JPWO2003048528A1 - 発電用ガスタービンの動翼の補修方法及び補修後のタービン動翼 - Google Patents

発電用ガスタービンの動翼の補修方法及び補修後のタービン動翼 Download PDF

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Abstract

動翼の損傷を補修するための交換用の部品を事前に用意しておき、動翼に損傷が生じると、その損傷箇所を含むように損傷部位を交換用の部品と同形状に切り取り、その動翼の切り取り面に交換用の部品を溶接により接合する。このとき、交換用の部品の形状及び損傷部位の切り取り形状を、動翼の切り取り面の一部が複数の冷却流路の一部を横切り、動翼の切り取り面の他の一部が複数の冷却流路と平行に冷却流路間の1つの壁部内を通過するように設定し、かつ交換用の部品の内部に複数の冷却流路を形成する。また、動翼の切り取り面に開口する複数の冷却流路の開口部と交換用の部品の接合面に開口する複数の冷却流路の開口部を各冷却流路の直径よりも拡大する。これにより補修が容易となり、補修時の作業効率に優れ、補修期間を短縮し補修費用を削減できる。また、補修にともない内部の冷却流路が閉塞されたり流路が狭まることがなく、補修後も適切な冷却を行える。

Description

技術分野
本発明は発電用ガスタービンの動翼の補修方法及び補修後のタービン動翼に係わり、特に、燃焼ガスの膨張の際に発生する運動エネルギーを回転動力へ変換する発電用ガスタービンの動翼の補修方法及び補修後のタービン動翼に関する。
背景技術
発電用ガスタービンのタービン動翼は、燃焼ガスの膨張の際に発生する運動エネルギーを外表面に受けて回転動力へ変換するために外表面は高温となる。また、動翼内部には翼部を冷却するための空洞の流路(冷却流路)が複雑に設けられているために内表面は低温となる。その結果、高温の燃焼ガスにさらされる領域と冷却が図られる領域間の温度差は大きくなるため、高熱応力が発生する傾向にある。
このように過酷な環境に曝される動翼は、熱疲労及びクリープなど最も損傷が発生しやすく、タービンの寿命を律する部品となっている。
このような動翼の補修方法としては、従来次のようなものがある。
従来一般に採用されている補修方法としては、動翼の外表面にき裂が生じた場合に、当該き裂へ肉盛溶接を行い、仕上げ加工を行うものがある。
特開平9−168927号公報には、Ni及びCo基超合金からなるガスタービン用の動翼又は静翼の割れ発生部を補修する方法として、割れ発生部を削除後、同部に動翼又は静翼材と同質の保持板を当てがうと同時に、その間にろう材を挿入し、ろう付け接合し、更にそのろう付け表面部をレーザ溶接する方法が開示されている。
特開2000−356102号公報には、蒸気タービンの動翼の補修方法において、動翼の損傷箇所を含む部位を切除し、その動翼の切除面に継ぎ当て部品を接合し、動翼を補修する方法が記載されている。この補修方法では、継ぎ当て部品として削り代のあるものを用い、動翼の切除面に接合後、その継ぎ当て部品を含め動翼の既存表面の計測データを収集し、その後その計測データに基づき既存表面に適合しかつ翼形としての目標形状に近い適合形状を定め、その適合形状となるよう削り代のある継ぎ当て部品の余剰部分を削り取る。
一方、特開2001−207803号公報にはタービン静翼の補修方法が開示されている。この補修方法は、例えばシュラウドが翼部と接合している部分など、予め亀裂が発生する確率が高い部位を想定して予備品を用意しておき、当該部位に亀裂が発生したときその部位を切り取り、予備品に置き換え、溶接により接合する。
また、動翼の補修方法ではないが、補修の容易さを考慮した翼構造を開示するものとして、特開昭58−148201号公報、特開平5−321602号公報、特開平11−22407号公報などがある。
発明の開示
近年、ガスタービン設備においては、夏場の電力需要の増大に対応するために出力の増大化が、また省エネルギーを目的とした高効率化が求められるようになってきた。
出力の増大化の手段としては、ガスタービンの環状流路面積、すなわち寸法の増大化が図られる傾向にある。また、高効率化の手段としては、圧縮機圧力比の上昇、及び燃焼温度の向上が採用される傾向にある。これらはいずれもガスタービン動翼に作用する温度及び荷重の増加に直結するために、ガスタービン動翼は今後更に高温、高遠心荷重環境下に曝される事が予想され、必然的に強度の向上及び長寿命化が求められている。
さらに近年、電力料金の値下げに対する社会的な要望が強まってきている中で、発電コストの低減が急務となっている。特に燃焼器やタービン動静翼などの高温部品の補修費用は、ガスタービンの補修費用の多くを占めており、補修期間及び工数の短縮が求められている。
しかしながら、上記従来技術ではそのような課題を十分に解決することができない。
上記従来技術のうち、従来一般に採用されている補修方法では、発生したき裂に対してひとつひとつ肉盛溶接を施工するために、作業効率の向上には限界があり、補修に長期間を要していた。また、同じ部位に複数回き裂が発生した場合には、他に健全な部位が存在しても、補修回数によって部品としての寿命が定められてしまうために補修費用の削減に対しては十分とは言えない。
特開平9−168927号公報の補修方法も、肉盛溶接の代わりに保持板を用いろう付けし、更にレーザ溶接するものであり、肉盛溶接の場合と同様の問題がある。
特開2000−356102号公報に記載の補修方法では、動翼にき裂が多数発生した場合、それらのき裂を含む部位を丸ごと継ぎ当て部品に交換できるため、き裂をひとつひとつ肉盛溶接で補修する方法に比べ、作業効率の向上が期待できる。しかし、この従来技術では、継ぎ当て部品として削り代のあるものを用い、動翼に接合後、既存表面の計測データ収集して適合形状を決定し、継ぎ当て部品の余剰部分を削り取る工程が必要である。したがって、溶接後の工数が多く、必ずしも作業効率が優れているとは言ない。このため補修期間は長期化せざるを得ない。
また、上述したように、発電用ガスタービンの動翼の翼部内部には冷却流路が複雑に設けられているため、補修にともない内部の冷却流路が閉塞されたり流路が狭まってしまうと、冷却不足となって動翼温度が上昇し、溶融などの重要な損傷が生じる。
特開2000−356102号公報に記載の補修方法は、冷却流路のない蒸気タービンの動翼の補修を対象とするものであり、補修時の冷却流路に関する問題を解決することはできない。
一方、特開2001−207803号公報に記載の補修方法はタービン動翼でなく静翼の補修を対象としているものである。仮にこの補修方法をタービン動翼に適用した場合、予備品は予め亀裂が発生する確率が高い部位を想定して用意しておくものであるため、予備品の形状を当該部位の形状に合わせておくことによりき裂の発生部位を予備品に置き換えた後の工程は不要であるか最少にできるものと考えられる。しかし、この従来技術では、補修対象として静翼シュラウドなどの冷却流路のない部材を想定しており、特開2000−356102号公報に記載の補修方法と同様、補修時の冷却流路に関する問題を解決することはできない。
また、溶接に伴う溶接線は、母材よりも強度が低下するため、溶接線に作用する荷重を考慮し補修後の強度を確保する必要がある。
特開昭58−148201号公報、特開平5−321602号公報、特開平11−22407号公報に記載の翼構造は、パーツを交換することで翼の補修が可能である。しかし、翼構造が特殊であり、一般的な動翼には適用できない。
本発明の第1の目的は、補修が容易であり、補修時の作業効率に優れ、補修期間を短縮し補修費用を削減できる発電用ガスタービンの動翼の補修方法及び補修後のタービン動翼を提供することである。
本発明の第2の目的は、補修が容易であり、かつ補修にともない内部の冷却流路が閉塞されたり流路が狭まることがなく、補修後も適切な冷却を行える発電用ガスタービンの動翼の補修方法及び補修後のタービン動翼を提供することである。
本発明の第3の目的は、補修が容易であり、かつ補修後の強度を確保できる発電用ガスタービンの動翼の補修方法及び補修後のタービン動翼を提供することである。
(1)上記第1及び第2の目的を解決するために、本発明は、大気から吸い込んだ空気を断熱圧縮して圧縮空気を生成する圧縮機、前記圧縮空気に燃料を混合し燃焼することで高温高圧の燃焼ガスを生成する燃焼器、前記燃焼ガスの膨張の際に回転動力を発生するタービンとを備え、このタービンの各動翼の内部にタービン径方向に伸びる複数の冷却流路を形成した発電用ガスタービンの動翼の補修方法において、前記動翼の損傷を補修するための交換用の部品を事前に用意しておくこと、前記動翼に損傷が生じると、その損傷箇所を含むように損傷部位を前記交換用の部品と同形状に切り取り、その動翼の切り取り面に前記交換用の部品を溶接により接合すること、前記交換用の部品の形状及び前記損傷部位の切り取り形状を、前記動翼の切り取り面の少なくとも一部が前記複数の冷却流路の少なくとも一部を横切るように設定し、かつ前記交換用の部品の内部に複数の冷却流路を形成すること、前記動翼の切り取り面に開口する複数の冷却流路の開口部と前記交換用の部品の接合面に開口する複数の冷却流路の開口部の少なくとも一方を各冷却流路の直径よりも拡大することの各手順を有するものとする。
このように交換用の部品を事前に用意しておき、損傷部位を交換用の部品と同形状に切り取ることにより、交換用の部品の接合後は簡単な後処理を行うだけで済み、補修が極めて容易となる。その結果、補修時の作業効率が優れ、補修期間を短縮し補修費用を削減することができる。
また、動翼の切り取り面に開口する複数の冷却流路の開口部と交換用の部品の接合面に開口する複数の冷却流路の開口部の少なくとも一方を各冷却流路の直径よりも拡大することにより、切断誤差或いは溶接時の位置ずれが生じても流路が塞がったり狭まったりすることがなくなり、補修後も冷却媒体の流れを阻害することなく適切な冷却を行うことができる。
(2)また、上記第1及び第2の目的を達成するために、本発明は、大気から吸い込んだ空気を断熱圧縮して圧縮空気を生成する圧縮機、前記圧縮空気に燃料を混合し燃焼することで高温高圧の燃焼ガスを生成する燃焼器、前記燃焼ガスの膨張の際に回転動力を発生するタービンとを備え、このタービンの各動翼の内部にタービン径方向に伸びる複数の冷却流路を形成した発電用ガスタービンの動翼の補修方法において、前記動翼の損傷を補修するための交換用の部品を事前に用意しておくこと、前記動翼に損傷が生じると、その損傷箇所を含むように損傷部位を前記交換用の部品と同形状に切り取り、その動翼の切り取り面に前記交換用の部品を溶接により接合すること、前記交換用の部品の形状及び前記損傷部位の切り取り形状を、前記動翼の切り取り面の一部が前記複数の冷却流路と平行に冷却流路間の1つの残肉部内を通過するように設定することの各手順を有するものとする。
これにより上記(1)で述べたように補修が容易となるので、補修時の作業効率が優れ、補修期間を短縮し補修費用を削減することができる。
また、交換用の部品の形状及び損傷部位の切り取り形状を、動翼の切り取り面の一部が複数の冷却流路と平行に冷却流路間の1つの残肉部内を通過するように設定することにより、溶接後の裏ビードが冷却流路に露出することを回避でき、溶接裏ビードによる冷却流路の狭まりを防止することができる。また、溶接裏ビードに起因する応力集中部のない高品質、高強度の溶接が可能となる。
(3)更に、上記第1及び第2の目的を達成するために、本発明は、大気から吸い込んだ空気を断熱圧縮して圧縮空気を生成する圧縮機、前記圧縮空気に燃料を混合し燃焼することで高温高圧の燃焼ガスを生成する燃焼器、前記燃焼ガスの膨張の際に回転動力を発生するタービンとを備え、このタービンの各動翼の内部にタービン径方向に伸びる複数の冷却流路を形成した発電用ガスタービンの動翼の補修方法において、前記動翼の損傷を補修するための交換用の部品を事前に用意しておくこと、前記動翼に損傷が生じると、その損傷箇所を含むように損傷部位を前記交換用の部品と同形状に切り取り、その動翼の切り取り面に前記交換用の部品を溶接により接合すること、前記交換用の部品の形状及び前記損傷部位の切り取り形状を、前記動翼の切り取り面の一部が前記複数の冷却流路の一部を横切り、前記動翼の切り取り面の他の一部が前記複数の冷却流路と平行に冷却流路間の1つの壁部内を通過するように設定し、かつ前記交換用の部品の内部に複数の冷却流路を形成すること、前記動翼の切り取り面に開口する複数の冷却流路の開口部と前記交換用の部品の接合面に開口する複数の冷却流路の開口部の少なくとも一方を各冷却流路の直径よりも拡大することの各手順を有するものとする。
これにより上記(1)及び(2)で述べたように補修が容易となるので、補修時の作業効率が優れ、補修期間を短縮し補修費用を削減することができるとともに、補修にともない内部の冷却流路が閉塞されたり流路が狭まることがなく、補修後も適切な冷却を行うことができる。
(4)また、上記第1及び第3の目的を達成するために、本発明は、大気から吸い込んだ空気を断熱圧縮して圧縮空気を生成する圧縮機、前記圧縮空気に燃料を混合し燃焼することで高温高圧の燃焼ガスを生成する燃焼器、前記燃焼ガスの膨張の際に回転動力を発生するタービンとを備え、このタービンの各動翼の内部にタービン径方向に伸びる複数の冷却流路を形成した発電用ガスタービンの動翼の補修方法において、前記動翼の損傷を補修するための交換用の部品を事前に用意しておくこと、前記動翼に損傷が生じると、その損傷箇所を含むように損傷部位を前記交換用の部品と同形状に切り取り、その動翼の切り取り面に前記交換用の部品を溶接により接合すること、前記交換用の部品の形状及び前記損傷部位の切り取り形状を、前記動翼の切り取り面の少なくとも一部が前記複数の冷却流路の少なくとも一部を横切ように設定し、かつ前記動翼の切り取り面をタービン径方向に対して任意の角度で傾け、これに対応して前記交換用の部品との接合面における溶接線を傾けたことの各手順を有するものとする。
これにより上記(1)で述べたように補修が容易となるので、補修時の作業効率が優れ、補修期間を短縮し補修費用を削減することができる。
また、動翼の切り取り面をタービン径方向に対して任意の角度で傾けることにより、交換用の部品との接合面における溶接線も同様に傾斜するため、溶接面積が増大し、溶接線の法線方向に作用する荷重が低減する。これにより溶接強度が増大し、補修後の強度を確保することができる。
(5)上記(4)の補修方法は、好ましくは、前記交換用の部品の内部に複数の冷却流路を形成すること、前記動翼の切り取り面に開口する複数の冷却流路の開口部と前記交換用の部品の接合面に開口する複数の冷却流路の開口部の少なくとも一方を各冷却流路の直径よりも拡大することの各手順を更に有するものとする。
これにより上記(1)で述べたように、切断誤差或いは溶接時の位置ずれが生じても流路が塞がったり狭まったりすることがなくなり、補修後も冷却媒体の流れを阻害することなく適切な冷却を行うことができる。
(6)また、上記(4)又は(5)の補修方法は、好ましくは、前記交換用の部品の形状及び前記損傷部位の切り取り形状を、前記動翼の切り取り面の一部が前記複数の冷却流路の一部を横切り、前記動翼の切り取り面の他の一部が前記複数の冷却流路と平行に冷却流路間の1つの壁部内を通過するように設定し、かつ前記交換用の部品の内部に複数の冷却流路を形成したことの各手順を更に有するものとする。
これにより上記(2)で述べたように、溶接後の裏ビードが冷却流路に露出することを回避でき、溶接裏ビードによる冷却流路の狭まりを防止することができる。また、溶接裏ビードに起因する応力集中部のない高品質、高強度の溶接が可能となる。
(7)更に、上記(1)〜(4)の補修方法において、好ましくは、前記タービンの新設計時は他の機種の動翼の損傷データを元に前記動翼の損傷箇所を予測し、この損傷箇所を含むように前記損傷部位の切り取り形状を設定し、同機種のタービンが既に稼動し、その動翼の実際の損傷データが得られるときは、その損傷データを元に前記動翼の損傷箇所を予測し、この損傷箇所を含むように前記損傷部位の切り取り形状を設定する。
このようにタービンの新設計時は他の機種の動翼の損傷データを元に動翼の損傷箇所を予測し、損傷部位の切り取り形状を設定することにより、新設計時であっても交換用の部品の形状及び損傷部位の切り取り形状を適切に設定し、補修を行うことができる。また、同機種のタービンが既に稼動し、その動翼の実際の損傷データが得られるときは、その損傷データを元に動翼の損傷箇所を予測し、この損傷箇所を含むように損傷部位の切り取り形状及び交換用の部品の形状を設定することにより、損傷部位の切り取り形状は実際に損傷が著しい箇所を含むように適正化され、より適切な補修が可能となる。
(8)また、上記第1及び第2の目的を達成するために、本発明は、大気から吸い込んだ空気を断熱圧縮して圧縮空気を生成する圧縮機、前記圧縮空気に燃料を混合し燃焼することで高温高圧の燃焼ガスを生成する燃焼器、前記燃焼ガスの膨張の際に回転動力を発生するタービンとを備え、このタービンの各動翼の内部にタービン径方向に伸びる複数の冷却流路を形成した発電用ガスタービンの補修後のタービン動翼において、前記動翼の一部が切り取られ、その代わりに交換用の部品が溶接により接合されており、前記動翼の切り取り面と交換用の部品との接合面の少なくとも一部が前記複数の冷却流路の少なくとも一部を横切り、かつ前記交換用の部品の内部に複数の冷却流路が形成されており、前記動翼の切り取り面に開口する複数の冷却流路の開口部と前記交換用の部品の接合面に開口する複数の冷却流路の開口部の少なくとも一方が各冷却流路の直径よりも拡大されているものとする。
(9)更に、上記第1及び第2の目的を達成するために、本発明は、大気から吸い込んだ空気を断熱圧縮して圧縮空気を生成する圧縮機、前記圧縮空気に燃料を混合し燃焼することで高温高圧の燃焼ガスを生成する燃焼器、前記燃焼ガスの膨張の際に回転動力を発生するタービンとを備え、このタービンの各動翼の内部にタービン径方向に伸びる複数の冷却流路を形成した発電用ガスタービンの補修後のタービン動翼において、前記動翼の一部が切り取られ、その代わりに交換用の部品が溶接により接合されており、前記動翼の切り取り面と交換用の部品との接合面の一部が前記複数の冷却流路と平行に冷却流路間の1つの残肉部内を通過するものとする。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
図1は、本発明が適用される発電用ガスタービンのタービン動翼の外観を示す図である。
図1において、タービン動翼は全体を符号1で示されており、この動翼1は翼部2と、翼部2の内周側を支持するプラットホーム部3と、プラットホーム部3の内周側に設けられ、タービンホイールの外周部に加工された植込み溝へ嵌合されるファーツリー部4とで構成されている。また、動翼1の内部には、動翼1の高さ方向(動翼1をタービンに組み込んだ状態で見た場合はタービン径方向)に伸びる複数の冷却流路5a〜5eが設けられている。
冷却流路5a〜5eは開放型であり、冷却流路5aは翼部2の前縁部6に位置し、翼部2の外周端で開口し、冷却流路5b,5c,5dは翼部2の中央部に位置し、それぞれ翼部外周側と内周側でつながり、サーペインタイン状の流路構成を提供すると共に、冷却流路5dは翼部2の外周端で開口し、冷却流路5eは翼部2の後縁部7に位置し、翼部2の後縁端に開口する複数の小穴8に連通している。冷却流路5aを流れる冷却媒体は翼部2の前縁部6を冷却した後、翼部外周端の開口からタービン流路へ放出される。冷却流路5bを流れる冷却媒体は冷却流路5c,5dを通過し、翼部2の中央部を冷却した後、翼部外周端の開口からタービン流路へ放出される。冷却流路5eを流れる冷却媒体は翼部2の前縁部7を冷却した後、複数の小穴8からタービン流路へ放出される。
図2に発電用ガスタービンの一般的な構造を断面図で示す。ガスタービンは、大きく分けて、圧縮機101、燃焼器102及びタービン103から構成されている。圧縮機101は大気から吸い込んだ空気を作動流体として断熱圧縮し、燃焼器102は圧縮機101から供給された圧縮空気に燃料を混合し燃焼することで高温高圧のガスを生成し、タービン3は燃焼器2から導入した燃焼ガスの膨張の際に回転動力を発生する。タービン3からの排気は大気中に放出される。タービン3にて発生した回転動力から圧縮機1を駆動する動力を差し引いた残りの動力が、ガスタービンの発生動力となり発電機(図示せず)を駆動する。
タービン103は複数のタービンホイール104を備え、各タービンホイール104の外周部に上述した動翼1が多数リング状に取り付けられている。また、タービン103はケーシング105の内側に多数リング状に設けられたタービン静翼106を有し、動翼1と静翼106は交互に配置されている。
本発明は、以上のような発電用ガスタービンの動翼1を補修するものである。以下、本発明の一実施の形態に係わる動翼の補修方法を図3〜図11を用いて説明する。本実施の形態は動翼の外周側前端部に生じたき裂を補修する場合のものである。
まず、本実施の形態に係わる補修方法の基本的な流れを図3〜図7を用いて説明する。
図3に示すように、動翼1の翼部2の外周側前縁部6aにき裂9が生じた場合には、まず、図4及び図5に示すようにき裂9を含む損傷部位10を切り取る。このとき、図6に示すように、翼部2の外周側前縁部6aに生じたき裂9を補修するための交換用の部品11を事前に用意しておく。損傷部位10の切り取り形状はこの交換用の部品11と同形状に設定して切り取る。次いで、図7に示すように翼部2の切り取り面に交換用の部品11を溶接し、バリ取り等の簡単な後処理を行い補修を完了する。
以上において、交換用の部品11は事前に用意しておくものであり、また損傷部位10の切り取り形状を交換用の部品11と同形状に設定して切り取るものである。このため、交換用の部品11の接合後は簡単な後処理を行うだけで済み、補修が極めて容易となる。その結果、補修時の作業効率が優れ、補修期間を短縮し補修費用を削減することができる。
次に、き裂9を含む損傷部位10の切り取り形状と冷却通路との関係について図8及び図9並びに図10A〜図10Cを用いて説明する。
図8は損傷部位10を切り取る前の動翼1の正面図、図9は損傷部位10を切り取った後の動翼1及び交換用の部品11の正面図である。
動翼1にはタービン径方向に伸びる複数の冷却流路5a〜5eが設けられている。損傷部位10を切り取るとき、切り取り面の少なくとも一部は冷却流路5a〜5eのいずれかを横切らざるを得ない。図示の例では、冷却流路5a,5dに交差する面15と動翼高さ方向に延びる面16の2面で損傷部位10を切り取っており、交換用の部品11は切り取り面15,16に対応してこれに組合わさる接合面17,18を有する形状となっている。交換用の部品11の内部には切り取った損傷部位10の冷却流路5a,5dと同様な冷却流路19,20が形成されている。
また、翼部2の切り取り面15に開口する冷却流路5a,5dの開口部と交換用の部品11の接合面17に開口する冷却流路19,20の開口部には流路径を増加させた拡大部21,22が形成されている。動翼高さ方向に延びる切り取り面16は、冷却流路5a〜5eと平行に冷却流路5c,5d間の残肉部25の中を通過するよう位置している。
ここで、上記のように冷却流路5a,5dに交差する面15を含むように損傷部位10を切り取る場合、切断誤差或いは交換用の部品11の接合時の位置づれなどにより冷却流路5a,5bが閉塞されたり流路面積が狭まってしまう可能性がある。冷却流路5a,5bが閉塞されると動翼温度が上昇し、溶融などの重要な損傷が生じる。冷却流路5a,5bの面積が狭まった場合でも、圧損が増大し、冷却不足となり、同様の問題を生じる。
本実施の形態では、翼部2の切り取り面15に開口する冷却流路5a,5dの開口部と交換用の部品11の接合面17に開口する冷却流路19,20の開口部に拡大部21,22を形成しており、これにより切断誤差或いは溶接時の位置ずれが生じても流路が塞がったり狭まったりすることがなくなり、補修後も冷却媒体の流れを阻害することなく適切な冷却を維持することができる。なお、流路開口部の拡大部は翼部2側と交換用の部品11側のいずれか一方に設けられてもよく、この場合でもある程度の効果は期待できる。流路開口部の拡大部をいずれか一方に設ける場合は、補修期間の短縮のために、事前に用意してある交換用の部品11側に設けることが好ましい。
動翼高さ方向に延びる切り取り面16に関し、これが冷却流路を通るかどうかは交換用の部品11の溶接の品質に影響を及ぼす。
図10Aに動翼1の翼部2の横断面を示す。翼部2にはタービン径方向に伸びる複数の冷却流路5a〜5eが設けられている。
図10Bは、動翼高さ方向に延びる切り取り面16が冷却流路5c,5d間の残肉部25の中を通過する場合の交換用の部品11の溶接後の状態を示す図である。切り取り面16が冷却流路5c,5d間の残肉部25の中を通過するので、溶接部30もそれに対応した位置にある。この場合、例えば電子ビーム溶接若しくは液相拡散接合を用いることで、溶接部30の幅を狭い範囲に制御することが可能であり、冷却流路に溶接裏ビードが露出することがない。このため溶接裏ビードによる冷却流路の狭まりを防止することができる。また、溶接裏ビードに起因する応力集中部のない高品質、高強度の溶接が可能となる。
図10Cは、比較例として、動翼高さ方向に延びる切断面16を冷却流路5dの中を通過するものとした場合の交換用の部品11の溶接後の状態を示す図である。この場合、そのまま交換用の部品11を溶接すると溶接部31に裏ビードが生じ、これが冷却流路5dに露出するため、冷却流路が狭まり、冷却能力に影響を及ぼす。また、溶接裏ビードに起因する応力集中部が生成され、溶接強度が低下する可能性がある。これを防止するためには、図示のように冷却流路5d内に鋳物砂で中子32を配置することが考えられる。しかし、この場合は、中子32の配置や溶接後の中子32の取り出しが必要となり、工数が増え、補修修期間が長くなる。
このように動翼高さ方向に延びる切り取り面16を冷却流路5a〜5eと平行に冷却流路5c,5d間の残肉部25の中を通過させることにより、高品質、高強度の溶接が可能となりかつ補修期間も短縮することができる。
次に、交換用の部品11及びき裂9を含む部位10の形状の設計方法について説明する。
タービン103の新設計時は動翼1の損傷(き裂の発生箇所)に関するデータがない。そこで、この場合は、他の機種の動翼の損傷データを参考にし、このデータや冷却性能の解析結果などを用いて動翼1の損傷箇所を予測し、この損傷箇所を含むように損傷部位10の切り取り形状を定め、それに合わせて交換用の部品11の形状を定める。
タービン103と同機種のタービンが既に稼動し、その同機種のタービンの動翼の損傷データを収集できる場合は、その損傷データを用いて動翼1の損傷箇所を予測し、この損傷箇所を含むように損傷部位の切り取り形状を定め、それに合わせて交換用の部品11の形状を定める。
図4〜図7に示した損傷部位10の切り取り形状及び交換用の部品11の形状は、タービン103の新設計時のものである。
図11に同機種のタービンが既に稼動し、その同機種のタービンの動翼の損傷データを収集できる場合の損傷部位の切り取り形状を示す。交換用の部品もこれと同じ形状となるよう設計する。図11では、同機種の損傷データから実際に損傷が著しい箇所を含むように損傷部位10Aの切り取り形状が定められ、適正化されている。これによりより適切な補修が可能となる。
また、図11の例では、冷却流路5a,5dを横切る切り取り線15をタービン径方向に対して任意の角度で傾けており、その結果、交換用の部品11を接合した後の対応する溶接線も同様に傾斜する。ここで、動翼1の回転時、タービン径方向には遠心力が働く。切り取り線15をタービン径方向に対して傾け、溶接線を同様に傾けることにより溶接面積が増大し、溶接線の法線方向に作用する荷重が低減する。これにより溶接強度が増大し、補修後の強度を確保することができる。
以上の動翼補修方法において、動翼の切り取り部分及び交換用の部品に、ジルコニアなどのセラミックスをプラズマスプレーにより被覆して熱遮蔽コーティングを施工することが好ましく、これにより溶接により強度が低下する部位及び損傷が発生しやすい部品の冷却強化を図ることができる。また、熱遮蔽コーティングと施工される動翼表面の中間に、ニッケル、コバルト、クロム、アルミニウム、イットリアなどからなる金属コーティングを施工してもよく、これによりセラミックと金属からなる動翼の熱膨張差を吸収することができる。
また、以上の動翼補修方法において、動翼1及び交換用の部品15は溶接可能な材料からなる。この動翼材料及び交換用の部品材料としては、例えば酸化物分散強化型材料を用いることが好ましい。酸化物分散強化型材料としては、例えば、Ni,Cr,W,Mo,Ta,NiAl,NiTiAlなどの金属粉末に、高温長時間使後でも形態変化が生じにくいYなどを微細かつ均一に混合、分散させ、この粉末を固めた後に結晶を成長させたものである。
また、以上の動翼補修方法において、動翼材料及び交換用の部品材料として一方向凝固材料或いは単結晶材料を用いてもよい。一方向凝固材料としては、例えばNi,Cr,Mo,Co,W,Ta,Alなどからなり、凝固が一方向に制御されていくつかの結晶が冷却面に垂直に成長することで柱状晶が形成されたものである。単結晶材料としては、さらに柱状に成長していく複数の結晶から任意の結晶粒を選択的に成長させることで形成されるものである。ただし、一方向凝固材料若しくは単結晶材料を用いる場合には溶接される部材(動翼側)と溶接する部材(交換用の部品側)の結晶の方位をそろえる必要がある。
タービン動翼の外周側前端部以外の箇所にき裂が生じた場合の補修方法について図12〜図18により説明する。
図12及び図13は、タービン動翼1の翼部2の内周側前縁部6bにき裂9が生じた場合の補修方法を示す図であり、図12はタービン新設計時のもの、図13は同機種のタービンが既に稼動しておりその動翼の損傷データを収集できる場合のものである。これらの場合も、交換用の部品を事前に用意しておき、この交換用の部品と同形状に動翼1の翼部2のき裂9を含む損傷部位40又は40Aを切り取り、その部分に交換用の部品を溶接する。これにより損傷部位40又は40Aの補修を容易に行うことができる。
また、前述したように、タービン新設計時は、損傷部位40の切り取り形状を(及び交換用の部品の形状)を暫定的に定め、それに合わせて交換用の部品の形状を定める。同機種のタービンが既に稼動しておりその動翼の損傷データを収集できる場合は、その損傷データを用いて動翼1の損傷箇所を予測し、この損傷箇所を含むように損傷部位40Aの切り取り形状(及び交換用の部品の形状)を定め、それに合わせて交換用の部品の形状を定める。これにより同機種の損傷データから損傷部位40Aの切り取り形状が適正化され、適切な補修が可能となる。
図14及び図15は、タービン動翼1の翼部2の内周側後縁部7aにき裂9が生じた場合の補修方法を示す図であり、図14はタービン新設計時のもの、図15は同機種のタービンが既に稼動しておりその動翼の損傷データを収集できる場合のものである。これらの場合も、交換用の部品を事前に用意しておき、この交換用の部品と同形状に動翼1の翼部2のき裂9を含む損傷部位41又は41Aを切り取り、その部分に交換用の部品を溶接する。これにより損傷部位41又は41Aの補修を容易に行うことができる。
また、前述したように、タービン新設計時は、損傷部位41の切り取り形状を(及び交換用の部品の形状)を暫定的に定め、それに合わせて交換用の部品の形状を定める。同機種のタービンが既に稼動しておりその動翼の損傷データを収集できる場合は、その損傷データを用いて動翼1の損傷箇所を予測し、この損傷箇所を含むように損傷部位41Aの切り取り形状を定め、それに合わせて交換用の部品の形状を定める。これにより同機種の損傷データから損傷部位41Aの切り取り形状が適正化され、適切な補修が可能となる。
図16及び図17は、タービン動翼1の翼部2の外周側後縁部7bにき裂9が生じた場合の補修方法を示す図であり、図16はタービン新設計時のもの、図15は同機種のタービンが既に稼動しておりその動翼の損傷データを収集できる場合のものである。これらの場合も、交換用の部品を事前に用意しておき、この交換用の部品と同形状に動翼1の翼部2のき裂9を含む損傷部位42又は42Aを切り取り、その部分に交換用の部品を溶接する。これにより損傷部位42又は42Aの補修を容易に行うことができる。
また、前述したように、タービン新設計時は、損傷部位42の切り取り形状を(及び交換用の部品の形状)を暫定的に定め、それに合わせて交換用の部品の形状を定める。同機種のタービンが既に稼動しておりその動翼の損傷データを収集できる場合は、その損傷データを用いて動翼1の損傷箇所を予測し、この損傷箇所を含むように損傷部位42Aの切り取り形状を定め、それに合わせて交換用の部品の形状を定める。これにより同機種の損傷データから損傷部位42Aの切り取り形状が適正化され、適切な補修が可能となる。
図18は、タービン動翼1の内周側プラットホーム部3にき裂7が生じた場合の補修方法を示す図である。この場合も、交換用の部品を事前に用意しておき、この交換用の部品と同形状に動翼1の翼部2のき裂9を含む損傷部位43を切り取り、その部分に交換用の部品を溶接する。これにより損傷部位43の補修を容易に行うことができる。
以上の実施の形態は、開放型の冷却流路5a〜5eを持つ動翼に本発明を適用した場合のものであるが、回収形の冷却流路を持つ動翼に本発明を適用してもよい。図19はその一例示すものである。
図19において、動翼1Aの内部には、動翼1Aの高さ方向(動翼1Aをタービンに組み込んだ状態で見た場合はタービン径方向)に伸びる複数の冷却流路50a〜50fが設けられている。冷却流路50aは翼部2Aの前縁部6に位置し、冷却流路50b,50c,50dは翼部2Aの中央部に位置し、冷却流路50a〜50dはそれぞれ翼部外周側と内周側でつながり、サーペインタイン状の流路構成を提供し、冷却流路50e,50fは翼部2Aの後縁部7に位置し、翼部2Aの外周側でつながっている。冷却流路50aから供給された冷却媒体は翼部2Aの前縁部6を冷却した後、冷却流路50b,50c,50dを流れて翼部2Aの中央部を冷却し、冷却流路50dから回収される。冷却流路50eから供給された冷却媒体は冷却流路50eから冷却流路50fへと流れ翼部2Aの前縁部7を冷却した後、冷却流路50fから回収される。
このような回収形の冷却流路50a〜50fを持つ動翼1Aに対しても、上記の実施の形態と同様に交換用の部品を用いて動翼の補修を行うことができ、この場合も上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。
産業上の利用可能性
本発明によれば、交換用の部品を事前に用意しておき、損傷部位を交換用の部品と同形状に切り取るので、交換用の部品の接合後は簡単な後処理を行うだけで済み、補修が極めて容易となる。その結果、補修時の作業効率が優れ、補修期間を短縮し補修費用を削減することができる。
また、動翼の切り取り面に開口する複数の冷却流路の開口部と交換用の部品の接合面に開口する複数の冷却流路の開口部の少なくとも一方を各冷却流路の直径よりも拡大するので、切断誤差或いは溶接時の位置ずれが生じても流路が塞がったり狭まったりすることがなくなり、補修後も冷却媒体の流れを阻害することなく適切な冷却を行うことができる。
また、本発明によれば、交換用の部品の形状及び損傷部位の切り取り形状を、動翼の切り取り面の一部が複数の冷却流路と平行に冷却流路間の1つの残肉部内を通過するように設定するので、溶接後の裏ビードが冷却流路に露出することを回避でき、溶接裏ビードによる冷却流路の狭まりを防止することができる。また、溶接裏ビードに起因する応力集中部のない高品質、高強度の溶接が可能となる。
更に、本発明によれば、動翼の切り取り面をタービン径方向に対して任意の角度で傾けるので、交換用の部品の溶接線も同様に傾斜するため、溶接面積が増大し、溶接線の法線方向に作用する荷重が低減する。これにより溶接強度が増大し、補修後の強度を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明が適用される発電用ガスタービンのタービン動翼の外観及び冷却流路構成を示す図である。
図2は、発電用ガスタービンの一般的な構造を示す断面図である。
図3は、動翼の翼部の外周側前縁部にき裂が生じた場合の動翼の外観図である。
図4は、動翼の翼部の外周側前縁部にき裂が生じた場合の切り取り箇所であるき裂を含む部位を示す動翼の外観図である。
図5は、図4に示したき裂を含む部位を切り取った後の動翼の外観図である。
図6は、き裂を含む部位を切り取った後、その部分に交換用の部品を配置するときの動翼の外観図である。
図7は、き裂を含む部位を切り取った部分に交換用の部品を溶接により接合した後の動翼の外観図である。
図8は、き裂を含む部位を切り取る前の動翼の正面図である。
図9は、き裂を含む部位を切り取った後の動翼及び交換用の部品の正面図である。
図10Aは、動翼の翼部の横断面図である。
図10Bは、動翼高さ方向に延びる切断面が冷却流路間の残肉部の中を通過する場合の溶接方法を示す図である。
図10Cは、比較例として、動翼高さ方向に延びる切断面が冷却流路の中を通過する場合の溶接方法を示す図である。
図11は、同機種のタービンが既に稼動し、その動翼の損傷データを収集できる場合の損傷箇所を含む部位の形状を示す動翼の外観図である。
図12及び図13は、タービン動翼の翼部の内周側前縁部にき裂が生じた場合の補修方法を示す図である。
図14及び図15は、タービン動翼の翼部の内周側後縁部にき裂が生じた場合の補修方法を示す図である。
図16及び図17は、タービン動翼の翼部の外周側後縁部にき裂が生じた場合の補修方法を示す図である。
図18は、タービン動翼の内周側プラットホーム部にき裂が生じた場合の補修方法を示す図である。
図19は、回収形の冷却流路を持つ動翼の外観及び冷却流路構成を示す図である。
【0005】
前記交換用の部品の接合面に開口する複数の冷却流路の開口部の少なくとも一方を各冷却流路よりも拡大することの各手順を有するものとする。
このように交換用の部品を事前に用意しておき、損傷部位を交換用の部品と同形状に切り取ることにより、交換用の部品の接合後は簡単な後処理を行うだけで済み、補修が極めて容易となる。その結果、補修時の作業効率が優れ、補修期間を短縮し補修費用を削減することができる。
また、動翼の切り取り面に開口する複数の冷却流路の開口部と交換用の部品の接合面に開口する複数の冷却流路の開口部の少なくとも一方を各冷却流路よりも拡大することにより、切断誤差或いは溶接時の位置ずれが生じても流路が塞がったり狭まったりすることがなくなり、補修後も冷却媒体の流れを阻害することなく適切な冷却を行うことができる。
(2)また、上記第1及び第2の目的を達成するために、本発明は、大気から吸い込んだ空気を断熱圧縮して圧縮空気を生成する圧縮機、前記圧縮空気に燃料を混合し燃焼することで高温高圧の燃焼ガスを生成する燃焼器、前記燃焼ガスの膨張の際に回転動力を発生するタービンとを備え、このタービンの各動翼の内部にタービン径方向に伸びる複数の冷却流路を形成した発電用ガスタービンの動翼の補修方法において、前記動翼の損傷を補修するための交換用の部品を事前に用意しておくこと、前記動翼に損傷が生じると、その損傷箇所を含むように損傷部位を前記交換用の部品と同形状に切り取り、その動翼の切り取り面に前記交換用の部品を溶接により接合すること、前記交換用の部品の形状及び前記損傷部位の切り取り形状を、前記動翼の切り取り面の一部が前記複数の冷却流路と平行に冷却流路間の1つの残肉部内を通過するように設定することの各手順を有するものとする。
これにより上記(1)で述べたように補修が容易となるので、補修時の作業効率が優れ、補修期間を短縮し補修費用を削減することができる。
また、交換用の部品の形状及び損傷部位の切り取り形状を、動翼の切り取り面の一部が複数の冷却流路と平行に冷却流路間の1つの残肉部内を通過するように設定することにより、溶接後の裏ビードが冷却流路に露出することを回避でき、溶接裏ビードによる冷却流路の狭まりを防止することができる。また、溶接裏ビ
【0006】
ードに起因する応力集中部のない高品質、高強度の溶接が可能となる。
(3)更に、上記第1及び第2の目的を達成するために、本発明は、大気から吸い込んだ空気を断熱圧縮して圧縮空気を生成する圧縮機、前記圧縮空気に燃料を混合し燃焼することで高温高圧の燃焼ガスを生成する燃焼器、前記燃焼ガスの膨張の際に回転動力を発生するタービンとを備え、このタービンの各動翼の内部にタービン径方向に伸びる複数の冷却流路を形成した発電用ガスタービンの動翼の補修方法において、前記動翼の損傷を補修するための交換用の部品を事前に用意しておくこと、前記動翼に損傷が生じると、その損傷箇所を含むように損傷部位を前記交換用の部品と同形状に切り取り、その動翼の切り取り面に前記交換用の部品を溶接により接合すること、前記交換用の部品の形状及び前記損傷部位の切り取り形状を、前記動翼の切り取り面の一部が前記複数の冷却流路の一部を横切り、前記動翼の切り取り面の他の一部が前記複数の冷却流路と平行に冷却流路間の1つの壁部内を通過するように設定し、かつ前記交換用の部品の内部に複数の冷却流路を形成すること、前記動翼の切り取り面に開口する複数の冷却流路の開口部と前記交換用の部品の接合面に開口する複数の冷却流路の開口部の少なくとも一方を各冷却流路よりも拡大することの各手順を有するものとする。
これにより上記(1)及び(2)で述べたように補修が容易となるので、補修時の作業効率が優れ、補修期間を短縮し補修費用を削減することができるとともに、補修にともない内部の冷却流路が閉塞されたり流路が狭まることがなく、補修後も適切な冷却を行うことができる。
(4)また、上記第1及び第3の目的を達成するために、本発明は、大気から吸い込んだ空気を断熱圧縮して圧縮空気を生成する圧縮機、前記圧縮空気に燃料を混合し燃焼することで高温高圧の燃焼ガスを生成する燃焼器、前記燃焼ガスの膨張の際に回転動力を発生するタービンとを備え、このタービンの各動翼の内部にタービン径方向に伸びる複数の冷却流路を形成した発電用ガスタービンの動翼の補修方法において、前記動翼の損傷を補修するための交換用の部品を事前に用意しておくこと、前記動翼に損傷が生じると、その損傷箇所を含むように損傷部位を前記交換用の部品と同形状に切り取り、その動翼の切り取り面に前記交換用の部品を溶接により接合すること、前記交換用の部品の形状及び前記損傷部位の
【0007】
切り取り形状を、前記動翼の切り取り面の少なくとも一部が前記複数の冷却流路の少なくとも一部を横切ように設定し、かつ前記動翼の切り取り面をタービン径方向に対して任意の角度で傾け、これに対応して前記交換用の部品との接合面における溶接線を傾けたことの各手順を有するものとする。
これにより上記(1)で述べたように補修が容易となるので、補修時の作業効率が優れ、補修期間を短縮し補修費用を削減することができる。
また、動翼の切り取り面をタービン径方向に対して任意の角度で傾けることにより、交換用の部品との接合面における溶接線も同様に傾斜するため、溶接面積が増大し、溶接線の法線方向に作用する荷重が低減する。これにより溶接強度が増大し、補修後の強度を確保することができる。
(5)上記(4)の補修方法は、好ましくは、前記交換用の部品の内部に複数の冷却流路を形成すること、前記動翼の切り取り面に開口する複数の冷却流路の開口部と前記交換用の部品の接合面に開口する複数の冷却流路の開口部の少なくとも一方を各冷却流路よりも拡大することの各手順を更に有するものとする。
これにより上記(1)で述べたように、切断誤差或いは溶接時の位置ずれが生じても流路が塞がったり狭まったりすることがなくなり、補修後も冷却媒体の流れを阻害することなく適切な冷却を行うことができる。
(6)また、上記(4)又は(5)の補修方法は、好ましくは、前記交換用の部品の形状及び前記損傷部位の切り取り形状を、前記動翼の切り取り面の一部が前記複数の冷却流路の一部を横切り、前記動翼の切り取り面の他の一部が前記複数の冷却流路と平行に冷却流路間の1つの壁部内を通過するように設定し、かつ前記交換用の部品の内部に複数の冷却流路を形成したことの各手順を更に有するものとする。
これにより上記(2)で述べたように、溶接後の裏ビードが冷却流路に露出することを回避でき、溶接裏ビードによる冷却流路の狭まりを防止することができる。また、溶接裏ビードに起因する応力集中部のない高品質、高強度の溶接が可能となる。
(7)更に、上記(1)〜(4)の補修方法において、好ましくは、前記ター
【0008】
ビンの新設計時は他の機種の動翼の損傷データを元に前記動翼の損傷箇所を予測し、この損傷箇所を含むように前記損傷部位の切り取り形状を設定し、同機種のタービンが既に稼動し、その動翼の実際の損傷データが得られるときは、その損傷データを元に前記動翼の損傷箇所を予測し、この損傷箇所を含むように前記損傷部位の切り取り形状を設定する。
このようにタービンの新設計時は他の機種の動翼の損傷データを元に動翼の損傷箇所を予測し、損傷部位の切り取り形状を設定することにより、新設計時であっても交換用の部品の形状及び損傷部位の切り取り形状を適切に設定し、補修を行うことができる。また、同機種のタービンが既に稼動し、その動翼の実際の損傷データが得られるときは、その損傷データを元に動翼の損傷箇所を予測し、この損傷箇所を含むように損傷部位の切り取り形状及び交換用の部品の形状を設定することにより、損傷部位の切り取り形状は実際に損傷が著しい箇所を含むように適正化され、より適切な補修が可能となる。
(8)また、上記第1及び第2の目的を達成するために、本発明は、大気から吸い込んだ空気を断熱圧縮して圧縮空気を生成する圧縮機、前記圧縮空気に燃料を混合し燃焼することで高温高圧の燃焼ガスを生成する燃焼器、前記燃焼ガスの膨張の際に回転動力を発生するタービンとを備え、このタービンの各動翼の内部にタービン径方向に伸びる複数の冷却流路を形成した発電用ガスタービンの補修後のタービン動翼において、前記動翼の一部が切り取られ、その代わりに交換用の部品が溶接により接合されており、前記動翼の切り取り面と交換用の部品との接合面の少なくとも一部が前記複数の冷却流路の少なくとも一部を横切り、かつ前記交換用の部品の内部に複数の冷却流路が形成されており、前記動翼の切り取り面に開口する複数の冷却流路の開口部と前記交換用の部品の接合面に開口する複数の冷却流路の開口部の少なくとも一方が各冷却流路よりも拡大されているものとする。
(9)更に、上記第1及び第2の目的を達成するために、本発明は、大気から吸い込んだ空気を断熱圧縮して圧縮空気を生成する圧縮機、前記圧縮空気に燃料を混合し燃焼することで高温高圧の燃焼ガスを生成する燃焼器、前記燃焼ガスの膨張の際に回転動力を発生するタービンとを備え、このタービンの各動翼の内部
【0012】
補修が極めて容易となる。その結果、補修時の作業効率が優れ、補修期間を短縮し補修費用を削減することができる。
次に、き裂9を含む損傷部位10の切り取り形状と冷却通路との関係について図8及び図9並びに図10A〜図10Cを用いて説明する。
図8は損傷部位10を切り取る前の動翼1の正面図、図9は損傷部位10を切り取った後の動翼1及び交換用の部品11の正面図である。
動翼1にはタービン径方向に伸びる複数の冷却流路5a〜5eが設けられている。損傷部位10を切り取るとき、切り取り面の少なくとも一部は冷却流路5a〜5eのいずれかを横切らざるを得ない。図示の例では、冷却流路5a,5dに交差する面15と動翼高さ方向に延びる面16の2面で損傷部位10を切り取っており、交換用の部品11は切り取り面15,16に対応してこれに組合わさる接合面17,18を有する形状となっている。交換用の部品11の内部には切り取った損傷部位10の冷却流路5a,5dと同様な冷却流路19,20が形成されている。
また、翼部2の切り取り面15に開口する冷却流路5a,5dの開口部と交換用の部品11の接合面17に開口する冷却流路19,20の開口部には流路を拡大した拡大部21,22が形成されている。動翼高さ方向に延びる切り取り面16は、冷却流路5a〜5eと平行に冷却流路5c,5d間の残肉部25の中を通過するよう位置している。
ここで、上記のように冷却流路5a,5dに交差する面15を含むように損傷部位10を切り取る場合、切断誤差或いは交換用の部品11の接合時の位置づれなどにより冷却流路5a,5bが閉塞されたり流路面積が狭まってしまう可能性がある。冷却流路5a,5bが閉塞されると動翼温度が上昇し、溶融などの重要な損傷が生じる。冷却流路5a,5bの面積が狭まった場合でも、圧損が増大し、冷却不足となり、同様の問題を生じる。
本実施の形態では、翼部2の切り取り面15に開口する冷却流路5a,5dの開口部と交換用の部品11の接合面17に開口する冷却流路19,20の開口部に拡大部21,22を形成しており、これにより切断誤差或いは溶接時の位置ずれが生じても流路が塞がったり狭まったりすることがなくなり、補修後も冷却媒
【0018】
済み、補修が極めて容易となる。その結果、補修時の作業効率が優れ、補修期間を短縮し補修費用を削減することができる。
また、動翼の切り取り面に開口する複数の冷却流路の開口部と交換用の部品の接合面に開口する複数の冷却流路の開口部の少なくとも一方を各冷却流路よりも拡大するので、切断誤差或いは溶接時の位置ずれが生じても流路が塞がったり狭まったりすることがなくなり、補修後も冷却媒体の流れを阻害することなく適切な冷却を行うことができる。
また、本発明によれば、交換用の部品の形状及び損傷部位の切り取り形状を、動翼の切り取り面の一部が複数の冷却流路と平行に冷却流路間の1つの残肉部内を通過するように設定するので、溶接後の裏ビードが冷却流路に露出することを回避でき、溶接裏ビードによる冷却流路の狭まりを防止することができる。また、溶接裏ビードに起因する応力集中部のない高品質、高強度の溶接が可能となる。
更に、本発明によれば、動翼の切り取り面をタービン径方向に対して任意の角度で傾けるので、交換用の部品の溶接線も同様に傾斜するため、溶接面積が増大し、溶接線の法線方向に作用する荷重が低減する。これにより溶接強度が増大し、補修後の強度を確保することができる。

Claims (9)

  1. 大気から吸い込んだ空気を断熱圧縮して圧縮空気を生成する圧縮機、前記圧縮空気に燃料を混合し燃焼することで高温高圧の燃焼ガスを生成する燃焼器、前記燃焼ガスの膨張の際に回転動力を発生するタービンとを備え、このタービンの各動翼の内部にタービン径方向に伸びる複数の冷却流路を形成した発電用ガスタービンの動翼の補修方法において、
    前記動翼の損傷を補修するための交換用の部品を事前に用意しておくこと、
    前記動翼に損傷が生じると、その損傷箇所を含むように損傷部位を前記交換用の部品と同形状に切り取り、その動翼の切り取り面に前記交換用の部品を溶接により接合すること、
    前記交換用の部品の形状及び前記損傷部位の切り取り形状を、前記動翼の切り取り面の少なくとも一部が前記複数の冷却流路の少なくとも一部を横切るように設定し、かつ前記交換用の部品の内部に複数の冷却流路を形成すること、
    前記動翼の切り取り面に開口する複数の冷却流路の開口部と前記交換用の部品の接合面に開口する複数の冷却流路の開口部の少なくとも一方を各冷却流路の直径よりも拡大することを特徴とする発電用ガスタービンの動翼の補修方法。
  2. 大気から吸い込んだ空気を断熱圧縮して圧縮空気を生成する圧縮機、前記圧縮空気に燃料を混合し燃焼することで高温高圧の燃焼ガスを生成する燃焼器、前記燃焼ガスの膨張の際に回転動力を発生するタービンとを備え、このタービンの各動翼の内部にタービン径方向に伸びる複数の冷却流路を形成した発電用ガスタービンの動翼の補修方法において、
    前記動翼の損傷を補修するための交換用の部品を事前に用意しておくこと、
    前記動翼に損傷が生じると、その損傷箇所を含むように損傷部位を前記交換用の部品と同形状に切り取り、その動翼の切り取り面に前記交換用の部品を溶接により接合すること、
    前記交換用の部品の形状及び前記損傷部位の切り取り形状を、前記動翼の切り取り面の一部が前記複数の冷却流路と平行に冷却流路間の1つの残肉部内を通過するように設定することを特徴とする発電用ガスタービンの動翼の補修方法。
  3. 大気から吸い込んだ空気を断熱圧縮して圧縮空気を生成する圧縮機、前記圧縮空気に燃料を混合し燃焼することで高温高圧の燃焼ガスを生成する燃焼器、前記燃焼ガスの膨張の際に回転動力を発生するタービンとを備え、このタービンの各動翼の内部にタービン径方向に伸びる複数の冷却流路を形成した発電用ガスタービンの動翼の補修方法において、
    前記動翼の損傷を補修するための交換用の部品を事前に用意しておくこと、
    前記動翼に損傷が生じると、その損傷箇所を含むように損傷部位を前記交換用の部品と同形状に切り取り、その動翼の切り取り面に前記交換用の部品を溶接により接合すること、
    前記交換用の部品の形状及び前記損傷部位の切り取り形状を、前記動翼の切り取り面の一部が前記複数の冷却流路の一部を横切り、前記動翼の切り取り面の他の一部が前記複数の冷却流路と平行に冷却流路間の1つの壁部内を通過するように設定し、かつ前記交換用の部品の内部に複数の冷却流路を形成すること、
    前記動翼の切り取り面に開口する複数の冷却流路の開口部と前記交換用の部品の接合面に開口する複数の冷却流路の開口部の少なくとも一方を各冷却流路の直径よりも拡大することを特徴とする発電用ガスタービンの動翼の補修方法。
  4. 大気から吸い込んだ空気を断熱圧縮して圧縮空気を生成する圧縮機、前記圧縮空気に燃料を混合し燃焼することで高温高圧の燃焼ガスを生成する燃焼器、前記燃焼ガスの膨張の際に回転動力を発生するタービンとを備え、このタービンの各動翼の内部にタービン径方向に伸びる複数の冷却流路を形成した発電用ガスタービンの動翼の補修方法において、
    前記動翼の損傷を補修するための交換用の部品を事前に用意しておくこと、
    前記動翼に損傷が生じると、その損傷箇所を含むように損傷部位を前記交換用の部品と同形状に切り取り、その動翼の切り取り面に前記交換用の部品を溶接により接合すること、
    前記交換用の部品の形状及び前記損傷部位の切り取り形状を、前記動翼の切り取り面の少なくとも一部が前記複数の冷却流路の少なくとも一部を横切ように設定し、かつ前記動翼の切り取り面をタービン径方向に対して任意の角度で傾け、これに対応して前記交換用の部品との接合面における溶接線を傾けたことを特徴とする発電用ガスタービンの動翼の補修方法。
  5. 請求項4記載の発電用ガスタービンの動翼の補修方法において、
    前記交換用の部品の内部に複数の冷却流路を形成すること、
    前記動翼の切り取り面に開口する複数の冷却流路の開口部と前記交換用の部品の接合面に開口する複数の冷却流路の開口部の少なくとも一方を各冷却流路の直径よりも拡大することを特徴とする発電用ガスタービンの動翼の補修方法。
  6. 請求項4又は5記載の発電用ガスタービンの動翼の補修方法において、
    前記交換用の部品の形状及び前記損傷部位の切り取り形状を、前記動翼の切り取り面の一部が前記複数の冷却流路の一部を横切り、前記動翼の切り取り面の他の一部が前記複数の冷却流路と平行に冷却流路間の1つの壁部内を通過するように設定し、かつ前記交換用の部品の内部に複数の冷却流路を形成したことを特徴とする発電用ガスタービンの動翼の補修方法。
  7. 請求項1〜4のいずれか1項記載の発電用ガスタービンの動翼の補修方法において、前記タービンの新設計時は他の機種の動翼の損傷データを元に前記動翼の損傷箇所を予測し、この損傷箇所を含むように前記損傷部位の切り取り形状を設定し、同機種のタービンが既に稼動し、その動翼の実際の損傷データが得られるときは、その損傷データを元に前記動翼の損傷箇所を予測し、この損傷箇所を含むように前記損傷部位の切り取り形状を設定することを特徴とする発電用ガスタービンの動翼の補修方法。
  8. 大気から吸い込んだ空気を断熱圧縮して圧縮空気を生成する圧縮機、前記圧縮空気に燃料を混合し燃焼することで高温高圧の燃焼ガスを生成する燃焼器、前記燃焼ガスの膨張の際に回転動力を発生するタービンとを備え、このタービンの各動翼の内部にタービン径方向に伸びる複数の冷却流路を形成した発電用ガスタービンの補修後のタービン動翼において、
    前記動翼の一部が切り取られ、その代わりに交換用の部品が溶接により接合されており、
    前記動翼の切り取り面と交換用の部品との接合面の少なくとも一部が前記複数の冷却流路の少なくとも一部を横切り、かつ前記交換用の部品の内部に複数の冷却流路が形成されており、
    前記動翼の切り取り面に開口する複数の冷却流路の開口部と前記交換用の部品の接合面に開口する複数の冷却流路の開口部の少なくとも一方が各冷却流路の直径よりも拡大されていることを特徴とする発電用ガスタービンの補修後のタービン動翼。
  9. 大気から吸い込んだ空気を断熱圧縮して圧縮空気を生成する圧縮機、前記圧縮空気に燃料を混合し燃焼することで高温高圧の燃焼ガスを生成する燃焼器、前記燃焼ガスの膨張の際に回転動力を発生するタービンとを備え、このタービンの各動翼の内部にタービン径方向に伸びる複数の冷却流路を形成した発電用ガスタービンの補修後のタービン動翼において、
    前記動翼の一部が切り取られ、その代わりに交換用の部品が溶接により接合されており、
    前記動翼の切り取り面と交換用の部品との接合面の一部が前記複数の冷却流路と平行に冷却流路間の1つの残肉部内を通過することを特徴とする発電用ガスタービンの補修後のタービン動翼。
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