用いることができる。
ここでは基板材料としてシリコンを用いたが、それ以外の金属、ガリウム砒素、インジウムリン、炭化珪素、窒化ガリウム等、様々な導体および半導体を用いても作製できる。また、引き出し電極4用金属としてTi/Auを用いたが、Tiの代わりにCr、Auの代わりには様々な金属を用いることができる。半導体基板を用いる場合にはオーミック電極形成可能な材料であればどのような金属でもカソード電極8用金属として用いる事ができ、導体基板を用いる場合には基板自身をカソード電極として用いることができる。
(実施例2)
図2は本発明の第2実施例に係る電子放出装置の断面概略図を示す。シリコン基板1上にスピント型尖塔形状が形成され、本発明の窒化ホウ素炭素膜が設けられた電子放出装置であり、基板21、窒化ホウ素炭素薄膜22、SiOx膜23、引き出し電極24、アノード電極25、電源26、27、カソード電極28、尖塔形状29で構成されている。
取り出し電極24を持つ尖塔形状29が作製されたn型シリコン基板1(111)を用い、尖塔形状部29に本発明の窒化ホウ素炭素薄膜22を形成する。プラズマアシスト化学気相合成法により三塩化ホウ素とメタンと窒素ガスを用いて窒化ホウ素炭素薄膜22(組成比、ホウ素0.4、炭素0.2、窒素0.4)を10nm堆積した。窒化ホウ素炭素薄膜22にはイオウ原子を1×1018cm−3の濃度に添加した。シリコン基板1の裏面にカソード電極28としてAl(500nm)を電子ビーム蒸着した。窒化ホウ素炭素薄膜22表面を水素プラズマで処理した後、真空チェンバー内でアノード電極25となる金属板を窒化ホウ素炭素薄膜22を有する尖塔形状部29に対向させ、その間隔を125μmとした。引き出し電極24を接地し、カソード電極28とアノード電極25に各々バイアスを加えて、8×10−7Torr以下の真空度で放出電流を測定した。アノード電圧を500Vと一定にし、カソード電圧を変化させた。カソード電極28に20V印可することにより0.1mAの高い放出電流が得られた。
ここでは窒化ホウ素炭素薄膜を用いたが、窒化ホウ素をはじめ前記の他の材料も用いることができる。
(実施例3)
図3は本発明の第3実施例に係る電子放出装置の断面概略図を示す。実施例3の電子放出装置はn型窒化ガリウム層30が形成されたシリコン基板31、窒化ホウ素炭素薄膜32、SiOx膜33、引き出し電極34、アノード電極35、電源36、37、カソード電極38で構成されている。
有機金属化学気相合成法によってn型シリコン基板31(111)面上にシリコン添加n型窒化ガリウム層30を1μm成長させたウエハーを基板として用いる。マイクロ波により水素プラズマを生成し、窒化ガリウム層30の表面を処理する。マイクロ波出力300W、水素流量を50sccm、ガス圧力40Torrに設定し、5分間処理を行う。水素プラズマ処理によって平坦な窒化ガリウム層30表面は数十nmの凹凸を有する表面に変化する。その上に三塩化ホウ素とメタンと窒素ガスを用いたプラズマアシスト化学気相合成法によって窒化ホウ素炭素薄膜32(組成比、ホウ素0.4、炭素0.2、窒素0.4)を10nm堆積した。窒化ホウ素炭素薄膜32にはイオウ原子を1×1018cm−3の濃度に添加した。次に、窒化ホウ素炭素薄膜32上にSiOx薄膜33を800nm、および引き出し電極34用金属としてTi(20nm)/Au(500nm)を電子ビーム蒸着法で形成する。また、シリコン基板31の裏面にカソード電極38としてAL(500nm)を電子ビーム蒸着した。その後、フォトリソグラフィー工程を用いて、引き出し電極34用金属およびSiOx薄膜33をエッチングにより除去し、直径5μmの窓を形成する。窓の中に露出した窒化ホウ素炭素薄膜32表面を水素プラズマで処理した後、真空チェンバー内でアノード電極35となる金属板を窒化ホウ素炭素薄膜32に対向させ、その間隔を125μmとした。引き出し電極34を接地し、カソード電極38とアノード電極35に各々バイアスを加えて、8×10−7Torr以下の真空度で放出電流を測定した。アノード電圧を500Vと一定にし、カソード電圧を変化させた。カソード電極38に30V印可することにより0.1mAの高い放出電流が得られた。
本実施例では水素プラズマ処理によって凹凸表面を作製したが、表面に凹凸を形成するためのプラズマを生成するガスとして酸素、塩素、フッ素等を含むガスも使用できる。プラズマの生成にはマイクロ波だけではなくRF電力を用いることもでき、プラズマ処理において試料にバイアスをかけることは表面形状の制御に有効である。
(実施例4)
図4は本発明の第4実施例に係る電子放出装置の断面概略図を示す。金属基板41上にカーボンナノファイバ40が形成され、本発明の窒化ホウ素炭素膜が設けられた電子放出装置であり、基板41、窒化ホウ素炭素薄膜42、SiOx膜43、引き出し電極44、アノード電極45、電源46、47で構成されている。
金属基板41上にカーボンナノファイバ40を作製し、その上に本発明の窒化ホウ素炭素薄膜42を形成する。プラズマアシスト化学気相合成法により三塩化ホウ素とメタンと窒素ガスを用いて窒化ホウ素炭素薄膜42(組成比、ホウ素0.4、炭素0.2、窒素0.4)を10nm堆積した。窒化ホウ素炭素薄膜42にはイオウ原子を1×1018cm−3の濃度に添加した。次に、窒化ホウ素炭素薄膜42上にSiOx薄膜43を800nm、および引き出し電極44用金属としてTi(20nm)/Au(500nm)を電子ビーム蒸着法で形成する。その後、フォトリソグラフィー工程を用いて、引き出し電極44用金属およびSiOx薄膜43をエッチングにより除去し、直径5μmの窓を形成する。窓の中に露出した窒化ホウ素炭素薄膜42表面を水素プラズマで処理した後、真空チェンバー内でアノード電極45となる金属板を窒化ホウ素炭素薄膜42に対向させ、その間隔を125μmとした。引き出し電極44を接地し、金属基板41をカソード電極とし、金属基板41とアノード電極45に各々バイアスを加えて、8×10−7Torr以下の真空度で放出電流を測定した。アノード電圧を500Vと一定にし、カソード電圧を変化させた。金属基板41に10V印可することにより0.1mAの高い放出電流が得られた。
実施例2〜4においても電子放出部の材料として実施例1で述べたように本発明に係るIII族原子と窒素原子の化合物、窒素ホウ素炭素、炭化ホウ素、窒化炭素、ホウ素を含む酸化物のいずれの材料も用いることができる。また、実施例1〜4において2つ以上の電子放出部を同一基板上に作製し、アレーを実現することができる。
(実施例5)
図5は本発明の第5実施例に係る電子放出素子を用いた発光素子の断面概略図を示す。金属基板51上にカーボンナノファイバ50が形成され、本発明の窒化ホウ素炭素膜が設けられた発光素子(ランプ)であり、基板51、窒化ホウ素炭素薄膜52、引き出し電極54、アノード電極55、カソード電極58、蛍光体510、ガラス管511で構成されている。
金属基板51上にカーボンナノファイバ50を作製し、その上に本発明の窒化ホウ素炭素薄膜52を形成する。プラズマアシスト化学気相合成法により三塩化ホウ素とメタンと窒素ガスを用いて窒化ホウ素炭素薄膜52(組成比、ホウ素0.4、炭素0.2、窒素0.4)を10nm堆積した。窒化ホウ素炭素薄膜42にはイオウ原子を1×1018cm−3の濃度に添加した。メッシュ上の引き出し電極54を付け、蛍光体510の上にアノード電極55が形成されたガラス管511の中に入れ、真空封入する。カソード電極58に対して引き出し電極54に400Vかけ、アノード電極55に10kV印可することにより500μAの電流が得られ光放射が観測された。
(実施例6)
図6は本発明の第6の実施例に係る電極を用いた有機発光素子の断面概略図を示す。ガラス基板61上にITO透明電極を用いて陽極62を形成し、その上に有機薄膜を用いて正孔輸送層63、発光層64を形成し、陰極65を本発明の窒化ホウ素薄膜66と小さい仕事関数を持つ金属(リチウムやマグネシウム)67で構成されている。本発明の陰極を用いることにより電子の注入効率を向上させることができ、発光特性が改善された有機発光素子が得られる。
(実施例7)
本発明の第4実施例の金属基板41上に形成するカーボンナノファイバ40のかわりに、ステンレス繊維または繊維片を用いて、第4実施例と同様に放出電流を測定したが第4実施例と同様の特性が得られた。
(実施例8)
本発明の第4実施例の金属基板41上に形成するカーボンナノファイバ40のかわりに、ホウ素と窒素によって形成された繊維又は繊維片を用いて、第4実施例と同様に放出電流を測定したが第4実施例よりも高い特性が得られた。
(実施例9)
本発明の第4実施例の金属基板41上に形成するカーボンナノファイバ40のかわりに、ホウ素と窒素と炭素によって形成された繊維又は繊維片を用いて、第4実施例と同様に放出電流を測定したが第8実施例よりも高いの特性が得られた。
産業上の利用可能性
以上説明したように、本発明による膜内に電界を有するIII族原子と窒素原子の化合物、窒化ホウ素炭素、炭化ホウ素、窒化炭素、ホウ素を含む酸化物のいずれかの膜を有する電子放出装置において低電圧動作、高電流動作が可能になり、凹凸や尖塔形状を有する基板上、又、カーボンナノチューブやカーボンナノファイバ上に本発明の膜を有することにより更にその効果は大きく、信頼性も向上する。これによって高性能電子放出装置が提供でき、表示装置、電子ビーム露光機、撮像装置、発光素子および電子ビームを用いた材料評価装置のキーデバイスとして効果的である。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の電子放出装置の実施例1を示す断面図
図2は、本発明の電子放出装置の実施例2を示す断面図
図3は、本発明の電子放出装置の実施例3を示す断面図
図4は、本発明の電子放出装置の実施例4を示す断面図
図5は、本発明の発光素子の実施例5を示す断面図
図6は、本発明の有機発光素子の実施例6を示す断面図
(符号の説明)
21、31、41、51・・基板
2、22、32、42、52・・膜
23、33、43・・SiOx膜
24、34、44、54・・引き出し電極
5、25、35、45、55・・アノード電極
6、26、36、7、27、37、46、47・・電源
8、28、38、58・・カソード電極
29・・尖塔部
30・・窒化ガリウム層
40、50・・カーボンナノチューブまたはカーボンナノファイバ
510・・蛍光体
511・・ガラス管
61・・ガラス基板
62・・陽極
63・・正孔輸送層
64・・発光層
65・・陰極
66・・窒化ホウ素薄膜
67・・金属
Claims (20)
- 下地材料付近の膜内に電界を有し、前記下地材料からの電子がトンネルできる状態密度が存在する膜を表面に有することを特徴とする電極。
- 前記膜内の電界が前記下地材料内の負電荷と前記膜内の正電荷により形成されていることを特徴とする請求項1記載の電極。
- 前記膜内の正電荷がアモルファス領域、結晶粒界、不純物原子の存在のいずれかにより生成されることを特徴とする請求項1、2記載の電極。
- 前記膜の厚さが50nm以下であることを特徴とする請求項1、2記載の電極。
- 前記膜の電子親和力が4.0eV以下であることを特徴とする請求項1、2記載の電極。
- 前記膜がIII族原子と窒素原子の化合物、窒化ホウ素炭素、炭化ホウ素、窒化炭素、ホウ素を含む酸化物のいずれかであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項記載の電極。
- 前記膜にシリコン、イオウ、リン、酸素、リチウムのいずれかの原子を含むことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項記載の電極。
- 前記膜の表面に水素が存在することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項記載の電極。
- 前記の膜が凹凸を有するまたは尖塔形状を有する基板の表面に存在することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項記載の電極。
- 前記膜がカーボンナノチューブまたはカーボンナノファイバの表面に存在することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項記載の電極。
- 前記膜が、ステンレス繊維または繊維片の表面に存在することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項記載の電極。
- 前記膜が、ホウ素と窒素によって形成された繊維又は繊維片の表面に存在することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項記載の電極。
- 前記膜が、ホウ素と窒素と炭素によって形成された繊維又は繊維片の表面に存在することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項記載の電極。
- 請求項1ないし13のいずれか1項記載の電極を冷陰極として用いたことを特徴とする電子放出装置。
- 請求項1ないし13のいずれか1項記載の電極を放電セルの電極として用いたことを特徴とするプラズマディスプレイ。
- 請求項15記載の電子放出素子を用いたことを特徴とするフィールドエミッションディスプレイ、電子ビーム露光装置、マイクロ波進行波管、撮像素子、電子ビームを用いた材料評価装置。
- 請求項15記載の電子放出素子を用いたことを特徴とする発光素子。
- 請求項17記載の発光素子を用いたことを特徴とする照明装置、液晶ディスプレイのバックライト、表示ランプ。
- 請求項1ないし13のいずれか1項記載の電極を用いたことを特徴とする有機発光装置。
- 請求項19記載の有機発光装置を用いたことを特徴とする表示装置。
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